JP6509799B2 - 透明導電性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電性フィルム及びその製造方法に関する。
従来、透明導電性フィルムとしては、ガラス基材上にITO膜(インジウム−スズ複合酸化物膜)を形成した、いわゆる導電性ガラスがよく知られている。一方、ガラス基材は可撓性、加工性に劣り、用途によっては使用できない場合がある。このため、近年では、可撓性、加工性に加えて、耐衝撃性に優れ、軽量である等の利点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムをはじめとする各種の高分子フィルム基材上にITO膜を形成した透明導電性フィルムが提案されている。
タッチパネルに代表される透明導電材料には高透明、高透過、高耐久性といった特性が要望されている。透過率の向上のための取り組みとして、透明薄膜のスパッタリング成膜の際に、薄膜中のスパッタリングガスの構成原子が0.05原子%以下となるようにスパッタリングを行う構成等が知られている(特許文献1参照)。
加えて、タッチパネルの大画面化に対応すべく、高感度(操作性向上)及び低消費電力に向けて、高分子フィルム基材上に形成したITO膜には比抵抗値及び表面抵抗値の低減の要求が高まっている。優れた光透過性とともに、比抵抗の小さい透明導電性フィルムを与える方策として、ターゲット材上の水平方向磁場を50mT以上とするマグネトロンスパッタリング法によりフィルム基材上にITO膜を形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2002−371355号公報 国際公開第2013/080995号
上記技術でも用途によっては比抵抗として十分に低くなっているものの、本発明者らは次世代の透明導電性フィルムの開発の観点からさらなる低比抵抗化の検討を進めてきている。そこで、ITO膜の形成プロセス及び組成の両面からのアプローチを試みてきた。
図3は、スパッタリングによりITO膜を形成するプロセスを模式的に示す概念図である。スパッタ室内に導入されたアルゴンを主成分とするスパッタガス(必要に応じて酸素を含む。)が、ITOターゲット13とフィルム基材を搬送するロール52との間の電位差によって発生した電子と衝突してイオン化し、プラズマ5が発生する。こうして生じたイオン(特にアルゴンイオン4)がターゲット13に衝突し、飛び出したターゲット粒子2´が高分子フィルム基材1上に堆積されることで透明導電層2が形成されることになる。
この際、ターゲット13に衝突したイオンの一部はターゲット13から反跳して基材1側に向かってしまい、透明導電層2にアルゴン原子4´として取り込まれることがある。またアルゴン原子に加え、透明導電層2には、高分子フィルム基材1に含まれる水分や有機成分、又はスパッタ雰囲気中の水分等に由来する水素原子6や炭素原子が取り込まれることがある。
本発明者らは、透明導電層中に取り込まれた水素原子、炭素原子等が不純物として働き、これらが抵抗特性に影響しているのではないかとの予測に基づき検討を重ねた。
本発明は、透明導電層の低抵抗特性を実現する透明導電性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、透明導電層に含まれる不純物と抵抗値との間には一定の相関性が存在しており、これを制御することにより上記目的を達成できるという新たな技術的知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、高分子フィルム基材と、
前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側に形成された透明導電層とを備える透明導電フィルムであって、
前記透明導電層中の炭素原子の存在原子量が3×1020atoms/cm以下であり、
前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、真空成膜法にて形成された無機アンダーコート層を備える透明導電性フィルムに関する。
本発明はまた、高分子フィルム基材と、
前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側に形成された透明導電層を備える透明導電性フィルムであって、
前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、真空成膜法にて形成された無機アンダーコート層を備え、
前記透明導電層中の水素原子の存在原子量が3.7×1020atoms/cm以下である透明導電性フィルムに関する。
当該透明導電性フィルムでは、透明導電層中の炭素原子の存在原子量(以下、単に「存在量」ともいう。)を3×1020atoms/cm以下とし、あるいは水素原子の存在原子量を3.7×1020atoms/cm以下としているので、透明導電層の低抵抗化を効率良く図ることができる。この理由についてはいかなる理論にも限定されないが、次のように推察される。スパッタリング時には、透明導電層中に、主に高分子フィルム基材に含まれる有機成分に由来する炭素原子や水素原子が取り込まれることがある。スパッタリング工程において透明導電層中に取り込まれた炭素原子または水素原子は、不純物として作用する。透明導電層の抵抗特性は、材料固有の移動度とキャリア密度に依存するが、一般に透明導電層中の不純物は結晶成長の阻害や中性子散乱による移動度の低下を招くため、透明導電層中に取り込まれた炭素原子または水素原子の存在量が多いと透明導電層の抵抗値が高くなり、結晶転化時間も長くなると考えられる。当該透明導電性フィルムでは、透明導電層中の炭素原子または水素原子の存在量を低く抑えているので、透明導電層の移動度を増大させることができ、これにより効果的に透明導電層の低抵抗化を達成することができるとともに、透明導電層の結晶転化を行う場合であっても短時間で完了させることができる。
透明導電層中の炭素原子の存在量が3×1020atoms/cmを超えるか、又は水素原子の存在量が3.7×1020atoms/cmを超えると、炭素原子又は水素原子の不純物としての作用が大きくなり、キャリア散乱及び結晶成長阻害を招来して透明導電層の移動度を低下させ、また結晶転化時間を長くするおそれがある。
当該透明導電性フィルムは、前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、真空成膜法にて形成された無機アンダーコート層を備える。高分子フィルム基材と透明導電層との間に無機アンダーコート層を介在させることで、高分子フィルム基材の水分や有機成分由来の水素原子及び炭素原子の透明導電層への取り込みを遮断することができ、透明導電層の低比抵抗化をより効率的に進めることができる。
