JP6497701B2 - 非破壊検査方法およびその装置 - Google Patents
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Description
図5は本発明の第1の実施の形態に係る非破壊検査装置を示すブロック図である。同図に示すように、本形態に係る非破壊検査装置は、本形態における検査対象物である配管3にγ線を照射するγ線源1と、配管3に照射されたγ線に基づき生成されるコンプトン後方散乱γ線を入射して所定の処理を行う検出器2とを有する。γ線源1と、コンプトン後方散乱γ線を入射する検出器2とは、配管3に対し同じ側(図では左側)に配設されている。ここで、γ線源1は配管3の内周面の一点であるγ線との交点I1(図5におけるZ=a)を狙って配管3にγ線を照射するように配設してある。γ線の照射により、配管3においてはコンプトン後方散乱による散乱γ線が生成される。検出器2は、散乱γ線を検出するように、配管3に対しγ線源1と同じ側に配設してある。本形態においては、γ線源1から配管3に向かう直線が配管3の内周面に入射する入射角α1と、コンプトン後方散乱γ線の散乱角α2とが同一となるように、γ線源1に対する検出器2の相対位置が選定されている。ここで、入射角α1と散乱角α2との基準となる線上には鉛ブロック11が配設してある。鉛ブロック11はγ線源1側と検出器2側とを分離するためのものである。このように分離することでγ線源1側で配管3の表面等で反射されたγ線を遮蔽して検出器2に入射されるのを防止している。なお、このように鉛ブロック11を配設することは必須ではない。また、γ線源1と検出器2とが上述の如き位置関係(α1=α2)とすることも必須ではない。さらに、理想的には、γ線源1はペンシルビームと呼ばれる極めて細いγ線を照射し、検出器2は入射面が可及的に点に近い面を有するものとする。
配管3には、これを横断する一つの直線上に2箇所の肉厚部(壁部)が存在する。すなわち、同一直線上におけるγ線源1側(以下、これを「手前側」と称する。)の肉厚部とその反対側(以下、これを「奥側」と称する。)の肉厚部である。上記第1の実施の形態は、検査対象物である配管3の手前側の肉厚部における減肉の有無等を検出するものである。これに対し、減肉は配管3の奥側の肉厚部にも発生する場合がある。奥側の減肉を検出する場合には、配管3の奥側に向けてγ線源1からのγ線を照射する必要がある。すなわち、配管3の奥側の内周面の状態を検出する場合には、図6(a)に示すように奥側の内周面(Z=c)の一点を狙ってγ線を照射する必要がある。また、奥側の肉厚部の途中の位置(Z=d)の状態を検出する場合には、図6(b)に示すように位置(Z=d)の一点を狙ってγ線を照射する必要がある。ここで、図6(c)に示すように、Z=cからZ=dに至る減肉部3Bが発生した場合を考える。
図9は上記第2の実施の形態をさらに具体化した第1の実施例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施例におけるγ線源1はコリメーター4の内部に配設してあり、γ線源1から照射される消滅γ線の一部がコリメーター4により配管3の領域IIにおける肉厚部のZ=dの位置に向けて照射されるよう配設されている。
図10は上記第2の実施の形態をさらに具体化した第2の実施例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施例におけるγ線源1はレーザー光と電子線との衝突に伴う相互作用によりγ線を生成するものである。かかるγ線源1は、レーザーコンプトン散乱(LCS)γ線源と呼称され、サブピコ秒からピコ秒オーダーの超短パルスレーザー光に基づく超短パルスγ線を照射する。
上述した実施の形態では、手前側の肉厚部又は奥側の肉厚部の減肉の有無等を検査するために、手前側又は奥側の何れかにγ線を照射し、照射した部位のコンプトン散乱に基づく1回散乱γ線のエネルギーおよび2回散乱γ線のエネルギーを用いたが、本実施の形態では、奥側の肉厚部にγ線を照射し、奥側の肉厚部のコンプトン散乱に基づく1回散乱γ線のエネルギーと、手前側の肉厚部のコンプトン散乱に基づく2回散乱γ線のエネルギーとを用い、奥側の肉厚部の減肉はコンプトン散乱に基づく1回散乱γ線のエネルギーで、手前側の肉厚部の減肉はコンプトン散乱に基づく2回散乱γ線のエネルギーで、同時に検査することができる。
