JP6511772B2 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物に関する。
エポキシ化合物はその硬化物が光学特性、機械特性、電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性、耐水性、耐薬品性等に優れた性質を示すことから、例えば、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、塗料、接着剤等、各種用途の構成材料として幅広く用いられている。
例えば、反射防止膜の高屈折率層、光学薄膜、電子部品用封止材、プリント配線基板、層間絶縁膜材料などの用途では、基材に対する高い密着性、耐熱性、可視光に対する高透明性などの性能が要求される。
通常使用されているエポキシ化合物はビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって製造される、いわゆる、エピ−ビス型エポキシ樹脂、ノボラックフェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるノボラック型エポキシ樹脂等、分子骨格にベンゼン環を有するものである。一般的にエポキシ化合物は、硬化剤として活性水素化合物を用いて熱付加反応させることで硬化させ、様々な特性を発現させている。エポキシ化合物の硬化剤としては、アミン類、チオール類、酸無水物、フェノール類等が使われるが、その中で、酸無水物は電気的な性質が優れているため、主として電気絶縁材料用硬化剤として使われている。
一般に、酸無水物硬化は硬化が遅く、高温・長時間の加熱が必要である。そこで、通常は硬化温度を下げ、硬化時間を短縮するために硬化促進剤を併用する。硬化促進剤としては、第三アミンが最も一般的である。しかし、第三アミンを併用すると熱硬化時に着色することが多く、光学部材、電気・電子部品材料用途等のように光学特性が要求される用途には適応できないという問題があった。
ところで、エポキシシクロへキシル基を有するいわゆる脂環式エポキシ化合物は、グリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物よりも優れた耐熱性を有する硬化物を形成できることが知られている。一般に、脂環式エポキシ化合物は活性水素化合物との熱付加反応が起こりにくいことから、紫外線等の活性エネルギー線を用いてカチオン種を発生させる光カチオン硬化触媒や、熱によってカチオン種を発生させる熱カチオン硬化触媒を用いてエポキシ基を重合させるカチオン硬化が検討されている。しかし、カチオン硬化は硬化剤を用いた熱硬化に比べて透明性の点で有利だが、通常、硬化が不十分であるため耐熱性の点で、硬化剤を用いた熱硬化に劣るという欠点があった。
特許文献1には、イソシアヌル酸骨格を有する脂環式エポキシ化合物を含有する樹脂組成物は、カチオン重合することにより優れた耐熱性と耐黄変性を有する硬化物を形成できることが記載されている。しかしながら、酸無水物を用いて熱硬化させようとした場合、脂環式エポキシは反応性が低く十分に硬化しないという課題があった。
すなわち、酸無水物を硬化剤として含有し、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物は未だ見出されていないというのが現状である。
特開2010−001424号公報
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、トリアジン骨格を有し、分子内に3個の脂環式エポキシ基を有する化合物を含有するエポキシ化合物と、酸無水物硬化剤とを含む熱硬化性組成物は、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物と、酸無水物系硬化剤とを含む熱硬化性組成物に関する。
一般式(1)

