以下、本発明に係るダンプトラックの積込場路面状態検知システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一又は関連する符号を付し、その繰返しの説明は省略する。また、以下の本実施形態では、特に必要なとき以外は同一又は同様な部分の説明を原則として繰返さない。
[第1実施形態]
本発明に係るダンプトラックの積込場路面状態検知システムの第1実施形態は、例えば図1に示すように、鉱物や土砂等の運搬対象物を積荷として運搬する複数の鉱山用ダンプトラック(以下、単にダンプトラックと略記する)1に適用され、これらのダンプトラック1が稼働する鉱山100で用いられる。そして、本発明の第1実施形態に係る積込場路面状態検知システムは、ダンプトラック1の荷台25(図3参照)への積荷25A(図3参照)の積込作業が行われる積込場2の路面状態を検知する構成に特徴がある。
まず、鉱山100内の概略構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。その際、管制塔7と、油圧ショベル6、ダンプトラック1、及びブルドーザ9との間で行われる制御構成について、図2を適宜参照しながら詳細に説明し、またダンプトラック1の概略構成について、図3を適宜参照しながら詳細に説明する。
本発明の第1実施形態における鉱山100は、少なくとも作業場としての積込場2及び放土場3と、駐機場4と、これらを結ぶ走行経路(以下、便宜的に運搬路と称する)5と、これらの積込場2、放土場3、駐機場4、及び運搬路5から離れた位置に設置された無線基地局(図示せず)とから構成されている。
積込場2は、積込位置において積込機6が鉱物や土砂等の運搬対象物を積荷25A(図3参照)としてダンプトラック1へ積込む作業を行う場所である。積込機6は、例えば、超大型の油圧ショベル(以下、積込機6と同一の符号を付す)から構成されている。この油圧ショベル6は、走行体11と、この走行体11の上方に旋回フレーム(図示せず)を介して旋回可能に設けられた旋回体12と、この旋回体12の前方に配置されたフロント作業機13と、旋回体12の前部に配置され、オペレータが搭乗する運転室14と、この運転室14の上部に設置され、無線通信回線(図示せず)に接続するためのアンテナ15とを備えている。
フロント作業機13は、旋回体12に対して俯仰動可能に取付けられたブーム13Aと、このブーム13Aの先端に回動可能に取付けられたアーム13Bと、このアーム13Bの先端に回動可能に取付けられたバケット13Cとを含み、これらのブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cが運転室14内のオペレータの操作によって上下方向へ回動することにより、鉱物や土砂等の掘削作業及びダンプトラック1への積込作業を行う。また、フロント作業機13には、ブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cの角度をそれぞれ検出する角度センサ(図示せず)が取付けられており、この角度センサの検出信号は後述の無線装置16(図2参照)を介して管制塔7へ送信される。
さらに、油圧ショベル6は、図2に示すように、無線装置16、位置取得装置17、記憶装置18、及び表示装置19を備えている。
無線装置16は、管制塔7の後述の無線装置42との間でアンテナ15及び無線通信回線を介して無線通信を行う。また、無線装置16は、記憶装置18に記憶された油圧ショベル6の位置情報を所定の時間間隔毎に管制塔7の無線装置42へ送信する。
位置取得装置17は、自車体の位置を取得する装置である。具体的には、位置取得装置17は、例えば、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の航法衛星8から測位電波を受信して自車体の位置(例えば、座標値)を取得する。GNSSとして、例えば、GPS、GLONASS、及びGALILEOを用いてもよい。
記憶装置18は、情報を固定的に記憶するHDD(Hard Disk Drive)を含むハードウェアから構成されており、位置取得装置17によって取得された油圧ショベル6の位置を記憶する。
表示装置19は、無線装置16が管制塔7から受信した鉱山100の地図情報や路面状態を示す路面情報等を表示する装置であり、例えば図示されないが、運転室14内に設置され、オペレータが着座する運転席(図示せず)の前方に配置された液晶モニタと、後述のサーバ43によって処理された地図情報や路面情報を含む各種の情報を液晶モニタに表示する処理を行う表示処理部とを含む装置から成っている。
上述の路面状態とは、ダンプトラック1が鉱山100内を走行する際に、路面に形成された凹凸等から車両が受ける負荷の程度を示しており、負荷が大きい程、路面状態が不良(悪路)となり、負荷が小さい程、路面状態が良好(良路)となる。なお、表示装置19に表示される内容については、ダンプトラック1の表示装置36、管制塔7の表示装置44、ブルドーザ9の表示装置54と共に、後で詳しく述べる。
