JP6513376B2 - 表示装置、及び表示装置用枠 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、表示装置、半導体装置、発光装置、液晶表示装置等の装置、及び該装置に用いることができる枠に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関する。本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、表示装置、半導体装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、出力装置、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで様々な表示装置が市場に普及している。付加価値がより高い製品の一として、より臨場感のある画像を再現するため、立体画像の表示が可能な表示装置の開発が進められている。
人間が物体を立体として認識する生理的要因としては、両眼視差、輻輳、ピント調節、運動視差、像の大きさ、空間配置、明暗の差、陰影等が挙げられる。
例えば、両眼視差を利用して立体画像を表示する表示装置が知られている。このような表示装置は、同一画面に左目の位置から見える画像(左目用の画像)と右目の位置から見える画像(右目用の画像)とを表示し、観察者は左目で左目用の画像を、右目で右目用の画像を観察することにより立体画像を観察する。
例えば、メガネ方式を用いる表示装置の一例としては、左目用の画像と右目用の画像を、メガネに設けたシャッターと同期して、画面に交互に表示する装置がある。これにより、観察者は左目で左目用の画像を、右目で右目用の画像を、それぞれ交互に観察することで立体画像を観察する。
また、裸眼での観察が可能な視差バリア方式を用いる表示装置は、画面が左右に並んだ複数の左目用の領域と右目用の領域(例えば短冊状の領域)に分割され、その境界に視差バリアが重ねて設けられている。分割された画面には、左目用の画像と右目用の画像とが同時に表示される。視差バリアは、右目用の画像が表示される領域を左目から隠し、左目用の画像が表示される領域を右目から隠す。その結果、観察者は左目で左目用の画像のみを、右目で右目用の画像のみを同時に観察することにより、立体画像を観察できる。
なお、視差バリアを可変とし、平面画像の表示モードと立体画像の表示モードとを切り替え可能な表示装置が知られている(特許文献1)。
また、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELとも記す)現象を利用した発光素子が知られている。この発光素子は、自発光型であるためコントラストが高く、入力信号に対する応答速度が速い。そして、この発光素子を応用した、消費電力が低減され、製造工程が簡単な、高精細化や基板の大型化への対応が容易な表示装置が知られている(特許文献2)。
国際公開第2004/003630号 特開2011−238908号公報
シャッターを利用したメガネ方式を用いる表示装置では、画面において左目用の画像と右目用の画像を交互に表示するため、二次元画像の表示を行う場合に比べ、1フレーム期間における画素部への画像の書き込み回数が増える。したがって、高周波数での駆動が可能な駆動回路が必要となる他、表示装置の消費電力が高くなる。また、観察者から表示装置までの物理的距離と、観察者が表示装置を見るときの輻輳角から認知する距離との差が、観察者の脳を混乱させ、目の疲労、脳の疲労等の現象をもたらすとの事象の存在も指摘されている。
また、視差バリア方式を用いる表示装置では、画素部の水平方向において、左目用の画像及び右目用の画像の表示に寄与する画素数はそれぞれ、実際の画素数の半分となり、高精細な画像の表示が妨げられる。
そのため、低消費電力もしくは高精細である表示装置の供給や、観察者にとって快適な視聴環境の提供が求められている。この事実から、左目用の画像及び右目用の画像といった両眼視差を含む画像を用いず、二次元画像を用いて、観察者が強い奥行き感又は立体感を得られる画像を表示することが必要となる。
本発明の一態様は、観察者が、二次元画像に強い立体感又は奥行き感を得ることを目的の一とする。また、本発明の一態様は、観察者が、二次元画像に自然な(自然に近い)立体感又は奥行き感を得ることを目的の一とする。
