以下に、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
図1の符号1は、本実施形態の電気接続箱を示す。また、図1の符号WHは、その電気接続箱1を備えたワイヤハーネスを示す。本実施形態の電気接続箱1とは、例えば、図示しない電源(二次電池)と電子機器との間に介在させ、その電源から電子機器への供給電力を調整するものである。例えば、この電気接続箱1とワイヤハーネスWHは、車両に搭載され、車両の電源と電子機器との間に介装させる。この電気接続箱1は、リレーボックス、ヒューズボックス、ジャンクションボックス等と称される場合もある。
電気接続箱1は、電子部品20等の各種構成部品が組み付けられた接続体10と、この接続体10を内部に収容する筐体60と、を備える(図2)。
接続体10は、少なくとも1つの電子部品20と、この電子部品20を保持する保持部材(以下、「電子部品保持部材」という。)30と、電子部品20に対して電気的に接続された複数本の電線40と、が組み付けられたものである(図3−図6)。
電子部品20とは、例えば、リレー、ヒューズやヒュージブルリンク等のことである。電子部品20は、リレー本体やヒューズ本体等の電子部品本体21と、この電子部品本体21に対して電気的に接続された電気接続部としての端子22と、を備える。
端子22は、金属等の導電性材料によって構成される。例えば、端子22は、電子部品本体21と電気的に接続されている金属製のバスバーの一部として形成されている。この端子22は、金属製の相手側端子(図示略)と着脱自在に且つ電気的に接続される。この端子22と相手側端子は、一方が雄型に成形され、他方が雌型に成形される。この例示では、端子22を雄型に成形し、相手側端子を雌型に成形している。その相手側端子は、電子部品保持部材30の内部に収容されている。この例示の電子部品20においては、4つの端子22を電子部品本体21から同一方向に向けて延出させている。
電子部品保持部材30は、合成樹脂等の絶縁性材料によって成形される。この電子部品保持部材30には、電子部品20の端子22を個別に収容する収容室(以下、「端子収容室」という。)31が形成されている。本実施形態の接続体10においては、その端子収容室31への端子22の挿入方向を全て同じ向きに合わせている。
端子収容室31には、上記の相手側端子が嵌合される。電子部品20は、端子22を相手側端子の接続部に挿入することで、この相手側端子に保持される。このため、電子部品保持部材30においては、この端子収容室31に電子部品20の端子22を収容しつつ、この電子部品20が保持される。尚、電子部品保持部材30には、端子収容室31と共に、電子部品本体21の収容室を形成してもよい。この場合、電子部品20は、その電子部品本体21の収容室に保持させることができる。
ここで、相手側端子には、電線40が電気的に接続される。例えば、電線40は、相手側端子における端子22との接続部とは反対側に圧着させる。この場合には、電線40の圧着された相手側端子を、電子部品保持部材30における端子22の挿入口とは逆側から端子収容室31に挿入して、この端子収容室31に嵌合させる。また、電線40は、その端部に電線用端子(図示略)を電気接続し、この電線用端子を相手側端子に接続することによって、相手側端子との電気的な接続を構築してもよい。この場合、相手側端子には、端子22との接続部とは反対側に、電線用端子との接続部が形成される。電線40は、このように、相手側端子を介して、電子部品20の端子22に電気的に接続される。
本実施形態の電気接続箱1は、そのように構成した接続体10を複数備えている。その複数の接続体10は、互いに間隔を空けた積層状態で筐体60の内部に収容する。複数の接続体10の積層方向としては、例えば、車両上下方向や車両前後方向等、電気接続箱1の配置に応じた様々な方向が考えられる。
