以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る不正注文判定システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る不正注文判定システム1には、電子商取引システム10、不正注文判定装置12、特徴抽出装置14、スコア値決定装置16、評価データ生成装置18、学習データ管理装置20、モデル生成装置22、モデル記憶装置24、が含まれる。これらの装置やシステムはインターネット等のコンピュータネットワーク26に接続されており、互いに通信可能になっている。
電子商取引システム10は、本実施形態では例えば、ユーザからの商品およびサービスの注文や発送、決済などの要求を処理するコンピュータシステムである。
不正注文判定装置12は、本実施形態では例えば、電子商取引システム10に送信される商品やサービスの注文が、不正なものであるか否かを判定するコンピュータである。また本実施形態に係る不正注文判定装置12では、注文が不正である可能性の高さを示す推定結果データの生成も行われる。本実施形態に係る不正注文判定装置12には、プロセッサ12a、記憶部12b、通信部12c、表示部12d、及び、操作部12eが含まれている。
特徴抽出装置14は、本実施形態では例えば、電子商取引システム10に送信される商品やサービスの注文に対応付けられる特徴を抽出するコンピュータである。本実施形態に係る特徴抽出装置14には、プロセッサ14a、記憶部14b、及び、通信部14cが含まれている。
スコア値決定装置16は、本実施形態では例えば、電子商取引システム10に送信される商品やサービスの注文が不正なものである可能性に対応付けられるスコア値を決定するコンピュータである。本実施形態に係るスコア値決定装置16には、プロセッサ16a、記憶部16b、及び、通信部16cが含まれている。
評価データ生成装置18は、本実施形態では例えば、不正注文判定装置12での推定結果データの生成に用いられる評価データを生成するコンピュータである。本実施形態に係る評価データ生成装置18には、プロセッサ18a、記憶部18b、及び、通信部18cが含まれている。
学習データ管理装置20は、本実施形態では例えば、モデル生成装置22が生成する機械学習モデルの学習に用いられる学習データを管理するコンピュータである。本実施形態に係る学習データ管理装置20には、プロセッサ20a、記憶部20b、及び、通信部20cが含まれている。
モデル生成装置22は、本実施形態では例えば、学習データ管理装置20で管理される学習データを用いた機械学習モデルの学習を実行するコンピュータである。学習データを用いた学習が実行された機械学習モデル(学習済モデル)は、モデル記憶装置24に記憶される。本実施形態に係るモデル生成装置22には、プロセッサ22a、記憶部22b、及び、通信部22cが含まれている。
本実施形態に係る機械学習モデルは例えばランダムフォレストによって実装されている。なお、本実施形態に係る機械学習モデルの実装は特に問わず、ランダムフォレスト以外のアルゴリズムによって当該機械学習モデルが実装されても構わない。
モデル記憶装置24は、本実施形態では例えば、モデル生成装置22が生成する学習済モデルを記憶するコンピュータである。スコア値決定装置16は、モデル記憶装置24に記憶される学習済モデルを取得して、当該学習済モデルを用いてスコア値を決定する。本実施形態に係るモデル記憶装置24には、プロセッサ24a、記憶部24b、及び、通信部24cが含まれている。
プロセッサ12a,14a,16a,18a,20a,22a,24aは、それぞれ、例えばCPU等のプログラム制御デバイスである。またプロセッサ12a,14a,16a,18a,20a,22a,24aは、それぞれ、不正注文判定装置12、特徴抽出装置14、スコア値決定装置16、評価データ生成装置18、学習データ管理装置20、モデル生成装置22、モデル記憶装置24にインストールされているプログラムに従って動作する。
記憶部12b,14b,16b,18b,20b,22b,24bは、それぞれ、例えばROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。
通信部12c,14c,16c,18c,20c,22c,24cは、それぞれ、例えばネットワークボードや無線LANモジュールなどといった通信インタフェースである。
表示部12dは、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイである。
操作部12eは、例えばマウス、キーボード、タッチパッドなどといった、操作入力に応じた入力データをプロセッサ12aに出力するユーザインタフェースである。
ここで本実施形態における動作の一例を、図2を参照しながら説明する。
本実施形態では例えば、電子商取引システム10に送信される注文が発生すると、図3に例示する注文データが電子商取引システム10から不正注文判定装置12に送信される(図2(1)参照)。
注文データは、例えば電子商取引システム10に送信される商品やサービスの注文を示すデータである。図3に示すように、注文データには、注文ID、ユーザID、IPアドレスデータ、送付先データ、クレジットカード番号、商品ID、価格データ、数量データ、などが含まれている。
注文IDは、例えば注文データが示す注文の識別情報である。ユーザIDは、例えば当該注文データが示す注文を行った、電子商取引システム10のユーザの識別情報である。IPアドレスデータは、例えばユーザが注文を行った端末のIPアドレスを示すデータである。送付先データは、例えば注文された商品やサービスの送付先の住所等を示すデータである。クレジットカード番号データは、例えば当該注文の決済に用いられるクレジットカード番号を示すデータである。商品IDは、例えば注文された商品やサービスの識別情報である。価格データは、例えば注文された商品やサービスの価格を示すデータである。数量データは、例えば注文された商品やサービスの数量を示すデータである。
以下、図3に示す注文IDが0020050である注文データに対応付けられる注文についての、不正なものであるか否かの判定や、当該注文が不正なものである可能性の推定について説明する。また、図3に示す注文IDが0020050である注文データを、以下、ターゲット注文データと呼ぶこととする。
不正注文判定装置12は、ターゲット注文データを特徴抽出装置14に送信する(図2(2)参照)。
特徴抽出装置14は、例えば、ターゲット注文データと、特徴抽出装置14に記憶されている過去の注文データと、に基づいて、当該ターゲット注文データに対応付けられる特徴を表す特徴ベクトルを生成する。ここでターゲット注文データから抽出される予め定められた属性の値と特徴抽出装置14に記憶されている過去の注文データにおける当該属性の値との比較結果を表すデータが生成されてもよい。またこの場合、特徴抽出装置14に記憶されている過去の注文データのうちから、ターゲット注文データとユーザIDが同じである注文データが特定されてもよい。そしてターゲット注文データから抽出される予め定められた属性の値と、特定された注文データにおける当該属性の値との比較結果を表すデータが生成されてもよい。そしてターゲット注文データの値、及び、当該比較結果を表すデータに基づいて、当該ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルが生成されるようにしてもよい。
そしてターゲット注文データに含まれる注文IDに関連付けられた、当該ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルが、特徴抽出装置14からスコア値決定装置16に送信される(図2(3)参照)。また当該特徴ベクトルは、特徴抽出装置14から学習データ管理装置20にも送信される(図2(4)参照)。また特徴抽出装置14から学習データ管理装置20への特徴ベクトルの送信はスコア値決定装置16への特徴ベクトルの送信とは非同期で実行されてもよい。
