本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る搬送装置を示す正面図である。図3は、本実施形態に係る搬送装置を示す背面図である。図4は、本実施形態に係る搬送装置を示す左側面図である。本実施形態に係る搬送装置1は、例えば半導体等の製造装置に用いられる。搬送装置1は、ある加工機械からワークを受け取った後、次の加工機械の位置までワークを搬送する。搬送装置1によって搬送されたワークは、加工機械に引き取られる。
図1に示すように、搬送装置1は、筐体2と、駆動装置9と、リンク機構4aと、案内機構6aと、軸受50aと、テーブル5aと、リンク機構4bと、案内機構6bと、軸受50bと、テーブル5bと、を備える。搬送装置1において、ワークは、テーブル5aおよびテーブル5bに載せられた状態で搬送される。このため、テーブル5aおよびテーブル5bは、ある加工機械からワークを受け取る位置(以下、第1位置という)と、次の加工機械がワークを引き取る位置(以下、第2位置という)と、の間を移動する。図1においては、テーブル5aが第2位置にあり、テーブル5bが第1位置にある。この状態で、ワークがテーブル5bに載せられる。
以下の説明において、水平方向のうち第1位置と第2位置とを結ぶ直線に平行な方向はX方向と記載され、水平方向のうちX方向に対する直交方向はY方向と記載され、X方向およびY方向の両方に対する直交方向はZ方向と記載される。すなわち、Z方向は鉛直方向である。また、X方向のうち第1位置から第2位置に向かう方向は−X方向と記載され、−X方向とは反対方向は+X方向と記載される。Y方向のうちリンク機構4bからリンク機構4aに向かう方向は+Y方向と記載され、+Y方向とは反対方向は−Y方向と記載される。Z方向のうち下から上へ向かう方向は+Z方向と記載され、+Z方向とは反対方向は−Z方向と記載される。すなわち、+Z方向は鉛直方向の上方であり、−Z方向は鉛直方向の下方である。
筐体2は、リンク機構4a、リンク機構4b、案内機構6aおよび案内機構6bを支持する部材である。筐体2は、底壁21と、側壁22と、側壁23と、レール3aと、レール3bと、を備える。底壁21は、例えば水平面に平行な板状部材である。側壁22および側壁23は、底壁21から+Z方向に突出する板状部材である。側壁22および側壁23は、互いに平行に配置されている。レール3aは、側壁22の上端部においてX方向に沿って設けられる長尺部材である。図2に示すように、レール3aは、ボルト等の締結部材39によって側壁22に固定されている。レール3bは、側壁23の上端部においてX方向に沿って設けられる長尺部材である。図3に示すように、レール3bは、ボルト等の締結部材39によって側壁23に固定されている。
駆動装置9は、リンク機構4aおよびリンク機構4bを介してテーブル5aおよびテーブル5bを移動させるための装置である。駆動装置9は、例えばモータであって、側壁22と側壁23との間に配置されている。駆動装置9は、図1に示すように、例えばボルト等の締結部材99によって側壁22に固定されている。駆動装置9は、図2および図3に示すように、互いに反対方向に突出するシャフト91aおよびシャフト91bを備える。シャフト91aは、側壁22を貫通しており、側壁22から+Y方向に突出している。シャフト91bは、側壁23を貫通しており、側壁23から−Y方向に突出している。例えば、シャフト91aおよびシャフト91bは、同じ方向に同じ速度で回転する。駆動装置9は、いわゆる両軸モータである。
リンク機構4aは、軸受50aを介してテーブル5aを支持する部材である。すなわち、軸受50aは、リンク機構4aとテーブル5aとの間に設けられている。リンク機構4aは、駆動装置9で生じた動力をテーブル5aに伝えることで、テーブル5aをX方向およびZ方向へ移動させることができる。図1に示すように、リンク機構4aは、第1リンク41aと、第2リンク42aと、第3リンク43aと、第1軸受45aと、第2軸受46aと、第3軸受47aと、を備える。第1リンク41a、第2リンク42aおよび第3リンク43aは、互いに長さの異なる棒状部材である。軸受50a、第1軸受45a、第2軸受46aおよび第3軸受47aは、例えば深溝玉軸受である。
図1に示すように、第1リンク41aは、シャフト91aに連結され、シャフト91aと共に回転する。例えば、シャフト91aが第1リンク41aの一端に設けられた孔に嵌合している。第2リンク42aは、第1軸受45aを介して第1リンク41aに連結されると共に、軸受50aを介してテーブル5aに連結されている。例えば、第1リンク41aの他端に設けられた突起411aが、第2リンク42aの一端に設けられた第1軸受45aに嵌合している。例えば、テーブル5aに設けられた突起51aが、第2リンク42aの他端に設けられた軸受50aに嵌合している。第3リンク43aは、第2軸受46aを介して側壁22に連結されると共に、第3軸受47aを介して第2リンク42aに連結されている。例えば、側壁22に設けられた突起221が、第3リンク43aの一端に設けられた第2軸受46aに嵌合している。例えば、第3リンク43aの他端に設けられた突起431aが、第2リンク42aの中間に設けられた第3軸受47aに嵌合している。このように、第1リンク41a、第2リンク42aおよび第3リンク43aが第1軸受45a、第2軸受46aおよび第3軸受47aを介して連結されていることで、リンク機構4aが動作するときの摩擦が抑制される。このため、リンク機構4aが動作するときの振動が抑制され、その結果、騒音が生じにくくなっている。
