JP6512167B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御装置に関する。
特許文献1には、電気アクチュエータで弁体を開弁作動させて燃料を噴射させる燃料噴射弁が開示されている。また、電気アクチュエータへの通電時間を制御することで、弁体の開弁時間を制御して、弁体の1回の開弁で噴射される噴射量を制御する燃料噴射制御装置が開示されている。上記通電時間は、要求されている噴射量(要求噴射量)に対応する時間に設定される。
しかし、燃料噴射弁の各部で生じる摩耗等の経年劣化により、要求噴射量に対応する通電時間(つまり噴射特性)は変化していく。そこで近年では、実際に噴射された噴射量(つまり実噴射量)と相関のある物理量、例えば電気アクチュエータの端子電圧変化を検出することで、実噴射量を推定する技術の開発が進んできている。これによれば、実噴射量と要求噴射量とのズレ量が無くなるよう、そのズレ量に応じた補正量で要求噴射量を補正できる。よって、噴射特性の経年変化に応じた通電時間にできるので、噴射量を高精度で制御できるようになる。
特開2015−96720号公報
さて、近年では、弁体が開弁作動を開始してから最大開弁位置に達する前に閉弁作動を開始することとなるパーシャルリフト噴射(特許文献1参照)の開発が進んできており、この場合には、弁体の開閉作動の挙動が不安定になる。そのため、パーシャルリフト噴射の場合には、端子電圧変化を検出して実噴射量を推定するにあたり、その推定精度が悪くなる。したがって、補正量を直ぐに要求噴射量に反映させると、噴射量を高精度で制御することを十分に促進できない。
そこで本発明者らは、所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていくことで、パーシャルリフト噴射であっても、悪い推定精度が噴射量制御に反映されにくくすることを検討した。
しかしながら、噴射特性の経年変化とは別に、燃料噴射弁を交換することに伴い噴射特性が変わる場合がある。この場合には補正量が急変することになるが、補正量を直ぐに反映させない上記制御では、交換に伴い急変した補正量が直ぐに反映されない。そのため、パーシャルリフト噴射での悪い推定精度が反映されにくくなるメリットよりも、交換直後の補正量反映に時間がかかるデメリットの方が大きくなる。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、噴射特性の経年変化への対応と燃料噴射弁の交換への対応との両立を図った、燃料噴射制御装置を提供することにある。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつは、燃料を噴射する噴孔(17a)を開閉させる弁体(12)を電気アクチュエータ(EA)で開弁作動させる燃料噴射弁(10)に適用され、電気アクチュエータの作動を制御することで、弁体の開弁時間を制御して、弁体の1回の開弁で噴射される噴射量を制御する燃料噴射制御装置において、
弁体が開弁作動を開始してから最大開弁位置に達する前に閉弁作動を開始することとなるパーシャルリフト噴射を実施する場合に、要求されている噴射量である要求噴射量に対応する電気アクチュエータへの通電時間を算出する通電時間算出部(S14)と、
パーシャルリフト噴射を実施した場合の、実際に噴射された噴射量である実噴射量と相関のある物理量を検出する検出部(54)と、
検出部の検出結果に基づき実噴射量を推定する推定部(55)と、
推定部により推定された実噴射量と要求噴射量とのズレ量に応じた補正量で、要求噴射量を補正する補正部(S13)と、
補正量が前回値に比べて所定以上変化したか否かに基づき、急変状態であるか否かを判定する急変判定部(S41、S41a)と、
補正部が所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていくその反映速度を設定する反映速度設定部(S12)と、
を備え、
反映速度設定部は、急変判定部により急変状態であると判定されている場合には、急変状態でないと判定されている場合に比べて、反映速度を速い速度に設定する燃料噴射制御装置である。
上記発明によれば、補正量が急変した状態であるか否かを判定し、急変状態と判定されている場合には、所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていくその反映速度を速くする。そのため、燃料噴射弁を交換することに伴い噴射特性が変わった場合には、急変状態と判定されて反映速度が速くなるので、交換により急変した補正量は迅速に反映される。それでいて、経年変化により噴射特性が変わった場合には、補正部が所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていくので、経年劣化により変化する補正量を反映するにあたり、パーシャルリフト噴射での悪い推定精度が反映されにくくなる。このように、上記発明によれば、噴射特性の経年変化への対応と燃料噴射弁の交換への対応との両立が図られる。
第1実施形態の燃料噴射システムを示す図。 燃料噴射弁を示す断面図 通電時間と噴射量との関係を示すグラフ。 弁体の挙動を示すグラフ。 電圧と差分との関係を示すグラフ。 検出範囲を説明するためのグラフ。 噴射制御処理を示すフローチャート。 初期学習処理を示すフローチャート。 通常学習処理を示すフローチャート。 反映速度設定処理を示すフローチャート。 燃料噴射弁毎の噴射特性のバラツキが、時間経過とともに変化していく様子を示す図。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図10を用いて説明する。図1に示す燃料噴射システム100は、複数の燃料噴射弁10および燃料噴射制御装置20を含んで構成される。燃料噴射制御装置20は、複数の燃料噴射弁10の開閉を制御し、内燃機関Eの燃焼室2への燃料噴射を制御する。燃料噴射弁10は、点火式の内燃機関E、たとえばガソリンエンジンに複数搭載されており、内燃機関Eの複数の燃焼室2のそれぞれに直接燃料を噴射する。燃焼室2を形成するシリンダヘッド3には、シリンダの軸線Cと同軸の貫通する取付け穴4が形成されている。燃料噴射弁10は、先端が燃焼室2に露出するように取付け穴4に挿入されて固定されている。
燃料噴射弁10へ供給される燃料は、図示しない燃料タンクに貯蔵されている。燃料タンク内の燃料は、低圧ポンプ41によりくみ上げられ、高圧ポンプ40により燃圧が高められてデリバリパイプ30へ送られる。デリバリパイプ30内の高圧燃料は、各気筒の燃料噴射弁10へ分配して供給される。シリンダヘッド3うち、燃焼室2に臨む位置に点火プラグ6が取り付けられている。また点火プラグ6は、燃料噴射弁10の先端の近傍に配置されている。
次に、燃料噴射弁10の構成に関して、図2を用いて説明する。図2に示すように、燃料噴射弁10は、ボデー11、弁体12、電磁コイル13、固定コア14、可動コア15、およびハウジング16を含んで構成される。ボデー11は、磁性材料で形成されている。ボデー11の内部には、燃料通路11aが形成されている。
