以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、カメラ10の外観の一例を模式的に示す。カメラ10は、撮像装置の一例としての一眼レフレックスカメラである。カメラ10は、カメラ本体130と、交換レンズとしてのレンズユニット120とを備える。レンズユニット120は、カメラ本体130の前面部に着脱可能に装着される。
カメラ本体130の前面部の反対側の背面部には、表示部138、ファインダ窓163、マルチセレクタ20、コマンドダイヤル30、ライブビュースイッチ50、確定ボタン60、操作ボタン41、操作ボタン42、操作ボタン43、操作ボタン44、操作ボタン45および操作ボタン46が設けられている。カメラ本体130の上面部には、レリーズボタン12および撮影モードダイヤル14が設けられている。
操作ボタン41は、設定メニューを表示する指示をユーザから受け付ける。操作ボタン42は、画像編集に関する指示をユーザから受け付ける。操作ボタン43は、ホワイトバランスに関する指示をユーザから受け付ける。操作ボタン44は、画像の拡大表示に関する指示をユーザから受け付ける。操作ボタン45は、画像の縮小表示に関する指示をユーザから受け付ける。操作ボタン46は、画像の再生に関する指示をユーザから受け付ける。表示部138は、タッチパネル機能を有する。表示部138は、ユーザからのタッチ操作を検出する。カメラ本体130は、表示部138で検出されたタッチ操作に基づいて、ユーザからの指示を判断する。
カメラ本体130は、カメラ本体130が撮像することにより得られた画像データのホワイトバランスを後述するシステムメモリ139に記憶することができる。また、カメラ本体130は、後述する外部メモリ180に記憶されている画像データのホワイトバランスを外部メモリ180から取得してシステムメモリ139に記憶することができる。外部メモリ180に他のカメラで撮影することにより得られた画像データが記録されている場合、カメラ本体130は、他のカメラで撮影することにより得られた画像データのホワイトバランスを外部メモリ180から取得してシステムメモリ139に記憶することができる。カメラ本体130は、画像データの全体領域からホワイトバランスを決定することができる。また、カメラ本体130は、画像データの全体領域より小さい、ユーザが指定した部分領域の画像データに基づいて、ホワイトバランスを決定することができる。例えば、カメラ本体130は、ユーザが指定した部分領域の画像データに基づいて、ホワイトバランスゲイン等のホワイトバランス調整値を算出する。なお、ホワイトバランスを決定するための画像データは、ユーザが選択することができる。画像データのホワイトバランスをシステムメモリ139に記憶することをホワイトバランスのカスタム設定と呼ぶ場合がある。また、ホワイトバランス設定の対象とする部分領域を、WB演算対象領域と呼ぶ場合がある。
例えば、ライブビューの動作中にホワイトバランスのカスタム設定を行う場合、操作ボタン43が長押しされると、カメラ本体130は、ライブビューの表示画像に重畳して、ホワイトバランスの設定領域を示すアイコンを表示させる。ユーザは、左右上下の方向性ボタンを含むマルチセレクタ20を操作することによりアイコン移動させて、WB演算対象領域を指定する。ユーザは、表示部138の画面上の位置をタッチすることで、WB演算対象領域を指定してもよい。カメラ本体130は、指定されたWB演算対象領域の画像データに基づいて、ホワイトバランス設定を決定して、ホワイトバランス設定の対象となった画像データおよびWB演算対象領域を表すホワイトバランス算出情報に対応づけて、決定したホワイトバランス設定を記憶する。カメラ本体130は、ホワイトバランス算出情報およびホワイトバランス算出情報に対応するホワイトバランス設定の組み合わせを複数記憶することができる。
ユーザは、カスタム設定された複数のホワイトバランス設定および予め定められた複数のホワイトバランス設定の中から、撮像により得られる画像データに適用する一つのホワイトバランス設定を選択することができる。画像データに適用する一つのホワイトバランス設定を選択する場合、ユーザは、操作ボタン43を押し込みながら、コマンドダイヤル30を回転させる。コマンドダイヤル30のポジションが変化する毎に、選択されるホワイトバランス設定が切り替えられる。カメラ本体130は、選択されるホワイトバランス設定を示す情報を表示部138等に表示させる。操作ボタン43の押し込みが解除されると、ホワイトバランス設定の選択が確定される。
また、カメラ本体130は、カスタム設定されたホワイトバランス設定を表示部138からの設定メニューを通じて選択することがユーザから指示された場合、ホワイトバランス設定の対象となった画像データに基づく画像およびWB演算対象領域を表す画像の一覧を、表示部138に表示させる。カメラ本体130は、表示部138に表示させた複数の画像の中から、マルチセレクタ20の操作等を通じてユーザに一つの画像を選択させる。確定ボタン60が押し込まれると、選択されている画像に対応するホワイトバランス設定が、撮像により得られる画像データに適用する一つのホワイトバランス設定として確定される。
撮影モードダイヤル14は、ユーザが撮影モードを選択するための操作部材の一例である。撮影モードダイヤル14は、回転式の操作部材であり、回転角に対応する複数のポジションを有する。複数のポジションは、それぞれ一つの撮影モードに対応する。撮影モードダイヤル14の現在のポジションにより、現在の撮影モードが定まる。ユーザは、撮影モードダイヤル14を回転させることで、撮影モードを切り替えることができる。
撮影モードとしては、オートモード、閃光発光禁止オートモード、シーン選択モード、第1ユーザ設定撮影モード、第2ユーザ設定撮影モード、プログラムオート撮影モード、シャッタ優先オート撮影モード、絞り優先オート撮影モードおよびマニュアル撮影モードを含む。カメラ本体130は、レリーズボタン12が押し込まれた場合に、現在の撮影モードで定められた撮像条件等の動作条件に従って、撮影動作を行う。撮影動作は、撮像素子で撮像を行い、撮像動作に応じて生成された画像データを、カメラ本体130に装着されている外部メモリ180に記録する動作を含む。
プログラムオート撮影モード、シャッタ優先オート撮影モード、絞り優先オート撮影モードおよびマニュアル撮影モード以外の撮影モードが選択されている場合、各撮影モードに適したホワイトバランス設定が選択される。プログラムオート撮影モード、シャッタ優先オート撮影モード、絞り優先オート撮影モードおよびマニュアル撮影モード以外の撮影モード以外の撮影モードが選択されている場合、各撮影モードに適したホワイトバランス設定をカメラ本体130が自動で選択する。一方、現在の撮影モードとしてプログラムオート撮影モード、シャッタ優先オート撮影モード、絞り優先オート撮影モードまたはマニュアル撮影モードが選択されている場合、ユーザは、上述したホワイトバランス設定を選択する操作や撮影メニューに対する操作を通じて、ホワイトバランス設定を選択することができる。カメラ本体130は、撮像動作で得られた画像データに対して、ユーザが選択したホワイトバランス設定でホワイトバランス調節を行う。
