JP6508682B2 - ステータ用巻線およびステータ - Google Patents

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Description

本発明は、ステータ用巻線およびステータに関するものである。
従来、ステータコアのスロットに挿入されるステータ用巻線は、導線の周りに均一な厚さの絶縁性の被膜を有する。そして、ステータ用巻線は、該巻線とスロットの内面との間に絶縁紙を介在させてスロットに挿入されている。
ここで、巻線の導体部の基本断面形状の各辺が湾曲した断面形状を有することで、巻線の断面が外形的にほぼ多角形状となるコイル巻線が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ステータコアのスロットから延出したコイルエンド部に付加絶縁層を備えるセグメントコイルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−90441号公報 特開2015−35866号公報
ところで、巻線とスロットの内面との間に絶縁紙を介在させる場合、ステータの製造時に絶縁紙に破れや潰れ等が生じることがある。このため、ステータに絶縁紙を設ける場合、ステータの製造性が低下する場合がある。また絶縁紙を設ける場合、絶縁紙を切断する工程や、切断した絶縁紙をスロットに挿入する工程等が必要になる。この観点でも、ステータに絶縁紙を設ける場合、ステータの製造性が低下する場合がある。
一方で、絶縁紙を省略するために巻線の被膜を全体的に厚く形成することが考えられる。ただしこの場合、巻線の厚い被膜によってスロット内の占積率が低下する場合がある。占積率が低下すると、回転電機の性能低下や大型化等を招く場合がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高い占積率を確保しつつ、ステータの製造性の向上を図ることができるステータ用巻線およびステータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項に記載した発明では、ステータ用巻線は、ステータコアのスロット内に互いに重ねて配置される複数の巻線部を有し、前記複数の巻線部の各々は、通電性の導線と、前記導線を覆う絶縁性の被膜とを有し、1つの前記巻線部を断面視した場合に、前記被膜は、前記ステータコアの周方向において前記導線と前記ステータコアとの間に配置される第1絶縁部と、前記ステータコアの径方向において前記導線と別の前記巻線部との間に配置される第2絶縁部とを含み、前記第2絶縁部の前記径方向の最大厚さは、前記第1絶縁部の前記周方向の最大厚さよりも薄く、前記第1絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入る第1凹部(例えば、実施形態における第1凹部91)を有し、前記第2絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入る複数の第2凹部(例えば、実施形態における第2凹部92)を有するとともに、前記複数の第2凹部の間に前記ステータコアの径方向において別の前記巻線部と向かい合う平面部(例えば、実施形態における平面部52b)を有し、前記ステータコアの径方向における前記第1凹部の幅は、前記ステータコアの周方向における前記複数の第2凹部の各々の幅よりも大きく形成されたことを特徴とする。
請求項に記載した発明では、前記第1凹部は、前記巻線部の外部に隣り合う第1部分(例えば、実施形態における第1部分111)と、前記第1部分よりも前記巻線部の中心側に設けられた第2部分(例えば、実施形態における第2部分112)とを有し、前記第1部分が前記第2部分よりも狭いことで前記第1絶縁部の一部と前記導線との間に位置する前記第2部分の端部に前記接着剤の一部が入り込む溜まり部(例えば、実施形態における逃げ部112a)が設けられたことを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項に記載した発明では、ステータは、スロットを有したステータコアと、前記スロット内に互いに重ねて配置された複数の巻線部を有したステータ用巻線と、を備え、前記複数の巻線部の各々は、通電性の導線と、前記導線を覆う絶縁性の被膜とを有し、1つの前記巻線部を断面視した場合に、前記被膜は、前記ステータコアの周方向において前記導線と前記ステータコアとの間に配置された第1絶縁部と、前記ステータコアの径方向において前記導線と別の前記巻線部との間に配置された第2絶縁部とを含み、前記第2絶縁部の前記径方向の最大厚さは、前記第1絶縁部の前記周方向の最大厚さよりも薄く、前記第1絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入った第1凹部を有し、前記第2絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入った複数の第2凹部を有するとともに、前記複数の第2凹部の間に前記ステータコアの径方向において別の前記巻線部と向かい合う平面部を有し、前記ステータコアの径方向における前記第1凹部の幅は、前記ステータコアの周方向における前記複数の第2凹部の各々の幅よりも大きく形成されたことを特徴とする。
