JP6464894B2 - 識別用導電性部材、識別用導電性部材が設けられた物体の識別方法および識別装置 - Google Patents

識別用導電性部材、識別用導電性部材が設けられた物体の識別方法および識別装置 Download PDF

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Description

本発明は、識別情報を提供することができる識別用導電性部材に関する。また本発明は、識別用導電性部材が設けられた物体の識別方法および識別装置に関する。
物体に関する識別情報を提供することができるコードパターンとして、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)などの二次元コードが広く用いられている。一方、一次元バーコードや二次元バーコードは、パターンの幅や配置など、パターンの外観によって認識され得る要素に基づいて識別情報が表現される。このため、不特定多数の者が、一次元バーコードや二次元バーコードを解析して、一次元バーコードや二次元バーコードが取り付けられている物体に関する識別情報を得ることが可能である。従って、一次元バーコードや二次元バーコードは、特定の者のみが物体に関する識別情報を得ることができることが求められる用途には不向きである。
物体に関する識別情報を提供することができる手段としては、上述の一次元バーコードや二次元バーコード以外にも、ICタグなど、電磁波を利用した通信に基づいて識別情報を提供するものが知られている。しかしながら、複数のICタグが近接して存在している場合、ICタグリーダーが複数のICタグからの電磁波を読み取ってしまうという、電波干渉による問題が生じ得る。また、ICタグは一次元バーコードなどに比べて高価である。
特開平1−233688号公報
本発明は、上述の課題を考慮してなされたものであり、パターンの外観のみによっては識別情報を完全に解析することができない識別用導電性部材を提供することを課題とする。また本発明は、識別用導電性部材が取り付けられた物体の識別方法および識別装置を提供することを目的とする。
本発明は、識別情報を提供する識別用導電性部材であって、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分と、前記第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分と、を備える、識別用導電性部材である。
本発明による識別用導電性部材において、好ましくは、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第1部分に照射した場合の電磁波の反射率、および、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第2部分に照射した場合の電磁波の反射率がいずれも0.1以上である。
本発明による識別用導電性部材において、前記第1導電性材料または前記第2導電性材料は、金属材料、導電性炭素材料、導電性高分子材料または導電性金属酸化物材料のいずれかであってもよい。
本発明による識別用導電性部材において、前記第1導電性材料および前記第2導電性材料は、可視光に対する透明性を有していてもよい。
本発明による識別用導電性部材において、前記第1部分および前記第2部分は、互いに平行に線状に延びていてもよい。
本発明は、物体に設けられた識別用導電性部材に基づいて、物体に関する識別情報を取得する識別方法であって、前記識別用導電性部材は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分と、前記第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分と、を備え前記識別方法は、電磁波を前記識別用導電性部材に照射する照射工程と、前記第1部分によって反射された電磁波の特性、および前記第2部分によって反射された電磁波の特性に基づいて、物体に関する識別情報を取得する解析工程と、を備える、識別方法である。
本発明による識別方法において、前記解析工程においては、前記第1部分によって反射された電磁波の反射率と、前記第2部分によって反射された電磁波の反射率との比に基づいて、前記識別情報が取得されてもよい。
本発明による識別方法において、好ましくは、前記照射工程において前記識別用導電性部材に照射される電磁波は、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波であり、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第1部分に照射した場合の電磁波の反射率、および、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第2部分に照射した場合の電磁波の反射率がいずれも0.1以上である。
本発明による識別方法において、前記第1導電性材料または前記第2導電性材料は、金属材料、導電性炭素材料、導電性高分子材料または導電性金属酸化物材料のいずれかであってもよい。
本発明による識別方法において、前記第1導電性材料および前記第2導電性材料は、可視光に対する透明性を有していてもよい。
本発明による識別方法において、前記第1部分および前記第2部分は、互いに平行に線状に延びていてもよい。
本発明による識別方法の前記照射工程においては、前記識別用導電性部材のうち電磁波が照射される照射領域が、走査方向に沿って移動するよう、電磁波が前記識別用導電性部材に対して相対的に走査され、これによって、前記走査方向における前記第1部分および前記第2部分の位置に関する情報が得られてもよい。この場合、前記解析工程は、前記走査方向における前記第1部分および前記第2部分の位置に関する情報にさらに基づいて、前記識別情報を取得する。
本発明による識別方法において、前記物体は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、前記識別用導電性部材は、前記収容体の外面以外の場所に取り付けられていてもよい。
