JP2002013620A - 車両質量推定装置 - Google Patents

車両質量推定装置

Info

Publication number
JP2002013620A
JP2002013620A JP2000196796A JP2000196796A JP2002013620A JP 2002013620 A JP2002013620 A JP 2002013620A JP 2000196796 A JP2000196796 A JP 2000196796A JP 2000196796 A JP2000196796 A JP 2000196796A JP 2002013620 A JP2002013620 A JP 2002013620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle mass
vehicle
acceleration
driving force
shift
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000196796A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Harada
浩二 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP2000196796A priority Critical patent/JP2002013620A/ja
Publication of JP2002013620A publication Critical patent/JP2002013620A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より高い精度で車両質量を推定し得るよ
うにした車両質量推定装置を提供する。 【解決手段】 車速に関する情報に基づき加速度を算出
する加速度算出部1と、車両の運転状態に関する情報に
基づき車両の駆動力を算出する駆動力算出部2と、前記
加速度算出部1から変速時における変速前の加速度及び
変速中の減速度を導き且つ前記駆動力算出部2で算出さ
れた変速前の駆動力を変速前の加速度から変速中の減速
度を減算した値で除算して車両質量を求める車両質量算
出部3とにより車両質量推定装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両質量推定装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トレーラを牽引するトラクタや
大型トラックのように車両質量(負荷)が大きく変動す
るような車両の変速機では、変速段を高速側と低速側と
に切り替えるための副変速機が設けられており、例え
ば、荷物を積載して走行するような高負荷時に、副変速
機を低速段側に切り替えることにより駆動輪に伝達され
る駆動トルクの増大を図り、空車状態で走行するような
低負荷時には、副変速機を高速段側に切り替えることに
より燃費の向上を図り得るようにしてある。
【0003】このような副変速機付きの多段変速機にお
いては、手動変速機の場合と同様の機械式のクラッチ
と、このクラッチを断接するクラッチ用アクチュエータ
と、ギヤのシフト位置を切り替えるシフト用アクチュエ
ータと、ギヤのセレクト位置を切り替えるセレクト用ア
クチュエータとを備え、主として走行中にクラッチペダ
ルを踏むことなく変速シフトを行なえるようにした機械
式の自動変速装置(若しくは適宜にマニュアルモードに
切替え可能な半自動変速装置)が既に開発されている。
【0004】ただし、従来におけるこの種の自動変速装
置においては、車速とアクセル開度とによる二次元マッ
プを制御マップとして目標変速段及び変速タイミングを
一義的に設定するようにしていたため、このような変速
制御に車両の負荷変化が十分に反映されないという不具
合があり、自動変速されたギヤと実際の走行状態とが適
切にマッチしないことが多かった。
【0005】このため、車両の現在の負荷状態を制御パ
ラメータとして制御装置に入力し、車両の負荷状態を反
映させた変速制御を実用化することが検討されている
が、例えば、車両の負荷の一要因を成す車両質量を把握
する場合、従来においては、軸重センサにより車体を車
軸に対して支持するバネの変位を測定することで車両質
量を推定するようにしていた。
【0006】ところが、このような車両質量の推定装置
にあっては、バネ定数が車種毎に異なることにより軸重
センサの定数を車種毎に設定する必要があって割高にな
るという不具合があり、又、特にトラクタの場合には、
トラクタ側の軸重センサのみで全体の質量を計測するこ
とができないために、連結されたトレーラ側にも個別に
軸重センサを設けなければならないという不具合があっ
た。
【0007】このような不具合に対し、本発明者は、車