カメラ本体130によれば、WB演算対象領域をユーザが指定することができる。カメラ本体130は、ホワイトバランス設定の算出対象となった画像データおよび画像データにおけるWB演算対象領域を示す情報を、ホワイトバランス設定に対応づけて記憶することができる。カメラ本体130は、ホワイトバランス設定の算出対象となった画像データに基づく画像およびWB演算対象領域を表す画像の一覧を表示部138に表示させて、カスタム設定されたホワイトバランス設定をユーザに選択させることができる。そのため、ホワイトバランスを合わせるべき特定の被写体に対してホワイトバランス調整を適切に行うことができるホワイトバランス設定を容易に設定することができる。
図2は、カメラ10のシステム構成の一例を示す。図2は、レンズユニット120がカメラ本体130に装着されたカメラ10全体のブロック構成を示す。
レンズユニット120は、レンズマウント接点121を有するレンズマウントを備える。カメラ本体130は、カメラマウント接点131を有するカメラマウントを備える。レンズマウントとカメラマウントとが係合してレンズユニット120とカメラ本体130とが一体化されると、レンズマウント接点121とカメラマウント接点131とが接続される。レンズMPU123は、レンズマウント接点121およびカメラマウント接点131を介してカメラMPU140と接続され、相互に通信しつつ協働してレンズユニット120を制御する。
レンズユニット120は、レンズ群122、レンズ駆動部124およびレンズMPU123を有する。被写体光は、レンズユニット120が有する光学系としてのレンズ群122を透過して、カメラ本体130に入射する。メインミラー145およびサブミラー146を含むミラーユニットは、レンズ群122の光軸を中心とする被写体光束中に進出した進出位置と、被写体光束から退避した退避位置とを取り得る。サブミラー146は、メインミラー145の変位に連動して変位する。メインミラー145が被写体光束中から退避した位置にある場合に、サブミラー146も被写体光束から退避した位置にある。メインミラー145が被写体光束中に進出した位置にある場合に、サブミラー146も被写体光束中に進出した位置にある。レリーズボタン12が押し込まれると、ミラーユニットは進出位置からアップして退避位置に変位し、撮像素子132による撮像動作が完了すると、ミラーユニットは退避位置からダウンして進出位置に戻る。
ミラーユニットが進出位置にある場合、メインミラー145は、レンズ群122を通過した被写体光束の一部を反射する。具体的には、メインミラー145の一部領域には、ハーフミラーが形成されている。メインミラー145のハーフミラー領域に入射した被写体光束の一部は透過し、他の一部は反射する。メインミラー145により反射された被写体光束は、ピント板161、透過型表示パネル160、ペンタプリズム147、接眼光学系162およびファインダ窓163を通じて、被写体像としてユーザに提示される。ユーザは、提示された被写体像に基づいて構図等を確認することができる。透過型表示パネル160は、被写体光束に基づく被写体像とともに、撮像動作の設定状態を示す情報等を含む種々の情報をユーザに提示する。透過型表示パネル160は、カメラMPU140の制御に従って、被写体光束に基づく被写体像に重畳して、種々の情報をユーザに提示する。
メインミラー145のハーフミラー領域を透過した被写体光束の一部は、サブミラー146で反射されて、AFユニット142へ導かれる。AFユニット142は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子列を有する。光電変換素子列は、合焦状態にある場合には位相が一致した信号を出力し、前ピン状態または後ピン状態にある場合には、位相ずれした信号を出力する。位相のずれ量は、焦点状態からのずれ量に対応する。AFユニット142は、光電変換素子列の出力を相関演算することで位相差を検出して、位相差を示す位相差信号をカメラMPU140へ出力する。
レンズ群122の焦点状態は、カメラMPU140等の制御により、AFユニット142からの位相差信号を用いて調節される。例えば、位相差信号から検出された焦点状態に基づき、カメラMPU140によってレンズ群122が含むフォーカスレンズの目標位置が決定され、決定された目標位置に向けてレンズMPU123の制御によってフォーカスレンズの位置が制御される。具体的には、レンズMPU123は、一例としてフォーカスレンズモータを含むレンズ駆動部124を制御して、レンズ群122を構成するフォーカスレンズを移動させる。このように、メインミラー145が進出位置にダウンしてミラーユニットが進出位置にある場合に、位相差検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。AFユニット142には、撮像素子132による撮像範囲内の複数の焦点調節位置のそれぞれにおいて焦点状態を調節すべく、複数の焦点調節位置にそれぞれ対応する複数の位置にそれぞれ光電変換素子が設けられる。
測光素子144は、被写体光を測光する測光部の一例である。測光素子144は、ペンタプリズム147に導かれた光束の一部の光束を受光する光電変換素子を有する。測光素子144が有する光電変換素子で検出された被写体の輝度情報は、カメラMPU140に測光値として出力される。カメラMPU140は、測光素子144から取得した輝度情報に基づき、各部を制御する。例えば、カメラMPU140は、当該輝度情報に基づきAE評価値を算出して、AE評価値に基づいて露出制御を行う。カメラMPU140は、記録範囲が設定されている場合、測光素子144が有する複数の光電変換素子のうち、記録範囲内に対応する範囲内に位置する光電変換素子で検出された輝度情報に基づいて、AE評価値を算出してよい。
メインミラー145が被写体光束から退避すると、サブミラー146はメインミラー145に連動して被写体光束から退避する。撮像素子132のレンズ群122側には、フォーカルプレーンシャッタ143が設けられる。フォーカルプレーンシャッタ143は、一例としてメカニカルシャッタである。ミラーユニットが退避位置にあり、フォーカルプレーンシャッタ143が開状態にある場合、レンズ群122を透過した被写体光束は、撮像素子132の受光面に入射する。フォーカルプレーンシャッタ143は、撮像素子132へ入射する被写体光の光路を開閉することで露光を制御する。
