以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、カメラシステム5の一例を模式的に示す。カメラシステム5は、カメラ10、外部メモリ180、USB(Universal Serial Bus)ケーブル105および外部装置110を備える。外部装置110は、PC21および通信アクセサリ22を含む。PC21はパーソナルコンピュータである。
カメラ10は、撮像装置の一例としての一眼レフレックスカメラである。カメラ10は、カメラ本体130と、レンズユニット120とを備える。レンズユニット120は、カメラ本体130に装着される。レンズユニット120は交換レンズであり、カメラ本体130に対して着脱可能である。
カメラ本体130が有するメモリカードコネクタ151には、外部メモリ180が装着される。外部メモリ180は外部機器の一例である。外部メモリ180は、PCI Express(登録商標)規格に従って、カメラ10と通信することができる。外部メモリ180は、USB規格に従ってカメラ10と通信することもできる。外部メモリ180は、PCI Express規格およびUSB規格のうち選択された規格に従って、カメラ本体130が有するSoC200と通信してデータを伝送する。例えば、SoC200は、撮影することで得られた画像データを、メモリカードコネクタ151に装着された外部メモリ180に記録する。
カメラ本体130が有するUSBコネクタ152には、USBケーブル105および通信アクセサリ22を装着することができる。PC21は、USBケーブル105を介してカメラ10に接続される。PC21および通信アクセサリ22は、外部機器の一例である。PC21および通信アクセサリ22は、USB規格に従ってカメラ10と通信し、カメラ10との間でデータを伝送する。具体的には、PC21および通信アクセサリ22は、USB規格に従ってSoC200と通信してデータを伝送する。
PC21は、外部メモリ180に記録された画像データを、USBケーブル105を介して取得する。PC21は、外部メモリ180に記録された画像データを、SoC200を介して取得できる。また、後述するように、PC21は、外部メモリ180に記録された画像データを、SoC200を介することなく外部メモリ180から直接に取得できる。PC21は自己電源を有しており、カメラ10にUSBコネクタ152を介して電力を供給することができる。
通信アクセサリ22は、カメラ本体130に装着された状態で、外部の無線機器との間で無線通信を行う。通信アクセサリ22は、例えば無線リモコンからの無線信号を受信して、カメラ10を制御する。通信アクセサリ22は、撮影を指示する無線信号を無線リモコンから受信した場合に、カメラ10に撮影を指示する。また、通信アクセサリ22は、カメラ10が撮影により生成された画像データを、外部の無線機器に送信する。通信アクセサリ22は自己電源を有しておらず、カメラ10からUSBコネクタ152を介して供給された電力で動作する。
カメラ本体130において、メモリカードコネクタ151に接続された伝送ライン181は、切替制御部230の制御により、メモリカードコネクタ151に接続された伝送ライン111に直接に接続可能である。切替制御部230は、伝送ライン181を伝送ライン111に接続した状態と、SoC200に接続された伝送ライン116に伝送ライン111を接続した状態とを切り替える。伝送ライン116に伝送ライン111を接続した状態では、SoC200は、USBコネクタ152に接続されたPC21や通信アクセサリ22との間でUSB接続によってデータを伝送できる。
一方、伝送ライン181を伝送ライン111に接続した状態では、PC21は、USB接続によって外部メモリ180との間で直接にデータを伝送できる。なお、カメラシステム5に係る説明において、伝送ライン181を伝送ライン111に接続した状態を、ダイレクト接続の状態と呼ぶ場合がある。これに対し、伝送ライン181を伝送ライン111に接続した状態を、非ダイレクト接続の状態と呼ぶ場合がある。
外部メモリ180は、USB規格におけるマスストレージクラスのデバイスとしても動作できる。伝送ラインの接続状態がダイレクト接続の状態にある場合、PC21は、マスストレージクラスの仕様に従って外部メモリ180にアクセスする。このため、PC21は、カメラ10による制御を必要とせずに、外部メモリ180に直接にアクセスすることができる。例えばカメラ10の電源スイッチ14がOFF状態であっても、PC21は、SoC200による制御を必要とせずに、外部メモリ180に直接にアクセスすることができる。
一方、通信アクセサリ22がカメラ10に接続されているときには、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態にされる。電源スイッチ14がON位置にある場合、カメラ10は通信アクセサリ22に電力を供給して、通信アクセサリ22を動作させる。
このように、カメラ10によれば、伝送ラインの接続状態がダイレクト接続の状態にある場合、SoC200を動作させなくても、PC21は外部メモリ180に直接にアクセスできる。そのため、PC21は外部メモリ180に容易にアクセスできる。また、PC21が外部メモリ180にアクセスする場合にSoC200を動作させなくてよいので、カメラ10の消費電力を削減することができる。また、電源スイッチ14がOFF位置にありSoC200等に電力が供給されていない場合や、カメラ本体130の電源となる電池の残存容量がない場合でも、PC21はメモリカードコネクタ151に装着された外部メモリ180にアクセスすることができる。
図2は、カメラ10のシステム構成の一例を外部メモリ180とともに示す。図2は、交換レンズであるレンズユニット120がカメラ本体130に装着されたカメラ10全体のブロック構成を示す。
レンズユニット120は、レンズマウント接点121を有するレンズマウントを備える。カメラ本体130は、カメラマウント接点131を有するカメラマウントを備える。レンズマウントとカメラマウントとが係合してレンズユニット120とカメラ本体130とが一体化されると、レンズマウント接点121とカメラマウント接点131とが接続される。レンズMPU123は、レンズマウント接点121およびカメラマウント接点131を介してカメラMPU140と接続され、相互に通信しつつ協働してレンズユニット120を制御する。
レンズユニット120は、レンズ群122、レンズ駆動部124およびレンズMPU123を有する。被写体光は、レンズユニット120が有する光学系としてのレンズ群122を透過して、カメラ本体130に入射する。メインミラー145およびサブミラー146を含むミラーユニットは、レンズ群122の光軸を中心とする被写体光束中に進出した進出位置と、被写体光束から退避した退避位置とを取り得る。サブミラー146は、メインミラー145の変位に連動して変位する。メインミラー145が被写体光束中から退避した位置にある場合に、サブミラー146も被写体光束から退避した位置にある。メインミラー145が被写体光束中に進出した位置にある場合に、サブミラー146も被写体光束中に進出した位置にある。レリーズボタンが押し込まれると、ミラーユニットは進出位置からアップして退避位置に変位し、撮像素子132による撮像動作が完了すると、ミラーユニットは退避位置からダウンして進出位置に戻る。
