JP6512813B2 - 光学フィルム及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ等のディスプレイの表示画面を保護すると共にディスプレイから出射するブルーライトをカットするために前記表示画面上に配置されるディスプレイ保護フィルム、LED(発光ダイオード)照明カバー等の光拡散体またはガラスにブルーライトカット機能を付与するために光拡散体またはガラスに貼り付けられる機能付与フィルム等として利用できる光学フィルム及びその用途(複合光拡散体及び照明器具)に関する発明である。
昨今、ディスプレイの主流となっている液晶ディスプレイ(特にLED(発光ダイオード)を光源として用いた液晶ディスプレイ)や、LED照明は、可視光線の青色領域(380〜500nm)の光(「ブルーライト」と呼ばれる)、特に450nm付近のブルーライトを多く出している。このブルーライトは、人間の目に悪影響を与えると言われている。そのため、このブルーライトを低減する技術が注目されている。ブルーライトをカットする光学部品として、蒸着により形成された誘電体多層膜を含む光学部品が知られている。
例えば、特許文献1には、通常の液晶保護フィルムの表面を加工した液晶保護フィルムであって、可視光線の中で一般的にブルーライトと呼ばれる380nm程度から500nm程度の間の波長帯の光線透過率が、他の範囲の光に比べて下がっていることから、可視光線の中でエネルギーが高く人間の眼の網膜に対して負担をかけやすいブルーライトと呼ばれる範囲の光の透過を抑えることができる液晶保護フィルムが記載されている。
実用新案登録第3175771号公報
しかしながら、特許文献1の液晶保護フィルムは、PET基材層1の表面に真空蒸着処理可視光線透過率調整層2を形成したものである。この真空蒸着処理可視光線透過率調整層2は、真空蒸着処理により形成された誘電体多層膜を指しているものと考えられる。特許文献1の液晶保護フィルムは、誘電体多層膜を利用したものであるため、基本的に、液晶保護フィルムでカットされた380〜500nmの波長範囲の光は全て反射光となる。そのため、液晶保護フィルムの反射光が目に入射するような状況では、液晶保護フィルムでカットされた380〜500nmの波長範囲の光が目に入射して目に悪影響を与えることが懸念される。なお、液晶保護フィルムの反射光が目に入射するような状況としては、例えば、液晶保護フィルムにおける目に対向する面の裏面にディスプレイからの光が入射すると同時に、液晶保護フィルムにおける目に対向する面に外光(例えばLED照明からの光)が入射し液晶保護フィルムで反射されて目に入射する状況が考えられる。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ブルーライトが光学フィルムで散乱されて目に入射することを抑制でき、かつ、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持したままブルーライトを十分に低減できる光学フィルム、並びにそれを用いた複合光拡散体及び照明器具を提供することにある。
本発明の光学フィルムは、前記の課題を解決するために、熱可塑性樹脂及び透明粒子を含む樹脂組成物層を備える光学フィルムであって、波長700〜800nmの平均光透過率をTo(%)、波長420〜480nmの平均光透過率をTb(%)とすると、To−Tb(%)が7以上であり、全光線透過率が85%以上であることを特徴としている。
前記構成では、熱可塑性樹脂と透明粒子との界面で光散乱が起こり、その散乱される光が主にブルーライトであることで、透過光中のブルーライトが低減される。そして、前記構成によれば、青色領域である波長420〜480nmの平均光透過率Tb(%)が橙色領域である波長700〜800nmの平均光透過率To(%)よりも7以上低いので、透過光中のブルーライトを十分に低減することができる。
また、前記構成によれば、透過光中のブルーライトの低減(カット)は前述したような光散乱によって起こるため、前記光学フィルムでカットされたブルーライトは、特定の方向でなく様々な方向に散乱されて光学フィルムから出ていく。したがって、光学フィルムの反射光が目に入射するような状況、例えば、光学フィルムがディスプレイの表示画面上に配置され光学フィルムの前面に外光(例えばLED照明からの光)が入射する状況であっても、ブルーライトが光学フィルムで散乱されて目に入射することを十分に抑制できる。このようにして透過光中のブルーライトを十分に低減することで、目に対する刺激の強いブルーライトによる目への負担を和らげ、目の疲労や眼病を防止することができる。
また、前記構成によれば、全光線透過率が85%以上と高いために、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持することができる。これにより、ディスプレイの表示画面上に配置されたときの良好な透過像輝度や、LED照明等の照明の照明カバーに積層されたときの照明の良好な照度を維持することができる。
本発明の複合光拡散体は、光拡散体と、本発明の光学フィルムとを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、光拡散体による光拡散効果と、本発明の光学フィルムによるブルーライトカット効果との組み合わせにより、光を拡散でき、かつ、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持したままブルーライトを十分に低減できる複合光拡散体を実現できる。
本発明の照明器具は、本発明の複合光拡散体を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、照明器具の光源からの光を拡散でき、かつ、照明の明るさを良好なレベルに維持したまま照明器具の光源からのブルーライトを十分に低減できる照明器具を実現できる。
本発明によれば、ブルーライトが光学フィルムで散乱されて目に入射することを抑制でき、かつ、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持したままブルーライトを十分に低減できる光学フィルム、並びにそれを用いた複合光拡散体及び照明器具を提供できる。
〔光学フィルム〕
本発明の光学フィルムについて、以下に詳細に説明する。
本発明の光学フィルムは、熱可塑性樹脂及び透明粒子を含む樹脂組成物層を備える光学フィルムであって、波長700〜800nmの平均光透過率をTo(%)、波長420〜480nmの平均光透過率をTb(%)とすると、To−Tb(%)が7以上であり、全光線透過率が85%以上である。
To−Tbは、7以上であればよいが、10以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましい。これにより、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持しながらブルーライトをさらに低減することができる。
前記光学フィルムは、波長420〜800nmの分光透過率の極大点が波長700〜800nmの範囲内にあり、かつ波長420〜800nmの分光透過率の極小点が波長420〜480nmの範囲内にあることが好ましい。これにより、効率良くブルーライトカットの効果が発現できる。
