JP6510889B2 - コアキャッチャ - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉格納容器内に設置するコアキャッチャに関する。
原子力発電所に備えられた原子炉格納容器の機能の1つに、炉心が万一溶融するような重大な事故(シビアアクシデント)が発生し、放射性物質が原子炉圧力容器外に放出されても、放射性物質を原子炉格納容器内に閉じ込めることで発電所敷地周辺への漏出を防ぐことがある。
上述の原子炉格納容器では、例えば、原子炉圧力容器に繋がる配管が破断した場合には、非常用炉心冷却装置等が起動して冷却水が供給され、炉心が冷却される。しかし、非常用炉心冷却装置の起動失敗等に起因して炉心の冷却が不十分となり、高温の炉心溶融物が原子炉圧力容器から原子炉格納容器の床面へ落下する可能性がある。炉心溶融物が床面へ落下した場合でも、その後、適切に冷却水が注水されれば、冷却水により炉心溶融物は冷却されるが、さらなる安全性向上のため、炉心溶融物による床面のコンクリートの侵食に対策を講じておく必要がある。
そこで、高融点の酸化セラミックのブロックを間隙なく敷き詰めた耐熱層からなるコアキャッチャを床面に配置し、原子炉圧力容器から落下する炉心溶融物を受け止める方法が提案されている(特許文献1等を参照)。
特開2012−137431号公報
原子炉格納容器の床の厚みや床面からのコアキャッチャ上面の高さには制約があるため、コアキャッチャにおける炉心溶融物を受ける耐熱層の厚みをできるだけ確保するには、架台等でコアキャッチャを支持したりコアキャッチャの下側に水槽等の構造物を配置するよりもコアキャッチャを床面に配置する方が有利である。
しかし、仮に冷却水の注水が遅れると、炉心溶融物の保有熱によりコアキャッチャが高温になる。コアキャッチャを床面上に配置する場合、コアキャッチャからの伝熱により床面の温度が上昇し、床面のコンクリート内の自由水が離脱して水蒸気が発生したり、非凝縮性ガスが発生し得る。
特許文献1のように単にブロックを間隙なく敷き詰めて構成した耐熱層からなるコアキャッチャを床面上に配置すると、床面から発生した水蒸気や非圧縮性ガス(気体)の抜け道がないため耐熱層が下部より加圧され、コアキャッチャに不要な力が加わる可能性がある。一方、ブロック間に間隙を確保すると、間隙から炉心溶融物が浸透し床面と接触する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、炉心溶融物の浸透を抑制しつつ、床面から発生する気体によるコアキャッチャ下部からの加圧を抑制できるコアキャッチャを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコアキャッチャの一例は、原子炉格納容器の床面を覆う本体部が複数の接触部を介して部分的に前記床面に接地し、前記複数の接触部間に形成された流路が原子炉圧力容器の下方のドライウェルに通じるように構成された耐熱層からなり、前記本体部と前記複数の接触部とが一体で1つの部材から形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、炉心溶融物の浸透を抑制しつつ、床面から発生する気体によるコアキャッチャ下部からの加圧を抑制できるコアキャッチャを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るコアキャッチャを適用する原子炉設備の一構成例の概略構成を表す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。 図2の矢印III−III線による矢視断面図である。 本発明の第1実施形態に係るコアキャッチャの部分上面図である。 本発明の第2実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係るコアキャッチャの部分上面図である。 本発明の第3実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。
<第1実施形態>
(構成)
1.原子炉設備
図1は、本実施形態に係るコアキャッチャを適用する原子炉設備の一構成例の概略構成を表す縦断面図である。図1では、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)を例示している。以下、本発明をABWRに適用した場合を説明するが、本発明は他の型式の原子炉(例えば、加圧水型原子炉)に対しても適用可能である。