撮像素子132は、撮像部として機能する。撮像素子132は、レンズ群122を通過した被写体光束により被写体を撮像する。撮像素子132としては、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ等の固体撮像素子を例示することができる。撮像素子132は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子を有しており、複数の光電変換素子でそれぞれ生じた蓄積電荷量に応じたアナログ信号をアナログ処理部133へ出力する。アナログ処理部133は、撮像素子132から出力されたアナログ信号に対して、増幅処理、OBクランプ処理等のアナログ処理を施して、A/D変換器134へ出力する。A/D変換器134は、アナログ処理部133から出力されたアナログ信号を、画像データを表すデジタル信号に変換して出力する。撮像素子132、アナログ処理部133およびA/D変換器134は、カメラMPU140からの指示を受けた駆動部148により駆動される。
A/D変換器134からデジタル信号で出力したデジタル信号は、画像データとしてASIC135に入力される。ASIC135は、画像処理機能に関連する回路等を一つにまとめた集積回路である。ASIC135は、揮発性メモリの一例としてのRAM136の少なくとも一部のメモリ領域を、画像データを一時的に記憶するバッファ領域として使用して、RAM136に記憶させた画像データに対して種々の画像処理を施す。ASIC135による画像処理としては、ノイズリダクション処理、欠陥画素補正、ホワイトバランス調節、色補間処理、色補正、ガンマ補正、輪郭強調処理、画像データの圧縮処理等を例示することができる。
撮像素子132が連続して撮像した場合、順次に出力される画像データはバッファ領域に順次に記憶される。撮像素子132が連続して撮像することにより得られた複数の画像データは、連続する静止画の画像データ、または、動画を構成する各画像の画像データとして、バッファ領域に順次に記憶される。RAM136は、ASIC135において動画データを処理する場合にフレームを一時的に記憶するフレームメモリとしても機能する。
ASIC135における画像処理としては、記録用の画像データを生成する処理の他、表示用の画像データを生成する処理、自動焦点調節(AF)用の画像データ処理を例示できる。また、ASIC135における画像処理としては、AF処理用のコントラスト量を検出する処理等を含む。具体的には、ASIC135は、画像データからコントラスト量を検出してカメラMPU140に供給する。例えば、ASIC135は、光軸方向の異なる位置にフォーカスレンズを位置させて撮像することにより得られた複数の画像データのそれぞれからコントラスト量を検出する。カメラMPU140は、検出されたコントラスト量とフォーカスレンズの位置とに基づいて、レンズ群122の焦点状態を調節する。例えば、カメラMPU140は、コントラスト量を増大させるようフォーカスレンズの目標位置を決定して、レンズMPU123に、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズの位置を制御させる。このように、メインミラー145がアップして退避位置にある場合に、コントラスト検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。このように、カメラMPU140は、ASIC135およびレンズMPU123と協働して、レンズ群122の焦点調節を行う。
ASIC135は、A/D変換器134から出力された画像データを記録する場合、規格化された画像フォーマットの画像データに変換する。例えば、ASIC135は、静止画の画像データを、JPEG等の規格に準拠した符号化形式で符号化された静止画データを生成するための圧縮処理を行う。また、ASIC135は、複数のフレームを、QuickTime、H.264、MPEG2、Motion JPEG等の規格に準拠した符号化方式で符号化された動画データを生成するための圧縮処理を行う。ASIC135は、生成した静止画データ、動画データ等の画像データを、不揮発性の記録媒体の一例としての外部メモリ180へ出力して記録させる。例えば、ASIC135は、静止画ファイル、動画ファイルとして外部メモリ180に記録させる。外部メモリ180は、カメラ本体130に着脱可能である。外部メモリ180としては、フラッシュメモリ等の半導体メモリを例示することができる。外部メモリ180としては、SD(登録商標)メモリカード、CFストレージカード、XQD(登録商標)メモリカード等の種々のメモリカードを例示することができる。RAM136に記憶されている画像データは、記録媒体IF150を通じて外部メモリ180に記録される。また、外部メモリ180に記録されている画像データは、記録媒体IF150を通じてRAM136へ転送されRAM136に記憶される。記録媒体IF150としては、上述したメモリカードに対するアクセスを制御するカードコントローラを例示することができる。
ASIC135は、記録用の画像データの生成に並行して、表示用の画像データを生成する。例えば、ASIC135は、いわゆるライブビュー動作時に、表示部138に表示させる表示用の画像データを生成する。また、画像の再生時においては、ASIC135は、外部メモリ180から読み出された画像データから表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部137の制御に従ってアナログの信号に変換され、液晶ディスプレイ等の表示部138に表示される。また、撮像により得られた画像データに基づく画像表示と共に、当該画像データに基づく画像表示をすることなく、カメラ10の各種設定に関する様々なメニュー項目も、ASIC135および表示制御部137の制御により表示部138に表示される。
外部機器IF152は、外部機器コネクタ156を介して接続された外部機器との間の通信を担う。外部メモリ180に記録された画像データは、外部機器IF152を通じて外部機器へ転送される。また、外部機器IF152を通じて外部機器から通信により取得した画像データは、外部メモリ180に記録される。外部機器IF152は、USB通信により外部機器と通信してよい。
操作入力部141は、ユーザ操作を受け付ける。操作入力部141は、レリーズボタン12、コマンドダイヤル30、マルチセレクタ20、撮影モードダイヤル14、ライブビュースイッチ50、操作ボタン41〜操作ボタン46の他、動画ボタン、電源スイッチ等の各種操作部材等を含む。また、操作入力部141は、タッチパネル等として表示部138と一体に実装された入力部材を含んでよい。