また、当該透明導電性フィルムでは、透明導電層の比抵抗が1.1×10−4Ω・cm以上2.8×10−4Ω・cm以下という範囲であることが好ましい。これにより透明導電性フィルムの低抵抗化に寄与することができる。
前記透明導電層は、インジウム−スズ複合酸化物層であることが好ましい。透明導電層がインジウム−スズ複合酸化物(以下、「ITO」ともいう。)層であることにより、より低抵抗の透明導電層を形成することができる。
前記透明導電層が結晶質であることが好ましい。透明導電層を結晶質とすることにより、透明性が向上し、さらに加湿熱試験後の抵抗変化が小さく、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。
前記インジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜15重量%であることが好ましい。これによりキャリア密度を高めることができ、より低比抵抗化を進めることができる。前記酸化スズの含有量は、透明導電層の比抵抗に応じて上記範囲で適宜選択できる。
前記透明導電層は、複数のインジウム−スズ複合酸化物層が積層された構造を有し、
前記複数のインジウム−スズ複合酸化物層のうち少なくとも2層では互いにスズの存在量が異なることが好ましい。透明導電層におけるアルゴン原子及び水素原子の存在量のみならず、透明導電層をこのような特定の層構造とすることにより、結晶転化時間の短縮化や透明導電層のさらなる低抵抗化を促進することができる。
前記インジウム−スズ複合酸化物層の全てが結晶質であることが好ましい。全てのインジウム−スズ複合酸化物層が結晶質であることで、透明導電性フィルムの透明性が向上し、さらに加湿熱試験後の抵抗変化が小さく、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。
本発明の一実施形態において、前記透明導電層は、前記高分子フィルム基材側から、第1のインジウム−スズ複合酸化物層及び第2のインジウム−スズ複合酸化物層をこの順で有し、前記第1のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し6重量%〜15重量%であり、前記第2のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜5.5重量%であることが好ましい。前記2層構造にすることで、透明導電層の低比抵抗化及び結晶転化時間の短縮を実現することができる。
本発明の一実施形態において、当該透明導電性フィルムは、前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、湿式塗工法にて形成された有機アンダーコート層を備える。これにより高分子フィルム基材の表面は平滑化される傾向にあるので、この上に形成されるITO膜も平滑化されることになり、その結果、ITO膜の低抵抗化に寄与することができる。また、有機アンダーコート層を備えることにより、透明導電性フィルムの反射率の調整が容易となるので、光学特性も向上させることができる。
本発明の一実施形態において、当該透明導電性フィルムは、前記高分子フィルムの少なくとも一方の面側に
湿式塗工法にて形成された有機アンダーコート層と、
真空成膜法にて形成された無機アンダーコート層と、
前記透明導電層とをこの順で備える。
本発明はまた、当該透明導電性フィルムの製造方法であって、
高分子フィルム基材を到達真空度が3.5×10−4Pa以下の真空下に置く工程A、及び
前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側にスパッタリング法により透明導電層を形成する工程B
を含み、
前記工程Aの後であって前記工程Bの前に、前記高分子フィルム基材の前記透明導電層が形成される面側に真空成膜法により無機アンダーコート層を形成する工程を含む透明導電フィルムの製造方法に関する。
当該製造方法は、高分子フィルム基材を所定の到達真空度まで真空引きする工程Aを含んでいるので、高分子フィルム基材やスパッタ雰囲気中の水分や有機成分の量を低減することができ、ひいては透明導電層に取り込まれる炭素原子の量を低減することができる。
当該製造方法は、前記工程Aの後であって前記工程Bの前に、前記高分子フィルム基材の前記透明導電層が形成される面側に真空成膜法により無機アンダーコート層を形成する工程を含む。高分子フィルム基材と透明導電層との間での無機アンダーコート層の介在により、高分子フィルム基材の水分や有機成分由来の水素原子及び炭素原子の透明導電層への取り込みを遮断することができ、透明導電層の低比抵抗化をより効率的に進めることができる。
当該製造方法は、前記透明導電層を加熱して結晶転化する工程を含むことが好ましい。透明導電層を結晶質とすることにより、透明性が向上し、さらに加湿熱試験後の抵抗変化が小さく、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。
本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルムの模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るスパッタ成膜装置の構成を示す概念図である。 スパッタリングによりITO膜を形成するプロセスを模式的に示す概念図である。 ダイナミックSIMS測定で検出される水素原子及び炭素原子のデプスプロファイルである。
本発明の透明導電性フィルムの実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、特段の言及がない限り、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
[透明導電性フィルム]
図1に示すように、透明導電性フィルム10では、高分子フィルム基材1の一方の面側に透明導電層2が形成されている。なお、透明導電層は基材1の両面側に形成されていてもよい。また、高分子フィルム基材1と透明導電層2との間に、1層又は2層以上のアンダーコート層を備えていてもよい。図1に示す態様では、高分子フィルム基材1側からアンダーコート層3及び4を備えている。
<高分子フィルム基材>
高分子フィルム基材1は、取り扱い性に必要な強度を有し、かつ可視光領域において透明性を有する。高分子フィルム基材としては、透明性、耐熱性、表面平滑性に優れたフィルムが好ましく用いられ、例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ノルボルネンなどの単一成分の高分子または他の成分との共重合高分子等が挙げられる。中でも、ポリエステル系樹脂は、透明性、耐熱性、および機械特性に優れることから好適に用いられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等が特に好適である。また、高分子フィルム基材は強度の観点から延伸処理が行われていることが好ましく、二軸延伸処理されていることがより好ましい。延伸処理としては特に限定されず、公知の延伸処理を採用することができる。