そしてスコア値決定装置16が、特徴抽出装置14から受信した特徴ベクトルを学習済モデルに入力した際の出力に基づいて、当該特徴ベクトルに対応付けられるスコア値、すなわち、ターゲット注文データに対応付けられるスコア値を決定する。ここで例えば、不正なものである可能性が高い注文であるほど高いスコア値が決定されるようにしてもよい。また決定されるスコア値は実数値であってもよい。また学習済モデルがスコア値自体を出力してもよい。
図4は、ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルが入力される学習済モデルが学習済である学習データの一例を示す図である。図4に示すように、学習データには、例えば、注文IDと、特徴ベクトルと、結果データと、が含まれている。
学習データに含まれる注文IDとしては、例えば注文データの注文IDが設定される。また学習データに含まれる特徴ベクトルとしては、当該注文データに基づいて生成される特徴ベクトルが設定される。そして学習データに含まれる結果データは、当該注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定結果を示すデータである。本実施形態では例えば、不正注文であると判定された注文についての結果データの値として1が設定され、不正注文でないと判定された注文についての結果データの値として0が設定される。なお後述のように本実施形態では、結果データの値は、不正注文判定装置12により決定されるか、又は、不正注文判定装置12の操作者により設定される。
なお図4に示す学習データに含まれるすべての要素が機械学習モデルの学習に用いられる必要はない。例えば、学習データに含まれる特徴ベクトルが入力データとして用いられ、当該学習データに含まれる結果データが教師データとして用いられる教師あり学習が実行されてもよい。この場合は、注文IDは機械学習モデルの学習には用いられないこととなる。
そしてスコア値決定装置16は、ターゲット注文データに含まれる注文IDに関連付けられた、ターゲット注文データに対応付けられるスコア値を、特徴抽出装置14に送信する(図2(5)参照)。
そして特徴抽出装置14が、スコア値決定装置16から受信した、ターゲット注文データに含まれる注文IDに関連付けられたスコア値を不正注文判定装置12に送信する(図2(6)参照)。なお、スコア値決定装置16が決定するスコア値の範囲が0以上1以下であってもよい。そしてこの場合に、特徴抽出装置14は当該スコア値を1000倍して不正注文判定装置12に送信してもよい。この場合、不正注文判定装置12が受信するスコア値は0以上1000以下となる。
そして不正注文判定装置12は、受信したスコア値と、図5に例示する、評価データ生成装置18により生成される評価データと、に基づいて、図6に例示する、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データを生成する。
図5は、評価データ生成装置18により生成される評価データの一例を示す図である。図5に示す評価データには、スコアデータと、不正レベルデータと、が含まれている。ここで評価データに含まれるスコアデータは、例えば、スコア値を示すデータである。そして評価データに含まれる不正レベルデータは、例えば当該スコア値の注文データに対応付けられる注文が不正である可能性の高さを示すデータである。なお図5に示す不正レベルデータの値は、百分率により表現されている。また図5に示す評価データは、複数のスコア値のそれぞれに対応付けられる。
本実施形態では、図5に示す評価データは、不正注文判定装置12に記憶されている。そして不正注文判定装置12は、注文データについて決定されたスコア値と、不正注文判定装置12が記憶している評価データと、に基づいて、推定結果データを生成する。
図6に示す推定結果データには、例えば、注文IDと、不正レベルデータと、が含まれる。ここでは例えば、注文IDが0020050であるターゲット注文データに対応付けられるスコア値が700であることとする。ここで、図5に示す評価データにおいて値が700であるスコアデータに対応付けられる不正レベルデータの値は85%である。そのためこの場合は、注文IDとして0020050が設定される推定結果データに含まれる不正レベルデータの値として85%が設定される。このようにして本実施形態では、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正である可能性の高さが推定されることとなる。
本実施形態では例えば、図5に示す評価データにおけるスコアデータに対応付けられる不正レベルデータの値は、評価データ生成装置18によって、図7に例示する結果管理データに基づいて決定される。図7に示すように、結果管理データには、例えば、注文IDと、スコアデータと、結果データと、が含まれている。
本実施形態では例えば、不正注文判定装置12において、注文データに対応付けられる結果管理データが生成される。結果管理データに含まれる注文IDとして、当該注文データの注文IDが設定される。また当該結果管理データに含まれるスコアデータの値として、当該注文データに対応付けられるスコア値が設定される。また当該結果管理データに含まれる結果データの値として、当該注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定結果を示す値が設定される。本実施形態では例えば、ある注文IDを含む学習データに含まれる結果データの値と当該注文IDを含む結果管理データに含まれる結果データの値とは同じになる。
なお図7には、既に学習済モデルが学習済である学習データに対応付けられる結果管理データも、当該学習済モデルが未学習である学習データに対応付けられる結果管理データも示されている。具体的には例えば、注文IDが0020001以降の結果管理データは、未学習である学習データに対応付けられるものである。
評価データ生成装置18では、例えば、スコアデータの値が特定のスコア値(例えば700)であり結果データの値が1である結果管理データの数を、スコアデータの値が当該スコア値(例えば700)である結果管理データの総数で割った値が算出される。そして算出された値を百分率で表現した値が、評価データにおいて当該スコア値に対応付けられる不正レベルデータの値として設定される。
なお、不正レベルデータの値の算出方法は上述の方法には限定されない。例えば、スコアデータの値が特定のスコア値(例えば700)以上であり結果データの値が1である結果管理データの数を、スコアデータの値が当該スコア値(例えば700)以上である結果管理データの総数で割った値が算出されてもよい。また例えば、スコアデータの値が特定のスコア値(例えば700)以下であり結果データの値が1である結果管理データの数を、スコアデータの値が当該スコア値(例えば700)以下である結果管理データの総数で割った値が算出されてもよい。そしてこのようにして算出された値が、評価データにおいて当該スコア値に対応付けられる不正レベルデータの値として設定されてもよい。
上述のように、図7に示す結果管理データには、スコア値の決定に用いられる学習済モデルが学習済である学習データに対応付けられるものも、未学習である学習データに対応付けられるものもある。そして本実施形態では不正レベルデータの値の算出において、学習済モデルでは未学習である学習データに対応付けられる結果データの値が加味されることとなる。
なお、未学習である学習データに対応付けられる結果管理データのみに基づいて不正レベルデータの値が算出されてもよい。また、未学習である学習データに対応付けられる結果管理データ及び学習済である学習データに対応付けられる結果管理データの両方に基づいて不正レベルデータの値が算出されてもよい。
そして不正注文判定装置12で、ターゲット注文データが不正注文であるか否かの判定が実行される。本実施形態では例えば、以下で説明するように、リスト判定、ルール判定、及び、レベル判定という3段階の判定によって、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定が実行される。そして本実施形態では例えば、判定の結果に基づいて、ターゲット注文データに対応付けられる結果データが生成される。