またボデー11の内部には、弁体12が収容されている。弁体12は、金属材料によって全体として円柱状に形成されている。弁体12は、ボデー11の内部で軸方向に往復変位可能である。ボデー11は、先端部に弁体12が着座する弁座17b、および燃料を噴射する噴孔17aが形成された噴孔体17を有して構成されている。噴孔17aは、ボデー11の内側から外側に向けて放射状に複数設けられている。噴孔17aを通じて、高圧の燃料が燃焼室2内に噴射される。
弁体12の本体部は、円柱形状である。弁体12の先端部は、本体部の噴孔17a側先端から噴孔17aに向けて延びる円錐形状である。弁体12のうち弁座17bに着座する部分がシート面12aである。シート面12aは、弁体12の先端部に形成されている。
シート面12aを弁座17bに着座させるよう弁体12を閉弁作動させると、燃料通路11aが閉鎖されて噴孔17aからの燃料噴射が停止される。シート面12aを弁座17bから離座させるよう弁体12を開弁作動させると、燃料通路11aが開放されて噴孔17aから燃料が噴射される。
電磁コイル13は、可動コア15に開弁方向の磁気吸引力を付勢する。電磁コイル13は、樹脂製のボビン13aに巻き回して構成され、ボビン13aと樹脂材13bにより封止されている。つまり、電磁コイル13、ボビン13aおよび樹脂材13bにより、円筒形状のコイル体が構成されている。固定コア14は、磁性材料にて円筒形状に形成され、ボデー11に固定されている。固定コア14の円筒内部には、燃料通路14aが形成されている。
さらに、電磁コイル13を封止する樹脂材13bの外周面は、ハウジング16により覆われている。ハウジング16は、金属製の磁性材料にて円筒形状に形成されている。ハウジング16の開口端部には、金属製の磁性材料にて形成される蓋部材18が取り付けられている。これにより、コイル体は、ボデー11、ハウジング16および蓋部材18により取り囲まれることとなる。
可動コア15は、弁体12の駆動方向に相対変位可能に弁体12に保持される。可動コア15は、金属製の磁性材料にて円盤形状に形成され、ボデー11の内周面に挿入されている。ボデー11、弁体12、コイル体、固定コア14、可動コア15およびハウジング16は、各々の中心線が一致するように配置されている。そして、可動コア15は、固定コア14に対して噴孔17aの側に配置されており、電磁コイル13への非通電時には固定コア14と所定のギャップを有するよう、固定コア14に対向配置されている。
前述のように、コイル体を取り囲むボデー11、ハウジング16、蓋部材18および固定コア14は、磁性材料により形成されるため、電磁コイル13への通電により生じた磁束の通路となる磁気回路を形成することとなる。固定コア14、可動コア15および電磁コイル13等の部品は、弁体12を開弁作動させる電気アクチュエータEAに相当する。
図1に示すように、ボデー11のうちハウジング16よりも噴孔17a側に位置する部分の外周面は、取付け穴4の下方側内周面4bに接触している。またハウジング16の外周面は、取付け穴4の上方側内周面4aとの間に隙間を形成している。
可動コア15には貫通孔15aが形成されており、この貫通孔15aに弁体12が挿入配置されることで、弁体12は可動コア15に対して摺動して相対移動可能に組み付けられている。弁体12の図2の上方側である反噴孔側端部には、本体部から拡径した係止部12dが形成されている。可動コア15が固定コア14に吸引されて上方側に移動する際には、係止部12dが可動コア15に係止された状態で移動するので、可動コア15の上方への移動に伴い弁体12も移動する。可動コア15が固定コア14に接触した状態であっても、弁体12は可動コア15に対して相対移動してリフトアップすることが可能である。
弁体12の反噴孔側にはメインスプリングSP1が配置され、可動コア15の噴孔17a側にはサブスプリングSP2が配置されている。メインスプリングSP1の弾性力は、調整パイプ101からの反力として弁体12へ図2の下方側である閉弁方向に付与される。サブスプリングSP2の弾性力は、ボデー11の凹部11bからの反力として可動コア15へ吸引方向に付与される。
要するに、弁体12は、メインスプリングSP1と弁座17bとの間に挟まれており、可動コア15は、サブスプリングSP2と係止部12dとの間に挟まれている。そして、サブスプリングSP2の弾性力は、可動コア15を介して係止部12dに伝達され、弁体12へ開弁方向に付与されることとなる。したがって、メイン弾性力からサブ弾性力を差し引いた弾性力が、弁体12へ閉弁方向に付与されているとも言える。
ここで、燃料通路11a内の燃料の圧力は弁体12の表面全体にかかっているが、閉弁側に弁体12を押す力の方が、開弁側に弁体12を押す力よりも大きい。よって、燃圧により弁体12は閉弁方向へ押し付けられる。弁体12のうちシート面12aよりも下流側部分の面については、閉弁時には燃圧がかからない。そして、開弁とともに、先端部に流れ込む燃料の圧力が徐々に上昇して、先端部を開弁側に押す力が増大する。したがって、開弁とともに先端部近傍の燃圧が上昇し、その結果、燃圧閉弁力が低下していく。以上の理由により、燃圧閉弁力の大きさは、閉弁時が最大であり、弁体12の開弁移動量が大きくなるに連れて徐々に小さくなっていく。
次に電磁コイル13への通電による挙動に関して説明する。電磁コイル13へ通電して固定コア14に電磁吸引力を生じさせると、この電磁吸引力により可動コア15が固定コア14に引き寄せられる。電磁吸引力は電磁力ともいう。その結果、可動コア15に連結されている弁体12は、メインスプリングSP1の弾性力および燃圧閉弁力に抗して開弁作動する。一方、電磁コイル13への通電を停止させると、メインスプリングSP1の弾性力により、弁体12は可動コア15とともに閉弁作動する。
次に、燃料噴射制御装置20の構成に関して説明する。燃料噴射制御装置20は、電子制御装置(略称ECU)によって実現される。燃料噴射制御装置20は、制御回路21、昇圧回路22、電圧検出部23、電流検出部24およびスイッチ部25を含んで構成される。制御回路21は、マイクロコンピュータとも呼ばれる。燃料噴射制御装置20は、各種のセンサからの情報を取得する。たとえば燃料噴射弁10への供給燃圧は、図1に示すように、デリバリパイプ30に取り付けられた燃圧センサ31により検出され、燃料噴射制御装置20に検出結果が与えられる。燃料噴射制御装置20は、燃圧センサ31の検出結果に基づいて、高圧ポンプ40の駆動を制御する。
制御回路21は、中央演算装置、不揮発性メモリ(ROM)および揮発性メモリ(RAM)等を有して構成され、内燃機関Eの負荷および機関回転速度に基づき、燃料の要求噴射量および要求噴射開始時期を算出する。ROMおよびRAMなどの記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムおよびデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。制御回路21は、噴射制御部として機能し、通電時間Tiと噴射量Qとの関係を示す噴射特性を予め試験してROMに記憶しておき、その噴射特性にしたがって電磁コイル13への通電時間Tiを制御することで、噴射量Qを制御する。制御回路21は、電磁コイル13への通電を指令するパルス信号である噴射指令パルスを出力し、このパルス信号のパルスオン期間(パルス幅)により、電磁コイル13への通電時間が制御される。
