本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
実施形態1に係る非接触電力伝送装置1は、非接触で電力を伝送するものである。非接触電力伝送装置1は、図1に示すように、送電ユニット10と、受電ユニット20と、電力分配部30とを備える。非接触電力伝送装置1は、例えば、図示しない車両のドアヒンジ部や、ステアリングコラム部、シート部等に設置される。非接触電力伝送装置1は、送電ユニット10が車両の電源2に接続され、受電ユニット20が電力分配部30に接続され、電力分配部30が車両の負荷3に接続される。非接触電力伝送装置1は、磁気共鳴により電源2の電力を送電ユニット10から受電ユニット20に送電し、受電ユニット20により受電した電力を電力分配部30により負荷3に分配する。以下、非接触電力伝送装置1について詳細に説明する。
送電ユニット10について説明する。送電ユニット10は、磁気共鳴により非接触で電力を受電ユニット20に送電するものである。送電ユニット10は、送電コイル部11と、インバータ(DC/AC)12と、切替機構13と、Txアンテナ14と、送電側制御部15とを備え、一つのユニットとして構成される。なお、送電ユニット10は、送電コイル部11を含めて一つのユニットとしてもよいし、送電コイル部11を除いて一つのユニットとしてもよいし、インバータ(DC/AC)12やTxアンテナ14を除いて一つのユニットとしてもよい。また、送電ユニット10は、システムの動作に制約がかからなければ、各回路の搭載場所に制約はかけない。
送電コイル部11は、非接触で電力を送電するものである。送電コイル部11は、図2に示すように、インピーダンスを変更可能なインピーダンス可変回路16を有する。インピーダンス可変回路16は、当該インピーダンス可変回路16のインダクタンス値を可変できる共鳴コイルL(L1、L2)、及び、当該インピーダンス可変回路16の静電容量を可変できる共鳴コンデンサC(C1、C2)を含んで構成される。例えば、インピーダンス可変回路16は、一対の共鳴コイルL及び共鳴コンデンサCから成る複数のLC回路19を複数含んで構成される。インピーダンス可変回路16は、各LC回路19が切替機構13により並列又は直列に接続されたり、各LC回路19が選択的に接続されたりする。これにより、インピーダンス可変回路16は、共鳴コイルLのインダクタンス値及び共鳴コンデンサCの静電容量が変更され、インピーダンス可変回路16のインピーダンスが変更される。
インバータ12は、電源2に接続され、電源2から供給される直流を交流に変換するものである。例えば、インバータ12は、インバータ12の図示しないスイッチング素子がオン(ON)・オフ(OFF)制御され、直流を交流に変換する。インバータ12は、変換した交流電力を切替機構13に出力する。
切替機構13は、インバータ12に接続され、インバータ12から出力された交流電流が流れる経路を切り替えるものである。例えば、切替機構13は、複数の共鳴LC切替スイッチPr_SW(Pr_SW1〜Pr_SW3)を備え、当該共鳴LC切替スイッチPr_SWがオン・オフ制御されることにより、送電コイル部11の各LC回路19の接続を切り替える。具体的に、切替機構13は、各LC回路19を並列又は直列に接続したり、選択的にLC回路19を接続したりする。例えば、切替機構13は、共鳴LC切替スイッチPr_SW2がオンされ、共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW3がオフされることにより、各LC回路19を直列に接続する。また、切替機構13は、共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW3がオンされ、共鳴LC切替スイッチPr_SW2がオフされることにより、各LC回路19を並列に接続する。切替機構13の共鳴LC切替スイッチPr_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
Txアンテナ14は、送電側制御部15に接続され、送電側制御部15から送信される情報を受電ユニット20に送信するものである。例えば、Txアンテナ14は、オンされることにより電流を流し、オフされることにより電流を停止する操作スイッチSW(SW1〜SW3)のオン・オフ操作を示すスイッチ情報を受電ユニット20に送信する。
送電側制御部15は、制御部であり、インバータ12に接続され、インバータ12のスイッチング素子をオン・オフ制御して直流を交流に変換させる。また、送電側制御部15は、操作スイッチSWに接続され、操作スイッチSWがユーザによりオン・オフ操作されると、操作スイッチSWからスイッチ情報を受信する。また、送電側制御部15は、切替機構13に接続され、受信したスイッチ情報等に基づいて切替機構13の共鳴LC切替スイッチPr_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路16における各LC回路19の接続を切り替える。これにより、送電側制御部15は、電力を消費する負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路16のインダクタンス値及び静電容量を変更することでインピーダンス可変回路16のインピーダンスを変更し、後述する受電側制御部25によるインピーダンス制御と協調して、送電コイル部11より電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11から負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させる。ここで、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1との整合とは、高効率で電力伝送が行えるようにインピーダンス整合を行うことである。典型的には、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とが完全に一致する場合や、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とが多少の差異を含む場合等である。入力インピーダンスZ1は、例えば、共鳴コンデンサCを考慮せずに共鳴コイルLだけを考慮した場合、インダクタンス値をLx、共振周波数をfとすると、以下の(1)式で求められる。式(1)によれば、インダクタンス値Lxや共振周波数fを変更することにより、入力インピーダンスZ1が変化する。
Z1=2πfLx・・・(1)
次に、受電ユニット20について説明する。受電ユニット20は、送電ユニット10から送電された電力を磁気共鳴により受電し、受電した電力を負荷3(第1負荷3a〜第3負荷3c)に供給するものである。受電ユニット20は、受電コイル部21と、整流器22と、切替機構23と、Rxアンテナ24と、受電側制御部25とを備え、一つのユニットとして構成される。なお、受電ユニット20は、受電コイル部21を含めて一つのユニットとしてもよいし、受電コイル部21を除いて一つのユニットとしてもよいし、整流器22やRxアンテナ24を除いて一つのユニットとしてもよい。また、受電ユニット20は、システムの動作に制約がかからなければ、各回路の搭載場所に制約はかけない。
受電コイル部21は、非接触で電力を受電するものである。受電コイル部21は、送電コイル部11と同じ構成であり、インピーダンスを変更可能なインピーダンス可変回路26を有する。インピーダンス可変回路26は、当該インピーダンス可変回路26のインダクタンス値を可変できる共鳴コイルL(L1、L2)、及び、当該インピーダンス可変回路26の静電容量を可変できる共鳴コンデンサC(C1、C2)を含んで構成される。例えば、インピーダンス可変回路26は、一対の共鳴コイルL及び共鳴コンデンサCから成るLC回路29を複数含む。インピーダンス可変回路26は、各LC回路29が切替機構23により並列又は直列に接続されたり、各LC回路29が選択的に接続されたりする。これにより、インピーダンス可変回路26は、共鳴コイルLのインダクタンス値及び共鳴コンデンサCの静電容量が変更され、インピーダンス可変回路26のインピーダンスが変更される。
切替機構23は、受電コイル部21に接続され、受電コイル部21から出力された電流が流れる経路を切り替えるものである。例えば、切替機構23は、送信ユニット10の切替機構13と同様に、複数の共鳴LC切替スイッチSe_SW(Se_SW1〜Se_SW3)を備え、当該共鳴LC切替スイッチSe_SWがオン・オフ制御されることにより、受電コイル部21の各LC回路29の接続を切り替える。具体的に、切替機構23は、各LC回路29を並列又は直列に接続したり、選択的にLC回路29を接続したりする。切替機構23の共鳴LC切替スイッチSe_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
整流器22は、切替機構23を介して受電コイル部21に接続され、交流を直流に変換するものである。例えば、整流器22は、図示しない整流素子により全波整流する。整流器22は、整流した直流電力を電力分配部30に出力する。
電力分配部30は、整流器22及び負荷3に接続され、整流器22により整流された直流電力を負荷3に分配するものである。例えば、電力分配部30は、ウィンドウモータや、サイドミラー部、ルームランプ、シートヒーター等の負荷3に直流電力を分配する。
Rxアンテナ24は、受電側制御部25に接続され、Txアンテナ14から受信した情報を受電側制御部25に出力するものである。例えば、Rxアンテナ24は、スイッチ情報をTxアンテナ14から受信して受電側制御部25に送信する。なお、非接触電力伝送装置1は、Txアンテナ14とRxアンテナ24とを用いた無線通信により、送電ユニット10と受電ユニット20との間で情報を伝送する例について説明したが、これに限定されない。例えば、非接触電力伝送装置1は、CAN等の通信系統についてはアンテナを用いた無線通信ではなく、有線の通信回線を用いた有線通信により、送電ユニット10と受電ユニット20との間で情報を伝送してもよい。
受電側制御部25は、制御部であり、Rxアンテナ24で受信したスイッチ情報に基づいて電源分配部30の分配スイッチをオン・オフ制御し、負荷3に流れる電流を分配させる。また、受電側制御部25は、スイッチ情報に基づいて切替機構23の共鳴LC切替スイッチSe_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路26における各LC回路29の接続を切り替える。これにより、受電側制御部25は、負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路26のインダクタンス値及び静電容量を変更することでインピーダンス可変回路26のインピーダンスを変更し、上述した送電側制御部15によるインピーダンス制御と協調して、送電コイル部11より電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11から負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させる。
次に、共鳴コイルLの構成例について説明する。共鳴コイルLは、図3に示すように、例えば渦巻き状の形状である。共鳴コイルLは、複数(例えば、2本)のコイル線17a、17bが共鳴コイルLの軸線方向に直行する方向に並んで並走し渦巻き状に形成される。共鳴コイルLは、例えば、コイル線17a、17bが渦巻き状に6周巻き回されている。共鳴コイルLは、複数のコイル線17a、17bを用いることで、サイズを小さくすることができる。また、共鳴コイルLは、複数のコイル線17a、17bを並列又は直列に接続することにより、一つの共鳴コイルLで複数のインダクタンス値に調整することができる。共鳴コイルLには、例えば、軸線方向に対向してフェライト等の磁性体17cが設けられる。磁性体17cは、共鳴コイルLのサイズと略同じサイズの一枚の板状の磁性部材を共鳴コイルLに対向して設けてもよいし、分割された磁性部材を共鳴コイルLに沿って並べて設けてもよい。なお、共鳴コイルLは、所望のインダクタンス値や結合係数が得られるのであれば、他形状でもよいし、磁性体17cを用いなくてもよい。