筐体60は、合成樹脂等の絶縁性材料によって成形される。この筐体60には、積層された複数の接続体10の収容が可能な収容室(以下、「接続体収容室」という。)61が形成されている。その接続体収容室61は、複数の接続体10の積層方向における両端に開口部61a,61bを有する。それぞれの開口部61a,61bは、接続体10の接続体収容室61への挿入と接続体収容室61からの抜去とが行える大きさと形状に形成する。それぞれの開口部61a,61bの内の少なくとも一方は、接続体10のメンテナンス作業時の作業用開口部として利用する。この例示では、一方の開口部61aを作業用開口部として利用する。メンテナンス作業とは、例えば、電子部品20や電線40の状態の確認作業(ヒューズの溶断の有無の確認等)、電子部品20の交換作業などのことである。このため、最も作業用開口部に近い接続体10は、電子部品20を作業用開口部から露出させた状態で接続体収容室61に収容する。これにより、作業者は、例えば、この接続体10を筐体60に保持させたままで、この接続体10の電子部品20のメンテナンス作業を作業用開口部側から行うことができる。この接続体10の電子部品20は、作業用開口部よりも接続体収容室61の内方に配置してもよく、図1に示すように、作業用開口部から接続体収容室61の外に突出させてもよい。一方、他の接続体10については、電子部品20における電子部品本体21が作業用開口部側を向くように接続体収容室61の中に配置する。これにより、作業者は、この接続体10に重なっている作業用開口部側の接続体10を接続体収容室61から取り外した場合、この取り外しに伴い露出した接続体収容室61の中の電子部品20のメンテナンス作業を作業用開口部側から行うことができる。
筐体60には、その接続体収容室61の他に、積層されていない同様の接続体10の収容室、少なくとも電子部品20と当該電子部品20を保持する保持部材とを備えた別形態の接続体(図示略)の収容室又は電子部品20そのものの収容室等が形成されていてもよい。
この電気接続箱1は、収容された接続体10を接続体収容室61に保持する接続体保持機構70を備える。その接続体保持機構70は、接続体10毎に少なくとも2つ設ける。それぞれの接続体保持機構70は、自ら保持する接続体10が他の接続体10の接続体保持機構70で保持されないように、接続体10の積層方向(換言するならば接続体10の接続体収容室61への挿入方向や抜去方向)において互いに重ならないように、互いにずらした位置に配置する。
筐体60における他方の開口部61bに最も近い接続体10の接続体保持機構70は、この接続体10の接続体収容室61に対する開口部61b側からの取り付けが行えるように構成する。これにより、開口部61bに最も近い接続体10は、開口部61b側から接続体収容室61に挿入し、接続体保持機構70によって保持させることができる。ここで、この接続体保持機構70は、この接続体10の接続体収容室61に対する開口部61b側からの着脱が行えるように構成してもよい。これにより、この接続体収容室61に保持されている接続体10は、接続体保持機構70による保持状態を解除することで、開口部61bから取り外すこともできる。例えば、車載状態で開口部61b側からもメンテナンス作業を行える場合には、電気接続箱1を車両から取り外さなくても、開口部61bから取り外した接続体10のメンテナンス作業を実施することができる。
これに対して、複数の接続体10の内の残りの接続体10(他方の開口部61bに最も近い接続体10を除いたもの)の接続体保持機構70は、この接続体10の接続体収容室61に対する他方の開口部61b側から作業用開口部(一方の開口部61a)側への着脱と、作業用開口部側から他方の開口部61b側への取り付けと、が行えるように構成する。これにより、この接続体10は、開口部61b側から接続体収容室61に挿入し、接続体保持機構70によって保持させることができる。また、この接続体10は、接続体保持機構70による保持状態を解除することで、作業用開口部(開口部61a)から取り外すことができる。このため、この接続体10は、電気接続箱1を車両から取り外さなくても、メンテナンス作業を実施することができる。また、この接続体10は、開口部61a側から接続体収容室61に挿入し、接続体保持機構70によって保持させることができる。このため、作業者は、作業用開口部から取り外してメンテナンス作業を行った接続体10を、電気接続箱1を車両から取り外さなくても、接続体収容室61に再び戻すことができる。
