JP6504361B2 - 超音波センサー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波センサー及びその製造方法に関する。
従来、開口部を有する半導体基板と、開口部を閉塞して半導体基板の表面に形成された絶縁膜層上の2層の電極と、2層の電極の間に挟んだPZTセラミックス薄膜層とを、アレイ状に配置した超音波センサーが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−164331号公報
このようなアレイ状に素子を配置した超音波センサーにおいて、第1電極や第2電極は、列方向に共通化させて引き出すが、特に共通配線においては、列方向に亘って外部接続端子から離れるにしたがって、インピーダンスが増大し、送信・受信の効率が低下し、信頼性が低下する。
また、一般的な電極材料である金(Au)や銅(Cu)等の柔らかい材料を使用すれば、容易に電気抵抗やインピーダンスが低い回路を構成することができる。しかしながら、素子を構成する各種電極には、素子の特性を確保するために、ヤング率が高く硬い材料を用いるという制約があり、上述した柔らかい材料の適用は好ましくない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、素子の特性を低下させること無くインピーダンスを減少させ、且つアレイ状に配置した素子から効率よく配線を引き出して信頼性を向上させた超音波センサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1電極、圧電体層及び第2電極を備え、第1方向及び第2方向に配列された複数の超音波素子を具備する超音波センサーであって、前記複数の超音波素子の少なくとも一部はグループ化されており、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方が、前記グループ化された超音波素子毎に共通化されており、前記共通化された前記第1電極及び前記第2電極の一方に対してバイパス配線が接続されており、前記バイパス配線の構成材料のヤング率と断面積との積(以下、α値と記載することもある)が、前記バイパス配線に接続される前記第1電極又は前記第2電極のα値より大きく、前記バイパス配線の単位長さ当たりの電気抵抗値が、前記バイパス配線に接続される前記第1電極又は前記第2電極の単位長さ当たりの電気抵抗値より小さいことを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様では、所定のα値を有するバイパス配線を設けることにより、当該バイパス配線に接続される第1電極又は第2電極のインピーダンスの増大を平均化することができ、送受信を効率的に行うことができ、信頼性を向上させることができる。また、前記バイパス配線の電気抵抗値を規定することにより、より確実に当該バイパス配線に接続される第1電極又は第2電極のインピーダンスを下げることができる。更に、前記バイパス配線は、前記第1又は第2電極の構成材料とは異なった材料とすることで、上記α値及び電気抵抗値の関係を満足することが容易に可能である。
また、前記バイパス配線と前記第1電極又は前記第2電極とが重畳している領域では、前記バイパス配線が前記第1電極又は前記第2電極より上方に設けられていることが好ましい。これによれば、製造時の歩留まりを向上させることができ、信頼性を向上させることができる。
また、前記共通化された前記第1及び第2電極の他方も共通化されており、当該他方の前記第1電極又は前記第2電極に電気的に接続して設けられ、上記α値が接続される前記第1又は第2電極のα値より大きい第2バイパス配線を具備することが好ましい。これによれば、前記第1又は第2電極のインピーダンスを下げることができる。
本発明の他の態様は、第1電極、圧電体層及び第2電極を備え、第1方向及び第2方向に配列された複数の超音波素子を具備し、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方が複数の超音波素子毎に共通化された超音波センサーの製造方法であって、前記第1電極、前記圧電体層及び前記第2電極を形成した後、前記第1電極又は前記第2電極に対して設けられ、上記α値が前記第1電極又は前記第2電極のα値より大きく、単位長さ当たりの電気抵抗値が前記第1電極又は前記第2電極の電気抵抗値より小さいバイパス配線を形成することを特徴とする超音波センサーの製造方法にある。
かかる態様によれば、製造時の歩留まりを向上させることができ、より確実に前記第1又は第2電極のインピーダンスを下げることができ、信頼性を向上させることができる。
実施形態1に係る超音波デバイスの構成例を示す断面図。 実施形態1に係る超音波センサーの構成例を示す分解斜視図。 超音波素子アレイの構成例を示す拡大斜視図。 実施形態1に係る超音波素子の概略構成を示す平面図。 実施形態1に係る超音波素子の断面図。 実施形態1に係る超音波センサーの概略構成を示す平面図。 実施形態1に係る超音波センサーの断面図。 実施形態2に係る超音波センサーの概略構成を示す平面図。 実施形態2に係る超音波センサーの断面図。 実施形態1に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 実施形態1に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 超音波診断装置の一例を示す斜視図。 超音波プローブの一例を示す斜視図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において、同じ符号を付したものは、同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
