JP6507258B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理装置および水処理方法に関し、特には、電気式脱イオン水製造装置を用いた水処理装置および水処理方法に関する。
イオン交換樹脂などのイオン交換体に被処理水を通水させてイオン交換反応により脱イオンを行う脱イオン水製造装置が知られている。このような装置は、イオン交換体のイオン交換基が飽和して脱塩性能が低下したときに、酸やアルカリなどの薬剤によってイオン交換体を再生する処理(再生処理)を行う必要がある。再生処理は、イオン交換体に吸着した陽イオン(カチオン)や陰イオン(アニオン)を、酸あるいはアルカリに由来する水素イオン(H)、水酸化物イオン(OH)で置き換え、これによってイオン交換体の脱塩性能を復活させる処理である。薬剤による再生処理が必要な脱イオン水製造装置は、連続運転を行えず、再生処理のための薬剤補充の手間もかかる、という課題を有する。
近年、これらの課題を解決するものとして、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置(EDI(Electro DeIonization)装置ともいう)が開発され、実用化されている。
EDI装置は、電気泳動と電気透析とを組み合わせた装置である。EDI装置は、アニオンのみを透過させるアニオン交換膜とカチオンのみを透過させるカチオン交換膜との間にイオン交換体(アニオン交換体および/またはカチオン交換体)が充填された脱塩室を備える。EDI装置では、脱塩室から見てアニオン交換膜およびカチオン交換膜の各々の外側に濃縮室が配置される。そして、脱塩室と各濃縮室が、陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間に配置される。脱塩室では、陽極に近い側にアニオン交換膜が配置され、陰極に近い側にカチオン交換膜が配置される。脱塩室とアニオン交換膜を介して隣接する濃縮室は、カチオン交換膜を介して陽極室と隣接する。脱塩室とカチオン交換膜を介して隣接する濃縮室は、アニオン交換膜を介して陰極室と隣接する。
EDI装置により被処理水から脱イオン水(処理水)を製造するには、陽極と陰極との間に直流電圧を印加した状態で、脱塩室に被処理水を通水する。すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室内のイオン交換体に吸着され、脱イオン化(脱塩)処理が行われ、脱塩室から脱イオン水が流出する。このとき脱塩室では、印加電圧によって異種のイオン交換性物質間の界面、例えば、アニオン交換体とカチオン交換体との界面や、アニオン交換体とカチオン交換膜との界面や、アニオン交換膜とカチオン交換体との界面において、下記式に示すように水の解離反応が起こり、水素イオンおよび水酸化物イオンが生成する。
O → H+OH
この水素イオンと水酸化物イオンによって、先に脱塩室内のイオン交換体に吸着されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分のうちアニオンは、アニオン交換膜まで電気泳動してアニオン交換膜で電気透析されて、脱塩室から見て陽極側の濃縮室を流れる濃縮水に排出される。同様に、遊離したイオン成分のうちカチオンは、カチオン交換膜まで電気泳動してカチオン交換膜で電気透析されて、脱塩室から見て陰極側の濃縮室を流れる濃縮水に排出される。結局、脱塩室に供給された被処理水中のイオン成分は濃縮室に移行して排出されることとなり、同時に、脱塩室のイオン交換体も再生されることになる。
このようにEDI装置では、直流電圧の印加によって生じる水素イオンおよび水酸化物イオンが、イオン交換体を再生する酸およびアルカリの再生剤として連続的に作用する。このため、EDI装置では、外部から供給される薬剤による再生処理は基本的に不要となり、薬剤によるイオン交換体の再生を行うことなく連続運転を行うことができる。
特開2001−191080号公報には、2つのEDI装置の各脱塩室が直列に連通された電気脱イオン装置が記載されている。この特許文献に記載の電気脱イオン装置では、1段目の脱塩室に、アニオン交換体が単独で、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混合物が充填され、2段目の脱塩室に、アニオン交換体とカチオン交換体との混合物が充填されている。
現在、処理水(脱イオン水)におけるホウ素の低濃度化に対する要求があり、この要求に応えることが可能な水処理技術が望まれている。
本発明の目的は、処理水におけるホウ素の低濃度化が可能な水処理装置および水処理方法を提供することである。
本発明による水処理装置は、複数の電気式脱イオン水製造装置を有する水処理装置において、前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々は、陽極と陰極との間に、前記陽極側に位置するアニオン交換膜と前記陰極側に位置するカチオン交換膜とで区画されイオン交換体が充填された脱塩室を有し、前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々の前記脱塩室は、直列に連通しており、前記直列に連通する複数の脱塩室は、ホウ素を含む被処理水を通水して処理水を流出し、前記被処理水が最初に通水される1段目の前記脱塩室の最上流部と、前記処理水を流出する最終段の前記脱塩室の最下流部には、アニオン交換体が単独で充填され、前記複数の脱塩室の一部であって前記1段目の脱塩室の最上流部と前記最終段の脱塩室の最下流部との間の部分に、少なくともカチオン交換体が充填されている。また、前記1段目の脱塩室の体積に対する前記1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、前記最終段の脱塩室の体積に対する前記最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比は、10%以上である。
本発明による水処理方法は、陽極と陰極との間に、前記陽極側に位置するアニオン交換膜と前記陰極側に位置するカチオン交換膜とで区画されイオン交換体が充填された脱塩室を有する複数の電気式脱イオン水製造装置を備え、前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々の前記脱塩室は、直列に連通しており、前記直列に連通する複数の脱塩室は、ホウ素を含む被処理水を通水して処理水を流出し、前記被処理水が最初に通水される1段目の前記脱塩室の最上流部と、前記処理水を流出する最終段の前記脱塩室の最下流部には、アニオン交換体が単独で充填され、前記複数の脱塩室の一部であって前記1段目の脱塩室の最上流部と前記最終段の脱塩室の最下流部との間の部分に、少なくともカチオン交換体が充填され、前記1段目の脱塩室の体積に対する前記1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、前記最終段の脱塩室の体積に対する前記最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比が10%以上である水処理装置を用いた水処理方法であって、前記陽極と前記陰極との間に直流電圧を印加しつつ前記直列に連通する複数の脱塩室に前記被処理水を通水して前記被処理水を処理して前記処理水を流出する。
本発明によれば、複数の電気式脱イオン水製造装置の各々の脱塩室が直列に連通され、直列に連通する複数の脱塩室のうち、1段目の脱塩室の最上流部と最終段の脱塩室の最下流部にはアニオン交換体が単独で充填され、その間の部分には、少なくともカチオン交換体が充填されている。このため、後述する実施例等からも明らかになるように、1段目の脱塩室にアニオン交換体とカチオン交換体との混合物が充填された水処理装置や、最終段の脱塩室の最下流部にアニオン交換体とカチオン交換体との混合物が充填された水処理装置に比べて、処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