本実施形態では例えば、まず、ターゲット注文データの属性の値(例えばユーザID)が、不正注文判定装置12に記憶されているホワイトリスト又はブラックリストに含まれているか否かが判定される(リスト判定)。ここでホワイトリストは、例えば、不正でない注文として判定される注文データの属性の値のリストである。またブラックリストは、例えば、不正である注文として判定される注文データの属性の値のリストである。ここでホワイトリストに含まれると判定された場合は、値として0が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる結果データが生成される。一方、ブラックリストに含まれると判定された場合は、値として1が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる結果データが生成される。
ターゲット注文データの属性の値(例えばユーザID)がホワイトリストにもブラックリストにも含まれていないと判定された場合は、ターゲット注文データが予め定められた不正注文に関するルールに合致するか否かが判定される(ルール判定)。ここで例えば、1時間以内に同一のユーザから100以上の異なるIPアドレスからの注文が発生していることが特定される場合に、値として1が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる結果データが生成されるようにしてもよい。
ここでルール判定においてもターゲット注文データに対応付けられる結果データの値が決定されないことがある。この場合は、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データに含まれる不正レベルデータの値に基づく判定が行われる(レベル判定)。
図8は、レベル判定に用いられる不正確認画面30の一例を示す図である。図8に示す不正確認画面30は、本実施形態では例えば、不正注文判定装置12の操作者の要求に応じて生成され、不正注文判定装置12の表示部12dに表示される。本実施形態では例えば、リスト判定及びルール判定の段階を経ても対応付けられる結果データの値が決定されなかった注文データについて、当該注文データに対応付けられる推定結果データに含まれる不正レベルデータの値が参照される。
そしてリスト判定及びルール判定の段階を経ても対応付けられる結果データの値が決定されなかった注文データのそれぞれに対応付けられる注文画像32が配置された不正確認画面30が生成される。ここで注文データに対応付けられる注文画像32には、当該注文データに含まれる注文IDと、上述のようにして参照された、当該注文データに対応付けられる不正レベルデータの値とが示されている。
また注文データに対応付けられる注文画像32には、当該注文データに対応付けられる不正レベルデータの値に応じた態様の要確認度画像34が配置されている。本実施形態では例えば、複数のレベルのうちから、不正レベルデータの値に対応付けられるレベルが決定される。ここで例えば、不正レベルデータの値が80%〜100%である場合は、レベルは5と決定される。同様に、不正レベルデータの値が60%〜80%、40%〜60%、20%〜40%、0%〜20%である場合は、それぞれ、レベルは4〜1と決定される。そして決定されるレベルに応じた態様の要確認度画像34が配置される。ここで例えば、決定されるレベルに応じた色の要確認度画像34が配置されてもよい。例えば、レベルの値が大きい程、要確認度画像34の色が濃くなってもよい。また例えば、レベルの値が大きい程、要確認度画像34の明るさが暗くなってもよい。
このような不正確認画面30が表示されるようにすることで、不正注文判定装置12の操作者は、各注文について、不正であるか否かをどの程度丁寧に確認すべきかを一目で判断することができる。また不正確認画面30は、不正注文判定装置12の操作者が、注文が不正であるか否かを確認する優先順位を検討する際の指標として活用できる。
なお対応付けられる不正レベルデータの値に基づいて決定されるレベルの値が所定の閾値以下である注文データに対応付けられる注文画像32は、不正確認画面30に配置されないよう制御されてもよい。そして値として0が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されるようにしてもよい。例えば、上述の閾値が2である場合、対応付けられる不正レベルデータの値が40%以下である注文データについては、当該注文データに対応付けられる注文画像32が不正確認画面30に配置されないよう制御されてもよい。そして値として0が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されてもよい。
また対応付けられる不正レベルデータの値に基づいて決定されるレベルの値が所定の閾値以上である注文データに対応付けられる注文画像32は、不正確認画面30に配置されないよう制御されてもよい。そして値として1が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されるようにしてもよい。例えば、上述の閾値が4である場合、対応付けられる不正レベルデータの値が60%以上である注文データについては、当該注文データに対応付けられる注文画像32が不正確認画面30に配置されないよう制御されてもよい。そして値として1が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されてもよい。
なお上述の閾値が所定のタイミングで、あるいは、所定の時間間隔で変更されるようにしてもよい。
そして操作者は、注文画像32に対応付けられる注文を行ったユーザの個人情報の照会などによって、当該注文が不正であるか否かについての確認を行い、その結果を示す値を操作部12eから入力する。すると本実施形態ではこのようにして入力された値が設定された、注文データに対応付けられる結果データが生成される。
そしてターゲット注文データの注文IDに関連付けられた、ターゲット注文データに対応付けられる結果データは、不正注文判定装置12から電子商取引システム10に送信される(図2(7)参照)。
電子商取引システム10は、このようにして送信される結果データに基づいて、所定の処理を実行する。ここで例えば電子商取引システム10は、ターゲット注文データに対応付けられる結果データの値が0である場合は、ターゲット注文データに対応付けられる注文については正規注文として注文処理を進めてもよい。また例えば、電子商取引システム10は、ターゲット注文データに対応付けられる結果データの値が1である場合は、ターゲット注文データに対応付けられる注文については発注を停止するようにしてもよい。
注文された商品等の発送は通常1営業日以内で行われることから、ユーザビリティの低下を防ぐため、結果データの値の設定は、注文の発生から1日以内に行われることが望ましい。
また不正注文判定装置12は、ターゲット注文データに対応付けられる結果データに基づいて、ターゲット注文データに対応付けられる結果管理データを生成する。ここでは例えば、上述のように、当該結果管理データに含まれる注文IDとしては、ターゲット注文データの注文IDが設定される。また当該結果管理データに含まれるスコアデータの値として、ターゲット注文データに対応付けられるスコア値が設定される。また当該結果管理データに含まれる結果データの値として、ターゲット注文データに対応付けられる結果データの値が設定される。
そしてこのようにして生成される、ターゲット注文データに対応付けられる結果管理データが、不正注文判定装置12から評価データ生成装置18に送信される(図2(8)参照)。そして評価データ生成装置18は、不正注文判定装置12から受信した結果管理データを記憶する。このようにして、ターゲット注文データに対応付けられる結果データが、以後の評価データの生成に用いられることとなる。