リンク機構4aは、例えばチェビシェフリンク機構である。図2に示すように、シャフト91aから第2軸受46aまでの距離L2は、シャフト91aから第1軸受45aまでの距離L1の2倍である。第2軸受46aから第3軸受47aまでの距離L3は、距離L1の2.5倍である。第1軸受45aから第3軸受47aまでの距離L4は、距離L1の2.5倍である。第3軸受47aから軸受50aまでの距離L5は、距離L1の2.5倍である。すなわち、距離L1を1とすると、距離L2は2であり、距離L3、距離L4および距離L5は2.5である。これにより、シャフト91aおよび第1リンク41aが1回転すると、軸受50aは、Y方向から見て環状の軌跡Tを描く。軌跡Tは、直線状の直線部T1と、曲線状の曲線部T2、曲線部T3および曲線部T4と、を含む。
以下の説明において、第1軸受45aがシャフト91aに対して−Z方向に位置する状態(図2に示す状態)は、6時状態と記載される。第1軸受45aがシャフト91aに対して−X方向に位置する状態(図2に示す状態から、第1リンク41aが右回りに90°回転した状態)は、9時状態と記載される。第1軸受45aがシャフト91aに対して+Z方向に位置する状態(図2に示す状態から、第1リンク41aが右回りに180°回転した状態)は、12時状態と記載される。第1軸受45aがシャフト91aに対して+X方向に位置する状態(図2に示す状態から、第1リンク41aが右回りに270°回転した状態)は、3時状態と記載される。
図2に示すように、リンク機構4aが6時状態のときに、テーブル5aは、直線部T1の曲線部T2側の端部(第2位置)に位置する。リンク機構4aが9時状態のときに、テーブル5aは曲線部T3の中間に位置する。リンク機構4aが12時状態のときに、テーブル5aは直線部T1の曲線部T4側の端部(第1位置)に位置する。リンク機構4aが3時状態のときに、テーブル5aは直線部T1の中間に位置する。
図5は、本実施形態に係るレールおよび案内機構を拡大して示す斜視図である。図6は、本実施形態に係るレールおよび案内機構のスライダを拡大して示す斜視図である。図5および図6に示すように、レール3aは、+Y方向を向く表面31と、表面31の両側に配置される側面33と、側面33のそれぞれに設けられた凹部32と、を備える。案内機構6aは、テーブル5aの移動を補助するための部材である。より具体的には、案内機構6aは、軌跡Tに沿ったテーブル5aの移動を妨げずに、軸受50aを中心としたテーブル5aの回転を規制する。図5に示すように、案内機構6aは、水平案内部材61aと、鉛直案内部材62aと、を備える。
水平案内部材61aは、X方向にスライドできるようにレール3aに取り付けられる部材である。すなわち、レール3aは、水平案内部材61aをX方向に案内する。図5に示すように、水平案内部材61aは、基部611と、基部611の−Y方向側に設けられるスライダ613と、を備える。基部611は、例えば略直方体状であって、Z方向に貫通する2つのスリット612をX方向の両端部に備える。例えば、スリット612の内壁にはグリース等の潤滑剤が塗布されている。図6に示すように、スライダ613は、例えばレール3aの表面31に対向可能な第1対向面6131と、レール3aの側面33に対向可能な第2対向面6133と、第2対向面6133から突出する2つの爪部6132と、少なくとも一部がレール3aの凹部32に接する転動体6134と、を備える。2つの爪部6132は、それぞれ凹部32に嵌まっている。すなわち、スライダ613は、レール3aをZ方向の両側から挟んでいる。これにより、水平案内部材61aは、レール3aに沿ってX方向に移動できると共に、Y方向およびZ方向の移動を規制されている。転動体6134は、例えば玉である。転動体6134は、凹部32の内壁に接触しながら転がる。すなわち、レール3aおよびスライダ613が直動型玉軸受(Linear Ball Bearing)を構成している。凹部32に沿って転動体6134が転がることによって、スライダ613はレール3aを円滑に移動することができる。より具体的には、複数の転動体6134は、環状に配置されており、且つX方向に沿う2列を形成している。2列のうち一方の列に位置する転動体6134が凹部32の内壁に接触する。2列のうち他方の列に位置する転動体6134は、例えば第2対向面6133に設けられた案内溝によって案内される。また、転動体6134は、それぞれ転がりながら移動する。すなわち、転動体6134は、2列のうち一方の列と他方の列との間を循環している。なお、転動体6134はころであってもよい。
鉛直案内部材62aは、Z方向にスライドできるように水平案内部材61aに取り付けられる部材である。すなわち、水平案内部材61aは、鉛直案内部材62aをZ方向に案内する。図2に示すように、鉛直案内部材62aは、テーブル5aにボルト等の締結部材59によって固定されている。図5に示すように、鉛直案内部材62aは、板状である2つの脚部621と、2つの脚部621を連結する連結部622と、を備える。脚部621は、例えばZ方向に長い板状部材である。連結部622は、2つの脚部621の+Z方向の端部同士を連結している。このため、Y方向から見ると、鉛直案内部材62aは略U字状である。2つの脚部621は、X方向に隙間を空けて並んでおり、それぞれスリット612に嵌まっている。より具体的には、2つの脚部621間の隙間は、2つのスリット612間の距離に略等しい。脚部621は、スリット612の底面(X方向に対して直交する内壁)に接している。これにより、鉛直案内部材62aは、スリット612に沿ってZ方向に移動できると共に、X方向およびY方向の移動を規制されている。また、図5に示す脚部621のZ方向の長さD2は、図2に示す直線部T1から曲線部T3までのZ方向における最大距離D1よりも大きい。
