JP6492390B1 - ボデー及び転削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】切りくずを十分に排出することができるようにクーラントを切りくず排出溝に供給する転削工具用のボデーを提供すること
【解決手段】回転軸AXを中心に所定の回転方向Dに回転可能な転削工具用のボデー20である。基端部20Cと、切削インサート40Aを取り付けるために回転軸方向端部に形成されるチップ座22Aと、外部から液体を供給するための供給部27A1と、供給部27A1と連通し、ボデー20の内部に形成される第1流路と、第1流路と連通し、第1流路から基端部に向かう方向かつ回転方向Dの反対方向に流体が進行するように、回転軸AXに対して傾斜して形成される第2流路24A1乃至24A4と、切りくずを排出するために形成される切りくず排出溝と、第2流路24A1乃至24A4と切りくず排出溝を連通させる噴射部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボデー及び転削工具に関する。
従来より、刃先交換式ドリルなどの転削工具の刃先を冷却するためにクーラントを工具本体(ホルダ、ボデーともいう場合がある。)の先端から噴射する技術が知られている。工具本体の先端から噴射されたクーラントは、ドリルによって形成される穴の底面と工具先端面との隙間を流れて、切削インサートの切れ刃に供給されるので、切れ刃を冷却するとともに、切りくずの排出を促進することができる。
特許文献1には、切れ刃や切りくず排出溝に向けてクーラントを吹き付けるドリルが示されている。
なお、性能向上を図るために、ドリルの外側面に溝を形成する技術が知られている。特許文献2には、被削材を加工する際の位置ずれ抑制のために、ドリル本体1の外側面のうち、外径の小さな二番取り面に、切りくず排出溝に達する凹溝が周方向に沿って延びるように形成されたドリルが示されている。
実開平1−64319号のマイクロフィルム 特開2017−52051号公報
しかしながら、切りくずを十分に排出することができるようにクーラントを切りくず排出溝に供給する技術は知られていない。
そこで本発明は、切りくずを十分に排出することができるようにクーラントを切りくず排出溝に供給することが可能な転削工具用のボデー及び転削工具を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るボデーは、回転軸を中心に所定の回転方向に回転可能な転削工具用のものである。そして、切削インサートを取り付けるために回転軸方向端部に形成されるチップ座と、チップ座とは反対側の端部に形成される基端部を備える。更に、外部から液体を供給するための供給部と、供給部と連通し、ボデー内部に形成される第1流路と、第1流路と連通し、第1流路から基端部に向かう方向かつ回転方向の反対方向に流体が進行するように、回転軸に対して傾斜して形成される第2流路と、切りくずを排出するためにチップ座の基端部方向の領域に形成される切りくず排出溝と、第2流路と切りくず排出溝を連通させる噴射部と、を備える。
また、切削インサートは、ドリル用の切削インサートであってもよい。
また、切りくず排出溝は、湾曲する壁面を備え、第2流路は、ボデーの側面に形成される溝であってもよいし、ボデーの内部に形成される流路であってもよい。噴射部は、第2流路と湾曲する壁面を連通する孔又は開口として形成されていてもよい。
本開示は、刃先交換式ドリル等の転削工具を含む。刃先交換式ドリルは、ボデーと、ボデーのチップ座に取り付けられる、一又は複数のドリル用の切削インサートを備える。
ドリル10の斜視図 先端部20Aの平面図 先端部20Aの右側面図 先端部20Aの背面図 先端部20Aの部分拡大斜視図 先端部20Aの部分拡大斜視図 第1変形例に係る先端部50Aの部分拡大斜視図 第2変形例に係る先端部60Aの部分拡大斜視図 第2変形例に係る先端部50Aの部分拡大斜視図
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。
また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、ある実施形態における一部の構成要素を、取り除き、又は、他の構成要素と置換することができる。
