JP6505106B2 - 石油産出の方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中の石油鉱床から石油を産出する方法であって、少なくとも1種の水溶性の疎水性会合コポリマーを含む水性配合物が、少なくとも1つの注入井を介して20℃〜120℃の鉱床温度を有する石油鉱床に注入され、原油が少なくとも1つの採掘井を介して鉱床から採掘され、該水溶性コポリマーが、少なくともアクリルアミドおよび/またはその誘導体、ならびに少なくとも2種の両親媒性マクロモノマーを含む混合物を含む、方法に関する。
天然の石油鉱床では、石油は、重なった不浸透性層によって地球の表面に封入されている多孔質の貯蔵岩の空洞に存在している。この空洞は、非常に細かい空洞、毛管、空隙などである場合がある。微細空隙岩けいは、例えば、わずか約1μmの直径しか有していないことがある。天然ガスのフラクションを含めた石油のみならず、鉱床は一般に、多少なりとも塩を含有する水も含む。
石油鉱床が十分な自己圧を有する場合、鉱床にドリルを開始した後、自己圧のために、石油は、井戸から自発的に表面に流れ始める(一次石油産出)。しかし、十分な自己圧が最初は存在している場合でさえも、鉱床の自己圧は一般に、石油採掘の経過中に比較的急速に低下し、その結果、通常、鉱床の種類に応じて、鉱床中に存在している石油の量のわずか少量しかこの方法で産出することができない。
したがって、一次産出量が減少した場合、公知の方法は、採掘井と呼ばれる石油の産出に役立つ井戸に加えて、さらなる井戸を介して石油含有地層にドリルをすることである。これらのいわゆる注入井を介して、圧力を維持するか、または圧力を再度高めるために、鉱床に水が注入される。地層中の空洞を介して石油に水を強制的に注入し、注入井から採掘井の方向に徐々に進行させる。この技法は、水攻法として知られており、二次石油産出と呼ばれる技法の1つである。しかし、水攻法では、可動水が地層を均一に流れることで油が流通するところ、そのように均一に流れず、油を流通させることなく、特に低い流れ抵抗を有する経路に沿って注入井から採掘井に流れることになる一方で、高い流れ抵抗を有する地層の領域を介する流れは、あるとしてもごくわずかしか存在しない、というリスクが常に存在する。これは、採掘井を介して産出される水の割合が、さらに一層増加するということとは区別される。一次および二次産出により、一般に、鉱床中に存在する石油のせいぜい約30〜35%の量しか産出することができない。
経済的に実現可能な産出が不可能な場合、または一次もしくは二次石油産出によりもはや不可能となる場合、油の収量を増加するための公知の方法は、三次石油産出(「石油増進回収法(EOR)」としても知られている)に関する技法を使用することである。三次石油産出は、界面活性剤および/またはポリマーなどの適切な化学品が補助剤として油産出に使用される方法を含む。化学品を使用する三次オイル産出の概説は、例えば、D.G.Kesselによる論文であるJournal of Petroleum Science and Engineering、2巻(1989年)81〜101頁に見いだすことができる。
三次石油産出の技法には、「ポリマー圧入法」と呼ばれるものが含まれる。ポリマー圧入法は、増粘性ポリマーの水溶液を注入井を介して石油鉱床に注入することを含み、該ポリマー水溶液の粘度が、石油の粘度に一致する。ポリマー溶液の注入によって、水攻法の場合と同様に、石油は、注入井から地層中の前記空洞を強制的に通されて採掘井の方向に向かい、石油が採掘井から産出される。石油とほぼ同じ粘度を有するポリマー配合物のおかげで、ポリマー層がなんの効果もともなわずに採掘井を突き破ってしまうリスクが低減する。したがって、石油が、可動な水が使用される場合よりも、かなり一層均一に流通され、追加的な石油が地層中で可動化され得る。ポリマー圧入法およびこの目的に適切なポリマーの詳細は、例えば、「Petroleum,Enhanced Oil Recovery,Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology,Online Edition、John Wiley&Sons、2010年」に開示されている。
公知方法は、ポリマー圧入法のための疎水性会合コポリマーを使用することである。「疎水性会合コポリマー」は、外側または末端疎水性基、例えば、比較的長いアルキル鎖を有する水溶性ポリマーを意味することが、当業者によって理解される。水溶液では、この種の疎水性基は、相互に、または疎水性基を有する他の物質と会合することができる。これは、(追加的な)増粘作用を引き起こす会合性網目構造を形成する。三次石油産出のための疎水性会合コポリマーの使用の詳細は、例えば、Taylor,K.C.およびNasr−El−Din,H.A.による総説である、J.Petr.Sci.Eng.1998年、19巻、265〜280頁において記載されている。
WO85/03510A1は、800000g/mol〜3百万g/molの質量平均分子量Mを有する水溶性の疎水性会合コポリマー、および三次石油産出のためにそれを使用する方法を開示している。このコポリマーは、アクリルアミド40〜99.9mol%、アクリル酸0〜50mol%、およびマクロモノマーHC=CH−COO−(EO)5〜40−R(EOは、エチレンオキシ基を表し、Rは8〜16個の炭素原子を有するアルキルラジカルである)0.1〜10mol%を含む。
WO2006/002936A1は、(メタ)アクリルアミド、スルホ基により修飾されている(メタ)アクリルアミド、例えばATBS、およびポリアルコキシ基を含むアリルエーテルまたはアクリレートからなる水溶性コポリマーを開示している。このポリアルコキシ基は、10〜40個の炭素原子を有する末端ヒドロカルビル基を含んでもよい。この文献はさらに、水性建築材料系、例えばセメント、石灰または石膏向けの添加物として、こうしたコポリマーを使用する方法を開示している。
WO2010/133527A2は、疎水性会合コポリマー、および三次石油産出用にそれを使用する方法を開示している。このコポリマーは、親水性モノエチレン性不飽和モノマー(例えばアクリルアミドまたはアクリル酸)を25〜99.9質量%、および一般式HC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜15R‘(EOはエチレンオキシ基を表し、AOは少なくとも4個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基を表し、Rは連結基であり、R’は、H、または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルである)である少なくとも1種のマクロモノマーを0.1〜20質量%含む。WO2011/015520A1は、界面活性剤の存在下、水溶液中での重合により、この種の疎水性会合コポリマーを製造する方法を開示している。
WO2012/069477A1は、35〜120℃、好ましくは40℃〜90℃の鉱床温度を有する石油地層から三次石油を産出する方法であって、上記のマクロモノマーHC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜15R‘を0.1〜15質量%、ならびにアクリルアミドまたはアクリルアミド誘導体、およびCOOH、SOHもしくはPO基を有するモノエチレン性不飽和モノマーを85〜99.9質量%含む疎水性会合コポリマーが使用される、方法を開示している。EO、AO、RおよびR’は、それぞれ、上記で定義されている通りである。このコポリマーの質量平均分子量Mは、1百万〜3百万g/molである。特に好ましいのは、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)および前記マクロモノマーを含むコポリマーである。
WO2012/069478A1は、WO2012/069477A1によって記載されているコポリマーが使用される、三次石油産出方法を開示している。使用される配合物は、少なくとも5mPasの粘度を有しており、少なくとも30000s−1のせん断速度で地層に注入される。
我々の以前の欧州出願WO2014/095608A1は、マクロモノマーHC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜25(EO)0〜15R‘(EOはエチレンオキシ基を表し、AOは少なくとも4個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基を表し、Rは連結基であり、R’は、H、または1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルである)を製造する方法を開示している。この方法では、アルコールHC=CH−R−OHは、KOMeおよび/またはNaOMeを含む塩基性触媒を使用して、エトキシ化およびアルコキシ化され、このアルキレンオキシドによるアルコキシ化は、135℃以下の温度で行われ、Kイオンの量は、該アルコールに対して0.9mol%以下である。これにより、特に架橋副生成物の割合が低い、マクロモノマーが得られる。この出願はさらに、この方法により得ることができるマクロモノマー、該マクロモノマーを含むコポリマー、および油田に適用するためにそれを使用する方法を開示している。
我々の以前の欧州出願WO2014/095621A1は、少なくとも1種の親水性モノマー(例えばアクリルアミドおよび/またはアクリル酸)を25〜99.9質量%、および少なくとも1種のマクロモノマーHC=CH−R−O−(EO)23〜26(CHCH(R‘‘))8.5〜17.25(EO)0〜15R‘(EOはエチレンオキシ基を表し、Rは連結基であり、R’は、H、または1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルであり、R”は、少なくとも2個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルであり、但し、R”ラジカルすべてにおける炭素原子の合計は、25.5〜34.5である)を0.1〜20質量%含む疎水性会合コポリマーを開示している。このマクロモノマーは、WO2014/095608A1において記載されている方法により得られ、この重合は、重合不可能な表面活性剤である構成成分の存在下で行われる。WO2014/095621A1はさらに、三次石油産出のために、この種のコポリマーを使用する方法を開示しているが、EOR法の詳細はなんら開示していない。特に架橋副生成物の割合が低いマクロモノマーの使用のために、ゲルを非常に低含有量で有するコポリマーが得られる。
ポリマー圧入法は、工業規模の方法である。使用されるポリマーは、希釈溶液としてしか使用されないが、1日あたり注入される分量は多く、この注入は、通常、数カ月から最大数年にわたって継続される。平均的な油田に対するポリマーの要求量は、1年あたり5000〜10000tのポリマーとなる可能性がかなり高い。経済的に実現可能な方法のためには、最大粘度効率、すなわち1モルあたりの粘度がかなり重要である。粘度効率がわずかに改善されただけで、経済的な実現性に大幅な改善をもたらすことができる。
WO2012/069477A1による、マクロモノマーHC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜15R‘を有する会合コポリマーの水溶液は、温度の関数としての特徴的な粘度プロファイルを有する。本出願の図1aおよび1bはそれぞれ、様々なコポリマーの水溶液の粘度、具体的には、2種の市販の非会合コポリマー、すなわち、アクリルアミド約50質量%およびナトリウム−ATBS(コポリマーV3)(ATBS=2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)約50質量%からなるコポリマー、アクリルアミド75mol%およびアクリル酸ナトリウム(コポリマーV4)25mol%からなるコポリマー、ならびにさらには、アクリルアミド約50質量%、ナトリウム−ATBS約48質量%、および前記マクロモノマー(コポリマーV1)2質量%からなる会合コポリマーの粘度が温度に依存することを示している。2種の市販の非会合コポリマーの場合には、温度が上昇するにつれて、粘度が低下する。会合コポリマーの場合には、水溶液の粘度は、始めはかなり増加し、約60℃で最大値を通過し、その後再度低下する。すなわち、WO2012/069477A1による会合コポリマーの水溶液は、60℃の領域において高い粘度効率を有しており、したがって、約60℃の鉱床温度を有する鉱床において、ポリマー圧入法の経済的に実現可能な履行を可能にする。
WO85/03510A1 WO2006/002936A1 WO2010/133527A2 WO2011/015520A1 WO2012/069477A1 WO2012/069478A1 WO2014/095608A1 WO2014/095621A1
D.G.Kessel、Journal of Petroleum Science and Engineering、2巻(1989年)81〜101頁 Petroleum,Enhanced Oil Recovery,Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology,Online Edition、John Wiley&Sons、2010年 Taylor,K.C.、Nasr−El−Din,H.A.、J.Petr.Sci.Eng.1998年、19巻、265〜280頁
しかし、さらに高い鉱床温度を有する鉱床が存在する。こうした鉱床に記載されているコポリマーを使用するポリマー圧入法の場合、粘度効率が悪化する。したがって、一層高い鉱床温度でさえも、高い粘度効率を伴って使用することができる、増粘性コポリマーが利用可能であることが望ましいと思われる。
アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムコポリマーを改善する、非常に具体的な必要性が存在する。スルホ基を含むコポリマー、例えば、ATBSを含むコポリマーは、塩水環境において使用すると、非常に特定すると、高塩分濃度環境において使用すると、アクリル酸を含むコポリマーよりもかなり高い粘度を有する。したがって、真に技術的な視点から見ると、ATBSを含むコポリマーはアクリル酸を含むものが好ましい。しかし、不利なことに、ATBSモノマーはアクリル酸よりはるかに高価である。したがって、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムコポリマーは、ポリマー圧入法では経済的理由のため、少なくとも塩分濃度が高すぎない鉱床においてやはり使用されることが多い。したがって、粘度効率が明確に改善されたアクリルアミド−アクリル酸ナトリウムタイプの増粘性ポリマーが利用可能であることが望ましいと思われる。
したがって、本発明の目的は、ポリマー圧入法において使用するための増粘性ポリマーの改善をもたらすことであった。
したがって、少なくとも1種の増粘性水溶性コポリマー(P)を含む水性配合物を少なくとも1つの注入井から石油鉱床に注入し、少なくとも1つの採掘井を介して鉱床から原油を採掘する、地中の石油鉱床から石油を産出するための方法であって、前記水溶性コポリマー(P)が、少なくとも、
(A)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)を30〜99.99質量%、および
(B)モノエチレン性不飽和基ならびに親水性基および疎水性基を少なくとも含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和マクロモノマー(B)を0.01〜15質量%
含み、
少なくとも1種のマクロモノマー(B)が、一般式
(B1) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−[−(RO)(RO)]−H (I)、および
(B2) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H (II)
であるマクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物であり、
これらのモノマーの記載量がそれぞれ、コポリマー(P)中のすべてのモノマーの総量に対するものであり、マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対する(B1)のモル比Xが0.1〜0.99であり、式中、ラジカルおよび添え字はそれぞれ、
: Hまたはメチル、
: 単結合または二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)、
: 独立して、エチレン基−CHCH−、1,2−プロピレン基またはアルキレン基R(但し、Rラジカルの少なくとも90mol%はエチレン基であることを条件とする)、
:独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびRラジカルは、それぞれ独立して、H、または1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカルであり、但し、全ラジカルがHとなることはなく、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は2〜8個であることを条件とする)、
エチレン基−CHCH−、
a 10〜35の数、
b 5〜30の数、
c 0〜2の数、
d 1〜15の数、
定義されている)、
と定義され、
さらに、
・ コポリマーが、110g/mol〜3010g/molの質量平均分子量Mを有しており、
・ 水性配合物中のコポリマーの量が、0.02〜2質量%であり、
・ 石油鉱床の温度が20℃〜120℃である、
方法が見いだされた。
本発明の一実施形態では、−SOH基を含むモノマーをさらに含むコポリマーが使用される。
本発明の一実施形態では、−COOH基を含むモノマーをさらに含むコポリマーが使用される。
本発明の一実施形態では、−SOH基および−COOH基を含むモノマーをさらに含むコポリマーが使用される。
驚くべきことに、マクロモノマー(B1)中の短い末端ポリ(エチレンオキシド/アルキレンオキシド)ブロックは、水溶液中のコポリマーの会合を著しく弱めることはせず、むしろ、それどころか、三次石油産出に特に良好な適合性を示す、改善された特性プロファイルを有するコポリマーにするということが見いだされた。
本発明の第2の態様では、上記の組成物の水溶性コポリマー(P)が見いだされた。
本発明の第3の態様では、こうしたコポリマー(P)を製造する方法が見いだされた。
本発明について、以下に具体的に述べる。
水溶性コポリマー(P)
石油産出のための本発明による方法の場合、少なくとも1種の増粘性水溶性コポリマー(P)の水性配合物が使用され、注入井から石油鉱床に注入され、原油が少なくとも1つの採掘井を介して鉱床から採掘される。この種の方法もやはり、「ポリマー圧入法」と呼ばれる。
本発明のコポリマー(P)、または本発明により使用されるコポリマー(P)は、疎水性会合コポリマーである。用語「疎水性会合コポリマー」は、原則として、当業者に公知である。これは、疎水性基および親水性分子部位を有する水溶性コポリマーを含む。水溶液では、疎水性基は、相互に、または分子間力に基づいて疎水性基を有する他の物質と会合することができる。これは分子間力によって連結したポリマー網目構造を生じ、この分子間力が、コポリマーの粘度向上作用を増強する。
理想的には、本発明により使用されるコポリマーは、任意の比で水と混和すべきである。しかし、コポリマーが、少なくとも所望の使用濃度および所望のpHで水溶性である場合、本発明には十分である。一般に、使用条件下、室温での水への溶解度は、少なくとも25g/lであるべきである。
本発明によれば、水溶性の疎水性会合コポリマーは、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)(好ましくはアクリルアミド)を30〜99.99質量%、ならびにモノエチレン性不飽和基および親水性基および疎水性基を含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和両親媒性マクロモノマー(B)を0.01〜15質量%含む。さらに、さらなるエチレン性不飽和モノマー、とりわけモノエチレン性不飽和モノマーが存在していることも、当然ながら可能である。
さらなるモノマーによって、水溶性コポリマーの特性を改変すること、および所望の最終使用にそれらのコポリマーを適合させることも可能である。当業者は、本ポリマーの所望の特性によるさらなるエチレン性不飽和モノマーに関して、適切な選択を行う。
さらなる、エチレン性不飽和モノマーは、とりわけ親水性モノエチレン性不飽和モノマー、好ましくは、少なくとも1つの酸性基またはその塩を含む親水性陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)、および少なくとも1つのアンモニウム基を含む親水性陽イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(D)からなる群から選択されるものである。
モノマー(A)
本発明によれば、本コポリマー(P)は、(A)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドまたはN−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)を含む。好ましいのは、(メタ)アクリルアミド、とりわけアクリルアミドである。様々なモノマー(A)の混合物を使用する場合、モノマー(A)の少なくとも50mol%は、(メタ)アクリルアミド、好ましくはアクリルアミドとすべきである。
本発明によれば、モノマー(A)の量は、コポリマー(P)中のモノマーすべての合計に対して30〜99.99質量%、好ましくは30〜99.9質量%、とりわけ35質量%〜99.5質量%、および例えば45〜99.5質量%である。
マクロモノマー(B)
本コポリマー(P)は、モノエチレン性不飽和基ならびに親水性基Yおよび疎水性基Zを含む、少なくとも1種の両親媒性のモノエチレン性不飽和マクロモノマー(B)を含む。任意に、スペーサーXもまた、モノエチレン性基とY基との間に存在していてもよい。本マクロモノマーBは、とりわけ、以下の構造:HC=C(R)−X−Y−ZまたはHC=C(R)−Y−Zを有してもよい。
本発明によれば、マクロモノマー(B)の少なくとも1つは、一般式
(B1) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−[−(RO)(RO)]−H (I)、および
(B2) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H (II)
であるマクロモノマー(B1)および(B2)を少なくとも含む混合物である。
これらの式(I)および(II)におけるラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下に定義されている通りである。
は、Hまたはメチル基、好ましくはHである。
は、単結合、または好ましくは、二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキレン基である)である。好ましくは、Rは直鎖状1,ω−アルキレン基−(CH−であり、kは1〜6、好ましくは3〜6、より好ましくは4である。
ラジカルは、それぞれ独立して、エチレン基−CHCH−、1,2−プロピレン基、−CHCH(CH)−または1,2−アルキレン基R(但し、Rラジカルの少なくとも90mol%はエチレン基であることを条件とする)である。好ましくは、Rラジカルの少なくとも95mol%は、エチレン基であり、Rラジカルは、最も好ましくは、もっぱらエチレン基である。したがって、−(RO)−は、エチレンオキシ基から本質的になるブロックであり、少量のより高級なアルキレンオキシ基をさらに任意に含み得る。
この添え字aは、10〜35、好ましくは15〜30、より好ましくは20〜28、および例えば23〜26の数である。
ラジカルは、それぞれ独立して、アルキレン基−CR−CR−(R、R、RおよびRラジカルは、それぞれ独立して、H、または1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカルであり、但し、全ラジカルがHとなることはなく、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は2〜8、好ましくは2または3であることを条件とする)である。これらのラジカルは、例えば、メチル、エチルまたはプロピルラジカルとすることができる。したがって、−(RO)−は、少なくとも4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基のブロックである。
本発明の一実施形態では、RラジカルのそれぞれにおけるR、R、RおよびRラジカルの2つまたは3つ、好ましくは3つは、Hである。一実施形態では、RラジカルのそれぞれにおけるR、R、RおよびRラジカルの2つまたは3つ、好ましくは3つは、Hであり、ここで、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は、各場合において、2または3である。
本発明の一実施形態では、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、ここで、−CRCR−単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%、より好ましくは少なくとも95mol%において、R、RおよびRはHであり、Rはエチルである。したがって、この実施形態では、−RO−は、ブチレンオキシ基、好ましくは、1,2−ブテンオキシドから本質的に誘導されるブチレンオキシ基を含む。
本発明の一実施形態では、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は、各場合において3であり、ここで、−CRCR−単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%、より好ましくは少なくとも95mol%において、R、RおよびRはHであり、Rはn−プロピルである。したがって、この実施形態では、−RO−は、ペンチレンオキシ基、より好ましくは、1,2−ペンテンオキシドから本質的に誘導されるペンチレンオキシ基を含む。
添え字bは、5〜30、とりわけ5〜25、好ましくは7〜25、より好ましくは8〜20、および例えば8〜18、または例えば12〜20の数である。
は、エチレン基−CHCH−である。