また評価データ生成装置18は、ターゲット注文データの注文IDに関連付けられた、ターゲット注文データに対応付けられる結果管理データを、学習データ管理装置20に送信する(図2(9)参照)。
また評価データ生成装置18は、記憶している結果管理データに基づいて評価データを生成する。ここで評価データ生成装置18は、所定の時間間隔で評価データを生成してもよい。また例えば評価データ生成装置18は、新たな結果管理データが記憶される度、あるいは、所定数の新たな結果管理データが記憶される度に、評価データを生成してもよい。
そして評価データ生成装置18は、生成された評価データを不正注文判定装置12に送信する(図2(10)参照)。そして、不正注文判定装置12は、記憶している評価データを、受信した評価データに更新する。評価データの更新が行われた後は、更新された評価データに基づいて推定結果データが生成されることとなる。
学習データ管理装置20は、特徴抽出装置14から受信する特徴ベクトル(図2(4)参照)と、評価データ生成装置18から受信する結果管理データ(図2(9)参照)と、に基づいて、学習データを生成して記憶する。例えば、ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルとターゲット注文データに対応付けられる結果管理データとに基づいて、ターゲット注文データに対応付けられる学習データが生成される。ここで例えば、注文IDと、当該注文IDに関連付けられている特徴ベクトルと、当該注文IDに関連付けられている結果管理データと、を含む学習データが生成されてもよい。
そして生成された学習データは、学習データ管理装置20からモデル生成装置22に送信される(図2(11)参照)。
そしてモデル生成装置22は、学習データ管理装置20から受信した学習データを用いた機械学習モデルの学習を実行する。ここで例えば、所定の期間(例えば1ヶ月)に相当する学習データをすべて受信した際に、これらの学習データを用いた機械学習モデルの学習が実行されるようにしてもよい。
例えば、図4に示されている学習データは、第1の期間に相当する学習データである。そして図9に、当該第1の期間の次の期間である第2の期間に相当する学習データを示す。図9に示す学習データには、注文IDが0020001以降である、機械学習モデルが未学習である学習データが示されている。第2の期間に相当する学習データのなかには、注文IDが0020050であるターゲット注文データに対応付けられる学習データも含まれている。
ここでモデル生成装置22は、例えば、第2の期間に相当する学習データをすべて受信した際に、図9に示す学習データを用いた機械学習モデルの学習を実行してもよい。このようにして、図9に示す未学習の学習データも学習済モデルに反映されることとなる。なお、第1の期間に相当する学習データを学習済である機械学習モデルが第2の期間に相当する学習データをさらに学習するようにしてもよい。また第1の期間に相当する学習データを学習済である機械学習モデルとは関係なく、所定の初期状態の機械学習モデルが第2の期間に相当する学習データをさらに学習するようにしてもよい。
そしてモデル生成装置22は、このようにして学習が実行された機械学習モデル(学習済モデル)を、モデル記憶装置24に送信する(図2(12)参照)。
スコア値決定装置16は、モデル記憶装置24に新たな学習済モデルが記憶された否かを監視している。そしてスコア値決定装置16がモデル記憶装置24に新たな学習済モデルが記憶されたことを検出すると、スコア値決定装置16は、当該新たな学習済モデルをモデル記憶装置24から取得する(図2(13)参照)。そしてスコア値決定装置16は、スコア値の決定に用いている学習済モデルを、モデル記憶装置24から取得した学習済モデルに更新する。学習済モデルの更新が行われた後は、更新された学習済モデルを用いてスコア値が決定されることとなる。
本実施形態に係る不正注文判定システム1では、学習済モデルの学習のために入力されていない入力データの値が加味されないスコア値と、上述の評価データに基づいて、不正レベルデータの値が決定される。ここで評価データは、学習済モデルの学習のために入力されていない入力データの値が加味されたものであり、その結果、不正レベルデータの値も学習済モデルの学習のために入力されていない入力データの値が加味されたものとなる。そして本実施形態に係る不正注文判定システム1では、学習済モデルの学習のために入力されていない入力データの値が加味された不正レベルデータを含む推定結果データに基づいて、注文が不正なものである可能性の推定が行われる。
本実施形態に係る不正注文判定システム1では最新の不正の傾向を反映させるため、機械学習モデルの更新がリアルタイムで行われることが望ましい。しかし機械学習モデルの更新が必ずしもリアルタイムなものとならないことがある。例えば教師データの手入力を行う必要がある場合や、人手による確認を行った上で学習データを機械学習モデルに学習させる場合には、機械学習モデルの更新は不可避的にリアルタイムなものとはならない。
このように機械学習モデルの学習と当該機械学習モデルを用いた推定との間にタイムラグがある場合、不正な注文であると推定すべき注文が不正なものでないと推定されることや、不正な注文でないと推定すべき注文が不正なものであると推定されることがある。例えば、学習の際には不正である可能性が低かった注文の属性が、状況が変化して不正である可能性が高い注文の属性となることがある。
また例えば、ある地域での注文を学習した機械学習モデルを他の地域での注文が不正なものである可能性の推定に用いる場合に、不正である可能性の高い注文の傾向や同じスコア値が表す意味が地域間で異なることがある。
本実施形態に係る不正注文判定システム1では上述のように、学習済モデルの学習のために入力されていない入力データの値が反映されたデータに基づく推定が行われる。そのため本実施形態に係る不正注文判定システム1では、以上で説明したような、機械学習モデルの学習の際の状況と当該機械学習モデルを用いた推定の際の状況との違いに適応できることとなる。
また例えば、電子商取引システム10に24時間休みなしに大量の注文が送信されるようなことがある。このような場合に、不正注文判定システム1の処理能力が足りず、機械学習モデルの学習をリアルタイムで行いながら並行して当該機械学習モデルを用いて注文が不正なものである可能性を推定することが困難なことがある。本実施形態に係る不正注文判定システム1では、このような場合でも電子商取引システム10に24時間休みなしに大量の注文のそれぞれについて当該注文が不正なものである可能性を推定できる。
また本実施形態に係る不正注文判定システム1では、学習済の機械学習モデルを様々な地域に展開する場合などでも、不正レベルデータの値という統一された基準により、不正注文である可能性の評価を統一的に行うことができる。
なお本発明は、注文が不正なものであるか否かの推定に限らず、機械学習モデルを用いた推定を行う場面において一般的に適用可能である。
なお評価データは、図5に示すものに限定されない。例えば、不正注文判定装置12がターゲット注文データに対応付けられるスコア値を評価データ生成装置18に送信してもよい。そして評価データ生成装置18が、スコア値の受信に応じて、記憶されている結果管理データに基づいて、当該スコア値に対応付けられる不正レベルデータの値を算出してもよい。そして評価データ生成装置18が、受信したスコア値と、値が算出された不正レベルデータと、を含む評価データを不正注文判定装置12に送信してもよい。そして不正注文判定装置12が、ターゲット注文データの注文IDと受信した評価データに含まれる不正レベルデータの値を含む推定結果データを生成してもよい。このように、ターゲット注文データに対応付けられるスコア値の決定に応じて、当該スコア値の評価データが生成されるようにしてもよい。
また例えば、評価データが、不正レベルに対応付けられるスコア値の範囲や、不正レベルが違うものとなるスコア値の閾値を示すものであってもよい。