次に、送電コイル部11のインピーダンス可変回路16のLC回路19の切替制御について説明する。なお、受電コイル部21のインピーダンス可変回路26は、送電コイル部11のインピーダンス可変回路16と同じ切替制御であるため、説明を省略する。
送電側制御部15は、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が相対的に大きく、負荷3のインピーダンスが相対的に小さいと判定した場合、図4に示すように、切替機構13の共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW3をオンに設定し共鳴LC切替スイッチPr_SW2をオフに設定して各LC回路19を並列に接続する。この場合、送電側制御部15は、図6に示すように、負荷3のインピーダンスが例えば2Ω程度に到達するまで、共鳴コイルLのインダクタンス値が4μHとなるように各LC回路19を並列に接続する。このように、送電側制御部15は、負荷3のインピーダンスが小さい場合、共鳴コイルLのインダクタンス値が直列接続の場合と比較して小さくなるので、伝送効率を向上させることができる。また、インピーダンス可変回路16は、共鳴コイルLが並列に接続されるので、複数の共鳴コイルLを一つの共鳴コイルLとみなすことができ、単位電流当たりの共鳴コイルLの導体断面積を大きくすることができる。これにより、インピーダンス可変回路16は、共鳴コイルLの抵抗値を小さくすることができ、共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。これにより、インピーダンス可変回路16は、発熱を抑制することができ、放熱構造を簡素化できると共に小型化できる。また、インピーダンス可変回路16は、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。
また、送電側制御部15は、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が相対的に小さく、負荷3のインピーダンスが相対的に大きいと判定した場合、図5に示すように、切替機構13の共鳴LC切替スイッチPr_SW2をオンに設定し共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW3をオフに設定して各LC回路19を直列に接続する。この場合、送電側制御部15は、図6に示すように、負荷3のインピーダンスが例えば2Ω程度から7Ω程度まで、共鳴コイルLのインダクタンス値が12μHとなるように各LC回路19を直列に接続する。また、送電側制御部15は、負荷3のインピーダンスが例えば7Ω程度から10Ω程度まで、共鳴コイルLのインダクタンス値が20μHとなるように各LC回路19を直列に接続する。なお、図5では、二つの共鳴コイルLを直列に接続することで共鳴コイルLのインダクタンス値が12μHとなる例について図示しているが、三つの共鳴コイルLを直列に接続することで共鳴コイルLのインダクタンス値を20μHとしてもよい。また、共鳴コイルLのインダクタンス値が4μHの共鳴コイルLと共鳴コイルLのインダクタンス値が12μHの共鳴コイルLとを直列に接続することで、共鳴コイルLのインダクタンス値が20μHとしてもよい。送電側制御部15は、負荷3のインピーダンスが相対的に大きい場合に、共鳴コイルLのインダクタンス値が並列接続の場合と比較して大きくなるので、伝送効率を向上させることができる。また、インピーダンス可変回路16は、負荷3に流れる電流の電流値が小さいので、共鳴コイルLの導体断面積を小さくしても共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。また、インピーダンス可変回路16は、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。なお、インピーダンス可変回路16は、インダクタンス値が大きくなるが静電容量が小さくなるため、共振周波数が変化しない。この例では、共振周波数は、100kHzである。
次に、負荷電流テーブルTB1及び共鳴LC回路選択テーブルTB2について説明する。非接触電力伝送装置1は、図7及び図8に示すように、負荷電流テーブルTB1と、共鳴LC回路選択テーブルTB2とを有する。負荷電流テーブルTB1及び共鳴LC回路選択テーブルTB2は、送電ユニット10及び受電ユニット20にそれぞれ設けられる。
負荷電流テーブルTB1は、負荷3(第1負荷3a〜第3負荷3c)と、当該負荷3に流れる電流の電流値との対応関係を示すテーブルである。負荷電流テーブルTB1は、スイッチ情報に基づいて操作スイッチSWがオンされた負荷3が特定され、特定された負荷3の電流値が特定される。負荷電流テーブルTB1は、負荷3の電流値が時間の経過と共に変化せずに一定である。共鳴LC回路選択テーブルTB2は、全ての負荷3の電流値の合計である合計電流値と、各LC回路19を切り替える共鳴LC切替スイッチPr_SW(Pr_SW1〜Pr_SW3)との対応関係を示すテーブルである。共鳴LC回路選択テーブルTB2の合計電流値と共鳴LC切替スイッチPr_SWとの対応関係は、負荷3の合計電流値に基づいて共鳴LC切替スイッチPr_SWを切り替えれば、送電コイル部11より電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11から負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合できるように定められている。共鳴LC回路選択テーブルTB2は、負荷3の合計電流値が定まると、共鳴LC切替スイッチPr_SWが特定される。インピーダンス可変回路16は、特定された共鳴LC切替スイッチPr_SWに基づいて、各LC回路19が直列又は並列に接続されたり、各LC回路19が選択的に接続されたりしてインピーダンス可変回路16のインピーダンスが変更される。これにより、インピーダンス可変回路16は、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。なお、図8に示す共鳴LC回路選択テーブルTB2は、送電ユニット10に設けられる例を示すテーブルであり、受電ユニット20に設ける場合、図示は省略するが、共鳴LC切替スイッチPr_SWの項目に受電ユニット20に対応する共鳴LC切替スイッチSe_SW1〜Se_SW3が設定される。なお、合計電流値を用いずに、操作スイッチSWのオン・オフから共鳴LC切替スイッチPr_SWを切り替えてもよい。この場合、操作スイッチSWのオン・オフ情報と共鳴LC切替スイッチPr_SWとの対応関係を示すテーブルを用いる。
次に、実施形態1に係る非接触電力伝送装置1の動作例について説明する。送電側制御部15は、図9に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得する(ステップS1)。次に、送電側制御部15は、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20に送信する(ステップS2)。次に、送電側制御部15は、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップS3)。送電側制御部15は、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップS3;Yes)、インバータ12を停止し(ステップS4)、共鳴LC切替スイッチPr_SWを全てOFFに設定し(ステップS5)、処理を終了する。
また、送電側制御部15は、上述のステップS3で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップS3;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップS6)。例えば、送電側制御部15は、負荷電流テーブルTB1を参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.2A)と第3負荷3cの電流値(5.0A)とを合計した合計電流値(6.2A)を算出する。次に、送電側制御部15は、合計電流値からONする共鳴LC切替スイッチPr_SWを選択し(ステップS7)、選択した共鳴LC切替スイッチPr_SWをONにする(ステップS8)。例えば、送電側制御部15は、共鳴LC回路選択テーブルTB2を参照し、合計電流値(6.2A)に対応する共鳴LC切替スイッチPr_SW1をONに設定し、共鳴LC切替スイッチPr_SW2、Pr_SW3をOFFに設定する。これにより、送電側制御部15は、負荷3の合計電流値が大きく負荷3のインピーダンスが小さい場合に、インピーダンス可変回路16の6巻の共鳴コイルL1から成るLC回路19で電力伝送を行うように設定することができる。従って、送電側制御部15は、インピーダンス可変回路16のインダクタンス値及び静電容量を変更し、インピーダンス可変回路16のインピーダンスを変更することができる。これにより、送電側制御部15は、後述する受電側制御部25によるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15は、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20に電力伝送を行い(ステップS9)、処理を終了する。
次に、受電側制御部25の動作例について説明する。受電側制御部25は、図10に示すように、送電ユニット10から送信されたスイッチ情報を受信する(ステップT1)。次に、受電側制御部25は、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップT2)。受電側制御部25は、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップT2;Yes)、負荷3を全てOFFに設定し(ステップT3)、共鳴LC切替スイッチSe_SWを全てOFFに設定して(ステップT4)、処理を終了する。
また、受電側制御部25は、上述のステップT2で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップT2;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップT5)。例えば、受電側制御部25は、負荷電流テーブルTB1を参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.2A)と第3負荷3cの電流値(5.0A)とを合計した合計電流値(6.2A)を算出する。次に、受電側制御部25は、合計電流値からONする共鳴LC切替スイッチSe_SWを選択し(ステップT6)、選択した共鳴LC切替スイッチSe_SWをONにする(ステップT7)。例えば、送電側制御部15は、図示しない共鳴LC回路選択テーブルを参照し、合計電流値(6.2A)に対応する共鳴LC切替スイッチSe_SW1をONに設定し、共鳴LC切替スイッチSe_SW2、Se_SW3をOFFに設定する。これにより、受電側制御部25は、負荷3の合計電流値が大きく負荷3のインピーダンスが小さい場合に、6巻の共鳴コイルL1から成るLC回路29で電力伝送を行うように設定することができる。従って、受電側制御部25は、インピーダンス可変回路26のインダクタンス値及び静電容量を変更し、インピーダンス可変回路26のインピーダンスを変更することができる。これにより、受電側制御部25は、送電側制御部15によるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25は、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定する(ステップT8)。例えば、受電側制御部25は、スイッチ情報が第1負荷3a及び第3負荷3cをONにすることを示す場合、第1負荷3a及び第3負荷3cをONにするように電源分配部30に指示する。電源分配部30は、第1負荷3a及び第3負荷3cをONに設定し、第1負荷3a及び第3負荷3cに電流を分配する。