また、本発明の一態様は、新規な表示装置を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、表示装置に用いることができる新規な枠を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、観察者が、二次元画像でも強い立体感又は奥行き感を得ることができる表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、観察者が、二次元画像でも自然な立体感又は奥行き感を得ることができる表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、観察者が、二次元画像でも強い立体感又は奥行き感を得ることができ、かつ、視覚的疲労が生じにくい表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、観察者が、二次元画像でも自然な立体感又は奥行き感を得ることができ、かつ、視覚的疲労が生じにくい表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することを目的の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、枠部と、枠部側に表示面を有し、枠部と間隔を空けて位置する表示部と、を有し、表示部は枠部の開口と重なり、かつ、表示部の端部は枠部と重なり、枠部と表示部の間隔が可変である、表示装置である。
本明細書中において、枠部と表示部の間隔とは、表示部の表示面と、枠部の観察者側の面との間の距離を示す。つまり、表示部の表示面と、枠部の該表示面と対向する面との間の距離、又は、枠部自体の厚さ(枠部において該表示面と対向する面と、観察者側の面との間の距離)の少なくとも一方を変えれば、枠部と表示部の間隔を変えることができる。また、枠部と表示部とが接していても、枠部と表示部とは、枠部の厚さ分、間隔を空けて位置しているといえる。
上記表示装置において、枠部は、表示部に対して着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
上記表示装置において、枠部は、遮光性であってもよい。
また、本発明の一態様は、表示パネルに取り付けることができ、表示パネルとの間隔が可変である枠部と、画像データが供給され、制御信号を供給することができる演算処理部と、制御信号が供給され、枠部の表示パネルからの距離を変化させることができる駆動制御部と、を有し、演算処理部は、画像データを解析することで制御信号を生成する、表示装置用枠である。
上記表示装置用枠において、駆動制御部に制御され、枠部の位置を変化させることができる駆動部を有していてもよい。
本発明の一態様によると、観察者が、二次元画像に強い立体感又は奥行き感を得ることができる。また、本発明の一態様によると、観察者が、二次元画像に自然な立体感又は奥行き感を得ることができる。
本発明の一態様では、新規な表示装置を提供することができる。また、本発明の一態様では、表示装置に用いることができる新規な枠を提供することができる。また、本発明の一態様では、観察者が、二次元画像でも強い立体感又は奥行き感を得ることができる表示装置、又は表示装置に用いることができる新規な枠を提供することができる。また、本発明の一態様では、観察者が、二次元画像でも自然な立体感又は奥行き感を得ることができる表示装置、又は表示装置に用いることができる新規な枠を提供することができる。また、本発明の一態様では、観察者が、二次元画像でも強い立体感又は奥行き感を得ることができ、かつ、視覚的疲労が生じにくい表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することができる。また、本発明の一態様では、観察者が、二次元画像でも自然な立体感又は奥行き感を得ることができ、かつ、視覚的疲労が生じにくい表示装置、又は表示装置に用いることができる枠を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
表示装置の一例を示す図。 表示装置の一例を示す図。 表示装置の一例を示す図。 表示装置用枠及び表示装置の一例を示す図。 表示装置の一例を示す図。 表示装置の一例を示す図。 実施例の結果を示す図。 実施例の結果を示す図。 表示装置の一例を示す図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
以下では、本発明の一態様の表示装置について図1〜図6を用いて説明する。
本発明の一態様は、枠部と、枠部側に表示面を有し、枠部と間隔を空けて位置する表示部と、を有し、表示部は枠部の開口と重なり、かつ、表示部の端部は枠部と重なり、枠部と表示部の間隔が可変である、表示装置である。
本発明の一態様の表示装置は、観察者と表示部の間に枠部を有することで、観察者が表示部の位置を実際とは異なる位置に錯覚し、脳で立体情報に補正がかかり、二次元画像に立体感や奥行き感を得ることができる。