電圧検出部23および電流検出部24は、電磁コイル13に印加された電圧および電流を検出し、検出結果を制御回路21に与える。電圧検出部23は、電磁コイル13のマイナス端子電圧を検出する。電磁コイル13に供給される電流を遮断すると、電磁コイル13にフライバック電圧が生じる。さらに電磁コイル13には、電流を遮断して弁体12および可動コア15が閉弁方向に変位することによる誘導起電力が生じる。したがって、電磁コイル13への通電オフに伴い、誘導起電力による電圧がフライバック電圧に重畳した値の電圧が電磁コイル13に生じる。よって、電圧検出部23は、電磁コイル13に供給される電流を遮断して弁体12および可動コア15が閉弁方向に変位することによる誘導起電力の変化を電圧値として検出していると言える。さらに電圧検出部23は、弁座17bと弁体12とが接触してから可動コア15が弁体12に対して相対変位することによる誘導起電力の変化を電圧値として検出する。閉弁検出部54は、検出された電圧を用いて、弁体12が閉弁する閉弁タイミングを検出する。閉弁検出部54は、気筒毎の燃料噴射弁10に対して閉弁タイミングの検出を実施する。
制御回路21は、充電制御部51、放電制御部52、電流制御部53、閉弁検出部54および噴射量推定部55を有する。昇圧回路22およびスイッチ部25は、制御回路21から出力された噴射指令信号に基づき作動する。噴射指令信号は、燃料噴射弁10の電磁コイル13への通電状態を指令する信号であり、要求噴射量および要求噴射開始時期を用いて設定される。
昇圧回路22は、昇圧したブースト電圧を電磁コイル13に印加する。昇圧回路22は、昇圧コイル、コンデンサおよびスイッチング素子を備え、バッテリ102のバッテリ端子から印加されるバッテリ電圧が昇圧コイルにより昇圧(ブースト)されて、コンデンサに蓄電される。このように昇圧されて蓄電された電力の電圧がブースト電圧に相当する。
放電制御部52は、昇圧回路22が放電するように所定のスイッチング素子をオン作動させると、燃料噴射弁10の電磁コイル13へブースト電圧が印加される。放電制御部52は、電磁コイル13への電圧印加を停止させる場合には、昇圧回路22の所定のスイッチング素子をオフ作動させる。
電流制御部53は、電流検出部24の検出結果を用いて、スイッチ部25のオンオフを制御して、電磁コイル13に流れる電流を制御する。スイッチ部25は、オン状態になるとバッテリ電圧または昇圧回路22からのブースト電圧を電磁コイル13に印加し、オフ状態になると印加を停止する。電流制御部53は、たとえば噴射指令信号により指令される電圧印加開始時期に、スイッチ部25をオンにしてブースト電圧を印加して通電を開始する。すると、通電開始に伴いコイル電流が上昇する。そして電流制御部53は、コイル電流検出値が電流検出部24の検出結果に基づいて、目標値に達すると、通電をオフさせている。要するに、初回の通電によるブースト電圧印加により、目標値までコイル電流を上昇させるように制御する。また電流制御部53は、ブースト電圧を印加後は目標値よりも低い値に設定された値にコイル電流が維持されるように、バッテリ電圧による通電を制御する。
図3に示すように、噴射指令パルス幅と噴射量との関係を表わす噴射特性マップは、噴射指令パルス幅が比較的長くなるフルリフト領域と、噴射指令パルス幅が比較的短くなるパーシャルリフト領域とに区分される。フルリフト領域では、弁体12のリフト量がフルリフト位置、すなわち可動コア15が固定コア14に突き当たる位置に到達するまで弁体12が開弁作動し、その突き当たった位置から閉弁作動を開始する。しかしパーシャルリフト領域では、弁体12のリフト量がフルリフト位置に到達しないパーシャルリフト状態、すなわち可動コア15が固定コア14に突き当たる手前の位置まで弁体12が開弁作動し、パーシャルリフト位置から閉弁作動を開始する。
燃料噴射制御装置20は、フルリフト領域では弁体12のリフト量がフルリフト位置に到達する噴射指令パルスで燃料噴射弁10を開弁駆動するフルリフト噴射を実行する。また燃料噴射制御装置20は、パーシャルリフト領域では弁体12のリフト量がフルリフト位置に到達しないパーシャルリフト状態となる噴射指令パルスで燃料噴射弁10を開弁駆動するパーシャルリフト噴射を実行する。
次に、閉弁検出部54の検出方式に関して、図4を用いて説明する。図4の上のグラフでは、電磁コイル13への通電をオンからオフにした後の電磁コイル13のマイナス端子電圧の波形を示しており、通電をオフにしたときのフライバック電圧の波形を拡大して示している。フライバック電圧は、負の値であるので、図4では上下を反転して示している。換言すると、図4では電圧の正負を逆転した波形を示している。
閉弁検出部54は、パーシャルリフト噴射を実施した場合の、実際に噴射された噴射量(実噴射量)と相関のある物理量を検出する。閉弁検出部54は、後述するタイミング検出方式で閉弁タイミングを検出するタイミング検出部54aと、後述する起電力量検出方式で閉弁タイミングを検出する起電力量検出部54bと、いずれかの検出方式を選択して切り替える選択切替部54cと、を有する。閉弁検出部54は、両方の検出方式で同時に閉弁タイミングを検出することはできず、いずれか一方の検出方式を用いて弁体12が閉弁した閉弁タイミングを検出する。
まず、起電力量検出方式に関して説明する。
概略、起電力量検出方式では、誘導起電力の積算値が所定量に達したタイミング(積算タイミング)を、実噴射量と相関のある物理量として検出する方式である。実際に弁体12が弁座17bに着座して閉弁したタイミング(実閉弁タイミング)と積算タイミングとは相関が高い。そして、実際に弁体12が弁座17bから離座して開弁したタイミング(実開弁タイミング)は、通電開始タイミングと相関が高いため、既知のタイミングとみなすことができる。したがって、実閉弁タイミングと相関の高い積算タイミングを検出すれば、実際に噴射した期間(実噴射期間)を推定でき、ひいては実噴射量を推定できると言える。つまり、積算タイミングは、実噴射量と相関のある物理量であると言える。
さて、図4に示すように、噴射指令パルスのオフした時刻t1後に誘導起電力によってマイナス端子電圧が変化する。検出した電圧波形(符号L1参照)と、仮に誘導起電力が生じなかった場合の電圧波形(符号L2参照)とを比べると、検出した電圧波形では、図4の斜線で示す誘導起電力の分だけ、電圧が増加していることがわかる。誘導起電力は、閉弁作動を開始してから閉弁を完了するまでの間に、可動コア15が磁界を通過するときに発生する。
弁体12の閉弁タイミングで、弁体12の変化速度および可動コア15の変化速度が比較的大きく変化して、マイナス端子電圧の変化特性が変化するので、閉弁タイミング付近でマイナス端子電圧の変化特性が変化する。つまり、電圧波形は、閉弁タイミングで変曲点(電圧変曲点)が現れる形状となる。そして、電圧変曲点が現れるタイミングと積算タイミングとは相関が高い。
