JP6496705B2 - 抄紙シート及び抄紙シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加工性及び加工品の生産効率に優れる抄紙シートと、その製造方法に関する。
セルロースアセテートに代表されるセルロースエステル化合物は、安全で加工性の良い優れた天然系高分子化合物であり、衣料用繊維、各種プラスチック、シガレットフィルター等に広く利用されている。セルロースエステル化合物は、例えば、木材パルプやコットン等、地球上で最も大量に生産される植物資源(バイオマス)のセルロースを原料とするため、環境への負荷が少ない循環型社会に相応しい素材として、石油を原料とする化学繊維やプラスチックに代わる用途の拡大が期待されている。
ここで、例えば特許文献1には、セルロースエステル短繊維、パルプ繊維、及びバインダを含む抄紙シートの製造技術が開示されている。このような抄紙シートは、例えば特許文献2及び3に開示されるように、シガレットフィルター等の加工品の材料として用いることができる。
抄紙シートは、例えば、湿式の抄紙機を用いて帯状に連続的に製造され、必要な幅にスリット加工されてロール状に巻回される。巻回された抄紙シートは、加工装置において繰り出され、所定の搬送速度で搬送されながら連続的に加工される。
特許第5225489号公報 特許第3606950号公報 特開2001−120248号公報
巻回された抄紙シートを繰り出して加工品を連続的に製造する場合、抄紙シートに搬送方向に一定以上の張力が及ぶと、抄紙シートが損傷する場合がある。このため、抄紙シートの加工性が低下し、抄紙シートの搬送速度を増大させて加工品の製造効率を向上させることが困難になるおそれがある。
そこで本発明は、セルロースエステル短繊維を含む抄紙シートを用いて加工品を製造する場合において、抄紙シートの損傷を防止すると共に加工品の製造効率の向上を可能にすることを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る抄紙シートは、セルロースエステル短繊維と、パルプ繊維と、バインダとを含み、複数のクレープが、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ前記流れ方向に配列して形成されている。
上記構成によれば、セルロースエステル短繊維とパルプ繊維との流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープ(連続又は不連続な皺)が抄紙シートに形成されているので、流れ方向に抄紙シートを搬送しながら抄紙シートを用いて加工品を製造する際、抄紙シートに流れ方向に張力が及ぶと、抄紙シートが流れ方向に伸長する。これにより、抄紙シートの損傷を防止でき、抄紙シートの加工性の低下を防止できる。また、流れ方向に及ぶ張力による抄紙シートの損傷が防止されることで、加工装置における抄紙シートの搬送速度を増大させて、加工品の製造効率を向上できる。
前記抄紙シートは、前記流れ方向を長手方向として帯状に形成されていてもよい。これにより、加工装置において、ロール状に巻回された抄紙シートを繰り出して搬送しながら連続的に加工する場合、抄紙シートに長手方向(搬送方向)に張力が及んでも、抄紙シートを損傷しにくくして、加工品の製造効率を一層向上できる。
クレープ率が、5%以上35%以下の範囲の値に設定されていてもよい。このような値にクレープ率が設定されていることにより、抄紙シートに流れ方向に張力が及んだ際、抄紙シートが流れ方向に伸張することで、抄紙シートが損傷するのを適切に防止できる。
前記流れ方向における破断伸度が、10%以上70%以下の範囲の値に設定されていてもよい。このような値に破断伸度が設定されていることにより、抄紙シートに流れ方向に張力が及んだ際、抄紙シートが損傷するのを良好に防止できる。
前記流れ方向における引張強度が、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定されていてもよい。これにより、抄紙シートを流れ方向に巻き取る際、抄紙シートに流れ方向に及ぶ張力により抄紙シートが破断するのを防止できると共に、抄紙シートの加工性を適切に保持できる。
前記バインダは、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩でもよい。このような種類のバインダを用いることで、抄紙シートを用いて、高い水解性を有する加工品を効率よく製造できる。
抄紙シートは、シガレットフィルターのフィルター材料であってもよい。抄紙シートは、流れ方向よりも前記直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープが形成され、広い面積を有しているため、抄紙シートをシガレットフィルターのフィルター材料として用いることで、シガレットフィルターの内部に微細空間を豊富且つ均一に形成でき、ムラがなく美しい切断面を有するシガレットフィルターを製造できる。
本発明の一態様に係る抄紙シートの製造方法は、セルロースエステル短繊維と、パルプ繊維と、バインダとを含むシート体を形成するシート体形成工程と、前記シート体に、複数のクレープを、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ前記流れ方向に配列するように形成するクレープ形成工程とを備える。
前記シート体形成工程では、前記流れ方向を長手方向として、前記シート体を帯状に形成してもよい。
前記製造方法では、クレープ率を5%以上35%以下の範囲の値に設定してもよい。
前記製造方法では、前記クレープ率を前記値に設定することにより、前記流れ方向における引張伸度を10%以上70%以下の範囲の値に設定してもよい。
