JP6509707B2 - 造水システム - Google Patents

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Description

本発明は、海水から淡水を製造するための造水システムに関し、特にディーゼルエンジンなどの内燃機関における廃熱を利用した造水システムに関する。
一般に海上を運行する船舶においては、船舶に搭載したディーゼルエンジンからの廃熱を熱源として利用して、海から汲み上げた海水を高真空下で蒸発させて淡水を製造することが従来から行われている。例えば特許文献1に記載の造水装置では、ディーゼルエンジンの冷却に用いられたジャケット冷却水を造水装置に導き、海水と熱交換させて蒸発させることで発生する水蒸気を冷却・凝縮して淡水化している。また、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスも海水の淡水化のための熱量に用いている。
特開昭52−27916号公報
しかし、近年のディーゼルエンジンの高効率化に伴い、ディーゼルエンジンの主機負荷(出力)の低下(廃熱量の減少)により、ジャケット冷却水の温度が低下すると、その分、海水を蒸発させるための熱量が低下してしまう。その結果、十分な量の淡水を得ることができないという課題がある。また、ディーゼルエンジンからの排気ガスによる廃熱量も減少しているため、十分な量の淡水を得るための熱量を確保することが必要となっている。
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、内燃機関(ディーゼルエンジン)から排出されるジャケット冷却水の温度が低下する場合であっても、十分な量の淡水を得るための熱量を確保することができる造水システムを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、船舶に搭載した内燃機関からの廃熱を利用して、船舶に導入された海水から淡水を製造する造水システムにおいて、海水を加熱する加熱器を有する造水装置と、過給機から内燃機関に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器に冷却水を循環させる第1冷却水流路と、内燃機関を冷却する冷却水を循環させる第2冷却水流路と、前記第1冷却水流路から分流した後に前記第1冷却流路に還流する第1循環路と、前記第2冷却水流路から分流した後に前記第2冷却流路に還流する第2循環路と、を備え、前記第1循環路を流れる冷却水又は前記第2循環路を流れる冷却水が前記加熱器に導かれて海水と熱交換するように構成されており、前記第1循環路及び前記第2循環路のうち、前記加熱器に導かれる冷却水が流れる循環路には、前記加熱器の上流側に、当該循環路を流れる冷却水と他の循環路を流れる冷却水とを熱交換させる熱交換器が設けられ、前記他の循環路には、前記熱交換機器の上流側に、前記熱交換器に導かれる冷却水の流量を調整する流量調整弁が設けられている造水システムにより達成される。
上記第1実施形態の造水システムにおいては、前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備えることが好ましい。
また、上記第1実施形態の造水システムにおいては、前記第1循環路及び前記第2循環路のうち、前記加熱器に導かれる冷却水が流れる循環路には、前記熱交換器の上流側及び下流側に第1温度検出器及び第2温度検出器が設けられ、前記他の循環路には、前記熱交換機器の上流側に、第3温度検出器が設けられていることが好ましい。
また、上記第1実施形態の造水システムにおいては、前記第1温度検出器、前記第2温度検出器、前記第3温度検出器及び前記流量調整弁に接続された制御装置をさらに備え、前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも低い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも高い場合に、前記流量調整弁を開いて当該冷却水を前記熱交換器に導く前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備えることが好ましい。
また、上記第1実施形態の造水システムにおいては、前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも高い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも低い場合に、前記流量調整弁を開いて当該冷却水を前記熱交換器に導くことが好ましい。
また、上記第1実施形態の造水システムにおいては、前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも高い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも高い場合に、前記セントラル冷却器を制御して、前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水の温度を低下させることが好ましい。
本発明の上記目的は、船舶に搭載した内燃機関からの廃熱を利用して、船舶に導入された海水から淡水を製造する造水システムにおいて、海水を加熱する加熱器と、過給機から内燃機関に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器に冷却水を循環させる第1冷却水流路と、内燃機関を冷却する冷却水を循環させる第2冷却水流路と、前記第1冷却水流路から分岐した後に前記第1冷却流路に還流する第1循環路と、前記第2冷却水流路から分岐した後に前記第2冷却流路に還流する第2循環路と、を備え、前記第1循環路を流れる冷却水及び前記第2循環路を流れる冷却水が前記加熱器に導かれて海水と熱交換するように構成されており、前記第1循環路には、前記加熱器の上流側に、第1温度検出器と、前記加熱器に導かれる冷却水の流量を調整する第1流量調整弁とが設けられ、前記第2循環路には、前記加熱器の上流側に、第2温度検出器と、前記加熱器に導かれる冷却水の流量を調整する第2流量調整弁とが設けられている第2実施形態の造水システムによっても達成される。
上記第2実施形態の造水システムにおいては、前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備えることが好ましい。
また、上記第2実施形態の造水システムにおいては、前記第1温度検出器、前記第2温度検出器、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁に接続された制御装置をさらに備え、前記制御装置は、前記第1循環路及び前記第2循環路から前記加熱器にそれぞれ導かれる冷却水の熱量が、所定の熱量よりも低い場合、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁をともに開いて前記冷却水を前記加熱器に導くことが好ましい。
また、上記第2実施形態の造水システムにおいては、前記制御装置は、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁のいずれか一方の流量調整弁を全開にし、他方の流量調整弁の開く量を調整することで、前記第1循環路及び前記第2循環路から前記加熱器にそれぞれ導かれる冷却水の熱量を所定の熱量とすることが好ましい。
