JP6505599B2 - 遺伝子標的化および形質スタッキングのための特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(etip) - Google Patents

遺伝子標的化および形質スタッキングのための特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(etip) Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月7日出願の米国特許仮出願第61/697,882号の恩典の優先権を主張するものである。
本開示は、植物の正確な形質転換、遺伝子標的化、植物における標的ゲノム組み込みおよびタンパク質発現の分野に関する。好ましい実施形態において、本開示は、植物ゲノム内にランダムにまたは植物ゲノム内の標的位置に挿入することができる、特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(Engineered Transgene Integration Platform)(ETIP)を記載する。
高まりつづける世界の食物生産需要という難題に対処するための、農業生産性の改善(例えば、収量向上または遺伝子組換えによる病虫害抵抗性(engineered pest resistance))への典型的な取り組みは、突然変異育種、または形質転換による作物種のゲノムへの新規遺伝子の導入に依存している。これらのプロセスは、本質的に非特異的であり、比較的効率が悪い。例えば、従来の植物形質転換法は、外在性DNAを送達し、その外在性DNAがゲノムのランダムな位置に組み込まれる。したがって、望ましい特質を有するトランスジェニック植物系統を同定し、単離するために、構築物ごとに何百もの特有のランダム組み込み事象を生じさせ、その後、所望の個体についてスクリーニングする必要がある。結果として、従来の植物形質操作は、骨が折れる、時間のかかる、予測不能な仕事である。さらに、これらの組み込みのランダム性は、意図しないゲノム破壊に起因して多面的効果が起こったかどうかを予測することを困難にする。
現行の形質転換プロセスのランダム性は、導入遺伝子事象候補の同定および選択のために何百もの事象の発生を必要とする(形質転換および事象スクリーニングは、機能性ゲノム研究から同定される遺伝子候補に比べて律速的である)。加えて、ゲノム内の組み込み位置によっては、ゲノム位置効果の結果として遺伝子発現カセットが異なるレベルで発現されることがある。このゲノム位置効果は、従来の形質転換プロセスを用いるゲノムへのランダム挿入による様々な調節要素および導入遺伝子設計の影響の比較を非常に可変的なものにする。結果として、操作された遺伝子または形質を有する植物系統の産生、単離および特性評価は、成功確率の低い、極めて大きな労働力および費用を要するプロセスになっている。
正確な遺伝子修飾は、植物系における従来の実施の論理的課題を克服するので、植物研究者および農業生物工学者の長年の目標であった。しかし、イネにおける陽性−陰性薬剤選択による「遺伝子標的化」、または事前に操作された制限部位の使用を除き、すべての植物種、モデルおよび作物両方における標的ゲノム修飾は、最近まで、理解し難いものとされていた。非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3。
最近、ゲノムDNAの標的切断のための方法および組成物が記載された。かかる標的切断事象を用いて、例えば、細胞DNA配列の標的突然変異誘発もしくは標的欠失を誘導することができ、または所定の染色体遺伝子座での標的組換えを助長することができる。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5、ならびに特許文献6。
特許文献7には、植物ゲノムの標的修飾のための非カノニカルジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)の使用が開示されている。特許文献8には、植物EPSPS遺伝子座へのZFN媒介標的組み込みが記載されている。しかし、植物ゲノム内の正確な位置への安定した標的組み込みの同定、選択および迅速な進行のため組成物および方法を見つける必要が依然としてある。
米国特許出願公開2003/0232410号明細書 米国特許出願公開2005/0208489号明細書 米国特許出願公開2005/0026157号明細書 米国特許出願公開2005/0064474号明細書 米国特許出願公開2006/0188987号明細書 国際公開第2007/014275号パンフレット 米国特許出願公開2008/0182332号明細書 米国出願第12/284,888号明細書
Terada et al. (2002) Nat Biotechnol 20(10): 1030 Terada et al. (2007) Plant Physiol 144(2):846 D'Halluin et al. (2008) Plant Biotechnology J. 6(1):93
本発明は以下を提供する。
[1]トランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、
標的化可能な核酸分子を含むゲノムDNAを有する植物細胞を準備する工程(上記標的化可能な核酸分子は、
少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位と、
第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、
第二のマーカー遺伝子の第二の断片と
を含む);
ドナー核酸分子および部位特異的ヌクレアーゼ核酸分子で上記植物細胞を形質転換させる工程;
上記少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位を切断する工程;
上記ドナー核酸分子を上記標的化可能な核酸分子に組み込む工程(ここで、上記標的化可能な核酸分子内への組み込みは、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む);および
上記標的化可能な核酸分子と、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む組み込まれたドナー核酸分子とを含む、トランスジェニック植物細胞を生産する工程
を含む方法。
[2]上記ドナー核酸分子が、第一および第二の相同アーム核酸配列を含む、上記[1]に記載の方法。
[3]上記相同アーム核酸配列が、イントロンである、上記[2]に記載の方法。
[4]上記第一および第二の相同アーム核酸配列が、50%未満の配列同一性を共有する、上記[2]に記載の方法。
[5]上記第一および第二相同アーム核酸配列が、50bpから3kbpの長さである、上記[2]に記載の方法。
[6]上記ドナー核酸分子が、非相同性依存型方法により上記標的化可能な核酸分子に組み込まれる、上記[1]に記載の方法。
[7]上記ドナー核酸分子が、相同性依存型方法により上記標的化可能な核酸分子に組み込まれる、上記[1]に記載の方法。
[8]上記ドナー核酸分子の両末端が、ヌクレオチド配列再編成を有する上記標的化可能な核酸分子に組み込まれ、上記ヌクレオチド配列再編成が、挿入、欠失、逆位(inversion)およびリピートを含む、上記[1]に記載の方法。
[9]上記ドナー核酸分子の両末端が、ヌクレオチド配列再編成のない上記標的化可能な核酸分子に組み込まれ、上記ヌクレオチド配列再編成が、挿入、欠失、逆位およびリピートを含む、上記[1]に記載の方法。
[10]上記ドナー核酸分子の第一の末端が、ヌクレオチド配列再編成のない上記標的化可能な核酸分子に組み込まれ、および上記ドナー核酸分子の第二末端が、ヌクレオチド配列再編成を有する上記標的化可能な核酸分子に組み込まれ、上記ヌクレオチド配列再編成が、挿入、欠失、逆位およびリピートを含む、上記[1]に記載の方法。
[11]上記トランスジェニック植物細胞が、トランスジェニック植物組織へと産生されるか、またはトランスジェニック植物全体へと再生される、上記[1]に記載の方法。
[12]上記標的化可能な核酸が、ゲノム遺伝子座に挿入される、上記[1]に記載の方法。
[13]上記ゲノム遺伝子座内への標的化可能な核酸分子の挿入が、上記植物細胞の耕種学的特性または品質特性に対して悪影響を及ぼさない、上記[12]に記載の方法。
[14]上記ゲノム遺伝子座が、FAD2ゲノム遺伝子座、FAD3ゲノム遺伝子座、およびIPK1ゲノム遺伝子座から成る群より選択される、上記[12]に記載の方法。
[15]上記FAD2ゲノム遺伝子座が、FAD2A、FAD2A’、FAD2CおよびFAD2C’から成る群より選択される、上記[14]に記載の方法。
[16]上記FAD3ゲノム遺伝子座が、FAD3A、FAD3A’、FAD3A”、FAD3C、FAD3C’およびFAD3C”から成る群より選択される、上記[14]に記載の方法。
[17]上記ドナー核酸分子が、少なくとも1つの遺伝子発現カセットを含む、上記[1]に記載の方法。
[18]上記遺伝子発現カセットが、導入遺伝子を含む、上記[1]に記載の方法。
[19]上記導入遺伝子が、殺虫剤耐性導入遺伝子、除草剤抵抗性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合導入遺伝子および選択可能マーカー導入遺伝子から成る群より選択される、上記[18]に記載の方法。
[20]上記少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位が、部位特異的ヌクレアーゼで切断される、上記[1]に記載の方法。
[21]上記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメインと切断ドメインまたは切断ハーフドメインとを含む融合タンパク質である、上記[20]に記載の方法。
[22]上記DNA結合ドメインが、メガヌクレアーゼDNA結合ドメイン、RNA誘導性CRISPR−Cas9 DNA結合ドメイン、ロイシンジッパーDNA結合ドメイン、転写活性化因子様(TAL)DNA結合ドメイン、リコンビナーゼ、ジンクフィンガータンパク質DNA結合ドメイン、およびそれらのキメラ的組み合わせから成る群より選択される、上記[21]に記載の方法。
[23]上記融合タンパク質が、ジンクフィンガーヌクレアーゼである、上記[21]に記載の方法。
[24]上記切断ドメインまたは切断ハーフドメインが、IIS型制限部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、FokI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、StsI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、およびホーミング部位特異的ヌクレアーゼから成る群より選択される、上記[21]に記載の方法。
[25]上記第一のマーカー遺伝子の第二の断片が、上記ドナー核酸分子の5’末端に位置し、および上記第二のマーカー遺伝子の第一の断片が、上記ドナー核酸分子の3’末端に位置する、上記[1]に記載の方法。
[26]上記ドナー核酸分子を標的化可能な核酸分子に組み込む工程が、第一のマーカー遺伝子を含む機能性第一マーカー遺伝子をもたらす、上記[25]に記載の方法。
[27]上記ドナー核酸分子を標的化可能な核酸分子に組み込む工程が、第二のマーカー遺伝子を含む機能性第二マーカー遺伝子をもたらす、上記[25]に記載の方法。
[28]上記第一のマーカータンパク質が、蛍光活性化細胞選別(FACS)を利用してスクリーニングされる、上記[26]に記載の方法。
[29]上記第二のマーカータンパク質が、蛍光活性化細胞選別(FACS)を利用してスクリーニングされる、上記[27]に記載の方法。
[30]上記第一および第二のマーカー遺伝子が、異なる作用機序を有するマーカータンパク質を発現する、上記[26および上記[27]に記載の方法。
[31]上記第一のマーカー遺伝子の第二の断片が、上記ドナー核酸分子の5’末端に位置し、上記ドナー核酸分子の5’末端が、イントロンに作動可能に連結されたプロモーターを含み、および上記第二のマーカー遺伝子の第一の断片が、上記ドナー核酸分子の3’末端に位置し、上記ドナー核酸分子の3’末端が、イントロンに作動可能に連結されたコード配列を含む、上記[1]に記載の方法。
[32]上記第一または第二のマーカー遺伝子(単数または複数)が、PMI、YFP、Xyl(A)、RFP、DSR、GFP、GUS、NPTII、AAD−1、AAD−12、AHAS、PAT、DSM−2、DGT−28、HPH、BAR、および蛍光タンパク質から成る群より選択される、上記[1]に記載の方法。
[33]上記トランスジェニック植物細胞が、フローサイトメトリーを利用して単離される、上記[1]に記載の方法。
[34]上記[11]に記載の方法によって生産されたトランスジェニック植物組織またはトランスジェニック植物全体。
[35]配列番号431のヌクレオチド1−579から配列番号432のヌクレオチド166−732、配列番号433のヌクレオチド1−550から配列番号434のヌクレオチド190−653、配列番号435のヌクレオチド1−298から配列番号436の51−644、配列番号437のヌクレオチド1−536から配列番号438のヌクレオチド146−545、ヌクレオチド、配列番号439のヌクレオチド1−431から配列番号440のヌクレオチド167−685、配列番号441のヌクレオチド1−599から配列番号442のヌクレオチド116−521、配列番号443のヌクレオチド1−298から配列番号444のヌクレオチド193−775、および配列番号445のヌクレオチド1−651から配列番号446のヌクレオチド120−578から成る群より選択される、セイヨウアブラナ(Brassica napus)染色体標的部位。
[36]少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位と、
第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、
第二のマーカー遺伝子の第二の断片と
を含む標的化可能な核酸分子を含む、上記[34]に記載のセイヨウアブラナ(Brassica napus)染色体標的部位。
[37]pDAS000036またはpDAS000037を含む、上記[34]に記載のセイヨウアブラナ(Brassica napus)染色体標的部位。
[38]外在性ポリヌクレオチド配列を含む、上記[34]に記載のセイヨウアブラナ(Brassica napus)染色体標的部位。
[39]トランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、
標的化可能な核酸分子を含むゲノムDNAを有する植物細胞を準備する工程(上記標的化可能な核酸分子は、
少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位と、
第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、
非コードポリヌクレオチド配列の第二の断片と
を含む);
ドナー核酸分子および部位特異的ヌクレアーゼ核酸分子で上記植物細胞を形質転換させる工程;
上記少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位を切断する工程;
上記ドナー核酸分子を上記標的化可能な核酸分子に組み込む工程(ここで、上記標的化可能な核酸分子内への組み込みは、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む);および
上記標的化可能な核酸分子と、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む組み込まれたドナー核酸分子とを含む、トランスジェニック植物細胞を生産する工程
を含む方法。
[40]上記ドナー核酸分子が、第一および第二の相同アーム核酸配列を含む、上記[39]に記載の方法。
[41]上記第一の相同アーム核酸配列が、イントロンである、上記[39]に記載の方法。
[42]上記第二の相同アーム核酸配列が、非コードポリヌクレオチド配列である、上記[39]に記載の方法。
本開示のある実施形態は、トランスジェニック植物細胞を生産するための方法に関する。さらなる実施形態では、標的化可能な核酸分子を含むゲノムDNAを有する植物細胞を提供する。さらなる実施形態は、少なくとも1つの特異的ヌクレアーゼ認識部位と、第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、第二のマーカー遺伝子の第二の断片とを含む、標的化可能な核酸分子を含む。別の実施形態では、植物細胞をドナー核酸分子および部位特異的ヌクレアーゼ核酸分子で形質転換させる。二次的実施形態では、植物細胞のゲノムDNAを少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位で切断する。追加の実施形態は、トランスジェニック植物細胞を生産するための標的可能核酸分子へのドナー核酸分子の組み込みを含み、前記標的可能核酸分子内への組み込みは、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含み、前記トランスジェニック植物細胞は、前記標的化可能な核酸分子と、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む組み込まれたドナー核酸分子とを含む。
さらに別の実施形態において、本開示は、配列番号(SEQ ID NO:)431のヌクレオチド1−579から配列番号432のヌクレオチド166−732、配列番号433のヌクレオチド1−550から配列番号434のヌクレオチド190−653、配列番号435のヌクレオチド1−298から配列番号436の51−644、配列番号437のヌクレオチド1−536から配列番号438のヌクレオチド146−545、ヌクレオチド、配列番号439のヌクレオチド1−431から配列番号440のヌクレオチド167−685、配列番号441のヌクレオチド1−599から配列番号442のヌクレオチド116−521、配列番号443のヌクレオチド1−298から配列番号444のヌクレオチド193−775、および配列番号445のヌクレオチド1−651から配列番号446のヌクレオチド120−578から成る群より選択される、セイヨウアブラナ(Brassica napus)染色体標的部位に関する。
二次的実施形態において、本開示は、トランスジェニック植物細胞を生産するための方法に関する。さらなる実施形態は、少なくとも1つの特異的ヌクレアーゼ認識部位と、第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、第二の非コードポリヌクレオチド配列の第二の断片とを含む、標的化可能な核酸分子を含む。別の実施形態では、植物細胞をドナー核酸分子および部位特異的ヌクレアーゼ核酸分子で形質転換させる。二次的実施形態では、植物細胞のゲノムDNAを少なくとも1つの部位特異的ヌクレアーゼ認識部位で切断する。追加の実施形態は、トランスジェニック植物細胞を生産するための標的可能核酸分子へのドナー核酸分子の組み込みを含み、前記標的可能核酸分子内への組み込みは、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含み、前記トランスジェニック植物細胞は、標的化可能な核酸分子と、少なくとも1つの機能性マーカー遺伝子を含む組み込まれたドナー核酸分子とを含む。
上述の特徴および他の特徴は、添付の図面を参照しながら進める、いくつかの実施形態についての下記の詳細な説明からさらに明らかになる。
図1Aは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD2遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図1Bは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD2遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図1Cは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD2遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図1Dは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD2遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図1Eは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD2遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図2は、近隣結合距離に基づいてJALVIEW(商標)v2.3を使用して生成したFAD2遺伝子配列の系統樹を示す。 図3Aは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Bは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Cは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Dは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Eは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Fは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Gは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Hは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Iは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Jは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Kは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Lは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Mは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Nは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Oは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Pは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Qは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Rは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Sは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Tは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Uは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Vは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Wは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Xは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Yは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3Zは、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3A’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3B’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3C’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3D’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3E’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3F’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3G’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3H’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3I’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3J’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3K’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3L’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図3M’は、ALIGNX(登録商標)を使用して生成した、FAD3遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図4は、近隣結合距離に基づいてJALVIEW(商標)v2.3を使用して生成したFAD3遺伝子配列の系統樹を示す。名づけられた配列は、次のように対応する:本出願を通してFAD3A’/A’’をFAD3A’と記載する;本出願を通してハプロタイプ2をFAD3C’と記載する;本出願を通してハプロタイプ1をFAD3C’’と記載する;および本出願を通してハプロタイプ3をFAD3A’’と記載する。 図5は、pDAB104010のプラスミドマップを示し、代表的ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)発現カセットを提示する。この構築物のレイアウトは、他のZFN発現カセットに類似しており、この場合、ジンクフィンガードメイン、24828および24829を下に記載されている代替ジンクフィンガードメインと交換した。 図6は、10,000配列リードあたりの標的ZFN部位に欠失がある配列リードの数を示す複数ラインの折れ線グラフの例である。グラフ上のX軸は、欠失された塩基の数を示し、Y軸は、配列リードの数を示し、およびZ軸は、グラフの右に記載されているとおりのカラーコード化されたサンプルの正体を示す。示されている具体的なサンプルは、3つの標的ZFN部位、A、BおよびCと、4つの遺伝子ファミリーメンバー、ならびに対照サンプルAおよびBとして評定した2つの対照トランスフェクションを含有する、FAD2遺伝子ファミリーの遺伝子座1についてのものである。最上部から最下部へと(凡例の最上部のA−対照_FADA’から凡例の最下部のC_サンプル_FAD2Cへと)列挙されたラインが、グラフ上に、ラベル付きX軸の最も近く(A_対照_FADA’)から、ラベル付きX軸から最も遠く(C_サンプル_FAD2C)へと示されている。 図7Aは、FAD2遺伝子ファミリーの遺伝子座4を標的にするZFNからのデータを表示するものである。前記遺伝子座は、2つのZFN部位および2つの必要対照トランスフェクションを含有する。 図7Bは、FAD2AおよびC遺伝子座のシークエンシングにより単一塩基欠失の観察増加につながる、C、TおよびGの三塩基リピートを含有するFAD2AおよびCを同定する、ZFN標的部位を包囲する特異的配列構成(配列番号471−480)。 図8は、pDAS000130のプラスミドマップを示す。 図9は、pDAS000271のプラスミドマップを示す。 図10は、pDAS000272のプラスミドマップを示す。 図11は、pDAS000273のプラスミドマップを示す。 図12は、pDAS000274のプラスミドマップを示す。 図13は、pDAS000275のプラスミドマップを示す。 図14は、pDAS000031のプラスミドマップを示す。 図15は、pDAS000036のプラスミドマップを示す。 図16は、pDAS000037のプラスミドマップを示す。 図17は、ETIPおよびペイロード核酸配置、ならびに植物細胞ゲノムにおけるETIP部位での標的ペイロードの産物を図示する。 図18は、プロトプラスト細胞の形質転換、続いて、3’および5’両末端での短縮型スコアリング可能かつ選択可能マーカーの再構築を用いる宿主系統におけるETIPでの標的ペイロードDNAのFACS選択を図示する。 図19Aは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(pDAS000074またはpDAS000075)によるゲノム遺伝子座の二本鎖DNA切断およびカノーラ染色体のETIP遺伝子座へのDs−redドナー(pDAS000068、pDAS000070、またはpDAS000072)のその後の組み込みの結果として生ずる、ETIPカノーラ事象の相同性指向型修復(homology directed repair)を図示する。前記ドナーの前記ゲノム遺伝子座への組み込みは、十分に機能する高発現性のDs−red導入遺伝子をもたらす。 図19Bは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(pDAS000074またはpDAS000075)によるゲノム遺伝子座の二本鎖DNA切断およびカノーラ染色体のETIP遺伝子座へのDs−redドナー(pDAS000068、pDAS000070、またはpDAS000072)のその後の組み込みの結果として生ずる、ETIPカノーラ事象の相同性指向型修復を図示する。前記ドナーの前記ゲノム遺伝子座への組み込みは、十分に機能する高発現性のDs−red導入遺伝子をもたらす。 図20は、カノーラプロトプラストのFACS選別と、pDAS000031(「pDAS31」)でトランスフェクトされたカノーラプロトプラストの算出トランスフェクション効率とを示す。加えて、形質転換されていないカノーラプロトプラストのFACS選別結果を陰性対照として提供する。 図21は、カノーラプロトプラストのFACS選別と、pDAS000064/pDAS000074(上のグラフ)およびpDAS000064/pDAS000075(下のグラフ)でトランスフェクトされたカノーラETIPプロトプラスト事象の算出トランスフェクション効率とを示す。 図22は、カノーラプロトプラストのFACS選別と、pDAS000068/pDAS000074(上のグラフ)およびpDAS000068/pDAS000075(下のグラフ)で形質転換されたカノーラETIPプロトプラスト事象の算出トランスフェクション効率とを示す。 図23は、カノーラプロトプラストのFACS選別と、pDAS000070/pDAS000074(上のグラフ)およびpDAS000070/pDAS000075(下のグラフ)で形質転換されたカノーラETIPプロトプラスト事象の算出トランスフェクション効率とを示す。 図24は、カノーラプロトプラストのFACS選別と、pDAS000072/pDAS000074(上のグラフ)およびpDAS000072/pDAS000075(下のグラフ)で形質転換されたカノーラETIPプロトプラスト事象の算出トランスフェクション効率とを示す。 図25は、pDAS000074のプラスミドマップを示す。 図26は、pDAS000075のプラスミドマップを示す。 図27は、pDAS000064のプラスミドマップを示す。 図28は、pDAS000068のプラスミドマップを示す。 図29は、pDAS000070のプラスミドマップを示す。 図30は、pDAS000072のプラスミドマップを示す。 図31は、導入遺伝子コピー数推定アッセイのための導入遺伝子標的プライマーおよびプローブの結合部位を示す概略図である。 図32は、FAD2A ZFN DNA認識ドメイン(bc12075_Fad2a−r272a2およびbc12075_Fad2a−278a2)、ならびにZFN特異的プライマーの結合部位(FAD2A.UnE.F1およびFAD2A.UnE.R1)および内在性プライマーの結合部位(FAD2A/2C.RB.UnE.F1およびFAD2A/2C.RB.UnE.R1)を示す、SEQUENCHERファイルを示す。 図33は、完全HDRによるFAD2Aへの導入遺伝子組み込みの検出に使用した内在性および導入遺伝子標的プライマーの結合部位を示す概略図である。 図34は、Kpn1制限エンドヌクレアーゼ部位が、完全編集FAD2A遺伝子座内のどこに発生するのか、およびFAD2a 5’、hphおよびFAD2A 3’サザンプローブがどこに結合するのかを示す略図である。 図35は、コピー数推定qPCRからの代表データ出力を示す。左側のカラムは、単一ランダム導入遺伝子インサートを有する公知Tトランスジェニック植物から得たデータを表し、すべての他のサンプルが「正規化される」キャリブレーターサンプルとして使用される。右側のカラムは、5導入遺伝子組み込みを有する公知Tトランスジェニック植物である。両方の植物についてのインサートコピー数を、サザン解析を用いて決定した。残りのカラムは、推定上のトランスジェニック植物についてのコピー数推定値を提供する。これらのカラムには、図の左から右へ(from left to rightffigur)、次のようにラベルが付いている:1コピー対照、310420、311819、311821、311822、311823、311824、311827、312524、312525、312526、312527、312529、312530、312532、313810、313811、313905、313941、313942、313944、そして5コピー対照。カラムは、各トランスジェニック植物についての推定コピー数を決定するために使用することができる。コピー数を推定するためにソフトウェアを使用するとき、野生型植物、非形質転換対照植物、およびプラスミドのみの対照は、hphおよびHMG I/Y標的両方のためのCqを保有しないので、コピー数が得られない。 図36は、T−DNAボーダー間に、RB7 MAR配列/eZFN4結合部位v1、OsUbi3プロモーター/Phi YFP/ZmPer5 3’UTR v2/eZFN1結合部位/ELP1 HR2 v2、ZmUbi1プロモーターv8/Cry34Ab1 v2/StPinII 3’UTR v2、TaPerプロモーターv3/Cry35Ab1 v5/StPinII 3’UTR v2、SCBVv2/AAD−1v3/ZmLip 3’UTR v1を含む、標的DNA配列を含有するpDAB105855のプラスミドマップを示す。 図37は、イントロン1を伴うトウモロコシユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーターv2)の発現下のZFN1コード配列とZmPer5 3’UTR v2とを含むpDAB105941のプラスミドマップを示す。 図38は、イネユビキチン3(OsUbi3)プロモーターのプロモーターを持たないイントロン(rubi3イントロン)、続いて除草剤抵抗性遺伝子(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)、そしてZmLip 3’UTRを含有する、pDAB112366のプラスミドマップを示す。 図39は、発現カセットを含むドナーポリヌクレオチドの標的化のためのゲノム内に組み込まれたETIP部位の使用についての概略図を提供する。このスキームに示されているように、ドナーは、ETIP遺伝子座内への組み込みが起こると導入遺伝子を発現することができる。ドナーのランダム組み込みは、発現を駆動することができるプロモーター要素が典型的にないので、導入遺伝子の発現をもたらさない。
植物細胞のゲノムに安定的に組み込まれかつドナー核酸分子の形質転換および組み込みのための宿主生殖質として役立つ、標的化可能な核酸分子を含む、特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(ETIP)の生産のための方法および組成物を、本明細書に開示する。本開示は、植物の正確な形質転換、植物における遺伝子標的化、標的ゲノム組み込みおよびタンパク質発現に関する。好ましい実施形態では、ETIPを植物ゲノムにランダムにまたは植物ゲノム内の標的位置に挿入して、そのETIPゲノム位置に(3’末端と5’末端両方とも)標的化された1つまたはそれ以上の目的の遺伝子(GOI)の迅速な選択および検出を助長することができる。いくつかの実施形態では、特異的2本鎖破断をETIP内に導入することがある。他の実施形態では、標的化され、単離された細胞またはプロトプラストの選択および濃縮、続いてのフローサイトメトリーおよびFACSを用いる稔性植物の再生のための方法を説明する。