図1は、刃先交換式のドリル10の斜視図である。図2A乃至図2Cは、切削インサート40A及び40Bを取り付けられていない状態におけるボデー20の先端部20Aの平面図、左側面図及び背面図である。ただし、便宜的に回転軸が同じ方向を向くように各図は整列している。
図1に示されるようにドリル10は、ボデー20と、ボデー20の先端に取り付けられる二つの切削インサート40A及び40Bを備える。切削インサート40Aは、穴の中央部付近を加工するための切削インサートであり、切削インサート40Bは、穴の周辺部及び内壁面を加工するための切削インサートである。
ボデー20は、回転軸AXを中心に回転方向Dに回転可能に構成されており、円筒状の基端部20Cと、基端部20Cと一体的に構成され切削インサート40A及び40Bを把持する先端部20Aから構成される。便宜的に、回転軸AXに平行で、基端部20Cから先端部20Aに向かう方向を回転軸方向と呼び、回転軸AXに平行で、先端部20Aから基端部20Cに向かう方向を基端部方向と呼ぶ。また、回転方向Dとは、回転軸AX又はそれに平行な直線を中心として、先端視において時計の反対周りとなる回転方向とし、その反対の回転方向を反対方向Rとする。
図1に示されるように、先端部20Aの回転軸方向端部には、切削インサート40Aを把持するためのチップ座22Aが形成される。チップ座22Aは、回転軸方向、すなわち、ボデー20の先端方向を向いた壁面と、回転軸AXに垂直な方向、すなわち、ボデー20の外径方向を向いた壁面と、同じく回転軸AXに垂直で回転方向Dを向いた座面22A2(図2A)を備える。更に、座面22A2と壁面とを接続する接続部及び座面22A2と壁面とを接続する接続部には、それぞれ、ボデー20をえぐって内方に窪むように形成されるぬすみが形成される。また、座面22A2の中央部には、座面22A2と略垂直に開口するねじ孔が形成される。ここで、所定の方向を向いた面とは、その方向を法線とする平面に限られるものではなく、概ね、所定の方向を向いた平面、又は、曲面のことをいう。
同じく図1に示されるように、切削インサート40Aは、すくい面として機能し回転方向を向く端面40A1と、逃げ面として機能し回転軸方向を向く側面40A2と、外径方向を向く側面と、基端部方向を向く側面と、内径方向を向く側面と、底面とを備える。また、端面40A1と側面40A2の接続部には切れ刃40A5が形成される。更に、切削インサート40Aには、その中央部を貫通する貫通孔が形成される。同図に示されるように、この貫通孔を貫通する雄ねじをチップ座22Aの座面22A2(図2A)中央部に形成される雌ねじと螺合し、雄ねじの頭部で切削インサート40Aの端面を座面22A2の方向に押圧することで、切削インサート40Aをボデー20に取り付けることができる。切削インサート40Aがボデー20に取り付けられたとき、基端部方向を向く側面は、対向するチップ座22Aの壁面と当接し(又は、十分に近接し)、内径方向を向く側面は、対向するチップ座22Aの壁面と当接する(又は、十分に近接する)。また、切削インサート40Aの底面は、チップ座22Aの座面22A2と当接する。なお、本実施形態において、チップ座22Aは、更に、壁部22A1を備えている。このため、切削インサート40Aの外径方向を向いた側面は、この壁部22A1によって支持される。
図1に示されるように、ボデー20の先端部20Aの外径方向に露出する外側面は、回転軸AXに垂直な断面において、回転軸AXを中心とするほぼ一定の円弧となるような曲面を含む外側面20A1と、外側面20A1の反対方向R端部に接続し、回転軸AXに垂直な断面において回転軸AXと外側面20A1との距離より小さい距離を有する二番取り面20A2を備える。二番取り面20A2は、回転軸AXに垂直な断面において、回転軸AXと一定の距離を有するように形成してもよいし、同断面において反対方向Rに進行するほど回転軸AXとの距離が漸減するように形成してもよい。二番取り面20A2は、図に示されるように、回転軸方向に進行するほど、回転方向Dに進行するような、回転軸AXを中心とするらせん状に形成される。
次いで、切りくず排出溝について説明する。切りくず排出溝は、切削インサート40Aによる被削材の加工に伴って生じる切りくずを基端部方向に排出させるための溝である。切りくず排出溝は、壁面部20A3、壁面部20A4及び湾曲面20A5で形成され、この壁面で囲まれる領域を切りくずは基端部方向に移動して、排出される。