図1に示すように、鋼製ライナを内張りした鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器2には、原子炉圧力容器1が格納されている。原子炉圧力容器1内には原子炉の燃料を保有する炉心(不図示)が収容されている。原子炉格納容器2の外周側には、原子炉格納容器2を取り囲むように原子炉建屋3が設けられている。
原子炉格納容器2は、気密性を有するように円筒状に形成されている。原子炉格納容器2の内部には、原子炉圧力容器1等を取り囲む上部ドライウェル4A、下部ドライウェル4B、サプレッションチェンバ5などが設けられている。
上部ドライウェル4Aは、原子炉圧力容器1の側面を取り囲むように設けられている。下部ドライウェル4Bは、原子炉圧力容器1の下方に設けられ、原子炉圧力容器1内の炉心を制御するための制御棒を操作する機器等を収容している。サプレッションチェンバ5は、上部ドライウェル4Aの下方に、下部ドライウェル4Bを取り囲むように設けられている。サプレッションチェンバ5の内部には水が貯えられている。上部ドライウェル4Aと下部ドライウェル4B及びサプレッションチェンバ5は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラム・フロア6により区画されている。また、下部ドライウェル4Bとサプレッションチェンバ5は、原子炉格納容器2の底部に形成された床面(ペデスタル床)11から上方向に立設するドライウェル壁面(側壁面)16により区画されている。ドライウェル壁面16は、ダイヤフラム・フロア6の端部に接合され、原子炉圧力容器1を支持している。上部ドライウェル4A、下部ドライウェル4B及びサプレッションチェンバ5は、ベント管7によって相互に連通されている。原子炉圧力容器1や配管類の一部が損傷し、原子炉格納容器2内に蒸気が放出された場合、上部ドライウェル4A及び下部ドライウェル4B内に放出された蒸気は、ベント管7を通ってサプレッションチェンバ5内の水中に導かれて凝縮され、原子炉格納容器2内の圧力上昇が抑制される。
原子炉格納容器2の上部には、ドライウェル・ヘッド8が取り外し可能に取り付けられている。原子炉格納容器2の側壁には、原子炉格納容器貫通部9が設けられている。原子炉格納容器2の上方には、トップスラブ10が設けられている。原子炉格納容器2の床面11上には、コアキャッチャ14が配置されている。以下、コアキャッチャ14について説明する。
2.コアキャッチャ
図2は本実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図、図3は図2の矢印III−III線による矢視断面図、図4は本実施形態に係るコアキャッチャの部分上面図である。
図2乃至4に示すように、コアキャッチャ14は、本体部25、接触部26及び流路15を備えた耐熱層からなる。
本体部25は、床面11のコンクリートよりも高融点(例えば、2500℃程度)の耐熱材で形成され、原子炉圧力容器1(図1を参照)から床面11に向かって落下する炉心溶融物12を受け止めて保持する機能を有している。本体部25を形成する耐熱材には、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、カルシア、ハフニア、チタニア、ジルコン、ムライト、窒化ホウ素、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ジルコニウムなどの高融点のセラミック系の素材や、タングステン、モリブデン、ベリリアなどの高融点の金属素材を適用することができる。
本体部25の外縁部には囲壁17が設けられている。囲壁17は、本体部25の上面25Aから上方向に立設されている。囲壁17の本体部25の上面25Aからの高さは、本体部25に落下した炉心溶融物12を本体部25上に拘束するのに十分な値に設定されている。囲壁17とドライウェル壁面16との間には、給水路18が形成されている。給水路18は、下部ドライウェル4Bと空間的に接続している。本体部25は、上方から見て、ドライウェル壁面16の内面の形状に合わせて円形状に形成され、給水路18を除く床面11の全体を覆うように設けられている。
図3に示すように、本体部25は、複数の接触部26を介して部分的に床面11に接地している。つまり、複数の接触部26は、本体部25と一体に形成されていて、本体部25の下面25Bから下方に延びて床面11と接触している。本実施形態では、複数の接触部26は、本体部25と同じ耐熱材で形成されている。複数の接触部26は、本体部25の下面25Bに本体部25の幅方向(図3における左右方向)に間隔を空けて設けられている。各接触部26は、本体部25の幅方向と直交する方向に直線状に延在している。接触部26は、例えば、本体部25の下面25Bをスリット状に削ることにより形成される。本実施形態では、接触部26の高さ(図3における上下方向の長さ)と幅(図3における左右方向の長さ)を同じ程度にしている。なお、本実施形態では、複数の接触部26を本体部25と同じ耐熱材で形成した場合を例示したが、床面11のコンクリートよりも高融点の耐熱材であれば本体部25と異なる耐熱材で形成しても良い。また、接触部26の高さと幅を同じにした場合を例示したが、接触部26の高さ及び幅は必要に応じて変更しても良い。
