JP6506996B2 - 高周波電源装置および高周波電源装置の制御方法 - Google Patents

高周波電源装置および高周波電源装置の制御方法 Download PDF

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本開示は高周波電源装置に関し、例えば複数の電力増幅回路を備える高周波電源装置に適用可能である。
高周波電源装置は半導体製造装置やレーザー加工機において、プラズマやレーザーを発生させるために使用されている。高周波電源装置には電力増幅回路が使用される。電力増幅回路を大電力化するために複数の電力増幅回路の出力を合成することが行われる(例えば、特開2007−129426号公報)。また、高周波電源装置においては、負荷インピーダンスの悪化による消費電流の増加や反射波電力の増加による装置の破損を防ぐため、消費電流の値や反射波電力の値によって自身の出力を垂下(低下)させている。
特開2007−129426号公報
しかし、負荷インピーダンスが悪化することで消費電流や反射波電力がある程度は増加するが、垂下制御を行う値まで達することが無い場合もあり、その場合は垂下制御を行わない。その状況で複数の電力増幅回路の合成バランスが崩れた場合、一つの電力増幅回路が一定の反射を受けつつ過出力を行うので破損に繋がる恐れがある。また、破損に繋がるからといって装置の警報で出力を完全にシャットダウンすることは上位装置による生産性が著しく損なわれるため容易に行うことはできない。
本開示の課題は、複数の電力増幅回路を用いた高周波電源装置に適した垂下制御技術を提供することにある。
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、高周波電源装置は、複数の電力増幅回路と、前記複数の電力増幅回路の電源と、前記複数の電力増幅回路の出力を合成する合成回路と、進行波電力を検出する検出回路と、制御回路と、を備える。前記制御回路は、前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々最終段出力可能値を求める垂下制御手段と、前記最終段出力可能値のうち最小出力値を選択する手段と、を備える。
上記高周波電源装置によれば、電力増幅回路の破損を防ぐことができる。
電源システムを説明するためのブロック図である。 比較例に係る高周波電源装置を説明するためのブロック図である。 高周波電源装置の反射波電力の値による出力垂下を説明するための図である。 高周波電源装置の消費電流の値による出力垂下を説明するための図である。 実施例に係る高周波電源装置を説明するためのブロック図である。 実施例に係る高周波電源装置の電力増幅回路の出力値による出力垂下を説明するための図である。 実施例に係る高周波電源装置の垂下制御を説明するためのブロック図である。 変形例1に係る高周波電源装置を説明するためのブロック図である。 変形例1に係る高周波電源装置の垂下制御を説明するためのブロック図である。 変形例2に係る高周波電源装置を説明するためのブロック図である。 変形例3に係る高周波電源装置の垂下制御を説明するためのブロック図である。
以下、比較例、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
まず、電源システムについて図1を用いて説明する。
図1は電源システムの概略構成を示すブロック図である。電源システム1は高周波電源装置10と整合回路20と負荷30とを備える。高周波電源装置10は、整合回路20を介して負荷30に電力を供給する。ここで、負荷30は、例えば装置が備えるプラズマ反応室内で形成されるプラズマを電源側から見たときの電気的な負荷である。
次に、本願発明者ら本開示に先立って検討した技術(以下、比較例という。)に係る高周波電源装置について図2から図4を用いて説明する。
図2は比較例に係る高周波電源装置の構成を示すブロック図である。図3は高周波電源装置の反射波電力の値による出力垂下を示す図である。図4は高周波電源装置の消費電流の値による出力垂下を示す図である。