特定の方法は、トランスジェニック植物細胞であって、該植物およびその後代において安定した遺伝性遺伝子修飾を有するものであるトランスジェニック植物細胞の生産はもちろん、前記トランスジェニック植物の組成物の生産も含む。ある一定の実施形態では、組み込み核酸を含むETIPが宿主生殖質に安定的に組み込まれる、正確な植物形質転換システムでの使用について、ETIPを説明する。他の実施形態は、植物細胞ゲノムDNAが少なくとも1つの安定的に組み込まれた機能性マーカー遺伝子を含むようなトランスジェニック植物細胞の生産方法に関する。いくつかの実施形態において、前記方法は、1つまたはそれ以上の標的化部位特異的ヌクレアーゼ認識部位と、第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、第二のマーカー遺伝子の第二の断片とを含有する、標的化可能な核酸分子の使用を含む。別の実施形態において、ドナー核酸分子は、目的のヌクレオチド配列と、目的の核酸配列に隣接している2つの核酸配列とを含む。別の実施形態において、前記目的の核酸配列に隣接している2つの核酸配列は、第一および第二の相同アーム核酸配列である。他の実施形態では、前記ドナー核酸分子を使用して植物細胞を形質転換させる。前記相同アーム核酸配列は、前記ETIPまたは前記標的化可能な核酸分子配列の領域に相同であってもよく、前記標的化可能な核酸分子の第一および第二のマーカー遺伝子の第一および第二の断片に相同であってもよい。
ドナー核酸が、植物細胞内のETIPまたは標的化可能な核酸分子に安定的に組み込まれている外在性核酸配列(例えば、タンパク質またはRNA分子)の1つまたはそれ以上の産物を発現する、トランスジェニック植物の組成物および生産方法も記載する。いくつかの実施形態において、ETIPまたは標的化可能な核酸分子は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ結合部位を利用するか、またはジンクフィンガーヌクレアーゼ活性を発現するタンパク質を含む部位特異的ヌクレアーゼを利用する。代替実施形態において、部位特異的ヌクレアーゼは、他の追加の標的化技術、例えば、メガヌクレアーゼ、TAL、RNA誘発性CRISPR−Cas9、またはロイシンジッパーで構成される。特定の実施形態において、ETIPは、トランスジェニック植物発育過程の初期発育段階の遺伝子候補および植物発現ベクター設計の試験を助長する標的化可能な核酸分子である。いくつかの実施形態において、トランスジェニック植物細胞は、1つまたはそれ以上の標的化部位特異的ヌクレアーゼ認識部位と第一および第二のマーカー遺伝子の第一および第二の断片とを含有するポリヌクレオチド配列を有する組み込み核酸分子を含む。前記マーカー遺伝子断片が機能性マーカー遺伝子発現産物をコードしないこともあることは理解される。さらに、前記マーカー遺伝子は、ある実施形態の場合、イントロン核酸配列を含むことがある。他の実施形態において、前記マーカー遺伝子は、相同アーム核酸配列を含むことがある。
いくつかの実施形態において、前記ドナー核酸分子の1つまたは2つまたはそれ以上の領域には、植物ゲノムDNA(外在性)との配列相同性がない。追加の実施形態において、前記ドナー核酸分子は、相同アーム核酸配列を含むことがある。前記ドナー核酸分子の相同アーム核酸配列を、前記標的化可能な核酸分子の部位特異的ヌクレアーゼ制限部位に隣接する領域に組み込んでもよい。ある一定の実施形態において、前記相同アーム配列は、50bpから3kbの長さであってよい。
特定の実施形態において、前記ドナー核酸分子は、ETIP標的化可能核酸分子への標的化を可能にし、正確に標的化された事象についての5’および3’末端での選択を可能にする、外在性核酸配列を含むことがある。外在性核酸配列の産物は、例えば、1つもしくはそれ以上の遺伝子もしくはcDNA分子、または任意のタイプのコードもしくは非コードヌクレオチド配列、ならびに1つまたはそれ以上の調節遺伝子要素(例えば、プロモーター)を含むことができる。前記ドナー核酸分子の設計は、ドナーDNAのETIPへの選択組み込み後、選択可能マーカーをはじめとする(しかしこれに限定されない)コードおよび非コードDNAの切除を可能にする。
特定の実施形態において、前記ETIP標的化可能核酸分子は、第一のマーカー遺伝子の第一の断片、および第二のマーカー遺伝子の第二の断片、および前記第一のマーカー遺伝子の対応する第二の断片と前記第二のマーカー遺伝子の第一の断片とを含有するドナー核酸分子を含むことがある。前記標的化可能な核酸分子の3’末端に位置する前記第二のマーカー遺伝子の第二の断片に伴って、前記第一のマーカー遺伝子の第一の断片が前記標的化可能な核酸分子の5’末端に位置してもよいので、前記第一のマーカー遺伝子の第二の断片と前記第二のマーカー遺伝子の第一の断片とを含むドナー核酸分子のその植物細胞ゲノムへの安定的組み込みは、機能性の第一のマーカー遺伝子および第二のマーカー遺伝子を生じさせる。いくつかの実施形態では、これらのマーカー遺伝子を使用して、ETIPの安定的組み込みについて選択してもよい。いくつかの実施形態において、安定したマーカー遺伝子としては、PMI、Xyl(A)、YFP、DSR、GFP、GUS、NPTII、AAD−1、AAD−12、DGT−28、AHAS、PAT、DSM−2、HYG、BAR、および蛍光タンパク質が挙げられるだろう。他の実施形態において、前記マーカー遺伝子は、視覚的にスクリーニング可能なマーカー遺伝子であり、その存在を、細胞を色の変化についてモニターすることによって判定することができる。他の実施形態において、前記マーカー遺伝子は、(例えば、除草剤または抗生物質耐性遺伝子をコードする)選択可能マーカー遺伝子であり、その存在は、細胞成長を低下させる除草剤または抗生物質の使用について選択される。さらなる実施形態において、前記マーカー遺伝子は、陽性選択可能マーカー遺伝子である。
レポーター遺伝子としても記載する様々な選択可能マーカーを、形質転換植物(「形質転換体」)の同定を可能にするような選ばれた発現ベクターであって、形質転換植物(「形質転換体」)の選択可能な前記発現ベクターに組み込むこともできる。形質転換植物における選択可能マーカーの発現を確認するために多くの方法を利用することができ、それらの方法としては、例えば、DNAシークエンシングおよびPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、サザンブロット法、RNAブロット法、ベクターから発現されたタンパク質、例えばホスフィノトリシン耐性を媒介する沈殿タンパク質の検出のための免疫学的方法、または他のタンパク質、例えばレポーター遺伝子コードβ−グルクロニダーゼ(GUS)、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、DsRed、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アルカリホスファターゼおよびこれらに類するものの目視観察が挙げられる(Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Press, N.Y., 2001を参照されたい)。
選択可能マーカー遺伝子を形質転換細胞または組織の選択に利用する。選択可能マーカー遺伝子としては、抗生物質耐性をコードする遺伝子、例えば、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)およびヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードするもの、ならびに除草剤化合物に対する耐性を付与する遺伝子が挙げられる。除草剤耐性遺伝子は、一般に、除草剤に対して非感受性の修飾された標的タンパク質をコードしているか、または植物中の除草剤をそれが作用し得る前に分解もしくは解毒する酵素をコードしている。例えば、グリホサートに対する耐性は、突然変異型標的酵素、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子を使用することによって得られた。EPSPSについての遺伝子および突然変異体は周知であり、下でさらに説明する。グルホシネートアンモニウム、ブロモキシニル、および2,4−ジクロロフェノキシアセテート(2,4−D)に対する耐性は、それぞれの除草剤を解毒する、patもしくはDSM−2をコードする細菌遺伝子、ニトリラーゼ、aad−1またはaad−12遺伝子を使用することによって得られた。
ある実施形態において、イミダゾリノンまたはスルホニル尿素をはじめとする除草剤は、生長点または分裂組織を阻害することができ、これらの除草剤に対するアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)およびアセト乳酸シンターゼ(ALS)の耐性/抵抗性のための遺伝子は周知である。グリホサート耐性遺伝子としては、突然変異型5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPs)およびdgt−28遺伝子(組換え型核酸の導入および/もしくは天然EPSPs遺伝子の様々な形態のインビボ突然変異誘発による)、aroA遺伝子ならびにグルホサートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)遺伝子がそれぞれ挙げられる)。他のホスホノ化合物に対する耐性遺伝子としては、ストレプトマイセス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)およびストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridichromogenes)をはじめとするストレプトマイセス属(Streptomyces)種からのbar遺伝子、ならびにピリジノキシ(pyridinoxy)またはフェノキシプロピオン酸(proprionic acid)およびシクロヘキソン(AACアーゼ阻害剤コード遺伝子)が挙げられる。シクロヘキサンジオンおよび/またはアリールオキシフェノキシプロパン酸(ハロキシホップ、ジクロホップ、フェノキシプロプ、フルアジホップ、キザロホップを含む)に対する耐性を付与する例示的遺伝子としては、アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)の遺伝子−−Acc1−S1、Acc1−S2およびAcc1−S3が挙げられる。ある実施形態において、トリアジン(psbAおよび1s+遺伝子)またはベントニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)を含む除草剤は、光合成を阻害することができる。
ある実施形態において、選択可能マーカーとしては、次のものをコードする遺伝子が挙げられるが、それらに限定されない:ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII;シアナミドヒドラターゼ;アスパラギン酸キナーゼ;ジヒドロジピコリン酸シンターゼ;トリプトファンデカルボキシラーゼ;ジヒドロジピコリン酸シンターゼおよび脱感作型アスパラギン酸キナーゼ;bar遺伝子;トリプトファンデカルボキシラーゼ;ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NEO);ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPTまたはHYG);ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR);ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ;2,2−ジクロロプロピオン酸デハロゲナーゼ;アセトヒドロキシ酸シンターゼ;5−エノールピルビルシキミ酸−リン酸シンターゼ(aroA);ハロアリールニトリラーゼ;アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ;ジヒドロプテロイン酸シンターゼ(sul I);および32kD光化学系IIポリペプチド(psbA)。
ある実施形態は、次のものに対する耐性をコードする遺伝子も含む:クロラムフェニコール;メトトレキサート;ヒグロマイシン;スペクチノマイシン;ブロモキシニル;グリホサート;およびホスフィノトリシン。
選択可能マーカー遺伝子の上記リストは、限定を意図したものではない。任意のレポーターまたは選択可能マーカー遺伝子が本発明によって包含される。
ある実施形態では、ETIP標的化可能ポリヌクレオチド分子をゲノム遺伝子座に組み込む。一例では、FAD2、FAD3およびIPK1ゲノム遺伝子座が、ETIP組み込みおよびその後のドナーポリヌクレオチドドナー分子組み込みのための標的として選択され得る。FAD2およびFAD3内在性遺伝子の破壊は、植物細胞の耕種学的特性または品質特性に対して悪影響を及ぼさないことが証明されている。したがって、植物または植物製品性能(カノーラ、大豆、トウモロコシなど)に関連した耕種学的ペナルティーまたは品質ペナルティーがないこと、および特定の油品質特性に関連した形質のバンドリングは、遺伝子移入を促進し、FAD2およびFAD3部位が破壊されると新たな生殖質発生が観察される。特定の実施形態では、ドナーヌクレオチド配列分子を、調節要素、例えば、プロモーター、イントロン、5’UTRまたは3’UTRに連結させてもよい。
ドナー核酸分子のETIPへの組み込みを、部位特異的ヌクレアーゼの標的2本鎖切断によって助長してもよい。前記部位特異的ヌクレアーゼは、ETIP標的化可能核酸分子内に位置してもよい。さらに、部位特異的ヌクレアーゼは、特別設計のランディングパッド(Engineered Landing Pad)(ELP)を含むETIP標的化可能核酸分子内に位置してもよい。米国特許出願公開第20110191899号明細書を参照されたい。さらに、前記部位特異的ヌクレアーゼは、選択されたETIP内のELP中に位置してもよいし、または前記ELPに近接して位置してもよい。選択されたETIP内の操作された配列を結合するように設計されている、DNA結合ドメイン、例えば、メガヌクレアーゼDNA結合ドメイン、RNA誘導性CRISPR−Cas9 DNA結合ドメイン、ロイシンジッパーDNA結合ドメイン、TAL DNA結合ドメイン、ジンクフィンガータンパク質(ZFP)、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたは前述のもののキメラ的組み合わせを含む融合タンパク質の使用により、切断をETIPに標的化してもよい。かかる切断は、ETIP内の切断部位へのまたはその付近へのペイロードまたはドナー核酸外在性ポリヌクレオチド配列の組み込みを刺激する。本開示方法を用いるドナー核酸分子の組み込みは、相同性依存型メカニズムと相同性非依存型メカニズムの両方によって進行することができ、標的化事象の選択は、ETIPの3’領域と5’領域両方に対する標的化事象の際に機能性である新規選択可能およびまたはスコアリング可能マーカーのスクリーニングによって達成される。本開示は、ETIPでの選択2本鎖破断を達成するための、新規の操作されたジンクフィンガー結合部位およびZFNの使用を実証する。
代替実施形態において、新規の操作されたDNA結合部位(例えば、ZFP、メガヌクレアーゼ、ロイシンジッパー、TAL、RNA誘導性CRISPR−Cas9)は、ネイティブ植物細胞ゲノム内に存在しないETIP中の1つまたはそれ以上の標的部位に結合する。前記DNA結合ドメイン(単数または複数)は、例えば、認識ヘリックスを含む任意の操作されたジンクフィンガーDNA結合ドメイン、例えば、米国特許出願第12/931,096号明細書に記載されているものを含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載するDNA結合ドメインはいずれも、機能性ドメイン、例えば、切断ドメインまたは切断ハーフドメインをさらに含んでよい。他の実施形態において、前記切断ハーフドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ、例えば、FoklまたはStslからのものであることができる。切断ドメインのさらなる実施形態は、ホーミングエンドヌクレアーゼ、例えば、修飾されたDNA結合ドメインを有するホーミングエンドヌクレアーゼなどを含むことができる。
本開示の実施形態は、ジンクフィンガーDNA結合タンパク質の使用を含む。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質、「ZFP」、(または結合ドメイン)は、亜鉛イオンの配位によって構造が安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である1つまたはそれ以上のジンクフィンガーによって配列特異的様式でDNAを結合するタンパク質、またはより大きいタンパク質内のドメインである。用語ジンクフィンガーDNA結合タンパク質は、多くの場合、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと略記される。ジンクフィンガー結合ドメインは、所定のヌクレオチド配列に結合するように「操作される」こともある。ジンクフィンガータンパク質の操作方法の非限定的な例は、設計および選択である。設計されるジンクフィンガータンパク質は、自然界に存在しないタンパク質であって、その設計/組成が主として合理的基準から得られるものである。設計のための合理的基準は、既存のZFP設計および結合データの情報を記憶しているデータベース内の情報を処理するための代入規則およびコンピュータ化アルゴリズムの適用を含む。例えば、米国特許第6,140,081号、同第6,453,242号、同第6,534,261号および同第6,785,613を参照されたい;国際公開第98153058号、同第98153059号、同第98153060号、同第021016536号および同第031016496パンフレット、ならびに米国特許第6,746,838号、同第6,866,997号および同第7,030,215号明細書も参照されたい。
本開示の特定の実施形態では、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を利用することがある。ZFNは、本開示に従って植物細胞に送達することができるいずれのジンクフィンガーヌクレアーゼであってもよい。例えば、ZFNは、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)とジンクフィンガー結合ドメインとを含む融合タンパク質、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびポリペプチドとポリペプチドコードポリヌクレオチドの組み合わせを含んでもよい。ジンクフィンガー結合ドメインは、1つまたはそれ以上のジンクフィンガー(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上のジンクフィンガー)を含んでよく、および目的の任意の領域に結合するようにジンクフィンガー結合ドメインを操作してもよい。したがって、切断または組換えが望まれる目的の標的領域を同定することにより、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)と前記目的の領域内の標的配列を認識するように操作されたジンクフィンガードメインとを含む1つまたはそれ以上の融合タンパク質を、本明細書に開示する方法に従って構築してもよい。細胞内のかかる融合タンパク質(単数または複数)の存在は、前記目的の領域内または付近での融合タンパク質(単数または複数)のその(それらの)結合部位(単数または複数)への結合および切断をもたらすことになる。さらに、目的の領域に相同の外在性ポリヌクレオチドもかかる細胞内に存在する場合、2本鎖破断ヌクレオチド配列と外在性ポリヌクレオチド間の相同組換えが高い率で起こる。本開示のために、「相同組換え」は、例えば、相同性指向型修復メカニズムにより細胞内の2本鎖破断の修復中に発生するような交換の特殊な形を指す。このプロセスは、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「ドナー」分子を用いて「標的」分子(すなわち、2本鎖破断を経たもの)をテンプレート修復し、および「非交差型遺伝子変換」または「ショートトラクト遺伝子変換」として様々に公知である。なぜなら、それがドナーから標的への遺伝情報の伝達をもたらすからである。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、かかる伝達は、破断した標的とドナーとの間で形成されるヘテロ2本鎖DNAのミスマッチ補正、および/またはドナーを使用して標的の一部になる遺伝情報を再合成する「合成依存性鎖アニーリング」、および/または関連プロセスを必要とし得る。かかる特殊相同組換えは、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部またはすべてが標的ポリヌクレオチドに組み込まれるような、標的分子の配列の改変をもたらすことが多い。
本開示の方法において、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の標的部位特異的ヌクレアーゼは、標的配列(例えば、細胞の染色質)内の所定の部位で2本鎖破断を生じさせ、およびその破断の領域内のヌクレオチド配列との相同性を有する「ドナー」ポリヌクレオチドを細胞に導入することができる。2本鎖破断の存在は、ドナー配列の組み込みを助長することが証明されている。ドナー配列を物理的に組み込んでもよいし、または代替的に、ドナーポリヌクレオチドを相同組換えによる破断の修復のためのテンプレートとして使用し、その結果、そのドナー内に見られるようなヌクレオチド配列のすべてまたは一部を細胞の染色質に導入する。かくして、細胞の染色質中の第一の配列を改変することができ、ある一定の実施形態では、ドナーポリヌクレオチド中に存在する配列に変換することができる。したがって、用語「置換する」または「置換」の使用は、1つのヌクレオチド配列の別のものによる置換(すなわち、情報の意味での配列の置換)を表すと解することができ、1つのポリヌクレオチドの別のものによる物理的または化学的置換を必ずしも必要としない。
いくつかの実施形態では、特定のヌクレオチド配列、例えば宿主生物のゲノム内の特定のヌクレオチド配列を認識し、それに結合することができる因子を利用することによって、部位特異的組み込みを果たしてもよい。例えば、多くのタンパク質は、部位特異的様式でDNAを認識し、それに結合することができるポリペプチドドメインを含む。DNA結合ポリペプチドにより認識されるDNA配列を「標的」配列と呼ぶことがある。部位特異的様式でDNAを認識し、それに結合することができるポリペプチドドメインは、そのドメインが当初単離されたタンパク質以外のポリペプチドにおいて発現されたときでさえ、一般に、正しく折り畳まり、独立して機能して、部位特異的様式でDNAに結合する。同様に、DNA結合ポリペプチドによる認識および結合のための標的配列は、大きいDNA構造(例えば、染色体)中に存在するときでさえ、特に、その標的配列が位置する部位が可溶性細胞タンパク質に接近できることが公知のもの(例えば、遺伝子)であるときでさえ、一般に、かかるポリペプチドにより認識および結合され得る。
自然界に存在するタンパク質から同定されたDNA結合ポリペプチドは、典型的に、別個のヌクレオチド配列またはモチーフ(例えば、コンセンサス認識配列)に結合するが、多くのかかるDNA結合ポリペプチドを異なるヌクレオチド配列またはモチーフを認識するように修飾するための方法が存在し、当分野において公知である。DNA結合ポリペプチドとしては、例えば、限定ではないが、次のものが挙げられる:ジンクフィンガーDNA結合ドメイン;ロイシンジッパー;UPA DNA結合ドメイン;GAL4;TAL:LexA;RNA誘導性CRISPR−Cas9;Tetリプレッサー;LacR;およびステロイドホルモン受容体。
いくつかの例では、DNA結合ポリペプチドは、ジンクフィンガーである。個々のジンクフィンガーモチーフを、広範なDNA部位のいずれかに特異的に標的化および結合するように設計することができる。カノニカルCysHis(および非カノニカルCysHis)ジンクフィンガーポリペプチドは、標的DNA二重ヘリックスの主溝にα−ヘリックスを挿入することによってDNAを結合する。ジンクフィンガーによるDNAの認識は、モジュール式であり;各フィンガーは、主として、標的内の3連続塩基に接触し、そのポリペプチド中の少数の重要な残基が認識を媒介する。標的化エンドヌクレアーゼ内に複数のジンクフィンガーDNA結合ドメインを含めることにより、その標的化エンドヌクレアーゼのDNA結合特異性は、さらに増加され得る(およびしたがって、それによって付与される任意の遺伝子調節効果の特異性も増加され得る)。例えば、Urnov et al. (2005) Nature 435:646-51を参照されたい。かくして、1つまたはそれ以上のジンクフィンガーDNA結合ポリペプチドを、宿主細胞に導入された標的化エンドヌクレアーゼがその宿主細胞のゲノム内に特有であるDNA配列と相互作用するように操作および利用してよい。
好ましくは、ジンクフィンガータンパク質は、最適な標的部位に結合するように操作されている点で天然起源ではない。例えば、Beerli et al. (2002) Nature Biotechnol. 20:135-141; Pabo et al. (2001) Ann. Rev. Biochem. 70:313-340; Isalan et al. (2001) Nature Biotechnol. 19:656-660;Segal et al. (2001) Curr. Opin. Biotechnol. 12:632-637; Choo et al. (2000) Curr. Opin. Struct. Biol. 10: 411-416;米国特許第6,453,242号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,503,717号、同第6,689,558号、同第7,030,215号、同第6,794,136号、同第7,067,317号、同第7,262,054号、同第7,070,934号、同第7,361,635号、同第7,253,273号;および米国特許出願公開第2005/0064474号、同第2007/0218528号、同第2005/0267061号明細書を参照されたい。
操作されたジンクフィンガー結合ドメインは、天然起源のジンクフィンガータンパク質と比較して、新規結合特異性を有することができる。操作方法は、合理的設計および様々なタイプの選択を含むが、これらに限定されない。合理的設計は、例えば、トリプレット(またはクアドルプレット)ヌクレオチド配列および個々のジンクフィンガーアミノ酸配列を含むデータベースの使用であって、各トリプレットまたはクアドルプレットヌクレオチド配列が、特定のトリプレットまたはクアドルプレット配列を結合するジンクフィンガーの1つまたはそれ以上温アミノ酸配列と関連付けられるものであるデータベースの使用を含む。例えば、共同所有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号明細書を参照されたい。
ファージディスプレイおよび2−ハイブリッドシステムをはじめとする例示的選択方法は、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号および同第6,242,568号明細書、ならびに国際公開第98/37186号、同第98/53057号、同第00/27878号、同第01/88197号パンフレットおよび英国特許2,338,237号明細書に開示されている。加えて、ジンクフィンガー結合ドメインに対する結合特異性の強化は、例えば、共同所有の国際公開02/077227号パンフレットに記載されている。
加えて、これらおよび他の参考文献に開示されているように、ジンクフィンガードメイン、および/または複数のフィンガーを持つジンクフィンガータンパク質を、例えば5アミノ酸またはそれ以上の長さのリンカーをはじめとする、任意の適するリンカー配列を使用して、互いに連結させてもよい。6アミノ酸またはそれ以上の長さの例示的リンカー配列については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号および同第7,153,949号明細書も参照されたい。本明細書に記載するタンパク質は、そのタンパク質の個々のジンクフィンガー間に適切なリンカーの任意の組み合わせを含んでよい。
融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための、標的部位選択、ZFPおよび方法は、当業者には公知であり、米国特許第6,140,0815号、同第789,538号、同第6,453,242号、同第6,534,261号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,200,759号明細書;国際公開第95/19431号、同第96/06166号、同第98/53057号、同第98/54311号、同第00/27878号、同第01/60970号、同第01/88197号、同第02/099084号、同第98/53058号、同第98/53059号、同第98/53060号、同第02/016536号および同第03/016496号パンフレットに詳細に記載されている。
加えて、これらおよび他の参考文献に開示されているように、ジンクフィンガードメイン、および/または複数のフィンガーを持つジンクフィンガータンパク質を、例えば5アミノ酸またはそれ以上の長さのリンカーをはじめとする、任意の適するリンカー配列を使用して、互いに連結させてもよい。6アミノ酸またはそれ以上の長さの例示的リンカー配列については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号および同第7,153,949号明細書も参照されたい。本明細書に記載するタンパク質は、そのタンパク質の個々のジンクフィンガー間に適切なリンカーの任意の組み合わせを含んでよい。
いくつかの例では、DNA結合ポリペプチドは、GAL4からのDNA結合ドメインである。GAL4は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)におけるモジュラートランス活性化因子(modular transactivator)であるが、多くの他の生物においてもトランス活性化因子として動作する。例えば、Sadowski et al. (1988) Nature 335:563-4を参照されたい。この調節システムにおいて、S.セレビシエ(S. cerevisiae)におけるガラクトース代謝経路の酵素をコードする遺伝子の発現は、利用可能な炭素源によって厳重に調節される。Johnston (1987) Microbiol. Rev. 51:458-76。これらの代謝酵素の転写制御は、陽性調節性タンパク質、GAL4と、GAL4が特異的に結合する17bp対称DNA配列(UAS)との相互作用によって媒介される。
天然GAL4は、99kDaの分子量を有する、881アミノ酸残基から成る。GAL4は、機能的に自主性を持つドメインを含み、その総合活性によりGAL4のインビボ活性が説明される。Ma and Ptashne (1987) Cell 48: 847-53): Brent and Ptashne (1985) Cell 43(3 Pt 2): 729-36。GAL4のN末端65アミノ酸がGAL4 DNA結合ドメインを構成する。Keegan et al. (1986) Science 231:699-704; Johnston (1987) Nature 328:353-5。配列特異的結合は、そのDNA結合ドメインに存在する6つのCys残基により配位された二価カチオンの存在を必要とする。この配位カチオン含有ドメインは、DNAヘリックスの主溝との直接接触により17bp UASの各末端の保存CCGトリプレットと相互作用し、そのトリプレットを認識する。Marmorstein et al. (1992) Nature 356:408-14。このタンパク質のDNA結合機能がC末端転写活性化ドメインをプロモーターの近くに位置させるので、その活性化ドメインは転写を指示することができる。
ある一定の実施形態において利用することがある追加のDNA結合ポリペプチドとしては、例えば、限定ではないが、次のものが挙げられる:AVRBS3誘導性遺伝子からの結合配列;AVRBS3誘導性遺伝子からのコンセンサス結合配列またはそこから操作された合成結合配列(例えば、UPA DNA結合ドメイン);TAL;LexA(例えば、Brent & Ptashne (1985), 上掲を参照されたい);LacR(例えば、Labow et al. (1990) Mol. Cell. Biol. 10:3343-56; Baim et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88(12):5072-6 を参照されたい);ステロイドホルモン受容体(Ellliston et al. (1990) J. Biol. Chem. 265: 11517-121);Tetリプレッサー(米国特許第6,271,341号明細書)、およびテトラサイクリン(Tc)の存在下ではtetオペレーター配列に結合するが不在下ではしない突然変異Tetレプレッサー;NF−κBのDNA結合ドメイン;ならびにGAL4とホルモン受容体とVP16の融合体を利用する、Wang et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(17): 8180-4に記載されている調節システムの成分が挙げられる。
ある一定の実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物において使用されるヌクレアーゼの1つまたはそれ以上についてのDNA結合ドメインは、天然起源のまたは操作された(非天然起源の)TALエフェクターDNA結合ドメインを含む。例えば、米国特許出願公開第20110301073号明細書を参照されたい。キサントモナス属(Xanthomonas)の植物病原菌は、重要な作物植物において多くの病気の原因となることは公知である。キサントモナス属(Xanthomonas)の病原性は、植物細胞に25より多くのエフェクタータンパク質を注入する、保存されたIII型分泌(T3S)システムに依存する。これらの注入タンパク質には、植物転写活性化因子を模倣し、植物転写を操る、転写活性化因子様(TAL)エフェクターがある(Kay et al (2007) Science 318:648-651を参照されたい)。これらのタンパク質は、DNA結合ドメインおよび転写活性化ドメインを含有する。最もよく特性評価されているTAL−エフェクターの1つが、斑点細菌病菌(Xanthomonas campestgris pv. Vesicatoria)からのAvrBs3である(Bonas et al (1989) Mol Gen Genet 218: 127-136 および国際公開第2010079430号パンフレットを参照されたい)。TAL−エフェクターは、これらのタンパク質のDNA結合特性にとって重要である、おおよそ34のアミノ酸を各リピートが含有する、タンデムリピートの中央ドメインを含有する。加えて、それらは、核局在配列および酸性転写活性化ドメインを含有する(総説については、Schornack S, et al (2006) J Plant Physiol 163(3): 256-272を参照されたし)。加えて、植物病原菌・青枯病菌(Ralstonia solanacearum)における、brg11およびhpx17と呼ばれる2つの遺伝子は、青枯病菌(R. solanacearum)次亜種1 GMI1000株におけるおよび次亜種4 RS1000株におけるキサントモナス属(Xanthomonas)のAvrBs3ファミリーに相同であることが判明した(Heuer et al (2007) Appl and Envir Micro 73(13): 4379-4384を参照されたい)。これらの遺伝子は、ヌクレオチド配列の点では互いに98.9%同一であるが、hpx17のリピートドメインにおける1,575bpの欠失の点で異なる。しかし、両方の遺伝子産物は、キサントモナス属(Xanthomonas)のAvrBs3ファミリータンパク質と40%未満の配列同一性を有する。例えば、米国特許第8,420,782号および同第8,440,431号明細書ならびに米国特許出願公開第20110301073号明細書を参照されたい。