前記光学フィルムの波長420〜480nmの平均光透過率は、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましく、40%以下であることが最も好ましい。これにより、ブルーライトのカット率に優れた光学フィルムを実現できる。
前記光学フィルムの全光線透過率は、85%以上であればよいが、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。これにより、前記光学フィルムをディスプレイの表示画面上に配置したときの透過像輝度や、前記光学フィルムをLED照明等の照明の照明カバーに積層したときの照明の照度を向上させることができる。
前記光学フィルムのヘイズは60%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。これにより、ディスプレイの表示画面上に配置されたときにディスプレイの画像鮮明さを阻害しない光学フィルムを実現できる。前記光学フィルムのヘイズは5%以上であることが好ましい。これにより、良好な光拡散性を有する光学フィルムを実現できる。
〔樹脂組成物層〕
前記樹脂組成物層の厚みは、0.02〜0.5mm(20〜500μm)の範囲内であることが好ましく、20〜300μmの範囲内であることがより好ましく、20〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。前記光学フィルムが携帯端末用のディスプレイ保護フィルムである場合、前記樹脂組成物層が0.05〜0.2mm(50〜200μm)の範囲内の厚みを有することがより好ましい。前記樹脂組成物層の厚みを前記範囲の上限値以下とすることにより、前記光学フィルムをディスプレイの表示画面上に配置したときの透過像輝度や、前記光学フィルムをLED照明等の照明の照明カバーに積層したときの照明の照度を向上させることができる。
〔熱可塑性樹脂〕
前記樹脂組成物層を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、一般的な材料を用いることができ、例えば、セルロースアシレート、アクリル樹脂((メタ)アクリレート系ポリマー)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等の樹脂が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及び/又はメタクリレートを意味するものとする。
前記セルロースアシレートとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。前記アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及び/又はメタクリルを意味するものとする。前記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略記する)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
〔透明粒子〕
前記透明粒子は、光透過性を有する粒子であればよい。前記透明粒子は、均一な屈折率を有する粒子(例えば、単一の材質からなる粒子や、同一の屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよいし、屈折率が異なる複数の部分から構成される粒子(例えば、異なる屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよい。
前記透明粒子の体積平均粒子径は、0.05μm以上2μm未満であることが好ましく、0.08μm以上1.8μm未満であることがより好ましい。
また、前記透明粒子が均一な屈折率を有する粒子である場合、前記透明粒子の体積平均粒子径は、0.05〜2μmの範囲内であることが好ましく、0.05〜1.8μmの範囲内であることがより好ましく、0.08〜1.8μmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、前記透明粒子が異なる屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子であり、前記シェルの屈折率が前記熱可塑性樹脂の屈折率とほぼ等しい場合、前記コアの体積平均粒子径は、0.05〜1.8μmの範囲内であることがより好ましく、0.08〜1.8μmの範囲内であることがさらに好ましい。
前記透明粒子の体積平均粒子径をD(μm)、前記透明粒子の屈折率をnP、前記熱可塑性樹脂の屈折率をnm、透明粒子と熱可塑性樹脂との屈折率差の絶対値│nP−nm│をΔnとすると、以下の不等式
0.002<D×Δn<0.25
を満たすことが好ましい。すなわち、D×Δnが0.002超0.25未満であることが
好ましい。D×Δnが0.002以下である場合には、D×Δnが0.002超である場
合と比較して、前記透明粒子による光散乱効果が少ないためにブルーライトカット効果が低下する。D×Δnが0.25以上である場合には、D×Δnが0.25未満である場合
と比較して、To−Tbの値が小さくなり、ブルーライトの低減の度合いが小さくなる。D×Δnは、0.005〜0.22であることがより好ましく、0.007〜0.22で
あることがさらに好ましい。
前記透明粒子の体積平均粒子径をD(μm)、前記樹脂組成物層における透明粒子の含有量をC(熱可塑性樹脂100重量部に対する重量部)、前記光学フィルムの厚みをT(μm)とすると、以下の不等式
1/3×C×T≦150
を満たすことが好ましい。すなわち、D1/3×C×Tが150以下であることが好ましい。これにより、ヘイズが60%以下の光学フィルムを容易に実現でき、ディスプレイの表示画面上に配置されたときにディスプレイの画像鮮明さを阻害しない光学フィルムを容易に実現できる。D1/3×C×Tは、130以下であることがより好ましい。
また、前記透明粒子の粒子径の変動係数は、30%以下であることが好ましい。前記透明粒子の粒子径の変動係数が30%を超えると、本願発明の光学効果を発現させるための粒子径の範囲内に収まる透明粒子の数が少なくなり、本願発明の光学効果を得にくくなる。
前記透明粒子の材質(透明粒子を構成する物質)としては、例えば、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体等の合成樹脂;シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機物等が挙げられる。これらの材質のうち、合成樹脂が好適であり、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、及びこれらの共重合体(架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合体)、並びにシリコーン系樹脂がさらに好適であり、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、及びこれらの共重合体が最も好適である。前記熱可塑性樹脂がポリカーボネートである場合には、架橋(メタ)アクリル系樹脂が最も好適である。これら透明粒子は、1種のみを用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記透明粒子が、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、これらの共重合体等のような、架橋性単量体(2つ以上のエチレン性不飽和を有する化合物)を含むビニル系単量体(少なくとも1つのエチレン性不飽和を有する化合物)の重合体からなる場合、前記重合体は、架橋性単量体に由来する構造単位を、1〜50重量%含むことが好ましく、5〜30重量%含むことがより好ましい。前記の範囲である場合、透明粒子中に高いレベルで3次元的な網目構造を構築することができ、その結果、光拡散性により優れた光学フィルムを実現できる。