上記の式(I)では、−[(RO)(RO)]−は、上で定義されているエチレンオキシ単位−RO−および任意にアルキレンオキシ単位−RO−を含むアルキレンオキシドブロックであり、−RO−および−RO−単位は、一般に、ランダム配列しているが、ブロックまたは交互に配列していてもよい。
添え字cは、0〜2、とりわけ0〜1.5、例えば0.1〜1の数である。
添え字dは、1〜15、好ましくは1.5〜10、より好ましくは2〜5の数である。
式(I)において、−(RO)−、−(RO)−および−[(RO)(RO)]−基は、式(I)および式(II)に示されている配列にあり、−(RO)−および−(RO)−基は、式(II)に示されている配列にある。
ポリアルコキシレートの分野において、鎖長の分布はアルコキシ化で得られること、ならびに添え字a、b、cおよびdは、すべての分子全体にわたる平均値であることは、当業者に明らかである。したがって、添え字a、b、cおよびdは、自然数ではないが、有理数である。
マクロモノマー(B1)の場合、上記のことは、例えば、混合物中、c>0の値の場合でさえも、RO単位をなんら有していないマクロモノマーが存在する一方、他のマクロモノマー(B1)は1つの、または1つ超のRO単位さえ有することを意味する。
本発明によれば、マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対する(B1)のモル比Xは、0.1〜0.99、とりわけ0.3〜0.99、好ましくは0.3〜0.95、より好ましくは0.45〜0.9、より一層好ましくは0.5〜0.9、例えば0.5〜0.8である。
本発明の好ましい実施形態では、存在しているROラジカルの数b+cは、一緒に存在しているR、R、RおよびRラジカルすべてにおけるすべての炭素原子の合計が、25〜50、好ましくは28〜46であるという条件で選択される。言い換えると、この実施形態では、アルキレンオキシ単位RO中により多くの炭素原子が存在する程、ROラジカルの数は少なくなる。
本発明のさらなる実施形態では、R中のR、R、RおよびRラジカルの2つまたは3つ、好ましくは3つはHであり、R、R、RおよびRラジカルの炭素原子の合計は、2または3であり、存在しているROラジカルの数b+cは、一緒に存在しているR、R、RおよびRラジカルすべてにおけるすべての炭素原子の合計が、25〜50、好ましくは28〜46であるという条件で選択される。
本発明の好ましい実施形態では、マクロモノマー(B)は、Rがエチレン基を表し、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計が2である、マクロモノマー(B1)および(B2)であり、ここで、−CRCR−単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%、より好ましくは少なくとも95mol%において、R、RおよびRはHであり、Rはエチルである。言い換えると、Rラジカルはブチレン基である。さらに、aは、20〜28、好ましくは23〜26の数であり、bは、10〜25、好ましくは14〜23、より好ましくは14〜20、最も好ましくは14〜18の数であり、cは0〜1.5、好ましくは0.5〜1.5であり、dは1.5〜10、好ましくは1.5〜5の数である。この実施形態におけるマクロモノマー(B1)のモル比Xは、モノマー(B1)および(B2)を一緒にした合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9である。
本発明のさらなる実施形態では、マクロモノマー(B)は、Rがエチレン基を表し、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計が3である、マクロモノマー(B1)および(B2)であり、ここで、−CRCR−単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%、より好ましくは少なくとも95mol%において、R、RおよびRはHであり、Rはn−プロピルである。言い換えると、Rラジカルはペンチレン基である。さらに、aは、20〜28、好ましくは23〜26の数であり、bは5〜16、好ましくは8〜12の数であり、cは0〜1.5、好ましくは0.5〜1.5であり、dは1.5〜10、好ましくは1.5〜5の数である。この実施形態におけるマクロモノマー(B1)のモル比Xは、モノマー(B1)および(B2)を一緒にした合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9である。
マクロモノマー(B1)および(B2)と同様に、両親媒性、疎水性および親水性基を含む、さらに様々なマクロモノマーを存在させることもやはり当然ながら可能である。この種のマクロモノマーは、原則として、当業者に公知である。これらは、とりわけ、アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、ビニルまたはアリル単位の誘導体であってもよい。例には、とりわけ、一般式HC=C(R18)−COO−(CHCHO)−R19(R18はHまたはメチルであり、lは、5〜50の数であり、R19は、8〜36個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)である(メタ)アクリル酸に基づくマクロモノマーが含まれる。さらなる例には、一般式HC=C(R18)−CO−NH−R36−N(CH37(R36は、2〜6炭素原子を有するアルキレン基、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する1,ω−アルキレン基であり、R37は、8〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、Xは陰イオンである)である陽イオン性モノマーが含まれる。
さらなるマクロモノマー(B)がマクロモノマー(B1)および(B2)と同様に存在する場合、(B1)および(B2)の比は、使用される全マクロモノマーの合計に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%とすべきである。より好ましくは、もっぱらマクロモノマー(B1)および(B2)が存在する。
本発明によれば、マクロモノマー(B)の量、好ましくは(B1)および(B2)の総量は、コポリマー(P)中のモノマーすべての合計に対して、0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%、より一層好ましくは0.8〜5質量%、例えば1〜2.5質量%である。
マクロモノマー(B1)および(B2)の製造
マクロモノマー(B1)および(B2)は、一般式HC=C(R)−R−OH(III)であるモノエチレン性不飽和アルコールのアルコキシ化による原則として公知の方法で製造することができ、RおよびRはそれぞれ、上記で定義されている通りである。
アルコールHC=C(R)−R−OH(III)は、3段階工程でアルコキシ化することができる。
第1工程(S1)では、アルコキシ化はまず、所望量のエチレンオキシドを用いて、任意にエチレンオキシドと10mol%以下の高級アルキレンオキシドとの混合物を用いて行われる。これにより、一般式HC=C(R)−R−O−(RO)−H(IV)のアルコキシ化アルコール(Rは、上記で定義されている通りである)が生じる。
第2工程(S2)では、上記のアルコキシ化アルコールHC=C(R)−R−O−(RO)−H(IV)を一般式(V)のアルキレンオキシド
Figure 0006505106
(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、最初に定義されている通りである)と反応させる。このアルコキシ化により、既に記載されている一般式HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H(II)のマクロモノマー(B2)が生じる。
このマクロモノマー(B2)は、第3工程(S3)でエチレンオキシドと反応させると、マクロモノマー(B1)および(B2)を含む上記の混合物を与える。
様々なアルキレンオキシドに由来するブロックコポリマーの製造を含む、アルコキシ化の実施は、当業者に原則として公知である。ポリエーテル鎖中のアルコキシレートの分子量分布およびアルキレンオキシド単位の配向は、反応条件により、より特には触媒の選択により影響を受け得ることが、当業者に同様に公知である。
このアルコキシ化は、とりわけ、塩基を触媒とするアルコキシ化により行うことができる。第1工程(S1)では、出発原料として使用されるアルコールが、加圧反応器中、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化カリウムと、またはアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシドと混合され得る。減圧(例えば<100mbar)、および/または昇温(30〜150℃)により、混合物中に依然として存在している水が除去され得る。その後、アルコールは、対応するアルコキシドの形態をとる。この後に、不活性ガス(例えば、窒素)により不活性化が続き、第1工程において、任意に少量のプロピレンオキシドおよび/または高級アルキレンオキシドの混合物中のエチレンオキシドを120〜160℃、好ましくは130〜150℃の温度で段階的に加える。この添加は、通常、本発明がそれに限定されるといういかなる介入もなく、5〜15時間以内に行われる。添加の終了後、この反応混合物は、さらに例えば、1/2時間〜1時間、反応させるのが適切である。
第2工程(S2)では、一般式(IV)のアルキレンオキシドは、続いて段階的に計量される。第2段階の反応温度は、同じに維持することができ、あるいは変更することができ、第2の段階では、135℃の温度を超えないのが有用であることが分かっている。より高い温度では、とりわけ比較的長い時間の場合に、少量の架橋副生成物がアルコキシ化において形成するというリスクが存在する。この種の副生成物は、重合中、ポリマー中にゲルフラクションが増加するので、かなり望ましいものではない。ポリマー圧入法の過程において、ポリマーは、わずか数マイクロメートルのサイズしか有していない空隙を強制的に通過しなければならないので、少量のゲルフラクションでさえも、地層の遮断をもたらす恐れがあるため、かなりの妨げとなる。
第3の工程(S3)では、エチレンオキシドが、ここでもやはり加えられる。S3は、とりわけ、アルカリ触媒をさらに添加することなく行われ、とりわけ、110Pa〜710Pa、好ましくは110Pa〜510Paの範囲の圧力、および120℃〜140℃、より好ましくは125〜135℃の範囲の温度で行われる。特に、工程S3におけるエトキシ化は、0.5〜7時間、とりわけ0.5〜5時間、好ましくは0.5〜4時間かけて行われる。
アルコキシ化はまた、塩基触媒合成におけるものよりも狭い分子量分布に至らしめる技法によって行うこともできる。この目的のために、使用される触媒は、例えば、DE4325237A1に記載されている、複水酸化物クレイであってもよい。アルコキシ化は、より好ましくは、複金属シアン化物触媒(DMC触媒)を使用して行うことができる。適切なDMC触媒は、例えばDE10243361A1、とりわけ段落[0029]〜[0041]およびその中の引用文献において開示されている。例えば、Zn−Coタイプの触媒を使用することが可能である。反応を行うため、出発原料として使用されるアルコールを触媒と混合することができ、この混合物を上記の通り脱水して、記載されているアルキレンオキシドと反応させることができる。通常、上記の混合物に対して250ppm以下の触媒が使用され、このように少量であるために、生成物中に触媒が残存する恐れがある。
アルコキシ化はさらに、酸触媒作用により行うこともできる。酸は、ブレンステッド酸またはルイス酸とすることができる。反応を行うため、出発原料として使用されるアルコールを触媒と混合することができ、この混合物を上記の通り脱水して、記載されているアルキレンオキシドと反応させることができる。反応の終わりに、酸性触媒は、塩基、例えばKOHまたはNaOHを添加することにより中和され、必要な場合、ろ別することができる。一般式(III)のアルコールとして酸に不安定なビニルエーテルの場合、酸触媒アルコキシ化は、通常、回避される。
3つの工程S1、S2およびS3の概説した実施により、既に概説した比のマクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物が得られる。混合物の形成は、次の通り説明することができる。式(V)のアルキレンオキシドとの第2のアルコキシ化工程(S2)の後に、一般式HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H(II)のマクロモノマー(B2)が最初に得られる。式(II)において、使用したアルキレンオキシドの性質により、ポリオキシアルキレン鎖は、末端基として、二級(または、三級にもなる)アルコール基、すなわち、−CR(R)−CR(R)−OH基を有する。工程(S3)におけるエチレンオキシドとのさらなる反応により、末端一級OH基、すなわち−CR(R)−CR(R)−O−CHCHOHを有する分子が生じる。一級OH基は、二級または三級OH基よりも反応性が高いので、一級OH基がさらなるエチレンオキシドと優先的に反応する。したがって、工程(II)において添加されたエチレンオキシドは、工程S2の後に存在する、一般式HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H(II)のマクロモノマー(B2)と均質に反応しない。マクロモノマー(B2)の一部分が、まず始めに、エチレンオキシドと反応して、HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−CHCHOHを与える場合、これらの中間体は、さらなるエチレンオキシドと優先的に反応する。工程S3におけるエチレンオキシドの量が比較的少ないので、この異なる反応性の結果は、(B2)分子の一部が全く反応しない一方、他のものは、不均衡にも高い程度に反応するということである。したがって、p当量のエチレンオキシドが加えられ、混合物中のマクロモノマー(B1)の比がxである場合、d=p/xという値は、そこから計算することができる。もちろん、dもまた、分析により決定することができる。
反応条件によれば、工程(S2)におけるアルコキシ化が完了するまで進行するか、または完了するまで進行せず、その結果、少量のアルキレンオキシド(V)が反応しないまま、反応混合物中に残存し得る。これは、とりわけ、135℃以下で、上記の好ましいアルコキシ化において起こり得る例である。アルキレンオキシド(V)の残留物は、当然ながら、最後のエトキシ化の前に、慣用的な方法で除去することができる。しかし、アルコキシ化の場合の生成物中に、これらを残留させることも可能である。アルキレンオキシド(V)の前記残留量は、工程S3の過程において、明らかに減少することが分かっている。言い換えると、残留しているいずれかのアルキレンオキシド(V)の一部が、工程S3の過程で、末端ブロック−[(RO)(RO)]−Hに組み込まれ、これは、アルキレンオキシ単位ROおよびエチレンオキシ単位ROの混合ブロックとなり得ることを意味する。アルキレンオキシドが工程S2において反完了すると、またはその後に工程S2において除去されると、末端ブロックは、純粋なエチレンオキシドブロック(すなわちc=0)にもなり得る。
マクロモノマー(B)の好ましい製造方法
有利な実施形態では、マクロモノマー(B)は、以下に概説されている好ましい方法によって製造することができる。
この場合、工程S1は、KOMeおよび/またはNaOMeを含むアルカリ触媒K1を添加して行われる。
工程S2は、アルカリ触媒K2を添加して行われ、工程S2の反応におけるカリウムイオンの濃度は、使用されるアルコールHC=C(R)−R−O−(RO)−H(IV)に対して、0.9mol%以下、好ましくは0.9mol%未満、好ましくは0.01〜0.9mol%、とりわけ好ましくは0.01〜0.5mol%の範囲であり、工程S2における反応は、135℃以下、好ましくは135℃未満、より好ましくは130℃以下、例えば120℃〜130℃の温度で行われ、マクロモノマー(B2)が得られる。
工程S3では、マクロモノマー(B2)の一部がエチレンオキシドと反応して、マクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物を形成する。
工程S1、S2およびS3の反応における、これ以降指定される好ましい条件(例えば、圧力および/または温度の範囲)は、それぞれの工程が、指定された条件下で完全に、または部分的に行われることを意味する。
好ましくは、工程S1は、最初に、モノエチレン性不飽和アルコール(III)をアルカリ触媒K1と反応させることを含む。この目的のために、出発原料として使用されるアルコール(III)は、通常、加圧反応器中で、アルカリ触媒K1と混合される。通常、100mbar未満、好ましくは30〜100mbarの範囲の減圧、および/または通常、30〜150℃の範囲内に昇温することにより、混合物中に依然として存在している水および/または低沸点物を取り除くことができる。その後、アルコールは、本質的に対応するアルコキシドの形態をとる。続いて、この反応混合物を、通常、不活性ガス(例えば窒素)により処理する。
好ましくは、工程S1は、アルコール(III)とアルカリ触媒K1との混合物に、エチレンオキシドおよび任意に少量の高級アルキレンオキシドを添加することを含む。エチレンオキシド、および任意にさらなるアルキレンオキシドの添加終了後、この反応混合物を、通常、さらに反応させる。任意の減圧(例えば、610Pa〜310Pa(絶対)の圧量の一時的な低下)を含めた、およびさらなる反応を含めた添加は、通常、2〜36時間、好ましくは5〜24時間、とりわけ好ましくは5〜15時間、より好ましくは5〜10時間にわたり行われる。
工程S1は、120〜160℃、好ましくは130〜150℃、より好ましくは140〜150℃の温度で通常、行われる。より特に、工程S1は、120〜160℃、より好ましくは140〜150℃の温度で、アルコール(III)とアルカリ触媒K1との混合物に、エチレンオキシドおよび任意に少量のさらなるアルキレンオキシドを添加することを含む。
好ましいのは、1〜7barの範囲、好ましくは1〜6barの範囲の圧力で、アルコール(III)とアルカリ触媒K1との混合物にエチレンオキシドおよび任意に少量のさらなるアルキレンオキシドを添加することである。安全条件に適合させるため、工程S1における添加は、通常、110Pa〜410Pa、好ましくは110Pa〜3.910Pa、より好ましくは110Pa〜3.110Pa、または本発明のさらなる実施では、310Pa〜610Paの範囲の圧力で行われる。より特には、エチレンオキシドの添加および/またはさらなる反応は、上記の圧力で行われる。
好ましくは、工程S1は、36時間以下、好ましくは32時間以下をかけて、より好ましくは2〜32時間をかけて、とりわけ好ましくは5〜15時間をかけて、510Pa以下、好ましくは110Pa〜410Pa、とりわけ好ましくは110Pa〜3.910Paの圧力で、アルコールA1とアルカリ触媒K1との混合物に、エチレンオキシドおよび任意に少量のさらなるアルキレンオキシドを添加することを含む。より特に、上記の指定時間には、エチレンオキシドの添加および/またはさらなる反応が含まれる。
より特に、モノエチレン性不飽和アルコール(III)とエチレンオキシドおよび任意に少量のさらなるアルキレンオキシドとの反応は、1つまたは複数のエトキシ化工程の好ましい方法の工程S1において、KOMe(カリウムメトキシド)および/またはナトリウムメトキシド(NaOMe)を含むアルカリ触媒K1の添加により行うことができる。
特に好ましいのは、上記の方法であり、工程S1は、以下の構成成分の工程を含む:
・ モノエチレン性不飽和アルコール(III)とアルカリ触媒K1との反応
・ アルコール(III)と触媒K1との混合物と、エチレンオキシドの一部および任意に少量のさらなるアルキレンオキシド、とりわけエチレンオキシドの総量の10〜50質量%、とりわけ10〜30質量%および任意に少量のさらなるアルキレンオキシドとの反応
・ 静止期および/または減圧を含む、中間工程
・ ならびに、残存するエチレンオキシドの一部、および任意に少量のさらなるアルキレンオキシドとの反応。
さらに好ましいのは、上記の方法であり、工程S1は、以下の構成成分の工程を含む:
・ モノエチレン性不飽和アルコール(III)とアルカリ触媒K1との反応
・ アルコール(III)と触媒K1との混合物と、エチレンオキシドの一部および任意に少量のさらなるアルキレンオキシド、とりわけエチレンオキシドの総量の50〜98質量%、とりわけ80〜98質量%および任意に少量のさらなるアルキレンオキシドとの反応
・ 100mbar未満、好ましくは30〜100mbarの圧力への減圧、および/または、通常30〜150℃の範囲内の昇温による低沸点物の除去工程
・ 得られたエトキシ化生成物とアルカリ触媒K1との反応、およびエチレンオキシドの残留している一部と、エトキシ化生成物とアルカリ触媒K1との混合物との反応
アルカリ触媒K1は、とりわけ10〜100質量%、好ましくは20〜90質量%のKOMeおよび/またはNaOMeを含む。触媒K1は、KOMeおよび/またはNaOMe、ならびにさらなるアルカリ化合物および/または溶媒(とりわけ、C1〜C6アルコール)を含んでもよい。例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、カリウムC2〜C6アルコキシド、ナトリウムC2〜C6アルコキシド(好ましくはエトキシド)、アルカリ土類金属アルコキシド(とりわけC1〜C6アルコキシド、好ましくはメトキシドおよび/またはエトキシド)から選択される、さらなるアルカリ化合物が存在してもよい。好ましくは、触媒K1は、KOMeおよび/またはNaOMe、ならびに水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される少なくとも1種のさらなるアルカリ化合物を含む。
さらなる好ましい実施形態では、アルカリ触媒K1は、KOMe、またはKOMeのメタノール(MeOH)溶液からなる。通常、20〜50質量%のKOMeのメタノール(MeOH)溶液を使用することが可能である。
さらなる好ましい実施形態では、アルカリ触媒K1は、NaOMe、またはNaOMeのメタノール溶液からなる。
さらなる好ましい実施形態では、触媒K1は、KOMeとNaOMeとの混合物、またはKOMeとNaOMeとのメタノール溶液からなる。
モノエチレン性不飽和アルコール(III)の分解を回避するために、使用されるアルコール(III)に関して、2500ppm(約0.4mol%)という上限値のKOMeに適合するような量で、触媒K1を使用するのが有利である。好ましくは、工程S1におけるカリウムイオンの濃度は、使用されるアルコールA1の総量に対して、0.4mol%以下、より好ましくは0.1〜0.4mol%である。
濃度がアルコキシ化アルコール(IV)(方法工程S1の生成物)に対して0.9mol%を超えるような量でKOMeが添加される場合、方法工程S2において0.9mol%未満のカリウムイオン濃度を得るために、マクロモノマー(B)を製造するための好ましい方法において、工程2の前に、KOMeは完全にまたは一部が除去される。これは、工程S1の後に、例えば、アルコキシ化アルコールA2を単離、および任意に精製することにより行うことができる。
さらなる好ましい実施形態では、工程S1の反応後のカリウムイオン濃度が、既に(IV)に対して0.9mol%以下となるような量で、KOMeが使用される。
好ましい方法の工程S2は、一般式HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H(II)である上記マクロモノマー(B2)にアルカリ触媒K2の添加を伴う、アルコキシ化アルコール(IV)と上記の一般式(V)である少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応を含む。
好ましくは、工程S2は、第1に、アルコキシ化アルコール(IV)をアルカリ触媒K2と反応させることを含む。この目的のために、アルコールA2は、通常、加圧反応器中で、アルカリ触媒K2と混合される。通常、10000Pa未満、好ましくは3000Pa10000Paの範囲の減圧、および/または通常、30〜150℃の範囲に昇温することにより、混合物中に依然として存在している水および/または低沸点物を取り除くことが可能である。その後、このアルコールは、対応するアルコキシドの形態に本質的にある。続いて、この反応混合物を、通常、不活性ガス(例えば窒素)により処理する。
好ましくは、工程S2は、上記のアルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に、少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加することを含む。アルキレンオキシド(V)の添加終了後、この反応混合物を、通常、さらに反応させる。任意の減圧を含めた、およびさらなる反応を含めた添加は、通常、2〜36時間、好ましくは5〜30時間、とりわけ好ましくは10〜28時間、より好ましくは11〜24時間にわたり行われる。
好ましい製造方法では、工程S2の反応におけるカリウムイオンの濃度は、使用されるアルコール(IV)に対して、0.9mol%以下、好ましくは0.9mol%未満、好ましくは0.01〜0.9mol%、より好ましくは0.1〜0,6mol%である。
好ましい実施形態では、工程S2の反応におけるカリウムイオンの濃度は、使用されるアルコール(IV)に対して、0.01〜0.5mol%である。
特に好ましい一実施形態では、工程S2の反応におけるカリウムイオンの濃度は、使用されるアルコール(IV)に対して、0.9mol%以下、好ましくは0.1〜0.5mol%であり、工程S2における反応は、120〜130℃の温度で行われる。
アルカリ触媒K2は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド(とりわけC1〜C6アルコキシド、好ましくはメトキシドおよび/またはエトキシド)、アルカリ土類金属アルコキシド(とりわけC1〜C6アルコキシド、好ましくはメトキシドおよび/またはエトキシド)から選択される少なくとも1種のアルカリ化合物を含む。好ましくは、触媒K2は、NaOH、NaOMeおよびNaOEt、より好ましくはNaOMeまたはNaOHからとりわけ選択される、少なくとも1種の塩基性ナトリウム化合物を含む。使用される触媒K2は、言及されているアルカリ化合物の混合物であってもよく、触媒K2は、好ましくは、言及されている塩基性化合物の1種、または言及されているアルカリ化合物の混合物からなる。多くの場合、アルカリ化合物の水溶液が使用される。別の好ましい実施形態では、アルカリ触媒K2は、NaOMe、またはNaOMeのメタノール(MeOH)溶液からなる。通常、20〜50質量%のNaOMeのメタノール(MeOH)溶液を使用することが可能である。好ましくは、触媒K2は、KOMeをなんら含まない。
