JP5851357B2 - 炉心溶融物の保持装置 - Google Patents

炉心溶融物の保持装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5851357B2
JP5851357B2 JP2012146563A JP2012146563A JP5851357B2 JP 5851357 B2 JP5851357 B2 JP 5851357B2 JP 2012146563 A JP2012146563 A JP 2012146563A JP 2012146563 A JP2012146563 A JP 2012146563A JP 5851357 B2 JP5851357 B2 JP 5851357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
core melt
holding device
resistant member
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012146563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014010048A (ja
Inventor
文代 佐々木
文代 佐々木
石渡 裕
裕 石渡
国彦 和田
国彦 和田
美香 田原
美香 田原
三男 小室
三男 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2012146563A priority Critical patent/JP5851357B2/ja
Publication of JP2014010048A publication Critical patent/JP2014010048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5851357B2 publication Critical patent/JP5851357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

本発明の実施形態は、炉心溶融物の保持装置に関する。
水冷却型原子炉では、冷却水の供給停止や配管の破断によって、原子炉圧力容器内へ冷却水が供給されなくなると、原子炉水位が低下して炉心が露出し、この炉心の冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかしながら、上記冷却材の投入にはある程度の時間を要し、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、さらに、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉圧力容器内の水位は低下したままであって、露出した炉心は十分な冷却が行われなくなることにより、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器の下部を溶融貫通して、格納容器内の床上に落下するに至る。炉心溶融物は格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。
発生した非凝縮性ガスは原子炉格納容器内の圧力を高め、当該原子炉格納容器を破損させる可能性があるため、格納容器の容積は非凝縮性ガスの発生量を予め加味して決定される。すなわち、非凝縮性ガスの発生量が少ないほど、格納容器をコンパクト化することが可能となる。また、コンクリートの溶融浸食は、格納容器バウンダリの破損に繋がる恐れがある。
このような観点から、炉心溶融物とコンクリートとの反応を抑制するために、炉心溶融物を冷却し、炉心溶融物底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K(約1227℃)以下に冷却するか、炉心溶融物とコンクリートとが直接接触しないようにする必要がある。後者の手段の代表として、炉心溶融物保持装置(コアキャッチャー)と呼ばれるものが存在する。この炉心溶融物保持装置は、落下した炉心溶融物を耐熱材で受け止めるとともに、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である。
しかしながら、注水手段から冷却水が供給されるまでには、約10分程度の時間を要する場合があり、この間、炉心溶融物は炉心溶融物保持装置のみによって保持しなければならない。したがって、炉心溶融物保持装置には極めて高い耐熱性が要求される。
従来、カルシウム酸化物とケイ素酸化物とを主成分とするコンクリートを用いて炉心溶融物保持装置を構成したり、高融点材料のタイルを用いて炉心溶融物保持装置を構成したりするなどの試みがなされている。しかしながら、炉心溶融物を保持する際には、炉心溶融物保持装置の温度が室温から2000℃まで急激に温度上昇することになるため、その際に発生する熱応力による破損の問題などが生じる。
また、従来の原子炉には、上記炉心溶融物装置が配設されていないものもあり、上記炉心溶融物保持装置を後付けできるように、当該炉心溶融物保持装置の小型化、すなわち薄肉化が要求されている。したがって、薄肉化された炉心溶融物保持装置においては、上述した熱応力による破損の問題はより深刻なものとなっている。
特開平5−5795号公報 特開平6−300880号公報
本発明が解決しようとする課題は、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置を提供することである。
本発明の実施形態は、原子炉圧力容器の下方に設けられる炉心溶融物の保持装置であって、前記保持装置は、耐熱部材と、この耐熱部材中に配設された前記耐熱部材よりも熱伝導率の高い熱伝導部材とを具える。前記保持装置は、冷却媒材を流すための流路が形成されている。前記熱伝導部材の少なくとも一部は、前記流路内に露出するようにして形成されている。
本発明によれば、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することができる。