ダンプトラック1は、例えば図1に示すように、オペレータが搭乗して車両の走行を操作し、鉱山100において油圧ショベル6が積込んだ鉱物や土砂等の積荷25Aを運搬路5に沿って運搬する有人車両である。このダンプトラック1は、図3に示すように、車体フレーム21と、この車体フレーム21に回転可能に設けられた車輪22とを備えている。この車輪22は、例えば、車体フレーム21の前部の左右両端にそれぞれ一輪ずつ配置された前輪22Al,22Ar(図3には、左側の前輪22Alのみが図示されている)、車体フレーム21の後部の左右両端に回転可能にそれぞれ二輪ずつ配置された後輪22Bl,22Br(図3には、左側の後輪22Blのみが図示されている)とから構成されている。
また、ダンプトラック1は、前輪22Al,22Arの上方に設けられ、オペレータが搭乗する運転室23と、車両の前部に設置され、無線通信回線に接続するためのアンテナ24と、車体フレーム21に対して起伏可能に設けられ、鉱物や土砂等の積荷25Aを積載する荷台25とを備えている。
具体的には、ダンプトラック1は、車体フレーム21の後部にブラケット26を介して設けられたヒンジピン27と、車体フレーム21のうちヒンジピン27よりも前方に配置され、車体フレーム21と荷台25とを連結するホイストシリンダ28と、このホイストシリンダ28へ圧油を供給する油圧ポンプ(図示せず)と、この油圧ポンプに供給する作動油を貯蔵する作動油タンク(図示せず)とを備えている。
従って、油圧ポンプが圧油を作動油タンクからホイストシリンダ28へ供給してホイストシリンダ28を伸長させると、荷台25がホイストシリンダ28に押し上げられて起立することにより、荷台25に積載された積荷25Aを放土することができる。一方、油圧ポンプがホイストシリンダ28に供給した圧油を作動油タンクへ戻してホイストシリンダ28を収縮させると、荷台25がホイストシリンダ28に支持されながら倒伏することにより、積込場2において積荷25Aを荷台25へ積込むことができる。
このような構成のダンプトラック1は自動車等の普通の乗用車と異なり、荷台25に積荷25Aが積載されている積荷状態のときの車両の重量が、荷台25に積荷25Aが積載されていない空荷状態のときの車両の重量と比較して2倍以上変化する。そのため、積荷状態のときのダンプトラック1の車高が空荷状態のときの車高に対して大きく変化しないように、ダンプトラック1には、一般にガスと油を封入した前輪用サスペンションシリンダ29Al,29Ar(図3には、左側の前輪用サスペンションシリンダ29Alのみが図示されている)及び後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Br(図3には、左側の後輪用サスペンションシリンダ29Blのみが図示されている)が一対ずつ搭載されている。
一対の前輪用サスペンションシリンダ29Al,29Arは、車両の幅方向において左右にそれぞれ配置されると共に、車体フレーム21と前輪22Al,22Arとの間に介装され、走行時の車体への衝撃を緩和する機能を有している。各前輪用サスペンションシリンダ29Al,29Arには、例えば、左右一対の前輪22Al,22Arをそれぞれ独立して上下に動かすことが可能な独立懸架方式が採用されており、この方式を用いることでダンプトラック1の走行経路の路面に形成された凹凸に前輪22Al,22Arが追従し易くなるので、運転室23内のオペレータの乗り心地を向上させることができる。
一対の後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Brは、車両の幅方向において左右にそれぞれ配置されると共に、車体フレーム21と後輪22Bl,22Brとの間に介装され、走行時の車体への衝撃を緩和する機能を有している。各後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Brには、例えば、左右一対の後輪22Bl,22Brを連結する車軸の両側を懸架する車軸懸架方式が採用されており、独立懸架方式に比べて強度を高めることができるので、荷台25に積載された積荷25Aを安定して支持することができる。
また、ダンプトラック1は、図2に示すように、無線装置31、位置取得装置32、サスペンション圧力センサ33、ステアリング角度センサ34、記憶装置35、及び表示装置36を備えている。なお、無線装置31、位置取得装置32、及び表示装置36は、上述した油圧ショベル6の無線装置16、位置取得装置17、及び表示装置19と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。
サスペンション圧力センサ33は、各後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Br内の圧力(以下、便宜的にサスペンション圧力と称する)を検出する圧力検出器として機能する。ステアリング角度センサ34は、ダンプトラック1のステアリング角度を検出するステアリング角度検出器として機能する。記憶装置35は、上述した油圧ショベル6の記憶装置18と同様の構成に加え、サスペンション圧力センサ33によって検出されたサスペンション圧力、及びステアリング角度センサ34によって検出されたステアリング角度を記憶する。
図1において、放土場3は、ダンプトラック1が運搬した積荷25Aを積下ろす場所である。駐機場4は、オペレータの交代やダンプトラック1の駐車を行う場所である。駐機場4内には、オペレータが待機し、鉱山100内で稼働するダンプトラック1、油圧ショベル6、及び後述のブルドーザ9の運行を管理する管制塔7が設置されている。この管制塔7には、無線通信回線に接続するためのアンテナ41が屋上に設けられている。
