JP6500568B2 - Hazの疲労特性および靭性に優れた厚鋼板 - Google Patents

Hazの疲労特性および靭性に優れた厚鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、厚鋼板に関する。特に、溶接熱影響部(Heat Affected Zone:以下、「HAZ」という。)の硬度を上げることなく、HAZの疲労強度を向上させ、かつ、HAZの靭性に優れた厚鋼板に関する。
船舶、建機、橋梁、建築、海洋構造物、タンク、パイプなどに使用される厚鋼板は、強度および靭性などの静的な機械的性質、ならびに、溶接施工性に優れていることが要求される。さらに、使用時には定常的な繰返し荷重、および、風、地震などに起因する非定常な繰返し荷重を受けるので、繰返し荷重に対する強度健全性を確保することも、鋼材特性として要求される。つまり、繰返し荷重に対する健全性、言い換えれば、疲労強度健全性に優れていることが鋼材に要求される。
さらに、応力解析精度の向上、および、破壊メカニズムの解明などによって、脆性破壊および延性破壊に対する防止技術が近年進化するのに伴い、破壊原因に占める疲労破壊の相対的な比率が高まっている。そのため、疲労破壊を防止することが、設計、施工および保全の各段階において、最も重要な技術課題のひとつになっている。
構造物の疲労破壊形態として、定常または非定常の繰返し荷重により、応力集中部から疲労き裂が発生し、それらが成長と合体を繰返して巨視的な疲労き裂に成長し、終局的な破壊に至ることが知られている。上記破壊形態に対し、疲労き裂発生の抑制、すなわち、疲労強度向上には、応力集中の低減が最も効果的である。しかしながら、疲労設計技術の進歩により、応力集中の低減はすでに検討が進んでいる。ここで、溶接構造物の場合、必ずHAZが存在する。そのため、母材のみならずHAZの疲労き裂の発生を抑制すること、すなわち、HAZの疲労強度向上が強く望まれている。
特許文献1では、窒素添加により母材疲労強度が改善される場合のあることが報告されている。ただし、従来、窒素添加に関する検討は、非特許文献1に示されるように、窒素の固溶が容易なオーステナイト鋼を主な対象としてきた。含有された窒素(700〜6600ppm)は、疲労の繰返し荷重を受けた際に、転位移動を固着により抑制する(非特許文献2)。その結果、疲労き裂発生の前段階である転位セル(非特許文献3)の形成を遅らせ、セル構造に比べ疲労特性に優れるプラナー転位構造を形成する(非特許文献4)と考えられている。さらに、オーステナイト鋼に窒素を添加すると、塑性変形が均等になることも知られている(非特許文献1)。
なお、窒素添加による疲労強度の改善に関して、オーステナイト鋼だけでなく、フェライト鋼を対象とした研究結果も近年、報告され始めている。例えば、特許文献2および非特許文献2では、フェライト鋼に窒素を67ppm含有させることにより静的な強度が上昇し、その強度上昇が疲労特性向上に寄与している、と報告されている。
一方、例えば、非特許文献5に示すように、オースフォーム圧延により母材疲労強度が改善される場合のあることは従来から知られている。オースフォーム圧延によって生成した転位が変態核となり、微細組織を実現し得るからである。
特開2000−248343号公報 特開2000−297350号公報
日本機械学会論文集(A編)、65巻、634号、(1999)、pp.1343‐1348 鉄と鋼、vol.89、No.10、(2003)、pp.1057−1064 京都大学博士論文、(2003)、p18 Scripta Mater、41(1999)、p.467 日本機械学会論文集(A編)、46巻、411号、(1980)、pp.1166‐1173
HAZの疲労強度は、HAZの静的強度(硬度)を高めれば、母材と同様に、向上することが知られている。しかしながら、HAZの静的強度(硬度)の上昇は同時に、継手内に急峻な硬度変化を与えてしまい、材質ノッチが形成される。その結果、応力およびひずみの集中により、継手疲労強度を大きく低下させる。そのため、継手疲労強度向上には、HAZの疲労強度を向上させつつ、HAZの硬度の上昇を避けなければならない。
本発明は、継手疲労強度を向上させるため、HAZの硬度を上げることなく、HAZの疲労強度を向上させ、さらに、溶接構造用鋼として必要充分なHAZの靱性も確保した厚鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記の知見を得るに至った。