案内機構6aは、水平案内部材61aおよび鉛直案内部材62aを備えることで、テーブル5aの移動に追従して移動することができる。また、水平案内部材61aおよび鉛直案内部材62aの水平面に対する傾斜が規制されているので、案内機構6aは、軸受50aを中心としたテーブル5aの回転を規制することができる。これにより、テーブル5aは、水平に保たれた状態で、軌跡Tに沿って移動することができる。
リンク機構4bは、軸受50bを介してテーブル5bを支持する部材である。すなわち、軸受50bは、リンク機構4bとテーブル5bとの間に設けられている。リンク機構4bは、駆動装置9で生じた動力をテーブル5bに伝えることで、テーブル5bをX方向およびZ方向へ移動させることができる。図3に示すように、リンク機構4bは、第1リンク41bと、第2リンク42bと、第3リンク43bと、第1軸受45bと、第2軸受46bと、第3軸受47bと、を備える。第1リンク41b、第2リンク42bおよび第3リンク43bは、互いに長さの異なる棒状部材である。軸受50b、第1軸受45b、第2軸受46bおよび第3軸受47bは、例えば深溝玉軸受である。
図3に示すように、第1リンク41bは、シャフト91bに連結され、シャフト91bと共に回転する。例えば、シャフト91bが第1リンク41bの一端に設けられた孔に嵌合している。第2リンク42bは、第1軸受45bを介して第1リンク41bに連結されると共に、軸受50bを介してテーブル5bに連結されている。例えば、第1リンク41bの他端に設けられた突起411bが、第2リンク42bの一端に設けられた第1軸受45bに嵌合している。例えば、テーブル5bに設けられた突起51bが、第2リンク42bの他端に設けられた軸受50bに嵌合している。第3リンク43bは、第2軸受46bを介して側壁23に連結されると共に、第3軸受47bを介して第2リンク42bに連結されている。例えば、側壁23に設けられた突起231が、第3リンク43bの一端に設けられた第2軸受46bに嵌合している。例えば、第3リンク43bの他端に設けられた突起431bが、第2リンク42bの中間に設けられた第3軸受47bに嵌合している。このように、第1リンク41b、第2リンク42bおよび第3リンク43bが第1軸受45b、第2軸受46bおよび第3軸受47bを介して連結されていることで、リンク機構4bが動作するときの摩擦が抑制される。このため、リンク機構4bが動作するときの振動が抑制され、その結果、騒音が生じにくくなっている。
リンク機構4bは、例えばチェビシェフリンク機構である。図3に示すように、シャフト91bから第2軸受46bまでの距離L2は、シャフト91bから第1軸受45bまでの距離L1の2倍である。第2軸受46bから第3軸受47bまでの距離L3は、距離L1の2.5倍である。第1軸受45bから第3軸受47bまでの距離L4は、距離L1の2.5倍である。第3軸受47bから軸受50bまでの距離L5は、距離L1の2.5倍である。すなわち、距離L1を1とすると、距離L2は2であり、距離L3、距離L4および距離L5は2.5である。これにより、シャフト91bおよび第1リンク41bが1回転すると、軸受50bは、Y方向から見て環状の軌跡Tを描く。
以下の説明において、第1軸受45bがシャフト91bに対して+Z方向に位置する状態(図3に示す状態)は、12時状態と記載される。第1軸受45bがシャフト91bに対して+X方向に位置する状態(図3に示す状態から、第1リンク41bが左回りに90°回転した状態)は、3時状態と記載される。第1軸受45bがシャフト91bに対して−Z方向に位置する状態(図3に示す状態から、第1リンク41bが左回りに180°回転した状態)は、6時状態と記載される。第1軸受45bがシャフト91bに対して−X方向に位置する状態(図3に示す状態から、第1リンク41bが左回りに270°回転した状態)は、9時状態と記載される。
図3に示すように、リンク機構4bが12時状態のときに、テーブル5bは直線部T1の曲線部T4側の端部(第1位置)に位置する。リンク機構4bが9時状態のときに、テーブル5bは直線部T1の中間に位置する。リンク機構4bが6時状態のときに、テーブル5bは、直線部T1の曲線部T2側の端部(第2位置)に位置する。リンク機構4bが3時状態のときに、テーブル5bは曲線部T3の中間に位置する。
案内機構6bは、テーブル5bの移動を補助するための部材である。より具体的には、案内機構6bは、軌跡Tに沿ったテーブル5bの移動を妨げずに、軸受50bを中心としたテーブル5bの回転を規制する。図3に示すように、案内機構6bは、水平案内部材61bと、鉛直案内部材62bと、を備える。
水平案内部材61bは、X方向にスライドできるようにレール3bに取り付けられる部材である。すなわち、レール3bは、水平案内部材61bをX方向に案内する。水平案内部材61bは、図5に示した水平案内部材61aと同様の構成を備える。これにより、水平案内部材61bは、レール3bに沿ってX方向に移動できると共に、Y方向およびZ方向の移動を規制されている。
