以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<実施の形態1>
(液晶表示装置(液晶パネル)の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置500に含まれる液晶パネル100の構成を示す平面図である。なお、図1では、液晶表示装置500に含まれる液晶パネル100の構成のみを示している。
また、図1では、構成を分かり易くするために、一部の構成要素を、省略または簡略化して示している。例えば、図1では、構成を分かり易くするために、後述の基板120については、当該基板120の輪郭のみを示している。
図1において、X方向、Y方向およびZ方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向の各々も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向(−X方向)とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向(−Y方向)とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向(−Z方向)とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
また、以下においては、X軸方向およびY軸方向を含む平面を、「XY面」ともいう。また、以下においては、X軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「XZ面」ともいう。また、以下においては、Y軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「YZ面」ともいう。
図2は、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置500に含まれる液晶パネル100の断面図である。なお、図2では、液晶表示装置500に含まれる液晶パネル100の構成のみを示している。具体的には、図2は、図1のA1−A2線に沿った、液晶パネル100の断面図である。図2では、構成を分かり易くするために、一部の構成要素を、省略または簡略化して示している。
図1および図2を参照して、液晶表示装置500は、液晶パネル100と、後述のバックライトユニット(図示せず)等とを備える。なお、液晶表示装置500は、バックライトユニット(図示せず)が出射する光を利用して液晶パネル100の後述の表示領域R10に映像を表示する。
液晶パネル100は、一例として、TN(Twisted Nematic)モードの液晶パネルである。液晶パネル100は、制御基板135a,135bと、接続ケーブル136a,136bと、基板110,120と、液晶層30と、シール材SL1と、複数のスペーサSP1とを備える。
制御基板135a,135bは、液晶パネル100を制御するための回路等が実装された基板である。
基板110,120の各々は、透光性を有する。基板110は、液晶層30を制御するための構成を有するアレイ基板である。基板120は、当該基板120を透過する光を、色光として出射するカラーフィルタ基板である。当該色光は、例えば、赤色光、緑色光、青色光等である。基板120は、基板110と対向する。XY平面における基板110のサイズは、XY平面における基板120のサイズより大きい。
基板110および基板120は、シール材SL1により、互いに貼り合わせられる。シール材SL1は、例えば、樹脂で構成される。平面視(XY面)における、シール材SL1の形状は、閉ループ状(枠状)である。なお、基板110と基板120との間隔は、複数のスペーサSP1により、所定の間隔に設定されている。すなわち、各スペーサSP1は、基板110と基板120との間隔を規定するための部材である。すなわち、各スペーサSP1は、液晶層30の厚さを規定するための部材である。なお、平面視(XY面)において、各スペーサSP1は、後述の表示領域R10に設けられる。各スペーサSP1は、例えば、樹脂で構成される。スペーサSP1の形状は、例えば、柱状である。なお、スペーサSP1の形状は、球状であってもよい。
液晶層30は、複数の液晶31を含む。なお、図2では、構成を見易くするために、2つの液晶31のみを示しているが、実際には、液晶層30は、非常に多くの液晶31を含む。基板110、基板120およびシール材SL1により形成される領域(空間)には、液晶層30が封入される。すなわち、液晶層30は、基板110と基板120との間に設けられる。
なお、液晶パネル100は、滴下注入方式であるODF(One Drop Filling)方式により製造される。当該滴下注入方式では、シール材SL1が設けられた、基板110および基板120のいずれか一方の表面に、液滴としての複数の液晶が配置される。その後、各液晶は、基板110および基板120により挟まれる。これにより、基板110、基板120およびシール材SL1により形成される領域に液晶層30が封入されたが液晶パネル100が製造される。
従って、シール材SL1には、真空注入方式で製造される液晶パネルのように、液晶を注入するための開口部である注入口は形成されていない。そのため、シール材SL1は、当該シール材SL1に当該注入口を封止するための封止材が設けられていないという構造的な特徴を有する。
液晶パネル100は、表示領域R10と周辺領域R20とを有する。表示領域R10は、液晶パネル100が、平面視(XY面)において、映像を表示するための領域である。表示領域R10は、平面視(XY面)において行列状に配置された後述の複数の画素部5Pを含む。液晶パネル100は、当該複数の画素部5Pを利用して映像を表示する。
図3は、画素部5Pを説明するための図である。画素部5Pは、画素5R,5G,5Bから構成される。画素5Rは、必要に応じて、赤色光を出射する画素である。画素5Gは、必要に応じて、緑色光を出射する画素である。画素5Bは、必要に応じて、青色光を出射する画素である。以下においては、画素5R,5G,5Bの各々を、「画素5」ともいう。また、以下においては、画素5が形成されている領域を、「画素領域」ともいう。
再び、図1および図2を参照して、周辺領域R20は、平面視(XY面)において、表示領域R10の周辺に設けられる。具体的には、周辺領域R20は、平面視(XY面)において、表示領域R10を囲む領域である。平面視(XY面)における周辺領域R20の形状は閉ループ状(額縁状)である。
なお、表示領域R10および周辺領域R20は、液晶パネル100が構成される空間と、当該空間におけるXY面、XZ面およびYZ面とに対しても、液晶パネル100と同様に適用される。すなわち、表示領域R10および周辺領域R20は、液晶パネル100を構成する各構成要素(基板110,120、液晶層30等)に対しても、液晶パネル100と同様に適用される。そのため、例えば、液晶パネル100の基板120は、表示領域R10と周辺領域R20とを有する。
なお、液晶層30は、平面視(XY面)において、表示領域R10全体に設けられる。また、液晶層30は、平面視(XY面)において、周辺領域R20の一部に設けられる。
次に、アレイ基板としての基板110について詳細に説明する。図1および図2を参照して、基板110は、偏光板51と、ガラス基板111と、複数の画素電極113と、複数のスイッチング素子SW1と、検査用配線119と、検査回路(図示せず)と、絶縁膜115と、配向膜112と、複数のゲート配線WG1と、複数のソース配線WS1と、端子116a,116bと、駆動IC(Integrated Circuit)141a,141bと、トランスファ電極(図示せず)とを含む。
偏光板51は、互いに直交する透過軸および吸収軸を有する。偏光板51は、吸収軸に沿って振動する光を吸収する。すなわち、偏光板51は、当該偏光板51の吸収軸に沿って振動する光を透過させない。
ガラス基板111は、透光性を有する透明基板である。ガラス基板111の一方の面には、複数のスイッチング素子SW1と検査用配線119とが設けられる。なお、前述の偏光板51は、ガラス基板111の他方の面に設けられる。
各スイッチング素子SW1は、オン状態またはオフ状態に設定される。各スイッチング素子SW1は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)である。検査用配線119は、各種の検査を行うための検査回路(図示せず)に接続されている。当該検査回路は、液晶表示装置500の製造が終了する前の状態(以下、「状態St1」ともいう)において使用される回路である。
状態St1は、例えば、液晶パネル100に制御基板135a,135bが取付けられる直前の状態である。検査回路は、状態St1において、液晶パネル100の動作テストを行うための回路である。
なお、ガラス基板111の一方の面には、さらに、図示されない複数の構成要素が設けられている。