前記製造方法の前記シート体形成工程では、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維と前記バインダとの配合比、坪量、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との叩解度、及びクレープ率の少なくともいずれかを調節することにより、前記流れ方向における引張強度を、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定してもよい。
前記製造方法では、前記バインダとして、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩を用いてもよい。
本発明の各態様によれば、セルロースエステル短繊維を含む抄紙シートを用いて加工品を製造する場合において、抄紙シートの損傷を防止できると共に加工品の製造効率を向上できる。
実施形態に係る抄紙シートを示す図である。 図1の抄紙シートを製造するための抄紙機の全体図である。 図1の抄紙シートの製造工程を示す製造工程図である。 比較例及び実施例の抄紙シートの破断伸度と引張強度との関係を示すグラフである。 比較例及び実施例の抄紙シートのクレープ率と引張強度との関係を示すグラフである。 比較例及び実施例の抄紙シートのクレープ率と破断伸度との関係を示すグラフである。 比較例及び実施例の抄紙シートのクレープ率と透気抵抗度との関係を示すグラフである。
[抄紙シート]
図1は、実施形態に係る抄紙シート1を示す図である。抄紙シート1は、セルロースエステル短繊維と、パルプ繊維と、バインダとを含んでいる。抄紙シート1は、一例として、抄紙機10(図2参照)により帯状に製造され、ロール状に巻回されている。図1では、抄紙シート1に形成されるクレープ1aを模式的に大きく図示している。ロール状の抄紙シート1は、例えば、後の工程で必要な幅にスリット加工され、連続的に繰り出されて、加工品の製造に供される。
セルロースエステルは、一例として、セルロースエステルの代表であるセルロースアセテートである。セルロースエステル短繊維は、捲縮されていてもよい。抄紙シート1に水解性を付与する場合、セルロースエステル短繊維は、非捲縮繊維(無捲縮繊維)であるのが好ましい。ここで言う非捲縮繊維とは、完全な直線状の繊維のみならず、多少湾曲した繊維を含む。
非捲縮繊維は、一般的な化学繊維の紡糸技術(乾式紡糸法、湿式紡糸法、又は溶融紡糸法等)により得られる。また非捲縮繊維は、紡糸工程で付与された捲縮を加熱水蒸気等の加熱手段で加熱しながら張力を掛けることで完全に解除して伸長することでも得られる。
セルロースエステル短繊維は、上記紡糸工程により得られた長繊維束を、送り間隔と速度の調整とが可能なギロチン設備、又はロータリーカッター設備により得られる。 上記ギロチン設備又はロータリーカッター設備によってセルロースエステル繊維を短繊維化する工程は、紡糸工程と連続して行っても良い。
セルロースエステル短繊維の平均繊維長(捲縮繊維である場合、自然状態における末端間距離の平均値)は、例えば、1mm以上6mm以下の範囲の値、好ましくは1.5mm以上5.0mm以下の範囲の値、更に好ましくは2.0mm以上4.5mm以下の範囲の値に設定できる。
セルロースエステル短繊維の平均繊維径は、例えば、1.5デニール以上8.0デニール以下の範囲の値、好ましくは2.0デニール以上7.0デニール以下の範囲の値、更に好ましくは2.5デニール以上6.0デニール以下の範囲の値に設定できる。セルロースエステル短繊維の断面形状は、例えばY字状であるが、これに限定されない。
セルロースエステル短繊維の捲縮性、平均繊維長、平均繊維径、及び断面形状は、抄紙シート1を水解し、その水解物を顕微鏡で観察することにより確認できる。抄紙シート1は、セルロースエステル繊維やパルプ繊維以外の繊維(例えば合成繊維や再生繊維等)を含んでいてもよい。
パルプ繊維は、セルロースエステル短繊維と絡み合って相互に結合される。このため、パルプ繊維を用いることで、抄紙シート1の機械的強度を向上できる。また、抄紙シート1を用いてシガレットフィルター等のフィルター材料を製造する場合、パルプ繊維とセルロースエステル短繊維の量と配合比を調整することで、繊維間隙を調整でき、求められる煙成分等の濾過量を調整できる。
パルプとしては、木材やリンター等の天然繊維を原料に用いることができる。木材をパルプの原料とする場合、木材は、針葉樹又は広葉樹のいずれでもよい。同じく木材を原料とする場合、パルプ化法としては、サルファイト法またはクラフト法等の化学パルプが相応しく、化学パルプの中では、同じ成分構成比率で抄紙シート1の強度向上を図る観点から、クラフトパルプが優れている。パルプは、漂白パルプ、未漂白パルプ、及び漂白パルプと未漂白パルプの混合物のいずれでもよい。パルプは、慣用の叩解機又は解砕機により叩解して使用される。
抄紙シート1に含まれるセルロースエステル短繊維とパルプ繊維との重量比は、例えば、抄紙シート1を用いて製造する加工品に応じて適宜調整できる。抄紙シート1を用いて例えばシガレットフィルターを製造する場合、前記重量比は、シガレットフィルターに求められる煙の濾過性能により調整される。シガレットフィルターに含まれるセルロースエステル短繊維の重量M1とパルプ繊維の重量M2との重量比M1/M2が、例えば、30/70〜95/5、好ましくは40/60〜80/20、更に好ましくは50/50〜70/30となるように、抄紙シート1に含まれるセルロースエステル短繊維とパルプ繊維との重量比を調整できる。
バインダは、セルロースエステル短繊維とパルプ繊維とを結合させる。抄紙シート1のバインダとして、例えば所定量の水溶性高分子を用いることで、抄紙シート1の乾燥時における強度と水解性とを両立できる。