請求項1,3に記載した発明によれば、前記第1絶縁部に比べて前記第2絶縁部が薄いため、高い占積率を確保することができる。また、前記第1絶縁部が比較的厚いため、少なくともステータコアの周方向において絶縁紙を介在させることなく、巻線をスロット内に配置することができる。これにより、絶縁紙に起因する不具合を抑制することができ、ステータの製造性の向上を図ることができる。
請求項1,3に記載した発明によれば、絶縁性の接着剤が入る凹部が被膜の表面に設けられるため、巻線部とステータコアとの間の接着力を高めることができる。これにより、例えば振動等に強いステータを提供することができる。
第1の実施形態の回転電機の全体構成を示す断面図である。 第1の実施形態のステータの一部を示す断面図である。 第1の実施形態のセグメントコイルを示す斜視図である。 第1の実施形態の巻線の断面構成を示す斜視図である。 図2中に示されたステータのF5線で囲まれた領域を拡大して示す断面図である。 第1の実施形態の巻線の製造過程の様子を示す断面図である。 第2の実施形態のステータの一部を示す断面図である。 第3の実施形態のステータの一部を示す断面図である。 実施形態のいくつかの変形例に係るステータの一部を示す断面図である。 実施形態の別の変形例に係るステータの一部を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、略同じまたは類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、図1から図6を参照し、第1の実施形態のステータ用巻線12およびステータ3について説明する。
図1は、本実施形態のステータ3を含む回転電機1の全体構成を示す。
回転電機1は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限らず、発電用モータやその他用途のモータにも適用可能であり、また車両に搭載される以外の回転電機にも適用可能である。本実施形態の回転電機1は、例えば分布巻モータである。
図1に示すように、回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5とを備える。
ケース2は、例えばステータ3およびロータ4を収容する筒状に形成されている。
ステータ3は、環状に形成されて、例えばケース2の内周面に取り付けられている。ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に取り付けられたステータ用巻線12とを有し、ロータ4に対して回転磁界を作用させる。
ロータ4は、例えば、ロータコアと、ロータコアに取り付けられた磁石とを有し、ステータ3の内側で回転駆動される。
出力シャフト5は、ロータ4に接続されてロータ4の回転を駆動力として出力する。
ここで、ステータコア11の軸方向Z、径方向R、および周方向θ(図2参照)について定義する。ステータコア11の軸方向Zは、出力シャフト5の回転中心軸Cと略平行に延びた方向である。ステータコア11の径方向Rは、回転中心軸Cから放射状に離れる方向およびその反対方向(回転中心軸Cに近付く方向)である。ステータコア11の周方向θは、回転中心軸Cから一定の距離を保ちながら回転中心軸Cの周りを回転する方向である。
次に、ステータ3について詳しく説明する。
図2は、ステータ3の一部を示す断面図である。
図2に示すように、ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に取り付けられたステータ用巻線12とを有する。
ステータコア11は、ロータ4を囲む環状に形成されている。ステータコア11は、例えば周方向θに分割された複数のピースが互いに連結されることで形成される分割型ステータコアでもよく、複数枚の電磁鋼鈑が軸方向Zに積層されることで形成される積層型ステータコアでもよい。
ステータコア11は、環状のヨーク部21と、複数のティース部22と、複数のスロット23とを有する。複数のティース部22は、ヨーク部21からステータコア11の径方向Rの内側に向けて突出している。各スロット23は、ステータコア11の周方向θにおいて互いに隣り合う2つのティース部22の間に形成されている。このため、複数のスロット23は、ステータコア11の周方向θに並んで配置されている。各スロット23は、ステータコア11の軸方向Zにステータコア11を貫通している。各スロット23の内面23iは、ステータコア11の周方向θに互いに離れた一対の側面23sを有する。一対の側面23sは、例えば互いに略平行である。
ステータ用巻線12(以下、単に「巻線」と称する。)は、ステータコア11のスロット23に挿入されてステータコア11に装着されている。巻線12は、U相、V相、W相からなる3相コイルである。本実施形態の巻線12は、互いに連結されて使用される複数のセグメントコイル(分割導線)30によって形成されている。
図3は、巻線12に含まれる1つのセグメントコイル30を示す斜視図である。