本発明は、物体に設けられた識別用導電性部材に基づいて、物体に関する識別情報を取得する識別装置であって、前記識別用導電性部材は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分と、前記第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分と、を備え前記識別装置は、電磁波を前記識別用導電性部材に照射する照射部と、前記第1部分によって反射された電磁波の特性、および前記第2部分によって反射された電磁波の特性に基づいて、物体に関する識別情報を取得する解析部と、を備える、識別装置である。
本発明によれば、パターンの外観のみによっては識別情報を完全に解析することができない識別用導電性部材を提供することができる。
本発明の実施形態に係る収容体の構成を示す平面図。 図1の収容体のA−A断面の構成を示す断面図。 収容体に設けられた識別用導電性部材を拡大して示す平面図。 収容体に設けられた識別用導電性部材を拡大して示す断面図。 本発明の実施形態に係る識別装置の概略構成を示す図である。 識別用導電性部材における電磁波の反射率を位置に対してプロットした結果を示す図。 識別用導電性部材の一変形例を示す断面図。 識別用導電性部材の一変形例を示す断面図。 識別用導電性部材の一変形例を示す断面図。 図10に示す識別用導電性部材に電磁波を照射した場合に得られる反射波の周波数特性を示す図。 識別用導電性部材の一変形例を示す断面図。 図11に示す識別用導電性部材に電磁波を照射した場合に得られる反射波の周波数特性を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本実施の形態においては、識別用導電性部材20が設けられる物体が、所定の収容物を収容することができる収容体10である例について説明する。この場合、識別用導電性部材20には、収容体10に関する識別情報、例えば収容体10自体に関する識別情報や収容体10に収容されている収容物に関する識別情報が記録されている。図1は、収容体10の構成を示す平面図である。図2は、図1の収容体10のA−A断面の構成を示す断面図である。
収容体
収容体10は、紙や不透明な樹脂からなる不透明層を含んでいる。このため、可視光や赤外線は、収容体10によって反射または吸収される。すなわち、可視光や赤外線は収容体10を透過することができない。従って、収容体10の外部からは対象物を視認することができない。なお「不透明」とは、収容体10などの物体に赤外線または可視光を照射した際に、赤外線または可視光が物体を全く透過しないこと、及び、赤外線または可視光が物体を透過しても、透過した赤外線または可視光をセンサによって検知できない程度の微小な透過量であることを意味する。例えば、収容体10のうち収容体10の外面10xと識別用導電性部材20との間に位置する部分の全光線透過率は、10%以下となっている。ここで「全光線透過率」は、拡散成分を含む光線透過率として定義される。全光線透過率は、JIS K7375の全光線透過率測定法に準拠して求められ得る。具体的には、収容体10の外面10xと識別用導電性部材20との間に位置する収容体10からなる試験片の透過光を、試験片端部からの散逸を可能な限り少なくした状態で、積分球内へ導いて測定して透過率を算出する。そのような測定および算出を、光波長380nm〜780nmにおいて10nm間隔で実施し、それらの平均値を算出することによって、全光線透過率を求めることができる。なお本明細書において、可視光とは、380nm〜780nmの波長範囲の光を意味している。
収容体10を構成する紙としては、例えば段ボールが用いられる。また収容体10は、段ボール封筒と称されるものであってもよい。この場合、収容体10は封筒状であり、封筒部11と、封筒部11の開口部に設けられたフラップ部12と、を有している。フラップ部12は、180°折り返されて封筒部11の接着領域11aに接着され、これにより段ボール封筒である収容体10が封緘される。図1は、フラップ部12が折り返される前の収容体10を示している。
図2に示すように、収容体10は、段ボールである第1層13と、第1層13に積層された、段ボールである第2層14及び第3層15と、を有している。封筒状に形成された第1層13の外方を向く2つの面のうち、一方の面に第2層14が積層されると共に接着され、他方の面に第3層15が積層されると共に接着されている。
識別用導電性部材20は、紙又は不透明な樹脂からなる不透明層によって外部から遮蔽された場所に設けられている。例えば識別用導電性部材20は、収容体10のうち、収容体10の外面10x以外の場所に設けられる。図1および図2に示す例において、識別用導電性部材20は、収容体10の内面10yに、具体的には第1層13のうち収容体10の内部に向く側の面に取り付けられている。なお外面10xとは、収容体10が封緘された時に収容体10の外方を向いている面、即ち肉眼で視認され得る面である。また内面10yとは、収容体10の内部の空間に接する面である。
識別用導電性部材
以下、識別用導電性部材20について説明する。ここでは、識別用導電性部材20の形態として、一次元コード、例えばバーコードの形態が採用されている例について説明する。しかしながら、収容体10または収容体10に収容されている収容物に関する識別情報を提供することができる限りにおいて、識別用導電性部材20の外観的な形態が特に限られることはない。例えば識別用導電性部材20は、QRコード(登録商標)などの二次元コードの形態を有していてもよい。
識別用導電性部材20から物体に関する識別情報を得て、これによって物体を識別する方法としては、後述するように、識別用導電性部材20に電磁波を照射し、識別用導電性部材20によって反射された電磁波を解析して、物体に関する識別情報を得る、という方法が採用される。従って識別用導電性部材20は、電磁波を反射することができるよう構成されている。具体的には、識別用導電性部材20は、導電性を有する導電性材料を含んでいる。なお以下の説明において、識別用導電性部材20によって反射された電磁波のことを、反射波とも称する。また、識別用導電性部材20によって反射される前の電磁波と、識別用導電性部材20によって反射された後の電磁波すなわち反射波とを、符号L1と符号L2とによって区別することもある。