窒素を含有させた低合金鋼をオースフォーム圧延すると、オースフォーム圧延温度では、低合金鋼でも全率オーステナイト相であるので塑性変形が均等となり、その結果、圧延および冷却後においても金属組織が均質となり、HAZの疲労強度が向上することが期待されている。つまり、窒素を含有させただけでもHAZの疲労特性の改善は期待されるが、オースフォーム圧延を積極的に組合せることにより、窒素含有とオースフォーム圧延の重畳効果、すなわち、オースフォーム圧延効果と窒素含有効果の単なる合計よりも、両者の組合せにより、さらに大きな改善効果が期待される、との発想を得た。
そこで、窒素含有量、および、オースフォーム圧延量を種々変化させた供試材を準備して、再現HAZの疲労試験等を詳細に実施した。その結果、HAZの疲労特性に、明瞭な窒素含有効果が認められた。
また、適切な量の窒素を含有させた低合金鋼を、適切なオースフォーム圧延することにより、均質および微細な最終組織が形成され、HAZ靭性に優れることを見出した。以上のメカニズムにより、本発明において、HAZの疲労特性およびHAZの靭性に優れた厚鋼材が実現された。
なお、HAZの疲労特性の改善効果は、特に長寿命域で明瞭となるが、これは、短寿命域では従来鋼と同等の疲労特性を示していることによる。ただし、鋼構造物において、疲労が問題となる場合は、多くの場合が低応力長寿命域での改善が望まれているため、長寿命域に限定した改善効果であっても、工業的価値は極めて高い。
本発明は、上記の知見を基礎としてなされたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す厚鋼板にある。
(1)HAZを有する厚鋼板であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.01〜0.10%、
Si:0.04〜0.60%、
Mn:0.50〜1.50%、
P:0.025%以下、
S:0.020%以下、
N:0.0055〜0.0200%、
Sol.Al:0.003〜0.045%、
Ti:0.002〜0.040%、
Zr:0.020%以下、
Nb:0.020%以下、
V:0.020%以下、
B:0.0050%以下、
O:0.0030%以下、
Cr:0.1〜1.0%、
Cu:0〜0.7%、
Ni:0〜3.0%、
残部:Feおよび不純物であり、かつ、
下記式(i)で表されるフリー窒素指数Nが−0.013以上であり、
前記HAZの金属組織が、面積%で、ベイナイト組織を95%以上含み、
下記式(ii)を満足する、厚鋼板。
=N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
σb/Hv≧1.0 ・・・(ii)
ただし、(i)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)であり、(ii)式中の各記号の意味は以下の通りである。
σb:回転曲げ疲労試験における回転曲げ応力振幅
Hv:HAZのビッカース硬度
(2)前記HAZの、−40℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが20J以上である、上記(1)に記載の厚鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、Cu:0.1〜0.7%、および/または、Ni:0.2〜3.0%を含有する、上記(1)または上記(2)に記載の厚鋼板。
本発明によれば、HAZの硬度を抑制しつつ、HAZの疲労強度を向上させるとともに、HAZの靭性にも優れた厚鋼板を提供することができる。
熱サイクル付与用の試験片の形状および寸法 再現熱サイクル 吸収エネルギーに及ぼす窒素含有量およびオースフォーム圧下率の影響 硬度測定および疲労試験に用いる試験片の形状および寸法 小野式回転曲げ疲労試験機の概要 疲労試験結果(縦軸:応力表示) 疲労試験結果(縦軸:(応力/硬度)表示)
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
(A)化学組成について
各元素の作用効果と、含有量の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.01〜0.10%
Cは、母材およびHAZの強度を高める作用を有する元素である。この効果を得るためには、C含有量を0.01%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.10%を超えると、HAZの硬度が上昇し、溶接部の硬度分布が不均質となり、溶接継手の疲労強度を確保できない。したがって、C含有量は0.10%以下とする。なお、Cは安価な元素であり、母材の強度を高める作用を有する他の添加元素を抑制し、経済的に強度を確保する。この効果を得るため、C含有量は、0.03%以上であることが好ましい。