他の実施形態において、前記ヌクレアーゼは、CRISPR/Casシステムを含む。このシステムのRNA成分をコードするCRISPR(クラスター化されており等間隔にスペーサーが入っている短い回文型のリピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeats))遺伝子座、およびタンパク質をコードするcas(CRISPR関連)遺伝子座(Jansen et al., 2002. Mol. Microbiol. 43: 1565-1575;Makarova et al., 2002. Nucleic Acids Res. 30: 482-496; Makarova et al., 2006. Biol. Direct 1:7; Haft et al., 2005. PLoS Comput. Biol. 1:e60)が、CRISPR/Casヌクレアーゼシステムの遺伝子配列を構成する。微生物宿主におけるCRISPR遺伝子座は、CRISPR関連(Cas)遺伝子はもちろん、CRISPR媒介核酸切断の特異性をプログラムすることができる非コードRNA要素も含有する。
II型CRISPRは、最もよく特性評価されているシステムの1つであり、4つの逐次的工程で標的DNA2本鎖破断を行う。第一に、2つの非コードRNA、すなわちpre−crRNAアレイおよびtracrRNAがCRISPR遺伝子座から転写される。第二に、tracrRNAがpre−crRNAのリピート領域にハイブリダイズし、個別のスペーサー配列を含有する成熟crRNAへのpre−crRNAのプロセッシングを媒介する。第三に、その成熟crRNA:tracrRNA複合体が、crRNA上のスペーサーとプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の隣の標的DNA上のプロトスペーサーとのワトソン・クリック塩基対合(標的認識の追加要件)により、Cas9を標的DNAに指向させる。最後に、Cas9が標的DNAの切断を媒介して、そのプロトスペーサー内で2本鎖破断を生じさせる。このCRISPR/Casシステムの活性は、3つの工程を含む:(i)「順応」と呼ばれるプロセスでの、将来の攻撃を防止するための外来DNA配列のCRISPRアレイへの挿入;(ii)該当するタンパク質の発現、ならびに前記アレイの発現およびプロセッシング;続いて、(iii)前記外来核酸へのRNA媒介干渉。このように、細菌細胞において、いくつかの所謂「Cas」タンパク質は、CRISPR/Casシステムの自然な機能に関与し、外来DNAの挿入などのような機能に複数の役割を果たす。
ある一定の実施形態において、Casタンパク質は、天然起源のCasタンパク質の「機能的誘導体」であってよい。天然配列ポリペプチドの「機能的誘導体」は、天然配列ポリペプチドと同じような質的生物学的特性を有する化合物である。「機能的誘導体」は、天然配列の断片、ならびに天然配列ポリペプチドおよびその断片の誘導体を含む(しかしこれらに限定されない)が、但し、それらが対応する天然配列ポリペプチドと同じような生物学的活性を有することを条件とする。ここで企図される生物学的活性は、DNA基質を断片へと加水分解する機能的誘導体の能力である。用語「誘導体」は、ポリペプチドのアミノ酸配列変異体、共有結合修飾体、およびそれらの融合体、両方を包含する。Casポリペプチドまたはその断片の適する誘導体としては、Casタンパク質またはその断片の突然変異体、融合体、共有結合修飾体が挙げられるが、これらに限定されない。Casタンパク質またはその断片はもちろんCasタンパク質またはその断片の誘導体も含む、Casタンパク質は、細胞から入手可能であり得、または化学的に合成してもよく、またはこれら2つの手順の組み合わせによるものであってもよい。前記細胞は、Casタンパク質を天然に生産する細胞であってもよいし、あるいはCasタンパク質を天然に生産する細胞であって、より高い発現レベルで内在性Casタンパク質を生産するように、または内在性Casと同じもしくは異なるCasをコードする外部より導入された核酸からCasタンパク質を生産するように遺伝子操作される細胞であってもよい。場合によっては、前記細胞は、Casタンパク質を天然に生産せず、Casタンパク質を生産するように遺伝子操作される。
少なくとも2つの2本鎖破断点を作る特定の実施形態において、前記2本鎖破断点の修復は、前記2本鎖破断点間の物質を除去すること、および前記2本鎖破断点間の配列を切除するようにヌクレオチド配列の末端を再結合することを含み得る。複数の実施形態において、切除される配列は、限定ではないが、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列のすべてまたは一部をコードする配列を含むことがある。さらなる実施形態において、切除される配列は、限定ではないが、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現をもたらす調節配列を含むことがある。かかる実施形態において、前記高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現は、切断前の発現レベルに比べて減少される。
少なくとも2つの2本鎖破断点を作る代替実施形態において、前記2本鎖破断点の修復は、前記2本鎖破断点間の物質を除去すること、それをドナー配列で置換して、2本鎖破断点間の配列をドナー配列で置き換えることを含む。他の実施形態において、除去される配列は、限定ではないが、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質をコードするヌクレオチドのすべてまたは一部をコードする配列を含むことがある。さらなる実施形態において、除去される配列は、限定ではないが、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現をもたらす調節配列を含むことがある。かかる実施形態において、前記高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現は、切断前の発現レベルに比べて減少される。
1つの2本鎖破断点を作る実施形態において、前記2本鎖破断点の修復は、前記2本鎖破断点へのまたは前記2本鎖破断点を渡ってのドナー配列の挿入を含む。ある一定の実施形態では、ドナー配列を、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質のコード配列に挿入することがある。複数の実施形態において、かかる配列の挿入は、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質のコード配列の転写を、非限定的な例としてインフレーム停止コドンの存在により、中断させることがある。さらなる実施形態において、前記ドナーは、限定ではないが、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現をもたらす調節配列の機能を破壊することがある。複数の実施形態において、前記高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質の発現は、切断前の発現レベルに比べて減少される。
さらに他の実施形態において、ドナー配列は、目的のタンパク質をコードすることがある。さらなる実施形態において、ドナー配列からの目的のタンパク質の発現を、前記ドナー配列中に存在する調節配列、および/または前記ドナー位配列が挿入された配列中に存在する調節配列によって制御してもよく、調節してもよく、または前記調節配列に作動的に関連付けてもよい。追加の実施形態において、目的のタンパク質をコードする核酸配列を、ドナー配列とは異なる細胞に供給してもよく、またはドナー配列と共に細胞に供給してもよい。いくつかの実施形態において、ドナー配列は、目的のタンパク質をコードする配列と同じ核酸配列に含有される。
他の実施形態において、高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列 高度に、より高度に、非常に高度に、または最も高度に発現されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非限定的な例として、ゲノム、プラスミド、コスミド、人工染色体、エピソーム、または細胞内の他のヌクレオチド構造内に位置し得る。
1つの態様では、2本鎖ドナーポリヌクレオチドを、少なくとも1つのヌクレアーゼを使用する前記ドナーのインビボ切断後の最適な内在性遺伝子座への組み込みについて本明細書に記載する。ドナーヌクレオチドは、内在性遺伝子座に組み込まれることになる外在性配列(導入遺伝子)を含み、かつヌクレアーゼのための少なくとも1つの標的部位を含有する。ドナーヌクレオチドは、導入遺伝子配列に隣接する相同領域(例えば、相同アーム)を含むことができる。ドナー配列に存在する染色体相同性は、ヌクレアーゼ結合部位にあることができる。ドナーを切断するためにヌクレアーゼを使用する、ある一定の実施形態において、前記ヌクレアーゼは、染色体を切断するために使用するヌクレアーゼと同じでなく、および染色体とドナー配列間に相同性がないこともあり得る。他の実施形態において、ドナー分子は、相同性非依存型メカニズム(例えば、NHEJ)によって内在性遺伝子座に組み込まれる。他の実施形態において、2本鎖ドナーは、少なくとも1kbの長さの導入遺伝子と、インビボ切断のための前記導入遺伝子のヌクレアーゼ標的部位(単数または複数)3’および/または5’とを含む。ドナー分子は、例えば、プラスミドであってもよい。ある一定の実施形態において、ドナーは、内在性遺伝子座のヌクレアーゼ媒介切断後に組み込まれる。ドナー分子のいずれのヌクレアーゼ媒介組み込みにおいても、ドナーを切断するために使用するヌクレアーゼの1つまたはそれ以上は、内在性遺伝子座を切断するために使用するヌクレアーゼの1つまたはそれ以上と同じであってよい。あるいは、ドナーを切断するために使用するヌクレアーゼの1つまたはそれ以上は、内在性遺伝子座を切断するために使用するヌクレアーゼの1つまたはそれ以上と異なってもよい。
いくつかの実施形態において、ドナーは、プラスミド上に含有される。ドナーは、プラスミド内で少なくとも2つのヌクレアーゼ切断部位がそのドナーに隣接している場合、ヌクレアーゼ媒介切断後に組み込まれる。ある一定の実施形態において、ドナープラスミド内のヌクレアーゼ切断部位の配列は、標的化されることになるETIPを含有する染色体遺伝子座内のヌクレアーゼ切断部位の配列と同じである。他の実施形態において、ドナー含有プラスミド上のドナーに隣接するヌクレアーゼ切断部位は、染色体のETIP内の切断部位とは異なる。追加の実施形態において、ドナー含有プラスミド内のドナーに隣接するヌクレアーゼ切断部位は、染色体内のヌクレアーゼ切断部位と同じでなくてよく、異なってもよい。さらなる実施形態において、ドナーは、少なくとも2つのヌクレアーゼ切断部位が隣接しているプラスミド上に含有されることがあり、2つのヌクレアーゼの作用によって生ずる染色体のETIP内の欠失部に組み込まれることもある。かかる実施形態において、プラスミド上のドナーに隣接するヌクレアーゼ切断部位と、染色体内のETIPのヌクレアーゼ切断部位は、同じであってもよいし、または異なってもよい。他の実施形態において、ドナーは、単一ヌクレアーゼ切断部位しか含有しないプラスミドであり、染色体内のETIPのヌクレアーゼ切断部位は、同じであってもよいし、または異なってもよい。
ドナー分子の目的の配列は、プロモーターとともにまたはなしで、機能性ポリペプチド(例えば、cDNA)をコードする1つまたはそれ以上の配列を含むことがある。ある一定の実施形態において、その核酸配列は、抗体、抗原、酵素、成長因子、受容体(細胞表面または核)、ホルモン、リンフォカイン、サイトカイン、レポーター、上記のもののいずれかの機能性断片および上記のものの組み合わせをコードする配列を含む。機能性ポリペプチドコード配列がプロモーターを持たない実施形態では、組み込まれた配列の発現を、目的の領域内の内在性プロモーターまたは他の制御要素により駆動される転写によって確実なものにする。他の実施形態では、タンデムカセットを選択部位にこの要領で組み込む:上記のプロモーターを持たない配列を含む前記カセットの第一の成分、続いて転写終結配列、そして自律的発現カセットをコードする第二の配列。追加の配列(コードまたは非コード配列)をドナー分子内の相同アーム間に含めることができる。追加の実施形態において、ドナー核酸は、機能性RNA、例えば、miRNAまたはshRNAをコードする配列を含む。
標的切断のための本開示方法および組成物を使用して、ゲノム配列の突然変異を誘導してもよい。標的切断を用いて、遺伝子ノックアウトまたは遺伝子ノックダウンを生じさせてもよく(例えば、ゲノム機能解析または標的検証)、およびゲノムへの配列の標的挿入(すなわち、配列ノックイン)を助長してもよい。挿入は、非限定的な例として相同組換えによる、染色体配列の置換によるものであってもよく、または新たな配列(すなわち、目的の領域内に存在しない配列)を所定の標的部位に挿入する標的組み込みによるものであってもよい。ある一定の例では、かかる新たな配列に、染色体内の目的の領域に相同の配列が隣接していてもよい。同じ方法を用いて、野生型配列を突然変異型配列で置換してもよく、または1つの対立遺伝子を異なる対立遺伝子に変換してもよい。
目的のタンパク質の標的組換え生産のための本開示方法を用いて、任意のゲノム配列を非同一配列と置換してもよい。例えば、突然変異型ゲノム配列をその野生型対応物で置換し、それによって、植物の病気の治療方法が得られること;植物病原体に対する耐性が得られること;作物の収量が増加することなどがある。同様に、遺伝子の一方の対立遺伝子を、本明細書に開示する標的組換え方法を用いて異なる対立遺伝子によって置換してもよい。
これらの場合の多くにおいて、目的の領域は、突然変異を含み、ドナーポリヌクレオチドは、対応する野生型配列を含む。同様に、野生型ゲノム配列を突然変異配列により置換しても、そのようなことが望ましい場合には、よい。例えば、癌遺伝子の過発現を、その遺伝子を突然変異させることによって、またはより低い非病原性レベルの発現を支持する配列でその制御配列を置換することによって、逆転させることができる。実際、いかなる様式であっても特定のゲノム配列に依存する何らかの病状が、本明細書に開示する方法および組成物を使用して修正または緩和されることがある。
標的切断、挿入、切除および/または組換えを用いて、非コード配列(例えば、調節配列、例えばプロモーター、エンハンサー、イニシエーター、ターミネーター、スプライス部位)を改変して、遺伝子産物の発現レベルを改変してもよい。かかる方法を、例えば、治療目的、ゲノム機能解析および/または標的検証研究に用いてもよい。
染色質構造の標的修飾を用いて、細胞染色質への融合タンパク質の結合を助長してもよい。追加の実施形態では、本明細書において開示するジンクフィンガー−切断ドメイン融合体に加えて、または前記融合体の代わりに、ジンクフィンガー結合ドメインとリコンビナーゼ(またはその機能性断片)間の1つまたはそれ以上の融合体を使用して、標的組換えを助長してもよい。例えば、共同所有の米国特許第6,534,261号明細書、およびAkopian et al. (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100: 8688-8691を参照されたい。追加の実施形態では、本開示方法および組成物を使用して、転写活性化または抑制ドメインであって、それらの活性のためにダイマー化(ホモダイマー化またはヘテロダイマー化のいずれか)を必要するドメインと、ZFP結合ドメインとの融合体をもたらす。これらの場合、融合ポリペプチドは、ジンクフィンガー結合ドメインと機能性ドメインモノマー(例えば、ダイマー転写活性または抑制ドメインからのモノマー)とを含む。正しい位置にある標的部位へのかかる二つの融合ポリペプチドの結合により、機能性転写活性化または抑制ドメインを再構成するようなダイマー化が可能になる。
さらに、上で開示したように、本明細書に示す方法および組成物を、細胞のゲノム内の目的の領域への外在性配列の標的組み込みに使用してもよく、例えば、この場合、切断が、相同性依存型メカニズム(例えば、所定のゲノム配列(すなわち、標的部位)と同一であるか、または相同であるが同一でない1つまたはそれ以上の配列とともに外在性配列を含むドナー配列の挿入)による挿入を増進させる。
ドナー配列は、ゲノム配列内の2本鎖破断の相同性指向型修復(HDR)を支持するために十分な相同性を外在性配列に隣接する領域に有することがあり、それによって、ゲノム標的部位に外在性配列が挿入されることがある。したがって、ドナー核酸は、相同性依存型修復メカニズム(例えば、相同組換え)による外在性配列の組み込みを支持するために十分な任意のサイズのものであってよい。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、外在性配列に隣接する相同領域が、2本鎖破断部位での遺伝情報の再合成のためのテンプレートを破断された染色体にもたらすと考えられる。ある一定の実施形態において、2つの同一配列または2つの相同だが同一でない配列(または各々の一方)が、外在性配列に隣接して存在する。外在性配列(または外在性核酸または外在性ポリヌクレオチド)は、目的の領域内に通常は存在しないヌクレオチド配列を含有するものである。
当然のことながら、誘導性プロモーターの制御下にあるZFN遺伝子とともにその対応する認識配列を有する構築物を、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)に安定的に組み込むことができ、および前記構築物は、認識部位での非相同末端結合の結果として標的突然変異を導入することが証明されている。例えば、国際特許公開番号国際公開第2008/021207号パンフレットには、ZFN媒介相同組換えによる導入遺伝子の正確な挿入方法が記載されている。逆に言えば、ZFNタンパク質を標的生物の外部で発現および精製することができ、そしてその後、標的植物細胞に送達することができる場合、非相同末端結合(NHEJ)によって外科的に特異的な突然変異/遺伝子ノックアウトを誘導してもよい。したがって、本開示は、非トランスジェニック遺伝子修飾植物を生産することができ、これはトランスジェニック作物に対する制限を回避することになり、およびトランスジェニックアプローチを必要としない標的遺伝子編集プロセスが可能になる。
標的遺伝子付加は、典型的に、標的遺伝子座に相同な相当な量のDNAが隣接している選択可能マーカー遺伝子のトランスフェクションによって行われる。自発的2本鎖破断点(DSB)が、おそらく停止したDNA複製フォークから、標的遺伝子座に形成される。通常、姉妹染色体をテンプレートとする相同性指向型修復(HDR)によって誤りなく修復されるが、HDRは、その代わりに相同ドナーDNAを使用して破断を治すことができる。追加のDNA配列をドナープラスミド内の2つの相同領域間に挿入すると、細胞DNA修復機構は、はからずもこの遺伝情報を染色体にコピーする。この相同性ベースの標的化は、ドナー相同領域で内の極めて稀なDSBの捕捉に依存するので、有用な頻度での標的組み込みを達成するには標的遺伝子座への大きな相同性を必要とする。
代替実施形態では、NHEJにより効率的な相同性ベースのDNA修復のない細胞タイプに同様の遺伝子付加能力をもたらすことができる。かかるアプローチは、NHEJ DNA修復経路を優先的に使用する初代、非分裂細胞において遺伝子付加に特に有用であると分かるだろう。NHEJによる遺伝子付加は、骨の折れる予備的クローニングおよびシークエンシングを必要とするゲノムシークエンスを伴わないドナー構築として、シークエンシングされていないゲノムにも有用であり得る。非特異的DNAをNHEJ媒介DSB修復部位で捕捉することができることは理解される。特定の実施形態では、ZFN切断によって作られる1本鎖オーバーハングに存在する情報を、NHEJ DNA修復機構を用いて標的DNA組み込みを行うために使用することができる。
他の実施形態では、遺伝子付加能力を、NHEJによる効率的な相同性ベースのDNA修復と相同性指向型修復による効率的な相同性ベースのDNA修復の両方によって得ることができる。かかる実施形態では、ドナー配列の一端をNHEJによって染色体標的内に組み込み、前記ドナー配列の他端を相同性指向型修復によって前記染色体標的内に組み込む。
ある一定の実施形態は、植物細胞内のETIPに安定的に組み込まれた外在性核酸配列の1つまたはそれ以上の産物(すなわち、タンパク質またはRNA分子)を発現するドナーまたはペイロードDNAの生産方法を含む(図17)。
本開示の代替実施形態は、マーカー遺伝子の組み込み、およびETIP標的化可能核酸分子に組み込まれたそのマーカータンパク質のその後の発現を含む。いくつかの実施形態において、ETIP遺伝子座への標的ドナーDNAの選択方法は、ETIPの5’および3’末端の一方または両方に組み込まれたマーカー遺伝子の発現についての細胞選別および選択を用いる(図18)。FAD2、FAD3もしくはIPK2遺伝子座へのETIPの組み込みまたは植物ゲノム内のランダムな位置内へのETIPの組み込みは、宿主植物の再生する能力、開花する能力、種子を生産する能力、ならびに何世代にもわたってETIPに標的化されるドナーポリヌクレオチド分子によって送達されるその後の外在性核酸配列産物の選択、再生および遺伝性伝達を可能にする能力を損なわせないようである。
さらに、ETIP使用して、旧来の事象遺伝子移入実験において生じさせなければならないトランスジェニック事象の数を低減させることができる。なぜなら、候補遺伝子および植物発現ベクター設計が同じ内在性植物ゲノム位置内に組み込まれるからである。作物およびモデル種(トウモロコシ、大豆、イネ、カノーラ、コムギ、オオムギ、ヒマワリ、トマト、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)、綿、ジャガイモ、モロコシ属(sorghum)、飼料草、アブラナ属(Brassica)種(セイヨウアブラナ(B. napus)、B.ラパ(B. rapa)、B.オレラセア(B. oleracea)、クロガラシ(B. nigra)、セイヨウカラシナ(B. juncea)、アビシニアカラシ(B. carrinata)を含むが、これらに限定されない)、サトウキビ・サトウダイコン、ヤマカモジグサ属(Brachypodium)、およびアルファルファを含む)を含む、すべての植物種にわたって、ETIP技術を展開することができる。
特定の実施形態は、本明細書に記載する方法を用いて産生されたトランスジェニック植物またはトランスジェニック植物細胞を含む。具体的には、1つの実施形態において、トランスジェニック植物細胞は、少なくとも1つの標的化可能な核酸分子を含有するヌクレオチド配列(ゲノムのものであってもよい)を有する核酸分子を含み、前記標的化可能な核酸分子は、部位特異的ヌクレアーゼ切断部位と、少なくとも1つのマーカー遺伝子の断片とを含み、前記断片は、機能性マーカー遺伝子発現産物をコードしない。前記標的化可能な核酸分子の特定の実施形態は、第一のマーカー遺伝子の第一の断片と、第二のマーカー遺伝子の第二の断片とを含むことがある。前記標的化可能な核酸分子の他の実施形態は、1つまたはそれ以上の遺伝子発現カセットを含むことがある。さらなる実施形態において、前記第一および第二の断片は、前記部位特異的ヌクレアーゼ切断部位に隣接していることがある。
いくつかの実施形態において、ドナーヌクレオチド配列は、調節要素、例えば、プロモーター、5’UTR、3’UTR、イントロン、またはMARに作動可能に連結されることがある。他の実施形態において、前記ヌクレオチド配列は、2つのマーカー遺伝子を含むことがある。
ETIPシステムは、植物ゲノムへのドナー配列の標的組み込みの迅速な選択を可能にするプラットフォーム技術を代表する。ある一定の実施形態では、ETIP技術を、植物細胞培養物はもちろん、藻類、コケ、真菌系、および哺乳動物細胞培養物、例えばNK−1、CHOなどにおいても用いてよい。ETIPシステムは、様々な作物種において形質発現過程を通してハイスループット遺伝子および構築物試験を可能にする正確な植物形質転換システムの開発のための基礎を成す。
本明細書において引用する、出版物、特許および特許出願を含む、すべての参考文献は、本開示の明確な詳細と矛盾しない程度に、参照により本明細書に援用されており、ならびに各参考文献が、個々にかつ具体的に参照により援用されていると示されているのと同程度に、および各参考文献がそっくりそのまま述べられているのと同程度に、そのように援用されている。本明細書において論ずる参考文献は、本出願の出願日より前のそれらの開示について単に提供するものである。先行発明のためかかる開示に先行する権利が本発明者らにはないと解釈すべきものは、本明細書にはない。
以下の実施例を、ある特定の特徴および/または態様を例証するために提供する。これらの実施例を、記載する特定の特徴または態様に本開示を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:細菌人工染色体ライブラリーからのパラロガスFAD2およびFAD3標的配列の同定
BAC構築
細菌人工染色体(BAC)ライブラリーは、商業ベンダー(Amplicon Express、ワシントン州プルマン)からのものであった。前記BACライブラリーは、セイヨウアブラナ変種(Brassica napus L. var.)DH10275から単離された高分子量ゲノムDNA(gDNA)断片を含有する110,592のBACクローンから成った。gDNAをBamHIまたはHinDIII制限酵素いずれかで消化した。約135Kbpの単離されたgDNAをpCC1BACベクター(Epicentre、ウィスコンシン州マディソン)にライゲートし、大腸菌株(Escherichia coli str.)DH10B(Invitrogen)に形質転換させた。前記BACライブラリーは、2つの異なる制限酵素を使用して構築された偶数のBACクローンから成った。したがって、Hind III構築BACライブラリーは、144の個別の384ウェルプレートから成った。同様に、BamHI構築BACライブラリーは、144の別々の384ウェルプレートから成った。合計110,592のBACクローンを単離し、288の個別の384ウェルプレートに配列した。288の個別の384ウェルプレートの各々を、迅速なPCRベースのスクリーニングのために単一DNA抽出物として前記ベンダーから得た。結果として生じたBACライブラリーは、おおよそ15GbpのgDNAをカバーし、これは、セイヨウアブラナ変種(Brassica napus L.var.)DH10275ゲノムの12倍ゲノムカバー率に相当する(前記セイヨウアブラナ(Brassica napus L.)ゲノムの推定値は、Johnston et al. (2005) Annals of Botany 95: 229-235に記載されているように約1.132Gbpである)。
BACライブラリーから単離されたFAD2コード配列の配列解析
構築されたBACライブラリーを使用して、FAD2遺伝子コード配列を単離した。シークエンシング実験を行って、セイヨウアブラナ変種(Brassica napus L.var.)DH10275から4つのFAD2遺伝子パラログの特異的遺伝子配列を同定した。
FAD2遺伝子配列は、最初、モデル種シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において同定された。その遺伝子配列は、Genbankにローカスタグ:At3g12120として収載されている。モデル植物種シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)と、4倍体セイヨウアブラナ(Brassica napus)の祖先の1つである2倍体ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)との間の比較ゲノム関係は、以前に記載されている。(Schranz et al. (2006) Trends in Plant Science 11(11): 535-542)。FAD2遺伝子に特に関して、比較解析は、その遺伝子の3〜4コピーが前記2倍体アブラナ属(Brassica)ゲノム中に出現することがあることを予測した。さらなる遺伝子マッピング研究がScheffler et al. (1997) Theoretical and Applied Genetics 94; 583-591によって完了された。これらの遺伝子マッピング研究の結果は、FAD2遺伝子の4つのコピーがセイヨウアブラナ(Brassica napus)中に存在することを示した。
セイヨウアブラナ変種(B. napus L.var.)DH12075から構築されたBACライブラリーのシークエンシング解析により、結果として、4つのBAC配列(配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4)を単離し、それらからFAD2A(配列番号5)、FAD2−1(配列番号6)、FAD2−2(配列番号7)およびFAD2−3(配列番号8)遺伝子についてのコード配列を決定した。FAD2A、FAD2−1、FAD2−2およびFAD2−3遺伝子配列を同定し、遺伝子マップを作成した。配列アラインメントプラグラムを用いて、および同一率を用いる近隣結合樹を用いて、それら4つのFAD2遺伝子の配列解析を行った。配列アラインメントをVector NTI Advance 11.0コンピュータプログラム(Life Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)からのALIGNX(登録商標)プログラムによって行い、図1に示す。ALIGNX(登録商標)は、修正Clustal Wアルゴリズムを使用して、類似性比較のためのおよび注釈付けのためのタンパク質または核酸いずれかの複数の配列アラインメントを生じさせる。近隣結合樹をJALVIEW v2.3(登録商標)ソフトウェアで作成し、図2に示す。(Waterhouse et al. (2009) Bioinformatics 25 (9) 1189-1191)。図2に示すように、単離された配列の解析は、FAD2AおよびFAD2−3配列が高レベルの配列類似性を共有すること、および同様に、FAD2−1およびFAD2−2が高レベルの配列類似性を共有することを示した。前記4配列を2つのクレードにカテゴリー分けすることができ、FAD2AおよびFAD2−3は第一クレードを構成し、FAD2−1およびFAD2−2は第二クレードを構成する。
次に、セイヨウアブラナ(Brassica napus)からの新たに単離されたFAD2配列を、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)ゲノムBACライブラリーから単離されたBLASTゲノムライブラリーおよびブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea)ショットガンゲノム配列リードに使用した。ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)およびブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea)は両方とも、複2倍体種(ACゲノム、n=19)である、セイヨウアブラナ(Brassica napus)の2倍体祖先である。セイヨウアブラナ(Brassica napus)は、さらにブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)(Aサブゲノム、n=10)とブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea)(Cサブゲノム、n=9)間の最近の交配事象から得られたものであった。BLASTn解析を用いて、2倍体祖先配列を、セイヨウアブラナ(Brassica napus)から単離された4つの異なるFAD2コード配列と比較した。この配列解析により、新たに発見されたセイヨウアブラナ(Brassica napus)FAD2配列と最高の配列類似性を共有する、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)およびブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea)からの特異的、注釈付き遺伝子配列を同定した。表1は、新たに同定されたFAD2コード配列および対応する祖先参照配列アクセッション番号および由来生物を収載するものである。
FAD2遺伝子は、セイヨウアブラナ(Brassica napus)ゲノム中に、サブゲノム1つにつき各遺伝子の2つのコピーとして存在する。各遺伝子の1つのコピーはAサブゲノム上に位置し、同様に各ゲノムの1つのコピーはCサブゲノム上に存在する。各遺伝子が位置するのがどちらのサブゲノムであるのかを示すための新たな命名規則を記載する。セイヨウアブラナ(Brassica napus)BACゲノムDNAライブラリーから単離された4つの異なるFAD2コード配列と祖先配列データとの高レベルの配列類似性は、FAD2−3が、CサブゲノムからのFAD2配列の複製であり、FAD2Cと改称される可能性があること;FAD2−1が、AサブゲノムからのFAD2配列の複製であり、したがってFAD2A’と名づけられる可能性があること;および最後に、FAD2−2が、CサブゲノムのFAD2配列から複製された二次コピーであり、FAD2C’と名づけられる可能性があることを示唆する。
BACライブラリーから単離されたFAD3コード配列の配列解析
構築されたBACライブラリーを使用して、FAD3遺伝子コード配列を単離した。シークエンシング実験を行って、セイヨウアブラナ変種(Brassica napus L.var.)DH10275から5つのFAD3遺伝子パラログの特異的遺伝子配列を同定した。
FAD3遺伝子配列は、最初、モデル種シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において同定された。その遺伝子配列は、Genbankにローカスタグ:At2g29980として収載されている。モデル植物種シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)と、4倍体セイヨウアブラナ(Brassica napus)の祖先の1つである2倍体ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)との間の比較ゲノム関係は、以前に記載されている。(Schranz et al. (2006) Trends in Plant Science 11(11): 535-542)。そのFAD遺伝子に特に関して、比較解析は、その遺伝子の3〜4コピーが2倍体アブラナ属(Brassica)ゲノム中に出現することがあることを予測した。さらなる遺伝子マッピング研究がScheffler et al. (1997) Theoretical and Applied Genetics 94; 583-591によって完了された。これらの遺伝子マッピング研究の結果は、FAD3遺伝子の6つのコピーがセイヨウアブラナ(Brassica napus)中に存在することを示した。
セイヨウアブラナ(Brassica napus)からのFAD3遺伝子に焦点を合わせた以前のシークエンシング努力により、Aゲノム特異的コピーとCゲノム特異的コピーの両方が同定され、遺伝子マップが作成された(Hu et al., (2006) Theoretical and Applied Genetics, 113(3): 497-507)。種子特異的cDNAライブラリーからのEST配列のコレクションは、以前に、サスカチュワン州、サスカトゥーン、107サイエンスプレイス、カナダ農務・農産食品省(Agriculture and Agri-food Canada)のアンドリュー・シャープ(Andrew Sharpe) によって植物系統DH12075から構築され、シークエンシングされていた。二重半数体カノーラ植物DH12075完全長遺伝子配列からのESTのコレクションを入手できなかったので、さらに、正しくコールされるヌクレオチドの配列量および信頼性の表示も入手できなかった。したがって、異なるFAD遺伝子配列リード間の配列変異が、FAD3遺伝子ファミリーの様々なパラログの異なる遺伝子コピーに起因すると無条件に考えることはできず、ゲノム配列を入手することもできなかった。しかし、ESTならびにHu et al., (2006)に記載されている2つのFAD3AおよびFAD3C完全長遺伝子配列を用いて統合配列解析を行ったときに、両方の遺伝子にマッチしたESTを追加の3つのハプロタイプとともに同定した。結果として、FAD3の合計6つの特有のハプロタイプを同定した。それらの様々なFAD3ハプロタイプについてのすべての入手可能なデータの組み立て後、エクソン1において高レベルのエクソン配列多様性を同定した。エクソン1におけるFAD3配列のその多様性を、遺伝子/対立遺伝子特異的PCRプライマーの設計に利用できる機会として認定した。加えて、ハプロタイプ間に最小の差が認められたエクソン(例えば、エクソン5、6、7および8はFAD3AとFAD3C間で異なる1〜3bpを有した)または配列変異が全くないエクソン(例えば、エクソン2および3)を同定した。
