JP6684254B2 - 路面状況演算装置及び鉱山の路面管理システム - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における鉱山現場の概略構成を示す図である。鉱山現場では、図1で示すように、掘削作業や積込作業等を行う複数台の積込機械1と、積込機械1で掘削された砕石や土砂等の掘削物を、積込機械1が位置する積込場から放土場へ運搬する複数の運搬車両2とが稼働している。運搬車両2が走行する路面は舗装されておらず、運搬車両2の重量が大きいため、運搬車両2の走行に伴い路面状況が悪化してくる。そのため、悪化した路面を修復する複数の整地車両3が稼働している。本実施形態では作業車両の例として運搬車両2を用いているが、作業車両は運搬車両2に限らず、ライトビークルであってもよい。
図2〜図3を参照して鉱山の路面管理システムの構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る鉱山の路面管理システムの構成を示すブロック図である。図3は、第1の実施形態に係る交通管制装置の構成を示すブロック図である。
路面状況演算装置10は、GNSS受信アンテナ11から得たGNSS衛星データを基に運搬車両2の現在位置を演算する自己位置演算部14と、鉱山内において予め規定された運搬車両2の基準走行路地図情報を記憶する基準走行路地図記憶部15と、運搬車両2の自車の位置及び基準走行路地図の比較結果を基づいて、基準走行路から迂回したか否かを判定し、迂回したと判定した場合には基準走行路において迂回のために離脱し始めた迂回開始点及び基準走行路に復帰した迂回終了点を演算する迂回判定部16と、運搬車両2が走行している自車の位置における走行路面凹凸レベルを演算する走行路面凹凸演算部17と、迂回中に得られた走行路面凹凸レベルよりも高い凹凸レベルを、基準走行路における迂回開始点から迂回終了点までの区間に相当する迂回区間の迂回路面凹凸レベルとして割り当てる迂回路面凹凸推定部18と、走行路面凹凸レベル及び迂回路面凹凸レベルを合成して基準走行路及び迂回して走行した路面の路面凹凸レベルを表す路面凹凸地図を生成する路面凹凸地図生成部19と、迂回判定距離記憶部20と、を備える。GNSS受信アンテナ11は車両位置検出装置のパーツであり、慣性計測装置を用いてもよい。
管理端末4は、運搬車両2との通信を行う管理側無線通信装置40と、路面状況演算装置10から受信した路面凹凸地図情報を表示する表示装置41と、交通管制装置42とを備える。管理端末4の管理側無線通信装置40及び運搬車両2の車両側無線通信装置13は、無線通信回線を介して通信接続される。
図5及び図6を参照して鉱山の路面管理システムの処理の概要について説明する。図5は、鉱山の路面管理システムで実行される処理の概要を示すフローチャートである。図6は、基準走行路地図の例を示す図である。鉱山の路面管理システムが起動すると一連の処理が開始する(S1)。運搬車両2が走行中、路面状況演算装置10は自車の位置を検出して車両位置情報及び走行中の車体振動を示す車体振動情報を取得する(S2)。走行路面凹凸演算部17は、車体振動情報を基に走行路面凹凸レベルを演算し(S3)、走行路面凹凸レベルを示す走行路面凹凸レベル情報を路面凹凸地図生成部19に出力する。
自己位置演算部14は、GNSS受信アンテナ11から複数のGNSS衛星データを取得し、車両位置141(図10A、図10B参照)を算出する。ここで算出する車両位置は、鉱山現場を平面と仮定し高さを無視した2次元情報である。自己位置演算部14は、車両位置141を示す車両位置情報を迂回判定部16と走行路面凹凸演算部17とに渡す。
走行路面凹凸演算部17は、加速度センサ12から運搬車両2の上下方向加速度を取得し、走行路面凹凸レベルを演算する。運搬車両2の上下方向加速度から走行路面凹凸レベルを算出する方法例として、例えば特許文献(特許第4220929号)に記載の方法を用いてもよい。本実施形態では、図11に示すように上下方向加速度から算出する走行路面凹凸レベルを5段階とし、凹凸の大きい方をレベル5、小さい方をレベル1とする。