図2に示すように、識別用導電性部材20は、収容体10の内面10yに取り付けられた基材25と、基材25上に設けられた複数の第1部分21および複数の第2部分22と、を含んでいる。基材25は、第1面25aと、第1面25aの反対側に位置する第2面25bと、を含んでおり、上述の第1部分21および第2部分22は基材25の第1面25a側に設けられている。また、基材25の第2面25b側が収容体10の内面10yと対向するように、識別用導電性部材20が内面10yに取り付けられている。
図2および図3に示すように、複数の第1部分21および複数の第2部分22はそれぞれ、基材25の第1面25aに沿って互いに平行に線状に延びている。以下の説明において、第1部分21および第2部分22が線状に延びる方向のことを、長手方向とも称する。なお「線状」とは、第1部分21の幅W1に対する、長手方向における第1部分21の長さB1の比、および、第2部分22の幅W2に対する、長手方向における第2部分22の長さB2の比が、例えば2以上であることを意味している。
複数の第1部分21および複数の第2部分22は、長手方向に交差する配列方向Dに沿って並べられている。この場合、配列方向Dにおける第1部分21および第2部分22の順序に基づいて、物体に関する識別情報を表現することができる。例えば、図3に示すように左から右へ第1部分21、第2部分22、第1部分21、第2部分22、第2部分22が並べられている場合、第1部分21を二値情報の「0」とし、第2部分22を二値情報の「1」とすると、図3に示す識別用導電性部材20によって「01011」という識別情報が提供される。
なお、識別用導電性部材20によって提供される識別情報は、配列方向Dにおける第1部分21および第2部分22の順序に基づく情報以外の情報を含んでいてもよい。例えば、第1部分21の幅W1、第2部分22の幅W2や、配列方向Dにおける第1部分21と第2部分22との間の隙間Sなどにさらに基づいて、すなわち配列方向Dにおける第1部分21および第2部分22の位置に関する情報にさらに基づいて、物体に関する識別情報が表現されていてもよい。
なお、第1部分21の幅W1と、第2部分22の幅W2とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、複数の第1部分21が、互いに同一の幅W1を有していてもよく、異なる幅W1を有していてもよい。同様に、複数の第2部分22が、互いに同一の幅W2を有していてもよく、異なる幅W2を有していてもよい。同様に隙間Sも、位置に依らず同一であってもよく、位置に応じて変化してもよい。幅W1、幅W2や隙間Sが様々に異なる場合、識別用導電性部材20によって提供される識別情報の容量やバリエーションを増加させることができる。一方、幅W1、幅W2や隙間Sが位置に依らず同一である場合、識別用導電性部材20が物体の識別情報を提供するためのものであるということを隠匿し易くすることができる。これによって、不特定多数の者によって識別用導電性部材20が解析されることを抑制することができる。すなわち、識別用導電性部材20によって提供される識別情報のセキュリティ性を高めることができる。
第1部分21の幅W1および第2部分22の幅W2、並びに隙間Sは、後述する識別装置50の照射部51から放射される電磁波のスポット径や、測定部52の分解能などに応じて適宜設定される。例えば第1部分21の幅W1および第2部分22の幅W2は、0.33mm〜1.32mmの範囲内になっている。また隙間Sは、0.33mm〜1.32mmの範囲内になっている。
次に、第1部分21および第2部分22の構成について説明する。第1部分21は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含んでいる。一方、第2部分22は、第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含んでいる。この結果、第1部分21の導電率と第2部分22の導電率とは互いに異なっている。このため、電磁波を第1部分21に照射した場合の電磁波の反射率R1と、電磁波を第2部分22に照射した場合の電磁波の反射率R2とは、互いに異なる値になる。本実施の形態においては、後述するように、このような反射率の相違に基づいて第1部分21と第2部分22とを判別して、識別用導電性部材20に含まれる情報を解析する。
以下、物質の導電率の相違に基づいて、物質の反射率の相違が生じることについて説明する。屈折率nの物質に、物質の界面に対して垂直に空気中から電磁波が入射する場合、物質の界面における電磁波の反射率Rは、空気の屈折率を1とすると、以下の式によって表される。
Figure 0006464894
また、物質の透磁率および誘電率をそれぞれμおよびεとし、真空の透磁率および誘電率をそれぞれμ0およびε0とすると、物質の屈折率nは以下の式によって表される。
Figure 0006464894
また、物質の誘電率μと、物質の導電率σとの間には、単純な一対一の対応関係が成立している。例えば、第1の物質の誘電率が、第2の物質よりも大きな誘電率を有する場合、第1の物質の導電率が、第2の物質の導電率よりも大きくなる。従って、第1部分21の第1導電性材料、および第2部分22の第2導電性材料を適切に選択することにより、第1部分21の導電率および第2部分22の導電率を調整し、これによって第1部分21における電磁波の反射率R1および第2部分22における電磁波の反射率R2を任意に設計することができる。
上述のように本実施の形態においては、識別用導電性部材20によって反射された電磁波を解析することにより、物体に関する識別情報が得られる。また後述するように、電磁波としては、好ましくは、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波が用いられる。これらの点を考慮し、好ましくは、識別用導電性部材20の第1部分21および第2部分22は、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を第1部分21に照射した場合の反射率R1、および0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を第2部分22に照射した場合の反射率R2がいずれも0.1以上となるよう、第1導電性材料および第2導電性材料が選択される。例えば、第1部分21および第2部分22はいずれも、導電性炭素材料と少なくとも同等の導電性を有している。例えば、第1部分21の導電率および第2部分22の導電率はいずれも、0.5×10Ω−1・m−1以上になっている。