図3に示すように、1つのセグメントコイル30は、複数(例えば4つ)のセグメント導体31を有する。各セグメント導体31は、通電性の導線50と、導線を覆う絶縁性の被膜52とを有する。各セグメント導体31の断面形状は、長方形状に形成されている。なお本願で言う「断面」または「断面形状」とは、ステータコア11の軸方向Zに略直交する平面に沿う断面または断面形状を意味する。同一のスロット23に挿入される複数のセグメント導体31は、セグメント導体31の主面同士を互いに向かい合わせにして、1列に重ねられている。1つのセグメントコイル30に含まれる複数のセグメント導体31には、U相、V相、W相の3相のうち、互いに同相の電流が流れる。
図3に示すように、各セグメント導体31は、2つの直線部40A,40Bと、第1接続部41と、2つの第2接続部42A,42Bとを有する。2つの直線部40A,40Bは、互いに異なるスロット23に分かれて収容される。複数のスロット23に分かれて収容される複数のセグメントコイル30の直線部40A,40Bは、ステータコア11の周方向θにおいて、U相、U相、V相、V相、W相、W相、U相、U相、…の順に配列されている。第1接続部41は、スロット23の外部に配置されるとともに、2つの直線部40A,40Bの端部同士を接続している。第2接続部42A,42Bは、直線部40A,40Bに対して第1接続部41とは反対側に位置するとともに、スロット23の外部に配置されている。一方の第2接続部42Aは、別のセグメントコイル30の第2接続部42BとTIG溶接やレーザ溶接等で接合される。他方の第2接続部42Bは、さらに別のセグメントコイル30の第2接続部42AとTIG溶接やレーザ溶接等で接合される。これにより、複数のセグメントコイル30が順次連結されている。なお以下の説明において、2つの直線部40A,40Bを互いに区別する必要がない場合は、単に「直線部40」と称する。
次に、巻線12の断面構成について詳しく説明する。
図4は、巻線12の断面構成を示す図である。
図4に示すように、巻線12の各セグメント導体31は、導線50と、第1被膜51と、第2被膜52とを有する。
導線50は、例えば、断面が長方形状に形成された平角線である。なお本願で言う「長方形状」とは、角部に丸みを有した長方形状を含む。導線50の材料は、例えば銅であるが、銅以外の金属材料等でもよい。また本願で言う「導線」とは、1つの金属線(例えば銅線)で形成されたものに限らず、複数の金属線が束ねられることで形成された導線も含む。このため、本願で言う「導線」は、「導体部」または「導線部」のような表現に読み替えることもできる。
本実施形態の導線50は、一対の第1平面部50aと、一対の第2平面部50bとを有する。第1平面部50aは、導線50の断面形状(長方形状)の長手方向とは略直交した方向に沿う平面部である。一方で、第2平面部50bは、導線50の断面形状の長手方向に沿う平面部である。すなわち、第2平面部50bは、第1平面部50aに比べて面積が大きい。
第1被膜51は、導線50の表面に沿って設けられている。第1被膜51は、巻線12を断面視した場合に、導線50を囲むように設けられ、導線50の全周囲を覆っている。第1被膜51は、絶縁性を有するとともに、例えば第2被膜52に比べて耐熱性等で優れた材料で形成されている。第1被膜51は、例えばエナメル層である。第1被膜51は、導線50の全周囲において略均一の厚さを有する。
一方で、第2被膜52は、本願で言う「被膜」の一例である。第2被膜52は、第1被膜51の外周側に設けられている。第2被膜52は、巻線12を断面視した場合に、導線50を囲むよう(すなわち第1被膜51を囲むよう)に設けられ、導線50の全周囲を覆っている。第2被膜52は、押出成形により形成された合成樹脂部であり、絶縁性を有する。第2被膜52の材料は、例えば熱可塑性樹脂であり、具体的な一例としてはPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)である。なお、第2被膜52の材料は、上記例に限定されず、その他の材料でもよい。また場合により、第1被膜51の無い構成であってもよい。
図5は、図2中に示されたステータ3のF5線で囲まれた領域を拡大して示す断面図である。なお図5以降の図は、説明の便宜上、第1被膜51の図示を省略した簡略図で示す。また以下の説明では、第2被膜52を単に「被膜52」と称する。
図5に示すように、1つのセグメントコイル30に含まれる複数のセグメント導体31の直線部40は、スロット23内に互いに重ねて配置される。例えば、これら複数の直線部40は、ステータコア11の径方向Rにおいて互いに重ねて配置される。各直線部40は、本願で言う「巻線部」の一例である。このため以下の説明では、「直線部40」を「巻線部40」と称する。なお、本願において「互いに重ねて配置される」とは、複数の部材が互いに接する場合に限られず、複数の部材の間に接着剤等が入り込み、複数の部材が直接に接していない場合も含む。
そして、図5に示すように、各巻線部40の被膜52は、一対の第1絶縁部61と、一対の第2絶縁部62とを有する。
第1絶縁部61は、1つの巻線部40を断面視した場合に、ステータコア11の周方向θにおいて導線50とステータコア11との間に配置される。すなわち、第1絶縁部61は、ステータコア11の周方向θにおいて、導線50とスロット23の側面23s(すなわちティース部22)との間に配置される。
