JP6504843B2 - 導電性高分子組成物および剥離フィルム - Google Patents

導電性高分子組成物および剥離フィルム Download PDF

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Description

本発明は、導電性高分子用組成物、およびそれを基体上に塗工して硬化させてなる剥離フィルムに関する。
一般的に、主鎖がπ電子を含む共役系で構成されるπ共役系導電性高分子は、電解重合法あるいは化学酸化重合法により合成される。電解重合法では、ドーパントとなる電解質と、π共役系導電性高分子を形成するための前駆体モノマーとの混合溶液を用意し、当該溶液中に電極を配置すると共に予め形成した電極材料などの支持体を浸漬しておき、電極間に電圧を印加することによって、π共役系導電性高分子が当該支持体表面にフィルム状に形成される。このように、電解重合法は、電解重合用の装置を必要とし、かつバッチ生産となることから、大量生産性に劣る。一方、化学酸化重合法では、上記のような制約は無く、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーに酸化剤と酸化重合触媒とを添加し、溶液中で大量のπ共役系導電性高分子を製造することができる。
しかし、化学酸化重合法では、π共役系導電性高分子を構成する主鎖の共役系の成長に伴い、溶媒に対する溶解性が乏しくなるため、π共役系導電性高分子は、溶媒に不溶の固体粉末で得られる。このため、塗布等の手法によって、プラスチック等の各種基材上にπ共役系導電性高分子の膜を均一な厚みにて形成することは難しい。かかる理由から、π共役系導電性高分子に官能基を導入して溶媒に可溶にする方法、バインダ樹脂にπ共役系導電性高分子を分散させて溶媒に可溶化する方法、π共役系導電性高分子にアニオン基含有高分子酸を添加して溶媒に可溶化する方法などが試みられている。
例えば、π共役系導電性高分子の水への溶解性を向上させるため、分子量2,000〜500,000のアニオン基含有高分子酸としてのポリスチレンスルホン酸の存在下にて、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合し、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)水溶液を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、ポリアクリル酸の存在下で、π共役系導電性高分子を形成するための前駆体モノマーを化学酸化重合し、π共役系導電性高分子コロイド水溶液を製造する方法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
さらに、有機溶剤に可溶若しくは分散して有機樹脂と混合可能な導電性溶液を製造する方法も提案されている。その一例として、ポリアニリンの有機溶剤溶液およびその製造方法が知られている(例えば、特許文献3を参照)。また、ポリアニオンと真性導電性高分子とを含む水溶液から有機溶剤への転相による溶媒置換法も知られている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7を参照)。また、凍結乾燥後の真性導電性高分子を有機溶剤に溶解させる方法も知られている(例えば、特許文献8を参照)。しかし、これらの方法では、ポリアニリンの例のように他の有機樹脂との混合が困難であり、加えて、多量の水を含む溶剤系に限られるという問題がある。水が少量若しくは実質的に水を含まない場合であっても、上記文献(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7を参照)のように、アミン化合物を用いることに起因して、樹脂と混合した場合の経時的な色調劣化、導電性高分子へのポリアニオンのドープがアミンによって徐々に引き抜かれて導電性が経時的に低下するという問題がある。さらには、付加反応硬化性シリコーン樹脂に導電性高分子を混合した場合に、アミンによる硬化阻害が生じ、シリコーン樹脂の硬化が不十分であるという欠点もある。
また、従来から、シリコーン業界においては、剥離用途あるいは粘着剤用途で、絶縁性の高いシリコーン組成物に対して帯電防止機能を付与したいという要望が存在する。この要望に応えるべく、従来から、カーボン粉末、金属粉末、イオン性導電物質をシリコーン組成物に添加する方法が試みられている。しかし、このような方法では、シリコーン樹脂の透明性、剥離性能、粘着性能、導電性の耐湿度依存性などの多くの機能を満足させるに至っていないのが現状である。
特開平7−090060号公報 特開平7−165892号公報 国際公開WO2005/052058 特開2006−249303号公報 特開2007−254730号公報 特開2008−045061号公報 特開2008−045116号公報 特開2011−032382号公報
上記従来技術の欠点を解消するために、導電性高分子とシリコーンとを混合する方法が考えられる。しかし、単に有機溶剤中において導電性高分子とシリコーンを混合して成る塗料を基体上に塗工すると、基体上への塗料の密着性が低く、かつ導電性も低くなるという問題がある。このため、帯電防止剥離塗料としての剥離特性を低下させることなく、基体への密着性及び導電性をより高めることが強く望まれている。
本発明は、上記要望に応えるべくなされたものであって、優れた剥離特性、基体への高い密着性および高い導電性を兼ね備える塗膜を形成可能な導電性高分子組成物、およびそれを基体上に塗工して硬化させてなる剥離フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、特定のシラン化合物を含む導電性高分子組成物を用いて塗料を製造することにより、本発明の完成に至った。具体的な課題解決手段は、以下のとおりである。
上記目的を達成するための導電性高分子組成物の一実施形態は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物と、導電性高分子と、ポリアニオンと、下記の化学式(1)で表されるシラン化合物と、を含む導電性高分子組成物である。
化学式(1)中、RおよびRは、それぞれ同一又は異なる場合があっても良く、いずれも置換基を含んでも良い基である。n:1〜4の正の整数。n=2〜4の場合に複数のRは同一でも異なっていても良く、n=1または2の場合に複数のRは同一でも異なっていても良い。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、さらに、シラン化合物を下記の化学式(2)で表される化合物とする。
化学式(2)中、RおよびRは、それぞれ同一又は異なる場合があっても良く、いずれも置換基を含んでも良い基である。n:1〜4の正の整数。n=2〜4の場合に複数のRは同一でも異なっていても良く、n=1または2の場合に複数のRは同一でも異なっていても良い。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、また、シラン化合物を、R、RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を含んでも良い炭化水素基若しくはアルコキシ基、水素またはメルカプト基である化合物とする。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、また、導電性高分子をπ共役系導電性高分子とし、さらに、オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物を含む。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、さらに、ポリアニオンとオキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物との反応生成物を含む。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、また、π共役系導電性高分子をポリエチレンジオキシチオフェンとし、ポリアニオンをポリスチレンスルホン酸とする。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、また、シラン化合物を、トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、ビニルトリアセトキシシランから選択される1種または2種以上とする。