本発明に係る造水システムによると、内燃機関(ディーゼルエンジン)から排出されるジャケット冷却水の温度が低下する場合であっても、十分な量の淡水を得るための熱量を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る造水システムの概略構成図である。 第1実施形態の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 第1実施形態の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る造水システムの変形例の概略構成図である。 図4の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 図4の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る造水システムの概略構成図である。 第2実施形態の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態の造水システムの造水方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る造水システムの変形例の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明の造水システムは、船舶の推進力を発生させる主機関である内燃機関(ディーゼルエンジン)からの廃熱を、造水装置内に取り入れられた海水に伝達し、海水を蒸発させることで発生する水蒸気を冷却・凝縮して淡水化を行う造水装置に適用されるものである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る造水システム1の概略構成図である。第1実施形態に係る造水システム1は、海水を加熱するための加熱器3を有する造水装置2を備えるとともに、過給機5からディーゼルエンジン4に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器6に冷却水(掃気空気冷却水)を循環させる第1冷却水流路7と、ディーゼルエンジン4を冷却する冷却水(ジャケット冷却水)を循環させる第2冷却水流路8と、第1冷却水流路7から分流した後に第1冷却流路7に還流する第1循環路9と、第2冷却水流路8から分流した後に第2冷却流路9に還流する第2循環路10とを備える。
造水装置2は、加熱器3にて海水を加熱し、水蒸気を発生させた後、気液分離し、気液分離後の水蒸気を凝縮することによって淡水を製造するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フラッシュ式の造水装置(例えば特開2009−90228号公報)、プレート式の造水装置(例えば特開平9−299927号公報)、多管式の造水装置(例えば特開2013−166141号公報)、膜蒸留式の造水装置(例えば特開平6−7644号公報)など、を例示することができる。加熱器3は、例えば熱交換器であり、海から汲み上げた海水を、熱交換器において、ディーゼルエンジン4から排出される廃熱を熱源とする熱交換により、加熱して蒸発させる。
ディーゼルエンジン4は、燃料油及び燃料ガスの少なくともいずれかを主燃料とし、主燃料を掃気空気とともに燃焼させる内燃機関である。
過給機5は、ディーゼルエンジン4が主燃料を燃焼させることにより排出される排出ガスにより駆動されるタービン50と、タービン50の回転動力によって外気を圧縮する圧縮機51とを備え、圧縮された外気を燃焼用の空気(掃気空気)としてディーゼルエンジン4に供給する。
空気冷却器6は、過給機5からディーゼルエンジン4に供給される掃気空気を冷却するためのものである。掃気空気は、断熱圧縮されて高温(約50℃〜200℃)となっているため、空気密度(単位体積当たりの重量)を高めるなどの目的で、空気冷却器6で冷却されてからディーゼルエンジン4に供給される。
第1冷却水流路7は、空気冷却器6に供給される掃気空気冷却水を循環させる管路であり、循環ポンプ11が接続されている。掃気空気冷却水は循環ポンプ11により第1冷却水流路7を循環する。第1冷却水流路7には、流量調整弁12と、冷却器13とが設けられている。流量調整弁12は、第1冷却水流路7から空気冷却器6に供給される掃気空気冷却水の流量を調整するためのものである。流量調整弁12には、流量計が備えられていてもよい。冷却器13は、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった掃気空気冷却水を冷却するためのものである。冷却器13は、例えば熱交換器であり、セントラル冷却器(図示せず)から冷却水が送られ、冷却器13において、掃気空気冷却水と冷却水との間で熱交換が行われて、掃気空気冷却水が冷却される。この流量調整弁12は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁12の開閉状態が制御されている。また、第1冷却水流路7には、第1冷却水流路7から分流した後に第1冷却流路7に還流する第1循環路9が接続されている。
第1循環路9は、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった掃気空気冷却水を加熱器3に導く管路である。第1循環路9には、加熱器3の上流側に、順に、温度検出器15と、流量調整弁14と、熱交換器16とが設けられている。流量調整弁14は、第1冷却水流路7から第1循環路9へ分流する掃気空気冷却水(加熱器3に導かれる掃気空気冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁14には、流量計が備えられていてもよい。温度検出器15は、第1冷却水流路7から加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度Tを測定するためのものである。この流量調整弁14及び温度検出器15は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁14の開閉状態が制御されるとともに、温度検出器15が監視されている。
熱交換器16は、必要に応じて、空気冷却器6から加熱器3に導かれる掃気空気冷却水を加熱又は冷却するためのものである。熱交換器16には、ディーゼルエンジン4を冷却した後のジャケット冷却水の一部が送られ、熱交換器16において、掃気空気冷却水とジャケット冷却水との間で熱交換が行われて、掃気空気冷却水の温度が調整される。熱交換器16と加熱器3との間には、温度検出器17が接続されており、温度検出器17により、熱交換器16による温度調整後に加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度が測定されている。この温度検出器17は、制御装置30に接続されており、制御装置30により監視されている。
また、第1循環路9には、加熱器3の下流側に、順に、温度検出器18と、流量調整弁19とが設けられている。温度検出器18は、加熱器3から排出される掃気空気冷却水の温度を測定するためのものである。流量調整弁19は、第1循環路9から第1冷却水流路7へ還流する掃気空気冷却水(加熱器3から排出される掃気空気冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁19には、流量計が備えられていてもよい。温度検出器18及び流量調整弁19は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁19の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器18が監視されている。
第2冷却水流路8は、ディーゼルエンジン4を冷却するジャケット冷却水を循環させる管路であり、循環ポンプ20が接続されている。ジャケット冷却水は循環ポンプ20により第2冷却水流路8を循環する。第2冷却水流路8には、流量調整弁21と、冷却器22とが設けられている。流量調整弁21は、第2冷却水流路8からディーゼルエンジン4に供給されるジャケット冷却水の流量を調整するためのものである。流量調整弁21には、流量計が備えられていてもよい。冷却器22は、ディーゼルエンジン4から排出されて高温となったジャケット冷却水を冷却するためのものである。冷却器22は、例えば熱交換器であり、セントラル冷却器(図示せず)から冷却水が送られ、冷却器22において、ジャケット冷却水と冷却水との間で熱交換が行われて、ジャケット冷却水が冷却される。この流量調整弁21は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁21の開閉状態が制御されている。また、第2冷却水流路8には、第2冷却水流路8から分流した後に第2冷却流路8に還流する第2循環路10が接続されている。