Si:0.04〜0.60%
Siは、鋼を脱酸するために必要な元素である。Si含有量が0.04%未満では、適切な脱酸効果を期待できないため、Si含有量は0.04%以上とする。一方、Si含有量が0.60%を超えると、HAZの靱性が劣化し始め、溶接構造用鋼としての適正を欠くこととなる。したがって、Si含有量は0.60%以下とする。ここで、Si含有量としては、0.20%以上であることが好ましく、0.50%以下であることが好ましい。
Mn:0.50〜1.50%
Mnは、Cと同様に、母材およびHAZの強度を確保し、また、母材およびHAZの疲労き裂進展抵抗性を向上させるのに有効な元素である。そのため、Mn含有量を0.50%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が1.50%を超えると、HAZの靱性劣化が顕著となる。したがって、Mn含有量は1.50%以下とする。ここで、Mn含有量としては、0.80%以上であることが好ましく、1.35%以下であることが好ましい。
P:0.025%以下
Pは、不純物元素であり、中心偏析を助長するなど、母材およびHAZの靭性を劣化させるため、本発明においては、0.025%以下とする。P含有量は、0.018%以下であることが好ましい。
S:0.020%以下
Sは、不純物元素であり、0.020%を超えて多量に存在する場合、溶接割れの原因となり、MnS等の割れの起点となり得る介在物を形成する。そのため、S含有量は、0.020%以下とする。また、母材およびHAZの靱性確保に影響のない程度に止めるため、S含有量は、0.015%以下であることが好ましく、0.006%以下であることがより好ましい。
N:0.0055〜0.0200%
Nは、Tiと結合してTiNを生成して、HAZの細粒化に寄与する重要な元素である。また、転位セルの形成を固着により阻害するため、N含有量は0.0055%以上とする必要がある。一方、N含有量が0.0200%を超えると、HAZの靱性が損なわれ始める。したがって、N含有量は0.0200%以下とする。ここで、N含有量としては、0.0100%を超えることが好ましく、0.0180%以下であることが好ましい。
Sol.Al:0.003〜0.045%
Alは、脱酸作用を有する元素である。鋼の脱酸のため、Alを酸可溶性Al(Sol.Al)換算で、0.003%以上含有させる必要がある。一方、Sol.Al含有量が0.045%を超えると、溶接部に硬質の島状マルテンサイトが多数生成し、島状マルテンサイトが破壊起点となり溶接部の靱性が劣化する。したがって、Sol.Al含有量は0.045%以下とする。ここで、充分な靱性を確保する上では、Sol.Al含有量は0.02%以下であることが好ましい。
Ti:0.002〜0.040%
Tiは、炭化物を生成することにより、軟質部を細粒化して強化するため、HAZの疲労き裂進展抑制特性の改善に有効な元素である。そのため、Ti含有量を0.002%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が0.040%を超えると、HAZの疲労き裂進展抑制特性の改善効果が飽和するだけでなく、HAZの強度が上昇しすぎる。その結果、HAZの靱性が損なわれる。したがって、Ti含有量は0.040%以下とする。Ti含有量は、0.020%以上であることが好ましく、0.030%以下であることが好ましい。
Zr:0.020%以下
Nb:0.020%以下
V:0.020%以下
Zr、NbおよびVは、いずれも、CおよびNの化合物として析出し、結晶粒を微細化させ、靱性を向上させるのに有効な作用をする。しかしながら、0.020%を超えると、顕著な効果を示さなくなる。したがって、Zr、NbおよびV含有量を、それぞれ0.020%以下とする。これらの元素の下限は特に定めないが、上記の効果を得るためには、Zrを0.002%以上、Nbを0.006%以上、Vを0.007%以上含有させることが好ましい。
B:0.0050%以下
Bは、BNとして析出し、フェライト変態を促進する。しかしながら、0.0050%を超えると、溶接部の靱性が低下する。したがって、B含有量は0.0050%以下とする。また、上記の効果を得るため、B含有量は0.0006%以上であることが好ましい。
O:0.0030%以下