鉛直案内部材62bは、Z方向にスライドできるように水平案内部材61bに取り付けられる部材である。すなわち、水平案内部材61bは、鉛直案内部材62bをZ方向に案内する。鉛直案内部材62bは、図5に示した鉛直案内部材62aと同様の構成を備える。これにより、鉛直案内部材62bは、Z方向に移動できると共に、X方向およびY方向の移動を規制されている。
案内機構6bは、水平案内部材61bおよび鉛直案内部材62bを備えることで、テーブル5bの移動に追従して移動することができる。また、水平案内部材61bおよび鉛直案内部材62bの水平面に対する傾斜が規制されているので、案内機構6bは、軸受50bを中心としたテーブル5bの回転を規制することができる。これにより、テーブル5bは、水平に保たれた状態で、軌跡Tに沿って移動することができる。
図7は、テーブルがワークを搬送している途中における、本実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。図8は、テーブルがワークを搬送している途中における、本実施形態に係る搬送装置を示す正面図である。図9は、テーブルがワークを搬送している途中における、本実施形態に係る搬送装置を示す背面図である。図10は、テーブルがワークを搬送している途中における、本実施形態に係る搬送装置を示す左側面図である。
図7〜図10においては、リンク機構4aおよびリンク機構4bが共に9時状態である。このため、テーブル5aが曲線部T3の中間に位置しており、テーブル5bが直線部T1の中間に位置している。このように、搬送装置1においては、テーブル5aおよびテーブル5bは、X方向で同じ位置にあるとき、Z方向では異なる位置にある。すなわち、テーブル5aおよびテーブル5bが立体交差する。
上述したように長さD2が最大距離D1よりも大きいので、テーブル5aがZ方向の最上部(曲線部T3の中間)に位置するときにおいて、図8に示すように鉛直案内部材62aが水平案内部材61aから抜けない。このため、案内機構6aは、テーブル5aが移動している間、軸受50aを中心としたテーブル5aの回転を規制し続けることができる。また、案内機構6bも、テーブル5bが移動している間、軸受50bを中心としたテーブル5bの回転を規制し続けることができる。
図11は、テーブルがワークを搬送し終わった後における、本実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。図11においては、リンク機構4aが12時状態であって、リンク機構4bが6時状態である。このため、テーブル5aが直線部T1の曲線部T4側の端部(第1位置)に位置しており、テーブル5bが直線部T1の曲線部T2側の端部(第2位置)に位置している。この状態で、テーブル5bに載せられていたワークが加工機械によって引き取られると共に、新たなワークがテーブル5aに載せられる。その後、テーブル5aによってワークが第1位置から第2位置まで搬送される。このように、搬送装置1においては、テーブル5aおよびテーブル5bが交互にワークを搬送することができる。
なお、シャフト91aは、必ずしも第1リンク41aに直接連結されていなくてもよい。例えば、シャフト91aとは別の伝達軸が側壁22に軸受を介して取り付けられており、且つシャフト91aおよび伝達軸がカップリングで連結されていてもよい。シャフト91bにも同様のことがいえる。これにより、側壁22から側壁23までの距離を大きくすることが可能になるので、リンク機構4aからリンク機構4bまでの距離が大きくなる。このため、テーブル5aおよびテーブル5bが大きくなった場合においても、テーブル5aがリンク機構4bに干渉することまたはテーブル5bがリンク機構4aに干渉することが抑制される。したがって、搬送装置1においては、テーブル5aおよびテーブル5bの大型化が容易である。
なお、スライダ613は、必ずしも転動体6134を備えていなくてもよい。このような場合、スライダ613がレール3aに沿って円滑に移動するように、凹部32等にグリース等の潤滑剤が塗布されることが好ましい。
以上述べたように、搬送装置1は、テーブル5aおよびテーブル5bと、リンク機構4aおよびリンク機構4bと、軸受50aおよび軸受50bと、筐体2と、駆動装置9と、を備える。リンク機構4aおよびリンク機構4bは、テーブル5aおよびテーブル5bをそれぞれ支持する。軸受50aは、テーブル5aとリンク機構4aとの間に設けられる。軸受50bは、テーブル5bとリンク機構4bとの間に設けられる。筐体2は、リンク機構4aおよびリンク機構4bを支持する。駆動装置9は、リンク機構4aを介してテーブル5aを移動させ、且つリンク機構4bを介してテーブル5bを移動させる。テーブル5aおよびテーブル5bは、水平方向(Y方向)から見て、環状である同じ軌跡Tに沿って移動する。
これにより、2つのテーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)が立体交差するので、2つのテーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)が交互にワークを搬送することができる。これに加えて、搬送装置1は、リンク機構4aを介してテーブル5aを移動させ、且つリンク機構4bを介してテーブル5bを移動させる。リンク機構4aおよびリンク機構4bにおいては、複数のリンクの間に生じる摩擦は抑制されている。さらに、テーブル5aとリンク機構4aとの間の軸受50aによって、テーブル5aとリンク機構4aとの間の摩擦が低減される。また、テーブル5bとリンク機構4bとの間の軸受50bによって、テーブル5bとリンク機構4bとの間の摩擦が低減される。このため、搬送装置1は、搬送効率を向上させることができ且つ振動の発生を抑制することができる。さらに、振動が抑制されることにより、騒音の発生が抑制される。