導電性高分子組成物の別の実施形態は、また、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を付加反応型シリコーン組成物とする。
剥離フィルムの一実施形態は、上述のいずれかの導電性高分子組成物を基体上に塗工して硬化させてなる。
本発明によれば、優れた剥離特性、基体への高い密着性および高い導電性を兼ね備える塗膜を形成可能な導電性高分子組成物、およびそれを基体上に塗工して硬化させてなる剥離フィルムを提供することができる。
以下、本発明に係る導電性高分子組成物および剥離フィルムの各実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の各実施の形態に限定されず、また、各実施の形態における成分は、本発明にとって必須の成分とは限らない。
<A 導電性高分子組成物の実施の形態>
1.導電性高分子組成物
本発明の実施の形態に係る導電性高分子組成物は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物と、導電性高分子と、ポリアニオンと、下記の化学式(1)で表されるシラン化合物と、を含む導電性高分子組成物である。本願では、導電性高分子組成物の形態は、好ましくは、塗料として基体上に塗工可能な流動性を有する液体あるいはゲル状の形態を含むように広義に解釈される。
(化学式(1)中、RおよびRは、それぞれ同一又は異なる場合があっても良く、いずれも置換基を含んでも良い基である。n:1〜4の正の整数。n=2〜4の場合に複数のRは同一でも異なっていても良く、n=1または2の場合に複数のRは同一でも異なっていても良い。)
導電性高分子組成物は、好ましくは、シラン化合物を、下記の化学式(2)で表される化合物とする。
(化学式(2)中、RおよびRは、それぞれ同一又は異なる場合があっても良く、いずれも置換基を含んでも良い基である。n:1〜4の正の整数。n=2〜4の場合に複数のRは同一でも異なっていても良く、n=1または2の場合に複数のRは同一でも異なっていても良い。)
導電性高分子組成物に含まれるシラン化合物は、R、RおよびRの少なくともいずれか一つを、好ましくは、置換基を含んでも良い炭化水素基若しくはアルコキシ基、水素またはメルカプト基とする。
1.1 導電性高分子組成物の原料
(1)硬化性オルガノポリシロキサン組成物
この実施の形態で用いられる硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、以下に例示するものを使用できる。以下の各種硬化性オルガノポリシロキサン組成物の中では、特に、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物が好ましい。
(付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物)
付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、末端にビニル基を有するシリコーンゴム(生ゴムなど)と、Si−H基を有する架橋剤と、付加反応触媒とを含む。架橋剤は、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、直鎖状あるいは分岐状のいずれをも使用できる。付加反応触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体等の白金系触媒、ロジウム錯体、ルテニウム錯体等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、これらのものをイソプロパノール、トルエン等の溶剤や、シリコーンオイルなどに溶解、分散させたものを用いることができる。付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、一例としては、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、主として白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属変性体若しくは錯体からなるヒドロシリル化触媒を含む。ただし、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含め硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、触媒を含まないものを称しても良い。
(縮合硬化性オルガノポリシロキサン組成物)
縮合硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、以下の例1〜例3記載のいずれかの化合物から主に構成される。
<例1>
A)分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン
B)分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシラン若しくはオルガノポリシロキサン
C)縮合触媒
<例2>
A)分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン
B)分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン
C)縮合触媒
<例3>
A)分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン
B)縮合触媒
(電離放射線硬化性オルガノポリシロキサン組成物)
電離放射線硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、以下例1〜例6記載のいずれかの化合物を含み、光開始剤を用いて紫外線によって硬化され、あるいは電子線によって硬化される。
<例1>
アクリルアミド基含有オルガノポリシロキサン
このオルガノポリシロキサンは、分子中に、下記の化学式(3)で表されるアクリルアミド官能基を含むオルガノポリシロキサンである。
上記の化学式(3)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは二価の炭化水素基である。
<例2>
一分子中に少なくとも2個のメルカプトアルキル基を有するオルガノポリシロキサン
このオルガノポリシロキサンは、一分子中に、下記の化学式(4)で表されるメルカプトアルキル官能基を少なくとも2個含むオルガノポリシロキサンである。
上記の化学式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは二価の炭化水素基である。
<例3>
一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンからなる組成物
このオルガノポリシロキサンは、一分子中に、少なくとも2個のアルケニル基(−C2n−1(nは、2以上の整数。))を含むオルガノポリシロキサンからなる組成物である。
<例4>
アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
このオルガノポリシロキサンは、分子中にアルケニル基(−C2n−1(nは、2以上の整数。))を含むオルガノポリシロキサンである。
<例5>
アクリル基またはメタクリル基含有オルガノポリシロキサン