ミラーユニットが進出位置にある場合、メインミラー145は、レンズ群122を通過した被写体光束の一部を反射する。具体的には、メインミラー145の一部領域には、ハーフミラーが形成されている。メインミラー145のハーフミラー領域に入射した被写体光束の一部は透過し、他の一部は反射する。メインミラー145により反射された被写体光束は、ピント板161、透過型表示パネル160、ペンタプリズム147、接眼光学系162およびファインダ窓163を通じて、被写体像としてユーザに提示される。ユーザは、提示された被写体像に基づいて構図等を確認することができる。透過型表示パネル160は、被写体光束に基づく被写体像とともに、撮像動作の設定状態を示す情報等を含む種々の情報をユーザに提示する。透過型表示パネル160は、カメラMPU140の制御に従って、被写体光束に基づく被写体像に重畳して、種々の情報をユーザに提示する。
メインミラー145のハーフミラー領域を透過した被写体光束の一部は、サブミラー146で反射されて、AFユニット142へ導かれる。AFユニット142は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子列を有する。光電変換素子列は、合焦状態にある場合には位相が一致した信号を出力し、前ピン状態または後ピン状態にある場合には、位相ずれした信号を出力する。位相のずれ量は、焦点状態からのずれ量に対応する。AFユニット142は、光電変換素子列の出力を相関演算することで位相差を検出して、位相差を示す位相差信号をカメラMPU140へ出力する。
レンズ群122の焦点状態は、カメラMPU140等の制御により、AFユニット142からの位相差信号を用いて調節される。例えば、位相差信号から検出された焦点状態に基づき、カメラMPU140によってレンズ群122が含むフォーカスレンズの目標位置が決定され、決定された目標位置に向けてレンズMPU123の制御によってフォーカスレンズの位置が制御される。具体的には、レンズMPU123は、一例としてフォーカスレンズモータを含むレンズ駆動部124を制御して、レンズ群122を構成するフォーカスレンズを移動させる。このように、メインミラー145が進出位置にダウンしてミラーユニットが進出位置にある場合に、位相差検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。AFユニット142には、撮像素子132による撮像範囲内の複数の焦点調節位置のそれぞれにおいて焦点状態を調節すべく、複数の焦点調節位置にそれぞれ対応する複数の位置にそれぞれ光電変換素子が設けられる。
測光素子144は、被写体光を測光する測光部の一例である。測光素子144は、ペンタプリズム147に導かれた光束の一部の光束を受光する光電変換素子を有する。測光素子144が有する光電変換素子で検出された被写体の輝度情報は、カメラMPU140に測光値として出力される。カメラMPU140は、測光素子144から取得した輝度情報に基づき、各部を制御する。例えば、カメラMPU140は、当該輝度情報に基づきAE評価値を算出して、AE評価値に基づいて露出制御を行う。カメラMPU140は、記録範囲が設定されている場合、測光素子144が有する複数の光電変換素子のうち、記録範囲内に対応する範囲内に位置する光電変換素子で検出された輝度情報に基づいて、AE評価値を算出してよい。
メインミラー145が被写体光束から退避すると、サブミラー146はメインミラー145に連動して被写体光束から退避する。撮像素子132のレンズ群122側には、フォーカルプレーンシャッタ143が設けられる。フォーカルプレーンシャッタ143は、一例としてメカニカルシャッタである。ミラーユニットが退避位置にあり、フォーカルプレーンシャッタ143が開状態にある場合、レンズ群122を透過した被写体光束は、撮像素子132の受光面に入射する。フォーカルプレーンシャッタ143は、撮像素子132へ入射する被写体光の光路を開閉することで露光を制御する。
撮像素子132は、撮像部として機能する。撮像素子132は、レンズ群122を通過した被写体光束により被写体を撮像する。撮像素子132としては、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ等の固体撮像素子を例示することができる。撮像素子132は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子を有しており、複数の光電変換素子でそれぞれ生じた蓄積電荷量に応じたアナログ信号をアナログ処理部133へ出力する。アナログ処理部133は、撮像素子132から出力されたアナログ信号に対して、増幅処理、OBクランプ処理等のアナログ処理を施して、A/D変換器134へ出力する。A/D変換器134は、アナログ処理部133から出力されたアナログ信号を、画像データを表すデジタル信号に変換して出力する。撮像素子132、アナログ処理部133およびA/D変換器134は、カメラMPU140からの指示を受けた駆動部148により駆動される。
A/D変換器134からデジタル信号で出力したデジタル信号は、画像データとしてASIC135に入力される。ASIC135は、画像処理機能に関連する回路等を一つにまとめた集積回路である。ASIC135は、揮発性メモリの一例としてのRAM136の少なくとも一部のメモリ領域を、画像データを一時的に記憶するバッファ領域として使用して、RAM136に記憶させた画像データに対して種々の画像処理を施す。ASIC135による画像処理としては、ノイズリダクション処理、欠陥画素補正、ホワイトバランス調節、色補間処理、色補正、ガンマ補正、輪郭強調処理、画像データの圧縮処理等を例示することができる。
撮像素子132が連続して撮像した場合、順次に出力される画像データはバッファ領域に順次に記憶される。撮像素子132が連続して撮像することにより得られた複数の画像データは、連続する静止画の画像データ、または、動画を構成する各画像の画像データとして、バッファ領域に順次に記憶される。RAM136は、ASIC135において動画データを処理する場合にフレームを一時的に記憶するフレームメモリとしても機能する。
ASIC135における画像処理としては、記録用の画像データを生成する処理の他、表示用の画像データを生成する処理、自動焦点調節(AF)用の画像データ処理を例示できる。また、ASIC135における画像処理としては、AF処理用のコントラスト量を検出する処理等を含む。具体的には、ASIC135は、画像データからコントラスト量を検出してカメラMPU140に供給する。例えば、ASIC135は、光軸方向の異なる位置にフォーカスレンズを位置させて撮像することにより得られた複数の画像データのそれぞれからコントラスト量を検出する。カメラMPU140は、検出されたコントラスト量とフォーカスレンズの位置とに基づいて、レンズ群122の焦点状態を調節する。例えば、カメラMPU140は、コントラスト量を増大させるようフォーカスレンズの目標位置を決定して、レンズMPU123に、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズの位置を制御させる。このように、メインミラー145がアップして退避位置にある場合に、コントラスト検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。このように、カメラMPU140は、ASIC135およびレンズMPU123と協働して、レンズ群122の焦点調節を行う。
