JP2019029778A - 撮像装置、および画像処理装置、画像処理方法 - Google Patents

撮像装置、および画像処理装置、画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高輝度側階調優先処理によるダイナミックレンジの拡張を視差画像を利用して対象となる画像を切り替え、視差画像が利用できる場合に、領域毎に最適な素材画像を合成することで、よりその効果を出すこと。【解決手段】異なる瞳部分領域を通過する光束を受光する複数の副画素が設けられた画素を複数配列した撮像素子により取得される入力画像から、前記異なる瞳部分領域毎に生成された複数の視差画像を取得し、前記視差画像に対して、シェーディング補正を行うシェーディング補正手段と画像のずれ量を検出する像ずれ量検出手段と適正露出画像の高輝度領域を検出するハイライト・シャドウ領域検出手段と高輝度領域の階調を改善するための高輝度側階調優先処理実行手段と画像を合成する画像合成手段とその他の画像処理を行う現像処理手段と生成された画像を保存するための画像データ圧縮手段とを備えることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、撮影レンズの射出瞳を複数の領域に瞳分割し、分割された瞳領域に応じた複数の視差画像を同時に撮影することができる撮像装置に関し、特に、それらの複数の画像を利用してダイナミックレンジのより広い画像を生成することを特徴とする撮像装置、および画像処理装置、その画像処理方法に関する。
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮像装置は、被写体からの光を撮影レンズなどで構成される撮像光学系によって電荷結合素子(CCD)やCMOSセンサーなどの撮像デバイスに導いて、被写体画像に対応する電気信号を取得する。そして、この電気信号をアナログ−ディジタル(AD)変換し、デモザイキング処理することで被写体の画像データが得られる。また撮影レンズの射出瞳を複数の領域に瞳分割し、分割された瞳領域に応じた複数の視差画像を同時に撮影することができる撮像装置が提案されている。このような1つのマイクロレンズに複数の画素が割り当てられた瞳分割画素を有する撮像素子を含む撮像装置において、ハイダイナミックレンジ画像(以下HDR画像と記載)を生成する機能を付与することができる撮像装置が開示されている(特許文献1)。
特許文献1によれば、単一のマイクロレンズを共有して光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する第1画素および第2画素のうち一方の画素から第1画像データを取得する第1取得手段と、前記第1画素から得られる画像データおよび前記第2画素から得られる画像データを加算した第2画像データを取得する第2取得手段と、被写体の明るさに応じて、前記第1画像データと前記第2画像データとを合成して合成画像を生成する画像合成手段を利用してダイナミックレンジを拡大している。
また、従来の一般的な撮像センサーを利用する撮像装置上で、撮像感度の設定範囲を1段高感度よりにシフト(ISO 100−3200をISO 200−6400にシフト)することで、露出アンダーな画像データを用意して、ハイライト部分の階調表現性を向上させる特別なガンマ補正をかけることでダイナミックレンジの広い画像を生成する高輝度側階調優先モードを有する撮像装置も知られている(非特許文献1)。
特開2016−58993号公報
Stanford Tech Report CTSR 2005−02,1(2005)
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、撮像装置の操作者が複数の瞳分割を用いた視差画像を生成するような撮像モードで撮影する必要がある。また、視差画像を分離強調し、瞳強度分布に基づくシェーディング補正によるゲインを乗算するために、分離された補正視差画像にはノイズが増えてしまう傾向がある。このため、これらの画像をHDR合成すると高輝度以外の部分でノイズが増えたようにみえてしまうという課題がある。
同様に、非特許文献1に記載される撮像装置においても、露出を一段抑えて撮影し、画像処理で適正露出になるようなゲインをかけるため、低輝度の領域でノイズ成分が劣化し増えてしまうという問題がある。また、実際には露出を1段下げて撮影する必要があることから、利用するISO感度に制限がかかり、最低感度を使えないという問題がある。さらに、高輝度側の階調性を向上させるべきか否かを、シーンに応じてユーザが都度判断しなければならないため、高輝度側階調優先モードを有効に利用できるかどうかは、ユーザが正しく判断し、かつ正しくモードの設定を行った場合に限られる。
そこで、上述した課題に鑑み、本発明は、複数の瞳分割による視差画像を利用するかどうかの設定により、高輝度側階調優先の画像処理を前記第1画像データの高輝度領域のみに対して行い、手輝度部分には、従来の画像に相当する第2の画像データに合成することで、低輝度部分のノイズの増加を抑え、かつ最低ISO感度の利用を可能とし、良好な合成画像を得ることを目的とする。さらに、視差画像を利用しない撮影モードで行う高輝度側階調優先処理を適用する場合とを自動的に切り替えて、ノイズ感の少ないダイナミックレンジの広い階調豊かな画像を撮影モード設定に応じて提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、
結像光学系の異なる瞳部分領域を通過する光束を受光する複数の副画素が設けられた画素を複数配列した撮像素子により取得される入力画像から、前記異なる瞳部分領域毎に生成された複数の視差画像を入力する手段(400)と、