種を選ばずに車両の質量を推定できる質量推定装置とし
て特願平10−248615号を既に出願しており、こ
の先行出願の質量推定装置においては、変速前後の加速
度により車両質量を推定するようにしている。
【0008】即ち、一般的に、質量の大きさは物体の動
き難さに比例するので、その物体を動かそうとする力を
与えてから一定の速度に達するまでの間の加速度を測定
することにより物体の質量を推定できるが、その物体が
置かれた条件により質量による要素以外にも物体の動き
難さに作用する要素が存在していることを考慮する必要
があり、例えば、ある物体を摩擦係数の大きな平面上に
置いた場合には、この物体が動く時に摩擦による抵抗が
発生するため、この摩擦が物体の動き難さに作用する要
素になり、加速度を測定することにより正確な質量の推
定値を得ることが困難になる。
【0009】そこで、本発明者による先行出願の発明で
は、変速前後の加速度を用いて走行抵抗による質量推定
の誤差を排除するための連立方程式を立てるようにして
おり、以下に先行出願における車両質量の推定方式につ
いて原理的に説明すると、車両が走行する際における加
速度は、車両質量及び走行抵抗を夫々未知数とする方程
式により表すことができるので、異なる駆動力による変
速前後の加速度を夫々計測し、少なくとも二つの異なる
加速度に対して車両質量及び走行抵抗を未知数とする連
立方程式を立て、この連立方程式を解くことにより車両
質量及び走行抵抗を分離して求めることができるように
している。
【0010】そこで、変速前後の駆動力をF1、F2
し、変速前後の加速度を夫々α1、α2とし、主として路
面勾配による車両の走行抵抗(車輪のころがり抵抗や風
圧抵抗も含む)をRとする時、変速前の実質的な余裕牽
引力はF1−Rとなり、従来周知の運動方程式により一
つ目の関係式(1)
【数1】F1−R=W×α1…(1) が成り立ち、又、変速後の実質的な余裕牽引力はF2
Rとなり、従来周知の運動方程式により二つ目の関係式
(2)
【数2】F2−R=W×α2…(2) が成り立つ。
【0011】そして、関係式(1)−関係式(2)によ
り下記の関係式(3)
【数3】W=(F1−F2)/(α1−α2)…(3) が得られるので、エンジントルクに基づき変速前後の駆
動力F1、F2を夫々算出すると共に、車速に基づき変速
前後の加速度α1、α2を夫々算出して、上記の関係式
(3)に代入すれば、車両質量Wを推定することが可能
となる。
【0012】斯かる車両質量の推定方式によれば、予め
車両に備えられている各種センサの出力から判るエンジ
ントルクや車速を用いて、変速前後の駆動力F1、F2
び加速度α1、α2を夫々算出するだけで車両の質量を推
定することができ、この推定方式を実現するために車両
に新たに備える装置としては、演算を行うためのコンピ
ュータ装置だけで済むので、このコンピュータ装置のハ
ードウェアは各種の車両に共通のものとすることがで
き、これによって、車種を選ばずに車両の質量を推定す
ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た如き車両質量の推定手段においては、変速前後の駆動
力F1、F2及び加速度α1、α2から車両質量を推定する
ようにしているため、駆動力F1、F2及び加速度α1
α2が夫々近い値となり、誤差の影響を受け易いという
問題があった。
【0014】即ち、一般的に、車速センサの出力値に基
づいて求められる加速度α1、α2には検出誤差が含まれ
易く、関係式(3)の右辺の分母側を成している変速前
の加速度α1からα2を減算した値は、加速度α1、α2
互いに近い値であるために比較的小さな値となって誤差
の占める割合が大きくなるが、関係式(3)の右辺の分
子側を成している変速前の駆動力F1から変速後の駆動
力F2を減算した値も駆動力F1、F2が互いに近い値で
あるために比較的小さな値となるので、この分子側の比
較的小さな値を分母側の誤差の占める割合の大きな値で
除算することにより得られる車両質量には、自ずから分
母側の誤差の影響によるバラツキが起こり易くなる。
【0015】本発明は上述の実情に鑑みて成したもの
で、従来より高い精度で車両質量を推定し得るようにし
た車両質量推定装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、車速に関する
情報に基づき加速度を算出する加速度算出手段と、車両
の運転状態に関する情報に基づき車両の駆動力を算出す
る駆動力算出手段と、前記加速度算出手段から変速時に
おける変速前の加速度及び変速中の減速度を導き且つ前
記駆動力算出手段で算出された変速前の駆動力を変速前
の加速度から変速中の減速度を減算した値で除算して車
両質量を求める車両質量算出手段とを備えたことを特徴
とする車両質量推定装置、に係るものである。
【0017】而して、このようにすれば、クラッチ断に