第2循環路10は、ディーゼルエンジン4の冷却により高温となったジャケット冷却水を熱交換器16に導く管路である。第2循環路10には、熱交換器16の上流側に、順に、温度検出器24と、流量調整弁23とが設けられている。流量調整弁23は、第2冷却水流路8から第2循環路10へ分流するジャケット冷却水(熱交換器16に導かれるジャケット冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁23には、流量計23Aが備えられている。温度検出器24は、第2冷却水流路10から熱交換器16に導かれるジャケット冷却水Tの温度を測定するためのものである。この流量調整弁23及び温度検出器24は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量計23Aが監視され、流量調整弁23の開閉状態が制御されるとともに、温度検出器24が監視されている。
また、第2循環路10には、熱交換器16の下流側に、順に、温度検出器25と、流量調整弁26とが設けられている。温度検出器25は、熱交換器16から排出されるジャケット冷却水の温度を測定するためのものである。流量調整弁26は、第2循環路10から第2冷却水流路8へ還流するジャケット冷却水(熱交換器16から排出されるジャケット冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁26には、流量計が備えられていてもよい。温度検出器25及び流量調整弁26は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁26の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器25が監視されている。
次に、図2及び図3を参照して、第1実施形態に係る造水システム1による造水方法を説明する。図2及び図3に示す各ステップは、制御装置30が図示しないメモリに格納されたコンピュータプラグラムを読み出して実行することにより行われる。なお、図2及び図3においては、掃気空気冷却水をQ、ジャケット冷却水をJで表している。
まず、制御装置30は、ST1で、第1冷却水流路7から第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度T及び第2冷却水流路8から第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度Tが造水可能温度範囲内にあるかどうかを、温度検出器15及び温度検出器24による検出温度に基づき判定する。ここで、掃気空気冷却水の温度Tが低下すると、加熱器3で海水を蒸発温度まで加熱することができなくなるという問題がある。また、海水には、カルシウムイオンCa2+や硫酸イオンSO 2−のようなスケール成分が混入しているため、海水を高温条件下で蒸発させると、これらのスケール成分が加熱器3の表面に析出して、熱交換効率が悪くなるという問題がある。一方、ジャケット冷却水の温度Tは、ディーゼルエンジン4の安定運転に必要な一定の温度範囲に保たれる必要がある。そのため、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tは、装置の運転に支障がなくかつスケール成分が加熱器3の表面に析出しない温度範囲で海水を蒸発させられる温度であることが好ましく、そのために造水可能温度が決められている。造水可能温度範囲とは、例えば、60℃〜95℃である。
ST1において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にない場合、冷却水の温度を上昇又は低下させる必要があるため、ST2に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を調整するとともに流量制御弁12及び流量制御弁21を調整して第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる冷却水の量を調整して、第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び第2循環路10に供給されることになる)冷却水の温度を調整する。そして、ST1に戻る。
ST1において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にある場合、ST3に進んで、制御装置30は、流量制御弁14を開き、第1循環路9から掃気冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST4において、第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度であるかどうかを、温度検出器15による検出温度に基づき判定する。ここで、設定温度とは、造水装置2を効率的に運転するための最適な温度範囲のことであり、例えば、75℃〜85℃である。
ST4において、掃気空気冷却水の温度Tが設定温度であれば、ST5に進んで、制御装置30は設定温度の掃気空気冷却水を加熱器3に供給し続けて造水を行う。
一方で、ST4において掃気空気冷却水の温度Tが設定温度でなく、設定温度よりも低いと、ST7に進み、加熱器3に供給する掃気空気冷却水の温度を設定温度まで上昇させる必要があるので、制御装置30は、温度検出器24による検出温度に基づき第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも高いかどうかを判定する。
ST7において、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも高い場合には、制御装置30は、次のST8で、流量調整弁23を所定の量だけ開いて、第2循環路10からジャケット冷却水を熱交換器16に導き、熱交換器16において、加熱器3に供給される掃気空気冷却水をジャケット冷却水により加熱する。そして、制御装置30は、次のST9において、温度検出器17の検出温度に基づいて、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度が設定温度であるかを判定し、設定温度である場合には、流量調整弁23を所定の量開けた状態で造水を行う(ST10)。
また、ST9において、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度が設定温度より低い場合には、制御装置30は、ST11に進んで、流量計23Aの検出量に基づき、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁23が全開でない場合には、ST12に進み、流量調整弁23を調整して、第2循環路10から熱交換器16に導かれるジャケット冷却水の流量を増加させることで、熱交換器16において、加熱器3に供給される掃気空気冷却水をさらに加熱する。そして、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度が設定温度となると(ST9の判定がYES)、流量調整弁23を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST10)。一方で、ST11において、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)である場合には、ST13に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を減少させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を上昇させて、ST1に戻る。
ST7に戻り、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも低い場合には、ST14に進み、制御装置30は、流量調整弁23を開くことなく、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を減少させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を上昇させて、ST1に戻る。
ST6に戻り、掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも高いと、加熱器3に供給する掃気空気冷却水の温度を設定温度まで低下させる必要があるので、ST15に進み、制御装置30は、温度検出器24による検出温度に基づき第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも低いかどうかを判定する。