バインダには、一例として、抄紙シート1に水解性を付与できるものが使用されている。本実施形態のバインダは、水溶性アニオン性高分子のアルカリ金属塩である。水溶性アニオン性高分子としては、多糖類(カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等のカルボキシメチルC2−3アルキルセルロース、カルボキシメチルスターチ、アルギン酸等のカルボキシル基を有する多糖類;ペクチン、カラギーナン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のスルホ基を有する多糖類等)、ポリアクリル酸等を例示できる。本実施形態のバインダは、カルボキシル基を有する多糖類のアルカリ塩である。
抄紙シート1にバインダとして所定量の水溶性アニオン性高分子のアルカリ金属塩が含まれるようにすることで、抄紙シート1の乾燥状態において、セルロースエステル短繊維間、パルプ繊維間、及びこれら2種の繊維間の結合力をバインダにより高め、抄紙シート1の強度を向上できる。
水溶性アニオン性高分子の酸性基(カルボキシル基やスルホ基等)は、アルカリ金属と塩を形成する。このアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムである。これらのアルカリ金属のうちでは、ナトリウムが好ましい。アルカリ金属は、単独又は二種以上であってもよい。
カルボキシル基を有する多糖類(例えば、カルボキシメチルセルロース)のアルカリ金属塩において、アルカリ金属塩を形成するカルボキシル基(例えば、カルボキシメチル基)の平均置換度(多糖類を構成するグルコース単位の2,3及び6位のヒドロキシル基に対する平均置換度;平均エーテル化度;DS等)は、例えば、0.4以上2.5以下の範囲の値、好ましくは0.55以上2.0以下の範囲の値、更に好ましくは0.65以上1.5以下の範囲の値に設定できる。
抄紙シート1のアルカリ金属含有量は、例えば抄紙シート1g当たり、2μmol以上100μmol以下の範囲の値、好ましくは2μmol以上90μmol以下の範囲の値、更に好ましくは2μmol以上87μmol以下の範囲の値、特に好ましくは3μmol以上75μmol以下の範囲の値に設定できる。
抄紙シート1の水溶性アニオン性高分子アルカリ金属塩含有量(アニオン性基のモル量)は、抄紙シート1のアルカリ金属含有量(モル量)と同一であってもよい。抄紙シート1を用いてシガレットフィルターを製造する場合、抄紙シート1の水溶性アニオン性高分子アルカリ金属塩含有量(アニオン性基のモル量)は、シガレットフィルター1g当たり、上記と同様の範囲の値(例えば、2μmol以上100μmol以下の範囲の値)に設定できる。なおバインダは、水溶性アニオン性高分子のアルカリ金属塩以外のものであってもよい。
抄紙シートの坪量は、例えば、10g/m以上60g/m以下の範囲の値、好ましくは15g/m以上50g/m以下の範囲の値に設定できる。本実施形態の抄紙シート1の坪量は、21g/m以上40g/m以内の範囲の値に設定されている。 なお抄紙シート1には、1種以上の添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、サイズ剤、安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、消泡剤、及び活性炭の少なくともいずれかが挙げられるが、これに限定されない。
ここで抄紙シート1は、複数のクレープが、セルロースアセテート短繊維とパルプ繊維との流れ方向(以下、単に流れ方向とも称する。)に対して直交する直交方向(以下、単に直交方向とも称する。)に沿って延び且つ流れ方向に配列して形成されている。本実施形態では、複数のクレープ1aは、直交方向と平行に延びている。
ここで言う流れ方向とは、セルロースアセテート短繊維とパルプ繊維との実質的な配向方向(流れ目)である。これら繊維の配向は、抄紙シート1が連続的に生産される工程において、抄紙機10における金網体21(図2参照)の搬送速度に比べて抄紙シート1の原料である組成物が金網体21に供給されるときの組成物の流速が小さいために生じる。このため組成物中の繊維は、流れ方向により多く配向して堆積する。すなわち流れ方向は、次の工程に送り出される方向と一致する。このように、セルロースアセテート短繊維とパルプ繊維とが流れ方向により多く配向して堆積した結果として、抄紙シート1の強度や伸度が、流れ方向と直交方向とで差を生じる。
一般的に抄紙シートの引張強度は、流れ方向において最も大きい。従って、抄紙シート1の流れ方向と直交方向とは、抄紙シート1の2つの異なる方向における引張強度差や、顕微鏡を用いた抄紙シート1の繊維の配向の形態を観察することにより確認できる。
抄紙シート1は、流れ方向を長手方向として帯状に形成されている。複数のクレープ1aが抄紙シート1に形成されることで、抄紙シート1には流れ方向に伸縮する伸縮性が付与されていると共に、抄紙シート1の流れ方向における単位長当たりの表面積が増大されている。
なお、ここで言う「流れ方向に対して直交する直交方向」とは、流れ方向に対して厳密に直交する方向のみに限定されず、例えば、前記直交する方向と10°以内の範囲の角度値でずれた方向も含むものとする。
また、抄紙シート1のクレープ率Rは、5%以上35%以下の範囲の値に設定されている。このクレープ率Rは、数1により表される。
[数1]

R=(V1−V2)/V1×100

但し、V1は、抄紙シート1の製造時における抄紙機10の加熱ロール26の周速度であり、V2は、抄紙シート1の製造時における抄紙機10の巻取リール28の周速度である(図2参照)。