次に、負荷3に流れる電流の電流値の異常検知について説明する。送電側制御部15又は受電側制御部25の少なくとも一方は、負荷3に実際に供給された電流の電流値が、予め定められた電流の閾値を満たさない場合、異常を報知する。例えば、送電側制御部15は、図11及び図12に示すように、閾値として異常を判定するための判定域を予め有している。判定域は、電流の電流値が一定幅を持つ領域であり、判定域の上限である上限値K1と判定域の下限である下限値K2との範囲から成る。判定域は、受電ユニット20に接続される負荷3が特定されているため、負荷3に供給される電流の電流値を予想することができるので、予め一定幅を持つ領域が設定される。判定域は、負荷3に対して定められる電流値に、製造誤差や取り付け誤差等による電流値の振れ幅を加味して定められる。
送電側制御部15は、負荷3に実際に供給された電流の電流値が判定域内の場合には正常と判定し、負荷3に実際に供給された電流の電流値が判定域外の場合には異常と判定する。例えば、送電側制御部15は、送電コイル部11の共鳴コイルLと受電コイル部21の共鳴コイルLとの間に異物が混入したり、伝送路が短絡したりして、図12に示すように、負荷3に流れる電流の電流値Iが判定域の上限値K1を超過する場合、異常と判定する。また、送電側制御部15は、スイッチ情報から負荷3に電流が流れているにも関わらず、送電コイル部11の共鳴コイルLと受電コイル部21の共鳴コイルLとの距離が大きく離れたり、伝送路が断線したりして、負荷3に流れる電流の電流値Iが判定域の下限値K2を下回る場合、異常と判定する。送電側制御部15は、異常と判定した場合、車両内に設けられた図示しない警報ランプや警報ブザー等により異常を報知し、インバータ12を停止したり、インバータ12の出力を下げたりする。
以上のように、実施形態1に係る非接触電力伝送装置1は、送電側制御部15がインピーダンス可変回路16のインピーダンスを変更し、受電側制御部25がインピーダンス可変回路26のインピーダンスを変更し、送電コイル部11より電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11から負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させる。これにより、非接触電力伝送装置1は、送電コイル部11と受電コイル部21との位置ずれや負荷3のインピーダンスの変動等に応じて、インピーダンス整合を行うことができる。また、非接触電力伝送装置1は、後述する整合回路40を用いなくてもインピーダンス整合を行うことができるので、回路規模を小さくすることができる。従って、非接触電力伝送装置1は、小規模な回路で高効率な電力伝送を行うことができる。また、非接触電力伝送装置1は、高効率な電力伝送を行うことができるので、電磁波が漏洩することを抑制できる。
また、非接触電力伝送装置1は、送電側制御部15が、複数のLC回路19を直列接続又は並列接続に切り替えてインダクタンス値及び静電容量を変更し、受電側制御部25が、複数のLC回路29を直列接続又は並列接続に切り替えてインダクタンス値及び静電容量を変更し、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。これにより、非接触電力伝送装置1は、負荷3のインピーダンスが小さい場合にLC回路19、29を並列接続に切り替えることで、共鳴コイルLのインダクタンス値が直列接続の場合と比較して小さくなるので、伝送効率を向上させることができる。また、非接触電力伝送装置1は、負荷3のインピーダンスが大きい場合にLC回路19、29を直列接続に切り替えることで、共鳴コイルLのインダクタンス値が並列接続の場合と比較して大きくなるので、伝送効率を向上させることができる。
また、非接触電力伝送装置1は、送電側制御部15が、操作スイッチSWのオン・オフ操作に基づいて、インピーダンス可変回路16のインピーダンスを変更し、受電側制御部25が、操作スイッチSWのオン・オフ操作に基づいて、インピーダンス可変回路26のインダクタンス値及び静電容量を変更する。これにより、非接触電力伝送装置1は、簡易な制御でインピーダンス可変回路16、26のインピーダンスを変更するので、演算量を抑制することができる。
また、非接触電力伝送装置1は、送電側制御部15が、負荷3に実際に供給された電流の電流値が、予め定められた電流の閾値を満たさない場合、異常を報知する。これにより、非接触電力伝送装置1は、過電流が流れた場合等に回路が損傷を受けることを回避することができる。また、非接触電力伝送装置1は、サーミスタ等のセンサ類を追加せずに異常を検知できるため、装置の大型化を抑制できる。
〔実施形態1の変形例〕
次に、実施形態1の変形例について説明する。負荷電流テーブルTB1は、負荷3に流れる電流の電流値が一定である例について説明したが、負荷3に流れる電流の電流値が時間の経過と共に変動する場合もある。負荷電流テーブルTB1aは、図13に示すように、例えば負荷3がランプ等であり、負荷3に流れる電流の電流値が時間の経過と共に変動することを予め想定したテーブルである。例えば、負荷電流テーブルTB1aは、第3負荷3cがランプであり、当該第3負荷3cがスイッチONされた直後から当該第3負荷3cの電流値が上昇し、スイッチONされてから5msで電流値がピークに到達し、スイッチONされてから5msを過ぎると徐々に第3負荷3cの電流値が下降することを予め想定したテーブルである。なお、負荷3の電流値を予め想定する以外に、負荷3の変動する電流値をリアルタイムで測定してもよい。負荷電流テーブルTB1aは、第1負荷3aに流れる電流の電流値が一定である。この場合、負荷電流テーブルTB1aによれば、例えば、第1負荷3aがスイッチONされた状態で、第3負荷3cがスイッチONされてから30ms経過後、第1負荷3a及び第3負荷3cに流れる電流の想定合計電流値は、第1負荷3aの電流値(1.2A)と第3負荷3cの電流値(6.5A)とを加算した7.7Aとなる。
送電側制御部15は、各負荷3の想定合計電流値に基づいて共鳴LC切替スイッチPr_SWを切り替える。例えば、送電側制御部15は、図14に示すように、第1負荷3aのみ操作スイッチSWがONされ、第1負荷3aと第3負荷3cとの想定合計電流値が1.5Aまでの場合、共鳴LC切替スイッチPr_SW2をONに設定し、共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW3をOFFに設定してLC回路19の共鳴コイルL1(6巻)、L2(12巻)を接続する。また、送電側制御部15は、第1負荷3a及び第3負荷3cの操作スイッチSWがONされ、時間の経過と共に電流値が変動する第1負荷3aと第3負荷3cとの想定合計電流値が上昇して1.5Aから6.0Aまでの場合、共鳴LC切替スイッチPr_SW3をONに設定し、共鳴LC切替スイッチPr_SW1、Pr_SW2をOFFに設定してLC回路19の共鳴コイルL2(12巻)を接続する。また、送電側制御部15は、第1負荷3a及び第3負荷3cの操作スイッチSWがONされ、時間の経過と共に電流値が変動する第1負荷3aと第3負荷3cとの想定合計電流値がさらに上昇hして6.0Aを超える場合、共鳴LC切替スイッチPr_SW1をONに設定し、共鳴LC切替スイッチPr_SW2、Pr_SW3をOFFに設定してLC回路19の共鳴コイルL1(6巻)を接続する。このように、送電側制御部15は、時間の経過と共に電流値が変動する第3負荷3cに流れる電流の電流値を監視しながら想定合計電流値を算出して共鳴LC切替スイッチPr_SW1〜Pr_SW3を切り替える。
次に、フローチャートを参照し、時間経過に応じて負荷3の電流の電流値が変動する例について説明する。なお、実施形態1に係る非接触電力伝送装置1の動作例と同様の内容は、説明を適宜省略する。送電側制御部15は、図15に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得し(ステップS1a)、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20に送信する(ステップS2a)。次に、送電側制御部15は、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップS3a)。送電側制御部15は、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップS3a;Yes)、インバータ12を停止し(ステップS4a)、共鳴LC切替スイッチPr_SWを全てOFFに設定し(ステップS5a)、処理を終了する。
また、送電側制御部15は、上述のステップS3aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップS3a;No)、駆動する負荷3の想定合計電流値を受電ユニット20から受信する(ステップS6a)。例えば、送電側制御部15は、負荷電流テーブルTB1を参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.2A)と時間の経過と共に電流値が変動する第3負荷3cの電流値(6.5A)とを合計した想定合計電流値(7.7A)を受信する。次に、送電側制御部15は、共鳴LC回路選択テーブルTB2を参照し、想定合計電流値からONする共鳴LC切替スイッチPr_SW1を選択し(ステップS7a)、選択した共鳴LC切替スイッチPr_SW1をONにする(ステップS8a)。これにより、送電側制御部15は、受電側制御部25によるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15は、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20に電力伝送を行い(ステップS9a)、処理を終了する。
次に、受電側制御部25の動作例について説明する。受電側制御部25は、図16に示すように、送電ユニット10から送信されたスイッチ情報を受信する(ステップT1a)。次に、受電側制御部25は、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップT2a)。送電側制御部15は、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップT2a;Yes)、各負荷3の操作スイッチSWのON時間をリセットする(ステップT20a)。次に、受電側制御部25は、負荷3を全てOFFに設定し(ステップT3a)、共鳴LC切替スイッチSe_SWを全てOFFに設定し(ステップT4a)、処理を終了する。