管制塔7は、図2に示すように、無線装置42、サーバ43、及び表示装置44を備えている。なお、表示装置44は、上述した油圧ショベル6の表示装置19と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。
無線装置42は、油圧ショベル6、ダンプトラック1、及びブルドーザ9の各無線装置16,31,51との間でアンテナ41及び無線通信回線を介して無線通信を行う。サーバ43は、無線装置42から受信した情報を管理し、表示装置19,36,44,54に表示するための鉱山100の地図情報を作成したり、積込場2の路面状態を検知する各種の処理を行う。
このサーバ43は、例えば図示されないが、鉱山100の地図情報を作成したり、積込場2の路面状態を検知するための各種の演算を行うCPU(Central Processing Unit)、並びにCPUによる演算を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD、及びCPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を含むハードウェアと、この記憶装置に記憶され、サーバ43により実行されるソフトウェアとを含んで構成されている。
このような構成のサーバ43では、ハードウェアとソフトウェアとが協働することで積込場路面状態検知システムに必要な機能が実現される。なお、サーバ43の記憶装置に記憶されるソフトウェアには、本発明の第1実施形態の特徴をなす積込場路面状態検知プログラムが含まれている。また、積込場2の路面状態を検知するためのサーバ43の機能を示す具体的な構成については後述する。
また、図1に示す鉱山100には、油圧ショベル6及びダンプトラック1の他、積込場2及び放土場3においてダンプトラック1の荷台25からこぼれ落ちた鉱物や土砂等を除去したり、積込場2及び放土場3の路面を整地する作業を行う作業車両としてのブルドーザ9(図2参照)が稼働している。なお、このブルドーザ9には、図示されないが、オペレータが搭乗する運転室の上部に設置され、無線通信回線に接続するためのアンテナが設けられている。
ブルドーザ9は、図2に示すように、無線装置51、位置取得装置52、記憶装置53、及び表示装置54を備えている。なお、無線装置51、位置取得装置52、記憶装置53、及び表示装置54は、上述した油圧ショベル6の無線装置16、位置取得装置17、記憶装置18、及び表示装置19と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。なお、鉱山100には、ブルドーザ9以外にも、上述した無線装置51、位置取得装置52、記憶装置53、及び表示装置54と同様の各装置を備えたモータグレーダ等(図示せず)が稼働してもよい。
このように構成された鉱山100では、積込場2において油圧ショベル6が積荷25Aをダンプトラック1の荷台25に積込むと、ダンプトラック1は、積荷25Aを運搬路5に沿って放土場3へ運搬した後、荷台25の積荷25Aを放土場3へ放土し、空荷状態で積込場2へ戻るという一連の動作が繰返される。
次に、鉱山100内のダンプトラック1の一連の動作において、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力の時系列変化について、図4、図5を参照しながら詳細に説明する。
図4に示すように、ダンプトラック1が積込位置に停止し、ダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が開始されると、荷台25に積載された積荷25Aが増大するに従って、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力が増加する。
そして、積荷25Aの積込作業が完了し、ダンプトラック1が積込場2から放土場3へ向けて走行を開始すると、積込場2の路面に形成された凹凸によって車両が振動する。このとき、車両の振動が車輪22を介して各サスペンションシリンダ29Al,29Ar,29Bl,29Brに伝達するので、路面の凹凸が大きい程、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力の変動が大きくなる。
ダンプトラック1が走行を開始した直後は、鉱物や土砂が地面にこぼれ落ちて凹凸が形成され易い積込位置の付近を車両が走行するので、図4に示すように、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力が比較的大きく変動していることが把握される。
一方、図5に示すように、ダンプトラック1が運搬路5に沿って走行している間、ダンプトラック1の走行の開始直後と同様に、運搬路5の路面において凹凸が大きく形成されている区間D1では、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力の変動が比較的大きくなるが、運搬路5の路面において平坦路のように凹凸が小さく形成されている区間D2では、サスペンション圧力センサ33によって検出されるサスペンション圧力の変動が比較的小さくなる。