絶縁膜115は、当該絶縁膜115が、検査用配線119、各スイッチング素子SW1等を覆うように、ガラス基板111の一方の面に設けられている。
各画素電極113は、表示領域R10の各画素5に対応して設けられる。また、各画素電極113は、液晶層30において電界を発生させるための電極である。具体的には、各画素電極113は、液晶層30において、液晶31の向きを変化させるための電界を発生させるために使用される。なお、当該電界は、基板120に設けられる後述の共通電極123と各画素電極113との間の領域において発生する。
配向膜112は、液晶31を配向させるための膜である。配向膜112は、当該配向膜112が各画素電極113を覆うように、絶縁膜115の一方の面に設けられる。
各ゲート配線WG1および各ソース配線WS1は、詳細は後述するが、各スイッチング素子SW1を制御するための信号を、当該各スイッチング素子SW1へ伝達するための配線である。
各ゲート配線WG1は、図1のように、表示領域R10において、行方向(X軸方向)に延在するように設けられる。また、各ソース配線WS1は、図1のように、表示領域R10において、列方向(Y軸方向)に延在するように設けられる。なお、各ゲート配線WG1と各ソース配線WS1とが交差する部分の近傍には、スイッチング素子SW1が設けられる。すなわち、各スイッチング素子SW1は、行列状に設けられる。
また、図1のように、各ゲート配線WG1と各ソース配線WS1とにより形成される各矩形(画素領域)内には、画素電極113(画素電極)が設けられる。すなわち、各画素電極113は、行列状に設けられる。画素電極113は、スイッチング素子SW1と電気的に接続される。
駆動IC141a,141bは、詳細は後述するが、各画素領域(画素5)を制御する。駆動IC141aは、複数の接続配線(図示せず)により、各ソース配線WS1と接続される。また、駆動IC141bは、複数の接続配線(図示せず)により、各ゲート配線WG1と接続される。
また、基板110には、端子116a,116bが設けられる。端子116a,116bの各々は、外部からの信号等を受信するための端子である。
端子116aは、接続ケーブル136aにより、制御基板135aと接続される。端子116bは、接続ケーブル136bにより、制御基板135bと接続される。制御基板135aには、駆動IC141aを制御する制御IC(図示せず)が設けられる。また、制御基板135bには、駆動IC141bを制御する制御IC(図示せず)が設けられる。接続ケーブル136a,136bの各々は、例えば、FFC(Flexible Flat Cable)である。
以下においては、制御基板135a,135bの各々を、総括的に、「制御基板135」ともいう。また、以下においては、駆動IC141a,141bの各々を、総括的に、「駆動IC141」ともいう。また、以下においては、端子116a,116bの各々を、総括的に、「端子116」ともいう。また、以下においては、接続ケーブル136a,136bの各々を、総括的に、「接続ケーブル136」ともいう。
詳細は後述するが、制御基板135の制御IC(図示せず)が出力した制御信号は、端子116を介して、駆動IC141の入力端子へ送信される。これにより、駆動IC141の出力端子から制御信号が出力される。当該制御信号は、複数の接続配線(図示せず)を介して、表示領域R10内のスイッチング素子SW1へ送信される。
前述のトランスファ電極(図示せず)は、接続配線(図示せず)により端子116と接続される。当該トランスファ電極は、端子116が受信した信号を、基板120へ伝達するための電極である。
なお、端子116a,116b、トランスファ電極、接続配線、検査用配線119および検査回路は、周辺領域R20内の基板110に設けられる。
次に、カラーフィルタ基板としての基板120について詳細に説明する。図1および図2を参照して、基板120は、偏光板52と、ガラス基板121と、複数の色材7と、ブラックマトリクス20と、共通電極123と、配向膜122とを含む。
偏光板52は、偏光板51と同じ機能および構成を有する板である。具体的には、偏光板52は、平面視(XY面)において、当該偏光板52の吸収軸が偏光板51の吸収軸と直交するように、ガラス基板121に設けられる。言い換えれば、偏光板51は、平面視(XY面)において、当該偏光板51の吸収軸が偏光板52の吸収軸と直交するように、ガラス基板111に設けられる。
ガラス基板121は、透光性を有する透明基板である。ガラス基板121の厚みは、例えば、約0.7mmである。ガラス基板121の一方の面には、複数の色材7およびブラックマトリクス20が設けられる。なお、前述の偏光板52は、ガラス基板121の他方の面に設けられる。
図2および図3を参照して、各色材7は、透光性を有するカラーフィルタである。色材7は、例えば、樹脂内に、色を有する顔料を分散させることにより生成される。色材7は、赤、緑、青等に対応する特定の波長範囲の光を選択的に透過するフィルタとして機能する。
また、色材7は、当該色材7を透過する光を色光として出射する。すなわち、色材7は、当該色材7に光が照射されることにより色を表現するための部材である。なお、色材7は、当該色材7に光が照射された場合、当該光の一部を吸収する光量低減部材である。色材7は、表示領域R10に設けられる。
以下においては、赤色光を出射する色材7を、「色材7R」ともいう。また、以下においては、緑色光を出射する色材7を、「色材7G」ともいう。また、以下においては、青色光を出射する色材7を、「色材7B」ともいう。
色材7Rは、画素5Rを形成するための色材である。色材7Gは、画素5Gを形成するための色材である。色材7Bは、画素5Bを形成するための色材である。すなわち、平面視(XY面)において行列状に配置される各画素部5Pは、色材7R,7G,7Bが、図3のように、規則的に配置して構成される。
ブラックマトリクス20は、光の一部または全てを遮る遮光部材である。言い換えれば、ブラックマトリクス20は、当該ブラックマトリクス20に光が照射された場合、当該光の一部または全てを吸収する光量低減部材である。なお、ブラックマトリクス20の厚みが大きい程、当該ブラックマトリクス20の光の透過率は0に近くなる。すなわち、ブラックマトリクス20の厚みが小さい程、当該ブラックマトリクス20の光の透過率は100に近くなる。以下においては、光の透過率を、単に、「透過率」と表現する場合がある。また、以下においては、ブラックマトリクスを、単に、「BM」と表現する場合がある。
ブラックマトリクス20は、樹脂で構成されている。具体的には、ブラックマトリクス20は、感光性樹脂内に黒色粒子を分散させることにより生成される黒色樹脂で構成される。当該黒色粒子は、カーボンブラック(炭素系黒色顔料)、チタンブラック(チタン系黒色顔料)等の粒子である。
また、ブラックマトリクス20は、基板120が有する表示領域R10において複数の画素5を形成するように、当該表示領域R10の一部に設けられる。具体的には、ブラックマトリクス20は、各画素5(画素領域)に形成される開口H1を有する。以下においては、開口H1に接する、ブラックマトリクス20の一部を、「BM開口側部」ともいう。
色材7は、各画素領域の開口H1の内部から、BM開口側部の上面に渡って設けられる。例えば、色材7Rは、画素5Rが形成されている画素領域の開口H1の内部から、当該画素領域に存在するブラックマトリクス20のBM開口側部の上面に渡って設けられる。
以下においては、隣接する2つの色材7(画素5)の間に存在するブラックマトリクス20を、「画素形成部20x」ともいう。画素形成部20xは、隣接する2つの画素5の境界部に設けられる。画素形成部20xは、画素5の輪郭を形成する。
なお、前述したように、色材7は、各画素領域の開口H1の内部から、BM開口側部の上面に渡って設けられる。すなわち、色材7の一部は、BM開口側部上に重なるように設けられる。この構成は、仮に、色材7の一部とBM開口側部との重なりのずれが生じた状態を考慮した構成である。具体的には、当該構成は、BM開口側部と色材7との間に隙間が存在することにより、意図されない無彩色の光が、基板120を透過することを防止する構成である。
図2のように、ブラックマトリクス20は、映像の表示において不要な光を遮光するために、基板120が有する周辺領域R20のほぼ全体に設けられる。すなわち、図2のように、基板120が有する周辺領域R20において、ブラックマトリクス20が設けられていない領域が存在する。
なお、ブラックマトリクス20は、基板120が有する周辺領域R20全体に設けられてもよい。すなわち、ブラックマトリクス20は、基板120が有する周辺領域R20の一部または全てに設けられる。
共通電極123は、ブラックマトリクス20および各色材7を覆うように設けられる。共通電極123は、前述の各画素電極113を利用して、液晶層30において電界を発生させるための電極である。