また、抄紙シート1の流れ方向における破断伸度は、10%以上70%以下の範囲の値に設定されている。また、抄紙シート1の引張強度(N/25mm幅)は、例えば、1.0N/25mm幅以上80N/25mm幅以下の範囲の値、好ましくは1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅以下の範囲の値に設定できる。本実施形態の抄紙シート1は、流れ方向における引張強度が1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定されている。抄紙シート1の引張強度は、例えば、JIS P8113の方法に準拠して測定できる。 このように、流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープ1aが、抄紙シート1に形成されているので、流れ方向に抄紙シート1を搬送しながら抄紙シート1を用いて加工品を製造する際、抄紙シート1に流れ方向に張力が及ぶと、抄紙シート1が流れ方向に伸長する。これにより、抄紙シート1の損傷を防止でき、抄紙シート1の加工性の低下を防止できる。
また、流れ方向に及ぶ張力による抄紙シート1の損傷が防止されることで、加工装置における抄紙シートの搬送速度を増大させて加工品の製造効率を向上でき、抄紙シート1の二次加工性を向上させることができる。
具体的には、抄紙シート1を破れにくくできるので、例えば抄紙シート1を金型により立体加工して、微細な立体構造を有するように抄紙シート1を加工できる。よって例えば、抄紙シート1を用いて、立体構造を有するフェイスマスク等を良好に製造できる。
また抄紙シート1が、流れ方向を長手方向として帯状に形成されているので、加工装置において、ロール状に巻回された抄紙シート1を繰り出して搬送しながら連続的に加工する場合、抄紙シート1に長手方向(搬送方向)に張力が及んでも、抄紙シート1を損傷しにくくして、加工品の製造効率を一層向上できる。
また抄紙シート1のクレープ率Rが、5%以上35%以下の範囲の値に設定されているので、抄紙シート1に流れ方向に張力が及んだ際、抄紙シート1が流れ方向に伸張することで、抄紙シート1が損傷するのを適切に防止できる。
また、抄紙シート1の流れ方向における破断伸度が、10%以上70%以下の範囲の値に設定されているので、抄紙シート1に流れ方向に張力が及んだ際、抄紙シート1が損傷するのを良好に防止できる。
また、抄紙シート1の流れ方向における引張強度が、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定されているので、抄紙シート1を流れ方向に巻き取る際、抄紙シート1に流れ方向に及ぶ張力により抄紙シート1が破断するのを防止できると共に、抄紙シート1の加工性を適切に保持できる。
またバインダが、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩であるため、抄紙シート1を用いて高い水解性を有する加工品を製造できる。
抄紙シート1を用いた加工品としては、例えば、メイク落とし用シート(不織布)が挙げられる。このメイク落とし用シートは、複数のクレープ1aにより広い表面積を有しているため、平坦な表面を有するシートに比べて、高いメイク落とし効果が得られる。
また、このメイク落とし用シートは、セルロースエステル短繊維が、既存材料である例えばレーヨン繊維に比べて高い親油性を有するため、メイク剤が油成分を含む場合でも高いメイク落とし効果が得られる。また、このメイク落とし用シートは、複数のクレープ1aにより柔らかさが向上されているので、肌に触れたときに容易に変形し、良好な触感と低刺激性とが得られる。よって、優れた使用感を期待できる。
また、抄紙シート1を用いた加工品としては、例えば、清掃用シート(不織布)が挙げられる。この清掃用シートは、複数のクレープ1aにより広い表面積を有し、且つ嵩潰れが少ないため、対象物の汚れや異物を吸着して、容易に拭き取ることができる。また、この清掃用シートは、良好な伸縮性を有するため破れにくく、対象物の表面に追従させて、清掃作業を効率的に行える。
また、バインダにカルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩を用いて水解性を有する抄紙シート1を製造すれば、この抄紙シート1を用いて製造した清掃用シート等の加工品は、使用後に水解させて処理できる。
またセルロースエステルは、パルプと同じセルロースを基材とする天然の化合物であるため、水中への分散後、比較的長時間を掛けながら微生物により分解されることが知られている。従って、抄紙シート1を用いた清掃用シートは、自然環境下において分解可能である。
また、抄紙シート1を用いた加工品としては、例えば、シガレットフィルターが挙げられる。このシガレットフィルターは、一例として、抄紙シート1を円柱状に成型し、その外周を巻紙で巻回して所定長さに切断することにより製造される。この場合の抄紙シート1は、シガレットフィルターのフィルター材料である。
抄紙シート1は、複数のクレープ1aを形成したことで広い表面積を有しているため、抄紙シート1をシガレットフィルターのフィルター材料として用いることで、シガレットフィルターの内部に微細空間を豊富且つ均一に形成できる。また、前記微細空間が均一に形成されることにより、ムラがなく美しい切断面を有する円柱状のシガレットフィルターを製造できる。これにより、抄紙シート1を用いて、通気抵抗(Pressure Drop:PD)が低く吸い易い、且つ、煙粒子を有効に補足可能なシガレットフィルターを安定した品質で得ることができる。
従って例えば、「スリム」、「スーパースリム」、又は「マイクロスリム」等と称される、一般のシガレットに比べて直径が細いシガレットのシガレットフィルターを製造する際でも、通気抵抗の上昇を抑制しながら抄紙シート1の詰め込み重量を調整して、シガレットフィルターを良好に製造できる。
また例えば、複数のクレープ1aが形成された抄紙シート1に、複数のクレープ1aと交差する方向に延びる凹凸等の立体加工を更に施すことで、シガレットフィルターの通気抵抗をより細かく調整することも可能である。
また、従来からシガレットフィルターの材料として、パルプ繊維や、セルロースエステルの代表であるセルロースアセテート繊維が使用されているため、抄紙シート1は、シガレットフィルターの材料として高い消費者の受容度を有している。また、抄紙シート1を用いて製造したシガレットフィルターでは、煙成分中の有害な化合物であるフェノール類等をセルロースアセテート繊維に効率よく吸着させることができると共に、水分をパルプ繊維に効率よく吸着させることができる。