このオルガノポリシロキサンは、分子中にアクリル基(CHCHCO−)またはメタクリル基(CHC(CH)CO−)を含むオルガノポリシロキサンである。
<例6>
a)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
b)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン
硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、導電性高分子(好適には、後述のπ共役系導電性高分子である)とポリアニオンの合計量100質量%に対して、好ましくは100〜20000質量%、より好ましくは500〜10000質量%、さらに好ましくは1000〜10000質量%の範囲で含まれるのが好ましい。
(2)導電性高分子
この実施形態に係る導電性高分子組成物は、導電性高分子として、好ましくは、少なくとも、π共役系導電性高分子を含む。また、導電性高分子組成物は、導電性高分子に加え、ポリアニオンを含む。また、導電性高分子組成物は、好ましくは、オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物を含み、さらに好ましくはポリアニオンとオキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物との反応生成物を含む。ポリアニオンのアニオン基にオキシラン基若しくはオキセタン基が反応していると、ポリアニオンの親水性が失われ、親油性を呈する。
したがって、このような導電性高分子は、有機溶剤に高濃度に可溶化あるいは分散可能である。ポリアニオンがπ共役系導電性高分子にドープすることにより、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの複合体が形成される。ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。この余剰のアニオン基は親水基であるから、複合体を水に可溶化させる役割を果たす。当該複合体を有機溶剤に可溶化させるためには、親水基としてのアニオン基に対して何らかの作用を及ぼし、その親水性を低下せしめる必要がある。オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物は、上記親水性を低下させるのに寄与している。
本願で用いることのできるポリアニオンをドーパントとしている導電性高分子は、おおよそ数十ナノメータの粒子径を持つ微粒子から形成される。かかる微粒子は、界面活性剤の作用をも持つポリアニオンの存在によって可視光領域において透明であって、溶媒中に微粒子が溶解しているように見える。実際には、当該微粒子は溶媒中に分散しているが、本願では、この状態を「分散可溶」の状態と称している。この場合の溶媒は、有機溶剤を主とする溶媒である。ここで、「有機溶剤を主とする」とは、溶媒中に占める有機溶剤が50%を超えることを意味する。特に、溶媒は、重量比にて有機溶剤:水=90:10〜100:0の範囲であるのが好ましい。以下、好適な導電性高分子であるπ共役系導電性高分子について、説明する。
π共役系導電性高分子
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば、何らの限定もなく用いることができる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、およびこれらの内の2以上の共重合体を好適に挙げることができる。重合の容易性、空気中における安定性の観点では、特に、ポリピロール類、ポリチオフェン類あるいはポリアニリン類を好適に用いることができる。π共役系導電性高分子は、無置換のままでも、十分に高い導電性およびバインダへの相溶性を示すが、導電性、バインダへの分散性若しくは溶解性をより高めるためには、アルキル基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基などの官能基が導入されても良い。
上記のπ共役系導電性高分子の好適な例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
上記のπ共役系導電性高分子の例において、抵抗値あるいは反応性を考慮すると、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選択される1種若しくは2種以上からなる共重合体を、特に好適に用いることができる。高導電性および高耐熱性の面では、さらに、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を好適に用いることができる。また、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)のようなアルキル置換化合物は、有機溶剤を主とする溶媒への溶解性、疎水性樹脂を添加したときの相溶性および分散性を向上させるために、より好適に用いることができる。アルキル基の中でも、メチル基は、導電性に悪影響を与えることが少ないので、より好ましい。
(3)ポリアニオン
次に、π共役系導電性高分子と複合体を形成するポリアニオンについて説明する。
ポリアニオンは、アニオン性化合物であれば、特に制約無く用いることができる。アニオン性化合物とは、分子中に、π共役系導電性高分子への化学酸化ドーピングが起こりうるアニオン基を有する化合物である。アニオン基としては、製造の容易さおよび高い安定性の観点から、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基、などが好ましい。これらのアニオン基の内、π共役系導電性高分子へのドープ効果に優れる理由から、スルホ基あるいはカルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、アニオン基を有さないポリマーをスルホン化剤によりスルホン化等を行ってポリマー内にアニオン基を導入したポリマーの他、アニオン基含有重合性モノマーを重合して得られたポリマーを挙げることができる。通常、ポリアニオンは、製造の容易さの観点から、好ましくは、アニオン基含有重合性モノマーを重合して得る。かかる製造方法としては、例えば、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤および/または重合触媒の存在下、酸化重合またはラジカル重合させて得る方法を例示できる。より具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保持し、そこに、予め溶媒に所定量の酸化剤および/または重合触媒を溶解しておいた溶液を添加して、所定時間で反応させる。当該反応により得られたポリマーは、触媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させることもできる。アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤および/または酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