第1絶縁部61は、導線50の第1平面部50aを覆っている。第1絶縁部61は、第1平面部50aと略平行な第3平面部52aを有する。第3平面部52aは、第1平面部50aに比べて大きい。第3平面部52aは、第1絶縁部61の表面のなかで、ステータコア11の周方向θにおいて第1平面部50aから最も離れた位置(被膜52の最外周面)に配置されている。本実施形態では、一対の第3平面部52aの間の距離は、ステータコア11の周方向θにおけるスロット23の幅(すなわち、一対の側面23sの間の幅)と略同じである。本実施形態の巻線12は、少なくともステータコア11の周方向θにおいて該巻線12とステータコア11との間に絶縁紙を介在させることなく、スロット23内に収容されている。このため、一対の第3平面部52aの一方または双方は、ティース部22によって形成されたスロット23の側面23sに直接に接する。
一方で、第2絶縁部62は、1つの巻線部40を断面視した場合に、ステータコア11の径方向Rにおいて導線50と別の巻線部40との間に配置される。なお「別の巻線部40」とは、断面視の対象である巻線部40とは別の巻線部40を意味し、例えば断面視の対象である巻線部40に対して隣に位置する巻線部40である。
第2絶縁部62は、導線50の第2平面部50bを覆っている。第2絶縁部62は、第2平面部50bと略平行な第4平面部52bを有する。第4平面部52bは、第2平面部50bに比べて大きい。第4平面部52bは、第2絶縁部62の表面のなかで、ステータコア11の径方向Rにおいて第2平面部50bから最も離れた位置(被膜52の最外周面)に配置されている。
第1絶縁部61および第2絶縁部62は、例えば密実に形成されている。なお本願で言う「密実」とは、内部に意図的な気泡(発泡剤による気泡など)を有しないことを意味する。
次に、被膜52の各部の厚さについて説明する。
図5に示すように、本実施形態では、第2絶縁部62は、第1絶縁部61に比べて薄く形成されている。詳しく述べると、ステータコア11の径方向Rにおける第2絶縁部62の最大厚さt2は、ステータコア11の周方向θにおける第1絶縁部61の最大厚さt1よりも薄い。なお本実施形態では、第2絶縁部62の最大厚さt2は、導線50の第2平面部50bと第2絶縁部62の第4平面部52bとの間の厚さである。第1絶縁部61の最大厚さt1は、導線50の第1平面部50aと第1絶縁部61の第3平面部52aとの間の厚さである。例えば、第2絶縁部62の最大厚さt2を1とすると、第1絶縁部61の最大厚さt1は1.5〜2.5程度の厚さを有する。
別の観点で見ると、本実施形態では、第1絶縁部61は、該第1絶縁部61のなかでステータコア11の径方向Rにおける中央部61cで、ステータコア11の周方向θに最大厚さt1を有する。同様に、第2絶縁部62は、該第2絶縁部62のなかでステータコア11の周方向θにおける中央部62cで、ステータコア11の径方向Rに最大厚さt2を有する。
本実施形態では、第1絶縁部61および第2絶縁部62は、互いに一体である押出成形部65である。そこで次に、巻線12の製造方法の一例について説明する。
図6は、巻線12の製造過程の様子を示す断面図である。
図6に示すように、まず、断面形状が円形の導線50が製造ラインのサプライ装置にセットされる(図6中の(a)参照)。この導線50は、インライン伸線機によって、断面形状が長方形状の平角線に塑性変形される(図6中の(b)参照)。次に、導線50は、アニーラ(焼鈍炉)に通されることで、焼鈍処理される(図6中の(c)参照)。次に、導線50の表面にワニスが塗布され、ワニスの焼付けが行われる。これにより、導線50の表面にエナメル層である第1被膜51が形成される(図6中の(c)参照)。
次に、導線50は、予熱機に通されて予熱される。その後、導線50は、押出機に通される。この押出機において、導線50は、第2被膜52を形成する樹脂材料が供給されるとともに、押出加工される。これにより、厚さが互いに異なる第1絶縁部61と第2絶縁部62とを含む第2被膜52が形成される。これにより、巻線12が形成される。その後、巻線12は、冷却槽に通されて冷却される。そして、巻線12の検査が行われる。これにより、巻線12が完成する。
次に、本実施形態の巻線12の作用について説明する。
本実施形態の巻線部40は、少なくともステータコア11の周方向θにおいて、導線50とステータコア11との間に絶縁紙を介在させることなく、スロット23内に配置される。本実施形態の巻線部40の被膜52は、ステータコア11の周方向θにおいて、導線50とステータコア11との間に比較的厚い第1絶縁部61を有する。ここで、巻線部40とステータコア11との間の電位差は、比較的高く、例えば約700Vである。しかしながら、本実施形態では、第1絶縁部61が比較的厚いため、絶縁紙を介在させることなく、導線50とステータコア11との間の絶縁性が十分に確保される。
一方で、本実施形態の巻線部40の被膜52は、ステータコア11の径方向Rにおいて導線50と別の巻線部40との間に比較的薄い第2絶縁部62を有する。ここで、ステータコア11の径方向Rにおいて互いに重ねられた複数の巻線部40の間の電位差は、巻線部40とステータコア11との間の電位差に比べて小さく、例えば650Vである。このため、第2絶縁部62が比較的薄くても、複数の巻線部40の間の絶縁性が十分に確保される。