第1の態様のEDI装置101を示した図である。 第2の態様のEDI装置102を示した図である。 第3の態様のEDI装置103を示した図である。 第4の態様のEDI装置104を示した図である。 第5の態様のEDI装置105を示した図である。 第6の態様のEDI装置106を示した図である。 本発明の第1の実施形態の水処理装置201を示した図である。 本発明の第2の実施形態の水処理装置202を示した図である。 本発明の第3の実施形態の水処理装置203を示した図である。 本発明の第4の実施形態の水処理装置204を示した図である。 本発明の第5の実施形態の水処理装置205示した図である。 本発明の第6の実施形態の水処理装置206を示した図である。 本発明の第7の実施形態の水処理装置207を示した図である。 本発明の第8の実施形態の水処理装置208を示した図である。 EDI装置301を示した図である。 比較例1の水処理装置を示した図である。 比較例2の水処理装置を示した図である。 比較例3の水処理装置を示した図である。 比較例4の水処理装置を示した図である。 実施例1〜8および比較例1〜4での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。 実施例9〜10での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。 実施例11〜13での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。 実施例14での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。
11 陽極
12 陰極
21 陽極室
22、24 濃縮室
23a、23b、23c、23d、23e、23f 脱塩室
23d−1、23e−1、23f−1 第1小脱塩室
23d−2、23e−2、23f−2 第2小脱塩室
25 陰極室
31、33 カチオン交換膜
32、34 アニオン交換膜
36 中間イオン交換膜
CER、K カチオン交換体
AER、A アニオン交換体
101〜106 EDI装置
201〜208 水処理装置
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の水処理装置は、複数のEDI装置(電気式脱イオン水製造装置)を有する。EDI装置では脱塩室にイオン交換体が充填されており、イオン交換反応により捕捉されたイオンがイオン交換体を伝わってイオン交換膜まで移動する。このため、イオンを効率的に除去することができる。また、EDI装置では水の分解反応が生じる電流密度で電流が流される。水の分解反応が生じる最小限の電流を限界電流といい、EDI装置では限界電流以上の電流が流される。従って、被処理水中のイオン濃度が低い場合であっても、水の分解反応で生じた水素イオンと水酸化物イオンがイオン交換体を伝わってイオン交換膜まで移動し、電荷の移動を担う。このようにEDI装置では純水中でも電気が流れるため、純水の製造が可能となる。これに対し、電気透析装置(ED)は脱塩室にイオン交換体が充填されておらず、また、限界電流より小さい電流が流されるため、水の分解反応を利用することができない。
まず、本発明の実施形態で用いられる6種類のEDI装置101〜106について説明する。この6種類のEDI装置は、脱塩室の態様が互いに異なっている。
<EDI装置101>
図1は、EDI装置101を示した図である。
EDI装置101では、陽極11を備えた陽極室21と、陰極12を備えた陰極室25との間に、陽極室21側から順に、濃縮室22、脱塩室23aおよび濃縮室24が設けられている。
陽極室21と濃縮室22はカチオン交換膜31を隔てて隣接し、濃縮室22と脱塩室23aはアニオン交換膜32を隔てて隣接し、脱塩室23aと濃縮室24とはカチオン交換膜33を隔てて隣接し、濃縮室24と陰極室25はアニオン交換膜34を隔てて隣接している。濃縮室24は第1濃縮室の一例であり、濃縮室22は第2濃縮室の一例である。
脱塩室23aは、アニオン交換膜32とカチオン交換膜33とによって区画されている。脱塩室23a内には、アニオン交換体AERが単床形態で充填されている。アニオン交換体AERとしては、例えばアニオン交換樹脂が使用される。被処理水は、脱塩室23aに通水される。
濃縮室22および24と陽極室21と陰極室25には、それぞれ、供給水が通水される。供給水としては純水や被処理水などが用いられる。
濃縮室22および24への供給水の通水方向は、脱塩室23aへの被処理水の通水方向と向流の関係としている。陽極室21と陰極室25への供給水の通水方向は、脱塩室23aへの被処理水の通水方向と向流の関係としている。なお、これらの通水方向の関係は適宜変更可能である。また、陰極室25から排出された電極水を、供給水として陽極室21に流している。なお、陽極室21から排出された電極水を、供給水として陰極室25に流してもよい。
<EDI装置102>
図2は、EDI装置102を示した図である。EDI装置102は、図1に示したEDI装置101と比べて、脱塩室に充填されているイオン交換体が異なる。EDI装置102の脱塩室23bでは、被処理水の入口側23b1の領域にアニオン交換体AERが単独で充填され、出口側23b2の領域にカチオン交換体CERが単独で充填されている。カチオン交換体CERとしては、例えばカチオン交換樹脂が使用される。
<EDI装置103>
図3は、EDI装置103を示した図である。EDI装置103は、図2に示したEDI装置102と比べて、脱塩室に充填されているアニオン交換体AERとカチオン交換体CERの位置が逆になっている。つまり、EDI装置103の脱塩室23cでは、被処理水の入口側23c1の領域にカチオン交換体CERが単独で充填され、出口側23c2の領域にアニオン交換体AERが単独で充填されている。
<EDI装置104>
図4は、EDI装置104を示した図である。
EDI装置104の脱塩室23dでは、アニオン交換膜32とカチオン交換膜33との間に中間イオン交換膜36が設けられ、中間イオン交換膜36によって脱塩室23dが小脱塩室23d−1と小脱塩室23d−2に区画されている。中間イオン交換膜36としては、アニオン交換膜、カチオン交換膜、および、バイポーラ膜などの複合膜のいずれも使用できる。EDI装置104では、中間イオン交換膜36として、アニオン交換膜が用いられる。陽極側の小脱塩室23d−1は第1小脱塩室の一例であり、陰極側の小脱塩室23d−2は第2小脱塩室の一例である。
小脱塩室23d−1にはアニオン交換体AERが単床形態で充填され、小脱塩室23d−2にはカチオン交換体CERが単床形態で充填されている。小脱塩室23d−1に被処理水が通水されて小脱塩室23d−1から流出する水が小脱塩室23d−2に流入するように(矢印104a、矢印104b、矢印104c参照)、小脱塩室23d−1と小脱塩室23d−2は直列に連通されている。
濃縮室22および24への供給水の通水方向は、小脱塩室23d−1,23d−2への被処理水の通水方向と向流の関係としている。陽極室21と陰極室25への供給水の通水方向は、小脱塩室23d−1,23d−2への被処理水の通水方向と向流の関係としている。なお、これらの通水方向の関係は適宜変更可能である。陰極室25から排出された電極水を、供給水として陽極室21に流している。なお、陽極室21から排出された電極水を、供給水として陰極室25に流してもよい。
<EDI装置105>
図5は、EDI装置105を示した図である。
EDI装置105は、図4に示したEDI装置104と比べて、第1小脱塩室と第2小脱塩室における被処理水の通水の順番が逆になっている。EDI装置105では、小脱塩室23e−2に被処理水が供給されて小脱塩室23e−2から流出する水が小脱塩室23e−1に流入するように(矢印105a、矢印105b、矢印105c参照)、小脱塩室23e−1と小脱塩室23e−2は直列に連通されている。
濃縮室22および24への供給水の通水方向は、小脱塩室23e−1,23e−2への被処理水の通水方向と向流の関係としている。陽極室21と陰極室25への供給水の通水方向は、小脱塩室23e−1,23e−2への被処理水の通水方向と向流の関係としている。なお、これらの通水方向の関係は適宜変更可能である。陰極室25から排出された電極水を、供給水として陽極室21に流している。なお、陽極室21から排出された電極水を、供給水として陰極室25に流してもよい。
<EDI装置106>
図6は、EDI装置106を示した図である。