具体的に、この例示では、積層された接続体10として、第1接続体10Aと第2接続体10Bとが設けられている。接続体収容室61においては、作業用開口部(開口部61a)側に第1接続体10Aを配置し、開口部61b側に第2接続体10Bを配置する。この例示の電気接続箱1においては、第1接続体10Aと第2接続体10Bが車両上下方向に積層され、作業者が車両上側の作業用開口部から車載状態のままで電子部品20等のメンテナンス作業を行うことができる。
上段の第1接続体10Aは、4つの電子部品20と、それぞれの電子部品20を保持する電子部品保持部材30Aと、電子部品20の端子22毎の電線40と、を備える(図2、図3)。電子部品保持部材30Aは、方体状に成形している。この電子部品保持部材30Aにおいては、その6面の内の1面が4つの電子部品20の取り付け面となり、この取り付け面に4つの電子部品20を格子状に並べて配置する。ここでは、その6面の内の車載状態でのメンテナンス作業を行う側の面(車両上側の面)を、それぞれの電子部品20が配置される取り付け面とする。その取り付け面には、端子22の挿入口が形成されている。その端子22の挿入口とは、端子収容室31に収容された際の作業用開口部側の開口のことである。
下段の第2接続体10Bは、3つの電子部品20と、それぞれの電子部品20を保持する電子部品保持部材30Bと、電子部品20の端子22毎の電線40と、を備える(図2、図5)。電子部品保持部材30Bにおいては、車載状態でのメンテナンス作業を行う側の面(車両上側の面)が3つの電子部品20の取り付け面となり、この取り付け面に3つの電子部品20をL字状に並べて配置する。電子部品保持部材30Bは、そのL字状の配置に合わせてL字状に成形し、車両上側にL字型の取り付け面を形成する。その取り付け面には、端子22の挿入口が形成されている。その端子22の挿入口とは、端子収容室31に収容された際の作業用開口部側の開口のことである。
接続体収容室61は、その電子部品保持部材30A,30Bの形状に合わせて直方体状に形成する。
第1接続体10Aと接続体収容室61との間には、この第1接続体10Aの接続体保持機構70として、第1接続体保持機構70Aが設けられている(図4、図7−図9)。この例示では、第1接続体10Aと接続体収容室61の内壁面62aとの間及び第1接続体10Aと接続体収容室61の内壁面62bとの間に、第1接続体保持機構70Aを2つずつ配置している。つまり、この例示では、接続体収容室61の4つの内壁面の内の対向する2つの内壁面62a,62bで第1接続体10Aを保持している。
第1接続体保持機構70Aは、第1接続体10Aに設けた第1係合部71と、接続体収容室61の内壁面62a,62bに設けた第2係合部72と、を備える。
第1係合部71は、内壁面62aに対向する電子部品保持部材30Aの側壁面32aと、内壁面62bに対向する電子部品保持部材30Aの側壁面32bと、に設ける(図4)。第1係合部71は、側壁面32a,32bの面上から突出させた係合爪であり、第2係合部72との間で係合される係合面71aを備える(図3及び図4)。それぞれの側壁面32a,32bには、2つの第1係合部71が、接続体10の積層方向に対する直交方向に並列配置される。その並列配置された2つの第1係合部71においては、一方の第1係合部71の係合面71aが積層方向における一方側(開口部61a側)に配置され、他方の第1係合部71の係合面71aが積層方向における他方側(開口部61b側)に配置される。