また、水溶性のバインダを用いて水解性を有する抄紙シート1を製造し、この抄紙シート1を用いてシガレットフィルターを製造することで、喫煙後のシガレットフィルターを自然環境下で水解させて処理できる。
また、抄紙シート1を用いた加工品としては、例えば、使い捨ておむつ、ナプキン、マスク等の衛生用品が挙げられる。これらの衛生用品では、抄紙シート1が高い通気性を有しているため、装着時に蒸れやべたつきが抑制され、優れた装着感を発揮できる。従って抄紙シート1は、このような衛生用品の材料としても適している。
[抄紙機]
図2は、実施形態に係る抄紙機10の模式図である。抄紙機10は、一例として長網抄紙機である。抄紙機10は、組成物調整パート11、ワイヤーパート12、プレスパート13、ドライヤーパート14、及び巻取リール28を備えている。組成物調整パート11、ワイヤーパート12、プレスパート13、及びドライヤーパート14の各々は、公知の構成を有する。なお、以下に言及する上流側と下流側とは、抄紙機10における組成物、シート体30、及び抄紙シート1の搬送方向の上流側と下流側とをそれぞれ指す。
組成物調整パート11は、抄紙機10の最上流側に配置される。組成物調整パート11は、抄紙シート1の原料である液状の組成物(スラリー)を調整する。組成物調整パート11は、組成物を貯留する貯留槽20を有する。
ワイヤーパート12は、組成物調整パート11の下流側に配置される。ワイヤーパート12は、貯留槽20から供給される組成物をシート状に拡げて脱水し、搬送方向に搬送する。
ワイヤーパート12は、金網体21と、複数の搬送ロール22とを有する。金網体21は、複数本のワイヤーからなる抄き網が無端ベルト状に形成されて構成されている。複数の搬送ロール22は、金網体21を回動させる。抄紙機10では、例えば、貯留槽20からワイヤーパート12へ供給する組成物の繊維濃度、貯留槽20からワイヤーパート12へ供給する組成物の供給速度、及び金網体21による組成物の搬送速度の少なくともいずれかを調節することにより、抄紙シート1の坪量が調節される。以降では、貯留槽20からワイヤーパート12へ供給された組成物をシート体30と称する。
プレスパート13は、ワイヤーパート12の下流側に配置される。プレスパート13は、ワイヤーパート12を通過したシート体30を、搬送方向に搬送しながら更に脱水する。プレスパート13は、複数のフェルト体23、複数の搬送ロール24、及び少なくとも1つのプレスロール25を有する。フェルト体23は、帯状のフェルト材料が無端ベルト状に形成されて構成されている。複数の搬送ロール24は、フェルト体23を回動させる。プレスロール25は、フェルト体23を介して搬送ロール24の周面と対向する位置において軸支されている。
ドライヤーパート14は、プレスパート13の下流側に配置される。ドライヤーパート14は、プレスパート13を通過したシート体30を搬送方向に搬送しながら乾燥する。ドライヤーパート14は、少なくとも1つの加熱ロール(ヤンキードライヤー等が挙げられる。)26を有する。加熱ロール26は、周速度V1で回転される。
巻取リール28は、ドライヤーパート14の下流側に配置される。巻取リール28は、加熱ロール26の周面から離間して得られる抄紙シート1をロール状に巻き取る。加熱ロール26は、周速度V2で回転される。なお抄紙機10は、当然ながら長網抄紙機に限定されず、その他の形式のものであってもよい。抄紙機10は、例えば円網抄紙機であってもよい。
[抄紙シートの製造方法]
図3は、実施形態に係る抄紙シート1の製造工程を示す製造工程図である。図3に示すように、実施形態に係る抄紙シート1の製造方法では、原料調整工程S1、ワイヤー工程S2、プレス工程S3、ドライ工程S4、クレープ形成工程S5、巻取り工程S6、及びスリッター工程S7を順次行う。ここでは、抄紙機10を用いて工程S1〜S6を順次行う。
原料調整工程S1では、セルロースエステル短繊維、パルプ繊維、及びバインダを水中に均一に分散させることにより、組成物を調整する。調整された組成物は、一時的に貯留槽20に貯留される。
なお原料調整工程S1は、繊維の絡み合いを調整するための叩解工程を含んでいてもよい。この叩解工程では、例えば公知のリファイナーを用い、水の存在下で組成物中の繊維を機械的に叩いて磨砕する。これにより繊維は切断されたり、細かく裂けたりする。結果として、繊維の離解が進められて繊維の水和や膨潤が高められ、抄紙成型後における繊維の絡み合いが高まる。
ワイヤー工程S2では、貯留槽20に貯留された組成物をワイヤーパート12の金網体21の上に展開して、シート体30を形成する。また、複数の搬送ロール22を回転させて、シート体30を金網体21と共に搬送方向に搬送する。シート体30の水分の一部は、金網体21の間隙を透過して除去される。これによりシート体30が、ある程度まで脱水される。
プレス工程S3では、ワイヤーパート12を通過したシート体30をフェルト体23の上に載置し、複数の搬送ロール24を回転させて、シート体30をフェルト体23と共に搬送方向に搬送する。シート体30の水分の一部は、フェルト体23の表面に吸収される。これにより、シート体30が更に脱水される。そして、フェルト体23とプレスロール25との間にシート体30を通過させてシート体30を厚み方向に加圧し、シート体30を更に脱水する。
なおプレス工程S3では、1組のフェルト体23のみを用いてもよいし、搬送方向に連続して配置された2組以上のフェルト体23を用いてもよい。またプレス工程S3では、シート体30をプレスするプレス機や、シート体30を強制的に脱水する吸引脱水設備を用いてもよい。