ASIC135は、A/D変換器134から出力された画像データを記録する場合、規格化された画像フォーマットの画像データに変換する。例えば、ASIC135は、静止画の画像データを、JPEG等の規格に準拠した符号化形式で符号化された静止画データを生成するための圧縮処理を行う。また、ASIC135は、複数のフレームを、QuickTime、H.264、MPEG2、Motion JPEG等の規格に準拠した符号化方式で符号化された動画データを生成するための圧縮処理を行う。ASIC135が生成した記録用の静止画データ、動画データ等の画像データはRAM136からSoC200の制御により外部メモリ180へ転送される。
外部メモリ180は、メモリカードコネクタ151に装着される。外部メモリ180は、カメラ本体130に着脱可能である。外部メモリ180は、不揮発性の記録媒体の一例である。外部メモリ180としては、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってよい。外部メモリ180は、一例としてXQD(登録商標)メモリカードである。RAM136に記憶されている記録用の画像データは、SoC200の制御により外部メモリ180に記録される。また、外部メモリ180に記録されている画像データは、SoC200の制御によりRAM136へ転送されRAM136に記憶される。
ASIC135は、記録用の画像データの生成に並行して、表示用の画像データを生成する。例えば、ASIC135は、いわゆるライブビュー動作時に、表示部138に表示させる表示用の画像データを生成する。また、画像の再生時においては、ASIC135は、外部メモリ180から読み出された画像データから表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部137の制御に従ってアナログの信号に変換され、液晶ディスプレイ等の表示部138に表示される。また、撮像により得られた画像データに基づく画像表示と共に、当該画像データに基づく画像表示をすることなく、カメラ10の各種設定に関する様々なメニュー項目も、ASIC135および表示制御部137の制御により表示部138に表示される。
SoC200は、USBコネクタ152に装着された外部装置110との間でUSB通信を行って、データを伝送する。SoC200は、切替制御部230および伝送ライン111を介して、外部装置110との間でデータを伝送する。SoC200は、メモリカードコネクタ151に装着された外部メモリ180との間で、PCI ExpressまたはUSBによる通信を行って、データを伝送する。SoC200は、切替制御部230および伝送ライン181を介して、外部メモリ180との間でデータを伝送する。このように、SoC200は、外部装置110との間のデータ伝送および外部メモリ180との間のデータ伝送を担う。外部メモリ180に記録された画像データは、SoC200を通じて外部装置110へ転送され得る。また、SoC200を通じて外部装置110から通信により取得した画像データは、外部メモリ180に記録され得る。SoC200および切替制御部230の具体的な構成については後述する。
操作入力部141は、ユーザ操作を受け付ける。操作入力部141は、電源スイッチ14の他、レリーズボタン、コマンドダイヤル、マルチセレクタ、撮影モードダイヤル、ライブビュースイッチ等の各種操作部材等を含む。また、操作入力部141は、タッチパネル等として表示部138と一体に実装された入力部材を含んでよい。
カメラMPU140は、操作入力部141が操作されたことを検知して、操作に応じた動作を実行する。例えば、カメラMPU140は、レリーズボタンが押し込まれた場合に、撮像動作を実行するようにカメラ10の各部を制御する。また、カメラMPU140は、タッチパネルとして実装された入力部材が操作された場合に、表示部138に表示させたメニュー項目および操作内容に応じた動作をするよう、カメラ10の各部を制御する。このように、カメラMPU140は、操作入力部141に対する操作に基づきユーザ指示を特定して、特定したユーザ指示に基づき動作を実行する。
カメラ10は、上記に説明した制御を含めて、カメラMPU140、ASIC135およびSoC200により直接的または間接的に制御される。カメラ10の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等は、システムメモリ139に格納される。システムメモリ139は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。システムメモリ139は、パラメータ、プログラム等を、カメラ10の非動作時にも失われないように格納する。システムメモリ139に記憶されたパラメータ、プログラム等は、RAM136に展開され、カメラ10の制御に利用される。カメラ本体130内の、ASIC135、RAM136、システムメモリ139、表示制御部137、カメラMPU140およびSoC200は、バス等の接続インタフェース149により相互に接続され、各種のデータをやりとりする。
カメラ本体130の各部、レンズユニット120の各部および外部メモリ180は、電源回路192を介して電源190から電力供給を受ける。電源190としては、カメラ本体130に対して着脱できるリチウムイオン電池等の二次電池、系統電源等を例示することができる。二次電池は電池の一例であり、電池とは、実質的に充電することができない一次電池を含む。カメラMPU140は、電源回路192を制御することにより、電源190からカメラ10の各部への電力供給を制御する。
図3は、SoC200、切替制御部230および外部メモリ180のブロック構成を、各部を接続する配線とともに示す。SoC200は、記録媒体IF部201と、外部装置IF部202と、切替信号出力部208とを有する。
記録媒体IF部201は、PCI Expressの規格に従ってデータを伝送する場合、伝送ライン186、伝送ライン181および伝送ライン183を介してデータを伝送する。記録媒体IF部201は、USBの規格に従ってデータを伝送する場合、伝送ライン186を介してデータを伝送する。伝送ライン186および伝送ライン181は、PCI Expressの規格に従ってデータを伝送する場合と、USBの規格に従ってデータを伝送する場合との双方で使用される共用の伝送ラインである。例えば、伝送ライン186および伝送ライン181は、差動信号を伝送する2本のデータ伝送ラインである。伝送ライン186は、アドレス信号等の制御信号を伝送する伝送ラインを含む。伝送ライン181はメモリカードコネクタ151が有するデータ端子に接続される。電源ライン188は、メモリカードコネクタ151が有する電源端子に接続され、電源190からの電力を外部メモリ180へ供給する。
外部装置IF部202は、USBの規格に従って外部装置110とデータを伝送する場合、伝送ライン116および伝送ライン111を介してデータを伝送する。伝送ライン116および伝送ライン111は、差動信号を伝送する2本のデータ伝送ラインである。伝送ライン111はUSBコネクタ152が有するデータ端子に接続される。電源ライン118は、USBコネクタ152が有する電源端子に接続される。電源ライン118はVBUSラインである。
USBコネクタ152に装着された外部装置110がPC21等の自己電源を有する装置である場合、PC21から供給される電力は、電源ライン118を介してカメラ10へ供給される。USBコネクタ152に装着された外部装置110が、通信アクセサリ22等の自己電源を有さない装置である場合、電源190から供給される電力が電源ライン118を介して外部装置110へ供給される。