セイヨウアブラナ変種(B.napus L.var.)DH12075から構築されたBACライブラリーのシークエンシング解析により、結果として6つのBAC配列(配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13および配列番号14)を単離し、それらからFAD3A(配列番号15)、FAD3A’(配列番号16)、FAD3A”(配列番号17)、FAD3C(配列番号18)、FAD3C”(配列番号19)およびFAD3C’(配列番号20)遺伝子についてのコード配列を決定した。FAD3A、FAD3A’、FAD3A”、FAD3C、FAD3C”およびFAD3C’遺伝子配列を同定し、遺伝子マップを作成した。
配列アラインメントプラグラムを用いて、および同一率を用いる近隣結合樹を用いて、それら6つのFAD3遺伝子の配列解析を行った。配列アラインメントをVector NTI Advance 11.0コンピュータプログラム(Life Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)からのALIGNX(登録商標)プログラムによって行い、図3に示す。ALIGNX(登録商標)は、修正Clustal Wアルゴリズムを使用して、類似性比較のためのおよび注釈付けのためのタンパク質または核酸いずれかの複数の配列アラインメントを生じさせる。近隣結合樹をJALVIEW v2.3(登録商標)ソフトウェアで作成し、図4に示す。(Waterhouse et al. (2009) Bioinformatics 25 (9) 1189-1191)。FAD3遺伝子を含有すると同定されたコンティグを、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子のデータベースに対するBLASTnクエリーとして使用した。FAD3遺伝子を含有する6つのコンティグの各々についての領域をシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)FAD3遺伝子(Genbankアクセッション番号At2g29980)への比較により同定した。その後、FAD3コンティグを、すべてのFAD3遺伝子が5’から3’への配向になるように配向させた。可能な場合には、上流(5’)2つおよび下流(3’)1つほどのシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子を含有するようにFAD3コンティグをトリミングした。配向させたら、FAD3遺伝子の完全コード領域を各コンティグから抽出し、異なるFAD3遺伝子ファミリーメンバー間の関係を表示するための近隣結合樹を生成するために使用した。6つのFAD3ファミリーメンバーを、3対のFAD3遺伝子にアラインした(図4)。
PCRベースのスクリーニング
PCRプライマーのコホートを、上述のBACライブラリーをスクリーニングするために設計した。前記プライマーを、遺伝子ファミリーのすべてのメンバーを増幅することになる万能プライマーとして、または標的対立遺伝子増幅のための遺伝子特異的プライマーとして設計した。前記PCRプライマーを20bp長(+/−1bp)であるように設計した。そして前記プライマーは、50%(+/−8%)のG/C含量を有する。表2および表3は、設計し、合成したプライマーを収載するものである。BACライブラリーのクローンをプールし、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってスクリーニングした。

2つの異なる条件セットをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いた。第一の一連のPCR反応は、1X PCR緩衝液(dNTPを含有);1.5mM MgCl;200μMの0.25U IMMOLASE(登録商標)DNAポリメラーゼ(Bioline、英国ロンドン);250nMの各プライマー;および約5〜10ng テンプレートDNAを含有した。第二の一連のPCR反応は、ゲノムDNAの増幅のために開発したものであり、5〜10ngのゲノムDNA、1X PCR緩衝液、2mM dNTP、0.4μM フォワードおよびリバースプライマー、ならびに0.25U IMMOLASE(登録商標)DNAポリメラーゼ(Bioline、英国ロンドン)を含有した。増幅物をプールして13μLの最終体積にし、MJ PTC200(登録商標)サーモサイクラー(BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)またはABI 9700 GENE AMP SYSTEM(登録商標)(Life Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)を使用して増幅した。ブライアンら(Scottish Crops Research Institute annual report: 2001-2002)によって記載されたスクリーニングシステムに基づく4次元スクリーニングと上記PCR条件を用いて、特定のプレートのPCRベースのスクリーニングを行った。プールされたBACライブラリーのPCRベースのスクリーニング後、直接サンガーシークエンシング法を用いて、増幅PCR産物をシークエンシングした。BIGDYE(登録商標)v3.1プロトコル(Applied Biosystems)に従ってエタノール、酢酸ナトリウムおよびEDTAで増幅産物を精製し、電気泳動をABI3730xl(登録商標)自動キャピラリー電気泳動プラットフォームで行った。
PCRベースのスクリーニングおよび高次構造サンガーシークエンシング(conformational Sanger sequencing)後、様々な異なるFAD2およびFAD3遺伝子ファミリーメンバーを含有するプレートのコレクションを同定した。合計4つの特有のFAD2およびFAD3パラロガス遺伝子配列を同定した(表4および表5)。各FAD2およびFAD3パラロガス遺伝子配列につき合計2枚のプレートを選択してプレートスクリーニングに付して、FAD2およびFAD3遺伝子を含有するプレート内の特定のウェルおよびクローンを同定した(表4および表5)。両方のプレートについての特定のウェルを同定し、FAD2およびFAD3遺伝子ファミリーメンバーの各々について個々のクローンを選択した。

同定されたFAD遺伝子ファミリーメンバー各々について単一のBACクローンをシークエンシングによってさらに解析した。BACクローンのDNAを単離し、LARGE CONSTRUCT KIT(登録商標)(Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)を製造業者の説明書に従って使用してシークエンシングのために調製した。抽出されたBAC DNAを、GS−FLX Titanium Technology(登録商標)(Roche、インディアナ州インディアナポリス)を製造業者の説明書に従って使用してシークエンシングのために調製した。シークエンシング反応は、物理的にセクター分けされたGS−FLX TI Pico−titer plate(登録商標)を、最適なデータ出力のために対でプールされたBACとともに使用して行った。BACを対で組み合わせ、この場合、FAD2遺伝子をFAD3遺伝子と対にした。すべての生成配列データをNEWBLER v2.0.01.14(登録商標)(454 Life Sciences、コネチカット州ブランフォード)によって組み立てた。組み立てられたコンティグを、SEQUENCHER v3.7(登録商標)(GeneCodes、ミシガン州アナーバー)を使用して対応するFAD遺伝子の存在について手作業で評定した。
4つのFAD2および6つのFAD3遺伝子すべての完全ゲノム配列を同定し、十分に特性評価した後、ジンクフィンガーヌクレアーゼを、各々の特異的遺伝子ファミリーメンバーの配列に結合するように設計した。
実施例2:FAD2遺伝子に特異的なジンクフィンガー結合ドメインの設計
FAD2遺伝子座の様々な機能的配列をコードするDNA配列に対して指向されたジンクフィンガータンパク質を以前に記載されたように設計した。例えば、Urnov et al. (2005) Nature 435: 646-651を参照されたし。例示的標的配列および認識ヘリックスを表6および表7(認識ヘリックス領域設計)ならびに表8および表9(標的部位)に示す。表8および表9では、ZFP認識ヘリックスが接触する標的部位のヌクレオチドを大文字で示し、非接触ヌクレオチドを小文字で示す。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)標的部位を、FAD2Aの5つの標的部位およびFAD3の7つの標的部位を結合するように設計した。FAD2およびFAD3ジンクフィンガー設計を、CCHC構造を伴う少なくとも1つのフィンガーを有するタンパク質をコードするジンクフィンガー発現ベクターに組み込んだ。米国特許出願公開第2008/0182332号明細書を参照されたし。詳細には、各タンパク質の最後のフィンガーは、認識ヘリックスのためのCCHC主鎖を有した。非カノニカルジンクフィンガーコード配列を、4アミノ酸ZCリンカーおよびトウモロコシ(Zea mays)に由来するopaque−2核移行シグナルによってIIS型制限酵素FokIのヌクレアーゼドメイン(Wah et al., (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95: 10564-10569の配列のアミノ酸384−579)に融合させて、FAD2Aジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を形成した。融合タンパク質の発現を、比較的強い構成的プロモーター、例えば、キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)プロモーターに由来するプロモーターであって、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF23 3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR v1)が隣接するプロモーターによって駆動した。ゾセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルスからのヌクレオチド配列をコードする自己加水分解性2A(Szymczak et al., 2004)を、その構築物にクローニングされた2つのジンクフィンガーヌクレアーゼ融合タンパク質の間に付加させた。例示的ベクターを下に記載する。
活性ヌクレアーゼを識別することが以前に証明されている発芽酵母ベースの系を使用して、最適なジンクフィンガーを切断活性について検証した。例えば、米国特許出願公開第20090111119号明細書;Doyon et al. (2008) Nat Biotechnol. 26: 702-708; Geurts et al. (2009) Science 325: 433を参照されたし。様々な機能性ドメインのためのジンクフィンガーをインビボ用に選択した。設計し、生産し、試験して推定FADゲノムポリヌクレオチド標的部位に結合させた非常に多数のZFNのうち、ある一定のZFNを高レベルのインビボ活性を有すると同定し、さらなる実験のために選択した。これらのZFNは、特有のFAD2ゲノムポリヌクレオチド標的部位のインプランタでの効率的結合および切断が可能であることを特徴とした。


実施例3:FAD2遺伝子のジンクフィンガーヌクレアーゼ切断の評価
構築物組み立て
実施例2において説明したような酵母アッセイを用いて同定した、例示的ジンクフィンガーヌクレアーゼのZFN発現構築物を含有するプラスミドベクターを、当分野において一般に公知の技術および技法を用いて設計し、完成させた。各ジンクフィンガーコード配列を、ジンクフィンガーヌクレアーゼの上流に位置する、opaque−2核移行シグナルをコードする配列(Maddaloni et al. (1989) Nuc. Acids Res. 17(18): 7532)に融合させた。
次に、opaque−2核移行シグナル::ジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列を、相補的opaque−2核移行シグナル::ジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列と対合させた。したがって、各構築物は、ゾセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(Mattion et al. (1996) J. Virol. 70: 8124-8127)からの2A配列によって隔てられた2つのopaque−2核移行シグナル::ジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列で構成されている単一のオープンリーディングフレームから成った。前記融合タンパク質の発現を、比較的強い構成的プロモーター、例えば、キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)プロモーターに由来するプロモーターであって、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF23 3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR)が隣接するプロモーターによって駆動した。
IN−FUSION(商標)Advantage Technology(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)を用いてベクターを組み立てた。制限エンドヌクレアーゼをNew England BioLabs(NEB;マサチューセッツ州イプスウィッチ)から得、T4 DNAリガーゼ(Invitrogen)をDNAライゲーションに使用した。プラスミド調製は、NUCLEOSPIN(登録商標)Plasmid Kit(Macherey−Nagel Inc.、ペンシルバニア州ベツレヘム)またはPlasmid Midi Kit(Qiagen)を供給業者の説明書に従って使用して行った。アガロースTris−酢酸塩ゲル電気泳動後、QIAquick Gel Extraction Kit(商標)(Qiagen)を使用してDNA断片を単離した。すべての組み立てたプラスミドのコロニーを、最初にminiprep DNAの制限消化によってスクリーニングした。選択されたクローンのプラスミドDNAを、商業シークエンシングベンダー(Eurofins MWG Operon、アラバマ州ハンツヴィル)がシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。セイヨウアブラナ(B. napus)プロトプラストへの送達前に、Pure Yield PLASMID MAXIPREP System(登録商標)(Promega Corporation、ウィスコンシン州マディソン)またはPlasmid Maxi Kit(登録商標)(Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)を供給業者の説明書に従って使用して、大腸菌(E. coli)の培養物からプラスミドDNAを調製した。
得られた11のプラスミド構築物:pDAB104008(ZFN24845およびZFN24844構築物を含有)、pDAB104009(ZFN24820およびZFN24821構築物を含有)、pDAB104010(ZFN24828およびZFN24829構築物を含有)(図5)、pDAB104003(ZFN24810およびZFN24811構築物を含有)、pDAB104011(ZFN24832およびZFN24833構築物を含有)、pDAB104002(ZFN24794およびZFN24795構築物を含有)、pDAB104006(ZFN24796およびZFN24797構築物を含有)、pDAB104004(ZFN24814およびZFN24815構築物を含有)、pDAB104001(ZFN24800およびZFN24801構築物を含有)、pDAB104005(ZFN24818およびZFN24819構築物を含有)、およびpDAB104007(ZFN24836およびZFN24837構築物を含有)を、制限酵素消化によっておよびDNAシークエンシングによって確認した。表10は、切断および結合するように各ZFNを設計した、異なる構築物および特異的FAD配列を収載するものである。
得られたプラスミド構築物;pDAB107824(ZFNs 28025−2A−28026)、pDAB107815(ZFNs 27961−2A−27962)、pDAB107816(ZFNs 27969−2A−27970)、pDAB107817(ZFNs 27973−2A−27974)、pDAB107825(ZFNs 28035−2A−28036)、pDAB107826(ZFNs 28039−2A−28040)、pDAB107818(ZFNs 27987−2A−27988)、pDAB107827(ZFNs 28051−2A−28052)、pDAB107821(ZFNs 28004−2A−28005)、pDAB107819(ZFNs 27989−2A−27990)、pDAB107828(ZFNs 28053−2A−28054)、pDAB107829(ZFNs 28055−2A−28056)、pDAB107820(ZFNs 27991−2A−27992)、pDAB107822(ZFNs 28021−2A−28022)およびpDAB107823(ZFNs 28023−2A−28024)を、制限酵素消化によっておよびDNAシークエンシングによって確認した。
トランスフェクションのためのDNAの調製
上記ベクターのプラスミドDNAを、100%(v/v)エタノールでの沈殿および洗浄によって滅菌し、層流フード内で乾燥させた。そのDNAペレットを、下で説明するようなプロトプラスト細胞へのトランスフェクションのために、30μLの滅菌二重蒸留水に0.7μg/μlの最終濃度で浮遊させた。一過性トランスフェクションのためにスーパーコイルプラスミドDNAにおよび安定したトランスフェクションのために線形化プラスミドDNAに結果としてなるようにプラスミドDNAの調製を企てた。キャリアDNA(例えば、魚精子DNA)の形質転換用プラスミドへの付加は、プロトプラスト細胞の一過性トランスフェクションには必要でなかった。一過性研究のために、10プロトプラストにつき約30μgのプラスミドDNAを形質転換ごとに使用した。
トランスフェクション
セイヨウアブラナ変種(Brassica napus L.var.)DH10275のトランスフェクションを、Spangenberg et al., (1986) Plant Physiology 66: 1-8に記載されているように完了した。培地配合は、Spangenberg G. and Protrykus I. (1995) Polyethylene Glycol-Mediated Direct Gene Transfer in Tobacco Protoplasts. In: Gene Transfer to Plants. (Protrykus I. and Spangenberg G. Eds.) Springer-Verlag, Berlinに記載されている。セイヨウアブラナ(Brassica napus)種子を70%エタノールで表面滅菌した。種子を12mLの70%エタノール溶液に浸漬し、10分間、そのカクテルを穏やかに揺動させることによって混合した。その溶液をデカントすることによって70%エタノール溶液を除去し、1% w/v 次亜塩素酸カルシウムおよび0.1% v/v Tween−20から成る種子滅菌溶液と交換した。種子を種子滅菌溶液に浸漬し、25分間、そのカクテルを穏やかに揺動させることによって混合した。その種子滅菌溶液をデカントし、滅菌された種子を50mLの滅菌水で3回すすいだ。最後に、種子を、ペトリ皿の中に置かれた滅菌80mm Whatman filter paper disc(登録商標)(Fisher−Scientific、ミズーリ州セントルイス)に移し、種子に滅菌水を軽く浸み込ませた。そのペトリ皿をPARAFILM(登録商標)(Fisher−Scientific、ミズーリ州セントルイス)で密封し、プレートを25℃で、完全暗所下で、1から2日間、恒温放置した。種子から実生出芽の形跡が観察された後、固体GEM培地が入っているペトリ皿に実生を移して、さらなる種子発芽を助長した。実生をGEM培地上で、25℃で、4から5日間、恒温放置した。
ある体積の液体PS培地(約10mL)を滅菌ペトリ皿にデカントした。滅菌ピンセットおよびメスを使用して、4葉成長および発育期の4から5日齢実生の地上部分を除去し、廃棄した。20〜40mmの長さの胚軸セグメントにより、小さい、原形質リッチなプロトプラストの最高集団を生産することにした。胚軸セグメントを無菌切除し、液体PS培地に移植した。切除した胚軸セグメントを集め、横方向に切断して5〜10mmセグメントにした。次に、それらの胚軸セグメントを新たなPS培地に移植し、室温で1時間、恒温放置した。原形質分離した胚軸を、酵素溶液が入っているペトリ皿に移した。胚軸セグメントのすべてをその溶液に浸漬するように気を付けた。ペトリ皿をPARAFILM(登録商標)で密封し、一晩、16から18時間、20〜22℃で、穏やかに揺動しながら恒温放置した。
プロトプラスト細胞を胚軸セグメントから放出させた。一晩胚軸消化物を穏やかに撹拌して、プロトプラストを酵素溶液に放出させた。ペトリ皿をわずかに傾けて、酵素溶液および植物破片から成る消化浮遊液を移すのを補助した。10mLピペットを使用して、消化浮遊液を滅菌プロトプラスト濾過(100マイクロメートルメッシュのフィルター)ユニットに移して、プロトプラストを植物破片からさらに分離した。濾過ユニットを穏やかにタッピングして、篩に捕らわれていた過剰な液体を放出させた。そのプロトプラスト浮遊液、約8から9mLを穏やかに混合し、14mL滅菌プラスチック丸底遠心チューブに分配した。各浮遊液の上に1.5mLのW5溶液をかぶせた。W5溶液を注意深く斜めにプロトプラスト浮遊液一面に分注し、最小限の撹拌で1滴ずつ分注した。プロトプラスト浮遊液へのW5溶液への添加により、結果としてプロトプラストリッチ界面が生成された。ピペットを使用してこの界面を回収した。次に、回収したプロトプラストを新たな14mL遠心チューブに移し、穏やかに混合した。血球計数計を使用して、収量および得られたプロトプラストを測定して、1ミリリットルあたりのプロトプラストの数を決定した。葉組織を消化して葉肉プロトプラストを生成する前記方法を繰り返した。
次に、W5溶液を10mLの体積に添加し、それらのプロトプラストを70gのペレットにし、その後、W5溶液を除去した。残存するプロトプラスト浮遊液を穏やかな振盪により再浮遊させた。プロトプラストが入っている各チューブに5mLのW5溶液を満たし、室温で1から4時間、恒温放置した。それらのプロトプラスト浮遊液を70gのペレットにし、すべてのW5溶液を除去した。次に、300μLの形質転換緩衝液を、単離されたプロトプラストを含有するペレット化プロトプラスト浮遊液の各々に添加した。各々のチューブのプロトプラスト浮遊液に10μgのプラスミドDNAを添加した。プラスミドDNAは、上で説明したジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物(例えば、pDAB104010)から成った。次に、300μLの予熱したPEG4000溶液をプロトプラスト浮遊液に添加し、それらのチューブを穏やかにタッピングした。プロトプラスト浮遊液および形質転換混合物を一切撹拌せずに15分間、室温で恒温放置しておいた。さらなる10mLのW5溶液を1mL、1mL、1mL、2mL、2mLおよび3mLの一連のアリコートで各チューブに添加し、W5溶液の各添加間にチューブを穏やかに反転させた。遠心分離機において70gで回転させることによってプロトプラストをペレットにした。すべてのW5溶液を除去して、純粋なプロトプラスト浮遊液を残した。
次に、0.5mLのK3培地をペレット化プロトプラスト細胞に添加し、それらの細胞を再浮遊させた。それらの再浮遊させたプロトプラスト細胞を、1:1濃度の5mLのK3および0.6mLのSea Plaque(商標)アガロース(Cambrex、ニュージャージー州イーストラザフォード)が入っているペトリ皿の中央に置いた。それらのペトリ皿を1回の穏やかな渦運動で振盪し、20〜30分間、室温で恒温放置しておいた。ペトリ皿をPARAFILM(登録商標)で密封し、プロトプラストを24時間、完全暗所で培養した。暗所での恒温放置後、それらのペトリ皿を6日間、薄明かり(5μMol m−2−1のOsram L36 W/21 Lumiluxホワイトチューブ)で培養した。培養工程後、滅菌スパチュラを使用して、プロトプラストを含有するアガロースを四分円に分割した。分離した四分円を、20mLのA培地が入っている250mL プラスチック培養容器内に置き、回転振盪機を用いて80rpmおよび1.25cm 偏心距離で、24℃で、継続的に薄明かりで14日間、恒温放置し、その後、各ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物の活性レベルを判定した。
カノーラプロトプラストからのゲノムDNA単離
トランスフェクトされたプロトプラストを個別の1.5または2.0mL遠心チューブに供給した。それらの細胞を緩衝溶液中、チューブの底部でペレット化した。液体窒素で細胞を瞬間冷凍し、続いてそれらの細胞を48時間、LABCONCO FREEZONE 4.5(登録商標)(Labconco、ミズーリ州カンザスシティー)において−40℃および約133x10−3 mBar圧で冷凍乾燥させることによって、DNA抽出を行った。組織破壊を必要としなかったことおよびプロトプラスト細胞を直接溶解緩衝液に添加したことを除き、DNEASY(登録商標)(QIAGEN、カリフォルニア州カールズバッド)植物キットを製造業者の説明書に従って使用して、それらの凍結乾燥細胞をDNA抽出に付した。
カノーラプロトプラストにおけるゲノムDNA配列切断についてのFAD2AおよびFAD3 ZFNの試験
複数のZFN対を標的部位とオーバーラップするように設計するために、FAD2AおよびFAD3遺伝子座についてのZFN標的部位の設計をクラスター化した。ZFN標的部位のクラスター化は、オーバーラップしているZFN標的部位のすべてをカプセル化するような100bpウインドウの中のすべてのFAD2AおよびFAD3遺伝子ファミリーメンバーから周囲ゲノム配列を増幅するPCRプライマーを設計することを可能にした。したがって、Illuminaショートリード配列技術を用いて、トランスフェクトされたプロトプラストの標的ZFN部位の完全性を評定することができた。加えて、設計したPCRプライマーは、配列リードをFAD2AおよびFAD3ファミリーの特定の遺伝子メンバーに帰属させることになる特定のヌクレオチド塩基を含む必要があった。したがって、すべてのPCRプライマーには、いずれのZFN標的切断部位からも5〜10ヌクレオチド離れて結合することが求められることになる。非相同末端結合(NHEJ)活性が、プライミング部位を除去し得る、増幅を阻害し得る、およびしたがってNHEJ活性の評定を歪め得る小規模な欠失の原因となることは公知であるからである。
FAD2AおよびFAD3遺伝子ファミリーのZFN標的遺伝子座のすべてに結合するようにプライマーを設計し(表11)、PCR増幅産物のサンガーベースのシークエンシングによってすべての遺伝子ファミリーメンバーの増幅について実験的に試験した。いくつかの場合、すべての遺伝子ファミリーメンバーを区別するプライマーを開発できなかった(表12および表13)が、すべての場合、FAD2AおよびFAD3の標的遺伝子配列を区別することができた。PCRプライマー設計後、カスタムDNAバーコード配列をPCRプライマーに組み込み、それらのプライマーを使用して、異なるZFN標的遺伝子座を区別し、トランスフェクションおよびZFNに対する特異的配列リードを同定した(表11、12および13)。


ZFNでトランスフェクトされたカノーラプロトプラストのDNA抽出後、標的ZFN遺伝子座のPCR増幅を行って、Illuminaベースの合成によるシークエンシング技術のために正しい形式で必要遺伝子座特異的DNA分子を生成した。各アッセイを、25ng 出発DNA(セイヨウアブラナ(Brassica napus)ゲノムの約12,500細胞相当量)で作業するために最適化した。適切なレベルでのNHEJ効率および特異性の評定に必要なカバー率を生じさせるためにサンプルごとに複数の反応、個々のプロトプラストから得たセイヨウアブラナ(Brassica napus)ゲノムの200,000コピーに相当する約16 PCR反応を行った。3回ずつ行う同じアッセイおよび1反応で試験することになるすべてのサンプルのためにPCR増幅マスターミックスを調製し、標的組織に関して行うための最適なサイクル数を決定するために用いられる定量的PCR法を用いてアッセイして、PCR増幅が試薬制限されておらず、まだ指数増幅段階にあることを確実なものにした。必要な陰性対照反応での実験を、MX3000P THERMOCYCLER(登録商標)(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)を使用して96ウェル形式で行った。定量的PCRプラットフォームから収集した出力データから蛍光の相対的増加をサイクルごとにプロットし、そして過剰なサイクリングおよび共通転写産物または分子の増幅を低減させるために、十分な増幅をもたらすが反応に試薬制限を被らせないアッセイあたりのサイクル数を決定した。未使用のマスターミックスが、定量的PCR解析を終え、サイクル数を決定するまで氷上にあり、そしてその後、そのマスターミックスを所望の反応チューブ数(ZFNアッセイあたり約16)に等分し、PCR反応を行った。増幅後、単一ZFN遺伝子座についてのサンプルを一緒にプールし、MinElute PCR purification kit(登録商標)(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用してZFNあたり200μLのプールされた産物を清浄化した。Illuminaショートリード技術を用いてサンプルをシークエンシングできるようにするために、さらなる対の末端プライマーを生成された断片上に増幅によって結合させることが必要であった。これを、第一増幅ラウンドにおいて付加された配列に一部は相補的であるが必要とされる対の末端配列も含有するプライマーを使用して、PCR増幅によって果たした。共通断片を過増幅することなく対の末端配列をテンプレートに付加させる、実施するPCRサイクルの最適な数を、前に説明したような定量的PCRサイクル解析のサンプル通過を用いて再び決定した。PCR増幅後、MinElute column(登録商標)(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用して生成された産物を清浄化し、2.5%アガロースゲルで分割した。Syber(登録商標)Safe(Life Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)を使用して正しいサイズのバンドとして可視化されたDNA断片をゲル抽出して、一切の残留PCR生成プライマー−ダイマーまたは他の偽断片を除去し、MinElute gel extraction kit(登録商標)(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用してそのゲルスライスからDNAを抽出した。ゲル抽出の完了後、AMPure magnetic beads(登録商標)(Beckman−Coulter、カリフォルニア州ブレア)を1:1.7のDNA対ビーズ比で使用してDNAのさらなる清浄化を行った。その後、Illuminaシークエンシング用の定量的PCRベースのライブラリー定量キット(KAPA)を使用して、1/40,000および1/80,000希釈で、および反応を3回ずつ行って、DNAを濃度について評定した。定量的PCR結果に基づき、DNAを2nMの標準濃度に希釈し、DNAシークエンシングのためにすべてのライブラリーを併せた。cBot cluster generation kit(登録商標)(Illumina、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してシークエンシングのためにサンプルを調製し、製造業者の説明書に従ってILLUMINA GA2x(登録商標)を100bpペアエンドシークエンシングリードで用いてシークエンシングした。
標的ジンクフィンガー部位での非相同末端結合の検出のためのデータ解析法
シークエンシング反応、およびベースコーリングのためにIlluminaバイオインフォマティックパイプラインを使用して行った一次データコーリングの完了後、各場合、完全解析を行って標的ZFN部位における欠失塩基を同定した。入力配列のリストに従ってコンピュータによりDNA配列からバーコードを抽出し、選別するようにカスタムPERLスクリプトを設計した。バーコードは、誤帰属配列リードを低減させるために、許容される30より大きいPhredスコアで基準配列とマッチしなければならなかった。使用した異なるバーコード群に配列リードをビニングした後、すべての配列にわたってクオリティフィルターを通した。このクオリティフィルターは、第二のカスタム開発PERLスクリプトであった。「N」とコールされる塩基が3つより多かった場合、または中央値Phredスコアが20未満であった場合、または20未満のPhredスコアを有する3連続塩基があった場合、または配列リードが40bpの長さより短かった場合、配列リードを除外した。対の配列リードの両方が入手可能である場合、NEXTGENE(登録商標)(SoftGenetics、ペンシルバニア州ステートカレッジ)パッケージを使用して残りの配列をマージした。その後、それらの残りのマージされた配列リードを、第三のカスタムPERLスクリプトと、その残りの配列識別子の最後に記録された、同定された重複配列の数のカウントを使用して、特有の配列リードのコレクションに縮小した。その後、NEXTGENE(登録商標)ソフトウェアを使用してそれらの特有の配列リードをFAD2およびFAD3参照配列にアラインし、ギャップ付きFASTAアラインメントファイルを作成した。
そのギャップ付きFASTAファイルを使用し、4つのカスタムPERLスクリプトを使用してギャップ付き塩基位置番号の入力基準への変換を行った。これは、異なる遺伝子ファミリーメンバー(異なる遺伝子ファミリーメンバー間の同祖またはパラロガス配列変異のいずれか)を区別する塩基を、組み立てたデータの中で同定することを可能にした。塩基ナンバリングの変換を実行し次第、各々の特有の配列リードについてハプロタイプレポートを生成することおよびリードを特定の遺伝子ファミリーメンバーに割り当てることが可能であった。リードを遺伝子によりグループ分けし次第、ZFN標的部位を包囲する10bpウインドウを同定し、評定した。欠失を有する配列の数を失われた塩基の数とともに遺伝子ごとに記録した。
その後、データを、10,000配列リードあたり1から10塩基が標的ZFN部位において欠失されている配列の数とともに、複数ライン折れ線グラフとしてグラフ表示した(図6)。この解析を、すべてのZFNトランスフェクションとともに対照トランスフェクションについて行った。いくつかの場合、天然DNA配列中のリピートは、標的ZFN部位におけるシークエンシングエラー、例えば、単一塩基欠失の出現率の増加として一般に見られるエラーをもたらし、これは、すべてのサンプルにおいて、ZFNでトランスフェクトしたサンプルにおいても、対照においても、報告された(図7)。
これらの結果から、NHEJのより大きな活性によって判定して、FAD2標的部位での最高レベルのZFN活性を遺伝子座Eにおいて同定した。プラスミドpDAB104010上にコードされたZFN(すなわち、ZFN24828および24829)を、有意なゲノムDNA切断活性および最小の非標的活性というその特徴を考えて、特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(ETIP)のインプランタ標的化のために選択した。
実施例4:特別設計の導入遺伝子組み込みプラットフォーム(ETIP)カノーラ植物系統のための遺伝子構築物