表示装置において、表示部と枠部の間隔が一定であると、不具合が生じる場合がある。例えば、観察者によって立体感や奥行き感の得られ方が異なり、表示部と枠部の適切な間隔に個人差がある場合がある。観察者にとって適した位置に枠部が設けられていないことで、観察者は二次元画像に立体感や奥行き感を得にくい場合がある。逆に、立体感や奥行き感が強すぎると、脳や目への負荷が大きくなり、観察者の疲労感が強まる場合がある。また、表示部に表示する画像によって、観察者が得られる立体感や奥行き感の強弱に意図せず変化が出てしまう、又は変化を出したいが出せない場合などがある。
上記の本発明の一態様の表示装置では、枠部と表示部の間隔が可変である。したがって、観察者にとって自然な立体感が得られ、かつ、疲れにくいように、枠部と表示部の間隔を調整することができる。また、表示部に表示する画像に応じて枠部と表示部の間隔を調整することで、意図しない立体感や奥行き感の強弱の変化を抑制する、又は意図して立体感や奥行き感の強弱を変化させることができる。これにより、本発明の一態様の表示装置では、観察者が、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができ、かつ、視覚的に疲れにくい。
なお、枠部と表示部の間隔の制御は、観察者自身が行っても、表示装置や枠部が自動で行ってもよい。また、枠部と表示部の間隔は、表示部での画像の再生中に変わってもよい。または、画像の再生中は一定で、停止中に変更できる仕様であってもよい。
図1(A)に示す表示装置の斜視図と、図1(B)に示す該表示装置の正面図(表示面側から見た図)及び上面図を用いて、本発明の一態様の表示装置における表示部と枠部の位置関係を説明する。
図1(A)、(B)に示す表示装置は、表示部103を有する表示パネル10と、枠部101とを含む。表示部103は、表示面を枠部101側に有する。表示部103と枠部101は間隔Lを空けて位置する。表示部103は枠部101の開口と重なり、かつ表示部103の端部は枠部101と重なっている。
本明細書中において、枠部101と表示部103の間隔Lとは、表示部103の表示面と、枠部101の観察者側の面との間の距離を示す。つまり、表示部103の表示面と、該表示面と対向する枠部101の面との間の距離、又は、枠部101自体の厚さ(枠部101において該表示面と対向する面と、観察者側の面との間の距離)の少なくとも一方を変えれば、枠部101と表示部103の間隔Lを変えることができる。また、枠部101と表示部103とが接していても、枠部101と表示部103とは、枠部101の厚さ分、間隔を空けて位置しているといえる。
例えば、枠部101と表示部103の間隔Lは、1mm以上、好ましくは1cm以上、より好ましくは5cm以上であると、観察者が、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得られる。
枠部101と表示部103の間隔は、表示部103の端部や中央部など、位置によって異なる場合があるが、少なくとも一部で0より大きければよく、好ましくは1mm以上あればよい。特に、表示部103の表示面と、枠部101の観察者側の面との間の最短距離が1cm以上、より好ましくは5cm以上であると、観察者が、表示部全体に表示された二次元画像に強い立体感や奥行き感を得られ、好ましい。
図1(B)では、表示部103の四辺が枠部101と重なっている場合を示す。本発明はこれに限られず、表示部103の少なくとも一部が枠部101と重なっていればよい。例えば、表示部103の対向する二辺のみが枠部101と重なっていてもよい。
また、図1(B)では、表示部103の長辺W1が枠部101の開口の長辺W2よりも長く、表示部103の短辺が、枠部101の開口の短辺よりも長い場合を示す。本発明はこれに限られず、例えば、長辺又は短辺のいずれか一方について、枠部101の開口よりも表示部103の方が長くてもよい。
また、例えば、観察者から見える割合が表示部103における表示の50%未満であっても、観察者は立体感や奥行き感を得ることはできるが、表示の全容の把握が困難になる、表示が不自然に見える、又は疲労感が強まる場合がある。よって、表示装置の表示面に正対した観察者が、枠部の開口を通して、表示部103における表示の50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上を観察できることが好ましい。
表示装置の観察者(図1(B)の右目30R及び左目30L参照)は、枠部101の開口を通して表示部103に表示された二次元画像(静止画像又は動画像)を観察する。枠部101の開口を通して表示部103の表示を観察することで、観察者は、枠部101の開口を通さずに表示部103を観察する場合に比べて、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができる。
観察者は片目で表示部103を観察しても、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができる。観察者は、両目で表示部103を観察し、左右の目に入る情報に差を生じさせることで、二次元画像により強い立体感や奥行き感を得ることができる。