配向膜122は、液晶31を配向させるための膜である。配向膜122は、当該配向膜122が表示領域R10内の共通電極123の一部を覆うように、設けられる。すなわち、基板120に含まれる配向膜122の一方の面と、ブラックマトリクス20を覆う共通電極123の一部の一方の面は、液晶層30に接する。そのため、ブラックマトリクス20は、基板120のうち液晶層30に接する面側に設けられる。
また、基板110のトランスファ電極(図示せず)と共通電極123とは、トランスファ材により電気的に接続されている。当該トランスファ材は、樹脂内に導電性粒子を分散させた部材である。当該導電性粒子は、導通状態を安定的に保つために、弾性変形可能なものが好ましい。当該導電性粒子は、例えば、表面に金メッキが施された球形の樹脂である。
なお、端子116は、外部から共通電極123へ向かう信号も受信する。当該信号は、端子116を介して、共通電極123へ送信される。
また、前述したように、液晶表示装置500は、さらに、光源としてのバックライトユニット(図示せず)を備える。当該バックライトユニットは、液晶パネル100が映像を表示するために使用される光を出射する。以下においては、バックライトユニットから出射される光を、「光La」ともいう。
バックライトユニットは、図2において、基板110の下方に設けられる。なお、液晶パネル100と、バックライトユニットとの間には、光学シート(図示せず)が設けられる。当該光学シートは、光の偏光状態、光の指向性等を制御するシートである。
バックライトユニットは、液晶パネル100の基板110に向けて光Laを出射する。当該光Laは、表示領域R10において、基板110を透過して、液晶層30に入射する。液晶層30は、外部からの制御に従って、バックライトユニットから出射される光Laを透過させる量を変化させる。以下においては、液晶層30に光Laが入射されることにより、液晶層30から出射される光Laを、「出射光Lb」ともいう。
液晶パネル100は、液晶層30から出射される出射光Lbを、基板120における前述の各色材7の一部または全てにおいて透過させることにより、表示領域R10に映像を表示する。以下においては、基板120のうち、表示領域R10に映像を表示する面を、「表示面」ともいう。表示面は、例えば、図2の基板120の上面である。
なお、液晶表示装置500は、さらに、筐体(図示せず)を備える。当該筐体は、表示面を外部に露出させるための開口が設けられる。液晶表示装置500の筐体は、当該液晶表示装置500が備える各構成要素を収容する。当該各構成要素は、例えば、液晶パネル100、バックライトユニット、光学シート等である。
次に、表示面に映像を表示するための処理(以下、「映像表示処理」ともいう)について簡単に説明する。映像表示処理では、例えば、制御基板135が出力した制御信号を、駆動IC141が受信する。当該駆動IC141は、各ゲート配線WG1、各ソース配線WS1および各スイッチング素子SW1を利用して、複数の画素領域(画素5)の一部または全てへ信号を送信する。
これにより、信号を受信した各画素領域の画素電極113と共通電極123と間に、所定の駆動電圧が発生する。当該駆動電圧の発生に応じて、当該駆動電圧が発生した画素領域の液晶31の向きが変化する。そして、バックライトユニットが出射する光Laは、表示領域R10において、基板110を透過して、液晶層30に入射する。そして、前述の出射光Lbが、基板120における前述の各色材7の一部または全てにおいて透過することにより、表示面(表示領域R10)に映像が表示される。
(特徴的な構成)
次に、本実施の形態における特徴的な構成(以下、「特徴構成X1」ともいう)について詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る液晶パネル100の構成を示す平面図である。なお、図4では、構成を分かり易くするために、一部の構成要素を簡略化して示している。また、図4では、特徴構成X1を分かり易くするために、周辺領域R20の一部の幅を、実際の幅よりも大きくしている。
図4を参照して、液晶パネル100は、平面視(XY面)において、周辺領域R20は配線領域R20wを有する。配線領域R20wは、平面視(XY面)において、液晶層30、配線、回路等が設けられる領域である。配線領域R20wには、平面視(XY面)において、配線W1が設けられる。配線W1は、前述の検査用配線119、前述の検査回路(図示せず)を構成する配線、前述の接続配線(図示せず)等である。すなわち、配線領域R20wには、液晶層30において電界を発生させる配線W1が設けられる。つまり、配線領域R20wは、液晶層30に電界が印加されることにより液晶31の向きが変化する領域である。
なお、前述したように、平面視(XY面)において、ブラックマトリクス20は、周辺領域R20に設けられる。なお、平面視(XY面)において、ブラックマトリクス20は、配線領域R20w全体に設けられる。なお、平面視(XY面)において、ブラックマトリクス20は、配線領域R20wの一部に設けられてもよい。
図5は、本発明の実施の形態1に係る液晶パネル100の断面図である。具体的には、図5は、図4のB1−B2線に沿った、液晶パネル100の断面図である。すなわち、図5は、液晶パネル100の配線領域R20wの断面図である。なお、図5では、特徴構成X1を分かり易くするために、図2に示される一部の構成要素を、省略または簡略化して示している。例えば、図5では、図2に示される、スペーサSP1等は示していない。
以下においては、平面視(XY面)において、周辺領域R20のうちブラックマトリクス20が設けられた領域を、「周辺BM領域」ともいう。すなわち、周辺BM領域には、光量低減部材であるブラックマトリクス20が設けられる。
また、以下においては、平面視(XY面)において、表示領域R10のうちブラックマトリクス20が設けられた領域を、「表示BM領域」ともいう。すなわち、平面視(XY面)において、表示領域R10は、表示BM領域を有する。
また、以下においては、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20を、「表示領域用BM」ともいう。表示領域用BMは、例えば、図3における前述の画素形成部20xである。また、以下においては、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20を、「周辺領域用BM」ともいう。
特徴構成X1は、周辺領域R20の周辺BM領域の光の透過率を、表示領域用BMの光の透過率より小さくするための構成である。すなわち、特徴構成X1は、周辺領域用BMの光の透過率を、表示領域用BMの光の透過率より小さくするための構成である。
特徴構成X1では、平面視(XY面)において周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、平面視(XY面)において表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さくなるように、周辺領域用BMの厚みが、表示領域用BMの厚みより大きくされる。具体的には、特徴構成X1では、表示領域用BMを単層で構成し、周辺領域用BMを複数の層で構成する。
また、特徴構成X1では、基板120が有する表示領域R10および周辺領域R20において、ブラックマトリクス21が設けられる。ブラックマトリクス21は、ブラックマトリクス20を構成する前述した材料と同じ材料で構成される。ブラックマトリクス21は、ガラス基板121の一方の面に設けられる。すなわち、特徴構成X1では、表示領域R10に設けられるブラックマトリクス20(表示領域用BM)は、ブラックマトリクス21のみで構成される。
また、図2および図5のように、周辺BM領域のブラックマトリクス21の一方の面にはブラックマトリクス22が設けられる。すなわち、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20(周辺領域用BM)は、ブラックマトリクス21,22で構成される。ブラックマトリクス22は、ブラックマトリクス20を構成する前述した材料と同じ材料で構成される。また、ブラックマトリクス22の厚みは、ブラックマトリクス21の厚みと同じまたは同等である。なお、ブラックマトリクス22の厚みは、ブラックマトリクス21の厚みと同等でなくてもよい。
以上により、特徴構成X1では、平面視(XY面)において周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、平面視(XY面)において表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。また、周辺領域用BMの厚みは、表示領域用BMの厚みより大きい。そのため、周辺BM領域の光の透過率は、表示領域用BMの光の透過率より小さい。したがって、特徴構成X1により、以下の比較例に係る液晶パネルの周辺領域R20、特に、配線領域R20wにおける光抜けの発生を、抑制または防ぐことができる。
