JP6508564B2 - 画像の認証方法および認証装置並びに認証用積層体 - Google Patents

画像の認証方法および認証装置並びに認証用積層体 Download PDF

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Description

本発明は、対象物に設けられた画像に電磁波を照射して画像を認証する認証方法および認証装置に関する。また本発明は、認証されるべき対象物に設けられる認証用積層体に関する。
近年、所定の対象物に設けられたコードパターンなどの画像を非接触かつ非開封で判別する技術がいくつか提案されている。例えば特許文献1においては、収容体の内部に画像を設けておき、この画像に収容体の外部から赤外線を照射することにより、非開封で画像を読み取り、この情報に基づいて収容体に収容された収容物を判別することが提案されている。
しかしながら、赤外線は段ボール等の厚い紙又は樹脂を透過しないため、厚い紙又は樹脂で形成された封筒等の収容体の内部に画像を設けた場合、赤外線を用いてこの画像を読み取ることはできない。このような課題を考慮し、例えば特許文献2においては、テラヘルツ波を利用することが提案されている。テラヘルツ波は、紙や樹脂などの多くの包装用材料を透過することができるという特性を有している。従って、テラヘルツ波を利用すれば、紙や樹脂からなる収容体の中に収容された収容物に関する情報を、非接触かつ非開封で得ることができる。
特開2001−96889号公報 特開2013−178212号公報
上述の特許文献2においては、収容物を透過または反射したテラヘルツ波に基づいて、収容物の判別が行われている。具体的には、収容物を透過または反射したテラヘルツ波に現れる、収容物に固有のスペクトル情報に基づいて、収容物が判別される。しかしながら、収容物によっては、テラヘルツ波の周波数範囲内において特徴的な周波数依存性が現れない場合がある。また、特徴的な周波数依存性が現れる周波数が低い場合、テラヘルツ波の解像性が低いため、収容物の位置や形状の検出分解能も低くなってしまう。従って、特許文献2に記載の方法によっては、収容物の位置や形状を正確に検出することは困難であると考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、対象物に設けられた画像の位置や形状をより正確に解析することができる認証方法および認証装置を提供することを目的とする。
本発明は、対象物に設けられた画像に電磁波を照射して画像を認証する認証方法であって、前記画像に照射される前記電磁波は、第1周波数から、前記第1周波数よりも高周波側の第2周波数までの成分を、連続的または断続的に含み、前記画像は、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに前記電磁波を透過させる基材層の、前記第1面側に設けられており、前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接しており、前記基材層の前記第2面側には、前記電磁波を反射する反射層が設けられており、前記第1周波数および前記第2周波数はいずれも、0.1THz〜3THzの範囲内であり、前記認証方法は、前記基材層の前記第1面側から前記画像の複数の位置に前記電磁波を照射する照射工程と、前記パターン部によって反射された第1反射波、並びに、前記非パターン部および前記基材層を透過した後に前記反射層によって反射された第2反射波を測定する測定工程と、前記測定工程によって得られた測定情報に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の境界の位置を解析する解析工程と、を備え、前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉に関する情報を含む、認証方法である。
本発明による認証方法において、前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉の結果として検出されるピーク周波数に関する情報を含み、前記ピーク周波数の値を前記画像の各位置に対してプロットすることにより、前記パターン部から前記境界を跨いで前記非パターン部に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する単調増加曲線が得られ、前記解析工程においては、前記単調増加曲線に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界の位置が解析されてもよい。
本発明による認証方法の前記解析工程においては、前記単調増加曲線が閾値周波数に交わる位置が、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界として認定されてもよい。
本発明による認証方法において、前記対象物は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、前記画像は、前記収容体の外面以外の場所に設けられていてもよい。
本発明は、対象物に設けられた画像に電磁波を照射して画像を認証する認証装置であって、前記画像に照射される前記電磁波は、第1周波数から、前記第1周波数よりも高周波側の第2周波数までの成分を、連続的または断続的に含み、前記画像は、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに前記電磁波を透過させる基材層の、前記第1面側に設けられており、前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接しており、前記基材層の前記第2面側には、前記電磁波を反射する反射層が設けられており、前記第1周波数および前記第2周波数はいずれも、0.1THz〜3THzの範囲内であり、前記認証装置は、前記基材層の前記第1面側から前記画像の複数の位置に前記電磁波を照射する照射部と、前記パターン部によって反射された第1反射波、並びに、前記非パターン部および前記基材層を透過した後に前記反射層によって反射された第2反射波を測定する測定部と、前記測定部によって得られた測定情報に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の境界の位置を解析する解析部と、を備え、前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉に関する情報を含む、認証装置である。