カメラMPU140は、操作入力部141が操作されたことを検知して、操作に応じた動作を実行する。例えば、カメラMPU140は、レリーズボタン12が押し込まれた場合に、撮像動作を実行するようにカメラ10の各部を制御する。また、カメラMPU140は、タッチパネルとして実装された入力部材が操作された場合に、表示部138に表示させたメニュー項目および操作内容に応じた動作をするよう、カメラ10の各部を制御する。このように、カメラMPU140は、操作入力部141に対する操作に基づきユーザ指示を特定して、特定したユーザ指示に基づき動作を実行する。
カメラ10は、上記に説明した制御を含めて、カメラMPU140およびASIC135により直接的または間接的に制御される。カメラ10の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等は、システムメモリ139に格納される。システムメモリ139は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。システムメモリ139は、パラメータ、プログラム等を、カメラ10の非動作時にも失われないように格納する。システムメモリ139に記憶されたパラメータ、プログラム等は、RAM136に展開され、カメラ10の制御に利用される。カメラ本体130内の、ASIC135、RAM136、システムメモリ139、表示制御部137、カメラMPU140および外部機器IF152は、バス等の接続インタフェース149により相互に接続され、各種のデータをやりとりする。
カメラ本体130の各部、レンズユニット120の各部および外部メモリ180は、電源回路192を介して電源190から電力供給を受ける。電源190としては、カメラ本体130に対して着脱できるリチウムイオン電池等の二次電池、系統電源等を例示することができる。二次電池は電池の一例であり、電池とは、実質的に充電することができない一次電池を含む。カメラMPU140は、電源回路192を制御することにより、電源190からカメラ10の各部への電力供給を制御する。
図3は、ホワイトバランスのカスタム設定を行う場合の表示画面300の一例を示す。ここでは、カメラ10がライブビュー動作をしている場合にホワイトバランスのカスタム設定を行う場合について説明する。カメラ10がライブビュー動作をしている場合、カメラ本体130における順次の撮像動作で得られた画像データに基づく画像が、表示部138に順次に表示される。
カメラMPU140は、操作ボタン43の押し込みを検出した場合に、操作ボタン43が押し込まれた状態が予め定められた時間以上経過したことを条件として、WB演算対象領域の位置および大きさを示すアイコン310を含む表示画面300を表示部138に表示させる。ASIC135は、順次の撮像動作で得られた画像データに基づく画像に重畳して、WB演算対象領域の位置および大きさを示すアイコン310を表示させる。ASIC135は、デフォルトで画像領域の中心位置にアイコン310を表示させる。カメラMPU140は、マルチセレクタ20に対するユーザ操作を検出すると、マルチセレクタ20に対する操作内容に基づいてWB演算対象領域の位置を変更して、変更したWB演算対象領域の位置に対応する位置にアイコン310を移動させる。
図4は、WB演算対象領域を移動させた場合の表示画面400の一例を示す。表示画面400は、表示部138に表示画面300が表示された状態から、マルチセレクタ20に対する操作内容に応じてアイコン310を移動させた場合の表示画面の一例である。カメラMPU140は、マルチセレクタ20が有する方向性ボタンのうち最も右方に位置する方向性ボタンが操作された場合、アイコン310の表示位置を、表示画面300において右方向に移動させる。カメラMPU140は、マルチセレクタ20が有する方向性ボタンのうち最も上方に位置する方向性ボタンが操作された場合、アイコン310の表示位置を、表示画面300において上方向に移動させる。また、カメラMPU140は、表示部138において画像の表示領域に対するタッチ操作を検出した場合、アイコン310の表示位置を、タッチ操作を検出した位置に移動させる。ユーザは、マルチセレクタ20に対する操作や表示部138へのタッチ操作により、WB演算対象領域の2次元的な位置を選択することができる。
図5は、画像を拡大表示させた場合の表示画面500の一例を示す。表示画面500は、表示部138に表示画面400が表示された状態から画像を拡大表示させて、画像を拡大表示させた状態においてマルチセレクタ20に対する操作内容に応じてアイコン310を移動させた場合の表示画面の一例である。カメラMPU140は、操作ボタン44に対するユーザ操作を検出すると、画像データに基づいて画像の拡大表示を行わせる。ASIC135は、画像データが示す全画像領域より狭い領域の画像を画像処理により拡大して、画像の表示領域に表示させる。また、カメラMPU140は、画像を拡大表示させている状態で操作ボタン45に対するユーザ操作を検出すると、画像の拡大率を小さくして画像の拡大表示を行わせる。
ASIC135は、画像を拡大表示させた場合、画像の表示領域の大きさに対するアイコン310の大きさを変化させずに、アイコン310を表示させる。この場合、画像を拡大表示させることで、画像を拡大表示させる前と比較して、より狭いWB演算対象領域を設定することができる。このため、画像を拡大表示させることで、ユーザは、WB演算対象領域の位置および大きさをより細かく設定することができる。
なお、ASIC135は、画像を拡大表示させた場合、画像の拡大率と同じ拡大率でアイコン310の大きさを変化させて、アイコン310を表示させてもよい。この場合、画像を拡大表示させても、画像データが示す全画像領域の大きさに対するWB演算対象領域の大きさは変化しない。しかし、画像を拡大表示させることで、画像を拡大表示させる前と比較して、ユーザはWB演算対象領域の位置をより細かく設定することができる。
カメラMPU140は、確定ボタン60に対するユーザ操作を検出すると、確定ボタン60に対するユーザ操作を検出したときに表示部138に表示されていた表示画像の元とした画像データに基づくホワイトバランスゲインを、ASIC135に算出させる。ASIC135は、画像データに基づいて、現在設定されているWB演算対象領域の各色の輝度情報から、ホワイトバランスゲインを算出する。例えば、ASIC135は、ホワイトバランスゲインとしては、色差信号R−Yに対するゲインGrと、色差信号B−Yに対するゲインGbとを算出する。