アニオン基含有重合性モノマーは、分子内にアニオン基と重合可能な官能基を有するモノマーであり、具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩類、アリルスルホン酸及びその塩類、メタリルスルホン酸及びその塩類、スチレンスルホン酸及びその塩類、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、アリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩類、α−メチルスチレンスルホン酸及びその塩類、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸及びその塩類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類、シクロブテン−3−スルホン酸及びその塩類、イソプレンスルホン酸及びその塩類、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸及びその塩類、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸及びその塩類、アクリル酸エチルスルホン酸(CHCH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、アクリル酸プロピルスルホン酸(CHCH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、アクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH−COO−C(CHCH−SOH)及びその塩類、アクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、アリル酸エチルスルホン酸(CHCHCH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、アリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHCHCH−COO−C(CHCH−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸エチルスルホン酸(CHCH(CH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸プロピルスルホン酸(CHCH(CH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸−n−ブチルスルホン酸(CHCH(CH−COO−(CH−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸−t−ブチルスルホン酸(CHCH(CH−COO−C(CHCH−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸フェニレンスルホン酸(CHCH(CH−COO−C−SOH)及びその塩類、4−ペンテン酸ナフタレンスルホン酸(CHCH(CH−COO−C10−SOH)及びその塩類、メタクリル酸エチルスルホン酸(CHC(CH)−COO−(CH−SOH)及びその塩類、メタクリル酸プロピルスルホン酸(CHC(CH)−COO−(CH−SOH)及びその塩類、メタクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CHC(CH)−COO−C(CHCH−SOH)及びその塩類、メタクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CHC(CH)−COO−(CH−SOH)及びその塩類、メタクリル酸フェニレンスルホン酸(CHC(CH)−COO−C−SOH)及びその塩類、メタクリル酸ナフタレンスルホン酸(CHC(CH)−COO−C10−SOH)及びその塩類等が挙げられる。また、これらを2種以上含む共重合体であってもよい。
アニオン基を有さない重合性モノマーとしては、エチレン、プロぺン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、α−メチルスチレン、2−ビニルナフタレン、6−メチル−2−ビニルナフタレン、1−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルアセテート、アクリルアルデヒド、アクリルニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾ−ル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸アリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリロイルモルホリン、ビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン、N,N−ジエチルビニルアミン、N,N−ジブチルビニルアミン、N,N−ジ−t−ブチルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン、N−ビニルカルバゾール、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン、ビニルフェノール、1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
こうして得られるポリアニオンの重合度は、特に限定されるものではないが、通常、モノマーの単位が10〜100,000程度であり、溶媒可溶化、分散性および導電性を良好にする観点から、50〜10,000程度とするのがより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)を好適に挙げることができる。得られたアニオン性化合物がアニオン塩である場合には、アニオン酸に変質させるのが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法などを挙げることができる。これらの方法の中でも、作業容易性の観点から、限外ろ過法が好ましい。ただし、金属イオン濃度を低減することを要する場合には、イオン交換法を用いる。
π共役系導電性高分子とポリアニオンとの組み合わせとしては、それらの各グループから選択されたものを使用できるが、化学的安定性、導電性、保存安定性、入手容易性などの観点から、π共役系導電性高分子の一例であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、ポリアニオンの一例であるポリスチレンスルホン酸との組み合わせが好ましい。ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とは、前述のように、導電性高分子用のモノマーとドーパントが共存した水溶液または水分散液の状態で酸化剤の存在下にて重合を行い、合成しても良い。また、市販の導電性高分子/ドーパント複合体の水分散体を使用しても良い。
ポリアニオンの含有量は、好ましくはπ共役系導電性高分子100質量%に対して50〜500質量%の範囲、より好ましくは100〜300質量%の範囲である。ポリアニオンの含有量を50質量%以上とすることにより、π共役系導電性高分子へのドーピング効果を高め、導電性を高めることができる。加えて、溶媒への溶解性が高くなり、均一分散形態の導電性高分子の溶液を得やすくなる。一方、ポリアニオンの含有量を500質量%以下にすると、π共役系導電性高分子の含有割合を相対的に多くすることができ、より高い導電性を発揮させることができる。
(4)オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物