また、受電側制御部25は、上述のステップT2aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップT2a;No)、操作スイッチSW1がONか否かを判定する(ステップT21a)。受電側制御部25は、操作スイッチSW1がONであると判定した場合(ステップT21a;Yes)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をカウントアップし(ステップT22a)、第1負荷3aの想定電流値を取得する(ステップT23a)。また、受電側制御部25は、操作スイッチSW1がONでないと判定した場合(ステップT21a;No)、第1負荷3aの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップT24a)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をリセットする(ステップT25a)。
次に、受電側制御部25は、操作スイッチSW2がONか否かを判定する(ステップT26a)。受電側制御部25は、操作スイッチSW2がONであると判定した場合(ステップT26a;Yes)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をカウントアップし(ステップT27a)、第2負荷3bの想定電流値を取得する(ステップT28a)。また、受電側制御部25は、操作スイッチSW2がONでないと判定した場合(ステップT26a;No)、第2負荷3bの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップT29a)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をリセットする(ステップT30a)。
次に、受電側制御部25は、操作スイッチSW3がONか否かを判定する(ステップT31a)。受電側制御部25は、操作スイッチSW3がONであると判定した場合(ステップT31a;Yes)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をカウントアップし(ステップT32a)、第3負荷3cの想定電流値を取得する(ステップT33a)。また、受電側制御部25は、操作スイッチSW3がONでないと判定した場合(ステップT31a;No)、第3負荷3cの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップT34a)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をリセットする(ステップT35a)。
次に、受電側制御部25は、各負荷3の想定電流値を合計して想定合計電流値を求め(ステップT36a)、想定合計電流値を送電ユニット10に送信する(ステップT5a)。次に、受電側制御部25は、想定合計電流値からONする共鳴LC切替スイッチSe_SWを選択し(ステップT6a)、選択した共鳴LC切替スイッチSe_SWをONにする(ステップT7a)。これにより、受電側制御部25は、送電側制御部15によるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25は、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定し(ステップT8a)、処理を終了する。
以上のように、実施形態1の変形例に係る非接触電力伝送装置1は、送電側制御部15及び受電側制御部25が、操作スイッチSWがオンされて経過した時間に基づいて、インピーダンス可変回路16、26のインダクタンス値及び静電容量を変更する。これにより、非接触電力伝送装置1は、負荷3のインピーダンスが時間の経過と共に変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。
また、非接触電力伝送装置1は、インピーダンス可変回路16を送電ユニット10に設置し、インピーダンス可変回路26を受電ユニット20に設置したが、これに限定されない。非接触電力伝送装置1は、インピーダンス可変回路26を受電ユニット20に設置せずに、インピーダンス可変回路16を送電ユニット10に設置するのみでもよい。また、非接触電力伝送装置1は、インピーダンス可変回路16を送電ユニット10に設置せずに、インピーダンス可変回路26を受電ユニット20に設置するのみでもよい。
また、非接触電力伝送装置1は、整合回路40(図1参照)を備えてもよい。例えば、非接触電力伝送装置1は、整合回路40をインバータ12と送電コイル部11との間に設置する。なお、非接触電力伝送装置1は、整合回路40をインバータ12に搭載してもよいし、電源2に搭載してもよい。整合回路40は、共鳴コイルLとは異なる可変コイルと共鳴コンデンサCとは異なる可変コンデンサとを有する。非接触電力伝送装置1は、インピーダンス可変回路16、26と整合回路40とを協調させて、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。このように、非接触電力伝送装置1は、整合回路40とインピーダンス可変回路16、26とによりインピーダンス整合を行うので、整合回路40の調整幅が小さいままでも幅広いインピーダンス変動に対応することができ、整合回路40の回路規模を小型化できる。なお、非接触電力伝送装置1は、整合回路40を備えずに、インピーダンス可変回路16、26によりインピーダンス整合をしてもよい。
また、インピーダンス可変回路16は、図17に示すように、直列に配列された複数のLC回路19(共鳴コイルL(L1〜L3))と、直列に接続するLC回路19の個数を順次切り替える共鳴LC切替スイッチPr_SW(Pr_SW1〜Pr_SW3)とを備えるインピーダンス可変回路16Cでもよい。この例では、インピーダンス可変回路16Cは、LC回路19の共鳴コンデンサCの図示を省略しているが、例えば、共鳴コンデンサCが、共鳴コイルL毎に直列に並んで配置される。この場合、インピーダンス可変回路16Cは、直列に接続するLC回路19が順次増加又は減少されることで、インピーダンス可変回路16Cのインピーダンスが変更され、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。
順次直列に接続される各LC回路19の共鳴コイルLは、後段の共鳴コイルLの導体断面積が、前段の共鳴コイルLの導体断面積よりも小さい。例えば、インピーダンス可変回路16Cは、三つのLC回路19が直列に配列され、最初に接続されるLC回路19の共鳴コイルL1が最も導体断面積が大きく、次に接続されるLC回路19の共鳴コイルL2が2番目に導体断面積が大きく、最後に接続されるLC回路19の共鳴コイルL3が最も導体断面積が小さい。これは、負荷3のインピーダンスが大きくなるに従って負荷3のインピーダンスに対応する共鳴コイルLのコイル線をより細くすることができるからである。例えば、インピーダンス可変回路16Cは、負荷3のインピーダンスが最も小さい場合に、最も導体断面積が大きい共鳴コイルL1のLC回路19のみが接続され、負荷3のインピーダンスが2番目に小さい場合に、最も導体断面積が大きい共鳴コイルL1のLC回路19と2番目に導体断面積が大きい共鳴コイルL2のLC回路19とが接続され、負荷3のインピーダンスが最も大きい場合に、全てのLC回路19が接続される。これにより、インピーダンス可変回路16Cは、共鳴コイルLの導体断面積を小さくすることができ、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができると共に軽量化することができる。また、インピーダンス可変回路16Cは、共鳴コイルLのコイル線の使用量を減少させることができ、製造コストを低減させることができる。
次に、共鳴コイルLの変形例について説明する。例えば、共鳴コイルLaは、図18に示すように、複数(例えば、2本)のコイル線17d、17eが共鳴コイルLaの軸線方向に並んで並走し渦巻き状に形成される。共鳴コイルLaには、軸線方向に対向してフェライト等の磁性体17cが設けられる。このように、共鳴コイルLaは、複数のコイル線17d、17eが共鳴コイルLaの軸線方向に並んで形成されてもよい。共鳴コイルLaは、共鳴コイルLと同様の効果を有する。
また、共鳴コイルLbは、図19に示すように、板状の部材に螺旋状に巻き回された形状である。共鳴コイルLbは、複数(例えば、2本)のコイル線17f、17gが共鳴コイルLbの軸線方向に並んで並走し螺旋状に形成される。共鳴コイルLbは、複数のコイル線17f、17gを用いることで、サイズを小さくすることができる。また、共鳴コイルLbは、複数のコイル線17f、17gを並列又は直列に接続することにより、一つの共鳴コイルLbで複数のインダクタンス値に調整することができる。共鳴コイルLbは、例えば、フェライト等の磁性体17cに螺旋状に沿って巻き回される。磁性体17cは、一枚の板状の磁性部材を用いてもよいし、分割された磁性部材を用いてもよい。なお、共鳴コイルLbは、所望のインダクタンス値や結合係数が得られるのであれば、他形状でもよいし、磁性体17cを用いなくてもよい。
また、共鳴コイルLcは、図20に示すように、板状の部材に螺旋状に巻き回された形状であり、複数(例えば、2本)のコイル線17h、17iが共鳴コイルLcの軸線方向に個々に並んで螺旋状に形成される。共鳴コイルLcは、複数のコイル線17h、17iを並列又は直列に接続することにより、一つの共鳴コイルLcで複数のインダクタンス値に調整することができる。共鳴コイルLcは、例えば、フェライト等の磁性体17cに沿って螺旋状に巻き回される。なお、共鳴コイルLcは、所望のインダクタンス値や結合係数が得られるのであれば、他形状でもよいし、磁性体17cを用いなくてもよい。
また、共鳴コイルLdは、図21に示すように、筒状又は円柱状の部材に螺旋状に巻き回された形状である。共鳴コイルLdは、複数(例えば、2本)のコイル線17j、17kが共鳴コイルLdの軸線方向に並んで並走し螺旋状に形成される。共鳴コイルLdは、複数のコイル線17j、17kを用いることで、サイズを小さくすることができる。また、共鳴コイルLdは、複数のコイル線17j、17kを並列又は直列に接続することにより、一つの共鳴コイルLdで複数のインダクタンス値に調整することができる。共鳴コイルLdは、例えば、フェライト等の磁性体17mに沿って螺旋状に巻き回される。磁性体17mは、一つの筒状又は円柱状の磁性部材を用いてもよいし、分割された磁性部材が筒状又は円柱状に形成されたものを用いてもよい。なお、共鳴コイルLdは、所望のインダクタンス値や結合係数が得られるのであれば、他形状でもよいし、磁性体17mを用いなくてもよい。
また、共鳴コイルLeは、図22に示すように、筒状又は円柱状の部材に螺旋状に巻き回された形状であり、複数(例えば、2本)のコイル線17p、17qが共鳴コイルLeの軸線方向に個々に並んで螺旋状に形成される。共鳴コイルLeは、複数のコイル線17p、17qを並列又は直列に接続することにより、一つの共鳴コイルLeで複数のインダクタンス値に調整することができる。共鳴コイルLeは、例えば、フェライト等の磁性体17nに沿って螺旋状に巻き回される。磁性体17nは、一つの筒状又は円柱状の磁性部材を用いてもよいし、分割された磁性部材が筒状又は円柱状に形成されたものを用いてもよい。なお、共鳴コイルLeは、所望のインダクタンス値や結合係数が得られるのであれば、他形状でもよいし、磁性体17nを用いなくてもよい。
また、非接触電力伝送装置1は、インダクタンス値を調整することができる可変共鳴コイルL及び静電容量を調整することができる可変共鳴コンデンサCを用いてインピーダンス可変回路16、26を構成してもよい。この場合、非接触電力伝送装置1は、可変共鳴コイルLのインダクタンス値又は可変共鳴コンデンサCの静電容量の少なくとも一方を変更することでインピーダンス可変回路16、26のインピーダンスを変更し、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。また、非接触電力伝送装置1は、LC回路19を二つより多く有し、インピーダンス可変回路16のインピーダンスを多段階で変更できるようにしてもよい。このように、非接触電力伝送装置1は、インピーダンス可変回路16のインピーダンスが変更できれば、手段は特に限定されない。