下で説明するプラスミドベクター構築物は、当業者に一般に公知の方法および技法を用いて造った。この段落の中で説明する特定の試薬および技法の応用は、当業者には容易に分かり、プラスミドベクター構築物を造るという所望の目的を達成するために他の試薬および技法と容易に交換することができよう。制限エンドヌクレアーゼは、New England BioLabs(NEB;マサチューセッツ州イプスウィッチ)から得た。ライゲーションは、T4 DNA Ligase(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)で完了した。1つのエントリーベクターをシングルディスティネーションベクターに組み立てるためにGATEWAY(登録商標)LR CLONASE(登録商標)酵素ミックス(Invitrogen)を使用してGateway反応を行った。1つのエントリーベクターをシングルディスティネーションベクターに組み立てるためにIN−FUSION(商標)Advantage Technology(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)を使用してIN−FUSION(商標)反応を行った。プラスミド調製は、NUCLEOSPIN(登録商標)Plasmid Kit(Macherey−Nagel Inc.,ペンシルバニア州ベツレヘム)またはPlasmid Midi Kit(登録商標)(Qiagen)を供給業者の説明書に従って使用して行った。アガロースTris−酢酸塩ゲル電気泳動後、QIAquick Gel Extraction Kit(商標)(Qiagen)を使用してDNA断片を単離した。すべての組み立てたプラスミドのコロニーを、最初にminiprep DNAの制限消化によってスクリーニングした。選択されたクローンのプラスミドDNAを、商業シークエンシングベンダー(Eurofins MWG Operon、アラバマ州ハンツヴィル)がシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。
カノーラのFAD2A遺伝子座内へのETIPの正確な組み込みのための直接−送達ベクター
セイヨウアブラナ(B. napus)のFAD2A遺伝子への特異的組み込みのためのETIP含有ベクターpDAS000130(図8、配列番号141のようなT鎖インサート)の構築に標準クローニング法を用いた。この構築物を、ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物pDAB1004010でカノーラプロトプラストに送達されるように設計した。ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物は、FAD2A遺伝子座を切断することとなり、そしてその後、pDAS000130構築物が相同性指向型修復メカニズムによってカノーラゲノム内に組み込まれることになり、その構築物を、NHEJ媒介組み込みのために相同隣接領域を除去することによって修飾することができる。このETIPは、追加のZFN認識配列によって隔てられた4つの発現カセット(2つは不完全)と、別のZFN認識配列を含有する特別設計のランディングパッド(ELP)とから成る。前記追加のZFN認識配列は特有のものであり、ETIPおよびELP導入遺伝子挿入物内へのポリヌクレオチド配列の導入のために標的化されるようにそれらを設計した。同様に、前記ZFN認識配列は、ポリヌクレオチド配列の切除に利用することができる。第一の遺伝子発現カセットは、不完全なdsRED発現カセットであり、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ポリユビキチン10(AtUbiプロモーター)遺伝子からのプロモーター、5’非翻訳領域およびイントロン(Callis, et al., (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、造礁サンゴ・イソギンチャクモドキ属の1種(Discosoma sp.)(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)からの210bpのdsRed遺伝子(ds RED(双子葉植物最適化)エクソン1)、続いてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)チオレダクターゼ様遺伝子からのイントロン(Atチオレダクターゼからのイントロン1:アクセッション番号:NC_00374)、そしてトウモロコシ(Zea mays)Viviparous−1(Vp1)遺伝子の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域(Zmlipターミネーター:Paek et al., (1998) Molecules and Cells, 8(3): 336-342)を含有した。第二の発現カセットは、カリフラワーモザイクウイルスからの5’UTRを含む19Sプロモーター(CaMV 19S:Cook and Penon (1990) Plant Molecular Biology 14(3):391-405)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、大腸菌(E. coli)からのhph遺伝子(hph(HygR):Kaster et al., (1983) Nucleic Acids Research 11(19): 6895-6911)、そしてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム1の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(At−ORF1ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を含有した。第三の発現カセットは、不完全PAT発現カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)4−クマリル−CoAシンターゼからの第一イントロン(イントロン#2 4−クマリルCoAシンターゼv:アクセッション番号:At3g21320/NC003074)、続いて、ホフィノトリシン(phophinothricin)、グルホシネートおよびビアラホスを含むグルタミンシンセターゼの阻害剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードしている、ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)から単離された、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の合成、植物最適化バージョンの最後の256bp(PAT(v6)3’末端:Wohlleben et al., (1988) Gene 70(1): 25-37)を含有した。このカセットは、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム23の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(AtuORF23ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を末端に有した。第四の発現カセットは、ipt遺伝子カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)DNA結合タンパク質MYB32遺伝子(U26933)からのプロモーターおよび5’UTRの588bp 短縮バージョン(AtMYB32(T)プロモーター:Li et al., (1999) Plant Physiology 121: 313)、続いてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)からのイソペンチルトランスフェラーゼ(ipt)遺伝子、そしてカリフラワーモザイクウイルスからの転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む35sターミネーター(CaMV 35Sターミネーター:Chenault et al., (1993) Plant Physiology 101(4): 1395-1396)を含有した。FAD2Aへの送達のために、ETIP配列の各末端を、セイヨウアブラナ(B. napus)のFAD2A遺伝子へのpDAB104010にコードされているZFNの送達によって誘導される2本鎖破断の位置のいずれかの側からの1kbのFAD2Aゲノム配列に隣接させた。
ETIP配列は、商業遺伝子合成ベンダー(GeneArt、Life Thechnologies)が合成した。Qiagen DNeasy plant mini kit(登録商標)(Qiagen、ヒルデン)を、製造業者により供給された説明書に従って使用して、セイヨウアブラナ(B. napus)DH12075の葉組織から精製したゲノムDNAからFAD2Aゲノム配列の1kbセグメントを増幅した。T4リガーゼ(NEB、マサチューセッツ州イプスウィッチ)を使用して、それらの1kb FAD2A配列をETIPベクターにライゲートした。すべての組み立てたプラスミドのコロニーを、最初にminiprep DNAの制限消化によってスクリーニングした。制限エンドヌクレアーゼは、New England BioLabs(NEB、マサチューセッツ州イプスウィッチ)およびPromega(Promega Corporation、ウィスコンシン州)から得た。プラスミド調製は、QIAprep Spin Miniprep Kit(登録商標)(Qiagen)またはPure Yield Plasmid Maxiprep System(登録商標)(Promega Corporation、ウィスコンシン州)を供給業者の説明書に従って使用して行った。ABI Sanger SequencingおよびBig Dye Terminator v3.1 cycle sequencing protocol(登録商標)(Applied Biosystems、Life Technologies)を使用して、選択されたクローンのプラスミドDNAをシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。
カノーラのFAD3遺伝子座へのETIPの正確な組み込みのための直接−送達ベクター
セイヨウアブラナ(B. napus)のFAD3AまたはFAD3C遺伝子座への特異的組み込みのためのETIP含有ベクターpDAS000271(図9、配列番号142のようなT鎖インサート)、pDAS000272(図10、配列番号143のようなT鎖インサート)、pDAS000273(図11、配列番号144のようなT鎖インサート)、pDAS000274(図12、配列番号145のようなT鎖インサート)およびpDAS000275(図13、配列番号146のようなT鎖インサート)の構築に標準クローニング法を用いた。この構築物を、ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物pDAB107828またはpDAB107829でカノーラプロトプラストに送達されるように設計した。特異的ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物がFAD3A遺伝子座を切断することになり、そしてその後、pDAS000273またはpDAS275構築物が相同性指向型修復メカニズムによってカノーラゲノム内に組み込まれることになる。同様に、特異的ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物がFAD3C遺伝子座を切断することになり、そしてその後、pDAS000271、pDAS000272またはpDAS000274構築物が相同性指向型修復メカニズムによってカノーラゲノム内に組み込まれることになる。ETIPは、追加のZFN認識配列によって隔てられた4つの発現カセット(2つは不完全)と、別のZFN認識配列を含有する特別設計のランディングパッド(ELP)とから成る。前記追加のZFN認識配列は特有のものであり、ETIPおよびELP導入遺伝子挿入物内へのポリヌクレオチド配列の導入のために標的化されるようにそれらを設計した。同様に、前記ZFN認識配列は、ポリヌクレオチド配列の切除に利用することができる。第一の遺伝子発現カセットは、不完全なdsRED発現カセットであり、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ポリユビキチン10(AtUbiプロモーター)遺伝子からのプロモーター、5’非翻訳領域およびイントロン(Callis, et al., (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、造礁サンゴ・イソギンチャクモドキ属の1種(Discosoma sp.)(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)からの210bpのdsRed遺伝子(ds RED(双子葉植物最適化)エクソン1)、続いてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)チオレダクターゼ様遺伝子からのイントロン(Atチオレダクターゼからのイントロン1:アクセッション番号:NC_00374)、そしてトウモロコシ(Zea mays)Viviparous−1(Vp1)遺伝子の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域(Zmlipターミネーター:Paek et al., (1998) Molecules and Cells, 8(3): 336-342)を含有した。第二の発現カセットは、カリフラワーモザイクウイルスからの5’UTRを含む19Sプロモーター(CaMV 19S:Cook and Penon (1990) Plant Molecular Biology 14(3): 391-405)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、大腸菌(E. coli)からのhph遺伝子(hph(HygR):Kaster et al., (1983) Nucleic Acids Research 11(19): 6895-6911)、そしてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム1の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(AtORF1ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を含有した。第三の発現カセットは、不完全PAT発現カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)4−クマリル−CoAシンターゼからの第一イントロン(イントロン#2 4−クマリルCoAシンターゼv:アクセッション番号:At3g21320/NC003074)、続いて、ホフィノトリシン(phophinothricin)、グルホシネートおよびビアラホスを含むグルタミンシンセターゼの阻害剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードしている、ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)から単離された、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の合成、植物最適化バージョンの最後の256bp(PAT(v6)3’末端:Wohlleben et al., (1988) Gene 70(1): 25-37)を含有した。このカセットは、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム23の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(AtuORF23ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を末端に有した。第四の発現カセットは、ipt遺伝子カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)DNA結合タンパク質MYB32遺伝子(U26933)からのプロモーターおよび5’UTRの588bp 短縮バージョン(AtMYB32(T)プロモーター:Li et al., (1999) Plant Physiology 121:313)、続いてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)からのイソペンチルトランスフェラーゼ(ipt)遺伝子、そしてカリフラワーモザイクウイルスからの転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む35sターミネーター(CaMV 35Sターミネーター:Chenault et al., (1993) Plant Physiology 101(4): 1395-1396)を含有した。FAD3AまたはFAD3Cへの送達のために、ETIP配列の各末端を、セイヨウアブラナ(B. napus)のFAD3AまたはFAD3C遺伝子内へのコードされているZFNの送達によって誘導される2本鎖破断の位置のいずれかの側からの1kbのFAD3AまたはFAD3cゲノム配列に隣接させた。
ETIP配列は、商業遺伝子合成ベンダー(GeneArt、Life Technologies)が合成した。Qiagen DNeasy plant mini kit(登録商標)(Qiagen、ヒルデン)を、製造業者により供給された説明書に従って使用して、セイヨウアブラナ(B. napus)DH12075の葉組織から精製したゲノムDNAからFAD3AおよびFAD3Cゲノム配列の1kbセグメントを増幅した。T4リガーゼ(NEB、マサチューセッツ州イプスウィッチ)を使用して、それらの1kb FAD3AおよびFAD3C配列をETIPベクターにライゲートした。すべての組み立てたプラスミドのコロニーを、最初にminiprep DNAの制限消化によってスクリーニングした。制限エンドヌクレアーゼは、New England BioLabs(NEB、マサチューセッツ州イプスウィッチ)およびPromega(Promega Corporation、ウィスコンシン州)から得た。プラスミド調製は、QIAprep Spin Miniprep Kit(登録商標)(Qiagen)またはPure Yield Plasmid MAXIPREP System(登録商標)(Promega Corporation、ウィスコンシン州)を供給業者の説明書に従って使用して行った。ABI Sanger SequencingおよびBig Dye Terminator v3.1 cycle sequencing protocol(登録商標)(Applied Biosystems、Life Technologies)を使用して、選択されたクローンのプラスミドDNAをシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。
対照ベクター
対照ベクターを使用して、蛍光活性化細胞選別(FACS)細胞ベースの選別法を開発した。2つの遺伝子発現カセットから成る対照ベクター、pDAS000031(図14:配列番号147のようなT鎖インサート)の構築に標準クローニング法を用いた。第一の遺伝子発現カセットは、カリフラワーモザイクウイルス19sプロモーター(CaMV 19Sプロモーター;Shillito, et al., (1985) Bio/Technology 3; 1099-1103)::ヒグロマイシン耐性遺伝子(hph(HygR);米国特許第4,727,028号明細書)::およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)オープンリーディングフレーム1 3’非翻訳領域(AtORF1ターミネーター:Huang et al., (1990) J. Bacteriol. 1990 172: 1814-1822)を含有した。第二の遺伝子発現カセットは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10プロモーター;Callis, et al., (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)::dsRED(dsRED(D);米国特許第6,852,849号明細書)、およびシロイヌナズナ属(Arabidopsis)からのイントロン(イントロン#1;GenBank:AB025639.1)::アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)オープンリーディングフレーム23 3’非翻訳領域(AtORF23ターミネーター;米国特許第5,428,147号明細書)をトランス配向(例えば、ヘッドトゥーヘッド配向)でのインフレーム融合体として含有した。IN−FUSION(商標)Advantage Technology(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)を用いてこのプラスミドベクターを組み立てた。
カノーラへのETIPのランダム組み込みのためのバイナリーベクターの構築
セイヨウアブラナ(Brassica napus)のゲノム内へのETIP T鎖配列のランダム組み込みのために2つのバイナリーベクターを構築した。ETIP含有ベクターpDAS000036(図15、配列番号148のようなT鎖インサート)およびpDAS000037(図16、配列番号149のようなT鎖インサート)の構築に標準クローニング法を用いた。これらのETIPベクターは、ZFN認識配列によって隔てられた4つの発現カセット(2つは不完全)と、さらなるZFN認識配列を含有する特別設計のランディングパッド(ELP)とから成る。第一の遺伝子発現カセットは、不完全なdsRED発現カセットであり、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ポリユビキチン10(AtUbi10プロモーター)遺伝子からのプロモーター(pomoter)、5’非翻訳領域およびイントロン(Norris et al., (1993) Plant Molecular Biology, 21(5): 895-906)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、造礁サンゴ・イソギンチャクモドキ属の1種(Discosoma sp.)からの210bpのdsRed遺伝子(Clontech、カリフォルニア州マウンテンビュー)、続いてシロイヌナズナ属(Arabidopsis)チオレダクターゼ様遺伝子からのイントロン(アクセッション番号(Accesion No):NC_00374)、そしてトウモロコシ(Zea mays)Viviparous−1(Vp1)遺伝子の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域(UTR)(Zm Lipターミネーター:Paek et al., (1998) Molecules and Cells, 8(3): 336-342)を含有した。第二の発現カセットは、カリフラワーモザイクウイルスからの5’UTRを含む19Sプロモーター(CsVMV 19プロモーター:Cook and Penon (1990) Plant Molecular Biology 14(3): 391-405)、続いて双子葉植物における発現のためにコドン最適化された、大腸菌(E. coli)からのhph遺伝子(hph(D):Kaster et al., (1983) Nucleic Acids Research 11(19): 6895-6911)、そしてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム1(ORF1)の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(AtORF1ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を含有した。第三の発現カセットは、不完全PAT発現カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)4−クマリル−CoAシンターゼからの第一イントロン(アクセッション番号:At3g21320(NC003074))、続いて、ホフィノトリシン(phophinothricin)、グルホシネートおよびビアラホスを含むグルタミンシンセターゼの阻害剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードしている、ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)から単離された、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子の合成、植物最適化バージョンの最後の256bp(PATv6(エクソン2);Wohlleben et al., (1988) Gene 70(1): 25-37)を含有した。このカセットは、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)pTi15955のオープンリーディングフレーム23(ORF23)の転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む3’UTR(AtORF23ターミネーター:Barker et al., (1983) Plant Molecular Biology 2(6): 335-50)を末端に有した。第四の発現カセットは、ipt遺伝子カセットであり、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)DNA結合タンパク質MYB32遺伝子(U26933)からのプロモーターおよび5’UTRの588bp 短縮バージョン(AtMYB32(T)プロモーター:Li et al., (1999) Plant Physiology 121:313)、続いてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)からのイソペンチルトランスフェラーゼ(ipt)遺伝子、そしてカリフラワーモザイクウイルスからの転写ターミネーターおよびポリアデニル化部位を含む35sターミネーター(CaMV 35Sターミネーター:Chenault et al., (1993) Plant Physiology 101(4): 1395-1396)を含有した。
発現カセットおよびELPは、商業遺伝子合成ベンダー(GeneArt、Life Technologies)がMulti−Gateway siteを用いて合成した。エントリークローンは、BP clonase II enzyme mix(商標)(Invitrogen、Life Technologies)およびpDONR221 vector suite(商標)(Invitrogen、Life Technologies)を使用して各発現カセットおよびELPで構築した。その後、LR Clonase II Plus Enzyme mix(商標)(Invitrogen、Life Technologies)を使用するGateway可能なバイナリーベクターとのMulti−Gateway反応にそれらのエントリークローンを使用した。すべての組み立てたプラスミドのコロニーを、最初にminiprep DNAの制限消化によってスクリーニングした。制限エンドヌクレアーゼは、New England BioLabs(NEB、マサチューセッツ州イプスウィッチ)およびPromega(Promega Corporation、ウィスコンシン州)から得た。プラスミド調製は、QIAprep Spin Miniprep Kit(商標)(Qiagen、ヒルデン)またはPure Yield Plasmid Maxiprep System(商標)(Promega Corporation、ウィスコンシン州)を供給業者の説明書に従って使用して行った。ABI Sanger SequencingおよびBig Dye Terminator v3.1 cycle sequencing protocol(商標)(Applied Biosystems、Life Technologies)を使用して、選択されたクローンのプラスミドDNAをシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corporation、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。
実施例5:ETIPカノーラ植物系統の産生
セイヨウアブラナ(Brassica napus)の形質転換
実施例4において説明した、ETIP構築物(pDAS000036、pDAS000037)、DS−Red対照構築物(pDAS000031)、ならびにFAD2A、FAD3AおよびFAD3C部位特異的構築物(pDAS000130、およびpDAS000271〜pDAS000275)ならびに付随ジンクフィンガーヌクレアーゼ(pDAB104010、pDAB10728およびpDAB10729)。バイナリーベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株GV3101:PM90に形質転換した。実施例3において説明したトランスフェクションプロトコルを、多少の変更を加えて用いて、セイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラスト細胞の形質転換を完了した。
前記プロトコルの変更は、Sea Plaque(商標)アガロースの代わりのアルギン酸ナトリウムの使用を含んだ。ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物とETIP構築物の両方をセイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラスト細胞に共送達するトランスフェクション実験を、5:1モル比のプラスミドDNAを含むDNA濃度で完了した。他のETIPおよび対照プラスミド構築物は、30μgのプラスミドDNAの濃度で形質転換させた。したがって、pDAS000130は、27.8μgのプラスミドDNAの濃度から成り、およびpDAB104010は、2.2μgのプラスミドDNAの濃度から成った。他のETIPおよび対照プラスミド構築物は、30μgのプラスミド濃度で形質転換した。
前記プロトコルのさらなる変更は、1.5mg/mLのヒグロマイシンを含有する培地中の形質転換プロトプラストからの全草の繁殖を含んだ。全草の繁殖には、A培地を2週間ごとに取り換えることおよびプロトプラスト由来のコロニーをモニターすることを必要とした。プロトプラスト由来のコロニーが直径おおよそ2〜3mmに成長した後、固体MS morpho培地が入っている12−well COSTAR(登録商標)プレート(Fisher Scientific、ミズーリ州セントルイス)の個々のウェルにコロニーを移した。プレートを1から2週間、24℃で、連続的薄明かりのもとで、カルスが直径8〜10mmのサイズに増殖するまで、恒温放置した。プロトプラスト細胞が直径1〜2cmの直径に達した後、MS morpho培地が入っている個々の250mL培養容器にプロトプラスト細胞を移した。それらの容器を、24℃で、16時間昼(20μMol m−2−1のOsram L36 W/21 Lumiluxホワイトチューブ)および8時間夜の条件下で恒温放置した。1から2週間以内に、複数の苗条が見られた。それらの苗条が3〜4cmの長さに達した後、MS培地が入っている250mL培養容器に苗条を移した。それらの250mL培養容器を、24℃で、16時間昼(20μMol m−2−1のOsram L36 W/21 Lumiluxホワイトチューブ)および8時間夜の条件下で恒温放置した。それらの苗条が小植物に発育するまで苗条を培養容器内で維持し、小植物に発育した時点で温室に移して成熟するまで成長させた。
実施例6:カノーラへのT−DNA含有ETIPの組み込みについての分子確認
カノーラへのETIPのランダム組み込みについての分子確認
DNEASY 96 Plant DNA extraction kit(商標)またはDNEASY Plant Mini Kit(商標)(Qiagen)を使用して、すべての推定トランスジェニック植物の葉組織からゲノムDNAを抽出した。A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)の残存率について試験するためにpTiC58フォワード(配列番号150 CGAGAACTTGGCAATTCC)およびpTiC58リバース(配列番号151 TGGCGATTCTGAGATTCC)からvirCを増幅するために設計したプライマー、セイヨウアブラナ(B. napus)からアクチンを増幅するために設計したプライマー;アクチンフォワード(配列番号152 GACTCATCGTACTCTCCCTTCG)およびアクチンリバース(配列番号153 GACTCATCGTACTCTCCCTTCG)を使用して、PCRにより各植物からのゲノムDNAを解析して、それらのゲノムDNAの質を確認した。hph遺伝子を増幅するためにプライマーを設計した;ETIPによってコードされたHPHフォワード(配列番号154 TGTTGGTGGAAGAGGATACG)およびHPHリバース(配列番号155 ATCAGCAGCAGCGATAGC)。virCプライマーから産物をもたらさなかったが、正しいサイズの産物がアクチンおよびhphへのプライマーで増幅された植物を、トランスジェニックとして分類した。
第二のスクリーニングを完了し、このスクリーニングでは、T−DNA領域の外側でバイナリーベクターを増幅するために設計した5セットのプライマー[[(1F 配列番号156 ATGTCCACTGGGTTCGTGCC;1R 配列番号157 GAAGGGAACTTATCCGGTCC)(2F 配列番号158 TGCGCTGCCATTCTCCAAAT;2R SE ID NO:159 ACCGAGCTCGAATTCAATTC)(3F 配列番号160 CCTGCATTCGGTTAAACACC;3R 配列番号161 CCATCTGGCTTCTGCCTTGC)(4F 配列番号162 ATTCCGATCCCCAGGGCAGT;4R 配列番号163 GCCAACGTTGCAGCCTTGCT)(5F 配列番号164 GCCCTGGGATGTTGTTAAGT;5R 配列番号165 GTAACTTAGGACTTGTGCGA)]を使用してPCRにより各トランスジェニック植物からのgDNAを増幅した。正しいおよび予想されたサイズのPCR産物がプライマーセット3および4から増幅された植物は、主鎖組み込み(backbone integration)を有するとみなした。
主鎖組み込みのない植物からのDNAを、修正CTAB法(Maguire et al,. (1994) Plant Molecular Biology Reporter, 12(2): 106-109)を用いて20gの葉組織から精製した。単離されたgDNAをいくつかの制限酵素で消化し、10μgのgDNAをアガロースゲルでの電気泳動によって分離し、標準サザンブロット法プロトコルを用いて膜に転写した。DIG Easy Hyb System(商標)(Roche、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)を製造業者の説明書に従って使用して膜をプローブした。各発現カセットへの、ELPへのおよび内在性対照遺伝子、アクチンへのプローブは、ETIP構築物から、次のプライマーを使用して増幅した:(IPT−F 配列番号166 TCTCTACCTTGATGATCGG;IPT−R 配列番号167 AACATCTGCTTAACTCTGGC;dsRED−F 配列番号168 ATGGCTTCATCTGAGAACG;dsRED−R 配列番号169 TTCCGTATTGGAATTGAGG;PAT−F 配列番号170 TTGCTTAAGTCTATGGAGGCG;PAT−R 配列番号171 TGGGTAACTGGCCTAACTGG;ELP−F 配列番号172 ATGATATGTAGACATAGTGGG;ELP−R 配列番号173 AGGGTGTAAGGTACTAGCC;Hph−F 配列番号174 TGTTGGTGGAAGAGGATACG;Hph−R 配列番号175 ATCAGCAGCAGCGATAGC;アクチン−F 配列番号176 GTGGAGAAGAACTACGAGCTACCC;アクチン−R 配列番号177 GACTCATCGTACTCTCCCTTCG)。