例えば、結果データの値が1である結果管理データの数を結果管理データの総数で割った値が、0%〜20%、20%〜40%、40%〜60%、60%〜80%、80%〜100%となるスコア値の範囲が、それぞれ第1範囲〜第5範囲として特定されてもよい。そして第1範囲〜第5範囲の値を示す評価データが生成されてもよい。例えばスコア値が420であり結果データの値が1である結果管理データの数をスコア値が420である結果管理データの総数で割った値が、0.6(60%)であるとする。また例えばスコア値が680であり結果データの値が1である結果管理データの数をスコア値が680である結果管理データの総数で割った値が、0.8(80%)であるとする。この場合に、420以上680以下が第4範囲の値として示されている評価データが生成されてもよい。
そしてこの場合、例えば、ターゲット注文データについて決定されるスコア値が第1範囲である場合に、不正レベルデータの値として1が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データが生成されてもよい。同様に、決定されるスコア値が第2範囲、第3範囲、第4範囲、第5範囲である場合に、それぞれ、不正レベルデータの値として2、3、4、5が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データが生成されてもよい。
また例えば、結果データの値が1である結果管理データの数を結果管理データの総数で割った値が20%、40%、60%、80%、となるスコア値が、それぞれ第1閾値〜第4閾値として算出されてもよい。そして第1閾値〜第4閾値を示す評価データが生成されてもよい。例えば上述のように、スコア値が420であり結果データの値が1である結果管理データの数をスコア値が420である結果管理データの総数で割った値が、0.6(60%)であるとする。また例えばスコア値が680であり結果データの値が1である結果管理データの数をスコア値が680である結果管理データの総数で割った値が、0.8(80%)であるとする。この場合は、420が第3閾値として示されており、680が第4閾値として示されている評価データが生成されてもよい。
そしてこの場合、例えば、ターゲット注文データについて決定されるスコア値が第1閾値未満である場合に、不正レベルデータの値として1が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データが生成されてもよい。同様に、決定されるスコア値が第1閾値以上、第2閾値以上、第3閾値以上、第4閾値以上である場合に、それぞれ、不正レベルデータの値として2、3、4、5が設定された、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データが生成されてもよい。
そして不正レベルデータの値に応じた要確認度画像34が配置された注文画像32を含む不正確認画面30が表示されるようにしてもよい。
また結果データの値が、1又は0の二値のうちのいずれかが設定されるものである必要はない。結果データの値が、例えば0〜9などといった多値のうちのいずれかが設定されるものであってもよい。この場合、推定結果データが、当該多値のそれぞれについて、結果データの値が当該値となる可能性の分布を示すデータであってもよい。また例えば、結果データの値が実数値であってもよい。この場合、推定結果データが確率密度関数などといった可能性の分布を示すデータであってもよい。
また以上の説明では、不正注文であるか否かの判定が実行される前に、すべての注文データについて、当該注文データに対応付けられるスコア値の決定、及び、当該注文データに対応付けられる不正レベルデータを含む推定結果データが行われている。しかし、不正注文であるか否かの判定が実行される前に、すべての注文データについて、当該注文データに対応付けられるスコア値の決定が行われる必要はない。また、不正注文であるか否かの判定が実行される前に、すべての注文データについて、当該注文データに対応付けられる不正レベルデータを含む推定結果データが行われる必要もない。
例えば、スコア値決定装置16が、リスト判定においてもルール判定においても対応付けられる結果データの値が決定されない注文データのみについて、当該注文データに対応付けられるスコア値を決定してもよい。また評価データ生成装置18が、リスト判定においてもルール判定においても対応付けられる結果データの値が決定されない注文データのみについて、当該注文データに対応付けられる推定結果データを生成してもよい。
また例えば、注文データに対応付けられるスコア値が所定値以下(例えば50以下)である場合は、当該注文データに対応付けられる推定結果データが生成されないようにしてもよい。そしてこの場合に、値として0が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されてもよい。また例えば、注文データに対応付けられるスコア値が所定値以上(例えば950以上)である場合は、当該注文データに対応付けられる推定結果データが生成されないようにしてもよい。そしてこの場合に、値として1が設定された、当該注文データに対応付けられる結果データが生成されてもよい。
またリスト判定、ルール判定、及び、レベル判定という3段階の判定によって、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定が実行される必要はない。例えば、リスト判定とルール判定、リスト判定とレベル判定、又は、ルール判定とレベル判定という2段階の判定によって、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定が実行されてもよい。また例えば、リスト判定、ルール判定、ルール判定のいずれか1つのみによって、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定が実行されてもよい。またターゲット注文データに対応付けられる注文が不正注文であるか否かの判定において、リスト判定、ルール判定、及び、レベル判定以外の方法による判定が含まれるようにしてもよい。
以下、本実施形態に係る不正注文判定装置12、スコア値決定装置16、評価データ生成装置18の機能並びに本実施形態に係る不正注文判定システム1で実行される処理についてさらに説明する。
図10Aは、本実施形態に係る不正注文判定装置12で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る不正注文判定装置12で、図10Aに示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図10Aに示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
図10Aに示すように、本実施形態に係る不正注文判定装置12は、機能的には例えば、ターゲットデータ受信部40、ターゲットデータ送信部42、スコア値受信部44、評価データ受信部46、評価データ記憶部48、推定部50、判定部52、確認画面生成部54、表示制御部56、設定操作受付部58、結果データ生成部60、結果データ送信部62、結果管理データ生成部64、結果管理データ送信部66、を含んでいる。
ターゲットデータ受信部40、ターゲットデータ送信部42、スコア値受信部44、評価データ受信部46、結果データ送信部62、結果管理データ送信部66は、通信部12cを主として実装される。評価データ記憶部48は、記憶部12bを主として実装される。推定部50、確認画面生成部54、結果データ生成部60、結果管理データ生成部64は、プロセッサ12aを主として実装される。判定部52は、プロセッサ12a及び記憶部12bを主として実装される。表示制御部56は、プロセッサ12a及び表示部12dを主として実装される。設定操作受付部58は、操作部12eを主として実装される。