同図に示されるように、チップ座22Aから基端部方向に形成される壁面部20A3は、切削インサート40Aを取り付けた際の端面40A1とほぼ面一に形成される平坦な面である。一方で、この壁面部20A3から立設する壁面部20A4は、先端視においてボデー20の内方に窪むように湾曲して外側面20A1又は二番取り面20A2に接続するように形成される。
これら壁面部20A3及び壁面部20A4は、基端部方向端部において、それぞれ湾曲面20A5に接続される。この湾曲面20A5は、回転軸AXに垂直な断面において、ボデー20の内方に窪むように湾曲するC字形の円弧状の曲線を呈する。図2Aに示されるように、ボデー20の先端部20Aを、チップ座22Aの座面22A2に対向する方向から見た端面視において、湾曲面20A5の反対方向Rの端部が接続する二番取り面20A2は、基端部方向に進行するほど回転軸AXから離れ、反対方向Rに進行するように形成される。また、同図に示されるように、湾曲面20A5の回転方向Dの端部は、基端部方向に進行するほど回転軸AXに近づき、回転方向Dに進行するように形成される。従って、湾曲面20A5の回転軸AXに垂直な断面が呈するC字形の円弧状の曲線は、基端部方向に進行するにつれて反対方向Rに回転する。本実施形態に係るボデー20において、湾曲面20A5の回転軸方向端部から、基端部方向端部に至るまで、C字形の円弧状の曲線は、概ね90度ほど回転する。このため、先端視において、湾曲面20A5の反対方向Rの端部と回転軸AXを結んだ直線は、回転軸方向端部においては、チップ座22Aの座面22A2、又は、切削インサート40Aの端面40A1とほぼ垂直をなすが、基端部方向端部において、チップ座22Aの座面22A2、又は、切削インサート40Aの端面40A1とほぼ平行をなす。このように切りくず排出溝を構成することによって、切りくずを基端部方向に移動させることによって、切りくずをボデー20から排出させやすくすることができる。
次いで、クーラント等を供給するための流路構成について説明する。
図1に示されるようにボデー20の基端部方向を向いた後端面には、液体を供給するための開口穴からなる供給部27A1が形成される。供給される液体として、水や切削油等を使用することができる。以下では全ての供給部からクーラントを供給した場合について説明する。なお、供給部27A1は、基端部20Cの側面等に形成してもよい。
ボデー20の内部には、一端が供給部27A1に連通し、ボデー20の回転軸方向を向いた先端面20Eに向かって進行する第1流路が形成される。先端部20A内において、第1流路は、湾曲面20A5及び壁面部20A4から回転方向Dに進行したボデー20の内部に形成され、切りくず排出溝と同様に、回転軸方向に進行するほど、回転方向Dに進行するらせん状に形成される。第1流路は、先端面20Eには連通せず、その終端がボデー20の内部に存在するように形成される。
図3Aは、第1流路に連通して、クーラントを切りくず排出溝に導入するための第2流路を示す拡大斜視図である。図3Bは、第2流路を切りくず排出溝の湾曲面20A5に連通するための噴射部28A1乃至28A4を示す拡大斜視図である。本実施形態において、第2流路は、二番取り面20A2に形成される4本の溝24A1乃至24A4から構成される。
図2A及び図3Aに示されるように、溝24A1乃至24A4は、回転方向Dの端部に形成される孔26A1乃至26A4において第1流路とそれぞれ連通し、反対方向Rの端部に開口として形成される噴射部28A1乃至28A4において、湾曲面20A5に連通する。溝24A1乃至24A4は、第1流路から基端部方向かつ反対方向Rに進行するように、回転軸AXに対して斜めに傾斜して形成される。また、溝24A1乃至24A4は、回転軸方向において所定距離互いに離間して形成される。このため、先端視において、4つの噴射部28A1乃至28A4と回転軸AXをそれぞれ結ぶ直線は、回転軸AXを通過し、互いに所定角度をなす4本の直線をなす。
更に、図1に示されるように、ボデー20の基端部方向を向いた後端面には、クーラントを供給するための開口穴からなる供給部27A2が形成され、ボデーの先端面20Eには、クーラントを回転軸方向に噴射するための開口穴からなる噴射部30Aが形成され、ボデー20の内部には、一端が供給部27A2に連通し、他端が噴射部30Aに連通する第3流路が形成される。本実施形態において、第1流路と第3流路は連通しておらず独立した二つの流路として形成される。
