JP6495100B2 - イメージ管 - Google Patents
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Description
イメージ管は、いわゆるイメージインテンシファイア(Image Intensifier)として、医療用診断装置や工業用非破壊検査装置などに広く用いられている。
イメージ管には、外囲器、入力部、電極、陽極、絶縁部および出力部などが設けられている。
この様なイメージ管においては、電極は、外囲器に溶接された支持部に取り付けられている。
ここで、筒状を呈する外囲器の内壁に精度良く支持部を溶接するのは困難である。
そのため、外囲器を複数の部分に分割し、外囲器の複数の部分の間に支持部の一方の端部側を挟み込み、外囲器の複数の部分と支持部とを溶接する技術が提案されている。
ところが、溶接をした際に支持部が変形してしまい、支持部に電極を取り付ける際に電極の位置を所定の位置に合わせるのが困難となる場合がある。
電極の位置が所定の位置にないと、出力される光学像の品質が劣化するおそれがある。 この場合、支持部の変形を抑制するために、単に支持部の厚みを厚くすると、支持部を外囲器の複数の部分の間に挟んだ状態で溶接するのが困難となる。
また、支持部を外囲器の複数の部分の間に挟んだ状態で接着すれば、支持部の変形を抑制することができる。
しかしながら、接着による接合では、外囲器の内部が気密となるようにすることが困難となる。
そこで、支持部を外囲器の複数の部分の間に溶接する場合であっても、電極の位置合わせを容易とすることができる技術の開発が望まれていた。
また、以下においては、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。
したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
図2は、本実施の形態に係る集束電極42の取り付けを例示するための模式断面図である。
なお、図2は、図1におけるA部の模式拡大図である。
図1に示すように、イメージ管1には、外囲器2、入射窓21、入力部3、電極4、陽極5、出力部6、および絶縁部7が設けられている。
なお、図1中のLはX線を、Mは電子線を、Nは可視光像を、Tは被写体をそれぞれ表している。
外囲器2の一方の端部側は、入射窓21により塞がれている。
外囲器2の他方の端部側は、出力部6および絶縁部7により塞がれている。
第1部分2a、および第2部分2bは、管軸1a方向に沿って並べて設けられている。 第1部分2a、および第2部分2bの材料は、例えば、金属とすることができる。
第1部分2aの第2部分2b側とは反対側の端部には、入射窓21の周縁部が気密となるように取り付けられている。
第1部分2aの第2部分2b側の端部には、フランジ部2a1が設けられている。
フランジ部2a1は、管軸1aに直交する方向において、第1部分2aの外方に向けて突出している。平面視におけるフランジ部2a1の形状は、円環状とすることができる。
なお、本願明細書において平面視とは、管軸1a方向から見た場合をいう。
フランジ部2b1は、管軸1aに直交する方向において、第2部分2bの外方に向けて突出している。平面視におけるフランジ部2b1の形状は、円環状とすることができる。フランジ部2b1の大きさは、フランジ部2a1の大きさと同じとすることができる。
第2部分2bのフランジ部2b1は、第1部分2aのフランジ部2a1と対峙している。 第1部分2aと第2部分2bは、互いに溶接されている。
この場合、フランジ部2a1の外周端面と、フランジ部2b1の外周端面と、基部43aの外周端面とが溶接されている(図2を参照)。
入力部3は、外囲器2の内部であって、入射窓21と対峙させて設けられている。
入力部3は、入射窓21側に設けられた入射基板と、入射基板の入射窓21側とは反対側に設けられた入射側蛍光膜と、入射側蛍光膜の入射基板側とは反対側に設けられた光電変換膜とを有する。
入射基板の入射窓21側の面は、入射面となっている。入射基板には、放射線であるX線Lが入射する。また、入射基板は、陰極として機能する。入射基板は、例えば、アルミニウムなどから形成することができる。入射基板の厚み寸法は、例えば、1mm程度とすることができる。
入射側蛍光膜は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものとすることができる。 光電変換膜は、外囲器2の内部に面している。
光電変換膜には、入射側蛍光膜により変換された蛍光が入射する。
光電変換膜は、入射した蛍光を電子線Mに変換する。
電極4は、管軸1a方向に沿って並べて設けられた電極40、集束電極41、および集束電極42を有する。
集束電極41と集束電極42は、入力部3から放射された電子線Mを集束させる。
集束電極41は、入力部3から放射された電子線Mの焦点位置を制御する。集束電極41は、例えば、フォーカス用の集束電極とすることができる。