Oは、介在物の生成に極めて重要な働きをする元素である。介在物は疲労き裂の発生起点となる場合がある。そのため、介在物の形状、生成量を抑制することは、疲労向上に重要である。本発明でも、疲労強度を向上させるため、O含有量を抑制する制御を適用可能である。しかしながら、酸素量を制御するには、製鋼段階で多くの工数を要し、経済性に問題がある。そこで、疲労特性向上と、構造用部材としての経済性とを両立する観点から、O含有量は0.0030%以下とする。O含有量は、低いほど好ましく、0.0025%以下であることが好ましい。
Cr:0〜1.0%
Crは、強度を高める作用があり、また、疲労き裂進展抑制にも有効であるため、含有させてもよい。しかし、Crを過剰に含有させると、HAZの靱性が劣化する場合がある。そのため、Cr含有量は1.0%以下とする。また、Cr含有量は、0.1%以上であることが好ましく、0.3%以上であることがより好ましい。
Mo:0〜0.08%
Moは、焼入れ性を高めて強度を改善するのに有効な元素であるため、含有させてもよい。ただし、Mo含有量が0.08%を超えると、HAZの靱性の劣化を引き起こす場合があるばかりでなく、コスト上昇を招く場合がある。そのため、Mo含有量は0.08%以下であることが好ましい。また、Mo含有量は、0.01%以上であることが好ましく、0.02%以上であることがより好ましい。
Cu:0〜0.7%
Cuは、強度を高める作用があるので、含有させてもよい。しかしながら、Cu含有量が0.7%を超えると、HAZの靱性が劣化する場合がある。そのため、Cu含有量は0.7%以下とする。Cu含有量は、0.5%以下であることが好ましい。また、強度を高めるため、Cu含有量は0.1%以上であることが好ましく、0.3%以上であることがより好ましい。
Ni:0〜3.0%
Niは、強度を高める作用があり、また、疲労き裂進展抑制にも有効であるため、含有させてもよい。しかし、Ni含有量が3.0%を超えると、コスト上昇に見合うだけの強度が得られない場合があるとともに、疲労き裂進展抑制効果も飽和する場合がある。そのため、Ni含有量は3.0%以下とする。強度を高めるため、Ni含有量は0.2%以上であることが好ましい。
Ca:0〜0.007%
Caは、組織微細化を通して靭性改善に寄与するため、含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.007%を超えると、Ca介在物の量が過剰となり、かえって靭性が劣化する場合がある。したがって、Ca含有量は0.007%以下であることが好ましい。Ca含有量は0.003%以下であることがより好ましい。また、HAZの靭性改善の効果を得るため、Ca含有量は0.0015%以上であることが好ましい。
Mg:0〜0.007%
Mgは、組織微細化を通して靭性改善に寄与するため、含有させてもよい。しかし、Mg含有量が0.007%を超えると、Mg介在物の量が過剰となって、Caと同様に靭性劣化を来す場合がある。したがって、Mg含有量は0.007%以下であることが好ましい。Mg含有量は0.003%以下であることがより好ましい。また、HAZの靭性改善の効果を得るため、Mg含有量は0.0005%以上であることが好ましい。
Ce:0〜0.007%
Ceは、組織微細化を通して靭性改善に寄与するため、含有させてもよい。しかし、Ce含有量が0.007%を超えると、Ce介在物の量が過剰となり、かえって靭性が劣化する場合がある。したがって、Ce含有量は0.007%以下であることが好ましい。Ce含有量は0.003%以下であることがより好ましい。また、HAZの靭性改善の効果を得るため、Ce含有量は0.0005%以上であることが好ましい。
Y:0〜0.5%
Yは、組織微細化を通して靭性改善に寄与するため、含有させてもよい。しかし、Y含有量が0.5%を超えると、Y介在物の量が過剰となり、かえって靭性が劣化する場合がある。したがって、Y含有量は0.5%以下であることが好ましい。Y含有量は0.05%以下であることがより好ましい。また、靭性改善の効果を得るため、Y含有量は0.01%以上であることが好ましい。
Nd:0〜0.5%
Ndは、組織の微細化を通して靭性改善に寄与するため、含有させてもよい。しかし、Nd含有量が0.5%を超えると、Nd介在物の量が過剰となり、かえって靭性が劣化する場合がある。したがって、Nd含有量は0.5%以下であることが好ましい。Nd含有量は0.05%以下であることがより好ましい。また、靭性改善の効果を得るため、Nd含有量は0.01%以上であることが好ましい。
本発明の厚鋼板は、上記の元素を含有し、残部はFeおよび不純物である化学組成を有する。「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
