JP6491625B2 - ガンマー型ネイル装置 - Google Patents

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Description

本発明はガンマー型ネイル装置に係り、骨髄腔に中空の棒材を差し込んで骨折した骨頭をスクリューにより固定する形式の固定具であって、詳しくは、脱落の虞あるもしくは脱落した骨頭をラグスクリューの螺進螺着により、骨髄腔に埋入されたネイルに引き寄せ固定し、ネイルの抜けが横止めスクリューによって防止されるようにしているガンマー型ネイルに関するものである。
ガンマー型ネイルで骨折部の修復を補助する場合、骨頭内部の海綿骨にラグスクリューをねじ込み、そのスクリューを大腿骨に固定しておいたネイルに取りつけ、折損した骨頭を大腿骨に結合する。すなわち、ガンマー型ネイルを介して骨頭と大腿骨の一体化を図ったり、上腕骨頭と上腕骨との一体化を可能にしたりして、折損・折傷部の早期修復の援助器具として供される。ちなみに、ガンマーなる呼称は、ラグスクリューをネイルの中間部位より斜め上方に向けて挿通させることにより、ラグスクリューと棒状のネイル(髄内釘)とで「γ」なる文字の形を呈することに由来する。
このガンマー型ネイルはネイル、ラグスクリュー、後述する横止めスクリュー、ネイルのエンドキャップなどからなるが、いずれも生体に対して安全であることが課せられ、通常はチタン合金製とされる。例えば特開2013−2400555や特開2013−2400556にガンマー型ネイルが述べられているが、素材は金属であることを前提として形や構造の改良が論じられている。言うまでもないがチタンの機械加工は手間暇を要し、しかも適用対象の個体(患者)に相応しいディメンジョンの品を準備しておくことは、価格にも多大の影響を及ぼす。
その金属製ガンマー型ネイルの最大の難点はX線透過機能を持たないことであり、この早期修復援助器具が背後部視界を妨げる。施術時のみならず、術後の診断においても大いに目障りな存在となり、回復の有無や進展の確認を阻害する。また、金属は疲労強度に限界があり、時には取替え作業が余儀なくされる。また、ネイルは中空品とされるものの、その内部空間を利用するには外部との流通穴を設けることや収容物の保持構造の造形が簡単でないこと、仮に流通穴を設けたとすれば、その小穴の存在が金属素材の疲労強度の低下を誘うことになり、好ましくない。
特開2013−2400555 特開2013−2400556
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、大腿骨や上腕骨の破損骨頭保持器具として、X線監視施術や爾後的なX線診断において、X線透過性の有無の影響を受けることなく患部の観察を容易にすること、保持器具として素材疲労をきたさず、半永久的に機能の持続化させうること、ネイル内空間を利用しようとした際にも、それによる弊害を伴うことのないガンマー型ネイル装置を提供することである。
本発明は、脱落の虞あるもしくは脱落した骨頭をラグスクリューの螺着により、骨髄腔に埋入されたネイルに引き寄せ固定し、ネイルの抜けが横止めスクリューによって阻止されるようにしているガンマー型ネイルに適用される。その特徴とするところは、図1などを参照して、
PEEK樹脂炭素繊維複合材製のネイル4の中間部位より斜め上方に向けて挿通することにより、ネイル4とγ状をなすラグスクリュー2、ネイル4の遠位部を略水平に貫通する横止めスクリュー5、さらにはネイル4の近位部に螺合されるエンドキャップ6もPEEK樹脂炭素繊維複合材製とされる。
ネイル4およびラグスクリュー2は、ロービング束帯をなすUDテープ16(図6を参照)を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させ、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させた交差編みチューブ17、もしくは、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10(図3を参照)を交差編みし、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させた交差網組みチューブ11と、そのチューブ筒面を覆うためUDテープ12をチューブ軸方向に対して0度、90度、45度および−45度の配向で積層し、加熱・加圧後に固化させた上側および下側の半円弧断面の内殻体13A,13B(図4を参照)と、その内殻体13A,13Bの全体をその合わせ部から90度ずらせて覆うためUDテープ14を交差配向積層した後、加熱・加圧後に固化させた右側および左側の半円弧断面の外殻体15A,15B(図5を参照)とを備える。