(一般式(1)中、Xは、下記式1〜式4のいずれかの脂環式エポキシを表す。)
式1
式2
式3
式4
また本発明は、さらに一般式(1)以外のエポキシ化合物を含む、上記熱硬化性組成物に関する。
また本発明は、上記熱硬化性組成物を硬化して得られる硬化物に関する。
本発明のトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物と、酸無水物系硬化剤とを含む熱硬化性組成物によれば、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができる。
本発明の熱硬化性組成物を構成するトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物について以下に説明する。
本発明におけるトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物は上記一般式(1)で表される構造を有する。
Xは、下記式1〜式4のいずれかの脂環式エポキシ基を表す。
式1
式2
式3
式4
本発明における前記一般式(1)で表されるトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物は、公知の製法により得ることができる。例えば、Xが前記式1で表されるような化合物は、3−シクロヘキセン―1―メタノールとシアヌル酸クロリドをいわゆるウィリアムソン合成によりエーテル化し、生じたオレフィン体をエポキシ化することで得られる。オレフィンのエポキシ化は、通常行なわれる酸化剤を使用する手法を用いることができる。
酸化剤としては、たとえば、酸素を含むガス、過酸化水素、過酸化ナトリウム等の無機過酸化物、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、p−ニトロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、ペルオキシマレイン酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシフタル酸、ペルオキシラウリン酸、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メンチルヒドロペルオキシド、1−メチルヘキサンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
酸化反応において、必要に応じて触媒を使用することができる。たとえば、タングステン、モリブデン、バナジウム、チタン、レニウム、ルテニウムなどが含まれる金属化合物、アセトアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレロアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、などのアルデヒド類、α−アミノメチルホスホン酸、α−アミノエチルホスホン酸などの、α−アミノホスホン酸類、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化トリオクチルエチルアンモニウム、ヨウ化ジラウリルジメチルアンモニム、リン酸水素ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、などの4級オニウム塩などが挙げられる。
酸化反応に用いる溶媒は上記酸化剤と反応しないものを使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
酸化反応の反応温度は使用する酸化剤、触媒、溶媒によって異なるが、0〜150℃が好ましく、より好ましくは0〜50℃である。
本発明の熱硬化性組成物について説明する。
本発明で用いられる酸無水物類としては、一分子中に複数のカルボキシル基を有する化合物の無水物が好ましい。これらの酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、クロレンド酸無水物などが挙げられる。これらの中でも常温、常圧で液状であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物が好ましい。
酸無水物系硬化剤は、熱硬化性組成物中の全エポキシ基に対するカルボニル基が0.1乃至1.5当量の割合で含まれる。熱硬化時の硬化速度の点で、より好ましくは、0.4乃至1.1当量である。
本発明の熱硬化性組成物は、適宜、硬化促進剤が併用されても良い。硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィンなどの有機リン化合物、エチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラブチルホスフォニウムジチオリン酸ジエチルなどの第4級ホスフォニウム塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカン−7−エン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカン−7−エンとオクチル酸の塩、オクチル酸亜鉛、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化助剤は、硬化剤1質量部に対して、0.001乃至0.1質量部の割合で含有することができる。
また、本発明の熱硬化性組成物は、前記トリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物とは異なるエポキシ化合物をさらに含んでもよい。
上記エポキシ化合物は、特に制限されるものではなく、エポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、ヒダントイン型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、脂肪族系エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ジシクロ環型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、必要に応じて、溶剤を添加することができる。例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類、トルエン、キシレンなどのほう皇族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類、および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物は、必要に応じて酸化チタン、アルミナ、シリカなどの無機充填剤、シランカップリング剤などの表面調整剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の熱硬化性組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、トリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物、及び酸無水物硬化剤を有機溶媒に溶解させ、必要に応じてその他のエポキシ化合物や添加剤などを加えて混合することによって得ることができる。
また、トリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物、酸無水物硬化剤、及び、必要に応じてその他のエポキシ化合物や添加剤をミキサーなどによって均一になるように十分混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダーなどによって溶融混錬し、次いで冷却固化させ、粉砕することによっても得ることができる。
本発明の樹脂組成物は加熱により硬化させる。通常50℃以上、好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは180℃以下の温度に保持される。
本発明の樹脂組成物を賦形する方法としては、型を用いて成形する方法、基材上に塗布する方法などが挙げられる。型を用いて成形する方法としては、成形型内に本発明の組成物を注入した後、上述の方法により硬化し、脱型することにより、本発明の組成物からなる成形体を得ることができる。型を用いて成形すると、型の表面形状を転写させた成形体を得ることもできる。この際、成型時に液状である本発明の組成物を用いれば、精密成形を行うことができる。このようにして得られた成形体は、屈折率が通常1.5以上、好ましくは1.6以上であり、レンズ、プリズム、導波路、基板などの光学部品として用いることができる。
本発明の樹脂組成物の用途としては、反射防止や保護を目的としたコーティング剤、接着剤、封止材料、あるいは、部品、シート、積層板、複合材等の成形体の原料などが挙げられる。また、本発明の組成物が硬化することにより得られる硬化物の用途としては、レンズ、プリズム、導波路、基板などの光学部品、積層材、複合材、電子部品の材料としての使用が例示される。特に、得られた硬化物の透明性、高屈折性などの特性を生かし、レンズ、導波路などの光学部品、およびそれらの接着剤、封止剤などに用いることもできる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味する。
合成例1
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、水素化ナトリウム(純度は60%以上)28.6部、テトラヒドロフラン180部、シアヌル酸クロリド29.3部を仕込み、室温で攪拌した。3−シクロヘキセン−1−メタノール53.5部とテトラヒドロフラン120部を混合し、1時間かけてゆっくり滴下して加えた。加熱還流下で2時間反応させ1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。4℃以下まで冷却し、水を加えて水素化ナトリウムを失活させた後、1N塩酸で中和した。トルエンで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを53.3部得た。収率89%。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、2,4,6−トリ(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジン11.1部、炭酸水素ナトリウム33.6部、アセトン73部、水70部を仕込み、室温で攪拌した。オキソン(ペルオキシ硫酸カリウム複塩)40部を4分割して1時間ごとに加えた。室温で一晩反応後、1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。水を加えて酢酸エチルで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(34−エポキシシクロヘキサン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを9.4部得た。収率75%。
合成例2
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、水素化ナトリウム(純度は60%以上)27.0部、テトラヒドロフラン180部、シアヌル酸クロリド27.7部を仕込み、室温で攪拌した。5−ノルボルネン−1−メタノール56.0部とテトラヒドロフラン120部を混合し、1時間かけてゆっくり滴下して加えた。加熱還流下で2時間反応させ1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。4℃以下まで冷却し、水を加えて水素化ナトリウムを失活させた後、1N塩酸で中和した。トルエンで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(5−ノルボルネン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを52.3部得た。収率85%。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、2,4,6−トリ(5−ノルボルネン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジン9.2部、炭酸水素ナトリウム25.4部、アセトン56部、水50部を仕込み、室温で攪拌した。オキソン(ペルオキシ硫酸カリウム複塩)35部を4分割して1時間ごとに加えた。室温で一晩反応後、1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。水を加えて酢酸エチルで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(5,6−エポキシノルボルナン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを8.2部得た。収率80%。
合成例3
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、水素化ナトリウム(純度は60%以上)2.5部、テトラヒドロフラン60部、シアヌル酸クロリド2.6部を仕込み、室温で攪拌した。(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)メタノール5.9部とテトラヒドロフラン40部を混合し、1時間かけてゆっくり滴下して加えた。加熱還流下で2時間反応させ1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。4℃以下まで冷却し、水を加えて水素化ナトリウムを失活させた後、1N塩酸で中和した。トルエンで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを4.1部得た。収率70%。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、2,4,6−トリ(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジン3.7部、炭酸水素ナトリウム10.2部、アセトン22部、水20部を仕込み、室温で攪拌した。オキソン(ペルオキシ硫酸カリウム複塩)14部を1時間かけて加えた。室温で一晩反応後、1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。水を加えて酢酸エチルで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(4−メチル−4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを3.3部得た。収率78%。
合成例4
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、水素化ナトリウム(純度は60%以上)2.5部、テトラヒドロフラン60部、シアヌル酸クロリド2.6部を仕込み、室温で攪拌した。2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール5.9部とテトラヒドロフラン40部を混合し、1時間かけてゆっくり滴下して加えた。加熱還流下で2時間反応させ1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。4℃以下まで冷却し、水を加えて水素化ナトリウムを失活させた後、1N塩酸で中和した。トルエンで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを5.3部得た。収率83%。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、2,4,6−トリ(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジン5.0部、炭酸水素ナトリウム12.4部、アセトン28部、水25部を仕込み、室温で攪拌した。オキソン(ペルオキシ硫酸カリウム複塩)17部を1時間かけて加えた。室温で一晩反応後、1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。水を加えて酢酸エチルで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去することで粗物を得た。粗物を少量の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンを加えて再沈殿させることで目的物である2,4,6−トリ(2,4−ジメチル−4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメトキシ)−1,3,5−トリアジンを4.5部得た。収率80%。