ST15において、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも低い場合には、ST16に進み、制御装置30は、流量調整弁23を所定の量だけ開いて、第2循環路10からジャケット冷却水を熱交換器16に導き、熱交換器16において、加熱器3に供給される掃気空気冷却水をジャケット冷却水により冷却する。そして、制御装置30は、次のST17において、温度検出器17の検出温度に基づいて、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度T1が設定温度であるかを判定し、設定温度である場合には、流量調整弁23を所定の量開けた状態で造水を行う(ST18)。
また、ST17において、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度T1が設定温度より高い場合には、ST19に進み、制御装置30は、流量計23Aの検出量に基づき、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁23が全開でない場合には、ST20において、流量調整弁23を調整して、第2循環路10から熱交換器16に導かれるジャケット冷却水の流量を増加させることで、熱交換器16において、加熱器3に供給される掃気空気冷却水をさらに冷却する。そして、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度が設定温度となると(ST17の判定がYES)、流量調整弁23を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST18)。一方で、ST19において、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)である場合には、ST21に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
ST15に戻り、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも高い場合には、制御装置30は、流量調整弁23を開くことなく、次のST22において、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
第1実施形態の造水システム1によれば、第1冷却水流路7を流れる掃気冷却水を第1循環路9から加熱器3に導いて造水装置2における造水に用いているが、掃気冷却水が加熱器3に導かれるまでの途中に熱交換器16が設けられ、熱交換器16において、ジャケット冷却水により、掃気冷却水の温度調整がなされている。これにより、空気冷却器6から排出される掃気冷却水の温度が上昇又は低下する場合であっても、加熱器3に導かれる掃気冷却水の温度を、造水装置2における造水に適切な温度に調整でき、安定した温度(熱量)の掃気空気冷却水を造水装置2(加熱器3)に供給することができるので、造水装置2において十分な量の淡水を得るための熱量を確保することができる。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明の第1実施形態は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図1の実施形態では、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった第1冷却水流路7の掃気空気冷却水を加熱器3に導くことで、海水を加熱しているが、図4に示すように、ディーゼルエンジン4の冷却により高温となった第2冷却水流路8のジャケット冷却水を加熱器3に導くことで、海水を加熱していてもよい。この場合には、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった第1冷却水流路7の掃気空気冷却水は、加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度調整に用いられる。
図4は、ジャケット冷却水により、海水を淡水化する造水システム1の概略構成図である。なお、図4の実施形態の基本的な構成は、図1の実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成に同一の符号を付することで説明を省略する。
図4の実施形態に係る造水システム1も、海水を加熱するための加熱器3を有する造水装置2を備えるとともに、過給機5からディーゼルエンジン4に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器6に冷却水(掃気空気冷却水)を循環させる第1冷却水流路7と、ディーゼルエンジン4を冷却する冷却水(ジャケット冷却水)を循環させる第2冷却水流路8と、第1冷却水流路7から分流した後に第1冷却流路7に還流する第1循環路9と、第2冷却水流路8から分流した後に第2冷却流路9に還流する第2循環路10とを備えている。
図4の実施形態が、図1の実施形態と構成上異なる点は、ジャケット冷却水が循環する第2冷却水流路8に対して分流・還流する第2循環路10が加熱器3に接続され、第2循環路10の加熱器3の上流側に、熱交換器16が設けられている。熱交換器16には、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった後の掃気空気冷却水の一部が送られ、熱交換器16において、ジャケット冷却水と掃気空気冷却水との間で熱交換が行われて、ジャケット冷却水の温度が調整される。また、熱交換器16と加熱器3との間には、温度検出器27が接続されており、温度検出器27により、熱交換器16による温度調整後のジャケット冷却水の温度が測定されている。この温度検出器27は、制御装置30に接続されており、制御装置30により監視されている。さらに、流量調整弁14には、流量計14Aが備えられており、制御装置30により、流量計14Aが監視され、流量調整弁14の開閉状態が制御される。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る造水システム1による造水方法を説明する。図5及び図6に示す各ステップにおいても、制御装置30が図示しないメモリに格納されたコンピュータプラグラムを読み出して実行することにより行われる。なお、図5及び図6においては、掃気空気冷却水をQ、ジャケット冷却水をJで表している。
まず、制御装置30は、ST1で、第1冷却水流路7から第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度T及び第2冷却水流路8から第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度Tが造水可能温度範囲内にあるかどうかを、温度検出器15及び温度検出器24による検出温度に基づき判定する。
ST1において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にない場合、冷却水の温度を上昇又は低下させる必要があるため、ST2に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を調整するとともに流量制御弁12及び流量制御弁21を調整して第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる冷却水の量を調整して、第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び第2循環路10に供給されることになる)冷却水の温度を調整する。そして、ST1に戻る。
ST1において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にある場合、ST3に進んで、制御装置30は、流量制御弁23を開き、第2循環路10からジャケット冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST4において、第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度であるかどうかを、温度検出器24による検出温度に基づき判定する。
ST4において、ジャケット冷却水の温度Tが設定温度であれば、ST5に進んで、制御装置30は設定温度のジャケット冷却水を加熱器3に供給し続けて造水を行う。