また、非接触電力伝送装置1は、送電コイル部11と受電コイル部21との位置ずれに応じてインピーダンス整合を行う場合、送電コイル部11と受電コイル部21との間隔を図示しないセンサにより検出し、検出した間隔に応じて共鳴LC切替スイッチPr_SW、Se_SWを切り替え、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させてもよい。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る非接触電力伝送装置1Aについて説明する。実施形態2に係る非接触電力伝送装置1Aは、インピーダンス可変回路16A、26Aの共鳴コイルL(L1〜L3)のみの接続を切り替えてインピーダンス整合を行う点で実施形態1に係る非接触電力伝送装置1と異なる。なお、実施形態2では、実施形態1に係る非接触電力伝送装置1と同様の構成には、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
送電コイル部11Aのインピーダンス可変回路16Aは、図23に示すように、複数の共鳴コイルL(L1〜L3)と一の共鳴コンデンサCとを含んで構成される。インピーダンス可変回路16Aは、各共鳴コイルLが切替機構13Aにより並列又は直列に接続されたり、各共鳴コイルLが選択的に接続されたりする。これにより、インピーダンス可変回路16Aは、共鳴コイルLのインダクタンス値が変更され、インピーダンス可変回路16Aのインピーダンスが変更される。なお、インピーダンス可変回路16Aの共鳴コイルLは、図17で説明したように、後段の共鳴コイルLの導体断面積が、前段の共鳴コイルLの導体断面積よりも小さくしてもよい。例えば、インピーダンス可変回路16Aは、最初に接続される共鳴コイルL1が最も導体断面積が大きく、次に接続される共鳴コイルL2が2番目に導体断面積が大きく、最後に接続される共鳴コイルL3が最も導体断面積が小さい。
送電コイル部11Aの切替機構13Aは、複数の共鳴L切替スイッチL1_SW(L1_SW1〜L1_SW3)を備え、当該共鳴L切替スイッチL1_SWがオン・オフ制御されることにより、送電コイル部11Aの各共鳴コイルLの接続を切り替える。具体的に、切替機構13Aは、各共鳴コイルLを並列又は直列に接続したり、接続される共鳴コイルLの個数を順次切り替えたりする。切替機構13Aは、例えば、共鳴L切替スイッチL1_SW1がオンされ、共鳴L切替スイッチL1_SW2、L1_SW3がオフされることにより、共鳴コイルL1を電源2に接続する。また、切替機構13Aは、共鳴L切替スイッチL1_SW2がオンされ、共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW3がオフされることにより、各共鳴コイルL1、L2を直列に接続する。また、切替機構13Aは、共鳴L切替スイッチL1_SW3がオンされ、共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW2がオフされることにより、各共鳴コイルL1、L2、L3を直列に接続する。切替機構13Aの共鳴L切替スイッチL1_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
送電側制御部15Aは、受信したスイッチ情報に基づいて切替機構13Aの共鳴L切替スイッチL1_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路16Aにおける各共鳴コイルLの接続を切り替える。これにより、送電側制御部15Aは、負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路16Aのインダクタンス値を変更することでインピーダンス可変回路16Aのインピーダンスを変更し、後述する受電側制御部25Aによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。
次に、受電コイル部21Aのインピーダンス可変回路26Aについて説明する。受電コイル部21Aのインピーダンス可変回路26Aは、送電ユニット10Aのインピーダンス可変回路16Aと同様に、複数の共鳴コイルL(L1〜L3)と一の共鳴コンデンサCとを含んで構成される。インピーダンス可変回路26Aは、各共鳴コイルLが切替機構23Aにより並列又は直列に接続されたり、各共鳴コイルLが選択的に接続されたりする。これにより、インピーダンス可変回路26Aは、共鳴コイルLのインダクタンス値が変更され、インピーダンス可変回路26Aのインピーダンスが変更される。
受電コイル部21Aの切替機構23Aは、送信ユニット10Aの切替機構13Aと同様に、複数の共鳴L切替スイッチL2_SW(L2_SW1〜L2_SW3)を備え、当該共鳴L切替スイッチL2_SWがオン・オフ制御されることにより、受電コイル部21Aの各共鳴コイルLの接続を切り替える。具体的に、切替機構23Aは、各共鳴コイルLを並列又は直列に接続したり、接続される共鳴コイルLの個数を順次切り替えたりする。切替機構23Aは、例えば、共鳴L切替スイッチL2_SW1がオンされ、共鳴L切替スイッチL2_SW2、L2_SW3がオフされることにより、共鳴コイルL1を整流器22及び電源分配部30を介して負荷3に接続する。また、切替機構23Aは、共鳴L切替スイッチL2_SW2がオンされ、共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW3がオフされることにより、各共鳴コイルL1、L2を直列に接続する。また、切替機構23Aは、共鳴L切替スイッチL2_SW3がオンされ、共鳴L切替スイッチL2_SW1、L2_SW2がオフされることにより、各共鳴コイルL1、L2、L3を直列に接続する。切替機構23Aの共鳴L切替スイッチL2_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
受電側制御部25Aは、受信したスイッチ情報に基づいて切替機構23Aの共鳴L切替スイッチL2_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路26Aにおける各共鳴コイルLの接続を切り替える。これにより、受電側制御部25Aは、負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路26Aのインダクタンス値を変更することでインピーダンス可変回路26Aのインピーダンスを変更し、上述した送電側制御部15Aによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。
次に、インピーダンス可変回路16A、26Aの共鳴コイルLの切替制御について説明する。なお、送電コイル部11Aのインピーダンス可変回路16Aと受電コイル部21Aのインピーダンス可変回路26Aとは同じ制御なので、送電コイル部11Aのインピーダンス可変回路16Aについてのみ説明する。この例では、インピーダンス可変回路16Aの共鳴コイルLが、直列又は並列に接続される例について説明する。
送電コイル部11Aの送電側制御部15Aは、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が大きく、負荷3のインピーダンスが小さいと判定した場合、図24に示すように、切替機構13Aの共鳴L切替スイッチL1_SW2をオンに設定し共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW3をオフに設定して共鳴コイルL1、L2を直列に接続する。送電側制御部15Aは、共鳴コイルLのインダクタンス値が並列接続の場合と比較して大きくなるので共振周波数が低くなり、電流の電流値が大きくなるが共鳴コイルLの表皮効果の影響を抑制でき、伝送効率を向上させることができる(図26参照)。例えば、インピーダンス可変回路16Aは、電流の共振周波数が25kHz程度であり、図27に示すように、共鳴コイルLの表皮効果による影響を抑制することができる。また、インピーダンス可変回路16Aは、表皮効果による影響を抑制することができるので、単位電流当たりの共鳴コイルLの導体断面積を小さくしても共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。また、インピーダンス可変回路16Aは、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。
一方、送電側制御部15Aは、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が小さく、負荷3のインピーダンスが大きいと判定した場合、図25に示すように、切替機構13Aの共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW3をオンに設定し共鳴L切替スイッチL1_SW2をオフに設定して共鳴コイルLを並列に接続する。受電側制御部25Aは、共鳴コイルLのインダクタンス値が直列接続の場合と比較して小さくなるので共振周波数が高くなり、共鳴コイルLの表皮効果の影響が大きくなるが、負荷3のインピーダンスが高いので電流の電流値が小さくなり、伝送効率は低下しない(図26参照)。また、インピーダンス可変回路16Aは、表皮効果による影響が大きくなるが電流の電流値が小さくなるので、単位電流当たりの共鳴コイルLの導体断面積を小さくしても共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。これにより、インピーダンス可変回路16Aは、発熱を抑制することができ、放熱構造を簡素化できると共に小型化できる。また、インピーダンス可変回路16Aは、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。
次に、実施形態2に係る非接触電力伝送装置1Aの動作例について説明する。送電側制御部15Aは、図30に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得する(ステップU1)。次に、送電側制御部15Aは、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20Aに送信する(ステップU2)。次に、送電側制御部15Aは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップU3)。送電側制御部15Aは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップU3;Yes)、インバータ12を停止し(ステップU4)、共鳴L切替スイッチL1_SWを全てOFFに設定し(ステップU5)、処理を終了する。