また、上述した特許文献1に記載される技術においては、ローラーがカム面を転がることによってテーブルが上下方向に移動させられる。これにより、テーブルが高速で移動するときに、カム面の勾配変化部分においてローラーがカム面から離れる(ジャンプ現象が生じる)可能性がある。カム面から離れたローラーがカム面に戻るときに、ローラーがカム面に衝突する。このため、テーブルに衝撃が伝わる可能性がある。これに対して、本実施形態に係る搬送装置1においては、テーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)の上下方向の移動がリンク機構(リンク機構4aおよびリンク機構4b)によって行われる。このため、搬送装置1は、テーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)に伝わる衝撃を従来技術に比較して軽減することができる。
また、上述した特許文献1に記載される技術においては、タイミングベルトを正逆駆動させるためにロッドレスシリンダ等が必要となる。これに対して、本実施形態に係る搬送装置1においては、ロッドレスシリンダ等が不要となる。また、搬送装置1においては、リンク機構4aおよびリンク機構4bが同じ方向に回転し続けるので、ラチェット等の逆転防止機構の取り付けが可能である。
また、搬送装置1は、筐体2において水平方向(X方向)に沿って設けられるレール3aと、水平方向(X方向)にスライドできるようにレール3aに取り付けられる案内機構6aと、を備える。案内機構6aは、テーブル5aに連結され、テーブル5aの軸受50aを中心とした回転を規制する。また、搬送装置1は、筐体2において水平方向(X方向)に沿って設けられるレール3bと、水平方向(X方向)にスライドできるようにレール3bに取り付けられる案内機構6bと、を備える。案内機構6bは、テーブル5bに連結され、テーブル5bの軸受50bを中心とした回転を規制する。
これにより、テーブル5aおよびテーブル5bの水平面に対する傾斜が抑制される。このため、テーブル5aおよびテーブル5bは、ワークを搬送している途中において水平を保ち続けることができる。したがって、搬送装置1は、テーブル5aおよびテーブル5bの上でのワークの移動を抑制することができる。
また、搬送装置1において、案内機構6aは、レール3aに接する水平案内部材61aと、鉛直方向(Z方向)にスライドできるように水平案内部材61aに取り付けられる鉛直案内部材62aと、を備える。鉛直案内部材62aは、テーブル5aに固定される。また、案内機構6bは、レール3bに接する水平案内部材61bと、鉛直方向(Z方向)にスライドできるように水平案内部材61bに取り付けられる鉛直案内部材62bと、を備える。鉛直案内部材62bは、テーブル5bに固定される。
テーブル5aが鉛直案内部材62aに固定されるので、テーブル5aは鉛直案内部材62aと一体に移動する。また、テーブル5bが鉛直案内部材62bに固定されるので、テーブル5bは鉛直案内部材62bと一体に移動する。このため、鉛直案内部材62aおよび鉛直案内部材62bの動きが規制されることで、テーブル5aおよびテーブル5bの動きも規制される。したがって、テーブル5aおよびテーブル5bの水平面に対する傾斜の抑制が容易になる。
また、搬送装置1において、水平案内部材61aは、鉛直方向に貫通する2つのスリット612を備える。鉛直案内部材62aは、2つのスリット612のそれぞれに挿入される2つの脚部621を備える。脚部621は、スリット612の内壁に接する。
これにより、2つの脚部621がスリット612によって鉛直方向(Z方向)に案内されるので、鉛直案内部材62aの水平面に対する傾斜が抑制される。このため、テーブル5aの水平面に対する傾斜が抑制される。
また、搬送装置1において、案内機構6aのスライダ613は、レール3aに接する転動体6134を備えることが好ましい。
これにより、案内機構6aはレール3aに沿って円滑に移動することができる。このため、振動の発生がより抑制される。
また、搬送装置1において、リンク機構4aおよびリンク機構4bはチェビシェフリンク機構である。
これにより、水平方向から見た軌跡Tの形状は、直線を描く直線部T1および曲線を描く曲線部T3を有する。また、リンク機構4aおよびリンク機構4bを構成する各リンクが長くなるほど、軌跡Tの直線部T1が長くなる。すなわち、各リンクが長くなるほどテーブル5aおよびテーブル5bの移動距離が大きくなる。このため、搬送装置1は、搬送距離を容易に長くすることができる。
また、搬送装置1において、駆動装置9は、互いに反対方向に突出する2つのシャフト91aおよびシャフト91bを備えるモータである。一方のシャフト91aが一方のリンク機構4aに連結され、他方のシャフト91bが他方のリンク機構4bに連結される。
これにより、1つのモータによって2つのリンク機構(リンク機構4aおよびリンク機構4b)が動作することができる。このため、搬送装置1の部品点数が低減するので、搬送装置1の小型化が容易である。