なお、枠部101は、着脱自在に取り付けられていてもよい。表示部103で、立体感や奥行き感を要さない表示を行う際などに、枠部101を用いずに、表示装置を使用することができる。また、それぞれ厚さが異なる複数の着脱自在の枠部101を用意し、枠部101を付け替えることで、枠部101と表示部103の間隔を調整してもよい。
また、図2(A)〜(C)に本発明の一態様の表示装置を示す。図2(A)は、表示装置の正面図(表示面側の図)であり、図2(B)は、表示装置の側面図であり、図2(C)は表示装置の斜視図である。
図2(A)〜(C)に示す表示装置は、表示部103と、枠部101とを含む。表示部103は、表示面を枠部101側に有する。表示部103と枠部101は間隔Lを空けて位置する。構造体20に固定された駆動部102a、bの長さによって、表示部103と枠部101の間隔Lを調整することができる。表示部103は枠部101の開口と重なり、かつ表示部103の端部は枠部101と重なっている。
図2(A)〜(C)では、表示装置が駆動部を2つ有する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、駆動部を有していなくてもよいし、駆動部を1つ、又は3つ以上有していてもよい。複数の駆動部はそれぞれ独立に駆動してもよいし、同期して駆動してもよい。
枠部101や駆動部102a、bは、着脱自在に取り付けられていてもよい。
駆動部102a、bは、連続的に表示部103と枠部101の間隔Lを変更する機能を有していてもよい。これにより、観察者は枠部101の位置を無段階で調節することができ、表示部103と枠部101の間隔Lを任意で決定できる。また、駆動部102a、bは、段階的に表示部103と枠部101の間隔Lを変更する機能を有していてもよい。これにより、観察者が、表示部103と枠部101の間隔Lを複数の値から選べる構成とすることができる。段階的に表示部103と枠部101の間隔Lを変更する機能を有する駆動部を適用することで、連続的に表示部103と枠部101の間隔Lを変更する機能を有する駆動部を適用する場合に比べて、表示装置や表示装置用枠の作製コストを削減することができる。
なお、駆動部102a、bや枠部101は、表示パネルなど、表示装置を構成する部材に取り付けられていてもよいし、表示装置を配置する壁面や床面に取り付けてもよい。つまり、構造体20は、表示装置に含まれていてもよいし、含まれなくてもよい。
図3(A)〜(D)に本発明の一態様の表示装置を示す。該表示装置は、4つの駆動部(駆動部102a〜d)と、処理部109と、を有する点で、図2(A)〜(C)に示す表示装置と異なる。
図3(A)、(B)は枠部101が表示部103に対して平行でない場合の一例である。図3(A)は、表示装置の上面図であり、図3(B)は、表示装置の斜視図である。
図3(C)、(D)は、枠部101が表示部103に対して平行でない場合の別の一例である。図3(C)は、表示装置の斜視図であり、図3(D)は、表示装置の側面図である。
図3(A)〜(D)に示すように、枠部101と表示部103は平行でなくてもよい。例えば、図3(A)、(B)では、枠部101と表示部103の間隔が左にいくほど広くなる場合、図3(C)、(D)では、枠部101と表示部103の間隔が上にいくほど広くなる場合を示す。枠部101が表示面に対して傾きを有することで、観察者が、二次元画像により強い立体感や奥行き感を得ることができる場合があり、好ましい。
図3(A)〜(D)に示す表示装置は、処理部109を有する。処理部109を有することで、例えば、動画像の内容に応じて、枠部101と表示部103の間隔や、枠部101の表示部103に対する傾きを変化させることができる。これにより、観察者が、二次元画像により強い立体感や奥行き感を得ることができ、好ましい。
具体的には、例えば、移動体が観察者側に向かってくるような動画を表示する際には、枠部101が観察者側に向かってくるように、枠部101と表示部103の間隔を広げればよい。
処理部109を有する表示装置用枠、及び表示装置の構成例を図4(A)、(B)にそれぞれ示す。なお、表示装置用枠は、表示パネルに取り付ける構成のほか、観察者の頭部に装着する構成としてもよい。
処理部109は、図4(A)、(B)に示す演算処理部、記憶部、駆動制御部を有する。
演算処理部には、表示部103で表示する画像データが供給される。演算処理部は、供給された画像データを解析することで、制御信号を生成する。
画像データの解析としては、スペクトル解析(内容分析など)、広がりや動きの検出(ズームイン・ズームアウト、パン・チルト(パンニング)、動きの速度、動きの方向などの検出)等が挙げられる。