横止めスクリュー5は、ロービング束帯をなすUDテープ16(図6を参照)を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させた交差編みチューブ17と、その交差編みチューブ筒面を覆うためUDテープ18をチューブ軸方向に配向積層し、加熱・加圧後に固化させた二つ割れ形状の半円弧断面の被覆体19とを備える。そして、
チューブに丸棒状の中子を挿入した状態で上側および下側の内殻体13A,13B、右側および左側の外殻体15A,15Bを組み合わせて注入成形金型内に収め、ファイバーチップが混在する溶融したPEEK樹脂コンパウンドを圧入して表層・表殻を造形するとともに、組み合わせ物中の各樹脂の溶融コンパウンドによる再溶融により一体化を図り、ねじ山20(図7を参照)を形成する部位および成形物の各先端の造形はその溶融コンパウンドによってなされ、注入成形金型の型開き後にいずれの中子をも除去して成形物が中空体化されたものとなっている。
交差編みチューブ17が、中空のパイプ状をなすようロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させたものとする場合は(図7を参照)、カーボンファイバのみを交差編みしたカーボンチューブの外面のみもしくは内外面にPEEK樹脂フィルムをあてがい、加熱・加圧してPEEK樹脂の含浸が図られたものとしておく。
交差網組みチューブ11がロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を交差編みしたものとする場合(図3を参照)は、3軸ブレーディング法により中空のパイプ状をなすように加熱されたPEEK樹脂含浸のUDテープ10を、3軸網組みしたものとすればよい。
ロービング束帯の3軸ブレーディングは、長手方向(チューブの軸方向)に傾斜および逆傾斜して交差するように配向されたUDテープ10による網状巻層を成形するものである。この場合、PEEK樹脂含浸のUDテープ10の繰り出し時に、加熱を行う成形ヘッドを経て網状巻層されたものとしておく。
ラグスクリュー2は、図7に示すように、骨頭1の内部の海綿骨に螺着するスクリュー部と、ネイル4の中間部位に軸支されるジャーナル部2Bからなり、反スクリュー側端にはラグスクリュー2を螺進させるためのレンチ係合部25が形成される。
ネイル4の中間部位に設けられたラグスクリュー2を挿通させる穴21(図2を参照)は、中子が除去されて中空体化した成形物の型出し後に、ドリル加工により形成されている。
ネイル4の中間部位に設けられたラグスクリュー2を挿通させる穴21(図2を参照)には、交差編みチューブ17もしくは交差網組みチューブ11と素材同一編み構成のブッシングが嵌着されている。
内殻体13A,13B、外殻体15A,15Bおよび被覆体19におけるUDテープ12、14、18の積層は、ネイル部位によってプライ数が違えられている。
網状巻層には、長手方向に延びるUDテープ22(図3を参照)も混成されることがある。
網状巻層には、長手方向に延びるステンレススチールワイヤ23(図9あ参照)が敷設されている。
エンドキャップ6(図8を参照)は、ネイルやラグスクリューとは独立して、溶融コンパウンドを注入する成形金型により成形され、エンドキャップ端に形成される雄ねじ24は中実となっている。
図8に示すように、ネイル4の外層から内部空洞に至る小穴26が開口され、内部空洞27に収容された薬剤(生分解性担体に骨成長刺激剤や感染症防止用抗生物質を混合)が当該ネイルの表面からとりわけ海綿骨29に滲出徐放させることができる薬担機能が備えられている。
図8に示すように、ラグスクリュー2の外層から内部空洞28に至る小穴31が開口され、内部空洞に収容された薬剤(生分解性担体に骨成長刺激剤や感染症防止用抗生物質を混合)が当該ラグスクリューの表面からとりわけ海綿骨29に滲出徐放させることができる薬担機能が備えられている。