一方で、ST4においてジャケット冷却水の温度Tが設定温度ではなく設定温度よりも低いと、ST7に進み、加熱器3に供給するジャケット冷却水の温度を設定温度まで上昇させる必要があるので、制御装置30は、温度検出器15による検出温度に基づき第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも高いかどうかを判定する。
ST7において、第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも高い場合には、制御装置30は、次のST8で、流量調整弁14を所定の量だけ開いて、第1循環路9から掃気空気冷却水を熱交換器16に導き、熱交換器16において、加熱器3に供給されるジャケット冷却水を掃気空気冷却水により加熱する。そして、制御装置30は、次のST9において、温度検出器27の検出温度に基づいて、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度T2が設定温度であるかを判定し、設定温度である場合には、流量調整弁14を所定の量開けた状態で造水を行う(ST10)。
また、ST9において、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度が設定温度より低い場合には、制御装置30は、ST11に進んで、流量計14Aの検出量に基づいて、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁14が全開でない場合には、ST12に進み、流量調整弁14を調整して、第1循環路9から熱交換器16に導かれる掃気空気冷却水の流量を増加させることで、熱交換器16において、加熱器3に供給されるジャケット冷却水をさらに加熱する。そして、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度が設定温度となると(ST9の判定がYES)、流量調整弁14を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST10)。一方で、ST11において、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)である場合には、ST13に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を減少させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を上昇させて、ST1に戻る。
ST7に戻り、第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも低い場合には、ST14に進み、制御装置30は、流量調整弁14を開くことなく、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を減少させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を上昇させて、ST1に戻る。
ST6に戻り、ジャケット冷却水の温度Tが設定温度よりも高いと、加熱器3に供給するジャケット冷却水の温度を設定温度まで低下させる必要があるので、ST15に進み、制御装置30は、温度検出器15による検出温度に基づき第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも低いかどうかを判定する。
ST15において、第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも低い場合には、ST16に進み、制御装置30は、流量調整弁14を所定の量だけ開いて、第1循環路9から掃気空気冷却水を熱交換器16に導き、熱交換器16において、加熱器3に供給されるジャケット冷却水を掃気空気冷却水により冷却する。そして、制御装置30は、次のST17において、温度検出器27の検出温度に基づいて、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度が設定温度であるかを判定し、設定温度である場合には、流量調整弁14を所定の量開けた状態で造水を行う(ST18)。
また、ST17において、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度が設定温度より高い場合には、ST19に進み、制御装置30は、流量計14Aの検出量に基づき、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁14が全開でない場合には、ST20において、流量調整弁14を調整して、第1循環路9から熱交換器16に導かれる掃気空気冷却水の流量を増加させることで、熱交換器16において、加熱器3に供給されるジャケット冷却水をさらに冷却する。そして、熱交換器16による温度調整後の加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度が設定温度となると(ST17の判定がYES)、流量調整弁14を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST18)。一方で、ST19において、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)である場合には、ST21に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
ST15に戻り、第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度よりも高い場合には、制御装置30は、流量調整弁14を開くことなく、次のST22において、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
この実施形態の造水システム1においては、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水を第2循環路10から加熱器3に導いて造水装置2における造水に用いているが、ジャケット冷却水が加熱器3に導かれるまでの途中に熱交換器16が設けられ、熱交換器16において、掃気空気冷却水により、ジャケット冷却水の温度調整がなされている。これにより、ディーゼルエンジン4から排出されるジャケット冷却水の温度が上昇又は低下する場合であっても、加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度を、造水装置2における造水に適切な温度に調整できるので、造水装置2において十分な量の淡水を得るための熱量を確保することができる。ジャケット冷却水の温度は、ディーゼルエンジン4の高効率化に伴い、低下する傾向にあるので、ジャケット冷却水単独では、造水装置2における造水に用いることは困難であったが、この実施形態の造水システム1によれば、安定した温度(熱量)のジャケット冷却水を造水装置2(加熱器3)に供給することができる。
次に、図7は、本発明の第2実施形態に係る造水システム1´の概略構成図である。第2実施形態に係る造水システム1´は、海水を加熱するための加熱器3を有する造水装置2を備えるとともに、過給機5からディーゼルエンジン4に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器6に冷却水(掃気空気冷却水)を循環させる第1冷却水流路7と、ディーゼルエンジン4を冷却する冷却水(ジャケット冷却水)を循環させる第2冷却水流路8と、第1冷却水流路7から分流した後に第1冷却流路7に還流する第1循環路9と、第2冷却水流路8から分流した後に第2冷却流路9に還流する第2循環路10とを備える。
上述した第1実施形態に係る造水システム1は、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった第1冷却水流路7の掃気空気冷却水又はディーゼルエンジン4の冷却により高温となった第2冷却水流路8のジャケット冷却水のいずれか一方だけを加熱器3に導くことで、海水を加熱している。これに対して、この第2実施形態に係る造水システム1´は、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった第1冷却水流路7の掃気空気冷却水及びディーゼルエンジン4の冷却により高温となった第2冷却水流路8のジャケット冷却水をともに加熱器3に導くことが可能となっており、状況に応じて、掃気冷却水及びジャケット冷却水のいずれか一方で、あるいは掃気冷却水及びジャケット冷却水の双方により海水を加熱可能となっている。
