以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(第1〜第3のスイッチがそれぞれ設けられている画像形成装置の例)
2.変形例(他のスイッチ構成を有する画像形成装置の例など)
3.その他の変形例
<1.実施の形態>
[概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置(画像形成装置1)の概略構成例を模式的に表したものである。画像形成装置1は、例えば普通用紙等からなる記録媒体に対して、電子写真方式を用いて画像(この例ではカラー画像)を形成するプリンタ(この例ではカラープリンタ)として機能するものである。
この画像形成装置1は、図1に示したように、4つの画像形成部11C,11M,11Y,11Kと、用紙カセット(給紙トレイ)121と、ホッピングローラ(供給ローラ)122と、レジストローラ(搬送ローラ)131a,131bと、用紙検出センサ132とを備えている。画像形成装置1はまた、転写ベルト141と、転写ベルト駆動ローラ142aと、転写ベルト従動ローラ142bと、転写ベルトクリーナ容器143と、定着器(定着装置)15と、用紙ガイド161と、排出トレー162とを備えている。なお、これらの各部材は、図1に示したように、開閉可能な上部カバー等(図示せず)を有する所定の筺体10内に収容されている。また、各画像形成部11C,11M,11Y,11Kは一体的に構成されており、画像形成装置1に対して着脱自在に装着されている。
用紙カセット121は、記録媒体を積層した状態で収納する部材であり、画像形成装置1内の下部に着脱自在に装着されている。
ホッピングローラ122は、用紙カセット121に収納されている記録媒体をその最上部から1枚ずつ分離して取り出し、レジストローラ131a,131bの方向へ繰り出す部材(給紙機構)である。
レジストローラ131a,131bは、ホッピングローラ122から繰り出された記録媒体を挟持して搬送すると共に、その際に記録媒体の斜行を修正して転写ベルト141側へ搬送する部材である。
用紙検出センサ132は、レジストローラ131a,131bから搬送された記録媒体(用紙)の通過を、接触あるいは非接触にて検知するセンサである。
(画像形成部11C,11M,11Y,11K)
画像形成部11C,11M,11Y,11Kは、図1に示したように、記録媒体の搬送方向(搬送路)dに沿って並んで配置されている。具体的には、この搬送方向dに沿って(上流側から下流側へ向かって)、画像形成部11K,11Y,11M,11Cの順に配置されている。なお、この搬送路dは、図1に示したように、この例では全体としてS字状の経路となっている。
これらの画像形成部11C,11M,11Y,11Kは、互いに異なる色のトナー(現像剤)を用いて、記録媒体上に画像(トナー像)を形成するものである。具体的には、イメージドラムユニット11Cは、シアン(C:Cyan)トナーを用いてシアン色のトナー像を形成し、画像形成部11Mは、マゼンダ(M:Magenta)トナーを用いてマゼンダ色のトナー像を形成する。同様に、画像形成部11Yは、イエロー(Y:Yellow)トナーを用いて黄色のトナー像を形成し、イメージドラムユニット11Kは、ブラック(K:blacK)トナーを用いて黒色のトナー像を形成する。
このような各色のトナーはそれぞれ、例えば、所定の着色剤、離型剤、帯電制御剤および処理剤等を含んで構成されており、これらの各成分が適宜混合され、あるいは表面処理されることによって製造されるようになっている。これらのうち、着色剤、離型剤および帯電制御材はそれぞれ、内部添加剤として機能する。外部添加剤としては、例えばシリカや酸化チタン等が用いられ、結着樹脂としては例えばポリエステル樹脂等が用いられる。
また、着色剤としては、染料や顔料等を単独、もしくは、複数種併用して使用することができる。具体的には、このような着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、パーマネントブラウンFG、ピグメントグリーンB、ピグメントブル一15:3、ソルベントブルー35、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、キナクリドン、カーミン6B、ナフトール、又はジスアゾイエロー、イソインドリン等などを用いることができる。
ここで、画像形成部11C,11M,11Y,11Kは、上記したように互いに異なる色のトナーを用いてトナー像(現像剤像)を形成する点を除き、同じ構成を有している。したがって、以下では、これらのうちの画像形成部11Cを用いて代表して説明する。
図1に示したように、この画像形成部11Cは、トナーカートリッジ110(現像剤収容容器)、感光ドラム111(像担持体)、帯電ローラ112(帯電部材)、現像ローラ113(現像剤担持体)、供給ローラ114(供給部材)、転写ローラ115(転写部材)、クリーニングブレード116(クリーニング部材)および露光ヘッド117(露光装置)を有している。
トナーカートリッジ110は、上記した各色のトナーが収容されている容器である。すなわち、この画像形成部11Cの例では、トナーカートリッジ110内にはシアントナーが収容されている。同様に、画像形成部11Mにおけるトナーカートリッジ110内にはマゼンダトナーが収容され、画像形成部11Yにおけるトナーカートリッジ110内にはイエロートナーが収容され、画像形成部11Kにおけるトナーカートリッジ110内にはブラックトナーが収容されている。
感光ドラム111は、静電潜像を表面(表層部分)に担持する部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。具体的には、感光ドラム111は、導電性支持体と、その外周(表面)を覆う光導電層とを有している。導電性支持体は、例えば、アルミニウムからなる金属パイプにより構成されている。光導電層は、例えば、電荷発生層および電荷輸送層を順に積層した構造を有している。なお、このような感光ドラム111は、所定の周速度で回転するようになっている。
帯電ローラ112は、感光ドラム111の表面(表層部分)を帯電させる部材であり、感光ドラム111の表面(周面)に接するように配置されている。この帯電ローラ112は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ゴム層(例えば、半導電性エピクロロヒドリンゴム層)とを有している。なお、このような帯電ローラ112は、例えば感光ドラム111とは逆方向に回転するようになっている。
現像ローラ113は、静電潜像を現像するトナーを表面に担持する部材であり、感光ドラム111の表面(周面)に接するように配置されている。この現像ローラ113は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ウレタンゴム層とを有している。なお、このような現像ローラ113は、所定の周速度にて、例えば感光ドラム111とは逆方向に回転するようになっている。
供給ローラ114は、トナーカートリッジ110内に収容されているトナーを現像ローラ113に対して供給するための部材であり、現像ローラ113の表面(周面)に接するように配置されている。この供給ローラ114は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う発泡性のシリコーンゴム層とを有している。なお、このような供給ローラ114は、例えば現像ローラ113と同じ方向に回転するようになっている。
転写ローラ115は、各画像形成部11C,11M,11Y,11K内で形成されたトナー像を、記録媒体上に静電的に転写するための部材である。この転写ローラ115は、各画像形成部11C,11M,11Y,11K内において、後述する転写ベルト141を介して感光ドラム111と対向配置されている。なお、このような転写ローラ115は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。
クリーニングブレード116は、感光ドラム111の表面(表層部分)に残留するトナーを掻き取って除去(クリーニング)するための部材である。このクリーニングブレード116は、感光ドラム111の表面に対してカウンタで当接する(感光ドラム111の回転方向に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。このようなクリーニングブレード116は、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