本発明によれば、ガンマー型ネイル装置を構成するネイル、ラグスクリュー、横止めスクリュー、エンドキャップのいずれもがPEEK樹脂炭素繊維複合材製であるので、金属ガンマー型ネイル装置に比較して極めて軽量なものとなり、患部における静的および動的な負担を軽減する。X線透過性が発揮されることにもなり、術後診断においてガンマー型ネイル装置が患部観察を阻害しなく、回復度などの確認が極めて容易となる。また、空港などにおける金属探知機に反応しないゆえ、無用の手続も回避される。
樹脂炭素繊維複合材製のガンマー型ネイル装置の疲労強度は、金属製の場合のそれに比べて非常に高く、耐用年数の増大化を可能にし、再施術の機会を少なくする。樹脂成形品ゆえネイルやラグスクリューの内部に空洞を形成させやすく、それを利用した機構の付加や機能の追加の余地を与える。疲労強度が低いために、機構の付加や機能の追加による樹脂壁貫通穴あり構造とすることも問題でなくなる。
ネイルやラグスクリューは、交差網組みチューブと、上側および下側の半円弧断面の内殻体と、右側および左側の半円弧断面の外殻体とを備えるから、チューブでは捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、内殻体では曲げおよび捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、外殻体ではネイルに設けられる挿通穴による断面欠損による捩れ耐力低下抑止構造に徳化させ、それぞれの部位に応じて過不足の少ない荷重分担機能を発揮したガンマー型ネイル装置とすることができる。
交差編みチューブは、ロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させ、交差網組みチューブは、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープを交差編みし、それぞれ加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させたものとするが、その成形や製作の手順の多様化により、患者に優しいフィッティングを、製作する者にとっては選択肢のある融通のきく工程を選定することができるようになる。
内殻体は、UDテープをチューブ軸方向に対して0度、90度、45度および−45度の配向で積層し、加熱・加圧後に固化させた上側および下側の半円弧断面の内殻体とされるから、交差網組みチューブの筒面を被覆しての注入金型内セッティングを極めて容易にする。また、ラグスクリューのための挿通穴を上下の合わせ縁に形成させれば、内殻体の断面欠損による配向UDテープの捩れ耐力への影響を可及的に少なくしておくことができる。
外殻体は、UDテープを交差配向積層した後、加熱・加圧後に固化させた右側および左側の半円弧断面の外殻体とし、これを内殻体の全体をその合わせ部から90度ずらせて覆う右側および左側の半円弧断面の内殻体とするから、内殻体の外面を被覆しての注入金型内セッティングをこれまた容易にする。また、ラグスクリューのための挿通穴で耐力の低下した内殻体の合わせ縁近傍における捩れ耐力の補完作用を発揮させることができる。
横止めスクリューは、交差編みチューブと、二つ割れ形状の被覆体とを備えるから、チューブでは捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、二つ割れ形状の被覆体では曲げ耐力を発揮する構造に特化させ、骨髄腔に埋入のネイルの横振れ阻止に十分な強度を発揮するものとしておくことができる。なお、交差編みチューブはロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させたものとすれば、市販のカーボンファイバチューブを利用でき、ガンマー型ネイル装置の低廉化に寄与させることもできる。
チューブに丸棒状の中子を挿入した状態で右側および左側の外殻体、上側および下側の内殻体を組み合わせて注入成形金型内に収め、ファイバーチップが混在する溶融したPEEK樹脂コンパウンドを圧入して表層・表殻を造形するとともに、組み合わせ物中の各樹脂の溶融コンパウンドによる再溶融により一体化を図り、ねじ山を形成する部位および成形物の各先端の造形は溶融コンパウンドによってなされ、注入成形金型の型開き後にいずれの中子をも除去して成形物の中空体化を実現することができる。