前記架橋性単量体としては、例えば、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびこれらの誘導体である芳香族ビニル系多官能単量体が挙げられる。これら架橋性単量体は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記架橋(メタ)アクリル系樹脂は、単官能(メタ)アクリル系単量体を含んでいる。上記単官能(メタ)アクリル系単量体としては、1つのアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。これら単官能(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記スチレン系樹脂は、単官能スチレン系単量体を含んでいる。上記単官能スチレン系単量体としては、1つのエチレン性不飽和基を有するスチレン類であれば特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これら単官能スチレン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、架橋(メタ)アクリル系樹脂及び架橋スチレン系樹脂の共重合体は、上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び上記単官能スチレン系単量体を含んでいる。
前記透明粒子の屈折率は、熱可塑性樹脂の屈折率と異なっていればよいが、熱可塑性樹脂の屈折率との屈折率差の絶対値Δnが0.01〜0.2の範囲内であることが好ましく
、熱可塑性樹脂の屈折率との屈折率差の絶対値Δnが0.02〜0.1の範囲内であるこ
とがより好ましい。
前記透明粒子の形状は、特に限定されるものではないが、球状であることが好ましい。
前記透明粒子は、樹脂組成物層全体にわたって均一に熱可塑性樹脂中に分散させてもよく、熱可塑性樹脂の入光面側及び/又は出光面側に透明粒子の層として設けてもよい。
前記樹脂組成物における前記透明粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。前記樹脂組成物における前記透明粒子の含有量が0.1重量部以上である場合、良好な光拡散性を光学フィルムに付与できる。前記透明粒子の含有量が5重量部以下である場合、光学フィルムの光透過率を良好にすることができる。
〔他の構成要素〕
前記樹脂組成物層は、色素を含まないことが好ましい。これにより、全光線透過率の高い光学フィルムを実現できる。したがって、前記光学フィルムをディスプレイの表示画面上に配置したときの透過像輝度や、前記光学フィルムをLED照明等の照明の照明カバーに積層したときの照明の照度を向上させることができる。
また、本発明の光学フィルムにおいては、前記樹脂組成物層の一方の面上に、ハードコート層、防眩層、反射防止層などの機能層をさらに備えていてもよく、前記樹脂組成物層の他方の面(ディスプレイの表示画面や照明カバーなどに接する面;ハードコート層などの機能層が形成されている場合には機能層が形成されていない方の面)上に粘着層をさらに備えていてもよい。
〔ハードコート層〕
前記ハードコート層は、前記樹脂組成物層の一方の面上に形成される。これにより、硬度に優れ、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)の表示画面を保護するディスプレイ保護フィルム等の保護フィルムとして好適な光学フィルムを実現できる。
前記ハードコート層の厚さは、3〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。前記ハードコート層の厚さが3μm未満であると、光学フィルムの硬度(特に表面硬度)が不十分になる可能性がある。前記ハードコート層の厚さが100μmを超えると、前記ハードコート層を構成するのに必要な原料の量が多くなるので、不経済である。
前記ハードコート層は、JIS K 5600−5−4:1999で規定された鉛筆硬度試験(ただし鉛筆を押す荷重は4.9N)により測定された鉛筆硬度が2H以上である層である。
前記ハードコート層は、バインダー樹脂で形成することができる。前記バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂と電離放射線重合開始剤との混合物等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステル)及びその共重合樹脂、メタクリル樹脂(ポリメタクリル酸エステル)及びその共重合樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性アクリル樹脂、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、前記電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線(紫外線、電子線等)を照射することで硬化する樹脂であればよく、電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマー(電離放射線重合性オリゴマー)等の1種又は2種以上を混合したものを使用することができる。前記電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上の電離放射線重合性の官能基を有する電離放射線重合性の多官能単量体、又は1分子中に2個以上の電離放射線重合性の官能基を有する電離放射線重合性の多官能プレポリマーが好ましい。
前記電離放射線重合性の多官能プレポリマー又は多官能単量体が有する電離放射線重合性の官能基としては、光重合性の官能基、電子線重合性の官能基、又は放射線重合性の官能基が好ましく、光重合性の官能基が特に好ましい。前記光重合性の官能基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル又はメタクリロイルを表す。
前記電離放射線重合性の多官能プレポリマーとしては、光重合性の官能基を2つ以上有する多官能プレポリマー(以下「光重合性多官能プレポリマー」と称する)が好ましい。前記光重合性多官能プレポリマーとして、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このような(メタ)アクリル系プレポリマーは、架橋硬化することにより3次元網目構造となる。前記(メタ)アクリル系プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等が使用できる。