後述するように本実施の形態においては、反射率R1と反射率R2との比や差に基づいて、第1部分21と第2部分22とが判別される。従って、反射率R1と反射率R2との間には、ある程度の測定誤差が存在する場合であっても第1部分21と第2部分22とを判別することが可能である程度の差が存在することが好ましい。例えば、第1反射率R1が第2反射率R2よりも大きいと仮定した場合、第1反射率R1から第2反射率R2を引いた値が0.05以上になっており、より好ましくは0.10以上になっている。または、第1反射率R1に対する第2反射率R2の比が0.90以下になっており、より好ましくは0.80以下になっている。
第1導電性材料および第2導電性材料としては、金属材料、導電性炭素材料、導電性高分子材料または導電性金属酸化物材料などを挙げることができる。金属材料としては、銀、金、銅、ニッケル、錫、鉄、クロム、亜鉛、アルミニウム、チタンまたはそれらの化合物など、十分に高い反射率を実現することができるものが用いられ得る。導電性炭素材料としては、グラファイト構造またはそれに類似する構造を有するもの、例えばカーボンブラックなどを用いることができる。導電性高分子材料としては、ポリチオフェンやポリアニリンなど、導電性および可視光に対する透明性を有するものを用いることができる。導電性金属酸化物材料としては、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ、三酸化アンチモン(Sb2O3)およびそれらの化合物など、導電性および可視光に対する透明性を有するものを用いることができる。
なお第1導電性材料および第2導電性材料として、導電性高分子材料や導電性金属酸化物材料などの、導電性および可視光に対する透明性を有する材料が用いられる場合、識別用導電性部材20が視認されることを抑制することができる。これによって、不特定多数の者によって識別用導電性部材20が解析されることを抑制することができる。すなわち、識別用導電性部材20によって提供される識別情報のセキュリティ性を高めることができる。
第1部分21の厚みT1と、第2部分22の厚みT2とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、複数の第1部分21が、互いに同一の厚みT1を有していてもよく、異なる厚みT1を有していてもよい。同様に、複数の第2部分22が、互いに同一の厚みT2を有していてもよく、異なる厚みT2を有していてもよい。図4においては、複数の第1部分21の厚みT1が互いに同一であり、複数の第2部分22の厚みT2が互いに同一であり、かつ第1部分21の厚みT1と第2部分22の厚みT2とが同一である例が示されている。
第1部分21の厚みT1および第2部分22の厚みT2は、例えば0.005μm〜500μmの範囲内になっている。
基材25の第1面25a上などに第1部分21および第2部分22を形成する方法が特に限られることはなく、公知の方法が適宜採用され得る。例えば、はじめに、第1導電性材料を含む第1導電層を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、塗工法や印刷法等を利用して基材25上に連続的に設ける。次に、第1部分21と同一のパターンを有するレジストパターンを第1導電層上に形成し、その後、第1導電層をエッチングする。すなわち、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて第1導電層をパターニングすることにより、所定のパターンを有する第1部分21を得ることができる。また、第1部分21の場合と同様に、第2導電性材料を含む第2導電層を基材25上に設け、第2導電層をパターニングする。これによって、所定のパターンを有する第1部分21および第2部分22を備える識別用導電性部材20を得ることができる。
その他にも、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法や熱転写印刷法を採用して、所定のパターンを有する第1部分21および第2部分22を基材25上に形成してもよい。
なお図2に示す例においては、第1部分21および第2部分22を備える識別用導電性部材20が、基材25を介して収容体10などの物体に取り付けられているが、これに限られることはない。図示はしないが、識別用導電性部材20が物体の面に直接的に形成されてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、上述の収容体10に設けられた識別用導電性部材20からの反射波を解析して、収容体10に関する識別情報を取得するための方法について説明する。
識別装置
はじめに、識別用導電性部材20に基づいて識別情報を取得するための識別装置50について、図4を参照して説明する。識別装置50は、収容体10に設けられた識別用導電性部材20の複数の位置に基材25の第1面25a側から電磁波L1を照射する照射部51と、識別用導電性部材20の第1部分21および第2部分22によって反射された電磁波L2の強度を測定する測定部52と、第1部分21によって反射された電磁波L2の特性、および第2部分22によって反射された電磁波L2の特性に基づいて、収容体10に関する識別情報を取得する。なお照射部51、測定部52および解析部53は、一体的に構成されたものであってもよく、個別に構成されたものであってもよい。
(照射部)