高分子フィルム基材の厚みとしては特に限定されないものの、2〜200μmの範囲内であることが好ましく、2〜150μmの範囲内であることがより好ましく、20〜150μmの範囲内であることがさらに好ましい。フィルムの厚みが2μm未満であると、機械的強度が不足し、フィルムをロール状にして透明導電層2を連続的に成膜する操作が困難になる場合がある。一方、フィルムの厚みが200μmを超えると、透明導電層2の耐擦傷性やタッチパネルを形成した場合の打点特性等の向上が図れない場合がある。
基材の表面には、予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、基材上に形成される透明導電層2との密着性を向上させるようにしてもよい。また、透明導電層を形成する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより、基材表面を除塵、清浄化してもよい。
基材1としての高分子フィルムは、長尺フィルムをロール状に巻回したものとして供され、その上に透明導電層2がロール・トゥ・ロール法によって連続的に成膜されて、長尺透明導電性フィルムを得ることができる。
<透明導電層>
透明導電層2は、高分子フィルム基材1の少なくとも一方の面側に形成されている。
透明導電層2中の炭素原子の存在原子量は3×1020atoms/cm以下が好ましく、2×1020atoms/cm以下がより好ましく、1×1020atoms/cm以下がさらに好ましく、0.5×1020atoms/cm以下が特に好ましい。なお、炭素原子の存在原子濃度の下限は低いほど好ましいものの、0.001×1020atoms/cm以上であることが好ましく、0.01×1020atoms/cm以上であることがより好ましい。透明導電層中の炭素原子の存在量が多すぎると、炭素原子の不純物としての作用が大きくなり、キャリア散乱及び結晶成長阻害を招来して透明導電層の移動度を低下させ、また結晶転化時間を長くする虞がある。なお、透明導電層に含まれ得る不純物としての炭素原子は、高分子フィルム基材中に含まれる有機成分、また有機物により形成されたアンダーコート層を下層に有する場合はそのアンダーコート層中に含まれる有機成分に由来すると考えられる。
透明導電層中の炭素原子の定量は、透明導電層をCs+イオンを用いて表面から順次スパッタしながら、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry)にて、深さ方向の不純物量を測定することができる(本分析方法は一般的にダイナミックSIMSと呼ばれる)。ITO層に含まれる不純物量はITO膜厚の中心地点(ITO層が50nmであれば、25nm地点)のデータを採用する。炭素原子は、透明導電層表面の汚染や基材に含まれる該元素の影響を受けることなく、透明導電層に含まれる該元素の検出をすることができる。測定方法の詳細は実施例の記載による。
透明導電層2中の水素原子の存在原子量は3.7×1020atoms/cm以下が好ましく、2×1020atoms/cm以下がより好ましく、1.5×1020atoms/cm以下がさらに好ましく、1×1020atoms/cm以下が特に好ましい。なお、水素原子の存在原子濃度の下限は低いほど好ましいものの、0.001×1020atoms/cm以上であることが好ましく、0.05×1020atoms/cm以上であることがより好ましい。透明導電層中の水素原子の存在量が多すぎると、水素原子の不純物としての作用が大きくなり、キャリア散乱及び結晶成長阻害を招来して透明導電層の移動度を低下させる虞がある。一方、水素原子の存在量が少なすぎると、透明導電層の低抵抗化には大きく寄与するものの、結晶転化の際、透明導電層の結晶粒度が過度に大きくなり、その結果、透明導電層の屈曲性が低下する虞がある。なお、透明導電層に含まれ得る不純物としての水素原子は、高分子フィルム基材中に含まれる水分や有機成分、スパッタ雰囲気中の水分、さらに有機物により形成されたアンダーコート層を下層に有する場合はそのアンダーコート層中に含まれる水分や有機成分に由来すると考えられる。
透明導電層中の水素原子の定量は、上記炭素原子の定量と同様の手順で行うことができる。
透明導電層2の構成材料は特に限定されず、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が好適に用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えばインジウム−スズ複合酸化物(ITO)、アンチモン−スズ複合酸化物(ATO)などが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。
透明導電層2の構成材料としてITO(インジウム−スズ複合酸化物)が用いられる場合、該金属酸化物中の酸化スズ(SnO)含有量が、酸化スズ及び酸化インジウム(In)の合計量に対して、0.5重量%〜15重量%であることが好ましく、3〜15重量%であることがより好ましく、5〜12重量%であることがさらに好ましく、6〜12重量%であることが特に好ましい。酸化スズの量が少なすぎると、ITO膜の耐久性に劣る場合がある。また、酸化スズの量が多すぎると、ITO膜が結晶転化され難くなり、透明性や抵抗値の安定性が十分でない場合がある。
本明細書中における“ITO”とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)とを含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分としては、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、Cr、Ga、及び、これらの組み合わせが挙げられる。追加成分の含有量は特に制限されないが、3重量%以下としてよい。
透明導電層2は、互いにスズの存在量が異なる複数のインジウム−スズ複合酸化物層が積層された構造を有していてもよい。この場合、ITO層は2層でも3層以上であってもよい。
透明導電層2が、高分子フィルム基材1側から、第1のインジウム−スズ複合酸化物層及び第2のインジウム−スズ複合酸化物層がこの順で積層された2層構造を有する場合、第1のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズ含有量は、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し6重量%〜15重量%であることが好ましく、6〜12重量%であることがより好ましく、6.5〜10.5重量%であることがさらに好ましい。また、第2のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズ含有量は、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜5.5重量%であることが好ましく、1〜5.5重量%であることがより好ましく、1〜5重量%であることがさらに好ましい。各ITO層のスズの量を上記範囲内とすることにより、比抵抗が小さく、加熱による結晶転化時間が短い透明導電膜を作成することができる。
