JP6502150B2 - 絶縁体の製造方法 - Google Patents
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Description
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1(a)は回転電機の固定子1の平面図、図1(b)は図1(a)のX〜X断面図である。図1において固定子1は複数の磁極3を円周上に配列し、フレーム2を焼き嵌めや圧入することによって締め付け連結し構成されている。磁極3は鉄心4と、この鉄心4に絶縁体5を取り付けた後、導体を複数回巻き付けたコイル6とによって構成されている。絶縁体5は鉄心4とコイル6との間の電気的絶縁と、コイル6を所定の位置に巻き付ける巻枠の機能とを備えている。鉄心4には図示省略した回転電機の電機子と対向する側の先端部4aと、隣り合う鉄心4と接合するヨーク部4bとが設けられている。尚、鉄心4は導板を打ち抜き後、カシメもしくは接着剤等で積層固着して構成されている。
図2(a)に示すように絶縁体5は、弾力性、可撓性を有し折り曲げ性の優れた例えば樹脂フィルムの電気絶縁材が用いられたシート絶縁51と、第1の枠部50aと第2の枠部50bとよりなり、これらは同一寸法形状であるとともに端面板54と一体的に樹脂注型によって成形されている。製法は後述する。
図2(b)〜図2(d)に示すように鉄心4の端面部4cに装着される絶縁体5の第1の枠部50aと第2の枠部50bは、鉄心4の先端部4a側に位置する先端部フランジ52と、鉄心4のヨーク部4b側に位置するヨーク部フランジ53と、この先端部フランジ52およびヨーク部フランジ53間に設けられた端面板54とによって構成され、これら第1の枠部50aと第2の枠部50bとシート絶縁51とは、樹脂注型によって一体的に固着されている。また先端部フランジ52には取付足52aが、ヨーク部フランジ53には取付足53aのそれぞれが設けられている。尚、図2(a)に示す端面板54の幅Bは鉄心幅Wと同一であり、端面板54間のピッチPは鉄心長Lと同一である。
図2(d)に示した状態では、鉄心4に第1の枠部50a、第2の枠部50bを取付足52a、53aで挟んで装着するとともに、シート絶縁51は鉄心4の側面部4dに沿わせその端部51aは例えば第2の枠部50bの端面板54の下部に挿入して固定している。つまり絶縁体5は鉄心4に接着剤等を用いることなく固着させる構造を採用している。
次に図3に示すように巻線治具71を用いて導体61が絶縁体5上に複数回巻き付けられてコイル6を作成することにより、磁極3が形成される。この巻線時に絶縁体5はコイル6の巻きテンションによって鉄心4により強固に固着される。
次に実施の形態2による磁極3を図6に基づいて説明する。図6(a)は絶縁体5aを鉄心4に装着した状態を示す斜視図である。この絶縁体5aは、実施の形態1で示した絶縁体5に、図2(b)に示す鉄心長Lと同じ長さを有する先端部側の外被シート絶縁55aと、ヨーク部側の外被シート絶縁55bを設けたものであり、この双方の外被シート絶縁55a、55bは後述する図8に示すようにシート絶縁51aに対して折り曲げ角αをもって折り曲げて成形されている。
図6(b)は実施の形態1と同様に、鉄心4に絶縁体5aを装着後コイル6を形成し、先端部側の外被シート絶縁55aをコイル6の表面を包み込むように、またヨーク部側の外被シート絶縁55bをコイル6および前記外被シート絶縁55aを包み込むように互いに折り曲げて磁極3を形成した状態を示す。尚、この外被シート絶縁55a、55bの表面は図示省略した固定用絶縁テープや接着剤等で互いに離別しないよう固定している。このような構成の磁極3とすることで、この磁極3をフレーム2内に設置した場合、隣り合う異極のコイル6との間の絶縁特性を向上させることができ、高電圧回転電機として適用可能となり、より安定した品質の固定子1を備えた回転電機となるという効果がある。
その後、図8に示すように、前記切り欠き部55cの存在しない個所の長さLのシート絶縁51aをプレス機等を用いて折り曲げ角αにて折り曲げて、図6にも示した先端部側の外被シート絶縁55aとヨーク部側外被シート絶縁55bを形成する。この外被シート絶縁55a、55bの長さLは鉄心長Lと等しく、外被シート絶縁55aと外被シート絶縁55bとが対向する間隔WSは実施の形態1に示したシート絶縁51のシート絶縁幅WSと同等である。
前記折り曲げ角αは90°以下の鋭角とすることで、後工程の第1の枠部50a、第2の枠部50bの成形時における成形型501との干渉を防止している。一方、より小さな折り曲げ角αを採用すると、コイル6の巻線作業性を低下させる為、磁極3の体格に対応した折り曲げ角αが選定される。このようにして作成されたシート絶縁51aは、図8に示す成形型501に配置した状態で実施の形態1と同様の方法にて樹脂503を注形し、第1の枠部50a、第2の枠部50bを形成するとともにシート絶縁51aを第1の枠部50a、第2の枠部50bと一体化させ絶縁体5aとする。この実施の形態2による絶縁体5aの製造方法は、前述した実施の形態1と同様の効果がある。
4c 端面部、4d 側面部、5,5a 絶縁体、6 コイル、50a 第1の枠部、
50b 第2の枠部、51,51a シート絶縁、52 先端部フランジ、
52a 取付足、53 ヨーク部フランジ、53a 取付足、54 端面板、