EDI装置106は、図4に示したEDI装置104と比べて、陰極側の小脱塩室に充填されているイオン交換体が異なっている。小脱塩室23f−2では、小脱塩室23f−1から流出する水の入口側23f−21の領域にカチオン交換体CERが単独で充填され、出口側23f−22の領域にアニオン交換体AERが単独で充填されている。EDI装置106では、小脱塩室23f−1に被処理水が供給されて小脱塩室23f−1から流出する水が小脱塩室23f−2に流入するように(矢印106a、矢印106b、矢印106c参照)、小脱塩室23f−1と小脱塩室23f−2は直列に連通されている。小脱塩室23f−1と小脱塩室23f−2における被処理水の通水方向は向流の関係となっている。また、中間イオン交換膜36として、アニオン交換膜が用いられる。
濃縮室22および24への供給水の通水方向は、脱塩室23f−2への被処理水の通水方向と向流の関係としている。陽極室21と陰極室25への供給水の通水方向は、脱塩室23f−2への被処理水の通水方向と並流の関係としている。なお、これらの通水方向の関係は適宜変更可能である。陰極室25から排出された電極水を、供給水として陽極室21に流している。なお、陽極室21から排出された電極水を、供給水として陰極室25に流してもよい。
<第1の実施形態>
図7は、本発明の第1の実施形態の水処理装置201を示した図である。
水処理装置201は、EDI装置102とEDI装置103とを有する。EDI装置102の脱塩室23bとEDI装置103の脱塩室23cは、この順に直列に連通している。脱塩室23bの出口側23b2から流出した水は、脱塩室23cに入口側23c1から流入する。EDI装置102とEDI装置103の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水(純水)が供給される。EDI装置102の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置103の電極室(陰極室、陽極室)には、別々に供給水(純水)が供給される。なお、EDI装置102とEDI装置103の間で、濃縮室が直列に連通されてもよい。また、EDI装置102の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置103の電極室(陰極室、陽極室)に、共通の供給水が供給されてもよい。
また、本実施形態及び以下に述べる各実施形態の水処理装置において、前段のEDI装置の被処理水の流れる方向における上流側、すなわち、被処理水が最初に通水される1段目の脱塩室の、被処理水の流れる方向における上流側に、逆浸透膜装置111が設けられることが好ましい。逆浸透膜装置111は、被処理水のシリカ濃度を、例えば100μgSiO/L以下に、被処理水のホウ素濃度を、例えば100μgB/L以下に下げることができる。図示は省略するが、2つの逆浸透膜装置111が直列に設けられることがさらに好ましい。さらに、前段のEDI装置の被処理水の流れる方向における上流側、すなわち、被処理水が最初に通水される1段目の脱塩室の、被処理水の流れる方向における上流側に、脱炭酸膜装置112が設けられることが好ましい。脱炭酸膜装置112は被処理水の炭酸濃度を、例えば5mgCO/L以下に下げることができる。逆浸透膜装置111と脱炭酸膜装置112はどちらが被処理水の流れる方向における上流側にあってもよい。
次に、水処理装置201の脱塩室23bおよび23cで行われる水処理について説明する。
EDI装置102および103において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置102の脱塩室23bの入口側23b1から被処理水を通水する。
EDI装置102では、被処理水に対して以下の処理が行われると推測される。
被処理水内のホウ素は、脱塩室23bの入口側23b1の領域に充填されたアニオン交換体AERに触れると、アニオンとして解離してアニオン交換体AERに吸着される。なお、被処理水内のホウ素の一部は、アニオン交換体AERに吸着されずに被処理水の中に残る。ホウ素が残った被処理水は、脱塩室23b内のカチオン交換体CERが充填された部分(領域)に流れる。
このとき、脱塩室23bでは、陽極11と陰極12との間の印加電圧によって水の解離反応が起こり、水素イオンおよび水酸化物イオンが生成される。すると、脱塩室23b内のアニオン交換体AERに吸着していたアニオン(ホウ素)が、この水酸化物イオンによってイオン交換されてアニオン交換体AERから遊離する。遊離したアニオンはアニオン交換膜32を介して濃縮室22に移動し、濃縮室22から濃縮水として排出される。
脱塩室23bのアニオン交換体AERが充填された部分を通った被処理水が、脱塩室23bのカチオン交換体CERが充填された部分に流れ込むと、被処理水に含まれるカチオンがカチオン交換体CERに吸着される。そして、カチオン交換体CERに吸着されたカチオンが、水の解離反応で生成された水素イオンによって、イオン交換されてカチオン交換体CERから遊離する。遊離したカチオンはカチオン交換膜33を介して濃縮室24に移動し、濃縮室24から濃縮水として排出される。
被処理水内の水酸化物イオンは、アニオン交換膜32を介して濃縮室22に移動し、濃縮室22から濃縮水として排出される。
さらに、被処理水内の水酸化物イオンは、カチオン交換体CERからイオン交換され放出された水素イオン、ならびに水解離にて発生した水素イオンと反応して水(HO)となる。このため、脱塩室23bから流れ出る被処理水での水酸化物イオンの濃度は、脱塩室23bにカチオン交換体CERが存在しない場合よりも低くなる。なお、被処理水内の水酸化物イオンは、ホウ素(アニオン)の代わりにアニオン交換体AERに吸着してしまう可能性がある。このため、被処理水における水酸化物イオンの濃度が高くなりすぎると、後段のアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着の効率が低下する可能性がある。よって、被処理水内の水酸化物イオンが、カチオン交換体CERに吸着した水素イオンと反応して水(HO)となって減少することで、後段のEDI装置103内のアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率がよくなる。
EDI装置102の脱塩室23bから流れ出た被処理水は、EDI装置103の脱塩室23cに入口側23c1から流入する。
EDI装置103では、以下の処理が行われると推測される。
脱塩室23bから流れ出た被処理水が、脱塩室23cのカチオン交換体CERが充填された領域に流れ込むと、被処理水に対して脱塩室23bのカチオン交換体CERが充填された領域で行われた処理と同様の処理が行われる。このため、脱塩室23cのカチオン交換体CERが充填された領域から流れ出る被処理水での水酸化物イオンの濃度は、脱塩室23cにカチオン交換体CERが存在しない場合よりも低くなる。
脱塩室23cのカチオン交換体CERが充填された領域を通った被処理水は、脱塩室23cのアニオン交換体AERが充填された領域に流れ込む。
被処理水内のホウ素は、脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERに触れるとアニオンとして解離してアニオン交換体AERに吸着される。このとき、被処理水はカチオン交換体CERを通ってきているので、被処理水での水酸化物イオンの濃度は、カチオン交換体CERを通る前よりも低くなっている。よって、脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上する。したがって、脱塩室23cから流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
また、複数のEDI装置を用いることによって、処理水におけるホウ素の低濃度化を図っている。このため、例えば1つのEDI装置の脱塩室に「アニオン交換体→カチオン交換体→アニオン交換体」の順にイオン交換体が充填されたものと比べて、以下のような効果を奏する。
(1)EDI装置における電流の偏流を抑制可能となる。
例えば、1台のEDI装置の脱塩室に「アニオン交換体→カチオン交換体→アニオン交換体」の順にイオン交換体が充填された場合、アニオン交換体とカチオン交換体との間での電気抵抗が異なるため、その電気抵抗の差異に応じて電流の偏流が生じてしまう。