ドライ工程S4では、プレスパート13を通過したシート体30を、加熱ロール26の周面に接触させながら搬送方向に搬送する。このとき、加熱ロール26の周面の熱をシート体30に伝熱して、シート体30を加熱乾燥させる。ドライ工程S4では、加熱ロール26と共に、熱風フード等の加熱装置を用いてもよい。
図2に示すように、クレープ形成工程S5では、例えばドクターブレード27を用いてシート体30を加熱ロール26の周面から剥離させる。これにより、ドライヤーパート14をシート体30が通過する際に、シート体30の流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープ1aを形成する。
ドクターブレード27の長手方向は、加熱ロール26の軸方向に一致している。これにより本実施形態では、シート体30に、直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープ1aを形成する。
ここでクレープ形成工程S5では、周速度V1、V2を調節することにより、一例として、製造しようとする抄紙シート1のクレープ率Rを5%以上35%以下の範囲の値に設定する。また、このような値にクレープ率Rを設定することで、製造しようとする抄紙シート1の流れ方向における破断伸度を10%以上70%以下の範囲の値に設定する。
また、原料調整工程S1において複数種の繊維の配合比を調整する方法、叩解度を調整して繊維の絡みを調整する方法、ワイヤー工程S2において坪量(総繊維量)を調整する方法、及びクレープ形成工程S5においてクレープ率Rを調整する方法の少なくともいずれかにより、抄紙シート1の流れ方向における引張強度を所定値に設定する。ここでは一例として、抄紙シート1の流れ方向における引張強度を1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定する。
クレープ形成工程S5を完了することにより、流れ方向を長手方向(搬送方向)とする帯状の抄紙シート1が得られる。巻取工程S6では、抄紙シート1は、巻取リール28によりロール状に巻回される。スリッター工程S7では、ロール状に巻回された抄紙シート1がリワインドされると共に一定幅にスリット(切断)され、再び巻回される。これにより、ロール状製品となった抄紙シート1が得られる。
このように、本実施形態の抄紙シート1の製造方法は、セルロースエステル短繊維とパルプ繊維とバインダとを含むシート体30を形成するシート体形成工程(ここでは原料調整工程S1、ワイヤー工程S2、プレス工程S3、及びドライ工程S4)と、シート体30に、複数のクレープ1aを、流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列するように形成するクレープ形成工程S5とを備える。
またシート体形成工程では、流れ方向を長手方向(搬送方向)として、シート体30を帯状に形成する。また当該製造方法では、抄紙シート1のクレープ率Rを5%以上35%以下の範囲の値に設定する。また当該製造方法では、クレープ率Rを前記値に設定することにより、抄紙シート1の流れ方向における引張伸度を10%以上70%以下の範囲の値に設定する。
また当該製造方法では、セルロースエステル短繊維とパルプ繊維とバインダとの配合比、坪量、セルロースエステル短繊維とパルプ繊維との叩解度、及びクレープ率の少なくともいずれかを調節することにより、抄紙シート1の流れ方向における引張強度を、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定する。また当該製造方法は、バインダとして、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩を用いる。
なおバインダは、原料調整工程S1において組成物の成分に含めなくてもよい。すなわちバインダ添加工程は、例えばバインダの特性によって、原料調整工程S1以外の工程とすることもできる。例えば、ワイヤー工程S2、プレス工程S3、及びドライ工程S4の少なくともいずれかにおいて、シート体にバインダを含む液を噴霧又は塗布してもよいし、バインダを含む液にシート体を浸漬してもよい。
(確認試験)
[試験方法]
セルロースアセテート短繊維及び針葉樹クラフトパルプ繊維及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.86、株式会社ダイセル製CMC1220)を用いて抄紙シートを製造した。その重量割合は、セルロースアセテート短繊維、針葉樹クラフトパルプ繊維、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の順に、49.5:49.5:1.0に設定した。
クレープ形成工程では、複数のシート体に、異なるクレープ率Rによりクレープを形成した。これにより、坪量が21、25、35、及び40g/mのいずれかの値に設定された比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートを製造した。
比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートについて、流れ方向における破断伸度(引張破断伸び)試験(JIS P8113の方法に準ずる)、流れ方向における引張強度試験(JIS P8113の方法に準ずる)、水解性試験(JIS P4501の方法に準ずる)、及び透気抵抗度(透気度)試験(JIS P8117の方法に準ずる)を行った。
破断伸度試験と引張強度試験とでは、抄紙シートの試験片の幅(流れ方向に対して直交する直交方向の幅)を25mm幅±0.1mmとした。また、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートの自然状態(張力を掛けていない状態)における最大厚み寸法を、厚み測定器(ダイヤルシックネスゲージ)により測定した。