好ましくは、工程S2において、NaOH、NaOMeおよびNaOEtからとりわけ選択される少なくとも1種の塩基性ナトリウム化合物を含む触媒K2が使用され、工程S2の反応におけるナトリウムイオンの濃度は、使用されるアルコール(IV)に対して、3.5〜12mol%、好ましくは3.5〜10mol%、より好ましくは3.5〜7mol%、最も好ましくは4〜6mol%の範囲にある。
工程S2の反応は、135℃以下、好ましくは130℃以下の温度で行われる。好ましくは、工程S2の反応は、60〜135℃、好ましくは100〜135℃、より好ましくは120〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度で行われる。より特には、工程S2は、135℃以下、好ましくは130℃以下の温度、とりわけ100〜135℃、好ましくは120〜130℃の温度で、アルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加することを含む。
好ましくは、工程S2は、110Pa〜610Pa、好ましくは110Pa〜3.110Paの範囲の圧力で行われる。安全条件に適合させるため、R、R、RおよびRラジカル中のすべての炭素原子の合計が2である場合、工程S2における反応は、好ましくは、3.110Pa以下(好ましくは、110Pa〜3.110Pa)の範囲の圧力で行われるか、またはR、R、RおよびRラジカル中のすべての炭素原子の合計が、2より多い場合、2.1bar以下(好ましくは、1〜2.1bar)の圧力で行われる。より特には、アルキレンオキシド(V)の添加および/またはさらなる反応は、上記の圧力で行われる。さらなる好ましい実施形態では、工程S2は、3〜6bar(絶対)の圧力範囲内で行われる。さらなる好ましい実施では、工程S2は、0.210Pa〜3.110Paの範囲の圧力内で行うことができる。
好ましくは、工程S2は、110Pa〜3.110Paの範囲の圧力で、アルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に、少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加することを含む。
一実施形態では、R、R、RおよびRラジカル中のすべての炭素原子の合計は2であり、工程S2は、110Pa〜3.110Paの範囲の圧力で、アルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に、少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加することを含む。
さらなる実施形態では、R、R、RおよびRラジカル中のすべての炭素原子の合計は3より多く、好ましくは3であり、工程S2は、110Pa〜2.110Paの範囲の圧力で、アルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に、少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加することを含む。
より好ましくは、工程S2は、110Pa〜3.110Pa(好ましくは、上記の圧力)の範囲の圧力、および120〜130℃の温度で行われる。
好ましくは、工程S2は、36時間以下、好ましくは32時間以下をかけて、より好ましくは2〜32時間をかけて、最も好ましくは11〜24時間をかけて、3.110Pa以下の圧力(好ましくは、上記の圧力)で、アルコール(IV)とアルカリ触媒K2との混合物に、少なくとも1種のアルキレンオキシド(V)を添加(さらなる、反応時間を含む)することを含む。
工程S3は、アルカリ触媒のさらなる追加なしで、とりわけ行われる。工程S3は、とりわけ110Pa〜710Pa、好ましくは110Pa〜610Paの範囲、最も好ましくは310Pa〜610Pa(絶対)の範囲内の圧力で、60〜140℃、好ましくは120〜140℃、より好ましくは120〜135℃の範囲の温度で行われる。工程S3におけるエトキシ化は、とりわけ、0.5〜7時間、とりわけ1〜5時間、好ましくは1〜4時間かけて行われる。
好ましくは、工程S3は、一般式(II)のマクロモノマー(B2)を含む工程S2の後に、さらなる後処理および/または減圧を行うことなく、反応混合物にエチレンオキシドを添加することを含む。エチレンオキシドの添加終了後、この反応混合物を、通常、さらに反応させる。任意の減圧を含めた、およびさらなる反応を含めた添加は、0.5〜10時間、とりわけ2〜10時間、最も好ましくは4〜8時間にわたり、通常、行われる。
工程S3の実施の結果は一般に、工程S2の後の反応混合物中に依然として存在しているアルキレンオキシド(V)は、少なくとも一部、消費しており、したがって、少なくとも一部が除去される。工程S2の後に消費しなかったアルキレンオキシド(V)を、工程S2の後の減圧および/または昇温によって除去することも、当然ながら可能である。
モノマー(C)
モノマー(A)および(B)、ならびに水溶性コポリマー(P)は、任意に、さらなる親水性のモノエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。
本発明の一実施形態では、本水溶性コポリマー(P)は、モノマー(A)および(B)、ならびに、少なくとも1つの酸性基またはその塩を含む、少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を含む。
より好ましくは、任意に使用される親水性モノマー(C)は、任意の比で水と混和する。一般に、室温において水へのモノマー(C)の溶解度は、少なくとも50g/l、好ましくは少なくとも150g/l、より好ましくは少なくとも250g/lであるべきである。
酸性基は、好ましくは、−COOH、−SOHまたは−POからなる群から選択される少なくとも1つの酸性基、またはそれらの塩である。好ましいのは、COOH基および/または−SOH基を含むモノマーである。
COOH基を含むモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸が含まれる。好ましいのは、アクリル酸である。
スルホ基を含むモノマーの例には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドブタンスルホン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸および2−アクリルアミド−2,4,4−トリメチルペンタンスルホン酸が含まれる。好ましいのは、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、特に好ましいのは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
ホスホン酸基を含むモノマーの例には、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、N−(メタ)アクリルアミドアルキルホスホン酸および(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ホスホン酸が含まれ、好ましいのは、ビニルホスホン酸である。
酸性基は、当然ながら、完全にまたは部分的に中和されていてもよく、それらの基が塩として存在し得ることを意味する。酸性基に対する適切な対イオンには、とりわけ、Li、NaまたはKなどのアルカリ金属イオン、およびアンモニウムイオンNH 、および有機物ラジカルを有するアンモニウムイオンが含まれる。
有機物ラジカルを有するアンモニウムイオンの例には、一般式[NHR202122(VI)のアンモニウムイオンが含まれ、R20、R21およびR22ラジカルは、それぞれ独立してH、または1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および/または芳香族ヒドロカルビルラジカルであり、該ヒドロカルビルラジカルは、OH基により置換されていてもよく、かつ/または非隣接炭素原子が、OまたはNにより置きかえられていてもよいが、但し、R20、R21およびR22ラジカルの少なくとも1つはHではない条件とする。さらに、アンモニウムイオンはまた、一般式[R2021HN−R23−NHR20212+(VII)であってもよく、R20およびR21はそれぞれ、上記で定義されている通りであり、R23は、1〜6個の炭素原子を有するアルキレンラジカル、好ましくは2〜6炭素原子を有する1,ω−アルキレンラジカルである。有機ラジカルを有するアンモニウムイオンの例には、[NH(CH、[NH(CH、[NH(CH)]、[NH(C、[NH(C、[NH(C)]、[NH(CHCHOH)]、[HN−CHCH−NH2+および[H(HC)N−CHCHCHNH2+が含まれる。
塩は、重合前に適切な塩基により、酸形態のモノマー(C)を完全にまたは一部中和することによって得ることができる。重合に酸形態のモノマー(C)を使用し、その重合の後に得られた水溶性コポリマー(P)中の酸基を完全にまたは一部中和することも当然ながら可能である。
モノマー(C)が存在する場合、その量は、水溶性コポリマー(P)中のすべてのモノマーの合計に対して、最大69.99質量%、好ましくは0.1〜69.99質量%、とりわけ5〜64.9質量%である。
モノマー(D)
本発明のさらなる実施形態では、本水溶性コポリマー(P)は、モノマー(A)および(B)および任意にモノマー(C)、ならびに少なくとも1つのアンモニウム基を含む、少なくとも1種の親水性の、陽イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(D)を含む。
より好ましくは、任意に使用される親水性モノマー(D)は、任意の比で水と混和する。一般に、室温における水へのモノマー(D)の溶解度は、少なくとも50g/l、好ましくは少なくとも150g/l、より好ましくは少なくとも250g/lであるべきである。
アンモニウム基を有する陽イオン性モノマー(D)の例には、とりわけ、N−(ω−アミノアルキル)(メタ)アクリルアミドおよびω−アミノアルキル(メタ)アクリルエステルのアンモニウム誘導体が含まれる。
より特には、アンモニウム基を有するモノマー(D)は、一般式HC=C(R10)−CO−NR11−R12−NR13 (VIII)および/またはHC=C(R10)−COO−R12−NR13 (IX)の化合物とすることができる。これらの式では、R10はHまたはメチルであり、R11はHまたはでC〜C−アルキル基、好ましくはHまたはメチルであり、R10は好ましくは直鎖状C〜C−アルキレン基、例えば1,2−エチレン基−CH−CH−または1,3−プロピレン基−CH−CH−CH−である。R13ラジカルはそれぞれ独立して、C〜C−アルキルラジカル、好ましくはメチルであるか、または一般式−R14−SOHの基であり、R14は好ましくは直鎖状C〜C−アルキレン基またはフェニル基であり、但し、一般に、R13置換基の1つ以下が、スルホ基を有する置換基である。より好ましくは、3つのR13置換基はメチル基であり、このことは、このモノマーが−N(CH 基を1つ有することを意味する。上記の式中のXは、一価の陰イオン、例えばClである。当然ながら、Xはまた、多価陰イオンの適切な一部分とすることもできるが、これは好ましいものではない。
一般式(VI)または(VII)の好ましいモノマー(D)の例には、3−トリメチルアンモニオプロピル(メタ)アクリルアミドおよび2−トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレートの塩、例えば塩化3−トリメチルアンモニオプロピルアクリルアミド(DIMAPAQUAT)および塩化2−トリメチルアンモニオエチルメタクリレート(MADAME−QUAT)などの対応する塩化物が含まれる。
モノマー(D)が存在する場合、その量は、水溶性コポリマー(P)中のすべてのモノマーの合計に対して、最大69.99質量%、好ましくは0.1〜69.99質量%、とりわけ5〜64.9である。
モノマー(E)
水溶性コポリマー(P)は、さらなるモノエチレン性不飽和モノマー(E)、好ましくはモノマー(A)、(B)、(C)および(D)以外の親水性モノマー(E)をさらに含んでもよい。
より好ましくは、任意に使用される親水性モノマー(E)は、任意の比で水と混和する。一般に、室温において水へのモノマー(E)の溶解度は、少なくとも25g/l、好ましくは少なくとも50g/l、より好ましくは少なくとも100g/lであるべきである。
この種のモノエチレン性不飽和モノマーの例には、ヒドロキシルおよび/またはエーテル基を含むモノマー、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシビニルエチルエーテル、ヒドロキシビニルプロピルエーテル、ヒドロキシビニルブチルエーテル、および式HC=C(R15)−COO−(−CH−CH(R16)−O−)−R17(X)またはHC=C(R15)−O−(−CH−CH(R16)−O−)−R17(XI)(R15は、Hまたはメチルであり、bは2〜200、好ましくは2〜100の数である)である化合物が含まれる。R16ラジカルは、それぞれ独立して、H、メチルまたはエチル、好ましくはHまたはメチルであり、但し、R13ラジカルの少なくとも50mol%はHであることを条件とする。より好ましくは、R16ラジカルの少なくとも75mol%、より好ましくは少なくとも90mol%はHであり、それらは最も好ましくは、もっぱらHである。R17ラジカルはH、メチルまたはエチル、好ましくはHまたはメチルである。モノマー(E)のさらなる例には、N−ビニル誘導体、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム、ならびにビニルエステル、例えばギ酸ビニルまたは酢酸ビニルが含まれる。N−ビニル誘導体は、重合後に加水分解されて、ビニルアミン単位を、およびビニルエステルはビニルアルコール単位を与えることができる。
こうしたさらなるモノマー(E)が、とにかく存在する場合、その量は、すべてのモノマーの合計に対して、15質量%、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%を超過すべきではなく、最も好ましくは、さらなるモノマー(E)は存在しない。
コポリマー(P)の製造
本発明のコポリマーは、当業者に原則として公知の方法により、水溶液中のモノマー(A)、(B)および任意に(C)、(D)および(E)の遊離ラジカル重合により、例えば、溶液重合、ゲル重合または逆相乳化重合によって製造することができる。これらの重合技法は、当業者に原則として公知である。
重合の場合、遊離ラジカル重合用の適切な開始剤と一緒のモノマーの水溶液、または該モノマーを使用および重合することが可能である。重合は、熱的および/または光化学的に行うことができる。当然ながら、重合用のさらなる添加物および補助剤、例えば、消泡剤または錯化剤を使用することが可能である。
本発明の好ましい実施形態では、使用されるコポリマーは、少なくとも1種の重合不可能な界面活性化合物(T)の存在下で製造される。この重合不可能な界面活性化合物(T)は、好ましくは少なくとも1種の非イオン性界面活性剤であるが、陰イオン性および陽イオン性界面活性剤もまた、重合反応に関与しないという条件では適切である。化合物は、とりわけ界面活性剤、好ましくは一般式R18−Yの非イオン性界面活性剤とすることができ、R18は、8〜32個、好ましくは10〜20個、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルであり、Yは、親水性基、好ましくは非イオン性親水性基、とりわけポリアルコキシ基である。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、エトキシ化長鎖脂肪族アルコールであり、これは、任意に芳香族構成成分を含んでもよい。
例には、C1214脂肪アルコールエトキシレート、C1618脂肪アルコールエトキシレート、C13オキソアルコールエトキシレート、C10オキソアルコールエトキシレート、C1315オキソアルコールエトキシレート、C10ゲルベアルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレートが含まれる。特に、有用な例は、5〜20個のエチレンオキシ単位、好ましくは8〜18個のエチレンオキシ単位を有する化合物である。任意に、少量の高級アルキレンオキシ単位、とりわけプロピレンオキシおよび/またはブチレンオキシ単位もまた、存在してもよいが、エチレンオキシ単位の量は、一般に、アルキレンオキシ単位すべてに対して、少なくとも80mol%とすべきである。
とりわけ適切なものは、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化飽和イソ−C13−アルコールおよび/またはエトキシ化C10−ゲルベアルコールから選択される界面活性剤であり、5〜20個のエチレンオキシ単位、好ましくは8〜18個のエチレンオキシ単位が、アルキレンオキシラジカルのそれぞれに存在している。
重合中に重合不可能な界面活性化合物(T)を添加すると、ポリマー圧入法におけるコポリマー(P)の実施特性に明確な改善をもたらす。より特には、増粘作用が向上し、さらにコポリマーのゲル含量が低下する。この作用は、恐らく次の通り説明することができるが、本発明が次の説明に限定されるという意図はまったくない。界面活性剤の非存在下での重合の場合、マクロモノマー(B)は、水性反応媒体中でミセルを形成する。この重合では、これにより、ポリマーに疎水性会合領域がブロック単位(blockwise)で取り込まれる。次に、追加の界面活性化合物が、コポリマーの製造過程で存在する場合、混合ミセルが形成する。これらの混合ミセルは、重合可能かつ重合不可能な構成成分を含む。その結果、次に、マクロモノマー(B)は、より短いブロックに取り込まれる。同時に、ポリマー鎖あたりのこうしたより短いブロック数が多くなる。したがって、界面活性剤の存在下で製造されたコポリマーの構造は、界面活性剤の非存在下でのものとは異なる。
重合不可能な界面活性化合物(T)は、一般に、使用されるモノマーすべての量に対して、0.1〜5質量%の量で使用することができる。モノマー(B)に使用される重合不可能な界面活性化合物(T)の質量比は、一般に4:1〜1:4、好ましくは2:1〜1:2、より好ましくは1.5:1〜1:1.5、および例えば約1:1である。
好ましい実施形態では、遊離ラジカル重合は、ゲル重合、好ましくは水相中の断熱ゲル重合によって行われる。
ゲル重合での場合、モノマー(A)、(B)ならびに任意に(C)、(D)および/または(E)、ならびに水または水性溶媒混合物を含む溶液が最初に用意される。適切な水性溶媒混合物は、水および水混和性有機溶媒を含み、水の比は、一般に、少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも85質量%、より好ましくは少なくとも95質量%である。本発明の一実施形態では、水が溶媒として使用されるのがもっぱらである。言及すべき水混和性有機溶媒は、とりわけメタノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールである。すべてのモノマーを一緒にした濃度は、モノマー水溶液に対して、通常、10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、例えば25〜45質量%である。
酸性モノマーは、重合前に完全にまたは部分的に中和されてもよい。これは、例えばアルカリ金属水酸化物、あるいはアンモニアまたはアミンにより行うことができる。重合は、とりわけ5〜7.5、好ましくは5〜7の範囲のpH、および例えばpH6で行うべきである。モノマー水溶液は、様々な添加物、例えば消泡剤または錯化剤をさらに含んでもよい。
ゲル重合を行うために、モノマー水溶液は+10℃未満、好ましくは−5℃〜+5℃の温度に冷却される。この混合物は、冷却前、その最中またはその後に、不活性化される。冷却後、モノマー溶液中に可溶な、遊離ラジカル重合用の少なくとも1つの開始剤が添加される。この開始剤は好ましくは水溶性であるが、良好な水溶解度を有さない開始剤でさえもモノマー溶液中に可溶である。開始剤は熱開始剤または光開始剤のどちらかとすることができる。
一実施形態では、重合は熱重合開始剤を使用して、+10℃未満の温度で開始される。この目的のために、こうした低温でさえ重合を開始することができる、熱重合開始剤が使用される。当業者は、こうした重合開始剤を知っている。例には、10時間の半減期に対して適切な低温を有する、レドックス開始剤またはアゾ開始剤が含まれる。添加された重合開始剤のために、この重合は、低温でゆっくりと開始する。反応熱が放出される結果、この混合物は温まり、重合が加速される。この混合物の温度は、一般に、80〜90℃まで上昇する。この重合は、一般に、固体ポリマーゲルを与える。
ゲル重合のさらなる実施形態では、反応は、レドックス開始剤系と比較的高温でのみ分解する少なくとも1つの熱開始剤との混合物で実施することができる。これは、例えば、40℃〜70℃の温度範囲内で分解する水溶性アゾ開始剤とすることができる。この重合はここでは、レドックス開始剤系のため、+10℃未満、好ましくは−5℃〜+5℃の言及した低温で最初に開始する。反応熱が放出する結果、この混合物が温まり、その結果、比較的高温でのみ遊離ラジカルに分解する開始剤が分解を始める。
さらなる実施形態では、この重合は、光開始剤と熱開始剤との組合せを使用して行うことができる。この場合、重合は、低温で光化学的に開始し、最終的に反応熱が放出され、さらに熱開始剤を引き金とする。
ゲル重合は一般に、撹拌せずに行われる。ゲル重合は、好ましくは、GB1,054,028により記載されている通り、例えば、原料反応器中で回分毎に行うことができる。特に有利には、例えばUS5,633,329またはUS7,619,046B2により記載されている通り、円錐型反応器をこの目的に使用することが可能である。
図8は、ゲル重合を実施するめに使用することができる円錐型反応器を示している。これは、直径D1を有しかつ下端において円錐が狭くなる(2)、縦型の円筒状反応器(1)であり、円錐狭小部の末端の直径がD2である。この比D1/D2は、一般に、2:1〜25:1、好ましくは2:1〜20:1、および例えば、3:1〜10:1である。円筒区域(1)における壁と円錐狭小部(2)の領域における壁との間の角度αは、120°超および180°未満、とりわけ135°〜175°、好ましくは150°〜175°、例えば155°〜170°である。反応器の高さとその円筒区域(1)の直径D1との比は、4〜40とすることができる。反応器の容量は、所望の産出能力に応じて当業者により選択され、本発明がそれに制限されるといういかなる意図はなしに、1〜100m、例えば5〜50mとすることができる。
反応器の内部表面は、好ましくは、例えばTeflonコーティングによりコーティングが施され、反応混合物が反応器壁に付着するのを低減する。反応器は、任意に、反応混合物を冷却または加熱するためのシェル(shell)により取り囲まれていてもよい。
下端では、反応器は遮断装置(3)を有する。反応器は、少なくとも1つのフィード(4)をさらに含む。このフィード(4)によって、モノマー水溶液および/またはガスおよび/またはさらなる構成成分を反応器に導入することができる。ガスは、とりわけ、窒素、アルゴンまたはCOなどの不活性ガスとすることができる。不活性ガスを使用して、不活性化するために反応器にパージすることができる。当然ながら、異なる構成成分の場合、異なるフィード、例えば、反応水溶液およびガス用の個別のフィードを存在させることも可能である。少なくとも1つのフィード(4)は、反応器の上部または反応器の上部領域の側面に好ましくは装着することができるが、他の配置も当然ながら可能である。
反応器は、当然ながら、さらなる構成成分、例えば圧縮空気もしくは溶媒用の例えばさらなるフィード、またはゲル用の取り出し装置、例えば、GB1,054,028により記載されている、例えば反応器内に配置されている可動式ラム(ram)を備えてもよい。
図9は、完全な円錐型反応器であることを示している。この反応器は、ちょうど概略されている一部が円錐型の反応器に類似した構造をしているが、円筒区域はなんら有しておらず、この直径は、この円錐型反応器の上端でd1であり、下端でd2である。この比d1/d2は、一般に、1.1:1〜25:1、とりわけ2:1〜25:1、好ましくは2.1〜10:1、例えば3.1〜10:1である。上部直径d1と反応壁との間の角度βは、45°を超え、かつ90°未満であり、好ましくは60°〜89°、例えば70°〜88°である。残りについては、上記が参照される。
完全にまたは一部が円錐型の反応器におけるゲル重合は、好ましくは、断熱条件下、または少なくとも本質的に断熱条件下で行うことができる。この手順の場合、反応器は、冷却手段(cooling)または加熱手段(heating)をなんら有していない。反応器の内部温度および/または周囲温度に応じて、ある量の熱が、当然ながら反応壁を介して放出または吸収され得るが、この作用は、反応器サイズの増加に伴い、ずっと小さな役割を果たすのは当然であることが当業者には明らかである。
重合に関すると、上記の水性モノマー混合物は、円錐型反応器の外部に配設される適切な混合および冷却装置中で混合され、+10℃未満、好ましくは−5℃〜+5℃に冷却される。これは、例えば、適切な方法、例えば、循環冷却により冷却される混合槽中で行うことができる。モノマー混合物が冷却された後、低温ではまだ遊離ラジカルをなんら形成しない開始剤、例えば、40℃〜70℃でのみ重合を開始する少なくとも1種の上記のアゾ開始剤を添加することは既に可能である。しかし、こうした開始剤はまた、後の時点でのみ添加することも可能である。
冷却物は、最終的に、フィード(4)または別のフィードにより、完全にまたは一部が円錐型の反応器に移送される。反応器は、充填前および/または充填中に、不活性ガスによりパージされるべきである。
重合に関すると、モノマー溶液は一般に、不活性化(すなわち、いかなる酸素も存在しない)される。これは、例えば、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素などの不活性ガスをモノマー溶液にパージすることにより行うことができる。このパージは、不活性化のために、個別の装置、例えば、WO03/066190A1において記載されている装置、あるいはこの反応器自体において、モノマー水溶液を混合および冷却する間に既に行うことができる。好ましいのは、反応器の上流を不活性化することである。