(実施形態1)
(超音波デバイス)
図1は、本発明の実施形態1に係る超音波センサーを搭載した超音波デバイスの構成例を示す断面図である。図示するように、超音波プローブIは、CAV面型の超音波センサー1と、超音波センサー1に接続されたフレキシブルプリント基板(FPC基板2)と、装置端末(図示せず)から引き出されたケーブル3と、FPC基板2及びケーブル3を中継ぎする中継基板4と、超音波センサー1、FPC基板2及び中継基板4を保護する筐体5と、筐体5及び超音波センサー1の間に充填された耐水性樹脂6とを具備して構成されている。
超音波センサー1からは、超音波が送信される。また、測定対象物から反射された超音波が、超音波センサー1によって受信される。これらの超音波の波形信号に基づき、超音波プローブIの装置端末において、測定対象物に関する情報(位置や形状等)が検出される。
超音波センサー1によれば、後述のように、高い信頼性を確保できる。従って、超音波センサー1を搭載することで、各種特性に優れた超音波デバイスとなる。本発明は、超音波の送信に最適化された送信専用型と、超音波の受信に最適化された受信専用型と、超音波の送信及び受信に最適化された送受信一体型と、等の何れの超音波センサー1にも適用できる。超音波センサー1を搭載可能な超音波デバイスは超音波プローブIに限定されない。
(超音波センサー)
図2は、超音波センサーの分解斜視図であり、図3は、超音波素子アレイの構成例を示す拡大斜視図である。図4は、本発明の実施形態1に係る超音波素子の概略構成を示す平面図、図5はそのA−A′線断面図及びB−B′線断面図、図6は、超音波センサーの概略構成を示す平面図、図7はそのC−C′線断面図及びD−D′線断面図である。
超音波センサー1は、超音波素子10と、音響整合層30と、レンズ部材31と、包囲板40と、を含んで構成されている。超音波素子10は、基板11と、振動板50と、圧電素子17と、を含んで構成されている。図2において、包囲板40と支持部材41とが別体に示されているが、実際には両者は一体的に構成されている。
互いに直交する2つの軸をX軸及びY軸とし、X軸及びY軸によって形成される平面をXY平面としたとき、基板11は、XY平面に沿っている。以降、X軸を第1の方向Xと称し、Y軸を第2の方向Yと称し、第1の方向X及び第2の方向Yの何れにも直交するZ軸を第3の方向Zと称する。
基板11には、複数の隔壁19が形成されている。複数の隔壁19により、第1の方向X及び第2の方向Yに沿って、複数の空間20が区画されている。空間20は、第3の方向Zに基板11を貫通するように形成されている。空間20は、二次元状、すなわち、第1の方向Xに複数且つ第2の方向Yに複数形成されている。空間20の配列や形状は、種々に変形が可能である。例えば、空間20は、一次元状、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yの何れか一方の方向に沿って複数形成されてもよい。また、空間20は、第3の方向Zから見たときに長方形状(第1の方向Xと第2の方向Yとの長さの比が1:1以外)であってもよい。
振動板50は、空間20により形成された開口部18を塞ぐように基板11上に設けられている。以降、振動板50の基板11側の面を第1面50aと称し、第1面50aに対向する面を第2面50bと称する。振動板50は、基板11上に形成された弾性膜12と、弾性膜12上に形成された絶縁体膜13と、によって構成されている。この場合、弾性膜12によって第1面50aが構成され、絶縁体膜13によって第2面50bが構成される。
図示するように、本実施形態の超音波素子10は、例えば、シリコン基板からなる基板11の一面に設けられた二酸化シリコン膜からなる弾性膜12と、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜13上に形成され、第1電極14と、圧電体層15と、第2電極16とからなる圧電素子17から構成される。基板11の圧電素子17に対応する領域には開口部18が形成され、開口部18を形成する空間20は隔壁19により区切られている。
基板11は例えばシリコン単結晶基板を用いることができるが、これに限定されるものではない。本実施形態では、二酸化シリコン等からなる弾性膜12と、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜13とで振動板50を構成するが、これに限定されるものではなく、何れか一方でもよく、又は他の膜としてもよい。
絶縁体膜13上には、必要に応じて密着層を介して第1電極14と、厚さが3μm以下、好ましくは0.3〜1.5μmの薄膜である圧電体層15と、第2電極16と、からなる圧電素子17が形成されている。ここで、圧電素子17は、第1電極14、圧電体層15及び第2電極16を含む部分をいう。