また、シガレットフィルター製造装置を模倣した一対の賦形ロールを備える設備により、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートを用いてシガレットフィルターを製造する際の抄紙シートの成型性について調べた。具体的には、周方向に伸びる複数の凹凸が周面に形成され、互いの周面が噛合するように配置された一対の賦形ロールを用いた。この一対の賦形ロールの間に抄紙シートを流れ方向に通過させて、抄紙シートを立体加工した際に抄紙シートに生じる亀裂の有無を調べると共に、抄紙シートを搬送速度100/minで搬送して、抄紙シートを破断なくリワインドできるか否かを調べた。
抄紙シートの成型性は、3段階で評価した。具体的には、立体加工した際に抄紙シートの表面に大きな亀裂が生じず且つ頻繁な破断がなくリワインドできる場合を「A」と評価した。また、立体加工した際に抄紙シートの表面に大きな亀裂が生じず又は頻繁な破断がなくリワインドできる場合を「B」と評価した。また、立体加工した際に抄紙シートの表面に大きな亀裂が生じ且つリワインドした際に頻繁に破断が生じた場合を「C」と評価した。試験結果を表1、表2、及び図4〜7に示す。
図4は、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートの破断伸度と引張強度との関係を示すグラフである。図5は、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートのクレープ率Rと引張強度との関係を示すグラフである。図6は、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートのクレープ率Rと破断伸度との関係を示すグラフである。図7は、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートのクレープ率Rと透気抵抗度との関係を示すグラフである。
Figure 0006496705
Figure 0006496705
[試験結果]
表1、2及び図4に示すように、比較例1、2及び実施例1〜17の抄紙シートの引張強度と破断伸度とは、略反比例の関係にあり、クレープ率Rが高いほど破断伸度が高くなることが確認された。
図6に示すように、抄紙シートは、クレープ率Rが大きいほど流れ方向に伸び易くなり、破断伸度が上昇する。また、図5に示すように、クレープ率Rが大きいほど引張強度が低下する。この引張強度の低下は、シート体にクレープを形成させる前工程S2〜S4におけるシート体の坪量(繊維量)、すなわち引き伸ばされたシート体の坪量(繊維量)が小さいことによるものである。
またクレープ形成工程S5では、加熱ロールとドクターブレードとの隙間でクレープ率Rに応じた外力がシート体に付与されるため、この外力によりシート体の繊維間の結合が緩むことも引張強度の低下の要因になる。試験結果からは、抄紙シートの引張強度の低下は、抄紙シートの坪量が小さいほど(繊維量が少ないほど)大きいことが確認された。
表1、2、及び図4に示すデータから、試験を行った範囲では、例えば、抄紙シートのクレープ率Rを5%以上35%以下の範囲の値に設定して、流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープを抄紙シートに形成するか、又は、抄紙シートの引張強度を1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定して、流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ流れ方向に配列する複数のクレープを抄紙シートの表面に形成することで、抄紙シートの破断強度と引張強度とをバランスよく両立できると考えられる。
また実施例1〜17の抄紙シートは、比較例1及び2の抄紙シートに比べて破断伸度が大きく、成型性が優れることが分かった。この理由として、実施例1〜17の抄紙シートには、流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延びる複数のクレープが形成されているため、抄紙シートは流れ方向に張力が及んだ場合に流れ方向に伸長でき、損傷しにくいことが考えられる。
また実施例1〜17の抄紙シートは、クレープ形成工程S5を経たことにより立体加工に適した複数のクレープが形成され、一対の賦形ロールにより立体加工した際に伸張して、良好に成型されたことが考えられる。
比較例1の抄紙シートは、立体加工した際に亀裂が大きく生じ、また、リワインドした際に破断が頻繁に生じたため、成型性が低いことが分かった。また、比較例2の抄紙シートは、リワインドした際に頻繁な破断は見られなかったが、立体加工した際に大きな亀裂が生じたため、成型性が低いことが分かった。
なお実施例7は、クレープ率Rが35%であり、実施例8は、クレープ率Rが40%であるため、実施例7及び8は、破断伸度は大きく良好であるが、成型性がやや低い結果となった。具体的に実施例7及び8では、立体加工した際に大きな亀裂は見られなかったが、リワインドした際にロールの回転速度を加速させると若干の破断が見られた。
これは、実施例7及び8の坪量が25g/mと比較的小さく、クレープが伸ばされた際の抄紙シートの坪量、すなわち単位面積当たりの繊維量が少なく、繊維同士の絡みが少ないことによるものと推測される。クレープ率Rを35%よりも大きい値に設定する場合、抄紙シートの坪量は、25g/mよりも大きく設定することが望ましいとも考えられる。
また、表1、2及び図7に示すように、実施例1〜17の抄紙シートは、クレープ率Rが大きいほど透気抵抗度が小さいことが分かった。この理由として、実施例1〜17の抄紙シートは、クレープ率Rが大きいほど抄紙シートの厚み方向に繊維が分散されて低密度化され、抄紙シートの内部を気体が通過し易くなることが考えられる。