本発明による認証装置において、前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉の結果として検出されるピーク周波数に関する情報を含み、前記ピーク周波数の値を位置に対してプロットすることにより、前記パターン部から前記境界を跨いで前記非パターン部に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する単調増加曲線が得られ、前記解析部は、前記単調増加曲線に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界の位置を解析してもよい。
本発明による認証装置の前記解析部においては、前記単調増加曲線が閾値周波数に交わる位置が、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界として認定されてもよい。
本発明による認証装置において、前記対象物は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、前記画像は、前記収容体の外面以外の場所に設けられていてもよい。
本発明は、認証されるべき対象物に設けられる認証用積層体であって、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに電磁波を透過させる基材層と、前記基材層の前記第1面側に設けられた画像と、前記基材層の前記第2面側に設けられ、前記電磁波を反射する反射層と、を備え、前記電磁波の周波数は、0.1THz〜3THzの範囲内であり、前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接している、認証用積層体である。
本発明による認証用積層体において、前記反射層は、前記画像の前記パターン部を構成する前記反射材と同一の材料を含んでいてもよい。
本発明によれば、対象物に設けられた画像の位置や形状をより正確に解析することができる。
本発明の実施形態に係る収容体の構成を示す平面図である。 図1の収容体のA−A断面の構成を示す断面図である。 収容体に設けられた画像を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態に係る認証装置の概略構成を示す図である。 認証装置の照射部から放射される電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。 第1位置において測定部によって測定される電磁波を示す図である。 第2位置において測定部によって測定される電磁波を示す図である。 第3位置において測定部によって測定される電磁波を示す図である。 第4位置において測定部によって測定される電磁波を示す図である。 第5位置において測定部によって測定される電磁波を示す図である。 第2位置〜第4位置において測定された電磁波のスペクトルを示す図である。 ピーク周波数を位置に対してプロットした結果を示す図である。 画像を含む認証用積層体の一変形例を示す断面図である。 実施例1において、画像を含む認証用積層体によって反射された電磁波を測定した結果を示す図である。 比較例1において、画像を含む認証用積層体を透過した電磁波を測定した結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本実施の形態においては、画像が設けられる対象物が、所定の収容物を収容することができる収容体10である例について説明する。この場合、画像には、収容体10または収容体10に収容されている収容物に関する情報が記録されている。図1は、収容体10の構成を示す平面図である。図2は、図1の収容体10のA−A断面の構成を示す断面図である。
収容体
収容体10は、紙や不透明な樹脂からなる不透明層を含んでいる。このため、可視光や赤外線は、収容体10によって反射または吸収される。すなわち、可視光や赤外線は収容体10を透過することができない。従って、収容体10の外部からは対象物を視認することができない。なお「赤外線を反射もしくは吸収する」とは、収容体10に赤外線を照射した際に、赤外線が収容体10を全く透過しないこと、及び、赤外線が収容体10を透過しても、透過した赤外線をセンサによって検知できない程度の微小な透過量であることを意味する。
収容体10を構成する紙としては、例えば段ボールが用いられる。また収容体10は、段ボール封筒と称されるものであってもよい。この場合、収容体10は封筒状であり、封筒部11と、封筒部11の開口部に設けられたフラップ部(糊しろ)12と、を有している。フラップ部12は、180°折り返されて封筒部11の接着領域11aに接着され、これにより段ボール封筒である収容体10が封緘される。図1は、フラップ部12が折り返される前の収容体10を示している。
図2に示すように、収容体10は、段ボールである第1層13と、第1層13に積層された、段ボールである第2層14及び第3層15と、を有している。封筒状に形成された第1層13の外方を向く2つの面のうち、一方の面に第2層14が積層されると共に接着され、他方の面に第3層15が積層されると共に接着されている。
画像21は、紙又は不透明な樹脂からなる不透明層によって外部から遮蔽された場所に設けられている。画像21が収容体10に設けられる場合、画像21は、収容体10のうち、収容体10の外面10x以外の場所に設けられる。図2に示す例において、画像21は、第1層13と第2層14との間に設けられている。なお外面10xとは、収容体10が封緘された時に収容体10の外方を向いている面、即ち肉眼で視認され得る面である。
画像
以下、画像21について説明する。収容体10または収容体10に収容されている収容物に関する情報が記録される限りにおいて、画像21の形態が特に限られることはない。例えば画像21の形態として、一次元バーコードや二次元バーコードなどを採用することができる。また画像21が、OCR数字、数字、文字、絵柄、記号等を示す画像であってもよい。本実施の形態においては、画像21が一次元バーコードである例について説明する。