表1において、以下の化合物を指す。
CEL−2021P(3’,4’−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)・・・ダイセル化学製
jER−828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)・・・三菱化学製
MHHPA(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)・・・新日本理化製,リカシッドMH700
THPA(テトラヒドロ無水フタル酸)・・・新日本理化製,リカシッドTH
BDMA(N,N−ベンジルジメチルアミン)・・・和光純薬製
[実施例1]
配合例1に示す樹脂組成物について、JIS−6901に準じて150℃におけるゲル化時間を測定した。さらに、150℃で2時間硬化させて作製した硬化物のガラス転移温度(Tg)と外観の色相を評価した。
硬化物の特性は次の方法で評価した。
≪耐熱性:ガラス転移温度Tg≫
セイコーインスツルメンツ社製DSC(示差走査熱量計、DSC6200R)により測定(昇温速度10℃毎分)し、2段階評価した。
○:Tgが180℃以上
×:Tgが180℃未満
≪外観(目視)≫
○:熱硬化前から変化無し(無色透明)
△:熱硬化前に比べてやや黄色く着色
×:明らかな着色
実施例1は、熱応答性が高く短時間で硬化する結果となった。若干の着色は、硬化促進剤として3級アミンを含有するためと考えられる。
実施例2〜6は、硬化促進剤を含有しないにも関わらず短時間で硬化する結果となった。トリアジン環が硬化促進剤として自己触媒的に作用したと考えられる。
比較例1は、120分間加熱しても硬化しない結果となった。通常、脂環式エポキシは酸無水物と反応しにくいことが知られており、それを反映する結果になったと推測される。
比較例2は、耐熱性が悪い結果となった。硬化促進剤を含有するにもかかわらず、硬化時間が長く熱応答性が低いことから、十分に硬化していない可能性が考えられる。
比較例3は、外観が著しく悪い結果となった。ビスフェノールA型グリシジルエーテルは、アミンが共存すると着色することが知られており、それを反映する結果になったと推測される。
以上の結果から、本願発明の熱硬化性組成物は、熱硬化により優れた硬化性を示し、高い耐熱性及び透明性を有する硬化物を形成することができることが分かった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるトリアジン環骨格を有する脂環式エポキシ化合物と、酸無水物系硬化剤とを含む熱硬化性組成物。
    一般式(1)

    (一般式(1)中、Xは、下記式1〜式4のいずれかの脂環式エポキシを表す。)
    式1

    式2

    式3

    式4
  2. さらに、一般式(1)以外のエポキシ化合物を含む、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. 請求項1または2記載の熱硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
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