前記視差画像に対して、シェーディング補正を行い修正視差画像を生成するためのシェーディング補正手段(450)と、
前記複数の修正視差画像の画像のずれ量を検出する像ずれ量検出手段(440)と、
適正露出の画像の高輝度領域を検出するハイライト・シャドウ領域検出手段(420)と、
高輝度領域の階調を改善するための高輝度側階調優先処理実行手段(430)と、
2つの画像を合成する画像合成手段(460)と、
前記記載の画像処理以外の画像処理を行う現像処理手段(410)と、
生成された画像データを外部記憶媒体に保存するための画像データ圧縮手段(470)と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置によれば、多視点撮影モードでの複数の視差画像を利用することで、従来一段露出アンダーな画像に対してかけられる低輝度部分のゲインアップによるノイズの増加という弊害、および従来の高輝度階調優先モードが持つ制約を克服して、最大限のダイナミックレンジの拡大された画像をえることが可能となる。
第1実施形態におけるデジタルカメラの概観を示す図 第1実施形態におけデジタルカメラの構成例を示すブロック図 第1実施形態における撮像素子の画素配列の概略を示す図 本発明の実施形態における画像処理部の構成を示す図 第1実施形態に係るダイナミックレンジ拡張処理の流れを示すフローチャート 第1実施形態に係るダイナミックレンジ拡張処理後の画像処理の流れと画像ファイル生成のフローチャート センサ瞳面における瞳強度分布と撮像素子(センサ)の像面における入射角感度特性を説明するための図 シェーディング特性を説明するための図 本発明の実施形態における画像処理部の動作を説明するための図 シェーディング補正係数を説明するための図 撮像装置が操作者が設定可能な画像形式と高輝度側階調優先の処理の有無を示す設定メニューの一例を示す図 撮像装置の設定の違いによる処理結果画像の分類を示す図 第2実施形態における画像処理装置の要部を示すブロック図 第2実施形態における画像処理装置が備える処理手段を模式的に表す図 (a)は画像ファイルの概念図、(b)はデジタルカメラ(画像処理部)が生成する画像ファイルの構造例を示す図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
<撮像装置の構成>
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)、(b)に本発明を適用可能な撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する、カメラ背面に設けられた表示部である。ファインダー外表示部43は、カメラ上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は該部機器との接続ケーブルとデジタルカメラ100とを接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。
メイン電子ダイヤル71は操作部70に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72はデジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。
サブ電子ダイヤル73は操作部70に含まれ、操作部70に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。十字キー74は操作部70に含まれ、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能な十字キー(4方向キー)である。十字キー74の押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン75は操作部70に含まれ、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。LVボタン76は操作部70に含まれ、メニューボタンにおいてライブビュー(以下、LV)のONとOFFを切り替えるボタンである。動画撮影モードにおいては、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。
拡大ボタン77は操作部70に含まれ、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのON、OFF,及び拡大モード中の拡大率の変更を行うための操作ボタンである。再生モードにおいては再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための拡大ボタンとして機能する。縮小ボタン78は操作部70に含まれ、拡大された再生画像の拡大率を低減させ、表示された画像を縮小させるためのボタンである。再生ボタン79は操作部70に含まれ、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。
クイックリターンミラー12は、システム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。通信端子10はデジタルカメラ100がレンズ側(着脱可能)と通信を行う為の通信端子である。接眼ファインダー16はフォーカシングスクリーン13を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダーである。蓋202は記録媒体200を格納ひたスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。