露光ヘッド117は、照射光を感光ドラム111の表面に照射して露光することにより、この感光ドラム111の表面(表層部分)に静電潜像を形成する装置である。この露光ヘッド117は、筺体10における上部カバー(図示せず)によって支持されている。露光ヘッド117は、例えば、照射光を発する複数の光源と、この照射光を感光ドラム111の表面に結像させるレンズアレイとを含んで構成されている。なお、これらの各光源としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザ素子等が挙げられる。
転写ベルト141は、レジストローラ131a,131b等から搬送された記録媒体を静電吸着することにより、その記録媒体を搬送方向dに沿って搬送するベルトである。また、転写ベルト駆動ローラ142aおよび転写ベルト従動ローラ142bはそれぞれ、この転写ベルト141を動作させるための部材である。転写ベルトクリーナ容器143は、クリーニングブレード116によって掻き取られたトナーを収容するための容器である。
定着器15は、転写ベルト141から搬送された記録媒体上のトナー(トナー像)に対して熱および圧力を付与して定着させるための装置である。この定着器15は、例えば、記録媒体の搬送経路dを介して互いに対向配置された、定着ベルトユニットおよび加圧ローラ(図示せず)を含んで構成されている。なお、定着器15は、例えば、画像形成装置1に対して一体的に装着されているか、あるいは、画像形成装置1に対して着脱可能に装着されている。
用紙ガイド161は、定着器15によってトナーが定着された記録媒体を画像形成装置1の外部へ排出する際の案内部材である。具体的には、この例では図1に示したように、用紙ガイド161を介して排出された記録媒体は、筺体10の上部カバー(図示せず)上の排出トレー162へ向けて、フェースダウンにて排出されるようになっている。なお、この排出トレー162は、画像が形成(印刷)された記録媒体を集積する部分である。
[制御機構等の構成]
ここで、図1に加えて図2および図3を参照して、画像形成装置1の制御機構について説明する。図2は、このような画像形成装置1の制御機構の一例を、その制御対象とともにブロック図で表したものである。
図2に示したように、この例では画像形成装置1の制御機構として、以下のものが設けられている。すなわち、ホストインタフェース部20、コマンド/画像処理部21、露光ヘッドインタフェース部22、印刷制御部23、高圧発生部24、前述した用紙検出センサ132、および低圧電源部26が設けられている。
ホストインタフェース部20は、コマンド/画像処理部21との間でデータの送受信を行うものである。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の上位装置(外部機器)から通信回線を介して供給される印刷データ(印刷ジョブ,印刷命令等)を、コマンド/画像処理部21へ供給する機能を有している。なお、このような印刷データは、例えばPDL(Page Description Language)等によって記述されるようになっている。
コマンド/画像処理部21は、ホストインタフェース部20から供給される印刷データに対して所定の処理を行うものである。これにより、露光ヘッドインタフェース部22に対して画像データ(例えばビットマップ形式の画像データ)が供給されると共に、印刷制御部23に対してコマンドデータが供給されるようになっている。
露光ヘッドインタフェース部22は、図2に示したように、印刷制御部23からの制御に従って、各画像形成部11C,11M,11Y,11K内の露光ヘッド117の動作(発光動作)を制御するものである。
(印刷制御部23)
印刷制御部23は、画像形成装置1全体を制御する機能を有している。具体的には、印刷制御部23は、画像形成装置1内の各部を制御して印刷処理等を実行させる機能等を有している。具体的には図2に示したように、印刷制御部23は、高圧発生部24、各種の駆動機構等(この例では、後述するホッピングモータ251、レジストモータ252、ベルトモータ253、定着器ヒータモータ253、ドラムモータ255および結露防止用除湿ヒータ256)および低圧電源部26の各動作を制御する機能を有している。また、印刷制御部23は、詳細は後述するが、低圧電源部26を介して定着器15内のハロゲンヒータ150a,150bの動作(加熱動作)を制御する機能を有している。
このような印刷制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等を用いたマイクロコンピューターを用いて構成されている。なお、この印刷制御部23および後述する低圧電源部26内の入力電圧検出回路265が、本発明における「制御部」の一具体例に対応している。
高圧発生部24は、印刷制御部23からの制御に従って、各画像形成部11C,11M,11Y,11K内の部材(帯電ローラ112、現像ローラ113、供給ローラ114および転写ローラ115等)に対して高電圧(バイアス)を印加するための電源部である。また、印刷制御部23からの制御によって、これらの高電圧の大きさ(絶対値)等が適宜制御されるようになっている。
ホッピングモータ251は、ホッピングローラ122を駆動するためのモータである。レジストモータ252は、レジストローラ131a,131bをそれぞれ駆動するためのモータである。ベルトモータ141は、転写ベルト141(転写ベルト駆動ローラ142a等)を駆動するためのモータである。定着器ヒータモータ254は、定着器15内の後述するハロゲンヒータ150a,150bを駆動するためのモータである。ドラムモータ255は、各画像形成部11C,11M,11Y,11K内の感光ドラム111を駆動するためのモータである。結露防止用除湿ヒータ256は、画像形成装置1の筺体10内での結露を防止するための除湿ヒータである。なお、この結露防止用除湿ヒータ256は、本発明における「1または複数のヒータ」および「結露防止用ヒータ」の一具体例に対応する。
低圧電源部26は、外部(例えば後述する商用電源8)から供給される電圧に基づいて各種の電圧を生成する電源部である。この低圧電源部26はまた、詳細は後述するように、印刷制御部23からの制御に従って、定着器15内の後述するハロゲンヒータ150a,150bの動作を制御するようになっている。
図3は、図2に示したハロゲンヒータ150a,150bおよびその制御機構(印刷制御部23および低圧電源部26)の詳細構成例を、回路図を用いて模式的に表したものである。なお、これらの印刷制御部23および低圧電源部26が、本発明における「ヒータ制御装置」の一具体例に対応する。
(ハロゲンヒータ150a,150b)
この図3に示したように、定着器15内には、複数種類のヒータ(この例では2種類のハロゲンヒータ150a,150b)が設けられている。図4は、このような2種類のハロゲンヒータ150a,150bの概略構成例を、模式的に表したものである。
図4に示したように、この例では、ハロゲンヒータ150aには、A3サイズの用紙(記録媒体)における縦送り時の用紙幅に対応した発熱長Laを有する、フィラメント(発熱体)30aが実装されている。一方、ハロゲンヒータ150bには、A4サイズの用紙における縦送り時の用紙幅に対応した発熱長Lb(<La)を有する、フィラメント30bが実装されている。これらのハロゲンヒータ150a,150bは、図4中に一例として示したように、互いに消費電力が異なるヒータとなっている。すなわち、ハロゲンヒータ150aにおける消費電力は、この例では1000Wとなっており、ハロゲンヒータ150bにおける消費電力は、この例では700Wとなっている。なお、これらのハロゲンヒータ150a,150bは、本発明における「1または複数のヒータ」、「複数種類のヒータ」および「定着器用ヒータ」の一具体例に対応する。
ここで、これら2種類のハロゲンヒータ150a,150bの動作は、前述した印刷制御部23による制御に従って(後述する2種類のスイッチSW1a,SW1bに対するオン・オフ動作制御を利用して)、例えば定着器15の正常動作時(後述する正常期間ΔT0)には、例えば以下のようにして制御されるようになっている。すなわち、ハロゲンヒータ150a,150bの個々の消費電力の大きさや、印刷対象となる用紙のサイズ、画像形成装置1全体で使用可能な最大電力等を考慮して、ハロゲンヒータ150a,150bのうちの一方のみまたは双方が動作する(加熱動作を行う)ように制御される。具体的には、例えば、これらの一方のみが動作状態となると共に他方が動作停止状態になったり、双方が動作状態となったり、一方が他方の補助的役割で動作したりするようになっている。