カーボンファイバのみを交差編みしたカーボンチューブの外面のみもしくは内外面にPEEK樹脂フィルムをあてがい、加熱・加圧してPEEK樹脂の含浸が図られた交差編みチューブとするなら、ロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブで中空のパイプ状とすることができる。すなわち、市販のカーボンファイバチューブを使用してガンマー型ネイル装置の高騰化を抑制することができる。
3軸ブレーディング法により加熱されたPEEK樹脂含浸のUDテープを、3軸網組みした交差網組みチューブとしておくなら、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープを交差編みしたチューブで中空のパイプ状をなすようにすることができる。この交差網組みチューブは市販のカーボンファイバチューブより厚みの大きいものを得ることができ、捩れ剛性の優れた剛強な交差網組みチューブきなり、ネイルやラグスクリューの品質向上が図られる。
ロービング束帯の3軸ブレーディングは、長手方向(チューブの軸方向)に傾斜および逆傾斜して交差するように配向されたUDテープによる網状巻層を成形するものとしておくから、捩れ剛性が極めて高く、患者の身体からの動的荷重や繰り返し荷重に対する耐力も強いものとなる。
3軸ブレーディングにおけるPEEK樹脂含浸UDテープの繰り出し時に、加熱を行う成形ヘッドを経させば、網状巻層の増嵩化が容易かつ緻密な交差網組みチューブを得ることができる。
ラグスクリューは骨頭内の海綿骨に螺着するスクリュー部と、ネイルの中間部位に軸支されるジャーナル部からなり、反スクリュー側端にはラグスクリューを螺進させるためのレンチ係合部が形成されていれば、ネイルへの取付けが極めて円滑となる。ラグスクリューとしての機能を十二分に果たさせることができ、構造的にも機能的にも安定したものとなる。
中子が除去されて中空体化したネイルを型出し後に、挿通穴がドリル加工により形成されるようにしておけば、その中間部位に設けられたラグスクリュー軸支機構を確実に設けることができる。
ラグスクリューを挿通させる穴には、交差編みチューブもしくは交差網組みチューブと素材や編み構成の同一なブッシングが嵌着されるようにしておけば、ネイルのその部分の空洞が閉じられ、ラグスクリューの軸支が捩れ剛性の高い支持面でなされ、円滑かつ確実なものとなる。
内殻体、外殻体および被覆体におけるUDテープの積層は、ネイル部位によってプライ数が違えられていれば、曲げ強度の向上もしくは過不足が生じないよう調整された積層構造としておくことができる。
網状巻層に長手方向に延びるUDテープも混成させておけば、曲げおよび引張力に対する耐力増強を図ることができる。
網状巻層には、長手方向に延びるステンレススチールワイヤが敷設されていれば、X線はその部分のみを透過しなく、透過性が高まることによって消影状態にあるネイルやラグスクリューの位置を教えることができる。
エンドキャップはネイルやラグスクリューから独立して、溶融コンパウンドを注入する成形金型により成形され、エンドキャップ端に形成される雄ねじを中実にしておくなら、曲げや力の作用しないエンドキャップの成形が容易であり、術時に使用されるネイル保持治具(例えばフラグメントコントロールグリップ)との螺合構造を与えやすくなる。
ネイルおよびラグスクリューの外層から内部空洞に至る小穴が開口され、内部空洞に収容された薬剤がネイルまたはラグスクリューの表面滲出徐放させることができるようにしておけば、ネイルやラグスクリューの導入で傷んだ海綿骨などに骨成長刺激剤や感染症防止用抗生物質を時間をかけて徐々に供給することができ、骨質の助長や蘇生を促し、術後の回復を早めることができる。すなわち、例えば1ケ月以上の薬担機能を備えたガンマー型ネイル装置とすることができる。
本発明に係るガンマー型ネイル装置であって、大腿骨に埋入されたネイルによりラグスクリューが固定され、骨頭の固定が図られている様子を示す全体模式図。 ネイル単体を表し、(a)は縦断面図、(b)は外観図、(c)は平面図。 ネイルやラグスクリューにおける交差網組みチューブの網状巻層の外観図であって、(a)は交差UDテープのみの網状巻層、(b)は長手方向に延びるUDテープも混成されている網状巻層。 交差網組みチューブに内殻体を重ねようとするときの斜視図。 内殻体が重ねられた交差網組みチューブを外殻体で覆う時点の斜視図。 横止めスクリュー用の交差編みチューブを被覆体で覆う時点の斜視図。 ラグスクリューを示し、(a)は縦断面図、(b)は外観図。 薬担構造のガンマー型ネイル装置を示し、(a)は外観図、(b)は大腿骨内に薬剤を徐放させている状態を表した断面図。 (a)はガンマー型ネイル装置を上腕骨に適用した例、(b)は交差編みチューブもしくは交差網組みチューブに、位置や姿勢の情報を施術者に与えるためX線に反応するスンレスワイヤが埋設されている様子の模式図。