次に図2および図3を参照して、画像21の具体的な構造について説明する。図2に示すように、画像21は、収容体10に設けられた基材層25によって支持されている。以下の説明において、基材層25と、基材層25に設けられた画像21とを少なくとも含む構造体のことを、認証用積層体20とも称する。
図3は、認証用積層体20を示す断面図である。図3に示すように、認証用積層体20は、第1面25aおよび第1面25aの反対側に位置する第2面25bを含むとともに電磁波を透過させる上述の基材層25と、基材層25の第1面25a側に設けられた上述の画像21と、基材層25の第2面25b側に設けられ、電磁波を反射する反射層26と、を備えている。
図3に示すように、画像21は、一次元バーコードを構成するように配置されたパターン部22を含んでいる。本実施の形態においては、後述するように、画像21の認証工程において0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波が利用される。0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波は、いわゆるテラヘルツ波とも称されるものである。画像21を構成する上述のパターン部22は、電磁波を反射することができるよう構成されている。具体的には、パターン部22は、電磁波を反射する反射材によって構成されている。
電磁波を反射することができる限りにおいて、パターン部22を構成する反射材が特に限られることはない。例えば、各種金属材料やカーボン等の導電性を有する材料や、導電性を有する材料を2種以上複合した複合材料等を、パターン部22を構成する反射材として用いることができる。パターン部22の厚みは、例えば50nm〜30μmの範囲内に設定される。電磁波に対するパターン部22の反射率は、少なくとも50%以上になっており、好ましくは80%以上になっている。
また図3に示すように、基材層25の第1面25a側において、パターン部22は、電磁波を透過させる非パターン部23に接している。すなわち、基材層25の第1面25a側において画像21が存在する空間は、電磁波を反射するパターン部22と、電磁波を透過させる非パターン部23と、に区画される。図3において、パターン部22と非パターン部23との間の境界が符号24で表されている。電磁波に対する非パターン部23の透過率は、少なくとも50%以上になっており、好ましくは80%以上になっている。
電磁波を透過させることができる限りにおいて、非パターン部23の構成が特に限られることはない。例えば非パターン部23は、電磁波を透過させる非導電性材料によって構成されていてもよい。また非パターン部23は、固体が存在しない空隙部として構成されていてもよい。ここでは、非パターン部23が、パターン部22の間に存在する空隙部である例について説明する。
(基材層)
基材層25は、上述のように、電磁波を透過させるよう構成された層である。基材層25を構成する材料が特に限られることはなく、PETなどの非導電性材料が適宜用いられ得る。電磁波に対する基材層25の透過率は、少なくとも50%以上になっており、好ましくは80%以上になっている。
(反射層)
反射層26は、基材層25の第1面25a側から画像21に向けて放射された電磁波Lのうち、非パターン部23および基材層25を透過して反射層26に到達した電磁波を反射するための層である。図3において、パターン部22によって反射された電磁波が符号L1で表され、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された電磁波が符号L2で表されている。以下の説明において、パターン部22によって反射された電磁波のことを第1反射波L1と称し、反射層26によって反射された電磁波のことを第2反射波L2と称することもある。
反射層26を構成する材料が特に限られることはなく、パターン部22の場合と同様に、各種金属材料やカーボン等の導電性を有する材料や、導電性を有する材料を2種以上複合した複合材料等が適宜用いられ得る。電磁波に対する基材層25の反射率は、少なくとも50%以上になっており、好ましくは80%以上になっている。反射層26の厚みは、例えば50nm〜30μmの範囲内に設定される。
好ましくは反射層26は、パターン部22を構成する上述の反射材と同一の材料を含んでいる。例えば、パターン部22がカーボンインクを含む場合、反射層26も同様にカーボンインクを含んでいてもよい。パターン部22および反射層26において同一の材料を用いることにより、認証用積層体20の作製に要する材料の準備や、認証用積層体20の作製工程を容易化することができる。
後述するように、本実施の形態においては、パターン部22と非パターン部23との間の境界24およびその周辺において生じる、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉を検出することにより、境界24の位置を解析し、これによって画像21の位置および形状を算出する。第1反射波L1と第2反射波L2との間の干渉は、後述する照射部51から放射され、パターン部22によって反射され、そして第1反射波L1として後述する測定部52に戻るまでの電磁波の経路と、照射部51から放射され、反射層26によって反射され、そして第2反射波L2として測定部52に戻るまでの電磁波の経路と、の差に起因して生じる。以下、両者の経路の差を、単に経路差と称することもある。この経路差は、主に基材層25の厚みdに基づいて発生するものである。従って基材層25の厚みdは、用いられる電磁波すなわちテラヘルツ波の周波数範囲内で第1反射波L1と第2反射波L2との干渉を正確に検出できるように設定される。例えば基材層25の厚みdは、25μm〜300μmの範囲内に設定される。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、上述の収容体10に設けられた画像21を認証して、収容体10に収容されている収容物を判別するための方法について説明する。
認証装置