図3に示したように、印刷制御部23には、タイマ230が内蔵されている。このタイマ230は、低圧電源部26内の後述する入力電圧検出回路265による電圧(後述する交流入力電圧Vacin)の検出タイミングに対して、所定の時間(待機時間)の遅延を持たせるための回路である。なお、このタイマ230による時間の遅延(待機時間の付加)については、後ほど詳述する(図9)。
(低圧電源部26)
また、図3に示したように、低圧電源部26は、力率改善回路261、DC−ACインバータ262、DC−DCコンバータ263、電解コンデンサ264、入力電圧検出回路265、および、スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3を有している。なお、この図3では、説明上の便宜のため、各スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3を模式的に示しており、以降の図においても同様である。
力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路261は、外部(この例では商用電源8)から供給される入力電圧(この例では、商用電圧としての交流入力電圧Vacin)に基づいて、直流電圧Vdc1を生成する回路(電圧変換回路)である。交流入力電圧Vacinは、例えば100V〜230V程度の交流電圧であり、直流電圧Vdc1は、例えば390V程度の直流電圧である。なお、この力率改善回路261は、本発明における「第1の電圧変換部」の一具体例に対応し、交流入力電圧Vacinは、本発明における「外部入力電圧」の一具体例に対応し、直流電圧Vdc1は、本発明における「第1の電圧」の一具体例に対応する。
DC−ACインバータ262は、力率改善回路261から出力される直流電圧Vdc1に基づいて、上記した定着器15内のハロゲンヒータ150a,150bに対して個別に電力供給を行うための交流電圧Vac2a,Vac2bをそれぞれ生成する回路(電圧変換回路)である。なお、生成された交流電圧Vac2aは、図3に示したように、ハロゲンヒータ150aに対して電力供給を行うために利用され、交流電圧Vac2bは、ハロゲンヒータ150bに対して電力供給を行うために利用されるようになっている。このようなDC−ACインバータ262は、図3に示したように、1または複数のスイッチング素子を含むスイッチング部262aと、このスイッチング部262aにおける各スイッチング素子のオン・オフ動作を制御するスイッチング制御部262bとを有している。なお、このときのオン・オフ動作の制御は、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を用いてなされるようになっている。ここで、このDC−ACインバータ262は、本発明における「第2の電圧変換部」の一具体例に対応し、交流電圧Vac2a,Vac2bはそれぞれ、本発明における「第2の電圧」の一具体例に対応する。
DC−DCコンバータ263は、力率改善回路261から出力される直流電圧Vdc1に基づいて、この例では2種類の直流電圧Vdc3H,Vdc3Lをそれぞれ生成する回路(電圧変換回路)であり、この例では降圧型のDC−DCコンバータとなっている。直流電圧Vdc3Hは、例えば24V程度の直流電圧であり、図2に示した各種の駆動機構等(ホッピングモータ251、レジストモータ252、ベルトモータ253、定着器ヒータモータ253、ドラムモータ255および結露防止用除湿ヒータ256)へ供給されるようになっている。一方、直流電圧Vdc3Lは、例えば5V程度の直流電圧であり、図3中に示したように、例えば各種の論理回路(印刷制御部23等)におけるロジック電圧として利用されるようになっている。また、これらの直流電圧Vdc3H,Vdc3Lはそれぞれ、この例では図3に示したように、DC−ACインバータ262内のスイッチング制御部262bにも供給されると共に、直流電圧Vdc3Hについては力率改善回路261にも供給されるようになっている。このようなDC−DCコンバータは、例えば、スイッチング素子およびトランス等を含んで構成された、一般的な自励式のフライバックコンバータからなる。なお、このDC−DCコンバータ263は、本発明における「第3の電圧変換部」の一具体例に対応し、直流電圧Vdc3Hは、本発明における「第3の電圧」(1または複数のヒータを駆動する際に用いられる電圧)の一具体例に対応する。
電解コンデンサ264は、図3に示したように、力率改善回路261と、DC−ACインバータ262およびDC−DCコンバータ263と、の間の経路に電気的に接続されている(この例では、上記経路上に配置されている)。具体的には、この例では、力率改善回路261の出力端子と接続点P1(DC−ACインバータ262の入力端子とDC−DCコンバータ263の入力端子との接続点)との間の経路(直流電圧Vdc1の出力経路)と、接地(グランド)との間に挿入配置されている。この電解コンデンサ264は、詳細は後述するが、交流入力電圧Vacinが低下したとき(後述する瞬低状態または瞬断状態になったとき)の対策用のコンデンサである。なお、この電解コンデンサ264は、本発明における「容量素子」の一具体例に対応する。
入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinを随時検出する回路(電圧検出部)であり、例えばカレントトランス等を用いた一般的な電圧検出回路により構成されている。この入力電圧検出回路265での交流入力電圧Vacinの検出結果信号は、図3に示したように、印刷制御部23内の前述したタイマ230へ出力されるようになっている。また、その検出結果に基づいて入力電圧検出回路265から出力されるスイッチ制御信号S3によって、以下説明するスイッチSW3のオン・オフ動作が随時制御されるようになっている。
スイッチSW1aは、図3に示したように、DC−ACインバータ262内のスイッチング部262aの出力端子と、ハロゲンヒータ150aとの間の経路上(交流電圧Vac2aの出力経路上)に配置されている。一方、スイッチSW1bは、図3に示したように、DC−ACインバータ262内のスイッチング部262aの出力端子と、ハロゲンヒータ150bとの間の経路上(交流電圧Vac2bの出力経路上)に配置されている。これらのスイッチSW1a,SW1bはそれぞれ、上記した入力電圧検出回路264における検出結果(検出結果信号)に基づいて印刷制御部23から供給されるスイッチ制御信号S1a,S1bによって、それらのオン・オフ動作が個別に制御されるようになっている。すなわち、図3に示したように、スイッチSW1aはスイッチ制御信号S1aによってそのオン・オフ動作が制御されると共に、スイッチSW1bはスイッチ制御信号S1bによってそのオン・オフ動作が制御されるようになっている。このようなスイッチSW1a,SW1bはそれぞれ、例えば、MOS−FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチ素子により構成されている。なお、これらのスイッチSW1a,SW1bはそれぞれ、本発明における「第1のスイッチ」の一具体例に対応する。
スイッチSW2は、図3に示したように、DC−DCコンバータ263からの直流電圧Vdc3Hの出力経路上に配置されている。なお、DC−DCコンバータ263からの直流電圧Vdc3Lの出力経路上には、この例ではスイッチは設けられていない。このスイッチSW2は、図3に示したように、上記した入力電圧検出回路264における検出結果(検出結果信号)に基づいて印刷制御部23から供給されるスイッチ制御信号S2によって、そのオン・オフ動作が制御されるようになっている。このようなスイッチSW2もまた、例えば、MOS−FET等のスイッチ素子により構成されている。なお、このスイッチSW2は、本発明における「第2のスイッチ」の一具体例に対応する。