このような特性に着目して、起電力量検出部54bは、閉弁タイミングと相関の高い積算タイミングに関連する情報として、電圧変曲点時間を次のようにして検出する。起電力量検出部54bは、パーシャルリフト噴射の噴射指令パルスのオフ後に、燃料噴射弁10のマイナス端子電圧Vmを第1のローパスフィルタでフィルタ処理(なまし処理)した第1のフィルタ電圧Vsm1を算出する。第1のローパスフィルタは、ノイズ成分の周波数よりも低い第1の周波数をカットオフ周波数とする。さらに閉弁検出部54は、燃料噴射弁10のマイナス端子電圧Vmを第1の周波数よりも低い第2の周波数をカットオフ周波数とする第2のローパスフィルタでフィルタ処理(なまし処理)した第2のフィルタ電圧Vsm2を算出する。これにより、マイナス端子電圧Vmからノイズ成分を除去した第1のフィルタ電圧Vsm1と電圧変曲点検出用の第2のフィルタ電圧Vsm2を算出することができる。
さらに、起電力量検出部54bは、第1のフィルタ電圧Vsm1と第2のフィルタ電圧Vsm2との差分Vdiff(=Vsm1−Vsm2)を算出する。さらに閉弁検出部54は、所定の基準タイミングから差分Vdiffが変曲点となるタイミングまでの時間を電圧変曲点時間Tdiffとして算出する。この際、図5に示すように、差分Vdiffが所定の閾値Vtを越えるタイミングを、差分Vdiffが変曲点となるタイミングとして電圧変曲点時間Tdiffを算出する。つまり、所定の基準タイミングから差分Vdiffが所定の閾値Vtを越えるタイミングまでの時間を電圧変曲点時間Tdiffとして算出する。差分Vdiffは、誘導起電力の積算値に相当し、閾値Vtが所定の基準量に相当する。差分Vdiffが閾値Vtに達したタイミングが積算タイミングに相当する。本実施形態では、基準タイミングは、差分が発生した時刻t2として電圧変曲点時間Tdiffを算出する。閾値Vtは、固定値であるか、燃圧や燃温等に応じて制御回路21が算出した値である。
燃料噴射弁10のパーシャルリフト領域では、燃料噴射弁10のリフト量のばらつきによって噴射量が変動すると共に閉弁タイミングが変動するため、燃料噴射弁10の噴射量と閉弁タイミングとの間には相関関係がある。さらに、燃料噴射弁10の閉弁タイミングに応じて電圧変曲点時間Tdiffが変化するため、電圧変曲点時間Tdiffと噴射量との間には相関関係がある。このような関係に着目して、燃料噴射制御装置20は、電圧変曲点時間Tdiffに基づいてパーシャルリフト噴射の噴射指令パルスを補正する。
次に、タイミング検出方式に関して説明する。
概略、起電力量検出方式では、誘導起電力の積算値が所定量に達したタイミング(積算タイミング)を、実噴射量と相関のある物理量として検出する方式である。タイミング検出部54aは、誘導起電力の単位時間当りの増加量が減少し始めるタイミングを閉弁タイミングとして検出する。
弁体12が開弁状態から閉弁作動を開始し、弁座17bと接触した瞬間に、可動コア15が弁体12から離間するので、弁座17bに接触した瞬間に可動コア15の加速度が変化する。タイミング検出方式では、可動コア15の加速度の変化を、電磁コイル13に発生する誘導起電力の変化として検出することによって、閉弁タイミングを検出する。可動コア15の加速度の変化は、電圧検出部23が検出した電圧の2階微分値で検出することができる。
具体的には、図4に示すように、時刻t1にて電磁コイル13への通電が停止された後、弁体12と連動して可動コア15が上方への変位から下方の変位に切り替わる。そして弁体12が閉弁後に、可動コア15が弁体12から離間すると、これまで弁体12を介して可動コア15に働いていた閉弁方向の力すなわちメインスプリングSP1による荷重と燃料圧力による力がなくなる。したがって可動コア15には、サブスプリングSP2の荷重が開弁方向の力として働く。弁体12が閉弁位置に到達して可動コア15に作用する力の向きが閉弁方向から開弁方向へ変化すると、これまで緩やかに増加していた誘導起電力の増加が減少し、閉弁した時刻t3で電圧の2階微分値が減少に転ずる。このマイナス端子電圧の2階微分値が最大値となるタイミングをタイミング検出部54aが検出することで、弁体12の閉弁タイミングを精度よく検出することが可能である。
起電力量検出方式と同様に、通電オフから閉弁タイミングまでの閉弁時間と噴射量との間には相関関係がある。このような関係に着目して、燃料噴射制御装置20は、閉弁時間に基づいてパーシャルリフト噴射の噴射指令パルスを補正する。
図6に示すように、要求噴射量によって噴射時間が異なる。そしてパーシャルリフト領域において、起電力量検出方式の検出範囲とタイミング検出方式の検出範囲とは異なる。具体的には、タイミング検出方式の検出範囲は、パーシャルリフト領域において、要求噴射量が基準割合よりも大きい側となる。起電力量検出方式は、最小噴射量τminから最大噴射量τmaxの近傍の値までである。したがって起電力量検出方式の検出範囲は、タイミング検出方式の検出範囲を含み、タイミング検出方式の検出範囲よりも広い。しかし閉弁タイミングの検出精度は、タイミング検出方式の方が優れる。要するに、起電力量検出方式はタイミング検出方式に比べて検出範囲が広く、タイミング検出方式は起電力量検出方式に比べて検出精度が高い、との知見を本発明者らは得ている。この知見に基づき、いずれの検出方式に切り替えるかを選択切替部54cは選択する。
噴射量推定部55は、閉弁検出部54の検出結果に基づき実噴射量を推定する。例えばタイミング検出方式の場合、タイミング検出部54aの検出結果、つまりマイナス端子電圧の2階微分値が最大値となるタイミングに基づき、噴射量推定部55は実噴射量を推定する。具体的には、2階微分値が最大値となるタイミング、通電時間および供給燃圧と、実噴射量との関係を予めタイミング検出マップとして記憶させておく。そして噴射量推定部55は、タイミング検出部54aの検出値、燃圧センサ31で検出される供給燃圧および通電時間に基づき、タイミング検出マップを参照して実噴射量を推定する。
また、例えば起電力量検出方式の場合、起電力量検出部54bの検出結果、つまり電圧変曲点時間に基づき、噴射量推定部55は実噴射量を推定する。具体的には、電圧変曲点時間、通電時間および供給燃圧と、実噴射量との関係を予め起電力量検出マップとして記憶させておく。そして噴射量推定部55は、起電力量検出部54bの検出値、燃圧センサ31で検出される供給燃圧および通電時間に基づき、起電力量検出マップを参照して実噴射量を推定する。
図7〜図10は、制御回路21が有するプロセッサが、制御回路21が有するメモリに記憶されたプログラムを所定周期で繰り返し実行する手順を示すフローチャートである。
図7に示す噴射制御の処理では、先ずステップS10において、内燃機関Eの負荷および機関回転速度に基づき要求噴射量を算出する。続くステップS11では、後述する図8および図9の処理で得られた学習値を用いて、ステップS10で算出した要求噴射量に対する補正量を設定する。この補正量は、噴射量推定部55により推定された実噴射量と要求噴射量とのズレ量に応じて設定される。本実施形態では、ズレ量をそのまま補正量としているが、所定の係数をズレ量に乗算した値を補正量としてもよいし、所定の定数をズレ量に乗算した値を補正量としてもよい。