このように、鉱山100では、ダンプトラック1が走行したときに、サスペンションシリンダ29Al,29Ar,29Bl,29Br内のサスペンション圧力の変動が大きくなり易い路面状態が悪化した場所と、サスペンション圧力の変動が小さくなり易い路面状態が良好な場所とが存在する。
そして、路面状態が悪化した場所でダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が行われると、図6に示すように、積荷25Aが荷台25に積込まれることに伴って前後のサスペンションシリンダ29Al,29Ar,29Bl,29Br内のサスペンション圧力PFl,PFr,PRl,PRrが左右で異なり、車体フレーム21の前後でモーメントMF,MRが反対方向に作用するので、車体フレーム21に捩りが生じる。そのため、積荷25Aの重量を受けて車体フレーム21及び周辺機器に大きな負荷がかかるので、ダンプトラック1を可能な限り路面状態が良好な場所へ停止させるために、積込場2の路面状態を把握する必要がある。
そこで、本発明の第1実施形態に係る積込場路面状態検知システムでは、管制塔7のサーバ43は、ダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が行われる積込場2の路面状態を検知する機能を備えている。以下、このサーバ43における路面状態の検知機能について、図7を参照しながら詳細に説明する。
図7に示すように、サーバ43は、記憶部431、積載状態判定部432、モーメント演算部433、及び路面状態判定部434を備えている。
記憶部431は、油圧ショベル6から無線装置42を介して受信した情報、すなわち油圧ショベル6の位置取得装置17によって取得された油圧ショベル6の位置、並びに角度センサによって検出されたブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cの角度を受信時刻と共に互いに対応付けて記憶する。
また、記憶部431は、ダンプトラック1から無線装置42を介して受信した情報、すなわちダンプトラック1の位置取得装置32によって取得されたダンプトラック1の位置、サスペンション圧力センサ33によって検出されたサスペンション圧力、及びステアリング角度センサ34によって検出されたステアリング角度を受信時刻と共に相互に対応付けて記憶する。
さらに、記憶部431は、位置取得装置32によって取得されたダンプトラック1の位置と、路面状態判定部434によって判定された路面状態とを互いに関連付けて記憶する。なお、記憶部431には、これらの他、ブーム13A、アーム13B、バケット13Cの寸法情報や鉱山100の地図情報等が予め記憶されている。
積載状態判定部432は、ダンプトラック1の荷台25の積載状態、すなわち荷台25に積荷25Aが積載されていない空荷状態であるのか、あるいは荷台25に積荷25Aが積載されている積荷状態であるのかを判定する。具体的には、積載状態判定部432は、例えば、記憶部431に記憶された油圧ショベル6におけるフロント作業機13の角度センサの検出値を参照し、この角度センサによって検出されたブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cの角度、及び記憶部431に記憶されたブーム13A、アーム13B、バケット13Cの寸法情報に基づいて、フロント作業機13の姿勢を算出する。
また、積載状態判定部432は、記憶部431に記憶された位置取得装置17の検出値を参照し、算出したフロント作業機13の姿勢、及び位置取得装置17によって取得された油圧ショベル6の位置に基づいて、積込位置においてダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が終了したかどうかを判定する。
そして、積載状態判定部432は、積荷25Aの積込作業が終了したと判定すると、荷台25の積載状態が積荷状態であると判定し、積荷25Aの積込作業が終了していないと判定すると、荷台25の積載状態が空荷状態であると判定する。なお、積載状態判定部432による荷台25の積載状態の判定は、この場合に限らず、例えば、油圧ショベル6のオペレータから積荷25Aの積込作業が終了した旨の通知を受信することにより行ってもよいし、あるいはダンプトラック1のサスペンション圧力センサ33によって検出されたサスペンション圧力を基に行ってもよい。
モーメント演算部433は、記憶部431に記憶されたサスペンション圧力及びダンプトラック1の位置に基づいて、ダンプトラック1が所定の基準区間を走行しているときの車体フレーム21に作用する第1モーメント、及びダンプトラック1が積込場2における所定の検知対象位置に位置しているときの車体フレーム21に作用する第2モーメントを演算する。
本発明の第1実施形態では、上述の基準区間は、ダンプトラック1が走行しているときに、サスペンション圧力センサ33によって検出されたサスペンション圧力の変動が所定の範囲RA(図5参照)内に収まる走行区間に予め設定されており、例えば、運搬路5の路面において平坦路のように凹凸が小さく形成されている図5に示す区間D2に設定されている。また、上述の検知対象位置は、例えば、油圧ショベル6によって積荷25Aが積込まれる積込位置に設定されている。なお、基準区間は、上述した場合に限らず、ダンプトラック1が走行したときのサスペンション圧力の変動が所定の範囲RA内に収まる走行区間であれば、区間D2以外の走行区間に設定されてもよいし、検知対象位置についても、上述した場合に限らず、積込場2において積込位置以外の位置に設定されてもよい。
