JP6497057B2 - 遠心ポンプ - Google Patents
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Description
しかし、例えば、締切部の内周面にインペラの負圧側(回転方向の上流側)からの負圧が作用する回転位相に達した場合には、圧力が変動することになり脈動を完全に抑制するものではなかった。
前記ロータを収容するハウジングとを備えると共に、
前記ハウジングが、前記ロータが収容されるロータ収容部と、前記回転軸芯に沿う方向からの流体を前記ロータ収容部に供給する流体吸入部と、前記ロータの回転に伴い前記ロータの外周から接線方向に流体を送り出す流体吐出部とを有し、
前記流体吸入部と前記流体吐出部とを結ぶ流路中に流体の圧力差を軽減する圧力差低減部を備え、
前記ロータ収容部が、前記ロータの回転に伴い前記ロータの外周に沿って前記流体の流れが作り出される渦室を有すると共に、前記ハウジングが、前記渦室での流体の流れの始端位置から前記ロータの回転方向の上流側に突出する先細形状の締切部を有し、
前記圧力差低減部として、前記ロータ収容部の前記ロータに対向する内周壁のうち前記締切部に設けられる締切壁と、前記ロータの回転方向の下流側で前記締切部から離間する位置に設けられた内周壁と、にそれぞれ開口を有し、当該開口どうしを前記内周壁の内部において連通させるバイパス路が形成されている点にある。
従って、流体の脈動を良好に抑制しハウジングを振動させることや、キャビテーションの抑制も可能な遠心ポンプが構成された。また、この遠心ポンプでは、流体吐出部がロータの外周から接線方向に流体を送り出す構成であるため、必ずしもディフューザを必要としない構成となり、効率的で小型に構成することも可能となる。
図1及び図2に示すように、回転軸芯Xと同軸芯上に配置された駆動軸1と一体回転するロータAと、このロータAを収容するハウジングBとを備えて遠心ポンプが構成されている。
ロータAは、図2に矢印で示す方向に回転するように構成され、この回転時に冷却水を外周から送り出すように複数のインペラ3の姿勢が決められている。また、複数のインペラ3は、回転軸芯Xから所定距離だけ離間した位置から、ディスク2の外周縁に亘る領域に配置され、回転軸芯Xに近い位置ほど突出する板状のものが使用されている。
この遠心ポンプでは、複数のインペラ3がロータAの周方向で所定間隔で形成され、しかも、ロータAの外周と締切部16の締切壁Ras(内周壁Raの一部)との間隙Gが小さく設定されている。従って、ロータAの回転時には、インペラ3より下流側面3a(先行する面)から圧力が作用する冷却水が締切壁Rasに対して高い圧力を作用させる。また、インペラ3の上流側面3b(先行する面の裏面)に接触する冷却水が締切壁Rasに対して負圧や低い圧力を作用させる。
複数の連通孔18を締切部16の締切壁Ras(内周壁Raの一部)と吐出空間Tとに亘って形成する。連通孔18を複数形成することにより、締切壁Rasの広い領域における冷却水圧の脈動を抑制することが可能となる。また、連通孔18を複数形成する場合、連通孔18を形成する位置に対応して各々の孔径を異ならせても良い。
この第2実施形態では、遠心ポンプのうちポンプとして機能する基本的な構成は第1実施形態に示したものと変わるところはなく、図3に示すように、圧力差低減部Cの構成が異なる。
ロータAの回転時には、締切部16の締切壁Ras(内周壁Raの一部)に近接する位置をインペラ3が通過するため、締切壁Rasに接触する冷却水の圧力変動が大きい。従って、締切部16に対して回転軸芯Xに沿う方向で重なり合う位置の環状突出部14の端部内壁Rbに作用する圧力変動も大きく、冷却水から端部内壁Rbに作用する圧力が脈動することもあった(図1、図2を参照)。