一般的には、圧電素子17を駆動する場合、何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を個別電極とするが、超音波素子10では、複数の超音波素子10毎に駆動し、スキャンすることが行われるので、何れか一方が共通電極で他方が個別電極という区別は現実的ではない。何れにしても、超音波素子10を一次元的又は二次元的に並列させた態様とする場合には、第1電極14を一方向に亘るように設け、第2電極16を一方向に直交する方向に亘るように設け、適宜選択した第1電極14と第2電極16との間に電圧を印加することにより、所定の圧電素子17のみを駆動することができる。また、所定の圧電素子17を選択する際に、一列又は複数列を一つのグループとして選択して駆動することが一般的に行われる。本実施形態では、第1電極14は4列が束ねられて共通化されている。これを仮に1チャンネルと呼び、このチャンネルは第1の方向Xに亘って複数設けられている。また、第2電極16は、第1の方向Xに沿って一列に連続して設けられ、第2の方向Yに沿って複数列設けられている。
このような構成においては、第2電極16の全ての列を共通化して、1チャンネル内の全ての圧電素子17を同時に駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、第1の方向Xに沿った1次元のデータが取得できる。
また、第2電極16を1列毎、又は複数列毎に共通化し、1チャンネル内の圧電素子17を第2電極16で共通化してグループ毎に順次駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、XY方向の2次元データが取得できる。
また、ここでは圧電素子17と、当該圧電素子17の駆動により変位が生じる振動板50である弾性膜12及び絶縁体膜13と、を合わせてアクチュエーター装置と称する。上述した例では、弾性膜12及び絶縁体膜13と、必要に応じて設けられる密着層と、第1電極14と、が振動板50として作用するが、これに限定されるものではない。例えば、振動板50を設けず、圧電素子17自体が実質的に振動板としての機能を兼ねるようにしてもよい。
第1電極14や第2電極16は導電性を有するものであれば制限されず、例えば白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ステンレス鋼等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料、酸化亜鉛系導電材料、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)、ニッケル酸ランタン(LaNiO)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料や、導電性ポリマー等を用いることができる。ただし、前記の材料に制限されない。
圧電体層15は、代表的にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることができる。これによれば、圧電素子17の変位量を確保しやすくなる。
また、圧電体層15は、鉛を含まないもの、例えば少なくともビスマス(Bi)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることもできる。これによれば、環境への負荷が少ない非鉛系材料を用いて超音波素子10を実現できる。
このようなペロブスカイト型構造、すなわち、ABO型構造のAサイトは、酸素が12配位しており、また、Bサイトは酸素が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。鉛を含まない上記の圧電体層15の例では、AサイトにBi、Ba及びLiが、BサイトにFe、Tiが位置している。
Bi、Ba、Fe及びTiを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物では、その組成式は(Bi、Ba)(Fe、Ti)Oとして表されるが、代表的な組成としては、鉄酸ビスマスとチタン酸バリウムとの混晶として表されるものである。かかる混晶は、X線回折パターンで、鉄酸ビスマスやチタン酸バリウムが単独では検出できないものをいう。混晶の組成から外れる組成も含むものである。
ここでのペロブスカイト構造の複合酸化物には、欠損・過剰により化学量論の組成からずれたものや、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。すなわち、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合、酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。
そして、ペロブスカイト構造の複合酸化物の構成は前記の例に制限されず、他の元素を含んで構成してもよい。例えば圧電体層15は、マンガン(Mn)をさらに含むことが好ましい。これによれば、リーク電流を抑制しやすくなり、例えば非鉛系の材料として信頼性の高い超音波素子10を実現できる。
圧電体層15のAサイトのBiをリチウム(Li)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)等で置換するようにしてもよく、BサイトのFeをアルミニウム(Al)、コバルト(Co)等で置換するようにしてもよい。これによれば、各種特性を向上させて構成や機能の多様化を図りやすくなる。これら他の元素を含む複合酸化物である場合も、ペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。
図3及び図6に示すように、超音波センサー1は、一般的に、超音波素子10を第1の方向X及びこれに直交する第2の方向Yに、二次元的に並設しており、第1の方向Xをスキャン方向、第2の方向Yをスライス方向とする。図3に示す構成例及び図6に示す本実施形態では、スライス方向である第2の方向Yに、16個の超音波素子10が並設され、スキャン方向である第1の方向Xには64個の超音波素子10が並設されているが、図3及び図6には、それぞれその一部のみを示している。このような超音波センサー1では、スキャン方向にスキャンしながら、スライス方向に延びる列毎に駆動、すなわち、超音波の送信及び受信を行うことにより、スライス方向のセンシング情報を、スキャン方向に連続して取得することができる。