55a,55b 外被絶縁部、55c 切り欠き部、501 成形型、502 ノズル、503 樹脂、504 ローラ。
Claims (5)
- 回転電機の鉄心に取り付けられた絶縁体とコイルとで形成される磁極が、複数個フレームに配置された固定子において、前記絶縁体が、第1の枠部と第2の枠部とシート絶縁とで構成され、前記第1の枠部と前記第2の枠部とは樹脂成形されているとともに、前記シート絶縁は前記第1の枠部および前記第2の枠部に融合して連結され、前記第1の枠部が前記鉄心の軸方向の一方の端面部に、前記第2の枠部が前記鉄心の軸方向の他方の端面部に設けられているとともに、前記シート絶縁が前記鉄心の側面部に沿って設けられており、前記磁極は、前記第1の枠部、前記第2の枠部および前記シート絶縁が前記鉄心に直接接触し、前記絶縁体上に前記コイルが設けられて形成された固定子の前記鉄心に取り付けられた絶縁体の製造方法であって、前記絶縁体が搬送手段によって搬送される前記シート絶縁に、成形型上においてノズルから射出する樹脂で前記第1の枠部を成形するとともに、前記シート絶縁を前記第1の枠部に融合して連結した後、前記搬送手段によって前記シート絶縁が前記鉄心の軸方向長さに相当するピッチ長だけ搬送され、停止後、前記成形型上において前記ノズルから射出する樹脂で第2の枠部を成形するとともに、前記シート絶縁を前記第2の枠部に融合して連結した後、前記シート絶縁を所定の長さに切断して形成されている絶縁体の製造方法。
- 前記第1の枠部および前記第2の枠部は、前記鉄心の前記回転電機の電機子と対向する側の先端部側に設けられる先端部フランジと、前記鉄心のヨーク部側に設けられるヨーク部フランジと、前記先端部フランジと前記ヨーク部フランジとの間を連結する端面板とが射出成形されており、前記シート絶縁の幅は前記先端部フランジと前記ヨーク部フランジとの間と同一寸法である請求項1に記載の絶縁体の製造方法。
- 前記搬送手段によって搬送される前記シート絶縁は、前記鉄心の前記回転電機の電機子と対向する側の先端部フランジと前記鉄心のヨーク部側に設けられるヨーク部フランジとの間の寸法よりも大きな幅寸法を有した幅広のシート絶縁であり、前記成形型上に搬送される前工程において、前記幅広のシート絶縁の幅方向の一方端から長手方向に前記所定の長さの絶縁体と同様の長さのスリットが設けられ、前記スリットの幅は前記第1の枠部および前記第2の枠部の前記先端部フランジあるいは前記ヨーク部フランジのいずれかを成形時に設置可能とするものであり、その後、前記第1の枠部および前記第2の枠部を成形後に前記スリットから切り出されて前記絶縁体を形成する請求項1に記載の絶縁体の製造方法。
- 回転電機の鉄心に取り付けられた絶縁体とコイルとで形成される磁極が、複数個フレームに配置された固定子において、前記絶縁体が、第1の枠部と第2の枠部とシート絶縁とで構成され、前記第1の枠部と前記第2の枠部とは樹脂成形されているとともに、前記シート絶縁は前記第1の枠部および前記第2の枠部に融合して連結され、前記第1の枠部が前記鉄心の軸方向の一方の端面部に、前記第2の枠部が前記鉄心の軸方向の他方の端面部に設けられているとともに、前記シート絶縁が前記鉄心の側面部に沿って設けられており、前記磁極は、前記第1の枠部、前記第2の枠部および前記シート絶縁が前記鉄心に直接接触し、前記絶縁体上に前記コイルが設けられているとともに、前記シート絶縁には、同一材で一体的に形成されている外被絶縁部が設けられており、前記コイルの表面が外被絶縁部によって覆われて形成された固定子の前記鉄心に取り付けられた絶縁体の製造方法であって、前記絶縁体が搬送手段によって搬送される前記シート絶縁の幅寸法は前記第1の枠部と前記第2の枠部との間の寸法に、前記絶縁体上に巻き付けられる前記コイルを覆う前記外被絶縁部の長さを加えた寸法を有した幅広のシート絶縁で成形され、前記幅広のシート絶縁は切断用治具によって前記鉄心の軸方向長さに相当するピッチでもって幅方向の両側から前記第1の枠部および前記第2の枠部間の寸法を残すようにして、前記第1の枠部、前記第2の枠部が射出成形可能なよう、長手方向に切り欠き部が形成され、前記切り欠き部の前記長手方向の間隔部分に存在する前記幅広のシート絶縁は前記第1の枠部および前記第2の枠部間の寸法部分から、前記コイルが設けられる側に互いに対向するよう所定の角度で折り曲げられた後、前記搬送手段によって搬送され、成形型上においてノズルから射出する樹脂で前記第1の枠部を成形するとともに、前記幅広のシート絶縁を前記第1の枠部に融合して連結した後、前記搬送手段によって前記幅広のシート絶縁が前記鉄心の軸方向長さに相当するピッチ長だけ搬送され、停止後、前記成形型上において前記ノズルから射出する樹脂で前記第2の枠部を成形するとともに、前記幅広のシート絶縁を前記第2の枠部に融合して連結した後、前記幅広のシート絶縁を所定の長さに切断して形成されている絶縁体の製造方法。
- 前記第1の枠部および前記第2の枠部は、前記鉄心の前記回転電機の電機子と対向する側の先端部側に設けられる先端部フランジと、前記鉄心のヨーク部側に設けられるヨーク部フランジと、前記先端部フランジと前記ヨーク部フランジとの間を連結する端面板とが射出成形されている請求項4に記載の絶縁体の製造方法。
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