低温でさえ重合を引き起こすことができる重合開始剤は個別に溶解されて、重合直前にだけモノマー水溶液に加えられる。これは、例えば、反応器にモノマー水溶液を充填している間、反応器に、または好ましくはフィード(4)に、または混合および冷却装置が該反応器に連結されているラインに開始剤溶液を注入することにより行うことができる。開始剤溶液とモノマー水溶液とを完全に混合するために、適切な混合ユニット、とりわけ静的ミキサーが、モノマーフィードに一体化されていてもよい。当然ながら、この方法ですべての開始剤をモノマー溶液に加えることも可能である。
添加された重合開始剤のために、重合は+10℃未満の温度で始まる。放出される反応熱により、混合物が温まり、重合が加速される。混合物の温度は、一般に、最大80〜90℃まで上昇する。この重合は、一般に、固体ポリマーゲルを与える。
反応器からポリマーゲルを抜き取るために、遮断装置(3)が開かれる。一般に、得られたポリマーゲルは固体であり、さらなる手段なしには反応器から流れ出ない。使用される反応器が機械的補助、例えばGB1,054,028によって記載されている、反応器内に配置されている可動式ラムを有する場合、ポリマーゲルは、こうした補助を使用して取り出すことができる。
好ましくは、完全にまたは一部が円錐型の反応器からのポリマーゲルの取り出しは、ガスを使用して行うことができる。この目的のために、ガスがフィード(4)または別のフィードを介して、円筒状反応器の上部に注入される。この目的のために、ポリマーゲルと反応することができない、いずれのガスも使用することが可能である。有利には、この目的のために、フィード(4)が既に存在しているので、このフィードを介して、窒素、二酸化炭素またはアルゴンなどの不活性ガスを注入することが可能である。他のガス、例えば圧縮空気を使用することも可能である。あるいは、反応器の上部に、不活性液体、とりわけポリマー用の沈殿剤を注入することも可能である。ガスまたは液体の圧力が、当業者によって適切に選択され、例えば、210〜6510Pa、とりわけ410〜2510Paとすることができる。より特には、ポリマーゲルが反応器から均質に取り出されるよう選択される。
得られたポリマーゲルは、好ましくは粉砕および乾燥される。乾燥は、100℃未満の温度で好ましくは行うべきである。固着を回避するために、適切な分離剤をこの工程に使用することができる。疎水性会合コポリマーは、粒剤または粉末の形態で得られる。
得られたポリマー粉末または顆粒は、一般に、使用現場では、使用の過程で水溶液の形態で使用されるので、このポリマーは、現場で水に溶解しなければならない。これは、記載されている高分子量ポリマーを含む望ましくない塊の形成を引き起こす恐れがある。これを回避するために、合成過程のできるだけ早くに、本発明のポリマーに、水中への乾燥ポリマーの溶解を加速または改善する補助剤を加えることが可能である。この補助剤は、例えば、尿素とすることができる。
ゲル重合はまた、連続的であってもよい。この目的のために、例えば、重合する混合物を収容するためのコンベヤーベルトを有する重合装置とすることができる。このコンベヤーベルトは、加熱用、および/またはUV照射による照射用装置を装備していてもよい。この方法では、この混合物は適切な装置によりベルトの一端に注がれ、この混合物はベルト方向に輸送される過程で重合され、固体ゲルがベルトのもう一方の端で除去され得る。
得られるコポリマーは、一般に、110g/mol〜3010g/mol、好ましくは610g/mol〜2510g/mol、および例えば810g/mol〜2010g/molの質量平均分子量Mを有する。
好ましいコポリマー(P)
本発明の好ましい実施形態では、水溶性コポリマーは、
各場合において、すべてのモノマーの総量に対して、
・ 30〜99.99質量%、好ましくは35〜99.9質量%、より好ましくは45〜99.5質量%の少なくとも1種のモノマー(A)
・ 0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜8質量%の少なくとも1種のマクロモノマー(B)
・ 0〜69.99質量%、好ましくは0〜64.9質量%、より好ましくは0〜54.5質量%の少なくとも1種のモノマー(C)
・ 0〜69.99質量%、好ましくは0〜64.9質量%、より好ましくは0〜54.5質量%の少なくとも1種のモノマー(D)、および
・ 0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%の少なくとも1種のモノマー(E)、
を含むが、
但し、モノマー(A)〜(E)の総量が100質量%であることを条件とする。
言い換えると、モノマー(A)、(B)ならびに任意の(C)、(D)および(E)とは別に、さらなるモノマーは存在しない。好ましくは、この実施形態では、モノマー(E)は存在しない。
好ましいモノマー(A)〜(E)を含むモノマー(A)〜(E)は、既に記載されている。
本発明のさらに好ましい実施形態では、本コポリマー(P)は、コポリマー(P1)、コポリマー(P2)、コポリマー(P3)およびコポリマー(P4)からなる群から選択されるコポリマーであり、好ましくは、コポリマー(P1)、(P2)および(P3)からなる群から選択されるコポリマーである。コポリマー(P1)、(P2)、(P3)および(P4)は、以下に記載されている。
コポリマー(P1)
本発明の好ましい実施形態では、水溶性コポリマー(P)は、水溶性コポリマー(P1)である。
このコポリマー(P1)は、モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミド、好ましくはアクリルアミドを含む。
水溶性コポリマー(P1)は、マクロモノマー(B)として、既に記載されているマクロモノマー(B1)と(B2)との混合物を含み、マクロモノマー(B1)のモル比が、(B1)および(B2)の合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9、より好ましくは0.5〜0.9、例えば0.5〜0.8である。
さらに、コポリマー(P1)では、マクロモノマー(B1)および(B2)の式(I)および(II)中、ラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下の通り定義されている:
: Hまたはメチル
: 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個、好ましくは3〜6個、およびより好ましくは4個の炭素原子を有する直鎖状I、ω−アルキレン基である)
: エチレン基−CHCH
: 独立してアルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%、より好ましくは少なくとも95mol%において、R、RおよびRは、それぞれHであり、Rはエチルである)、
: エチレン基−CHCH
a: 20〜28、好ましくは23〜26の数
b: 10〜25、好ましくは14〜23、より好ましくは14〜20、最も好ましくは14〜18の数
c: 0〜2、好ましくは0〜1.5の数、
d: 1.5〜10、好ましくは1.5〜5の数。
コポリマー(P1)はさらに、モノマー(A)および(B)、ならびに−SOH基またはその塩を含む、少なくとも1種のモノマー(C)を含む。こうしたモノマーの例は、既に言及されている。好ましいのは、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、より好ましくは、モノマー(C)は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
コポリマー(P1)では、モノマー(A)の量は、一般に、各場合において水溶性コポリマー(P1)中のすべてのモノマーの合計に対して、40〜60質量%、好ましくは45〜55質量%であり、モノマー(B)の量は、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%、例えば0.8〜2.5質量%であり、モノマー(C)の量は、40〜60質量%、好ましくは45〜55質量%である。好ましくは、水溶性コポリマー(P1)中のモノマー(A)、(B)および(C)の総量は、100質量%である。
コポリマー(P1)は、一般に、110g/mol〜3010g/mol、好ましくは210g/mol〜1610g/molの質量平均分子量Mを有する。
コポリマー(P2)
本発明のさらに好ましい実施形態では、コポリマー(P)はコポリマー(P2)である。
このコポリマー(P2)は、モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミド、好ましくはアクリルアミドを含む。
水溶性コポリマー(P2)は、マクロモノマー(B)として、既に記載されているマクロモノマー(B1)と(B2)との混合物を含み、マクロモノマー(B1)のモル比が、(B1)および(B2)の合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9、より好ましくは0.5〜0.9、例えば0.5〜0.8である。
さらに、コポリマー(P2)では、マクロモノマー(B1)および(B2)の式(I)および(II)中、ラジカルおよび添え字は、それぞれ、概説した好ましい範囲を含めて、コポリマー(P1)について既に定義した通りである。
コポリマー(P2)はさらに、モノマー(A)および(B)、ならびにCOOH基またはその塩を含む、少なくとも1種のモノマー(C)を含む。こうしたモノマーの例は既に記載されており、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸を含む。好ましいのは、(メタ)アクリル酸であり、特に好ましいのはアクリル酸である。
コポリマー(P2)では、モノマー(A)の量は、一般に、各場合において水溶性コポリマー(P2)中のすべてのモノマーの合計に対して、50〜85質量%、好ましくは55〜80質量%であり、モノマー(B)の量は、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、例えば0.8〜5質量%であり、モノマー(C)の量は、5〜45質量%、好ましくは10〜40質量%で、および例えば15〜30質量%である。好ましくは、水溶性コポリマー(P2)中のモノマー(A)、(B)および(C)の総量は、100質量%である。
コポリマー(P2)は、一般に、110g/mol〜3010g/mol、好ましくは410g/mol〜2210g/molの質量平均分子量Mを有する。
コポリマー(P3)
本発明のさらに好ましい実施形態では、コポリマー(P)はコポリマー(P3)である。
このコポリマー(P3)は、モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミド、好ましくはアクリルアミドを含む。
水溶性コポリマー(P3)は、マクロモノマー(B)として、既に記載されているマクロモノマー(B1)と(B2)との混合物を含み、マクロモノマー(B1)のモル比が、(B1)および(B2)の合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9、より好ましくは0.5〜0.9、および例えば0.5〜0.8である。
さらに、コポリマー(P3)では、マクロモノマー(B1)および(B2)の式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字は、それぞれ、概説した好ましい範囲を含めて、コポリマー(P1)について既に定義した通りである。
コポリマー(P3)はさらに、モノマー(A)および(B)、ならびに少なくとも2種のモノマー(C)、すなわちCOOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C1)、およびSOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C2)を含む。
モノマー(C1)の例は既に言及されており、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸を含む。好ましいのは、(メタ)アクリル酸であり、特に好ましいのはアクリル酸である。
モノマー(C2)の例は、既に言及されている。好ましいのは、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、モノマー(C2)は、より好ましくは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
コポリマー(P3)では、モノマー(A)の量は、一般に、各場合において水溶性コポリマー(P)中のすべてのモノマーの合計に対して、30〜85質量%、好ましくは40〜80質量%であり、モノマー(B)の量は、0.5〜10質量%、好ましくは0.8〜5質量%であり、モノマー(C1)の量は、5〜40質量%、好ましくは5〜30質量%であり、モノマー(C2)の量は、5〜40質量%、好ましくは5〜30質量%である。好ましくは、水溶性コポリマー(P2)中のモノマー(A)、(B)および(C)の総量は、100質量%である。
コポリマー(P3)は、一般に、110g/mol〜3010g/mol、好ましくは210g/mol〜2010g/molの質量平均分子量Mを有する。
コポリマー(P4)
本発明のさらに好ましい実施形態では、コポリマー(P)は、コポリマー(P4)である。
このコポリマー(P4)は、モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミド、好ましくはアクリルアミドを含む。
水溶性コポリマー(P4)は、マクロモノマー(B)として、既に記載されているマクロモノマー(B1)と(B2)との混合物を含み、マクロモノマー(B1)のモル比が、(B1)および(B2)の合計に対して、とりわけ0.3〜0.95、好ましくは0.45〜0.9、より好ましくは0.5〜0.9、および例えば0.5〜0.8である。
さらに、コポリマー(P4)の場合、マクロモノマー(B1)および(B2)の式(I)および(II)中、ラジカルおよび添え字は、それぞれ、概説した好ましい範囲を含めて、コポリマー(P1)について既に定義した通りである。
コポリマー(P4)は、モノマー(A)および(B)だけしか本質的に含まない。さらに、さらなるモノマーが、少量で存在してもよく、とりわけさらなるモノマーは、モノマー(C)、モノマー(D)およびモノマー(E)からなる群から選択される。一実施形態では、コポリマーP4は、モノマー(A)および(B)からなる。
コポリマー(P4)では、モノマー(A)の量は、一般に、各場合において水溶性コポリマー(P4)中のすべてのモノマーの合計に対して、80〜99.9質量%、好ましくは90〜99.5質量%、例えば97質量%〜99.5質量%であり、モノマー(B)の量は、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%である。好ましくは、水溶性コポリマー(P4)中のモノマー(A)および(B)の総量は、100質量%である。
コポリマー(P4)は、一般に、110g/mol〜3010g/molの質量平均分子量Mを有している。
石油産出の方法
本発明による方法を実施するため、少なくとも1つの採掘井および少なくとも1つの注入井が、石油鉱床に掘られている。一般に、鉱床には、複数の注入井および複数の採掘井が設けられている。記載されている水溶性コポリマー(P)の水性配合物が、少なくとも1つの注入井を介して石油鉱床に注入され、石油が少なくとも1つの採掘井を介して、鉱床から採掘される。「ポリマー圧入」と呼ばれる、注入された水性配合物によって生じた圧力のために、石油は採掘井の方向に流れ、採掘井から産出される。本文脈において、用語「石油」は、当然ながら、単一相油を単に意味するものではない。むしろ、この用語は、慣用的な原油−水エマルションも包含する。
本発明によれば、本発明による方法が使用される石油鉱床の鉱床温度は、20〜120℃、とりわけ35℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃、より好ましくは45℃〜90℃、および例えば50℃〜80℃である。
石油鉱床はまた、ある温度分布を有し得ることが、当業者に明白である。前記鉱床温度は、注入井と採掘井との間の鉱床の領域に基づくものであり、ポリマー圧入法により範囲が及ぶものである。石油鉱床の温度分布を決定する手段は、当業者に原則として公知である。温度分布は、一般に、シミュレーション計算と組み合わせて、地層中の特定の点における温度測定値から決定され、上記のシミュレーション計算はまた、地層に導入された熱量および地層から除去された熱量を考慮する。
とりわけ、10mD(9.8710−15)〜4D(3.9510−12)、好ましくは100mD(9.8710−14)〜2D(1.9710−12)、より好ましくは200mD(1.9710−13)〜1D(9.8710−13)の平均空隙率を有する石油鉱床の場合に、本発明による方法を使用することができる。石油地層の透過率は、単位「ダルシー」(「D」に、または「ミリダルシー」の場合、「mD」に略される。1D=9.8692310−13である)で当業者により報告され、適用された圧力差の関数として、石油地層における液相の流速から決定することができる。この流速は、地層から除去されたドリルコアを用いるコア圧入実験において決定することができる。この詳細は、例えば、K.Weggen、G.Pusch、H.Rischmuellerにおける、「Oil and Gas」頁37 ff.、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Online Edition、Wiley−VCH、Weinheim2010年に見いだすことができる。石油鉱床中の透過率が均一である必要がないことは当業者に明白である。代わりに、それは、一般に、ある分布を有することがあり、したがって、石油鉱床の明記されている透過率は、平均透過率のことである。
本方法は、水、および記載されている少なくともコポリマー(P)を含む水性配合物を使用して実施される。様々な疎水性会合コポリマーの混合物を使用することも、当然ながら可能である。
この配合物は、淡水中で、あるいは塩を含む水中で作製することができる。当然ながら、様々な塩の混合物が含まれ得る。例えば、水性配合物を作製するために海水を使用することが可能であり、または、この方法で再使用される、生じた地層水を使用することが可能である。海上での産出プラットフォームの場合、この配合物は、一般に、海水で作製される。陸上産出の設備の場合、ポリマーは、まず淡水に溶解するのが有利となり得、地層水を使用して得られた溶液を所望の使用濃度まで希釈することができる。
塩は、とりわけ、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩とすることができる。典型的な陽イオンの例には、Na、K、Mg2+およびCa2+が含まれ、典型的な陰イオンの例には、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオンおよびホウ酸イオンが含まれる。
配合物が塩を含む場合、一般に、少なくとも1種または2種以上のアルカリ金属イオン、とりわけ少なくともNaが存在する。さらに、アルカリ土類金属イオンが存在することも可能であり、この場合、アルカリ金属イオン/アルカリ土類金属イオンの質量比は一般に、≧2、好ましくは≧3である。存在する陰イオンは、一般に、少なくとも1種、または2種以上のハロゲン化物イオン、とりわけ少なくともClである。一般に、Clの量は、すべての陰イオンの合計に対して、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%である。
水性配合物中のすべての塩の総量は、該配合物中のすべての構成成分の合計に対して、最大350000ppm(質量部)、例えば2000ppm〜350000ppm、とりわけ5000ppm〜250000ppmとすることができる。海水を使用して配合物を作製する場合、塩の含有量は、2000ppm〜40000ppmとすることができ、地層水が使用される場合、塩の含有量は、100000ppm〜250000ppm、例えば100000ppm〜200000ppmとすることができる。アルカリ土類金属イオンの量は、好ましくは、1000〜53000ppmとすることができる。
水性配合物は、当然ながら、さらなる構成成分を含んでもよい。さらなる構成成分の例には、殺生物剤、安定化剤、遊離ラジカル捕捉剤、開始剤、界面活性剤、共溶媒、塩基および錯化剤が含まれる。
界面活性剤および/または塩基を使用して、例えば、コポリマー(P)の油除去作用を補助することができる。好ましい界面活性剤の例は、さらに以下に開示されている。界面活性剤は、使用されるポリマーの粘度を増加させるためにも使用することができる。例えば、WO2012/069438A1によって開示されている界面活性剤を使用することが可能である。
添加物を使用して、例えば、望ましくない副作用、例えば、塩の望ましくない沈殿を防止するか、または使用されるコポリマー(P)を安定化することができる。ポリマー圧入の過程で地層に注入されるポリマー配合物は、採掘井の方向に非常に穏やかにしか流れず、このことは、このポリマー配合物は、長時間、地層中に、地層条件下で留まっていることを意味する。ポリマーの分解により、粘度が低下する。これは、より多量のポリマーを使用することにより考慮されなければならないか、あるいは本方法の効率が悪化することを許容しなければならない。どのような場合でも、本方法の経済的実現可能性が悪化する。多くの機構が、ポリマーの分解の原因となり得る。適切な添加物によって、本条件によるポリマーの分解を予防する、または少なくとも遅延させることが可能である。
本発明の一実施形態では、使用される水性配合物は、少なくとも1つの酸素捕捉剤を含む。酸素捕捉剤は、恐らく水性配合物中に存在し得る酸素と反応し、こうして酸素がポリマーを攻撃するのを阻止する。酸素捕捉剤の例には、亜硫酸塩、例えばNaSO、重亜硫酸塩または亜ジチオン酸塩が含まれる。
本発明のさらなる実施形態では、使用される水性配合物は、少なくとも1種の遊離ラジカル捕捉剤を含む。遊離ラジカル捕捉剤を使用して、遊離ラジカルによるポリマーの分解を妨げることができる。この種の化合物は、遊離ラジカルを有する安定化合物を形成することができる。遊離ラジカル捕捉剤は、当業者に原則として公知である。例えば、それらは、硫黄化合物、立体的障害アミン、N−オキシド、ニトロソ化合物、芳香族ヒドロキシル化合物またはケトンからなる群から選択される安定化剤とすることができる。硫黄化合物の例には、チオウレア、置換チオウレア(N,N‘−ジメチルチオウレア、N,N‘−ジエチルチオウレア、N,N‘−ジフェニルチオウレアなど)、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸アンモニウムまたはチオシアン酸カリウム)、テトラメチルチウラムジスルフィド、およびメルカプタン(2−メルカプトベンゾチアゾールまたは2−メルカプトベンゾイミダゾールなど)、またはそれらの塩(例えばナトリウム塩)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、2,2‘−ジチオビス(ベンゾチアゾール)、4,4‘−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)が含まれる。さらなる例には、ジシアンジアミド、グアニジン、シアナミド、パラメトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、8−ヒドロキシキノリン、2,5−ジ(t−アミル)−ヒドロキノン、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノン、ジメドン、3,4.5−トリヒドロキシ安息香酸プロピル、アンモニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチオキシピペリジン、(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンおよび1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールが含まれる。好ましいのは、立体障害アミン(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールなど)および硫黄化合物、メルカプト化合物、とりわけ2−メルカプトベンゾチアゾールまたは2−メルカプトベンゾイミダゾールまたはそれらの塩、例えばナトリウム塩であり、特に好ましいのは、2−メルカプトベンゾチアゾールまたはその塩である。
本発明のさらなる実施形態では、使用される水性配合物は、少なくとも1種の犠牲試薬を含む。犠牲試薬は、遊離ラジカルと反応することができ、したがって、遊離ラジカルを無害にする。例には、とりわけアルコールが含まれる。アルコールは、遊離ラジカルにより、例えばケトンに酸化され得る。例には、モノアルコールおよびポリアルコール、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオールまたはペンタエリスリトールが含まれる。
本発明のさらなる実施形態では、使用される水性配合物は、少なくとも1種の錯化剤を含む。様々な錯化剤の混合物を使用することが当然ながら可能である。錯化剤は、一般に、陰イオン性化合物であり、この化合物は、とりわけ二価および高次価金属イオン、例えばMg2+またはCa2+と錯体形成することができる。この方法で、例えば、いかなる望ましくない沈殿も予防することが可能である。さらに、存在する任意の多価金属イオンが、存在する酸性基、とりわけCOOH基によるポリマーの架橋を防止することが可能である。錯化剤は、とりわけカルボン酸またはホスホン酸誘導体とすることができる。錯化剤の例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)およびニトリロ酢酸(NTA)が含まれる。当然ながら、それぞれの対応する塩、例えば対応するナトリウム塩を含んでもよい。
上記のキレート剤に対する代替として、またはそれに加えて、ポリアクリレートを使用することも可能である。