より実質的な駆動力が喪失する変速中の走行状態に着目
し、この変速中の運動方程式と変速前の運動方程式との
連立方程式を解くことにより得られた関係式、即ち、変
速前の駆動力を変速前の加速度から変速中の減速度を減
算した値で除算して車両質量を求める関係式を保持した
車両質量算出手段により車両質量を推定するようにして
いるので、この関係式に代入される変速前の加速度と変
速中の減速度とは互いに大きく異なる値となり、変速前
の加速度から変速中の減速度を減算した値のうちに占め
る誤差の割合が著しく少なくなる。
【0018】しかも、この変速前の加速度から変速中の
減速度を減算した値により変速前の駆動力のみを除算し
て車両質量を求めるようにしているので、この変速前の
駆動力の値は、従来の如き互いに近似した変速前の駆動
力から変速後の駆動力を減算した値と比較して大きな値
となり、この比較的大きな値を除算相手として、誤差の
占める割合の小さな値で除算することにより得られる車
両質量は、誤差の影響の少ない精度の高いものとなる。
【0019】又、本発明においては、車両質量を過去の
算出値に基づき平均化して車両質量を真値に近づけるよ
うに車両質量算出手段が構成されていることが好まし
く、このようにすれば、車両質量の推定に関する精度を
より一層向上することが可能となる。
【0020】更に、本発明においては、車両質量に現在
の加速度を乗算した値を現在の駆動力から減算して走行
抵抗を求め、該走行抵抗から車輪の転がり抵抗及び風圧
抵抗を減算して勾配抵抗を求め、該勾配抵抗を更に車両
質量で除算して路面勾配を算出する路面勾配算出手段が
備えられていることが好ましく、このようにすれば、車
両質量算出手段で得られた車両質量に基づき路面勾配算
出手段にて各種の制御に利用可能な路面勾配を算出する
ことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0022】図1〜図3は本発明を実施する形態の一例
を示すもので、図1に示す如く、本形態例に示す車両質
量推定装置は、演算を行うためのコンピュータ装置から
成る制御装置内に、以下に詳述する如き加速度算出部
1、駆動力算出部2、車両質量算出部3、路面勾配算出
部4を備えて構成されている。
【0023】即ち、加速度算出部1は、車両に実装され
ているプロペラシャフト回転センサ5からのシャフト回
転数情報を入力して車速に換算し且つ該車速を時間微分
することにより加速度αを時々刻々算出するようになっ
ている。
【0024】又、駆動力算出部2においては、エンジン
制御コンピュータ6(ECU:Electronic Control Uni
t)からの燃料噴射量情報とエンジン回転数情報とに基
づきエンジントルクTを算出し、このエンジントルクT
を下記の関係式(4)
【数4】 F=(T×ηm×iT/M×idif)/RTIRE…(4) に代入して車両の駆動力を算出するようになっている。
【0025】尚、関係式(4)におけるηmは機械効
率、iT/Mはギヤレシオ、idifはデフレシオ、RTIRE
タイヤ径を夫々示しており、これらは予め判っている数
値ばかりであるので、駆動力算出部2内に全て入力済み
となっているが、このうちのギヤレシオiT/Mについて
は、車両に実装されているギヤ位置スイッチ7からのギ
ヤ位置情報により適切な段数のものを選択して代入する
ようにしてある。
【0026】そして、車両質量算出部3においては、ギ
ヤ位置スイッチ7からのギヤ位置情報と、クラッチスト
ロークセンサ8からのクラッチストローク情報とにより
変速時を認識し、その変速時における変速前の加速度α
1及び変速中の減速度α0を前記加速度算出部1から取り
込み且つ変速前の駆動力F1を前記駆動力算出部2から
取り込んで下記の関係式(5)
【数5】W=F1/(α1−α0)…(5) に代入することにより車両質量Wを算出するようにして
ある。
【0027】ここで、この関係式(5)は、変速前の運
動方程式と変速中の運動方程式との連立方程式を解くこ
とにより得られたものであり、より具体的に述べると、
変速前の運動方程式が下記の関係式(6)
【数6】F1−R=W×α1…(6) として表されるのに対し、クラッチ断により実質的な駆
動力が喪失する変速中の運動方程式は下記の関係式
(7)
【数7】−R=W×α0…(7) として表されるので、関係式(6)−関係式(7)によ
り先の関係式(5)が得られるので、ここに変速前の駆
動力F1、変速前の加速度α1、変速中の減速度α 0を代
入すれば、車両質量Wを推定することが可能となるので
ある。
【0028】又、車両質量算出部3においては、車両質
量Wに関する過去n回分の算出値を積算し、その合計値
をn+1で除算することにより平均化して車両質量Wの
メモリ値を更新していくようにしてある。
【0029】ここで、初期設定時には、適当な初期値が
設定されるようにしてあり、初期設定から第一回目の変