これに対して、複数のEDI装置を用いた場合、1台のEDI装置を用いた場合に比べて、1つの脱塩室に充填するイオン交換体の種類を減らすことができ、イオン交換体の電気抵抗の差異に応じた電流の偏流を低減できる。
(2)電極板を分けることができるため、電流値のコントロールが容易になる。
電極板は電流密度が高くなると、劣化しやすくなる。また、EDI装置を構成するイオン交換膜やイオン交換樹脂もイオン負荷が少ない状態にて高い電流値で運転すると電気的な焼けなどの劣化が発生する傾向がある。例えば、イオン負荷が少なくなる後段のEDI装置の電流値を低くすることでより安定した運転を行うことも可能になると考えられる。
(3)後段のEDI装置に対する負荷を低減可能になる。
後段のEDI装置は、その前段のEDI装置で処理された処理水を処理するため、全く処理されていない被処理水を処理する場合に比べて、処理の負荷が低くなる。そのため、後段のEDI装置は前段のEDI装置よりも劣化の進行度合いも少なく、より長い期間使用できることが想定される。後段のEDI装置は前段のEDI装置よりも交換頻度を少なくできることが考えられる。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態の水処理装置202を示した図である。
水処理装置202は、EDI装置101とEDI装置103とを有する。EDI装置101の脱塩室23aとEDI装置103の脱塩室23cは、この順に直列に連通している。被処理水は、脱塩室23aに流入する。そして、脱塩室23aから流出した水は、脱塩室23cに入口側23c1から流入する。EDI装置101とEDI装置103の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置101の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置103の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置202の脱塩室23aおよび23cで行われる水処理について説明する。
EDI装置101および103において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置101の脱塩室23aから被処理水を通水する。
EDI装置101では、第1の実施形態における脱塩室23bの入口側23b1の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。EDI装置101の脱塩室23aから流れ出た被処理水は、EDI装置103の脱塩室23cに入口側23c1から流入する。EDI装置103では、第1の実施形態で示したEDI装置103にて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
このため、第1の実施形態と同様に、脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上する。したがって、脱塩室23cから流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態の水処理装置203を示した図である。
水処理装置203は、EDI装置102とEDI装置101とを有する。EDI装置102の脱塩室23bとEDI装置101の脱塩室23aは、この順に直列に連通している。被処理水は、脱塩室23bに入口側23b1から流入する。脱塩室23bから流出した水は、脱塩室23aに流入する。EDI装置102とEDI装置101の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置102の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置101の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置203の脱塩室23bおよび23aで行われる水処理について説明する。
EDI装置102および101において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置102の脱塩室23bの入口側23b1から被処理水を通水する。
EDI装置102では、第1の実施形態に示したEDI装置102にて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。EDI装置102の脱塩室23bの出口側23b2から流れ出た被処理水は、EDI装置101の脱塩室23aに流入する。EDI装置101では、第1の実施形態における脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、第1の実施形態と同様に、脱塩室23aに充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上し、脱塩室23aから流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第4の実施形態>
図10は、本発明の第4の実施形態の水処理装置204を示した図である。
水処理装置204は、EDI装置104とEDI装置101とを有する。EDI装置104の脱塩室23d−1と、EDI装置104の脱塩室23d−2と、EDI装置101の脱塩室23aは、この順に直列に連通している。被処理水は、小脱塩室23d−1から流入する。EDI装置104とEDI装置101の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置104の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置101の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置204の小脱塩室23d−1、23d−2および脱塩室23aで行われる水処理について説明する。
EDI装置104および101において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置104の小脱塩室23d−1から被処理水を通水する。
EDI装置104の小脱塩室23d−1では、第1の実施形態における脱塩室23bの入口側23b1の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。小脱塩室23d−1から流れ出た被処理水は、小脱塩室23d−2に流れ込む。小脱塩室23d−2では、第1の実施形態における脱塩室23bの出口側23b2の領域に充填されたカチオン交換体CERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。小脱塩室23d−2から流れ出た被処理水は、EDI装置101の脱塩室23aに流入する。EDI装置101では、第1の実施形態における脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、第1の実施形態と同様に、脱塩室23aに充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上し、脱塩室23aから流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第5の実施形態>
図11は、本発明の第5の実施形態の水処理装置205を示した図である。
水処理装置205は、EDI装置101とEDI装置105とを有する。EDI装置101の脱塩室23aと、EDI装置105の小脱塩室23e−2と、EDI装置105の小脱塩室23e−1は、この順に直列に連通している。被処理水は、脱塩室23aから流入する。EDI装置101とEDI装置105の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置101の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置105の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置205の脱塩室23a、小脱塩室23e−2および23e−1で行われる水処理について説明する。