(B)フリー窒素指数Nについて
フリー窒素指数N:−0.013以上
本発明は、フリー窒素を転位の移動阻止に積極的に活用することに特徴がある。フリー窒素は従来、靱性を劣化するものとして抑制することのみが追及されてきた。ここで、フリー窒素量は、含有されている総窒素量から、窒化物として消費された分を差し引いた残りである。正確なフリー窒素量は、精緻な測定を経なければ確定できないが、窒化物生成元素量を用いて、下記(i)式からフリー窒素量の概略を見積もることができる。ここでは、この数値をフリー窒素指数と呼ぶ。
=N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
ただし、(i)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。
ここで、フリー窒素指数が正となった場合に、フリー窒素が初めて存在するようにも思えるが、いずれの元素も全量窒化物を形成する訳ではなく、多くの実験を実施した結果、−0.013以上であれば、HAZの疲労特性改善に有効なフリー窒素が存在していることを確認した。そこで、本発明においては、フリー窒素指数を−0.013以上に設定した。もっとも、HAZの疲労改善効果を顕著に発揮させるためには、フリー窒素指数をより大きくすることが望ましく、0以上に成分調整を行うことが望ましい。
(C)組織、粒径について
フリー窒素が靱性に及ぼす悪影響を避けるため、細粒組織が不可欠である。そのため、本発明の厚鋼板では、HAZの金属組織が、面積%で、ベイナイト組織を95%以上含むものである。
ここで、ベイナイト組織の面積%は、HAZを有する厚鋼板の圧延方向に平行な板厚断面において、HAZのミクロ組織をナイタール(2〜5%(体積分率)の硝酸エタノール溶液)を用いて現出させ、板厚中央部を、光学顕微鏡を用いて500倍で観察し、画像解析を行うことにより算出した。
本発明の厚鋼板では、金属組織が、面積%で、ベイナイト組織を95%以上含むとしたのには、以下の理由による。
熱間圧延後の加速冷却で得られたベイナイト組織では、一般に、転位密度は極めて高い。一方、疲労荷重の繰返しによって、疲労き裂先端においては、常に正負交番の塑性ひずみが付与される。安定状態よりも高密度であった転位は、正負交番のひずみが駆動力になって転位組織が再構築され、安定状態に向かって転位密度は減少する。これが所謂繰返し軟化挙動である。材料が繰返し軟化すると、外力条件が同じであっても、疲労き裂の進展駆動力が緩和され、疲労き裂進展速度が抑制される。そのため、疲労き裂が発生した後、機能が喪失するまでき裂が成長するまでの寿命、つまり疲労き裂進展寿命が疲労き裂進展速度の抑制の結果、延伸される。因みに、フェライト組織は、正負交番のひずみによって、転位が蓄積し、繰返し硬化することが知られている。そのため、ベイナイト組織とフェライト組織とを比較すると、フェライト組織の疲労き裂進展寿命は、通常、ベイナイト組織のそれに比べ劣る。以上、本願では厚鋼板の疲労損傷形態が、疲労き裂の発生に続く、疲労き裂の進展、限界き裂長さまでの進展後の最終破壊、であることに鑑み、ベイナイト組織を積極的に活用している。そのために、本発明の厚鋼板では、HAZの金属組織が、面積%で、ベイナイト組織を95%以上含むこととした。
なお、本発明の厚鋼板においては、HAZの金属組織が上記の条件を満たしていればよく、残部(HAZの金属組織の5%以下の部分)を定める必要はない。ただし、残部としては、フェライト組織、パーライト組織、および、マルテンサイト組織から選択される1種以上が想定される。
(D)回転曲げ疲労強度および硬度について
σb/Hv≧1.0 ・・・(ii)
本発明の厚鋼板では、回転曲げ応力振幅σbおよびHAZの硬度Hvが上記(ii)式を満たす。上記(ii)式を満たす厚鋼板は、HAZの硬度Hvを上げることなく、回転曲げ応力振幅σbが向上している。その結果、継手疲労強度を向上させることができる。σb/Hvが1.0未満であると、σbに対するHvが大きすぎて、継手内に急峻な硬度変化を与えてしまい、材質ノッチが形成される。その結果、応力およびひずみの集中により、継手疲労強度を大きく低下させる。
(E)製造方法
本発明に係る厚鋼板の製造方法については、特に制限は設けないが、例えば、上記で説明した化学組成を有するスラブを加熱した後、熱間圧延し、最後に冷却することにより製造することができる。