また、演算処理部に音声データが供給される場合は、供給された音声データを解析することで制御信号を生成してもよい。また、画像データ及び音声データの双方の解析結果に基づいて制御信号を生成してもよい。
音声データの解析としては、スペクトル解析(内容分析など)、音源分析、音楽や人の声等の分離抽出等が挙げられる。
さらに、表示部を観察している際の観察者の焦点距離や視線を検出した結果や立体感、疲労感などの感性評価の結果などのデータが、演算処理部に供給される場合は、これらのデータを解析することで、制御信号を生成してもよい。
また、観察者が立体感の強弱、有無、又は枠部と表示部の間隔等を選択することができ、該選択に基づく信号が演算処理部に供給されてもよい。演算処理部では、該信号に応じた制御信号を生成してもよい。
記憶部は、演算処理部における演算に用いる情報や演算結果等を記憶することができる。
駆動制御部には、演算処理部で生成された制御信号が供給され、該制御信号に基づき、枠部と表示パネルとの間隔を変化させることができる。枠部を直接動かしてもよいし、駆動部を動かすことで間接的に枠部を動かし、枠部と表示パネルとの間隔を変化させてもよい。
図5(A)〜(D)に本発明の一態様の表示装置と、該表示装置が有する表示パネルを示す。
図5(A)に示す表示装置は、枠部と、表示パネル40を有する。枠部は、第1の枠部101a、第2の枠部101b、及び第3の枠部101cからなる。表示パネル40(図5(B)参照)は表示部103を有する。表示部103は、第1の枠部101aの開口、第2の枠部101bの開口、及び第3の枠部101cの開口と重なり、かつ、表示部103の端部は第1の枠部101a、第2の枠部101b、及び第3の枠部101cのうちいずれか一以上と重なる。
図5(C)、(D)に示すように、第3の枠部101cは、内部に表示パネル40を収めることができる。表示パネル40と枠部は一体であってもよいし、枠部から表示パネル40が取り出せ、それぞれ独立に用いることができてもよい。
また、図5(C)、(D)に示すように、第1の枠部101aが、表示部103の表示面に垂直な方向に可動であるため、枠部と表示部の間隔を調整することができる。
また、図6(A)〜(D)に本発明の一態様の表示装置を示す。
図6(A)〜(D)に示す表示装置は、着脱可能な枠部と、表示パネル40を有する。枠部は、第1の枠部101a及び第2の枠部101bからなる。表示パネル40(図5(B)参照)は表示部103を有する。
図6(C)、(D)に示すように、枠部は、留め具104(又はフック)を用いて表示パネル40に取り付けることができる。また、図6(C)、(D)に示すように、第1の枠部101aが、表示部103の表示面に垂直な方向に可動であるため、枠部と表示部の間隔を調整することができる。
<枠部>
枠部の開口は、観察者が表示部の表示を視認できる程度の透光性を有していればよく、空間であってもよい。また、ガラス、樹脂等の可視光を透過する材料を用いた板材やフィルム等が表示部と重なっていてもよい。
観察者にとって、枠部を介して観察できる表示は、枠部の開口から観察できる表示に比べて、不明瞭又は不鮮明である。枠部は、すりガラス、フロストガラス等の透光性を有する材料で形成されていてもよい。枠部は、観察者が枠部を介して表示部を視認するのが困難である程度の遮光性を有していてもよく、可視光を透過しない材料で形成されていてもよい。
枠部に用いる材料は特に問わない。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイア、金属、有機樹脂、紙、木材等の材料を用いることができる。
枠部の色は問わない。例えば、黒色、白色、青色、緑色、赤色等であってもよい。表示内容への没入感を高めるには、黒色が好ましい。
<表示部>
本発明の一態様の表示装置は、面状に画像を表示することができる表示部を有するものであればよい。なお、本明細書中における画像は、静止画像又は動画像(映像)のいずれであってもよい。
例えば、表示部としては、写真、絵画、イラスト等の各種画像が表示された、紙、布、樹脂フィルム、木材等のシート状又は板状の部材が挙げられる。
また、表示部は、表示素子を有していてもよい。表示部が有する表示素子、又は表示部の一例としては、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブなど、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有するものがある。EL素子を用いた表示部の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示部の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示部の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク又は電気泳動素子を用いた表示部の一例としては、電子ペーパーなどがある。