ETIPの単一コピーしか含有しないすべての植物からETIP配列を増幅し、シークエンシングした。ABI3730xI(商標)(Applied Biosystems、Life Teachnologies)を使用するPCR産物の直接シークエンシングによって各T−DNAインサートの配列を解析した。Phusion Hot Start II Polymerase(商標)(Finnzymes、Thermo Fisher Scientific)を使用して、ゲノムDNAからT−DNAインサートを増幅した。T−DNAの増幅反応を複数のプライマー対で完了させて、長さおおよそ2Kbのオーバーラップ配列を増幅した。各PCR産物を複数のプライマーでシークエンシングして、完全カバー率を確保した。シークエンシングPCR反応の前に、PCR反応物をエビ・アルカリホスファターゼおよびエンドヌクレアーゼI(Applied Biosystems、Life Technologies)で処理して過剰なプライマーを不活性化した。各単一コピーETIP系統のT−DNAインサートに隣接する配列を、8つの制限エンドヌクレアーゼでの精製ゲノムDNAの消化、続いて、それらの制限エンドヌクレアーゼによって生成されたオーバーハングに特異的な二本鎖アダプターのライゲーションによって同定した。このライゲーション工程の後、ETIPの3’または5’末端いずれかへのビオチン化プライマーおよび各アダプターへのプライマーを用いてPCR反応を行った。PCR産物をAmpure Solid Phase Reversible Immobilization(SPRI)beads(商標)(Agencourt Bioscience Corporation、Beckman Coulter Company)で捕捉し、清浄化した。ネストPCRを行い、ABI Sanger SequencingおよびBig Dye Terminator v3.1 cycle(商標)シークエンシングプロトコル(Applied Biosystems、Life Technologies)を用いてすべての産物をシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corporation、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。
サザンブロット解析
サザンプロ−ビングの前にgDNAサンプルを消化するために特定の制限酵素を選択した。EcoRIおよびSwaIでゲノムDNAを消化することによって推定トランスジェニック植物を解析した。次に、消化されたgDNAおよび未切断のgDNAを、PATv6を含むポリヌクレオチド断片、IPTを含むポリヌクレオチド断片またはELP遺伝子要素を含むポリヌクレオチド断片いずれかでプローブした。これらのポリヌクレオチドプローブ断片は、EcoRI消化物中およびSwaI消化物中の複数のインサートの区別を可能にするからであった。その後、同定された単一コピートランスジェニック植物系統を6つすべてのプローブでさらに解析して、挿入されたベクターのすべての不可欠要素の存在を同定した。
したがって、ETIP−pDAS000036で形質転換された67の独立事象をサンプリングし、導入遺伝子(hph)の存在、およびベクター主鎖の存在について試験した。試験した67植物のうち、47は、ゲノム内に組み込まれた導入遺伝子を有することが判明した。それらの47のトランスジェニック植物からの17の植物は、ベクター主鎖を含有することが判明した(表14)。ベクター主鎖の有意な部分を含有しなかった(OriまたはSpecR不在)残りの30植物をサザン解析のためにサンプリングした。一般則として、植物を最初にIPTプローブでスクリーニングし、推定単一コピー系統と同定された植物系統を、dsRED、PAT、ELPおよびhph遺伝子要素を含むプローブでさらに試験して、カセット全体の存在を確認した。
同様に、ETIP−pDAS000037で形質転換されたおよび土壌で生存している52の独立事象をサンプリングし、導入遺伝子(hph)の存在、およびベクター主鎖の存在について試験した。試験した52植物のうち、48は、ゲノム内に組み込まれた導入遺伝子を有することが判明した。それらの48のトランスジェニック植物からの23の植物は、ベクター主鎖も含有することが判明し、3植物は、試験しなかった(表14)。ベクター主鎖の有意な部分を含有しなかった(OriまたはSpecR不在)残りの22植物をサザン解析のためにサンプリングした。これらのトランスジェニック植物を最初にIPTプローブでスクリーニングし、推定単一コピー系統と同定された植物系統を、dsRED、PAT、ELP、hphおよびアクチンプローブでさらに試験して結果を確認した。5つの独立した単一コピー系統の同定を達成し次第、残りの植物に関するサザン解析を終了させた。合計で11のETIP−pDAS000037系統をサザン解析に付した。
pDAS000036およびpDAS000037で形質転換されたETIPトランスジェニックカノーラの結果
pDAS000036およびpDAS000037の形質転換により生じさせたトランスジェニックセイヨウアブラナ(Brassica napus)事象は、単一コピー、完全長T鎖挿入物を生じさせる結果となった。各植物についての4事象のうちの3事象を十分に特性評価し、セイヨウアブラナ(Brassica napus)ゲノム内の特定の染色体に推定的にマッピングした。少数の単一塩基対再配列がT鎖組み込み中に発生したが、選択された事象は、導入遺伝子の頑強な発現を駆動することができる完全長発現カセットを含有した。選択されたT事象をT発育期に成長させた。上記PCRアッセイを用いてそのTをresスクリーニングして(res-screened)、組み込まれたT鎖の接合状態を判定した。スクリーニングした事象を、ホモ接合性、ヘミ接合性またはヌルとカテゴリー分けした。
組み込まれたETIP配列の単一コピーしか含有しないすべてのトランスジェニック事象からETIP配列を増幅し、シークエンシングした。各T−DNAインサートの配列を、PCR産物の直接シークエンシングによって解析した。Phusion Hot Start II Polymerase(商標)(Finnzymes、Thermo Fisher Scientific)を使用して、ゲノムDNAからT−DNAインサートを増幅した。次に、T−DNAを複数のプライマー対で増幅して、長さおおよそ2Kbpのオーバーラップ配列を増幅した。各PCR産物を複数のプライマーでシークエンシングして、完全カバー率を確保した。シークエンシングPCR反応の前に、PCR反応物をエビ・アルカリホスファターゼおよびエンドヌクレアーゼI(Applied Biosystems、Life Technologies)で処理して過剰なプライマーを不活性化した。
各単一コピーETIP系統のT−DNAインサートに隣接する配列を、8つの制限エンドヌクレアーゼでの精製ゲノムDNAの消化、続いて、それらの制限エンドヌクレアーゼによって生成されたオーバーハングに特異的な二本鎖アダプターのライゲーションによって同定した。この工程の後、ETIPの3’または5’末端いずれかへのビオチン化プライマーおよび各アダプターへのプライマーを用いてPCR反応を行った。PCR産物をAmpure Solid Phase Reversible Immobilization(商標)(SPRI)ビーズ(Agencourt Bioscience Corporation、Beckman Coulter Company)で捕捉し、清浄化した。ネストPCRを行い、ABI Sanger SequencingおよびBig Dye Terminator v3.1サイクルシークエンシングプロトコル(Applied Biosystems、Life Technologies)を用いてすべての産物をシークエンシングした。SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、ミシガン州アナーバー)を使用して、配列データを組み立て、解析した。8のETIP系統を同定し、隣接配列解析のために選択した(表15)。左および右の隣接配列(ボーダーまたはジャンクション配列とも記載する)を配列番号431〜配列番号446として提供する。下線付きの配列は、プラスミドベクターを示した。下線のない配列は、ゲノム隣接配列を示す。

pDAS000036事象詳細:em02−5788−1−1 左ボーダー隣接(配列番号431)
TCGAGATTGTGCTGAAGTAAACCATTTTACTTCAAATCTATTTTTAACTATTTACTTTTATTAAGGAGAGAAACTTTGCTGATTAATTCAAATTAGTGATCATTAAGATTCCAAAGATTCCGATTTAGAAAAGTCAAAGATTCAAAGAACAAGTCTAGGTCCTCATGGCTCATGTTGCATCCGATTCACCATCCACTCATCTTTCATATCTTCCTCCACTGTCTCTCTAGAAACAACTCATTTAATTTAGAAAACTCCTTTTTCAATTTAGAAATATTAAAGTTTATCACAATGTATCAATTAAATATTATCCGATGACTCATTCATAGTCAGGACCTTGCTGTCTGTGTCGTCCGTAATTATTATTTCAATACAAAACAAATATATGTTCACTCAGAAAATTACGGCGCAATCATCTAATTTTGTGGACCAAAATAAATAGCGTAGCTTCGAGATTTCAAAGTTGTGTTCAAATTTAATTTTGATTTCCGTTCCTCGTATACTCTTTTATGTATAGAAAATAATAATATCCACTACTAGTAGTTGATAACTACATTACATATATTAAAATTATGATGTCACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGATC
em02−5788−1−1 左ボーダー隣接(配列番号432)
CATAACCACCATCTCAAACAATAGAACTTCCTAAGTGAAGCAATGACTTCAAATCTACTTGAAGGCATGGAGTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACACATAGCGACCGAGCTCGAGCCGAAGTTCGGTCGCTGTTTCACTGTTTGGGAAAGCATCAGTAACGCAGAAGACATAATTAAAAATTAATTATATATGGTAGTTTTTCTAGATTCTCCACTATACCTCATTGTGATTGAAAAACAACTATATATATATATATATATGTATTTAAAATTAAGAAATCATTAAATCGTACCATAATGCAGAAAACTTTATAAGTTCCTATTCTTTTGTCAAGATGAGTAGATGACACATCATGTACCACATAACATAACCATAATGGTGCGATACCATACCAAAACTTAATTTAGAAACTAATTAAAATTTTGGTAGTTTAAGATTCCTCCTAATGGTTGTCAAAAAAAAAAAAAGATTCCTCCTAATACATGGTAGAATATATTTTTGAGTTAAAATGAAAGTAAAATCTTCAAATTAGTCATAAGGAAATTCTAAAAAACATCGACTTTCTTTATAAAGATCCCATTGTAATTTTAGATGATTAATTTTATCCCAATCCAATTAAGAATTGTACACATCGGCCTCTATATATATCAAACACCTAAAA
pDAS000036事象詳細:ad58−5784−2−1 左ボーダー隣接(配列番号433)
CGATTTGCAGCTATAATCAATCACACCTTATCGTTCTTTCAAAGAAAAATCGAAAGTTGTAAACTTTATCAGCCTGTGTAGTGATTATTTCAATTTGATAAAGAAAAAAAAAGGCTTAGCTTTATTTGGTTTTTTGTTACAATCTTGATTAATTTTAGATTAGCACTCTGATTCTAGCGGAACATGAGAGTGGTTCCATCAAACCTCAGACAGTGAGCACAGTGGTTGCAGCAAACCATTTGGGTGAGAGCTCTTCAGTTTCTTTGCTATTAGCTGGTTCTGGCTCTTCTCTTCAAGAAGCTGCTTCTCAAGCTGCCTCTTGTCATCCTTCTGTTTCCGAGGTAACTAACTACATTCTTCATTTGTCCTTTTTTCTTGTGGGTCTTAAATGTTYGTGCTTTTCTTTATAGGTACTTGTTGCTGATTCAGATAGATTTGAGTACCCTTTAGCTGAACCTTGGGCTAAACTGGTTGACTTTGTTCGCCAACAAAGAGATTACTCTCACATCCTTGCCTTCCTCTAGCTCATTTGGCAAGAACATACTTCCTCTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTC
ad58−5784−2−1 右ボーダー隣接(配列番号434)
CCTGTCATAACCACCATCTCAAACAATAGAACTTCCTAAGTGAAGCAATGACTTCAAATCTACTTGAAGGCATGGAGTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCGCCGGCCTACCTCGCGTTGCTGCTCTTTTAGATGTCTCTCCTGTTACTGATGTTGTCAAAATCTTAGGATCCAATGAGTTTATCAGGTATACTTCTATCATGTATTGCTTGAGATTTTGGAGTGTTAGTAAAGATTTCAATAAAAGAATTTTTTCAAACAAAATTTTGGGGGCTTGAAGCTAATGTTTGGAAATATGTAACGGAGTTTAAATCTTTTGGCAGGCCTATATATGCGGGAAACGCCTTGTGTAGAGTTCGCTATACTGGTGCTGGTCCTTGTGTGTTGACTATTAGAACTACATCTTTTCCTGTTACCCCAATAACTGAGTCAAAGAAAGCTACTATCTCTCAGATTGATCTCTCGAAATTCAAAGAAGGTTTGTTTAGTATTATTCTCTTGTGCATAGCCTTTTTGCTTTTTTTTTTTTTATAAAAAAAGTTGAGTATGCTTATTGCCCATTGCA
pDAS000036事象詳細:ad58−5898−10−1 左ボーダー隣接(配列番号435)
TAATTTCATTTTCGTCATTTTGGTAAAGTAACAAAAGACAGAATATTGGTTAGTCGTGTTGGTTAGGAATAAAATAAAGAACGTGGACATCGTGGAATAAAAATATTCAGACAAGGAAACTAACAATAAAACAGTAATGAACATGGTTCTGAATCTCATCTTTGTGTATCTCCAATGGAATCCACCGCCACGAATCAGACTCCTTCTCCAAGCTCCACCGTCGACGATGACAATGGCGACGGTGTCTATACCGACGAATTTACCAAACTACCCCCGGACCCGGGGATCCTCTAGAGTCAACAAATTGACGCTTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGATCAGATTGTC
ad58−5898−10−1 右ボーダー隣接(配列番号436)
CGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCAGTGTTTGATTAAAGATAAAATTTGATTTTTCATTACATAATAATCCATTAATTTTCACGCACGTGGAACCCATTTGGTGTACTTCCACGTCCTCTAAGAGAGCACTGACCCACTCATCAAAAAGATACATCTTTATAAGCCCCTTCATCGTCACACAGACACACACTTCCCTCTCAATTATTCCATATTCTCCTAATTTCTAATTGTTACACCTCAACACATTAGATTCGTACCAAACAAAAACGATTAGCTCCCAAGCCTAAGCTTTTATTTCCTTATAATTTTTCTTGGGTTTCTCTCTATAAAGAATGCAAATGACTGAGAGAGGCCGAGCCATGTGGCACACGTCCCTAGCCTCGGCATTCCGCACAGCTCTAGCTTGCACAATCGTTGGTGCGGCTACGCTCTACGGACCCGAGTGGATCCTCCGTTTTGTGGCATTCCCGGCGTTTTCTTACGTCACGGTCATTCTCATCATTACGGACGCCACGCTAGGCGACACACTACGTGGCTGCTGGCTAGCCCTTTACGCCACATGTCAGAGCGTTGCACCGGCTATCATTACACTAAGGCTTATAGGACCAGCTCGGCTCACGGCCGG
pDAS000037事象詳細:lf31−6139−2−3 左ボーダー隣接(配列番号437)
TTTCTTTCCATCAGTTCTTCGGCACCTTCCTGGCTCTGCGTCTATCTTTCTTTCCATCCCGGCCCATCTCGTACACATTCCACCCAACTACACAAACACGTTATAGTCTTTTACATTATGACCAAATCAACCCTAAAGATACAGCCTTTATAAAAAATATAGGGGTCAAAGCAAAGAAGAGAAAGTTTGCTTACAGTGTGGAGAAAAGAAGTTGGAAGATGAGGAGTAAGAAGAAGAAGAGAAGAGAAAGGGTCTTCTGATGAGGAATAGGAGATAAGGTGGAACTGGAATGTTTGCCGCTAAATACTTGAAGACAAGAGCTTGATTTTCAAGCTCTTCCCATTGTGACTCAGTGAAAGGGATCCTAGTCGTCATGAAGAGATAGAGAAAATTGATGATGAAGGAGGTCTGATGAAGAGAAGAGAGAGAGAGAGATATTACACAAAGAGGGTTGTATTGCAAAATTGAAAGTGTAGAGAGAGTAGTAGGTAAGTTTTTATTAATAATGTTGTTCACACCTGCAGTCTGCAGAATATTGTGGTGTGAACAAATTGACGCTTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTA
lf31−6139−2−3 右ボーダー隣接(配列番号438)
TTCAATCTACTTGAAGGCATGGAGTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCAGTGTTTGAACATATATATACGCATAATATTCTCAGAACCCGACCCATTGGTTGACTCGGATCAAGATCGACCCGATCCGACCCGGTTAAAAGCACGTCGTCTCCTTTGGTTCGCCCCTTATATTCGACGAGTGAGTTCGATTGGATCGCTGTTTGTCATTTCTCACTACCTTAAGAAAAAAAAAAAGGTGCGTCTCTCTCTCACCTTTACCGCTCACTTACCTCTCAGATCTGACATCGATTTTCCAAATCTTC:TCCAGGTACTCTCTCTCCTGGCCGTTGACGGTCCCGTCCCGGCCGTGGATCTGATTTCGCCGCGATCTGAGGTCAAGCATGGCGGCAGCTAACGCCCCCATCACGATGAAGGAGGTCCTAACGGTGAGTCCCGCCTCCATTTTTAGTAACATA
pDAS000037事象詳細:bm56−6315−1−1 左ボーダー隣接(配列番号439)
TACATCGCGATTCATCCTGGTTTGATTAGAATGACGAGGAAGTTGTCATATTCCCAAACAGGAAAATTGGGATCGCCTTATTTGAAAGTGGGATAACTTCTTCATCTTAATTCTTATGAGAATTATTCCACTTCCTGGTGATTCTCCACTACTTTTTGTATATAAATACAGCTTCTTACATCGCGATTCATCCTGATTTGATTAGAATGACGAGAAAGTTGTCATATTCCCAAACAGGAAAACTGGGATCACCTGATTTGAAAGTGGGATAACTTCTTCATCCTAATTCTTATGAGATTTATTCCACTTCCTGGTGATTCTCCACTTCTTTATGTATCCAAATACATCTTCTTACATCGCGATTCATCCTGGTTTGATTAGAATGACGAGGAAGTTGTCATATTCCCAAACATGAAAACTGGGAAAGTGGGATTGACGCTTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGAT
bm56−6315−1−1 右ボーダー隣接(配列番号440)
CCACCATCTCAAACAATAGAACTTCCTAAGTGAAGCAATGACTTCAAATCTACTTGAAGGCATGGAGTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGACGATAAACTATCAGTCTTTCAAAGCGCATCTATGGCTAGTCATCACGGTTTTTAACTGTTTTACGAAGTCGCGGAGAGGCTCGTCTTCTCCCTAGGATAAACTGCAGAGGTCGACATCGGAGGTTTCTCGATCTATGAACATAGAGTACTGTTTGAGAAACTCCGAGGCGAGTTGGCGGAAACTCCCTATAGAGTTTTTCTTTAGACAAGAGAACCACTCAAGCGCTGCTTCGCGGAGGTTCTCGACGAAGAGGCGGCATTCGCCGGCATCTCTTTCTCTATCTTTAAACTTGGCTCTTCCCATCGCGATCTGGAAAGCCTGCAAGTGTGCCTTAGGATCGGTTGTACCATCGTAAGGAGCCACTTTGACTTTATCAGGATCCGAAACCGTAGTTTCGGTGATGCGGGTGGTGAAGGGCGTTTTTCGAGACTCCTCGAGGAGTAGGGTGATATCGAGTGCAGTACTAGTAGCGTGATGATTTGGGATTTCACCGCTCTAACCTCCGCAGCCGTTTTCA
pDAS000037事象詳細:ad58−6372−1−1 左ボーダー隣接(配列番号441)
TTTTACAGTGTTAGAAGAAGTGGATGAAGCTGAAATTGAATTTTCAAACTCGTTCAGCTTGACTAGAGGTGGGAGAGAGTCAAAGCCTCCCATCAAGTACCAAAACATGGAATAGAAGACAGTCCGAGGGAGAGGAAACCGTGGCCGACGAGGCCGTGGCTCCTATCATTAACTAGTGTCTTTCTTACTATTAATGGTTTATTAAGTCTCAGCCTTTGTTGTTTCATTGGTTTGAGATTCACTCATACATGAAACTTGTTTCATTCCAGCTTTTCCAAACTATAAGAATATTTCCAATCTTATCTTGTAATAGTTTAAGTTTTAAATTGAAAGCCCTTAGTTCAAAAAACAAAAAAAAAAAATTAGCCCTTGAATTTATATATAATCACGACGGCCATATTTGGCAGCTACACTGATATGTTTTCAATTGGCTGACAGGCCTTGAGCAGGGTTTGCTGGGTATATTGGTAGGAAGATGTGTTGCGAGGTTGAAGCCTCATTTAGGCAATATAAACATGATCATTAGCGTTATGTCATTAGTTATACTTATACGTAGACTAAGTAACCCACTAAAGGTTGCTGATTCCTTTTGTATCGACTAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGATCAGATTGTCGTTTCCCGC
ad58−6372−1−1 右ボーダー隣接(配列番号442)
CATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCAGTGTTTGACTGAATTTTAATTTCTAATTTTTGTAAAAAATTTGTATAACCTCAAATTATTAAAAGGCGGATTTTATTAGAATTATAACTAAATTATCTATAACTCCAAAATTTTGACAATCAATCATGTCTATATCTTTATTTTTTTGCTAAATTATCATGTCTATATCTTTTCTTTCTTCCAAACTTACTTGAGACTAAAAGTCTTTATAAATTTTGATAGGAGTTCCACACACAAACAAAAACAAAACAAATATTTTTCATCAAGGGATACTTATTTAACATCACGGATTCACAGTTTATTAACAAAAATCCAAACAAAGACTGAAAGACAGAAGATTCAATCTAACAATAGTCGGCAAACACCAGTGATTAACTAACGAAATAAATTAACAAGTGGTCAGATCTTCGGGAAA
pDAS000037事象詳細:ad58−6620−4−1 左ボーダー隣接(配列番号443)
TAATTTCATTTTCGTCATTTTGGTAAAGTAACAAAAGACAGAATATTGGTTAGTCGTGTTGGTTAGGAATAAAATAAAGAACGTGGACATCGTGGAATAAAAATATTCAGACAAGGAAACTAACAATAAAACAGTAATGAACATGGTTCTGAATCTCATCTTTGTGTATCTCCAATGGAATCCACCGCCACGAATCAGACTCCTTCTCCAAGCTCCACCGTCGACGATGACAATGGCGACGGTGTCTATACCGACGAATTTACCAAACTACCCCCGGACCCGGGGATCCTCTAGAGTCAACAAATTGACGCTTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGATCAGATTGTC
ad58−6620−4−1 右ボーダー隣接(配列番号444)
CATAACCACCATCTCAAACAATAGAACTTCCTAAGTGAAGCAATGACTTCAAATCTACTTGAAGGCATGGAGTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCAGTGTTTGAAATAATCGGATATTTAATTTTCTTAGACAGTTCATTAGTAGTTGATCTTAAACATTCACGTTTTATTTTCTTTTCTTTTCGAATGCTAGACTCTAGTTTGGTACCCATAGGATTCGAGTTACATGAAGCTATTGACACTGGGAGTGCTTCAAGATCTGTAAGAGGCAAAGATTCACAAACAGAACGTGATTTCTTGGATAGTGATGTGGAGATTGTGATAAGAACCAGCATGAGTATTACTTTTACTGCCCCTGCTGTGGTGAAGACATCACCAAAACAGTCAAGCTCGTGAAGAAATCAGATATTCAACCCGCAAAAAAATCTGACAATGCAAATAAACCTATTGACACTAAGAATGGTTCAAGATCCGAAGACAAGAAGACAAAAAATTTGTCCTGGCTCCCTGCTTATCTCCAGAAGCTGTTTCTTTCTGTTTATGGCCACATCAAAGACAAAGGTACCCTTTCTTTTGGTGCCTTTGGTGTGGACAGGTGTGATTGACTTTGGTTTCTTGGCAGATTCAGGCAAGATAGAGGTTGATTCAAAGTCAACTAACAATGATCTTGGTACCAATAGTGAGGA
pDAS000037事象詳細:ad58−6620−17−1 左ボーダー隣接(配列番号445)
CCGCCTTGAACAACCGCTCCGCCGTTGCTCAGTACATTATCGAGGTTACCAAAAAGTTCAATCCTTTATGCTTGTTTTGGCGTGTGATTCGTTACGAATGAGTAAAATTGATTTGGTTTTTTTCTTTGAACAGCATGGTGGAGATGTGAATGCGACGGATCATACGGGGCAGACTGCGTTGCATTGGAGTGCGGTTCGTGGTGCGGTGCAAGTTGCGGAGCTTTTGCTTCAAGAGGGTGCAAGGGTTGATGCTACGGATATGTATGGATATCAGGTTCTAACCACTTCCTCTTTCTTTGTGGAGATTGTCTTTTTGTTTCAATGCTAGTCAACTTCTTTCTTTCTTTCACAAAACTAAGTAGTATTGCTTGTTTTGTTGTCGTTGCATTTTTTCTTATGGCTGTGTTCTGAGGTTCATGTAGGTATATAAGCACTTCGTACTTTGCCACTTGTTTCATTTAGGCAACATTGTGCACATATCTAAGTAGTTGGTCTTTGTAAAATTAGTTTGTTTGTCTTCAAAGTATATTGAGCAGTTTCATGACTCATTATTCAAAGGTTTGTCTAAATTAGAGAGAACTTTCATTTTGCCTGGATTTAATCAGCATTTAGAATGTTTATAGCGATATCATTTTTAGTTGAAAAAATCTCAACAAATTGACGCTTAGACAACTTAATAACACATTGCGGACGTTTTTAATGTACTGAATTAACGCCGAATTGAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGGCATGCAAGCTTAGCTTGAGCTTGGATCAGATTGTCGTTTC
ad58−6620−17−1 右ボーダー隣接(配列番号446)
GTATAAGCCATGTTCCTTTCAGAGGGGACTGTACTTCTGTAGATTACTTTCCCTCATTAACCAGATCTGGCCGGCCTACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTGATAAACTATCAGTGTTAGATCCCCGACCGACCGCCCATCCTGGACGGCCTCGTGCATGCTGATGTTGTCAAAATCTTAGGATCCAATGAGTTTATCAGGTATACTTCTATCATGTATTGCTTGAGATTTTGGAGTGTTAGTAAAGATTTCAATAAAAGAATTTTTTCAAACAAAATTTTGGGGGCTTGAAGCTAATGTTTGGAAATATGTAACGGAGTTTAAATCTTTTGGCAGGCCTATATATGCGGGAAACGCCTTGTGTAGAGTTCGCTATACTGGTGCTGGTCCTTGTGTGTTGACTATTAGAACTACATCTTTTCCTGTTACCCCAATAACTGAGTCAAAGAAAGCTACTATCTCTCAGATTGATCTCTCGAAATTCAAAGAAGGTTTGTTTAGTATTATTCTCTTGTGCATAGCCTTTTTGSTTTTTTTTTTTTTATAAAAAAAGTTGAGTATGCTTATTGCCCATTGC
ETIPのマッピング
ETIPの単一コピー挿入物を含有する各トランスジェニック事象について、手作業での組み立て後に隣接配列を獲得し、ローカルBLAST解析においてクエリーとして使用した。単一コピー組み込みを有する合計8植物がこのプロセスによって同定された(表16および表17)。ブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea)からの595,478のゲノム由来ショットガン配列のコレクションをNCBI GSSデータベースからダウンロードし、ヌクレオチドBLASTデータベースとしてフォーマットした。その後、隣接ETIP配列をそのデータベースとBLASTn比較し、すべてのマッチを手作業で調査した。その後、B.オレラセア(B. oleracea)データベースから隣接ETIP配列への最も有意な配列マッチを獲得し、オンラインブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)ゲノム配列(http://brassicadb.org/brad/blastPage.php)に対してアラインし、そこで最も有意な配列マッチを有するゲノム内の位置も検索した。5’または3’隣接配列のみがB.オレラセア(B. oleracea)ゲノム配列との有意なマッチを提供した場合、アラインされないまたはマッチしない配列は、データベースにない配列同定を有したか、またはETIPの組み込み中に有意なゲノム再配列が生じたと仮定した。解析から有意なBLASTnマッチを生じさせたサンプルについては、その後、隣接ETIP配列、最も有意なB.オレラセア(B. oleracea)GSSマッチング配列とともにB.ラパ(B. rapa)ゲノムからの最も有意なマッチング配列をSequencher(商標)v5.0ソフトウェア(Gene Codes、ミシガン州アナーバー)で8つの単一コピーETIP植物の各々について手作業でアラインした。その後、それらの3配列を比較し、隣接ETIPと比較して2倍体アブラナ属(Brassica)種のいずれかからの最も類似した配列を、ETIPが位置するゲノムに指定した。大多数のサンプルについて、2つの2倍体アブラナ属(Brassica)ゲノム配列間に有意な変異は存在せず、セイヨウアブラナ(B. napus)由来の隣接ETIP配列は、前記2倍体配列の一方または他方と卓越した関連性を示した。しかし、前記2倍体間の配列変異は不十分であり、連鎖群割り当ては可能であることもあったが、サブゲノム割り当ては可能でなかった。そこで、特異的ゲノム位置をブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)ゲノム配列からの位置から予測した。ETIPがB.オレラセア(B. oleracea)Cゲノムに組み込まれていると同定された場合、Parkin et al. (Genetics 2005, 171: 765-781)に記載されている2倍体アブラナ属(Brassica)ゲノム間の比較シンテニーを用いて、そのゲノム位置をセイヨウアブラナ(Brassica napus)Cサブゲノムに外挿した。加えて、Schranz et al. (Trend in Plant Science 2006, 11, 11: 535-542)に記載されているシロイヌナズナ属(Arabidopsis)アブラナ属(Brassica)シンテニーによるゲノム位置の確認ばかりでなく、同定された配列をシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノムコード配列(http://arabidopsis.org/index.jspからダウンロードしたTAIR 9 CDS)とBLASTn比較し、破壊された一切の遺伝子配列の正体も同定した。

ホモ接合事象を用いて、前に説明した方法によりプロトプラストを生産する。その後、それらのプロトプラストを、ETIP配列内に組み込まれているジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されているジンクフィンガーヌクレアーゼ、およびETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミドで共形質転換する。ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ETIP遺伝子座を切断し、ドナープラスミドは、相同性指向型修復によってセイヨウアブラナ(Brassica napus)細胞のゲノム内に組み込まれる。ドナープラスミドの組み込みの結果として、部分DS−red導入遺伝子が完全長DS−red導入遺伝子に修復される。今や十分に作動可能なDS−red導入遺伝子の発現を用いて、FACS法でプロトプラスト細胞を選別する。推定トランスジェニック植物を、実施例7において説明するFACS法を用いて選別し、単離されたプロトプラストを成熟植物へと再生させる。分子確認法を用いて、ETIP標的化植物内のドナープラスミドの組み込みを確認する。したがって、ETIP遺伝子座は、ドナーポリヌクレオチド配列の遺伝子標的組み込みのための部位特異的遺伝子座としての役割を果たす。
ゲノム標的化位置は、植物の正常な表現型を改変しないゲノム位置を提供する。ETIP内の導入遺伝子を標的にする場合、結果として生ずる事象は、それらのETIP事象を対照植物と比較したときに耕種学的に意味のある意図されない差をもたらさない。加えて、ETIP遺伝子座内に組み込まれた導入遺伝子のタンパク質発現レベルは、頑強に発現され、複数のゲノム遺伝子座にわたって一致しており、安定している。配列番号431から配列番号446の開示するゲノム配列は、導入遺伝子を含む遺伝子発現カセットの組み込みのための標的化可能なアブラナ属(brassica)ゲノム内のゲノム位置を提供する。
DS−REDのZFN媒介相同組換えでのETIP系列の標的化