前記電離放射線重合性単量体としては、前述した多官能ビニル系単量体等が使用できるが、光重合性の官能基を2つ以上有する多官能単量体(以下「光重合性多官能単量体」と称する)が好ましい。前記光重合性多官能単量体の具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート類;2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン等の多価アルコールエチレンオキシド付加物又は多価アルコールプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類;1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー等を挙げることができる。
前記光重合性多官能単量体としては、これらの具体例等のような多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーがより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。前記光重合性多官能単量体は、二種類以上を併用してもよい。
前記電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマーとして前記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーを用いる場合には、光重合開始剤を前記電離放射線重合開始剤として用いることが好ましい。前記光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーの重合は、光ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射により行うことができる。従って、前記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーと光ラジカル開始剤とを含有するコーティング剤を調製し、該コーティング剤を前記樹脂組成物層上に塗工した後、電離放射線による重合反応により前記コーティング剤を硬化することで、前記ハードコート層を前記樹脂組成物層の一方の面上に形成することができる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等に記載)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインベンゾエート、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。前記ケタール類としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルメチルケタール類が挙げられる。前記α−ヒドロキシアルキルフェノン類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。前記α−アミノアルキルフェノン類としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノンが挙げられる。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)651」(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)184」(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)907」(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン)、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)2959」(1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、前記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマー100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内で使用することが好ましく、1〜10重量部の範囲内で使用することがより好ましい。
前記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーの重合には、前記光重合開始剤に加えて光増感剤を用いてもよい。前記光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトン、チオキサントン類等を挙げることができる。
前記コーティング剤には、必要に応じてバインダー樹脂を希釈するための溶剤(希釈剤)を用いてもよい。前記溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;水;アルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、1種を用いてもよく2種以上を併用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂を含むコーティング剤を用いて前記ハードコート層を形成する場合、前記コーティング剤を塗工後に、前記コーティング剤に電離放射線(紫外線、電子線等)を照射して前記コーティング剤を硬化させることにより前記ハードコート層を形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する方法;走査型又はカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm未満の波長領域の電子線を照射する方法等を用いることができる。
前記ハードコート層を前記樹脂組成物層上に塗工する方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法等を用いることができる。
〔粘着層〕
前記粘着層は、前記樹脂組成物層の他方の面上に形成される。これにより、その粘着層の粘着力により光学フィルムを、ディスプレイ表示画面や照明カバー等の製品に貼り付けることが可能となり、製品への光学フィルムの取り付けが容易となる。
前記粘着層は、粘着剤によって形成される。前記粘着剤は、25μm厚のポリイミドフィルム上に粘着剤の層を30μm厚で形成することによって粘着フィルムを作製し、被着体としてのステンレス板に前記粘着フィルムを粘着させて前記粘着フィルムの粘着力を測定したときの粘着力が0.01〜4N/25mmの範囲内であることが好ましく、0.01〜1.5N/25mmの範囲内であることがより好ましく、0.01〜0.5N/25mmの範囲内であることがさらに好ましい。前記測定による前記粘着剤の粘着力が4N/25mm以下であることで、前記光学フィルムをいったん被着体に貼り付けた後に被着体から剥離するのが容易になる。
前記粘着剤は、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。これにより、光透過性に優れた光学フィルムを実現できる。前記粘着剤としては、光透過性に優れていることから、シリコーン系粘着剤が好ましい。