図2は、本考案第1の実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを有する制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。EEPROMに代表される不揮発性メモリ56にはシステム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種画像処理手段を実行するためのプログラムのことである。
この記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。
52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行う為の通信端子であり、通信端子10はデジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行う為の通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信し、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行い、AF駆動回路3を介して、レンズ103の位置を変位させることで焦点を調節する。
AEセンサー17は、2次元配列された光電変換素子で構成され、レンズユニット150を通した被写体の輝度を測光する。本実施形態では、AEセンサー17はBayer配列で配列されたR(IR)GB画素の画素配列となっており、測色や被写体検出、測距なども行うことができる。本実施形態では、撮像部22の撮像素子よりは画素数が少ないため、撮像素子から得られる信号により行える画像解析よりも解像度の低い解析結果となる。
焦点検出部11は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する。システム制御部50はそれに基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。
クイックリターンミラー12(以下、ミラー12)は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影の際にシステム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。ミラー12は、レンズ103から入射した光束をファインダ16側と撮像部22側とに切替えるためのミラーである。ミラー12は通常時はファインダ16へと光束を導くよう反射させるように配されているが、撮影が行われる場合やライブビュー表示の場合には、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。またミラー12はその中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
撮影者は、ペンタプリズム14とファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認が可能となる。
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子110を有する。撮像素子110は、複数のマイクロレンズを有し、各マイクロレンズには複数の光電変換素子が割り当てられることで、各マイクロレンズ下の各光電変換素子にはレンズ103を含む撮像光学系の射出瞳における異なる瞳領域からの光束がそれぞれ入射される。これにより各マイクロレンズ下の各光電変換素子から得られる信号は互いに視差を有する、異なる視点からの信号となる。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し、撮像する装置に起因する画素欠陥などの補正処理や、デモザイキング処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理などを含む現像処理、色変換処理、符号化・圧縮処理などを行う。本実施形態では、現像処理は上記の処理の少なくとも一部を含む処理を指し、これらの現像処理が行われていない画像のためのデータをRAWデータとする。
また、この画像処理部24では撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
また、上述した撮像素子から得られた複数の視点画像の画像データを用いて、それらの視差情報を利用したリフォーカス処理、視点変更処理などの画像処理を具備していてもかまわない。
そして本考案においては、さらに画像の領域の高輝度部分と低輝度部分の領域を判定する機能をもつ。また高輝度領域の階調の改善を目的とした最適なガンマ処理を実行し高輝度領域のダイナミックレンジを拡張するダイナミックレンジ拡張処理も行う。
さらに、画像処理部24は、撮像素子からの複数の視点画像間の位相差に基づいた像ずれ量の算出を行う。算出された像ずれ量は画像内の被写体の、奥行き方向の相対的な位置関係を示す深度情報であり、必要に応じて、撮像素子110やレンズ103に起因する係数(K値)を用いてデフォーカス量、さらには被写体距離の深度情報に換算することができる。画像処理部24の利用する深度情報としてはこれに限らず、何らかの別の手段で生成、取得された深度情報を用いて各種画像処理を行ってもよい。
加えて前記算出された像ずれ量を考慮して、各種処理を終えた画像を合成する機能も具備する。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
ファインダー内液晶表示部41には、ファインダー内表示部駆動回路42を介して、現在オートフォーカスが行われている測距点を示す枠(AF枠)や、カメラの設定状態を表すアイコンなどが表示される。