なお、表示部が有機ELディスプレイであると、液晶ディスプレイに比べて、観察者は二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができる傾向が見られた。したがって、本発明の一態様では、表示部に有機ELディスプレイを用いることが好ましい。
また、表示部は、投射装置によって画像が投射されるスクリーンであってもよい。
本発明の一態様の表示装置が有する表示部、又は本発明の一態様の表示装置は、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機等の電子機器であってもよい。つまり、本発明の一態様において、電子機器(表示部に相当)に別途枠部を取り付けてもよいし、枠部は電子機器(表示装置に相当)に含まれていてもよい。または、上記電子機器が、本発明の一態様の表示装置を有していてもよい。
本発明の一態様の表示装置は、アミューズメント施設(遊園地、ゲームセンター、テーマパーク等)、劇場、又は映画館等に用いることができる。例えば、アトラクションの内容に応じて、枠部と表示部の間隔を変化させることで、観察者が、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができる。
上述の通り、本発明の一態様において、表示部としては、写真、絵画等を適用することができる。また、本発明の一態様の表示装置用枠は、絵画、美術品、写真等を展示するのに用いることができる。図9には、額縁200を枠部として、絵画201を表示部として有する表示装置の例を示す。図9(A)には、会議室等の部屋で、本発明の一態様の表示装置を用いて絵画201を飾る例を示す。特に、絵画201として風景画又は自然画等を用いる場合には、観察者は強い立体感、奥行き感に加え、自然の中にいるような解放感を得ることができる。図9(B)には、美術館や展覧会で、本発明の一態様の表示装置を用いて絵画201を展示する例を示す。図9(B)では、額縁200が、四隅に駆動部(図9(B)では駆動部202a、bを示す)を有する。絵画201の内容に応じ、駆動部を用いて絵画201と額縁200の間隔を変化させることができるため、観察者は、内容の違う絵画201それぞれに、強い立体感や奥行き感を得ることができる。また、観察者によって絵画201と額縁200の適切な間隔は異なる場合があるが、本発明の一態様では、観察者にとって自然な立体感が得られ、かつ、疲れにくいように、駆動部を用いて該間隔を調整することができる。
以上に示したように、本発明の一態様の表示装置では、枠部と表示部の間隔が可変である。したがって、個人差や表示内容によらず、観察者が二次元画像に強い立体感や奥行き感を得ることができる。また、観察者にとって好ましい間隔で枠部と表示部を設けることで、枠部と表示部が観察者にとって好ましくない間隔で固定された場合と比較して、観察者に与える疲労感を低減できる。
なお、本発明の一態様の表示装置は、目が疲れにくい、目に優しい表示装置の一態様である。本発明の一態様の表示装置は、目に優しい表示装置の要素技術(Reducing Eye Strain Technology、RESTともいう)が適用されている、といえる。
本実施例では、表示装置に表示した二次元画像に、観察者が立体感を得られるかを検証するために行った感性評価の結果について説明する。
感性評価に用いた表示装置は、遮光性の枠部と、枠部側に表示面を有し、枠部と間隔を空けて位置する表示部と、を有する。表示部は枠部の開口と重なり、かつ、表示部の端部は枠部と重なる。枠部と表示部の間隔は可変である。また、比較として、枠部を有さない表示装置も用いた。
遮光性の枠部には、黒色の画用紙を用いた。表示部には、解像度がQuarter HD(High Definition)、(960×540)の7.4型有機ELパネルを用いた。
特に記載のない限り、枠部と表示部(表示面)は概略平行であり、観察者は表示部に表示された動画像を正面から見るものとする。観察者と表示部の間隔は、50cmとした。評価は暗室にて行った。
枠部と表示部の間隔は、1cm、5cm、10cm、及び20cmの4通りとした。
観察者と表示部の間隔が50cmであるとき、遮光性の枠部の開口と表示部の大きさが、観察者から見て概略同一となる(枠部の内枠(開口の外周)と表示部の端部が概略揃う、ともいえる)条件は、枠部から表示部までの距離が20cmのときである。したがって、枠部から表示部までの距離が20cmを超えると、観察者は、枠部の開口を通して表示部の端部を視認できる。
観察者は、同一の動画像について、枠部の開口を通して表示部を観察した場合と、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合を比較し、立体感、奥行き感、及び自然さに差があるかを評価した。観察者は11人とした。