以上の機能は、コンピュータである不正注文判定装置12にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ12aで実行することにより実装されてもよい。また、このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して不正注文判定装置12に供給されてもよい。
ターゲットデータ受信部40は、本実施形態では例えば、電子商取引システム10からターゲットデータを受信する。ここでターゲットデータとは、例えば、図3に例示するターゲット注文データのような、不正注文判定装置12において推定が行われるデータを指す。
ターゲットデータ送信部42は、本実施形態では例えば、ターゲットデータ受信部40が受信するターゲットデータを特徴抽出装置14に送信する。本実施形態では例えば、特徴抽出装置14において、ターゲットデータに基づいて、推定の対象である入力データが生成される。例えば上述の例におけるターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルが、推定の対象である入力データに相当する。
スコア値受信部44は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データを、当該入力データに係る推定の結果を示す推定結果データの生成に用いられる学習済モデルに入力した際の出力に基づいて決定されるスコア値を受信する。例えば上述の例における、ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルを学習済モデルに入力した際の出力に基づいて決定されるスコア値が、スコア値受信部44が受信するスコア値に相当する。ここでスコア値受信部44は、上述のように、スコア値決定装置16から送信されるスコア値を、特徴抽出装置14を経由して受信してもよい。
評価データ受信部46は、本実施形態では例えば、1又は複数の入力データのそれぞれについての既知の結果データに基づいて生成される、スコア値の評価データを、評価データ生成装置18から受信する。ここで既知の結果データは、例えば、上述の例における、不正注文判定装置12による値の決定、又は、不正注文判定装置12の操作者による値の設定が行われた結果データに相当する。
評価データ記憶部48は、本実施形態では例えば、評価データ受信部46が受信する評価データを記憶する。ここで評価データ記憶部48に既に評価データが記憶されている際には、評価データ記憶部48は、記憶されている評価データを評価データ受信部46が受信する評価データに更新してもよい。
推定部50は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データを学習済モデルに入力した際の出力に基づいて決定されるスコア値と、評価データと、に基づいて、当該推定の対象である入力データに係る推定の結果を示す推定結果データを生成する。例えば上述の例における、ターゲット注文データに対応付けられるスコア値と、評価データと、に基づいて生成される、図6に例示するターゲット注文データに対応付けられる推定結果データが、推定部50が生成する推定結果データに相当する。また上述のように評価データが更新された後は、推定部50は、更新後の評価データに基づいて推定結果データを生成する。
判定部52は、本実施形態では例えば、ターゲットデータに関する判定を実行する。例えば上述の例では、ホワイトリスト、ブラックリスト、所定のルールなどに基づく、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正なものであるか否かの判定が、判定部52が実行する判定に相当する。また判定部52が、ホワイトリスト、ブラックリスト、所定のルールを示すデータを記憶していてもよい。
確認画面生成部54は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データに係る推定結果データの値に応じた態様で、当該推定の対象を表す情報が配置された確認画面を生成する。例えば上述の例における不正確認画面30が、確認画面生成部54が生成する確認画面に相当する。
なお確認画面生成部54が、判定部52により判定結果が決定されなかったターゲットデータの識別情報のリストを保持してもよい。そしてターゲットデータの判定結果が決定されなかった際に、判定部52が、当該ターゲットデータの識別情報を当該リストに追加してもよい。例えば上述の例では、当該リストは注文IDのリストに相当する。そして例えば、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正なものであるか否かが判定されなかった場合は、当該ターゲット注文データの注文IDが当該リストに追加されてもよい。
そして確認画面生成部54が、保持するリストに含まれる識別情報に基づいて、確認画面を生成してもよい。例えば確認画面生成部54が、保持するリストに注文IDが含まれる注文データに対応する注文画像32が配置された不正確認画面30を生成してもよい。ここで上述のように、確認画面生成部54が、推定の対象である入力データに係る推定結果データの値に基づいて、複数のレベルのうちから当該推定の対象が属するレベルを決定してもよい。そして確認画面生成部54が、推定の対象が属するレベルに応じた態様で当該推定の対象を表す情報が配置された画面を生成してもよい。また確認画面生成部54は、所定の閾値以下であるレベルに属する推定の対象を表す情報については画面に配置されないよう制御してもよい。この場合は、確認画面生成部54は、所定の閾値以下であるレベルに属する推定の対象を表す情報が配置されていない画面を生成することとなる。
表示制御部56は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データに係る推定結果データの値に応じた態様で当該推定の対象を表す情報を表示させる。ここで例えば、表示制御部56が、確認画面生成部54が生成する不正確認画面30等の確認画面を表示させてもよい。
設定操作受付部58は、本実施形態では例えば、ターゲットデータに対応付けられる結果データの値を設定する操作を不正注文判定装置12の操作者から受け付ける。ここで設定操作受付部58は、当該操作の受付に応じて、当該ターゲットデータの識別情報を、確認画面生成部54が保持するリストから削除してもよい。上述の例では例えば、ターゲット注文データに対応付けられる結果データの値を設定する操作に応じて、設定操作受付部58が当該ターゲット注文データの注文IDを確認画面生成部54が保持するリストから削除してもよい。
結果データ生成部60は、本実施形態では例えば、判定部52により決定された判定結果が示す値、又は、設定操作受付部58が受け付けた操作に応じた値、が設定された結果データを生成する。なお、設定操作受付部58が受け付けた操作に基づいて、判定部52が、ターゲット注文データに対応付けられる注文が不正なものであるか否かを判定してもよい。そして結果データ生成部60が、判定部52による当該判定の結果に応じた値が設定された結果データを生成してもよい。
結果データ送信部62は、本実施形態では例えば、結果データ生成部60が生成する結果データを電子商取引システム10に送信する。
結果管理データ生成部64は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データを学習済モデルに入力した際の出力に基づいて決定されるスコア値と、当該推定の対象についての既知の結果データと、を含む結果管理データを生成する。例えば上述の例における、ターゲット注文データに対応付けられる結果データに基づいて生成される、ターゲット注文データに対応付けられる結果管理データが、結果管理データ生成部64が生成する結果管理データに相当する。
結果管理データ送信部66は、本実施形態では例えば、結果管理データ生成部64が生成する結果管理データを評価データ生成装置18に送信する。