ところで、鉱山100で用いられるダンプトラック1は、荷台25に積載される重量が機種毎に予め定められているので、ダンプトラック1が積荷状態で区間D2を走行しているときと、積込位置においてダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が完了したときとを比較すると、荷台25の積載重量は同じような値となる。従って、本発明の第1実施形態では、モーメント演算部433は、積載状態判定部432によって判定された荷台25の積載状態が積荷状態である場合に、第1モーメント及び第2モーメントの演算を行う。
また、モーメント演算部433は、ダンプトラック1のステアリング角度センサ34によって検出されたステアリング角度が所定値(例えば、5度)以上であるとき、第1モーメント及び第2モーメントの演算を行わず、ステアリング角度センサ34によって検出されたステアリング角度が所定値未満であるとき、第1モーメント及び第2モーメントの演算を行う。
次に、モーメント演算部433による第1モーメント及び第2モーメントの演算処理について、図8を参照しながら詳細に説明する。
図8に示すように、ダンプトラック1が基準区間として設定された区間D2を走行するとき、サスペンション圧力センサ33によって検出された後輪22Bl,22Br側のサスペンションシリンダ29Bl,29Brのサスペンション圧力をPRl1,PRr1、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの各ロッド断面積をAR、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの取付間隔をLRとすると、ダンプトラック1の車体フレーム21の中心周りに負荷されている第1モーメント、すなわち車体フレーム21の前後方向に沿う中心軸C(図6参照)の周りに作用する後輪22Bl,22Br側の第1モーメントMR1は、下記の数式(1)で表される。
モーメント演算部433は、記憶部431に記憶された後輪22Bl,22Br側のサスペンションシリンダ29Bl,29Brのサスペンション圧力PRl1,PRr1、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの各ロッド断面積AR、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの取付間隔LRを上記数式(1)に代入することにより、ダンプトラック1が区間D2を走行しているときの第1モーメントMR1を算出する。
一方、ダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が完了した後、ダンプトラック1が積込場2の積込位置から走行を開始する直前に、サスペンション圧力センサ33によって検出された後輪22Bl,22Br側のサスペンションシリンダ29Bl,29Brのサスペンション圧力をPRl2、PRr2とすると、車体フレーム21の前後方向に沿う中心軸Cの周りに作用する後輪22Bl,22Br側の第2モーメントMR2は、下記の数式(2)で表される。
モーメント演算部433は、記憶部431に記憶された後輪22Bl,22Br側のサスペンションシリンダ29Bl,29Brのサスペンション圧力PRl2,PRr2、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの各ロッド断面積AR、サスペンションシリンダ29Bl,29Brの取付間隔LRを上記数式(2)に代入することにより、ダンプトラック1が積込場2の積込位置に位置しているときの第2モーメントMR2を算出する。
ここで、モーメントMR1,MR2の演算の対象となる路面、すなわち基準区間としての区間D2における路面と積込場2の積込位置における路面の状態が同じであれば、第1モーメントMR1と第2モーメントMR2は等しくなる。これに対し、基準区間としての区間D2における路面と積込場2の積込位置における路面の状態が異なれば、第1モーメントMR1と第2モーメントMR2は異なる。すなわち、平坦路のように凹凸が小さく形成されている区間D2の路面に対して、積込場2の積込位置の路面が荒れている程度を第1モーメントMR1と第2モーメントMR2との差MR1−MR2により判断することができる。
図7において、路面状態判定部434は、モーメント演算部433によって演算された第1モーメントMR1と第2モーメントMR2との差MR1−MR2に応じて、積込場2の積込位置に対する路面状態を判定する。具体的には、路面状態判定部434は、例えば、モーメント演算部433によって演算された第1モーメントMR1と第2モーメントMR2との差MR1−MR2と、車体フレーム21の捩りに対する降伏点に相当する所定の閾値θR1、及びこの閾値θR1よりも予め低く設定された閾値θR2(<θR1)とを比較して路面状態の判定を行う。なお、上記閾値θR1は、車体フレーム21の材質と形状が決まれば、一義的に定まる値である。