図3の構成例において、第1電極14は、第2の方向Y、すなわち、スライス方向に延びる列毎に共通であり、本実施形態では、4列毎に共通化し、4列1チャンネル毎に駆動可能となっている。一方、第2電極16は、第1の方向X、すなわち、スキャン方向に延びる列毎に連続して設けられ、全ての列を共通化して接続している。図6に示す本実施形態は、後述するバイパス配線21及び第2バイパス配線22を利用しているため詳細な構造は異なるが、電極の共通化に関する基本的な考え方や駆動方法は、図3の構成例と同じである。
このような超音波センサー1では、第1の方向X又は第2の方向Yの一方端又は両端に外部接続端子を具備することになるが、外部接続端子から距離が離れるにしたがって、各電極のインピーダンスが増大することになる。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、超音波素子10が第1の方向Xに4つずつグループ化され、グループ化された4つの超音波素子10毎に、第2電極16が共通化されている。また、このようにして共通化された第2電極16に対して、バイパス配線21が接続されている。バイパス配線21は、第2電極16と接続され、第2電極16のスキャン方向及びスライス方向のインピーダンスの増大を補う。バイパス配線21は、第1の方向Xに延びる第1延設部21aと、第1延設部21aから第2の方向Yに延びる第2延設部21bとを有する。第1延設部21aは第2の方向Yの両側に設けられ、第2延設部21bは、第1の方向Xの4列毎の間に、第1延設部21aを連結するように設けられている。
このようなバイパス配線21は、詳細は後述するように、第2電極16のパターニングの後に、第2電極16とは異なる材質で形成されたものである。これは超音波素子10の製造薄膜プロセスで同時に形成するものでは、自由な膜厚の配線を形成することができず、配線幅も自由にはならない。また、上層をパターニングする際の下層の薄膜化などのプロセス上の問題もあり、小さなインピーダンスの配線を形成できないからである。そして、超音波素子10の製造薄膜プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させることができ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ断面積で形成することができる。
バイパス配線21は、第1電極14や第2電極16とは異なる材料、好ましくは電気抵抗率が小さい材料を用いるのが好ましく、金、銀、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。ここで、異なる材料とは、構成する主成分(成分中の50%以上を占める成分)が異なることを意味する。本実施形態では、金を用いた。なお、金の配線を形成する場合には、下地としてニクロムなどの下地層を形成するが、以下の説明では下地層の説明は省略する。また、バイパス配線21は、単層である必要はなく、二層以上の積層膜であってもよく、積層の場合には、全体の電気抵抗値が第2電極16より小さくなるように形成するのが好ましい。
ここで、バイパス配線21は、当該配線を構成する材料のヤング率と配線の断面積との積(以下、α値とも呼ぶ)が共通化された第2電極16を構成する材料のα値より大きいものとし、且つ上記配線を構成する材料の単位長さ当たりの電気抵抗値(以下、単に電気抵抗値とも呼ぶ)が、共通化された第2電極16を構成する材料の電気抵抗値より小さいものとすることにより配線による圧電素子17の変位の低下を抑えながら、バイパス配線21のインピーダンスを小さくすることができる。
本実施形態では、さらに、図6に示すように、超音波素子10が4列ずつグループ化され、グループ化された4列の超音波素子10毎に、第1電極14が共通化されている。また、このようにして共通化された第1電極14に対して、第2バイパス配線22が接続されている。第2バイパス配線22は、4列毎に共通化された第1電極14の延設方向のインピーダンスの増大を改善する。第2バイパス配線22は、第1電極14の延設方向である第2の方向Yに延びる第1延設部22aと、第1延設部22aと各列の第1電極14とを連結する第2延設部22bとを具備する。
このような第2バイパス配線22は、バイパス配線21と同様に、第1電極14、第2電極16のパターニングの後に、第1電極14とは異なる材質で形成されたものである。これは超音波素子10の製造薄膜プロセスで同時に形成するものでは、自由な膜厚の配線を形成することができず、配線幅も自由にならない。また、上層をパターニングする際の下層の薄膜化などのプロセス上の問題もあり、小さなインピーダンスの配線を形成できないからである。そして、超音波素子10の製造薄膜プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させることができ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ断面積で形成することができる。