以下に、本発明に係るガンマー型ネイル装置を、図面に基づいて詳細に説明する。これは、図1に示す脱落の虞あるもしくは脱落した骨頭1をラグスクリュー2の螺着により、骨髄腔3に埋入されたネイル(髄内釘)4に引き寄せ固定し、ネイルの抜けが横止めスクリュー5によって阻止されるようになっている装置である。なお、ガンマーなる語は、たて姿勢にあるネイル4の中間部位からラグスクリュー2を斜め上方に向けて挿通させることで、すでに述べたが、ラグスクリューと棒状のネイルとで略「γ」なる文字の形を呈することによる。
ここで開示するガンマー型ネイル装置はネイル4とラグスクリュー2と横止めスクリュー5、さらにはエンドキャップ6を備えた骨頭の固定器具としてのものであるが、注目すべきは、いずれもがPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂炭素繊維複合材製とされていることである。ネイル4は骨髄腔3に埋入されるとはいえ例えば大腿骨7に嵌められているだけであるので、ネイル4の遠位部には穴8(図2を参照)が形成され、大腿骨7とネイル4を略水平に横断する横止めスクリュー5が不可欠となっている。また、ネイル4の近位部すなわち頂部を閉止しておくためにエンドキャップ6が螺着される。というのは、埋入直後のネイル4が骨髄腔3内にあるとはいえ施術中にネイルの姿勢変動をきたさないようにするフラグメントコントロールグリップ(図示せず)などの先端を螺着させる雌ねじ9(図2(a)や後述する図8(a)を参照)がネイル4の頂部に形成されており、エンドキャップ6は施術後半にグリップが外されたときネイルの頂部に生じる開口を閉じておくためのものである。なお、このフラグメントコントロールグリップは略C形であり、本体胴部は大腿骨外に配され、ネイルの埋入位置や姿勢の情報(指標)を施術者に知らしめるものでもあるが、ここでは、その詳細を省く。
上記のネイル4およびラグスクリュー2は、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を45度の交差編みし、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させた交差網組みチューブ11(図3(a)を参照)と、その交差編みチューブ筒面を覆うためUDテープ12をチューブ軸方向に対して0度、90度、45度および−45度の配向で積層した後、加熱・加圧後に固化させた図4に示す上側や下側の半円弧断面の内殻体13A,13Bと、その内殻体の全体をその合わせ部から90度ずらせて覆うためUDテープ14を交差配向積層した後、加熱・加圧後に固化させた図5に示す右側および左側の半円弧断面の外殻体15A,15Bとを備える。
一方、横止めスクリュー5は、図6に示すように、ロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させた交差編みチューブ17と、その交差編みチューブの筒面を覆うためUDテープ18をチューブ軸方向に配向積層し、加熱・加圧後に固化させた二つ割れ形状の半円弧断面の被覆体19とを備える。
次に、それら構成品の一体化は以下のようにして行われる。その際、一体化だけでなく外観造形や機能部位形成もなされるようになっている。まず、先に述べた交差網組みチューブ11に図示しない丸棒状の中子を挿入した状態で、上側および下側の内殻体13A,13Bを重ね(図4を参照)、右側および左側の外殻体15A,15Bを横当てするように組み合わせ(図5を参照)、図示しない注入成形金型内に収める。ファイバーチップが混在する溶融した高温のPEEK樹脂コンパウンドを圧入して表層・表殻を造形するとともに、組み合わせ物中の各樹脂が溶融コンパウンドの保有熱により再溶融して一体化が図られる。図7に示すねじ山20を成形する部位および成形物の各先端の造形は、この溶融コンパウンドによりなされる。注入成形金型の型開き後にいずれの中子をも除去すれば、中空成形品となる。