流路15は、複数の接触部26間に複数形成されている。流路15は、床面11に沿って直線状に延在し、給水路18に開口している。先に述べたように、本体部25には囲壁17が設けられているので、給水路18には本体部25に落下した炉心溶融物12が流入しないようになっている。よって、炉心溶融物12が落下してきても流路15は給水路18を介して下部ドライウェル4Bに通じている。流路15は、床面11から発生した気体を給水路18まで導く機能を有している。また、流路15は、給水路18に流入した冷却水を本体部25の下面25B側へ導き、本体部25を冷却する機能も有している。なお、本実施形態では、流路15が床面11に沿って直線状に延在する場合を例示したが、給水路18に開口する限りにおいては流路15の形状は限定されず、例えば、放射状流路や蛇行流路としても良い。
(動作)
本実施形態に係るコアキャッチャ14における動作について、何らかの原因によって原子炉圧力容器1への注水機能が停止したことにより炉心溶融物12が原子炉圧力容器1を貫通して落下した万一の場合を想定して説明する。
原子炉圧力容器1から落下した炉心溶融物12は、コアキャッチャ14の本体部25で受け止められ保持される。一方、例えば、原子炉圧力容器1への注水機能の停止による原子炉圧力容器1内の圧力の変化に基づき、下部ドライウェル4B内に冷却水が注水される。下部ドライウェル4B内に注水された冷却水は、囲壁17の内側の空間に溜まり、囲壁17を乗り越えて流路15、給水路18を順次満たしていき、遂にはコアキャッチャ14を冠水させる(図2を参照)。コアキャッチャ14の本体部25上の炉心溶融物12は、冷却水により上部から冷却されつつ、流路15を流れる冷却水により本体部25を介して下側からも冷却される。その後、炉心溶融物12の保有熱は時間の経過に伴い減衰し、炉心溶融物12は本体部25上で凝固する。
一方、冷却水の下部ドライウェル4B内への注水遅れにより床面11から気体が発生した場合、床面11からの気体は、流路15により給水路18に導かれ、給水路18を上昇して下部ドライウェル4Bに排出される。
(効果)
(1)本実施形態のコアキャッチャ14は、本体部25が複数の接触部26を介して部分的に床面11に接地し、複数の接触部26間に形成された流路15が下部ドライウェル4Bに通じるように構成された耐熱層からなっている。そのため、本体部25への炉心溶融物12の浸透を抑制しつつ、床面11から発生した気体を下部ドライウェル4Bに排出することができる。したがって、床面11から発生した気体により耐熱層が下部より加圧されてコアキャッチャ14に不要な力が加わることを抑制できる。
(2)本実施形態では、コアキャッチャ14を床面11に接地させて設けているため、架台等でコアキャッチャを支持したりコアキャッチャの下側に水槽等の構造物を設けた場合に比べて耐熱層の厚みを増やすことができ、床面11への伝熱量をより抑制することができる。
(3)本実施形態では、囲壁17とドライウェル壁面16との間に給水路18が形成されている。そのため、炉心溶融物12の保有熱が囲壁17を介してドライウェル壁面16に伝わることを抑制することができる。また、給水路18に冷却水が流入した場合には、囲壁17を介して炉心溶融物12を外側から冷却することができる。
(4)本実施形態では、本体部25が床面11の全体を覆うように形成されているので、原子炉圧力容器1からの炉心溶融物12の落下が広範囲に及んでも炉心溶融物12を確実に受け止め保持することができる。
<第2実施形態>
(構成)
図5は本実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図、図6は本実施形態に係るコアキャッチャの部分上面図である。図5及び図6において、上記第1実施形態のコアキャッチャ14と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図5,6に示すように、本実施形態のコアキャッチャ114は、適用対象をサンプピット19を備える原子炉設備としている点で第1実施形態のコアキャッチャ14と異なる。