比較例に係る高周波電源装置10Rは電源システム1の高周波電源装置10に代えて使用される。高周波電源装置10Rは制御回路11Rと励振増幅回路12Rと電力増幅回路13R1,13R2と電源14Rと合成回路15Rと検出回路16Rとを備える。
検出回路16は、高周波電源装置10Rから負荷30に送られる進行波電力(Pf)、および負荷30から高周波電源装置10Rに向かう反射波電力(Pr)を検出する。制御回路11Rには、進行波電力(Pf)の検出信号である進行波検出電圧(Vf)および反射波電力(Pr)の検出信号である反射波検出電圧(Vr)が帰還される。
制御回路11Rは進行波検出電圧(Vf)をフィードバック信号とし、入力するフィードバック信号に基づいて励振増幅回路12に設定出力値(Vs)を設定することにより高周波信号の振幅を制御する。高周波信号は励振増幅回路12の発振回路によって形成することができる。励振増幅回路12Rの出力信号は、電力増幅回路13R1,13R2によって所定電力とした後、整合回路20を通して負荷30に送られる。
また、制御回路11Rは、反射波検出電圧(Vr)を用いて反射波電力(Pr)の増加を検出し、反射波電力(Pr)の増加を検出した場合には、垂下制御を行い、反射波電力(Pr)の増加に伴う過電流や過電圧を抑制して電源を保護する。例えば、制御回路11Rは、反射波電力(Pr)に対応する反射波検出電圧(Vr)が反射波電力垂下制御値(Prt)に対応する反射波垂下制御値(Vrt)に近づいた場合、進行波電力(Pf)に対応する進行波検出電圧(Vf)が最終段出力可能電力値(Pa)に対応する最終段出力可能値(Va)以下になるように制御する。最終段出力可能値(Va)は下記の式(1)で求められる。VaはVfおよびVrによって変化する。
Va=Vf×Vrt/Vr ・・・・・・(1)
図3に示すように、目標電力(Ptgt)に向かって時間(TIME)に比例して最終段出力可能電力値(Pa)を増加して進行波電力(Pf)を増加させる。進行波電力(Pf)を増加すると負荷に対する整合不調によって反射波電力(Pr)も増加する。反射波電力(Pr)が予め設定された反射波電力垂下制御値(Prt)付近まで増加すると、最終段出力可能電力値(Pa)の増加率小さくなる(Pa6、Pa7は時間に比例して増加していない)。したがって、進行波電力(Pf)も時間に比例して増加しなくなり、反射波電力(Pr)が反射波電力垂下制御値(Prt)に達したところから最終段出力可能電力値(Pa)は増加しなくなり(Pa9およびPa10はPa8と同等である)、進行波電力(Pf)も増加しなくなる。この垂下制御によって、進行波電力(Pf)は目標電力(Ptgt)よりも小さい電力(Pdr)となって、高周波電源装置10Rから出力される。
電源14は直流電源であり、消費電流(I)の検出信号である消費電流検出電圧(Vi)を制御回路11Rに送る。制御回路11Rは、消費電流検出電圧(Vi)を用いて消費電流(I)の増加を検出し、消費電流(I)の増加を検出した場合には、消費電流(I)の増加に伴う過電流や過電圧を抑制して電源を保護する。例えば、制御回路11Rは、消費電流検出電圧(Vi)が消費電流垂下制御値(It)に対応する消費電流垂下制御電圧値(Vit)に近づいた場合、進行波電力(Pf)に対応する進行波検出電圧(Vf)が最終段出力可能電力値(Pa)に対応する最終段出力可能値(Va)以下になるように制御する。最終段出力可能値(Va)は下記の式(2)で求められる。VaはVfおよびViによって変化する。
Va=Vf×Vit/Vi ・・・・・・(2)
図4に示すように、目標値の電力(Ptgt)に向かって時間(TIME)に比例して最終段出力可能電力値(Pa)を増加して進行波電力(Pf)を増加させる。進行波電力(Pf)を増加すると消費電流(I)も増加する。消費電流(I)が予め設定された消費電流垂下制御値(It)付近まで増加すると、最終段出力可能電力値(Pa)の増加率小さくなる(Pa6、Pa7は時間に比例して増加していない)。したがって、進行波電力(Pf)も時間に比例して増加しなくなり、消費電流(I)が消費電流垂下制御値(It)に達したところから最終段出力可能電力値(Pa)は増加しなくなり(Pa9およびPa10はPa8と同等である)、進行波電力(Pf)も増加しなくなる。この垂下制御によって、進行波電力(Pf)は目標電力(Ptgt)よりも小さい電力(Pdi)となって、高周波電源装置10Rから出力される。