第2実施形態に係る造水システム1´において、造水装置2、ディーゼルエンジン4、過給機5、空気冷却器6、第1冷却水流路7、第2冷却水流路8の構成は、上述した第1実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成には同一の符号を付すことで、詳細な説明は省略する。また、以下においても、第1実施形態の構成と対応する構成には同一の符号を付している。
第1循環路9は、空気冷却器6において掃気空気を冷却して高温となった掃気空気冷却水を加熱器3に導く管路である。第1循環路9には、加熱器3の上流側に、順に、温度検出器15と、流量調整弁14とが設けられている。流量調整弁14は、第1冷却水流路7から第1循環路9へ分流する掃気空気冷却水(加熱器3に導かれる掃気空気冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁14には、流量計14Aが備えられている。温度検出器15は、加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の温度を測定するためのものである。この流量調整弁14及び温度検出器15は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量計14Aが監視され、流量調整弁14の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器15が監視されている。
また、第1循環路9には、加熱器3の下流側に、順に、温度検出器18と、流量調整弁19とが設けられている。温度検出器18は、加熱器3から排出される掃気空気冷却水の温度を測定するためのものである。流量調整弁19は、第1循環路9から第1冷却水流路7へ還流する掃気空気冷却水(加熱器3から排出される掃気空気冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁19には、流量計が備えられていてもよい。温度検出器18及び流量調整弁19は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁19の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器18が監視されている。
第2循環路10は、ディーゼルエンジン4の冷却により高温となったジャケット冷却水を加熱器3に導く管路である。第2循環路10には、加熱器16の上流側に、順に、温度検出器24と、流量調整弁23とが設けられている。流量調整弁23は、第2冷却水流路8から第2循環路10へ分流するジャケット冷却水(加熱器3に導かれるジャケット冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁23には、流量計23Aが備えられている。温度検出器24は、加熱器3に導かれるジャケット冷却水の温度を測定するためのものである。この流量調整弁23及び温度検出器24は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量計23Aが監視され、流量調整弁23の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器24が監視されている。
また、第2循環路10には、加熱器3の下流側に、順に、温度検出器25と、流量調整弁26とが設けられている。温度検出器25は、加熱器3から排出されるジャケット冷却水の温度を測定するためのものである。流量調整弁26は、第2循環路10から第2冷却水流路8へ還流するジャケット冷却水(加熱器3から排出されるジャケット冷却水)の流量を調整するためのものである。流量調整弁26には、流量計が備えられていてもよい。温度検出器25及び流量調整弁26は、制御装置30に接続されており、制御装置30により、流量調整弁26の開閉状態が制御されているとともに、温度検出器25が監視されている。
次に、図8及び図9を参照して、第2実施形態に係る造水システム1´による造水方法を説明する。図8及び図9に示す各ステップは、制御装置30が図示しないメモリに格納されたコンピュータプラグラムを読み出して実行することにより行われる。なお、図8及び図9においては、掃気空気冷却水をQ、ジャケット冷却水をJで表している。
まず、制御装置30は、ST1で、第1冷却水流路7から第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度T及び第2冷却水流路8から第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度T、さらには、第1冷却水流路7から第1循環路9へ供給可能な掃気空気冷却水の流量Q及び第2冷却水流路8から第2循環路10へ供給可能なジャケット冷却水の流量Qから算出される熱量(T×Q及びT×Q)に基づき、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の少なくともどちらか一方が、造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしているかどうかを判定する。
ST1において、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の少なくともどちらか一方の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、ST2に進み、制御装置30は、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれの熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしているかを確認する。掃気空気冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、ST3に進み、制御装置30は、流量制御弁14を開き、第1循環路9から掃気冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST4において、第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度Tが設定温度であるかどうかを、温度検出器15による検出温度に基づき判定する。
ST4において、掃気空気冷却水の温度Tが設定温度であれば、ST5に進んで、制御装置30は設定温度の掃気空気冷却水を加熱器3に供給し続けて造水を行う。一方で、ST4において、掃気空気冷却水の温度Tが設定温度でない場合には、掃気空気冷却水の温度を設定温度まで上昇又は低下させる必要があるため、ST6に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13に送られる冷却水の量を調整するとともに流量制御弁12を調整して第1冷却水流路7を流れる掃気空気冷却水の量を調整して、第1冷却水流路7を流れる(つまりは第1循環路9に供給される)掃気空気冷却水の温度を調整する。そして、ST1に戻る。
一方で、ST2において、ジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、ST7に進み、制御装置30は、流量制御弁23を開き、第2循環路10からジャケット冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST8において、第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度Tが設定温度であるかどうかを、温度検出器24による検出温度に基づき判定する。