ファインダー外液晶表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、これらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。操作部70には、少なくとも以下の操作部が含まれる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、LVボタン76、拡大ボタン77、縮小ボタン78、再生ボタン79。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
図4は第1実施形態にかかる撮像装置が備える画像処理部24が内包する処理手段を模式的に表す図である。
図4に示される各種の処理手段はシステム制御部50が具備するCPUが不揮発性メモリ56に記憶された所定の画像処理プログラム等を作業用メモリ32に展開、実行し、撮像装置が備える各部がシステム制御部50からの指令に基づいて所定の動作を行うことにより実現される。
画像処理部24は画像入力手段400、現像手段410、ハイライト・シャドウ領域検出手段420、高輝度側階調優先処理実行手段430、視差画像の像ずれ量検出手段440、視差画像シェーディング補正手段450、画像合成手段460、画像データ圧縮処理手段470を備える。
画像入力手段400は複数の視差画像を撮像できる撮像素子からなる撮像部22から画像のデータを作業メモリ32に読み込む。本撮像素子の構造については、後述する。
読み込まれた複数の視差画像は視差画像シェーディング補正手段450により補正されて、本実施例で利用する形式の画像データとして用意される。またハイライト・シャドウ領域検出手段により、適正露出画像に含まれる高輝度の領域を判定し、多視点画像撮影モードの場合は、高輝度側階調優先処理実行手段460により、1つの視差画像に対して、その処理を行う。多視点画像撮影モードではない、通常の撮影の場合には、通常の画像に対して、従来技術例に記載の高輝度側階調優先処理が実行される。
さらに、視差画像に対して処理された高輝度側階調優先処理結果は、通常の画像に対して、判定された高輝度領域のみを複数の視差画像の像のずれ量を検出する像ずれ量検出手段440と画像合成手段460により1枚の画像に合成される。合成された画像は、その他の画像処理を行う現像手段430にて補正されて、その現像結果は画像データ圧縮処理手段470を使用して外部記憶装置である記録媒体200に画像ファイルとして保存される。
以下、各種手段の前提となる要素を記載する。
<撮像部の構造>
図3は、撮像部22に内蔵される撮像素子における画素の配置例を模式的に示す図であり、画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。
撮像素子110は、撮影光学系101の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく信号から複数の画像信号を生成可能に構成されている。具体的には、各画素の光電変換領域が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換領域が副画素として機能する。従って、図3は、副画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
本実施形態において、図3の左上の2×2の画素群210は、撮像素子110に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素210Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素210Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素210Bが右下に配置されている。
また、図2の右上の画素に代表的に示すように、各画素は、横2×縦1に等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1副画素211、右半分の光電変換部が第2副画素212として利用可能である。副画素211の出力を取得して得られる1つの画像と、副画素212の出力を取得して得られる1つの画像とが、1組の視点画像を構成する。したがって、デジタルカメラ100は1回の撮影によって2つの視点画像を生成することができる。また、各画素の第1副画素211と第2副画素212で得られる信号を加算することで、瞳分割がなされていない1つの通常画素の画素信号として利用することができる。
ここで、本実施形態では、各マイクロレンズに対応する各画素の回路が、瞳分割された複数の光電変換部で共通の電化蓄積部(フローティングデフュージョン部:FD部)を有して構成されているため、該FD部への電荷の転送と、FD部の電荷のリセットを制御することにより、各副画素からの電荷に基づく画素信号および各副画素からの電荷が混合されて出力された画素信号とが出力可能になっている。ここで各副画素に入射される異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく光学像をA像、B像、各光学像に基づく信号(電荷)をA像信号、B像信号、各副画素からの信号が混合された信号を(A+B)像信号と便宜上呼ぶものとする。
本実施形態では、通常の撮影モードとして、撮像時に(A+B)像信号のみを読み出し、多視点撮影モードとして(A+B)像信号に加えてA像信号を読み出し、各撮影モードでの記録では、読み出された各画像信号に対応する画像データを記録するものとする。
<視差画像のシェーディング補正>
次に複数の副画素から得られる瞳分割画像ごとに瞳強度分布が異なること、及びそれに基づくシェーディング特性について、従来例を交えて図7〜図10を用いて説明する。
図7は、センサ瞳面における瞳強度分布と撮像素子(センサ)の像面における入射角感度特性を説明するための図である。