第2係合部72は、第1係合部71の係合面71aを引っ掛けて係止するロックアームである。第2係合部72は、第1接続体10Aの4つの第1係合部71と各々対向する位置に配置する。第2係合部72は、接続体10の積層方向に延在する2つのアーム部72aと、この2つのアーム部72aの端部を繋ぐ軸部72bと、を備えたコの字状のものである(図8及び図9)。2つのアーム部72aは、互いに間隔を空けて平行に配置すると共に、内壁面62a,62bから間隔を空けて配置する。第2係合部72は、開口部61a側に係合面71aを有する第1係合部71を係合するものである場合、2つのアーム部72aにおける開口部61a側の端部を軸部72bで繋ぎ、2つのアーム部72aにおける開口部61b側の端部を内壁面62a(62b)に固定する。これに対して、開口部61b側に係合面71aを有する第1係合部71を係合するものである場合には、2つのアーム部72aにおける開口部61b側の端部を軸部72bで繋ぎ、2つのアーム部72aにおける開口部61a側の端部を内壁面62b(62a)に固定する。第2係合部72は、軸部72bに力を加えることで、アーム部72aの固定点を支点にして傾倒することができる。第2係合部72は、軸部72bに加えている力を解放することで、元の位置に戻る。
側壁面32a,32bにおける一方の第1接続体保持機構70Aにおいては、第1接続体10Aの接続体収容室61への挿入と共に、第1係合部71が第2係合部72の軸部72bを乗り越えて、第2係合部72における2つのアーム部72aと軸部72bとで囲まれた空間内に第1係合部71が挿入される。これにより、この一方の第1接続体保持機構70Aにおいては、第1係合部71と第2係合部72とが係合されたロック状態になる(図10)。図10は、第1接続体10Aが接続体収容室61に組み付けられた状態を示す上面図(開口部61a側からみた図)である。これに対して、側壁面32a,32bにおける他方の第1接続体保持機構70Aにおいては、第1係合部71が第2係合部72におけるコの字状の開口部分から2つのアーム部72aと軸部72bとで囲まれた空間内に挿入される。
第1係合部71の乗り越えの際、第2係合部72は、第1係合部71からの力が軸部72bに加わり、内壁面62a,62bから離れていく方向へと傾倒する。この第2係合部72は、空間内に第1係合部71が挿入されると、この第1係合部71からの力が解放されるので、元の位置に戻る。側壁面32aと内壁面62aとの間の2つの第1接続体保持機構70Aでは、第1接続体10Aが積層方向の内の一方に動こうとしたときに、一方の第1接続体保持機構70Aにおいて係合面71aが軸部72bで係止され、第1接続体10Aが積層方向の内の他方に動こうとしたときに、他方の第1接続体保持機構70Aにおいて係合面71aが軸部72bで係止される。このような係合面71aと軸部72bとの間の係止状態は、側壁面32bと内壁面62bとの間の2つの第1接続体保持機構70Aにおいても同様に起こっている。このため、第1接続体10Aは、開口部61a側にも開口部61b側にも抜け出ることができず、接続体収容室61に保持される。
第1接続体保持機構70Aにおいては、そのロック状態を解除する場合、マイナスドライバの如き治具で軸部72bを接続体収容室61の内壁面62a,62b側に押し動かして、係合面71aが軸部72bで係止されないようにすればよい。
第1接続体10Aは、これら4つの第1接続体保持機構70Aによって、接続体収容室61に対する他方の開口部61b側から作業用開口部(一方の開口部61a)側への着脱と、作業用開口部側から他方の開口部61b側への着脱と、を行うことができる。このため、第1接続体10Aは、開口部61b側から接続体収容室61に挿入し、この接続体収容室61に保持することができる。また、第1接続体10Aは、開口部61b側から抜き出したい場合、開口部61b側で係止している軸部72bを押し動かして、第1接続体保持機構70Aのロック状態を解除することによって、開口部61b側から取り外すことができる。一方、第1接続体10Aは、開口部61a側から抜き出したい場合、開口部61a側で係止している軸部72bを押し動かして、第1接続体保持機構70Aのロック状態を解除することによって、開口部61a側から取り外すことができる。また、第1接続体10Aは、開口部61a側から接続体収容室61に挿入し、この接続体収容室61に保持することができる。このように、第1接続体10Aは、どちらの開口部61a,61bからも着脱することができる。従って、この電気接続箱1は、第1接続体10Aのメンテナンス作業性に優れている。