第2バイパス配線22は、バイパス配線21と同様に、第1電極14や第2電極16とは異なる材料、好ましくは電気抵抗率が小さい材料を用いるのが好ましく、金、銀、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。本実施形態では、金を用いた。なお、金の配線を形成する場合には、下地としてニクロムなどの下地層を形成するが、以下の説明では下地層の説明は省略する。また、第2バイパス配線22は、単層である必要はなく、二層以上の積層膜であってもよく、積層の場合には、全体の電気抵抗値が第1電極14より小さいように形成するのが好ましい。
ここで、第2バイパス配線22は、α値が共通化された第1電極14より大きいものとし、且つ電気抵抗値が、共通化された第1電極14より小さいものとすることにより圧電素子17の変位の低下を抑えながら、第2バイパス配線22のインピーダンスを小さくすることができる。
なお、第2バイパス配線22は、必ずしも設ける必要はなく、バイパス配線21のみを設けても、上述したように、スキャン方向のインピーダンスを小さくすることができる。
音響整合層30は、空間20内に設けられている。音響整合能を有する樹脂等が基板11の空間20等内に充填されて音響整合層30が設けられることで、圧電素子17及び測定対象物の間で音響インピーダンスが急激に変化することを防止でき、その結果、超音波の伝播効率が低下することを防止できる。音響整合層30は、例えばシリコーンオイル、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムから構成できるが、前記の例に限定されず、超音波センサー1の用途等に応じた材料を適宜選択して用いることができる。
レンズ部材31は、基板11の振動板50とは反対側に設けられている。レンズ部材31は、超音波を収束させる役割を有している。超音波を電子フォーカス法で収束させる場合等、レンズ部材31は省略可能である。ここでは、上記の音響整合層30が、レンズ部材31と基板11との接着機能も有している。レンズ部材31と基板11(隔壁19)との間に音響整合層30を介在させ、超音波センサー1が構成されている。
レンズ部材31を超音波素子10に実装する際や、レンズ部材31の実装後にレンズ部材31の密着性を確保する際に、レンズ部材31を音響整合層30側に押圧することがある。レンズ部材31を具備していない場合や、レンズ部材31の代わりに他の部材を設けた場合にも、各部の密着性を確保するため、音響整合層30側から振動板50に押圧力を付すこともある。超音波センサー1では、支持部材41を具備して構成されているため、上記の通り、所定の外圧が振動板50に加わったとしても、構造歪みが生じることを抑制でき、高い信頼性を確保できる。
包囲板40は、振動板50の第2面50b側に設けられている。包囲板40の中央には凹部(圧電素子保持部32)が形成され、この圧電素子保持部32の周囲は、包囲板40の縁部40a(図2等参照)とされている。圧電素子保持部32によって、圧電素子17の周囲の領域(圧電素子17の上面及び側面を含む領域)が覆われる。従って、圧電素子保持部32の底面に相当する面が、包囲板40の圧電素子17側の面40bとなる。
包囲板40は、縁部40aにおいて超音波素子10側に接合されている。包囲板40の接合は、接着剤(図示せず)を用いることができるが、前記の例に限定されない。圧電素子保持部32の深さ、すなわち第3の方向Zの長さは、約80μmであるが、前記の値に限定されない。圧電素子保持部32の深さは、圧電素子17の駆動を阻害しない程度のスペースが確保される値であればよい。また、圧電素子保持部32は、空気で満たされていてもよく、樹脂で満たされていてもよい。包囲板40の厚さは、約400μmであるが、前記の値に限定されない。
超音波センサー1には、包囲板40の圧電素子17側の面40bと振動板50の第2面50bとの間、且つ、圧電素子17と重ならない位置に、支持部材41が設けられている。これによれば、支持部材41により振動板50を支持できる。このため、例えば、レンズ部材31を実装する際や、レンズ部材31の実装後にレンズ部材31の密着性を確保する際、音響整合層30側から所定の圧力が振動板50に加わったとしても、振動板50が圧電素子保持部32内に大きく撓むことが防止される。よって、構造歪みが生じることを抑制でき、高い信頼性を確保できる。
支持部材41は、圧電素子17と重ならない位置に設けられている。このため、圧電素子17が支持部材41によって過度に拘束されることが回避される。よって、支持部材41を設けていない場合と比べ、超音波の送信効率や受信効率が過度に低下することも防止される。
圧電素子17と重ならない位置とは、第3の方向Zから見たとき、能動部(第1電極14と第2電極16とで挟まれた部分)に重ならない位置である。特に、超音波センサー1では、隔壁19よりも狭い幅を有している支持部材41が、隣り合う空間20間の隔壁19の対向する部分に設けられている。つまり、超音波センサー1では、第3の方向Zから見たとき、支持部材41が、可動部(振動板50の第2面50b側のうち開口部18(空間20)に対応する部分)にすら重なっていない。このため、支持部材41を設けていない場合と比べ、超音波送信効率や受信効率が過度に低下することが確実に防止される。支持部材41は、接着剤(図示せず)により超音波素子10側に接合されているが、接合の手法は前の例に限定されない。
支持部材41は、第2の方向Yに沿って延びる梁形状を有している。これによれば、第2の方向Yに亘る広い範囲で振動板50を支持できる。梁形状の支持部材41は、第1の方向Xではなく、第1の方向Xに沿って延在していてもよい。梁形状の支持部材41は延在する片方の端部が、包囲板40の縁部40aから離れていてもよい。延在方向の少くとも片方の端部が包囲板40の縁部40aに接していれば、梁形状の支持部材41に挟まれる。