J107はセンサ瞳面である。J108はマイクロレンズアレイ、J109は画素アレイであり、撮像素子を構成している。J111は主画素であり、副画素J110aと副画素J110bから構成されている。主画素J111から生成される画像が(A+B)像(図9の401ab)、副画素J110aの瞳分割画像がA像(図9のJ201a)、副画素J110bの瞳分割画像がB像(図9のJ201b)である。A像、B像は主画素J111を2つに瞳分割した副画素J110aまたは、副画素J110bから生成されるため、(A+B)像に対して1段(1EV)アンダーな露出となる。
瞳強度分布は、瞳のケラレにより副画素J110aの瞳強度分布はJ101a、副画素J110bの瞳強度分布はJ101bのようになる。
瞳強度分布J101a、J101bに対応する像面中央での入射角感度特性はJ103a、J103bのようになる。副画素J110aの入射角感度特性はJ103a、副画素J110bの入射角感度特性はJ103bである。J112は絞りなどで制限される入射光の角度範囲である。像面中央では、副画素J110a、J110bに入射する光量は等しい。
また瞳強度分布J101a、J101bに対応する像面端での入射角感度特性はJ105a、J105bのようになる。副画素J110aの入射角感度特性はJ105a、副画素J110bの入射角感度特性はJ105bである。像面端と像面中央で結像位置が異なるので、像面端の入射角感度特性は像面中央に対して偏心したプロファイルとなる。このため、像面端では、図7の場合だと副画素J110aに入射する光量よりも副画素J110bに入射する光量のほうが多くなる。
上記のことから、像面上の画素位置(X)と画素値の関係を表すシェーディング特性は、図8のようになる。図8のJ201aは図7の副画素J110aのシェーディング特性、J201bは図7の副画素J110bのシェーディング特性である。図7の像面中央は図8のX=0、像面端はX=500、に対応する。
それぞれの画像に図8のシェーディング特性の逆特性をシェーディング補正係数として乗算することでシェーディング補正が行われる。シェーディング補正係数は図10のようになり、J401aはA像J201a、J401bはB像J201bに適用される。
図9のアンダー露出画像403に対して、図10のシェーディング補正係数J401aを乗算することで、シェーディング補正をする(分割瞳のケラレ量ムラによる明暗ムラを補正する)。シェーディング補正に用いるシェーディング補正係数は図2の不揮発性メモリ56から読み出される。
最終的に、(A+B)像401abを適正露出画像402、A像J201aをアンダー露出画像403とし、アンダー露出画像403をシェーディング補正した補正後アンダー露出画像404が取得される。そして、適正露出画像402と補正後アンダー露出画像404において、像面の全面で1段分(1EV分)の露出差を得ることができる。
このようにして、第1の視差画像であるA像をアンダー露出の画像として、センサーから読みだされた第1の視差画像と第2の視差画像の合算データである(A+B)像が適正露出画像として分離できる。
<高輝度側階調優先処理>
非特許文献1で開示される高輝度側階調優先処理について説明する。高輝度側階調優先モードでの撮影は、通常の撮影時に、適正露出となる明るさに対応する感度では、高輝度領域の輝度が飽和してしまい、いわゆる、「白くとんでいる」と表現される状態になってしまうようなケースに対応するために、あらかじめ、1段露出アンダーとなるような露出の設定で撮影を行う。こうすることで、とんでしまうような高輝度領域の輝度が飽和しないようにすることができる。これは画像として、何か認識できる被写体が映っていることを意味する。
そのような1段アンダーな状態で撮影された画像は、本来適正露出となる部分、しいては低輝度部分のデータの階調が損なわれてしまう。そこで、データの階調が損なわれている低輝度領域の輝度を重点的に適正に戻すためのガンマ補正を行う。
本処理により、高輝度のデータが飽和することなく、また飽和するまでの階調を従来よりも残しつつ、撮影することができる。
本実施例では、多視点撮影モードが設定されている撮影においては、高輝度側階調優先モードがONの場合に、一段アンダーな画像を準備する代わりに、補正された第1視差画像を使用する。また、高輝度以外の領域の明るさを適正なものにするために、多視点撮影モードの場合には、すでに適正露出となっている第1視差画像と第2視差画像の合算データである(A+B)像のデータを使用する。この画像データを利用すれば、暗部のノイズを増加させるようなガンマ処理をかけることないし、撮影可能な最低感度での撮影も可能となる。
以上、本考案の処理要素ごとの動作概要を記載した。
以下に本考案のダイナミックレンジの広い階調豊かな画像を生成するための画像処理の全体の流れを説明する。
<ダイナミックレンジ拡大処理>
本実施形態のデジタルカメラ100の撮影時における動作のうち、特に画像処理部24の動作を、図5のフローチャートで説明する。
図5の処理は、システム制御部50が撮影開始指示(例えば第2シャッタースイッチ64のオン)を検知したことによって開始される。撮像素子システム制御部50は、撮影準備処理において決定した露出条件に従って絞り1およびシャッター101の動作を制御し、撮像部22を露光する。
ステップS500では、画像処理部24はシステム制御部50を通じて撮像部22から図3に示されたような構造をもつ撮像素子からデータを読み出す。このとき、ステップS510にて撮像装置100が多視点画像撮影モードに設定されているか判定する。ここで、多視点画像撮影モードに設定されているならば、ステップS520にて複数の視差画像を読み出し、ステップS530のシェーディング補正手段を使って、視差画像の補正を行う。こうして、適正露出画像である(A+B)像と露出アンダー画像であるA像を取得する。