続くステップS12では、ステップS11で設定した補正量を、所定期間をかけて徐々に要求噴射量に反映させていくにあたり、その反映速度を設定する。具体的には、後述する図10のサブルーチン処理をプロセッサが実行することで、反映速度が設定される。続くステップS13では、要求噴射量を補正量で補正する。但し、補正量を直ぐに反映させずに、ステップS12で設定した反映速度で、所定期間をかけて徐々に反映させていく。具体的には、要求噴射量に補正量を加算して補正後の要求噴射量とする。但し、得られた補正量を次回の要求噴射量にそのまま加算するのではなく、所定回数に分割して加算していく。この所定回数をなまし回数と呼び、このなまし回数が反映速度に相当する。例えばなまし回数が100回であれば、補正量を100回に分割し、100回分の要求噴射量の各々に、分割した補正量を加算していく。これにより、100回の噴射に要する期間をかけて徐々に、補正量が要求噴射量反映されていくことになる。
ここで、通電時間と噴射量との関係を表した噴射特性マップが、制御回路21には予め記憶されている。そしてステップS14では、この噴射特性マップを参照して、ステップS13で算出した補正後の要求噴射量に対応する通電時間を算出する。噴射特性マップは、燃圧センサ31で検出される供給燃圧に応じて複数記憶されており、その時々の供給燃圧に応じた噴射特性マップを参照して通電時間は算出される。
続くステップS15では、ステップS14で算出された通電時間に基づき電磁コイル13へ通電する。具体的には、噴射指令パルスのパルス幅を、算出された通電時間の長さに設定する。
なお、ステップS14の処理を実行している時の制御回路21は、要求噴射量に対応する電気アクチュエータへの通電時間を算出する「通電時間算出部」に相当する。ステップS13の処理を実行している時の制御回路21は、実噴射量と要求噴射量とのズレ量に応じた補正量で要求噴射量を補正する「補正部」に相当する。ステップS12の処理を実行している時の制御回路21は、補正部が所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていくその反映速度を設定する「反映速度設定部」に相当する。
図8に示す初期学習および図9に示す通常学習の処理では、図7のステップS11で用いる学習値、つまり要求噴射量を補正する補正量を取得する。具体的には、閉弁検出部54の検出結果に基づき推定された実噴射量と、その実噴射に係る指令通電時間に対応する噴射量つまり補正後の要求噴射量とのズレ量に基づき、要求噴射量に対する補正量を算出して学習する。本実施形態ではズレ量をそのまま補正量としており、実噴射量が要求噴射量より多い場合には、次回の要求噴射量を減らすべく補正量をマイナスの値とし、実噴射量が要求噴射量より少ない場合には、次回の要求噴射量を増やすべく補正量をプラスの値にする。
さて、内燃機関Eの運転時間が短く、閉弁検出部54による検出の回数が少ない場合の初期期間、或いは燃料噴射制御装置20や燃料噴射弁10を交換して間もない初期期間では、学習量が不足していることに起因して実噴射量の推定精度が悪い。そこで、推定精度を迅速に向上させるべく、図6に示す先述の知見を鑑みて、学習の初期期間では図8に示す初期学習を実行する。その後、初期学習を継続することで推定精度がある程度向上した後は、図9に示す通常学習に切り替える。
先ず、図8のステップS20では、噴射量推定部55による実噴射量の推定精度が所定の第1精度未満であるか否かを判定する。例えば、パーシャルリフト噴射での噴射領域のうち基準噴射量よりも多い側の多領域である検出ウインドウWに実噴射量を制御できる程度の推定精度に、第1精度は設定されている。
第1精度未満であると判定された場合、検出ウインドウWに実噴射量を制御できない状態、つまり検出ウインドウが確保されていない状態であるとみなしてステップS21に進む。ステップS21では、検出ウインドウWに要求噴射量があるか否かに拘らず、起電力量検出方式で閉弁タイミングを検出する。つまり、選択切替部54cは起電力量検出部54bを選択する。これにより、検出ウインドウWが確保されるまでの第1期間では、起電力量検出方式の検出結果に基づき実噴射量が推定され、推定された実噴射量と要求噴射量とのズレ量に基づき補正量が算出されて学習される。そして、第1期間での次回以降の要求噴射量は、現時点までに学習された補正量に基づき補正される。
第1期間での上記補正が繰り返されて学習量が増大するにつれて、実噴射量の推定精度が向上して上記ズレ量が小さくなっていく。その結果、ステップS20において、推定精度が第1精度に達したと判定された場合には、検出ウインドウWが確保されており、起電力量検出方式による第1期間での学習が完了したとみなしてステップS22に進む。
ステップS22では、噴射量推定部55による実噴射量の推定精度が第2精度(絶対精度)未満であるか否かを判定する。第2精度は、第1精度よりも高精度に設定されている。例えば、実噴射量と要求噴射量とのズレ量が所定量に達した状態が所定回数以上継続した場合に、第2精度に達したと判定する。
第2精度未満であると判定された場合、絶対精度が確保されていない状態であるとみなしてステップS23に進み、検出ウインドウWに要求噴射量があることを条件として、タイミング検出方式で閉弁タイミングを検出する。つまり、選択切替部54cはタイミング検出部54aを選択する。これにより、絶対精度が確保されるまでの第2期間では、タイミング検出方式の検出結果に基づき実噴射量が推定され、推定された実噴射量と要求噴射量とのズレ量に基づき補正量が算出されて学習される。そして、第2期間での次回以降の要求噴射量は、現時点までに学習された補正量に基づき補正される。このステップS23の学習では、パーシャルリフト噴射に係る要求噴射量が検出ウインドウWにある場合にタイミング検出方式を選択しても良いし、パーシャルリフト噴射に係る要求噴射量を、検出ウインドウW内の噴射量となるように強制的に設定しても良い。
第2期間での上記補正が繰り返されて学習量が増大するにつれて、実噴射量の推定精度が向上して上記ズレ量が小さくなっていく。その結果、ステップS22において、推定精度が第2精度に達したと判定された場合には、絶対精度が確保されており、タイミング検出方式による第2期間での学習が完了したとみなしてステップS24に進む。
ステップS24では、噴射量推定部55による実噴射量の推定精度が、第3精度未満であるか否かを判定する。第3精度は第2精度以上の高精度に設定されている。例えば、実噴射量と要求噴射量とのズレ量に基づき算出される誤差比率が所定範囲に収束した場合に、第3精度に達したと判定する。誤差比率は、要求噴射量に対する補正済み流量および今回の流量の和の比率で算出する。たとえば次式(1)によって、誤差比率が算出される。ここで、補正済み流量は、要求噴射量を前回の誤差比率で除した値である。誤差流量は、ズレ量であって、要求噴射量と推定噴射量との差である。
誤差比率K=要求流量/{補正済み流量+今回誤差流量}
=要求流量/{(要求流量/前回誤差比率)+今回誤差流量} …(1)