速時には、この初期値と最初の算出値とが積算されて
「2(n+1)」で除算されるようにしてある。
【0030】尚、車両がトレーラを牽引するトラクタで
ある場合には、トレーラが連結されていることを示すト
レーラピックアップ信号の有無により異なる初期値を設
定(例えばトレーラピックアップ信号ONの時に50
t、OFFの時に10tなどとして設定)しておくこと
が好ましい。
【0031】又、車両質量算出部3にて算出された車両
質量Wが所定範囲、例えば10t〜50tの範囲から外
れた場合には、計算誤差が大であるとみなして当該検出
値を除外することを基本とするが、初期設定から車両質
量Wの算出を10回以上繰り返した後は、車両質量Wの
メモリ値に対し±50%の範囲を外れる車両質量Wの算
出値を除外するようにしてある。
【0032】そして、電源投入時(車両がトレーラを牽
引するトラクタである場合にはトレーラピックアップ信
号の変化が1秒以上継続した時も含む)に初期設定に戻
るようになっているが、車両停止が5分以上継続した場
合には、今までの車両質量Wの平均値である最終的なメ
モリ値を初期値として新たに平均計算をやり直すように
なっている。
【0033】更に、本形態例においては、路面勾配si
nθを算出する路面勾配算出部4も制御装置内に装備さ
れており、この路面勾配算出部4には、前記車両質量算
出部3にて算出された車両質量Wと、前記加速度算出部
1にて時々刻々算出されている現在の加速度αと、前記
駆動力算出部2にて時々刻々算出されている現在の駆動
力Fが夫々入力されるようになっており、先に説明した
運動方程式を走行抵抗Rを求める形に変形した下記の関
係式(8)
【数8】R=F−(W×α)…(8) により走行抵抗Rを算出し、次いで、この走行抵抗Rを
下記の関係式(9)
【数9】 R=(μrW+μcSV2 +Wsinθ)…(9) に代入して勾配抵抗Wsinθを求め、この勾配抵抗W
sinθを更に車両質量Wで除算して路面勾配sinθ
を算出するようにしてある。
【0034】即ち、Wを車両質量、μrをころがり抵抗
係数、μcを引きづり係数、Sを車両断面積、Vを車
速、θを水平面に対する路面の傾斜角度とする時に、走
行抵抗Rは、ころがり抵抗μrWと、風圧抵抗μcSV2
と、勾配抵抗Wsinθとの合算の抵抗としてみなすこ
とができるので、走行抵抗Rから車輪のころがり抵抗μ
rW及び風圧抵抗μcSV2を引けば、勾配抵抗Wsin
θを求めることが可能となる。
【0035】尚、図1中には特に明示していないが、前
記路面勾配算出部4には、運転状態を把握するための各
種の情報を入力させるようにしておき、下記の〜 車両停止 変速動作中 マニュアルクラッチ断(半自動変速装置で特に発進時
や停止時のためにマニュアルクラッチを残したタイプの
車両の場合) フットブレーキ作動中 リターダ作動中 の運転状態を除く車両走行中に路面勾配sinθを時々
刻々算出させ、例えば過去10回(極めて短時間のうち
に繰り返された算出回数)の算出値を平均化して路面勾
配sinθのメモリ値を更新するようにしてある。
【0036】而して、このように構成した車両質量推定
装置においては、実質的な駆動力が喪失する変速中の走
行状態に着目し、この変速中の運動方程式と変速前の運
動方程式との連立方程式を解くことにより得られた関係
式(5)、即ち、変速前の駆動力F1を変速前の加速度
α1から変速中の減速度α0を減算した値で除算して車両
質量Wを求める関係式(5)を保持した車両質量算出部
3により車両質量Wを推定するようにしているので、こ
の関係式(5)に代入される変速前の加速度α 1と変速
中の減速度α0とは互いに大きく異なる値となり、変速
前の加速度α1から変速中の減速度α0を減算した値のう
ちに占める誤差の割合が著しく少なくなる。
【0037】即ち、図2の走行性能線図を用いて説明す
ると、例えば車速VでA段からB段へ変速した場合、変
速前のA段の走行状態と変速後のB段の走行状態とを比
較しても、駆動力F1、F2が作用している両走行状態に
おける加速の度合はそれほど大きく変わるものではない
が、クラッチ断により実質的な駆動力が喪失した変速中
の走行状態にあっては、走行抵抗Rのみが制動力として
作用した走行状態となって減速傾向となるので、変速前
のA段の走行状態における加速度α1と変速中の減速度
α0とは大きく異なる値となるのである。
【0038】しかも、この変速前の加速度α1から変速
中の減速度α0を減算した値により変速前の駆動力F1
みを除算して車両質量Wを求めるようにしているので、
この変速前の駆動力F1の値(図2中におけるXで示す
値)は、従来の如き互いに近似した変速前の加速度α1
から変速後の加速度α2を減算した値(図2中における
Yで示す値)と比較して大きな値となり、この比較的大
きな値を除算相手として、誤差の占める割合の小さな値
で除算することにより得られる車両質量Wは、誤差の影