第1の実施形態における水冷型原子炉の炉心溶融物保持装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第2の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第2の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第3の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第4の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第4の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第5の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。 第6の実施形態における炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。
以下、図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、水冷型原子炉の炉心溶融物保持装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。
図1に示すように、炉心溶融物保持装置10は、耐熱部材11と、この耐熱部材11中に配設された、熱伝導部材12とを有している。また、炉心溶融物保持装置10は、図示しない格納容器の床部材15との間に冷却水路16を形成するようにして上記格納容器に対して取り付けられている。具体的には、冷却水路16を形成するようにして、炉心溶融物保持装置10の耐熱部材11が、紙面に垂直な方向において格納容器の床部材15と接合されることによって取り付けられている。
なお、冷却水路16中の冷却水は、耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10A、及び耐熱部材11の側面11B、すなわち炉心溶融物保持装置10の側面10Bと接触するようにして流れる。
本実施形態では、格納容器の床部材15の形状に合わせて冷却水路16を形成すべく、炉心溶融物保持装置10の端部を上方に屈曲させ、コの字型となるように形成しているが、耐熱部材11が板状であって炉心溶融物保持装置10の全体が薄肉化されていれば、炉心溶融物保持装置10の形状については特に限定されるものではない。
耐熱部材11は、炉心溶融物若しくは冷却水路16を流れる冷却水等と反応して水素、酸素、窒素、二酸化炭素などの非凝縮性ガスを発生しないような材料から構成されていることが好ましく、さらに炉心溶融物と接触する可能性の高い最表面は高融点材料、特に炉心溶融物の温度よりも融点が高いような材料から構成されていることが好ましい。
耐熱部材11が非凝縮性ガスを発生するような材料から構成されている場合、当該非凝縮性ガスの発生量に相当する分だけ格納容器を大型化する必要があるので、原子炉全体が大型化してしまい、コスト増となるために好ましくない。また、原子炉を配備するスペースが大型化してしまい、原子炉の設置場所が制約されてしまうという問題も生じる。一方、耐熱部材11の融点が低いと、炉心溶融物によって耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10の一部若しくは全部が比較的短時間で溶融してしまい、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10の炉心溶融物の保持作用が低減し、炉心溶融物保持装置10による炉心溶融物の保持時間が短縮化してしまう。
以上のことに鑑みると、耐熱部材11としては、例えば、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、マグネシウム酸化物、タングステン、モリブデン、タンタル、ニッケル、鉄、グラファイト、炭化ケイ素等から構成することが好ましい。なお、例示した鉄は、一般にはステンレス鋼であることが好ましいが、鋳鉄等の表面を酸処理等して黒錆(マグネタイト)を形成したようなものであってもよい。
なお、上述した材料の中でも、加工性の観点から、タングステン、モリブデン、タンタル、鉄等の金属材料が好ましい。特に鉄は安価であって容易に入手できることから好ましく用いることができる。
また、熱伝導部材12は、耐熱部材11よりも熱伝導性が高く、炉心溶融物保持装置10上に落下し保持されている炉心溶融物の熱を、耐熱部材11よりも優先的に伝導させて冷却水路16を流れる冷却水によって冷却できるような材料から構成することが必要である。したがって、例えば、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、マグネシウム酸化物、窒化ケイ素、銅、アルミニウム、銀、金、タングステン等から構成することが好ましい。
なお、耐熱部材11と熱伝導部材12との材料は一部重複しているが、熱伝導部材12の熱伝導率は絶対的なものではなく、耐熱部材11との相対的な関係に基づくものである。したがって、耐熱部材11の材料を決定した後に、この耐熱部材11よりも熱伝導率の高い材料を、例えば上述した中から適宜選択し、熱伝導部材12として用いればよい。
例えば、耐熱部材11及び熱伝導部材12において、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等が重複しているが、耐熱部材11及び熱伝導部材12共に同じアルミニウム酸化物等から構成するのではなく、耐熱部材11として例えばアルミニウム酸化物(熱伝導率約20〜30W/mK)を用いた場合、熱伝導部材12としては例えば銅(熱伝導率約400W/mK)を用いればよい。
上述した材料の中でも、加工性及び高い熱伝導率を考慮すると、特に銅、アルミニウム、銀、金等の金属材料が好ましい。特に銅、アルミニウム、銀は容易に入手できることから好ましく用いることができる。
また、熱伝導部材12の、耐熱部材11内への配設は、当該耐熱部材11に対して研削加工、あるいは耐熱部材11を溶接加工等によって形成する際に、予め所定の空隙を形成できるように加工を施して空隙を形成し、この空隙内に合せた形に予め加工した熱伝導部材12を嵌め込む、または押出成形の要領と同様に、熱伝導部材12を塑性変形させて収納することが考えられる。このため、熱伝導材12は耐熱部材11よりも強度の小さい材料であることが好ましい。また、熱伝導部材12の形状が複雑であると上記空隙の形状も熱伝導部材12の形状に合わせて複雑に形成する必要が生じ、加工が複雑になるとともに、加工コストを大幅に増大させてしまう。