熱間圧延工程において、オースフォーム圧下率、すなわち、加速冷却前の950℃以下における圧下率は、20%以上であることが好ましい。加速冷却前の950℃以下における圧下率が20%未満の場合、圧延によって圧延直後に導入された転位は、その大部分が再結晶によって消失してしまうため、変態の核として機能しない場合がある。その結果、変態後の組織は粗大なものとなり、固溶窒素による脆化が問題となる場合が多いため、加速冷却前の950℃以下における圧下率が20%以上であることが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<圧延母材の製造>
表1に示す鋼種A〜Eの化学成分を有する鋼材をラボにて溶解し、インゴットを幅120mm、厚さ100mmに鍛造後、温度と板厚を厳密に制御して厚さ16mmまで熱間圧延を行った。上記熱間圧延は、鋼種Eを除き、加熱温度、仕上げ温度、および、950℃以下における各圧下率を、表2に示す値で行った。次に、鋼種Eを除き、圧延終了後、鋼板温度が830℃の状態から冷却槽へ浸漬させ加速水冷を行い、室温程度まで冷却を行った。鋼種Eについては、1150℃で加熱後、1000℃で仕上げた後、室温まで空冷した。その後、900℃まで加熱して急冷するという焼き入れ処理後、600℃まで加熱して空冷するという焼き戻し処理を行った。これにより得られた試験No.1〜13の圧延母材から各種試験片を採取し、圧延母材の降伏応力(YP)、引張強度(TS)、破断伸び(El)、シャルピー衝撃特性(vTrsおよびvET)を測定した。結果を表2に示す。表2に示されるように、試験No.1〜13の圧延母材は、充分な機械的性質を有する。
Figure 0006500568
Figure 0006500568
<再現HAZ材の製造>
溶接継手において、疲労き裂発生部位は、HAZである。そこで、HAZの疲労特性を評価すべく、ここでは試験No.1〜13の圧延母材を用いて、再現HAZ材を準備した。まず、試験No.1〜13の圧延母材から、試験片長手方向が圧延方向と一致するように、図1に示す熱サイクル付与用の試験片を機械加工により採取した。
次に、各試験片長手方向の中央部に熱電対を溶着させ、温度制御用センサーとして用いた。各試験片を40秒間で室温から1400℃まで、試験部を高周波加熱法にて急速加熱した。その後、1400℃を5秒間保持し、窒素にて冷却速度約40℃/secにて、急速冷却した。図2に熱サイクルを示す。この熱サイクルは、入熱1.5kJ/mm程度の溶接条件で継手を製作した時のFusion Line近傍での溶接熱サイクルに相当する。
<靭性の評価>
再現HAZ材の靭性の評価は、シャルピー衝撃試験により行った。まず、寸法11mm×11mm×60mmの熱サイクル付与用の試験片を、試験No.1〜13の圧延母材から機械加工により採取し、試験片の長手方向の中央部近傍に、図2の熱サイクルを付与した。その後、寸法10mm×10mm×55mmの一般的なvノッチ衝撃試験片を加工し、−40℃の試験温度にてシャルピー衝撃試験を実施した。シャルピー衝撃試験結果を表3に示す。また、吸収エネルギーに及ぼす窒素含有量およびオースフォーム圧下率の影響を図3に示す。
<硬度測定>
再現HAZ材の硬度測定は、ビッカース試験機を用いて、押付け荷重1kgfにて実施した。硬度測定用サンプルとして、熱サイクルを付与した図1に示す試験片を再加工し、図4に示す形状および寸法の試験片を準備した。図4に示す試験片は、R10を設けた試験片肩部(φ8mmの部分)において切断し、切断面が評価できるように樹脂中に埋込み、研磨して供試した。切断面内のφ6mmの円周に沿って、90度ピッチに4点の硬度を測定した。φ6mm位置は、試験片のR10の切欠き底直径に対応しているため、上記硬度は、試験片の疲労き裂発生部の硬度と見なせる。測定した4点の硬度の平均値を表3に示す。
Figure 0006500568
<疲労強度測定>
疲労強度評価用の試験片として、熱サイクルを付与した図1に示す試験片を再加工し、図4に示す形状および寸法の試験片を準備した。図4に示す試験片は、熱サイクルを付与した部位から疲労き裂が確実に発生するように、なだらかな環状切欠きを試験片中央に設けている。切欠きRが10mmと極めて大きいため、得られる疲労特性は、平滑材の疲労特性と見なせる。
再現HAZ材の疲労試験は、図5に示す小野式回転曲げ疲労試験機を用いた。室温大気中にて、回転曲げで、応力比(最小応力/最大応力)が−1の完全両振り条件で疲労試験を実施した。Dead Weightによって負荷応力を設定し、鋼材毎にSN線図を作成した。試験片の切欠き底に疲労き裂が発生し、振動が規定値以上に大きくなった瞬間を試験機に取付けた加速度計で検知し、試験を終了させるとともに、その時の繰返し数を疲労破断寿命と定義した。