図23は、比較例に係る液晶パネル900の平面図である。液晶パネル900は、図4および図5の液晶パネル100と比較して、上記の特徴構成X1を有さない。液晶パネル900のそれ以外の構成は、液晶パネル100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
図23のように、液晶パネル900では、周辺領域R20内の配線領域R20wにおいて光抜け部LP1が発生している。光抜け部LP1とは、液晶パネル900が映像(例えば、白色のベタ)を表示している際に、バックライトユニットからの出射光が、基板120を透過した部分である。すなわち、液晶パネル900では、配線領域R20wにおいて光抜けが発生している。光抜け部LP1は、例えば、配線W1が設けられた領域に存在する。配線W1は、前述したように、検査用配線119、検査回路を構成する配線、接続配線等である。
なお、本実施の形態では、表示領域用BMの厚みは大きくしない。そのため、図6のように、表示領域用BM(ブラックマトリクス20,21)の厚みを色材7の厚みよりも小さくすることができる。
また、本実施の形態では、図3を用いて説明したように、色材7の一部は、BM開口側部上に重なるように設けられる。すなわち、色材7は、図6のように設けられる。そのため、図24のように、色材7の一部がBM開口側部上に設けられていない構成の領域R9を起因とする光抜けは発生しない。図24の矢印は、光抜けに関わる光を示す。図6および図24の領域R9は、BM開口側部(ブラックマトリクス20,21)と色材7との段差が存在する領域である。図24の構成の光抜けは、領域R9における上記の段差による液晶の配向異常を起因とする光抜けである。
また、本実施の形態では、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。これにより、周辺領域R20における基板110と基板120とのギャップを狭くすることができる。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値を、表示BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値よりも小さくすることが出来る。リタデーション値とは、液晶層を光が通過する際に発生する常光および異常光の位相差を示す値である。したがって、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
なお、この場合、リタデーション値と透過率との関係は、図7のようになる。図7において、横軸は、リタデーション値である。縦軸は、透過率を示す。図7を参照して、周辺領域R20のリタデーション値に対応する透過率は、表示領域R10のリタデーション値に対応する透過率より小さい。
以下においては、平面視(XY面)において、周辺領域R20のうち液晶層30が設けられた領域を、「周辺液晶領域R2c」ともいう。また、以下においては、平面視(XY面)において、周辺液晶領域R2cのうち、配線W1が設けられている領域を、「周辺液晶領域R2cw」ともいう。周辺液晶領域R2cwは、液晶層30に電界が印加されることにより、液晶31の向きが変化する領域である。
また、以下においては、平面視(XY面)において、周辺液晶領域R2cに存在する液晶31を、「液晶31a」ともいう。液晶31aは、周辺液晶領域R2cに存在する液晶層30に電界が印加されることにより、当該液晶31aの向きが変化する液晶である。
また、以下においては、平面視(XY面)において、周辺液晶領域R2cのうち周辺液晶領域R2cw以外の領域に存在する液晶31を、「液晶31n」ともいう。液晶31nは、周辺液晶領域R2cに存在する液晶層30に電界が印加された場合においても、当該液晶31nの向きが変化しない液晶である。
なお、特徴構成X1は、以下の変形構成X1aであってもよい。当該変形構成X1aは、例えば、図8のように、ブラックマトリクス22を周辺液晶領域R2cのみに設ける構成である。
図8の変形構成X1aによれば、ギャップ長d1bは、ギャップ長d1aより大きい。ギャップ長d1bは、図8の変形構成X1aにおいて、基板120のうち周辺液晶領域R2c以外の領域に存在する部分と基板110との間隔である。ギャップ長d1aは、図5の構成における、基板120と基板110との間隔である。すなわち、図8の変形構成X1aでは、シール材SL1を形成するための領域のギャップが小さくなることはない。そのため、図8の変形構成X1aでは、シール材SL1の形成を、図5の構成よりも安定的に行うことができる。
なお、変形構成X1aは、ブラックマトリクス22を、周辺液晶領域R2cwのみに設ける構成であってもよい。
また、本実施の形態のブラックマトリクス20(BM)は、例えば、公知のハーフトーン露光技術を使用して生成される。当該ブラックマトリクス20(BM)は、BM形成用の露光マスクにハーフトーンマスクを使用する技術である。これにより、BMの形成工程は、1工程で完了するので、液晶パネルを製造するための工程数が増えることはない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板120は、表示領域R10と周辺領域R20とを有する。平面視(XY面)において、周辺領域R20は液晶層30において電界を発生させる配線W1が設けられる配線領域R20wを有する。周辺領域R20のうちブラックマトリクス20が設けられた周辺BM領域の光の透過率は、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20の光の透過率より小さい。
これにより、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20の光の透過率を維持しつつ、配線領域R20wを有する周辺領域R20の光の透過率を低くした液晶パネルを提供することが実現できる。すなわち、表示領域R10に配置されるブラックマトリクス20の特性および膜厚を変えることなく、周辺領域R20の光抜けを改善することができる。
また、本実施の形態では、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。すなわち、周辺領域R20における基板110と基板120とのギャップを狭くすることができる。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値を、表示BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値よりも小さくすることが出来る。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。これにより、周辺領域R20の光抜けに関わる光量を低減することができる。
また、本実施の形態では、周辺領域R20(周辺BM領域)における光量低減部材(ブラックマトリクス20)の厚みが、表示領域R10のブラックマトリクス20の厚みより大きい。そのため、所望の領域(周辺BM領域)においてのみ、光抜けに関わる光量を効果的に減らすことが出来る。
また、光量低減部材が厚いことにより、周辺領域R20(周辺BM領域)の液晶層30の厚みは小さくなる。そのため、当該液晶層30の透過率を下げるができる。これにより、周辺領域R20(周辺BM領域)の光抜けを、抑制または防止する効果も得られる。
以上により、本実施の形態では、高輝度な光を出射するバックライトを使用する構成においても、配線領域R20wを含む周辺領域R20(周辺BM領域)の光抜けを、抑制または防止することができる。
なお、本実施の形態では、液晶パネル100は、制御基板135a,135bおよび接続ケーブル136a,136bを含む構成としたが、これに限定されない。液晶パネル100は、例えば、制御基板135a,135bおよび接続ケーブル136a,136bを含まない構成としてもよい。当該構成では、液晶表示装置500が、制御基板135a,135bおよび接続ケーブル136a,136bを含む。
なお、前述したように、一般に、液晶表示装置に含まれる液晶パネルでは、表示領域の周辺に設けられる周辺領域にも液晶層は存在する。なお、周辺領域の液晶層に対しても電界が印加される。そのため、液晶パネルが白色のベタ画像を表示した場合、周辺領域から意図しない光が発生するという光抜けが発生するという問題がある。
この光抜けを防ぐ方法には、電界を発生させるアレイ配線側の電界を遮蔽する方法がある。この方法は、IPS(In Plane Switching)モードの液晶パネルのように、対向する2つの基板間において電界が生じないものに対しては有効である。しかしながら、TNモードまたはVAモードの液晶パネルのように、対向する2つの基板間に電界が生じるものに対しては有効でない。
また、アレイ配線側の電界の遮蔽には、当該配線より上層に、別途、絶縁膜を介してシールド層を形成する必要がある。シールド層を形成する場合、プロセス増加によるコストの増加、設計における制約の発生等の新たな問題が発生する。