したがって、熱伝導部材12を円柱状あるいは角柱状とすることによって、上記空隙の形状も円柱状あるいは角柱状とすることができるので、加工が容易となって加工コストの増大を抑制することができる。
なお、炉心溶融物保持装置10における耐熱部材11に対する熱伝導部材12の割合は、使用する材料の種類等によって異なるが、以下に説明する耐熱部材11が炉心溶融物の落下に耐えうるような強度を有し、さらに熱伝導部材12が耐熱部材11よりも優先的に熱伝導を生ぜしめるようにすることが好ましい。また、耐熱部材11内における熱伝導部材12の配列ピッチPも、上記同様に使用する材料の種類等によって異なる。
また、耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aと熱伝導部材12の下面12Aとの距離d2は、耐熱部材11で保持している炉心溶融物の熱伝導により炉心溶融物の冷却度合いを考慮すると、小さい方が好ましく、耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aに露出してd1=0となっていることがより好ましい。
一方、熱伝導部材12の上面12Cと耐熱部材11の上面11C、すなわち炉心溶融物保持装置10の上面10Cとの距離d1は、耐熱部材11の上層に耐熱部材11以外の耐熱物等を設置するか否かで異なる。
なお、炉心溶融物は、UO及びZrOなどの一般式で表される酸化物と、ZrとFeなどの金属成分である。但し、このような一般式で表される酸化物に限定されるものではなく、使用する燃料棒の材料組成や破損の状況に依存して、その材料組成は変化する。炉心溶融物の温度は、材料組成等に依存するが、約2000℃〜2500℃である。
次に、図1及び図2に示す炉心溶融物保持装置の作用効果について説明する。
非常用炉心冷却装置(ECCS)(図示せず)等が十分に機能せずに炉心溶融事故が発生し、崩壊熱によって燃料棒温度が上昇して炉心溶融に至って生成した炉心溶融物は、原子炉圧力容器の下部を溶融貫通して、炉心溶融物保持装置10に衝突し、炉心溶融物保持装置10によって保持される。炉心溶融物の保持は、炉心溶融物保持装置10の耐熱部材11によってなされる。
一方、耐熱部材11内には熱伝導部材12が配設されているので、耐熱部材11によって保持されている炉心溶融物の熱は、熱伝導部材12を優先的に伝達して、熱伝導部材12の下面12A、さらには耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aに至る。耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aは、冷却水路16内の冷却水に常時接触しているので、熱伝導部材12を伝達してきた炉心溶融物の熱は、上記冷却水によって吸収されるようになる。
すなわち、炉心溶融物保持装置10において、耐熱部材11内に熱伝導部材12を配設することにより、耐熱部材11で保持された炉心溶融物の熱が熱伝導部材12を優先的に伝達し、冷却水によって吸収されるようになるので、炉心溶融物は比較的短時間で冷却されるようになる。したがって、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物を比較的長時間に亘って保持することができる。また、除熱性能が向上することで、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。結果として、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
(第2の実施形態)
図3及び図4は、本実施形態の炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。なお、図1及び図2に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の符号を用いている。
図3では、熱伝導部材12を、第1の熱伝導部材121及び第2の熱伝導部材122の小片に分割し、さらにこれらの間に板状の第3の熱伝導部材123を配設している。この場合、第1の熱伝導部材121及び第2の熱伝導部材122は、それぞれ耐熱部材11の厚さ方向、すなわち炉心溶融物保持装置10の厚さ方向に沿って配列されているので、耐熱部材11で保持している炉心溶融物の熱をより効果的かつ効率的に耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aに伝達することができる。このため、炉心溶融物が冷却水によってより効果的かつ効率的に冷却されるようになるので、炉心溶融物はより短時間で冷却されるようになる。
したがって、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物をより長時間に亘って保持することができるようになり、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。結果として、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
なお、本例では、第1の熱伝導部材121及び第2の熱伝導部材122間に板状の第3の熱伝導部材123を配設しているので、第1の熱伝導部材121を伝達してきた熱が発散することなく、第3の熱伝導部材123によって吸収することができ、この吸収した熱を第2の熱伝導部材122に対して効率よく伝達できるようになる。
また、図4では、熱伝導部材12を複数の円柱形状の熱伝導部材124に分割し、これら熱伝導部材124の長さ方向が耐熱部材11の厚さ方向、すなわち炉心溶融物保持装置10の厚さ方向と一致するようにして配設している。したがって、耐熱部材11で保持している炉心溶融物の熱をより効果的かつ効率的に耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aに伝達することができる。このため、炉心溶融物が冷却水によってより効果的かつ効率的に冷却されるようになるので、炉心溶融物はより短時間で冷却されるようになる。