誤差比率が収束している場合とは、たとえば誤差比率が所定範囲内になった状態が所定時間継続したときである。式(1)に示す誤差比率の算出には、前回の誤差比率が含まれるので、誤差比率が収束することによって実噴射量の推定精度が向上する。
第3精度未満であると判定された場合、ステップS25に進み、検出ウインドウWに要求噴射量があるか否かに拘らず、起電力量検出方式で閉弁タイミングを検出する。つまり、選択切替部54cは起電力量検出部54bを選択する。これにより、誤差比率が所定範囲に収束するまでの第3期間では、起電力量検出方式の検出結果に基づき実噴射量が推定され、推定された実噴射量と要求噴射量とのズレ量に基づき補正量が算出されて学習される。そして、第3期間での次回以降の要求噴射量は、現時点までに学習された補正量に基づき補正される。
第3期間での上記補正が繰り返されて学習量が増大するにつれて、実噴射量の推定精度が向上して上記ズレ量が小さくなっていく。その結果、ステップS24において、推定精度が第3精度に達したと判定された場合には、誤差比率が所定範囲に収束し、起電力量検出方式による第3期間での学習が完了したとみなしてステップS26に進む。ステップS26では、第1期間、第2期間および第3期間による初期期間が完了したことを表わす初期学習完了フラグをオンにする。
要するに、第3期間では、検出精度が良いタイミング検出方式の検出結果を用いて、起電力量検出方式の検出結果を補正していると言える。但し、検出ウインドウWが確保されるまでの第1期間では、検出可能範囲が広い起電力量検出方式で学習していく。
図8に示す初期学習が完了した以降は、図9に示す通常学習により、実噴射量と要求噴射量とのズレ量に基づく補正量を算出して学習する。先ず、図9のステップS30では、要求噴射量が基準量以上であるか否かを判定する。この判定に用いる要求噴射量は、現時点までの学習で得られた補正量を用いて補正された後の要求噴射量である。基準量以上であると判定された場合には、ステップS31に進み、図8のステップS23と同様にして、タイミング検出方式で閉弁タイミングを検出して学習する。基準量以上でないと判定された場合には、ステップS32に進み、図8のステップS25と同様にして、起電力量検出方式で閉弁タイミングを検出して学習する。
図10に示す処理は、図7のステップS12のサブルーチン処理であり、先述した反映速度を設定する処理である。先ず、図10のステップS40において、図8の処理による初期学習が完了した状態であるか否かを判定する。完了したと判定された場合、続くステップS41において、補正量が急変した状態である急変状態であるか否かを判定する。具体的には、補正量が前回値に比べて所定以上変化し、その所定以上変化した状態が、所定の噴射回数に要する時間だけ継続した場合に、急変状態であると判定する。急変したと判定された場合、続くステップS42において、予め設定しておいた第1速度V1に反映速度を設定する。
ステップS41にて急変状態でないと判定された場合、続くステップS43において、マルチ噴射時の噴射インターバルが所定時間以上確保されているか否かを判定する。マルチ噴射とは、内燃機関Eの1燃焼サイクル中に燃料を複数回噴射させることである。噴射インターバルとは、噴射指令パルスのパルス幅と、その直後の噴射指令パルスのパルス幅との間隔であって、噴射指令パルスのオフ期間のことである。噴射インターバルが確保されていると判定された場合、続くステップS44において、予め設定しておいた第2速度V2に反映速度を設定する。第2速度V2は第1速度V1よりも遅い値に設定されている。ステップS43にて噴射インターバルが確保されていないと判定された場合、続くステップS45において、予め設定しておいた第3速度V3に反映速度を設定する。第3速度V3は第2速度V2よりも遅い値に設定されている。
要するに、ステップS41〜S45では、急変状態およびインターバル状態に基づき反映速度を設定するにあたり、急変状態であることをインターバル状態よりも優先して、反映速度を設定する。つまり、急変状態であれば、インターバル状態に拘らず、反映速度を第1速度V1に設定する。
ステップS40にて初期学習が完了していないと判定された場合、先述したステップS41、S43と同様の判定をステップS41a、S43aで行う。そして、続くステップS41aにて急変したと判定された場合、ステップS42aにおいて、予め設定しておいた第4速度V4に反映速度を設定する。ステップS41aにて急変状態でないと判定され、かつ、ステップS43aにて噴射インターバルが確保されていると判定された場合、続くステップS44aにおいて、予め設定しておいた第5速度V5に反映速度を設定する。第5速度V5は第4速度V4よりも遅い値に設定されている。ステップS43aにて噴射インターバルが確保されていないと判定された場合、続くステップS45aにおいて、予め設定しておいた第6速度V6に反映速度を設定する。第6速度V6は第5速度V5よりも遅い値に設定されている。また、ステップS44aで用いられる第5速度V5は、ステップS44で用いられる第2速度V2よりも遅い値に設定されている。
要するに、ステップS41a〜S45aでは、急変状態およびインターバル状態に基づき反映速度を設定するにあたり、急変状態であることをインターバル状態よりも優先して、反映速度を設定する。つまり、急変状態であれば、インターバル状態に拘らず、反映速度を第4速度V4に設定する。なお、ステップS41、S41aの処理を実行している時の制御回路21は、補正量が急変した状態である急変状態であるか否かを判定する「急変判定部」に相当する。ステップS43、S43aの処理を実行している時の制御回路21は、噴射インターバルが所定時間以上確保されているか否かを判定する「インターバル判定部」に相当する。
以上説明したように、本実施形態では、実噴射量と要求噴射量とのズレ量に応じた補正量で要求噴射量を補正し、その補正量が急変した状態であれば、補正量を要求噴射量に反映させていくその反映速度を速くする。そのため、燃料噴射弁10を交換することに伴い噴射特性が変わった場合には、急変状態と判定されて反映速度が速くなるので、交換により急変した補正量は迅速に反映される。それでいて、経年変化により噴射特性が変わった場合には、ステップS13による補正部が所定期間をかけて補正量を徐々に要求噴射量に反映させていく。よって、経年劣化により変化する補正量を反映するにあたり、パーシャルリフト噴射での悪い推定精度が反映されにくくなる。したがって、本実施形態によれば、噴射特性の経年変化への対応と燃料噴射弁10の交換への対応との両立が図られる。
さらに本実施形態では、ステップS41、S41aによる急変判定部は、補正量が前回値に比べて所定以上変化し、その所定以上変化した状態が所定時間継続した場合に、急変状態であると判定する。よって、補正量が前回値に比べて所定以上変化した場合に、所定時間継続を条件とせずに急変状態であると判定する場合に比べて、燃料噴射弁10を交換していないにも拘らず急変状態であると誤判定するおそれを低減できる。