以上のような構成の巻線12によれば、第2絶縁部62が比較的薄いため、各巻線部40に比較的太い導線50を配置することができる。このため、スロット23内で高い占積率を確保することができる。一方で、第1絶縁部61が比較的厚いため、少なくともステータコア11の周方向θにおいて絶縁紙を介在させることなく、スロット23内に巻線12を配置することができる。絶縁紙を省略することができると、絶縁紙に起因する不具合を抑制することができるため、ステータ3の製造性の向上を図ることができる。
本実施形態では、導線50は、平角線である。このような構成によれば、第1絶縁部61および第2絶縁部62の厚さを精度良く形成しやすくなる場合がある。例えば、被膜52が押出成形によって形成される場合、導線50が平角線であると、第1絶縁部61および第2絶縁部62の厚さを精度良く形成しやすくなる。このため、第1絶縁部61の厚さとして、導線50とステータコア11との間の絶縁性を十分に確保できる厚さのなかで、なるべく薄い厚さを実現しやすくなる。同様に、第2絶縁部62の厚さとして、導線50と隣の巻線部40との間の絶縁性を十分に確保できる厚さのなかで、なるべく薄い厚さを実現しやすくなる。このため、占積率をさらに向上させることができる。
本実施形態では、第1絶縁部61の表面は、導線50の第1平面部50aと略平行な第3平面部52aを有する。第3平面部52aは、第1絶縁部61の表面のなかで、ステータコア11の周方向θにおいて導線50の第1平面部50aから最も離れた位置に配置されている。このような構成によれば、第1絶縁部61の第3平面部52aがステータコア11に接することで、スロット23内で巻線部40の位置が安定しやすい。このため、ステータ3の組立作業を安定して行うことができ、ステータ3の製造性のさらなる向上を図ることができる。
本実施形態では、第2絶縁部62の表面は、導線50の第2平面部50bと略平行な第4平面部52bを有する。第4平面部52bは、第2絶縁部62の表面のなかで、ステータコア11の径方向Rにおいて導線50の第2平面部50bから最も離れた位置に配置されている。このような構成によれば、例えば第2絶縁部62の第4平面部52bが隣の巻線部40に接することで、巻線部40の位置が安定しやすい。このため、このため、ステータコア11に対する巻線部40の取り付けやすさ等が向上する。また、複数の巻線部40を互いに重ねて配置しやすくなる。これらにより、ステータ3の製造性の向上を図ることができる。
本実施形態では、第1絶縁部61および第2絶縁部62は、互いに一体である押出成形部65である。このような構成によれば、第1絶縁部61の厚さおよび第2絶縁部62の厚さを精度良く形成しやすくなる。このため、占積率を高めることができるとともに、ステータ3の製造性もさらに向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して、第2の実施形態のステータ用巻線12およびステータ3について説明する。本実施形態の巻線12は、該巻線12とステータコア11との間に冷媒が流入可能な凹部71を有する点で第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施形態の回転電機1は、ステータ3やロータ4等に冷媒を供給する図示しない冷媒供給システムを備える。冷媒供給システムは、ステータ3やロータ4等に向けて冷媒を供給する吐出口と、ケース2の底部に貯留される冷媒を前記吐出口に向けて送る冷媒通路および機械式ポンプと、冷媒通路を流れる冷媒を冷却する冷却器等を備える。冷媒の一例は、例えばAT(オートマチックトランスミッション)のトランスミッションにおいて潤滑および動力伝達等に用いられる作動油である。例えば、回転電機1は、ステータ3の一部が冷媒に浸かった状態で使用される。
本実施形態では、各巻線部40の被膜52の表面に、冷媒供給システムの吐出口から供給された冷媒が流入可能な凹部71が設けられている。凹部71は、例えば第1絶縁部61の表面に設けられている。詳しく述べると、凹部71は、第1絶縁部61の外周面から巻線部40の内側に向けて窪んでいる。ただし、凹部71は、導線50には達していない。凹部71の底部と導線50との間には、被膜52の一部が存在する。
図7に示すように、凹部71は、巻線部40を断面視した場合に、例えば逆台形状に形成されている。すなわち、凹部71は、底面80、第1斜面81、および第2斜面82を有する。底面80は、導線50に対して凹部71のなかで最も近くに配置されている。第1斜面81および第2斜面82は、底面80の両端から第1絶縁部61の外周面に向けて延びている。第1斜面81および第2斜面82は、底面80から第1絶縁部61の外周面に向けて進むに従い、第1斜面81と第2斜面82との間の間隔が徐々に広がるように互いに傾いている。このような形状の凹部71によれば、被膜52の強度を確保しつつ、凹部71に対する冷媒の流入抵抗を小さくすることができる。