pDAS000036からのT鎖インサートを含有するカノーラ系統を得、T鎖の完全長、単一コピーを含有することを分子特性評価によって確認した。このカノーラ事象をpDAS000036−88と名づけ、前に説明した方法によってプロトプラストを生産するために用いた。それらのプロトプラストを単離し、その後、約50,000のカノーラプロトプラスト細胞を、ETIP配列内に組み込まれたジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されたジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074(図25)またはpDAS000075(図26)いずれかと、ETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミド、pDAS000064、pDAS000068、pDAS000070またはpDAS000072(それぞれ図27、図28、図29および図30)とで共形質転換させた。図19および図20は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介相同組換えによりDs−red導入遺伝子の部位特異的組み込みをもたらす相同性指向型修復の実例を提供する。前記ジンクフィンガーヌクレアーゼを、ETIP遺伝子座を被定義ジンクフィンガー結合配列で切断し、それによってそのゲノム内に二本鎖破断を生じさせるように設計した。次に、ドナープラスミドをセイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラスト細胞のゲノム内に相同性指向型修復によって組み込んだ。ドナープラスミドのイントロン−1およびイントロン−2領域は、ETIP遺伝子座の対応するイントロン−1およびイントロン−2領域と相同性を共有する。ドナープラスミドの組み込みの結果として、部分DS−red導入遺伝子は、完全長、高発現性DS−red導入遺伝子に修復された。その十分に作動可能なDS−red導入遺伝子の発現を用いて、上記FACS法でプロトプラスト細胞を選別した。したがって、ETIP遺伝子座は、ドナーポリヌクレオチド配列の標的組み込みのための部位特異的遺伝子座として役立つ。最後に、単離されたプロトプラストを選別し、成熟植物へと再生させることができる。分子確認法を用いてETIP標的化植物内へのドナープラスミドの組み込みを確認することができる。
ドナープラスミドDNAとZFNプラスミドDNAを様々な濃度で混合し、それらを使用して事象pDAS000036−88を有するカノーラプロトプラスト細胞をトランスフェクトし、前に説明したFACSトランスフェクションを用いてトランスジェニックプロトプラスト細胞を選別した。表18は、様々なトランスフェクション実験、および事象pDAS000036−88を有するカノーラプロトプラストのトランスフェクションに使用したDNA濃度を記載するものである。ZFNおよびドナープラスミドDNAを単離し、前に説明した方法によってトランスフェクションのために調製した。
トランスフェクション実験を完了した後、プロトプラストを室温で48時間、恒温放置し、上記FACSプロトコルを用いて選別した。各実験を独立して選別し、導入遺伝子のジンクフィンガー媒介遺伝子移入を、DS−red導入遺伝子を発現する個々の事象の同定によって確認した。図21〜24は、FACS選別の結果を示す。グラフに図示されている結果が示すように、インタクトな十分に組み込まれたDS−red導入遺伝子を含有する複数の事象が生じた。これらの複数のDs−Red事象は、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みの結果であった。この部位特異的組み込みは、Ds−Red導入遺伝子の高発現性、完全コピーをもたらした。Ds−Red導入遺伝子発現の頻度は、全カノーラプロトプラスト細胞(約50,000)の約0.03〜0.07%の範囲であった。しかし、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みについてのトランスフェクション効率の頻度のほうがはるかに高く、約0.07〜0.64%の範囲であった。
図21は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000064およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を26μg対4μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.22〜0.07%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000064およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を26μg対4μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.26〜0.08%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図22は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000068およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.22〜0.07%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000068およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.04%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.38〜0.12%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図23は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000070およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.07%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.64〜0.21%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000070およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.04%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.34〜0.11%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図24は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000072およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.07%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.62〜0.20%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000072およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.05%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.44〜0.14%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
選択された外植体を、ホホトリノシン(phophothrinocin)を含有する再生培地に移植し、培養した。その培養期間後、生存している外植体を培養および植物発育のために伸長培地および根誘導培地に移植した。発育した根および苗条構造から成る全草を土壌に移植し、温室でさらに繁殖させた。組織培養プロセスは、前に上で説明した培地および培養条件を用いた。組織培養プロセスから生産された植物の結果を下の表19に示す。

カノーラへのETIPのFAD2A組み込みの分子確認
組織を80μlのAE緩衝液で溶離したことを除き、DNeasy Plant Mini Kit(商標)(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用して、すべての推定トランスジェニック植物の葉組織からゲノムDNAを抽出した。再生植物からの30ミリグラムの若葉組織を液体窒素で瞬間冷凍した後、粉末に粉砕した。
FAD2A遺伝子座の分子特性評価を、3つの独立したアッセイを用いて行った。アッセイを設計し、以下の対照を用いて最適化した:単一のランダムに組み込まれた導入遺伝子を含む特性評価されたトランスジェニック事象、5つのランダムの組み込まれた導入遺伝子を有する特性評価されたトランスジェニック事象、野生型カノーラ園芸品種DH12075植物および無テンプレート対照反応。HDRによるFAD2AへのETIPの組み込みの証拠を提供するために、以下の3つの分子解析からの結果をともに考慮する。
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応による導入遺伝子組み込みの同定
hph(hptとも記載する)標的遺伝子に特異的なプライマー(配列番号447、hpt F791 5’CTTACATGCTTAGGATCGGACTTG 3’;配列番号:448、hpt R909 5’AGTTCCAGCACCAGATCTAACG 3’;配列番号449、hpt Taqman 872 5’CCCTGAGCCCAAGCAGCATCATCG 3’FAM)(図31)、および高移動度群タンパク質I/Y(HMG I/Y)をコードする参照遺伝子(配列番号450、F 5’CGGAGAGGGCGTGGAAGG 3’;配列番号451、R 5’TTCGATTTGCTACAGCGTCAAC 3’;配列番号452、プローブ 5’AGGCACCATCGCAGGCTTCGCT 3’HEX)を使用して、各植物の4つの複製を解析した。次の条件:10分間95℃、続いて40サイクルの30秒間95℃、1分間60℃を用いて反応を増幅し、各アニール工程終了時に増幅データを収集した。ΔCq=Cq(標的遺伝子)−Cq(参照遺伝子)のΔCq法を用いて、コピー数を算出した。Livak, K.J. and T.D. Schmittgen, Analysis of relative gene expression data using real-time quantitative PCR and the 2(-Delta Delta C(T)) Method. Methods, 2001. 25(4): p. 402-8。hphおよびHMG I/Yの増幅ならびに0.5またはそれ以上のコピー数を有する植物をトランスジェニックとみなし、その一方で0.5以上かつ1.2以下のコピー数を有する植物を推定単一コピーとしてスコアリングした。増幅は、BioRad CFX96 Touch(商標)リアルタイムPCR検出システムとFastStart Universal Probe Master(ROX)、(Roche、スイス国バーゼル)で行った。
破壊されたFAD2A ZFN部位の検出
主要アッセイである破壊遺伝子座試験で、各植物を内在性標的の増幅の存在または不在について解析した。このアッセイは、SYBR(登録商標)Green I qPCRアッセイであり、シングルプレックスでのものであるが、各反応が同じPCRプレートで同時に進み、内在性遺伝子座(FAD2A/2C.RB.UnE.F1、配列番号453、5’CTTCCACTCCTTCCTCCTCGTC 3’およびFAD2A/2C.RB.UnE.R1、5’配列番号454、GCGTCCCAAAGGGTTGTTGAG 3’)およびZFN遺伝子座(ZFN pDAB104010がゲノムに結合し、切断する遺伝子座)(FAD2A.UnE.F1、配列番号455、5’TCTCTACTGGGCCTGCCAGGGC 3’およびFAD2A.UnE.R1、配列番号456、5’CCCCGAGACGTTGAAGGCTAAGTACAAA 3’)を標的にする(図32)。次の条件を用いて両方のプライマー対を増幅した:30秒間98℃、続いて35サイクルの(10秒間98℃、20秒間65℃、90秒間72℃)、それから続いて10秒間95℃、その後、50℃から95℃まで0.05秒に0.5℃の増加で、各増加時にプレートを読み取って溶融解析。反応条件を表20に収載する。
内在性標的の増幅を有するがZFN標的の増幅を有さない植物を、破壊遺伝子座試験について陽性とスコアリングし、破壊ZFN遺伝子座を有すると判断した。FAD2A遺伝子座における両方の対立遺伝子のZFN結合部位が破壊されているとき、このアッセイを陽性であると判断した。
相同性指向型修復によるFAD2Aへの導入遺伝子組み込みのPCR検出
導入遺伝子標的hph(hph_ExoDigPC_F1、配列番号457、5’TTGCGCTGACGGATTCTACAAGGA 3’およびhph_ExoDigPC_R1、配列番号458、5’TCCATCAGTCCAAACAGCAGCAGA 3’)と、FAD2A内在性遺伝子座(FAD2A.Out.F1、配列番号459、5’CATAGCAGTCTCACGTCCTGGTC 3’およびFAD2A.Out.Rvs3、配列番号460、5’GGAAGCTAAGCCATTACACTGTTCAG 3’)と、FAD2A遺伝子座への導入遺伝子の上流の、HDRによりFAD2A遺伝子座に挿入された任意の導入遺伝子の5’末端に及ぶ領域(FAD2A.Out.F1、配列番号461、5’CATAGCAGTCTCACGTCCTGGTC 3’およびQA520、配列番号462、5’CCTGATCCGTTGACCTGCAG 3’)と、FAD2A遺伝子座への導入遺伝子の下流の、HDRによりFAD2A遺伝子座に挿入された任意の導入遺伝子の3’末端に及ぶ領域(QA558、配列番号463、5’GTGTGAGGTGGCTAGGCATC 3’およびFAD2A.Out.Rvs3、配列番号464、5’GGAAGCTAAGCCATTACACTGTTCAG 3’)とを増幅するために設計したPCRプライマーでのエンドポイントを用いて、各推定植物形質転換体を解析した(図33)。すべてのプライマー対を、次の条件を用いて増幅した:30秒間98℃、続いて35サイクルの(10秒間98℃、20秒間65℃、90秒間72℃)。反応試薬条件は、表21に記載のとおりである。
5’導入遺伝子−ゲノム隣接標的の増幅および/または3’ 導入遺伝子−ゲノム隣接標的の増幅は、推定挿入事象を示した。(ZFN切断部位の直ぐ上流および下流のFAD2A領域と100%配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む)pDAS000130カセット内のおおよそ1,000bp FAD2A相同性アームのため、オフターゲットETIP組み込み事象の増幅から生ずるPCRキメリズムのためにPCR反応を偽陽性PCR産物増幅を被りやすいことに注意しなければならない。hph標的の増幅は、導入遺伝子組み込みが起こったことを確証した。FAD2A標的の増幅は、FAD2A遺伝子座がインタクトであるか、または部分的挿入物しか含有しないことを示唆する。ETIPのサイズ(ETIPカセットについての11,462bp、またはFAD2A相同アームおよびETIPカセットを含む13,472bp)のため、FAD2Aプライマーは、インタクトETIPがFAD2A遺伝子座に組み込まれているときには産物を増幅しないと予想される。
FAD2A編集のサザン検出
5’ゲノム−導入遺伝子隣接標的産物の増幅および/もしくは3’導入遺伝子−ゲノム隣接標的の増幅のいずれかを有する、またはZFN遺伝子標的の増幅を有さない、または両方を有する植物を、FAD2A遺伝子座への導入遺伝子組み込みの検出のためにサザン解析に付した。修正CTAB法(Maguire, T.L., G.G. Collins, and M. Sedgley A modified CTAB DNA extraction procedure for plants belonging to the family proteaceae. Plant Molecular Biology Reporter, 1994. 12(2): p. 106-109)を用いて5gの葉組織からゲノムDNAを精製した。次に、12μgのゲノムDNAをKpn1−HF(New England BioLabs)で消化し、消化断片を0.8%アガロースゲルでの電気泳動により分離した後、標準サザンブロット法プロトコルを用いて膜に転写した。FAD2A 5’標的領域へのプライマー(F、配列番号465、5’AGAGAGGAGACAGAGAGAGAGT 3’およびR、配列番号466、5’AGACAGCATCAAGATTTCACACA 3’)、FAD2A 3’標的領域へのプライマー(F、配列番号467、5’CAACGGCGAGCGTAATCTTAG 3’およびR、配列番号468、5’GTTCCCTGGAATTGCTGATAGG 3’)およびhphへのプライマー(F、配列番号469、5’TGTTGGTGGAAGAGGATACG 3’およびR、配列番号470、 5’ATCAGCAGCAGCGATAGC 3’)を使用してプローブを生成して、DIG EASY HYB SYSTEM(登録商標)(Roche、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)を製造業者の説明書に従って使用してFAD2A遺伝子座内のETIPの存在を検出した(図34)。FAD2A 5’領域のために42℃で、FAD2A 3’領域のために45℃で、およびhphの検出のために42℃でハイブリダイゼーションを行った。
膜結合ゲノムDNAを特定の順序でプローブした;先ず、FAD2A 5’配列をプローブし、次いでFAD2A 3’配列をプローブし、そして最後にhph配列をプローブした(図34)。この理論的根拠(rational)は、次のとおりである。第一のプローブ(FAD2A 5’)は、診断プローブであり、ETIPが完全HDRによりFAD2Aに組み込まれた場合、5,321bp断片が膜上に見えることになる。結果として生ずるバンドサイズは、電気泳動中に容易に区別され、DIG標識Roche DNA MOLECULAR WEIGHT MARKER III(登録商標)(Roche、インディアナ州インディアナポリス)では5,148bpの近くに位置することになる。膜の第二のプローブは、FAD2A 3’プローブとともにあり、編集された植物は、22,433bp断片を有することになるが、未編集の植物は、16,468bp断片を有することになる。FAD2A 3’プローブで同定された同じ22,433bp断片はまた、hphプローブによって結合され、hphプローブで同定されるはずである。これらの断片は、非常に大きいのでゲルで区別することが困難であり、およびDIG標識Roche DNA MOLECULAR WEIGHT MARKER III(登録商標)では最大の21,226bp断片より上または下で出現する断片間のいずれの差も判定することが困難だろう。したがって、これらのプローブは、FAD2A 5’プローブを使用する5kb断片の可視化により、相同性指向型修復(HDR)によるFAD2AへのETIP組み込みの同定を強化し得る証拠を提供する。制限酵素、KpnIは、KpnI部位が単一の切断遺伝子座、単一遺伝子座におけるETIPカセット、内に出現するので、このアッセイでの使用に唯一適している制限エンドヌクレアーゼであり、FAD2A ZFN遺伝子座の2つの部位に存在した。1つの部位は、FAD2A相同性アームの上流に、およびもう1つの部位は下流に位置した。加えて、KpnIは、メチル化感受性でなく、忠実度が増された組換え酵素(New England Biolabs)として入手可能である。
分子およびサザン解析の結果
トランスフェクション、培養および選択の後、トランスジェニック植物を土壌に移植した。このプロセスを139の植物が生き残り、それらをgDNA抽出および解析のために組織サンプリングした。139すべての植物をコピー数推定のために解析した。これら139の植物のうちの56は、ETIPについて陽性であり、それら56の陽性植物のうちの11は、推定単一コピー組み込みを有した(図35)(表22)。ETIP組み込みについて陽性であった56の植物のうちの7植物においてFAD2A 5’−ゲノム−導入遺伝子隣接配列の増幅を起こった。ETIP組み込みについて陽性であった56の植物のいずれにおいてもFAD2A 3’−導入遺伝子−ゲノム隣接配列の増幅は起こらなかった。加えて、導入遺伝子組み込みについて陽性であった56の植物のうちの11植物は、破壊遺伝子座qPCR試験について陽性であった。FAD2A 5’−ゲノム−導入遺伝子隣接配列の増幅につい陽性および/または破壊遺伝子座qPCR試験について陽性であった14の植物を、上で説明した3つのプローブでサザン解析に付した。サザン解析に進めた14植物のすべての植物が、FAD2A遺伝子座内への部分的組み込みを示したが、これらの植物はいずれも、FAD2A 5’プローブ、FAD2A 3’およびhphプローブでプローブしたとき、HDRによるFAD2A遺伝子座へETIPの完全な完全長組み込みの証拠を示さなかった。FAD2A 3’プローブでプローブしたとき、i)WTより大きく見えるおよびii)これらのサンプルについて観察されたバンドと同一に見えるバンドはなかった(表22)。
pDAS000130およびpDAB104010で形質転換したETIPトランスジェニックカノーラの結果
pDAS000130およびpDAB104010の形質転換によって生じるトランスジェニックセイヨウアブラナ(Brassica napus)事象は、pDAS000130からのETIPポリヌクレオチド配列のFAD2A遺伝子座内へ単一コピー、完全長T鎖挿入物の組み込みをもたらす。4事象のうちの3事象を十分に特性評価し、組み込まれたETIPを含有することを確認する。その確認を、イン−アウトPCR(in-out PCR)増幅法を用いて完了し、サザンブロットによってさらに検証する。選択されたT事象をT生育期に成長させる。T植物を再スクリーニングして、組み込まれたT鎖の接合状態を判定する。スクリーングした事象をホモ接合性、ヘミ接合性またはヌルとカテゴリー分けする。
ホモ接合事象を用いて、前に説明した方法によりプロトプラストを生産する。その後、プロトプラストを、ETIP配列内に組み込まれているジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されているジンクフィンガーヌクレアーゼと、ドナーがHDRメカニズムによってETIP内に組み込まれているETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミドとで共形質転換させる。同様に、その後、プロトプラストを、ETIP配列内に組み込まれているジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されているジンクフィンガーヌクレアーゼと、ドナーが非相同末端結合メカニズムによってETIP内に組み込まれているETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミドとで共形質転換させる。ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ETIP遺伝子座を切断し、ドナープラスミドは、相同性指向型修復または非相同末端結合によってセイヨウアブラナ(Brassica napus)細胞のゲノム内に組み込まれる。ドナープラスミドの組み込みの結果として、部分DS−red導入遺伝子が完全長DS−red導入遺伝子に修復される。今や十分に作動可能なDS−red導入遺伝子の発現を用いて、FACS法でプロトプラスト細胞を選別する。推定トランスジェニック植物を、実施例7において説明するFACS法を用いて選別し、単離されたプロトプラストを成熟植物へと再生させる。分子確認法を用いて、ETIP標的化植物内へのドナープラスミドの組み込みを確認する。したがって、ETIP遺伝子座は、ドナーポリヌクレオチド配列の遺伝子標的組み込みのための部位特異的遺伝子座としての役割を果たす。
ジンクフィンガーヌクレアーゼおよびpDAS000271〜pDAS000275 ETIP構築物で形質転換させたETIPトランスジェニックカノーラの結果
ETIPおよびジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物の形質転換によって生じるトランスジェニックセイヨウアブラナ(Brassica napus)事象は、FAD3A遺伝子座内へのpDAS000273またはpDAS275からの、およびFAD3C遺伝子座へのpDAS000271、pDAS000272またはpDAS000274からのETIPポリヌクレオチド配列の単一コピー、完全長T鎖挿入物の組み込みをもたらす。4事象のうちの3事象を十分に特性評価し、組み込まれたETIPを含有することを確認する。その確認を、イン−アウトPCR増幅法を用いて完了し、サザンブロットによってさらに検証する。選択されたT事象をT生育期に成長させる。T植物を再スクリーニングして、組み込まれたT鎖の接合状態を判定する。スクリーングした事象をホモ接合性、ヘミ接合性またはヌルとカテゴリー分けする。
ホモ接合事象を用いて、前に説明した方法によりプロトプラストを生産する。その後、プロトプラストを、ETIP配列内に組み込まれているジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されているジンクフィンガーヌクレアーゼと、ETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミドとで共形質転換させる。ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ETIP遺伝子座を切断し、ドナープラスミドは、相同性指向型修復によってセイヨウアブラナ(Brassica napus)細胞のゲノム内に組み込まれる。ドナープラスミドの組み込みの結果として、部分DS−red導入遺伝子が完全長DS−red導入遺伝子に修復される。今や十分に作動可能なDS−red導入遺伝子の発現を用いて、FACS法でプロトプラスト細胞を選別する。推定トランスジェニック植物を、実施例7において説明するFACS法を用いて選別し、単離されたプロトプラストを成熟植物へと再生させる。分子確認法を用いて、ETIP標的化植物内へのドナープラスミドの組み込みを確認する。したがって、ETIP遺伝子座は、ドナーポリヌクレオチド配列の遺伝子標的組み込みのための部位特異的遺伝子座としての役割を果たす。
実施例7:プロトプラスト細胞のFACSベースの選別
DS−Red対照構築物、pDAS000031でトランスフェクトしたセイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラストを、BD Biosciences Influx−Cell sorter(商標)(カリフォルニア州サンノゼ)を使用してFACS媒介細胞選別により選別した。実施例3において説明したように、プロトプラスト細胞を単離し、トランスフェクトした。細胞をpDAS000031でトランスフェクトした後、表23に記載する条件で前記FACS選別装置を使用して細胞を選別した。
DS−red導入遺伝子を発現するプロトプラストを選別し、単離した。FACS単離プロトプラストを、前記選別装置を使用してカウントした。約1x10から1.8x10個の細胞をFACS単離後第1日に24ウェルマイクロタイタープレートのウェルに入れた。それらの細胞を5から20日間、ビーズ培地に移植した。約1x10個の細胞をFACS単離後第2日に2または4ウェルマイクロタイタープレートのウェルに入れる類似の条件を試験した。試験した様々な条件は、単離した全プロトプラスト細胞の生存率または95〜98%での細胞の回収をもたらした。FACS選別プロトプラスト細胞を3〜20日間、ビーズ培地に移植した。FACS選別プロトプラスト細胞を、1.5mg/mLのヒグロマイシンを含有する培地で、上記プロトコルを用いて植物に再生させた。それらの推定トランスジェニック植物がpDAS000031からのインタクトT鎖インサートを含有することを分子確認プロトコルによって確認した。
DS−REDのZFN媒介相同組換えでのETIP系統の標的化
pDAS000036からのT鎖インサートを含有するカノーラ系統を得、T鎖の完全長、単一コピーを含有することを分子特性評価によって確認した。このカノーラ事象をpDAS000036−88と名づけ、前に説明した方法によってプロトプラストを生産するために用いた。それらのプロトプラストを単離し、その後、約50,000のカノーラプロトプラスト細胞を、ETIP配列内に組み込まれたジンクフィンガー結合部位を標的にするように設計されたジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074(図25)またはpDAS000075(図26)いずれかと、ETIPの特定の領域と相同性を共有するドナープラスミドpDAS000064、pDAS000068、pDAS000070またはpDAS000072(それぞれ図27、図28、図29および図30)とで共形質転換させた。図19および図20は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介相同組換えによりDs−red導入遺伝子の部位特異的組み込みをもたらす相同性指向型修復の実例を提供する。前記ジンクフィンガーヌクレアーゼを、ETIP遺伝子座を被定義ジンクフィンガー結合配列で切断し、それによってそのゲノム内に二本鎖破断を生じさせるように設計した。次に、ドナープラスミドをセイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラスト細胞のゲノム内に相同性指向型修復によって組み込んだ。ドナープラスミドのイントロン−1およびイントロン−2領域は、ETIP遺伝子座の対応するイントロン−1およびイントロン−2領域と相同性を共有する。ドナープラスミドの組み込みの結果として、部分DS−red導入遺伝子は、完全長、高発現性DS−red導入遺伝子に修復された。その十分に作動可能なDS−red導入遺伝子を使用して、上記FACS法でプロトプラスト細胞を選別した。したがって、ETIP遺伝子座は、ドナーポリヌクレオチド配列の標的組み込みのための特異的遺伝子座としての役割を果たす。最後に、単離されたプロトプラストを選別し、成熟植物へと再生させることができる。分子確認法を用いてETIP標的化植物内へのドナープラスミドの組み込みを確認することができる。
ドナープラスミドDNAとZFNプラスミドDNAを様々な濃度で混合し、それらを使用して事象pDAS000036−88を有するカノーラプロトプラスト細胞をトランスフェクトし、前に説明したFACSトランスフェクションを用いてトランスジェニックプロトプラスト細胞を選別した。表24は、様々なトランスフェクション実験、および事象pDAS000036−88を有するカノーラプロトプラストのトランスフェクションに使用したDNA濃度を記載するものである。ZFNおよびドナープラスミドDNAを単離し、前に説明した方法によってトランスフェクションのために調製した。
トランスフェクション実験を完了した後、プロトプラストを室温で48時間、恒温放置し、上記FACSプロトコルを用いて選別した。各実験を独立して選別し、導入遺伝子のジンクフィンガー媒介遺伝子移入を、DS−red導入遺伝子を発現する個々の事象の同定によって確認した。図21〜24は、FACS選別の結果を示す。グラフに図示する結果が示すように、インタクトな十分に組み込まれたDS−red導入遺伝子を含有する複数の事象が生じた。これらの複数のDs−Red事象は、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みの結果であった。この部位特異的組み込みは、Ds−Red導入遺伝子の高発現性、完全コピーをもたらした。Ds−Red導入遺伝子発現の頻度は、全カノーラプロトプラスト細胞(約50,000)の約0.03〜0.07%の範囲であった。しかし、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みについてのトランスフェクション効率の頻度のほうがはるかに高く、約0.07〜0.64%の範囲であった。
図21は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000064およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を26μg対4μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.22〜0.07%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000064およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を26μg対4μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.26〜0.08%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光(flouresence)を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図22は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000068およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.03%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.22〜0.07%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000068およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.04%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.38〜0.12%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光(flouresence)を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図23は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000070およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.07%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.64〜0.21%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000070およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.04%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.34〜0.11%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光(flouresence)を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
図24は、ドナープラスミドおよびZFNプラスミドを共形質転換させたトランスフェクションの結果を示す。ドナー、pDAS000072およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000074を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた上のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.07%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらのプロトプラスト細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.62〜0.20%の範囲である。同様に、ドナー、pDAS000072およびジンクフィンガーヌクレアーゼ、pDAS000075を28μg対2μgのプラスミドDNA比で共形質転換させた下のグラフは、約50,000カノーラプロトプラスト細胞の約0.05%の組換え頻度でのETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込みという結果になった。実際には、組換え頻度は、はるかに高い。トランスフェクション実験中に得られた約50,000カノーラプロトプラスト細胞については、これらの細胞の約10〜30%しか実際に形質転換されない。したがって、ETIPゲノム遺伝子座内へのドナーDNA構築物の実際のジンクフィンガーヌクレアーゼ媒介組み込み、トランスフェクション効率は、約0.44〜0.14%の範囲である。ジンクフィンガー媒介相同性指向型修復のこれらの結果は、図20に示すように、約50,000のうちの1つのプロトプラストしか赤色蛍光を有さず、その結果、0.00%の組換え頻度となったことが確認された陰性対照実験より、有意に大きい。
FACS選別法を任意の蛍光導入遺伝子配列のスクリーニングに直接利用することができ、FACS選別法を用いて、ゲノム遺伝子座内のETIP領域の特定の部位内で相同性媒介修復により蛍光導入遺伝子で標的化されるセイヨウアブラナ(Brassica napus)プロトプラスト細胞のある一定の割合を単離する。