外部メモリ180は、PCIeIF部310と、USBIF部320と、コントローラ部340と、メモリ部330と、コネクタ350とを備える。コネクタ350は、メモリカードコネクタ151に装着される。
PCIeIF部310は、PCI Expressの規格に従って伝送ライン181を介して伝送された信号を受信して、コントローラ部340にデータとして供給する。コントローラ部340は、PCIeIF部310から供給されたデータを、メモリ部330に記録する。
メモリ部330は、複数の記録素子を含む。コントローラ部340は、PCIeIF部310から供給されたデータをメモリ部330が有する記録素子に記録させる。また、コントローラ部340は、メモリ部330が有する記録素子からデータを読み出して、PCIeIF部310に供給する。PCIeIF部310は、コントローラ部340から供給されたデータ等の情報を、PCI Expressの規格に従う信号に変換して伝送ライン181や伝送ライン183に出力する。
同様に、USBIF部320は、USBの規格に従って伝送ライン181を介して伝送された信号を受信して、コントローラ部340にデータとして供給する。コントローラ部340は、USBIF部320から供給されたデータを、メモリ部330に記録する。コントローラ部340は、USBIF部320から供給されたデータをメモリ部330が有する記録素子に記録させる。また、コントローラ部340は、メモリ部330が有する記録素子からデータを読み出して、USBIF部320に供給する。USBIF部320は、コントローラ部340から供給されたデータ等の情報を、USBの規格に従う信号に変換して伝送ライン181に出力する。
切替制御部230は、切替コントローラ240と、第1スイッチ210と、第2スイッチ220と、内部接続ライン250とを有する。第1スイッチ210は、伝送ライン186に接続された接点211と、内部接続ライン250に接続された接点212とを有する。第1スイッチ210は、切替コントローラ240から供給される信号に従って動作する。例えば、切替コントローラ240から供給された信号の信号レベルがHレベルである場合、第1スイッチ210は、伝送ライン181を接点212に接続する。切替コントローラ240から供給された信号の信号レベルがLレベルである場合、伝送ライン181を接点211に接続する。
第2スイッチ220は、伝送ライン116に接続された接点221と、内部接続ライン250に接続された接点222とを有する。第2スイッチ220は、切替コントローラ240から供給される信号に従って動作する。例えば、切替コントローラ240から供給された信号の信号レベルがHレベルである場合、第2スイッチ220は、伝送ライン111を接点222に接続する。切替コントローラ240から供給された信号の信号レベルがLレベルである場合、第2スイッチ220は、伝送ライン111を接点221に接続する。
切替コントローラ240は、制御信号ライン288から供給される信号に従って、第1スイッチ210および第2スイッチ220を制御する信号を出力する。例えば、制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがHレベルである場合、切替コントローラ240は、Hレベルの信号(H信号)を第1スイッチ210および第2スイッチ220に出力する。制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがLレベルである場合、切替コントローラ240は、Lレベルの信号(L信号)を第1スイッチ210および第2スイッチ220に出力する。
したがって、制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがHレベルの場合、伝送ライン181は伝送ライン111に電気的に直接に接続される。すなわち、制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがHレベルの場合、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態になる。制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがLレベルの場合、伝送ライン111は伝送ライン116に電気的に直接に接続され、伝送ライン181は伝送ライン186に電気的に直接に接続される。すなわち、制御信号ライン288から供給される信号の信号レベルがLレベルの場合、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。
電源ライン188および電源ライン118は、切替制御用電源ライン194に接続される。切替制御用電源ライン194には、電源190を電源として+5Vの電源電圧が供給される。切替制御用電源ライン194は、抵抗196を介して制御信号ライン288に接続される。制御信号ライン288は、電源スイッチ14がONされて電源190から電力が供給されている場合や、USBコネクタ152を介してPC21から電力が供給されている場合に、プルアップされる。
切替信号出力部208は、制御信号ライン288の信号レベルを制御する。切替信号出力部208は、伝送ラインの接続状態を非ダイレクト接続にする場合に、制御信号ライン288の信号レベルをLレベルに維持する。切替信号出力部208は、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続から非ダイレクト接続に切り替える場合に、制御信号ライン288の信号レベルをHレベルからLレベルに切り替える。切替信号出力部208は、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続にする場合に、制御信号ライン288の信号レベルをHレベルに維持する。切替信号出力部208は、伝送ラインの接続状態を非ダイレクト接続からダイレクト接続に切り替える場合に、制御信号ライン288の信号レベルをLレベルからHレベルに切り替える。
ここで、PC21がUSBコネクタ152に接続される場合を取り上げて、カメラ10における動作を説明する。なお、電源190には予め定められた値を超える残存容量があり、メモリカードコネクタ151には外部メモリ180が装着されているとする。なお、以後の説明では、特に断らない限り、電源190がカメラ10に装着され、電源190には予め定められた値を超える残存容量があり、かつ、メモリカードコネクタ151には外部メモリ180が装着されているとする。
USBコネクタ152に外部装置110は何も装着されておらず、電源スイッチ14がOFF位置にある状態において、PC21がUSBケーブル105を介してUSBコネクタ152に接続されると、PC21からの電力は、電源ライン118を介して切替制御用電源ライン194に供給される。これにより、制御信号ライン288の信号レベルはHレベルになる。切替コントローラ240は、電源ライン118から供給される電力により動作して、制御信号ライン288の信号レベルに従って第1スイッチ210および第2スイッチ220にHレベルの信号(H信号)を出力する。これにより、伝送ラインの状態はダイレクト接続の状態になる。