照射部51としては、好ましくは、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を識別用導電性部材20に照射することができるものが用いられる。0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波は、テラヘルツ波とも称されるものである。テラヘルツ波は、紙や樹脂などの多くの包装用材料を透過することができるという特性を有している。従ってテラヘルツ波を利用すれば、紙や樹脂を含む収容体10の、外面10x以外の場所に設けられた識別用導電性部材20からの電磁波L2を、収容体10を開封することなく得ることができる。またテラヘルツ波は、X線などの、高い透過性を有するその他の周波数範囲の電磁波に比べて、安全に使用され得る。またテラヘルツ波は、高い指向性を有しているため、干渉による問題が生じることを抑制することもできる。
テラヘルツ波を生成する方法としては、光伝導アンテナ、半導体または非線形光学結晶に対してレーザー光を照射し、非線形光学効果、光パラメトリック、差周波混合等を利用してテラヘルツ波を放射する方法が考えられる。また、テラヘルツ波の発生系の他の一例として、量子カスケードレーザー(QCL:Quantum Cascade Laser)、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunnel Diode)、ジャイロトロン、自由電子レーザー(FEL:Free Electron Laser)等が考えられる。
なお、様々な周波数の成分を広い周波数範囲にわたって連続的に含むテラヘルツ波を生成する方法としては、例えば、テラヘルツ時間領域分光法(Teraherts Time Domain Spactroscopy: THz-TDS)を挙げることができる。テラヘルツ時間領域分光法によって発生したテラヘルツ波は、強度は比較的低く、例えば数十mW程度であるが、安定性に優れているという利点を有している。
また、高い強度を有するテラヘルツ波を生成する方法としては、例えば、光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用してテラヘルツ波からなる電磁波を生成する方法が考えられる。この方法によれば、例えば、300mW以上の強度や、1W以上の強度を有するテラヘルツ波を生成することができる。このため、収容体10の不透明層として大きな厚みを有するものが用いられる場合であっても、収容体10から戻ってくる電磁波を十分な精度で検出することができる。例えば、光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用して電磁波を生成する発生系が用いられる場合、不透明層を構成する紙として、100μm〜1cmの範囲内の厚みのものを用いることができる。
なお非線形光学結晶とは、レーザー光などの強い光が入射した場合に、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答をする結晶のことである。また非線形光学効果とは、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答のことである。上述の光パラメトリックや差周波混合は、非線形光学効果の一種である。
(測定部)
測定部52としては、識別用導電性部材20の第1部分21および第2部分22によって反射された電磁波L2の強度を測定することができるものが用いられる。例えば、電磁波L2の強度を周波数ごとに測定して、電磁波L2の周波数スペクトルを得ることができるものが用いられる。例えば測定部52として、スペクトルアナライザが用いられる。
好ましくは、照射部51を用いて識別用導電性部材20に電磁波L1を照射する照射工程を実施する際、識別用導電性部材20のうち電磁波L1が照射される照射領域51aが、走査方向Tに沿って移動するよう、電磁波L1が識別用導電性部材20に対して相対的に走査される。走査方向Tは、好ましくは、複数の第1部分21および複数の第2部分22が並べられた配列方向Dに一致している。これによって、照射部51から放射される電磁波L1を利用して識別用導電性部材20をスキャンすることが可能になる。
電磁波L1を識別用導電性部材20に対して相対的に走査するための具体的な方法が特に限られることはない。例えば図5に示すように、識別用導電性部材20が設けられた収容体10を搬送する搬送部55を利用して、電磁波L1が識別用導電性部材20に対して走査方向Tに沿って相対的に走査されるようにしてもよい。若しくは、収容体10に対して照射部51を走査方向Tに沿って移動させることにより、電磁波L1を走査してもよい。
識別方法
次に、識別用導電性部材20に基づいて収容体10に関する識別情報を取得する識別方法について説明する。
(照射工程)
はじめに、照射部51を用いて、基材25の第1面25a側から、収容体10に設けられた識別用導電性部材20の複数の位置に電磁波L1を照射する照射工程を実施する。上述のように、電磁波L1として0.1THz〜3THzの周波数範囲のテラヘルツ波が用いられるので、電磁波L1は、収容体10を透過して識別用導電性部材20に到達することができる。
(測定工程)
次に、測定部52を用いて、識別用導電性部材20の各位置において反射された電磁波L2の強度I2を測定する測定工程を実施する。識別用導電性部材20によって反射された電磁波L2の強度I2としては、特定の周波数における電磁波の強度が採用されてもよい。若しくは、所定の周波数範囲における電磁波L2の強度を積算したものが、強度I2として採用されてもよい。すなわち、電磁波L2の周波数スペクトルを積分したものが、強度I2として採用されてもよい。
照射部51から識別用導電性部材20に照射される電磁波L1の強度をI1とすると、強度I2を強度I1で割ることにより、識別用導電性部材20の各位置における電磁波の反射率が算出される。図6は、算出された反射率の値を、識別用導電性部材20の各位置に対してプロットしたものである。
本実施の形態においては、上述のように、第1部分21の導電率と第2部分22の導電率とは互いに異なっている。このため、第1部分21における電磁波の反射率R1と、第2部分22における電磁波の反射率R2も互いに異なっている。このため図6に示すように、識別用導電性部材20の各位置における電磁波の反射率の値は、位置に応じて変化する。
なお図4に示すように、第1部分21および第2部分22が存在しない位置に照射された電磁波L1は、反射されることなく基材25を透過する。このため図6に示すように、識別用導電性部材20の各位置における電磁波の反射率の値が極めて小さくなる部分が存在している。