スイッチSW3は、図3に示したように、力率改善回路261の出力端子と、DC−ACインバータ262の入力端子との間の経路上に配置されている。具体的には、この例では、前述した接続点P1とDC−ACインバータとの間における直流電圧Vdc1の出力経路上(DC−ACインバータ262に対する直流電圧Vdc1の供給経路上)に配置されている。このスイッチSW3は、上記したように、入力電圧検出回路265から出力されるスイッチ制御信号S3によって、そのオン・オフ動作が随時制御されるようになっている。このようなスイッチSW3もまた、例えば、MOS−FET等のスイッチ素子により構成されている。なお、このスイッチSW3は、本発明における「第3のスイッチ」の一具体例に対応する。
(印刷制御部23および入力電圧検出回路265による動作停止制御)
ここで本実施の形態では、前述した印刷制御部23および入力電圧検出回路265が、所定の条件を満たす場合に、ハロゲンヒータ150a,150bの動作停止制御や、DC−ACインバータ262の動作停止制御等を行う機能を有している。このとき、印刷制御部23および入力電圧検出回路265は、前述したように、各スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3に対する個別のオン・オフ動作制御を利用して、このような動作停止制御を行うようになっている。
具体的には、印刷制御部23は、まず、交流入力電圧Vacinが後述する所定の閾値電圧Vth1以下にまで低下した場合(Vacin≦Vth1を満たすとき:後述する瞬低時)に、定着器15内のハロゲンヒータ150a,150bのうちの少なくとも1つの動作を停止させる動作停止制御を行う。このとき、印刷制御部23は、低圧電源部26内のスイッチSW1a,SW1bおよびスイッチSW2のうちの少なくとも1つをオフ状態に設定することにより、そのようなハロゲンヒータ150a,150に対する動作停止制御を行うようになっている。
また、入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinが、上記した閾値電圧Vth1よりも低い閾値電圧Vth2(<Vth1)以下にまで低下した場合(Vacin≦Vth2を満たすとき:後述する瞬断時)、DC−ACインバータ262の動作(交流電圧Vac2a,Vac2bの生成動作)を停止させる制御を更に行う。このとき、入力電圧検出回路265は、低圧電源部26内のスイッチSW3をオフ状態に設定することにより、そのようなDC−ACインバータ26に対する動作停止制御を行うようになっている。
更に、印刷制御部23および入力電圧検出回路265は、このようなハロゲンヒータ150a,150に対する動作停止制御や、DC−ACインバータ26に対する動作停止制御を行った後に、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1や閾値電圧Vth2よりも大きくなって回復した場合には、それらの動作停止制御を解除する制御を行う。これにより、ハロゲンヒータ150a,150やDC−ACインバータ26の動作が復帰するようになっている。また、このときも、印刷制御部23および入力電圧検出回路265は、スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3を適切にオン状態に設定することにより、そのような動作停止制御の解除を行うようになっている。なお、このような印刷制御部23および入力電圧検出回路265による制御動作(瞬低・瞬断時の制御処理)の詳細については、後述する(図8〜図19)。
[作用・効果]
(A.画像形成装置1全体の基本動作)
この画像形成装置1では、以下のようにして、記録媒体に対して画像(画像層)が形成される。換言すると、図2に示したように、前述した上位装置から通信回線等を介して印刷制御部23に対して印刷ジョブが供給されると、印刷制御部23はこの印刷ジョブに基づいて、画像形成装置1内の各部材が以下のような動作を行うように、印刷処理を実行する。
すなわち、図1に示したように、まず、用紙カセット121に収納されている記録媒体が、ホッピングローラ122によって最上部から1枚ずつ分離して取り出され、レジストローラ131a,131bの方向へ繰り出される。次いで、ホッピングローラ122から繰り出された記録媒体は、レジストローラ131a,131bによってその斜行が修正された後、転写ベルト141側へ搬送される。このようにして搬送された記録媒体は、転写ベルト141によって搬送方向dに沿って搬送されつつ、以下のようにして各画像形成部11C,11M,11Y,11Kおいて形成されるトナー像が、この搬送方向dに沿って記録媒体上に順次転写される。
ここで、これらの画像形成部11C,11M,11Y,11Kではそれぞれ、以下の電子写真プロセスによって、各色のトナー像が形成される。
すなわち、まず、感光ドラム111は、高圧発生部24から印加電圧が供給される帯電ローラ122によって、その表面(表層部分)が一様に帯電させられる。次いで、この感光ドラム111の表面に向けて露光ヘッド117から照射光が照射されて露光されることで、前述した印刷ジョブにより規定される印刷パターンに応じた静電潜像が、感光ドラム111上に形成される。
一方、高圧発生部24から印加電圧が供給される供給ローラ114は、同じく高圧発生部24から印加電圧が供給される現像ローラ113と当接し、供給ローラ114および現像ローラ113はそれぞれ、所定の周速度にて回転する。これにより、現像ローラ113の表面に、供給ローラ114からトナーが供給される。
続いて、現像ローラ113上のトナーは、この現像ローラ113に当接しているトナー規制部材(図示せず)との摩擦等により帯電される。ここで、現像ローラ113上のトナー層の厚は、現像ローラ113に対する印加電圧、供給ローラ114に対する印加電圧、およびトナー規制部材の押し圧力(上記トナー規制部材に対する印加電圧)等により定まる。
また、現像ローラ113は感光ドラム111に当接しているため、この現像ローラ113に対して高圧発生部24から印加電圧が供給されることで、感光ドラム111上の静電潜像に対して、現像ローラ113からトナーが付着される。
その後、この感光ドラム111上のトナー(トナー像)は、転写ローラ115との間の電界によって、記録媒体上に転写される。なお、この感光ドラム111の表面に残留したトナーは、クリーニングブレード116によって掻き取られて転写ベルトクリーナ容器143に収容されることで、除去される。
このようにして、各画像形成部11C,11M,11Y,11Kにおいて各色のトナー像が形成され、前述した搬送方向dに沿って記録媒体上に順次転写される。
具体的には、図1に示したように、各画像形成部11C,11M,11Y,11Kにおいて、対応する各色のトナー(シアントナー、マゼンダトナー、イエロートナーおよびブラックトナー)を用いて、各色のトナー像からなる層(画像層)が形成される。
続いて、図1に示したように、定着器15によって、転写ベルト141から搬送された記録媒体上のトナーが、熱および圧力が付与されることで定着させられる。具体的には、搬送方向dにて搬送されている記録媒体が、例えば定着ベルト(図示せず)と加圧ローラ(図示せず)との間に形成されるニップ部(図示せず)に挟まれつつ熱および圧力が付与されることで、定着動作がなされる。
そして、このようにして定着動作がなされた記録媒体は、用紙ガイド161を介して画像形成装置1の外部(この例では排出トレー162上)へと排出される。以上により、画像形成装置1における画像形成動作が完了となる。
(B.低圧電源部26の基本動作)
また、このような画像形成動作の際に、図2および図3に示した低圧電源部26は、以下のようにして動作する。
すなわち、まず、商用電源8から交流入力電圧Vacinが供給されると、力率改善回路261は、この交流入力電圧Vacinに基づいて直流電圧Vdc1を生成する。次いで、DC−ACインバータ262は、このようにして生成された直流電圧Vdc1に基づいて、交流電圧Vac2a,Vac2bをそれぞれ生成する。すると、定着器15内のハロゲンヒータ150a,150bはそれぞれ、これらの交流電圧Vac2a,Vac2bが供給されることで、上記した定着動作の際の加熱動作を行う。
