JP6510967B2 - ワイパ制御装置及びワイパ制御装置の制御方法 - Google Patents
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図6に示すように、時刻t1に車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、時刻t2に、車速が車速閾値Va以上となったときにシステムテストが実行される。時刻t3にワイパスイッチがオンすると、ワイパアームが下反転位置と上反転位置の間を往復運動する。
このように、車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンしている間に、システムテストを1回実施していたが、機能安全を考慮するためには、車両の走行開始毎に走行開始の判断をある車速閾値としてシステムテストを実施する必要がある。
図7(A)においては、図6(A)と同様、横軸は時間を表し、縦軸はワイパブレードの位置角度を表している。また、図7(B)においては、図6(B)と同様、横軸は時間を表し、縦軸は車両の車速を表している。
図7に示すように、時刻t1に車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、時刻t2に車速が車速閾値Va以上となったときにシステムテストが実行される。また、時刻t2の後、車速が車速閾値Va未満となり時刻t3に車速が車速閾値Va以上となったときにシステムテストが実行される。以降、時刻t4、t5、t6においても、車速が車速閾値Va未満から車速閾値Va以上となったときにシステムテストが実行される。
このシステムテストの繰り返しは、車両が低速走行する、すなわち、車速閾値が低速の車速である場合、頻繁に実施されるため、ワイパモータが発熱により故障する可能性が生じるという問題がある。
以下、実施形態におけるワイパ制御装置を、図面を用いて説明する。
車体には2つのワイパ軸(ピボット軸)4a,4bが設けられており、ワイパアーム1a,1bはその基端部でワイパ軸4a,4bにそれぞれ取り付けられている。なお、符号における「a,b」は、それぞれ運転席側と助手席側に関連する部材や部分等であることを示している。
モータ6a,6bは、モータ本体7と減速機構8とによって構成されており、ワイパ制御装置10a,10bによって駆動制御され正逆回転する。モータ6aを駆動制御するワイパ制御装置10aは、車両側のコントローラであるECU11と車載LAN12を介して接続されている。ワイパ制御装置10a,10b同士の間は通信線13にて接続されている。
ワイパ制御装置10aに対しては、ワイパスイッチのON/OFFなどのスイッチ情報やエンジン起動情報(車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンしたときに供給されるエンジン起動信号、車両の車速を示す信号)などがLAN12を介してECU11から入力される。
ワイパ制御装置10a,10bは、ワイパブレード2a,2bの現在位置を検出すると共に、ワイパ軸4a,4bの回転速度からワイパブレード2a,2bの移動速度を検出する。そして、現在のワイパブレード2a,2bの速度と、当該位置におけるワイパブレード2a,2bの目標速度とを比較し、目標速度と現在速度との差に応じて、適宜、モータ6a,6bを制御する。
モータ本体7には、ロータ33が回転自在に配されている。ロータ33の回転軸34には、ウォーム35が形成されている。ウォーム35は、減速機構8に配されたウォームホイール36と噛合(ごうごう)している。ウォームホイール36はワイパ軸4aに取り付けられており、ワイパ軸4aもしくはウォームホイール36にはさらにセンサマグネット31が取り付けられている。モータ6aの減速機構8側には、図示しない制御基板が設けられており、センサマグネット31は、この基板に取り付けられたロータリーエンコーダIC32と対向する形で配置されている。
すなわち、ワイパ制御装置10aは、センサマグネット31の回転に伴って発生するパルスにより、ワイパ軸4aの回転数を検出し、センサマグネット31の磁気変化に伴う出力電圧の変化により、ワイパ軸4aの回転角度を検出する。この場合、ワイパ軸4aの回転数を検出することにより、ワイパ軸4aの回転速度が算出され、ワイパブレード2aの速度が検出される。また、ロータリーエンコーダIC32の出力電圧値とワイパ軸4aの回転角度との間には所定の関係があり、この電圧値に基づいてワイパブレード2aの現在位置が検出される。
また、図1に示すワイパ装置では、下反転位置Aの下方に格納位置Cが設けられている。ワイパブレード2a,2bは、ワイパスイッチがオフされた状態のときは、格納位置Cに留置される。ワイパスイッチがオンされると、ワイパブレード2a,2bは、格納位置Cから動作を開始し、下反転位置Aと上反転位置Bとの間にて往復払拭動作を行う。払拭動作中にワイパスイッチがオフされると、ワイパブレード2a,2bは、復路払拭動作の後、下反転位置Aを通り、格納位置Cまで作動し停止する。その際、本発明によるワイパ装置では、ワイパブレード2a,2bは、下反転位置Aにて一旦停止することなく、復路払拭動作に連続して格納位置Cまで作動してよい。また、復路払拭動作から格納位置Cに至るまでの動作も、違和感のないスムーズな格納動作が行われる。