透明導電層2が、高分子フィルム基材1側から、第1のインジウム−スズ複合酸化物層、第2のインジウム−スズ複合酸化物層及び第3のインジウム−スズ複合酸化物層がこの順で積層された3層構造を有する場合、第1のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズ含有量は、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜5.5重量%であることが好ましく、1〜4重量%であることがより好ましく、2〜4重量%であることがさらに好ましい。また、第2のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズ含有量は、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し6重量%〜15重量%であることが好ましく、7〜12重量%であることがより好ましく、8〜12重量%であることがさらに好ましい。また、第3のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズ含有量は、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜5.5重量%であることが好ましく、1〜4重量%であることがより好ましく、2〜4重量%であることがさらに好ましい。各ITO層のスズの量を上記範囲内とすることにより、比抵抗の小さい透明導電膜を作成することができる。
透明導電層2の厚みは、15nm以上40nm以下、好ましくは15nm以上35nm以下にすることにより、タッチパネル用途に好適に適用することができる。
透明導電層2は結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。本実施形態では、透明導電層としてスパッタリング法によってITO膜を形成する場合、基材1が高分子フィルムであると耐熱性による制約があるため、高い温度でスパッタ成膜を行うことができない。そのため、成膜直後のITOは実質的に非晶質膜(一部が結晶化している場合もある)となっている。このような非晶質のITO膜は結晶質のITO膜に比して透過率が低く、加湿熱試験後の抵抗変化が大きい等の問題を生じる場合がある。かかる観点からは、一旦非晶質の透明導電層を形成した後、大気中の酸素存在下でアニール処理することにより、透明導電層を結晶膜へ転換させてもよい。透明導電層を結晶転化することにより、透明性が向上し、さらに加湿熱試験後の抵抗変化が小さく、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。なお、透明導電層は、完全に結晶膜に転換が完了していない半結晶膜でもよい。半結晶膜であれば、非晶質膜よりも上記の利点を得やすい。
透明導電層2が結晶質膜であることは、透明導電層2を、20℃の塩酸(濃度5重量%)に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm程度の間の端子間抵抗を測定することで判断できる。本明細書においては、塩酸への浸漬・水洗・乾燥後に、15mm間の端子間抵抗が10kΩを超えない場合、ITO膜の結晶転化が完了したものとする。
非結晶質の透明導電層を加熱により結晶転化するのに要する時間は短時間であることが好ましいが、低比抵抗の膜を得ようとする場合、結晶転化時間は長くなる傾向がある。例えば、透明導電層の形成材料としてITOを用いる場合、酸化スズ添加量を増やす(例えば、15重量%)ことで比抵抗を大きく低減することができる。このように比抵抗の低下にはドーパント濃度の増加が好適な手段となるが、一方で、ドーパントはホスト(主成分)に対する不純物として作用するため、ドーパント添加量を増やすことで理想的な結晶構造を形成しにくくなり、結晶化により多くのエネルギーを要するため、結晶転化処理に要する時間は長くなってしまう。
非結晶質の透明導電層の結晶転化のための加熱時間は適宜設定できるが、産業用途での生産性を考慮する場合、実質的に10分以上90分以下が好ましく、10分以上60分以下がより好ましく、10分以上30分以下がさらに好ましい。該範囲に設定することで生産性を担保しつつ結晶転化を完了させることができる。
非結晶質の透明導電層の結晶転化のための加熱温度は110℃〜180℃が好ましいが、高温にすることで生じる不具合(例えば,PETフィルムにおけるオリゴマーの析出)の観点から、110℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上140℃以下がさらに好ましい。該範囲に設定することで,フィルム基材の不具合を抑制しつつ透明導電層の結晶転化を完了させることができる。
非結晶質の透明導電層を加熱により結晶質に転化した後の透明導電層の表面抵抗値は、200Ω/□以下であることが好ましく、150Ω/□以下であることがより好ましく、90Ω/□以下であることがさらに好ましい。
透明導電層2は、比抵抗値として1.1×10−4Ω・cm以上2.8×10−4Ω・cm以下の低い値を有していることが好ましい。特に結晶転化後の透明導電層の比抵抗値が上記範囲内にあればよい。比抵抗値は、1.1×10−4Ω・cm以上2.5×10−4Ω・cm以下であるのが好ましく、1.1×10−4Ω・cm以上2.4×10−4Ω・cm以下であるのがより好ましく、1.1×10−4Ω・cm以上2.2×10−4Ω・cm以下であるのがさらに好ましい。
また、透明導電層2は、エッチング等によりパターン化してもよい。例えば、静電容量方式のタッチパネルやマトリックス式の抵抗膜方式のタッチパネルに用いられる透明導電性フィルムにおいては、透明導電層2がストライプ状にパターン化されることが好ましい。なお、エッチングにより透明導電層2をパターン化する場合、先に透明導電層2の結晶転化を行うと、エッチングによるパターン化が困難となる場合がある。そのため、透明導電層2のアニール処理は、透明導電層2をパターン化した後に行ってもよい。
<アンダーコート層>
また、基材1と透明導電層2との間には、光学特性や電気特性、機械的特性等を考慮してアンダーコート層が形成されていてもよい。アンダーコート層の層構造としては単層構造であってもよく、2層以上が積層された多層構造であってもよい。