以上は、切削インサート40Aを取り付けるためのチップ座22A及び切削インサート40Aによって生じる切りくずを排出するための構成である。切削インサート40Bを取り付けるためのチップ座22B及び切削インサート40Bによって生じる切りくずを排出するための構成については、切削インサート40Bが外周刃を構成する点及びそれに伴うチップ座22Bの構成の相違を除き、ほぼ共通する。このため、同様の機能を発揮する構成要素については、同一の数字を付すことによって詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
チップ座22Bの座面22B2に対向する方向から見た端面視に相当する図2C及びこれに垂直な側面視に相当する図2Bに示されるように、切削インサート40Bによって生じる切りくずを排出するための切りくず排出溝として、チップ座22Bの基端部方向には、湾曲面20B5が形成される。また、二番取り面20B2上には、湾曲面20B5に連通する溝24B1乃至24B4が形成される。一方で、ボデー20の基端部方向を向いた後端面には、供給部27B1が形成され、外部からボデー20の内部にクーラント等が供給される。ボデー20の内部には、供給部27B1に連通し、先端面20Eに向かって進行する第4流路が形成される。溝24B1乃至24B4は、それぞれ、回転方向Dの端部において第4流路と連通する。また、反対方向Rの端部において、噴射部28B1乃至28B4によって湾曲面20B5と連通する。また、ボデー20の基端部方向を向いた後端面には供給部27B2が、先端面20Eには噴射部30B(図1)が形成され、両者を連通するようにボデー20の内部には第6流路が形成される。
以下では、上述したような構成を備えるボデー20に切削インサート40A及び切削インサート40Bを取り付けて構成されるドリル10を用いて被削材を加工したときの作用効果について説明する。
電動モータ等に代表される不図示の回転駆動体が搭載されたマシニングセンタ等にボデー20を接続し回転軸AXを中心に回転させることにより、ボデー20に取り付けられた切削インサート40A及び切削インサート40Bを、回転軸AXを中心に回転させることができる。また、水や切削油等の液体のクーラントを供給するための不図示のポンプを供給部27A1、供給部27A2、供給部27B1及び供給部27B2に接続しクーラントを供給することにより、ボデー20内部の第1流路、第3流路、第4流路、第6流路内にそれぞれクーラントを流通させることができる。このうち第3流路及び第6流路を流れるクーラントは、先端面20Eから回転軸方向に噴射する。一方で第1流路(又は第4流路)を流れるクーラントは、孔26A1乃至26A4(又は孔26B1乃至26B4)を介して溝24A1乃至24A4(又は24B1乃至24B4)に沿って進行し、噴射部28A1乃至28A4(又は28B1乃至28B4)から切りくず排出溝に流入する。
切削インサート40A及び40Bが被削材を加工するとき、先端面20Eの噴射部30A及び30Bから噴射されたクーラントは、ドリルによって形成される穴の底面と工具先端面20Eとの隙間を流れて、切削インサート40A及び40Bの切れ刃に接触し、切れ刃を冷却する。また、クーラントは、切削インサート40A及び40Bの側面から切りくず排出溝の方向に流れるから、被削材の加工により生じた切りくずを基端部方向に向かわせることができる。ここで、図2A及び図2Cに示されるように、端面視において、湾曲面20A5及び20B5は、基端部方向に進行するほど回転軸AXに近づくように形成される。従って、基端部方向に進行した切りくずをボデー20から排出することを促進することができる。
一方で、第1流路(又は第4流路)から第2流路(又は第5流路)である溝24A1乃至24A4(又は24B1乃至24B4)に流入したクーラントは、斜めに、すなわち、基端部方向かつ反対方向Rに進行する。斜めに形成される溝24A1乃至24A4の壁面によって、クーラントの回転方向D又は反対方向Rの移動が抑制され、また、クーラントの移動速度の反対方向Rの速度成分は、ボデー20の回転速度と相殺される。このため、クーラントが遠心力によって飛び散ることを抑制し、湾曲面20A5(又は20B5)に沿って切りくず排出溝に流入することを促進することができる。