ここで、電子部品保持部材30Aの側壁面32a,32bには、各々、並列配置された2つの第1係合部71を挟み込むように、接続体10の積層方向に延在させた第1ガイド部81を設けている(図3及び図4)。この例示の第1ガイド部81は、側壁面32a,32bの面上から突出させている。更に、接続体収容室61の内壁面62a,62bには、各々、並列配置された2つの第2係合部72を挟み込むように、接続体10の積層方向に延在させた第2ガイド部82を設けている(図7−図10)。この例示の第2ガイド部82は、内壁面62a,62bの面上から突出させている。第1ガイド部81と第2ガイド部82は、互いに嵌合状態で相手を積層方向に案内するものである。これにより、作業者は、第1接続体10Aの接続体収容室61に対する着脱作業を容易に行うことができる。
第2接続体10Bと接続体収容室61との間には、この第2接続体10Bの接続体保持機構70としての第2接続体保持機構70Bが2つ設けられている(図6、図7、図11、図12)。一方の第2接続体保持機構70Bは、第2接続体10Bと接続体収容室61の内壁面62cとの間に設ける。他方の第2接続体保持機構70Bは、第2接続体10Bと接続体収容室61の内壁面62dとの間に設ける。つまり、この例示では、接続体収容室61の4つの内壁面の内の対向する2つの内壁面62c,62dであり、第1接続体保持機構70Aを設けた内壁面62a,62bとは別の壁面に第2接続体10Bを保持している。
第2接続体保持機構70Bは、第2接続体10Bに設けた第1係合部75と、接続体収容室61の内壁面62c,62dに設けた第2係合部76と、を備える。
第1係合部75は、内壁面62cに対向する電子部品保持部材30Bの側壁面33aと、内壁面62dに対向する電子部品保持部材30Bの側壁面33bと、に設ける(図6)。第1係合部75は、側壁面33a,33bの面上から突出させた係合爪であり、第2係合部76との間で係合される係合面75aを備える(図5及び図12)。それぞれの側壁面33a,33bには、第1係合部75を1つ配置する。それぞれの第1係合部75の係合面75aは、接続体10の積層方向における開口部61b側に配置される。
第2係合部76は、第2接続体10Bの2つの第1係合部75と各々対向する位置に配置する。第2係合部76は、内壁面62c,62dの面上から突出させた係合爪であり、第1係合部75との間で係合される係合面76aを備える(図7、図11、図12)。その係合面76aは、第2接続体10Bが接続体収容室61に収容されたときに第1係合部75の係合面75aと対向する面であり、接続体10の積層方向における開口部61a側に配置される。
更に、電子部品保持部材30Bの側壁面33a,33bには、各々、第1係合部75を挟み込むように、接続体10の積層方向に延在させた第1ガイド部85を設けている(図5、図6)。この例示の第1ガイド部85は、側壁面33a,33bの面上から突出させている。更に、接続体収容室61の内壁面62c,62dには、各々、第2係合部76を挟み込むように、接続体10の積層方向に延在させた第2ガイド部86を設けている(図7、図11、図12)。この例示の第2ガイド部86は、内壁面62c,62dの面上から突出させている。第1ガイド部85と第2ガイド部86は、互いに嵌合状態で相手を積層方向に案内するものである。これにより、作業者は、第2接続体10Bの接続体収容室61に対する着脱作業を容易に行うことができる。ここで、第2ガイド部86における開口部61a側の端部には、案内されてきた第1ガイド部85の端部を係止する係止部87が形成されている(図7、図11、図12)。