次にステップS540にて、撮像素子からの複数の視点画像間の位相差に基づいた像ずれ量の算出を行う。算出された像ずれ量は画像内の被写体の、奥行き方向の相対的な位置関係を示す深度情報であり、必要に応じて、撮像素子やレンズ103に起因する係数(K値)を用いてデフォーカス量、さらには被写体距離の深度情報に換算することができる。画像処理部24の利用する深度情報としてはこれに限らず、何らかの別の手段で生成、取得された深度情報を用いて各種画像処理を行ってもよい。
さらに、ステップS550にてダイナミックレンジ拡張をするための設定として高輝度側階調優先の設定がONであるかどうかを判断する。ここで設定がONであれば、ステップS560で適正露出画像である(A+B)像のデータから高輝度領域をハイライト・シャドウ領域検出手段420を使って検出する。OFFの設定の場合には、以降の処理は行われず、多視点画像撮影モードによる画像を利用する他の画像処理であるリフォーカスやゴースト低減などの別の画像処理を行うことができる(ダイナミックレンジ拡張処理をしない、このケースの画像をC3画像と分類する。)。
最後にステップS570で露出アンダー画像であるA像における検出された高輝度領域に相当する画像領域を前記像ずれ量を加味して、適正露出画像である(A+B)像に対して合成処理を行う(このケースで生成される画像をC1画像と分類記載する。)。
一方、ステップS510で多機能撮影モードになっていない場合は、通常撮影モードとなり、取得できる画像は適正露出画像である(A+B)像のみとなる。
ここで、ステップS580で高輝度側階調優先モードになっているかどうか判定し、そうであれば、システム制御部があらかじめ、1段露出段数をさげて露出不足となるような設定で撮影を行っているので、ステップS590において画像全体に対して、特に高輝度領域のデータが飽和しないようなガンマ補正を実行する(このケースで生成される画像をC2画像と分類する。)。多機能撮影モードでも、高輝度側階調優先の設定もOFFの場合は、本画像処理は行われない(このケースにおいても、何も処理しないので画像はC3画像と分類する)。
以上説明したように、多視点撮影モードで、かつ高輝度側階調優先処理の設定がONの場合に通常撮影モードでの適正露出画像に対して高輝度側階調優先処理を実行した画像よりも、ノイズの少ない高品質でダイナミックレンジの広い画像(C1画像)を取得することができる。
上記の説明を補足するために、図11に撮像装置の操作メニューにおいてのユーザーが設定できるメニューの一例を示す。この2つの操作者が設定可能なパラメータによって、本実施例の処理は前述したようなC1からC3までに分類される画像を生成することになる。処理結果画像の分類を図12にまとめている。
ダイナミックレンジの拡張処理が終了すると、その画像データに対して、その他の画像処理を現像処理手段410を使って行う。こうしてすべての画像処理手段を経由した画像データは画像データ圧縮手段470を利用して画像ファイルとして記録され、別の画像処理装置において、その他の編集、補正作業をすることが可能となる。画像ファイルフォーマットについては、本発明では特に限定しない。主画像データとしてC1からC3までの画像が記録されていることが最低の要件となることは言うまでもない。
本発明の第2の実施形態では、撮像装置が生成した画像ファイルに記録されている視差画像を含む画像を利用して本発明の目的であるダイナミックレンジの広い画像を生成する画像処理装置である。
図13に示されるCPU600は、外部記憶装置630に記憶されたオペレーティングシステム(OS)や画像処理アプリケーションプログラムをメモリ620に展開し、実行することで、装置全体の動作が制御され、装置で実行される各種の処理が実現される。
なお、一般的なパーソナルコンピュータはもとより、デジタルカメラのように撮像装置を兼ねる場合であっても本発明の構成要素を保有していればこれを限定するものではない。
外部記憶装置630としては、例えば、ハードディスク等が用いられる。メモリ620としては、RAM等の揮発性メモリが用いられる。なお、OSや画像処理アプリケーションプログラムは、外部記憶装置630に代えて、ROM等の不揮発性メモリに記憶されていてもよい。
外部記憶装置630には画像データが格納されている。ここでは、外部記憶装置630に格納されている画像は、デジタルカメラを用いて撮影された撮影画像であるものとする。CPU600は、外部記憶装置630から補正対象となる画像のデータを読み出して表示メモリ610に展開し、画像を表示装置650に表示する。表示装置650としては、液晶ディスプレイやCRT等が用いられる。
画像処理装置の操作者による操作は、キーボードやマウス等の入力装置640を介して、行われる。外部記憶装置630から読み出された撮影画像に対して補正を行うことにより生成される新しい画像の画像データは、外部記憶装置640にも格納される。
本考案の画像処理装置は外部記憶装置630に格納され、適宜実行されるソフトウェアに依存して、下記の第2の実施形態にかかる各画像処理装置となる。
図14は第2の実施形態にかかる画像処理装置が備える処理手段を模式的に表す図である。
図14に示される各種の処理手段はCPU600が不揮発性メモリ103に記憶された所定の画像処理プログラム等を作業用メモリ640に展開、実行し、画像処理装置が備える各制御手段からの指令に基づいて所定の動作を行うことにより実現される。
画像処理装置は、画像ファイル入力手段700、現像手段710、画像表示手段720を具備し、第1の実施形態で説明した各種制御手段であるハイライト・シャドウ領域検出手段420、高輝度側階調優先処理実行手段430、視差画像の像ずれ量検出手段440、画像合成手段460を備える。これらの制御手段の動作は基本的に第1実施形態の例示と同じであるので、詳細は割愛する。