整合回路20は、高周波電源装置10,10R側と負荷30との間のインピーダンス整合を行う回路であって、例えば、インダクタンスとコンデンサによって構成することができる。
負荷インピーダンスが悪化することで消費電流、反射波電力がある程度は増加するが、垂下制御を行う値まで達することが無い場合もあり、その場合は垂下制御を行わない。その状況で電力増幅回路の合成バランスが崩れた場合、片側の電力増幅回路が一定の反射波電力を受けつつ過出力を行うので破損に繋がる恐れがある。
例えば、高周波電源装置10Rが例えば1000Wを出力し、電力増幅回路13R1,13R2の最大出力が650Wの場合を検討する。電力増幅回路13R1が550W、電力増幅回路13R2が560Wを出力している場合、バランスがくずれて電力増幅回路13R1が300W、電力増幅回路13R2が700Wとなっても、合成出力は1000Wを出力するときは、消費電流および反射波電力が増加していないので、垂下制御が行われない。しかし、電力増幅回路13R2は最大出力を超えてしまっており過出力となる。
電力増幅回路が2個の場合は2個ずつ合成することによりバランスがくずれ量が少ないが、電力増幅回路が2個でない場合は2個ずつ合成することができず3個以上の電力増幅回路を合成することになり、バランスがくずれやすくなる。
<実施形態>
実施形態に係る高周波電源装置は合成されている電力増幅回路の全ての出力(進行波電力)を監視し、各電力増幅回路の出力(進行波電力)に対して演算し垂下制御を行う。インピーダンスが悪化し複数の電力増幅回路の合成バランスが崩れ消費電流と反射波電力がある程度は悪化しているが垂下を行うに至らない状態である場合であっても、垂下制御が可能になる。これにより、装置の破損を防ぎながら、かつできるだけ出力を発生させることができる。
実施例に係る高周波電源装置について図5から図7を用いて説明する。
図5は実施例に係る高周波電源装置の構成を示すブロック図である。図6は実施例に係る高周波電源装置の電力増幅器の出力値による出力垂下を示す図である。図7は実施例に係る高周波電源装置の垂下制御を示すブロック図である。
実施例に係る高周波電源装置10は電源システム1に使用される。図5に示すように、高周波電源装置10は制御回路11と励振増幅回路12と第1の電力増幅回路(PA1)13_1と第2の電力増幅回路(PA2)13_2と第1の電源14_1と第2の電源14_2と合成回路15と検出回路16とを備える。
検出回路16は、高周波電源装置10から負荷30に送られる進行波電力(Pf)を検出する。制御回路11には、進行波電力(Pf)の検出信号である進行波検出電圧(Vf)が帰還される。
制御回路11は進行波検出電圧(Vf)をフィードバック信号とし、入力するフィードバック信号に基づいて励振増幅回路12に設定出力値(Vs)を設定することにより高周波信号の振幅を制御する。制御回路11は演算部111とA/D変換回路112,113_1,113_2とD/A変換回路114とを備える。演算部111は例えばCPUとプログラムやデータを格納するメモリ等で構成される。
高周波信号は励振増幅回路12の発振回路によって形成することができ、この高周波信号の周波数は、負荷30に供給する高周波に応じて定めることができ、例えば13.56MHzや27.12MHzなどのISM周波数である。励振増幅回路12の出力信号は、電力増幅回路13_1,13_2によって所定電力とした後、整合回路20を通して負荷30に送られる。
第1の電力増幅回路13_1および第2の電力増幅回路13_2はそれぞれ進行波電力(Pfp1,Pfp2)を検出して進行波検出電圧(Vfp1,Vfp2)を出力する構成となっている。第1の電源14_1および第2の電源14_2はそれぞれ第1の電力増幅回路13_1および第2の電力増幅回路13_2のための直流電源であり、その出力電圧は例えば48Vである。