また、前述の関連技術Bでは、IPS方式(モード)の液晶表示装置に設けられる、周辺領域の遮光層(ブラックマトリクス)は、十分な遮光性を実現するOD値を有し、かつ、高い比抵抗を有する。これにより、関連技術Bにおける、IPS方式の液晶表示装置のカラーフィルタ基板は十分な遮光性を有する。しかしながら、関連技術Bは、TNモードまたはVAモードの液晶パネルに対し、バックライトが高輝度の光を照射する構成における周辺領域の光抜けの問題を解決する技術ではない。
また、関連技術Bは、周辺領域、特に配線領域における液晶の駆動による光抜けの問題を解決する技術ではない。当該配線領域は、電界が印加され液晶が駆動される領域である。例えば、当該配線領域は、接続配線(信号引き出し配線)および検査回路の配線の近傍の領域である。
そこで、本実施の形態の液晶パネル100(液晶表示装置500)は上記のように構成されるため、上記の問題点を解決することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、周辺領域R20のBMの厚みを大きくするためにブラックマトリクス22を使用した。本実施の形態の構成は、周辺領域R20のBMの厚みを大きくするために色材を用いる構成(以下、「変形構成A」ともいう)である。以下においては、変形構成Aを適用した液晶パネル100を、「液晶パネル100A」ともいう。
図9は、本発明の実施の形態2に係る液晶パネル100Aの構成を示す断面図である。図9は、図5の構成が設けられる位置と同じ位置における液晶パネル100Aの構成を示す。すなわち、図9は、図4のB1−B2線に沿った、変形構成Aを適用した液晶パネル100Aの断面図である。つまり、図9は、配線領域R20wにおける、液晶パネル100Aの一部の構成を示す。
液晶パネル100Aは、図5の液晶パネル100と比較して、基板120の代わりに基板120Aを備える点が異なる。液晶パネル100Aのそれ以外の構成は、液晶パネル100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
基板120Aは、図5の基板120と比較して、ブラックマトリクス22の代わりに色材7Aを含む点が異なる。基板120Aのそれ以外の構成は、基板120と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
色材7Aは、色材7を構成する材料と同じ材料で構成される色材である。すなわち、色材7Aは、当該色材7Aに光が照射された場合、当該光の一部を吸収する光量低減部材である。
なお、図9を参照して、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20(周辺領域用BM)は、ブラックマトリクス21のみで構成される。また、図9の構成によれば、平面視(XY面)において、周辺領域R20の前述の周辺BM領域には色材7A(光量低減部材)が設けられる。すなわち、周辺領域用BM上には、色材7A(光量低減部材)が設けられる。
色材7Aは、単層で構成される。色材7Aは、例えば、色材7R,7G,7Bのうち、最も透過率が低い色材7Bで構成される。なお、図9の色材7Aは、前述の色材7Rまたは色材7Gで構成されてもよい。
また、図9の構成では、実施の形態1と同様、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。これにより、周辺領域R20における基板110と基板120Aとのギャップを狭くすることができる。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値を、表示BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値よりも小さくすることが出来る。したがって、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
なお、変形構成Aにおける色材7Aは、図10のように、複数の層で構成されてもよい。当該複数の層は、透過光の波長依存性の異なる複数の色材である。すなわち、色材7Aは、波長領域が殆ど重ならない、高透過率の2種類以上の色材を積み重ねて構成される。以下においては、図10の構成を、「変形構成A1」ともいう。
具体的には、図10の変形構成A1では、色材7Aは、互いに異なる色を示す色材7a,7bを積み重ねて構成される。色材7aは、例えば、色材7Bである。色材7bは、例えば、色材7Gである。これにより、変形構成A1では、色材7Aを単層で構成した場合よりも、遮光性能を向上させることができる。したがって、変形構成A1では、周辺領域R20、特に、配線領域R20wにおける光抜けの発生を、十分に抑制することができる。
なお、図10の構成において、色材7Aを構成する色材の数は2に限定されず、3以上であってもよい。
色材7Aを構成する各色材(各層)は、周辺領域R20に対して必要とされる遮光性能に適応した方法により生成される。例えば、色材7Aを構成する各色材は、ハーフトーンマスクを使用したハーフトーン露光技術を使用して生成される。また、例えば、色材7Aを構成する各色材の一部のみがハーフトーン露光技術を使用して生成されてもよい。また、例えば、色材7Aを構成する各色材は、ハーフトーン露光技術を使用せずに生成されてもよい。
なお、図10の変形構成A1でも、図9の構成と同様、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
また、図11のように、変形構成Aにおける色材7Aの厚みは、図9の色材7Aの厚みより大きくなるように構成されてもよい。なお、図11では、構成を分かりやすくするために、配線領域R20wには存在しない色材7(表示領域R10の色材7R,7G,7B)を示している。以下においては、図11の構成を、「変形構成A2」ともいう。
図11の色材7Aの厚さは、ハーフトーンマスクを使用したハーフトーン露光技術を使用して設定される。図11の変形構成A2においても、図10の変形構成A1と同様の効果が得られる。
また、図11の変形構成A2でも、図9の構成と同様、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みが、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
なお、図9、図10および図11の構成は、色材7Aを、周辺液晶領域R2cのみ、または、周辺液晶領域R2cwのみに設ける構成であってもよい。
図12の構成(以下、「変形構成Ax」ともいう)は、一例として、図9の構成の色材7Aを、周辺液晶領域R2cのみに設けた構成である。また、図13の構成(以下、「変形構成A1x」ともいう)は、一例として、図10の構成の色材7Aを、周辺液晶領域R2cのみに設けた構成である。また、図14の構成(以下、「変形構成A2x」ともいう)は、一例として、図11の構成の色材7Aを、周辺液晶領域R2cのみに設けた構成である。
図12の変形構成Axによれば、ギャップ長d21bは、ギャップ長d21aより大きい。ギャップ長d21bは、変形構成Axにおいて、基板120Aのうち周辺液晶領域R2c以外の領域に存在する部分と基板110との間隔である。ギャップ長d21aは、図9の構成における、基板120Aと基板110との間隔である。
また、図13の変形構成A1xによれば、ギャップ長d22bは、ギャップ長d22aより大きい。ギャップ長d22bは、変形構成A1xにおいて、基板120Aのうち周辺液晶領域R2c以外の領域に存在する部分と基板110との間隔である。ギャップ長d22aは、図10の変形構成A1において、基板120Aと基板110との間隔である。
また、図14の変形構成A2xによれば、ギャップ長d23bは、ギャップ長d23aより大きい。ギャップ長d23bは、変形構成A2xにいて、基板120Aのうち周辺液晶領域R2c以外の領域に存在する部分と基板110との間隔である。ギャップ長d23aは、図11の変形構成A2において、基板120Aと基板110との間隔である。
図12、図13および図14の構成によれば、実施の形態1の図8の変形構成X1aと同様な効果を得ることができる。すなわち、シール材SL1の形成を、安定的に行うことができる。
また、本実施の形態では、光量低減部材である色材7Aは、色材7を構成する材料と同じ材料で構成される色材である。そのため、色材7Aを、表示領域R10の色材7と、同時に形成することができる。したがって、色材7Aを低コストで形成することができる。
また、色材7Aは、図10の変形構成A1のように、複数の層で構成されてもよい。すなわち、色材7Aは、前述したように、当該複数の層は、透過光の波長依存性の異なる複数の色材である。すなわち、色材7Aは、波長領域が殆ど重ならない2種類の色材を積み重ねて構成される。これにより、色材7Aを、遮光作用の高い遮光部材として機能させることができる。