一方、DC−DCコンバータ263は、上記した直流電圧Vdc1に基づいて、2種類の直流電圧Vdc3H,Vdc3Lをそれぞれ生成する。このようにして生成された直流電圧Vdc3H(例えば24V程度)は、図2に示した各種の駆動機構等(ホッピングモータ251、レジストモータ252、ベルトモータ253、定着器ヒータモータ253、ドラムモータ255および結露防止用除湿ヒータ256)へ供給される。一方、直流電圧Vdc3L(例えば5V程度)は、図3中に示したように、例えば各種の論理回路(印刷制御部23等)におけるロジック電圧として利用される。なお、これらの直流電圧Vdc3H,Vdc3Lはそれぞれ、図3に示したように、DC−ACインバータ262内のスイッチング制御部262bにも供給される。また、直流電圧Vdc3Hについては、力率改善回路261にも供給される。
また、このとき入力電圧検出回路265では、低圧電源部26へ入力する交流入力電圧Vacinが、随時検出される。そして、この入力電圧検出回路265での交流入力電圧Vacinの検出結果信号は、図3に示したように印刷制御部23内のタイマ230へ供給され、後ほど詳述するスイッチSW1a,SW1b,SW2のオン・オフ動作の制御に利用される。また、交流入力電圧Vacinの検出結果に基づいて入力電圧検出回路265から出力されるスイッチ制御信号S3によって、後ほど詳述するスイッチSW3のオン・オフ動作が随時制御される。
(C.瞬低・瞬断時の制御処理)
ところで、このようにして低圧電源部26へ入力する交流入力電圧Vacinは、状況に応じて、例えば以下のように低下してしまうケースがあり得る。
すなわち、例えば図5(A)に示したように、この交流入力電圧Vacinが、正常期間ΔT0における値を基準(100%)として、多少(この例では約20%)低下してしまうケースがあり得る。その場合、例えば図5(B)に示したように、この交流入力電圧Vacinに基づいて力率改善回路261により生成される直流電圧Vdc1もまた、この例では約20%低下してしまうことになる。このような交流入力電圧Vacinの多少の低下(後述する閾値電圧Vth1以下への低下)を、以降では「瞬低」状態と呼ぶものとし、図5中に示したようにこの瞬低状態の期間を、以降では瞬低期間ΔT1と定義する。
また、例えば図6(A)に示したように、この交流入力電圧Vacinが、正常期間ΔT0における値を基準(100%)として、更に極端に(この例では約100%)低下してしまう(ほぼ0Vとなってしまう)ケースがあり得る。その場合、例えば図6(B)に示したように、この交流入力電圧Vacinに基づいて力率改善回路261により生成される直流電圧Vdc1もまた、この例では約100%低下してしまうことになる。このような交流入力電圧Vacinの更なる低下(後述する閾値電圧Vth2以下への低下)を、以降では「瞬断」状態と呼ぶものとし、図6中に示したようにこの瞬断状態の期間を、以降では瞬断期間ΔT2と定義する。
(比較例)
このような瞬低状態または瞬断状態のとき、例えば図7に示した比較例に係る低圧電源部106および印刷制御部103では、以下のような動作状態となる。ここで、この比較例の低圧電源部106は、本実施の形態の低圧電源部26において、入力電圧検出回路265およびスイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3がそれぞれ設けられていない(省かれている)ものに対応している。したがって、この比較例の印刷制御部103では、本実施の形態の印刷制御部23等とは異なり、そのような各スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3のオン・オフ動作の制御が行われない。
このような構成により比較例では、上記した交流入力電圧Vacinが低下したとき(瞬低状態または瞬断状態のとき)、図7中の矢印P102,P103で示したように、低圧電源部106内の電解コンデンサ264に蓄えてある電荷を利用した動作維持がなされる。すなわち、この電解コンデンサ264に蓄えてある電荷を利用して、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給と、DC−DCコンバータ263の動作との双方が行われることになる。したがって、この比較例では、交流入力電圧Vacinの低下時(瞬低時または瞬断時)のために、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用とDC−DCコンバータ263の動作用との双方の電荷を、電解コンデンサ264に蓄えておく必要が生じる。よって、消費電力の大きなハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用の電荷の蓄えを要することから、この比較例の低圧電源部106では、大容量の電解コンデンサが必要となってしまう。
このようにして比較例では、電解コンデンサ264の容量が増大する結果、電解コンデンサ264の実装面積が増加したり、電解コンデンサ264の部品コストが増加したりすることになる。加えて、消費電力の大きいハロゲンヒータ150a,150bが設けられて常時動作していることから、画像形成装置全体としての省電力化も困難となる。
(本実施の形態)
そこで本実施の形態の画像形成装置1では、以下詳述するように、印刷制御部23および入力電圧検出回路265において、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下にまで低下した場合に、ハロゲンヒータ150a,150bのうちの少なくとも1つの動作を停止させる動作停止制御を行う。
このような動作停止制御を行うことにより、本実施の形態では上記比較例とは異なり、以下の作用が得られる。すなわち、交流入力電圧Vacinの低下時(瞬低時または瞬断時)のために、上記比較例のように、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用とDC−DCコンバータ263の動作用との双方の電荷を電解コンデンサ264に蓄えておく必要がなくなる。つまり、DC−DCコンバータ263の動作用の電荷を蓄えておけば済むようになり、大部分を占める、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用の電荷の蓄えが不要となる。
(D.具体的な制御処理)
続いて、図8〜図19を参照して、このような瞬低時または瞬断時における印刷制御部23および入力電圧検出回路265による具体的な制御処理(スイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3のオン・オフ動作制御によるハロゲンヒータ150a,150b等の制御動作)について、より詳細に説明する。
図8は、本実施の形態に係るこのような制御処理の一例を、流れ図で表したものある。また、図9は、図8に示した制御処理の一例を、タイミング波形図で表したものである。
図9において、(A)は交流入力電圧Vacinの電圧(百分率にて表記)を、(B)はスイッチSW3の状態(オン・オフ状態)を、(C)は直流電圧Vdc1の電圧を、それぞれ示している。また、(D)はスイッチSW1aの状態を、(E)はハロゲンヒータ150aの動作状態を、(F)はスイッチSW1bの状態を、(G)はハロゲンヒータ150bの動作状態を、それぞれ示している。また、(H)はスイッチSW2の状態を、(I)は直流電圧Vdc3Hの電圧を、それぞれ示している。
なお、図9において、閾値電圧Vth1は、交流入力電圧Vacinが正常状態であるのか瞬低状態であるのかの境界を示す閾値であり、この例では正常期間ΔT0における交流入力電圧Vacinの値を基準(100%)として、約80%の値としている。また、閾値電圧Vth2は、交流入力電圧Vacinが瞬低状態であるのか瞬断状態であるのかの境界を示す閾値であり、この例では正常期間ΔT0における交流入力電圧Vacinの値を基準(100%)として、約20%の値としている。つまり、閾値電圧Vth1>閾値電圧Vth2となっている。なお、これらの閾値電圧Vth1,Vth2の値はそれぞれ、例えば設計段階で任意に変更(調整)することが可能となっている。また、閾値電圧Vth1は、本発明における「第1の閾値」の一具体例に対応し、閾値電圧Vth2は、本発明における「第2の閾値」の一具体例に対応している。