はじめに、画像21を認証する認証方法を実施するための認証装置50について、図4を参照して説明する。認証装置50は、収容体10に設けられた画像21の複数の位置に基材層25の第1面25a側から電磁波Lを照射する照射部51と、画像21のパターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2を測定する測定部52と、測定部52によって得られた測定情報に基づいて、パターン部22と非パターン部23との間の境界24の位置を解析する解析部53と、を備えている。なお照射部51、測定部52および解析部53は、一体的に構成されたものであってもよく、個別に構成されたものであってもよい。
(照射部)
照射部51としては、第1周波数f1から、第1周波数f1よりも高周波側の第2周波数f2までの成分を含む電磁波Lを、画像21に向けて放射可能なものが用いられる。ここでは、図5に示すように、第1周波数f1から第2周波数f2までの成分を連続的に含む電磁波Lを放射することができる照射部51が用いられる例について説明する。ここで第1周波数f1および第2周波数f2はいずれも、0.1THz〜3THzの範囲内になっている。
図5に示すような広帯域のテラヘルツ波を発生させる方法としては、例えば、テラヘルツ時間領域分光法(Teraherts Time Domain Spactroscopy: THz-TDS)を挙げることができる。テラヘルツ時間領域分光法によって発生したテラヘルツ波は、強度は比較的低く、例えば数十mW程度であるが、安定性に優れているという利点を有している。
なお図示はしないが、照射部51として、第1周波数f1から第2周波数f2までの成分を断続的に含む電磁波Lを放射することができるものが用いられてもよい。ここで「断続的」とは、単色のテラヘルツ波が複数含まれており、この結果、電磁波Lに、第1周波数f1から第2周波数f2までの成分が離散的に含まれていることを意味している。この場合、複数の単色テラヘルツ光源から放射される単色のテラヘルツ波を重畳することにより、第1周波数f1から第2周波数f2までの成分を含む電磁波Lが同時に画像21に放射されるようにしてもよい。若しくは、1つの単色テラヘルツ光源から放射される単色のテラヘルツ波の周波数を経時的に変化させることにより、第1周波数f1から第2周波数f2までの成分を含む電磁波Lが、ある期間の間に画像21に放射されるようにしてもよい。
単色のテラヘルツ波を発生させる方法としては、光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用してテラヘルツ波からなる電磁波を生成する方法を用いることができる。この場合、比較的に高い強度を有するテラヘルツ波を生成することができる。例えば、300mW以上の強度や、1W以上の強度を有するテラヘルツ波を生成することができる。このため、収容体10の不透明層として大きな厚みを有するものが用いられる場合であっても、収容体10から戻ってくる電磁波を十分な精度で検出することができる。例えば、光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用して電磁波を生成する発生系が用いられる場合、不透明層を構成する紙として、100μm〜1cmの範囲内の厚みのものを用いることができる。
なお非線形光学結晶とは、レーザー光などの強い光が入射した場合に、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答をする結晶のことである。また非線形光学効果とは、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答のことである。上述の光パラメトリックや差周波混合は、非線形光学効果の一種である。
(測定部)
測定部52としては、パターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2を含む電磁波の強度を周波数ごとに測定して周波数スペクトルを得ることができるものが用いられる。例えば測定部52として、スペクトルアナライザが用いられる。
認証装置50は、照射部51が画像21の複数の位置に電磁波Lを順に照射することができるよう構成されている。例えば認証装置50は、画像21が設けられた収容体10を搬送する搬送部55をさらに備えている。この場合、収容体10の搬送方向Tが、画像21を構成するパターン部22が並ぶ方向となるよう、搬送部55上に収容体10が載置される。これによって、照射部51から放射される電磁波Lを利用して画像21をスキャンすることが可能になる。
認証方法
次に、認証装置50を用いて画像21を認証する認証方法について説明する。
(照射工程)
はじめに、照射部51を用いて、収容体10に設けられた認証用積層体20の基材層25の第1面25a側から画像21の複数の位置に電磁波Lを照射する照射工程を実施する。上述のように、電磁波Lとして0.1THz〜3THzの周波数範囲のテラヘルツ波が用いられるので、電磁波Lは、収容体10を透過して画像21に到達することができる。
(測定工程)
次に、測定部52を用いて、画像21のパターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2を測定する測定工程を実施する。
照射工程および測定工程は、測定工程によって得られる測定情報が、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉に関する情報を含むように実施される。例えば照射工程および測定工程は、図5に示すように、画像21が設けられた収容体10を、搬送部55を利用して照射部51および測定部52に対して相対的に移動させながら実施される。この場合、パターン部22と非パターン部23との間の境界24を跨ぐように電磁波Lがスキャンされるので、境界24およびその周辺において生じる第1反射波L1と第2反射波L2との干渉に関する情報を得ることができる。
以下、画像21の各位置に電磁波Lを照射した場合に、測定部52によって測定される電磁波について、図6A〜図6Eを参照して説明する。図6A〜図6Eはそれぞれ、画像21の第1位置〜第5位置に電磁波Lを照射した場合に、測定部52によって測定され得る電磁波を示す図である。