集束電極42は、入力部3から放射された電子線Mの出力部6における照射領域を制御する。集束電極42は、例えば、視野可変用の集束電極とすることができる。
図1に例示をしたイメージ管1の場合には、1つの電極40と、1つの集束電極41と、1つの集束電極42とが設けられているが、電極の数は適宜変更することができる。
図2に示すように、支持部43は、基部43a、接続部43b、および取付部43cを有する。
基部43aは、環状の板状体とすることができる。
平面視における基部43aの形状は、例えば、円環状とすることができる。
フランジ部2a1の外周端面と、フランジ部2b1の外周端面と、基部43aの外周端面とが溶接されている。図2中の符号Wは、溶接された部分を表している。
接続部43bは、筒状体とすることができる。
接続部43bは、例えば、円筒状を呈したものとすることができる。
接続部43bの一方の端部は、基部43aの内周縁に接続されている。接続部43bの他方の端部は、取付部43cの外周縁に接続されている。
平面視における取付部43cの形状は、例えば、円環状とすることができる。
取付部43cは、基部43aと平行となるように設けることができる。
取付部43cには、絶縁部材44を介して集束電極42が取り付けられる。
例えば、ねじなどの締結部材102を用いて取付部43cに絶縁部材44を取り付け、締結部材102を用いて絶縁部材44に集束電極42を取り付けることができる。
基部43a、接続部43b、および取付部43cは、例えば、塑性加工により一体に形成することもできるし、溶接などにより一体化することもできる。
絶縁部材44は、取付部43cと集束電極42との間に複数設けられている。
絶縁部材44は、集束電極42と取付部43c(外囲器2)との間を絶縁する。
絶縁部材44の材料は、絶縁性材料とすることができる。絶縁部材44の材料は、例えば、セラミックスなどとすることができる。
絶縁部材44は、締結部材102により取付部43cに取り付けられる。
なお、絶縁部材44は、筒状体とすることもできる。絶縁部材44は、例えば、円筒状を呈するものとすることもできる。
例えば、外囲器2をさらに分割し、図示しない支持部および絶縁部材を用いて、電極40、および集束電極41を外囲器2の内部に取り付けることができる。
また、図示しない絶縁部材を取付部43cと電極40との間に設けて、電極40を取付部43cに取り付けることもできる。図示しない絶縁部材を取付部43cと集束電極41との間に設けて、集束電極41を取付部43cに取り付けることもできる。
陽極5は、集束電極41、42により集束させた電子線Mを加速させる。
出力部6は、絶縁部7の外囲器2側とは反対側の端部を塞ぐように設けられている。
出力部6は、陽極5により加速させた電子線Mを蛍光(可視光)に変換し、可視光像Nとして出射する。
フェースプレート6aは、板状を呈し、ガラスなどの光透過性を有する材料から形成することができる。
接続板6bの平面視における形状は環状を呈している。接続板6bの内周縁側は、ガラスからなるフェースプレート6aに融着されている。
接続板6bの外周縁側は、ガラスからなる絶縁部7に融着されている。
また、接続板6bには、陽極5を電気的に接続することができる。
出射側蛍光膜6cは、メタルバック膜6dを介して入射した電子線Mを蛍光(可視光)に変換し、可視光像Nとして出射する。
出射側蛍光膜6cは、例えば、アルミニウム、銅を賦活物質とするZnS:Al、Cuからなる緑色蛍光体などを含むものとすることができる。
メタルバック膜6dは、出射側蛍光膜6cに残る余剰な電子を接続板6bを介して放出する。すなわち、メタルバック膜6dは、出射側蛍光膜6cにおける帯電を防止する。
メタルバック膜6dは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などから形成することができる。メタルバック膜6dの厚みは、例えば、200nm〜350nm程度とすることができる。
絶縁部7は、絶縁性を有し、例えば、ガラスなどから形成することができる。
絶縁部7の外囲器2側の端部の断面積は、絶縁部7の出力部6側の端部の断面積よりも大きくなっている。絶縁部7は、例えば、段付きの筒状体とすることができる。
電源101は、例えば、イメージ管1から離隔した位置に設けることができる。この場合、電源101は、配線などを介して、電極4、陽極5、メタルバック膜6d、および、陰極である入力部3の入射基板と電気的に接続される。
なお、集束電極41および集束電極42に印加される電圧は、集束電圧となる。
この場合、集束電極41および集束電極42には数百V〜数千V程度の電圧が印加される。
この場合、陽極5には、25kV〜30kV程度の電圧が印加される。
メタルバック膜6dには、25kV〜30kV程度の電圧が印加される。
入力部3の入射基板は、アースであるグランドに接続されている。
X線発生装置100は、例えば、X線Lを発生させる回転陽極X線管と、回転陽極X線管に高電圧を印加する電源を備えたものとすることができる。