次に、導電性高分子組成物に好適に含むことのできるオキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物について説明する。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物は、好ましくは、ポリアニオンのアニオン基または電子吸引基に配位あるいは結合する。また、1分子中に1個以下のオキシラン基若しくはオキセタン基を含有する化合物を用いると、凝集やゲル化を低減できる点でより好ましい。オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物の分子量は、有機溶剤への易溶解性を考慮すると、好ましくは50〜2,000の範囲である。オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物の好適な総質量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの総質量100%に対して、50〜200%の範囲である。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物としては、オキシラン基若しくはオキセタン基を分子中に有していればどのような分子構造を持つ化合物でも良い。ただし、極性の低い有機溶剤に可溶化するには、カーボン数の多い化合物が有効である。特にカーボン数が10以上のものが極性の低い有機溶媒への可溶化には好ましい。また、製造工程中において水を多用する場合には、加水分解や水と反応する官能基を有するアルコキシシリル基を含有する化合物は、なるべく使用しないのが好ましい。一方、凍結乾燥を経由の製造方法の場合には、アルコキシシリル基を含有する化合物もまた、その特徴を維持したまま溶剤に分散あるいは可溶するので、使用しても良い。
以下、オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物を例示する。
(オキシラン基含有化合物)
単官能オキシラン基含有化合物としては、プロピレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシテトラデカン、グリシジルメチルエーテル、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシエイコサン、2−(クロロメチル)−1,2−エポキシプロパン、グリシドール、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ−9−デカン、2−(クロロメチル)−1,2−エポキシブタン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−1H,1H,2H,2H,3H,3H−トリフルオロブタン、アリルグリシジルエーテル、テトラシアノエチレンオキサイド、グリシジルブチレート、1,2−エポキシシクロオクタン、グリシジルメタクリレート、1,2−エポキシシクロドデカン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタデカン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−1H,1H,2H,2H,3H,3H−ヘプタデカフルオロブタン、3,4−エポキシテトラヒドロフラン、グリシジルステアレート、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシ琥珀酸、グリシジルフェニルエーテル、イソホロンオキサイド、α−ピネンオキサイド、2,3−エポキシノルボルネン、ベンジルグリシジルエーテル、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−グリシジルオキシプロピル)トリシロキサン、9,10−エポキシ−1,5−シクロドデカジエン、4−tert−ブチル安息香酸グリシジル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、2−tert−ブチル−2−[2−(4−クロロフェニル)]エチルオキシラン、スチレンオキサイド、グリシジルトリチルエーテル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−フェニルプリピレンオキサイド、コレステロール−5α,6α−エポキシド、スチルベンオキサイド、p−トルエンスルホン酸グリシジル、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、N−プロピル−N−(2,3−エポキシプロピル)ペルフルオロ−n−オクチルスルホンアミド、(2S,3S)−1,2−エポキシ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フェニルブタン、3−ニトロベンゼンスルホン酸(R)−グリシジル、3−ニトロベンゼンスルホン酸−グリシジル、パルテノリド、N−グリシジルフタルイミド、エンドリン、デイルドリン、4−グリシジルオキシカルバゾール、7,7−ジメチルオクタン酸[オキシラニルメチル]などを例示できる。
多官能オキシラン基含有化合物としては、1,7−オクタジエンジエポキシド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2:3,4−ジエポキシブタン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、イソシアヌル酸トリグリシジルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2:3,4−ジエポキシブタン、ポリエチレングリコール#200ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどを例示できる。
(オキセタン基含有化合物)
単官能オキセタン基含有化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(=オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メタアクリレートなどを例示できる。
多官能オキセタン基含有化合物としては、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、1,4−ベンゼンジカルボン酸,ビス{[3−エチル−3−オキセタニル]メチル}エステルなどを例示できる。
(5)シラン化合物
上記化学式(1)、さらには化学式(2)で表されるシラン化合物において、R、RおよびRは、水素若しくはそれ以外の任意の基である。任意の基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、アシル基、エポキシ基、メルカプト基などが挙げられる。具体的なシラン化合物としては、トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルアセトキシシラン、エチルビニルアセトキシシラン、ブチルビニルアセトキシシラン、ジ−tert−ブトキシジアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
特に、導電性を更に高めることができることから、上記化学式(1)のRおよびRのいずれか1つ以上はアシル基であることが好ましい。入手容易性の観点から、シラン化合物としては、トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、またはビニルトリアセトキシシランがより好ましい。シラン化合物の配合量としては、密着性と硬化性、剥離力上昇のバランスを考慮して、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計量100質量%に対して50質量%〜300質量%が好ましい。
(6)その他
この実施の形態に係る導電性高分子組成物は、上記(1)〜(5)の成分に加え、例えば、以下のような成分も含めることができる。
(6.1)有機溶剤