撮像装置が生成した画像ファイルには、第1の実施例に説明した露出アンダーなA像である第1の画像データと、適正露出画像である視差画像の合算データである(A+B)像である第2の画像データの2種類が記録されている。以下に画像ファイルの構成を示す。
<画像ファイル構成>
図15(a)は、画像ファイル1000の概念図である。
画像ファイル1000は、1つのファイルに複数ページの画像データを格納したマルチページファイルに対応したファイルフォーマットの一例としてのTIFF(Tagged Image File Format)形式に準拠した画像ファイルの構造を持つ。画像ファイル1000は、TIFFヘッダ部1001、複数のIFD(Image File Directory)部1002〜1005、複数の画像データ部1006〜1009で構成されている。
1001は画像ファイル1000のTIFFヘッダ部であり、TIFF形式のファイル構造であることを識別するためのデータや、最初のIFD部へのオフセットなどを格納する領域である。
IFD部1002〜1005は、それぞれ後述する画像データ部1006〜1009に格納される画像データに関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータA〜Dと、画像データ部1006〜1009までのオフセット値E〜H、次のIFD部へのオフセットを格納する領域である。最後のIFD部には、次のIFD部が存在しないことを示す特定のオフセット値が格納される。また、IFD部1002〜1005のそれぞれは、対応する画像データ部に格納されている画像データのサイズ(縦横の画素数)や、縮小画像であるかどうかの情報や、画像データがA像、B像、(A+B)像のうちのどの光学像に基づいた画像信号に対応するかの情報をメタデータA〜Dに含んでいる。従って、画像ファイル1000を用いた処理を行う装置は、IFD部1002〜1005を参照することで、複数の画像データの中から用途に応じた適切な画像データを読み出すことができる。
0thIFD部1002は0th画像データ部1006に対応した領域である。1つのIFD部はひとつの画像データ部に対応しており、IFD部1002〜1005のオフセット値E〜Hにより画像ファイル1000内の各画像データの開始位置が特定される。
図15(b)は、本実施形態のデジタルカメラ100(画像処理部24)が生成する画像ファイル1100の構造例を示す図である。ここでは、撮影時に生成した非可逆圧縮画像(表示用画像)、サムネイル画像、可逆圧縮画像((A+B)像)、可逆圧縮画像(A像)を格納する画像ファイルをTIFF形式で生成した場合の構造例を示している。
画像ファイル1100はTIFFヘッダ部1101、0thIFD部1102〜3rdIFD部1105、サムネイル画像部1107、表示用画像部1106、(A+B)像部1108、A像部1109で構成されている。
TIFFヘッダ部1101はTIFFファイル構造であることを識別するためのデータを格納する。
0thIFD部1103は、表示用画像部1106に関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータBと表示用画像部1106までのオフセット値Fを格納する。
1stIFD部1102は、サムネイル画像部1107に関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータAとサムネイル画像部1107までのオフセット値Eを格納する。
2ndIFD部1104は、(A+B)像部1108に関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータCと(A+B)像部1108までのオフセット値Gを格納する。
3rdIFD部1105は、A像部1109に関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータDとA像部1109までのオフセット値Hを格納する。
これらオフセット値E〜Hにより、画像ファイル内の各画像データの開始位置を特定できる。
表示用画像部1106は表示部28などに表示するために、画像処理部24で生成された表示用画像を格納する領域である。本実施形態では表示用画像をJPEG形式としている。
サムネイル画像部1107は表示部28などにメモリ32の画像一覧画面などのインデックス表示を行う際などに利用するためのサムネイル画像を格納する領域であり、表示用画像を間引くなどして縮小した画像である。
(A+B)像部1108は、A像とB像を加算もしくは合成した画像であって、現像処理前のいわゆるRAW形式の(A+B)像を格納する領域である。
右画像部1109は、RAW形式のA像を格納する領域である。(A+B)像からA像を減算することでB像に相当する画像を生成することができる。A像とB像とから、リフォーカス処理や視点変更処理、立体画像生成処理などを行うことができる。
サムネイル画像や表示用画像といった汎用的な表示処理に用いられる現像処理後の画像のデータを、現像処理が必要な(A+B)像や、視差画像を取り扱わないアプリケーションでは使用しないA像よりも前に配置している。そのため、使用される可能性の高い画像データの読み出し開始までに要する時間を短縮することができる。
なお、本実施例では(A+B)像およびA像をRAW形式で格納する構成としたが、画像処理部24で可逆圧縮した画像データを格納する構成としてもよい。このような構成とすることで、画像ファイルのサイズを削減することが可能である。
また、本実施例では(A+B)像とA像を画像ファイルに格納する構成について説明したが、A像の代わりにB像を記録する構成としてもよい。この場合、多視点撮影モードにおいて読み出す画像信号を(A+B)像信号とB像信号とすればよい。
<各画像処理手段の動作>