高周波電源装置10の垂下制御について以下説明する。
(A1)検出回路16から最終段出力の進行波電力(Pf)の検出信号である進行波検出電圧(Vf)をA/D変換回路112でデジタル変換した値に対して、演算部111がテーブルを用いて進行波値(F)に変換する。電力増幅回路13_1からの進行波電力(Pfp1)の検出信号である進行波検出電圧(Vfp1)および電力増幅回路13_2からの進行波電力(Pfp2)の検出信号である進行波検出電圧(Vfp2)、をA/D変換器113_1,113_2でデジタル変換した値に対して、演算部111がテーブルを用いてそれぞれ進行波値(Fp1、Fp2)に変換する。
(A2)演算部111は、上記(A1)で求めた進行波値(Fp1、Fp2)に対して、あらかじめ用意しておいた電力増幅器13_1,13_2の進行波の許容できる値(出力垂下制御閾値:Tp1,Tp2)の70%を超えた場合、下記の式(4)(6)による計算を行う。70%を超えない場合は、下記の式(3)(5)に示すように本来出力したい出力設定値(S)を最終段出力可能値(Ap1,Ap2)として採用することとし、内部メモリに保存しておく。なお、70%とあるが、ユーザは自由に変更可能である。
Ap1=S (if Fp1/Tp1≦0.7) ・・・・・・(3)
Ap1=F×Tp1/Fp1 (if Fp1/Tp1>0.7) ・・・(4)
Ap2=S (if Fp2/Tp2≦0.7) ・・・・・・(5)
Ap2=F×Tp2/Fp2 (if Fp1/Tp2>0.7) ・・・(6)
各々計算した最終段出力可能値(Ap1、Ap2)は、本来出力したい出力設定値(S)と比較を行い、小さい方を演算部111の内部メモリに保存しておく。
出力垂下制御閾値(Tp1,Tp2)は、装置の電源投入時に演算部111があらかじめ外部メモリから演算部111の内部メモリに読み込んでおく。
(A3)図7に示すように、上記(A2)で保存しておいた各々の最終段出力可能値(Ap1、Ap2)を比較し、最小の値を最終段出力可能値として採用する。その値がD/A変換回路114でアナログ電圧に変換され、設定出力値(Vs)として励振増幅回路112に設定され、励振増幅回路112から出力される信号が電力増幅回路13_1,13_2、合成回路115を経て最終的なRFとして出力される。
図6に示すように、高周波電源装置10の出力が立ち上がるとき、目標電力(Ptgt)に向かって時間(TIME)に比例した設定出力値(Vs)に対応する設定電力値(Ps)に沿って、階段状に最終段出力可能電力値(Pa)を増加して進行波電力(Pf)を増加させる。進行波電力(Pf)を増加するには電力増幅回路113_1,113_2の進行波値(Fp1,Fp2)に対応する進行波電力(Pfp1、Pfp2)を増加させる必要がある。電力増幅回路13_1,13_2の進行波電力(Pfp1,Pfp2)が予め設定された出力垂下制御閾値(Tp1,Tp2)に対応する進行波電力垂下制御値(Pfp1t,Pfp2t)付近まで増加すると、最終段出力可能電力値(Pa)の増加率小さくなる(Pa6、Pa7は時間に比例して増加していない)。したがって、進行波電力(Pf)も時間に比例して増加しなくなり、進行波電力(Pfp1,Pfp2)が進行波電力垂下制御値(Pfp1t,Pfp2t)に達したところから最終段出力可能電力値(Pa)は増加しなくなり(Pa9およびPa10はPa8と同等である)、進行波電力(Pf)も増加しなくなる。この垂下制御によって、進行波電力(Pf)は目標電力(Ptgt)よりも小さい電力(Pdfp)となって、高周波電源装置10から出力される。
<変形例1>
実施例の第1の変形例(変形例1)に係る高周波電源装置について図8および図9を用いて説明する。
図8は変形例1に係る高周波電源装置の構成を示すブロック図である。図9は変形例1に係る高周波電源装置の垂下制御を示すブロック図である。