また、光量低減部材である色材7Aが厚いことにより、周辺領域R20(周辺BM領域)の液晶層30の厚みは小さくなる。そのため、当該液晶層30の透過率を下げるができる。これにより、周辺領域R20(周辺BM領域)の光抜けを、抑制または防止する効果も得られる。
<実施の形態3>
本実施の形態の構成は、周辺BM領域のブラックマトリクスを、光学濃度であるOD(Optical Density)値が高い材料で生成した構成(以下、「変形構成B」ともいう)である。以下においては、変形構成Bを適用した液晶パネル100を、「液晶パネル100B」ともいう。
図15は、本発明の実施の形態3に係る液晶パネル100Bの構成を示す断面図である。図15は、図5の構成が設けられる位置と同じ位置における液晶パネル100Bの構成を示す。すなわち、図15は、図4のB1−B2線に沿った、変形構成Bを適用した液晶パネル100Bの断面図である。つまり、図15は、配線領域R20wにおける、液晶パネル100Bの一部の構成を示す。
液晶パネル100Bは、図5の液晶パネル100と比較して、基板120の代わりに基板120Bを備える点が異なる。液晶パネル100Bのそれ以外の構成は、液晶パネル100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
基板120Bは、図5の基板120と比較して、色材7Aを含まない点と、ブラックマトリクス20がブラックマトリクス20dのみで構成される点とが異なる。基板120Bのそれ以外の構成は、基板120と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
変形構成Bでは、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20(周辺領域用BM)を、ブラックマトリクス20dのみで構成する。すなわち、配線領域R20w(周辺BM領域)には、ブラックマトリクス20dが設けられる。
なお、変形構成Bでは、表示領域R10に設けられるブラックマトリクス20(表示領域用BM)は、ブラックマトリクス21のみで構成される。すなわち、表示領域R10には、ブラックマトリクス21が設けられる。なお、後述のように、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20も、ブラックマトリクス20dのみで構成されてもよい。
ブラックマトリクス20dは、ブラックマトリクス21よりも、光学濃度(OD値)が高い材料で構成される。すなわち、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20dの光学濃度(OD値)は、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス21の光学濃度(OD値)より大きい。これにより、実施の形態1と同様、周辺領域R20、特に、配線領域R20wにおける光抜けの発生を、抑制または防ぐことができる。
なお、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20も、ブラックマトリクス20dのみで構成(以下、「変形構成Ba」ともいう)するようにしてもよい。変形構成Baでは、表示領域R10および周辺領域R20にわたって設けられるブラックマトリクス20を、ブラックマトリクス20dのみで構成する。これにより、液晶パネル100Bに設けられるブラックマトリクスを1回の工程で生成することができる。そのため、液晶パネルを製造するための工程数の増加を抑制できる。さらに、高価なハーフトーンマスクを使用せずに、ブラックマトリクス20dは生成される。そのため、液晶パネルの製造における費用の削減を行うことができる。
なお、変形構成Baにおいて、周辺領域R20のブラックマトリクス20dの厚みを、表示領域R10のブラックマトリクス20dの厚みより大きくしてもよい。この構成により、ブラックマトリクス20dの厚みは以下のようになる。すなわち、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20dの厚みは、表示領域R10に設けられたブラックマトリクス20dの厚みより大きい。したがって、液晶層30の厚みは以下のようになる。すなわち、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みは、表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。そのため、実施の形態1と同様、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
また、本実施の形態では、ブラックマトリクス20dを構成する光学濃度(OD値)を調整することにより、所望の領域(周辺BM領域)においてのみ、光抜けに関わる光量を効果的に減らすことが出来る。
<実施の形態4>
本実施の形態の構成は、位相差膜を使用した構成(以下、「変形構成C」ともいう)である。以下においては、変形構成Cを適用した液晶パネル100を、「液晶パネル100C」ともいう。
図16は、本発明の実施の形態4に係る液晶パネル100Cの構成を示す断面図である。図16は、図5の構成が設けられる位置と同じ位置における液晶パネル100Cの構成を示す。すなわち、図16は、図4のB1−B2線に沿った、変形構成Cを適用した液晶パネル100Cの断面図である。つまり、図16は、配線領域R20wにおける、液晶パネル100Cの一部の構成を示す。
液晶パネル100Cは、図5の液晶パネル100と比較して、基板120の代わりに基板120Cを備える点が異なる。液晶パネル100Cのそれ以外の構成は、液晶パネル100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
基板120Cは、図5の基板120と比較して、位相差膜13をさらに含む点が異なる。基板120Aのそれ以外の構成は、基板120と同様なので詳細な説明は繰り返さない。なお、図16を参照して、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス20(周辺領域用BM)は、ブラックマトリクス21のみで構成される。
位相差膜13は、周辺BM領域に設けられたブラックマトリクス21上に設けられる。位相差膜13は、詳細は後述するが、周辺BM領域の光の透過率が、表示領域R10に設けられた周辺領域用BMの光の透過率より小さくなるように、当該位相差膜13を通過する光の位相を変化させるように構成される。
位相差膜13は、振動方向が互いに直交する2種類の偏光の間に位相差を発生させる膜である。当該2種類の偏光は、位相差膜13を光が通過する際に発生する光である。位相差膜13は、遅相軸および進相軸を有する。
なお、変形構成Cでは、基板110の偏光板51は、平面視(XY面)において、当該偏光板51の吸収軸が基板120Cの偏光板52の吸収軸と直交するように、設けられる。
また、変形構成Cでは、偏光板51と偏光板52との間に位相差膜13が存在する。そのため、偏光板51および液晶層30を通過した光が当該位相差膜13を通過する際、当該光(偏光)の位相が変化する。位相差膜13から出射する、Z方向へ向かう光は、偏光板52に入射する。そのため、偏光板52に入射した光の振動方向が、偏光板52の透過軸に沿った方向である場合、偏光板52から光が出射する。したがって、位相差膜13の特性を変化させることにより、偏光板52から出射される光の強度は変化する。
そこで、位相差膜13は、当該位相差膜13から出射する光であって、かつ、偏光板52に照射される光に対し、人が視認出来ない程度の位相差を発生させるように構成される。例えば、位相差膜13は、λ/2板またはλ/4板の機能と同じ機能を有するように構成される。例えば、λ/2板は、振動方向が互いに直交する2種類の偏光の間に180度の位相差を発生させる板である。
位相差膜13がλ/2板の機能と同じ機能を有するように構成されている場合、位相差膜13の遅延軸は、偏光板51の吸収軸と偏光板52の吸収軸との両方に重ならないように設定される。なお、このように設定された複数の位相差膜13を積み重ねる構成としてもよい。この構成では、各位相差膜13の遅延軸は、偏光板51の吸収軸と偏光板52の吸収軸との両方に重ならないように設定される。
位相差膜13がλ/4板の機能と同じ機能を有するように構成されている場合、当該位相差膜13は、楕円偏光を発生させる機能を有する。そのため、位相差膜13がλ/4板の機能と同じ機能を有するように構成されている場合、位相差膜13の遅延軸は、偏光板51の吸収軸と偏光板52の吸収軸との両方に重ならないように設定される。この構成の場合、上記のように、複数の位相差膜13を積み重ねる構成とする必要はない。
以上のように、位相差膜13を設定することにより、例えば、液晶パネル100Cが白色のベタ画像を表示した場合においても、配線領域R20wにおける光抜けの発生を抑制することができる。
なお、仮に、偏光板51の吸収軸と偏光板52の吸収軸とが直交しない構成であっても、位相差膜13の遅延軸の配置角度(位相差値)を変えることにより、上記と同様の効果が得られる。