梁形状の支持部材41は、包囲板40をウエットエッチングすることで作製されたものである。このように、支持部材41は、包囲板40の構成材料を活かして作製されており、包囲板40と同一の構成を有している。ウエットエッチングは、例えばドライエッチングに比べ、加工精度は劣るものの、短時間で多くの領域を削ることができるため、梁形状の支持部材41を作製するのには好適な手法である。
圧電素子保持部32の中心部分は、包囲板40の縁部40aから比較的離れている。従って、振動板50において、圧電素子保持部32の中心部分に対応する中心箇所C(図2等参照)では、支持部材41がない場合に剛性が低くなりやすい。そこで、支持部材41は、そのような振動板50の中心箇所Cを支持するように設けられている。これにより、より高い信頼性を確保できる。
本発明において、支持部材の数、配置、形状等は種々に選択が可能である。例えば、支持部材41は複数であってもよい。その場合、支持部材41は、圧電素子保持部32内に等間隔に設けられることが好ましい。これによれば、振動板50をまんべんなく支持できる。従って、振動板50の数は、3つ以上の奇数であることが好ましい。これは、圧電素子保持部32内に支持部材41を等間隔に設けたとき、その真ん中の支持部材41が、振動板50の中心箇所Cの近傍に位置し得るためである。例えば、支持部材41の数は、3つ程度であるとバランスがよい。
支持部材41は、振動板50の中心箇所Cからずれた部分のみに設けられてもよい。支持部材41は、梁形状を有していなくてもよい。支持部材41は、延在方向に直線状でなくてもよい。支持部材41の作製手法によっては、支持部材41のXY平面の断面積が第3の方向Zに応じて異なる態様となる場合があるものの、かかる態様も、振動板50を支持できる限り、本発明の支持部材41に含まれる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2に係る超音波センサーの概略構成を示す平面図、図9はそのE−E′線断面図及びF−F′線断面図である。
本実施形態の超音波素子10Aは、バイパス配線23を介して第1電極14を全体に共通化した配線としたものであり、他の構成は基本的には実施形態1と同様であるので、同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態では、超音波素子10Aが第1の方向Xに4つずつグループ化され、グループ化された4つの超音波素子10A毎に、第1電極14が共通化されている。第1電極14は、スキャン方向である第1の方向Xに延設されている。このようにして共通化された、第1電極14に対して、バイパス配線23が接続されている。バイパス配線23は、第1電極14と接続され、第1電極14のスキャン方向及びスライス方向のインピーダンスの増大を補う。バイパス配線23は、第1の方向Xに延びる第1延設部23aと、第1延設部23aから第2の方向Yに延びる第2延設部23bとを有する。第1延設部23aは第2の方向Yの両側に設けられ、第2延設部23bは、第1の方向Xの4列毎の間に、第1延設部23aを連結するように設けられている。
このようなバイパス配線23は、上述したバイパス配線21と同様に、第1電極14及び第2電極16のパターニングの後に、第1電極14とは異なる材質で形成されたものである。これは超音波素子10Aの製造薄膜プロセスで同時に形成するものでは、自由な膜厚の配線を形成することができず、配線幅も自由にはならない。また、上層をパターニングする際の下層の薄膜化などのプロセス上の問題もあり、小さなインピーダンスの配線を形成できないからである。そして、超音波素子10Aの製造薄膜プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させることができ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ断面積で形成することができる。なお、バイパス配線23は、バイパス配線21と同様は材料、構成で設ければよい。
また、本実施形態では、超音波素子10Aが4列ずつグループ化され、グループ化された4列の超音波素子10A毎に、第2電極16が共通化されている。第2電極16は、スライス方向に沿って延設されている。このようにして共通化された第2電極16に対して、第2バイパス配線24が接続されている。第2バイパス配線24は、4列毎に共通化された第2電極16の延設方向のインピーダンスの増大を改善する。第2バイパス配線24は、第2電極16の延設方向である第2の方向Yに延びる第1延設部24aと、第1延設部24aと各列の第2電極16とを連結する第2延設部24bとを具備する。
このような第2バイパス配線24は、バイパス配線21と同様に、第2電極16のパターニングの後に、第2電極16とは異なる材質で形成されたものである。これは超音波素子10Aの製造薄膜プロセスで同時に形成するものでは、自由な膜厚の配線を形成することができず、配線幅も自由にはならない。また、上層をパターニングする際の下層の薄膜化などのプロセス上の問題もあり、小さなインピーダンスの配線を形成できないからである。そして、超音波素子10Aの製造薄膜プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させることができ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ断面積で形成することができる。なお、第2バイパス配線24は、バイパス配線21と同様は材料、構成で設ければよい。