また、送電側制御部15Aは、上述のステップU3で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップU3;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップU6)。例えば、送電側制御部15Aは、図28に示す負荷電流テーブルTB1bを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(0.5A)と第2負荷3bの電流値(2.0A)とを合計した合計電流値(2.5A)を算出する。次に、送電側制御部15Aは、合計電流値からONする共鳴L切替スイッチL1_SW2を選択し(ステップU7)、合計電流値からインバータ12の出力周波数(共振周波数)を選択する(ステップU70)。例えば、送電側制御部15Aは、図29に示す共鳴L回路選択テーブルTB2aを参照し、合計電流値(2.5A)からインバータ12の出力周波数(25kHz)を選択する。次に、送電側制御部15Aは、選択した共鳴L切替スイッチL1_SWをONにする(ステップU8)。例えば、送電側制御部15Aは、共鳴L回路選択テーブルTB2aを参照し、合計電流値(2.5A)に対応する共鳴L切替スイッチL1_SW2をONに設定し、共鳴L切替スイッチL1_SW1、L1_SW3をOFFに設定する。これにより、送電側制御部15Aは、例えば、インピーダンス可変回路16Aの二つの共鳴コイルL1、L2により電力伝送を行うように設定することができる。従って、送電側制御部15Aは、インピーダンス可変回路16Aのインダクタンス値を変更し、インピーダンス可変回路16Aのインピーダンスを変更することができる。これにより、送電側制御部15Aは、受電側制御部25Aによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15Aは、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20Aに電力伝送を行い(ステップU9)、処理を終了する。
次に、受電側制御部25Aの動作例について説明する。受電側制御部25Aは、図31に示すように、送電ユニット10Aから送信されたスイッチ情報を受信する(ステップV1)。次に、受電側制御部25Aは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップV2)。受電側制御部25Aは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップV2;Yes)、負荷3を全てOFFに設定し(ステップV3)、共鳴L切替スイッチL2_SWを全てOFFに設定して(ステップV4)、処理を終了する。
また、受電側制御部25Aは、上述のステップV2で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップV2;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップV5)。例えば、受電側制御部25Aは、図28に示す負荷電流テーブルTB1bを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(0.5A)と第2負荷3bの電流値(2.0A)とを合計した合計電流値(2.5A)を算出する。次に、受電側制御部25Aは、合計電流値からONする共鳴L切替スイッチL2_SWを選択し(ステップV6)、選択した共鳴L切替スイッチL2_SWをONにする(ステップV7)。例えば、受電側制御部25Aは、図示しない共鳴L回路選択テーブルを参照し、合計電流値(2.5A)に対応する共鳴L切替スイッチL2_SW2をONに設定し、共鳴L切替スイッチL2_SW1、L2_SW3をOFFに設定する。これにより、受電側制御部25Aは、例えば、二つの共鳴コイルL1、L2により電力伝送を行うように設定することができる。従って、受電側制御部25Aは、インピーダンス可変回路26Aのインダクタンス値を変更し、インピーダンス可変回路26Aのインピーダンスを変更することができる。これにより、受電側制御部25Aは、送電側制御部15Aによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25Aは、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定し(ステップV8)、処理を終了する。
以上のように、実施形態2に係る非接触電力伝送装置1Aは、送電側制御部15A及び受電側制御部25Aが、複数の共鳴コイルLを直列接続又は並列接続に切り替えたり、共鳴コイルLを選択的に切り替えたりしてインダクタンス値を変更し、送電コイル部11Aより電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11Aから負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させる。これにより、非接触電力伝送装置1Aは、整合回路を用いなくても共鳴コイルLのインダクタンス値を変更することでインピーダンス整合を行うことができ、回路規模を小さくすることができる。
〔実施形態2の変形例〕
次に、実施形態2の変形例に係る非接触電力伝送装置1Aの動作例について説明する。負荷電流テーブルTB1cは、図32に示すように、負荷3に流れる電流の電流値が時間の経過と共に変動することを予め想定したテーブルである。
送電側制御部15Aは、図34に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得し(ステップU1a)、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20Aに送信する(ステップU2a)。次に、送電側制御部15Aは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップU3a)。送電側制御部15Aは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップU3a;Yes)、インバータ12を停止し(ステップU4a)、共鳴L切替スイッチL1_SWを全てOFFに設定し(ステップU5a)、処理を終了する。
また、送電側制御部15Aは、上述のステップU3aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップU3a;No)、駆動する負荷3の想定合計電流値を受電ユニット20Aから受信する(ステップU6a)。例えば、送電側制御部15Aは、図32に示す負荷電流テーブルTB1cを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(0.5A)と時間の経過と共に電流値が変動する第2負荷3bの電流値(4.0A)とを合計した想定合計電流値(4.5A)を算出する。次に、送電側制御部15Aは、共鳴L回路選択テーブルTB2aを参照し、想定合計電流値からONする共鳴L切替スイッチL1_SW2を選択し(ステップU7a)、想定合計電流値からインバータ12の出力周波数を選択する(ステップU70a)。次に、送電側制御部15Aは、選択した共鳴L切替スイッチL1_SW2をONにする(ステップU8a)。これにより、送電側制御部15Aは、受電側制御部25Aによるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15Aは、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20Aに電力伝送を行い(ステップU9a)、処理を終了する。
次に、受電ユニット20Aの受電側制御部25Aの動作例について説明する。受電ユニット20Aの受電側制御部25Aは、図35に示すように、送電ユニット10Aから送信されたスイッチ情報を受信する(ステップV1a)。次に、受電側制御部25Aは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップV2a)。受電側制御部25Aは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップV2a;Yes)、各負荷3の操作スイッチSWのON時間をリセットする(ステップV20a)。次に、受電側制御部25Aは、負荷3を全てOFFに設定し(ステップV3a)、共鳴L切替スイッチL2_SWを全てOFFに設定し(ステップV4a)、処理を終了する。
また、受電側制御部25Aは、上述のステップV2aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップV2a;No)、操作スイッチSW1がONか否かを判定する(ステップV21a)。受電側制御部25Aは、操作スイッチSW1がONであると判定した場合(ステップV21a;Yes)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をカウントアップし(ステップV22a)、第1負荷3aの想定電流値を取得する(ステップV23a)。また、受電側制御部25Aは、操作スイッチSW1がONでないと判定した場合(ステップV21a;No)、第1負荷3aの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップV24a)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をリセットする(ステップV25a)。
次に、受電側制御部25Aは、操作スイッチSW2がONか否かを判定する(ステップV26a)。受電側制御部25Aは、操作スイッチSW2がONであると判定した場合(ステップV26a;Yes)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をカウントアップし(ステップV27a)、第2負荷3bの想定電流値を取得する(ステップV28a)。また、受電側制御部25Aは、操作スイッチSW2がONでないと判定した場合(ステップV26a;No)、第2負荷3bの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップV29a)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をリセットする(ステップV30a)。
次に、受電側制御部25Aは、操作スイッチSW3がONか否かを判定する(ステップV31a)。受電側制御部25Aは、操作スイッチSW3がONであると判定した場合(ステップV31a;Yes)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をカウントアップし(ステップV32a)、第3負荷3cの想定電流値を取得する(ステップV33a)。また、受電側制御部25Aは、操作スイッチSW3がONでないと判定した場合(ステップV31a;No)、第3負荷3cの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップV34a)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をリセットする(ステップV35a)。
次に、受電側制御部25Aは、各負荷3の想定電流値を合計して想定合計電流値を求め(ステップV36a)、想定合計電流値を送電ユニット10Aに送信する(ステップV5a)。次に、受電側制御部25Aは、図33に示すように、想定合計電流値からONする共鳴L切替スイッチL2_SWを選択し(ステップV6a)、選択した共鳴L切替スイッチL2_SWをONにする(ステップV7a)。これにより、受電側制御部25Aは、送電側制御部15Aによるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25Aは、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定し(ステップV8a)、処理を終了する。