基準走行路地図記憶部15は、前もって作成された鉱山における運搬車両2の基準走行路地図を保持している。図6に示すように、基準走行路地図で鉱山現場を平面と仮定し高さを無視した2次元情報により構成され、基準走行路201と、積込機械1から運搬車両2への積込み作業をおこなう積込エリア202と、運搬車両2が土砂の放土作業を行う放土エリア203とが其々規定されている。基準走行路地図記憶部15は、基準走行路地図を迂回判定部16と迂回路面凹凸推定部18とに渡す。
迂回判定部16は、基準走行路地図記憶部15から受け取った基準走行路地図上に、自己位置演算部14から受け取った車両位置141(図10A、図10B参照)を追加し、車両位置141と、基準走行路201と、積込エリア202と、放土エリア203とを比較することで、運搬車両2の迂回判定を行い、迂回開始点161と迂回終了点162とを算出する。
迂回路面凹凸推定部18は、基準走行路地図記憶部15から受け取った基準走行路地図と、迂回判定部16から受け取った迂回開始点161及び迂回終了点162とから、運搬車両2が迂回したため実際には走行していない基準走行路の部分区間からなる迂回区間の迂回路面凹凸レベルを推定する。
路面凹凸地図生成部19は、走行路面凹凸演算部17から車両位置141及び走行路面凹凸レベルを受け取り、迂回路面凹凸推定部18から迂回区間163及び迂回路面凹凸レベルを受け取り、路面凹凸地図を生成する。
運搬車両2に搭載した車両側無線通信装置13は、路面凹凸地図情報及び車両位置情報を管理側無線通信装置40に送信する。
管理端末4の管理側無線通信装置40は、運搬車両2の車両側無線通信装置13から路面凹凸地図情報を受け取り、表示装置41に渡す。表示装置41は例えば液晶ディスプレイ等であり、管理側無線通信装置40から取得した路面凹凸地図情報を基に、路面凹凸地図を表示する。
<凹凸演算の一部を管理端末で行う変形例>
鉱山の路面管理システムの変形例について、図12を用いて述べる。図12は、本発明の変形例に係わる鉱山の路面管理システムの構成を示すブロック図である。第1の実施形態においては、路面状況演算装置10を運搬車両2に設けていたが、管理端末4に管理側路面状況演算装置60を設け、路面凹凸に関する演算の全て、もしくは一部を管理側路面状況演算装置60で実施する変形例がある。
迂回区間163の路面凹凸レベル推定の変形例について、図13を用いて述べる。図13は、本発明の変形例に係わる鉱山の路面管理システムの構成を示すブロック図である。第1の実施形態の迂回路面凹凸推定部18においては、迂回区間163に対し、事前に設定した値(上記の説明では走行路面凹凸レベルに適用する最大値)を迂回路面凹凸レベルとして割り当てているが、迂回区間163の迂回路面凹凸レベルの推定には、迂回区間163周辺の運搬車両2が実際に走行した走行路面の走行路面凹凸レベルを利用する変形例がある。
第1の実施形態では、走行路面凹凸レベルとして5段階のレベルを設定したが、走行路面凹凸レベルとして連続値を用いても良い。この場合、上記図13の変形例において、迂回路面凹凸レベルとして連続値を適用してもよい。
第1の実施形態では、運搬車両2の走行路面凹凸レベルを算出するために、加速度センサ12から取得した上下方向加速度を使用したが、車体に発生する振動を検出して数値化し、走行路面凹凸レベルに変換できるものであれば、方式はこの限りではない。変形例として、例えば特許文献(特開2013−166425)記載の方法により、運搬車両2のサスペンションシリンダ圧を検出する圧力センサを搭載し、サスペンションシリンダ圧を測定して走行路面の凹凸レベルを演算する方法を採用しても良い。又はサスペンションシリンダのストローク長を測定するストローク長センサを搭載し、サスペンションシリンダのストローク長を基に走行路面の凹凸レベルを演算してもよい。