カメラMPU140は、算出されたホワイトバランスゲインを、ホワイトバランスゲインを算出する対象となった画像データおよびWB演算対象領域の位置および大きさを示す情報に対応づけてシステムメモリ139に記憶する。また、ASIC135は、算出したホワイトバランスゲインを、ライブビュー動作で得られる画像データに対するホワイトバランス調節処理に反映する。具体的には、確定ボタン60に対するユーザ操作が検出されると、ASIC135は、ライブビュー動作で順次に得られる画像データに対して、ホワイトバランス調節処理を含む画像処理を順次に行って表示部138に画像を表示させる状態に戻る。このとき、ASIC135は、確定ボタン60に対するユーザ操作に応じて算出したホワイトバランスゲインをホワイトバランス調節処理に反映させる。また、確定ボタン60に対するユーザ操作が検出されると、カメラMPU140は、レリーズボタン12からの撮影指示を受け付ける動作状態に戻る。したがって、ユーザは、ホワイトバランスをカスタム設定した結果をすぐに確認することができる。
なお、WB演算対象領域の大きさは変更可能であってよい。カメラMPU140は、WB演算対象領域の大きさを変更する指示をユーザから受け付けてよい。カメラMPU140は、WB演算対象領域の大きさを変更する指示を受け付けた場合に、アイコン310の大きさを、WB演算対象領域の大きさに対応する大きさに変更して表示させてよい。また、WB演算対象領域の形状も変更可能であってよい。カメラMPU140は、WB演算対象領域の形状を変更する指示をユーザから受け付けてよい。カメラMPU140は、WB演算対象領域の形状を変更する指示を受け付けた場合に、アイコン310の大きさを、WB演算対象領域の形状に対応する形状に変更して表示させてよい。
なお、レンズユニット120の焦点距離を変更することで、焦点距離を変更する前における被写体の撮像範囲に対するWB演算対象領域の大きさを変更することができる。そのため、焦点距離を長くすることで、焦点距離の変更前に比べてWB演算対象領域の大きさを小さくすることができる。そのため、WB演算対象領域の位置および大きさを細かく設定することができる。ユーザはレンズユニット120の焦点距離を変えてホワイトバランスゲインを算出させた後、レンズユニット120の焦点距離を望ましい長さに変更してライブビュー動作を継続させればよい。
図6は、ホワイトバランス設定を選択する画面600の一例を示す。画面600は、複数のホワイトバランス設定の中から撮影時のホワイトバランス設定を選択するためのメニューの一例である。画面600は、メニュー項目610およびメニュー用アイコン690を含む。
メニュー用アイコン690は、各種メニューに対応する複数のメニュー用アイコンを含む。ユーザは、メニューボタンを押し込んだ後、マルチセレクタの上ボタンまたは下ボタンを操作することで、メニューアイコンの中から一つのメニューアイコンを選択することができる。カメラMPU140は、選択されたメニューアイコンに対応するメニューを表示部138に表示させる。
メニュー用アイコンには、撮影メニュー用アイコン692が含まれる。カメラMPU140は、撮影メニュー用アイコン692に対応するボタンの押し込みを検出した場合、撮影メニューを表示させるとともに、撮影メニュー用アイコン692を強調表示させる。
カメラ10においては、撮影モードがプログラムオート撮影モード、シャッタ優先オート撮影モード、絞り優先オート撮影モードまたはマニュアル撮影モードに設定されている場合に、ホワイトバランスを設定することができる。カメラMPU140は、これらの撮影モードのうちのいずれかが現在の撮影モードとして設定されている場合に、撮影メニューの中のホワイトバランス設定のメニュー項目を選択することが可能になる。カメラMPU140は、カメラ設定メニューを通じてホワイトバランス設定のメニュー項目が選択された場合に、ホワイトバランス設定用のメニュー項目610を表示部138に表示させる。
メニュー項目610は、複数のホワイトバランス設定にそれぞれ対応する複数のメニュー項目を含む。メニュー項目610の各メニュー項目には、対応するホワイトバランス設定をそれぞれ図形および文字で示すグラフィック要素620およびグラフィック要素630を含む。図6には、ホワイトバランス設定として、ホワイトバランス調整を自動で行うホワイトバランス設定を示す「AUTO」、電球による照明環境用のホワイトバランス設定を示す「電球」、蛍光灯による照明環境用のホワイトバランス設定を示す「蛍光灯」、晴天環境用のホワイトバランス設定を示す「晴天」、閃光を発光させる場合のホワイトバランス設定を示す「フラッシュ」、曇り環境用のホワイトバランス設定を示す「曇天」、カスタム設定したホワイトバランス設定を示す「プリセットマニュアル」が表示されている。
ユーザは、マルチセレクタ20の上下の方向性ボタンを操作することで、複数のメニュー項目の中から一つのメニュー項目を選択することができる。カメラMPU140は、現在選択されているメニュー項目640を強調表示させる。図6の例は、プリセットマニュアルのホワイトバランス設定が選択されている状態を示す。
カメラMPU140は、マルチセレクタ20の操作から、ホワイトバランス設定を選択するユーザ指示を受け付けた場合、選択されているメニュー項目に対応するホワイトバランス設定を選択する。図6の例では、プリセットマニュアルのホワイトバランス設定が選択される。
図7は、カスタム設定したホワイトバランス設定を選択するための表示画面700の一例を示す。カメラMPU140は、ホワイトバランスゲインの演算対象となった画像データに基づく画像710、画像720、画像730および画像740を表示させる。カメラMPU140は、カスタムのホワイトバランス設定に対してユーザが入力したコメントおよびカスタムのホワイトバランス設定を取得した日時等の付加情報を示す情報を、各画像に対応させて表示させる。例えば、カメラMPU140は、各画像の近傍に付加情報を表示させる。カメラMPU140は、現在選択されている画像を示す選択枠750を表示させる。
画像710、画像720、画像730および画像740は、それぞれカスタム設定したホワイトバランスに対応する。画像710、画像720、画像730および画像740は、それぞれ対応するホワイトバランス設定でホワイトバランス調節処理が施された画像データに基づく画像である。
図7の例においては、画像710および画像720は、画像領域の全体を対象としてホワイトバランスゲインを算出した画像データに基づく画像である。例えば、画像710および画像720は、白チャートを撮像して得られた画像データに基づく画像である。
画像730および画像740は、全体の画像領域より狭いWB演算対象領域を対象としてホワイトバランスゲインを算出した画像データに基づく画像である。画像730および画像740は、例えば図3から図5に関連して説明したライブビュー動作において決定したホワイトバランス設定に対応する画像である。画像730には、WB演算対象領域を示す枠732が含まれる。画像740には、WB演算対象領域を示す枠742が含まれる。