アンダーコート層の材料としては、NaF(1.3)、NaAlF(1.35)、LiF(1.36)、MgF(1.38)、CaF(1.4)、BaF(1.3)、BaF(1.3)、SiO(1.46)、LaF(1.55)、CeF(1.63)、Al(1.63)などの無機物〔括弧内の数値は屈折率を示す〕や、屈折率が1.4〜1.6程度のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などの有機物、あるいは上記無機物と上記有機物の混合物が挙げられる。
アンダーコート層が単層構造の場合は、上記無機物により形成された無機アンダーコート層であってもよく、上記有機物又は上記有機物と上記無機物との混合物により形成された有機アンダーコート層であってもよい。アンダーコート層が多層構造の場合は、無機アンダーコート層が積層されていてもよく、有機アンダーコート層が積層されていてもよく、無機アンダーコート層と有機アンダーコート層とが組み合わされて積層されていてもよい。
高分子フィルム基材1と透明導電層2との間には、湿式塗工法(例えば、グラビア塗工法)により形成された有機アンダーコート層3を備えることが好ましい。湿式塗工法を採用することにより、高分子フィルム基材1の表面粗さを小さくすることができ、透明導電層2の比抵抗の低減に寄与することができる。この観点から、高分子フィルム基材1上に形成された有機アンダーコート層3の表面粗さRaは0.1nm〜5nmが好ましく、0.1nm〜3nmがより好ましく、0.1nm〜1.5nmが更に好ましい。なお、表面粗さRaの測定は、セイコーインスツルメンツ社製の走査型プローブ顕微鏡(SPI3800)を用いるAFM観察にて行うことができ、コンタクトモードにてSi製(バネ定数0.09N/m)の探針を用い、1μm平方スキャンにて行い、表面粗さ(Ra)を測定することができる。
有機アンダーコート層3の厚みは、好適な範囲で適宜設定できるが、15nm〜1500nmが好ましく、20nm〜1000nmがより好ましく、20nm〜800nmが最も好ましい。上記範囲に設定することで表面粗さを十分抑制することができるため、低比抵抗化に対して高い効果を奏する。また、屈折率に0.01以上の差がある2種以上の前記有機物もしくは前記無機物と前記有機物の混合物を複数積層した有機アンダーコート層であってもよい。
高分子フィルム基材1と透明導電層2との間には、真空成膜法(例えば、スパッタリング法や真空蒸着法)により形成された無機アンダーコート層4を備えることが好ましい。真空成膜法で、密度の高い無機アンダーコート層4を形成することで、スパッタリングで透明導電層2を形成する際の高分子フィルム基材から放出される水や有機ガス等の不純物ガスを抑制することができる。その結果、透明導電層内に取り込まれる不純物ガス量を低減することができ、比抵抗の抑制に寄与することができる。
無機アンダーコート層3の厚みは、2nm〜100nmが好ましく、3nm〜50nmがより好ましく、4nm〜30nmが最も好ましい。上記範囲に設定することで不純物ガスの放出を抑制することができる。また、屈折率に0.01以上の差がある2種以上の無機物を複数積層した無機アンダーコート層であってもよい。
図1に示すように、透明導電性フィルム10は、高分子フィルム1の少なくとも一方の面側に湿式塗工法にて形成された有機アンダーコート層3と、真空成膜法にて形成された無機アンダーコート層4と、透明導電層2とをこの順で備えることが好ましい。前記有機アンダーコート層と前記無機アンダーコート層を組み合わせることで、表面が平滑、かつ、スパッタリング時の不純物ガス抑制が可能な基材となり、透明導電層の比抵抗を効果的に低減することが可能となる。なお、前記有機アンダーコート層及び前記無機アンダーコート層のそれぞれの厚みは、上記範囲から適宜設定できる。
このように、高分子フィルム基材1の透明導電層形成面側にアンダーコート層を形成することによって、例えば透明導電層2が複数の透明電極にパターン化された場合においても、透明導電層形成領域と透明導電層非形成領域との間の視認性の差を低減することが可能である。また、透明基材としてフィルム基材を用いる場合においては、アンダーコート層が高分子フィルムからのオリゴマー等の低分子量成分の析出を抑止する封止層としても作用し得る。
高分子フィルム基材1の透明導電層2形成面と反対側の面には、必要に応じてハードコート層や易接着層、ブロッキング防止層等が設けられていてもよい。また、粘着剤などの適宜の接着手段を用いて他の基材が貼り合わせられたものや、他の基材と貼り合わせるための粘着剤層等にセパレータ等の保護層が仮着されたものであってもよい。
[透明導電性フィルムの製造方法]
本実施形態の透明導電性フィルムの製造方法は、高分子フィルム基材を到達真空度が3.5×10−4Pa以下の真空下に置く工程A、及び前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側にスパッタリング法により透明導電層を形成する工程Bを含み、さらに、前記工程Aの後であって前記工程Bの前に、前記高分子フィルム基材の前記透明導電層が形成される面側に真空成膜法により無機アンダーコート層を形成する工程を含む。
無機アンダーコート層の形成には、スパッタリング法や真空蒸着法等の公知の真空成膜法を採用することができる。
長尺状の積層体を得る観点から、透明導電層2の成膜は、例えばロール・トゥ・ロール法等により、基材を搬送させながら行われることが好ましい。図2は、本発明の一実施形態に係るスパッタ成膜装置の構成を示す概念図である。スパッタ成膜装置100は、基材1が送り出しロール53から送り出され、ガイドロール55を経て、温度調節ロール52により搬送され、ガイドロール56を経て、巻き取りロール54で巻き取られるロール・トゥ・ロール方式を採用している。スパッタ成膜装置100内は、所定の圧力以下になるように排気されている(排気手段は図示せず)。温度調節ロール52は、所定の温度になるように制御することができる。
本実施形態のスパッタ成膜装置100はスパッタ室11を1つ備えている。スパッタ室11は、スパッタ成膜装置100の筐体101と隔壁12と温度調節ロール52とで囲まれた領域であり、スパッタ成膜の際には独立したスパッタ雰囲気とすることができる。スパッタ室11は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)ターゲット13、及びこのターゲット13上に水平磁場を発生させるマグネット電極14を備えている。ITOターゲット13は、DC電源16及びRF電源17に接続されており、これらの各電源より放電がなされ、透明導電層が基材1上に形成される。スパッタ室11内ではDC電源16及びRF電源17によるプラズマ制御を行うとともに、プラズマ発生源としてアルゴンガス及び酸素ガスが所定の体積比(例えば、アルゴンガス:酸素ガス=99:1)でスパッタ室11内に導入されている。