回転陽極X線管は、印加された高電圧により加速させた電子をターゲットに衝突させることでX線Lを発生させる。
図3(a)は、比較例に係る集束電極42の取り付けを例示するための模式図である。 図3(a)に示すように、集束電極42は、支持部143および絶縁部材44により外囲器2の内部に取り付けられている。
支持部143は、板状体である。
また、平面視における支持部143の形状は、円環状である。
フランジ部2a1の外周端面と、フランジ部2b1の外周端面と、支持部143の外周端面とは溶接されている。図3(a)中の符号Wは、溶接された部分を表している。
フランジ部2a1の外周端面、フランジ部2b1の外周端面、および支持部143の外周端面を溶接した際に、熱によりフランジ部2a1およびフランジ部2b1が変形する場合がある。
そのため、支持部143は、支持部143の外周端面と、支持部143の内周端面とを近接させる方向に変形する。
この場合、図3(b)に示すように、支持部143は、表面が波打つように変形する。
この場合、支持部143の変形を抑制するために、単に支持部143の厚みを厚くすると、支持部143をフランジ部2a1とフランジ部2b1の間に挟んだ状態で溶接するのが困難となる。
また、支持部143をフランジ部2a1とフランジ部2b1の間に挟んだ状態で接着すれば、支持部143の変形を抑制することができる。しかしながら、接着による接合では、外囲器2の内部が気密となるようにすることが困難となる。
図4に示すように、支持部243は、基部243aと取付部243bを有する。
基部243aは、板状体である。
また、平面視における基部243aの形状は、円環状である。
取付部243bは、円筒状を呈し、基部243aの内周縁に接続されている。取付部243bには、絶縁部材を介して図示しない電極が取り付けられる。
この場合、取付部243bには、前述した力F1や反力F2が発生しないので、取付部243bが波打つように変形することはない。
そのため、集束電極42の位置を所定の位置に合わせるのが困難となる。
また、取付部243bは円筒状を呈しているので、絶縁部材を介した電極の取り付けが困難となる。
図5は、支持部43の作用効果を説明するための模式断面図である。
図5に示すように、フランジ部2a1の外周端面、フランジ部2b1の外周端面、および基部43aの外周端面を溶接した際には、基部43aは、表面が波打つように変形する。
接続部43bには、前述した力F1や反力F2が発生しないので、接続部43bが波打つように変形することはない。
また、取付部43cにも前述した力F1や反力F2が発生しないので、取付部43cが波打つように変形することはない。
そのため、絶縁部材44の取り付け面である取付部43cの表面は、平坦面のままとなる。
接続部43bが傾くと、管軸1aに直交する方向における取付部43cの位置が移動することになる。
しかしながら、接続部43bの長さはある程度短くすることができるので、接続部43bの取付部43c側の移動量、すなわち、取付部43cの移動量を少なくすることができる。
また、取付部43cがほぼ平行に移動するようにすることができる。
そのため、例えば、ねじ穴を長孔などとしておけば、絶縁部材44の取り付け位置を容易に調整することができる。
また、溶接時に基部43aが変形したとしても、絶縁部材44の取り付け面である取付部43cの表面は、平坦面のままとすることができる。
取付部43cの移動量も少なくすることができ、取付部43cがほぼ平行に移動するようにすることができる。
そのため、支持部43を外囲器2の複数の部分の間に溶接する場合であっても、電極4の位置合わせを容易とすることができる。
基部43aと取付部43cが平行であれば、接続部43bの形態は適宜変更することができる。
例えば、接続部43bが漏斗状を呈し、接続部43bが基部43aおよび取付部43cと直交していなくてもよい。
Claims (3)
- 筒状を呈し、互いに溶接された複数の部分を有する外囲器と、
前記外囲器の一方の端部側に設けられ、入射した放射線を蛍光に変換する入射側蛍光膜と、前記蛍光を電子線に変換する光電変換膜と、を有する入力部と、
前記外囲器の前記入力部が設けられる側とは反対側に設けられ、前記電子線を蛍光に変換する出射側蛍光膜を有する出力部と、
前記外囲器の内部に設けられた電極と、
外周縁側が前記複数の部分の間に挟まれた環状の基部と、前記基部と平行に設けられ、絶縁部材を介して前記電極を取り付ける環状の取付部と、一端が前記基部の内周縁側に接続され、他端が前記取付部に接続された筒状の接続部と、を一体に有する支持部と、
を備えたイメージ管。 - 前記取付部と、前記電極と、の間に設けられ、締結部材により前記取付部に取り付けられる絶縁部材をさらに備えた請求項1記載のイメージ管。
- 前記基部の外周端面は、前記複数の部分と溶接されている請求項1または2に記載のイメージ管。
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