本発明のさらなる実施形態では、本配合物が少なくとも1つの有機共溶媒を含む。好ましいのは、水に完全に混和する溶媒であるが、水に一部しか混和しない溶媒を使用することも可能である。一般に、溶解度は、少なくとも50g/l、好ましくは少なくとも100g/lであるべきである。例には、脂肪族C〜Cアルコール、好ましくはC〜Cアルコールが含まれ、適度な水溶解度を得るため、これらのアルコールは、1〜5個、好ましくは1〜3個のエチレンオキシ単位によって置換されていてもよい。さらなる例には、2〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールが含まれ、このジオールはまた、任意にさらなる置換を有していてもよい。例えば、共溶媒は、2−ブタノール、2メチル−1−プロパノール、ブチルグリコール、ブチルジグリコールおよびブチルトリグリコールからなる群から選択される、少なくとも1つであってもよい。
水性配合物中のコポリマーの濃度は、該水性配合物が最終使用に所望の粘度を有するよう固定される。配合物の粘度は、一般に、少なくとも5mPas(25℃および7s−1のせん断速度で測定した場合)、好ましくは少なくとも10mPasであるべきである。
一般に、配合物中のコポリマー(P)の濃度は、水性配合物中のすべての構成成分の合計に対して0.02〜2質量%である。その量は、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.3質量%、および例えば0.1〜0.2質量%である。
さらなる実施形態では、配合物中のコポリマー(P)の濃度は、0.05質量%以下使用され、とりわけ0.01質量%〜0.05質量%、好ましくは0.02質量%〜0.05質量%である。
コポリマー(P)が粉末または顆粒の形態にある場合、注入用の水性媒体にコポリマーを溶解しなければならない。顆粒は、例えば、0.1mm〜3mmの平均粒子サイズとすることができる。当業者は、ポリマーの分解を回避するため、高分子量ポリマーの溶解では、過度のせん断応力を回避すべきであることを承知している。ポリマーを溶解するため、および地中の地層に水溶液を注入するための装置ならびに方法は、原則として当業者に公知である。
水性配合物は、最初に水を投入し、粉末または顆粒の形態のコポリマーに分散させ、コポリマーを水と混合することにより生成することができる。
本発明のさらなる実施形態では、コポリマー顆粒または粉末は、2段階工程によって、溶解することができる。これには、最初の溶解段階において、ポリマー顆粒または粉末を水性媒体に溶解して、濃縮物を得ることを含む。こうした濃縮物は、例えば、1質量%〜3質量%の濃度を有することができる。これは、例えば、適切な溶解槽中で行うことができる。第2段階では、この濃縮物を希釈して使用濃度にする。これは、注入流体と一緒にパイプラインに濃縮物を直接注入することにより行うことができる。迅速な混合のために、ミキサー、とりわけ静的ミキサーを注入点より上に配設してもよい。こうした方法は、WO2012/140092A1によって開示されている。
本発明のさらなる実施形態では、溶解は、ポリマー顆粒を第1工程において水相により湿潤させることにより行うことができる。これにより、ポリマーは水相で膨潤する。ポリマーの濃度は、例えば、水相およびポリマーの総量に対して、約2〜10質量%とすることができる。この膨潤ポリマーは、続いて、適切な粉砕装置により、例えば0.05mm〜0.2mmのサイズに粉砕され、さらなる水と混合される。これにより、例えば、ポリマーの1〜3質量%の濃度を有することができる、ポリマー分散液が生じる。このポリマー分散液は、さらなる溶解槽中で完全に溶解することができる。一変形では、溶解槽に分注することができ、このポリマー分散液は、注入流体と一緒にパイプラインに直接注入することができ、この場合、ポリマーは、注入部位に向かう途中で完全に溶解する。後者は、とりわけ、注入流体がパイプラインである距離を超えて移送される場合(例えば、油田における中央溶解ステーションから様々な注入井まで)、有利である。概説された方法に適切な設備は、例えば、WO2008/071808A1およびWO2008/081048A1に開示されている。
コポリマー(P)は、既に溶液または逆相エマルションの形態にある場合、さらなる構成成分と任意に混合されて、使用濃度に希釈される。こうした希釈はまた、2段階で、すなわち最初に濃縮物を生成し、次に、それをさらに希釈することにより行うこともできる。この目的のための適切な装置は、例えばEP2283915A1によって開示されている。
水性配合物の注入は、慣用的な装置によって行うことができる。配合物は、慣用的なポンプより、1つまたは複数の注入井に注入することができる。これらの注入井は、通常、浸炭鋼管により内張りされており、この浸炭鋼管は、所望の点で穴が空けられている。配合物は、上記の穴を介して注入井から石油地層に入る。圧力は、原則として公知の方法でポンプにより適用され、配合物の流速を固定し、こうして、水性配合物が地層に入るせん断応力も固定する。地層への入り口にかかるせん断応力は、流れがそこから入り口を通過して地層に入る領域、平均空隙半径および体積流量を使用して、ハーゲン−ポアズイユの法則に基づいて、原則として公知の方法で当業者によって決定することができる。地層の平均透過率は、原則として公知の方法で記載されている通り、決定することができる。当然ながら、地層に注入される水性コポリマー配合物の体積流量が多いほど、せん断応力が大きくなる。
注入速度は、地層における条件に従い、当業者によって固定することができる。水性ポリマー配合物の地層への入り口のせん断速度は、好ましくは少なくとも30000s−1、好ましくは少なくとも60000s−1、およびより好ましくは少なくとも90000s−1である。
本発明による方法では、採掘井から採掘されるものは、一般に、単一相油ではなく、原油/水エマルションである。用語「原油/水エマルション」は、ここでは、油中水と水エマルション中油の両方を含むものとする。油−水エマルションは、例えば、0.1〜99質量%の水を含み得る。この水は、塩水の鉱床水であってもよい。しかし、ポリマー注入期間が長くなるにつれて、生成する水は、注入したコポリマーも含み得る。
精油所において原油をさらに処理する場合、産出された原油/水エマルションは分離されなければならない。この目的のために、それ自体、公知の方法で、解乳化剤を添加することが可能である。
原油エマルションを分離するプラントおよび方法は、当業者に公知である。このエマルションは、現場、すなわちまだ油田にある間に、通常、分離される。これは、採掘井または中央プラントにおいて設置されているプラントとすることができ、この場合、原油エマルションの分離は、油田のいくつかの採掘井に対して行われる。
分離は、既に、エマルションが処置用プラントに向かう途中に既に分離され得る速度で、新しく産出した原油エマルションの温度で進められる。こうして破壊されたエマルションは、次に、任意に加熱されている分離器中で、および恐らくは電場を使用して、純粋な油、および水または塩水に分離される。分離器は、重力の影響下でのみ分離するプラント、すなわち、例えば、沈降槽、あるいは他の分離器、例えば、液体遠心分離機を含み得る。
分離後、原油相は、さらなる処理のため、精油所に輸送され得る。除去された水相は、好ましくは注入用に再使用され得る。
産出された油−水エマルションの水相が注入されたコポリマーを一部含む場合、この層分離は遅延され得るか、または極端な場合、阻まれることさえあり得る。したがって、ポリマーを少なくとも一部、分解させることが定期的に望まれる。これは、水相に酸化剤を添加することによって行うことができる。適切な酸化剤の例には、過酸化水素、過硫酸塩、次亜塩素酸塩または亜塩素酸塩が含まれる。
好ましいコポリマー(P)の使用
本発明による方法に使用されるコポリマー(P)の性質は、鉱床温度および塩分濃度を含む要因によって導かれる。当業者は、条件に従って、適切な選択を行う。
本発明の一実施形態では、コポリマー(P1)は、本発明による方法において使用される。コポリマー(P1)はまた、比較的高い塩含有量および比較的高い地層温度にとりわけ適切である。したがって、コポリマーは、とりわけ地層水を使用して水性配合物を作製する場合に、好適である。当然ながら、海水および/または淡水を使用することも可能である。コポリマー(P1)を含む水性配合物の塩分濃度は、例えば、2000ppm〜350000ppm、とりわけ5000ppm〜250000ppm、および例えば100000ppm〜200000ppmとすることができる。アルカリ土類金属イオンの量は、好ましくは、1000〜53000ppmとすることができる。鉱床温度は、とりわけ、50℃〜120℃、好ましくは50℃〜100℃、および例えば50℃〜90℃とすることができる。水性配合物中のコポリマー(P1)の有利な濃度は、少なくとも0.1質量%、例えば0.15〜0.5質量%である。他の条件下、とりわけ50℃未満の鉱床温度において、および淡水を使用した場合に、コポリマー(P1)を使用することも当然ながら可能である。
本発明のさらなる実施形態では、コポリマー(P2)は、本発明による方法で使用される。コポリマー(P2)は、特にあまりに高すぎない塩含有量の場合に好適である。したがって、コポリマーは、とりわけ海水を使用して水性配合物を作製する場合に、好適である。淡水を使用することも当然ながら可能である。コポリマー(P2)を含む水性配合物の塩分濃度は、例えば、2000ppm〜100000ppm、とりわけ2000ppm〜60000ppm、および例えば30000ppm〜40000ppmとすることができる。鉱床温度は、とりわけ、35℃〜90℃、より好ましくは35℃〜80℃、および例えば40℃〜80℃とすることができる。水性配合物中のコポリマーの有利な濃度は、少なくとも0.1質量%、例えば0.15〜0.5質量%である。当然ながら、他の条件下、とりわけ35℃未満の鉱床温度において、および淡水を使用した場合に、コポリマー(P2)を使用することも可能である。
本発明のさらなる実施形態では、コポリマー(P3)は、本発明による方法において使用される。コポリマー(P3)は、とりわけ中程度の塩含有量および中程度の地層温度に好適である。コポリマー(P3)を含む水性配合物の塩分濃度は、例えば、5000ppm〜150000ppm、とりわけ5000ppm〜100000ppm、および例えば30000ppm〜80000ppmとすることができる。鉱床温度は、とりわけ、40℃〜100℃、好ましくは45℃〜90℃、および例えば45℃〜85℃とすることができる。水性配合物中のコポリマー(P3)の有利な濃度は、少なくとも0.1質量%、例えば0.15〜0.5質量%である。当然ながら、他の条件下、とりわけ50℃未満の鉱床温度において、および淡水を使用した場合に、コポリマー(P3)を使用することも可能である。
アルカリ−ポリマー圧入法
本発明の一実施形態では、本発明による方法は、アルカリ−ポリマー圧入作業である。
アルカリ−ポリマー圧入法の場合、水、ならびに記載されている少なくともコポリマー(P)、例えばコポリマー(P1)、(P2)または(P3)および少なくとも1種の塩基を含む水性配合物が使用される。水性配合物のpHは、一般に、少なくとも8、好ましくは少なくとも9、とりわけ9〜13、好ましくは10〜12、および例えば10.5〜11である。
原則として、所望のpHに到達することができるどのような種類の塩基を使用することも可能であり、当業者は適切な選択を行う。適切な塩基の例には、アルカリ金属水酸化物、例えばNaOHもしくはKOH、またはアルカリ金属炭酸塩、例えばNaCOが含まれる。さらに、これらの塩基は、塩基性塩、例えば、カルボン酸、リン酸のアルカリ金属塩、またはとりわけ、EDTANaなどの塩基形態の酸性基を含む錯化剤とすることができる。
塩基の添加は、追加の石油が可動化され得るという作用をもたらす。石油はまた、通常、様々なカルボン酸、例えばナフテン酸を含み、この酸は、塩基性配合物によって対応する塩に変換される。塩は、天然の界面活性剤として作用し、こうして、油除去過程を補助する。
使用される本方法および水性配合物のさらなる詳細に関しては、上記の説明が参照される。アルカリ−ポリマー圧入法に使用される配合物は、好ましい実施形態を含めた、上記の配合物とすることができるが、但し、この配合物はさらに、少なくとも1種の塩基を含み、上記のpHを有する条件とする。
本発明の一実施形態では、アルカリ−ポリマー圧入法に使用される配合物は、少なくとも1つの錯化剤をさらに含む。この方法では、アルカリ性の水性配合物が対応する金属イオンに接触する場合、および/または本方法のための対応する塩を含む水性配合物が使用される場合、それほど可溶ではない塩、とりわけCaおよびMg塩の望ましくない沈殿を防止することが有利にも可能である。錯化剤の量は当業者によって選択される。錯化剤の量は、水性配合物のすべての構成成分の合計に対して、例えば、0.1〜4質量%とすることができる。
アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法
本発明のさらなる実施形態では、本発明による方法は、アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入作業である。
アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法の場合、水、ならびに記載されている少なくともコポリマー(P)、少なくとも1種の塩基および少なくとも1種の界面活性剤を含む水性配合物が使用される。水性配合物のpHは、少なくとも8、好ましくは少なくとも9、とりわけ9〜13、好ましくは10〜12、および例えば10.5〜11である。適切な塩基は、既に上記で言及されている。
使用される界面活性剤は、原則として、界面活性剤圧入法に適切な任意の界面活性剤とすることができる。この種の界面活性剤は、原則として、当業者に公知である。界面活性剤圧入法に適切な界面活性剤の例には、スルフェート基、スルホネート基、ポリオキシアルキレン基、陰イオン修飾ポリオキシアルキレン基、ベタイン基、グルコシド基、またはアミンオキシド基、例えばアルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキルポリグルコシド、アルキルポリアルコキシレートまたはアルキルポリアルコキシスルフェート、アルキルポリアルコキシスルホネートまたはアルキルポリアルコキシカルボキシレートを含む界面活性剤が含まれる。任意に非イオン性界面活性剤と組み合わせて、陰イオン性界面活性剤を使用するのが好ましい可能性がある。
界面活性剤の濃度は、水性配合物のすべての構成成分の合計に対して、一般に、0.01質量%〜2質量%、好ましくは0.05〜1質量%、および例えば0.1〜0.8質量%である。
本発明の好ましい実施形態では、界面活性剤の少なくとも1つは、一般式
24−O−(R28O)(R29O)(R30O)−R25−YM(XII)
の陰イオン性界面活性剤である。
式(XII)では、R24は、脂肪族、脂環式および/または芳香族ヒドロカルビル基、好ましくは直鎖状または分岐状の、脂肪族、好ましくは10〜36個の炭素原子、好ましくは16〜36個の炭素原子を有する一級脂肪族ヒドロカルビル基である。
28ラジカルは、それぞれ独立して、ブチレン基−CR31(R32)−CR33(R34)−であり、R31、R32、R33およびR34ラジカルは、それぞれ独立して、H、メチルまたはエチルであり、但し、R31、R32、R33およびR34中の炭素原子の合計は、各場合において、2であることを条件とし、R28単位の少なくとも70mol%、好ましくは少なくとも80mol%より好ましくは少なくとも95mol%において、R31、R32およびR33はHであり、R34はエチルである。
29ラジカルは1,2−プロピレン基−CH−CH(CH)−であり、R30ラジカルはエチレン基−CH−CH−である。
25は、単結合または2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、このアルキレン基はまた、OH基によって任意に置換されていてもよい。
Yは、スルフェート基、スルホネート基、カルボキシレート基およびホスフェート基、好ましくはスルフェート基またはカルボキシレート基からなる群から選択される基であり、Mは、Hまたは陽イオン、とりわけNaなどのアルカリ金属陽イオンである。
上記の式(XII)では、さらに、nは0〜25の数であり、mは0〜35の数であり、lは0〜50の数であり、但し、n+m+lの合計が3〜75、好ましくは3〜50であることを条件とし、さらに、−(R28O)−、−(R29O)−および−(R30O)−の単位は、式(XII)において示されている配列の界面活性剤に、少なくとも80mol%、好ましくは少なくとも90mol%の程度で組み込まれている。アルコキシ化レベルn、mおよびlは平均値であることはアルコキシレートの分野の当業者には明白である。それらのレベルはまた、有理数であり得る。
本発明の一実施形態では、界面活性剤(XII)中のR24ラジカルは、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族ヒドロカルビルラジカルR24a、とりわけ一級脂肪族アルコールに由来する直鎖状ヒドロカルビルラジカルである。脂肪族アルコールに由来するラジカルは、偶数の炭素原子数を有しており、様々なラジカルの混合物であることが多い。例えば、C16ラジカルとC18ラジカルとの混合物であってもよい。
直鎖状脂肪族R24aラジカルを有する界面活性剤(XII)は、例えば、一般式
24a−O−(R29O)(R30O)SOM (XIIa)
(すなわち、n=0であり、R25は単結合であり、Yは硫酸塩基である)のアルキルポリアルコキシ硫酸塩とすることができる。式(XIIa)では、mは0〜15の数mであり、nは0〜15の数であり、この場合、m+lの合計は3〜30である。好ましくは、mは5〜15であり、nは0.1〜15であり、この場合、m+lの合計は5.1〜25である。Mは、上記で定義されている通りである。
直鎖状脂肪族R24aラジカルを有する界面活性剤(XII)は、さらに、一般式
24a−O−(R28O)(R29O)(R30O)SOM (XIIb)
(すなわち、R25は単結合であり、Yは、硫酸塩基である)のアルキルポリアルコキシ硫酸塩とすることができる。式(XIIb)では、nは3〜15の数であり、mは0〜15の数mであり、nは0〜25の数であり、この場合、n+m+lの合計は3〜50、好ましくは3〜35である。好ましくは、nは5〜15であり、mは1〜15であり、lは1〜25である。
直鎖状脂肪族R24aラジカルを有する界面活性剤(XII)は、さらに、一般式
24a−O−(R29O)(R30O)−CH−COM (XIIc)
(すなわち、n=0であり、R25はメチレン基−CH−であり、Yはカルボン酸塩基である)のアルキルポリカルボン酸塩とすることができる。式(XIIc)では、mは0〜15の数mであり、nは0〜15の数であり、この場合、m+lの合計は3〜30である。好ましくは、mは5〜15であり、nは0.1〜15であり、この場合、m+lの合計は5.1〜25である。Mは、上記で定義されている通りである。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤(XII)中のR24ラジカルは、10〜36個の炭素原子、好ましくは12〜28個の炭素原子を有する分岐状の脂肪族ヒドロカルビルラジカルR24bである。R24bラジカルの中間分岐レベルは、一般に、0.1〜3.5、好ましくは0.5〜3.5、例えば0.9〜3である。用語「分岐レベル」は、ここでは、R24‘‘ラジカル中のメチル基数−1として、原則として公知の方法で定義される。平均分岐レベルは、すべてのラジカルの分岐レベルの統計的平均値である。
分岐状脂肪族ラジカルR24bは、ゲルベアルコールに由来するR24b‘ラジカルであってもよい。ゲルベアルコールに由来するラジカルは、以下の一般式の2−分岐状ラジカル:Cv+22(v+2)+1(C2v+1)CH−CH−(XIII)(vは、3〜18の数である)を含む。ゲルベアルコールは、塩基の存在下でモノアルコールの縮合により、2倍の炭素原子数を有するゲルベアルコールと呼ばれる、二量体を形成することにより得ることができる。二量体と同様に、ゲルベアルコールはまた、モノマーアルコールのラジカルおよび高次縮合生成物を得ることもできる。
ゲルベアルコールに由来する分岐状脂肪族R24b‘ラジカルを有する界面活性剤は、例えば、一般式
24b’−O−(R28O)(R29O)(R30O)SOM (XIId)
(すなわち、R25は単結合であり、Yは硫酸塩基である)のアルキルポリアルコキシ硫酸塩とすることができる。式(XIId)では、nは3〜15の数であり、mは0〜15の数mであり、nは0〜25の数であり、この場合、n+m+lの合計は3〜50、好ましくは3〜35である。好ましくは、nは5〜15であり、mは1〜15であり、lは1〜25である。
ゲルベアルコールに由来する分岐状脂肪族R24b‘ラジカルを有する界面活性剤は、さらに、一般式
24b’−O−(R28O)(R29O)(R30O)−CH−COM (XIIe)
(すなわち、R25はメチレン基であり、Yはカルボン酸塩基である)のアルキルポリアルコキシカルボン酸塩とすることができる。式(XIIe)では、nは0〜15の数であり、mは0〜15の数mであり、nは0〜25の数であり、この場合、n+m+lの合計は3〜50、好ましくは3〜35である。好ましくは、nは0〜15であり、mは1〜15であり、lは2〜25である。
一実施形態では、分岐状脂肪族R24bラジカルは、メチル分岐を主に有する、R24b‘‘ラジカルである。例えば、このラジカルは、分岐の80%がメチル分岐であり、かつ好ましくは、0.1〜3.5の分岐レベルを有するものであり得る。
この種のR24b‘‘ラジカルを有する界面活性剤は、例えば、一般式
24b‘‘−O−(R29O)(R30O)SOM (XIIf)
(すなわち、n=0であり、R25は単結合であり、Yは硫酸塩基である)のアルキルエーテル硫酸塩とすることができる。式(XIIf)では、mは0〜15の数mであり、nは0〜15の数であり、この場合、m+lの合計は3〜30である。好ましくは、mは5〜15であり、nは0.1〜15であり、この場合、m+lの合計は5.1〜25である。Mは、上記で定義されている通りである。例えば、R24‘‘‘は、16〜17個の脂肪族炭素原子を有することができる。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、一般式
26−O−CHCHR27−(R29O)(R30O)SOM (XIV)
のアルキルエーテル硫酸塩である。
式(XIV)では、mは0〜35の数mであり、nは0〜55の数であり、この場合、m+lの合計は3〜60である。好ましくは、mは5〜15であり、nは0.1〜15であり、この場合、m+lの合計は5.1〜25である。R26は、4〜22個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状脂肪族ヒドロカルビルラジカルを表す。R27は、8〜22個の炭素原子を含む直鎖状脂肪族ヒドロカルビルラジカルを表す。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、アルキルアリールスルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートである。こうした界面活性剤の例には、ドデシルベンゼンスルホネートおよびヘキサデシルベンゼンスルホネートが含まれる。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、アリールアルキルスルホネート、例えばフェニルアルキルスルホネートである。こうした界面活性剤の例には、フェニルドデシルスルホネートが含まれる。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、14〜17個の炭素原子を含むパラフィンスルホネート、例えば二級パラフィンスルホネートである。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、オレフィンスルホネート、例えばα−オレフィンスルホネート、好ましくは12〜32個の炭素原子を有する内部オレフィンスルホネートである。オレフィンスルホネートは、原則として対応するオレフィンをスルホン化することによる公知の方法で得られる。好ましいのは、12〜28個の炭素原子を有する内部オレフィンスルホネート、例えば内部C15/18−オレフィンスルホネート、内部C19/23−オレフィンスルホネート、内部C20/24−オレフィンスルホネートまたは内部C24/28−オレフィンスルホネートである。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグルコシドであり、アルキル部位が8〜18個の脂肪族炭素原子を含む。
本発明のさらなる実施形態では、界面活性剤は、アルキルエトキシレートであり、アルキル部位は、8〜36個の脂肪族炭素原子を含み、界面活性剤は8〜39個のエトキシ化レベルを有する。
使用される本方法および水性配合物のさらなる詳細に関しては、上記が参照される。アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法に使用される配合物は、好ましい実施形態を含めた、上記の配合物とすることができるが、但し、この配合物はさらに、少なくとも1種の塩基、および少なくとも1種の界面活性剤、好ましくはまさに概略されている界面活性剤を含み、上記のpHを有する条件とする。
本発明の一実施形態では、アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法に使用される配合物は、少なくとも1つの錯化剤をさらに含む。この方法では、アルカリ性の水性配合物が、対応する金属イオンに接触する場合、および/または本方法のための対応する塩を含む水性配合物が使用される場合、それほど可溶ではない塩、とりわけCaおよびMg塩の望ましくない沈殿を回避することが有利にも可能となる。錯化剤の量は当業者によって選択される。錯化剤の量は、水性配合物のすべての構成成分の合計に対して、例えば、0.1〜4質量%である。
組合せ法
本発明による方法は、当然ながら、さらなる方法工程と組み合わせることができる。
一実施形態では、本方法は、水攻法と組み合わせることができる。水攻法では、水が、少なくとも1つの注入井を介して石油鉱床に注入され、原油が少なくとも1つの採掘井を介して、鉱床から採掘される。水は淡水であってもよく、または塩水、例えば海水または鉱床水であってもよい。水攻法の後、ポリマー圧入法に関する本発明のよる方法を使用することができる。
さらなる実施形態では、本方法は、界面活性剤圧入法と組み合わせることもできる。界面活性剤圧入法では、界面活性剤水溶液が、少なくとも1つの注入井を介して石油鉱床に注入され、原油が1つの採掘井を介して、鉱床から採掘される。水は淡水であってもよく、または海水もしくは鉱床水などの塩水であってもよい。界面活性剤は記載されている好ましい界面活性を含む、上記の界面活性剤であってもよい。界面活性剤水溶液はまた、さらに塩基を含んでもよい。こうした技法は、アルカリ−界面活性剤圧入法と呼ばれる。可能な方法順序は、水攻法→界面活性剤圧入法→ポリマー圧入法または水攻法→アルカリ−界面活性剤圧入法→ポリマー圧入法である。