また別の観点で見ると、本実施形態では、ステータコア11の径方向Rにおける凹部71の最大幅W1は、ステータコア11の径方向Rにおける導線50の厚さTと略同じである。また、ステータコア11の周方向θにおける凹部71の深さL1は、例えば凹部71の底面80と導線50との間の距離L2よりも大きい。また別の観点で見ると、ステータコア11の周方向θにおける凹部71の深さL1は、ステータコア11の径方向Rにおける第2絶縁部62の最大厚さt2よりも大きい。このような構成によれば、被膜52の強度を確保しつつ、冷媒が流入する凹部71の面積を大きく確保することができる。また、凹部71の深さL1が深いと、導線50の比較的近くに冷媒を流すことができる。
凹部71は、ステータコア11の軸方向Zにおいて、少なくとも巻線部(直線部)40の略全長に亘って設けられている。すなわち、凹部71は、ステータコア11の軸方向Zにおいて、ステータコア11の両側に開口している。このため、ステータコア11の軸方向Zにおいてステータコア11の一方の側に供給された冷媒は、巻線部40に設けられた凹部71を通る過程で導線50が発した熱の一部を奪い、ステータコア11の他方の側から排出される。これにより、ステータ3の冷却性能を向上させることができる。
以上を纏めると、本実施形態の構成は、巻線部40の被膜52の表面に、冷媒が流入可能な凹部71が設けられている。このような凹部71が設けられていると、回転電機1のなかで最も高温になりやすいステータコア11の内部(例えば巻線12の近く)を効果的に冷却することができる。これにより、ステータ3の冷却性能を向上させることができ、回転電機1の性能や寿命を向上させることができる。本実施形態では、冷却が流入する凹部71は、比較的厚く形成された第1絶縁部61の厚みを利用して設けられている。すなわち、比較的厚い第1絶縁部61を利用することで、大きな凹部71を設けることができる。このような大きな凹部71を設けることができると、ステータ3の冷却性能をさらに高めることができる。なお、凹部71が設けられる場所は、第1絶縁部61に限らない。凹部71は、例えば複数の巻線部40の間で絶縁性が確保される場合、第2絶縁部62に設けられてもよい。
(第3の実施形態)
次に、図8を参照して、第3の実施形態のステータ用巻線12およびステータ3について説明する。本実施形態の巻線12は、該巻線12とステータコア11との間に絶縁性の接着剤90が入る凹部91,92を有する点で第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施形態では、各巻線部40の被膜52の表面に、それぞれ絶縁性の接着剤90(例えばワニス)が含浸される第1凹部91および第2凹部92が設けられている。第1凹部91は、第1絶縁部61の表面に設けられている。第2凹部92は、第2絶縁部62の表面に設けられている。第1凹部91および第2凹部92は、被膜52の外周面から巻線部40の内部に向けて窪んでいる。ただし、第1凹部91および第2凹部92は、導線50には達していない。第1凹部91および第2凹部92の底部と導線50との間には、被膜52の一部が存在する。接着剤90は、例えばスロット23に複数の巻線部40が重ねて収容された後に、流動性がある状態でスロット23に供給される。これにより、接着剤90は、第1凹部91および第2凹部92の内部に流入して硬化する。第1凹部91に入った接着剤90は、巻線部40とステータコア11とを接着する。第2凹部92に入った接着剤90は、隣り合う2つの巻線部40を接着する。
図8に示すように、第1凹部91および第2凹部92の各々は、巻線部40を断面視した場合に、例えば逆台形状に形成されている。すなわち、第1凹部91および第2凹部92の各々は、第2実施形態の凹部71と同様に、底面80、第1斜面81、および第2斜面82を有する。このような形状の凹部91,92によれば、被膜52の強度を確保しつつ、第1凹部91および第2凹部92に対する接着剤90の流入抵抗を小さくすることができる。また、第1凹部91および第2凹部92が底面80に対して傾いた第1斜面81および第2斜面82を有すると、接着剤90が接着する接着面積が広くなる。これにより、巻線部40とステータコア11との間、および巻線部40同士の間の接着強度を高めることができる。また別の観点で見ると、ステータコア11の径方向Rにおける第1凹部91の最大幅W1は、ステータコア11の径方向Rにおける導線50の厚さTと略同じである。
本実施形態では、複数の第2凹部92は、ステータコア11の周方向θにおいて互いに離れた複数の位置に分かれて設けられている。言い換えると、複数の第2凹部92の間には、第4平面部52bが設けられている。このような構成によれば、第4平面部52bによって複数の巻線部40が互いに安定して接する。このため、スロット23に対する巻線部40の取り付けやすさ等が向上する。また、複数の巻線部40を互いに重ねて配置しやすくなる。これらにより、ステータ3の製造性の向上を図ることができる。
更に別の観点で見ると、複数の第2凹部92が設けられた場合、各巻線部40において接着剤90に接する面積が増加する。また、比較的小さな複数の第2凹部92が設けられた場合、毛細管現象等によって接着剤90が第2凹部92の内部により入りやすくなる場合がある。このため、巻線部40とステータコア11との接着力をさらに向上させることができる。