有機溶剤は、この実施の形態に係る導電性高分子組成物に含有せしめ得る成分である。導電性高分子組成物を可溶化若しくは分散させる溶媒に用いられる有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホニウムトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル等に代表される極性溶媒; クレゾール、フェノール、キシレノール等に代表されるフェノール類; メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等に代表されるアルコール類; アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等に代表されるケトン類; 酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等に代表されるエステル類; ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等に代表される炭化水素類; ギ酸、酢酸等に代表されるカルボン酸; エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等に代表されるカーボネート化合物; ジオキサン、ジエチルエーテル等に代表されるエーテル化合物; エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等に代表される鎖状エーテル類; 3−メチル−2−オキサゾリジノン等に代表される複素環化合物; アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等に代表されるニトリル化合物などを好適に例示できる。これらの有機溶剤は、単独で用いても良く、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
これらの有機溶剤の内、種々の有機物との易混合性の観点から、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類をより好適に用いることができる。導電性高分子組成物を用いて塗膜を形成する場合、当該導電性高分子組成物を有機溶剤に分散可溶化させて塗料を製造し、それを基体に塗布して有機溶剤の一部若しくは全部を除去する。したがって、有機溶剤としては、沸点の低いものを好適に選択する。これにより、塗膜形成時の乾燥時間を短縮でき、もって塗膜の生産性を高めることができる。
(6.2)導電性向上剤
導電性高分子組成物の製造の際、塗膜の導電性をさらに向上させるべく、下記(6.2.1)〜(6.2.7)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤を添加するのが好ましい。
(6.2.1)窒素含有芳香族性環式化合物
(6.2.2)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(6.2.3)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(6.2.4)1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(6.2.5)アミド基を有する化合物
(6.2.6)イミド基を有する化合物
(6.2.7)ラクタム化合物
(6.2.1)窒素含有芳香族性環式化合物
窒素含有芳香族性環式化合物としては、好適には、一つの窒素原子を含有するピリジン類およびその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類およびその誘導体、ピリミジン類およびその誘導体、ピラジン類およびその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類およびその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類およびその誘導体、イミダゾール類およびその誘導体、ピリミジン類およびその誘導体が好ましい。
ピリジン類およびその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類およびその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール(N−ヒドロキシエチルイミダゾール)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類およびその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類およびその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類およびその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
(6.2.2)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類; セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール; 1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸およびその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸およびその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸およびその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸およびその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸およびその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸およびその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
(6.2.3)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物; フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物; ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
(6.2.4)1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物
1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
(6.2.5)アミド化合物
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素および尿素誘導体などが挙げられる。アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素およびこれらの誘導体等が挙げられる。
また、アミド化合物として、アクリルアミドを使用することもできる。アクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
(6.2.6)イミド化合物
イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミドおよびフタルイミド誘導体、スクシンイミドおよびスクシンイミド誘導体、ベンズイミドおよびベンズイミド誘導体、マレイミドおよびマレイミド誘導体、ナフタルイミドおよびナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は、両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。飽和脂肪族イミド化合物は、R10−CO−NH−CO−R11で表される化合物であり、R10,R11の両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。不飽和脂肪族イミド化合物は、R10−CO−NH−CO−R11で表される化合物であり、R10,R11の一方または両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。その具体例としては、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