これから分かるように、ガンマー型ネイル装置を構成するネイル4、ラグスクリュー2や横止めスクリュー5、エンドキャップ6のいずれもがPEEK樹脂炭素繊維複合材製とされるので、金属製ガンマー型ネイル装置に比較して極めて軽量なものとなり、患部における静的および動的な負担を軽減する。X線透過性・MRI適合性などが発揮されることになるのは言うまでもない。画像診断の精度が向上し、また術後診断における患部観察が阻害されず、回復の進展などの確認が極めて容易となる。また、空港などにおける金属探知機に反応しないゆえ、無用の手続も回避される。
樹脂炭素繊維複合材製のガンマー型ネイル装置の疲労強度は、金属製の場合のそれに比べて非常に高く、耐用年数の長大化を可能にし、再施術の機会を可及的に少なくする。樹脂成形品ゆえネイルやラグスクリューの内部に空洞を形成させやすく、それを利して機構の付加や機能の追加の余地を与える(後述する薬担構造を参照)。疲労強度が低いがために、応力集中しやすい樹脂壁を貫通する穴あり構造とすることも問題でなくなる。また、腐食や加水分解もなく安定しているので、耐久性が非常に高いものとなる。
ネイル4やラグスクリュー2は、交差網組みチューブ11と、上側および下側の半円弧断面の内殻体13A,13Bと、右側および左側の半円弧断面の外殻体15A,15Bとを備えるから、交差網組みチューブ11では捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、内殻体13A,13Bでは曲げおよび捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、外殻体15A,15Bではネイル4に設けられるラグスクリュー用の挿通穴21(図2を参照)による断面欠損での捩れ耐力低下抑止構造に徳化させ、それぞれの部位に応じて過不足の少ない荷重分担機能を発揮したガンマー型ネイル装置とすることができる。
上記の交差編みチューブ17は、ロービング束帯をなすUDテープ12を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させ、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させたものであり、交差網組みチューブ11はロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を交差編みし、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させたものであるが、その成形や製作の手順の多様化により、患者には優しいフィッティング特性とすることができたり、製作する者にとっては選択肢のある融通のきく成形・造形工程を選定しやすくなる。
ところで、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を交差編みした交差網組みチューブ11とする場合は、3軸ブレーディング法により加熱されたPEEK樹脂含浸のUDテープ10を3軸網組みしたものとすればよい。これによれば、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を交差編みしたチューブで中空のパイプ状をなすようにすることができる。この交差網組みチューブは市販のカーボンファイバチューブより厚みを大きくすることができ、捩れ剛性の優れた剛強なチューブを得ることができ、ネイル4やラグスクリュー2にとっては都合のよい構造や品質を達成する。
なお、ロービング束帯の3軸ブレーディングは、長手方向(チューブの軸方向)に45度傾斜および逆傾斜して交差するように配向されたUDテープ10による網状巻層を成形するものである。従前、高機能複合材料を巻きつけ成形する際に発生する層間剥離が除去できず、捩れ荷重により座屈破壊をきたすことが多かったが、このロービング束帯の3軸ブレーディングによれば、捩れ剛性が極めて高く、患者の身体からの動的荷重や繰り返し荷重に対する耐力も強いものとなる。
PEEK樹脂含浸のUDテープ10を繰り出す時点では、PEEK樹脂を溶融させておく必要があるため、加熱を行う成形ヘッドを通して網状巻層される。この成形ヘッドを経させば、網状巻層の増嵩化が容易かつ緻密な交差編みチューブを得ることができるからである。