第1凹部91および第2凹部92の各々は、ステータコア11の軸方向Zにおいて、少なくとも巻線部(直線部)40の略全長に亘って設けられている。すなわち、第1凹部91および第2凹部92の各々は、ステータコア11の軸方向Zにおいて、ステータコア11の両側に開口している。このため、ステータコア11のスロット23に巻線部40を挿入した後に、ステータコア11の外部から第1凹部91および第2凹部92に接着剤90を含浸させやすい。これにより、ステータ3の製造性をさらに向上させることができる。
以上を纏めると、本実施形態の構成は、絶縁性の接着剤90が入る第1凹部91および第2凹部92が被膜52の表面に設けられるため、巻線部40とステータコア11との間の接着力、および複数の巻線部40の間の接着力を高めることができる。これにより、例えば振動等に強いステータを提供することができる。本実施形態では、接着剤90が入る第1凹部91は、比較的厚く形成された第1絶縁部61の厚みを利用して設けられている。すなわち、比較的厚い第1絶縁部61を利用することで、被膜52の強度を確保しつつ、断面積が大きいため接着剤90が入りやすい第1凹部91を設けることができる。
以上、第1から第3の実施形態のステータ用巻線12およびステータ3について説明したが、実施形態の構成は上記例に限られない。例えば、図9は、ステータ用巻線12およびステータ3の代表的ないくつかの変形例を示す。
(第1変形例)
図9中の(a)は、第1変形例のステータ3を示す。
本変形例の回転電機1は、分布巻モータである。本変形例では、巻線12は、ステータコア11の径方向Rに加えて、ステータコア11の周方向θに互いに重ねて配置される複数の巻線部40を含む。本変形例の導線50は、断面が円形状に形成された丸束線である。なお本願で言う「円形状」とは、真円状の場合に加え、楕円形状の場合を含む。また、本変形例の被膜52は、断面が円形状に形成されている。
本変形例では、導線50は、巻線部40を断面視した場合に、巻線部40の中心に対して偏心した位置に設けられている。例えば、導線50は、ステータコア11の周方向θにおいてスロット23の側面23sから離れる方向に、巻線部40の中心に対して偏心している。各巻線部40の被膜52は、第1絶縁部61、第2絶縁部62、および第3絶縁部63を有する。第1および第2の絶縁部61,62の定義は、第1の実施形態と同様である。第3絶縁部63は、1つの巻線部40を断面視した場合に、ステータコア11の周方向θにおいて導線50と別の巻線部40との間に配置される。
そして、本変形例では、第1の実施形態と同様に、ステータコア11の径方向Rにおける第2絶縁部62の最大厚さt2は、ステータコア11の周方向θにおける第1絶縁部61の最大厚さt1よりも薄い。このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、高い占積率を確保しつつ、ステータ3の製造性の向上を図ることができる。
更に、本変形例では、ステータコア11の周方向θにおける第3絶縁部63の最大厚さt3は、ステータコア11の周方向θにおける第1絶縁部61の最大厚さt1よりも薄い。また、ステータコア11の周方向θにおける第3絶縁部63の最大厚さt3は、ステータコア11の径方向Rにおける第2絶縁部62の最大厚さt2よりも薄い。これらのような構成によれば、ステータコア11の周方向θに互いに重ねて配置された複数の巻線部40の間の絶縁性を確保しつつ、スロット23内の占積率をさらに高めることができる。
(第2変形例)
図9中の(b)は、第2変形例のステータ3を示す。
本変形例の巻線部40は、第1変形例の巻線部40に絶縁性の接着剤90が入る凹部91(または冷媒が流入可能な凹部71)が設けられたものである。凹部91(または凹部71)は、被膜52の第1絶縁部61に設けられている。このような構成によれば、上述の第2および第3の実施形態と同様の作用を実現することができる。
(第3変形例)
図9中の(c)は、第3変形例のステータ3を示す。
本変形例の回転電機1は、集中巻モータである。本変形例では、巻線12は、ステータコア11の径方向Rに加えて、ステータコア11の周方向θに互いに重ねて配置される複数の巻線部40を含む。本変形例の導線50は、断面が長方形状に形成された平角線である。
本変形例では、導線50は、巻線部40を断面視した場合に、巻線部40の中心に対して偏心した位置に設けられている。例えば、導線50は、ステータコア11の周方向θにおいてスロット23の側面23sから離れる方向に、巻線部40の中心に対して偏心している。各巻線部40の被膜52は、第1変形例と同様に、第1絶縁部61、第2絶縁部62、および第3絶縁部63を有する。本変形例でも、ステータコア11の周方向θにおける第3絶縁部63の最大厚さt3は、ステータコア11の周方向θにおける第1絶縁部61の最大厚さt1よりも薄い。このような構成によれば、ステータコア11の周方向θに互いに重ねて配置された複数の巻線部40の間の絶縁性を確保しつつ、スロット23内の占積率をさらに高めることができる。
(第4変形例)
図9中の(d)は、第4変形例のステータ3を示す。