次に、実施形態1の超音波センサーの製造方法の一例について、図10及び図11を参照して説明する。これらの図は、超音波センサーの製造例を示す断面図であり、図6のD−D′線断面図に対応する。
まず、図10(a)に示すように、基板11を熱酸化等で酸化シリコンからなる弾性膜12を形成後、この上に、ジルコニウムを成膜して例えば500℃〜1200℃の拡散炉で熱酸化し、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜13を形成する。そして、図10(b)に示すように、絶縁体膜13上に、第1電極14をスパッタリング法や蒸着法等により形成し、第1電極14が所定の形状となるようにパターニングする。
次いで、図10(c)に示すように、第1電極14上に圧電体層15を積層し、パターニングする。圧電体層15は、例えば金属錯体を溶媒に溶解・分散した溶液を塗布乾燥し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電材料を得る、CSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成できる。尚、CSD法に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法や、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法等を用いてもよい。
次に、図11(a)に示すように、圧電体層15上に、第2電極16をスパッタリング法や熱酸化等により形成し、パターニングし、第1電極14、圧電体層15及び第2電極16からなる圧電素子17を形成する。
次に、図11(b)に示すように、ニッケルクロムなどの密着層と金層とを成膜し、パターニングすることにより、バイパス配線21及び第2バイパス配線22を形成する。そして、図11(c)に示すように、空間20を形成し、超音波センサー1とする。
このように、超音波素子10の製造薄膜プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させることができ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ異なる断面積で形成することができる。また、バイパス配線21は、ヤング率及び断面積の積(以下、α値とも呼ぶ)が第2電極16より大きく、且つ上記配線を構成する材料の単位長さ当たりの電気抵抗値(以下、単に電気抵抗値とも呼ぶ)が、第2電極16より小さいものとする。これにより、逆に第2電極16のα値を小さく抑え、且つ第2電極16の電気抵抗値を大きくすることができ、配線による圧電素子17の変位の低下を抑えながら、バイパス配線21のインピーダンスを小さくすることができる。なお、第2バイパス配線22についても同様である。
また、超音波センサー1において、バイパス配線21と、第1電極14又は第2電極16とが重畳している領域では、上述したとおり、バイパス配線21が第1電極14又は第2電極16より上方に設けられていることで、製造時の歩留まりを向上させることができ、信頼性を向上させることができる。ただし、超音波センサー1の構造は、それに限定されない。
(他の実施形態)
以上説明した各本実施形態では説明は省略したが、例えば、振動板50の圧電素子17とは反対側が、測定対象物に向けて発信される超音波や測定対象物から反射した超音波(エコー信号)の通過領域となる構成とすることができる。これによれば、振動板50の圧電素子17とは反対側の構成を簡素化させ、超音波等の良好な通過領域を確保できる。また、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなる。従って、汚染や漏れ電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に適用できる。
また、上述した実施形態では、バイパス配線21,23、第2バイパス配線22,24を第1電極14及び第2電極16と同じ平面上に設けたが、これに限定されず、所定のグループ毎に共通化された第1電極14又は第2電極16のグループ毎に、又は複数のグループ毎に、バイパス配線を三次元的に接続するようにしてもよい。例えば、共通化された第1電極14又は第2電極16に対して、プローブ端子などを介してバイパス配線21,23を接続するようにしてもよいし、ワイヤーボンディングなどを介して接続するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では省略したが、圧電素子17を含む領域を封止する封止板を基板11に接合するのが好ましい。これによれば、圧電素子17を物理的に保護でき、また超音波センサー1の強度も増加するため、構造安定性を高めることができる。更に、圧電素子17が薄膜として構成される場合には、その圧電素子17を含む超音波センサー1のハンドリング性も向上させることができる。
また、上述した実施形態では、開口部18は、圧電素子17毎に形成した例を示したが、これに限定されず、複数の圧電素子17に対応して開口部18を形成してもよい。例えば、スキャン方向に亘って並設される圧電素子17の列に共通する開口部18を設けてもよく、又は全体に1つの開口部18としてもよい。なお、このような複数の圧電素子17に対して共通する開口部18を設けた場合には、圧電素子17の振動状態が異なるようになるが、振動板50の基板11とは反対側から、各圧電素子17の間を押さえ込む部材等を設けて、独立した開口部18を設けた場合と同様な振動を行うようにしてもよい。