また、PC21から電源ライン118を通じて供給された電力は、電源ライン188を通じて、外部メモリ180へ供給される。これにより、外部メモリ180の各部は、PC21から供給される電力によって動作する。外部メモリ180に電力が供給されて外部メモリ180の動作が開始すると、PC21は、USBIF部320を介してコントローラ部340とネゴシエーションを行ってUSB接続を確立する。このように、電源スイッチ14がOFF位置にある状態でPC21がUSBコネクタ152に接続されると、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態になる。これにより、カメラ10の電源がOFFの状態においても、PC21は外部メモリ180との間でUSB通信によりデータの伝送を行える状態になる。
図4は、カメラ10の状態およびユーザ設定状態と、伝送ラインの接続状態との間の対応関係を示す。カメラ10の状態は、USBコネクタ152への装着状態、電池の残存容量、電源スイッチ14の状態を含む。
ユーザ設定状態とは、ユーザが設定したメモリアクセスモードの設定状態である。メモリアクセスモードは、PC21がSoC200を介さずに外部メモリ180に直接にアクセスする外部アクセスモードと、SoC200が外部メモリ180にアクセスするカメラアクセスモードとを含む。ユーザは、ユーザ設定メニュー等を通じて、カメラアクセスモードを予め設定できる。
概略には、伝送ラインの接続状態は、USBコネクタ152に接続された外部装置110が電源ライン118を通じて電力を供給できない場合、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。例えば、USBコネクタ152に通信アクセサリ22が装着されている場合、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。また、USBコネクタ152に外部装置110が接続されていない場合、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。USBコネクタ152に接続された外部装置110が電源ライン118を通じて電力を供給できない場合や、USBコネクタ152に外部装置110が接続されていない場合は、電池の残存容量、電源スイッチ14の状態およびユーザ設定にかかわらず、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。このように、外部メモリ180に電力を供給できない場合は、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態にならず、非ダイレクト接続の状態になる。
USBコネクタ152に外部装置110が接続されており、外部装置110が電源ライン118を通じて電力を供給できる場合に、カメラ10から外部メモリ180に電力を供給できないときは、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態になる。例えば、USBコネクタ152にPC21が接続されている場合に、カメラ10から外部メモリ180に電力を供給できないときは、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態になる。一方、USBコネクタ152に接続された外部装置110が電源ライン118を通じて電力を供給できる場合に、カメラ10から外部メモリ180に電力を供給できるときは、伝送ラインの接続状態はユーザ設定に基づいて決定される。例えば、USBコネクタ152にPC21が接続されている場合に、カメラ10の残存容量があり、かつ、電源スイッチ14がON位置にあるときは、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続の状態にするか非ダイレクト接続の状態にするかが、メモリアクセスモードに基づいて決定される。例えば、メモリアクセスモードとして外部アクセスモードが選択されている場合は、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続の状態になり、メモリアクセスモードとしてカメラアクセスモードが選択されている場合は、伝送ラインの接続状態は非ダイレクト接続の状態になる。
図5は、カメラ10の状態遷移を示す。図5は、特に、電源190の残存容量がある場合における状態遷移を示す。
状態510は、USBコネクタ152に外部装置110が接続されておらず、電源スイッチ14がOFF状態にある場合の状態である。状態510は、カメラ10に電力が供給されていない状態にある。この場合、データ伝送ラインの接続状態は、非ダイレクト接続の状態にある。
状態510において、通信アクセサリ22がUSBコネクタ152に接続されると、伝送ラインの接続状態は変わらない。通信アクセサリ22がUSBコネクタ152に接続された場合、電源ライン118がHレベルに変化しない。そのため、通信アクセサリ22がUSBコネクタ152に接続されたことは、切替制御部230によって検出されない。
状態510において、PC21に接続されたUSBケーブル105がUSBコネクタ152に挿入されると、状態520に遷移する。状態520においては、伝送ラインはダイレクト接続状態にあり、少なくともSoC200、ASIC135およびカメラMPU140等のカメラ10の主要部が非動作状態にある。上述したように、状態510においてUSBコネクタ152にPC21が接続された場合、電源ライン188がHレベルになり、制御信号ライン288がHレベルになる。切替制御部230は、制御信号ライン288のHレベルの状態に応じて第1スイッチ210および第2スイッチ220にH信号を出力する。第1スイッチ210および第2スイッチ220は、切替制御部230から出力されたH信号に応じて接点を切り替えて、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続状態にする。
状態520において、PC21に接続されたUSBケーブル105がUSBコネクタ152から取り外されると、カメラ10は状態510に遷移する。状態520においてUSBコネクタ152からUSBケーブル105が取り外された場合、電源ライン188がLレベルになり、制御信号ライン288がLレベルになる。切替制御部230は、制御信号ライン288のLレベルの状態に応じてL信号を第1スイッチ210および第2スイッチ220に出力する。第1スイッチ210および第2スイッチ220は、切替制御部230から出力されたL信号に応じて接点を切り替えて、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続状態にする。
状態520において、PC21はUSBケーブル105、伝送ライン111および伝送ライン181を介して、外部メモリ180と直接に接続される。外部メモリ180には、電源ライン118および電源ライン188を介して、PC21から電力が供給される。PC21は、外部メモリ180を直接に制御して、データの伝送を行う。例えば、外部メモリ180は、USBマスストレージクラスのデバイスとしてPC21に応答する。PC21は、USBマスストレージクラスで定められた使用に従って、外部メモリ180にアクセスする。このように、PC21は外部メモリ180に直接にアクセスすることができる。すなわち、PC21は、カメラ10の主要部が非動作状態にあっても、外部メモリ180に直接にアクセスすることができる。