変形例1に係る高周波電源装置10Aは制御回路、電源および検出回路が実施例と異なるが、その他は同様である。制御回路11AはさらにA/D変換回路115,116_1,116_2を備える。また、検出回路16Aは負荷30から高周波電源装置10に向かう反射波電力(Pr)を検出する。制御回路11Aには反射波電力(Pr)の検出信号である反射波検出電圧(Vr)が帰還される。第1の電源14A1および第2の電源14A2はそれぞれ消費電流の検出信号である消費電流検出電圧(Vi1,Vi2)を出力する構成となっている。高周波電源装置10Aの垂下制御について以下説明する。
(B1)検出回路16から最終段出力の反射電力(Pr)の検出信号である反射波検出電圧(Vr)をA/D変換回路113でそれぞれデジタル変換した値に対して、演算部111Aがテーブルを用いて反射波値(R)に変換する。電源14_1,14_2からの消費電流の検出信号である消費電流検出電圧(Vi1,Vi2)をA/D変換回路114_1,114_2でデジタル変換した値に対して、演算部111Aがテーブルを用いて消費電流値(I1,I2)に変換する。
(B2)演算部111Aは、上記(B1)で求めた反射波値(R)および消費電流値(I1,I2)に対して、あらかじめ用意しておいた反射波および消費電流の許容できる値(出力垂下制御閾値:TR,TI1,TI2)の70%を超えた場合、下記の式(8)(10)(12)による計算を行う。70%を超えない場合は、下記の式(7)(9)(11)に示すように本来出力したい出力設定値(S)を最終段出力可能値(AR,AI1,AI2)として採用することとし、演算部111Aの内部メモリに保存しておく。なお、70%とあるが、ユーザは自由に変更可能である。
AR=S (if R/TR≦0.7) ・・・・・・(7)
AR=F×TR/R (if R/TR>0.7) ・・・・・・(8)
AI1=S (if I1/TI1≦0.7) ・・・(9)
AI1=F×TI1/I1 (if I1/TI1>0.7) ・・・(10)
AI2=S (if I2/TI2≦0.7) ・・・(11)
AI2=F×TI1/I2 (if I2/TI2>0.7) ・・・(12)
各々計算した最終段出力可能値(AR,AI1,AI2)は、本来出力したい出力設定値(S)と比較を行い、小さい方を演算部11Aの内部メモリに保存しておく。
出力垂下制御閾値(TR,TI1,TI2)は、装置の電源投入時に演算部111Aがあらかじめ外部メモリから演算部11Aの内部メモリに読み込んでおく。
(B3)図9に示すように、上記(A2)(B2)で保存しておいた各々の最終段出力可能値(Ap1、Ap2,AR,AI)を比較し、最小の値を最終段出力可能値として採用し、その値がD/A変換回路115でアナログ電圧に変換され、設定出力値(Vs)として励振増幅回路112に設定され、励振増幅回路112から出力される信号が電力増幅回路13_1,13_2、合成回路115を経て最終的なRFとして出力される。
Ap1またはAp2が最小の値の場合は図6と同様に、値ARが最小の値の場合は図3と同様に垂下制御され、AIが最小の値の場合は図4と同様に垂下制御される。
<変形例2>
実施例の第2の変形例(変形例2)に係る高周波電源装置について図10を用いて説明する。
図10は変形例2に係る高周波電源装置の構成を示すブロック図である。
変形例2に係る高周波電源装置10Bは制御回路および励振増幅回路が変形例1と異なるが、その他は同様である。
制御回路11BはさらにA/D変換回路117を備えるのがより好ましい。励振増幅回路12Bは進行波電力(Pfo)を検出して進行波検出電圧(Vfo)を出力する構成となっている。高周波電源装置10Bの垂下制御について以下説明する。
(C1)励振増幅回路12Bからの進行波電力(Pfo)の検出信号である進行波検出電圧(Vfo)をA/D変換回路117でデジタル変換した値に対して、演算部111Bがテーブルを用いて進行波値(Fo)に変換する。
(C2)演算部111Bは、上記(C1)で求めた進行波値(Fo)に対して、あらかじめ用意しておいた励振増幅回路12Bの進行波の許容できる値(出力垂下制御閾値:To)の70%を超えた場合、下記の式(14)による計算を行う。70%を超えない場合は、下記の式(13)に示すように本来出力したい出力設定値(S)を最終段出力可能値(Ao)として採用することとし、演算部111Bの内部メモリに保存しておく。なお、70%とあるが、ユーザは自由に変更可能である。