本発明の第1実施形態では、路面状態判定部434は、モーメント演算部433によって演算された第1モーメントMR1と第2モーメントMR2との差MR1−MR2の絶対値|MR1−MR2|が閾値θR1以上のとき(|MR1−MR2|≧θR1)、積込場2の積込位置に対する路面状態が不良であると判定し、絶対値|MR1−MR2|が閾値θR1未満であり、かつ絶対値|MR1−MR2|が閾値θR2以上のとき(θR2≦|MR1−MR2|<θR1)、積込場2の積込位置に対する路面状態が普通であると判定し、絶対値|MR1−MR2|が閾値θR2未満のとき(|MR1−MR2|<θR2)、積込場2の積込位置に対する路面状態が良好であると判定する。なお、路面状態判定部434は、路面状態の判定結果に対して、絶対値|MR1−MR2|を関連付けた情報を記憶部431に記憶する。
次に、表示装置44の表示画面の制御処理について、図9〜図14を参照しながら詳細に説明する。なお、図10〜図14に示す符号61は、路面状態に対応したパターンを示す凡例を表している。また、本発明の第1実施形態では、油圧ショベル6、ダンプトラック1、及びブルドーザ9の表示装置19,36,54が各無線装置16,31,51を介してサーバ43から路面情報を受信すると、サーバ43の表示装置44と同様の画面が映し出されるので、以下の説明において、サーバ43の表示装置44の表示画面44Aの内容について主に記載し、他の表示装置19,36,54に関して重複する説明を省略する。
表示装置44は、サーバ43から記憶部431に記憶された鉱山100の地図情報及び路面状態を示す路面情報を受信すると、図9に示すように、鉱山100の地図情報のうち積込場2の積込位置の付近を表示画面44Aに表示する。このとき、表示装置44は、表示画面44Aに表示した鉱山100の地図上において、予め設定される積込位置毎に路面状態が反映されるように、積込場2のうちダンプトラック1及びブルドーザ9が進入可能な領域2Aを積込位置に応じて格子状に区画し、領域2Aを複数の小領域2aに区分して表示画面44Aに映す。
そして、表示装置44は、表示画面44Aに表示した領域2Aにおける個々の小領域2aに対して、路面状態判定部434によって判定された路面状態を段階的に表示する。具体例として、図10に示すように、表示装置44は、路面状態判定部434によって判定された路面状態に応じて、表示画面44A上の領域2Aのうち対応する小領域2aに対して色もしくはパターンを変更して表示する。例えば、表示装置44は、路面状態判定部434による路面状態の判定が行われていない小領域2a1に対して、無色のパターンなしで表示し、路面状態判定部434によって路面状態が良好であると判定された小領域2a2に対して、黒色の細い斜線で示すパターン1で表示し、路面状態判定部434によって路面状態が普通であると判定された小領域2a3に対して、黒色の太い斜線で示すパターン2で表示し、路面状態判定部434によって路面状態が不良であると判定された小領域2a4に対して、黒色の塗りつぶしのパターン3で表示するようにしている。
また、表示装置44は、図11に示すように、サーバ43から記憶部431に記憶されたダンプトラック1の位置情報を受信すると、ダンプトラック1の位置を表示画面44Aに表示する。これにより、オペレータは、ダンプトラック1の位置と路面状態を把握しながら適切な積込位置を決定することができる。さらに、表示装置44は、路面情報を参照し、図12に示すように、油圧ショベル6によるダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込みが可能な領域において、路面状態が最も良好となる位置として、例えば、絶対値|MR1−MR2|が最小となる位置を算出し、この算出した位置に○印62等の目印を付して表示画面44Aに表示する。これにより、オペレータは、路面状態が最良な場所を容易に把握できるので、積込作業時に車体フレーム21が受ける負荷が小さい場所へダンプトラック1を移動させることができる。
また、表示装置44は、ブルドーザ9等が積込場2の路面をならすと、ブルドーザ9等がならす前に路面状態判定部434によって判定された路面状態をリセットする。図13に示す表示画面44Aでは、ブルドーザ9が矢印E方向へ移動し、領域2Aにおいて、パターン1で表示された小領域2a2、パターン2で表示された小領域2a3、及びパターン3で表示された小領域2a4の路面がブルドーザ9にならされているので、表示装置44は、図14に示すように、当該小領域2a2,2a3,2a4に対して小領域2a1と同様の無色のパターンなしで表示している。
次に、サーバ43による路面状態の検知処理について、図15のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図15に示すように、まずサーバ43は、ダンプトラック1から管制塔7へ無線装置31を介して送信されたダンプトラック1の位置情報、サスペンション圧力情報、及びステアリング角度情報を、無線装置42を介して取得する((ステップ(以下、Sと記す)1501))。そして、サーバ43は、取得したダンプトラック1の位置情報、サスペンション圧力情報、及びステアリング角度情報を記憶部431に記憶する(S1502)。
サーバ43は、取得したダンプトラック1の位置情報からダンプトラック1が基準区間としての区間D2を走行しているかどうかを判断する(S1503)。このとき、サーバ43は、ダンプトラック1が区間D2を走行していないと判断すると(S1502/No)、S1501からの処理が繰返される。