評価には、SD(Semantic Differential)法を用いた。具体的には、観察者は、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合を基準として、枠部の開口を通して表示部を観察した場合の動画像の立体感、奥行き感、及び自然さを、5段階(「とても強い(+2)」、「強い(+1)」、「変わらない(0)」、「弱い(−1)」、「とても弱い(−2)」)で評価した。
図7(A)、(B)、及び図8に、評価結果を示す。各図において、横軸は、枠部と表示部の間隔を示す。評価結果では、観察者11人の評価の得点の平均を示す。
図7(A)より、枠部と表示部の間隔によらず、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合に比べて、枠部の開口を通して表示部を観察した場合は、画像の立体感が強まったことがわかる。特に、枠部と表示部の間隔が大きいほど、観察者は表示部の画像に強い立体感を得られたことがわかった。
また、図7(B)より、枠部と表示部の間隔によらず、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合に比べて、枠部の開口を通して表示部を観察した場合は、画像の奥行き感が強まったことがわかる。特に、枠部と表示部の間隔が大きいと、観察者は表示部の画像に強い奥行き感を得られる傾向が見られた。
また、図8より、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合と枠部の開口を通して表示部を観察した場合とでは、画像の自然さは変わらなかった、又は、枠部の開口を通して表示部を観察した場合の方が、画像が自然に見えたことがわかる。
なお、図示しないが、枠部の開口を通して表示部の端部が視認できると、枠部の開口を通さずに表示部を観察した場合に比べて強い立体感や奥行き感を得られにくい、さらには立体感や奥行き感が弱まるという結果も得られた。また、枠部の開口を通して表示部の端部が視認できると、疲労感が強まる、不自然に見えるという結果も得られた。このことから、本発明の一態様の表示装置において、表示部の端部が枠部と重なり、観察者が表示部の端部を視認しないように、枠部と表示部の間隔を制御できることが好ましい。
以上のことから、本実施例で用いた枠部を有する表示装置では、枠部を有さない表示装置に比べて、観察者が、二次元画像に強い立体感や奥行き感を得られたことがわかった。
10 表示パネル
20 構造体
30L 左目
30R 右目
40 表示パネル
101 枠部
101a〜c 枠部
102a〜d 駆動部
103 表示部
104 留め具
109 処理部
200 額縁
201 絵画
202a〜b 駆動部

Claims (5)

  1. 枠部と、
    前記枠部側に表示面を有し、前記枠部と間隔を空けて位置する表示部と、
    前記枠部と前記表示部の間隔を可変とする駆動部と、を有し、
    前記表示部は前記枠部の開口と重なり、かつ、前記表示部の端部は前記枠部と重なり、
    前記枠部と前記表示部との間隔は、下側よりも上側の方が広い、表示装置。
  2. 枠部と、
    前記枠部側に表示面を有し、前記枠部と間隔を空けて位置する表示部と、
    前記枠部と前記表示部の間隔を可変とする駆動部と、を有し、
    前記表示部は前記枠部の開口と重なり、かつ、前記表示部の端部は前記枠部と重なり、
    前記枠部と前記表示部との間隔は、上側に向かって広くなっている、表示装置。
  3. 枠部と、
    前記枠部側に表示面を有し、前記枠部と間隔を空けて位置する表示部と、
    前記枠部と前記表示部の間隔を可変とする駆動部と、を有し、
    前記表示部は前記枠部の開口と重なり、かつ、前記表示部の端部は前記枠部と重なり、
    前記枠部は、前記表示部に対して傾いている、表示装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記枠部は、前記表示部に対して着脱自在に取り付けられている、表示装置。
  5. 表示部を有する表示パネルに取り付けることができ、前記表示部との間隔が可変である枠部と、
    画像データが供給され、制御信号を供給することができる演算処理部と、
    前記制御信号が供給され、前記枠部と、前記表示部との間隔を変化させることができる駆動制御部と、を有し、
    前記演算処理部は、前記画像データを解析することで前記制御信号を生成し
    前記駆動制御部により、前記枠と前記表示部との間隔が上側に向かって広くなるように前記枠を傾けることができる、表示装置用枠。
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