響の少ない精度の高いものとなる。
【0039】図3は車両質量Wの推定に関する誤差の影
響を検証したデータを示す表であり、この表の左欄にお
いては、±5%の誤差を意図的に加えた変速前の加速度
α1と変速後の加速度α2とに基づいて従来の関係式
(3)により車両質量W(W=50tの場合)を算出し
た結果を示し、この表の右欄においては、±5%の誤差
を意図的に加えた変速前の加速度α1と変速中の減速度
α0とに基づいて本形態例の関係式(5)により車両質
量W(W=50tの場合)を算出した結果を示している
が、この表の検証結果から明らかなように、本形態例の
関係式(5)を採用した場合の方が車両質量Wの真値5
0tに対する変動幅が少なくて済むことが確認された。
【0040】従って、上記形態例によれば、車両質量算
出部3にて車両質量Wを算出するに当たり、誤差の影響
を極力排除して従来より高い精度で車両質量Wを推定す
ることができ、しかも、特に本形態例においては、車両
質量算出部3にて車両質量Wを過去の算出値に基づき平
均化して車両質量Wを真値に近づけるようにしているの
で、車両質量Wの推定に関する精度をより一層向上する
ことができ、又、車両質量算出部3で得られた車両質量
Wに基づき路面勾配算出部4にて各種の制御に利用可能
な路面勾配sinθを算出することもできる。
【0041】尚、本発明の車両質量推定装置は、上述の
形態例にのみ限定されるものではなく、機械式の自動変
速装置の変速制御以外にも、ABS(Antilock Brake S
ystem)などのブレーキの電子制御装置や車両安定化制
御装置(VSC、Vehicle Stability Control)などの
制御に利用するとが可能であること、その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。
【0042】
【発明の効果】上記した本発明の車両質量推定装置によ
れば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0043】(I)本発明の請求項1に記載の発明によ
れば、車両質量算出部にて車両質量を算出するに当た
り、誤差の影響を極力排除して従来より高い精度で車両
質量を推定することができる。
【0044】(II)本発明の請求項2に記載の発明に
よれば、車両質量算出手段にて車両質量を過去の算出値
に基づき平均化して車両質量を真値に近づけることがで
き、車両質量の推定に関する精度をより一層向上するこ
とができる。
【0045】(III)本発明の請求項3に記載の発明
によれば、車両質量算出手段で得られた車両質量に基づ
き路面勾配算出手段にて各種の制御に利用可能な路面勾
配を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示すブロック図
である。
【図2】車両質量を求める関係式を説明するための走行
性能線図である。
【図3】車両質量の推定に関する誤差の影響を検証した
データを示す表である。
【符号の説明】
1 加速度算出部(加速度算出手段) 2 駆動力算出部(駆動力算出手段) 3 車両質量算出部(車両質量算出手段) 4 路面勾配算出部(路面勾配算出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:48 F16H 59:48 59:74 59:74

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速に関する情報に基づき加速度を算出
    する加速度算出手段と、車両の運転状態に関する情報に
    基づき車両の駆動力を算出する駆動力算出手段と、前記
    加速度算出手段から変速時における変速前の加速度及び
    変速中の減速度を導き且つ前記駆動力算出手段で算出さ
    れた変速前の駆動力を変速前の加速度から変速中の減速
    度を減算した値で除算して車両質量を求める車両質量算
    出手段とを備えたことを特徴とする車両質量推定装置。
  2. 【請求項2】 車両質量を過去の算出値に基づき平均化
    して車両質量を真値に近づけるように車両質量算出手段
    が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車
    両質量推定装置。
  3. 【請求項3】 車両質量に現在の加速度を乗算した値を
    現在の駆動力から減算して走行抵抗を求め、該走行抵抗
    から車輪の転がり抵抗及び風圧抵抗を減算して勾配抵抗
    を求め、該勾配抵抗を更に車両質量で除算して路面勾配
    を算出する路面勾配算出手段が備えられていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の車両質量推定装置。