前記測定による粘着力が0.01〜4N/25mmの範囲内にあるシリコーン系粘着剤の市販品としては、商品名「KR−3704(X−40−3229)」(信越化学工業株式会社製、前記測定による粘着力が0.06N/25mm)、商品名「X−40−3323」(信越化学工業株式会社製、前記測定による粘着力が0.06N/25mm)、商品名「X−40−3270−1」(信越化学工業株式会社製、前記測定による粘着力が0.18N/25mm)、商品名「X−40−3306」(信越化学工業株式会社製、前記測定による粘着力が0.02N/25mm)、商品名「SD 4587 L PSA」(東レ・ダウコーニング株式会社製、粘着力が44N/1m)、商品名「DC 7651 ADHESIVE」(東レ・ダウコーニング株式会社製、粘着剤塗工厚30μmのときの粘着力が2N/1m)、商品名「DC 7652 ADHESIVE」(東レ・ダウコーニング株式会社製、粘着剤塗工厚30μmのときの粘着力が124N/1m)等が挙げられる。
前記シリコーン系粘着剤は、液状のシリコーン組成物を硬化させることにより得ることができる。シリコーン組成物の硬化は、加熱により行うことができる。前記加熱の温度は、特に限定されないが、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。前記加熱の温度が80℃以上であると、十分に硬化させるのに長時間の加熱が必要となることはなく、生産性の点より好ましい。また、加熱の温度が130℃以下であると、熱による前記透明基材フィルムのしわの発生を抑制でき、好ましい。特に、前記透明基材フィルムがPETフィルムなどの熱に弱いフィルムであると、熱によるしわの発生が生じやすい。前記加熱の時間は、特に限定されないが、生産性向上の点および透明基材フィルムへの熱によるダメージ低減の点から、10秒間〜3分間が好ましい。
前記シリコーン組成物の硬化は、加熱後に紫外線を照射することによって行ってもよい。紫外線の照射は、ピーク照度0.5〜4.0W/cm2の紫外線を積算照射量が0.1〜2.0J/cm2となるように照射することが好ましい。
〔粘着層の形成方法〕
前記粘着層の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、溶剤中に粘着剤またはその前駆体(硬化前の粘着剤)を溶解または分散させることによってコーティング剤を調製し、そのコーティング剤で前記透明基材フィルムをコーティングした後、コーティング剤を乾燥させる(溶剤を蒸発させる)方法が好適である。
前記コーティングは、コーター(塗工機)を用いて行ってもよい。前記コーターとしては、例えば、スリットコーター、グラビアコーター、バーコーター(例えば、マイヤーバーコーターなど)、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン等の炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。なお、溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
〔剥離フィルム〕
粘着層を備える光学フィルムにおいては、さらに、前記粘着層の上に、必要に応じて剥離フィルムを設けてもよい。前記剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等からなる各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂等からなる剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。前記剥離フィルムの厚さは、特に制限はないが、通常、20〜150μmの範囲内である。
〔LED光源を使用した光学機器への使用〕
本発明の光学フィルムは、光学機器上に配置されたときに、光学機器から出射するブルーライトをカットすることができる。そのため、本発明の光学フィルムは、ブルーライトを多く出すLED光源を使用した光学機器に使用される光学フィルムとして好適である。LED光源を使用した光学機器としては、例えば、LED光源を使用した液晶ディスプレイ、LED光源を使用した投射型スクリーン(投射型ディスプレイ)、LED照明(LED照明器具)等が挙げられる。
〔ディスプレイ保護フィルム〕
本発明の光学フィルムは、ディスプレイ(液晶ディスプレイ有機ELディスプレイ等)の表示画面上に配置されたときに、表示画面を保護すると共に表示画面から出射するブルーライトをカットすることができる。そのため、本発明の光学フィルムは、ディスプレイの表示画面を保護するディスプレイ保護フィルムとして好適であり、LED光源を使用したディスプレイ(LED光源を使用した液晶ディスプレイ、LED光源を使用した投射型スクリーン等)の表示画面を保護するディスプレイ保護フィルムとして特に好適である。また、本発明の光学フィルムは、携帯端末(携帯電話機、携帯タブレットパーソナルコンピュータ、携帯音楽プレイヤー等)のディスプレイの表示画面を保護する携帯端末用のディスプレイ保護フィルムとして特に好適である。
〔複合光拡散体〕
本発明の複合光拡散体は、光拡散体と、本発明の光学フィルムとを備えている。上記構成によれば、光拡散体による光拡散効果と、本発明の光学フィルムによるブルーライトカット効果との組み合わせにより、光を拡散でき、かつ、ブルーライト以外の光の透過率を良好なレベルに維持したままブルーライトを十分に低減できる複合光拡散体を実現できる。本発明の複合光拡散体は、ブルーライトを多く出すLED照明に使用されるLED照明用光拡散カバーとして特に好適である。本発明の複合光拡散体は、本発明の光学フィルムを光拡散体に積層することで、例えば本発明の光学フィルムが粘着層を備える場合にはその粘着層を光拡散体に粘着させることで、得ることができる。
前記光拡散体としては、熱可塑性樹脂中に透明粒子を添加してなるものが好適である。
前記光拡散体の全光線透過率は、50%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。これにより、光源からの出射光のより多くが光拡散体を透過する。従って、光拡散体の配設による出射光の明るさの低下をさらに抑制できる。従って、前記光拡散体を用いて、明るい出射光を出力可能な、光源を備える装置(照明器具等)を実現できる。
前記光拡散体は、その形状及び厚みに特に制限はないが、0.5〜3mmの範囲内の厚みを有する光拡散板(板状の光拡散体)であることが好ましい。前記光拡散体がLED電球や直管型LED等のLED照明器具に使用される板状のLED照明用光拡散カバー(光拡散板の1種)である場合、LED電球や直管型LEDの軽量化が望まれていることから、前記板状のLED照明用光拡散カバーの厚み(板厚)は1〜2mmの範囲内であることがより好ましい。
前記LED照明用光拡散カバーの大きさ及び形状は、特に制限されず、例えば、LED電球、直管型LED照明、LEDデスクスタンド、LEDシーリングライト等のLED照明器具の発光部(LED照明用光拡散カバー以外の部分)の大きさ及び形状に合わせればよい。