ここで、電磁コイル13への通電により生じた磁束は、通電オフと同時に完全に消失するわけではなく、通電オフ後も僅かに磁束は残っており、徐々に消失していく。したがって、インターバルが極端に短い場合、前回噴射の残存磁束が次の噴射に影響を与えてしまい、その結果、開弁時間が変わって噴射量が変わるおそれがある。
この点を鑑み、本実施形態では、ステップS43、S43aによるインターバル判定部により噴射インターバルが所定時間以上確保されていると判定されている場合には、その確保が為されていないと判定されている場合に比べて、反映速度を速い速度に設定する。具体的には、図10に示す第2速度V2は第3速度V3よりも速い値に設定され、第5速度V5は第6速度V6よりも速い値に設定される。よって、インターバルが十分に確保できていることを条件として反映速度を速くするので、残存磁束に起因して噴射精度が悪化している状況で、さらに反映速度を速くすることにより噴射精度が悪化する状況に陥るおそれを低減できる。それでいて、残存磁束による噴射精度悪化がない状況では反映速度を速くするので、経年劣化による噴射特性の変化に応じた補正を迅速に反映できる。
ここで、先述した通り、タイミング検出方式および誘導起電力検出方式には一長一短がある。そのため、両方の検出方式で閉弁タイミングを同時に検出することが望ましい。しかし両方の検出方式を同時に実施可能にするためには、制御回路21の処理能力を高める必要があり、燃料噴射制御装置20の実装規模が大型化するという問題がある。この点を鑑み、本実施形態に係る閉弁検出部54は、タイミング検出方式のタイミング検出部54aと、誘導起電力検出方式の起電力量検出部54bと、両方式のいずれかを選択して切り替える選択切替部54cと、を有する。そのため、閉弁検出部54は、両方式の長所が発揮されるように切り替えることが可能となり、両方式を同時実施する構成よりも小型化することができる。
さらに本実施形態では、選択切替部54cは、検出ウインドウWが確保されるまでの第1期間では起電力量検出部54bを選択する。その後、絶対精度が確保されるまでの第2期間ではタイミング検出部54aを選択する。その後、誤差比率が所定範囲内に収束するまでの第3期間では起電力量検出部54bを選択する。
これによれば、第2期間でのタイミング検出部54aを選択する前に、第1期間での起電力量検出部54bを選択するので、検出ウインドウWにない噴射に対してタイミング検出方式を選択して検出精度が悪くなることを回避できる。よって、絶対精度が確保されるまでに要する時間を短くできる。また、第3期間での起電力量検出部54bを選択する前に、第2期間でのタイミング検出部54aを選択するので、第2期間での学習で取得した高精度の補正量を用いて、第3期間での起電力量検出部54bの検出結果が補正される。よって、検出ウインドウW以外の領域についても、高精度な補正量を迅速に確保できる。その結果、噴射特性の実際の変化に適した下限時間に変更することを、高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、選択切替部54cは、初期学習が完了した後の通常期間では、要求噴射量が基準噴射量よりも多い場合にはタイミング検出部54aを選択し、要求噴射量が基準噴射量よりも少ない場合には起電力量検出部54bを選択する。これによれば、タイミング検出方式の狭い検出範囲を起電力量検出方式で補うことができ、かつ、検出精度の低い起電力量検出方式による検出結果を、タイミング検出方式の検出結果で補正できる。よって、閉弁タイミングの検出精度と検出範囲を両立することができる燃料噴射装置を実現することができる。その結果、噴射特性の実際の変化に適した下限時間に変更することを、高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、ステップS12による反映速度設定部は、学習の初期期間である場合には、通常期間である場合に比べて、反映速度を速い速度に設定する。具体的には、図10に示す第2速度V2は第5速度V5よりも速い値に設定される。よって、初期学習が完了していることを条件として反映速度を速くするので、初期学習が未完了であることに起因して噴射精度が悪化している状況で、さらに反映速度を速くすることにより噴射精度が悪化する状況に陥るおそれを低減できる。それでいて、初期学習未完了による噴射精度悪化がない状況では反映速度を速くするので、経年劣化による噴射特性の変化に応じた補正を迅速に反映できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、実噴射量と要求噴射量とのズレ量をそのまま補正量として用いている。これに対し本実施形態では、各気筒に設けられた燃料噴射弁10毎に、ノミナル品の燃料噴射弁の噴射特性に対する、該当する燃料噴射弁10の噴射特性のズレ具合を気筒毎に算出する。例えば、所定の通電時間に対して、ノミナル品の噴射量に対する、該当する燃料噴射弁10の実噴射量の割合を、気筒別ズレ率として算出する。また、燃料噴射弁10毎の気筒別ズレ率の平均値を、平均ズレ率として算出する。
図11は、時間経過とともに平均ズレ率Laveが大きくなっていく例を示す。また、複数の気筒別ズレ率のうち、最も大きくズレている気筒の気筒別ズレ率Lmax、および最もズレが小さい気筒の気筒別ズレ率Lminが、時間経過とともに大きくなっていく例を示す。初期段階では、最大の気筒別ズレ率Lmaxおよび最小の気筒別ズレ率Lminが、平均ズレ率Laveに対して−3%〜+3%の範囲におさまっているが、時間経過とともにこの範囲は拡大していく。
本実施形態に係る補正量は、気筒別ズレ率および平均ズレ率に基づき算出される。例えば、気筒別ズレ率に所定の係数(例えば0.8)を乗算した値と、平均ズレ率に所定の係数(例えば0.2)を乗算した値とを合算した値を、該当する燃料噴射弁10の補正量として算出する。急変判定部は、このように気筒別ズレ率および平均ズレ率に基づき算出された補正量を、急変判定の対象としている。
本実施形態に係る反映速度は、気筒別ズレ率および平均ズレ率の各々で設定される。したがって、気筒別ズレ率に対して設定される反映速度である気筒別反映速度と、平均ズレ率に対して設定される反映速度である平均反映速度とは、異なる速度に設定される場合がある。例えば、初期学習が完了した状態で急変状態と判定された場合には、気筒別反映速度と平均反映速度とを同じにする。これに対し、初期学習が完了していない状態で急変状態と判定された場合には、気筒別反映速度に比べて平均反映速度を速くする。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の第1実施形態では、実噴射量と要求噴射量とのズレ量をそのまま補正量とし、次回以降の要求噴射量に補正量を加算することでオフセット補正している。これに対し、実噴射量と要求噴射量とのズレ量の、実噴射量または要求噴射量に対する割合を補正量(つまり補正係数)とし、次回以降の要求噴射量に補正量を乗算して補正してもよい。
前述の第1実施形態では、燃料噴射弁10は弁体12と可動コア15とが別体の構成であったが、弁体12と可動コア15とが一体に構成であってもよい。一体であると、可動コア15が吸引されると、弁体12も可動コア15と一緒に開弁方向に変位して開弁する。