本変形例の巻線部40は、第3変形例の巻線部40に絶縁性の接着剤90が入る凹部91(または冷媒が流入可能な凹部71)が設けられたものである。凹部91(または凹部71)は、被膜52の第1絶縁部61に設けられている。このような構成によれば、上述の第2および第3の実施形態と同様の作用を実現することができる。また、本変形例の巻線部40は、巻線部40の角部(第1絶縁部61と第2絶縁部62との境界部)に傾斜面101を有する。傾斜面101は、第1平面部52aおよび第2平面部52bに対して傾斜している。このような傾斜面101が設けられると、ステータコア11と巻線部40との間および複数の巻線部40の間に入り込む接着剤90に対する接着面積が広くなる。これにより、ステータコア11と巻線部40との間および巻線部40同士の間の接着強度をさらに高めることができる。
(第5変形例)
図10は、ステータ用巻線12およびステータ3の別の変形例を示す。
図10に示すように、第1凹部91および第2凹部92の各々は、第1部分111と、第2部分112とを有する。第1部分111は、巻線部40の外部に隣接して設けられている。一方で、第2部分112は、第1部分111に比べて巻線部40の内側(中心側)に設けられている。そして、第1部分111は、第2部分112に比べて狭く形成されている。言い換えると、第1凹部91の第2部分112は、第1絶縁部61の一部と導線50との間に位置して接着剤90が入り込む逃げ部(溜まり部)112aを有する。同様に、第2凹部92の第2部分112は、第2絶縁部62の一部と導線50との間に位置して接着剤90が入り込む逃げ部(溜まり部)112aを有する。このような構成によれば、接着剤90が逃げ部112aに入り込むことで、引っ張りタフネスを向上させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、本発明が適用可能なステータは、特定の巻線形式や特定の巻線形状に限定されるものではなく、基本的にはあらゆる種類の巻線形式およびあらゆる種類の巻線形状にも適用可能である。
3…ステータ、11…ステータコア、12…ステータ用巻線、23…スロット、40…巻線部、50…導線、52…第2被膜(被膜)、50a,50b…導線の平面部、52a,52b…第2被膜の平面部、61…第1絶縁部、62…第2絶縁部、65…押出成形部、71…凹部、90…接着剤、91,92…凹部、t1…第1絶縁部の最大厚さ、t2…第2絶縁部の最大厚さ、θ…周方向、R…径方向。

Claims (3)

  1. ステータコアのスロット内に互いに重ねて配置される複数の巻線部を有し、
    前記複数の巻線部の各々は、通電性の導線と、前記導線を覆う絶縁性の被膜とを有し、
    1つの前記巻線部を断面視した場合に、前記被膜は、前記ステータコアの周方向において前記導線と前記ステータコアとの間に配置される第1絶縁部と、前記ステータコアの径方向において前記導線と別の前記巻線部との間に配置される第2絶縁部とを含み、
    前記第2絶縁部の前記径方向の最大厚さは、前記第1絶縁部の前記周方向の最大厚さよりも薄く、
    前記第1絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入る第1凹部を有し、
    前記第2絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入る複数の第2凹部を有するとともに、前記複数の第2凹部の間に前記ステータコアの径方向において別の前記巻線部と向かい合う平面部を有し、
    前記ステータコアの径方向における前記第1凹部の幅は、前記ステータコアの周方向における前記複数の第2凹部の各々の幅よりも大きく形成されたことを特徴とするステータ用巻線。
  2. 前記第1凹部は、前記巻線部の外部に隣り合う第1部分と、前記第1部分よりも前記巻線部の中心側に設けられた第2部分とを有し、前記第1部分が前記第2部分よりも狭いことで前記第1絶縁部の一部と前記導線との間に位置する前記第2部分の端部に前記接着剤の一部が入り込む溜まり部が設けられたことを特徴とする請求項に記載のステータ用巻線。
  3. スロットを有したステータコアと、
    前記スロット内に互いに重ねて配置された複数の巻線部を有したステータ用巻線と、
    を備え、
    前記複数の巻線部の各々は、通電性の導線と、前記導線を覆う絶縁性の被膜とを有し、
    1つの前記巻線部を断面視した場合に、前記被膜は、前記ステータコアの周方向において前記導線と前記ステータコアとの間に配置された第1絶縁部と、前記ステータコアの径方向において前記導線と別の前記巻線部との間に配置された第2絶縁部とを含み、
    前記第2絶縁部の前記径方向の最大厚さは、前記第1絶縁部の前記周方向の最大厚さよりも薄く、
    前記第1絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入った第1凹部を有し、
    前記第2絶縁部の表面は、絶縁性の接着剤が入った複数の第2凹部を有するとともに、前記複数の第2凹部の間に前記ステータコアの径方向において別の前記巻線部と向かい合う平面部を有し、
    前記ステータコアの径方向における前記第1凹部の幅は、前記ステータコアの周方向における前記複数の第2凹部の各々の幅よりも大きく形成されたことを特徴とするステータ。
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