図6Aに示すように、第1位置は、パターン部22と非パターン部23との間の境界24から十分に離れ、かつパターン部22が存在しない位置である。この場合、電磁波Lは、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射される。このため測定部52は、反射層26によって反射された第2反射波L2を測定することになる。
図6Eに示すように、第5位置は、パターン部22と非パターン部23との間の境界24から十分に離れ、かつパターン部22が存在する位置である。この場合、電磁波Lは、パターン部22によって反射される。このため測定部52は、パターン部22によって反射された第1反射波L1を測定することになる。
図6Cに示すように、第3位置は、パターン部22と非パターン部23との間の境界の位置である。この場合、電磁波Lは、パターン部22および非パターン部23の両方に到達する。また境界24の周辺においては、電磁波の回折も生じる。従って、パターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2の両方が、少なくとも部分的に測定部52へ向かうことになる。
ところで第3位置においては、電磁波Lが第1反射波L1として測定部52に到達するまでの経路と、電磁波Lが第2反射波L2として測定部52に到達するまでの経路との間に、基材層25の厚みdの2倍に対応する経路差ΔDが生じている。このため、第1反射波L1および第2反射波L2は、以下の式1が満たされる場合、干渉によって互いに弱めあうことになる。
〔式1〕
n×ΔD=n×2d=(m+1/2)×λ
式1において、nは、電磁波Lに対する基材層25の屈折率であり、mは、0以上の整数であり、λは、電磁波Lの波長である。例えば、nが1.5であり、dが100μmである場合、電磁波Lの波長が600μm、200μm、120μmなどのときに、すなわち電磁波Lの周波数が0.5THz、1.5THz、2.5THzなどのときに、第1反射波L1および第2反射波L2が互いに弱めあうことになる。
図6Bに示すように、第2位置は、パターン部22と非パターン部23との間の境界24よりもわずかに非パターン部23側の位置である。電磁波Lは、ある程度の広がりを有するスポットして画像21に照射される。このため第2位置においても、第3位置の場合と同様に、電磁波Lは、パターン部22および非パターン部23の両方に到達する。また境界24の周辺においては、電磁波の回折も生じる。従って第2位置においても、パターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2の両方が、少なくとも部分的に測定部52へ向かうことになる。
一方、図6Bに示すように、測定部52がパターン部22と非パターン部23との間の境界24よりもわずかに非パターン部23側の位置に配置されている場合、電磁波Lが第1反射波L1として測定部52に到達するまでの経路と、電磁波Lが第2反射波L2として測定部52に到達するまでの経路との間の経路差ΔDは、上述の第3位置の場合よりも小さくなる。すなわち、経路差ΔDが2dよりも小さくなる。この結果、第2位置においては、第1反射波L1および第2反射波L2が互いに弱めあうようになる周波数が、第3位置の場合よりも高くなる。
図6Dに示すように、第4位置は、パターン部22と非パターン部23との間の境界24よりもわずかにパターン部22側の位置である。第4位置においても、第2位置および第3位置の場合と同様に、電磁波Lは、パターン部22および非パターン部23の両方に到達する。また境界24の周辺においては、電磁波の回折も生じる。従って第4位置においても、パターン部22によって反射された第1反射波L1、並びに、非パターン部23および基材層25を透過した後に反射層26によって反射された第2反射波L2の両方が、少なくとも部分的に測定部52へ向かうことになる。
一方、図6Dに示すように、測定部52がパターン部22と非パターン部23との間の境界24よりもわずかにパターン部22側の位置に配置されている場合、電磁波Lが第1反射波L1として測定部52に到達するまでの経路と、電磁波Lが第2反射波L2として測定部52に到達するまでの経路との間の経路差ΔDは、上述の第3位置の場合よりも大きくなる。すなわち、経路差ΔDが2dよりも大きくなる。この結果、第4位置においては、第1反射波L1および第2反射波L2が互いに弱めあうようになる周波数が、第3位置の場合よりも低くなる。
図7は、第2位置〜第4位置において測定された電磁波のスペクトルを示す図である。図7において、横軸および縦軸はそれぞれ、測定部52によって検出された電磁波の周波数および強度を表している。本実施の形態においては、収容体10に設けられた認証用積層体20によって反射された電磁波が測定部52に到達するので、図7の縦軸は、認証用積層体20の反射率の周波数依存性を表しているとも言える。
図5において、符号S_B、S_CおよびS_Dはそれぞれ、上述の第2位置、第3位置および第4位置において測定された電磁波の周波数スペクトルを表している。上述のように、第2位置、第3位置および第4位置においては第1反射波L1と第2反射波L2との干渉が生じており、このため各周波数スペクトルS_B、S_CおよびS_Dには負のピークが存在している。すなわち、測定工程によって得られる測定情報には、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉の結果として検出される、ピーク周波数に関する情報が含まれている。図5において、符号f_B、f_Cおよびf_Dはそれぞれ、各周波数スペクトルS_B、S_CおよびS_Dに現れる負のピークのピーク周波数を表している。また符号P_B、P_CおよびP_Dはそれぞれ、ピーク周波数f_B、f_Cおよびf_Dが現れる際に、各位置において測定部52によって測定された電磁波の強度を表している。
上述のように第2位置においては、第1反射波L1および第2反射波L2が互いに弱めあうようになる周波数が、第3位置の場合よりも高くなる。また上述のように第4位置においては、第1反射波L1および第2反射波L2が互いに弱めあうようになる周波数が、第3位置の場合よりも低くなる。従って、第2ピーク周波数f_B、第3ピーク周波数f_Cおよび第4ピーク周波数f_Dの間には、f_B>f_C>f_Dの関係が成立している。なお図7においては、P_B>P_C>P_Dの関係がさらに成立する例が示されているが、P_B、P_CおよびP_Dの大小関係が特に限られることはない。