EDI装置101および105において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置101の脱塩室23aから被処理水を通水する。
EDI装置101の脱塩室23aでは、第1の実施形態における脱塩室23bの入口側23b1の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。脱塩室23aから流れ出た被処理水は、EDI装置105の小脱塩室23e−2に流れ込む。
小脱塩室23e−2では、第1の実施形態における脱塩室23cの入口側23c1の領域に充填されたカチオン交換体CERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。小脱塩室23e−2から流れ出た被処理水は、小脱塩室23e−1に流入する。小脱塩室23e−1では、第1の実施形態における脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、第1の実施形態と同様に、小脱塩室23e−1に充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上する。したがって、小脱塩室23e−1から流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第6の実施形態>
図12は、本発明の第6の実施形態の水処理装置206を示した図である。
水処理装置206は、EDI装置106とEDI装置101とを有する。EDI装置106の小脱塩室23f−1と、EDI装置106の小脱塩室23f−2と、EDI装置101の脱塩室23aは、この順に直列に連通している。被処理水は、小脱塩室23f−1から流入する。EDI装置106とEDI装置101の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置106の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置101の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置206の小脱塩室23f−1、23f−2および脱塩室23aで行われる水処理について説明する。
EDI装置106および101において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置106の小脱塩室23f−1から被処理水を通水する。
EDI装置106の小脱塩室23f−1では、第1の実施形態における脱塩室23bの入口側23b1の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。小脱塩室23f−1から流れ出た被処理水は、小脱塩室23f−2の入口側23f−21(カチオン交換体CERが充填された部分)から小脱塩室23f−2に通水される。小脱塩室23f−2の入口側23f−21のカチオン交換体CERが充填された領域では、第1の実施形態における脱塩室23bの出口側23b2の領域に充填されたカチオン交換体CERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。小脱塩室23f−2のカチオン交換体CERが充填された領域を通った被処理水は、小脱塩室23f−2のアニオン交換体AERが充填された部分に通水される。小脱塩室23f−2のアニオン交換体AERが充填された部分では、第1の実施形態における脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
小脱塩室23f−2のアニオン交換体AERが充填された領域を通った被処理水は、EDI装置101の脱塩室23aに通水される。脱塩室23aでは、第1の実施形態における脱塩室23cの出口側23c2の領域に充填されたアニオン交換体AERを用いて行われる処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、第1の実施形態と同様に、脱塩室23aに充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上する。したがって、脱塩室23aから流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第7の実施形態>
図13は、本発明の第7の実施形態の水処理装置207を示した図である。
水処理装置207は、2台のEDI装置106を有する。以下、最初に被処理水が通水されるEDI装置106を「1段目EDI装置106−1」と称し、最後に被処理水が通水されるEDI装置106を「最終段EDI装置106−2」と称する。
1段目EDI装置106−1の小脱塩室23f−1と、1段目EDI装置106−1の小脱塩室23f−2と、最終段EDI装置106−2の小脱塩室23f−1と、最終段EDI装置106−2の小脱塩室23f−2は、この順に直列に連通している。被処理水は、1段目EDI装置106−1の小脱塩室23f−1から流入する。1段目EDI装置106−1と最終段EDI装置106−2の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。1段目EDI装置106−1の電極室(陰極室、陽極室)と、最終段EDI装置106−2の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置207の各脱塩室で行われる水処理について説明する。
1段目EDI装置106−1と最終段EDI装置106−2において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、1段目EDI装置106−1の小脱塩室23f−1から被処理水を通水する。
1段目EDI装置106−1では、第6の実施形態のEDI装置106(図12参照)での処理と同様の処理が行われると推定される。1段目EDI装置106−1から流れ出た被処理水は、最終段EDI装置106−2の小脱塩室23f−1に通水される。最終段EDI装置106−2では、1段目EDI装置106−1から流れ出た被処理水に対して、第6の実施形態のEDI装置106(図12参照)での処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、最終段EDI装置106−2の小脱塩室23f−2の出口側23f−22の領域に充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上し、最終段EDI装置106−2の小脱塩室23f−2から流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
<第8の実施形態>
図14は、本発明の第8の実施形態の水処理装置208を示した図である。
水処理装置208は、EDI装置106とEDI装置105とを有する。EDI装置106の小脱塩室23f−1と、EDI装置106の小脱塩室23f−2と、EDI装置105の小脱塩室23e−2と、EDI装置105の小脱塩室23e−1とは、この順に直列に連通している。被処理水は、小脱塩室23f−1から流入する。EDI装置106とEDI装置105の間では、濃縮室は直列に連通しておらず別々に供給水が供給される。EDI装置106の電極室(陰極室、陽極室)と、EDI装置105の電極室(陰極室、陽極室)には別々に供給水が供給される。
次に、水処理装置208の各脱塩室で行われる水処理について説明する。
EDI装置106および105において、陽極室21と濃縮室22および24と陰極室25に供給水を通水し陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、EDI装置106の小脱塩室23f−1から被処理水を通水する。
EDI装置106では、第6の実施形態のEDI装置106(図12参照)での処理と同様の処理が行われると推定される。EDI装置106から流れ出た被処理水は、EDI装置105の小脱塩室23e−2に通水する。EDI装置105では、第5実施形態のEDI装置105(図11参照)での処理と同様の処理が行われると推定される。