図6には、疲労試験結果を通常の表示、すなわち、縦軸に応力振幅を採ってSN線図として示す。疲労特性にはオースフォーム圧下の影響が無いことが判明したので、図6では圧下率の相違を区別していない。また、図7は、図6の縦軸の応力を再現HAZ硬度で除したものである。継手疲労特性の向上には、HAZの特性として、低硬度で、かつ、高疲労強度であることが必要である。そのため、継手疲労特性向上へのHAZの寄与度を明確にするため、縦軸を図7のパラメータとしている。図7で右上側に位置するHAZほど、継手疲労特性に優れるHAZであることを表わす。
表3および図3から判るように、N含有量の増大に伴い、衝撃特性が劣化することが判る。−40℃において吸収エネルギーが20Jあれば、溶接構造用材料として充分な靱性を有しているといえる。すなわち、N含有量が200ppm以下であれば、充分な靭性を有する再現HAZ材が得られる場合があることが判る。なお、N含有量が100ppm〜200ppmの場合には、オースフォーム圧延が大きいと、靱性が向上することが判る。したがって、N含有量が100ppm〜200ppmの場合には、オースフォーム圧延の下限値が20%であることが好ましい。オースフォーム圧延により再現HAZ組織の微細化が図れ、靱性が向上しているものと考えられる。
表3から判るように、C含有量が大きい試験No.13の再現HAZ材では、焼入れ性増大により、硬度が大きい。一方、再現HAZの硬度は、N含有量に鈍感であることが判る。
図6および図7から判るように、鋼種Aを用いた試験No.1〜3の再現HAZ材および鋼種Bを用いた試験No.4〜6の再現HAZ材は、HAZの疲労特性および継手の疲労特性に優れる。
一方、鋼種Cを用いた試験No.7〜9の再現HAZ材は、HAZの疲労特性および継手の疲労特性が充分でないことが判る。また、鋼種Dを用いた試験No.10〜12の再現HAZ材は、HAZの疲労特性および継手の疲労特性に優れるが、上述したように靭性が充分でないことが判る。さらに、鋼種Eを用いた試験No.13の再現HAZ材は、HAZの疲労特性に優れるが、継手の疲労特性が充分でないことが判る。
本発明によれば、継手疲労強度を向上させるため、HAZの硬度を上げることなく、HAZの疲労強度を向上させ、さらに、溶接構造用鋼として必要充分なHAZの靱性も確保した厚鋼板を提供することができる。したがって、本発明の厚鋼板は、船舶、建機、橋梁、建築、海洋構造物、タンク、パイプなどに好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. HAZを有する厚鋼板であって、
    化学組成が、質量%で、
    C:0.01〜0.10%、
    Si:0.04〜0.60%、
    Mn:0.50〜1.50%、
    P:0.025%以下、
    S:0.020%以下、
    N:0.0055〜0.0200%、
    Sol.Al:0.003〜0.045%、
    Ti:0.002〜0.040%、
    Zr:0.020%以下、
    Nb:0.020%以下、
    V:0.020%以下、
    B:0.0050%以下、
    O:0.0030%以下、
    Cr:0.1〜1.0%、
    Cu:0〜0.7%、
    Ni:0〜3.0%、
    残部:Feおよび不純物であり、かつ、
    下記式(i)で表されるフリー窒素指数Nが−0.013以上であり、
    前記HAZの金属組織が、面積%で、ベイナイト組織を95%以上含み、
    下記式(ii)を満足する、厚鋼板。
    =N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
    σb/Hv≧1.0 ・・・(ii)
    ただし、(i)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)であり、(ii)式中の各記号の意味は以下の通りである。
    σb:回転曲げ疲労試験における回転曲げ応力振幅
    Hv:HAZのビッカース硬度
  2. 前記HAZの、−40℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが20J以上である、請求項1に記載の厚鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、Cu:0.1〜0.7%、および/または、Ni:0.2〜3.0%を含有する、請求項1または請求項2に記載の厚鋼板。
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