実施例8:追加のETIP設計
植物形質転換ベクターの構築
Gateway(登録商標)(INVITROGEN)エントリーおよびディスティネーションベクターを標準分子クローニング法によって構築し、それらを使用して最終発現ベクターを生成した。エントリーベクター(pDAB105852)は、RB7 MAR配列(Hall et al., 1991)およびeZFN4結合部位v1(米国特許出願公開第20110191899号明細書)を含んだ。もう1つのエントリーベクター(pDAB105853)は、イネユビキチン3(OsUbi3)プロモーターを含む発現カセット(Sivamani, E., Qu, R., (2006) PlantMolecular Biology 60; 225-239)、ST−LS1(Vancanneyt, G., (1990) Mol Gen Genet. 220; 245-50)イントロンを含有する黄色蛍光タンパク質(Phi YFP)マーカー遺伝子コード領域(Shagin, D. A., (2004) Mol Biol Evol. 21;841-50)(Evrogen、ロシア、モスクワ)、続いてトウモロコシペルオキシダーゼ5遺伝子からの3’非翻訳領域(UTR)を含む断片(ZmPer5 3’UTR v2;米国特許第6,699,984号明細書)、eZFN1結合部位、そして特別設計のランディングパッド(ELP1 HR2 v2)(米国特許出願公開第20110191899号明細書)を含んだ。さらなるエントリーベクター(pDAB105850)は、イントロン1を伴うトウモロコシユビキチン1プロモーターのコピー(ZmUbi1プロモーターv8)の制御下のCry34Ab1タンパク質コード領域(米国特許第8,273,535号明細書)(Christensen, A. H., Quail, P. H., (1996) Transgenic Research 5; 213-218; Christensen, A. H., (1992) Plant Molecular Biology 18; 675-689)、およびジャガイモからのStPinII 3’UTRを含む断片(An, G., (1989) Plant Cell. 1; 115-22)を含んだ。追加のエントリーベクター(pDAB105851)は、コムギペルオキシダーゼ(TaPer)プロモーター(Hertig, C., (1991) Plant Mol Biol. 16; 171-4) およびCry35Ab1(米国特許出願公開第20110191899号明細書)タンパク質コード領域、続いてジャガイモからのStPinII 3’UTRを含む断片を含んだ。
アグロバクテリウム媒介トウモロコシ胚形質転換のための形質転換/発現ベクターを、標準クローニング法と、代表的ディスティネーションバイナリーベクター(pDAB109805)および上で説明したようなエントリーベクターを利用するGateway(登録商標)組換え反応とを用いることによって構築した。バイナリーディスティネーションベクターpDAB109805は、本質的には米国特許第6,093,569号明細書に記載されているような、サトウキビ桿菌状ウイルス(SCBV)プロモーターの発現制御下の除草剤抵抗性遺伝子(アリールオキシアルカノエート(aryloxyalknoate)ジオキシゲナーゼ(AAD−1);(米国特許第7,838,733号明細書)を含んだ。トウモロコシリパーゼ遺伝子からの3’UTR(ZmLip 3’UTR、米国特許第7,179,902号明細書)を含む断片を使用して、AAD−1 mRNAの転写を終結させた。AAD−1の発現は、除草剤化合物、例えば、ハロキシホップおよびキザロホップに対する抵抗性を付与する。Gateway(登録商標)組換え反応を用いてエントリーベクターpDAB105852、pDAB105853、pDAB105850およびpDAB105851をディスティネーションベクターpDAB109805と組み換えて、発現ベクターpDAB105855(図36)を得、それを標的ベクターとして使用した。ETIPプラスミドpDAB105855は、T−DNAボーダー間にRB7 MAR配列/eZFN4結合部位v1、OsUbi3プロモーター/Phi YFP/ZmPer5 3’UTR v2/eZFN1結合部位/ELP1 HR2 v2、ZmUbi1プロモーターv8/Cry34Ab1 v2/StPinII 3’UTR v2、TaPerプロモーターv3/Cry35Ab1 v5/StPinII 3’UTR v2、SCBVv2/AAD−1v3/ZmLip 3’UTR v1を含む、標的DNA配列を含有する。pDAB105855プラスミドはETIPプラスミドであり、pDAB105855プラスミドをトウモロコシゲノム内への組み込みに使用した。
ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN1)ベクター(pDAB105941;図37)は、イントロン1を伴うトウモロコシユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーターv2)の発現下のZFN1コード配列、およびZmPer5 3’UTR v2を含んだ。ドナーベクター(pDAB112366;図38)は、イネユビキチン3(OsUbi3)のプロモーターを持たないイントロン(rubi3イントロン)、続いて除草剤抵抗性遺伝子(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT);Wehrmann et al. (1996) Nature Biotechnology 14: 1274-1278)、そしてZmLip 3’UTRを含有した。活性プロモーターのないこのドナー構成は、除草剤選択についてのPAT遺伝子のメッセージを生成しない。ドナーベクター内のそのZmLip 3’UTRに後にeZFN4およびeZFN8、そして米国特許出願公開第20110191899号明細書に記載されているようなELP1 HR2 v2が続く。ドナー(pDAB112366)中の5’rubi3イントロンおよび3’ELP1 HR2 v2配列を、標的(pDAB105855)との5’および3’相同性のために遺伝子標的化に使用して、その標的中のPhi YFP配列をドナーのPAT配列で正確に置換し、その結果、イネユビキチン3(OsUbi3)プロモーターによって駆動される機能性PATを得、それによって、遺伝子標的化のための陽性選択を生じさせる。
除草剤抵抗性遺伝子(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)を駆動するイネユビキチン3(OsUbi3)プロモーター、それに続くZmLip 3’UTRを含む陽性PAT対照ベクター(pDAB112364)を構築し、後続の実験で使用した。
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の形質転換
バイナリー発現ベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株DAt13192ターナリー(国際特許公開番号国際公開第2012016222号パンフレット)に形質転換させた。細菌コロニーを単離し、バイナリープラスミドDNAを単離し、制限酵素消化によって確認した。
アグロバクテリウム媒介形質転換
アグロバクテリウム媒介形質転換を用いて、上記導入遺伝子を植物ゲノムに安定的に組み込み、かくして、AAD−1を生産するトランスジェニックトウモロコシ細胞、組織および植物を産生した。スーパーバイナリーまたはバイナリー形質転換ベクターを利用するトウモロコシ形質転換法は、例えば国際PCT公開番号国際公開第2010/120452号パンフレットに記載されているように、当分野において公知である。形質転換組織を、ハロキシホップ含有培地またはビアラホス含有培地で成長するそれらの能力によって選択した。
アグロバクテリウム培養開始
プロジェクトベクターのグリセロールストックをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主株DAt13192(国際公開第第2012/016222号A2パンフレット)に供給した。アグロバクテリウム培養物をグリセロールストックからAB最少培地に画線し、20℃で、暗所で3日間、恒温放置し、これは、適切な抗生物質を含有した。その後、抗生物質を伴うYEP培地のプレートに培養物を画線し、20℃で、暗所で1日間、恒温放置した。
実験当日に、接種培地とアセトシリンゴンの混合物(Frame et al. (2011) Methods in Molecular Biology 710: 327-341)をその実験における構築物の数に適切な体積で調製し、滅菌、使い捨て、250mLフラスコにピペットで移した。接種培地は、次のものを含有した:2.2gm/L MS塩;1X ISU変性MSビタミン(Frame et al., 同書)68.4gm/L スクロース;36gm/L グルコース;115mg/L L−プロリン;および100mg/L ミオ−イノシトール;pH5.4で)。接種培地が入っているフラスコにアセトシリンゴンを100%ジメチルスルホキシド中の1Mストック溶液から200μMの最終濃度まで添加した。
構築物ごとに、YEPプレートからのアグロバクテリウムが一杯に詰まった1つまたは2つの接種ループを、滅菌、使い捨て、50mL遠心チューブ内の15mLの接種培地/アセトシリンゴン混合物に浮遊させ、550nmでのその溶液の光学密度(OD550)を分光光度計で測定した。その後、追加の接種培地/アセトシリンゴン混合物を使用してその浮遊液を0.3から0.4のOD550に希釈した。その後、そのアグロバクテリウム浮遊液チューブを室温で約75rpmに設定されたプラットフォームシェーカーに水平に配置し、使用前に1〜4時間、振盪した。
穂滅菌および胚単離
トウモロコシ(Zea mays)園芸品種B104から穂を温室で生産し、受粉の10から12日後に収穫した。収穫した穂を脱穀し、層流フード内で、市販用漂白剤(Ultra Clorox(登録商標)殺菌漂白剤、6.15%次亜塩素酸ナトリウム;2滴のTWEEN 20を含有)の20%溶液への20分間の浸漬によって表面滅菌し、その後、滅菌脱イオン水で3回すすいだ。未成熟接合胚(1.8から2.2mm長)を各穂から無菌的に切除し、2μLの10% BREAK−THRU(登録商標)S233界面活性剤(Evonik Industries;ドイツ、エッセン)を添加した2.0mLのアグロバクテリウム浮遊液が入っている1本以上のマイクロ遠心チューブに分配した。
アグロバクテリウム共培養
単離後、胚を5分間、揺動台に載せた。その後、4.33gm/L MS塩;1X ISU変性MSビタミン;30gm/L スクロース;700mg/L L−プロリン;KOH中の3.3mg/L ジカンバ(3,6−ジクロロ−o−アニス酸または3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸);100mg/L ミオ−イノシトール;100mg/L カゼイン酵素加水分解物;15mg/L AgNO;DMSO中の200μM アセトシリンゴン;および3gm/L 寒天(SIGMA−ALDRICH、植物細胞培養試験済み)を含有するpH5.8の共培養培地のプレート上に、前記チューブの内容物を注入した。その液体アグロバクテリウム浮遊液を滅菌、使い捨て、ホールピペットで除去し、胚が入っている共培養プレートを、蓋を少し開けて30分間、層流フードの奥に置き、その後、顕微鏡を使って滅菌ピンセットを使用して胚盤が上を向くように胚の方向を合わせた。プレートを、蓋を少し開けてさらに15分間、層流フードの奥に戻した。その後、プレートを閉じ、3M(商標)Micropore(商標)医療テープで密封し、おおよそ60μEm−2−1光度の連続光で25℃のインキュベーターの中に配置した。
カルス選択およびトランスジェニック事象の再生
共培養期間の後、4.33gm/L MS塩;1X ISU変性MSビタミン;30gm/L スクロース;700mg/L L−プロリン;KOH中の3.3mg/L ジカンバ;100mg/L ミオ−イノシトール;100mg/L カゼイン酵素加水分解物;15mg/L AgNO;0.5gm/L MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸・一水和物;PhytoTechnologies Labr.;カンザス州レネクサ);250mg/L セフォタキシム;および7.0gm/L 寒天から成るpH5.8の静止培地に胚を移植した。36以下の胚を各プレートに移した。プレートをMicropore(商標)テープでラップし、27℃で、50μmol m−2s−1 光度の連続光で、7から10日間、恒温放置した。その後、カルスを形成した胚(<18/プレート)を、休止培地(上記)だが、6.5gm/Lしか寒天を有さず、適宜、100nM R−ハロキシホップ酸(0.0362mg/L;AAD−1遺伝子を内部に持つ形質転換体の選択用)または5.0mg/L ビアラホス(PAT遺伝子を内部に持つ形質転換体の選択用)のいずれかを有する休止培地から成る、選択培地Iに移植した。ビアラホスは、Herbiance(Herbiace)(登録商標)として供給された。プレートをMicropore(商標)テープでラップし、27℃で、50μEm−2−1光度の連続光で、7日間、恒温放置した。その後、カルスを形成した胚(<12/プレート)を、休止培地(上記)だが、6.5gm/Lしか寒天を有さず、適宜、50nM R−ハロキシホップ酸(0.0181mg/L)または5.0mg/L ビアラホスのいずれかを有する休止培地から成る、選択培地IIに移植した。プレートをラップし、27℃で、50μEm−2−1光度の連続光で、14日間、恒温放置した。
この段階で、耐性カルス(<9/プレート)をプレ再生培地に移した。プレ再生培地は、pH5.8で;4.33gm/L MS塩;1X ISU変性MSビタミン;45gm/L スクロース;350mg/L L−プロリン;100mg/L ミオ−イノシトール;50mg/L カゼイン酵素加水分解物;1.0mg/L AgNO;0.5gm/L MES;NaOH中の0.5mg/L ナフタレン酢酸;エタノール中の2.5mg/L アブシジン酸;1mg/L 6−ベンジルアミノプリン;250mg/L セフォタキシム;5.5gm/L 寒天;および適宜、50nM R−ハロキシホップ酸または3.0mg/L ビアラホスのいずれかを含有した。プレートをラップし、27℃で、50μEm−2−1光度の連続光で、7日間、恒温放置した。その後、再生しているカルス(<6/プレート)をPhytatray(商標)(sigma−aldrich)内の再生培地に移植し、28℃で、1日に16時間昼/8時間夜で、おおよそ150μmol m−2s−1光度で、14日間または苗条が発生するまで恒温放置した。再生培地は、pH5.8で;4.33gm/L MS塩;1X ISU変性MSビタミン;60gm/L スクロース;0.50gm/L MES;125mg/L セフォタキシム;5.5gm/L 寒天;および適宜、50nM R−ハロキシホップ酸または3.0mg/L ビアラホスのいずれかを含有した。その後、一次根を有する小さい苗条を単離し、さらなる成長のために、選択のない伸長培地(すなわち、R−ハロキシホップ酸もビアラホスも有さない再生培地)に移植した。約6cmまたはそれ以上の丈の根付き小植物を土壌に移植し、寒さに慣れさせるために栽培箱に移した。
アッセイおよび種子生産のためのT植物の温室への移植および温室での苗立ち
ハロキシホップまたはビアラホスのいずれかを適宜含有する培地で成長するそれらの能力によって選択された形質転換植物組織を、Phytatrays(商標)から、生長培地(ProMix BX;Premier Tech Horticulture)を満たした小さな鉢(T.O.Plastics、3.5”SVD)に移植し、ヒューミドーム(humidome)(Arco Plastics Ltd.)をかぶせ、その後、成長室(28℃昼/24℃夜、16時間光周期、50〜70%RH、200μEm−2−1光度)で寒さに慣れさせた。植物がV3〜V4期に達したら、それらをSunshine Custom Blend 160混合土壌に移植し、温室(露光タイプ;光または同化;光の上限:1200PAR;16時間 日照時間;27℃昼/24℃夜)内で開花まで成長させた。導入遺伝子の相対コピー数を検出するように設計したプライマーを使用して定量的リアルタイムPCRアッセイにより推定トランスジェニック植物を導入遺伝子コピー数について解析し、進行に選択した単一コピー事象を5ガロン鉢に移植した。定期的に観察を行って、あらゆる異常表現型を追跡した。
粒子ボンバードメントのための温室でのT1S1ヘミ接合未成熟胚の生産
標的配列に対してトランスジェニックな植物に自家受粉させてT1種子を得た。そのT1種子を播き、qPCR法を用いて植物を標的導入遺伝子の接合状態について解析した。標的導入遺伝子対してホモ接合性の植物をさらに花粉生産に進めた。ホモ接合標的植物の花粉を使用してB104トウモロコシ植物を戻し交配して、T1S1ヘミ接合未成熟胚を得た。それらの未成熟胚を、ドナーおよびZFN1 DNAでの粒子ボンバードメントに使用して、遺伝子標的化を試験した。
微粒子ボンバードメントによるトウモロコシ未成熟胚の標的化
微粒子ボンバードメントの3日前に、1.5〜2.2mm胚を、表面滅菌した穂から単離し、2.5g/L Gelzan(Phytotechnology Laboratories、ケンタッキー州シャウニー・ミッション)で凝固させた、2.0mg/L 2,4−D、2.8g/L プロリン、30g/L スクロース、100mg/L カゼイン酵素加水分解物、100mg/L ミオ−イノシトールおよび4.25mg/L 硝酸銀を含有する、ビタミン入りN6基礎培地(Phytotechnology Laboratories、ケンタッキー州シャウニー・ミッション)上に(胚盤を上にして)配置した。微粒子ボンバードメントの4時間前に、約35〜40個の胚を、36.4g/L ソルビトールおよび36.4g/L マンニトールを添加した同じ培地が入っている100×15mm ペトリ皿の中央に(胚盤を上にして)配置した。
金微粒子(0.6マイクロメートル、BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)を、15mgを量り取って滅菌、シリコン処理1.7mLマイクロ遠心チューブ(Sigma−Aldrich、ミズーリ州セントルイス、T3406)に入れることにより、DNA沈殿用に調製し、500μLの氷冷100%エタノールをゆっくりと添加した。FS−14超音波水浴(Fisher Scientific、ペンシルバニア州ナザレ)での15秒の超音波処理後、30分間、室温で金を放置して沈降させ、その後、MiniSpin(Eppendorf、ニューヨーク州ホーポージ)を使用して60秒間、3,000rpmで遠心分離した。上清を除去した後、1mLの氷冷、滅菌水を添加し、ピペットで吸い上げ、吐き出して混合し、3〜5分間、放置して沈降させ、その後、60秒間、3,000で遠心分離した。洗浄工程をもう1回繰り返した後、金を500μLの氷冷、滅菌水に懸濁させた。その後、その洗浄した金を、別々の1.7mL滅菌、シリコン処理マイクロ遠心チューブに、チューブ間でピペットで吸い上げ、吐き出すことによって金を十分に混合された状態に保つように注意しながら等分した(チューブ1本につき50μL)。その後、その洗浄した金(50μLあたり約1.5mg)を必要になるまで−20℃で保管した。
DNA沈殿のために、50μLの水中の約1.5mgの金が入っている1本のチューブをボンバードする10標的ごとに解凍し、超音波水浴で15秒間、超音波処理し、その後、氷上に置いた。プラスミドDNA(0.6μg ZFN+4.4μg ドナー)を0.6mLマイクロ遠心チューブ(Fisher Scientific、ペンシルバニア州ナザレ)の中で予混し、金懸濁液に添加して、穏やかにピペットで数回吸い上げ、吐き出して入念に混合した。50マイクロリットル(50μL)の氷冷2.5M 塩化カルシウムを添加し、ピペットで数回吸い上げ、吐き出すことによって穏やかに混合した。その後、20マイクロリットル(20μL)の氷冷0.1M スペルミジンを添加し、ピペットで数回吸い上げ、吐き出すことによって穏やかに混合した。その後、チューブにキャップをし、Vortex Genie 2(Scientific Instruments Inc.、ニューヨーク州ボヘミア)上に配置し、(「シェーク2」に設定して)10分間混合させ、その後、混合物を3〜5分間、放置して沈降させた。15秒間、5,000rpmでの遠心分離後、上清を注意深く除去し、250μLの氷冷、100%エタノールを添加し、チューブにキャップをし、手で激しく混合してペレットを脱落させた。15秒間、5,000rpmでの第二の遠心分離後、120μLの氷冷、100%エタノールを添加し、チューブにキャップをし、手で激しく混合してペレットを脱落させた。
微粒子ボンバードメントのために、滅菌マクロキャリア(BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)をステンレス鋼ホルダー(BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)に取り付け、オートクレーブ処理した。10マイクロリットル(10μL)の金/DNA懸濁液を、必ずピペットで吸い上げ、吐き出して十分に混合された状態を保ちながら、マクロキャリアの中央に均等に塗布し、その後、140×25mm ガラスペトリ皿の中の8メッシュ Drierite(W.A Hammond Drierite Co.,オハイオ州ジーニア)床上の1枚の滅菌125mm Whatman #4濾紙(GE Healthcare、英国バキンガムシア)の上に配置した。その金/DNAを約10分間放置して完全に乾燥させた。ラプチャーディスク(650psi、BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)を、数分間イソプロピルアルコールに浸漬することによって滅菌し、その後、微粒子ボンバードメントデバイス(PDS−1000、BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)の保持キャップに装填した。オートクレーブ処理したストッピングスクリーン(BioRad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)および装填されたマクロキャリアを発射アセンブリ内に配置し、蓋を回して閉め、ノズルの真下のボンバードメントチャンバに滑り込ませた。スクリーンで覆われた葉標的が入っているペトリ皿の覆いをはずし、ノズルの6cm下のボンバードメントチャンバ内に配置した。真空を引き(−0.9bar)、デバイスを発射させた。
翌日(ボンバードメントの16〜20時間後)、ボンバードされた胚を、2.0mg/L 2,4−D、2.8g/L プロリン、30g/L スクロース、100mg/L カゼイン酵素加水分解物、100mg/L ミオ−イノシトールを含有する、ビタミン入りN6基礎培地(phytotechnology Laboratories、ケンタッキー州シャウニー・ミッション)に(胚盤を上にして)移植した。
陽性PAT対照ベクター(pDAB112364)を使用する粒子ボンバードメントのためのPAT最適化
PAT対照ベクター(pDAB112364)を使用して粒子ボンバードしたトウモロコシ胚についての組織培養条件を標準化した。ドナーベクター(pDAB112366)を、ZFN1ベクター(pDAB105941)とともにおよびなしで潜在的バックグラウンド選択について試験した。下の表25に示すように、PAT対照ベクター(pDAB112364)を使用して9%の形質転換頻度を得た。このデータは、イネユビキチン3(OsUbi3)プロモーターがPAT遺伝子の強い発現を駆動して、トウモロコシB104未成熟胚の粒子ボンバードメントを用いる植物形質転換についての選択を達成することを示す。ZFN1ベクター(pDAB105941)とともにまたはなしでドナーベクター(pDAB112366)を使用してボンバードした未成熟胚については、非常に少数(1〜2)の植物がPAT選択培地で得られた。これらの結果は、上流プロモーターのないrubi3イントロンを含有するドナーベクター(pDAB112366)がPAT遺伝子についての形質転換選択をもたらさないことを確証する。
遺伝子標的化のためにドナーおよびZFN1を使用する、標的pDAB105855に対してトランスジェニックな未成熟胚の粒子ボンバードメント
標的pDAB105855に対してヘミ接合性の未成熟トウモロコシ胚を、ZFN1とドナーDNAのプレミックス(pDAB105941/112366)を使用する粒子ボンバードメントのために処理して、陽性PAT選択を用いる遺伝子標的化を達成した。表17は、その標的事象、および各事象に使用した胚の数を示す。PAT選択培地でうまく再生された植物の数も標的事象ごとに表26に示す。すべての事象をカバーする処理した13,563未成熟胚から合計68植物が再生された。PAT選択培地で得られた植物の少ない数が、非標的化ランダムPATドナー挿入物の大部分が排除されたことを実証する。
ETIP遺伝子標的化についてのPCR解析
QPCRを行って、PAT選択培地で再生された合計68植物のうちの67植物においてYFPおよびPATコード配列を検出した。結果を表27に要約する。表27が示すように、50植物は、qPCRアッセイを用いてPAT陽性であると判明したが、24植物は、YFPコード配列について陰性であった。このデータは、PAT選択で得られた17植物が逸脱植物であったこと、およびZFN1発現が少なくとも24植物において標的遺伝子座内のYFPを破壊したことを示唆する。
さらなる診断イン/アウトPCRを24のYFP陰性事象について行って、遺伝子標的化を測定した。5’イン/アウトPCRは、標的、すなわち、OsUbi3プロモーターにアニールするDNA特異的5’オリゴと、PATコード配列にアニールする3’オリゴとを利用して、1838bpの予想PCR産物を得る。この予想PCR産物が、標的遺伝子座の5’への正確な遺伝子標的化を支持することになる。PCR結果は、予想1838bp産物が21事象において増幅されたことを確証した。
類似の3’イン/アウトPCRを行った。この方法は、PATコード配列にアニールするドナーDNA特異的5’オリゴと、ZmUbi1プロモーター配列にアニールするドナーDNA特異的3’オリゴとを利用して、2184bpの予想PCR産物を得る。この予想PCR産物が、標的遺伝子座の3’への正確な遺伝子標的化を支持することになる。PCR結果は、2184bpの予想アンプリコンが16事象において生産されたことを確証した。
標的遺伝子座の5’および3’両方についてのイン/アウトPCRデータを表28に要約する。このデータは、15事象が予想PCR産物をもたらしたことを明示し、これは、全PAT陽性再生植物からの約30%遺伝子標的化頻度を示す。
遺伝子標的化についてのサザンブロット解析
サザンブロット解析を用いる標的事象の特性評価は、事象#12における標的導入遺伝子の短縮を明示した。合計12事象をサザンブロッティングについて解析した。そのデータは、予想バンドパターンが5植物(3 事象#12について、および2 他の事象)において同定されたことを確証した。これらの結果は、ゲノム内に組み込まれたETIP構築物をその後ドナー配列で再び標的化することができること、およびETIPが標的化プラットフォームとして役立つことができることを示した。図39は、遺伝子発現カセットを含有するドナーポリヌクレオチドの標的化のためのゲノム内に組み込まれたETIP部位の使用についての概略図を提供するものである。このスキームに示されているように、ドナーは、ETIP遺伝子座内への組み込みが起こると誘導遺伝子を発現することができる。ドナーポリヌクレオチドのランダム組み込みは、ドナーポリヌクレオチドがゲノム内にランダムに組み込まれたときに発現を駆動することができるプロモーター要素がないので、導入遺伝子の発現をもたらさない。ETIP部位内へのドナーの標的化は、機能性マーカー遺伝子をもたらし、それを検出することができ、またはそれについて選択することができる。
ある一定の例示的実施形態を本明細書において説明したが、後続のクレームの範囲を逸脱することなくそれらの例示的実施形態に多くの追加、削除および変更を加えてもよいことは、通常の当量者には認められ、理解されるであろう。加えて、1つの実施形態の特徴を別の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。

Claims (21)

  1. トランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、
    ドナー核酸分子および部位特異的ヌクレアーゼをコードする核酸分子で植物細胞を形質転換させる工程を含み、
    前記植物細胞が、前記植物細胞のゲノムDNA中の部位に組み込まれたポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが、5’から3’の方向に、
    第一のプロモーター、
    第一の機能的マーカー遺伝子の第一の非機能的断片、
    前記部位特異的ヌクレアーゼのための少なくとも1つの認識部位、および
    第二の機能的マーカー遺伝子の第二の非機能的断片であって、前記第一のプロモーターが、前記第一の機能的マーカー遺伝子の前記第一の非機能的断片に対して作動可能に結合している、第二の非機能的断片を含み、
    前記ドナー核酸分子が、5’から3’の方向に前記第一の機能的マーカー遺伝子の第二の断片、目的のヌクレオチド配列、第二のプロモーター、および前記第二の機能的マーカー遺伝子の第一の断片を含むドナーポリヌクレオチドを含み、前記第二のプロモーターが、前記第二の機能的マーカー遺伝子の前記第一の断片に作動可能に連結しており、
    それにより、前記部位特異的ヌクレオチドを発現して、前記植物細胞の前記ゲノムDNA中に前記部位特異的ヌクレアーゼの前記認識部位において二本鎖破断を導入し、前記二本鎖破断の修復が前記部位での前記ドナーポリヌクレオチドの組み込みを生じて前記トランスジェニック植物細胞を生産し、
    前記トランスジェニック植物細胞が、前記部位で、5’から3’の方向に、
    前記第一のプロモーター、
    前記第一の機能的マーカー遺伝子、
    前記目的のヌクレオチド配列、
    前記第二のプロモーター、および
    前記第二の機能的マーカー遺伝子を含み、ここで、前記第一のプロモーターが、前記第一の機能的マーカー遺伝子に作動可能に連結しており、前記第二のプロモーターが、前記第二の機能的マーカー遺伝子に作動可能に連結している、方法。
  2. 前記植物細胞のゲノムDNA中の前記部位に組み込まれたポリヌクレオチドが、5’から3’の方向に、
    前記第一のマーカー遺伝子の前記第一の断片、
    第一の相同アームヌクレオチド配列、
    前記部位特異的ヌクレアーゼのための前記認識部位、
    第二の相同アームヌクレオチド配列、および
    前記第二のマーカー遺伝子の前記第二の断片を含み、前記ドナーポリヌクレオチドが、5’から3’の方向に、
    前記第一の相同アームヌクレオチド配列、
    前記第一のマーカー遺伝子の前記第二の断片、
    前記目的のヌクレオチド配列、
    前記第二のマーカー遺伝子の前記第一の断片、および
    前記第二の相同アームヌクレオチド配列を含み、前記ドナーポリヌクレオチドが、相同性依存的二本鎖破断修復機構により前記部位で組み込まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一または第二の相同アームヌクレオチド配列が、イントロンである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第一および第二の相同アームヌクレオチド配列が、50%未満の配列同一性を共有する、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第一および第二相同アームヌクレオチド配列が、50bpから3kbpの長さである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記植物細胞が、植物組織、または植物全体中に含まれる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記目的のヌクレオチド配列が、遺伝子発現カセットを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記遺伝子発現カセットが、少なくとも1つの導入遺伝子を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記導入遺伝子が、虫害抵抗性導入遺伝子、除草剤抵抗性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合タンパク質をコードする導入遺伝子および選択可能マーカーをコードする導入遺伝子から成る群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメインと切断ドメインまたは切断ハーフドメインとを含む融合タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記DNA結合ドメインが、メガヌクレアーゼDNA結合ドメイン、RNA誘導性CRISPR−Cas9 DNA結合ドメイン、ロイシンジッパーDNA結合ドメイン、転写活性化因子様(TAL)DNA結合ドメイン、リコンビナーゼからのDNA結合ドメイン、ジンクフィンガータンパク質DNA結合ドメイン、およびそれらのキメラ的組み合わせから成る群より選択され、
    前記切断ドメインまたは切断ハーフドメインが、IIS型制限部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、FokI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、StsI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、およびホーミング部位特異的ヌクレアーゼからなる群から選択される、、請求項10に記載の方法。
  12. 前記DNA結合ドメインが、ジンクフィンガーDNA結合ドメインである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記切断ドメインまたは切断ハーフドメインが、IIS型制限部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、FokI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメイン、およびStsI部位特異的ヌクレアーゼからの切断ハーフドメインから成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記トランスジェニック植物細胞において前記第一の機能的マーカー遺伝子の発現をスクリーニングする工程、または前記第二の機能的マーカー遺伝子の発現をスクリーニングする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記第一の機能的マーカー遺伝子および前記第二の機能的マーカー遺伝子の発現をスクリーニングする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第一の機能的マーカー遺伝子または第二の機能的マーカー遺伝子が、PMI、YFP、Xyl(A)、RFP、DSR、GFP、GUS、NPTII、AAD−1、AAD−12、AHAS、PAT、HPH、およびBARから成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記トランスジェニック植物細胞を、フローサイトメトリーを利用して単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第一および第二の相同アームヌクレオチド配列がイントロンである、請求項2に記載の方法。
  19. 前記トランスジェニック植物細胞からトランスジェニック植物組織またはトランスジェニック植物を再生する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記スクリーニングが、蛍光活性化細胞選別(FACS)を利用する、請求項1に記載の方法。
  21. 前記植物細胞の前記ゲノムDNA中の前記部位が、
    配列番号431および配列番号432、
    配列番号433および配列番号434、
    配列番号435および配列番号436、
    配列番号437および配列番号438、
    配列番号439および配列番号440、
    配列番号441および配列番号442、
    配列番号443および配列番号444、または
    配列番号445および配列番号446を含む、請求項1に記載の方法。
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