また、図10〜図19はそれぞれ、図8および図9に示した制御動作の際における、低圧電源部26およびハロゲンヒータ150a,150bの動作状態の一例を、回路図で模式的に表したものである。なお、これら図10〜図19において、ブロック全体を破線で囲むと共にそのブロック内を空白にて示したブロックは、その動作が停止状態となっていることを模式的に示している。また、図10〜図19において、「×(バツ)」で示した部分についても、そのブロックへの電極供給(この例では直流電圧Vdc3Hの供給)が停止されていることを模式的に示している。
(瞬断・瞬低の判定処理)
この制御処理では、まず、入力電圧検出回路265において交流入力電圧Vacinが検出される(図10のステップS101)。そして、入力電圧検出回路265は、検出された交流入力電圧Vacinが前述した閾値電圧Vth2以下であるのか否か(Vacin≦Vth2を満たすのか否か)を判定する(ステップS102)。すなわち、入力電圧検出回路265は、この交流入力電圧Vacinが前述した瞬断状態であるのか否かを判定する。ここで、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下である(Vacin≦Vth2を満たす)、すなわち、瞬断状態に該当すると判定された場合(ステップS102:Y)、後述する瞬断時の動作停止制御(ステップS111〜S113)へと進むことになる。
一方、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下ではない(Vacin≦Vth2を満たさない)、すなわち、瞬断状態には該当しないと判定された場合には(ステップS102:N)、次に印刷制御部23は、この交流入力電圧Vacinが前述した瞬低状態であるのか否かを判定する。具体的には、印刷制御部23は、この交流入力電圧Vacinが前述した閾値電圧Vth1以下であるのか否か(Vacin≦Vth1(>Vth2)を満たすのか否か)を判定する(ステップS103)。ここで、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下でない(Vacin≦Vth1も満たさない)、すなわち、瞬低状態にも該当しないと判定された場合には(ステップS103:N)、正常期間ΔT0であると判定され、最初のステップS101へと戻ることになる。
(瞬低時の動作停止制御)
一方、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下である(Vth2<Vacin≦Vth1を満たす)、すなわち、瞬低状態に該当すると判定された場合(ステップS103:Y,図9中のタイミングt1〜t2の瞬低期間ΔT1参照)、以下のようになる。すなわち、次に印刷制御部23は、以下説明する瞬低時の動作停止制御(ステップS104,S105)を行う。
具体的には、印刷制御部23は、定着器15内の2つ(2種類)のハロゲンヒータ150a,150bのうちの少なくとも1つ(1種類)の動作を停止させる動作停止制御を行う。より具体的には、印刷制御部23は、まず、低圧電圧部26内のスイッチSW1a,SW1bのうちの少なくとも1つをオフ状態に設定することにより、そのようなハロゲンヒータ150a,150bの動作停止制御を行う(ステップS104)。
また、続いて印刷制御部23は、スイッチSW1a,SW1bの少なくとも一方とスイッチSW2との双方がオン状態となっている場合、これらスイッチSW1a,SW1bとスイッチSW2とをそれぞれ、所定の順序にてオフ状態に設定することにより、そのような動作停止制御を行う。具体的には、この例では印刷制御部23は、上記したように、スイッチSW1a,SW1bをスイッチSW2よりも先に(スイッチSW1a,SW1b→スイッチSW2の順序にて)オフ状態に設定する(ステップS105:図9中の時間Δt1,Δt3,Δt5参照)。ただし、例えば記録媒体の搬送等の制御のうえで特に問題がない場合などには、スイッチSW1a,SW1bとスイッチSW2とを同時にオフ状態に設定するようにしてもよい(例えば、図9中の時間Δt1=時間Δt3=時間Δt5)。
ここで、例えば図10に示したように、スイッチSW1aがオン状態でスイッチSW1bがオフ状態となっていた場合(ハロゲンヒータ150aが動作状態でハロゲンヒータ150bが動作停止状態の場合)、印刷制御部23は、以下のようにして動作停止制御を行う。すなわち、まず、例えば図11中の破線の矢印で示したように、オン状態となっているスイッチSW1aをオフ状態に設定することで、スイッチSW1a,SW1bがそれぞれオフ状態となるように設定する。
これにより、図11中に示したように、ハロゲンヒータ150a,150bの双方が動作停止状態となる。その結果、例えば図11中の矢印P2,P3にて示したように、この交流入力電圧Vacinの低下時(瞬低時)に、電解コンデンサ264からDC−DCコンバータ263に対して蓄えられていた電荷が供給される一方、ハロゲンヒータ150a,150bへ電荷供給がなされなくなる。つまり、DC−ACインバータ262を動作維持させるための電荷は供給されるものの(矢印P2参照)、動作停止状態となったハロゲンヒータ150a,150bへは電荷が供給されないことになる。したがって、前述した比較例のように、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用とDC−DCコンバータ263の動作用との双方の電荷を電解コンデンサ264に蓄えておく必要がなくなる。つまり、DC−DCコンバータ263の動作用(この例ではDC−ACインバータ262の動作用も多少必要)の電荷を蓄えておけば済むようになり、大部分を占める、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用の電荷の蓄えが不要となる。その結果、本実施の形態では上記比較例と比べ、電解コンデンサ254の容量が小さくて済むようになる。
そして、この例では次に、例えば図12中の破線の矢印で示したように、印刷制御部23は、スイッチSW2をオフ状態に設定する。これにより、前述した各種の駆動機構等(ホッピングモータ251、レジストモータ252、ベルトモータ253、定着器ヒータモータ253、ドラムモータ255および結露防止用除湿ヒータ256)に対する、直流電圧Vdc3Hの供給が停止される。したがって、ハロゲンヒータ150a,150bを駆動するための定着器ヒータモータ253や結露防止用除湿ヒータ256などの駆動機構等の動作も停止されるため、画像形成装置1全体での消費電力低減に寄与することになる。
また、ここで例えば図13に示したように、初期動作時の定着器15の加熱動作時等のように、スイッチSW1a,SW1bの双方がオン状態となっていた場合(ハロゲンヒータ150a,150bの双方が動作状態の場合)、印刷制御部23は、以下のようにして動作停止制御を行う。すなわち、上記した例と同様に、印刷制御部23は、スイッチSW1a,SW1b→スイッチSW2の順序にて、オフ状態に設定する(図13中の(1)→(2)→(3)で示した順序を参照:以降も同様にて示す)。これにより上記した例と同様に、電解コンデンサ254の容量が小さくて済むようになると共に、画像形成装置1全体での消費電力が低減することになる。
このとき、印刷制御部23は、例えばこの例で示したように、2種類のハロゲンヒータ150a,150bのうち、消費電力が相対的に大きいハロゲンヒータ(この例ではハロゲンヒータ150a)の動作を、優先的に停止させる。つまり、この例では、印刷制御部23は、ハロゲンヒータ150a→ハロゲンヒータ150bの順序で動作が停止することになるよう、スイッチSW1a→スイッチSW1bの順序にてオフ状態に設定する(図14および図9(D)〜図9(G)参照)。これにより、消費電力が相対的に大きいハロゲンヒータから優先的に動作停止されるため、画像形成装置1全体での消費電力の更なる削減に寄与することになる。
また、この際に、印刷制御部23は、例えば交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下となってから(瞬低状態となってから:図9中のタイミングt1から)、所定の待機時間(例えば図9中の時間Δt1,Δt3,Δt5参照)の経過後に、これらスイッチSW1a,SW1b,SW2をオフ状態に設定するようにする。この待機時間の設定は、例えば印刷制御部23内のタイマ230によって実現される。このような待機時間を設けることで、記録媒体の搬送等の制御との間のタイミング調整が任意に設定可能となる。なお、これらの時間Δt1,Δt3,Δt5はそれぞれ、本発明における「第1時間」の一具体例に対応する。
(瞬低時からの回復の判定処理)