ITOターゲット13の形状は、図2に示すような平板型(プレーナー)であってもよく、円筒型(ロータリー)であってもよい。
ITOターゲット13としては、インジウム−スズ複合酸化物を含むターゲット(In−SnOターゲット)が好適に用いられる。In−SnO金属酸化物ターゲットが用いられる場合、該金属酸化物ターゲット中の酸化スズ(SnO)の量が、酸化スズ(SnO)及び酸化インジウム(In)の合計重量に対して、0.5重量%〜15重量%であることが好ましく、3〜15重量%であることがより好ましく、5〜12重量%であることがさらに好ましく、6〜12重量%であることが特に好ましい。ターゲット中の酸化スズの量が少なすぎると、ITO膜の耐久性に劣る場合がある。また、酸化スズの量が多すぎると、ITO膜が結晶化し難くなり、透明性や抵抗値の安定性が十分でない場合がある。
このようなITOターゲットを用いたRF重畳DCスパッタ成膜にあたり、スパッタ成膜装置100内の到達真空度を好ましくは3.5×10−4Pa以下、より好ましくは1.0×10−4Pa以下となるまで排気して、高分子フィルム基材1を真空環境下におく(工程A)。これにより、スパッタ成膜装置100内の水分や高分子フィルム基材から発生する有機ガスなどの不純物を取り除いた雰囲気とすることができる。水分や有機ガスの存在は、スパッタ成膜中に発生するダングリングボンドを終結させてITO等の導電性酸化物の結晶成長を妨げるとともに、透明導電層中のキャリア散乱を惹起して移動度を低下させるからである。
このように排気したスパッタ室11内に、スパッタガスとしてAr等の不活性ガスとともに、必要に応じて反応性ガスである酸素ガス等を導入して1Pa以下の減圧下でスパッタ成膜を行う。成膜時のスパッタ室11内の放電気圧は0.09Pa〜1Paであることが好ましく、0.1Pa〜0.8Paであることがより好ましい。放電気圧が高すぎるとスパッタリングレートが低下する傾向があり、逆に放電気圧が低すぎると放電が不安定になる虞がある。
本実施形態のスパッタリング法では、放電電圧の低電圧化によって、透明導電層2内への不純物としてのアルゴン原子の取り込みを抑制している。放電電圧を抑制することで不純物の取り込みが抑制できる理由は明瞭には定かではないが、以下のとおりであると推定している。高い放電電圧下でスパッタリングする場合、ターゲットに向かって運動するアルゴンイオンは高い運動エネルギーを有する。その結果、ターゲットから反跳するアルゴンは高エネルギーを有したまま透明導電層2に衝突するため、透明導電層2に取り込まれるアルゴン原子の量が増加すると考えられる。
本発明者らの検討の結果、放電電圧を低下させるためには、例えば、電源をRF重畳DC電源にする、スパッタリング時の気圧(放電気圧)を好ましい範囲内で高く設定する(例えば、0.6Pa)、マグネットの水平磁場強度を上げる(例えば、100mT)、放電出力を好ましい範囲で設定するといった方法等がある。本実施形態のスパッタリング法では、電源としてRF重畳DC電源を採用して実効的な放電電圧を下げるとともに、マグネット電極14により比較的高い水平磁場をターゲット13上に発生させて、系内のプラズマをターゲット13の近傍の空間に閉じ込めてプラズマ密度を向上させることにより、放電電圧を下げ透明導電層2へのアルゴン原子の取り込みを抑制している。
本実施形態のスパッタリング装置に設置する電源の種類に限定はなく、図を参照しつつ説明したRF重畳DC電源であってもよく、DC電源であってもMF電源であってもRF電源であっても良く、これらの電源を組み合わせてもよい。放電電圧の効率的な低下の点からRF重畳DC電源が好ましい。放電電圧(絶対値)は100V以上400V以下が好ましく、120V以上380V以下がより好ましく、120V以上300V以下がより好ましく、120V以上250V以下がさらに好ましい。これらの範囲にすることで、成膜レートを担保しつつ、透明導電層2内に取り込まれる不純物量を小さくすることができる。
また、ターゲット表面の水平磁場の強度はアルゴン原子の取り込み量や成膜速度等を考慮して設定することができ、20mT以上200mT以下が好ましく、60mT以上150mT以下がより好ましく、80mT以上130mT以下がさらに好ましい。
成膜雰囲気中の水分子の存在は、成膜中に発生するダングリングボンドを終結させ、インジウム系複合酸化物の結晶成長を妨げるため、成膜雰囲気中の水の分圧は小さいことが好ましい。成膜時の水の分圧は、不活性ガスの分圧に対して1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましい。本実施形態では、成膜開始前にスパッタ装置内を工程Aにおいて所定の到達真空度まで減圧しているので、成膜時の水分圧を上記範囲とすることができ、装置内の水分や基材から発生する有機ガスなどの不純物を取り除いた雰囲気とすることができる。
透明導電層を形成する際のフィルム基材温度は、特に限定されない。通常、−40℃以上200℃以下の温度とすることができる。
従来、基材温度を、例えば100℃を超え200℃以下の高温とすることで、透明導電性フィルムの結晶転化性を向上でき、低抵抗化に寄与することが知られている。一方、本発明の透明導電性フィルムは、アルゴン原子や水素原子等の不純物量を所定の範囲内としているので、このような不純物に起因する透明導電層の結晶転化阻害が少なく、基材温度が100℃以下の低温で製膜されたものであっても、結晶転化性が良好であり、低比抵抗を実現できる。
透明導電層の結晶転化性をより向上する観点からは、フィルム基材温度は、例えば100℃を超え200℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下、より好ましくは130℃以上160℃以下である。
透明導電層中の水素原子や炭素原子等の不純物をより低減しやすくする観点からは、フィルム基材温度は、例えば−40℃以上であり、好ましくは、−30℃以上であり、より好ましくは−20℃以上であり、更に好ましくは−15℃以上であり、また、例えば、80℃以下であり、好ましくは、40℃以下であり、より好ましくは、30℃以下であり、更に好ましくは、20℃以下であり、特に好ましくは、10℃以下である。このように基材温度を低温にすることで、スパッタ成膜時にフィルム基材由来の不純物ガス(水や有機溶媒等)の放出を抑制でき、水素原子や炭素原子の不純物が透明導電層中に取り込まれることを抑制できる。
なお、本発明において、フィルム基材温度とは、スパッタ成膜時の基材の下地の設定温度である。例えば、成膜ドラム(図2の実施形態においては、温度調節ロール52)を備えるロールスパッタ装置により連続的に成膜を行う場合のフィルム基材温度とは、スパッタ成膜が行われる成膜ドラム表面の温度である。
また、バッチ式のスパッタ装置でスパッタ成膜を行う場合のフィルム基材温度とは、フィルム基材を載置するための基材ホルダー表面の温度である。