画像ファイル入力手段700は、外部記録装置630から画像ファイルをメモリ620に読み込む。ここで、画像ファイルから第1の画像データと第2の画像データをそれぞれメモリに展開する。
また、撮影情報解析手段710が撮影時のメタ情報を解析して、どのような撮影設定で撮影されたのかを認識する。ここで、多視点撮影モードかどうか、高輝度側階調優先処理が指定されたかどうかの条件を取得する。多視点撮影モードで、高輝度側階調優先処理が指定されているならば、ハイライトシャドウ領域検出手段420が適正露出画像である(A+B)像から高輝度領域を決定する。まだ2つの画像データから像の位置合わせを行うために必要な像ずれ量を像ずれ量検出手段440が算出する。そして画像合成手段460が位置合わせをしながら、適正露出の(A+B)像に対して、高輝度部の画像には、A像を合成していく。
多視点撮影モードではないが、高輝度側階調優先処理の指定がされていた場合には、高輝度側階調優先処理実行手段430が画像データに対して、適正露出にするためのゲインを画像全体に乗算する。その他の画像処理を現像処理手段410が行い、その結果を画像表示手段720が表示装置に表示する。この画像に対して、シャープネスや、ノイズリダクションといった各種画像処理をかけ、さらなる高画質化を狙うことが可能となる。
本第2の実施形態で例示した方法によれば、画像ファイルに記録された多視点撮影モードの画像があれば、情報処理装置に代表される画像処理装置を利用して、後から、ダイナミックレンジの広い画像を生成するとともに、各種画像処理を調整しながら、より高画質な画像を生成することが可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
24 画像処理部、50 システム制御部、400 画像入力手段、
410 現像処理手段、420 ハイライト・シャドウ領域検出手段、
430 高輝度側階調優先処理実行手段、440 像ずれ量検出手段、
450 シェーディング補正手段、460 合成実行手段、
470 画像データ圧縮手段、600 CPU、610 表示用メモリ、
620 作業用メモリ、630 外部記憶装置、640 入力装置、
650 表示装置、700 画像ファイル入力手段、710 画像解析手段、
720 画像表示手段

Claims (6)

  1. 結像光学系の異なる瞳部分領域を通過する光束を受光する複数の副画素が設けられた画素を複数配列した撮像素子により取得される入力画像から、前記異なる瞳部分領域毎に生成された複数の視差画像を入力する手段(400)と、
    前記視差画像に対して、シェーディング補正を行い修正視差画像を生成するためのシェーディング補正手段(450)と、
    前記複数の修正視差画像の画像のずれ量を検出する像ずれ量検出手段(440)と、
    適正露出の画像の高輝度領域を検出するハイライト・シャドウ領域検出手段(420)と、
    高輝度領域の階調を改善するための高輝度側階調優先処理実行手段(430)と、
    2つの画像を合成する画像合成手段(460)と、
    前記記載の画像処理以外の画像処理を行う現像処理手段(410)と、
    生成された画像データを外部記憶媒体に保存するための画像データ圧縮手段(470)と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記シェーディング補正手段(450)は、撮像素子からの第1の視差画像と、第1の視差画像と第2の視差画像の合算データである画像を生成する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記高輝度側階調優先処理実行手段(430)は、多視点撮影モードとして視差画像ではない場合には露出アンダーな画像に対して、適正露出になるような補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記画像合成手段(460)は、前記像ずれ量検出手段が検出したずれ量を利用して、位置合わせを行う機能を有し、位置合わせされた前記視点の異なる複数の像において、領域ごとに対応する複数の画素信号から画素信号を選択して合成することで出力画像を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記画像合成手段(460)は、前記ハイライト・シャドウ領域検出手段(420)が決定した高輝度領域に前記シェーディング補正後の第1の視差画像を使うことすることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の撮像装置
  6. 結像光学系の異なる瞳部分領域を通過する光束を受光する複数の副画素が設けられた画素を複数配列した撮像素子により取得される入力画像から、前記異なる瞳部分領域毎に生成された複数の視差画像を記録された画像ファイルを入力する画像ファイル入力手段(700)と、
    撮影時どのような設定で撮影されたかの情報であるメタデータを取得し、解析する撮影情報解析手段(710)と、
    前記複数の修正視差画像の画像のずれ量を検出する像ずれ量検出手段(440)と、
    適正露出の画像の高輝度領域を検出するハイライト・シャドウ領域検出手段(420)と、
    高輝度領域の階調を改善するための高輝度側階調優先処理実行手段(430)と、
    2つの画像を合成する画像合成手段(460)と、
    前記記載の画像処理以外の画像処理を行う現像処理手段(410)と、
    生成された画像データを表示装置に表示するための画像表示手段(720)と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置および画像処理システム。
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