続いて、このような瞬低時の動作停止制御(ステップS104,S105)が行われた後、次に印刷制御部23は、以下説明する瞬低からの回復の判定処理を行う。
すなわち、まず、入力電圧検出回路265において再び交流入力電圧Vacinが検出される(ステップS106)。そして、入力電圧検出回路265は、最初に、検出された交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下であるのか否かを再び判定する(ステップS107)。すなわち、入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinが瞬低状態から瞬断状態にまで移行したのか否かを判定する(例えば図9中のタイミングt2参照)。ここで、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下である、すなわち、瞬断状態にまで移行したと判定された場合(ステップS107:Y)、後述する瞬断時の動作停止制御(ステップS111〜S113)へと進むことになる。
一方、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下ではない、すなわち、瞬断状態にまでは移行していないと判定された場合には(ステップS107:N)、次に印刷制御部23は、この交流入力電圧Vacinが依然として瞬低状態にあるのか否かを判定する。具体的には、印刷制御部23は、この交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下であるのか否かを判定する(ステップS108)。ここで、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下である、すなわち、依然として瞬低状態に該当すると判定された場合には(ステップS108:Y)、再びステップS106へと戻ることになる。
(瞬低時からの動作復帰制御)
一方、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下はない、すなわち、瞬低状態に該当せずに正常期間ΔT0に回復したと判定された場合(ステップS108:N,図9中のタイミングt4以降の定常期間ΔT0参照)、以下のようになる。すなわち、次に印刷制御部23は、以下説明する瞬低時からの動作復帰制御、換言すると、瞬低時の動作停止制御を解除する制御(ステップS109,S110)を行う。
具体的には、印刷制御部23は、定着器15内の2つ(2種類)のハロゲンヒータ150a,150bのうちの少なくとも1つ(1種類)の動作を復帰させる制御を行う。より具体的には、印刷制御部23は、まず、低圧電圧部26内のスイッチSW1a,SW1bのうちの少なくとも1つをオン状態に設定することにより、ハロゲンヒータ150a,150bの動作停止制御の解除を行う(ステップS109)。
また、続いて印刷制御部23は、スイッチSW1a,SW1bとスイッチSW2との双方がオフ状態となっている場合、これらスイッチSW1a,SW1bとスイッチSW2とをそれぞれ、所定の順序にてオン状態に設定することにより、そのような動作停止制御の解除を行う。具体的には、例えば図15および図16に示したように、印刷制御部23は、スイッチSW1a,SW1bをスイッチSW2よりも先に(スイッチSW1a,SW1b→スイッチSW2の順序にて)オン状態に設定する(ステップS110:図9中の時間Δt2,Δt4,Δt6参照)。これにより、定着器15が動作復帰してから(加熱されてから)記録媒体の搬送再開がなされることになり、より好ましい制御が実現される。ただし、例えば記録媒体の搬送等の制御のうえで特に問題がない場合などには、スイッチSW1a,SW1bとスイッチSW2とを同時にオン状態に設定するようにしてもよい(例えば、図9中の時間Δt2=時間Δt4=時間Δt6)。
このとき、印刷制御部23は、例えば図16に示したように、2種類のハロゲンヒータ150a,150bの双方が動作停止状態である場合には、これらのうちの消費電力が相対的に大きいハロゲンヒータ(この例ではハロゲンヒータ150a)の動作を、優先的に復帰させる。つまり、この例では、印刷制御部23は、ハロゲンヒータ150a→ハロゲンヒータ150bの順序で動作が復帰することになるよう、スイッチSW1a→スイッチSW1bの順序にてオン状態に設定する(図16および図9(D)〜図9(G)参照)。これにより、消費電力が相対的に大きいハロゲンヒータから優先的に動作復帰される(動作停止が解除される)ため、定着器15の動作復帰を迅速に行うことが可能となる。
また、この際に、印刷制御部23は、例えば交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1よりも大きくなるまで(瞬低状態から)回復してから(図9中のタイミングt3から)、所定の待機時間(例えば図9中の時間Δt2,Δt4,Δt6参照)の経過後に、これらスイッチSW1a,SW1b,SW2をオン状態に設定するようにする。この待機時間の設定は、例えば印刷制御部23内のタイマ230によって実現される。このような待機時間を設けることで、記録媒体の搬送等の制御との間のタイミング調整が任意に設定可能となる。ここで、これらの時間Δt2,Δt4,Δt6はそれぞれ、本発明における「第2時間」の一具体例に対応する。なお、このような瞬低時の動作停止制御を解除する制御(ステップS109,S110)が行われた後(正常期間ΔT0に復帰した後)は、再び最初のステップS101へと戻ることになる。
(瞬断時の動作停止制御)
ここで、前述したステップS102またはステップS107において、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下である(Vacin≦Vth2を満たす)、すなわち、瞬断状態に該当すると判定された場合(図9中のタイミングt2〜t3の瞬断期間ΔT2参照)、以下のようになる。すなわち、次に入力電圧検出回路265は、以下説明する瞬断時の動作停止制御(ステップS111〜S113)を行う。
具体的には、例えば図17に示したように、入力電圧検出回路265は、低圧電源部26内のDC−ACインバータ262の動作自体を停止させる動作停止制御を行う。より具体的には、入力電圧検出回路265は、低圧電圧部26内のスイッチSW3をオフ状態に設定し、DC−ACインバータ26に対して力率改善回路261からの直流電圧Vdc1が供給されないようにすることにより、そのようなDC−ACインバータ262の動作停止制御を行う(ステップS111)。これにより、DC−ACインバータ262の動作自体も停止することになるため、例えば図17中の矢印P3で示したように、DC−ACインバータ262の動作用の電荷についても蓄えておく必要もなくなる(DC−DCコンバータ263の動作用の電荷だけを蓄えておけば済むようになる)。その結果、電解コンデンサ254の容量が更に小さくて済むようになる。
また、このとき入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下となった直後(瞬断状態となった直後:図9(B),図9(C)および図9中のタイミングt2参照)に、このスイッチSW3をオフ状態に設定してDC−ACインバータ262の動作停止制御を行うようにする。これは、瞬断状態は、交流入力電圧Vacinの低下の際のワーストケースであることから、印刷制御部23(タイマ230)を介さずに迅速に対処するためである。
続いて、例えば図18に示したように、印刷制御部23は、前述したステップS104,S105(瞬低時の動作停止制御)と同様にして、スイッチSW1a,SW1b→スイッチSW2の順序にて、オフ状態に設定する(ステップS112,S113)。これにより前述したように、ハロゲンヒータ150a,150bの動作が停止されると共に、前述した各種の駆動機構等(ホッピングモータ251、レジストモータ252、ベルトモータ253、定着器ヒータモータ253、ドラムモータ255および結露防止用除湿ヒータ256)に対する、直流電圧Vdc3Hの供給が停止される。なお、これらのステップS112,S113はそれぞれ、ステップS107を経由してきた場合には既にステップS104,S105においてなされているため、実際には行われないことになる(図8中の破線の括弧書き参照)。
(瞬断時からの回復の判定処理)