当然ながら、本発明による方法はまた、様々な水性配合物を用いて連続して数回使用することもできる。例えば、配合に際し、ポリマーの濃度を段階的に向上することが可能である。さらなる組合せは、第1工程としてアルカリ−界面活性剤圧入法、それに続く第2工程として、界面活性剤およびアルカリを含まないポリマー圧入法を含むことができる。
さらなる実施形態は、第1工程としてアルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法、それに続く第2工程として、界面活性剤およびアルカリを含まないポリマー圧入法を含む。
さらなる実施形態は、第1工程として界面活性剤−ポリマー圧入法、それに続く、第2工程として、界面活性剤を含まないポリマー圧入法を含む。
後者の組合せのそれぞれにおいて、より高い塩分濃度を有する水性配合物は、第2工程より第1工程において使用することができる。あるいは、どちらの工程もまた、等しい塩分濃度の水を用いて行うこともできる。
さらなる実施形態は、ガス(例えば、窒素、メタン、エタン、プロパン、ブタンまたは二酸化炭素)の存在下、またはガスと交互に、ポリマー水溶液をポンプ注入することを含む。この方法は、界面活性剤の存在下で、任意に行うことができる。
本発明の利点
従来技術において、例えばWO2010/133527A2、WO2012/069477A1またはWO2012/069478A1から公知の疎水性会合コポリマーは、構造HC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜15R‘(EOは、エトキシ基を表し、AOは、少なくとも4個の炭素原子を有するアルコキシ基を表し、Rは、連結基を表し、R’は、Hまたは1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルを表す)を有しており、このポリマーは末端疎水性基を有することを意味する。
マクロモノマー(B)を有する本発明のコポリマー(P)は、同様に末端疎水性基を有するマクロモノマー(B2)、および短鎖親水性末端基をさらに有するマクロモノマー(B1)も含む。驚くべきことに、短鎖末端親水性基は、水溶液中での会合に害をなさず、それどころか、実際にはコポリマーの特性を改善する。
WO2012/069477A1による、マクロモノマーHC=CH−R−O−(EO)10〜150(AO)5〜15R‘を有する、会合コポリマーの水溶液は、温度の関数としての特徴的な粘度プロファイルを有する。図1aおよび1bはそれぞれ、様々なコポリマー、具体的には、2種の市販の非会合コポリマーの粘度、すなわち、アクリルアミド約50質量%およびナトリウム−ATBS(コポリマーV3)(ATBS=2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)約50質量%からなるコポリマー、アクリルアミド75mol%およびアクリル酸ナトリウム(コポリマーV4)25mol%からなるコポリマー、ならびにさらには、アクリルアミド約50質量%、ナトリウム−ATBS約48質量%および前記マクロモノマー(コポリマーV1)2質量%からなる会合コポリマーの水溶液の粘度が温度に依存することを示している。2種の市販の非会合コポリマーの場合には、温度が上昇するにつれて、粘度が低下する。会合コポリマーの場合には、水溶液の粘度は、始めはかなり増加し、約60℃で最大値を通過し、次に再度低下する。
こうして、WO2012/069477A1による会合コポリマーの水溶液は、60℃の範囲で特に高い粘度効率を有する。
本発明のコポリマー(P)の水溶液の場合、WO2012/069477A1からのコポリマーの場合と同様に、最初は温度上昇と共に、溶液粘度が約60℃で最大値まで増加する。温度がさらに上昇するにつれて、コポリマーおよび塩分濃度による粘度は、驚くべきことに、少なくとも有意な程、低下しないか、または最大90℃まで多少なりとも一定値を維持さえする。
こうして、本発明のコポリマー(P)は、60℃超の温度において、従来技術から公知のコポリマーよりも優れた粘度効率を有しており、より高い鉱床温度でさえも、一層経済的に実現可能なポリマー圧入法を可能にする。
次の実施例は、本発明を詳細に例示するよう意図されている。
マクロモノマー(B)の製造
略語
HBVE ヒドロキシブチルビニルエーテル、HC=CH−O−(CH−OH
EO エチレンオキシド
BuO ブチレンオキシド(>85質量%のブチレン1,2−オキシド)
PeO ペンテンオキシド(主に、ペンテン1,2−オキシド)
マクロモノマー1:
24.5EO、続いて16BuO、続いて3.5EOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)5.8]−H (B1) 約60mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H (B2) 約40mol%
からなる混合物
製造方法:
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO588.6g(0.543mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.39g(NaOH0.030mol、NaOH1.19g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.6bar(絶対)に調整した。EO59.7g(1.358mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは3.9bar(絶対)であった。一定圧力が確立されるのを待ち、これに30分間かかり、次に、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。BuO(ブチレンオキシド)625.5g(8.688mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧を行った。BuOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまでこの混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、BuOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として3.1bar(BuO610g後に第1の減圧、BuOの場合の全計量時間8時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。BuOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに8時間反応させて、次に135℃まで加熱した。この容器を1.6bar(絶対)まで減圧した。その後、EO(エチレンオキシド)83.6g(1.901mol)を135℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに4時間反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE−24.5EO−16BuO−3.5EOが確認された。
マクロモノマーB1およびB2の量の決定:
マクロモノマー(B1)は、二級末端OH基を有している一方、マクロモノマー(B2)は、一級末端OH基を有する。したがって、それらのマクロモノマーは、シフト試薬TAI(トリクロロアセチルイソシアネート)の存在下、CDCl中の1H NMRにより分析することにより区別することができ、(B1)と(B2)との比は、定量的に決定することができる。
HBVEをベースとする生成物中のエノールエーテル基は酸に敏感であり、試験条件下で加水分解されて、試験結果に混乱をもたらし得る一級アルコールを形成する恐れがあるので、モノマーB1とB2との比は、HBVEの代わりに、酸加水分解に一層安定な、ブチルジグリコール(BDG、HC−(CH−O−CHCHO−CH−CHOH)を用いた実験を行うことにより決定した。
この決定に関しては、BDGは、上記の条件下で、まず3当量のBuO、続いて、3.5当量のEOを用いてアルコキシ化した。BDG−3BuO中間体は、もっぱら二級末端OH基を有した。EO3.5によりアルコキシ化した後、二級アルコール40mol%および一級アルコール60mol%が確認され、こうして、BDG−3BuO中間体の一部は、全くエトキシ化されていなかった。したがって、エトキシ化された中間体は、3.5当量超のEOを含む。この結果は、次の通り説明することができる:最初のEO分子は、立体的に混み合った二級アルコールと反応し、立体的にそれほど混み合っておらず、故により反応性の高い一級アルコールを形成する。次のEO分子は、既に形成されている一級アルコール基と優先的に反応し、二級アルコール基とは反応しない。
ブチレンオキシドの残留量の決定
cの値は、ブトキシ化が終わった後(すなわち、HBVE→24.5EO→16BuO)および第2のエトキシ化が終わった後(すなわち、HBVE→24.5EO→16BuO→3.5EO)に、それぞれの反応混合物中のブチレンオキシドの残留含有量を決定することにより、決定した。
HBVE→24.5EO→16BuOの場合、この方法は、8時間のさらなる反応を含む、BuOの計量添加の終了時まで行い、続くエトキシ化を省略した。次に、この回分を秤量し、真空(<10mbar)を100℃で2時間、適用し、この回分を再度、秤量した。約6000ppmの揮発性構成成分が除去され、これは、ブチレン1,2−オキシドとしてGCのヘッドスペースにより特定した。
HBVE→24.5EO→16BuO→3.5EOの場合、さらなる反応時間を含めて、最後のエトキシ化の後に類似の方法でこの回分を秤量し、次に、真空(<10mbar)を100℃で2時間、適用し、この回分を再度、秤量した。約1500ppmの揮発性構成成分が除去され、これは、ブチレン1,2−オキシドとしてGCのヘッドスペースにより特定した。
したがって、約4500ppmのBuOが最終エトキシ化の間にマクロモノマーに取り込まれ、そうして、このマクロモノマーB1の末端EOブロックは少量のBuOを含む。その量から、cの値は約0.3と計算される。
マクロモノマー1a:
24.5EO、続いて16BuO、続いて3.5EOによるHBVEのアルコキシ化
手順は、ブトキシ化およびエトキシ化が最大6barの圧力で行われた以外、マクロモノマー1に関するものであった。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO568.6g(0.525mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.31g(NaOH0.029mol、NaOH1.16g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を3bar(絶対)に調整した。EO57.7g(1.311mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは6bar(絶対)であった。一定圧力が確立されるのを待ち、これに30分間かかり、次に、この容器を減圧して4.0bar(絶対)にした。BuO(ブチレンオキシド)604.2g(8.392mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは6bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧を行った。BuOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して4.0bar(絶対)にした。その後、BuOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として6bar(BuO505g後に第1の減圧、BuOの場合の全計量時間11時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。BuOの計量添加を終了した後、この混合物を127℃でさらに6時間反応させた。この容器を4bar(絶対)まで減圧した。その後、EO(エチレンオキシド)80.8g(1.836mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは6bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに4時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。約1400ppmの揮発性構成成分が除去された。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE−24.5EO−16BuO−3.5EOが確認された。
マクロモノマー1b:
24.5EO、続いて16BuO、続いて3.5EOによるHBVEのアルコキシ化
手順は、ブトキシ化が0.3〜2bar(絶対)の圧力で行われた以外はマクロモノマー1に関するものであった。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO568.6g(0.525mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.31g(NaOH0.029mol、NaOH1.16g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を3bar(絶対)に調整した。EO57.7g(1.311mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは6bar(絶対)であった。一定圧力が確立されるのを待ち、これに30分間かかり、次に、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。真空を適用し、圧力が0.3bar(絶対)まで低下させた。BuO(ブチレンオキシド)604.2g(8.392mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは2bar(絶対)であった。充填レベル(BuOの計量添加は、約14時間かかった)の増加のため、中間減圧はなんら必要としなかった。BuOの計量添加を終了した後、この混合物を127℃でさらに5時間、反応させた。Nを注入し、3bar(絶対)の圧力を確立した。その後、EO(エチレンオキシド)80.8g(1.836mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは6bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに4時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。約1400ppmの揮発性構成成分が除去された。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE−24.5EO−16BuO−3.5EOが確認された。
マクロモノマー2:
24.5EO、続いて16BuO、続いて5EOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)7.7]−H 約65mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H 約35mol%
からなる混合物
製造方法:
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧に撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO566.4g(0.522mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.30g(NaOH0.029mol、NaOH1.15g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.1bar(絶対)に調整した。EO57.5g(1.306mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは3.9bar(絶対)であった。一定圧力が確立されるのを待ち、これに30分間かかり、次に、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。BuO(ブチレンオキシド)601.7g(8.357mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧を行った。BuOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、BuOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として3.1bar(BuO450g後に第1の減圧、BuOの場合の全計量時間8時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。BuOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに8時間反応させて、次に135℃まで加熱した。この容器を1.6bar(絶対)まで減圧した。その後、EO(エチレンオキシド)114.9g(2.612mol)を135℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに5時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE−24.5EO−16BuO−5EOが確認された。
マクロモノマーB1およびB2の量、ならびにcの値は、マクロモノマー1の手順と同様に決定した。すなわち、ブトキシ化HBVE→24.5EO→16BuOの後において、約6000ppmの揮発性構成成分が確認され、この構成成分は、ブテン1,2−オキシドと特定された。EO5当量の添加後、揮発性構成成分の割合は、約1200ppmまで低下した。これから、cの値は約0.3と計算される。
マクロモノマー3:
22EO、続いて10PeO、続いて2.5EOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7[(PeO)0.2(EO)5.5]−H 約45mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7H 約55mol%からなる混合物
製造方法:
製造方法:
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO713.6g(0.658mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.89g(NaOH0.036mol、NaOH1.45g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.1bar(絶対)に調整した。PeO(ペンテンオキシド)566.1g(6.583mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは2.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧を行った。PeOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、PeOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として2.1bar(PeO310g後に第1の減圧、PeOの場合の全計量時間6.5時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。PeOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに2時間反応させて、次に135℃まで加熱した。この容器を1.6bar(絶対)まで減圧した。その後、EO(エチレンオキシド)72.4g(1.646mol)を135℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに5時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE→22EO→10PeO→2.5EOが確認された。
マクロモノマーB1およびB2の量、ならびにcの値は、マクロモノマー1の手順と同様に決定した。すなわち、HBVE→22EO→10PeOの場合、約12000ppmの揮発性構成成分が確認され、この構成成分は、ペンテン1,2−オキシドと特定された。EO2.5当量の添加後、揮発性構成成分の割合は、約9000ppmまで低下した。これから、cの値は約0.2と計算される。
マクロモノマー4:
22EO、続いて10PeO、続いて9EOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7[(PeO)0.1(EO)12]−H 約75mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7−H 約25mol%
からなる混合物
製造方法:
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbar℃の圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO611.5g(0.564mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.48g(NaOH0.031mol、NaOH1.24g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.1bar(絶対)に調整した。PeO(ペンテンオキシド)485.1g(5.641mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは2.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧を行った。PeOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、PeOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として2.1bar(PeO360g後に第1の減圧、PeOの場合の全計量時間9時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。PeOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに9時間反応させて、次に135℃まで加熱した。この容器を1.6bar(絶対)まで減圧した。その後、EO(エチレンオキシド)223.4g(5.077mol)を135℃で計量して入れた。pmaxは3.1bar(絶対)であった。EOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに5時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EO−10PeO−9EOが確認された。
マクロモノマーB1およびB2の量、ならびにcの値は、マクロモノマー1の手順と同様に決定した。すなわち、HBVE−22EO−10PeOの場合、約12000ppmの揮発性構成成分が確認され、この構成成分は、ペンテン1,2−オキシドと特定された。EO9当量の添加後、揮発性構成成分の割合は、約6000ppmまで低下した。これから、cの値は約0.1と計算される。
マクロモノマーV1:
22EO、続いて10PeOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7−H 100%
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。
この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。
分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO744.5g(0.6868mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、メタノール中の32%NaOMe(ナトリウムメトキシド)溶液5.33g(NaOMe0.0316mol、NaOMe1.71g)を加え、メタノールを留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。
この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.1bar(絶対)に調整した。PeO590.6g(6.868mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは2.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、中間減圧が必要になった。PeOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、PeOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として2.1bar(PeO約400g後に第1の減圧、PeOの場合の全計量時間7時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。PeOの計量添加を終了した後、この混合物を一定圧になるまで、または3時間、さらに反応させた。この混合物を110℃まで冷却し、少なくとも60分間、圧力が10mbar未満になるまで減圧下で残留酸化物を除去した。次に、0.5%の水を110℃で加え、次に、少なくとも60分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。こうして、HBVE−22EO−10PeOの場合、合計約12000ppmの揮発性フラクションが確認され、このフラクションは、ペンテン1,2−オキシドと特定されて除去された。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。
分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造が確認された。
マクロモノマーV2:
24.5EO、続いて16BuOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H 100%