サンプピット19は、例えば、原子炉格納容器2のメンテナンス等により床面11上に溜まった水を収集、排出するための排水設備である。サンプピット19は、原子炉格納容器の床面11の一部を掘り下げた凹部形状に形成されている。サンプピット19上には、サンプピット19を覆うようにコリウムシールド20が設けられている。コリウムシールド20は、炉心溶融物12のサンプピット19内への流入を防ぐ防護装置として機能する。コリウムシールド20は、脚部27、蓋部28及びスリット(気体逃し孔)21を備えている。
脚部27は、孔部29(後述する)に挿入されている。脚部27の下端部は床面11に接している。蓋部28は、脚部27の上端部にサンプピット19を跨ぐ形で設けられている。スリット21は、脚部27に形成されている。スリット21は、ドレンサンプ19内と下部ドライウェル4Bとを連通し、サンプピット19内の気体を下部ドライウェル4B(図1を参照)に排出する機能を有している。また、スリット21は、冷却水等のサンプピット19内への流入を許容しつつ、炉心溶融物12が流入した場合にはその途中で炉心溶融物12を凝固させ、炉心溶融物12のサンプピット19内への流入を抑制する機能も有している。
本実施形態では、コアキャッチャ114の本体部125は、コリウムシールド20を挿入可能な孔部29を備えている。つまり、本実施形態では、本体部125は給水路18及びサンプピット19を除く床面11の全体を覆うように形成されている。孔部29に脚部27を挿入することにより、コリウムシールド20をサンプピット19を覆うように設けることができる。本実施形態では、コアキャッチャ114の複数の流路15のうち、一部の流路がサンプピット19内に開口し、その他の流路が給水路18に開口している。なお、その他の構成は、第1実施形態のコアキャッチャ14と同様である。
冷却水の下部ドライウェル4B内への注水遅れにより床面11から気体が発生した場合、一部の気体は流路15により給水路18に導かれて下部ドライウェル4Bに排出され、残りの気体は流路15によりサンプピット19内に導かれてスリット21を介して下部ドライウェル4Bに排出される。
なお、本実施形態では、複数の流路15の一部がサンプピット19内に開口する場合を例示したが、複数の流路15の全部をサンプピット19内に開口させても良い。また、床面11上に炉心溶融物12が流れ込まない空間としてサンプピット19以外の空間が設けられている場合には、複数の流路15の一部又は全部をその空間に開口させても良い。
(効果)
適用対象がサンプピットを備える原子炉設備の場合でも、本実施形態のように、複数の流路15のうち、一部の流路をサンプピット19内に開口させ、その他の流路を給水路18に開口させることにより、上述した第1実施形態で得られる各効果と同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
(構成)
図7は本実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。図7において、上記第1実施形態のコアキャッチャ14と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態のコアキャッチャ214は、接触部が粒状部材24で形成されている点で第1実施形態のコアキャッチャ14と異なる。その他の構成は、第1実施形態のコアキャッチャ14と同様である。
粒状部材24はコアキャッチャ214の一部をなす要素であって、床面11上に複数載置されている。本実施形態では、複数の粒状部材24は相互に間隔を空けて載置されている。粒状部材24上に本体部25が載置されている。つまり、各粒状物質24は、本体部25の下面25B及び床面11と点接触している。本実施形態では、粒状物質24は、本体部25と同じ耐熱材で形成されている。粒状物質24間には、流路215が形成されている。流路215は、給水路18(図2を参照)に開口している。なお、本実施形態では、複数の粒状部材24を相互に間隔を空けて床面11上に載置した場合を例示しているが、複数の粒状部材24を相互に接触させて床面11上に載置しても良い。また、本実施形態では、粒状物質24を本体部25と同じ耐熱材で形成した場合を例示しているが、床面11のコンクリートよりも高融点の耐熱材であれば粒状物質24を本体部25と異なる耐熱材で形成しても良い。
冷却水の下部ドライウェル4B(図1を参照)内への注水遅れにより床面11から気体が発生した場合、床面11からの気体は、コアキャッチャ114の流路215により給水路18に導かれ、下部ドライウェル4Bに排出される。