(変形例1)
図12は、変形例1に係る案内機構を拡大して示す正面図である。図13は、変形例1に係る案内機構を拡大して示す左側面図である。図12および図13に示すように、変形例1に係る案内機構6aAは、水平案内部材61aAと、鉛直案内部材62aAと、を備える。上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。また、リンク機構4b側の説明は省略する。
水平案内部材61aAは、X方向にスライドできるようにレール3aに取り付けられる部材である。すなわち、レール3aは、水平案内部材61aAをX方向に案内する。図13に示すように、水平案内部材61aAは、基部611Aと、スライダ613と、を備える。基部611Aは、例えば略直方体状であって、Z方向に貫通する孔616を備える。例えば、孔616をZ方向から見た形状は円形である。例えば、孔616の内壁にはグリース等の潤滑剤が塗布されている。
鉛直案内部材62aAは、Z方向にスライドできるように水平案内部材61aAに取り付けられる部材である。すなわち、水平案内部材61aAは、鉛直案内部材62aAをZ方向に案内する。鉛直案内部材62aAの+Z方向の端部は、例えば溶接等によってテーブル5aに固定されている。図13に示すように、鉛直案内部材62aAは、例えばZ方向に長い棒状部材であって、孔616に挿入されている。具体的には、鉛直案内部材62aAをZ方向から見た形状は円形であって、鉛直案内部材62aAの直径は孔616の直径に略等しい。これにより、鉛直案内部材62aAは、孔616の内壁に接している。これにより、鉛直案内部材62aAは、孔616に沿ってZ方向に移動できると共に、X方向およびY方向の移動を規制されている。
案内機構6aAは、水平案内部材61aAおよび鉛直案内部材62aAを備えることで、テーブル5aの移動に追従して移動することができる。また、水平案内部材61aAおよび鉛直案内部材62aAの水平面に対する傾斜が規制されているので、案内機構6aAは、軸受50aを中心としたテーブル5aの回転を規制することができる。これにより、テーブル5aは、水平に保たれた状態で、軌跡Tに沿って移動することができる。
以上説明したように、変形例1に係る水平案内部材61aAは、鉛直方向(Z方向)に貫通する孔616を備える。鉛直案内部材62aAは、孔616に挿入され、孔616の内壁に接する。
これにより、鉛直案内部材62aAが孔616によって鉛直方向(Z方向)に案内されるので、鉛直案内部材62aAの水平面に対する傾斜が抑制される。このため、テーブル5aの水平面に対する傾斜が抑制される。
(変形例2)
図14は、変形例2に係る案内機構を拡大して示す正面図である。図15は、変形例2に係る案内機構を拡大して示す左側面図である。図16は、変形例2に係る案内機構を拡大して示す平面図である。図17は、変形例2に係る案内機構を拡大して示す斜視図である。図14および図15に示すように、変形例2に係る案内機構6aBは、水平案内部材61aBを備える。上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。また、リンク機構4b側の説明は省略する。
水平案内部材61aBは、X方向にスライドできるようにレール3aに取り付けられる部材である。すなわち、レール3aは、水平案内部材61aBをX方向に案内する。図14および図15に示すように、水平案内部材61aBは、基部611Bと、スライダ613と、2つの脚部617と、を備える。脚部617は、基部611Bから+Z方向に突出する板状部材である。2つの脚部617は、X方向に隙間を空けて並んでいる。このため、Y方向から見ると、水平案内部材61aBは略U字状である。例えば、脚部617の表面のうち、2つの脚部617の間の隙間に面する表面にはグリース等の潤滑剤が塗布されている。
図16および図17に示すように、変形例2に係るテーブル5aBは、凸部53と、突起51aBと、を備える。凸部53は、テーブル5aBの+Y方向の側面から突出している。例えば、Y方向から見た凸部53の形状は、図17に示すように矩形である。凸部53のX方向の長さは、2つの脚部617間のX方向の距離に略等しい。凸部53は2つの脚部617の間に配置されており、2つの脚部617に接している。すなわち、凸部53は、2つの脚部617間の隙間に嵌まっている。これにより、テーブル5aBは、脚部617に沿ってZ方向に移動できると共に、X方向およびY方向の移動を規制されている。突起51aBは、凸部53から+Y方向に突出し、軸受50aに嵌合している。
案内機構6aBは、水平案内部材61aBを備えることで、テーブル5aBの移動に追従して移動することができる。また、凸部53が2つの脚部617間の隙間に嵌まっていることで、凸部53の水平面に対する傾斜が規制されている。これにより、案内機構6aBは、軸受50aを中心としたテーブル5aBの回転を規制することができる。これにより、テーブル5aBは、水平に保たれた状態で、軌跡Tに沿って移動することができる。
なお、Y方向から見た凸部53の形状は、必ずしも矩形でなくてもよい。例えば、Y方向から見た凸部53の形状は、正六角形等の平行な2面を有する多角形であってもよい。ただし、Y方向から見た凸部53の形状が円形である場合、凸部53を含めたテーブル5aBが軸受50aを中心に回転しやすくなる。このため、Y方向から見た凸部53の形状は円形でないことが好ましい。