それぞれの第2接続体保持機構70Bにおいては、開口部61bからの第2接続体10Bの接続体収容室61への挿入と共に、第1係合部75が第2係合部76を乗り越えて、第1係合部75と第2係合部76とが係合されたロック状態になる(図13)。図13は、第2接続体10Bが接続体収容室61に組み付けられた状態を示す上面図(開口部61a側からみた図)であり、図示の便宜上、第1接続体10Aを取り外している。ここで、第1係合部75は、係合面75aを有する部分が側壁面33a,33bに対して浮いており、側壁面33a,33b側に力を加えることで傾倒させることができる。このため、第2接続体10Bの挿入時には、第2係合部76からの力で第1係合部75が側壁面33a,33b側に傾倒しながら、この第1係合部75が第2係合部76を乗り越えていく。第1係合部75は、第2係合部76を乗り越えた後、元の位置に戻る。そのロック状態での第2接続体保持機構70Bにおいては、第1係合部75と第2係合部76のそれぞれの係合面75a,76aが向かい合い、かつ、互いに当接している。このため、第2接続体10Bは、開口部61bから抜け出ないように接続体収容室61に保持される。更に、この係合面75a,76a同士のロック状態においては、第2接続体10Bが開口部61a側に動こうとしても、第2接続体10Bの第1ガイド部85の端部が接続体収容室61の係止部87によって係止されるので、開口部61a側への第2接続体10Bの抜けも防ぐことができる。尚、第2接続体10Bを接続体収容室61から取り外す際には、マイナスドライバの如き治具で第1係合部75を側壁面33a,33b側に押し動かせばよい。
このように構成した電気接続箱1においては、先ず、第1接続体10Aを開口部61b側から接続体収容室61に挿入する(図14)。仮に、第1接続体10Aを開口部61a側から挿入するとなると、作業者は、第1接続体10Aの長尺の電線40を開口部61a側から接続体収容室61に挿入し、その後で第1接続体10A(電子部品20と電子部品保持部材30Aとが組み付けられている本体部分)を開口部61a側から接続体収容室61に挿入することになる。しかしながら、この電気接続箱1においては、第1接続体保持機構70Aによって第1接続体10Aを開口部61b側から挿入することができるので、電線40を先に挿入するという工程が不要になる。このため、この電気接続箱1は、組付け作業性に優れたものとなる。前述したように、この電気接続箱1においては、第1接続体10Aの接続体収容室61への挿入に伴い、第1接続体保持機構70Aがロック状態となり、第1接続体10Aが接続体収容室61に保持される。
続いて、この電気接続箱1においては、第2接続体10Bを開口部61b側から接続体収容室61に挿入する(図15)。その挿入の際には、開口部61bから第1接続体10Aの電線40が飛び出している。尚、この例示では、第1接続体10Aのそれぞれの電線40がテープ等で束ねられている(図2等)。ここで、図13に示すように、第2接続体10Bと接続体収容室61との間には、第1接続体10Aの電線40を挿通させ且つ開口部61bから引き出させる電線挿通路Pを設けている。具体的に、その電線挿通路Pは、電子部品保持部材30Bと接続体収容室61との間に形成され、接続体収容室61の内部において、第1接続体10A側と開口部61b側とを連通させる。このため、作業者は、電線挿通路Pとなる電子部品保持部材30BのL字により成る空間部分に第1接続体10Aの電線40を導きながら、第2接続体10Bを開口部61b側から接続体収容室61に挿入する。これにより、この電気接続箱1においては、第2接続体10Bを組み付ける際に、第1接続体10Aの電線40の噛み込みの発生を抑えることができる。前述したように、この電気接続箱1においては、第2接続体10Bの接続体収容室61への挿入に伴い、第2接続体保持機構70Bがロック状態となり、更に第1ガイド部85の端部が係止部87で係止される状態になっているので、第2接続体10Bが接続体収容室61に保持される。
ここで、図示しないが、この電気接続箱1においては、開口部61a側がアッパーカバーで塞がれると共に、開口部61b側がアンダーカバーで塞がれる。