なお、コアキャッチャ214をサンプピットを備える原子炉設備に適用する場合には、流路215の一部をサンプピット内に開口させても良いし、流路215の全部をサンプピット内に開口させても良い。また、床面11上に炉心溶融物12が流れ込まない空間としてサンプピット以外の空間が設けられている場合には、流路215のうち、一部又は全部の流路をその空間に開口させても良い。
(効果)
上記構成により、本実施形態では上述した第1実施形態で得られる各効果に加えて、次の効果が得られる。
本実施形態では、接触部が粒状物質24で形成されているので、第1実施形態に比べて、接触部と本体部25との接触面積を減らすことができる。したがって、コアキャッチャ214から床面11への伝熱量を小さくすることができ、床面11の温度上昇を抑制することができる。また、第1実施形態に比べて、流路215と本体部25との接触面積を増やすことができるので、流路215を流れる冷却水による炉心溶融物12の冷却をより促進させることができる。また、複数の粒状部材24を接触させた状態で配置しても、粒状物質24間に隙間が空くので、粒状物質24の配置をあまり考慮しなくて良い。
<第4実施形態>
(構成)
図8は本実施形態に係るコアキャッチャの構成を示す部分断面図である。図8において、上記第1実施形態のコアキャッチャ14と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のコアキャッチャ314は、本体部325及び接触部326が複数のブロック(矩形状部材)で形成されている点で、第1実施形態のコアキャッチャ14と異なる。その他の構成は、第1実施形態のコアキャッチャ14と同様である。
本体部325は、第1本体部325Aと、第1本体部325Aの下側に配置された第2本体部325Bとを備えている。なお、本実施形態では、本体部325が第1本体部325A及び第2本体部325Bの2層で形成されている場合を例示しているが、本体部325は1層又は3層以上で形成されても良い。
第1本体部325Aは、複数の第1ブロック22Aを備えている。複数の第1ブロック22Aは、床面11に沿う方向に隙間を介して設けられている。第2本体部325Bは、複数の第2ブロック22Bを備えている。複数の第2ブロック22Bは、床面11に沿う方向に隙間を介して設けられている。複数の第2ブロック22Bは、複数の第1ブロック22Aに対して幅方向にずれて隙間を介して設けられている。本実施形態では、複数の第1ブロック22A及び複数の第2ブロック22Bを第1実施形態の本体部25と同じ耐熱材で形成している。なお、第1ブロック22A間の隙間、第2耐熱材ブロック22B間の隙間、及び第1ブロック22Aと第2ブロック22Bの間の隙間の幅は、適宜変更することができる。第1ブロック22A間の隙間、第2ブロック22B間の隙間、及び第1ブロック22Aと第2ブロック22Bの間の隙間には、目地材23が充填されている。なお、本実施形態では、複数の第1ブロック22A及び複数の第2ブロック22Bを第1実施形態の本体部25と同じ耐熱材で形成した場合を例示しているが、床面11のコンクリートよりも高融点の耐熱材であれば第1実施形態の本体部25と異なる耐熱材で形成しても良い。
接触部326は、複数の第3ブロック22Cを備えている。複数の第3ブロック22Cは、床面11上に載置されている。本実施形態では、複数の第3ブロック22Cは、複数の第1ブロック22A及び複数の第2ブロック22Bと同様、第1実施形態の本体部25と同じ耐熱材で形成されている。第3ブロック22Cの上面22C’は目地材23を介して第2本体部325Bに接触している。つまり、本体部325は、目地材23を介して複数の第3ブロック22C上に載置されている。なお、本実施形態では、複数の第2ブロック22Cを第1実施形態の本体部25と同じ耐熱材で形成した場合を例示しているが、床面11のコンクリートよりも高融点の耐熱材であれば第1実施形態の本体部25と異なる耐熱材で形成しても良い。
複数の第3ブロック22C間には、複数の流路315が形成されている。各流路315は、例えば、複数の第3ブロック22C間に隙間が形成されるように複数の第3ブロック22Cを意図的に配置したり、複数の第3ブロック22C間に形成された隙間に目地材23を充填しないことにより形成することができる。本実施形態では、流路315の幅(図8における左右方向の長さ)は、第3ブロック22Cの幅方向の長さに比べて小さく設定してある。なお、流路315の幅は、複数の第3ブロック22Cを床面11上に載置する際に第3ブロック22C間の距離を調節することにより適宜変更できる。各流路315は、給水部18(図2を参照)に開口している。