(解析工程)
次に、解析部53を用いて、識別用導電性部材20に含まれる第1部分21および第2部分22によって反射された電磁波L2の特性に基づいて、物体に関する識別情報を取得する解析工程を実施する。例えば、第1部分21によって反射された電磁波の反射率R1と、第2部分22によって反射された電磁波の反射率R2との比に関する情報に基づいて、図6に示す反射率のプロットを解析して、第1部分21および第2部分22の配列を算出する。
例えば、はじめに、識別用導電性部材20の各位置において測定された反射率の最大値を用いて、識別用導電性部材20の各位置において測定された反射率の値を規格化する。ここで本実施の形態によれば、第1部分21に含まれる第1導電性材料の第1の導電率、および第2部分22に含まれる第2導電性材料の第2の導電率に基づいて、反射率R1と反射率R2との比を予測することができる。例えば、反射率R1が反射率R2よりも大きいということや、第1反射率R1に対する第2反射率R2の比を予測することができる。この場合、規格化後の反射率がほぼ1になっている位置を、第1部分21が存在している位置であると判別し、また規格化後の反射率が、予測される上述の比にほぼ等しくなっている位置を、第2部分22が存在している位置であると判別することができる。従って、図6に示す反射率のプロットに基づいて、第1部分21および第2部分22の配列の順序を割り出すことができる。図6には、反射率のプロットに基づいて解析される第1部分21および第2部分22の位置が併せて示されている。
なお、反射率の値を規格化するために用いられる値が、識別用導電性部材20の各位置において測定された反射率の最大値に限られることはない。また、図6に示す反射率のプロットを解析する方法が、第1反射率R1に対する第2反射率R2の比に関する情報に基づく方法に限られることはない。例えば、第1反射率R1と第2反射率R2との差に基づいて、第1部分21および第2部分22の配列の順序を割り出してもよい。
上述のように本実施の形態によれば、異なる導電率を有する第1部分21および第2部分22を利用して、収容体10に関する識別情報を識別用導電性部材20に持たせることができる。この場合、識別用導電性部材20の外観に基づく解析のみによっては、収容体10に関する識別情報を完全に解析することができない。このため、不特定多数の者によって識別用導電性部材20が解析されることを抑制することができる。すなわち、識別用導電性部材20によって提供される識別情報のセキュリティ性を高めることができる。
また本実施の形態によれば、識別用導電性部材20の第1部分21および第2部分22はそれぞれ、導電性を有する導電性材料を含んでいる。このため、識別用導電性部材20は、紙や樹脂に対する高い透過性を有するテラヘルツ波を反射することができる。従って、収容体10の内部など、肉眼によっては視認され得ない場所に識別用導電性部材20が設けられている場合であっても、収容体10の外部などから識別用導電性部材20に向けてテラヘルツ波を照射し、識別用導電性部材20からの反射波を解析することにより、収容体10に関する識別情報を得ることができる。これによって、収容体10自体や、収容体10に収容されている収容物の識別や認証を行うことができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、複数の第1部分21の厚みT1が互いに同一であり、かつ複数の第2部分22の厚みT2が互いに同一である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図7に示すように、複数の第1部分21が互いに異なる厚みT1を有していてもよい。同様に、複数の第2部分22が互いに異なる厚みT2を有していてもよい。
第1部分21の厚みT1が位置などに応じて様々に異なる場合、厚みに応じて第1部分21の電気抵抗が相違するので、第1部分21の反射特性を様々に異ならせることができる可能性がある。第2部分22についても同様である。このため本変形例によれば、識別用導電性部材20によって提供される識別情報の容量やバリエーションをさらに増加させることができる。なお、厚みの差に応じた情報を識別用導電性部材20に付加する場合、厚みの差が5μm以上に設定されることが好ましい。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態においては、識別用導電性部材20が、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分21と、第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分22と、を備える例を示した。しかしながら、識別用導電性部材20に含まれる導電性材料の種類の数が特に限られることはない。例えば図8に示すように、識別用導電性部材20は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分21、および、第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分22に加えて、第1の導電率および第2の導電率とは異なる第3の導電率を有する第3導電性材料を含む第3部分23をさらに備えていてもよい。
(第3の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1部分21によって反射された電磁波L2の反射率R1と、第2部分22によって反射された電磁波L2の反射率R2との比に基づいて、第1部分21と第2部分22とが判別される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1部分21や第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数特性に基づいて、第1部分21と第2部分22とを判別することができるよう、識別用導電性部材20が構成されていてもよい。例えば図9に示すように、第1部分21および第2部分22がそれぞれ、特定の周波数に電磁波L2のピークが現れるよう構成されたアンテナとして機能するものであってもよい。