第1の実施形態では、地図情報を、高さを無視した2次元情報として取り扱ったが、高さ情報を含む3次元情報として取り扱っても良い。
2:運搬車両
3:整地車両
4:管理端末
5:無線中継局
10:路面状況演算装置
10a:車両側路面状況演算装置
11:GNSS受信アンテナ
12:加速度センサ
13:車両側無線通信装置
40:管理側無線通信装置
41:表示装置
42:交通管制装置
Claims (6)
- 作業車両が走行する路面の凹凸状況を演算する路面状況演算装置であって、
前記作業車両は、自車の位置を検出して車両位置情報を出力する車両位置検出装置、及び走行中に前記作業車両の車体に発生する振動を検出して車体振動情報を出力する車体振動検出装置を搭載し、前記車両位置検出装置及び前記車体振動検出装置の其々は前記路面状況演算装置に接続され、
前記路面状況演算装置は、
予め規定された前記作業車両の基準走行路を示す基準走行路地図を記憶する基準走行路地図記憶部と、
前記車両位置情報及び前記車体振動情報に基づいて、前記作業車両が実際に走行した路面の前記自車の位置における走行路面凹凸レベルを演算する走行路面凹凸演算部と、
前記自車の位置及び前記基準走行路地図の比較結果を基づいて、前記基準走行路から迂回したか否かを判定し、迂回したと判定した場合には前記基準走行路において迂回のために離脱し始めた迂回開始点及び前記基準走行路に復帰した迂回終了点を演算する迂回判定部と、
前記迂回中に得られた前記走行路面凹凸レベルよりも高い凹凸レベルを、前記基準走行路における前記迂回開始点から前記迂回終了点までの区間に相当する迂回区間の迂回路面凹凸レベルとして割り当てる迂回路面凹凸推定部と、
前記走行路面凹凸レベル及び前記迂回路面凹凸レベルを合成して、前記基準走行路の路面の凹凸を示す路面凹凸地図を生成する路面凹凸地図生成部と、を備える、
ことを特徴とする路面状況演算装置。 - 請求項1に記載の路面状況演算装置において、
前記車体振動検出装置は、前記作業車両の上下方向加速度を検出する加速度センサ、前記作業車両に搭載されたサスペンションシリンダのストローク長を検出するストローク長センサ、又は前記サスペンションシリンダを検出する圧力センサを用いて構成され、
前記走行路面凹凸演算部は、前記上下方向加速度、前記ストローク長、又は前記サスペンションシリンダの圧力の少なくとも一つを基に、前記走行路面凹凸レベルを演算する、
ことを特徴とする路面状況演算装置。 - 請求項1に記載の路面状況演算装置において、
前記迂回判定部は、前記作業車両の前記自車の位置と前記基準走行路との最短距離を迂回判定距離として算出し、
前記迂回判定距離が予め定められた迂回開始判定距離よりも大きくなった場合に、前記作業車両が迂回を開始したと判定して前記迂回開始点を設定し、
前記迂回判定距離が予め定められた迂回終了判定距離よりも小さくなった場合に、前記作業車両が迂回を終了したと判定して前記迂回終了点を設定する、
ことを特徴とする路面状況演算装置。 - 請求項1記載の路面状況演算装置において、
前記基準走行路地図には、積込エリアの位置及び放土エリアの位置が其々規定されており、
前記迂回判定部は、前記自車の位置が前記積込エリア又は前記放土エリアの内側に存在したと判定した場合は、前記作業車両が前記基準走行路から迂回したか否かの判定を行わない、
ことを特徴とする路面状況演算装置。 - 作業車両と当該作業車両の運行を管理する管理端末とを無線通信回線を介して接続した鉱山の路面管理システムであって、
前記作業車両は、自車の位置を検出して車両位置情報を出力する車両位置検出装置と、走行中に前記作業車両の車体に発生する振動を検出して車体振動情報を出力する車体振動検出装置と、
車両側無線通信装置と、