以下、本発明に関して実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、特に示さない限り「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、放電電圧は絶対値にて記載する。
[実施例1]
(アンダーコート層の形成)
メラミン樹脂:アルキド樹脂:有機シラン縮合物を、固形分で2:2:1の重量比で含む熱硬化型樹脂組成物を、固形分濃度が8重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈した。得られた希釈組成物を、厚み50μmのPETフィルム(三菱樹脂製、商品名「ダイアホイル」)からなる高分子フィルム基材の一方主面に塗布し、150℃で2分間加熱硬化させ、膜厚35nmの有機アンダーコート層を形成した。形成した有機アンダーコート層の表面粗さをAFM(セイコーインスツルメンツ社製、「SPI3800」)で測定したところ、Raが0.5nmであった。さらに、有機アンダーコート層上に、無機アンダーコート層として、厚み5nmのSiO層を、MF電源を用いたスパッタリングにより形成した
(透明導電層の形成)
上記有機アンダーコート層を形成した高分子フィルム基材を真空スパッタ装置に設置し、到達真空度が0.9×10−4Paとなるよう十分に真空排気し、フィルムの脱ガス処理を行った。その後、Ar及びO(流量比はAr:O=99.9:0.1)を導入した真空雰囲気下(0.40Pa)で、10重量%の酸化スズと90重量%の酸化インジウムとの焼結体をターゲットとして用いて、フィルム基材温度を130℃とし、水平磁場を100mTとするRF重畳DCマグネトロンスパッタリング法(放電電圧150V、RF周波数13.56MHz、DC電力に対するRF電力の比(RF電力/DC電力)は0.8)により、厚み20nmのインジウム−スズ複合酸化物層からなる第1透明導電体層を形成した。この第1透明導電体層上に、Ar及びO(流量比はAr:O=99.9:0.1)を導入した真空雰囲気下(0.40Pa)で、3重量%の酸化スズと97重量%の酸化インジウムとの焼結体をターゲットとして用いて、フィルム基材温度を130℃とし、水平磁場を100mTとするRF重畳DCマグネトロンスパッタリング法(放電電圧150V、RF周波数13.56MHz、DC電力に対するRF電力の比(RF電力/DC電力)は0.8)により、厚み5nmのインジウム−スズ複合酸化物層からなる第2透明導電体層を形成した。このようにして第1透明導電体層と第2透明導電体層とが積層されてなる透明導電層を作製した。作製した透明導電層を150℃温風オーブンにて加熱して結晶転化処理を行い、結晶質の透明導電層を有する透明導電性フィルムを得た。
[実施例2]
前記有機アンダーコート層上に、無機アンダーコート層として、厚み10nmのSiO層を、MF電源を用いたスパッタリングにより形成したこと、及びスパッタリング電源をDC電源とし、ArとOの流量比をAr:O=99:1とし、放電電圧を235Vとして透明導電層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[実施例3]
10重量%の酸化スズと90重量%の酸化インジウムとの焼結体をターゲットとして用いて厚み25nmの単層の透明導電層を形成したこと以外は、実施例2と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[比較例1]
無機アンダーコート層を形成せず、フィルムの脱ガス処理における、到達真空度を3.9×10−4Paとしたこと以外は、実施例3と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[比較例2]
無機アンダーコート層を形成せず、フィルムの脱ガス処理における、到達真空度を4.8×10−4Paとしたこと以外は、実施例3と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[参考例1]
無機アンダーコート層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[参考例2]
無機アンダーコート層を形成せず、10重量%の酸化スズと90重量%の酸化インジウムとの焼結体をターゲットとして用いて厚み25nmの単層の透明導電層を形成したこと以外は、参考例1と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[参考例3]
有機アンダーコート層及び無機アンダーコート層をともに形成してしない、Raが2.1nmのPETフィルムを高分子フィルム基材とした以外は、参考例2と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[参考例4]
無機アンダーコート層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
[参考例5]
無機アンダーコート層を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして透明導電層及び透明導電性フィルムを作製した。
<評価>
実施例、比較例及び参考例において作製した透明導電性フィルムに対する測定ないし評価方法は以下のとおりである。各評価結果を表1〜4に示す。
(1)膜厚の評価
ITO膜の膜厚は、X線反射率法を測定原理とし、粉末X線回折装置(リガク社製、「RINT−2000」)を用いて、以下の測定条件にてX線反射率を測定し、取得した測定データを解析ソフト(リガク社製、「GXRR3」)で解析することで膜厚を算出した。解析条件は以下の条件とし、フィルム基材と密度7.1g/cmのITO薄膜の2層モデルを採用し、ITO膜の膜厚と表面粗さを変数として、最小自乗フィッティングを行うことで、ITO膜の膜厚を解析した。
<測定条件>
光源:Cu−Kα線(波長:1,5418Å)、40kV、40mA
光学系:平行ビーム光学系
発散スリット:0.05mm
受光スリット:0.05mm
単色化・平行化:多層ゲーベルミラー使用
測定モード:θ/2θスキャンモード
測定範囲(2θ):0.3〜2.0°
<解析条件>
解析手法:最小自乗フィッティング
解析範囲(2θ):2θ=0.3〜2.0°
(2)炭素原子の定量測定
ダイナミックSIMSを測定原理とする装置(装置:PHI ADEPT−1010、アルバック・ファイ社製)を用いて、0.15nmピッチで深さ方向の炭素原子の存在量(atoms/cm)を測定した。図4は、本測定で検出される炭素原子のデプスプロファイルである。この図において、左端が表面、右端が基材側であり、Inピークの右終端部がすなわちITO膜の深さ方向の末端である。本測定では、図4に示す透明導電層の表面側及びフィルム基材側では、表面のコンタミ成分やフィルムに含まれる炭素原子を含めて検出してしまう。