上記実施の形態において、減肉部3A,3Bの発生は、基準散乱γ線エネルギー分布特性と実測データによる散乱γ線エネルギー分布特性とに基づき1回散乱ピークP1の信号強度と2回散乱ピークP2の比(P2/P1)をとり、この比(P2/P1)が所定の閾値以上の場合に減肉が発生していると判断するようにしたが、これに限るものではない。
1 γ線源
2,12 検出器
3 配管(検査対象物)
4 コリメーター
5,8 トリガー用検出器
6 ビームスプリッター(分岐手段)
7 ミラー
Claims (14)
- X線またはγ線(以下、両者をまとめてγ線という)を検査対象物に照射して前記検査対象物におけるコンプトン散乱に基づく1回散乱γ線のエネルギーおよび前記1回散乱γ線よりも高エネルギー側に出現する2回散乱γ線のエネルギーを含み、かつ各前記散乱γ線エネルギーに対する信号強度を表す散乱γ線エネルギー分布特性を検出する第1の工程と、
前記散乱γ線エネルギー分布特性に基づき前記1回散乱γ線のピークと、前記2回散乱γ線のピークとを比較することにより前記検査対象物における減肉の有無を検出する第2の工程とを有することを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項1に記載する非破壊検査方法において、
前記コンプトン散乱は、コンプトン後方散乱であることを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項1または請求項2に記載する非破壊検査方法において、
前記検査対象物が前記γ線の照射方向に伸びる直線に前記γ線源側で交差する第1の壁部材および前記γ線源の反対側で前記直線に交差する第2の壁部材を有する場合であって、前記第2の壁部材に向けて前記γ線を照射する場合において、
主として前記第2の壁部材からの散乱γ線に基づく1回散乱γ線のピークと、主として前記第1の壁部材からの散乱γ線に基づく2回散乱γ線のピークの両者に基づき、前記第1の壁部材の減肉の有無と、前記第2の壁部材における減肉の有無とを検出することを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載する非破壊検査方法において、
前記検査対象物が前記γ線の照射方向に伸びる直線に前記γ線源側で交差する第1の壁部材および前記γ線源の反対側で前記直線に交差する第2の壁部材を有する場合であって、前記第2の壁部材に向けて前記γ線を照射する場合において、
前記散乱γ線信号のうち、前記第1の壁部材からの散乱γ線に基づく部分が除去されるとともに、前記第2の壁部材からの散乱γ線に基づく部分が選択されるように前記γ線源からγ線が照射された時点を基準として前記散乱γ線信号の時間軸に沿う成分の一部の領域を除去した散乱γ線信号に基づき前記第2の壁部材における減肉の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項4に記載する非破壊検査方法において、
前記γ線源は、陽電子の消滅に伴う一対のγ線を利用するとともに前記一対のγ線をコリメートして使用し、さらに前記陽電子の消滅に伴うγ線が検出されるまでの光路長を、前記γ線源から照射され前記第2の壁部材を経た前記散乱γ線が検出されるまでの光路長に対して調整することにより前記散乱γ線信号の所定の一部を選択することを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項4に記載する非破壊検査方法において、
前記γ線源から照射するγ線は、レーザー光と電子線との衝突に伴う相互作用により発生させる一方、
前記γ線源の手前で前記レーザー光の一部を分岐し、分岐したレーザー光が検出されるまでの光路長を、前記γ線源から照射され前記第2の壁部材を経た前記散乱γ線が検出されるまでの光路長に対して調整することにより前記散乱γ線信号の所定の一部を選択することを特徴とする非破壊検査方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載する非破壊検査方法において、
前記1回散乱γ線ピークの信号強度P1と前記2回散乱γ線ピークの信号強度P2の比(P2/P1)をとり、この比(P2/P1)が所定の閾値以上の場合に減肉が発生していると判断することを特徴とする非破壊検査方法。 - 検査対象物に向けてγ線を照射するγ線源と、前記照射により検査対象物においてコンプトン散乱に起因して散乱された散乱γ線を検出する検出器とを有する非破壊検査装置において、