よって、EDI装置105の小脱塩室23e−1に充填されたアニオン交換体AERによるホウ素(アニオン)の吸着効率が向上し、脱塩室23e−1から流出される処理水におけるホウ素の低濃度化を図ることが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では、2台のEDI装置を用いた水処理装置が使用されている。しかしながら、複数の脱塩室のうち、被処理水が最初に通水される1段目の脱塩室の最上流部と、処理水を出力する最終段の脱塩室の最下流部に、アニオン交換体が単独で充填され、直列に連通する複数の脱塩室の一部であって1段目の脱塩室の最上流部と最終段の脱塩室の最下流部との間の部分に、少なくともカチオン交換体が充填されていれば、EDI装置の数は2台に限らず3台以上でもよい。
また、各実施形態では[濃縮室(C)|アニオン交換膜(AEM)|脱塩室(D)|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室(C)]からなる基本構成(セルセット)が陽極と陰極との間に配置されている。しかしながら、電極間にこのようなセルセットを複数個並置し、電気的には複数個のセルセットが一端を陽極とし他端を陰極として直列接続されるようにして処理能力の増大を図ってもよい。
この場合、隣接するセルセット間で隣り合う濃縮室を共有することができる。よって、EDI装置の構成としては、[陽極室|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|…|C|陰極室]の構成が用いられてもよい。このような直列構造のEDI装置における脱塩室の数を「脱塩室セルペア数」とも称する。
また、このような直列構造において、陽極室に最も近い脱塩室については、陽極室との間に独立の濃縮室を介在させることなく陽極室自体を濃縮室としても機能させることができ、陰極室に最も近い脱塩室については、陰極室との間に濃縮室を介在させることなく陰極室自体を濃縮室としても機能させることができる。直流電圧の印加によって消費する電力を抑えるためには、濃縮室、陽極室および陰極室の少なくとも1つにイオン交換体を充填してEDI装置の電気抵抗を下げてもよい。
各実施形態では、陰極室から陽極室に流れる供給水として純水を用いたが、陰極室や陽極室に供給される供給水は、純水でなくてもよく例えば被処理水でもよい。また、同一のEDI装置内の陰極室と陽極室を接続しなくてもよく並列に接続してもよい。
各実施形態では、各濃縮室に純水を供給したが、純水の代わりに、2段目のEDI装置が出力する処理水を供給してもよい。また、2段目のEDI装置が出力する処理水を、2段目のEDI装置の各濃縮室に供給し、2段目のEDI装置の各濃縮室から排出された水を、1段目のEDI装置の各濃縮室に供給してもよい。また、1段目のEDI装置の各濃縮室には、被処理水が供給されてもよい。
次に、本発明の実施例および比較例を説明する。
実施例および比較例として、2台のEDI装置を有し各EDI装置の脱塩室が直列に連通された水処理装置を用いた。以下、2台のEDI装置のうち、被処理水が最初に通水されるEDI装置を「1段目EDI装置」と称し、1段目EDI装置から流れ出た被処理水が通水されるEDI装置(最終段EDI装置)を「2段目EDI装置」と称する。
<実施例1〜8>
実施例1〜8の水処理装置として、図7〜図14に示した第1〜第8の実施形態の水処理装置201〜208(図20参照)を用いた。
次に、比較例で用いたEDI装置301について説明する。
図15は、EDI装置301を示した図である。EDI装置301としては、脱塩室23gにアニオン交換体Aとカチオン交換体Kとを混床形態で充填したEDI装置を用いた。
次に、比較例1〜4の水処理装置について説明する。
図16〜図19は、それぞれ、比較例1〜4の水処理装置を示した図である。
比較例1では、図16に示したように1段目EDI装置および2段目EDI装置としてEDI装置301を用いた。比較例2では、図17に示したように1段目EDI装置としてEDI装置301を用い2段目EDI装置としてEDI装置103を用いた。比較例3では、図18に示したように1段目EDI装置としてEDI装置301を用い2段目EDI装置としてEDI装置102を用いた。比較例4では、図19に示したように1段目EDI装置としてEDI装置101を用い2段目EDI装置としてEDI装置301を用いた。
実施例1〜8および比較例1〜4におけるEDI装置の仕様、通水流量、印加電流、被処理水の水質などの運転条件は、以下の通りである。
・アニオン交換体として、アニオン交換樹脂[商品名:アンバージェット(登録商標)4002(強塩基性陰イオン交換樹脂4002)、ダウ・ケミカル社製]を用い、カチオン交換体として、カチオン交換樹脂[商品名:アンバージェット(登録商標)1020(強酸性陽イオン交換樹脂1020)、ダウ・ケミカル社製]を用いた。
・アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の両方が充填されている脱塩室23b、23c、小脱塩室23f−2、脱塩室23gでは、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との体積の割合を1:1にした。
・セル(脱塩室、濃縮室、陽極室、陰極室)の容積を、100mm×100mm×10mmとした。
・脱塩室セルペア数を、1セルペアとした。
・1段目EDI装置に通水される被処理水として、2段RO(逆浸透膜)処理水(導電率:3〜4μS/cm、ホウ素濃度:90〜100μgB/L)を用いた。
・被処理水流量を、20L/hとした。
・陽極と陰極との間を流れる電流の値を、0.4Aとした。
・濃縮室へ供給する供給水として、別系統からの純水を用いた。
・濃縮室への供給水流量を、5L/hとした。
・陽極室へ供給する供給水および陰極室へ供給する供給水として、別系統からの純水を用いた。
・陽極室へ供給する供給水流量および陰極室への供給水流量を、5L/hとした。
図20は、実施例1〜8および比較例1〜4での処理水のホウ素濃度(単位:ngB/L)の測定結果を示した図である。図20では、各EDI装置の脱塩室の状態(アニオン交換樹脂やカチオン交換樹脂の充填形態)を模式的に示している。図20では、アニオン交換樹脂層を「A」で示し、カチオン交換樹脂層を「K」で示し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合層を「MB」として示している。
実施例1〜8と比較例1〜4の処理水のホウ素濃度を見て分かるとおり、2台のEDI装置の各脱塩室を直列に連通しただけでは、ホウ素濃度を50ngB/L以下にすることはできなかった。なお、ホウ素濃度を50ngB/L以下にすることは、例えば、半導体プロセスで使用される純水において望ましいとされる。
一方、実施例1〜8のように、1段目EDI装置の脱塩室の最上流部の領域にアニオン交換樹脂を単独で充填し、2段目(最終段)EDI装置の脱塩室の最下流部の領域にアニオン交換樹脂を単独で充填し、その間の部分にカチオン交換樹脂が充填されていることで、ホウ素濃度を50ngB/L以下にすることができた。
実施例1と実施例2、3との比較、比較例1〜3と比較例4との比較から分かるとおり、1段目EDI装置の脱塩室にアニオン交換樹脂を単床形態で充填、または、2段目EDI装置の脱塩室にアニオン交換樹脂を単床形態で充填することで、さらに処理水のホウ素濃度を低減できた。
実施例2〜3と実施例4〜5との比較から分かるとおり、直列に連通する脱塩室の少なくとも1つが、中間イオン交換膜と第1小脱塩室と第2小脱塩室とを有する脱塩室(以下「D2脱塩室」と称する)であることで、処理水のホウ素濃度をさらに低減できた。しかしながら、D2脱塩室を直列につなげると通水差圧が上昇する懸念がある。このため、実施例4〜6のようにD2脱塩室の台数を必要以上に増やすことなく、処理水のホウ素濃度を目標値(例えば、50ngB/L)以下にできれば通水差圧の面でメリットがある。
実施例7と実施例8との比較から分かるとおり、最終段(2段目)EDI装置の最下流部の脱塩室にアニオン交換樹脂を単床形態で充填することにより、処理水のホウ素濃度をさらに低減できた。
<実施例9〜10>
次に、図21を参照して実施例9〜10の水処理装置を説明する。