前記光拡散体に使用される透明粒子(以下、「光拡散体用粒子」と称する)は、光透過性を有する粒子であればよい。前記光拡散体用粒子は、均一な屈折率を有する粒子(例えば、単一の材質からなる粒子や、同一の屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよいし、屈折率が異なる複数の部分から構成される粒子(例えば、異なる屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよい。
前記光拡散体用粒子の体積平均粒子径は、1.0〜50μmの範囲内であることが好ましい。前記光拡散体用粒子の体積平均粒子径が1.0μm以上である場合、複合光拡散体の光透過性を良好にすることができる。前記光拡散体用粒子の体積平均粒子径が50μm以下である場合、良好な光拡散性を複合光拡散体に付与できる。
また、前記光拡散体用粒子の粒子径の変動係数は、40%以下であることが好ましい。前記光拡散体用粒子の粒子径の変動係数が40%を超えると、良好な光拡散効果を得にくくなる。
前記光拡散体に使用される透明粒子(光拡散体用粒子)の材質及び形状、熱可塑性樹脂の材質、並びにそれらの屈折率差は、前記樹脂組成物層に使用される透明粒子の材質及び形状、熱可塑性樹脂の材質、並びにそれらの屈折率差と同様である。
前記光拡散体用粒子は、光拡散体全体にわたって均一に熱可塑性樹脂中に分散させてもよく、光拡散体を構成する熱可塑性樹脂の入光面側及び/又は出光面側に透明粒子の層として設けてもよい。
前記光拡散体用粒子の量は、前記光拡散体に使用される熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。前記光拡散体用粒子の量が前記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部以上である場合、良好な光拡散性を複合光拡散体に付与できる。前記光拡散体用粒子の量が前記熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下である場合、複合光拡散体の光透過率を良好にすることができる。
〔照明器具〕
本発明の照明器具は、本発明の複合光拡散体を備えている。上記構成によれば、照明器具の光源からの光を拡散でき、かつ、照明の明るさを良好なレベルに維持したまま照明器具の光源からのブルーライトを十分に低減できる照明器具を実現できる。本発明の照明器具は、ブルーライトを多く出すLED光源を光源として備えるLED照明器具として特に好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例及び比較例における、透明粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法、透明粒子の屈折率の測定方法、熱可塑性樹脂の屈折率の測定方法、光学フィルムの分光透過率等の測定方法、並びに光学フィルムのヘイズ及び全光線透過率の測定方法を説明する。
〔透明粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法〕
透明粒子の体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)及びユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行う。
具体的には、透明粒子を含有するスラリー0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。
測定は、ユニバーサルリキッドサンプルモジュール中でポンプ循環を行うことによって上記透明粒子を分散させた状態、かつ、超音波ユニット(ULM ULTRASONIC MODULE)を起動させた状態で行い、透明粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)を算出する。測定条件を下記に示す。
媒体=水
媒体の屈折率=1.333
固体の屈折率=透明粒子の屈折率
PIDS相対濃度:40〜55%程度
透明粒子の粒子径の変動係数は、以下の数式によって算出する。
透明粒子の粒子径の変動係数=(透明粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差
÷透明粒子の体積平均粒子径)×100
〔透明粒子の屈折率の測定方法〕
体積平均粒子径が1μmを超える透明粒子の屈折率の測定は、ベッケ法により行う。まず、スライドガラス上に透明粒子を載せ、屈折液(予想される屈折率辺りのCARGILLE社製のカーギル標準屈折液を屈折率差0.002刻みで複数準備する;例えば、屈折率(25℃での屈折率nD25)1.538〜1.562の屈折液を屈折率差0.002刻みで複数準備する)を滴下する。そして、透明粒子と屈折液とをよく混ぜた後、下方から岩崎電気株式会社製の高圧ナトリウムランプ「NX35」(中心波長589nm)の光を照射しながら、上方から光学顕微鏡により透明粒子の輪郭を観察する。なお、光学顕微鏡による観察は、透明粒子の輪郭が確認できる倍率での観察であれば特に問題ないが、粒子径5μmの粒子であれば500倍程度の観察倍率が適当である。
上記操作により、屈折液の屈折率と透明粒子の屈折率とが近いほど透明粒子の輪郭が見えにくくなることから、屈折液中の透明粒子の輪郭が見えない、あるいは屈折液中の透明粒子の輪郭が最も判りにくい屈折液の屈折率が透明粒子の屈折率に等しいと判断する。また、屈折率差が0.002である2種類の屈折液の間で透明粒子の見え方に違いがない場合は、これら2種類の屈折液の中間の値を当該透明粒子の屈折率と判断する。例えば、屈折率1.554及び1.556の屈折液それぞれで試験をしたときに、両屈折液で透明粒子の見え方に違いがない場合は、これら屈折液の中間値1.555を透明粒子の屈折率と判断する。上記の測定は、試験室気温23℃〜27℃の環境下で実施する。なお、体積平均粒子径が1μm以下の透明粒子の屈折率は、透明粒子を構成する単量体の屈折率から計算(推定)することができる。
〔熱可塑性樹脂の屈折率の測定方法〕
熱可塑性樹脂の屈折率の測定は、体積平均粒子径が1μmを超える透明粒子の屈折率の測定と同様にしてベッケ法により行う。
〔光学フィルムの分光透過率等の測定方法〕
まず、光学フィルムを50mm×25mmの平面サイズに切り出して、測定試料とした。次いで、測定試料を、気温20℃、相対湿度65%に設定した恒温恒湿室に1時間以上静置することによって状態調整した後、測定試料の分光光度測定を行う。
気温20℃、相対湿度65%に設定した恒温恒湿室内で、積分球を装着した紫外可視光分光光度計(UV−VISIBLE SPECTROPHOTOMETER)(株式会社島津製作所製、型番「UV−2450」)に前記測定試料をセットして420nm〜800nmの分光透過率を測定する。具体的には、まず、前記紫外可視光分光光度計に対して、前記紫外可視光分光光度計に付属のフィルムホルダをセットする。次に、前記紫外可視光分光光度計により波長420nm〜800nmの分光透過率を測定し、500nmの透過光強度が100%となるように前記紫外可視光分光光度計を補正する。次に、前記フィルムホルダに前記測定試料をセットし、波長420nm〜800nmの分光透過率を測定する。