図3に示すように、ワイパ制御装置10aには、モータ駆動部20と、CPU21(異常検出部)と、データ送受信部22が設けられている。ワイパ制御装置10aは、LAN12を介してECU11と接続されている。ワイパ制御装置10aには、ECU11から、ワイパスイッチの設定状態(ON/OFF)、エンジン起動信号、車両の車速を示す信号などの各種車両情報が入力される。
ワイパ制御装置10a内にはさらに、制御プログラムや各種制御情報が格納されたROM23と、モータ回転数やワイパブレード現在位置などの制御上のデータを格納しておくRAM24が設けられている。
インバータ回路は、モータ6aへの電力供給を制御するスイッチ素子として、4つのNチャネル型のMOSFET(電界効果トランジスタ、以下MOSFETと略する)を備えている。ドライバから出力される4つのスイッチング信号は、MOSFETの各ゲート端子に入力される。インバータ回路は、一対のMOSFET(MOSFET1u、MOSFET1dとする)を直列に接続した直列回路C1と、一対のMOSFET(MOSFET2u、MOSFET2dとする)を直列に接続した直列回路C2とを並列に接続して構成される。
MOSFET1uのソース端子とMOSFET1dのドレイン端子とは、共通接続点N1に接続される。MOSFET2uのソース端子とMOSFET2dのドレイン端子とは、共通接続点N2に接続される。また、MOSFET1uのドレイン端子とMOSFET2uのドレイン端子とは、インバータ回路の電源に接続される。また、MOSFET1dのソース端子とMOSFET2dのソース端子とは、接地される。以上の構成により、インバータ回路は、H(ハイ)ブリッジ回路として構成される。
モータ6aは、インバータ回路の共通接続点N1に接続される第1の電極と、インバータ回路の共通接続点N2に接続される第2の電極と、を備えるモータとして構成される。
モータ6aは、MOSFET1u及びMOSFET2dがオン状態とされると、第1の電極から第2の電極へ電流が流れてワイパ軸4aが一方向に回転する。一方、モータ6aは、MOSFET1d及びMOSFET2uがオン状態とされると、第2の電極から第1の電極へ電流が流れてワイパ軸4aが他方向に回転する。
ワイパ制御装置10aのCPU21は、ドライバを介してモータ6aの回転を制御することにより、ワイパブレード2aに対して往復払拭動作をさせている。
ワイパブレード位置検出部25は、ロータリーエンコーダIC32からのセンサ信号に基づいて、ワイパブレード2aの現在位置を検出する。
ワイパブレード速度検出部26は、センサマグネット31からのセンサ信号に基づいて、ワイパブレード2aの現在の移動速度(現在速度)を検出する。
モータ異常判定部27は、ワイパブレード位置検出部25が検出した現在位置とワイパブレード速度検出部26が検出した現在速度とに応じて、モータ6aが異常状態にあるか故障であるかをテスト動作(システムテスト)において判定する。
また、モータ異常判定部27は、モータ6aが動作しているが、ワイパブレード2aが目標位置に戻らない場合、例えば、ワイパブレード2aの現在位置が目標位置に達しない場合、センサマグネット31が取り付けられたワイパ軸4aもしくはウォームホイール36からの剥離、モータ駆動部20のインバータ回路の故障が発生していると判定する。
モータ異常判定部27は、モータ6aが故障であるか否かの判定結果をROM23に記憶させる。なお、モータ異常判定部27は、この判定結果をECU11に対して出力してもよい。
駆動制御指示部29は、車速速度判定部28から指示信号を受けると、モータ駆動部20に対して制御信号を出力し、ワイパブレード2aが格納位置Cと下反転位置Aとの間で動作するテスト動作を実行する。ワイパブレード2aが格納位置Cと下反転位置Aとの間で動作するテスト動作は、ユーザーには分からない程度に、払拭動作の前にモータを僅かに動作させることに対応する。
図4は、本発明によるシステムテストの回数を減らしたテスト動作を実施するタイミングを示す図である。図4に示す処理は、ワイパ制御装置10a,10bによって実行される。図4(A)においては、横軸は時間を表し、縦軸はワイパブレードの位置角度θを表している。位置角度θとは、ワイパブレードの位置を角度で表現し、ワイパブレードの格納位置を最小値とし、最大の払拭範囲におけるワイパブレードの折り返し位置(上反転位置)を最大値であるものとする(図1参照)。また、図4(B)においては、横軸は時間を表し、縦軸は車両の車速を表している。
図4に示すように、時刻t1に車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、時刻t2に、車速が車速閾値V1以上となったときにシステムテストが実行される。
その後、時刻t5に、車速が車速閾値V2以下となったときに車速速度判定部28のカウンタが時間のカウントを開始する。時刻t6に、車速が車速閾値V1以上となったときに、時刻t5から時間Δtcが経過している、すなわち、カウンタの測定時間≧時間Δtcであるので、車速速度判定部28は、駆動制御指示部29にワイパブレード2aのテスト動作を実行させる指示信号を出力する。つまり、時刻t6は時刻t5から時間Δtcが経過しているので、時刻t6に、車速が車速閾値V1以上となったときに、システムテストが実行される。