JP2000196796A 2000-06-29 2000-06-29 車両質量推定装置 Pending JP2002013620A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196796A JP2002013620A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 車両質量推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196796A JP2002013620A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 車両質量推定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002013620A true JP2002013620A (ja) 2002-01-18

Family

ID=18695235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000196796A Pending JP2002013620A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 車両質量推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002013620A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168715A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Hitachi Ltd 車重推定装置
JP2009537017A (ja) * 2006-05-12 2009-10-22 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 自動車の質量を測定するための方法
JP2011242226A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Isuzu Motors Ltd 車両自重測定装置
JP2012078134A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Advics Co Ltd 車両の総重量推定装置
JP2013504767A (ja) * 2009-09-25 2013-02-07 ルノー・トラックス 車両の重心の高さを推定する方法
JP2013124031A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Aisin Aw Co Ltd 路面勾配推定装置
KR101308355B1 (ko) * 2008-09-18 2013-10-04 주식회사 만도 차량 안정성 제어 시스템
JP2014101097A (ja) * 2012-11-22 2014-06-05 Advics Co Ltd 車両質量推定装置
JP2014119039A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Advics Co Ltd クラッチの状態判定装置及び車両質量推定装置
JP2017096639A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 アイシン精機株式会社 車両重量推定装置
JP2022007028A (ja) * 2020-06-25 2022-01-13 トヨタ自動車株式会社 路面傾斜角算出装置
KR20230095400A (ko) * 2021-12-22 2023-06-29 상신브레이크주식회사 차량신호와 휠 다이나믹스 특성을 이용한 차량 질량 추정방법

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009537017A (ja) * 2006-05-12 2009-10-22 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 自動車の質量を測定するための方法
RU2444709C2 (ru) * 2006-05-12 2012-03-10 Цф Фридрихсхафен Аг Способ определения массы автомобиля
JP2009168715A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Hitachi Ltd 車重推定装置
KR101308355B1 (ko) * 2008-09-18 2013-10-04 주식회사 만도 차량 안정성 제어 시스템
JP2013504767A (ja) * 2009-09-25 2013-02-07 ルノー・トラックス 車両の重心の高さを推定する方法