ユーザは、マルチセレクタ20の方向性ボタンを操作することで、複数の画像710、画像720、画像730および画像740の中から一つの画像メニュー項目を選択することができる。カメラMPU140は、現在選択されている画像を示す選択枠750の表示位置を移動させる。図7の例は、画像730に対応するホワイトバランス設定が選択されている状態を示す。カメラMPU140は、確定ボタン60の操作を検出すると、選択されている画像に対応するホワイトバランス設定に対応するホワイトバランスゲインを、ASIC135におけるホワイトバランス調節の画像処理に反映させる。
なお、アイコン760は、ホワイトバランス設定が上書きされることが制限されていることを示す。ユーザは、カスタム設定したホワイトバランス設定のうち、上書きを制限するホワイトバランス設定を選択することができる。カメラMPU140は、画像710、画像720、画像730および画像740のうち、上書きが制限されたホワイトバランス設定に対応する画像に重畳して、アイコン760を表示させる。
このように、カメラ10によれば、白チャートを用いて決定したホワイトバランス設定と、実際の被写体における特定のWB演算対象領域に最適化したホワイトバランス設定とを区別して、ユーザに提示することができる。また、画像730および画像740によれば、どのような照明環境にある被写体に対してホワイトバランス設定を行ったかを一目で理解することができる。そのため、ユーザは、どのホワイトバランス設定を選択すればよいかを容易に理解することができる。
図8は、カメラ10の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、例えば操作入力部141の一部としての電源スイッチがON位置に切り替えられた場合に、開始される。本フローは、カメラMPU140が主体となってカメラ10の各部を制御することにより実行される。
ステップS800において、カメラMPU140は、カメラ10の初期設定を開始する。例えば、カメラMPU140は、カメラ10を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリ139からRAM136に展開する。カメラMPU140は、例えば撮影モードダイヤル14等の状態および展開された各種のシステムパラメータに基づき、カメラ10の撮影時の動作条件を決定する。例えば、撮影に関する動作条件として、撮影モードで定められる撮像条件が決定される。
続いて、ステップS802において、カメラMPU140は、初期設定で設定された内容を表示部138等に表示させる。例えば、カメラMPU140は、決定した撮像条件およびホワイトバランス設定等の情報を、アイコン表示等の種々の形式で表示部138に表示させる。
続いて、ステップS804において、カメラMPU140は、ユーザ操作に基づくイベントを特定する。具体的には、カメラMPU140は、操作入力部141に対する操作に基づいてユーザ操作を特定する。ここでは、設定操作、レリーズボタン12の操作、画像の再生操作、ライブビュースイッチ50の操作を取り上げて説明する。
ユーザ操作が設定操作であると判断された場合、指示された設定処理を行う(ステップS810)。例えば、操作ボタン41が操作されたと判断された場合に、設定モードに移行して、設定処理を行う。設定処理としては、図1から図5に関連して説明したホワイトバランスのカスタム設定を行う処理を含む。設定処理としては、その他、撮像条件を設定する処理や、操作部材に機能を割り当てる処理等を例示することができる。本ステップで設定が変更された場合、変更された設定に応じてシステムパラメータが変更される。設定モードの動作は、レリーズボタン12の押し込み操作等の予め定められた操作を検出した場合に、終了する。
ステップS804において、レリーズボタン12に対するユーザ操作であると判断された場合、レリーズボタン12の押し込みに応じて焦点調節または撮影を行う(ステップS812)。例えば、レリーズボタン12が半押しされた場合は、焦点調節を行う。または撮像を行う。レリーズボタン12が全押しされた場合は、撮影を行う。
ステップS804において、ユーザ操作が画像データの再生操作であると判断された場合、画像データの再生処理を行う(ステップS814)。例えば、操作ボタン46が操作されたと判断された場合に、再生モードに移行して、画像データの再生処理を行う。再生処理としては、外部メモリ180に記録されている画像データに基づきサムネイルを表示する処理、ユーザにより選択された画像データを再生する処理等を例示することができる。再生モードの動作は、レリーズボタン12の押し込み操作等の予め定められた操作を検出した場合に、終了する。
ステップS804において、ライブビュースイッチ50に対するユーザ操作であると判断された場合、ライブビュー動作を行う(ステップS816)。ステップS816においては、ライブビュー動作を行うタスクを立ち上げる。ライブビュー動作は、順次の撮像動作で得られた画像データが順次に表示部138に表示される。本処理については、図9に関連して説明する。
ステップS810、ステップS812、ステップS814、ステップS816の処理が完了した場合、ステップS820に処理を進める。ステップS820においては、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源スイッチがOFF位置に切り換えられた場合や、カメラ10が動作を開始してから予め定められた期間、ユーザ指示が無い状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFすると判断した場合は、終了処理を行い(ステップS822)、本フローを終了する。電源をOFFしないと判断した場合はステップS804に処理を移行させる。
図9は、ライブビュー動作が指示された場合の動作フローの一例を示す。本フローは、図8のステップS816の一部の処理に適用できる。本フローは、カメラMPU140が主体となってカメラ10の各部を制御することにより実行される。
本フローが開始すると、カメラMPU140は、メインミラー145およびサブミラー146を含むミラーユニットをアップして退避位置に変位させてフォーカルプレーンシャッタ143を開状態にして、連続した撮像および表示動作を開始させる(ステップS902)。具体的には、撮像素子132による順次の撮像動作と、ASIC135による表示用画像の画像データの生成処理が開始される。また、表示部138は、ASIC135により順次に生成された表示用画像の画像データに基づく画像を順次に表示する。