結果として、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物をより長時間に亘って保持することができるようになり、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。したがって、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
なお、その他の特徴及び作用効果については第1の実施形態の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態の炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。なお、図1〜図4に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の符号を用いている。
図5では、耐熱部材11に対し、紙面に垂直な方向において、当該耐熱部材11を貫通するようにして流路17を形成し、流路17内に冷却水を流すようにしている。この場合、耐熱部材11の下面のみの冷却よりも耐熱部材11が水と接する表面積が大きくなるため、冷却する性能は向上することが期待される。
図5に示すように、熱伝導部材12を小片に分割した複数の第1の熱伝導部材121の長さが比較的小さいような場合であっても、耐熱部材11で保持している炉心溶融物の熱をより効果的かつ効率的に流路17に伝達することができる。このため、炉心溶融物が冷却水によってより効果的かつ効率的に冷却されるようになるので、炉心溶融物はより短時間で冷却されるようになる。
結果として、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物をより長時間に亘って保持することができるようになり、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。したがって、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
なお、本例では、図1に示す冷却水路16を省略することができるので、原子炉全体の大きさを狭小化できるという追加の作用効果を得ることもできる。
また、流路17の断面形状は、耐熱部材11に対する加工を簡易にするという観点から、矩形状あるいは円形状とすることが好ましい。
その他の特徴及び作用効果については第1の実施形態の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
(第4の実施形態)
図6及び図7は、本実施形態の炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。なお、図1〜図5に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の符号を用いている。
図6では、耐熱部材11に対し、紙面に垂直な方向において、当該耐熱部材11を貫通するようにして流路17を形成し、流路17内に冷却水を流すようにしている。そして、熱伝導部材12を小片に分割した複数の第1の熱伝導部材121が、耐熱部材11の上面11C、すなわち炉心溶融物保持装置10の上面10C側から流路17内を貫通し、耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aにまで至るように配設されている。
この場合、耐熱部材11(の上面11C)で保持されている炉心溶融物の熱が、複数の第1の熱伝導部材121を介し、流路17を流れる冷却水によってより効果的かつ効率的に吸収され、炉心溶融物はより短時間で冷却されるようになる。したがって、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物をより長時間に亘って保持することができるようになり、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。結果として、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
なお、本例では、図1に示す冷却水路16を省略することができるので、原子炉全体の大きさを狭小化できるという追加の作用効果を得ることもできる。
また、流路17の断面形状は、耐熱部材11に対する加工を簡易にするという観点から、矩形状あるいは円形状とすることが好ましい。
図7では、耐熱部材11に対し、紙面に垂直な方向において、当該耐熱部材11を貫通するようにして流路17を形成し、流路17内に冷却水を流すようにしている。そして、熱伝導部材12を小片に分割した複数の第1の熱伝導部材121が、耐熱部材11の上面11C、すなわち炉心溶融物保持装置10の上面10C側から流路17内を貫通し、耐熱部材11の下面11A、すなわち炉心溶融物保持装置10の下面10Aにまで至るように配設されている。
また、隣接する第1の熱伝導部材121と直交するようにして、耐熱部材11の表面及び裏面側に第2の熱伝導部材122が配設され、第1の熱伝導部材121及び第2の伝導部材122それぞれから、流路17内に突出するようにして複数の第3の熱伝導部材123及び複数の第4の熱伝導部材124が配設されている。
この場合、耐熱部材11(の上面11C)で保持されている炉心溶融物の熱が、複数の第1の熱伝導部材121及び第3の熱伝導部材123、並びに第4の熱伝導部材124が流路17を流れる冷却水によってより効果的かつ効率的に吸収され、炉心溶融物はより短時間で冷却されるようになる(第4の熱伝導部材124の場合は、第2の熱伝導部材122を介して)。したがって、耐熱部材11、すなわち炉心溶融物保持装置10によって炉心溶融物をより長時間に亘って保持することができるようになり、炉心溶融物保持装置10の信頼性が増すことになる。結果として、薄肉化した際においても、所定の時間、炉心溶融物を保持することが可能である炉心溶融物の保持装置10を提供することができる。
なお、本例では、図1に示す冷却水路16を省略することができるので、原子炉全体の大きさを狭小化できるという追加の作用効果を得ることもできる。