前述の第1実施形態では、燃料噴射弁10は、可動コア15の移動開始と同時に弁体12も移動を開始するように構成されているがこのような構成に限るものではない。たとえば可動コア15の移動を開始しても弁体12は開弁を開始せず、可動コア15が所定量移動した時点で可動コア15が弁体12に係合して開弁を開始する構成であってもよい。
前述の第1実施形態では、電圧検出部23は、電磁コイル13のマイナス端子電圧を検出しているが、プラス端子電圧を検出しても良いし、プラス端子とマイナス端子との端子間電圧を検出しても良い。
前述の第1実施形態では、閉弁検出部54は、実噴射量と相関のある物理量として、電磁コイル13の端子電圧を検出する。そして噴射量推定部55は、検出された電圧の変化を表わす波形に基づき閉弁タイミングを推定して実噴射量を推定している。これに対し、実噴射量と相関のある物理量として供給燃圧を検出し、検出された燃圧の変化を表わす波形に基づき閉弁タイミングを推定して実噴射量を推定してもよい。或いは、実噴射量と相関のある物理量としてエンジン回転数を検出し、エンジン回転数の変化を表わす波形に基づき実噴射量を推定してもよい。
前述の第1実施形態において、燃料噴射制御装置20によって実現されていた機能は、前述のものとは異なるハードウェアおよびソフトウェア、またはこれらの組み合わせによって実現してもよい。制御装置は、たとえば他の制御装置と通信し、他の制御装置が処理の一部または全部を実行してもよい。制御装置が電子回路によって実現される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって実現することができる。
10…燃料噴射弁、12…弁体、17a…噴孔、20…燃料噴射制御装置、S12…反映速度設定部、S13…補正部、S14…通電時間算出部、S41、S41a…急変判定部、54…検出部、55…推定部、EA…電気アクチュエータ。

Claims (7)

  1. 燃料を噴射する噴孔(17a)を開閉させる弁体(12)を電気アクチュエータ(EA)で開弁作動させる燃料噴射弁(10)に適用され、前記電気アクチュエータの作動を制御することで、前記弁体の開弁時間を制御して、前記弁体の1回の開弁で噴射される噴射量を制御する燃料噴射制御装置において、
    前記弁体が開弁作動を開始してから最大開弁位置に達する前に閉弁作動を開始することとなるパーシャルリフト噴射を実施する場合に、要求されている前記噴射量である要求噴射量に対応する前記電気アクチュエータへの通電時間を算出する通電時間算出部(S14)と、
    前記パーシャルリフト噴射を実施した場合の、実際に噴射された前記噴射量である実噴射量と相関のある物理量を検出する検出部(54)と、
    前記検出部の検出結果に基づき前記実噴射量を推定する推定部(55)と、
    前記推定部により推定された前記実噴射量と前記要求噴射量とのズレ量に応じた補正量で、前記要求噴射量を補正する補正部(S13)と、
    前記補正量が前回値に比べて所定以上変化したか否かに基づき、急変状態であるか否かを判定する急変判定部(S41、S41a)と、
    前記補正部が所定期間をかけて前記補正量を徐々に前記要求噴射量に反映させていくその反映速度を設定する反映速度設定部(S12)と、
    を備え、
    前記反映速度設定部は、前記急変判定部により前記急変状態であると判定されている場合には、前記急変状態でないと判定されている場合に比べて、前記反映速度を速い速度に設定する燃料噴射制御装置。
  2. 前記急変判定部は、前記補正量が前回値に比べて所定以上変化し、その所定以上変化した状態が所定時間継続した場合に、前記急変状態であると判定する請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 内燃機関の1燃焼サイクル中に燃料を複数回噴射させるマルチ噴射を実施する場合に、複数回の噴射の間隔を噴射インターバルと呼ぶ場合において、
    前記噴射インターバルが所定時間以上確保されているか否かを判定するインターバル判定部(S43、S43a)を備え、
    前記反映速度設定部は、前記インターバル判定部により前記確保が為されていると判定されている場合には、前記確保が為されていないと判定されている場合に比べて、前記反映速度を速い速度に設定する請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記電気アクチュエータは、電磁コイル(13)と、前記電磁コイルへの通電により生じた電磁力により吸引されて移動する可動コア(15)と、を有し、
    前記弁体は、前記可動コアと連結され、通電に伴い移動する前記可動コアから開弁力が付与されて開弁作動するものであり、
    前記検出部は、
    前記電磁コイルへの通電停止後に、前記弁体が前記可動コアとともに閉弁作動することに伴い前記電磁コイルに生じる誘導起電力を検出するものであり、
    前記誘導起電力の単位時間当りの増加量が減少し始めるタイミングを前記物理量として検出するタイミング検出部(54a)と、
    前記誘導起電力の積算値が所定量に達したタイミングを前記物理量として検出する起電力量検出部(54b)と、
    前記タイミング検出部および前記起電力量検出部のいずれを用いて前記物理量を検出するかを選択して切り替える選択切替部(54c)と、
    を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記選択切替部は、
    前記推定部による推定精度が所定の第1精度未満である第1期間では、前記起電力量検出部を選択し、
    前記第1期間での前記推定部による推定精度が前記第1精度にまで向上した場合には、前記第1期間から第2期間に移行し、前記パーシャルリフト噴射での噴射領域のうち基準噴射量よりも多い側の多領域に前記要求噴射量があることを条件として、前記タイミング検出部を選択し、
    前記第2期間における前記多領域での前記推定部による推定精度が、前記第1精度よりも高精度に設定された第2精度にまで向上した場合には、前記第2期間から第3期間に移行し、前記起電力量検出部を選択する請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記選択切替部は、
    前記第3期間での前記推定部による推定精度が、前記第2精度よりも高精度に設定された第3精度にまで向上した場合には、前記第1期間、前記第2期間および前記第3期間による初期期間を終了して通常期間に移行し、
    前記通常期間では、前記要求噴射量が前記基準噴射量よりも多い場合には前記タイミング検出部を選択し、前記要求噴射量が前記基準噴射量よりも少ない場合には前記起電力量検出部を選択する請求項5に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記反映速度設定部は、前記初期期間である場合には、前記通常期間である場合に比べて、前記反映速度を速い速度に設定する請求項6に記載の燃料噴射制御装置。
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