(6.2.7)ラクタム化合物
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR12−(R12は水素または任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
導電性向上剤の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計量100質量%に対して10〜10000質量%であることが好ましく、30〜5000質量%であることがより好ましい。導電性向上剤の含有量が前記下限値以上で上限値以下であれば、帯電防止性をより向上させることができる。
1.2 製造方法
この実施の形態に係る導電性高分子組成物は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物と、導電性高分子と、化学式(1)若しくは化学式(2)で表されるシラン化合物とを混合して製造することができる。製造に際して、有機溶剤を、硬化性オルガノポリシロキサン組成物およびシラン化合物の内の少なくともいずれか一方と予め混合しておく方が好ましい。
この実施の形態に係る導電性高分子組成物は、一例として、以下の方法によって製造することができる。
(1)導電性高分子/ポリアニオン錯体水分散体の溶液からの製造方法
導電性高分子/ポリアニオン錯体水分散体は、導電性高分子用のモノマーとドーパントとが共存した水溶液または水分散体の状態に、酸化剤の存在下で重合を行う。ただし、このようなモノマーからの重合のみならず、市販の導電性高分子/ドーパント水分散体を用いても良い。市販の導電性高分子/ドーパント水分散体としては、例えば、Heraeus社のPEDOT/PSS水分散体(商品名: Clevios)、アグファ社のPEDOT/PSS水分散体(商品名: Orgacon)などを挙げることができる。
導電性高分子は、上記水分散体に、オキシラン基若しくはオキセタン基含有化合物を溶剤と共に添加後、好ましくはアニオンとオキシラン基若しくはオキセタン基とを反応させて、その後に反応液を濃縮、濾別あるいは乾固して得られる。その後、好適には、得られた濃縮物あるいは固体を、硬化性オルガノポリシロキサン組成物および化学式(1)若しくは化学式(2)で表されるシラン化合物を含む有機溶剤を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させて、塗料の形態で使用する。また、上記水分散体に、オキシラン基若しくはオキセタン基含有化合物を溶剤と共に添加後、好ましくはアニオンとオキシラン基若しくはオキセタン基とを反応させている間若しくは反応後に、水に不溶の有機溶剤を加えて、水不溶の溶剤相に導電性高分子を転相させ、必要に応じて脱水などの工程を経た後に、硬化性オルガノポリシロキサン組成物および化学式(1)若しくは化学式(2)で表されるシラン化合物を含む有機溶剤を主とする溶媒中に、導電性高分子を可溶若しくは分散させても良い。
(2)凍結乾燥された導電性高分子/ポリアニオン錯体固形物からの製造方法
既に固体となっているπ共役系導電性高分子にドープしたポリアニオンの状態の導電性組成物に、水および/またはオキシラン基若しくはオキセタン基含有化合物が溶解する溶剤を適量添加後、好ましくはアニオンとオキシラン基若しくはオキセタン基とを反応させる。その後、反応液を濃縮、濾別あるいは乾固する。その後、好適には、得られた濃縮物あるいは固体を、硬化性オルガノポリシロキサン組成物および化学式(1)若しくは化学式(2)で表されるシラン化合物を含む有機溶剤を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させて、塗料の形態で使用する。また、上記製造において、アニオンとオキシラン基若しくはオキセタン基とを反応させた後、水に不溶の有機溶剤を加えて、水不溶の溶剤相に導電性高分子を転相させ、必要に応じて脱水などの工程を経た後に、導電性高分子を、硬化性オルガノポリシロキサン組成物および化学式(1)若しくは化学式(2)で表されるシラン化合物を含む有機溶剤を主とする溶媒中に、可溶若しくは分散させても良い。(2)の方法では、凍結乾燥された導電性組成物を原料として用いているので、特に、濃縮する工程の時間を短縮できる。
<B 剥離フィルムの実施の形態>
本発明の実施の形態に係る剥離フィルムは、上述の導電性高分子組成物を基体上に塗工し、硬化させて成る。剥離フィルムは、導電性高分子組成物によって形成される塗膜と、基体との積層体である。塗膜と基体との間に第三層が介在していても良い。導電性高分子組成物が固形の場合には、それを、有機溶剤を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させ、さらに硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含め、剥離フィルム作製用の塗料を用意する。また、導電性高分子組成物が既に有機溶剤を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させた状態の溶液である場合にはそのまま若しくは有機溶剤でさらに希釈し、そこに硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含め、剥離フィルム作製用の塗料を用意する。塗料は、紙、プラスチック、鉄、セラミックス、ガラスに代表される基体上に供給される。供給方法としては、刷毛やバーコーターを使う塗布法、塗料中に基体を浸漬するディップ法、塗料を基体上に滴下して基体を回転させて塗料を拡げるスピンコート法などの種々の手法を例示できる。基体上の塗料の硬化法は、加熱により有機溶剤を除去する方法の他、紫外線などの光や電子線を照射して硬化する方法などを例示できる。
硬化性オルガノポリシロキサン組成物に導電性高分子を混合した際の密着性の低下は、シリコーン成分と反応に寄与しない導電性高分子が存在するためにシリコーン成分の硬化阻害が生じるためである。シリコーン成分と導電性高分子の間の結合力が弱いと、塗膜形成時に、シリコーン膜強度の低下やシリコーンと基材の密着にも悪影響を及ぼす。本実施の形態に係る導電性高分子組成物は、シラン化合物を硬化性オルガノポリシロキサン組成物と導電性高分子との間で反応させ、結合することで、硬化性オルガノポリシロキサン組成物−導電性高分子間の強度を向上させ、結果として密着性が向上するものと思われる。特に、導電性高分子がポリアニオンとオキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物を含む場合には、これらの化合物とシラン化合物が反応しやすいことから、より一層効果が顕著になっていると考えられる。さらに、シラン化合物としては、アセトキシ基を有するシラン化合物が好ましく、当該シラン化合物から反応時に生じる酢酸が導電性高分子を高導電化させることにより、導電性をより向上させることができる。
次に、本発明の製造例および実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<製造例>
(製造例1)・・・ポリスチレンスルホン酸の製造
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形物を得た。得られたポリスチレンスルホン酸についてGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)システムを用いて、昭和電工株式会社製のプルランを標準物質として重量平均分子量を測定した結果、分子量は30万であった。
(製造例2)・・・PEDOT−PSS水溶液の製造