実施例9は、実施例1において、2段目EDI装置の脱塩室におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との体積比を一定(カチオン交換樹脂:アニオン交換樹脂=9:1)にした状態で、1段目EDI装置の脱塩室におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の体積比を変更(アニオン交換樹脂の体積比を5%〜100%の間で変更)した例である。
実施例10は、実施例1において、1段目EDI装置の脱塩室におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との体積比を一定(アニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂=1:9)にした状態で、2段目EDI装置の脱塩室におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の体積比を変更(アニオン交換樹脂の体積比を5%〜100%の間で変更)した例である。
図21は、実施例9〜10での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。なお、図21では、各EDI装置の脱塩室の状態(アニオン交換樹脂やカチオン交換樹脂の充填形態)を模式的に示し、アニオン交換樹脂を「A」や「AER」で示し、カチオン交換樹脂を「K」で示している。
図21において、実施例9の測定結果では、1段目EDI装置のアニオン交換樹脂の割合が5%のときの処理水のホウ素濃度を「1」として、アニオン交換樹脂の割合を増加させたときの、処理水のホウ素濃度の減少の程度が、除去比率としてプロットされている。一方、実施例10の測定結果では、2段目EDI装置のアニオン交換樹脂の割合が5%のときの処理水のホウ素濃度を「1」として、アニオン交換樹脂の割合を増加させたときの、処理水のホウ素濃度の減少の程度が、除去比率としてプロットされている。なお、実施例9、10では、実施例1〜8、比較例1〜4と同様の給水負荷条件で通水試験を実施した(例えば、被処理水として2段RO透過水を用い、1段目EDI装置の脱塩室に通水される被処理水のホウ素濃度を90〜100μgB/Lとした。)。
実施例9、10より、アニオン交換樹脂の割合が増加するほど処理水のホウ素濃度が低減することが分かった。また、アニオン交換樹脂の割合において、5%と10%を比較すると、10%未満のときよりも10%のときの方が、処理水のホウ素濃度の減少の程度が顕著に大きくなることが確認できた。これは、1段目の脱塩室の体積に対する1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、最終段の脱塩室の体積に対する最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比が10%以上である場合に、処理水のホウ素濃度の減少の程度が顕著に大きくなることを意味する。
さらに、アニオン交換樹脂の割合が50%以上の場合において、10〜50%未満の割合のときと比較すると、処理水のホウ素濃度の減少の効果が大きいことが確認できた。これは、1段目の脱塩室の体積に対する1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、最終段の脱塩室の体積に対する最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比が50%以上である場合に、処理水のホウ素濃度の減少の程度がさらに顕著に大きくなることを意味する。
<実施例11〜13>
次に、図22を参照して実施例11〜13の水処理装置を説明する。
実施例11は、実施例1において、1段目EDI装置の脱塩室に通水する被処理水に関して、シリカとホウ素の濃度を100マイクログラムパーリッター程度で一定(シリカ:98μgS/L、ホウ素:97μgB/L)にした状態で炭酸の濃度(mgCO/L)を変更した例である。
実施例12は、実施例1において、1段目EDI装置の脱塩室に通水する被処理水に関して、ホウ素と炭酸の濃度を一定(ホウ素:97μgB/L、炭酸:5mgCO/L)にした状態でシリカの濃度(μgS/L)を変更した例である。
実施例13は、実施例1において、1段目EDI装置の脱塩室に通水する被処理水に関して、シリカと炭酸の濃度を一定(シリカ:98μgS/L、炭酸:5mgCO/L)にした状態でホウ素の濃度(μgB/L)を変更した例である。
図22は、実施例11〜13での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。図22では、アニオン交換樹脂を「A」で示し、カチオン交換樹脂を「K」で示している。
実施例11〜13より、1段目EDI装置の脱塩室に通水する被処理水において炭酸濃度が5mgCO/L以下、かつシリカ濃度が100μgS/L以下、かつホウ素濃度が100μgB/L以下のときに、処理水のホウ素濃度を50ngB/L以下にできたことが確認できる。
また、実施例13において、1段目EDI装置の脱塩室に通水する被処理水のホウ素濃度がほぼ200(198)μgB/Lのときに、陽極と陰極との間を流れる電流を0.8Aとして試験したところ、処理水のホウ素濃度を50ngB/L以下にすることができなかった。このため、単純に電流値を増加させるだけでは、処理水のホウ素濃度を50ngB/L以下にできないことが確認された。
<実施例14>
次に、図23を参照して実施例14の水処理装置を説明する。
実施例14は、実施例8において、1段目EDI装置の小脱塩室23f−1に通水する被処理水について、シリカと炭酸の濃度を一定(シリカ:101μgS/L、炭酸:5mgCO/L)にした状態でホウ素の濃度(μgB/L)を変更した例である。
図23は、実施例14での処理水のホウ素濃度の測定結果を示した図である。図23では、アニオン交換樹脂を「A」で示し、カチオン交換樹脂を「K」で示している。
実施例11〜13より、中間イオン交換膜にて区分けされていない脱塩室(以下「D1脱塩室」と称する)を直列に連通した場合、処理水のホウ素濃度を50ngB/L以下にするには、1段目のEDI装置に通水する被処理水のホウ素濃度を概ね100μgB/L以下にすればよいことが分かった。
しかしながら実施例4〜8に示したように、水処理装置においてD2脱塩室を有するEDI装置を増やすことにより処理水のホウ素濃度を低減することが可能になった。この点について、実施例14では、1段目のEDI装置に通水する被処理水のホウ素濃度が実施例13での被処理水のホウ素濃度よりも高いほぼ300(298)μgB/Lであっても、処理水のホウ素濃度を50ngB/L以下にできることが確認できた。
ここで、直列に連通された脱塩室の最上流部にアニオン交換樹脂を単独で充填する理由について説明する。被処理水内のホウ素は、固体塩基であるアニオン交換樹脂に触れるとアニオンとしての解離が促進され、結果的に、アニオン交換樹脂による吸着除去効率がよくなる。
次に、直列に連通された脱塩室の最下流部にアニオン交換樹脂を単独で充填し、最上流部と最下流部との間に少なくともカチオン交換樹脂を充填する理由について説明する。カチオン交換樹脂を用いて被処理水内のカチオン成分を除去してから、被処理水を最下流部のアニオン交換樹脂に通水する方が、カチオン交換樹脂を用いてカチオン成分を除去せずに最下流部のアニオン交換樹脂に被処理水を通水する場合に比べて、最下流部のアニオン交換樹脂に通水される被処理水に存在する水酸化物イオンの濃度を低減でき、アニオン交換樹脂を用いたホウ素の除去効率がよくなる。
なお、実施例7だと最終段の第2小脱塩室では、イオン交換樹脂が複床形態(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の両方が別々に充填されている形態)となっているため、第2小脱塩室を流れる電流において偏流が発生する。この偏流は、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との間の電気抵抗の差に起因するもので、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂のうち電気抵抗の低い方に多くの電流が流れてしまう現象である。これに対して、実施例8の最終段の第2小脱塩室には、アニオン交換樹脂が単床形態で充填されているため、実施例7に比べて偏流が起こりにくく、ホウ素の除去効率がよくなる。