JP2011242226A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Isuzu Motors Ltd 車両自重測定装置
JP2012078134A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Advics Co Ltd 車両の総重量推定装置
JP2013124031A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Aisin Aw Co Ltd 路面勾配推定装置
JP2014101097A (ja) * 2012-11-22 2014-06-05 Advics Co Ltd 車両質量推定装置
DE112013005595B4 (de) 2012-11-22 2019-05-29 Advics Co., Ltd. Fahrzeugmassenschätzvorrichtung
JP2014119039A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Advics Co Ltd クラッチの状態判定装置及び車両質量推定装置
JP2017096639A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 アイシン精機株式会社 車両重量推定装置
JP2022007028A (ja) * 2020-06-25 2022-01-13 トヨタ自動車株式会社 路面傾斜角算出装置
JP7359085B2 (ja) 2020-06-25 2023-10-11 トヨタ自動車株式会社 路面傾斜角算出装置
KR20230095400A (ko) * 2021-12-22 2023-06-29 상신브레이크주식회사 차량신호와 휠 다이나믹스 특성을 이용한 차량 질량 추정방법
KR102562101B1 (ko) * 2021-12-22 2023-08-01 상신브레이크주식회사 차량신호와 휠 다이나믹스 특성을 이용한 차량 질량 추정방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5925087A (en) Method and apparatus for eliminating noise in a slope estimation arrangement for a motor vehicle
CN102076543B (zh) 路面摩擦系数估计装置和路面摩擦系数估计方法
US6339749B1 (en) Device for determining the weight of a motor vehicle
JP3633120B2 (ja) 車体速および路面摩擦係数推定装置
Ohnishi et al. A study on road slope estimation for automatic transmission control
KR102484938B1 (ko) 차량의 휠 속도 추정 장치 및 방법
JPH08258588A (ja) 車両における路面状態検出装置
JP2001500271A (ja) 車両重量を求めるための方法及び装置
JP3260190B2 (ja) 自動車の出力軸トルク推定装置及び車重算出装置
JP2002013620A (ja) 車両質量推定装置
JPH0549941B2 (ja)
JP2676687B2 (ja) 車道勾配を求める方法
CN106143494A (zh) 使用重力加速度传感器估算道路坡度的装置和方法
US6640178B2 (en) Process for estimating drive torque in vehicle
US20160298999A1 (en) Method and vehicle with arrangement for estimating mass of the vehicle
JP5594100B2 (ja) 運転支援装置
JP3693097B2 (ja) 車両重量検出装置
JP2006522315A (ja) コンピュータを援用して車両の質量、とりわけ産業車両の質量を推定する方法及び装置
JP3126525B2 (ja) 自動車の自動変速制御装置
JP4180752B2 (ja) 路面勾配に基づくエンジン出力制御装置
CN112752694B (zh) 估计车辆载荷的方法
JP2000257491A (ja) 車両制御装置及び走行抵抗の測定方法
JPH11351864A (ja) 道路勾配推定装置
US20090265073A1 (en) Method For Determining The Speed of A Motor Vehicle
JPH11211548A (ja) 車両状態の推定方法およびそれを用いた車両制御装置