図10Bは、本実施形態に係るスコア値決定装置16で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るスコア値決定装置16で、図10Bに示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図10Bに示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
図10Bに示すように、本実施形態に係るスコア値決定装置16は、機能的には例えば、学習済モデル記憶部70、入力データ受信部72、スコア値決定部74、スコア値送信部76、学習済モデル監視部78、学習済モデル取得部80、学習済モデル更新部82、を含んでいる。
学習済モデル記憶部70は、記憶部16bを主として実装される。入力データ受信部72、スコア値送信部76、学習済モデル取得部80は、通信部16cを主として実装される。学習済モデル監視部78は、プロセッサ16a及び通信部16cを主として実装される。スコア値決定部74、学習済モデル更新部82は、プロセッサ16aを主として実装される。
以上の機能は、コンピュータであるスコア値決定装置16にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ16aで実行することにより実装されてもよい。また、このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してスコア値決定装置16に供給されてもよい。
学習済モデル記憶部70は、本実施形態では例えば、推定の対象である入力データに係る推定の結果を示す推定結果データの生成に用いられる学習済モデルを記憶する。学習済モデル記憶部70は、スコア値の決定に用いられる学習済モデルを記憶してもよい。
入力データ受信部72は、本実施形態では例えば、入力データを特徴抽出装置14から受信する。例えば上述の例では、注文データに対応付けられる特徴ベクトルが、入力データ受信部72が受信する入力データに相当する。
スコア値決定部74は、本実施形態では例えば、入力データ受信部72が受信する入力データを、学習済モデル記憶部70に記憶されている学習済モデルに入力した際の出力に基づいて、当該入力データのスコア値を決定する。
スコア値送信部76は、本実施形態では例えば、スコア値決定部74が決定する入力データのスコア値を特徴抽出装置14に送信する。このスコア値は、例えば、特徴抽出装置14を経由して、不正注文判定装置12に送信されることとなる。
学習済モデル監視部78は、本実施形態では例えば、モデル記憶装置24に新たな学習済モデルが記憶されたか否かを監視する。
学習済モデル取得部80は、本実施形態では例えば、モデル記憶装置24に新たな学習済モデルが記憶されたことを検出した際に、当該新たな学習済モデルをモデル記憶装置24から取得する。
学習済モデル更新部82は、本実施形態では例えば、学習済モデル記憶部70に記憶されている学習済モデルを学習済モデル取得部80が取得した学習済モデルに更新する。上述のように、学習済モデル更新部82が学習済モデルを更新した後は、スコア値決定部74は、更新後の学習済モデルに入力データを入力した際の出力に基づいて、当該入力データのスコア値を決定する。
図10Cは、本実施形態に係る評価データ生成装置18で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る評価データ生成装置18で、図10Cに示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図10Cに示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
図10Cに示すように、本実施形態に係る評価データ生成装置18は、機能的には例えば、結果管理データ受信部90、結果管理データ記憶部92、結果管理データ送信部94、評価データ生成部96、評価データ送信部98、を含んでいる。
結果管理データ受信部90、結果管理データ送信部94、評価データ送信部98は、通信部18cを主として実装される。結果管理データ記憶部92は、記憶部18bを主として実装される。評価データ生成部96は、プロセッサ18aを主として実装される。
以上の機能は、コンピュータである評価データ生成装置18にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ18aで実行することにより実装されてもよい。また、このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して評価データ生成装置18に供給されてもよい。
結果管理データ受信部90は、本実施形態では例えば、結果管理データを不正注文判定装置12から受信する。
結果管理データ記憶部92は、本実施形態では例えば、結果管理データ受信部90が受信する結果管理データを記憶する。
結果管理データ送信部94は、本実施形態では例えば、結果管理データ受信部90が受信する結果管理データを、学習データ管理装置20に送信する。
評価データ生成部96は、本実施形態では例えば、学習済モデル記憶部70に記憶されている学習済モデルの学習のために入力されていない1又は複数の入力データのそれぞれについての既知の結果データに基づいて、スコア値の評価データを生成する。このことは、学習済モデルの学習のために入力されていない1又は複数の入力データ及び既に入力された1又は複数の入力データのそれぞれについての既知の結果データに基づいて評価データが生成されても、学習済モデルの学習のために入力されていない1又は複数の入力データのみのそれぞれについての既知の結果データに基づいて、評価データが生成されてもよいことを意味する。ここで評価データ生成部96が、結果管理データ記憶部92が記憶する結果管理データに基づいて、評価データを生成してもよい。
また図5に示すように、評価データ生成部96が、スコア値毎に、当該スコア値の評価データを生成してもよい。この場合、推定部50が、推定の対象である入力データを学習済モデルに入力した際の出力に基づいて決定されるスコア値と、当該スコア値の評価データと、に基づいて、当該推定の対象である入力データに係る推定結果データを生成してもよい。
また上述のように、評価データ生成部96が、推定の対象である入力データを学習済モデルに入力した際の出力に基づくスコア値の決定に応じて、当該スコア値の評価データを生成してもよい。この場合、推定部50が、スコア値の決定に応じて生成される当該スコア値の評価データに基づいて、推定の対象である入力データに係る推定結果データを生成してもよい。
また評価データ生成部96は、スコア値の評価データとして、当該スコア値が決定される1又は複数の入力データのそれぞれに対応付けられる結果データの代表値を示すデータを生成してもよい。例えば上述のように、スコアデータの値が特定のスコア値であり結果データの値が1である結果管理データの数を、スコアデータの値が当該スコア値である結果管理データの総数で割った値が算出されてもよい。そしてこのようにして算出された値が、当該スコア値が決定される1又は複数の入力データのそれぞれに対応付けられる結果データの代表値として示された、当該スコア値の評価データが生成されてもよい。
また評価データ生成部96が、上述の第1範囲〜第5範囲を示す評価データを生成してもよい。また評価データ生成部96が、上述の第1閾値〜第4閾値を示す評価データを生成してもよい。
評価データ送信部98は、本実施形態では例えば、評価データ生成部96が生成する評価データを不正注文判定装置12に送信する。
以下、本実施形態に係る不正注文判定システム1における、不正注文判定装置12によるターゲット注文データの受信に応じて実行される処理の流れの一例を、図11A、図11B、及び、図11Cに示すフロー図を参照しながら説明する。
まず不正注文判定装置12のターゲットデータ受信部40が、電子商取引システム10からターゲット注文データを受信する(S101)。
そして不正注文判定装置12のターゲットデータ送信部42が、S101に示す処理で受信したターゲット注文データを特徴抽出装置14に送信する。そして特徴抽出装置14が当該ターゲット注文データを受信する(S102)。