続いて、ホワイトバランスのカスタム設定を行うことが指示されたか否かを判断する(ステップS904)。例えば、カメラMPU140は、操作ボタン43が長押しされた場合に、ホワイトバランスのカスタム設定を行うことが指示されたと判断する。
ホワイトバランスのカスタム設定を行うことが指示された場合、ホワイトバランスのカスタム設定モードに移行する。ホワイトバランスのカスタム設定モードでも、順次の撮像動作および順次の表示動作は継続される。ホワイトバランスのカスタム設定モードに移行すると、カメラMPU140は、WB演算対象領域の位置を変更する操作、画像の拡大表示を指示する操作、確定ボタン60に対する操作、およびカスタム設定を終了する操作のいずれの操作があったか否かを判断する(ステップS906)。
WB演算対象領域の位置を変更する操作は、マルチセレクタ20の操作や表示部138に対するタッチ操作等を含む。WB演算対象領域の位置を変更する操作があった場合、マルチセレクタ20の操作や、表示部138がタッチ操作された位置に基づいて、WB演算対象領域を変更して、対応する位置にアイコン310を表示させる(ステップS908)。ステップS908の処理が完了すると、ステップS906に処理を移行する。
画像の拡大表示を指示する操作は、操作ボタン44または操作ボタン45に対する操作を含む。この操作があった場合、カメラMPU140は、操作に応じた拡大率で拡大表示を行う(ステップS909)。例えば、ステップS909では、図5に関連して説明した処理を行う。
確定ボタン60に対する操作があった場合、現在のWB演算対象領域におけるR信号、G信号およびB信号の輝度情報を積算して、ホワイトバランスゲインを算出する(ステップS910)。続いて、ホワイトバランスゲインの算出結果の正否を判断する(ステップS912)。例えば、WB演算対象領域の輝度情報に基づいて被写体の明るさを評価して、WB演算対象領域の明るさが予め定められた値より大きく、かつ、算出したホワイトバランスゲインが予め定められたゲイン範囲内である場合に、ホワイトバランスゲインの算出が成功したと判断する。ホワイトバランスゲインの算出が失敗した場合は、ステップS906に処理を移行する。
ホワイトバランスゲインの算出が成功した場合は、ホワイトバランスゲインの算出対象となった画像データである元画像データおよびWB演算対象領域の情報を含むホワイトバランス算出情報を生成して、生成したホワイトバランス算出情報をホワイトバランスゲインに対応づけてシステムメモリ139に格納する(ステップS914)。ホワイトバランス算出情報は、元画像データのサムネイルデータとWB演算対象領域を示す情報とを含む。ホワイトバランス算出情報は、元画像データのサムネイルデータにWB演算対象領域を示す枠情報を画像として埋め込まれた画像データであってよい。ホワイトバランス算出情報は、元画像データのサムネイルデータと、WB演算対象領域の位置および大きさを示すデータとを別個に含む情報であってよい。
なお、ホワイトバランス算出情報は、コメントや日時情報の他に、現在位置を示す位置情報や天気情報を付加情報として含んでよい。また、ステップS909において画像を拡大表示させてWB演算対象領域が決定された場合でも、ホワイトバランス算出情報データにおける元画像データは、拡大されていない画像データであってよい。例えば、元画像データは、撮像素子132による撮像される全範囲の画像の画像データであってよい。ホワイトバランス算出情報データにおける元画像データは、拡大後の画像データであってもよい。元画像データを拡大されていない画像データにするか拡大後の画像データにするかは、ユーザ指示に基づいて選択されてよい。
システムメモリ139には、予め定められた数のホワイトバランス算出情報を格納するエリアが用意されている。カメラMPU140は、これらのエリアのうち、本ホワイトバランス算出情報を格納させるエリアをユーザに選択させてよい。例えば、コマンドダイヤル30の回転操作に基づいて、本ホワイトバランス算出情報を格納させるエリアを選択させてよい。例えば、カメラMPU140は、コマンドダイヤル30のポジションの切り替わりに応じて、エリアの識別情報を表示部138に順次に切り替えて表示させ、確定ボタン60の操作に応じて、本ホワイトバランス算出情報を格納するエリアを決定してよい。
続いて、ステップS910で算出したホワイトバランスゲインを、ASIC135におけるホワイトバランス調節処理に反映して(ステップS916)、ステップS920に処理を進める。したがって、以後のライブビューの撮像動作で撮像された画像データに対しては、ステップS910で算出したホワイトバランスゲインを用いたホワイトバランス調節処理が施されて、ASIC135に表示される。
ステップS906の判断において、カスタム設定を終了する操作があった場合、ステップS920に処理を移行する。カスタム設定を終了する操作としては、レリーズボタン12に対する操作等、予め定められた操作部材に対する操作を例示することができる。ステップS906の判断において、操作がなかった場合は、ステップS904に戻る。
ステップS904の判断において、操作ボタン43の長押し操作がなかったと判断した場合、ステップS920に処理を移行する。ステップS920においては、撮影指示の有無およびライブビュー動作の終了指示の有無を判断する。撮影指示があった場合、記録用の画像データの生成および記録用の画像データの記録を行い(ステップS922)、ステップS904に処理を移行する。
ライブビュー動作の終了指示があった場合、カメラMPU140はフォーカルプレーンシャッタ143を閉状態にしてメインミラー145およびサブミラー146を含むミラーユニットをダウンして進入位置に変位させてライブビューの動作を終了する。カメラMPU140は、ライブビュースイッチ50に対する操作が検出された場合に、ライブビュー動作の終了指示があったと判断してよい。撮影指示もライブビュー動作の終了指示もなかった場合、ステップS904に処理を移行する。
図9の動作フローでは、ライブビュー動作中にホワイトバランスのカスタム設定を行う場合を主として取り上げて、ライブビュー動作を説明した。ライブビュー動作中に、ホワイトバランス設定を選択する指示を受け付けても良い。例えば、カメラMPU140は、ホワイトバランスのカスタム設定モードで動作している場合を除いて、操作ボタン43が押し込まれた状態でコマンドダイヤル30の操作を検出した場合に、ホワイトバランス設定を変更する指示があったと判断してよい。例えば、カメラMPU140は、コマンドダイヤル30の切り替え操作に応じて、ホワイトバランス設定を切り替えてよい。