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)135.3g(1.16mol)(水酸化カリウム(KOH)100ppmにより安定化)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。カリウムメトキシド(KOMe)溶液1.06g(メタノール(MeOH)中32%KOMe、カリウム0.0048molに相当する)を流し入れ、撹拌容器を10〜20mbarの圧力まで排気して65℃まで加熱し、65℃および10〜20mbarの圧力で70分間、操作した。MeOHを留去した。この容器をN(窒素)により3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を120℃に加熱した。この容器を1bar(絶対)まで減圧し、エチレンオキシド(EO)1126g(25.6mol)を計量して最大pmax3.9bar(絶対)およびTmax150℃にした。EO300gを計量して入れた後、この計量添加を停止(開始後約3時間)し、この容器を30分間、放置して1.3bar(絶対)まで減圧した。その後、EOの残りを計量して入れた。減圧を含めたEOの計量添加は、合計10時間続いた。
この混合物を約145〜150℃(1時間)で一定圧で撹拌し、100℃まで冷却して、10mbar未満の圧力で1時間、低沸点物を不含にした。この材料をN下、80℃で分注した。分析(OH数、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、構造HBVE−22EOが確認された。
アンカー型攪拌機を備えた2lの加圧オートクレーブに、まずHBVE−22EO588.6g(0.543mol)を投入し、この攪拌機に電源を入れた。その後、50%NaOH溶液2.39g(NaOH0.030mol、NaOH1.19g)を加え、水を留去するため、<10mbarの真空を適用し、この混合物を100℃まで加熱し、80分間、ここで維持した。この容器をNにより3回、パージした。その後、この容器の漏れ試験を行い、圧力を0.5bar(ゲージ)(1.5bar(絶対))に設定し、この容器を127℃に加熱し、次に圧力を1.6bar(絶対)に調整した。EO59.7g(1.358mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは3.9bar(絶対)であった。一定圧力が確立されるのを待ち、これに30分間かかり、次に、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。BuO(ブチレンオキシド)625.5g(8.688mol)を127℃で計量して入れた。pmaxは2.1bar(絶対)であった。充填レベルの増加のため、3回の中間減圧を行った。BuOの計量添加を停止し、圧力が一定になるまで、この混合物を1時間反応させて、この容器を減圧して1.0bar(絶対)にした。その後、BuOの計量添加を継続した。Pmaxは、依然として3.1bar(BuO約300gの後に第1の減圧、BuO約500gの後に第2の減圧、BuOの場合の全計量時間約24時間には、減圧のための中断が含まれた)であった。BuOの計量添加を終了した後、この混合物をさらに4時間、反応させた。この混合物を100℃まで冷却し、1bar(絶対)まで減圧した。少なくとも2時間、圧力が10mbar未満になるまで残留酸化物を取り除いた。次に、0.5%の水を120℃で加え、次に、少なくとも10分間、圧力が10mbar未満になるまで取り除いた。真空をNで解除し、BHT100ppmを加えた。分注は、N下、80℃で行った。分析(質量スペクトル、GPC、CDCl中の1H NMR、MeOD中の1H NMR)により、平均組成HBVE−24.5EO−16BuOが確認された。
ブトキシ化HBVE→24.5EO→16BuOの後の場合において、約6000ppmの揮発性構成成分が確認され、この構成成分は、ブテン1,2−オキシドと特定された。これらを除去し、そうしてHBVE−24.5EO−15.8BuOが最終的に存在した。
マクロモノマーV3:
22EO、続いて12PeOによるHBVEのアルコキシ化
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)12−H 100%
異なる量のPeOを使用した以外、マクロモノマーV1に関する手順に従った。
コポリマー(P)の製造
このコポリマーは水溶液中の断熱ゲル重合によって製造した。
コポリマー1:
アクリルアミド50質量%、Na−ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)48質量%およびマクロモノマー1 2%からなるコポリマー
マクロモノマー1:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)5.8]−H (B1) 約60mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H (B2) 約40mol%
製造方法:
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、50%Na−ATBS水溶液146.5gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水105.8g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマー2 2.8g、アクリルアミド(50%水溶液)138.2g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3.0g。
20%または2%硫酸溶液を用いてpH6に調整し、残りの水を加えて37質量%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに30分間、窒素をパージし、水溶性アゾ開始剤2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(Wako V−50)の10%水溶液1.6ml、1%t−BHPO溶液0.12mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が約25分以内に、80℃〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
重合後、このゲルを約50℃まで冷却し、このゲルブロックを肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、800万〜1400万g/molであった。
コポリマー2:
アクリルアミド50質量%、Na−ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)48質量%およびマクロモノマー2 2%からなるコポリマー
マクロモノマー2:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)7.7]−H 約65mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H 約35mol%
製造方法:
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、50%Na−ATBS水溶液146.5gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水105g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマー2 2.8g、アクリルアミド(50%水溶液)138.2g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3.0g。
20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6に調整し、残りの水を加えて37%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、水溶性アゾ開始剤2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(Wako V−50)の10%水溶液1.6ml、1%t−BHPO溶液0.12mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が約25分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを約50℃まで冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、800万〜1400万g/molであった。
コポリマー3:
アクリルアミド50質量%、Na−ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)48質量%およびマクロモノマー3 2%からなるコポリマー
マクロモノマー3:
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7[(PeO)0.2(EO)5.5]−H 約45mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7H 約55mol%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、50%Na−ATBS水溶液146.5gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水105g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマー3 2.8g、アクリルアミド(50%水溶液)137.4g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3.0g。
20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6に調整し、残りの水を加えて37%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、水溶性アゾ開始剤2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(Wako V−50)の10%水溶液1.6ml、1%t−BHPO溶液0.12mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が約25分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを約50℃まで冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、800万〜1400万g/molであった。
コポリマー4:
アクリルアミド69質量%、アクリル酸ナトリウム30質量%、およびマクロモノマー1 1質量%からなるコポリマー
マクロモノマー1:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)5.8]−H (B1) 約60mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H (B2) 約40mol%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、35%アクリル酸ナトリウム水溶液101.8gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水119.1g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマー1 1.2g、アクリルアミド(50%水溶液)163.3g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(5%水酸化ナトリウム溶液に溶解)の4%溶液4g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H1.2g。
5%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6.75に調整し、残りの水を加えて30%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、アゾ開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の4%メタノール溶液4g、1%t−BHPO溶液0.16mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.16mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が40〜50分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、10百万〜20百万g/molであった。
コポリマー5:
アクリルアミド69質量%、アクリル酸ナトリウム30質量%、およびマクロモノマー4 1質量%からなるコポリマー
マクロモノマー4:
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7[(PeO)0.1(EO)12]−H 約75mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7−H 約25mol%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、35%アクリル酸ナトリウム水溶液101.8gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水111.6g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマー4 1.2g、アクリルアミド(50%水溶液)163.3g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(5%水酸化ナトリウム溶液に溶解)の4%溶液4g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H1.2g。
5%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6.75に調整し、残りの水を加えて30%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。続いて、この反応溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、アゾ開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の4%メタノール溶液4g、1%t−BHPO溶液0.16mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が40〜50分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、10百万〜20百万g/molであった。
コポリマー6:
アクリルアミド98質量%およびマクロモノマー1 2質量%からなるコポリマー
マクロモノマー1:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)5.8]−H (B1) 約60mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H (B2) 約40mol%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、蒸留水140gを最初に投入し、アクリルアミド(50%溶液)231.27g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(5%水酸化ナトリウム溶液に溶解)の4%溶液4g、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩の5%水溶液1.2g、非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H1.2g、およびマクロモノマー1 2.36gを加えた。
20%または2%硫酸溶液を用いてpH6に調整し、残りの水(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量で、モノマー含有量30%に調整した)を加えた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに30分間、窒素をパージし、AIBNの4%メタノール溶液4.0ml、1%ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液0.48gおよび1%硫酸アンモニウム鉄溶液0.80gを用いて重合を開始した。固体ポリマーゲルが得られた。
重合後、このゲルを約50℃まで冷却し、このゲルブロックを肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
コポリマー7:
アクリルアミド56質量%、アクリル酸ナトリウム29.7質量%、Na−ATBS12.3質量%およびマクロモノマー1 2質量%からなるコポリマー
マクロモノマー1:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8[(BuO)0.3(EO)5.8]−H (B1) 約60mol%
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H (B2) 約40mol%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、蒸留水90gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:アクリル酸ナトリウム溶液(水中35%)50.64g、ナトリウムATBS溶液(水中50%)86.24g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、アクリルアミド(52%溶液)155.53g、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩の5%水溶液1.2g、マクロモノマー1 3.14g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3g。
20%または2%硫酸溶液を用いてpH6に調整し、残りの水(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量で、モノマー含有量37%に調整した)を加えた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに30分間、窒素をパージし、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩の10%水溶液2.4ml、1%TBHP溶液0.12gおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24gを用いて重合を開始した。固体ポリマーゲルが得られた。
重合後、このゲルを約50℃まで冷却し、このゲルブロックを肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
コポリマーV1:
アクリルアミド50質量%、Na−ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)48質量%およびマクロモノマーV1 2%からなるコポリマー
マクロモノマーV1:
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)9.7−H 100%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、50%Na−ATBS水溶液146.5gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水105g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマーV1 2.8g、アクリルアミド(50%水溶液)137.4g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3.0g。
20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6に調整し、残りの水を加えて37%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、水溶性アゾ開始剤2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(Wako V−50)の10%水溶液1.6ml、1%t−BHPO溶液0.12mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が約25分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを約50℃まで冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、800万〜1400万g/molであった。
コポリマーV2:
アクリルアミド50質量%、Na−ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩)48質量%およびマクロモノマーV2 2%からなるコポリマー
マクロモノマーV2:
C=CH−O−(CH−O−(EO)24.5(BuO)15.8−H 100%
磁気撹拌器、pHメーターおよび温度計を備えたプラスチック製バケツに、50%Na−ATBS水溶液146.5gを最初に投入し、次に、引き続き以下を加えた:蒸留水105g、市販のシリコーンをベースとする消泡剤(Dow Corning(登録商標)Antifoam Emulsion RD)0.4g、マクロモノマーV1 2.8g、アクリルアミド(50%水溶液)137.4g、5%ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩水溶液1.2g、および非イオン性界面活性剤iC13−(EO)15H3.0g。
20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6に調整し、残りの水を加えて37%の所望のモノマー濃度(水の全量−既に添加した水量−必要な酸量)に到達させた後、このモノマー溶液を初期温度4℃に調整した。この溶液を保温フラスコに移送し、温度記録用の温度センサを装着し、このフラスコに45分間、窒素をパージし、水溶性アゾ開始剤2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(Wako V−50)の10%水溶液1.6ml、1%t−BHPO溶液0.12mlおよび1%亜硫酸ナトリウム溶液0.24mlを用いて重合を開始した。重合の開始に伴い、温度が約25分以内に、80〜90℃に上昇した。固体ポリマーゲルが得られた。
このゲルブロックを約50℃まで冷却した後、肉挽器を用いて粉砕した。得られたゲル状顆粒を55℃で2時間、流動床乾燥器で乾燥した。これにより、硬質白色顆粒が得られ、この顆粒を遠心ミルにより粉末状態に変換した。
質量平均分子量Mは、800万〜1400万g/molであった。
コポリマーV3:
アクリルアミド約50質量%、および約8〜1310g/molの質量平均分子量Mを有する2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸約50質量%からなる、ポリマー圧入法向けの市販のコポリマー
コポリマーV4:
アクリルアミド約75mol%、および約20000000g/molの質量平均分子量Mを有するアクリル酸ナトリウム単位約25mol%からなる、ポリマー圧入法向けの市販のコポリマー
コポリマーV5:
アクリルアミド69質量%、アクリル酸ナトリウム30質量%およびマクロモノマーV3 1質量%からなるコポリマー
マクロモノマーV3:
C=CH−O−(CH−O−(EO)22(PeO)12−H 100%
この手順はマクロモノマーV3がマクロモノマー4の代わりに使用された以外、コポリマー5に関するものであった。
性能試験:
粘度測定
粘度測定は、7s−1のせん断速度で、Haake RS80粘度計を用いて行った。
粘度測定に関しては、ポリマーの水溶液を使用した。このポリマーは、以下の水性媒体を使用して溶解した:
水道水:
総塩濃度123mg/l
海水(人工):
総塩濃度:約35000mg/l
Na 10692mg/l、K 420mg/l、Mg2+ 1295mg/l、Ca2+ 422mg/l、Cl 19218mg/l、HCO 145mg/l、SO 2− 2697mg/l
アルカリ金属イオン/アルカリ土類金属イオンの比:6.2
鉱床水(人工):
総塩濃度:185548mg/l
Na 52079mg/l、Mg2+ 2681mg/l、Ca2+ 15383mg/l、Cl 115105mg/l、ホウ酸イオン117mg/l、SO 2− 183mg/l
アルカリ金属イオン/アルカリ土類金属イオンの比:2.9;高いCa2+含量を有する鉱床水。
以下の試験を行った:
本発明のコポリマーおよび比較例ポリマーそれぞれの溶液を水道水、海水および鉱床水中、500ppm〜3000ppmの範囲の様々な濃度で作製した。粘度は、各場合において、様々な温度で測定した。
結果が図1〜7に示されている。各場合において試験したポリマー、水相のタイプ、および使用したポリマーの濃度は、図中に報告されている。
Figure 0006505106
本実験に関するコメント:
図1aおよび1bはそれぞれ、温度に対する異なるコポリマーの水溶液の粘度依存性、具体的には、2種の市販の非会合コポリマー(コポリマーV3およびV4)およびさらにマクロモノマーV1を有する会合コポリマー(コポリマーV1)の粘度依存性を示している。2種の市販の非会合コポリマーの場合には、温度が上昇するにつれて、粘度が低下する。会合コポリマーの場合には、水溶液の粘度は、始めはかなり増加し、約60℃で最大値を通過し、次に再度低下する。
図2a〜2dはそれぞれ、温度または濃度の関数としてのコポリマーV2の水溶液の粘度依存性を示している。コポリマーV2は、マクロモノマー(B1)および(B2)からなる本発明の混合物を含まないが、末端−[−(RO)(RO)d(1+x)]−H基を有さないマクロモノマー(B2)しか含んでいない。温度の関数としての粘度プロファイルは、コポリマーV1のそれと類似している。すなわち、粘度は約60℃で最大値に到達し、次に、再度、低下する。