そして特徴抽出装置14が、S102に示す処理で受信したターゲット注文データに基づいて、当該ターゲット注文データに対応付けられる特徴ベクトルを生成する(S103)。
そして特徴抽出装置14が、S103に示す処理で生成された特徴ベクトルを、S102に示す処理で受信したターゲット注文データの注文IDに関連付けて、スコア値決定装置16に送信する。そしてスコア値決定装置16の入力データ受信部72が、当該特徴ベクトルを受信する(S104)。
また特徴抽出装置14は、S103に示す処理で生成された特徴ベクトルを、S102に示す処理で受信したターゲット注文データの注文IDに関連付けて、学習データ管理装置20にも送信する。そして学習データ管理装置20は、当該特徴ベクトルを受信する(S105)。
そしてスコア値決定装置16のスコア値決定部74が、学習済モデル記憶部70に記憶されている学習済モデルにS104に示す処理で受信した特徴ベクトルを入力した際の出力に基づいて、スコア値を決定する(S106)。
そしてスコア値決定装置16のスコア値送信部76が、S105に示す処理で決定されたスコア値を、S104に示す処理で受信した特徴ベクトルに関連付けられている注文IDに関連付けて特徴抽出装置14に送信する。そして特徴抽出装置14が、当該スコア値を受信する(S107)。
そして特徴抽出装置14は、S107に示す処理で受信した、注文IDに関連付けられているスコア値を、不正注文判定装置12に送信する。そして不正注文判定装置12が、当該スコア値を受信する(S108)。
そして不正注文判定装置12の推定部50が、S108に示す処理で受信したスコア値と、評価データ記憶部48に記憶されている評価データと、に基づいて、ターゲット注文データに対応付けられる推定結果データを生成する(S109)。
そして不正注文判定装置12の判定部52が、S101に示す処理で受信したターゲット注文データの所定の属性の値が、不正注文判定装置12の判定部52に記憶されているホワイトリストに含まれているか否かを判定する(S110)。
含まれていると判定された場合は(S110:Y)、結果データ生成部60は、値として0が設定された結果データを生成する(S111)。
一方含まれていないと判定された場合は(S110:N)、判定部52は、S101に示す処理で受信したターゲット注文データの所定の属性が、不正注文判定装置12の判定部52に記憶されているブラックリストに含まれているか否かを判定する(S112)。
含まれていると判定された場合は(S112:Y)、結果データ生成部60は、値として1が設定された結果データを生成する(S113)。
一方含まれていないと判定された場合は(S112:N)、判定部52は、S101に示す処理で受信したターゲット注文データが、所定の不正注文に関するルールに合致するか否かを判定する(S114)。
合致すると判定された場合は(S114:Y)、結果データ生成部60は、値として1が設定された結果データを生成する(S115)。
合致しないと判定された場合は(S115:N)、判定部52は、S101に示す処理で受信したターゲット注文データの注文IDを、確認画面生成部54が保持するリストに追加する(S116)。
その後、設定操作受付部58によるターゲットデータに対応付けられる結果データの値を設定する操作の受付に応じて、結果データ生成部60は、設定操作受付部58が受け付けた操作に応じた値が設定された結果データを生成する(S117)。また設定操作受付部58は、確認画面生成部54が保持するリストからS116に示す処理で追加された注文IDを削除する(S118)。
そしてS111、S113、S115、又はS118に示す処理が終了したら、結果データ送信部62が、S101に示す処理で受信したターゲット注文データの注文IDに関連付けて、生成された結果データを、電子商取引システム10に送信する(S119)。
そして結果管理データ生成部64が、S107に示す処理で受信したスコア値と、S111、S113、S115、又はS118に示す処理で生成された結果データと、に基づいて、結果管理データを生成する(S120)。
そして結果管理データ送信部66が、S120に示す処理で生成された結果管理データを評価データ生成装置18に送信する。そして評価データ生成装置18の結果管理データ受信部90が、当該結果管理データを受信する(S121)。そして結果管理データ受信部90は、受信した結果管理データを結果管理データ記憶部92に記憶させる(S122)。
そして評価データ生成装置18の結果管理データ送信部94が、S122に示す処理で受信した結果管理データを学習データ管理装置に送信する。そして学習データ管理装置20が当該結果管理データを受信する(S123)。
そして学習データ管理装置20が、S105に示す処理で受信した特徴ベクトルと、S123に示す処理で受信した結果管理データと、に基づいて、学習データを生成して、記憶する(S124)。そして本処理例に示す処理は終了される。
以下、本実施形態に係る不正注文判定装置12における、不正確認画面30の生成及び表示に関する処理の流れの一例を、図12に示すフロー図を参照しながら説明する。
まず不正注文判定装置12の操作者の要求に応じて、確認画面生成部54は、保持しているリストに含まれる1又は複数の注文IDを特定する(S201)。
そして確認画面生成部54は、S201に示す処理で特定された1又は複数の注文IDのうちから、以下のS203及びS204に示す処理が実行されていない1つを選択する(S202)。
そして確認画面生成部54は、S202に示す処理で選択された注文IDに対応付けられる推定結果データを取得する(S203)。
そして確認画面生成部54は、S203に示す処理で取得された推定結果データに含まれる不正レベルデータの値に基づいて、当該推定結果データに対応付けられる注文データが属するレベルを決定する(S204)。
そして確認画面生成部54は、S201に示す処理で特定された1又は複数の注文IDのうち、S202に示す処理で未選択であるものがあるか否かを確認する(S205)。
未選択であるものがある場合は(S205:Y)、S202に示す処理に戻る。
未選択であるものがない場合は(S205:N)、確認画面生成部54は、S201に示す処理で特定された1又は複数の注文IDのそれぞれに対応付けられる注文画像32が配置された不正確認画面30を生成する(S206)。ここで注文IDに対応付けられる注文画像32には、当該注文ID及びS203に示す処理で取得された推定結果データに含まれる不正レベルデータの値が配置される。また当該注文画像32には、S204に示す処理で決定されたレベルに応じた色や階調値の要確認度画像34も配置される。
そして表示制御部56が、S206に示す処理で生成された不正確認画面30を表示部12dに表示させて(S207)、本処理例に示す処理は終了される。
なおS206に示す処理において、確認画面生成部54が、S201に示す処理で特定された1又は複数の注文IDのうちから、S204に示す処理で決定されたレベルの値が所定の閾値以下である注文データの注文IDを除外してもよい。そして確認画面生成部54が、除外後の注文IDのそれぞれに対応付けられる注文画像32が配置された不正確認画面30を生成してもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、不正注文判定装置12、特徴抽出装置14、スコア値決定装置16、評価データ生成装置18、学習データ管理装置20、モデル生成装置22、モデル記憶装置24で実装されている機能のうちの一部又は全部が、1の装置で実装されてもよい。また不正注文判定装置12、特徴抽出装置14、スコア値決定装置16、評価データ生成装置18、学習データ管理装置20、モデル生成装置22、又は、モデル記憶装置24で実装されている機能が複数の装置で実装されてもよい。
また、上記の具体的な文字列や数値及び図面中の具体的な文字列や数値は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。