上述の第2位置、第3位置および第4位置のような、パターン部22と非パターン部23との間の境界24およびその周辺の位置においては、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉の結果として、測定部52によって測定される電磁波のピーク周波数の遷移が観測される。電磁波Lのスキャン方向に沿って複数のパターン部22および非パターン部23が並ぶ場合、そのようなピーク周波数の遷移は、パターン部22と非パターン部23との間の境界24毎に得られることになる。
(解析工程)
次に、測定工程によって得られた測定情報に基づいて、パターン部22と非パターン部23との間の境界24の位置を解析する解析工程を実施する。はじめに図8に示すように、測定工程において得られたピーク周波数の値を、電磁波Lを用いてスキャンした画像21の各位置に対してプロットする。
ところで、パターン部22から境界24を跨いで非パターン部23に向かうように電磁波Lのスキャンが実施される場合、上述の第2位置〜第4位置に関して説明した用に、測定部52において測定される電磁波のピーク周波数は、非パターン部23側へ向かうにつれて単調に増加することになる。従って、図8の右側または左側の一方に進むにつれて単調に増加する曲線は、境界24の存在を示唆している。言い換えると、図8に示すようにピーク周波数の値を画像21の各位置に対してプロットすることにより、パターン部22から境界24を跨いで非パターン部23に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する複数の単調増加曲線30を得ることができる。なお上述の第1位置や第5位置のような、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉が生じない位置においては、測定部52によって測定される周波数スペクトルに、干渉に起因する負のピークは現れない。従って、図8において単調増加曲線30が存在しない位置は、境界24から離れた位置ということになる。
上述のように、単調増加曲線30と境界24との間には強い相関がある。従って、単調増加曲線30に基づいて、パターン部22と非パターン部23との間の境界24の位置を解析することができる。図8には、各単調増加曲線30に基づいて解析される境界24の位置、並びに、境界24の位置に基づいて算出されるパターン部22および非パターン部23の位置が併せて示されている。
単調増加曲線30に基づいて境界24の位置を解析するための具体的な方法としては、様々な方法が考えられる。
例えば図8に示すように、単調増加曲線30が閾値周波数Thに交わる位置を、パターン部22と非パターン部23との間の境界24として認定することができる。ここで閾値周波数Thとしては、収容体10に設けられる認証用積層体20の基材層25の厚みdや屈折率nの値に基づいて予め定められたものを用いることができる。例えば、上述の式1に基づいて算出された波長λを周波数に変換したものを用いることができる。
若しくは、単調増加曲線30の最小値が現れる点31と最大値が現れる点32との中間位置を、パターン部22と非パターン部23との間の境界24として認定する、という方法も考えられる。この方法は、基材層25の厚みdや屈折率nが位置によってばらつく場合や、基材層25の厚みdや屈折率nが不明である場合に有効である。
上述のように本実施の形態によれば、パターン部22と非パターン部23との間の境界24およびその周辺において生じる第1反射波L1と第2反射波L2との干渉を利用して、境界24の位置を解析することができる。このため、画像21を含む認証用積層体20が収容体10の外面以外の場所に設けられている場合であっても、一次元バーコードとして構成された画像21の形状を認識することができる。従って、一次元バーコードに記録された情報を読み取ることができる。これによって、画像21が設けられている収容体10や、収容体10に収容されている収容物の認証を行うことができる。
また本実施の形態によれば、測定部52によって測定される電磁波のピーク周波数の遷移に基づいて、パターン部22と非パターン部23との間の境界24の位置が解析される。このため、周波数が低く、このため解像性の低いテラヘルツ波、例えば0.1THz〜1.0THzの範囲内のテラヘルツ波が電磁波Lとして用いられる場合であっても、境界24の位置を正確に解析することができる。すなわち、複数のパターン部22によって構成された画像21の位置や形状を正確に解析することができる。
上述のテラヘルツ時間領域分光法においては、0.1THz〜1.0THzの範囲内であれば、比較的に高い出力のテラヘルツ波を発生させることができる。このため、収容体10の不透明層として大きな厚みを有するものが用いられる場合であっても、収容体10に設けられた認証用積層体20から戻ってくる電磁波を十分な精度で検出することができる。またテラヘルツ時間領域分光法によれば、光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用する場合に比べて一般に、周波数や出力が安定したテラヘルツ波を発生させることができる。さらに本実施の形態によれば、上述のように、0.1THz〜1.0THzの範囲内のテラヘルツ波を利用して、画像21の位置や形状を正確に解析することができる。従って本実施の形態は、テラヘルツ時間領域分光法によって発生したテラヘルツ波が電磁波Lとして画像21に照射される場合に特に有効であると言える。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(反射層の変形例)
上述の本実施の形態においては、反射層26を含む認証用積層体20が収容体10に設けられる例を示した。しかしながら、収容体10が、電磁波Lを反射することができる層を含む場合、その層を利用して、認証用積層体20の非パターン部23および基材層25を透過した電磁波Lを反射してもよい。すなわち、認証用積層体20が上述の反射層26を含んでいないで場合であっても、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉を利用して境界24の位置を解析することが可能である。