図9に示すように、識別用導電性部材20は、隙間21cを空けて配置された一対の第1部分21と、隙間22cを空けて配置された一対の第2部分22と、を備えている。一対の第1部分21は、第1要素21aと、第1要素21aが延びる方向とは異なる方向に延び、第1要素21aに接続された第2要素21bと、を含んでいる。隙間21cは、一対の第1部分21の第2要素21bの間に形成されている。一対の第2部分22も同様に、第1要素22aと、第1要素22aに接続された第2要素22bと、を含んでいる。
図9に示す一対の第1部分21においては、一対の第1部分21の間の隙間21cの寸法S1と、第1部分21を構成する第1導電性材料の第1の導電率と、に基づいて、第1部分21によって反射された電磁波L2の周波数特性が決定される。同様に、図9に示す一対の第2部分22においては、一対の第2部分22の間の隙間22cの寸法S2と、第2部分22を構成する第2導電性材料の第2の導電率と、に基づいて、第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数特性が決定される。図10は、図9に示す識別用導電性部材20に電磁波L1を照射した場合に得られる電磁波L2の周波数特性の例を示す図である。図10において、符号S1が、第1部分21によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルを表し、符号S2が、第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルを表している。また符号f1が、周波数スペクトルQ1のピークが位置する周波数を表し、符号f2が、周波数スペクトルQ2のピークが位置する周波数を表している。
上述の寸法S1および寸法S2は、好ましくは、ピークが現れる周波数f1ピーク周波数f2がいずれも0.1THz〜3THzの範囲内となるよう、第1部分21の導電率および第2部分22の導電率に応じて設定される。例えば、第1部分21の第1導電性材料および第2部分22の第2導電性材料がいずれも銅または銅合金を含む場合、寸法S1および寸法S2は1μm〜100μmの範囲内になっている。
本変形例によれば、識別用導電性部材20に電磁波L1を照射することによって得られる、識別用導電性部材20によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルやピークの周波数を解析することにより、第1部分21と第2部分22とを判別することができる。これによって、識別用導電性部材20に含まれる情報を解析することができる。
また本変形例においても、上述の本実施の形態の場合と同様に、第1部分21の導電率と第2部分22の導電率とが互いに異なっている。このため、例えば第1部分21の形状と第2部分22の形状とが同一の場合であっても、第1部分21によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ1と、第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ2とを異ならせることができる。これによって、識別用導電性部材20が容易に解析されてしまうことを抑制することができる。すなわち、識別用導電性部材20によって提供される識別情報のセキュリティ性を高めることができる。
(第4の変形例)
本変形例においては、電磁波L1に対する第1部分21および第2部分22の誘電率および透磁率が負の値になるよう、第1部分21および第2部分22が構成される例について説明する。すなわち本変形例において、第1部分21および第2部分22は、いわゆるメタマテリアルとして機能する。メタマテリアルについては、例えば特開2013−5044において説明されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本変形例による識別用導電性部材20においては、四角形の形状を有する複数の第1部分21が規則的に配置されている。また、各第1部分21の幅W1または各第1部分21間の隙間の寸法S1のうちの少なくともいずれか一方は、識別用導電性部材20に照射される電磁波L1の波長よりも小さくなっている。例えば、電磁波L1として、100μm〜3mmの波長範囲内の電磁波、すなわちテラヘルツ波が用いられる場合、各第1部分21の幅W1または各第1部分21間の隙間の寸法S1のうちの少なくともいずれか一方は、テラヘルツ波の波長よりも小さくなっている。
第1部分21と同様に、本変形例による識別用導電性部材20においては、四角形の形状を有する複数の第2部分22が規則的に配置されている。また、各第2部分22の幅W2または各第2部分22間の隙間の寸法S2のうちの少なくともいずれか一方は、識別用導電性部材20に照射される電磁波L1の波長よりも小さくなっている。
図11に示す複数の第1部分21においては、第1部分21を構成する第1導電性材料の第1の導電率、第1部分21の幅W1および各第1部分21間の隙間の寸法S1に基づいて、メタマテリアルとしての特性が決定される。例えば図12に示すように、複数の第1部分21によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ1には、減衰の開始を示す特徴点P1が、特定の周波数f1に現れる。同様に、複数の第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ2にも、減衰の開始を示す特徴点P2が、特定の周波数f2に現れる。このため、識別用導電性部材20によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルや特徴点の周波数を解析することにより、第1部分21と第2部分22とを判別することができる。これによって、識別用導電性部材20に含まれる情報を解析することができる。