以上説明したように、変形例2に係る案内機構6aBは、レール3aに接する基部611Bと、基部611Bから鉛直方向(Z方向)に突出し且つ隙間を空けて対向する2つの脚部617と、を備える。テーブル5aBは、水平方向(Y方向)に突出する凸部53を備える。凸部53は、2つの脚部617間の隙間に嵌まっており、2つの脚部617に接する。
これにより、凸部53が2つの脚部617に挟まれ且つ2つの脚部617に接するので、凸部53の水平面に対する傾斜が抑制される。このため、テーブル5aBの水平面に対する傾斜が抑制される。また、上述した実施形態に比較して鉛直案内部材62aが不要となるので、案内機構6aBの部品点数が低減する。
(変形例3)
図18は、変形例3に係る案内機構を拡大して示す正面図である。図19は、変形例3に係る案内機構を拡大して示す左側面図である。図18および図19に示すように、変形例3に係る案内機構6aCは、水平案内部材61aCと、鉛直案内部材62aCと、を備える。上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。また、リンク機構4b側の説明は省略する。
水平案内部材61aCは、X方向にスライドできるようにレール3aCに取り付けられる部材である。すなわち、レール3aCは、水平案内部材61aCをX方向に案内する。図19に示すように、水平案内部材61aCは、基部611Cと、リニアボール軸受618と、スライダ613Cと、を備える。基部611Cは、例えば略直方体状であって、Z方向に貫通する孔616Cを備える。例えば、孔616CをZ方向から見た形状は円形である。リニアボール軸受618は、孔616Cの内側に配置されている。リニアボール軸受618は、例えば孔616Cに嵌合することで基部611Cに取り付けられている。
図19に示すように、変形例3に係るレール3aCは、側壁22の+Z方向の端面に設けられている。図5に示したスライダ613およびレール3aとの関係と同様に、スライダ613Cは、レール3aCを挟んでいる。図5に示した実施形態においてはスライダ613がレール3aをZ方向の両側から挟んでいるのに対して、スライダ613Cは、レール3aCをY方向の両側から挟んでいる。
鉛直案内部材62aCは、Z方向にスライドできるように水平案内部材61aCに取り付けられる部材である。すなわち、水平案内部材61aCは、鉛直案内部材62aCをZ方向に案内する。鉛直案内部材62aCの+Z方向の端部は、例えば溶接等によってテーブル5aに固定されている。図19に示すように、鉛直案内部材62aCは、例えばZ方向に長い棒状部材であって、リニアボール軸受618に挿入されている。具体的には、鉛直案内部材62aCをZ方向から見た形状は円形であって、鉛直案内部材62aCの直径はリニアボール軸受618の内径に略等しい。これにより、鉛直案内部材62aCは、リニアボール軸受618の内壁に接している。これにより、鉛直案内部材62aCは、リニアボール軸受618に沿ってZ方向に移動できると共に、X方向およびY方向の移動を規制されている。
案内機構6aCは、水平案内部材61aCおよび鉛直案内部材62aCを備えることで、テーブル5aの移動に追従して移動することができる。また、水平案内部材61aCおよび鉛直案内部材62aCの水平面に対する傾斜が規制されているので、案内機構6aCは、軸受50aを中心としたテーブル5aの回転を規制することができる。これにより、テーブル5aは、水平に保たれた状態で、軌跡Tに沿って移動することができる。
以上説明したように、変形例3に係る水平案内部材61aCは、鉛直方向(Z方向)に貫通する孔616Cと、孔616Cの内側に配置されたリニアボール軸受618と、を備える。鉛直案内部材62aCは、リニアボール軸受618に挿入され、リニアボール軸受618の内壁に接する。
これにより、鉛直案内部材62aCがリニアボール軸受618によって鉛直方向(Z方向)に案内されるので、鉛直案内部材62aCの水平面に対する傾斜が抑制される。このため、テーブル5aの水平面に対する傾斜が抑制される。また、リニアボール軸受618によって、水平案内部材61aCと鉛直案内部材62aCとの間の摩擦が低減されるので、振動の発生がより抑制される。さらに、振動が抑制されることにより、騒音の発生が抑制される。
(変形例4)
図20は、変形例4に係る搬送装置を示す正面図である。図21は、変形例4に係る搬送装置を示す背面図である。図22は、変形例4に係る搬送装置を示す左側面図である。図23は、一方のテーブルが移動しておらず且つ他方のテーブルが移動している状態における、変形例4に係る搬送装置を示す正面図である。図24は、一方のテーブルがワークを搬送している途中における、変形例4に係る搬送装置を示す正面図である。図25は、一方のテーブルがワークを搬送し終わった後における、変形例4に係る搬送装置を示す正面図である。上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図20〜図22に示すように、変形例4に係る搬送装置1Dは、筐体2Dと、駆動装置9Dと、リンク機構4aと、案内機構6aと、テーブル5aと、リンク機構4bと、案内機構6bと、テーブル5bと、を備える。搬送装置1Dにおいて、ワークは、テーブル5aおよびテーブル5bに載せられた状態で搬送される。図20〜図22においては、テーブル5aが第2位置にあり、テーブル5bが第1位置にある。この状態で、ワークがテーブル5bに載せられる。