また、波長700〜800nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率の数値の全てを合計し、波長700〜800nmのステップ数(合計した数値の個数に相当)で割ることにより、波長700〜800nmの平均光透過率を算出する。同様に、波長420〜480nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率の数値の全てを合計し、波長420〜480nmのステップ数(合計した数値の個数に相当)で割ることにより、波長420〜480nmの平均光透過率を算出する。また、波長420〜800nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率が最大値となるときの波長を、波長420〜800nmの分光透過率の極大点の波長とし、波長420〜800nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率が最小値となるときの波長を、波長420〜800nmの分光透過率の極小点の波長とする。
測定条件及び紫外可視光分光光度計のパラメーター(装置パラメーター)は、以下の通りとする。
(測定条件)
・測定波長範囲:420〜800nm
・スキャンスピード:中速
・サンプリングピッチ:1nm
・測定モード:シングル
(装置パラメーター)
・測光値:透過
・スリット巾:2.0mm
・S/R切替:標準
〔光学フィルムのヘイズ及び全光線透過率の測定方法〕
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、商品名「NDH4000」)を使用して、光学フィルムのヘイズ及び全光線透過率をそれぞれJIS K 7136及びJIS K 7361−1に従って測定する。また、2個の測定サンプルについてそれぞれ測定を実施し、得られた2つの測定値の平均値を最終的な測定値とする。
〔実施例1〕
透明粒子としての樹脂粒子A(単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル80重量%及び架橋性単量体としてのメタクリル酸アリル20重量%からなる単量体の重合体からなる架橋メタクリル酸メチル微粒子、体積平均粒子径0.32μm、屈折率1.490、CV値15.2)、及び熱可塑性樹脂としてのポリカーボネート(帝人株式会社製、商品名「パンライト(登録商標)L−1250Z 100」、数平均分子量23800、屈折率1.585、表中では「PC」と略記する)を、樹脂粒子Aが1.0重量部、ポリカーボネートが100重量部の割合となるようにそれぞれ計量し、ヘンシェルミキサーで15分間混合した。この混合物を単軸型押出し機(株式会社星プラスチック製、型番「R50」)を用いて温度250〜280℃、吐出量10〜25kg/hの条件で押出し、水冷後にペレタイザーでカットして、樹脂粒子Aを含有するペレット状の光拡散性樹脂組成物を得た。
次に、樹脂粒子Aを含有するペレット状の光拡散性樹脂組成物をTダイ押出成形装置(商品名「ラボプラストミル」、株式会社東洋精機製作所製)を用いてTダイ押出成形することにより、樹脂粒子Aを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは100μmであった。Tダイ押出成形のTダイ押出条件及び成形条件は、以下の通りとした。
(Tダイ押出条件)
押出機:スクリュー径(φ)=20mm、スクリュー有効長(L)/スクリュー直径(D)=25、スクリュー圧縮比(CR)=2.0のフルフライトスクリューを使用したもの
Tダイ:ダイス幅150mm、リップ幅0.4mm
(成形条件)
原料予備乾燥:120℃×12時間
設定温度:Tダイ温度=285℃、シリンダー温度C3=295℃、シリンダー温度C2=280℃、シリンダー温度C1=270℃
スクリュー回転数:40rpm
引き取りロール:表面温度135℃、引き取り速度2m/min
〔実施例2〕
透明粒子として、樹脂粒子B(メタクリル酸メチル80重量%及びメタクリル酸アリル20重量%からなる単量体の重合体からなる架橋メタクリル酸メチル微粒子、体積平均粒子径0.09μm、屈折率1.490、CV値26.7)を樹脂粒子Aに代えて用い、透明粒子の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Bを0.5重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは170μmであった。
〔実施例3〕
透明粒子として、実施例2で用いたのと同様の樹脂粒子Bを樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Bを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは130μmであった。
〔実施例4〕
透明粒子として、樹脂粒子C(単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル4重量%、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのアクリル酸ブチル67%、及び架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート29重量%からなる単量体の重合体からなる架橋アクリル酸エステル微粒子、体積平均粒子径0.21μm、屈折率1.490、CV値16.7)を樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Cを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは120μmであった。
〔実施例5〕
透明粒子として、樹脂粒子D(メタクリル酸メチル80重量%及びメタクリル酸アリル20重量%からなる単量体の重合体からなる架橋メタクリル酸メチル微粒子、体積平均粒子径0.50μm、屈折率1.490、CV値14.5)を樹脂粒子Aに代えて用い、透明粒子の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Dを0.5重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは150μmであった。
〔実施例6〕
透明粒子として、実施例5で用いたのと同様の樹脂粒子Dを樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出を行うことにより、樹脂粒子Dを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは160μmであった。
〔実施例7〕
透明粒子として、樹脂粒子E(メタクリル酸メチル4重量%、アクリル酸ブチル67%、及びエチレングリコールジメタクリレート29重量%からなる単量体の重合体からなる架橋アクリル酸エステル微粒子、体積平均粒子径0.82μm、屈折率1.490、CV値14.3)を樹脂粒子Aに代えて用い、透明粒子の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Eを0.5重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは170μmであった。
〔実施例8〕