ここで、上述した超音波センサーを用いた超音波診断装置の一例について説明する。図12は超音波診断装置の一例の概略構成を示す斜視図、図13は超音波プローブを示す側面図である。
これらの図に示すように、超音波診断装置101は、装置端末102と超音波プローブ(プローブ)103とを備える。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104で接続される。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104を通じて電気信号をやりとりする。装置端末102にはディスプレイパネル(表示装置)105が組み込まれる。ディスプレイパネル105の画面は、装置端末102の表面に露出する。装置端末102では、超音波プローブ103の超音波センサー1から送信され、検出された超音波に基づき画像が生成される。画像化された検出結果は、ディスプレイパネル105の画面に表示される。
超音波プローブ103は、筐体106を有する。筐体106内には、複数の超音波素子10が第1の方向X及び第2の方向Yの二次元に配列された超音波センサー1が収納される。超音波センサー1は、その表面が筐体106の表面に露出するように設けられる。超音波センサー1は、表面から超音波を出力すると共に、超音波の反射波を受信する。また、超音波プローブ103は、プローブ本体103aに着脱自在となるプローブヘッド103bを備えることができる。このとき、超音波センサー1はプローブヘッド103bの筐体106内に組み込まれることができる。なお、超音波センサー1は、超音波素子10が、第1の方向X及び第2の方向Yに二次元に配列されて構成される。
I 超音波プローブ、 1,1A 超音波センサー、 2 FPC基板、 3 ケーブル、 4 中継基板、 5 筐体、 6 耐水性樹脂、 10,10A 超音波素子、 11 基板、 12 弾性膜、 13 絶縁体膜、 14 第1電極、 15 圧電体層、 16 第2電極、 17 圧電素子、 18 開口部、 19 隔壁、 20 空間、 21,23 バイパス配線、 22,24 第2バイパス配線、 21a,22a,23a,24a 第1延設部、 21b,22b,23b,24b 第2延設部、 30 音響整合層、 31 レンズ部材、 32 圧電素子保持部、 40 包囲板、 40a 包囲板の縁部、 40b 包囲板の圧電素子側の面、 41 支持部材、 50 振動板、 50a 第1面、 50b 第2面、 101 超音波診断装置、 102 装置端末、 103 超音波プローブ(プローブ)、 103a プローブ本体、 103b プローブヘッド、 104 ケーブル、 105 ディスプレイパネル、 106 筐体

Claims (5)

  1. 第1電極、圧電体層及び第2電極を備え、第1方向及び第2方向に配列された複数の超音波素子を具備する超音波センサーであって、
    前記複数の超音波素子の少なくとも一部はグループ化されており、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方が、前記グループ化された超音波素子毎に共通化されており、
    前記共通化された前記第1電極及び前記第2電極の一方に対してバイパス配線が接続されており、
    前記バイパス配線の下記α値は、当該バイパス配線が接続される前記第1電極又は前記第2電極のα値より大きく、
    単位長さ当たりの電気抵抗値を比較したとき、前記バイパス配線の電気抵抗値は、当該バイパス配線が接続される前記第1電極又は前記第2電極の電気抵抗値より小さいことを特徴とする超音波センサー。
    α値=(構成材料のヤング率)×(配線又は電極の断面積)
  2. 前記バイパス配線と前記第1電極又は前記第2電極とが重畳している領域では、前記バイパス配線が前記第1電極又は前記第2電極より上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサー。
  3. 前記共通化された前記第1電極及び前記第2電極の他方も共通化されており、当該他方の前記第1電極又は前記第2電極に電気的に接続する第2バイパス配線が設けられ、前記第2バイパス配線の前記α値が当該バイパス配線が接続される前記第1電極又は前記第2電極のα値より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波センサー。
  4. 前記バイパス配線は、前記第1電極又は前記第2電極とは異なる材料から構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波センサー。
  5. 第1電極、圧電体層及び第2電極を備え、第1方向及び第2方向に配列された複数の超音波素子を具備し、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方が複数の超音波素子毎に共通化された超音波センサーの製造方法であって、
    前記第1電極、前記圧電体層及び前記第2電極を形成した後、前記第1電極又は前記第2電極に対して設けられ、下記α値が前記第1電極又は前記第2電極のα値より大きく、単位長さ当たりの電気抵抗値が前記第1電極又は前記第2電極の電気抵抗値より小さいバイパス配線を形成することを特徴とする超音波センサーの製造方法。
    α値=(構成材料のヤング率)×(配線又は電極の断面積)
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