冷却水の下部ドライウェル4B(図1を参照)内への注水遅れ等により床面11から気体が発生した場合、床面11からの気体は流路315により給水部18に導かれ、給水部18を上昇して下部ドライウェル4Bに排出される。
なお、コアキャッチャ314をサンプピットを備える原子炉設備に適用する場合には、流路315の一部をサンプピット内に開口させても良いし、流路315の全部をサンプピット内に開口させても良い。また、床面11上に炉心溶融物12が流れ込まない空間としてサンプピット以外の空間が設けられている場合には、流路315のうち、一部又は全部の流路をその空間に開口させても良い。
(効果)
上記構成により、本実施形態では上述した第1実施形態で得られる各効果に加えて、次の効果が得られる。
本実施形態では、本体部325を複数のブロックで形成している。そのため、本体部325をドライウェル壁面16(図1,2を参照)の内面の形状により合わせた形状に形成することができ、床面11をより確実に覆うことができる。
2 原子炉格納容器
11 床面
25 本体部
26 接触部
15 流路
1 原子炉圧力容器
4A,4B ドライウェル
14 コアキャッチャ
24 粒状部材
22A,22B,22C 矩形状部材
18 給水路
19 サンプピット

Claims (9)

  1. 原子炉格納容器の床面を覆う本体部が複数の接触部を介して部分的に前記床面に接地し、前記複数の接触部間に形成された流路が原子炉圧力容器の下方のドライウェルに通じるように構成された耐熱層からなり、
    前記本体部と前記複数の接触部とが一体で1つの部材から形成されている
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  2. 原子炉格納容器の床面を覆う本体部が複数の接触部を介して部分的に前記床面に接地し、前記複数の接触部間に形成された流路が原子炉圧力容器の下方のドライウェルに通じるように構成された耐熱層からなり、
    前記本体部は、その中央部から外周縁部まで隙間なく形成され、
    前記接触部は、前記床面に載置された矩形状部材であり、
    前記本体部は、前記床面に載置された複数の前記矩形状部材上に載置されている
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  3. 請求項1又は2に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記本体部及び前記複数の接触部は、前記床面よりも高融点の耐熱材で形成されていることを特徴とするコアキャッチャ。
  4. 請求項2に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記接触部は、前記本体部と同じ耐熱材で形成されている
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  5. 請求項1又は2に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記流路は、前記原子炉格納容器の側壁面との間に確保された給水路に開口している
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  6. 請求項に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記本体部は、前記給水路を除く前記床面の全体を覆うように形成されている
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  7. 請求項に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記流路の一部は、前記床面に設けられたサンプピットに開口している
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  8. 請求項に記載のコアキャッチャにおいて、
    前記本体部は、前記給水路及び前記サンプピットを除く前記床面の全体を覆うように形成されている
    ことを特徴とするコアキャッチャ。
  9. 炉心と、
    前記炉心を収容した原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を格納した原子炉格納容器と、
    前記原子炉格納容器の床面に配置した請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコアキャッチャとを備えた
    ことを特徴とする原子炉設備。
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