Ao=S (if Fp1/Tp1≦0.7) ・・・・・・(13)
Ao=F×To/Fo (if Fo/To>0.7) ・・・(14)
計算した最終段出力可能値(Ao)は、本来出力したい出力設定値(S)と比較を行い、小さい方を演算部11Bの内部メモリに保存しておく。
出力垂下制御閾値(To)は、装置の電源投入時に演算部111Bがあらかじめ外部メモリから演算部11Bの内部メモリに読み込んでおく。
(C3)上記(A2)(B2)(C2)で保存しておいた各々の最終段出力可能値((Ap1、Ap2,AR,AI1,AI2,Ao)を比較し、最小の値を最終段出力可能値として採用し、その値がD/A変換回路115でアナログ電圧に変換され、設定出力値(Vs)として励振増幅回路112Bに設定され、励振増幅回路112Bから出力される信号が電力増幅回路13_1,13_2、合成回路115を経て最終的なRFとして出力される。
<変形例3>
実施例の第3の変形例(変形例3)に係る高周波電源装置について図11を用いて説明する。
実施例、変形例1および変形例2では電力増幅回路が2つの例を示したが、それに限らず3つ以上であってもよい。この場合、図11に示すように、n個の電力増幅回路の出力(進行波)に基づいて計算された最終段出力可能値(Ap1,Ap2,・・・,Apn)を比較し、最小の値を最終段出力可能値として採用する。必要に応じて他の最終段出力可能値と比較し、最小の値を最終段出力可能値として採用してもよい。電力増幅回路が2個でない場合は2個ずつ合成することができず3個以上の電力増幅回路を合成することになり、バランスがくずれやすくなるので、より有効である。なお、インピーダンス悪化した際はPAの合成数に比例して破損の可能性が高くなる傾向にあるため、合成数が多いほど相対的に効果が高くなる。
<変形例4>
実施例の第4の変形例(変形例4)に係る高周波電源装置について説明する。
変形例4に係る高周波電源装置は、励振増幅回路12,12Bの反射波電力および電力増幅回路13_1.13_2の反射波電力を検出することのできるハードウェア、および制御回路11,11A,11BにA/D変換回路を実装して、それらに対しての最終段出力可能値を求めるようにする。
実施例および変形例1から4に係る高周波電源装置は、電力増幅回路のバランスが崩れても、比較例のように反射波電力を受けながら過出力になることがないので、破損を防ぐことが可能となる。また、整合回路によるインピーダンス整合がとれるまでは、破損を防ぎつつ、かつできる限りの出力を発生させ、上位装置による生産ラインが止まることを防ぐことが可能となる。バランスが崩れやすい3個以上の電力増幅回路を合成することができるので、2個ずつトーナメント方式に合成するよりも回路規模を小さくすることができ、コストを削減することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施例および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施例および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
1・・・電源システム
10・・・高周波電源装置
11,11A,11B・・・制御回路
111,111A,111B・・・演算部
112・・・A/D変換回路
113_1,13_2・・・A/D変換回路
114・・・D/A変換回路
115・・・A/D変換回路
116_1,116_2・・・A/D変換回路
117・・・A/D変換回路
12,12B・・・励振増幅回路
13_1,13_2・・・電力増幅回路
14_1,14_2,14A1,14A2・・・電源
15・・・合成回路
16,16A・・・検出回路
20・・・整合回路
30・・・負荷

Claims (3)

  1. 複数の電力増幅回路と、
    前記複数の電力増幅回路の電源と、
    前記複数の電力増幅回路の出力を合成する合成回路と、
    最終段出力の進行波電力を検出する検出回路と、