図9には、収容体10の第1層13が、電磁波Lを反射する反射層として機能することができるものであり、この第1層13の上に、基材層25および画像21を含む認証用積層体20が設けられる形態が示されている。図9に示すように、画像21は基材層25の第1面25a側に設けられている。また反射層として機能する第1層13は、基材層25の第2面25b側に位置している。この場合、基材層25の第1面25a側から画像21に照射された電磁波Lの一部は、非パターン部23および基材層25を透過した後に第1層13によって反射されて上述の第2反射波L2となる。
(測定部の位置の変形例)
上述の図6A〜図6Eにおいては、電磁波Lが照射された画像21の位置のほぼ真上に測定部52が配置される例を示した。しかしながら、第1反射波L1と第2反射波L2との間の経路差に起因した干渉を検出することができる限りにおいて、画像21に対する測定部52の位置が特に限られることはない。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、厚さ50μmのPETフィルムを準備し、次に、PETフィルムの両面にハードコート層を設けた。ハードコート層は、PETフィルムの表面を保護すること、および、印刷への耐性を高めることなどを目的として設けられる、樹脂製のものである。ハードコート層の形成方法は特には限られないが、ここでは塗工法を採用した。
次に、PETフィルムの両面に設けられたハードコート層のうちの一方のハードコート層の表面にカーボンインクを所定のパターンで印刷することにより、複数のパターン部22を含む画像21を形成した。各パターン部22の幅、およびパターン部22の間に画定される非パターン部23の幅は、それぞれ0.5mm〜5mmの範囲内とした。また、PETフィルムの両面に設けられたハードコート層のうちの他方のハードコート層の表面のうち、PETフィルムの法線方向に沿って見た場合に少なくとも画像21と重なる部分に、カーボンインクを用いて反射層26を形成した。このようにして、PETフィルムを含む基材層25と、基材層25の第1面25a側に設けられた画像21と、基材層25の第2面25b側に設けられた反射層26と、を含む認証用積層体20を作製した。
その後、パターン部22が並ぶ方向に沿って、テラヘルツ光源に対して認証用積層体20を相対的に移動させながら、基材層25の第1面25a側から画像21へテラヘルツ波を照射した。テラヘルツ波としては、テラヘルツ時間領域分光法によって生成した、周波数が0.1〜2.2THzの範囲内のものを用いた。また、認証用積層体20によって反射されたテラヘルツ波の強度を測定した。測定結果を図10に示す。図10において、横軸は、テラヘルツ波が照射された画像21の位置を表しており、縦軸は、測定された反射波の強度を表している。図10においては、画像21の各位置からの反射波の、各周波数における強度が、対応する画素の濃度によって表現されている。図10の右側の縦軸に示されているように、強度が高くまたは低くなるほど濃度が高く設定され、中間の強度の濃度は低く設定されている。なお図10の右側の縦軸の数値は、反射率が1の部材によって電磁波が反射された場合に検出される反射波の強度に対する比率を意味している。なお、画像21の各位置からの反射波の、各周波数における強度は、対応する画素の濃度ではなく、対応する画素の色彩によって表現されていてもよい。また、濃度と色彩の組み合わせが用いられてもよい。
上述のように画像21の各位置からの反射波の各周波数における強度を、対応する画素の濃度や色彩によって図に表現した場合、図10に示すように、第1反射波L1と第2反射波L2との干渉の結果としてピーク周波数が検出される位置が、周辺の領域とは異なる濃度や色彩で表される。従って、パターン部22から境界24を跨いで非パターン部23に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する単調増加曲線30を、図10において認定することができる。この点を考慮すると、図10は、ピーク周波数の値を画像21の各位置に対してプロットしたものであるとも言える。
(比較例1)
反射層26を有しない認証用積層体20を用い、かつ認証用積層体20を透過したテラヘルツ波の強度を測定したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、画像21の位置および形状の解析を行った。透過波の測定結果を図11に示す。
透過波を測定する場合、非パターン部23および基材層25を透過した電磁波は測定部52に到達するが、パターン部22によって反射された電磁波は測定部52に到達しない。この場合、電磁波が検出された位置を非パターン部23として認定し、電磁波が検出されなかった位置をパターン部22として認定するという方法が、画像21を解析するために採用される。従って、画像21の位置や形状の検出分解能は、用いられる電磁波の解像性に依存することになる。一方、電磁波の解像性は、周波数が低いほど低下する。このため、電磁波の周波数が0.1〜1.0THzの範囲内の場合、図11に示すように、画像21のパターン部22と非パターン部23との間の境界24の位置を正確に解析することができなくなる。
これに対して上述の実施例1においては、ピーク周波数の遷移を利用するので、用いられる電磁波の解像性が低い場合であっても、境界24の位置を正確に解析することができる。
10 収容体
20 認証用積層体
21 画像
22 パターン部
23 非パターン部
24 境界
25 基材層
26 反射層
40 単調増加曲線
50 認証装置
51 照射部
52 測定部
53 解析部
55 搬送部

Claims (10)

  1. 対象物に設けられた画像に電磁波を照射して画像を認証する認証方法であって、
    前記画像に照射される前記電磁波は、第1周波数から、前記第1周波数よりも高周波側の第2周波数までの成分を、連続的または断続的に含み、
    前記画像は、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに前記電磁波を透過させる基材層の、前記第1面側に設けられており、