これにより、実施形態の抄紙シート1を用いてシガレットフィルター等のフィルター製品を製造する場合、例えばクレープ率Rを適切に増大させることで、フィルター製品への加工適性を保ちながら、通気抵抗を低減できると考えられる。図4に示す結果から、例えば、抄紙シートのクレープ率Rを5%以上35%以下の範囲の値に設定することで、凹みや折れを生じにくい優れた外観性能と、適度な通気抵抗とを有するシガレットフィルターを製造できると考えられる。また実施例1〜17では、このような値にクレープ率Rを設定することにより、抄紙シートの流れ方向における引張伸度は、10%以上70%以下の範囲の値に設定される。
また、発明者らが行った別の試験によれば、坪量が25g/m又は35g/mの抄紙シートを用いてシガレットフィルターを製造した場合、クレープ率Rを5%以上の値に設定することで、抄紙シートを円柱状に成型する際に抄紙シートが亀裂を生じるのを抑制し、シガレットフィルターの内部構造を均一化し易くできることが確認され、結果としてシガレットフィルターの美しい円形切断面を得ながら、濾過性能を安定化させ易くできることが分かった。
また実施例1〜17の抄紙シートでは、クレープ率Rが大きいほど厚み寸法が増大することが確認された。これは、クレープ率Rが大きいほど、抄紙シートに豊富にクレープが形成され、抄紙シートが嵩高になることによる。
これにより、実施形態の抄紙シート1を用いてメイク落とし用の不織布や清掃用シートを製造する際、クレープ率Rを適切に増大させることで加工品を嵩高にでき、メイク落とし効果や拭き取り効果を高められると考えられる。
また、坪量が21g/m以上の抄紙シートをロール状の製品として使用する場合、引張強度を1.5N/25mm幅よりも大きく設定することで、リワインドする工程において、100m/min以上の速度でも抄紙シートを安定して搬送できることが分かった。
ここで、クレープ率Rが小さすぎると、抄紙シートに十分な伸縮性が具わりにくく、また、クレープ率Rが大き過ぎると、シート体や抄紙シートが過度の伸長により搬送中に弛む(シート体や抄紙シートを搬送するためにシート体や抄紙シートに及ぼす張力が十分に保てない)と共に強度低下を招き、抄紙シートや加工品を安定して製造するのが困難になるおそれがある。
従って例えば、抄紙シートを用いて製造する加工品の種類、抄紙シートの加工条件、及び抄紙機又は加工装置において搬送されるシート体や抄紙シートに搬送方向に及ぶ張力等を考慮して、抄紙シートのクレープ率Rを調整することが望ましい。
本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成及び方法を変更、追加、又は削除できる。
以上のように本発明の各態様によれば、セルロースエステル短繊維を含む抄紙シートを用いて加工品を製造する場合において、抄紙シートの損傷を防止できると共に加工品の製造効率を向上できる優れた効果を有する。従って、この効果の意義を発揮できる抄紙シート及び抄紙シートの製造方法として、広く適用すると有益である。
1 抄紙シート
1a クレープ
30 シート体

Claims (13)

  1. セルロースエステル短繊維と、パルプ繊維と、バインダとを含み、
    複数のクレープが、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ前記流れ方向に配列して形成されている、抄紙シート。
  2. 前記流れ方向を長手方向として帯状に形成されている、請求項1に記載の抄紙シート。
  3. クレープ率が、5%以上35%以下の範囲の値に設定されている、請求項1又は2に記載の抄紙シート。
  4. 前記流れ方向における破断伸度が、10%以上70%以下の範囲の値に設定されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抄紙シート。
  5. 前記流れ方向における引張強度が、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抄紙シート。
  6. 前記バインダは、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の抄紙シート。
  7. シガレットフィルターのフィルター材料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の抄紙シート。
  8. セルロースエステル短繊維と、パルプ繊維と、バインダとを含むシート体を形成するシート体形成工程と、
    前記シート体に、複数のクレープを、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との流れ方向に対して直交する直交方向に沿って延び且つ前記流れ方向に配列するように形成するクレープ形成工程とを備える、抄紙シートの製造方法。
  9. 前記シート体形成工程では、前記流れ方向を長手方向として、前記シート体を帯状に形成する、請求項8に記載の抄紙シートの製造方法。
  10. クレープ率を5%以上35%以下の範囲の値に設定する、請求項8又は9に記載の抄紙シートの製造方法。
  11. 前記クレープ率を前記値に設定することにより、前記流れ方向における引張伸度を10%以上70%以下の範囲の値に設定する、請求項10に記載の抄紙シートの製造方法。
  12. 前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維と前記バインダとの配合比、坪量、前記セルロースエステル短繊維と前記パルプ繊維との叩解度、及びクレープ率の少なくともいずれかを調節することにより、前記流れ方向における引張強度を、1.5N/25mm幅以上40N/25mm幅未満の範囲の値に設定する、請求項8〜11のいずれか1項に記載の抄紙シートの製造方法。
  13. 前記バインダとして、カルボキシル基を含む多糖類のアルカリ塩を用いる、請求項8〜12のいずれか1項に記載の抄紙シートの製造方法。
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