また、流路17の断面形状は、耐熱部材11に対する加工を簡易にするという観点から、矩形状あるいは円形状とすることが好ましい。
その他の特徴及び作用効果については第1の実施形態の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
(第5の実施形態)
図8は、本実施形態の炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。なお、図1〜図7に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の符号を用いている。
図8では、図5に示す炉心溶融物保持装置10の耐熱部材11に形成した流路17の耐熱部材11側において断熱材18を形成している。
流路17において、流路17の全体が冷却水で満たされていない場合、熱伝導部材12が小片に分割した複数の第1の熱伝導部材121を伝達してきた炉心溶融物からの熱と、冷却水とが熱交換を行う際、流路17の上面、すなわち耐熱部材11側の面と冷却水とが接することがない。また、流路17の全体が冷却水で満たされている場合でも、伝熱面、すなわち流路17の耐熱部材11側の面では冷却水が加熱されて蒸気となり、さらに蒸気が気泡となって上記伝熱面の近傍、特に流路の上面に留まる傾向にある。
したがって、上記伝熱面や流路の上面では、炉心溶融物からの熱が冷却水によって十分に吸収されず、上記伝熱面の温度が急激に上昇する場合がある。この結果、耐熱部材11の上記伝熱面や流路の上面の温度が局所的に上昇し、破損若しくは溶融してしまう恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、上述のように、流路17の耐熱部材11側、すなわち上記伝熱面、図8では流路の上面に断熱材18を形成している。したがって、上記伝熱面での急激な温度上昇を回避することができ、耐熱部材11の破損及び溶融を抑制することができる。
断熱材18は、熱伝導部材121に比較して熱伝導率の低い材料から構成する。例えば、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、鉄や、合成樹脂等から構成することができる。
その他の特徴及び作用効果については第1の実施形態の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
(第6の実施形態)
図9は、本実施形態の炉心溶融物保持装置の一部を拡大して示す透過斜視図である。なお、図1〜図8に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の符号を用いている。
図9では、図6に示す炉心溶融物保持装置10の耐熱部材11に形成した流路17内に突出した複数の第1の熱伝導部材121の耐熱部材11側において断熱層19を形成している。
流路17において、流路17の全体が冷却水で満たされていない場合、熱伝導部材12が小片に分割した第1の熱伝導部材121を伝達してきた炉心溶融物からの熱と、冷却水とが熱交換を行う際、流路17の上面、すなわち耐熱部材11側の面と冷却水とが接することがない。また、流路17の全体が冷却水で満たされている場合でも、伝熱面、すなわち流路17の耐熱部材11側の面では冷却水が加熱されて蒸気となり、さらに蒸気が気泡となって上記伝熱面の近傍、特に流路の上面に留まる傾向にある。
このような場合、第1の熱伝導部材121の流路17に突出した部分の、耐熱部材11側の部分、特に上面近傍が流路17内を流れる冷却水と接触することがないので、当該部分の温度が局所的に上昇し、熱応力等によって熱的に変形、若しくは溶融してしまい第1の熱伝導部材121、しいては炉心溶融物保持装置10が破損してしまうようになる。
しかしながら、本実施形態では、上述のように、複数の第1の熱伝導部材121の耐熱部材11側に断熱層19を形成している。したがって、当該部分での急激な温度上昇を回避することができ、複数の第1の熱伝導部材121、しいては炉心溶融物保持装置10の破損を防止することができる。
断熱層19は、第5の実施形態における断熱材18と同様の材料から構成することができる。熱伝導部材121に比較して熱伝導率の低い材料から構成する。例えば、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、鉄や、合成樹脂等から構成することができる。
その他の特徴及び作用効果については第1の実施形態の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 炉心溶融物保持装置
11 耐熱部材
12 熱伝導部材
15 格納容器の床部材
16 冷却水路
17 流路
18 断熱材
19 断熱層

Claims (6)

  1. 原子炉圧力容器の下方に設けられる炉心溶融物の保持装置であって、
    前記保持装置は、耐熱部材と、この耐熱部材中に配設された前記耐熱部材よりも熱伝導率の高い熱伝導部材とを具え、
    前記保持装置は冷却媒材を流すための流路が形成され、前記熱伝導部材の少なくとも一部は前記流路内に露出するようにして形成されていることを特徴とする、炉心溶融物の保持装置。
  2. 前記熱伝導部材は、前記耐熱部材の厚さ方向に沿って配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の炉心溶融物の保持装置。
  3. 前記耐熱部材の前記流路と接触する面の一部若しくは全面において、前記熱伝導部材よりも熱伝導率の低い断熱材を配設したことを特徴とする、請求項1または2に記載の炉心溶融物の保持装置。
  4. 前記熱伝導部材における前記流路内に露出した部分の一部若しくは全面に、前記熱伝導部材よりも熱伝導率の低い断熱層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載の炉心溶融物の保持装置。
  5. 前記熱伝導部材は、銅、アルミニウム及び銀からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載の炉心溶融物の保持装置。
  6. 前記耐熱層は、タングステン、モリブデン、タンタル及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載の炉心溶融物の保持装置。