なお、車速閾値V2はゼロ(0km/h)であってもよい。また、車速閾値V2は、イグニッションがオンしているので、車両が停止と走行を繰り返す渋滞時の車速であってもよい。
図5(A)においては、図4(A)と同様、横軸は時間を表し、縦軸はワイパブレードの位置角度を表している。また、図5(B)においては、図4(B)と同様、横軸は時間を表し、縦軸は車両の車速を表している。
図5に示すように、時刻t1に車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、時刻t2に車速が車速閾値V1以上となったときにシステムテストが実行される。また、時刻t2の後、車速が車速閾値V1未満となり時刻t3に車速が車速閾値V1以上となったときは、車速が時刻t2とt3の間において車速閾値V2以下とならないため、時間Δtc(所定時間)経過することなく、システムテストは実行されない。以降、時刻t4、t5、t6においても、車速が車速閾値V2以下から時間Δtc(所定時間)経過して車速閾値V1以上となることはないため、システムテストは実行されない。
例えば、実施の形態では、ワイパモータである電動モータを2つ備え、運転席側と助手席側とのワイパアームおよびワイパブレード(以下、ワイパアーム等)を略同一方向に払拭動作させるワイパ装置を示したが、本発明はこれに限らず、2つの電動モータをフロントガラス3に対して左右対称に配置し、運転席側と助手席側とのワイパアーム等を対向するよう払拭動作させる対向払拭型のワイパ装置にも適用可能である。さらに、実施の形態では、電動モータを2つ備えたワイパ装置を示したが、ワイパ装置の構成はこれに限られず、特開2005−94821号公報の図1に記載のように、リンク機構を用いて1つの電動モータで運転席側と助手席側のワイパアーム等を払拭動作させるものでも良い。
また、実施の形態では、位置センサとしてウォームホイールに搭載される角度センサ(絶対位置センサ)を示したが、位置センサとして、特開2005−94821号公報の図2、3、4に記載のように、ロータ及びウォームホイールにマグネットと磁気検出装置が搭載されている位置センサであっても良い。
2a,2b ワイパブレード
3 フロントガラス
4a,4b ワイパ軸
5 払拭範囲
6a,6b モータ
7 モータ本体
8 減速機構
10 ワイパ制御装置
10a,10b ワイパ制御装置
11 ECU
12 車載LAN
13 通信線
20 モータ駆動部
21 CPU
22 データ送受信部
23 ROM
24 RAM
25 ワイパブレード位置検出部
26 ワイパブレード速度検出部
27 モータ異常判定部
28 車速速度判定部
29 駆動制御指示部
31 センサマグネット
32 ロータリーエンコーダIC
33 ロータ
34 回転軸
35 ウォーム
36 ウォームホイール
A 下反転位置
B 上反転位置
C 格納位置
θ ワイパブレード位置角度
Claims (4)
- 車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、前記車両の車速が第1の車速閾値以上となったときに、ワイパ装置に搭載されているワイパモータを僅かに動作させ、前記ワイパモータが異常状態にあるか故障であるか否かの異常検出動作を実行する異常検出部を有するワイパ制御装置であって、
前記異常検出部は、前記車両の車速が第1の車速閾値より小さい第2の車速閾値以下になってから所定時間経過後、前記車両の車速が第1の車速閾値以上となったときに、前記異常検出動作を実行する、
ワイパ制御装置。 - 前記異常検出部は、
前記ワイパ装置を構成するワイパブレードが格納位置と下反転位置との間で動作するテスト動作を実行する駆動制御指示部と、
外部から入力される前記車両の車速が前記第2の車速閾値以下になったときに時間計測を開始し、時間計測を開始した時点から前記所定時間が経過して前記車両の車速が第1の車速閾値以上となったときに、指示信号を出力して前記駆動制御指示部に前記ワイパブレードの前記テスト動作を実行させる車速速度判定部と、
前記ワイパブレードの現在位置を検出するワイパブレード位置検出部と、
前記ワイパブレードの現在速度を検出するワイパブレード速度検出部と、
検出された前記現在位置と前記現在速度とに応じて、前記ワイパモータが異常状態にあるか故障であるかを前記テスト動作において判定するモータ異常判定部と、
を有する請求項1に記載のワイパ制御装置。 - 前記第2の車速閾値はゼロである、
請求項1または請求項2に記載のワイパ制御装置。 - 車両のエンジンを起動するイグニッションスイッチがオンした後、前記車両の車速が第1の車速閾値以上となったときに、ワイパ装置に搭載されているワイパモータを僅かに動作させ、前記ワイパモータが異常状態にあるか故障であるか否かの異常検出判定動作を実行する異常検出判定部を有するワイパ制御装置の制御方法であって、
前記異常検出判定部が、前記車両の車速が第1の車速閾値より小さい第2の車速閾値以下になってから所定時間経過後、前記車両の車速が第1の車速閾値以上となったときに、前記異常検出判定動作を実行する、
ワイパ制御装置の制御方法。
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