次に、D2脱塩室を用いるメリットについて説明する。上述したように複床形態の脱塩室では、電流が偏流してしまう。そのため、1つの脱塩室にアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を複床形態で充填するよりも、D2脱塩室の2つの小脱塩室に単床形態でアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを別々に充填した方が、アニオン交換樹脂に効率よく電流を流すことができるため、脱塩効率がよくなる。しかしながら、D2脱塩室は、D1脱塩室に比べて流路長が約2倍になるため、通水差圧が高くなる懸念がある。そのため、処理水において目標のホウ素濃度が達成できる範囲でD2脱塩室を採用するEDI装置の数を少なくすることで、通水差圧の上昇を低減することが可能になる。
ここで、“脱塩室の最上流部”とは、被処理水が脱塩室に流入する際に最初に通過する(一定の)部分を指し、“脱塩室の最下流部”とは、処理水が脱塩室から外部へ流出する際に最後に通過する(一定の)部分を指す。“脱塩室の最上流部”と“脱塩室の最下流部”は、必ずしも物理的な上下関係を指すものではなく、例えば、被処理水が脱塩室の上部側面から流入し、脱塩室の下部側面から流出するような場合も含まれる。

Claims (13)

  1. 複数の電気式脱イオン水製造装置を有する水処理装置において、
    前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々は、陽極と陰極との間に、前記陽極側に位置するアニオン交換膜と前記陰極側に位置するカチオン交換膜とで区画されイオン交換体が充填された脱塩室を有し、
    前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々の前記脱塩室は、直列に連通しており、
    前記直列に連通する複数の脱塩室は、ホウ素を含む被処理水を通水して処理水を流出し、
    前記被処理水が最初に通水される1段目の前記脱塩室の最上流部と、前記処理水を流出する最終段の前記脱塩室の最下流部には、アニオン交換体が単独で充填され、
    前記複数の脱塩室の一部であって前記1段目の脱塩室の最上流部と前記最終段の脱塩室の最下流部との間の部分に、少なくともカチオン交換体が充填され
    前記1段目の脱塩室の体積に対する前記1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、前記最終段の脱塩室の体積に対する前記最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比は、10%以上であることを特徴とする水処理装置。
  2. 前記1段目の脱塩室または前記最終段の脱塩室には、アニオン交換体が単床形態で充填されている、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記複数の脱塩室の少なくとも1つは、
    前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜と、
    前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画された第1小脱塩室と、
    前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画された第2小脱塩室と、を有し、
    前記第1小脱塩室と前記第2小脱塩室とが直列に連通している、請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 前記1段目の脱塩室は、前記中間イオン交換膜と前記第1小脱塩室と前記第2小脱塩室とを有し、
    前記1段目の脱塩室では、前記第1小脱塩室が前記第2小脱塩室より上流側に位置し、当該第1小脱塩室にアニオン交換体が単床形態で充填されている、請求項に記載の水処理装置。
  5. 前記最終段の脱塩室は、前記中間イオン交換膜と前記第1小脱塩室と前記第2小脱塩室とを有し、
    前記最終段の脱塩室では、前記第1小脱塩室が前記第2小脱塩室より下流側に位置し、当該第1小脱塩室にアニオン交換体が単床形態で充填されている、請求項またはに記載の水処理装置。
  6. 2つ以上の前記電気式脱イオン水製造装置が設けられ、
    前記1段目および前記最終段の脱塩室は、それぞれ、前記中間イオン交換膜と前記第1小脱塩室と前記第2小脱塩室とを有し、
    前記1段目および前記最終段の脱塩室では、前記第1小脱塩室が前記第2小脱塩室より上流側に位置し、当該第1小脱塩室にアニオン交換体が単床形態で充填され、前記第2小脱塩室における最上流部にカチオン交換体が単独で充填され、当該第2小脱塩室における前記最上流部以外の部分にアニオン交換体が単独で充填されている、請求項またはに記載の水処理装置。
  7. 2つ以上の前記電気式脱イオン水製造装置が設けられ、
    前記1段目および前記最終段の脱塩室は、それぞれ、前記中間イオン交換膜と前記第1小脱塩室と前記第2小脱塩室とを有し、
    前記1段目の脱塩室では、前記第1小脱塩室が前記第2小脱塩室より上流側に位置し、当該第1小脱塩室にアニオン交換体が単床形態で充填され、前記第2小脱塩室における最上流部にカチオン交換体が単独で充填され、当該第2小脱塩室における前記最上流部以外の部分にアニオン交換体が単独で充填され、
    前記最終段の脱塩室では、前記第1小脱塩室が前記第2小脱塩室より下流側に位置し、前記第1小脱塩室にアニオン交換体が単床形態で充填され、前記第2小脱塩室にカチオン交換体が単床形態で充填されている、請求項からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  8. 前記1段目の脱塩室の上流側に逆浸透膜装置が設けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  9. 前記1段目の脱塩室の上流側に脱炭酸膜装置が設けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  10. 陽極と陰極との間に、前記陽極側に位置するアニオン交換膜と前記陰極側に位置するカチオン交換膜とで区画されイオン交換体が充填された脱塩室を有する複数の電気式脱イオン水製造装置を備え、前記複数の電気式脱イオン水製造装置の各々の前記脱塩室は、直列に連通しており、前記直列に連通する複数の脱塩室は、ホウ素を含む被処理水を通水して処理水を流出し、前記被処理水が最初に通水される1段目の前記脱塩室の最上流部と、前記処理水を流出する最終段の前記脱塩室の最下流部には、アニオン交換体が単独で充填され、前記複数の脱塩室の一部であって前記1段目の脱塩室の最上流部と前記最終段の脱塩室の最下流部との間の部分に、少なくともカチオン交換体が充填され、前記1段目の脱塩室の体積に対する前記1段目の脱塩室の最上流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比、および、前記最終段の脱塩室の体積に対する前記最終段の脱塩室の最下流部に単独で充填されたアニオン交換体の体積の比が10%以上である水処理装置を用いた水処理方法であって、
    前記陽極と前記陰極との間に直流電圧を印加しつつ前記直列に連通する複数の脱塩室に前記被処理水を通水して前記被処理水を処理して前記処理水を流出する水処理方法。
  11. 前記1段目の電気式脱イオン水製造装置に通水する被処理水のシリカ濃度が100μgSiO/L以下である請求項1に記載の水処理方法。
  12. 前記1段目の電気式脱イオン水製造装置に通水する被処理水のホウ素濃度が100μgB/L以下である請求項1または1に記載の水処理方法。
  13. 前記1段目の電気式脱イオン水製造装置に通水する被処理水の炭酸濃度が5mgCO/L以下である請求項1から1のいずれか1項に記載の水処理方法。
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