筐体2Dは、リンク機構4a、リンク機構4b、案内機構6aおよび案内機構6bを支持する部材である。筐体2Dは、底壁21と、側壁22Dと、側壁23Dと、レール3aと、レール3bと、を備える。側壁22Dおよび側壁23Dは、底壁21から+Z方向に突出する板状部材である。側壁22Dおよび側壁23Dは、互いに平行に配置されている。
駆動装置9Dは、モータ9aと、モータ9bと、を備える。モータ9aは、リンク機構4aを介してテーブル5aを移動させるための装置である。モータ9aは、例えば側壁22Dと側壁23Dとの間に配置されている。モータ9aは、図20に示すように、例えばボルト等の締結部材99によって側壁22Dに固定されている。モータ9aは、シャフト92aを備える。シャフト92aは、側壁22Dを貫通しており、側壁22Dから+Y方向に突出している。例えば、シャフト92aは、−Y方向で見て(図20において)左回りに回転する。すなわち、上述した実施形態に係るシャフト91aと比較して、シャフト92aは逆向きに回転する。シャフト92aは、第1リンク41aに連結されている。例えば、シャフト92aは、第1リンク41aの一端に設けられた孔に嵌合している。
図20に示すように、リンク機構4aが6時状態のときに、テーブル5aは、直線部T1の曲線部T2側の端部(第2位置)に位置する。リンク機構4aが9時状態のときに、テーブル5aは曲線部T3の中間に位置する。リンク機構4aが12時状態のときに、テーブル5aは直線部T1の曲線部T4側の端部(第1位置)に位置する。リンク機構4aが3時状態のときに、テーブル5aは直線部T1の中間に位置する。
モータ9bは、リンク機構4bを介してテーブル5bを移動させるための装置である。モータ9bは、例えば側壁22Dと側壁23Dとの間で配置されている。モータ9bは、図21に示すように、例えばボルト等の締結部材99によって側壁23Dに固定されている。モータ9bは、モータ9aから−X方向に図2で示した距離L2の2倍の距離だけ離れている。また、モータ9bのZ方向の位置は、モータ9aのZ方向の位置と同じである。モータ9bは、シャフト92bを備える。シャフト92bは、側壁23Dを貫通しており、側壁23Dから−Y方向に突出している。例えば、シャフト92bは、+Y方向で見て(図21において)右回りに回転する。すなわち、上述した実施形態に係るシャフト91bと比較して、シャフト92bは逆向きに回転する。シャフト92bは、第1リンク41bに連結されている。例えば、シャフト92bは、第1リンク41bの一端に設けられた孔に嵌合している。
図21に示すように、リンク機構4bが6時状態のときに、テーブル5bは、直線部T1の曲線部T4側の端部(第1位置)に位置する。リンク機構4bが9時状態のときに、テーブル5bは曲線部T3の中間に位置する。リンク機構4bが12時状態のときに、テーブル5bは直線部T1の曲線部T2側の端部(第2位置)に位置する。リンク機構4bが3時状態のときに、テーブル5bは直線部T1の中間に位置する。
搬送装置1Dにおいては、モータ9aおよびモータ9bが制御装置によって別々に制御される。このため、図23に示すように、テーブル5bの位置が保持された状態において、モータ9aによってテーブル5aが移動することができる。そして、モータ9bによってテーブル5bが移動し始めると、図24に示すようにテーブル5bのZ方向の位置が変化するので、テーブル5aおよびテーブル5bが立体交差することができる。このため、テーブル5aは、テーブル5bと干渉せずに第1位置に達することができる。この状態で、新たなワークがテーブル5aに載せられる。その後、図25に示すようにテーブル5bが第2位置に達する。この状態で、テーブル5bに載せられていたワークが加工機械によって引き取られる。さらにその後、テーブル5aによってワークが第2位置まで搬送される。このように、搬送装置1Dにおいては、テーブル5aおよびテーブル5bが交互にワークを搬送することができる。
以上説明したように、変形例4に係る駆動装置9Dは、2つのモータ(モータ9aおよびモータ9b)を備える。一方のモータ9aのシャフト92aが一方のリンク機構4aに連結され、他方のモータ9bのシャフト92bが他方のリンク機構4bに連結される。
これにより、搬送装置1Dは、2つのテーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)を別々に動作させることができる。このため、搬送装置1Dは、2つのテーブル(テーブル5aおよびテーブル5b)の停止タイミングおよび停止位置の調節を容易にすることができる。また、搬送装置1Dは、一方のテーブル(例えばテーブル5b)を停止させながら、他方のテーブル(テーブル5a)だけを移動させることもできる。したがって、搬送装置1Dは、様々な製造装置へ適用することができる。すなわち、搬送装置1Dの汎用性が向上する。
また、搬送装置1Dにおいては、一方のモータ9aのシャフト92aおよび他方のモータ9bのシャフト92bは、互いに反対方向に突出している。2つのモータ(モータ9aおよびモータ9b)は、筐体2Dの内側で、水平方向のうちシャフト92aおよびシャフト92bに対して直交する方向(X方向)に並べられている。
これにより、搬送装置1Dは、2つのモータ(モータ9aおよびモータ9b)がシャフト92aおよびシャフト92bに平行な方向に並べられた場合に比較して、筐体2Dを薄くすることができる。