また、湾曲面20A5(又は20B5)に流入したクーラントは、斜めに形成される溝24A1乃至24A4によって基端部方向の速度成分も有するから、湾曲面20B5上の切りくずを基端部方向に向かわせることを促進することができる。特に、クーラントは、湾曲面20B5の上端から流入するから、湾曲面20B5の上方に存在する切りくずを排出することができる。また、溝24A1乃至24A4は、回転軸方向において異なる位置に離間して形成されるから、湾曲面20A5の広範囲にわたり満遍なくクーラントその他の流体をいきわたらせることが可能になる。特に、湾曲面20A5は滑らかに形成されているからクーラントが一部に滞りにくい。更に、ボデー20に開口穴を開ける場合と比較して、ボデー20の剛性を高めることも可能になる。また、外周面を切削することにより容易に第2流路を形成することもできる。
また、供給部27A1、供給部27A2、供給部27B1及び供給部27B2を独立に設けたから、供給部27A1及び供給部27B1からの流体の供給量を増加させることによって、切りくずの排出を促進させるのに十分な流体を供給することができる。なお、クーラントとして切れ刃に向かって供給部27A2等から供給する流体と、切りくず排出を促進するために供給部27A1から供給する流体を異なるものとしてもよい。また、第3流路等を流れるクーラントは、切削インサート40Aの切れ刃に向かって直接噴射するように構成してもよい。また、本発明は、ドリルその他の様々な転削工具に適用可能である。ここで、切削インサートの外郭形状や、その上面に形成されるチップブレーカ等の切削インサートの形状は本実施形態に限定されない。同様に、チップ座の壁面等も、切削インサートの外郭形状にあわせて様々に変形可能である。
[第1変形例]
図4は、第1実施形態の第1変形例に係るボデーの先端部50Aの部分拡大斜視図である。第1実施形態と異なり、この変形例では、二番取り面を有さないボデーに溝が形成されている。その他の構成は、第1実施形態に示すボデー20と同様であるため説明を省略する。
この図に示されるように、先端部50Aには、ボデーの先端部50A内に流体を流すための流路にそれぞれ連通する孔26C1乃至26C4と、この孔26C1乃至26C4にそれぞれ連通しボデーの先端部50Aの外側面20C1に沿って形成される溝24C1乃至24C4と、これら溝24C1乃至24C4と湾曲面20C5を連通する噴射部28C1乃至28C4が形成される。
溝24C1乃至24C4は、二番取り面ではなく、外側面20C1に直接形成されるが、このように溝24C1乃至24C4を形成してもよい。
[第2変形例]
図5A及び図5Bは、第1実施形態の第2変形例に係るボデーの先端部60Aの部分拡大斜視図である。第1実施形態と異なり、この変形例における第2流路及び第5流路は、噴射部と第1流路を連通する孔によって形成されている。従って、噴射部28D1乃至28D4は、それぞれ、湾曲面20D5に開口する孔から形成される。その他の構成は、第1実施形態に示すボデー20と同様であるため説明を省略する。
このような構成においても、第2流路に流入したクーラントは、第2流路内において、斜めに、すなわち、基端部方向かつ反対方向Rに進行する。このためクーラントの移動速度のうち、反対方向Rの速度成分は、ボデー20の回転速度と相殺される。クーラントの流量を増加し流速を増加させても、その分、反対方向Rの速度成分が大きくなるから、クーラントが噴射部28D1乃至28D4から切りくず排出溝に流入するときに、遠心力によって飛び散ることを抑制し、湾曲面20D5に沿って流入することを促進することができる。また、湾曲面20D5に流入したクーラントは、基端部方向の速度成分も有するから、流量を増加させることにより、湾曲面20D5上の切りくずを基端部方向に向かわせることを促進することができる。図に示されるように噴射部28D1乃至28D4は、湾曲面20D5の上端に回転軸方向において異なる位置に複数形成されるから、湾曲面20D5の広範囲にわたり満遍なくクーラントをいきわたらせることが可能になる。更に、第2流路は、ボデー20の内部に形成されるから、ボデー20の冷却を促進することができる。