そのため、ここではコンタミ成分やフィルム基材に含まれる炭素原子の影響を受けない、透明導電層の膜厚のほぼ中心地点で検出される炭素原子の量を、ITO膜厚の炭素原子の存在原子量とした。
上記中心地点の決定方法は以下のとおりである。上述のように図4では、左端が表面、右端が基材側であり、Inピークの右終端部がすなわちITO膜の深さ方向の末端である。ITO膜厚の中心地点は、In検出強度がピーク強度に対して、それぞれ表面側および基材側で半減した位置をITO層の最表部、最深部とし、その中間点を中心地点とした。
(3)結晶質ITO層の比抵抗の測定
透明導電性フィルムを150℃で加熱処理して透明導電層を結晶転化させた後、透明導電層の表面抵抗(Ω/□)をJIS K7194(1994年)に準じて四端子法により測定した。上記(1)膜厚の測定にて求めた透明導電層の厚みと前記表面抵抗から比抵抗を算出した。
(4)結晶化の評価
高分子フィルム基材上にITO膜が形成された透明導電性フィルムを、150℃の熱風オーブンで加熱して結晶転化処理を行い、20℃、濃度5重量%の塩酸に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm間の端子間抵抗をテスタにて測定した。本明細書においては、塩酸への浸漬・水洗・乾燥後に、15mm間の端子間抵抗が10kΩを超えない場合、ITO膜の結晶転化が完了したものとした。また、加熱時間30分ごとに上記測定を実施し、結晶化完了が確認できた時間を結晶転化時間として評価した。
Figure 0006509799
(結果及び考察)
実施例1〜3では透明導電層中の炭素原子及び水素原子の各存在原子量がいずれも所定範囲以下まで低減され、透明導電層の結晶転化後の比抵抗も2.8×10−4Ω・cm以下と低い値となっており、炭素原子の存在量の点からも水素原子の存在量の点からも透明導電層の低抵抗化が達成されたことが分かる。一方、比較例1では、炭素原子及び水素原子の存在原子量が3×1020atoms/cmを超えていたことから、比抵抗が高くなっていた。また、炭素原子及び水素原子による結晶成長阻害作用により結晶転化に要した時間も長くなっていた。比較例2では、炭素原子及び水素原子の存在原子量が高すぎたため、ITO膜が結晶化せずに比抵抗が高くなっていた。
Figure 0006509799
Figure 0006509799
Figure 0006509799
1 基材
2 透明導電層
10 透明導電性フィルム
11 スパッタ室
13 ターゲット
14 マグネット電極
16 DC電源
17 RF電極
100 スパッタ成膜装置

Claims (10)

  1. 厚みが2〜200μmの高分子フィルム基材と、
    前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側に形成された透明導電層を備える透明導電性フィルムであって、
    前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、無機物により形成された無機アンダーコート層を備え、
    前記高分子フィルム基材の材料は、ノルボルネンの単一成分の高分子もしくは共重合高分子、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、又は、ポリスチレンのいずれかであり、
    前記透明導電層は、インジウム−スズ複合酸化物層であり、
    前記透明導電層中の炭素原子の存在原子量が3×1020atoms/cm以下であり、
    前記透明導電層中の水素原子の存在原子量が3.7×10 20 atoms/cm 以下であり、
    前記透明導電層の比抵抗が1.1×10−4Ω・cm以上2.4×10−4Ω・cm以下である透明導電性フィルム。
  2. 厚みが2〜200μmの高分子フィルム基材と、
    前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側に形成された透明導電層を備える透明導電性フィルムであって、
    前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、無機物により形成された無機アンダーコート層を備え、
    前記透明導電層中の炭素原子の存在原子量が3×10 20 atoms/cm 以下であり、
    前記透明導電層中の水素原子の存在原子量が3.7×1020atoms/cm以下である透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電層が結晶質である請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記インジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜15重量%である請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記透明導電層は、複数のインジウム−スズ複合酸化物層が積層された構造を有し、
    前記複数のインジウム−スズ複合酸化物層のうち少なくとも2層では互いにスズの存在量が異なる請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記インジウム−スズ複合酸化物層の全てが結晶質である請求項5に記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電層は、前記高分子フィルム基材側から、第1のインジウム−スズ複合酸化物層及び第2のインジウム−スズ複合酸化物層をこの順で有し、
    前記第1のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し6重量%〜15重量%であり、
    前記第2のインジウム−スズ複合酸化物層における酸化スズの含有量が、酸化スズ及び酸化インジウムの合計量に対し0.5重量%〜5.5重量%である請求項5又は6に記載の透明導電性フィルム。
  8. 前記高分子フィルム基材と前記透明導電層との間に、有機物又は有機物と無機物との混合物により形成された有機アンダーコート層を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  9. 前記高分子フィルム基材の少なくとも一方の面側に
    有機物又は有機物と無機物との混合物により形成された有機アンダーコート層と、
    無機物により形成された無機アンダーコート層と、
    前記透明導電層とをこの順で備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムを備えるタッチパネル。
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