図3a〜3dはそれぞれ、温度または濃度の関数としての、スルホ基を有する本発明のコポリマー1(アクリルアミド50質量%、ATBS48質量%、マクロモノマー2質量%)の水溶液の粘度依存性を示している。水道水中で測定した粘度は、30℃〜90℃に連続的に増加し、全く低下しない。海水では、約50℃で最大値に到達した後、あったとしても、粘度はやはりわずかしか低下せず、多かれ少なかれ90℃の一定値を維持していることを意味する。鉱床水では、粘度は、最大値に到達後に低下するが、粘度はポリマーV1と同様である。
図4a〜4dおよび5a〜5dは、各場合において、他のマクロモノマー(B)を使用し、アクリルアミド50質量%、ATBS48質量%、およびマクロモノマー2質量%を含む、スルホ基を有する2種の他のコポリマー(コポリマー2および3)に関する試験結果を示している。これらの結果は、コポリマー1の結果に非常に類似している。
図6a〜6cおよび7a〜7cはそれぞれ、−COOH基を有するコポリマー、すなわちアクリルアミド69質量%、アクリル酸ナトリウム30質量%およびマクロモノマー1質量%を含むコポリマー(コポリマー4および5)の試験結果を示している。この組成は、コポリマーV4がいかなるマクロモノマーも含んでいないことを除くと、コポリマーV4の組成と実質的に対応している。予想通り、濃度の関数としての粘度の測定により、スルホ基を有するコポリマーの使用と比べると、水道水の使用と海水の使用との間にかなり一層明確な差異が示される。水道水中のコポリマー4の粘度は、30〜90℃の範囲においてわずかに減少するが、80℃では、再びわずかに増加し始める。海水では、比較的低い濃度における粘度は、多少なりとも温度に依存しないが、2000ppmでは、温度につれて粘度はかなり増加する。コポリマー5の水溶液の挙動は類似している。したがって、−COOH基を有するコポリマーは、海水などの適度な塩濃度におけるポリマー圧入法に良好な適合性がある。
多孔質媒体(コア圧入試験)における性能:
コポリマー1をコア圧入試験を実施するために使用した。この目的のため、人工海水(組成に関しては上記を参照されたい)中のコポリマー1の溶液を、300ppm、500ppmおよび1000ppmのポリマー濃度で使用した。コア圧入試験の場合、約2ダーシーの透過率を有するベントハイム(Bentheim)砂岩を使用した。この実験はそれぞれ、60℃で行った。
第1工程では、ポリマーを含まない人工海水を最初に、1ml/分の流速でコアにポンプ注入し、コア全体にかかる圧力差を測定した。続いて、1ml/分の流速でコアに上記のポリマー溶液をポンプ注入し、各場合における圧力差を決定した。
次に、ポリマー溶液と純粋な海水の圧力差の比を使用し、抵抗因子(RF)を計算した。高いRFは、溶解したポリマーによって水溶液が効果的に増粘したことを示している。コポリマー1のRF値は、以下の表においてまとめられている:
Figure 0006505106
これらの結果は、コポリマー1が、300ppmという低い濃度でさえも非常に高いRF値を有することを示している。

Claims (36)

  1. 少なくとも1種の増粘性水溶性コポリマー(P)を含む水性配合物を少なくとも1つの注入井から石油鉱床に注入し、少なくとも1つの採掘井を介して鉱床から原油を採掘する、地中の石油鉱床から石油を産出するための方法であって、前記水溶性コポリマー(P)が、少なくとも、
    (A)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)を35〜99.5質量%、
    (B)モノエチレン性不飽和基ならびに親水性基および疎水性基を少なくとも含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和マクロモノマー(B)を0.01〜15質量%、および
    (C)−COOH、−SOHおよび−PO基またはそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸性基を含む、少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を0.1〜69.99質量%
    含み、
    少なくとも1種のマクロモノマー(B)が、一般式
    (B1) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−[(RO)(RO)]−H (I)、および
    (B2) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H (II)
    であるマクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物であり、
    これらのモノマーの記載量がそれぞれ、コポリマー(P)中のすべてのモノマーの総量に対するものであり、マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対する(B1)のモル比Xは、0.1〜0.99であり、式中、ラジカルおよび添え字はそれぞれ、
    : Hまたはメチル、
    : 単結合または二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)、
    : 独立して、エチレン基−CHCH−、1,2−プロピレン基−CH−CH(CH)−またはアルキレン基R(但し、Rラジカルの少なくとも90mol%はエチレン基であることを条件とする)、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびRラジカルは、それぞれ独立して、H、または1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカルであり、但し、全ラジカルがHとなることはなく、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は2〜8個であることを条件とする)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 10〜35の数、
    b 5〜30の数、
    c 0〜2の数、
    d 1〜15の数)、
    と定義され、さらに、
    ・ コポリマーが、110g/mol〜3010g/molの質量平均分子量Mを有しており、
    ・ 水性配合物中のコポリマーの量が、0.02〜2質量%であり、
    ・ 石油鉱床の温度が20℃〜120℃である、
    方法。
  2. 鉱床の温度が35〜120℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 鉱床の温度が40〜100℃である、請求項1に記載の方法。
  4. 水性配合物が塩を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 塩の濃度が、配合物中のすべての構成成分の合計に対して5000ppm〜250000ppmである、請求項4に記載の方法。
  6. 、R、RおよびRラジカルの2つまたは3つが、Hであり、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計が、2または3である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 存在しているR、R、RおよびRラジカルすべてにおけるすべての炭素原子の合計が25〜50であるという条件で、ROラジカルの数b+cが選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. モノマー(B1)のモル比Xが、(B1)および(B2)の合計に対して0.4〜0.95である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. アルカリ−ポリマー圧入法を含み、注入に使用される水性配合物が少なくとも1種の塩基をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. アルカリ−界面活性剤−ポリマー圧入法を含み、注入に使用される水性配合物が少なくとも1種の塩基および少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 水性配合物がpH9〜13を有する、請求項9または10に記載の方法。
  12. 界面活性剤の少なくとも1つが、一般式
    24−O−(R28O)(R29O)(R30O)−R25−YM (XII)
    (式中、ラジカルおよび添え字は、以下の通りそれぞれ定義される:
    24: 10〜36個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式および/または芳香族ヒドロカルビル基、
    28: 独立して、ブチレン基−CR31(R32)−CR33(R34)−(R31、R32、R33およびR34ラジカルは、それぞれ独立して、H、メチルまたはエチルであり、但し、R31、R32、R33およびR34中の炭素原子の合計は、各場合において、2であることを条件とし、R28単位の少なくとも70mol%において、R31、R32およびR33はそれぞれHであり、R34はエチルである)、
    29: 1,2−プロピレン基−CH−CH(CH)−、
    30: −CHCH−、
    25: 単結合、または2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、OH基によって任意に置換されていてもよい、
    Y スルフェート基、スルホネート基、カルボキシレート基およびホスフェート基からなる群から選択される基、
    M Hまたは陽イオン、
    n 0〜25、
    m 0〜35、
    l 0〜75、および
    n+m+l 3〜75)
    の陰イオン性界面活性剤である、請求項10または11に記載の方法。
  13. 24ラジカルが、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族ヒドロカルビルラジカルR24aである、請求項12に記載の方法。
  14. 24ラジカルが、12〜28個の炭素原子を有する分岐状の脂肪族ヒドロカルビルラジカルR24bである、請求項12に記載の方法。
  15. 界面活性剤の少なくとも1つが、オレフィンスルホネートである、請求項10または11に記載の方法。
  16. 配合物が少なくとも1種の錯化剤をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 配合物が少なくとも1種の遊離ラジカル捕捉剤をさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 配合物が少なくとも1種の酸素捕捉剤をさらに含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 配合物が少なくとも1種の犠牲試薬をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. コポリマー(P)が、
    ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを40〜60質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B1)および(B2)を0.1〜5質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字は、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜25の数、
    c 0〜1.5の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ SOH基またはその塩を含む少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を40〜60質量%
    含むコポリマー(P1)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P1)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 水性配合物が、塩を配合物中のすべての構成成分の合計に対して5000ppm〜250000ppmの濃度で含む、請求項20に記載の方法。
  22. 鉱床温度が50℃〜120℃である、請求項20または21に記載の方法。
  23. コポリマー(P)が、
    ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを50〜85質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B1)および(B2)を0.1〜10質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜25の数、
    c 0〜2の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ COOH基またはその塩を含む少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を5〜45質量%
    含むコポリマー(P2)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P2)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  24. 水性配合物が、塩を配合物中のすべての構成成分の合計に対して2000ppm〜60000ppmの濃度で含む、請求項23に記載の方法。
  25. 鉱床温度が35℃〜90℃である、請求項23または24に記載の方法。
  26. コポリマー(P)が、
    ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを30〜85質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B1)および(B2)を0.1〜10質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜25の数、
    c 0〜2の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ COOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C1)を5〜40質量%および−SOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C2)を5〜40質量%含む、少なくとも2種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)
    を含むコポリマー(P3)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P3)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  27. 水性配合物が、塩を配合物中のすべての構成成分の合計に対して5000ppm〜150000ppmの濃度で含む、請求項26に記載の方法。
  28. 鉱床温度が40℃〜100℃である、請求項26または27に記載の方法。
  29. 少なくとも
    (A)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)を30〜99.99質量%、
    (B)モノエチレン性不飽和基ならびに親水性基および疎水性基を少なくとも含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和マクロモノマー(B)を0.01〜15質量%、および
    (C)−COOH、−SOHおよび−PO基またはそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸性基を含む、少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を0.1〜69.99質量%
    含む、水溶性コポリマー(P)であって、
    少なくとも1種のマクロモノマー(B)が、一般式
    (B1) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−[−(RO)(RO)]−H (I)、および
    (B2) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H (II)
    であるマクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物であり、
    これらのモノマーの記載量がそれぞれ、コポリマー(P)中のすべてのモノマーの総量に対するものであり、マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対する(B1)のモル比Xは0.1〜0.99であり、ラジカルおよび添え字はそれぞれ、
    : Hまたはメチル、
    : 単結合または二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)、
    : 独立して、エチレン基−CHCH−、1,2−プロピレン基またはアルキレン基R(但し、Rラジカルの少なくとも90mol%はエチレン基であることを条件とする)、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびRラジカルは、それぞれ独立して、H、または1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカルであり、但し、全ラジカルがHとなることはなく、R、R、RおよびRラジカル中の炭素原子の合計は2〜8個であることを条件とする)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 10〜35の数、
    b 5〜30の数、
    c 0〜2の数、
    d 1〜15の数
    と定義され、
    コポリマーが、110g/mol〜3010g/molの質量平均分子量Mを有する、
    水溶性コポリマー(P)。
  30. ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを40〜60質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B1)および(B2)を0.1〜5質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字は、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜30の数、
    c 0〜2の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ SOH基またはその塩を含む少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を40〜60質量%
    含むコポリマー(P1)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P1)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項29に記載のコポリマー(P)。
  31. ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを50〜85質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B)を0.1〜10質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜25の数、
    c 0〜2の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ COOH基またはその塩を含む少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を5〜45質量%
    含むコポリマー(P2)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P2)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項29に記載のコポリマー(P)。
  32. ・ モノマー(A)として、(メタ)アクリルアミドを30〜85質量%、および
    ・ マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対して(B1)のモル比が0.3〜0.95である、マクロモノマー(B)を0.1〜10質量%(式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字はそれぞれ、以下の通り定義されている:
    : Hまたはメチル、
    : 二価の連結基−OR35−(R35は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状1,ω−アルキレン基である)、
    : エチレン基−CHCH−、
    : 独立して、アルキレン基−CR(R)−CR(R)−(R、R、RおよびR中の炭素原子の合計は、各場合において2であり、−CR(R)CR(R)−単位の少なくとも70mol%において、R、RおよびRはそれぞれHであり、Rはエチルである)、
    : エチレン基−CHCH−、
    a 20〜28の数、
    b 10〜25の数、
    c 0〜2の数、
    d 1.5〜10の数)
    および、さらに、
    ・ COOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C1)を5〜40質量%および−SOH基またはその塩を含む少なくとも1種のモノマー(C2)を5〜40質量%含む、少なくとも2種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)
    を含むコポリマー(P3)であり、モノマーの量が、それぞれ、コポリマー(P3)中のすべてのモノマーの量に対するものである、請求項29に記載のコポリマー(P)。
  33. 請求項29から32のいずれか一項に記載の、少なくとも1種の増粘性水溶性コポリマー(P)を含む水性配合物であって、水性配合物中のコポリマーの量が0.02〜2質量%である、水性配合物。
  34. (a)少なくとも
    ・ 水、
    ・ (メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される、少なくとも1種の非電荷の親水性モノエチレン性不飽和モノマー(A)を35〜99.5質量%、
    ・ モノエチレン性不飽和基ならびに親水性基および疎水性基を少なくとも含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和マクロモノマー(B)を0.01〜15質量%、
    ここで、少なくとも1種のマクロモノマー(B)が、一般式
    (B1) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−[(RO)(RO)]−H (I)、および
    (B2) HC=C(R)−R−O−(RO)−(RO)−H (II)
    であるマクロモノマー(B1)および(B2)を含む混合物であり、
    これらのモノマーの記載量がそれぞれ、コポリマー(P)中のすべてのモノマーの総量に対するものであり、マクロモノマー(B1)および(B2)の合計に対する(B1)のモル比Xが0.1〜0.99であり、式(I)および(II)中のラジカルおよび添え字がそれぞれ、請求項29に定義されている通りであり、および
    ・ −COOH、−SOHおよび−PO基またはそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸性基を含む、少なくとも1種の親水性の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(C)を0.1〜69.99質量%
    含む、モノマー水溶液を用意する工程であり、
    すべてのモノマーを一緒にした濃度が、モノマー水溶液に対して10〜60質量%である、工程、
    (b)モノマー水溶液を+10℃未満の温度に冷却する工程、
    (c)+10℃未満の温度で遊離ラジカル重合を引き起こすことが可能な、遊離ラジカル重合用の少なくとも1種の熱開始剤を、モノマー水溶液に加える工程、
    (d)生成する重合熱の影響下で混合物を加熱しながら、およびポリマーゲルを形成させながら、本質的に断熱条件下でモノマー混合物を重合する工程、
    (e)形成したポリマーゲルを粉砕する工程、
    (f)ポリマーゲルを乾燥する工程
    からなる方法工程を少なくとも含む、請求項29に記載の水溶性コポリマー(P)の製造方法。
  35. モノマー水溶液が、重合不可能な界面活性化合物(T)をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  36. 重合が円錐型の反応器で行われ、円錐型の反応器が、直径D1を有し下端において円錐が狭くなる(2)円筒状反応器(1)であり、円錐狭小部の末端の直径がD2であり、比D1/D2が2:1〜25:1であり、円筒区域(1)の壁と円錐狭小部(2)の領域の壁との間の角度αが、120°超および180°未満であり、反応器がさらに、円錐狭小部の下端に配置されている遮断装置(3)および反応器の上端に少なくとも1つのフィード(4)を有しており、
    ・ 工程(a)および(b)が、円錐型反応器の外側で適切な混合および冷却装置で行われ、
    ・ 冷却モノマー溶液が、フィード(4)を介して上記の装置から反応器に移送され、
    ・ 重合後に、遮断装置(3)を開放してフィード(4)を介して少なくとも1種のガスを注入することにより、形成したポリマーゲル(5)を開放した遮断装置を介して、反応器から強制的に取り出す、請求項34または35に記載の方法。
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