以上のように、実施形態2の変形例に係る非接触電力伝送装置1Aは、送電側制御部15A及び受電側制御部25Aが、操作スイッチSWがオンされて経過した時間に基づいて、インピーダンス可変回路16Aのインピーダンスを変更する。これにより、非接触電力伝送装置1Aは、負荷3のインピーダンスが時間の経過と共に変動しても、送電コイル部11Aより電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11Aから負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。
なお、非接触電力伝送装置1Aは、インピーダンス可変回路16Aを送電ユニット10Aに設置し、インピーダンス可変回路26Aを受電ユニット20Aに設置したが、これに限定されない。非接触電力伝送装置1Aは、インピーダンス可変回路26Aを受電ユニット20Aに設置せずに、インピーダンス可変回路16Aを送電ユニット10Aに設置するのみでもよい。また、非接触電力伝送装置1Aは、インピーダンス可変回路16Aを送電ユニット10Aに設置せずに、インピーダンス可変回路26Aを受電ユニット20Aに設置するのみでもよい。
また、非接触電力伝送装置1Aは、実施形態1と同様に整合回路40を備えてもよい。また、非接触電力伝送装置1Aは、インダクタンス値が可変とされる可変共鳴コイルLを用いてインピーダンス可変回路16A、26Aを構成してもよい。
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bについて説明する。実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bは、インピーダンス可変回路16Bの共鳴コンデンサCのみの接続を切り替えてインピーダンス整合を行う点で実施形態1に係る非接触電力伝送装置1と異なる。なお、実施形態3では、実施形態1に係る非接触電力伝送装置1と同様の構成には、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
インピーダンス可変回路16Bは、図36に示すように、複数の共鳴コンデンサC(C1、C2)と一の共鳴コイルLとを含んで構成される。インピーダンス可変回路16Bは、各共鳴コンデンサCが切替機構13Bにより各共鳴コンデンサCが選択的に接続される。これにより、インピーダンス可変回路16Bは、共鳴コンデンサCの静電容量が変更され、インピーダンス可変回路16Bのインピーダンスが変更される。
切替機構13Bは、複数の共鳴C切替スイッチC1_SW(C1_SW1、C1_SW2)を備え、当該共鳴C切替スイッチC1_SWがオン・オフ制御されることにより、送電コイル部11Bの各共鳴コンデンサCの接続を切り替える。具体的に、切替機構13Bは、静電容量の異なる各共鳴コンデンサCを切り替えたり、接続される共鳴コンデンサCの個数を順次切り替えたりする。例えば、切替機構13Bは、共鳴C切替スイッチC1_SW1がオンされ、共鳴C切替スイッチC1_SW2がオフされることにより、静電容量が大きい共鳴コンデンサC1を接続する。また、切替機構13Bは、共鳴C切替スイッチC1_SW2がオンされ、共鳴C切替スイッチC1_SW1がオフされることにより、静電容量が小さい共鳴コンデンサC2を接続する。切替機構13Bの共鳴C切替スイッチC1_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
送電側制御部15Bは、受信したスイッチ情報に基づいて切替機構13Bの共鳴C切替スイッチC1_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路16Bにおける各共鳴コンデンサCの接続を切り替える。これにより、送電側制御部15Bは、負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路16Bの静電容量を変更することでインピーダンス可変回路16Bのインピーダンスを変更し、後述する受電側制御部25Bによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。
次に、受電ユニット20Bのインピーダンス可変回路26Bの構成例について説明する。受電ユニット20Bのインピーダンス可変回路26Bは、送電ユニット10Bのインピーダンス可変回路16Bと同様に、複数の共鳴コンデンサC(C1、C2)と一の共鳴コイルLとを含んで構成される。インピーダンス可変回路26Bは、切替機構23Bにより各共鳴コンデンサCが選択的に接続される。
切替機構23Bは、送信ユニット10Bの切替機構13Bと同様に、複数の共鳴C切替スイッチC2_SW(C2_SW1、C2_SW2)を備え、当該共鳴C切替スイッチC2_SWがオン・オフ制御されることにより、受電コイル部21Bの各共鳴コンデンサCの接続を切り替える。具体的に、切替機構23Bは、静電容量の異なる各共鳴コンデンサCを切り替えたり、接続される共鳴コンデンサCの個数を順次切り替えたりする。例えば、切替機構23Bは、共鳴C切替スイッチC2_SW2がオフされ、共鳴C切替スイッチC2_SW1がオンされることにより、静電容量が大きい共鳴コンデンサC1を接続する。また、切替機構23Bは、共鳴C切替スイッチC2_SW1がオフされ、共鳴C切替スイッチC2_SW2がオンされることにより、静電容量が小さい共鳴コンデンサC2を接続する。切替機構23Bの共鳴C切替スイッチC2_SWには、半導体スイッチやメカニカルスイッチ等が用いられる。
受電側制御部25Bは、受信したスイッチ情報に基づいて切替機構23Bの共鳴C切替スイッチC2_SWをオン・オフ制御し、インピーダンス可変回路26Bにおける各共鳴コンデンサCの接続を切り替える。これにより、受電側制御部25Bは、負荷3のインピーダンスが変化しても、インピーダンス可変回路26Bの静電容量を変更することでインピーダンス可変回路26Bのインピーダンスを変更し、上述した送電側制御部15Bによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させる。
次に、インピーダンス可変回路16Bの共鳴コンデンサCの切替制御について説明する。なお、受電コイル部21Bのインピーダンス可変回路26Bの共鳴コンデンサCの切替制御は、送電コイル部11Bのインピーダンス可変回路16Bの共鳴コンデンサCの切替制御と同じであるため、説明を省略する。
送電コイル部11Bの送電側制御部15Bは、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が大きく、負荷3のインピーダンスが小さいと判定した場合、図37に示すように、切替機構13Bの共鳴C切替スイッチC1_SW1をオンに設定し共鳴C切替スイッチC1_SW2をオフに設定して静電容量の大きい共鳴コンデンサC1を接続する。また、送電側制御部15Bは、静電容量が大きい共鳴コンデンサC1に切り替えると共に、インバータ12の出力周波数を低くする。これにより、送電側制御部15Bは、負荷3のインピーダンスが小さい場合、静電容量を大きくすることで共振周波数が低くなり、伝送効率を向上させることができる(図26参照)。また、送電側制御部15Bは、電流の電流値が大きくなるが共鳴コイルLの表皮効果の影響を抑制でき、伝送効率を向上させることができる。また、インピーダンス可変回路16Bは、表皮効果による影響を抑制することができるので、単位電流当たりの共鳴コイルLの導体断面積を小さくしても共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。これにより、インピーダンス可変回路16Bは、発熱を抑制することができ、放熱構造を簡素化できると共に小型化できる。また、インピーダンス可変回路16Bは、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。
一方、送電側制御部15Bは、スイッチ情報から、負荷3に流れる電流の電流値が小さく、負荷3のインピーダンスが大きいと判定した場合、図38に示すように、切替機構13Bの共鳴C切替スイッチC1_SW2をオンに設定し共鳴C切替スイッチC1_SW1をオフに設定して静電容量の小さい共鳴コンデンサC2を接続する。また、送電側制御部15Bは、静電容量が小さい共鳴コンデンサCに切り替えると共に、インバータ12の出力周波数を高くする。これにより、送電側制御部15Bは、負荷3のインピーダンスが大きい場合、静電容量を小さくすることで共振周波数が高くなり、伝送効率を向上させることができる(図26参照)。また、送電側制御部15Bは、電流の電流値が小さくなるが共鳴コイルLの表皮効果の影響を抑制でき、伝送効率を向上させることができる。また、送電側制御部15Bは、共振周波数が高くなり、共鳴コイルLの表皮効果の影響が大きくなるが、負荷3のインピーダンスが大きいので電流の電流値が小さくなり、伝送効率は低下しない。また、インピーダンス可変回路16Bは、表皮効果による影響が大きくなるが電流の電流値が小さくなるので、単位電流当たりの共鳴コイルLの導体断面積を小さくしても共鳴コイルLによる電力伝送の損失を抑制できる。また、インピーダンス可変回路16Bは、導体断面積が小さい共鳴コイルLを用いることができるので、共鳴コイルLのサイズを小さくすることができる。
次に、実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bの動作例について説明する。送電側制御部15Bは、図41に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得する(ステップP1)。次に、送電側制御部15Bは、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20Bに送信する(ステップP2)。次に、送電側制御部15Bは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップP3)。送電側制御部15Bは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップP3;Yes)、インバータ12を停止し(ステップP4)、共鳴C切替スイッチC1_SWを全てOFFに設定する(ステップP5)。
また、送電側制御部15Bは、上述のステップP3で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップP3;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップP6)。例えば、送電側制御部15Bは、図39に示す負荷電流テーブルTB1dを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.5A)と第2負荷3bの電流値(3.0A)とを合計した合計電流値(4.5A)を算出する。次に、送電側制御部15Bは、合計電流値からONする共鳴C切替スイッチC1_SWを選択し(ステップP7)、合計電流値からインバータ12の出力周波数(共振周波数)を選択する(ステップP70)。例えば、送電側制御部15Bは、図40に示す共鳴C回路選択テーブルTB2bを参照し、合計電流値(4.5A)からインバータ12の出力周波数(25kHz)を選択する。次に、送電側制御部15Bは、選択した共鳴C切替スイッチC1_SWをONにする(ステップP8)。例えば、送電側制御部15Bは、共鳴C回路選択テーブルTB2bを参照し、合計電流値(4.5A)に対応する共鳴C切替スイッチC1_SW2をOFFに設定し、共鳴C切替スイッチC1_SW1をONに設定する。これにより、送電側制御部15Bは、電流の合計電流値が大きく負荷3のインピーダンスが小さい場合に、インピーダンス可変回路16Bの静電容量の大きい共鳴コンデンサC1により電力伝送を行うように設定することができる。従って、送電側制御部15Bは、インピーダンス可変回路16Bの静電容量を変更し、インピーダンス可変回路16Bのインピーダンスを変更することができる。これにより、送電側制御部15Bは、受電側制御部25Bによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15Bは、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20Bに電力伝送を行い(ステップP9)、処理を終了する。