また、変形構成Cでは、位相差膜13の厚みの分だけ、ギャップ長を小さくすることができる。具体的には、変形構成Cでは、周辺BM領域に存在する液晶層30の厚みは、平面視(XY面)において表示BM領域に存在する液晶層30の厚みより小さい。これにより、周辺領域R20における基板110と基板120Cとのギャップを狭くすることができる。そのため、周辺BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値を、表示BM領域に存在する液晶層30のリタデーション値よりも小さくすることが出来る。したがって、周辺BM領域に存在する液晶層30の透過率を、表示BM領域に存在する液晶層30の透過率より小さくすることができる。
なお、変形構成Cは、図17のように、位相差膜13を周辺液晶領域R2cのみに設ける構成であってもよい。また、変形構成Cは、位相差膜13を、周辺液晶領域R2cwのみに設ける構成であってもよい。
図17の構成(以下、「変形構成Cx」ともいう)によれば、ギャップ長d3bは、ギャップ長d3aより大きい。ギャップ長d3bは、図17の変形構成Cxにおいて、基板120Cのうち周辺液晶領域R2c以外の領域に存在する部分と基板110との間隔である。ギャップ長d3aは、図16の構成における、基板120Cと基板110との間隔である。すなわち、図17の変形構成Cxでは、シール材SL1を形成するための領域のギャップが小さくなることはない。そのため、変形構成Cxでは、シール材SL1の形成を、図16の構成よりも安定的に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、例えば、液晶パネル100Cが白色のベタ画像を表示した場合においても、周辺BM領域の透過率を下げることができる。
また、本実施の形態によれば、位相差膜13は、周辺BM領域の光の透過率が、表示領域R10に設けられた周辺領域用BMの光の透過率より小さくなるように、当該位相差膜13を通過する光の位相を変化させるように構成される。そのため、液晶パネル100Cが白色のベタ画像を表示した場合における、当該液晶層30および位相差膜13の働きにより、周辺BM領域の光の透過率を下げることができる。したがって、周辺領域R20(周辺BM領域)の光抜けに関わる光量を効果的に減らすことが出来る。
<実施の形態5>
本実施の形態の構成は、周辺領域R20に液晶層30を設けない構成(以下、「変形構成D」ともいう)である。以下においては、変形構成Dを適用した液晶パネル100を、「液晶パネル100D」ともいう。
図18は、本発明の実施の形態5に係る液晶パネル100Dの構成を示す平面図である。図19は、本発明の実施の形態5に係る液晶パネル100Dの構成を示す断面図である。具体的には、図19は、図18のC1−C2線に沿った、液晶パネル100Dの断面図である。なお、図19では、構成を見やすくするために、後述のスペーサSP2のうちXZ面と平行な部分は示していない。
液晶パネル100Dは、図5の液晶パネル100と比較して、スペーサSP2をさらに備える点が異なる。液晶パネル100Dのそれ以外の構成は、液晶パネル100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
なお、変形構成Dでは、表示領域R10および周辺BM領域(周辺領域R20)に設けられたブラックマトリクス20は、ブラックマトリクス21のみで構成される。
スペーサSP2は、基板110と基板120との間に設けられる。前述したように、各スペーサSP1は、表示領域R10に設けられる。スペーサSP2は、以下の前提Aにおいては、スペーサSP1を構成する材料と同じ材料で構成されることが好ましい。前提Aは、表示領域R10に設けられるスペーサSP1が、有機樹脂膜をパターニングすることにより形成される柱状のスペーサであるという前提である。スペーサSP2がスペーサSP1を構成する材料と同じ材料で構成される場合、共通の有機樹脂膜をパターニングすることにより、スペーサSP2およびスペーサSP1を形成することができる。そのため、新たな工程を追加することなく低コストでスペーサSP2およびスペーサSP1を形成することができる。なお、スペーサSP2は、基板110および基板120のいずれに形成されてもよい。スペーサSP2の形状は、例えば、柱状である。
図18および図19を参照して、平面視(XY面)におけるスペーサSP2の形状は、閉ループ状(枠状)である。平面視(XY面)において、スペーサSP2は、表示領域R10と周辺領域R20との境界部に設けられる。また、平面視(XY面)において、スペーサSP2は、周辺領域R20の周辺BM領域と表示領域R10との境界部に設けられる。
また、平面視(XY面)において、液晶層30は、周辺領域R20の周辺BM領域に設けられず、表示領域R10に設けられる。
スペーサSP2は、スペーサを形成する工程において、表示領域R10の周縁部(端部)に形成される。そして、滴下注入方式により、周辺領域R20(周辺BM領域)に液晶が入らないように、表示領域R10のみに液晶が配置(滴下)される。このとき、スペーサSP2は土手として機能する。
次に、スペーサSP2は、基板110および基板120により挟まれる。基板110および基板120は、シール材SL1により、互いに貼り合わせられる。次に、通常の工程(切断、洗浄、偏光板の貼り付け、IC実装、バックライト組立)等が行われる。これにより、液晶パネル100Dが製造される。
変形構成Dが適用された液晶パネル100Dでは、配線領域R20wを有する周辺領域R20(周辺BM領域)に液晶層30が存在しない。そのため、液晶層30に電界が印加された場合でも、周辺領域R20(周辺BM領域)において光抜けが発生することはない。
なぜならば、前述したように、偏光板51の吸収軸は偏光板52の吸収軸と直交し、かつ、偏光板51と偏光板52との間の空間には、ガラス、空気およびスペーサSP2が存在するためである。当該ガラスおよび空気は、当該ガラスおよび空気を通過する光の位相を変化させない。
なお、スペーサSP2は、ブラックマトリクス、色材等で構成されてもよいし、それらが積み重ねられて構成されてもよい。
本実施の形態では、上記のように、配線領域R20wを有する周辺領域R20(周辺BM領域)に液晶層30が存在しない。そのため、周辺領域R20(配線領域R20w)において液晶の向きが変化することに起因する、光の位相差の発生を防ぐことができる。これにより、周辺領域R20(配線領域R20w)の遮光性を向上させることが出来る。
<実施の形態6>
本実施の形態の構成は、周辺領域R20に液晶層30を設けない別の構成(以下、「変形構成E」ともいう)である。以下においては、変形構成Eを適用した液晶パネル100を、「液晶パネル100E」ともいう。
図20は、本発明の実施の形態6に係る液晶パネル100Eの構成を示す平面図である。図21は、本発明の実施の形態6に係る液晶パネル100Eの構成を示す断面図である。具体的には、図21は、図20のD1−D2線に沿った、液晶パネル100Eの断面図である。なお、図21では、構成を見やすくするために、後述のシール材SL2のうちXZ面と平行な部分は示していない。
液晶パネル100Eは、図19の液晶パネル100Dと比較して、スペーサSP2のかわりにシール材SL2を備える点が異なる。液晶パネル100Eのそれ以外の構成は、液晶パネル100Dと同様なので詳細な説明は繰り返さない。
シール材SL2は、基板110と基板120との間に設けられる。シール材SL2は、シール材SL1を構成する材料と同じ材料で構成される。
図20および図21を参照して、平面視(XY面)におけるシール材SL2の形状は、閉ループ状(枠状)である。平面視(XY面)において、シール材SL2は、表示領域R10と周辺領域R20との境界部に設けられる。また、平面視(XY面)において、シール材SL2は、周辺領域R20の周辺BM領域と表示領域R10との境界部に設けられる。
また、平面視(XY面)において、液晶層30は、周辺領域R20の周辺BM領域に設けられず、表示領域R10に設けられる。
変形構成Eが適用された液晶パネル100Eでは、周辺領域R20(周辺BM領域)に液晶層30が存在しない。そのため、液晶層30に電界が印加された場合でも、周辺領域R20(周辺BM領域)において光抜けが発生することはない。
なぜならば、前述したように、偏光板51の吸収軸は偏光板52の吸収軸と直交し、かつ、偏光板51と偏光板52との間の空間には、ガラス、空気およびシール材SL2が存在するためである。
本実施の形態では、上記のように、配線領域R20wを有する周辺領域R20(周辺BM領域)に液晶層30が存在しない。そのため、周辺領域R20(配線領域R20w)において液晶の向きが変化することに起因する、光の位相差の発生を防ぐことができる。これにより、周辺領域R20(配線領域R20w)の遮光性を向上させることが出来る。