この電気接続箱1のメンテナンス作業時には、アッパーカバーを外し、第1接続体10Aの電子部品20の状態確認(ヒューズの溶断等)や交換を行うことができる。更に、メンテナンス作業時には、図16に示すように第1接続体10Aを開口部61a側から取り外すことで、例えば第1接続体10Aの電線40の状態確認(導通等)を行うことができる。ここで、第2接続体10Bの電子部品20は、第1接続体10Aを開口部61a側から取り外すことによって、開口部61a側に露出する。このため、メンテナンス作業時には、第2接続体10Bの電子部品20の状態確認(ヒューズの溶断等)や交換も行うことができる。
以上示したように、本実施形態の電気接続箱1は、その組付け時における作業性を向上させることができる。更に、この電気接続箱1は、車両に取り付けた後のメンテナンス作業時における作業性についても向上させることができる。また更に、この電気接続箱1は、組付け作業性やメンテナンス性に優れているので、接続体収容室61の内部に複数の接続体10を積層することができる。よって、この電気接続箱1は、接続体収容室61の内部を有効活用して、多くの電子部品20を収容することができるので、電子部品20の収容性を向上させることができる。このように、本実施形態の電気接続箱1は、電子部品20を含む接続体10の良好な組付け作業性と、この接続体10の良好なメンテナンス性と、電子部品20の良好な収容性と、を同時に実現することができる。従って、この電気接続箱1を備えた本実施形態のワイヤハーネスWHについても、同様の効果を得ることができる。
[変形例]
前述した実施形態の電気接続箱1においては、第1ガイド部85の端部が係止部87で係止されるので、第2接続体10Bを作業用開口部(開口部61a)から取り外すことができない。このため、この電気接続箱1では、作業用開口部側から第2接続体10Bの電線40の状態確認を行うことができない。また、接続体収容室61の奥深くに第2接続体10Bが保持されている場合には、この第2接続体10Bの電子部品20の状態確認や交換の作業性が低下してしまう可能性がある。
そこで、本変形例では、接続体収容室61の内部で積層されている全ての接続体10を作業用開口部から取り外すことができるように構成する。
図17の符号2は、本変形例の電気接続箱を示す。本変形例の電気接続箱2は、実施形態の電気接続箱1に対して、全ての接続体10の接続体保持機構70を全て実施形態における第1接続体保持機構70Aに置き換えたものである。つまり、本変形例の接続体保持機構70は、接続体10の接続体収容室61に対する他方の開口部61b側から作業用開口部(一方の開口部61a)側への着脱と、作業用開口部側から他方の開口部61b側への取り付けと、が行えるように構成する。このため、この電気接続箱2は、実施形態と同様の筐体60及び第1接続体10Aを備えると共に、この第1接続体10Aを接続体収容室61に保持する第1接続体保持機構70Aを備える。更に、この電気接続箱2は、第1接続体保持機構70Aと接続体収容室61との間の積層方向への移動を案内する第1ガイド部81と第2ガイド部82を備える。一方、この電気接続箱2においては、実施形態で第2接続体保持機構70Bが使われていた第2接続体10Bを第2接続体110Bに置き換える。そして、この電気接続箱2では、この第2接続体110Bと接続体収容室61との間の積層方向への移動を案内するガイド部として、第1接続体10Aと同じ第1ガイド部81と第2ガイド部82を備える(図18−図20)。
第2接続体110Bは、実施形態の第2接続体10Bに対して、電子部品保持部材30Bを電子部品保持部材130Bに置き換え、かつ、第1係合部75を第1接続体保持機構70Aの第1係合部71に置き換えたものである。この第2接続体110Bは、その第2接続体10Bと同じように、3つの電子部品20と、それぞれの電子部品20を保持する電子部品保持部材130Bと、電子部品20の端子22毎の電線40と、を備える(図18)。