続いて、このような瞬断時の動作停止制御(ステップS111〜S13)が行われた後、次に印刷制御部23および入力電圧検出回路265は、以下説明する瞬低からの回復の判定処理を行う。
すなわち、まず、入力電圧検出回路265において再び交流入力電圧Vacinが検出される(ステップS114)。そして、入力電圧検出回路265は、検出された交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下であるのか否かを再び判定する(ステップS115)。すなわち、入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinが依然として瞬断状態にあるのか否かを判定する。ここで、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下である、すなわち、依然として瞬断状態にあると判定された場合には(ステップS115:Y)、再びステップS114へと戻ることになる。
(瞬断時からの動作復帰制御)
一方、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2以下はない、すなわち、瞬断状態に該当せずに回復したと判定された場合(ステップS115:N,図9中のタイミングt3〜t4の瞬低期間ΔT1参照)、以下のようになる。すなわち、次に入力電圧検出回路265は、以下説明する瞬断時からの動作復帰制御、換言すると、瞬断時の動作停止制御を解除する制御を行う。
具体的には、入力電圧検出回路265は、DC−ACインバータ262の動作を復帰させる制御を行う。より具体的には、例えば図19に示したように、入力電圧検出回路265は、低圧電圧部26内のスイッチSW3をオン状態に設定することにより、DC−ACインバータ262の動作停止制御の解除を行う(ステップS116)。
また、このとき入力電圧検出回路265は、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth2よりも大きくなって回復した直後(瞬断状態から回復した直後:図9(B),図9(C)および図9中のタイミングt3参照)に、このスイッチSW3をオン状態に設定してDC−ACインバータ262が動作復帰するようにする。これにより、例えば図9中に示したように、瞬断状態から回復してから時間Δt0が経過した後に、DC−ACインバータ262が動作復帰することになる。なお、このような瞬断時の動作停止制御を解除する制御(ステップS116)が行われた後は、前述したステップS108へと移行することになる。以上で、図8および図9に示した一連の制御処理が終了となる。
以上のように本実施の形態では、印刷制御部23および入力電圧検出回路265において、交流入力電圧Vacinが閾値電圧Vth1以下にまで低下した場合に、ハロゲンヒータ150a,150bのうちの少なくとも1つの動作を停止させる動作停止制御を行うようにしたので、以下の作用効果が得られる。すなわち、このような動作停止制御を行うことにより、交流入力電圧Vacinの低下時(瞬低時または瞬断時)のために、前述した比較例のように、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用とDC−DCコンバータ263の動作用との双方の電荷を電解コンデンサ264に蓄えておく必要がなくなる。つまり、DC−DCコンバータ263の動作用の電荷を蓄えておけば済むようになり、大部分を占める、ハロゲンヒータ150a,150bへの電力供給用の電荷の蓄えが不要となる。よって、電解コンデンサ264の容量を小さくすることが可能となる。
また、このようにして電解コンデンサ264の容量が小さくなる結果、電解コンデンサ264の実装面積を削減したり、電解コンデンサ264の部品コストを低減したりすることが可能になる。加えて、消費電力の大きいハロゲンヒータ150a,150bの動作を停止させることから、画像形成装置1全体としての省電力化を図ることも可能となる。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、画像形成装置における各部材の構成(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、各部材におけるこれらの構成については、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態で説明した各種パラメータの値や大小関係等についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の値や大小関係に制御するようにしてもよい。
具体的には、例えば、上記実施の形態では、ヒータがハロゲンヒータである場合を例に挙げて説明したが、ヒータの構成はこれには限られず、他の構成としてもよい。すなわち、例えば、セラミックヒータ等の他の構成からなるヒータであってもよい。また、ヒータの種類や個数についても、上記実施の形態で説明した例(2種類,2つ)には限られず、例えば、1種類あるいは消費電力が互いに異なる3種類以上であったり、1つあるいは3つ以上であってもよい。
更に、外部から低圧電源部への入力電圧としても、商用電源から供給される交流入力電圧(商用電圧)には限られず、例えば、他の外部電圧(交流電圧または直流電圧)を入力電圧としてもよい。加えて、低圧電源部内における各電圧(直流電圧Vdc1、交流電圧Vac2a,Vac2bおよび直流電圧Vdc3H,Vdc3L)についても、上記実施の形態で説明した直流または交流の種別には限られず、どちらであってもよい。
また、上記実施の形態では、瞬低時や瞬断時における制御処理の例を具体的に挙げて説明したが、本発明における制御処理としてはこれには限られず、他の制御処理を行うようにしてもよい。
更に、低圧電源部の回路構成(各電圧変換部等の構成)についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の回路構成としてもよい。具体的には、上記実施の形態では、低圧電源部26内にスイッチSW1a,SW1b,SW2,SW3が設けられてそれらのオン・オフ動作がそれぞれ制御される場合を例に挙げて説明したが、例えば図20〜図22に示したように、必ずしも全てのスイッチが設けられていなくてもよい。
すなわち、例えば図20に示した低圧電源部26Aのように、スイッチSW1a,SW1b,SW2のみが設けられている(SW3が設けられていない)ようにしてもよい。あるいは、例えば図21に示した低圧電源部26Bのように、スイッチSW1a,SW1b,SW3のみが設けられている(SW3が設けられていない)ようにしてもよい。また、例えば図22に示した低圧電源部26Cのように、スイッチSW1a,SW1bのみが設けられている(SW2,SW3がそれぞれ設けられていない)ようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態では、画像形成部が複数(画像形成部11C,11M,11Y,11Kの4つ)設けられている場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、画像層を形成する画像形成部の数や、それらに用いるトナーの色の組み合わせ等については、用途や目的用に応じて任意に設定することが可能である。また、場合によっては、画像形成部の数を1つだけにして、画像層をモノクロ(単色)画像としてもよい。つまり、画像形成装置をモノクロプリンタとして機能させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、記録媒体の一例として普通用紙を挙げて説明したが、記録媒体としてはこれには限られず、他の媒体を用いるようにしてもよい。具体的には、例えば、OHP(OverHead Projector)シート、カード、葉書、厚紙(例えば250g/m2相当以上の秤量を有するもの)、封筒、熱容量が大きいコート紙等の、特殊用紙であってもよい。
更に、上記実施の形態では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、プリンタとして機能する画像形成装置を挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、例えば、ファクシミリや複写機、複合機等として機能する画像形成装置についても、本発明を適用することが可能である。