なお、切りくず排出溝の形状は、本実施形態の形状に限られず、使用態様に応じて適宜変更可能である。たとえば、切りくず排出溝の構造を、捻じれずに直線的に形成してもよいし、あるいは、断面形状が曲面ではなく直角になっているものでもよい。さらに、供給部の構造も、使用態様に応じて適宜変更可能である。たとえば、一つの供給口に連通する流路を途中で分岐させて、溝24A1乃至24A4と、噴射部30Aに連通させるようにしてもよい。同様に、一つの供給口に連通する流路を途中で分岐させて、溝24B1乃至24B4と、噴射部30Bに連通させるようにしてもよい。
10…ドリル、20…ボデー、20A…先端部、20A1…外側面、20A2…二番取り面、20A3…壁面部、20A4…壁面部、20A5…湾曲面、20B2…二番取り面、20B5…湾曲面、20C…基端部、20C1…外側面、20C5…湾曲面、20D5…湾曲面、20E…先端面、20E…工具先端面、22A…チップ座、22A1…壁部、22A2…座面、22B…チップ座、22B2…座面、24A1-24A4、24B1-24B4、24C1-24C4…溝、26A1-26A4、26B1-26B4、26C1-26C4…孔、27A1、27A2、27B1、27B2…供給部、28A1-28A4、28B1-28B4、28C1-28C4、28D1-28D4…噴射部、30A…噴射部、30B…噴射部、40A…切削インサート、40A1…端面、40A2…側面、40A5…刃、40B…切削インサート、50A…先端部、AX…回転軸、D…回転方向、R…反対方向

Claims (7)

  1. 回転軸を中心に所定の回転方向に回転可能な転削工具用のボデーであって、
    基端部と、
    切削インサートを取り付けるために前記回転軸方向端部に形成されるチップ座と、
    外部から液体を供給するための供給部と、
    前記供給部と連通し、前記ボデー内部に形成される第1流路と、
    前記第1流路と連通し、前記第1流路から前記基端部方向かつ前記回転方向の反対方向に前記液体が進行するように、前記回転軸に対して傾斜して形成される第2流路と、
    切りくずを排出するために前記チップ座の前記基端部方向の領域に形成される切りくず排出溝と、
    前記第2流路と前記切りくず排出溝を連通させる噴射部と、
    を備え
    前記切りくず排出溝は、湾曲する壁面を備え、
    前記第2流路は、前記ボデーの側面に形成される溝からなり、
    前記噴射部は、前記溝と前記湾曲する壁面を連通するように形成される、
    ボデー。
  2. 前記第2流路は、前記ボデーの側面の二番取り面に形成される請求項に記載のボデー。
  3. 回転軸を中心に所定の回転方向に回転可能な転削工具用のボデーであって、
    基端部と、
    切削インサートを取り付けるために前記回転軸方向端部に形成されるチップ座と、
    外部から液体を供給するための供給部と、
    前記供給部と連通し、前記ボデー内部に形成される第1流路と、
    前記第1流路と連通し、前記第1流路から前記基端部方向かつ前記回転方向の反対方向に前記液体が進行するように、前記回転軸に対して傾斜して形成される第2流路と、
    切りくずを排出するために前記チップ座の前記基端部方向の領域に形成される切りくず排出溝と、
    前記第2流路と前記切りくず排出溝を連通させる噴射部と、
    を備え、
    前記切りくず排出溝は、湾曲する壁面を備え、
    前記第2流路は、前記ボデーの内部に複数形成され、
    前記噴射部は、複数の前記第2流路とそれぞれ連通し、前記ボデーの側面近傍における前記湾曲する壁面にそれぞれ開口する複数の孔である、
    ボデー。
  4. 外部からクーラントを供給するために前記ボデーに形成される第2供給部と、
    前記第2供給部と連通し、前記ボデー内部に形成される第3流路と、
    前記第3流路と連通し、前記ボデーの外部に向けてクーラントを噴射するための第2噴射部と、
    を更に備える請求項1乃至3の何れか一項に記載のボデー。
  5. 前記第1流路は、前記供給部及び前記第2流路とのみ連通する請求項1乃至3の何れか一項に記載のボデー。
  6. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のボデーと、前記ボデーの前記チップ座に取り付けられる切削インサートとを備える転削工具。
  7. 前記切削インサートは、ドリル用の切削インサートである請求項に記載の転削工具
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