S1503において、サーバ43は、ダンプトラック1が区間D2を走行していると判断すると(S1503/Yes)、取得したダンプトラック1のステアリング角度情報からステアリング角度が所定値以上であるかどうかを判断する(S1504)。このとき、サーバ43は、ステアリング角度が所定値以上であると判断すると(S1504/Yes)、S1501からの処理が繰返される。
このように、ダンプトラック1のステアリングが左右のいずれかに回動した場合には、車両の前後方向に対して左右方向の加速度が負荷されるので、サーバ43のモーメント演算部433が第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算することがない。これにより、ステアリングの回動に伴う左右方向の加速度がモーメント演算部433による第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2の演算に反映されるのを防止できるので、第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2の演算精度を高めることができる。
S1504において、サーバ43は、ステアリング角度が所定値未満であると判断すると(S1504/No)、サーバ43の積載状態判定部432は、ダンプトラック1の荷台25の積載状態が積荷状態であるのかどうかを判定する(S1505)。このとき、積載状態判定部432は、荷台25の積載状態が空荷状態であると判定すると(S1505/No)、S1501からの処理が繰返される。
S1505において、積載状態判定部432は、荷台25の積載状態が積荷状態であると判定すると(S1505/Yes)、モーメント演算部433は、記憶部431に記憶されたダンプトラック1の位置情報及びサスペンション圧力情報を参照し、ダンプトラック1が区間D2を走行している間のサスペンション圧力を当該区間D2で平均化した後、得られたサスペンション圧力を用いて第1モーメントMR1を演算すると共に、ダンプトラック1の位置情報及びサスペンション圧力情報から第2モーメントMR2を演算する(S1506)。
このように、モーメント演算部433は、荷台25の積載状態が空荷状態のときよりもサスペンションシリンダ29Bl,29Brのサスペンション圧力が大きくなり易い積荷状態であるときに限り、第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算することにより、高精度な演算結果を得ることができる。
次に、サーバ43の路面状態判定部434は、モーメント演算部433の演算結果を参照し、積込場2の積込位置に対する路面状態を判定し、当該積込位置と、判定した路面状態とを互いに関連付けて記憶部431に記憶する(S1507)。そして、サーバ43は、記憶部431に記憶された積込位置に対する路面状態を示す路面情報を油圧ショベル6、ダンプトラック1、管制塔7、及びブルドーザ9の表示装置19,36,44,54へそれぞれ送信し、S1501からの処理が繰返される。
これにより、油圧ショベル6、ダンプトラック1、管制塔7、及びブルドーザ9の表示装置19,36,44,54に積込場2の積込位置に対応した路面状態が各パターン1〜3により映し出されるので、自動車等の普通の乗用車と異なり、車体寸法が大きい油圧ショベル6、ダンプトラック1、及びブルドーザ9に搭乗したオペレータであっても、積込場2の路面状態を的確に把握することができる。そのため、路面状態が悪化した積込位置にダンプトラック1が移動するのを未然に防ぐことができるので、荷台25への積荷25Aの積込作業において車両がアンバランスな支持状態とならず、ダンプトラック1の車体フレーム21及び周辺機器にかかる負荷を軽減することができ、車体フレーム21及び周辺機器の寿命を向上させることができる。
このように構成した本発明の第1実施形態によれば、サーバ43の路面状態判定部434は、モーメント演算部433によって演算された第1モーメントMR1と第2モーメントMR2との差MR1−MR2を求めることにより、ダンプトラック1の荷台25上の積荷25Aの偏りに起因する車体フレーム21の捩りの影響を排除して路面の凹凸に起因する車体フレーム21の捩りだけから積込位置に対する路面状態を判定することができる。従って、平坦路のように路面の凹凸が比較的小さい場所において、ダンプトラック1の荷台25上の積荷25Aが左右のいずれかに偏って積載されていても、積込場2の路面状態が誤って検知されるのを抑制することができる。これにより、積込場2の路面状態の検知精度を高めることができる
また、本発明の第1実施形態では、各後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Brに車軸懸架方式が採用されているため、ダンプトラック1の積載状態が積荷状態で走行しているときに、例えば、後輪22Bl,22Brの片輪を路面に形成された凹凸等の突起に乗り上げた場合には、車体フレーム21に比較的大きな捩りが作用する。本発明の第1実施形態は、このような車体フレーム21の捩りの状況を考慮し、モーメント演算部433が、記憶部431に記憶された後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Br内のサスペンション圧力を用いて第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算するようにしているので、路面状態判定部434の判定結果から路面状態が悪化した積込位置を回避することにより、車体フレーム21のうち積荷25Aの荷重や走行時の衝撃の影響を受け易い後輪22Bl,22Br側にかかる負荷を十分に軽減することができる。これにより、車体フレーム21及び周辺機器の寿命をさらに向上させることができる。