状態520において、電源スイッチ14がON状態にされると、カメラ10は、ユーザ設定状態に応じて状態530または状態540に遷移する。例えば、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードである場合は状態530に遷移し、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードである場合は状態540に遷移する。具体的には、電源スイッチ14がON状態にされると、切替信号出力部208は、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードである場合はH信号を出力し、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードである場合はL信号を出力する。
状態530においては、伝送ラインはダイレクト接続状態にあり、カメラ10の主要部が動作状態にある。状態530においては、状態520と同様に、PC21は外部メモリ180に直接アクセスすることができる。例えば、PC21は、カメラ10の主要部による制御を必要とせずに、外部メモリ180にアクセスすることができる。具体的には、PC21は、SoC200による制御を必要とせずに、外部メモリ180にアクセスすることができる。
状態530において、電源スイッチ14がOFF位置にされると、状態520に遷移する。具体的には、伝送ラインのダイレクト接続状態を維持したまま、カメラ10の主要部が動作状態から非動作状態に遷移する。
状態540においては、伝送ラインは非ダイレクト接続状態にあり、カメラ10の主要部が動作状態にある。状態520から状態540に遷移する場合、切替信号出力部208はL信号を出力する。切替制御部230は、切替信号出力部208から出力されるL信号に基づいて、第1スイッチ210および第2スイッチ220にL信号を出力する。これにより、第1スイッチ210および第2スイッチ220は、切替制御部230から出力されたL信号に応じて接点を切り替えて、伝送ラインを非ダイレクト接続状態にする。
状態540において、記録媒体IF部201は、伝送ライン186および伝送ライン183を介して外部メモリ180にアクセスできる。外部装置IF部202は、伝送ライン116および伝送ライン111を介して、PC21との間でデータを伝送できる。例えば、外部装置IF部202は、記録媒体IF部201が外部メモリ180から読み出した画像データを、伝送ライン116および伝送ライン111を介して、PC21へ転送する。例えば、カメラ10がPC21とPTP(Picture Transfer Protocol)接続されている場合に、外部装置IF部202は、伝送ライン116および伝送ライン111を介してPC21から取得した要求に応じて、記録媒体IF部201が外部メモリ180から読み出した画像データを、PC21へ伝送する。
状態540において、電源スイッチ14がOFF位置にされると、状態520に遷移する。この場合、伝送ラインの状態はダイレクト接続状態を維持したまま、カメラ10の主要部が動作状態から非動作状態に遷移する。
状態540において、USBケーブル105が取り外されると、状態550に遷移する。状態550においては、伝送ラインは非ダイレクト接続状態にあり、カメラ10の主要部が動作状態にあり、カメラ10が自己電源を有する機器と接続されていない状態にある。状態540から状態550に遷移する場合、伝送ラインの状態およびカメラ10の主要部の動作状態は維持される。カメラ10がPC21との間のUSB接続が解除された状態に遷移する。
状態550において、通信アクセサリ22がUSBコネクタ152に接続されても、伝送ラインの接続状態は変わらない。状態550において、PC21に接続されたUSBケーブル105がUSBコネクタ152に挿入されると、カメラ10は、ユーザ設定状態に応じて状態530または状態540に遷移する。例えば、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードである場合は状態540に遷移し、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードである場合は状態530に遷移する。USBケーブル105がUSBコネクタ152に挿入されることによる電源ライン118の電位変化を検出すると、切替信号出力部208は、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードである場合はH信号を出力し、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードである場合はL信号を出力する。
状態530において、PC21に接続されたUSBケーブル105がUSBコネクタ152から取り外されると、カメラ10は状態550に遷移する。USBコネクタ152からUSBケーブル105が取り外されることにより電源ライン188がLレベルになったことを検出すると、切替信号出力部208は、制御信号ライン288にL信号を出力する。これにより、伝送ラインの接続状態はダイレクト接続状態にされる。
図6は、カメラ10の起動から終了までの動作の一例を示す。本フローは、電源スイッチ14がOFF位置からON位置に切り替えられた場合に、開始される。本フローは、カメラMPU140が主体となってカメラ10の各部を制御することにより実行される。
ステップS600において、カメラMPU140は、カメラ10の初期設定を開始する。例えば、カメラMPU140は、カメラ10を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリ139からRAM136に展開する。カメラMPU140は、例えば展開された各種のシステムパラメータに基づき、カメラ10の初期設定を行う。例えば、撮影条件に関するシステムパラメータに基づき、デフォルトの撮像条件を設定する。システムパラメータには、上述したメモリアクセスモードを識別する情報が含まれる。
続いて、外部装置110との間の接続状態に関する電源ON時の処理を行う(ステップS602)。ステップS602の処理については後述する。
続いて、ステップS604において、カメラMPU140は、初期設定で設定された内容を表示部138等に表示させる。例えば、カメラMPU140は、決定したデフォルトの撮像条件等の情報を、アイコン表示等の種々の形式で表示部138に表示させる。
続いて、ステップS606において、発生したイベントを特定する。ここでは、イベントとして、操作入力部141に対する操作に応じて生じる操作イベントと、USBコネクタ152に外部装置110が接続されることにより生じる接続イベントと、USBコネクタ152から外部装置110が取り外されることにより生じる接続解除イベントとを取り上げる。操作イベントとしては、設定ボタンの操作により生じる設定イベント、レリーズボタンが全押しされることにより生じる撮影指示イベント、再生ボタンが押し込まれることにより生じる再生イベントを取り上げる。
設定イベントが生じた場合、設定モードのタスクを立ち上げて、ユーザ操作に応じた設定処理を行う(ステップS610)。設定処理としては、ユーザがメモリアクセスモードを指示する処理を含む。設定処理としては、その他、撮像条件を設定する処理等を例示することができる。設定処理において設定が変更された場合、変更された設定に応じてシステムパラメータが変更される。設定モードのタスクは、レリーズボタンの押し込み操作等の予め定められた操作を検出した場合に、終了する。