また本変形例においても、第1部分21の導電率と第2部分22の導電率とが互いに異なっている。このため、例えば複数の第1部分21の形状や配置と複数の第2部分22の配置や形状とが同一の場合であっても、複数の第1部分21によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ1と、複数の第2部分22によって反射された電磁波L2の周波数スペクトルQ2とを異ならせることができる。これによって、識別用導電性部材20が容易に解析されてしまうことを抑制することができる。すなわち、識別用導電性部材20によって提供される識別情報のセキュリティ性を高めることができる。
なお図11においては、第1部分21および第2部分22がいずれも四角形の形状を有する例を示したが、これに限られることはない。メタマテリアルとして機能することができる限りにおいて、第1部分21および第2部分22の形状や配置として、様々なものを採用することができる。
(その他の変形例)
上述の本実施の形態においては、識別用導電性部材20のうち電磁波L1が照射される照射領域51aが、走査方向に沿って移動するよう、電磁波L1が識別用導電性部材20に対して相対的に走査される例を示した。しかしながら、識別用導電性部材20の様々な位置において反射された電磁波L2を測定することができる限りにおいて、識別用導電性部材20に電磁波L1を照射する方法が特に限られることはない。例えば、識別用導電性部材20の各位置に一括で電磁波L1を照射し、各位置で反射された電磁波L2を、各位置に対応する複数の測定素子を利用して一括で測定してもよい。
また上述の本実施の形態においては、識別用導電性部材20に照射される電磁波L1として、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波、いわゆるテラヘルツ波が用いられる例を主に示した。しかしながら、識別用導電性部材20からの反射波を得ることができる限りにおいて、識別用導電性部材20に照射される電磁波L1の周波数範囲が特に限られることはない。例えば、図示はしないが、識別用導電性部材20が収容体10の外面10xに設けられている場合、様々な周波数範囲の電磁波L1を用いることができる。この場合であっても、本実施の形態によれば上述のように、異なる導電率を有する第1部分21および第2部分22を利用して、収容体10に関する識別情報を識別用導電性部材20に持たせているので、識別用導電性部材20の外観に基づく解析のみによっては、収容体10に関する識別情報を完全に解析することができない。このため、識別用導電性部材20が収容体10の外面10xに設けられている場合であっても、不特定多数の者によって識別用導電性部材20が解析されることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 収容体
10x 外面
10y 内面
20 識別用導電性部材
21 第1部分
22 第2部分
23 第3部分
25 基材
50 識別装置
51 照射部
51a 照射領域
52 測定部
53 解析部
55 搬送部

Claims (8)

  1. 物体に設けられた識別用導電性部材に基づいて、物体に関する識別情報を取得する識別方法であって、
    前記識別用導電性部材は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分と、前記第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分と、を備え
    前記識別方法は、
    電磁波を前記識別用導電性部材に照射する照射工程と、
    前記第1部分によって反射された電磁波の反射率と、前記第2部分によって反射された電磁波の反射率との比に関する情報に基づいて、物体に関する識別情報を取得する解析工程と、を備える、識別方法。
  2. 前記照射工程において前記識別用導電性部材に照射される電磁波は、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波であり、
    0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第1部分に照射した場合の電磁波の反射率、および、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波を前記第2部分に照射した場合の電磁波の反射率がいずれも0.1以上である、請求項に記載の識別方法。
  3. 前記第1導電性材料または前記第2導電性材料は、金属材料、導電性炭素材料、導電性高分子材料または導電性金属酸化物材料のいずれかである、請求項1または2に記載の識別方法。
  4. 前記第1導電性材料および前記第2導電性材料は、可視光に対する透明性を有する、請求項乃至のいずれか一項に記載の識別方法。
  5. 前記第1部分および前記第2部分は、互いに平行に線状に延びている、請求項乃至のいずれか一項に記載の識別方法。
  6. 前記照射工程においては、前記識別用導電性部材のうち電磁波が照射される照射領域が、走査方向に沿って移動するよう、電磁波が前記識別用導電性部材に対して相対的に走査され、これによって、前記走査方向における前記第1部分および前記第2部分の位置に関する情報が得られ、
    前記解析工程は、前記走査方向における前記第1部分および前記第2部分の位置に関する情報にさらに基づいて、前記識別情報を取得する、請求項乃至のいずれか一項に記載の識別方法。
  7. 前記物体は、紙又は不透明な樹脂で形成された収容体であり、
    前記識別用導電性部材は、前記収容体の外面以外の場所に取り付けられている、請求項乃至のいずれか一項に記載の識別方法。
  8. 物体に設けられた識別用導電性部材に基づいて、物体に関する識別情報を取得する識別装置であって、
    前記識別用導電性部材は、第1の導電率を有する第1導電性材料を含む第1部分と、前記第1の導電率とは異なる第2の導電率を有する第2導電性材料を含む第2部分と、を備え
    前記識別装置は、
    電磁波を前記識別用導電性部材に照射する照射部と、
    前記第1部分によって反射された電磁波の反射率と、前記第2部分によって反射された電磁波の反射率との比に関する情報に基づいて、物体に関する識別情報を取得する解析部と、を備える、識別装置。
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