    前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、
    前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接しており、
    前記基材層の前記第2面側には、前記電磁波を反射する反射層が設けられており、
    前記第1周波数および前記第2周波数はいずれも、0.1THz〜3THzの範囲内であり、
    前記認証方法は、
    前記基材層の前記第1面側から前記画像の複数の位置に前記電磁波を照射する照射工程と、
    前記パターン部によって反射された第1反射波、並びに、前記非パターン部および前記基材層を透過した後に前記反射層によって反射された第2反射波を測定する測定工程と、 前記測定工程によって得られた測定情報に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の境界の位置を解析する解析工程と、を備え、
    前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉に関する情報を含む、認証方法。
  2. 前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉の結果として検出されるピーク周波数に関する情報を含み、
    前記ピーク周波数の値を前記画像の各位置に対してプロットすることにより、前記パターン部から前記境界を跨いで前記非パターン部に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する単調増加曲線が得られ、
    前記解析工程においては、前記単調増加曲線に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界の位置が解析される、請求項1に記載の認証方法。
  3. 前記解析工程においては、前記単調増加曲線が閾値周波数に交わる位置が、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界として認定される、請求項2に記載の認証方法。
  4. 前記対象物は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、
    前記画像は、前記収容体の外面以外の場所に設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の認証方法。
  5. 対象物に設けられた画像に電磁波を照射して画像を認証する認証装置であって、
    前記画像に照射される前記電磁波は、第1周波数から、前記第1周波数よりも高周波側の第2周波数までの成分を、連続的または断続的に含み、
    前記画像は、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに前記電磁波を透過させる基材層の、前記第1面側に設けられており、
    前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、
    前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接しており、
    前記基材層の前記第2面側には、前記電磁波を反射する反射層が設けられており、
    前記第1周波数および前記第2周波数はいずれも、0.1THz〜3THzの範囲内であり、
    前記認証装置は、
    前記基材層の前記第1面側から前記画像の複数の位置に前記電磁波を照射する照射部と、
    前記パターン部によって反射された第1反射波、並びに、前記非パターン部および前記基材層を透過した後に前記反射層によって反射された第2反射波を測定する測定部と、
    前記測定部によって得られた測定情報に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の境界の位置を解析する解析部と、を備え、
    前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉に関する情報を含む、認証装置。
  6. 前記測定情報は、前記第1反射波と前記第2反射波との干渉の結果として検出されるピーク周波数に関する情報を含み、
    前記ピーク周波数の値を位置に対してプロットすることにより、前記パターン部から前記境界を跨いで前記非パターン部に向かうにつれて少なくとも部分的に単調に増加する単調増加曲線が得られ、
    前記解析部は、前記単調増加曲線に基づいて、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界の位置を解析する、請求項5に記載の認証装置。
  7. 前記解析においては、前記単調増加曲線が閾値周波数に交わる位置が、前記パターン部と前記非パターン部との間の前記境界として認定される、請求項6に記載の認証装置。
  8. 前記対象物は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、
    前記画像は、前記収容体の外面以外の場所に設けられている、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の認証装置。
  9. 認証されるべき対象物に設けられる認証用積層体であって、
    第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに電磁波を透過させる基材層と、
    前記基材層の前記第1面側に設けられた画像と、
    前記基材層の前記第2面側に設けられ、前記電磁波を反射する反射層と、を備え、
    前記電磁波の周波数は、0.1THz〜3THzの範囲内であり、
    前記画像は、前記電磁波を反射する反射材によって構成されたパターン部を含み、
    前記基材層の前記第1面側において、前記パターン部は、前記電磁波を透過させる非パターン部に接している、認証用積層体。
  10. 前記反射層は、前記画像の前記パターン部を構成する前記反射材と同一の材料を含む、請求項9に記載の認証用積層体。
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