JP2012146563A 2012-06-29 2012-06-29 炉心溶融物の保持装置 Active JP5851357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146563A JP5851357B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 炉心溶融物の保持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146563A JP5851357B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 炉心溶融物の保持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014010048A JP2014010048A (ja) 2014-01-20
JP5851357B2 true JP5851357B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=50106877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012146563A Active JP5851357B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 炉心溶融物の保持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5851357B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6510889B2 (ja) * 2015-05-25 2019-05-08 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 コアキャッチャ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA919316A (en) * 1969-08-22 1973-01-16 M. West John Molten core stopping device
FR2681718B1 (fr) * 1991-09-20 1994-02-11 Framatome Dispositif de refroidissement du cóoeur et de protection de la structure en beton d'un reacteur nucleaire dont le cóoeur est entre en fusion a la suite d'un accident.
US6353651B1 (en) * 1999-11-17 2002-03-05 General Electric Company Core catcher cooling by heat pipe
WO2011121908A1 (ja) * 2010-03-29 2011-10-06 株式会社 東芝 炉心溶融物の保持装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014010048A (ja) 2014-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8670518B2 (en) Fully passive decay heat removal system for sodium-cooled fast reactors that utilizes partially immersed decay heat exchanger
WO2007099698A1 (ja) コアキャッチャーおよびその製造方法、並びに、原子炉格納容器およびその改造方法
JP5306257B2 (ja) 炉心溶融物冷却装置および原子炉格納容器
KR20150046005A (ko) 수소 재결합기
US20130272472A1 (en) Molten-core retention structure
EP2528062A2 (en) Core catcher
JP4828963B2 (ja) 炉心溶融物冷却装置、原子炉格納容器および炉心溶融物冷却装置の設置方法
JP5851357B2 (ja) 炉心溶融物の保持装置
US9384863B2 (en) Apparatus for retention of molten material outside generation IV reactor after nuclear power plant accident
JP2012093282A (ja) 炉心溶融物の保持装置
JP2008139023A (ja) 原子炉溶融物保持装置および原子炉格納容器
JP2010271261A (ja) 炉心溶融物保持装置および格納容器
JPH09211166A (ja) 原子炉のコアキャッチャー
JP2014185989A (ja) コアキャッチャ
JP6448224B2 (ja) 原子炉圧力容器の炉底部保護構造物
JP6204823B2 (ja) コアキャッチャ
JP2012021877A (ja) 炉心溶融物保持装置および格納容器
JP2014173984A (ja) 原子炉
JP7182521B2 (ja) 原子炉システム
WO2013150750A1 (ja) 原子炉圧力容器の貫通部保護構造及び原子炉
KR101103978B1 (ko) 고온 고압 기체 가열기
JP2016045095A (ja) 燃料集合体
JP2016075630A (ja) 原子炉圧力容器およびその溶接部保護装置の取付方法
JP4996158B2 (ja) 高速炉
WO2024212674A1 (zh) 核电源堆芯结构及其加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151202

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5851357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151