また、本実施の形態では、基板110と基板120との間にシール材SL2がさらに追加されるため、基板110と基板120とが密着する強度を向上させることができる。
(液晶表示装置の製造)
次に、上記各実施の形態の液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、ここでは、一例として、主に、実施の形態1に係る液晶表示装置500の主要部分である液晶パネル100の製造方法について、図22のフローチャートにしたがって説明する。
なお、液晶パネルは、通常、最終的な液晶パネルのサイズよりも大きなマザー基板から切り出される1枚以上の基板を使用して製造される。図22のステップS1〜S9およびステップS10の途中までのプロセスは、当該マザー基板に対し行われるプロセスである。
まず、基板準備工程において、マザー基板の状態で、基板110,120が準備される。基板110,120の製造工程は、一般的な工程を用いても良いため、簡単に説明する。
基板110の製造においては、まず、ガラス基板111の一方の面に各スイッチング素子SW1、配線W1、画素電極113、端子116、トランスファ電極(図示せず)等が形成される。なお、配線W1は、前述したように、検査用配線119、検査回路を構成する配線、接続配線等である。これらは、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチング等のパターン形成工程が繰り返し行われることにより、形成される。
また、基板120は、基板110と同様な工程により形成される。これにより、ガラス基板121の一方の面に、各色材7、ブラックマトリクス20、共通電極123等が形成される。なお、有機樹脂膜をパターニングすることにより、ガラス基板121の一方の面には、さらに、スペーサSP1が形成される。
なお、ブラックマトリクス20の製造方法は、前述の実施の形態1〜3において、具体的に説明をしているため、詳細な説明は省略する。
また、実施の形態2の色材7Aは、前述したように、表示領域R10の色材7を構成する材料と同じ材料で構成される。周辺領域用BM上に設けられる、単層の色材7Aは、基板120を構成する色材(カラーレジスト)のパターニングの際に同時に形成される。なお、複数の層で構成される色材7Aも、上記と同様な方法により形成される。
単層または複数の層で構成される色材7Aの形成は、平面パターンの設計のみを変更すれば実施できる。そのため、単層または複数の層で構成される色材7Aは、従来のカラー基板の製造方法の延長で容易に形成することが可能である。
また、実施の形態5のスペーサSP2(土手)は、基板120の形成工程において、表示領域R10のスペーサSP1を形成するのと同時に、有機樹脂膜をパターニングすることにより形成すれば良い。
まず、ステップS1の基板洗浄工程では、配線W1が形成されている基板110が洗浄される。配線W1は、前述したように、検査用配線119、検査回路を構成する配線、接続配線等である。
次に、ステップS2の配向膜材料塗布工程では、基板110の一方の面に、配向膜材料が塗布される。続いて、ホットプレートなどを使用して、塗布された配向膜材料を焼成処理し、乾燥させる。
次に、ステップS3の配向処理工程において、上記の配向膜材料に対し配向処理が行われる。当該配向処理は、例えば、配向膜材料の表面に特定方向に沿った微細な溝、傷等を形成するラビング処理である。これにより、配向膜112が形成される。なお、配向膜112に対して行われる配向処理はラビング処理に限られず、光配向処理などの公知の配向処理であってもよい。
また、共通電極123等が形成されている基板120に対しても、上記と同様に、ステップS1,S2,S3が行われる。これにより、配向膜122が形成される。
なお、より詳細には、基板120上に形成されるスペーサSP1上も配向膜122で覆われる。しかしながら、スペーサSP1の高さよりも、配向膜122の厚みは十分に薄い。そのため、図では、スペーサSP1上に塗布された配向膜は図示していない。
次に、ステップS4において、スペーサSP1の高さが測定される。実施の形態1では、スペーサSP1は基板120上に形成される。そのため、基板120上における、初期のスペーサSP1の高さを測定すれば良い。
なお、スペーサSP1の高さの測定は、以降でも再度説明を行うが、滴下注入(ODF)方式で液晶を注入する工程における、液晶の滴下量を決定するために行われる。従って、液晶を満たす空間の容積に関係するセルギャップを決定するために、スペーサSP1の高さが測定される。なお、デュアルスペーサ構造が用いられる場合、メインスペーサの高さが測定される。
次に、ステップS5のシール材塗布工程では、スクリーン印刷装置が、基板110または基板120の主面に、シール材を塗布する。当該シール材は、弾性変形する樹脂ビーズを含む部材である。また、当該シール材は、液晶パネルの表示領域を囲むように塗布される。これにより、シール材SL1が形成される。
また、実施の形態5のシール材SL2は、このシール材塗布工程において、シール材SL1の形成と同時に形成される。
なお、基板110または基板120の主面に、シール材SL1を形成するための、導電性粒子を含むシール材を塗布してもよい。具体的には、基板110または基板120の主面のうち、基板110上のトランスファ電極と基板120の共通電極123とが重なる領域に、導電性粒子を含むシール材を塗布してもよい。これにより、基板110,120間において導通機能を持たせることができる。
また、トランスファ電極と共通電極123とが重なる領域に、別途、トランスファ材を塗布する構成としてもよい。当該トランスファ材は導電性粒子を含む樹脂ペーストからなる。当該構成では、トランスファ材塗布工程が、上記のステップS5の後に行われる。当該トランスファ材塗布工程は、上記のように、基板110または基板120の主面にトランスファ材を塗布する工程である。
また、実施の形態1では、基板110と基板120との間隔を規定するスペーサSP1の形状は、柱状としたがこれに限定されない。当該スペーサSP1の形状は、球状とする構成としてもよい。当該構成では、基板110または基板120の一方の面に球状のスペーサが散布される。この場合、上記のトランスファ材塗布工程と同様に、ステップS5の後に、スペーサ散布工程が行われる。
次に、ステップS6の液晶滴下工程では、シール材SL1が形成された基板の当該シール材SL1により形成される空間に液晶が滴下される。この液晶の滴下される量は、ステップS4において測定されたスペーサSP1の高さに基づいて決定される。
次に、ステップS7の貼り合わせ工程では、真空状態において、マザー基板の状態の基板110,120が互いに貼り合わせられる。これにより、マザーセル基板が形成される。
次に、ステップS8の紫外線照射工程では、当該マザーセル基板に紫外線が照射される。これにより、シール材SL1を、ある程度硬化させる。
その後、ステップS9では、加熱を行うアフターキュアが行われる。これにより、シール材SL1が完全に硬化する。その結果、硬化したシール材SL1が得られる。
次に、ステップS10のセル分断工程では、マザーセル基板がスクライブラインに沿って切断される。これにより、マザーセル基板が、複数の液晶パネルに分断される。
以上のように分断された各液晶パネルに対して、ステップS11の偏光板貼り付け工程、ステップS12の制御基板実装工程などが行われる。これにより、図1の液晶パネル100の製造が完了する。
更に、液晶パネル100の基板110の裏面側(非視認側)に、位相差板などの光学フィルムを介して、バックライトユニット(図示せず)が設けられる。そして、前述の筐体に、液晶パネル100と、バックライトユニット(図示せず)等の周辺部材が収容される。これにより、液晶表示装置500の製造が完了する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、液晶パネル100,100A,100B,100C,100D,100Eの一部または全てにおいて、カラーフィルタ基板にオーバーコート層を設けてもよい。オーバーコート層は、カラーフィルタ基板の表面全体の平坦化のために使用される。また、オーバーコート層は、透明樹脂膜で構成される。例えば、液晶パネル100には、オーバーコート層が、配向膜122およびブラックマトリクス20を覆うように、カラーフィルタ基板である基板120に設けられてもよい。すなわち、オーバーコート層は、平面視(XY面)において、各色材7、配向膜122およびブラックマトリクス20を覆うように設けられる。これにより、カラーフィルタ基板(基板120)の表面全体が平坦化される。
また、例えば、液晶パネル100,100A,100B,100C,100D,100Eの一部または全ては、TNモードの液晶パネルに限定されず、例えば、IPSモードの液晶パネルであってもよい。例えば、液晶パネル100がIPSモードの液晶パネルである場合、基板120に共通電極123は形成されず、当該共通電極123に信号を伝達するためのトランスファ電極、トランスファ材よりなる構成等は省略される。