ST8において、ジャケット冷却水の温度Tが設定温度であれば、ST9に進んで、制御装置30は設定温度のジャケット冷却水を加熱器3に供給し続けて造水を行う。一方で、ST8において、ジャケット冷却水の温度Tが設定温度でない場合には、ジャケット冷却水の温度を設定温度まで上昇又は低下させる必要があるため、ST10に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器22に送られる冷却水の量を調整するとともに流量制御弁21を調整して第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水の量を調整して、第2冷却水流路8を流れる(つまりは第2循環路10に供給される)ジャケット冷却水の温度を調整する。そして、ST1に戻る。
なお、ST1において、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれの熱量も造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれで造水を行うかをユーザーが予め初期設定しておき、ST2においては、例えば予め掃気冷却水が設定されているかどうかにより判定が行われる。
また、ST1において、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれの熱量も造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしていない場合には、ST11に進み、制御装置30は、第1冷却水流路7から第1循環路9を流れる掃気空気冷却水の温度T及び第2冷却水流路8から第2循環路10を流れるジャケット冷却水の温度Tが造水可能温度範囲内にあるかどうかを、温度検出器15及び温度検出器24による検出温度に基づき判定する。
ST11において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にない場合、冷却水の温度を上昇又は低下させる必要があるため、ST12に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を調整するとともに流量制御弁12及び流量制御弁21を調整して第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる冷却水の量を調整して、第1冷却水流路7及び第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び第2循環路10に供給されることになる)冷却水の温度を調整する。そして、ST1に戻る。
ST11において、掃気空気冷却水の温度T及びジャケット冷却水の温度Tがともに造水可能温度範囲内にある場合、ST13に進んで、制御装置30は、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれの冷却水を主に造水装置2の熱源として用いるかどうかを判定する。この判定においては、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれの冷却水を主に造水装置2の熱源として用いるかをユーザーが予め初期設定しておき、例えば予め掃気冷却水が設定されているかどうかにより判定が行われる。
掃気空気冷却水が主に造水装置2の熱源として用いると初期設定されている場合には、ST14に進み、制御装置30は、流量制御弁14を全開にし、第1循環路9から掃気空気冷却水を加熱器3に導くとともに、流量制御弁23を所定量だけ開き、第2循環路10からジャケット冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST15において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の温度及び流量に基づき、造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしているかどうかを判定する。ST15において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、ST16に進んで、制御装置30は、流量調整弁23を所定の量開けた状態で造水を行う。
一方で、ST15において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしていない場合には、ST17に進んで、制御装置30は、流量計23Aの検出量に基づき、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁23が全開でない場合には、ST18において、流量調整弁23を調整して、第2循環路10から加熱器3に導かれるジャケット冷却水の流量を増加させることで、加熱器3に導かれるジャケット冷却水の熱量を上昇させる。そして、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たすと、(ST15の判定がNO)、流量調整弁23を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST16)。これに対して、ST17において、流量調整弁23が全開(100%開いた状態)である場合には、ST19に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
ST13に戻り、ジャケット冷却水が主に造水装置2の熱源として用いると初期設定されている場合には、ST13が「NO」となってST20に進み、制御装置30は、流量制御弁23を全開にし、第2循環路10からジャケット冷却水を加熱器3に導くとともに、流量制御弁14を所定量だけ開き、第1循環路9から掃気空気冷却水を加熱器3に導いて造水を開始する。次に、制御装置30は、ST21において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の温度及び流量に基づき、造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしているかどうかを判定する。ST21において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしている場合には、ST22に進んで、制御装置30は、流量調整弁23を所定の量開けた状態で造水を行う。
一方で、ST21において、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たしていない場合には、ST23に進んで、制御装置30は、流量計14Aの検出量に基づき、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)であるかどうかを判定し、流量調整弁14が全開でない場合には、ST24において、流量調整弁14を調整して、第1循環路9から加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の流量を増加させることで、加熱器3に導かれる掃気空気冷却水の熱量を上昇させる。そして、加熱器3に導かれている掃気空気冷却水及びジャケット冷却水の熱量が造水装置2の熱源として必要な熱量を満たすと、(ST21の判定がNO)、流量調整弁14を所定の量からさらに開けた状態で造水を行う(ST22)。これに対して、ST23において、流量調整弁14が全開(100%開いた状態)である場合には、ST25に進み、制御装置30は、セントラル冷却器より冷却器13及び/又は冷却器22にそれぞれ送られる冷却水の量を増大させて、第1冷却水流路7及び/又は第2冷却水流路8を流れる(つまりは第1循環路9及び/又は第2循環路10に供給される)冷却水の温度を低下させて、ST1に戻る。