以上に説明したカメラ10によれば、ユーザは、実際に撮影する被写体の特定の領域を指定してホワイトバランス設定を決定することができる。また、白チャートを用いることなく、適切なホワイトバランス設定を決定することができる。例えば、遠方の白い被写体に対してホワイトバランス設定を適合させることができる。また、カメラ10の周辺と被写体の周辺とで照明環境が異なる場合でも、被写体に対してホワイトバランス設定を適合させることができる。また、被写体が移動している場合や、被写体が小さい場合でも、ホワイトバランス設定を適合させることができる。また、ホワイトバランス設定を決定する元にした元画像データおよびWB演算対象領域の情報を含むホワイトバランス算出情報をシステムメモリ139に格納するので、ユーザは、ホワイトバランス設定を再利用する場合に、どのホワイトバランス設定を選択すればよいかが分かり易い。例えば、ユーザは、どのような撮影環境下で取得したホワイトバランス設定であるかを一目で理解できる。また、どの領域にホワイトバランス設定が最適化されたかを一目で理解できる。
上記の説明において、カメラMPU140の動作として説明した処理は、カメラMPU140がプログラムに従ってカメラ10が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。また、上記の説明においてASIC135により実現される処理は、プロセッサによって実現することができる。例えば、ASIC135の動作として説明した処理は、プロセッサがプログラムに従ってカメラ10が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。すなわち、本実施形態のカメラ10に関連して説明した処理は、プロセッサがプログラムに従って動作して各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムをロードすることができる。
また、本実施形態において、レンズユニット120が装着された状態のカメラ10を、撮像装置の一例として取り上げた。しかし、撮像装置とは、レンズユニット120が装着されていないカメラ本体130を含む概念である。なお、撮像装置は、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式カメラであってよいし、レンズ非交換式カメラであってもよい。撮像装置は、ビデオカメラであってよい。撮像装置としては、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能を有する種々の電子機器であってよい。
カメラ10に関連して説明したように、撮像装置は、第1画像データに基づいて表示される画像上において、ホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を示す指示をユーザから取得する指示取得部と、第1画像データから、指示取得部が取得した指示で示される部分領域の画像情報に基づいて、ホワイトバランス調整値を算出する算出部と、指示取得部が取得した指示で示される部分領域および第1画像データを示すホワイトバランス算出情報データに対応づけて、算出部が算出したホワイトバランス調整値を、他の画像データに対してホワイトバランス調整に用いることができるホワイトバランス調整値として格納する格納部とを備える。撮像装置は、他の画像データに施すホワイトバランス調整処理に用いるホワイトバランス調整値を選択する場合に、格納部に格納されているホワイトバランス算出情報データに基づいて、第1画像データおよび部分領域を示す画像であるホワイトバランス設定選択用画像を表示させる表示制御部をさらに備える。格納部は、複数のホワイトバランス調整値を、複数のホワイトバランス算出情報データに対応づけて格納しており、表示制御部は、他の画像データに施すホワイトバランス調整処理に用いるホワイトバランス調整値を選択する場合に、複数のホワイトバランス設定選択用画像を表示させ、撮像装置は、複数のホワイトバランス設定選択用画像の中から、一つの表示画像をユーザに選択させる選択部と、格納部が格納している複数のホワイトバランス調整値のうち、選択部が選択したホワイトバランス設定選択用画像に対応するホワイトバランス調整値を用いて、他の画像データにホワイトバランス調整を施すホワイトバランス調整部とをさらに備える。
指示取得部は、第1画像データに基づいて画像を拡大表示することを指示する拡大表示指示をユーザから取得し、撮像装置は、指示取得部が拡大表示指示を取得した場合に、第1画像データに基づく画像を拡大して表示する表示部を備える。指示取得部は更に、第1画像データに基づいて画像を拡大して表示させた状態で、ホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を示す指示をユーザから取得し、格納部は、指示取得部が、第1画像データに基づいて画像を拡大して表示させた状態でホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を示す指示をユーザから取得した場合に、指示取得部が取得した指示で示される部分領域および拡大されていない第1画像データを示すホワイトバランス算出情報データに対応づけて、算出部が算出したホワイトバランス調整値を格納する。指示取得部は更に、第1画像データに基づいて画像を拡大表示させた状態で、ホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を示す指示をユーザから取得し、格納部は、指示取得部が、第1画像データに基づいて画像を拡大して表示させた状態でホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を示す指示をユーザから取得した場合に、指示取得部が取得した指示で示される部分領域および拡大して表示させた画像の画像データを示すホワイトバランス算出情報データに対応づけて、算出部が算出したホワイトバランス調整値を格納する。
撮像装置は、ホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域を設定するための部分領域を示す領域情報を、第1画像データに基づく画像に重畳して表示する表示部を備え、指示取得部は更に、ホワイトバランス調整値の算出対象の部分領域の位置を変更することを指示する位置変更指示をユーザから取得し、表示部は、指示取得部が位置変更指示をユーザから取得した場合に、領域情報の位置を変更して表示させる。格納部が格納するホワイトバランス算出情報データは、指示取得部が取得した指示で示される部分領域を示す情報を第1画像データに画像として重畳された第2画像データを含む。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。