また、本発明の第1実施形態では、路面状態判定部434は、モーメント演算部433の演算結果を車体フレーム21の捩りに対する降伏点に相当する所定の閾値θR1を基準にして路面状態の判定を行うことにより、この路面状態から車体フレーム21にかかる負荷の大きさの目安を容易に把握することができる。特に、本発明の第1実施形態では、路面状態判定部434は、閾値θR1の他に、モーメント演算部433の演算結果と閾値θR1よりも低い閾値θR2とを比較して路面状態の判定を行うことにより、この路面状態が表示装置44の表示画面44Aの対応する小領域2aにパターンとして段階的に表示されるので、路面状態がより良好な場所を積込位置に選定することが可能となる。
また、本発明の第1実施形態では、管制塔7が、積込場2を含む鉱山100の路面をならすブルドーザ9に対して路面情報を送信することにより、積込場2において、ならすべき路面の場所を的確に指示することができる。これにより、鉱山100の稼働効率を高めることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態に係る図7に示すモーメント演算部433は、積載状態判定部432によって判定された荷台25の積載状態が積荷状態である場合に、第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2の演算を行うように構成されたのに対して、第2実施形態に係る図16に示すモーメント演算部433Aは、積載状態判定部432によって判定された荷台25の積載状態が空荷状態である場合に、第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2の演算を行うように構成されたことである。なお、その他の第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
このように構成した本発明の第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、ダンプトラック1が放土場3から積込場2の積込位置に戻った時点で、モーメント演算部433Aが第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算することが可能となる。そのため、油圧ショベル6、ダンプトラック1、及び管制塔7のオペレータは、表示装置19,36,44を確認することにより、車両が現在停止している積込位置に対する路面状態を直接知ることができるので、仮に当該路面状態が不良である場合には、ダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業を中止し、他の積込位置へ移動する決定を迅速に行うことができる。
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
また、本実施形態は、管制塔7のサーバ43が、ダンプトラック1の荷台25への積荷25Aの積込作業が行われる積込場2の路面状態を検知する機能、すなわち記憶部431、積載状態判定部432、モーメント演算部433、及び路面状態判定部434を備えた構成について説明したが、この場合に限らず、例えばサーバ43の代わりに、ダンプトラック1が積込場2の路面状態の検知機能を備えた構成であってもよい。
この場合には、ダンプトラック1が路面状態を直接判定し、その判定結果を表示装置36に表示することができる。従って、管制塔7は必ずしも必須の構成要素ではなく、ダンプトラック1と、油圧ショベル6及びブルドーザ9等との間で通信(車車間通信)を行うことにより、路面情報を送信してもよいし、ダンプトラック1から管制塔7を経由して路面情報を送信してもよい。
さらに、本実施形態では、ダンプトラック1は、オペレータが搭乗して車両の走行を操作する有人車両から構成された場合について説明したが、この場合に限らず、ダンプトラック1は、管制塔7からの指示に従って、鉱山100を自律走行する無人車両から構成されてもよい。この場合には、管制塔7は路面情報をダンプトラック1へ送信しなくてもよい。
また、本実施形態では、モーメント演算部433は、記憶部431に記憶された後輪用サスペンションシリンダ29Bl,29Br内のサスペンション圧力を用いて第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算した場合について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、サスペンション圧力センサ33が前輪用サスペンションシリンダ29Al,29Ar内のサスペンション圧力を検出することにより、モーメント演算部433が、この前輪用サスペンションシリンダ29Al,29Ar内のサスペンション圧力を用いて第1モーメントMR1及び第2モーメントMR2を演算してもよい。