上述した第2実施形態の造水システム1´によれば、第1冷却水流路7を流れる掃気冷却水を第1循環路9から加熱器3に導くとともに、第2冷却水流路8を流れるジャケット冷却水を第2循環路10から加熱器3に導いて造水装置2における造水に用いている。これにより、空気冷却器6から排出される掃気冷却水の温度が上昇又は低下したり、ディーゼルエンジン4から排出されるジャケット冷却水の温度が上昇又は低下したりする場合であっても、加熱器3に導かれる掃気冷却水及びジャケット冷却水の温度及び流量を適切に調整することで、造水装置2において十分な量の淡水を得るための熱量を確保することができる。ジャケット冷却水の温度は、ディーゼルエンジン4の高効率化に伴い、低下する傾向にあるうえ、掃気冷却水の温度が変動した場合には、ジャケット冷却水又は掃気空気冷却水の単独では、造水装置2における造水に用いることは困難となるが、第2実施形態の造水システム1´によれば、安定した熱量の冷却水を造水装置2(加熱器3)に供給することができる。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、第2実施形態の造水システム1´において、図10に示すように、第1循環路9の加熱器3よりも上流側の部分と、第2循環路10の加熱器3よりも上流側の部分とを接続する第1接続路28を設けるとともに、第1循環路9の加熱器3よりも下流側の部分と、第2循環路10の加熱器3よりも下流側の部分とを接続する第2接続路29を設ける。そのうえで、第1接続路28に流量調整弁31を設けるとともに、第2接続路29に流量調整弁32を設けてもよい。各流量調整弁31,32は、第1循環路9から第2循環路10へ分流・還流する又は第2循環路10から第1循環路9へ分流・還流する冷却水の流量を調整するためのものであり、制御装置30に接続され、制御装置30により、流量調整弁31,32の開閉状態が制御される。
この図10の実施形態の造水システム1´では、掃気空気冷却水及びジャケット冷却水のいずれか一方の冷却水のみを用いて造水を行う場合、例えば、ジャケット冷却水を用いて造水を行う場合には、通常(図7の実施形態)では、流量制御弁14,19を閉じ、流量制御弁23,26を開くことで、第2循環路10によってジャケット冷却水のみを加熱器3に導くが、この場合において、流量制御弁31,32を開き、第2循環路10を流れるジャケット冷却水を第1接続路28から第1循環路9に分流させることで、第1循環路9によってもジャケット冷却水を加熱器3に導いて、造水を行う。そして、加熱器3から排出される第1循環路9のジャケット冷却水は、第2接続路29から第1循環路9に還流させることで、全て第2冷却水流路8に戻る。この図10の実施形態の造水システム1´によると、第2循環路10だけでなく、通常は未使用の第1循環路9を使ってジャケット冷却水を加熱器3に導いて、加熱器3にて海水との熱交換を行うことで、加熱器3の伝熱面(熱交換に用いる部分)を余らせることなく有効に利用することができる。これにより、造水装置2の熱源(掃気空気冷却水又はジャケット冷却水)の変更があった場合でも、これに関わらず、造水装置2の運転効率を常に最高の状態に保つことができるので、有効である。
なお、この図10の実施形態の造水システム1´において、掃気空気冷却水を用いて造水を行う場合には、通常(図7の実施形態)では、流量制御弁23,26を閉じ、流量制御弁14,19を開くことで、第1循環路9によって掃気冷却水のみを加熱器3に導くが、この場合において、流量制御弁31,32を開き、第1循環路9を流れる掃気冷却水を第1接続路28から第2循環路10に分流させることで、第1循環路9だけでなく、第2循環路10によっても掃気冷却水を加熱器3に導いて、造水を行うことができる。
1,1´ 造水システム
2 造水装置
3 加熱器
7 第1冷却水流路
8 第2冷却水流路
9 第1循環路
10 第2循環路
30 制御装置

Claims (10)

  1. 船舶に搭載した内燃機関からの廃熱を利用して、船舶に導入された海水から淡水を製造する造水システムにおいて、
    海水を加熱する加熱器を有する造水装置と、
    過給機から内燃機関に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器に冷却水を循環させる第1冷却水流路と、
    内燃機関を冷却する冷却水を循環させる第2冷却水流路と、
    前記第1冷却水流路から分流した後に前記第1冷却流路に還流する第1循環路と、
    前記第2冷却水流路から分流した後に前記第2冷却流路に還流する第2循環路と、を備え、
    前記第1循環路を流れる冷却水又は前記第2循環路を流れる冷却水が前記加熱器に導かれて海水と熱交換するように構成されており、
    前記第1循環路及び前記第2循環路のうち、前記加熱器に導かれる冷却水が流れる循環路には、前記加熱器の上流側に、当該循環路を流れる冷却水と他の循環路を流れる冷却水とを熱交換させる熱交換器が設けられ、前記他の循環路には、前記熱交換器の上流側に、前記熱交換器に導かれる冷却水の流量を調整する流量調整弁が設けられている造水システム。
  2. 前記第1循環路及び前記第2循環路のうち、前記加熱器に導かれる冷却水が流れる循環路には、前記熱交換器の上流側及び下流側に第1温度検出器及び第2温度検出器が設けられ、前記他の循環路には、前記熱交換器の上流側に、第3温度検出器が設けられている請求項に記載の造水システム。
  3. 前記第1温度検出器、前記第2温度検出器、前記第3温度検出器及び前記流量調整弁に接続された制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも低い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも高い場合に、前記流量調整弁を開いて当該冷却水を前記熱交換器に導く請求項に記載の造水システム。
  4. 前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも高い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも低い場合に、前記流量調整弁を開いて当該冷却水を前記熱交換器に導く請求項に記載の造水システム。
  5. 前記第1冷却水流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の造水システム。
  6. 前記第1冷却水流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備え、
    前記制御装置は、前記加熱器に導かれる冷却水の温度が設定温度よりも高い場合、前記他の循環路の冷却水の温度を計測し、当該温度が設定温度よりも高い場合に、前記セントラル冷却器を制御して、前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水の温度を低下させる請求項4に記載の造水システム。
  7. 船舶に搭載した内燃機関からの廃熱を利用して、船舶に導入された海水から淡水を製造する造水システムにおいて、
    海水を加熱する加熱器と、
    過給機から内燃機関に供給される燃焼用空気を冷却する空気冷却器に冷却水を循環させる第1冷却水流路と、
    内燃機関を冷却する冷却水を循環させる第2冷却水流路と、
    前記第1冷却水流路から分岐した後に前記第1冷却流路に還流する第1循環路と、
    前記第2冷却水流路から分岐した後に前記第2冷却流路に還流する第2循環路と、を備え、
    前記第1循環路を流れる冷却水及び前記第2循環路を流れる冷却水が前記加熱器に導かれて海水と熱交換するように構成されており、
    前記第1循環路には、前記加熱器の上流側に、第1温度検出器と、前記加熱器に導かれる冷却水の流量を調整する第1流量調整弁とが設けられ、
    前記第2循環路には、前記加熱器の上流側に、第2温度検出器と、前記加熱器に導かれる冷却水の流量を調整する第2流量調整弁とが設けられている造水システム。
  8. 前記第1冷却流路及び前記第2冷却水流路を流れる冷却水を冷却するためのセントラル冷却器をさらに備える請求項7に記載の造水システム。
  9. 前記第1温度検出器、前記第2温度検出器、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁に接続された制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記第1循環路及び前記第2循環路から前記加熱器にそれぞれ導かれる冷却水の熱量が、所定の熱量よりも低い場合、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁をともに開いて前記冷却水を前記加熱器に導く請求項7又は8に記載の造水システム。
  10. 前記制御装置は、前記第1流量調整弁及び前記第2流量調整弁のいずれか一方の流量調整弁を全開にし、他方の流量調整弁の開く量を調整することで、前記第1循環路及び前記第2循環路から前記加熱器にそれぞれ導かれる冷却水の熱量を所定の熱量とする請求項9に記載の造水システム。
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