透明粒子として、樹脂粒子F(メタクリル酸メチル96重量%及びエチレングリコールジメタクリレート4重量%からなる単量体の重合体からなる架橋メタクリル酸メチル微粒子、体積平均粒子径1.53μm、屈折率1.490、CV値14.1)を樹脂粒子Aに代えて用い、透明粒子の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Fを0.5重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは190μmであった。
〔実施例9〕
透明粒子として、実施例7で用いたのと同様の樹脂粒子Eを樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Eを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは170μmであった。
〔実施例10〕
透明粒子として、実施例8で用いたのと同様の樹脂粒子Fを樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Fを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは130μmであった。
〔比較例1〕
透明粒子として、樹脂粒子G(メタクリル酸メチル95重量%及びエチレングリコールジメタクリレート5重量%からなる単量体の重合体からなる架橋メタクリル酸メチル微粒子、体積平均粒子径5.3μm、屈折率1.492、CV値35.3)を樹脂粒子Aに代えて用い、透明粒子の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Gを0.5重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは160μmであった。
〔比較例2〕
透明粒子として、比較例1で用いたのと同様の樹脂粒子Gを樹脂粒子Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行うことにより、樹脂粒子Gを1.0重量部含有する光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの厚みは110μmであった。
これら実施例及び比較例で得られた光学フィルムについての、厚み(これら実施例及び比較例では樹脂組成物層の厚みと等しい)T(μm)、ヘイズ、全光線透過率、波長420〜480nmの平均光透過率Tb、波長700〜800nmの平均光透過率To、透過率差To−Tb、波長420〜800nmの範囲で透過率が極小値を示す波長(波長420〜800nmの分光透過率の極小点の波長)、及び波長420〜800nmの範囲で透過率が極大値を示す波長(波長420〜800nmの分光透過率の極大点の波長)を、これら実施例及び比較例の光学フィルムに使用した透明粒子の種類、体積平均粒子径D(μm)、粒子径の変動係数(以下、「CV値」と称する)、屈折率nP、及び光学フィルム全体に対する含有量(これら実施例及び比較例では樹脂組成物層における含有量と等しい)C(熱可塑性樹脂100重量部に対する重量部)、熱可塑性樹脂の種類及び屈折率nm、透明粒子と熱可塑性樹脂との屈折率差の絶対値Δn(=│nP−nm│)、D×Δn、並びにD1/3×C×Tと共に、表1に示す。
Figure 0006512813
以上のように、比較例1及び2では、波長700〜800nmの平均光透過率をTo(%)、波長420〜480nmの平均光透過率をTb(%)としたときの、To−Tb(%)が7未満(詳細には6.3又は3.5)であったのに対し、実施例1〜10では、To−Tb(%)が7以上(詳細には11.7〜36.4)であり、全光線透過率が85%以上(詳細には87.03〜92.84%)である光学フィルムを実現することができた。また、以上のように、実施例9及び10では、ヘイズが60%超(詳細には76.13%又は67.53%)であったのに対し、実施例1〜8では、ヘイズが60%以下(詳細には13.83〜54.10%)である光学フィルムを実現することができた。
本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ等のディスプレイの表示画面を保護すると共にディスプレイから出射するブルーライトをカットするために前記表示画面に貼り付けられる保護フィルム、LED照明カバー等の光拡散板またはガラスにブルーライトカット機能を付与するために光拡散板またはガラスに貼り付けられる機能付与フィルム等として利用できる。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂及び透明粒子を含む樹脂組成物層を備える光学フィルムであって、
    波長700〜800nmの平均光透過率をTo(%)、波長420〜480nmの平均光透過率をTb(%)とすると、To−Tb(%)が7以上であり、
    全光線透過率が85%以上であり、
    色素を含まないことを特徴とする光学フィルム。
  2. 請求項に記載の光学フィルムであって、
    ヘイズが60%以下であることを特徴とする光学フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の光学フィルムであって、
    波長420〜800nmの分光透過率の極大点が波長700〜800nmの範囲内にあり、かつ波長420〜800nmの分光透過率の極小点が波長420〜480nmの範囲内にあることを特徴とする光学フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムであって、
    前記透明粒子の体積平均粒子径をD(μm)、透明粒子と熱可塑性樹脂との屈折率差の絶対値をΔnとすると、以下の不等式
    0.002<D×Δn<0.25
    を満たすことを特徴とする光学フィルム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムであって、
    前記透明粒子の体積平均粒子径をD(μm)、前記樹脂組成物層における透明粒子の含有量をC(熱可塑性樹脂100重量部に対する重量部)、前記樹脂組成物層の厚みをT(μm)とすると、以下の不等式
    1/3×C×T≦150
    を満たすことを特徴とする光学フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムであって、
    前記樹脂組成物層の一方の面上に、ハードコート層をさらに備えることを特徴とする光学フィルム。
  7. 請求項に記載の光学フィルムであって、
    前記樹脂組成物層の他方の面上に、粘着層をさらに備えることを特徴とする光学フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムであって、
    ディスプレイ保護フィルムであることを特徴とする光学フィルム。
  9. 請求項に記載の光学フィルムであって、
    携帯端末用のディスプレイ保護フィルムであることを特徴とする光学フィルム。
  10. 光拡散体と、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムとを備えることを特徴とする複合光拡散体。
  11. 請求項10に記載の複合光拡散体を備えることを特徴とする照明器具。
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