電子部品保持部材130Bは、電子部品保持部材30Bと略同等の形状を有するものであるが、実施形態の側壁面33a,33bに相当する側壁面133a,133bに第1係合部71を2つずつ設けるべく、側壁面33a,33bに対して側壁面133a,133bの面積を拡張している。それぞれの側壁面133a,133bには、2つの第1係合部71が、接続体10の積層方向に対する直交方向に並列配置される(図18、図19)。その並列配置された2つの第1係合部71においては、第1接続体10Aと同じように、一方の第1係合部71の係合面71aが積層方向における一方側(開口部61a側)に配置され、他方の第1係合部71の係合面71aが積層方向における他方側(開口部61b側)に配置される。
第2係合部72は、接続体収容室61において、第2接続体110Bの4つの第1係合部71と各々対向する位置、つまり内壁面62c,62dに配置する(図20)。第2係合部72は、開口部61a側に係合面71aを有する第1係合部71を係合するものである場合、開口部61a側の端部に軸部72bを配置し、開口部61b側に係合面71aを有する第1係合部71を係合するものである場合、開口部61b側の端部に軸部72bを配置する。
側壁面133a,133bにおける一方の第1接続体保持機構70Aにおいては、第2接続体110Bの接続体収容室61への挿入と共に、第1係合部71が第2係合部72の軸部72bを乗り越えて、第2係合部72における2つのアーム部72aと軸部72bとで囲まれた空間内に第1係合部71が挿入される。これにより、第2接続体110Bにおいても、この一方の第1接続体保持機構70Aは、第1係合部71と第2係合部72とが係合されたロック状態になる。これに対して、側壁面133a,133bにおける他方の第1接続体保持機構70Aにおいては、第1係合部71が第2係合部72におけるコの字状の開口部分から2つのアーム部72aと軸部72bとで囲まれた空間内に挿入される。よって、第2接続体110Bは、第1接続体10Aと同じように、開口部61a側にも開口部61b側にも抜け出ることができず、接続体収容室61に保持される。
第2接続体110Bは、第1接続体10Aと同じように、これら4つの第1接続体保持機構70Aによって、接続体収容室61に対する他方の開口部61b側から作業用開口部(一方の開口部61a)側への着脱と、作業用開口部側から他方の開口部61b側への着脱と、を行うことができる。このため、第2接続体110Bは、第1接続体10Aを開口部61b側から接続体収容室61に挿入した後で、同じ開口部61b側から接続体収容室61に挿入し、この接続体収容室61に保持することができる。また、第2接続体110Bは、開口部61b側から抜き出したい場合、開口部61b側で係止している軸部72bを押し動かして、第1接続体保持機構70Aのロック状態を解除することによって、開口部61b側から取り外すことができる。この第2接続体110Bの取り外しは、アッパーカバーを外し、第1接続体10Aを開口部61a側から取り外した後で行う(図21)。また、取り外した第2接続体110Bは、開口部61a側から接続体収容室61に挿入し、この接続体収容室61に保持することができる。
以上示したように、本変形例の電気接続箱2は、全ての接続体10について、どちらの開口部61a,61bからも着脱することができる。このため、この電気接続箱2は、筐体60への組付け時における作業性と、車両に取り付けた後のメンテナンス作業時における作業性と、を実施形態の電気接続箱1よりも向上させることができる。そして、このことから、この電気接続箱2は、接続体収容室61の内部に複数の接続体10を積層する際の接続体10の配置の自由度が増す。よって、この電気接続箱2は、実施形態の電気接続箱1と比べて、電子部品20の収容性を更に向上させることができる。このように、本変形例の電気接続箱2は、実施形態の電気接続箱1よりも良好な組付け作業性とメンテナンス性と収容性とを同時に実現することができる。従って、この電気接続箱2を備えた本変形例のワイヤハーネスWHについても、同様の効果を得ることができる。