    制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々最終段出力可能値を求める垂下制御手段と、
    前記最終段出力可能値のうち最小出力値を選択する手段と、
    を備え
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々の最終段出力可能値を求める垂下制御手段は、
    前記検出回路が検出した前記電力増幅回路からの進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値が、あらかじめ設定された出力垂下制御閾値を超えた場合には、前記検出回路が検出した最終段出力の進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値と前記出力垂下制御閾値と前記進行波値とに基づいて最終段出力可能値を求め、
    前記進行波値が前記出力垂下制御閾値を超えない場合は、本来出力したい出力設定値を最終段出力可能値とする高周波電源装置。
  2. 複数の電力増幅回路と、
    前記複数の電力増幅回路の電源と、
    前記複数の電力増幅回路の出力を合成する合成回路と、
    最終段出力の進行波電力を検出する検出回路と、
    制御回路と、
    を備え、
    前記検出回路は反射波電力を検出し、
    前記制御回路は、
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々最終段出力可能値を求める垂下制御手段と、
    前記最終段出力可能値のうち最小出力値を選択する手段と、
    複数の電源の消費電流に基づいて最終段出力可能値を求める垂下制御手段と、
    前記反射波電力に基づいて最終段出力可能値を求める垂下制御手段と、
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて求めた最終段出力可能値と、
    複数の電源の消費電流に基づいて求めた最終段出力可能値と、前記反射波電力に基づいて求めた最終段出力可能値と、のうち最小出力値を選択する手段と、
    を備え
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々の最終段出力可能値を求める垂下制御手段は、
    前記検出回路が検出した前記電力増幅回路からの進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値が、あらかじめ設定された出力垂下制御閾値を超えた場合には、前記検出回路が検出した最終段出力の進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値と前記出力垂下制御閾値と前記進行波値とに基づいて最終段出力可能値を求め、
    前記進行波値が前記出力垂下制御閾値を超えない場合は、本来出力したい出力設定値を最終段出力可能値とする高周波電源装置。
  3. 複数の電力増幅回路と、前記複数の電力増幅回路の電源と、前記複数の電力増幅回路の出力を合成する合成回路と、最終段出力の進行波電力を検出する検出回路と、を備える高周波電源装置の制御方法であって、
    前記複数の電力増幅回路の各々の進行波電力に基づいて各々最終段出力可能値を求め、
    前記最終段出力可能値のうち最小出力値を選択し、
    前記検出回路が検出した前記電力増幅回路からの進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値が、あらかじめ設定された出力垂下制御閾値を超えた場合には、前記検出回路が検出した最終段出力の進行波電力の検出信号である進行波検出電圧に基づいて求めた進行波値と前記出力垂下制御閾値と前記進行波値とに基づいて最終段出力可能値を求め、
    前記進行波値が前記出力垂下制御閾値を超えない場合は、本来出力したい出力設定値を最終段出力可能値とする高周波電源装置の制御方法。
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