ステップS606において、撮影指示イベントが生じたと判断された場合、撮影動作を行う(ステップS612)。ステップS612の処理には、外部メモリ180に画像データが記録されるまでの処理が含まれる。
ステップS606において、再生イベントが生じたと判断された場合、再生モードのタスクを立ち上げて、ユーザ操作に応じた再生動作を行う(ステップS614)。再生処理としては、外部メモリ180に記録されている画像データに基づきサムネイルを表示する処理、ユーザにより選択された画像データを再生する処理等を例示することができる。再生モードの動作は、レリーズボタンの押し込み操作等の予め定められた操作を検出した場合に、終了する。
ステップS606において、接続イベントが生じたと判断された場合、外部装置110との接続に関する処理を行う(ステップS616)。ステップS616の処理については後述する。ステップS606において、接続解除イベントが生じたと判断された場合、外部装置110との接続を解除に関する処理を行う(ステップS618)。ステップS618の処理については後述する。
ステップS606の判断において、イベントが生じていないと判断された場合、ステップS620に処理を進める。ステップS610、ステップS612、ステップS614、ステップS616、ステップS618の処理が完了した場合、ステップS620に処理を進める。ステップS620においては、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源スイッチ14がOFF位置に切り換えられた場合や、カメラ10が動作を開始してから予め定められた期間、ユーザ指示が無い状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。
電源をOFFすると判断した場合は、外部装置110との間の接続状態に関して電源OFF時の処理を行う(ステップS622)。続いて、カメラ10の各部への電力供給を停止する処理を行い(ステップS624)、本フローを終了する。電源をOFFしないと判断した場合はステップS606に処理を移行させる。
図7は、カメラ10が動作を開始する場合において伝送ラインの接続状態を制御するときの制御フローを示す。図7の制御フローは、図6のステップS602の処理に適用できる。
ステップS702において、USBコネクタ152の接続状態を判断する。ステップS702の判断において、PC21が接続されていると判断した場合、現在設定されているカードアクセスモードを判断する(ステップS704)。
ステップS704の判断において、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードであると判断された場合、切替信号出力部208はL信号を出力して、伝送ラインの状態をダイレクト接続の状態から非ダイレクト接続の状態に切り替える(ステップS706)。続いて、PC21との間でUSB接続を確立して(ステップS708)、本フローの処理を終了する。
ステップS704の判断において、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードである場合、伝送ラインの状態をダイレクト接続の状態に維持して(ステップS710)、本フローの処理を終了する。ステップS710においては、切替信号出力部208はH信号の出力を維持する。
ステップS702の判断において、通信アクセサリ22が接続されていると判断した場合、伝送ラインの状態を非ダイレクト接続の状態に維持して(ステップS712)、通信アクセサリ22との接続処理を行う(ステップS714)。ステップS714においては、外部装置IF部202は、電源190から通信アクセサリ22へ電力を供給させて、通信アクセサリ22との間のUSB接続を確立する。ステップS714の処理が完了すると、本フローの処理を終了する。
ステップS702の判断において、USBコネクタ152に外部装置110が接続されていないと判断した場合、伝送ラインの状態を非ダイレクト接続の状態に維持して(ステップS716)、本フローの処理を終了する。
図8は、カメラ10が動作している場合においてUSBコネクタ152に外部装置110が接続されたときの制御フローを示す。図8の制御フローは、図6のステップS616の処理に適用できる。図8の制御フローでは、外部メモリ180がメモリカードコネクタ151に装着されているとする。
ステップS802において、USBコネクタ152に接続された外部装置110がPC21であるか通信アクセサリ22であるかを判断する。ステップS802の判断において、USBコネクタ152にPC21が接続されたと判断された場合、現在設定されているカードアクセスモードを判断する(ステップS804)。
ステップS804の判断において、現在設定されているカードアクセスモードがカメラアクセスモードであると判断された場合、伝送ラインの状態を非ダイレクト接続の状態に維持して(ステップS806)、PC21との間でUSB接続を確立する(ステップS808)。ステップS806においては、切替信号出力部208は、制御信号ライン288に出力する信号をLレベルに維持する。ステップS808の処理が完了すると、本フローの処理を終了する。
ステップS804の判断において、現在設定されているカードアクセスモードが外部アクセスモードであると判断された場合、伝送ラインの状態を非ダイレクト接続の状態からダイレクト接続の状態に切り替えて(ステップS810)、本フローの処理を終了する。ステップS810においては、切替信号出力部208は、制御信号ライン288に出力する信号をLレベルからHレベルに切り替える。伝送ラインの状態が非ダイレクト接続状態からダイレクト接続状態に切り替えられると、PC21は外部メモリ180との間でUSB接続を確立して、PC21が外部メモリ180に直接にアクセスすることが可能になる。例えば、PC21は、マスストレージクラスで定められた手続きで外部メモリ180にアクセスすることが可能になる。
ステップS802の判断において、USBコネクタ152に通信アクセサリ22が接続された判断された場合、通信アクセサリ22とのUSB接続を確立して(ステップS812)、本フローの処理を終了する。ステップS812では、伝送ラインの接続状態は変化させない。
図9は、カメラ10が動作している場合においてUSBコネクタ152から外部装置110が外されたときの制御フローを示す。図9の制御フローは、図6のステップS618の処理に適用できる。図9の制御フローでは、外部メモリ180がメモリカードコネクタ151に装着されているとする。
ステップS902において、USBコネクタ152から取り外された外部装置110がPC21であるか通信アクセサリ22であるかを判断する。ステップS902の判断において、USBコネクタ152からPC21が取り外されたと判断された場合、伝送ラインの現在の接続状態がダイレクト接続の状態であるか非ダイレクト接続の状態であるかを判断する(ステップS904)。
ステップS904の判断において、伝送ラインの現在の接続状態がダイレクト接続の状態であると判断された場合、伝送ラインの状態を非ダイレクト接続にする(ステップS906)。具体的には、切替信号出力部208は、制御信号ライン288の信号レベルをLレベルにする。続いて、記録媒体IF部201は、外部メモリ180との接続を確立して(ステップS908)、本フローを終了する。ステップS908においては、記録媒体IF部201は、PCI Expressの規格で定められた手続きに従って、外部メモリ180との間で接続を確立する。