その結果、各々の壁での冷却水圧の脈動を抑制してキャビテーションの発生を阻止するだけでなく、脈動によるハウジングBの振動も阻止する。
複数の連通流路19を環状突出部14の端部内壁Rbと吐出空間Tとの間に形成する。
連通流路19を複数形成することにより、端部内壁Rbの広い領域における圧力の脈動を抑制することが可能となる。特に、この連通流路19と第1実施形態の連通孔18とを組み合わせて備えても良い。このように組み合わせる場合にも、連通流路19と連通孔18とのいずれか一方を複数形成しても良い。
この第3実施形態では、遠心ポンプのうちポンプとして機能する基本的な構成は第1実施形態に示したものと変わるところはなく、図4に示すように、圧力差低減部Cの構成が異なる。
複数のバイパス路20を内周壁Raに形成する。このように複数のバイパス路20を形成する構成として、複数のバイパス路20における開口20aどうしの間隔を等しく設定して良く、複数のバイパス路20の開口20aどうしの間隔を異なるように設定しても良い。特に、このバイパス路20と、第1実施形態の連通孔18と、第2実施形態の連通流路19との少なくとも何れか1つを組み合わせて形成しても良い。
この第4実施形態では、遠心ポンプのポンプとして機能する基本的な構成は第1実施形態に示したものと変わるところはなく、図5、図6に示すように、圧力差低減部Cの構成が異なる。
インペラ3は、回転方向の下流側面3a(先行する面)に作用する冷却水の圧力が、上流側面3b(先行する面の反対側の面)に作用する圧力より高い。また、インペラ3の下流側面3aに冷却水から作用する圧力は、ロータAの回転に伴って変動するものであり、インペラ3が締切部16に接近する際に最も大きい。このような理由から、インペラ3の表面にキャビテーションエロージョンを招くこともあった。
流通部としてインペラ3の一部を切り欠く形態となる流通溝を形成しても良い。また、前述した流通溝又は流通孔21を、1つのインペラ3に対して複数形成しても良い。
本発明の遠心ポンプは、ロータAとしてディスク2の両面に対して複数のインペラ3を備えた構成のものを対象としても良い。この構成では、吸入空間Sが一対形成され、締切部16がディスク2の表裏両面に対応する位置に形成される。
3 インペラ
14 環状突出部
16 締切部
18 連通孔
19 連通流路
20 バイパス路
21 流通孔
A ロータ
B ハウジング
C 圧力差低減部
R ロータ収容部(ロータ収容空間)
Ra 内周壁
Rb 端部内壁
Rt 渦室
S 流体吸入部(吸入空間)
T 流体吐出部(吐出空間)
Ta 吐出側内壁
X 回転軸芯
Claims (1)
- 少なくとも1枚のインペラを有し駆動軸により回転軸芯を中心に回転するロータと、
前記ロータを収容するハウジングとを備えると共に、
前記ハウジングが、前記ロータが収容されるロータ収容部と、前記回転軸芯に沿う方向からの流体を前記ロータ収容部に供給する流体吸入部と、前記ロータの回転に伴い前記ロータの外周から接線方向に流体を送り出す流体吐出部とを有し、
前記流体吸入部と前記流体吐出部とを結ぶ流路中に流体の圧力差を軽減する圧力差低減部を備え、
前記ロータ収容部が、前記ロータの回転に伴い前記ロータの外周に沿って前記流体の流れが作り出される渦室を有すると共に、前記ハウジングが、前記渦室での流体の流れの始端位置から前記ロータの回転方向の上流側に突出する先細形状の締切部を有し、
前記圧力差低減部として、前記ロータ収容部の前記ロータに対向する内周壁のうち前記締切部に設けられる締切壁と、前記ロータの回転方向の下流側で前記締切部から離間する位置に設けられた内周壁と、にそれぞれ開口を有し、当該開口どうしを前記内周壁の内部において連通させるバイパス路が形成されている遠心ポンプ。
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