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち攪拌を行いながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、3時間攪拌して反応させた。得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。次に、得られた溶液に、200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.2質量%の青色のPEDOT−PSSの水溶液を得た。
(製造例3)
100gのメタノールと25gのC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテル(共栄社化学エポライト1230)とを混合した。次に、その混合液に、製造例2で得られた100gのPEDOT−PSSの水溶液を加え、室温で攪拌して紺色の析出物を得た。この析出物を濾過回収し、メチルエチルケトンに分散させ、約0.5質量%のPEDOT−PSS分散のメチルエチルケトン溶液を得た。
<実施例>
(実施例1)
製造例3で製造した溶液8.9955gと、トリアセトキシメチルシラン0.0045gと、メチルエチルケトン58.5gと、トルエン21gと、KS−3703T(付加硬化性シリコーン:信越化学工業株式会社製)1.5gと、CAT−PL−50T(白金触媒:信越化学工業株式会社製)0.03gと、を混合して溶液を作製した。
(実施例2)
製造例3で製造した溶液を8.991gに変更し、トリアセトキシメチルシランを0.009gに変更した以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例3)
製造例3で製造した溶液を8.9775gに変更し、トリアセトキシメチルシランを0.0225gに変更した以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例4)
製造例3で製造した溶液を8.9775gに変更し、トリアセトキシメチルシランを0.045gに変更した以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例5)
製造例3で製造した溶液を8.91gに変更し、トリアセトキシメチルシランを0.09gに変更した以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例6)
製造例3で製造した溶液を8.865gに変更し、トリアセトキシメチルシランを0.135gに変更した以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例7)
製造例3で製造した溶液を8.865gに変更し、トリアセトキシメチルシランに代えてメチルトリイソプロペノキシシラン0.045gを用いた以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例8)
製造例3で製造した溶液を8.865gに変更し、トリアセトキシメチルシランに代えてビニルトリアセトキシシラン0.045gを用いた以外を、実施例1と同条件として溶液を作製した。
(実施例9)
製造例3で製造した溶液を8.865gに変更し、ビニルトリアセトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.045gに変更した以外を、実施例8と同条件として溶液を作製した。
<比較例>
(比較例1)
製造例3で製造した溶液9gと、メチルエチルケトン58.5gと、トルエン21gと、KS−3703T(付加硬化性シリコーン:信越化学工業株式会社製)と、CAT−PL−50T(白金触媒:信越化学工業株式会社製)と、を混合して溶液を作製した。
表1に、各実施例および比較例の条件で作製した溶液の配合を示す。表1中の各成分の数値の単位は、グラムである。
<剥離フィルムの作製及び評価方法>
表1に示した各種溶液を未処理のフィルムに#8のバーコーター(溶液塗布量: 18.32μm)で塗布し、150℃で1分間の乾燥に供した。硬化性の評価は、指で10回擦って曇りが出たものを「×」、薄く曇りが生じたものを「△」、曇りが生じないものを「○」とした。剥離力は、作製したフィルムを20時間、袋に入れ保管し、25mm幅のNitto No.31B(日東電工株式会社製)を貼り合せ、20時間放置した後、引張試験機オートグラフAGS−X(株式会社島図製作所製)により300mm/minの引張速度で測定した。密着性は、塗工してから20時間、袋の中で放置した後、ガーゼをあてた50gf/cmの荷重で10往復擦り、剥離力を測定することで評価した。その際、剥離力の上昇値として、ラブオフ値を次式から算出した。
(式): ラブオフ値=50gf/cmで擦った際の剥離力÷擦っていない箇所の剥離力
<結果>
表2に、評価結果を示す。
比較例1の導電性高分子を溶液中に添加すると、ラブオフ値の数値から明らかなように、密着性及び硬化性が大きく低下する。しかし、各実施例の結果から明らかなように、トリアセトキシメチルシランやビニルアセトキシシランを添加すると、密着性及び硬化性が改善されることがわかった。また、トリアセトキシメチルシランやビニルアセトキシシランを入れると、表面抵抗値が下がり、優れた性能のフィルムが作製できることがわかった。
本発明は、例えば、剥離紙若しくは剥離フィルム、帯電防止フィルム、導電性塗料、タッチスクリーン、有機EL、導電性高分子繊維などに有効に利用できる。

Claims (8)

  1. 硬化性オルガノポリシロキサン組成物と、
    導電性高分子と、
    ポリアニオンと、
    下記の化学式(2)で表されるシラン化合物と、
    を含む導電性高分子組成物であって、
    前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、前記導電性高分子とポリアニオンとの合計量100質量%に対して100〜20000質量%含まれ、
    前記ポリアニオンが、前記導電性高分子100質量%に対して50〜500質量%含まれ、
    前記シラン化合物が、前記導電性高分子とポリアニオンとの合計量100質量%に対して50〜300質量%含まることを特徴とする導電性高分子組成物。
    (化学式(2)中、R およびR は、それぞれ同一又は異なる場合があっても良く、いずれも置換基を含んでも良い基である。n:1〜4の正の整数。n=2〜4の場合に複数のR は同一でも異なっていても良く、n=1または2の場合に複数のR は同一でも異なっていても良い。)
  2. 前記シラン化合物は、R およびRの少なくともいずれか一つを、置換基を含んでも良い炭化水素基若しくはアルコキシ基、水素またはメルカプト基とする化合物である請求項1に記載の導電性高分子組成物。
  3. 前記導電性高分子をπ共役系導電性高分子とし、
    さらに、オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物を含む請求項1または請求項2に記載の導電性高分子組成物。
  4. 前記ポリアニオンと前記オキシラン基および/またはオキセタン基含有有機化合物との反応生成物を含む請求項に記載の導電性高分子組成物。
  5. 前記π共役系導電性高分子はポリエチレンジオキシチオフェンであり、
    前記ポリアニオンはポリスチレンスルホン酸である請求項または請求項に記載の導電性高分子組成物。
  6. 前記シラン化合物は、トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、ビニルトリアセトキシシランから選択される1種または2種以上である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
  7. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物を付加反応型シリコーン組成物とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物を基体上に塗工して硬化させてなる剥離フィルム。
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