ステップS904の判断において、伝送ラインの現在の接続状態が非ダイレクト接続の状態であると判断された場合、外部装置IF部202はPC21との間のUSB接続を終了する処理を行い(ステップS910)、本フローを終了する。ステップS910では、外部装置IF部202は、PC21との間のUSB接続に使用していた内部リソースを解放する。
ステップS902の判断において、USBコネクタ152から通信アクセサリ22が外されたと判断された場合、外部装置IF部202は通信アクセサリ22との接続を終了する処理を行い(ステップS912)、本フローを終了する。ステップS912では、外部装置IF部202は、通信アクセサリ22との間のUSB接続に使用していた内部リソースを解放する。
図10は、カメラ10が動作を終了する場合において伝送ラインの接続状態を制御するときの処理フローを示す。図10のフローは、図6のステップS622の処理に適用できる。
ステップS1002において、PC21とUSB接続されているか否かを判断する。ステップS1002の判断においてPC21とUSB接続されていると判断された場合、伝送ラインの現在の接続状態が非ダイレクト接続の状態であるかダイレクト接続の状態であるかを判断する(ステップS1004)。
ステップS1004の判断において、伝送ラインの現在の接続状態が非ダイレクト接続の状態であると判断された場合、外部装置IF部202はPC21とのUSB接続を終了する(ステップS1006)。続いて、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続の状態にして(ステップS1008)、本フローの処理を終了する。
ステップS1004の判断において、伝送ラインの現在の接続状態がダイレクト接続の状態であると判断された場合、ダイレクト接続の状態を維持したまま(ステップS1010)、本フローの処理を終了する。
ステップS1002の判断において、PC21とUSB接続されていないと判断された場合、伝送ラインの現在の接続状態を非ダイレクト接続の状態に維持したまま(ステップS1012)、本フローの処理を終了する。なお、本フローに関連して説明した電源オフ時の処理は、電源190が取り外された場合にも適用できる。
図11は、カメラ10が動作していない場合においてUSBコネクタ152にPC21が接続されたときのカメラ10の処理を示す。図11の制御フローでは、外部メモリ180がメモリカードコネクタ151に装着されているとする。
USBコネクタ152にPC21が接続されると、伝送ラインの現在の接続状態をダイレクト接続の状態に変更する(ステップS1102)。具体的には、PC21から電源ライン188を介して与えられる電圧により制御信号ライン288がHレベルに上昇することにより、伝送ラインの接続状態がダイレクト接続に切り替えられる。電源ライン118および電源ライン188を介して、PC21から外部メモリ180へ電力が供給される。
伝送ラインの接続状態がダイレクト接続の状態になると、PC21は外部メモリ180とUSB接続を確立して、PC21が外部メモリ180に直接にアクセスすることが可能な状態になる。例えば、PC21は、マスストレージクラスで定められた手続きで外部メモリ180にアクセスすることが可能になる。
図5等における説明では、状態を遷移させる要因の一例として、電源スイッチ14の切り替え、外部装置110の接続および外部装置110の取り外しを取り上げた。しかし、ユーザの指示に応じて状態を遷移してもよい。例えば、カメラMPU140は、カメラ10の主要部が動作している状態において、外部メモリ180をマスストレージでアクセスするか、PTPでアクセスするかをユーザが選択する指示を、操作入力部141の操作に基づいてユーザから取得してよい。外部メモリ180をマスストレージでアクセスするべき旨の指示を取得した場合には、伝送ラインの接続状態をダイレクト接続の状態にして、カメラ10の電源をオフにしてもよい。外部メモリ180をPTPでアクセスするべき旨の指示を取得した場合には、伝送ラインの接続状態を非ダイレクト接続の状態にして、記録媒体IF部201が外部メモリ180とPCT Expressで通信を確立して、記録媒体IF部201を介して外部メモリ180から取得した画像データを、外部装置IF部202がPC21へ伝送してよい。
また、デジタルカメラ10の各部は、電源190から独立に電力が供給可能であり、互いに独立に動作できてよい。例えば、カメラMPU140、ASIC135およびSoC200を含むカメラ10の主要部と、切替制御部230とは、電源190から独立に電力が供給可能であり、互いに独立に動作できてよい。そして、上述したように、カメラ10の各部を伝送ラインの接続状態に応じて独立に動作させてもよい。また、切替制御部230を駆動するための独立した電源を有してよい。切替制御部230を駆動するための電源は、電源190より小容量の電源であってよい。
以上の説明では、切替制御部230が第1スイッチ210および第2スイッチ220を制御するとした。しかし、伝送ラインの接続状態を切り替える機能は、ユーザが手動で切り替える物理スイッチで実現されてよい。
上記の説明において、カメラMPU140の動作として説明した処理は、カメラMPU140がプログラムに従ってカメラ10が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。同様に、上記の説明においてASIC135、SoC200および切替制御部230により実現される処理は、プロセッサによって実現することができる。すなわち、本実施形態のカメラ10に関連して説明した処理は、プロセッサがプログラムに従って動作して各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムをロードすることができる。
また、本実施形態において、撮像装置の一例として、レンズユニット120およびカメラ本体130を備えるカメラ10を取り上げた。しかし、撮像装置とは、レンズユニット120を備えないカメラ本体130を含む概念である。なお、撮像装置は、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式カメラであってよいし、レンズ非交換式カメラであってもよい。撮像装置は、ビデオカメラであってよい。撮像装置としては、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末等、撮像機能を有する任意の電子機器であってよい。USBコネクタ152に接続される外部機器の一例としてPC21や通信アクセサリ22を取り上げたが、外部装置110としても、PC21や通信アクセサリ22に限られず、多様な機器を適用できる。また、USBコネクタ152は接続部の一例であり、接続部としては種々の外部機器を接続するための種々のコネクタを適用できる。また、メモリカードコネクタ151に接続される外部機器の一例として外部メモリ180を取り上げたが、メモリカードコネクタ151に接続される外部機器にも、多様な機器を適用できる。また、メモリカードコネクタ151は接続部の一例であり、接続部としては種々の外部機器を接続するための種々のコネクタを適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。