前記散乱γ線エネルギーに対する前記散乱γ線信号の信号強度を表し、かつ1回散乱γ線のエネルギーおよび前記1回散乱γ線よりも高エネルギー側に出現する2回散乱γ線のエネルギーを含む散乱γ線エネルギー分布特性に基づき、前記1回散乱γ線の前記信号強度のピークである1回散乱γ線のピークと、前記2回散乱γ線の前記信号強度のピークである2回散乱γ線のピークとを比較することにより前記検査対象物における減肉の有無を検出するように前記検出器を構成したことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項8に記載する非破壊検査装置において、
前記コンプトン散乱は、コンプトン後方散乱であることを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項8または請求項9に記載する非破壊検査装置において、
前記γ線の照射方向に伸びる直線に前記γ線源側で交差する第1の壁部材および前記γ線源の反対側で前記直線に交差する第2の壁部材を有する前記検査対象物の前記第2の壁部材に向けて前記γ線を照射することにより前記第2の壁部材の減肉を検出する場合において、
主として前記第2の壁部材からの散乱γ線に基づく1回散乱γ線のピークと、主として前記第1の壁部材からの散乱γ線に基づく2回散乱γ線のピークの両者に基づき、前記第1の壁部材の減肉の有無と、前記第2の壁部材における減肉の有無とを検出するように前記検出器を構成したことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載する非破壊検査装置において、
前記γ線の照射方向に伸びる直線に前記γ線源側で交差する第1の壁部材および前記γ線源の反対側で前記直線に交差する第2の壁部材を有する前記検査対象物の前記第2の壁部材に向けて前記γ線を照射することにより前記第2の壁部材の減肉を検出する場合において、
前記散乱γ線信号のうち、前記第1の壁部材からの散乱γ線に基づく部分が除去されるとともに、前記第2の壁部材からの散乱γ線に基づく部分が選択されるように前記γ線源からγ線が照射された時点を基準として前記散乱γ線信号の時間軸に沿う成分の一部の領域を除去した散乱γ線信号に基づき前記第2の壁部材における減肉の有無を検出するように前記検出器を構成したことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項11に記載する非破壊検査装置において、
陽電子の消滅に伴う一対のγ線の一方を利用したγ線源と、
前記一方のγ線の照射と同時に反対方向に照射される他方のγ線をコリメートして検出するトリガー用検出器を有するとともに、
前記陽電子の消滅に伴うγ線が前記トリガー用検出器で検出されるまでの光路長を、前記γ線源から照射され前記第2の壁部材を経た前記散乱γ線が検出されるまでの光路長に対して調整することにより前記トリガー用検出器が前記陽電子の消滅に伴うγ線を検出した時点で生成されるトリガー信号で前記散乱γ線信号の所定の一部を前記検出器に取り込むように構成したことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項11に記載する非破壊検査装置において、
前記γ線源は、レーザー光と電子線との衝突に伴う相互作用によりγ線を発生させるものとし、
前記γ線源の手前で前記レーザー光の一部を分岐する分岐手段を有し、前記分岐手段で分岐したレーザー光が検出されるまでの光路長を、前記γ線源から照射され前記第2の壁部材を経た前記散乱γ線が検出されるまでの光路長に対して調整することにより前記散乱γ線信号の所定の一部を前記検出器に取り込むように構成したことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載する非破壊検査装置において、
前記検出器は、
前記1回散乱γ線ピークの信号強度P1と前記2回散乱γ線ピークの信号強度P2の比(P2/P1)をとり、この比(P2/P1)が所定の閾値以上の場合に減肉が発生していると判断するように構成したことを特徴とする非破壊検査装置。
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