作業車両が走行する路面の凹凸状況を演算する路面状況演算装置であって、前記車両位置検出装置、前記車体振動検出装置、及び前記車両側無線通信装置の其々に接続された路面状況演算装置と、を備え、
前記路面状況演算装置は、
予め規定された前記作業車両の基準走行路を示す基準走行路地図を記憶する基準走行路地図記憶部と、
前記車両位置情報及び前記車体振動情報に基づいて、前記作業車両が実際に走行した路面の前記自車の位置における走行路面凹凸レベルを演算する走行路面凹凸演算部と、
前記自車の位置及び前記基準走行路地図の比較結果を基づいて、前記基準走行路から迂回したか否かを判定し、迂回したと判定した場合には前記基準走行路において迂回のために離脱し始めた迂回開始点及び前記基準走行路に復帰した迂回終了点を演算する迂回判定部と、
前記迂回中に得られた前記走行路面凹凸レベルよりも高い凹凸レベルを、前記基準走行路における前記迂回開始点から前記迂回終了点までの区間に相当する迂回区間の迂回路面凹凸レベルとして割り当てる迂回路面凹凸推定部と、
前記走行路面凹凸レベル及び前記迂回路面凹凸レベルを合成して、前記基準走行路の路面の凹凸を示す路面凹凸地図を生成する路面凹凸地図生成部と、を備え、
前記管理端末は、管理側無線通信装置に接続され、
前記管理端末は、前記基準走行路に停止中の車両がある場合は、停止車両位置を示す停止車両情報を生成し、前記管理側無線通信装置を介して前記作業車両に対して送信し、
前記車両側無線通信装置が前記停止車両情報を受信すると、前記迂回判定部は、前記停止車両情報に含まれる前記停止車両位置を参照し、前記自車の位置が前記停止車両位置から所定の距離範囲内に含まれる場合は、前記作業車両が前記基準走行路から迂回したか否かを判定しない、
ことを特徴とする鉱山の路面管理システム。 - 作業車両と当該作業車両の運行を管理する管理端末とを無線通信回線を介して接続した鉱山の路面管理システムであって、
前記作業車両は、
自車の位置を検出して車両位置情報を出力する車両位置検出装置と、
走行中に前記作業車両の車体に発生する振動を検出して車体振動情報を出力する車体振動検出装置と、
前記作業車両が実際に走行した路面の走行路面凹凸レベルを示す走行路面凹凸レベル情報及び前記車両位置情報を前記管理端末に送信する車両側無線通信装置と、
前記車両位置検出装置、前記車体振動検出装置、及び前記車両側無線通信装置に接続された車両側路面状況演算装置と、を搭載し、
車両側路面状況演算装置は、
前記車両位置情報及び前記車体振動情報に基づいて、前記作業車両が実際に走行した路面の前記自車の位置における走行路面凹凸レベルを演算して、その走行路面凹凸レベルを示す走行路面凹凸レベル情報を前記車両側無線通信装置に出力する走行路面凹凸演算部を備え、
前記管理端末は、前記走行路面凹凸レベル情報及び前記車両位置情報を受信する管理側無線通信装置及び当該管理側無線通信装置に接続された管理側路面状況演算装置を備え、
前記管理側路面状況演算装置は、
予め規定された前記作業車両の基準走行路を示す基準走行路地図を記憶する基準走行路地図記憶部と、
前記車両位置情報に含まれる前記自車の位置及び前記基準走行路地図の比較結果を基づいて、前記基準走行路から迂回したか否かを判定し、迂回したと判定した場合には前記基準走行路において迂回のために離脱し始めた迂回開始点及び前記基準走行路に復帰した迂回終了点を演算する迂回判定部と、
前記迂回中に得られた前記走行路面凹凸レベルよりも高い凹凸レベルを、前記基準走行路における前記迂回開始点から前記迂回終了点までの区間に相当する迂回区間の迂回路面凹凸レベルとして割り当てる迂回路面凹凸推定部と、
前記走行路面凹凸レベル及び前記迂回路面凹凸レベルを合成して、前記基準走行路の路面の凹凸を示す路面凹凸地図を生成する路面凹凸地図生成部と、を備える、
ことを特徴とする鉱山の路面管理システム。
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