次に、受電ユニット20Bの受電側制御部25Bの動作例について説明する。受電ユニット20Bの受電側制御部25Bは、図42に示すように、送電ユニット10Bから送信されたスイッチ情報を受信する(ステップQ1)。次に、受電側制御部25Bは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップQ2)。受電側制御部25Bは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップQ2;Yes)、負荷3を全てOFFに設定し(ステップQ3)、共鳴C切替スイッチC2_SWを全てOFFに設定して(ステップQ4)、処理を終了する。
また、受電側制御部25Bは、上述のステップQ2で、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップQ2;No)、駆動する負荷3の合計電流値をスイッチ情報から算出する(ステップQ5)。例えば、受電側制御部25Bは、図39に示す負荷電流テーブルTB1dを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.5A)と第2負荷3bの電流値(3.0A)とを合計した合計電流値(4.5A)を算出する。次に、受電側制御部25Bは、合計電流値からONする共鳴C切替スイッチC2_SWを選択し(ステップQ6)、選択した共鳴C切替スイッチC2_SWをONにする(ステップQ7)。例えば、受電側制御部25Bは、図示しない共鳴C回路選択テーブルを参照し、合計電流値(4.5A)に対応する共鳴C切替スイッチC2_SW1をONに設定し、共鳴C切替スイッチC1_SW2をOFFに設定する。これにより、受電側制御部25Bは、電流の合計電流値が大きく負荷3のインピーダンスが小さい場合に、インピーダンス可変回路16Bの静電容量の大きい共鳴コンデンサC1により電力伝送を行うように設定することができる。従って、受電側制御部25Bは、インピーダンス可変回路26Bの静電容量を変更し、インピーダンス可変回路26Bのインピーダンスを変更することができる。これにより、受電側制御部25Bは、送電側制御部15Bによるインピーダンス制御と協調して、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25Bは、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定し(ステップQ8)、処理を終了する。
以上のように、実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bは、送電側制御部15B及び受電側制御部25Bが、複数の共鳴コンデンサCの接続状態を切り替えて静電容量を変更し、送電コイル部11Bより電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11Bから負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させる。これにより、非接触電力伝送装置1Bは、整合回路を用いなくても共鳴コンデンサCの静電容量を変更することでインピーダンス整合を行うことができ、回路規模を小さくすることができる。
〔実施形態3の変形例〕
次に、実施形態3の変形例に係る非接触電力伝送装置1Bの動作例について説明する。負荷電流テーブルTB1eは、図43に示すように、負荷3に流れる電流の電流値が時間の経過と共に変動することを予め想定したテーブルである。なお、実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bの動作例と同様の内容は、説明を適宜省略する。
送電側制御部15Bは、図46に示すように、操作スイッチSWから負荷3のオン又はオフを示すスイッチ情報を取得し(ステップP1a)、Txアンテナ14を介してスイッチ情報を受電ユニット20Bに送信する(ステップP2a)。次に、送電側制御部15Bは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップP3a)。送電側制御部15Bは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップP3a;Yes)、インバータ12を停止し(ステップP4a)、共鳴C切替スイッチC1_SWを全てOFFに設定する(ステップP5a)。
また、送電側制御部15Bは、上述のステップP3aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップP3a;No)、駆動する負荷3の想定合計電流値を受電ユニット20Bから受信する(ステップP6a)。例えば、送電側制御部15Bは、図43に示す負荷電流テーブルTB1eを参照し、操作スイッチSWがONされている第1負荷3aの電流値(1.5A)と時間の経過と共に電流値が変動する第2負荷3bの電流値(4.0A)とを合計した想定合計電流値(5.5A)を算出する。次に、送電側制御部15Bは、図44に示す共鳴C回路選択テーブルTB2cを参照し、想定合計電流値からONする共鳴C切替スイッチC1_SW1を選択し(ステップP7a)、想定合計電流値からインバータ12の出力周波数を選択する(ステップP70a)。次に、送電側制御部15Bは、選択した共鳴C切替スイッチC1_SW1をONにする(ステップP8a)。これにより、送電側制御部15Bは、受電側制御部25Bによるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、送電側制御部15Bは、インバータ12を駆動して磁気共鳴により受電ユニット20Bに電力伝送を行い(ステップP9a)、処理を終了する。
次に、受電ユニット20Bの受電側制御部25Bの動作例について説明する。受電ユニット20Bの受電側制御部25Bは、図47に示すように、送電ユニット10Bから送信されたスイッチ情報を受信する(ステップQ1a)。次に、受電側制御部25Bは、スイッチ情報から、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されているか否かを判定する(ステップQ2a)。送電側制御部15Bは、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されている場合(ステップQ2a;Yes)、各負荷3の操作スイッチSWのON時間をリセットする(ステップQ20a)。次に、受電側制御部25Bは、負荷3を全てOFFに設定し(ステップQ3a)、共鳴C切替スイッチC2_SWを全てOFFに設定する(ステップQ4a)。
また、受電側制御部25Bは、上述のステップQ2aで、全ての負荷3がスイッチOFFに設定されていない場合(ステップQ2a;No)、操作スイッチSW1がONか否かを判定する(ステップQ21a)。受電側制御部25Bは、操作スイッチSW1がONであると判定した場合(ステップW21a;Yes)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をカウントアップし(ステップQ22a)、第1負荷3aの想定電流値を取得する(ステップQ23a)。また、受電側制御部25Bは、操作スイッチSW1がONでないと判定した場合(ステップQ21a;No)、第1負荷3aの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップQ24a)、第1負荷3aの操作スイッチSW1のON時間をリセットする(ステップQ25a)。
次に、受電側制御部25Bは、操作スイッチSW2がONか否かを判定する(ステップQ26a)。受電側制御部25Bは、操作スイッチSW2がONであると判定した場合(ステップQ26a;Yes)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をカウントアップし(ステップQ27a)、第2負荷3bの想定電流値を取得する(ステップQ28a)。また、受電側制御部25Bは、操作スイッチSW2がONでないと判定した場合(ステップQ26a;No)、第2負荷3bの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップQ29a)、第2負荷3bの操作スイッチSW2のON時間をリセットする(ステップQ30a)。
次に、受電側制御部25Bは、操作スイッチSW3がONか否かを判定する(ステップQ31a)。受電側制御部25Bは、操作スイッチSW3がONであると判定した場合(ステップQ31a;Yes)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をカウントアップし(ステップQ32a)、第3負荷3cの想定電流値を取得する(ステップQ33a)。また、受電側制御部25Bは、操作スイッチSW3がONでないと判定した場合(ステップQ31a;No)、第3負荷3cの想定電流値をゼロ(0)に設定し(ステップQ34a)、第3負荷3cの操作スイッチSW3のON時間をリセットする(ステップQ35a)。
次に、受電側制御部25Bは、各負荷3の想定電流値を合計して想定合計電流値を求め(ステップQ36a)、想定合計電流値を送電ユニット10Bに送信する(ステップQ5a)。次に、受電側制御部25Bは、想定合計電流値からONする共鳴C切替スイッチC1_SWを選択し(ステップQ6a)、選択した共鳴C切替スイッチC1_SWをONにする(ステップQ7a)。これにより、受電側制御部25Bは、送電側制御部15Bによるインピーダンス制御と協調し、時間の経過と共に負荷3の電流値が変動しても、出力インピーダンスZ0と入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。次に、受電側制御部25Bは、スイッチ情報に合わせて負荷3をONに設定し(ステップQ8a)、処理を終了する。
以上のように、実施形態3の変形例に係る非接触電力伝送装置1Bは、送電側制御部15B及び受電側制御部25Bが、操作スイッチSWがオンされて経過した時間に基づいて、インピーダンス可変回路16Bの静電容量を変更する。これにより、非接触電力伝送装置1Bは、負荷3のインピーダンスが時間の経過と共に変動しても、送電コイル部11Bより電源2側の出力インピーダンスZ0と、送電コイル部11Bから負荷3側の入力インピーダンスZ1とを整合させることができる。
なお、非接触電力伝送装置1Bは、インピーダンス可変回路16Bを送電ユニット10Bに設置し、インピーダンス可変回路26Bを受電ユニット20Bに設置したが、これに限定されない。非接触電力伝送装置1Bは、インピーダンス可変回路26Bを受電ユニット20Bに設置せずに、インピーダンス可変回路16Bを送電ユニット10Bに設置するのみでもよい。また、非接触電力伝送装置1Bは、インピーダンス可変回路16Bを送電ユニット10Bに設置せずに、インピーダンス可変回路26Bを受電ユニット20Bに設置するのみでもよい。
また、非接触電力伝送装置1Bは、実施形態1と同様に整合回路40を備えてもよい。また、非接触電力伝送装置1Bは、静電容量が可変とされる共鳴コンデンサCを用いてインピーダンス可変回路16B、26Bを構成してもよい。
また、実施形態3に係る非接触電力伝送装置1Bは、図48に示すように、共鳴C切替スイッチC1_SW、C2_SWにより三つの共鳴コンデンサCを一以上選択するようにしてもよいし、さらに複数の共鳴コンデンサCを複数選択するようにしてもよい。