網状巻層には、図3(b)のように、長手方向に延びるUDテープ22も混成されることが多い。そうすれば、曲げおよび引張力に対する耐力増強が顕著となることは言うまでもない。3軸ブレーディング製法とは、カーボンファイバを3方向に組み込みながら、チューブ先端から他端までシームレスに均一構造で成形するが、その場合、組糸はロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させ加熱したUDテープ10を例えば組角度(長手方向に対する傾斜角)を45度とし、その交差部の組糸の間を分けて通過するように延びる中央糸として上記のUDテープ22は機能する。交差UDテープ10はチューブに捩れが作用したとき効果的に対抗力を発揮する(例えば特許3624178号公報を参照)。
内殻体13A,13B、外殻体15A,15Bおよび被覆体18におけるUDテープの積層は、ネイル部位によってプライ数が違えられ、曲げ強度の向上もしくは過不足が生じないよう調整された積層構造としておくことができる。内殻体13A,13Bは、UDテープ12(図4を参照)をチューブ軸方向に対して0度、90度、45度および−45度の配向で積層し、加熱・加圧後に固化させた上側および下側の半円弧断面とするから、交差編みチューブの筒面を被覆しての注入金型内セッティングを容易にする。また、ラグスクリュー2のための挿通穴21を上下の合わせ縁に形成させれば、内殻体13A,13Bの断面欠損による配向UDテープ10の捩れ耐力への影響を可及的に少なくする。
外殻体15A,15Bは、UDテープ14を交差配向積層した後、加熱・加圧後に固化させた右側および左側の半円弧断面の外殻体15A,15Bとし、これを内殻体13A,13Bの全体をその合わせ部から断面矢視90度ずらせて覆う右側および左側の半円弧断面の内殻体13A,13Bとするから、内殻体13A,13Bの外面を被覆しての注入金型内セッティングをも容易にする。また、ラグスクリュー2のための挿通穴で耐力の低下した内殻体13A,13Bの合わせ縁近傍における捩れ耐力の補完作用を発揮させることができる。この外殻体15A,15Bによれば、次工程の、穴加工において繊維が切断されることになるが、横方向から「横部補強構造」を追加積層することにより、荷重を伝達することができる。ちなみに、内殻体や外殻体の製作時、それぞれ適宜の寸法に裁断されたUDテープを、内殻体や外殻体の専用成形型内に配置する際には、溶着スポットで仮止めし、溶融樹脂の流入による配置乱れを抑えておけばよい。
横止めスクリュー5は、交差編みチューブ16と、二つ割れ形状の被覆体19とを備えるから、チューブでは捩れ耐力を発揮する構造に特化させ、二つ割れ形状の被覆体19では曲げ耐力を発揮する構造に特化させておき、骨髄腔に埋入のネイルの横振れ阻止に十分な強度のものに仕上げておくことができる。なお、交差編みチューブはロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させたものとしておけば、市販品などのカーボンファイバチューブを採用することもでき、低廉化に寄与させることができる。
ところで、ガンマー型ネイル装置としての成形や造形は、まず、チューブに丸棒状の中子(図示せず)を挿入した状態で右側および左側の外殻体15A,15B、上側および下側の内殻体13A,13Bを組み合わせて注入成形金型内に収め、ファイバーチップが混在する溶融したPEEK樹脂コンパウンドを圧入して表殻・表層を造形するとともに、組み合わせ物中の各樹脂の溶融コンパウンドによる再溶融により一体化を図り、ねじ山を形成する部位および成形物の各先端の造形は、当該溶融コンパウンドによってなされる。
網状巻層には、図9(b)に示すように、長手方向に延びるステンレススチールワイヤ23を敷設しておくとよい。X線はその部分のみを透過しなく,透過性が高まることによって消影状態にあるネイル4やラグスクリュー2の位置や姿勢をこの敷設ワイヤが教えることになる。
前記したエンドキャップ6は、ネイル4やラグスクリュー2とは独立して、溶融コンパウンドを注入する成形金型により成形される。エンドキャップ端に形成される雄ねじ24(図8(a)を参照)は中実体とされる。曲げや力の作用しないエンドキャップの成形は容易であり、術時に使用されるネイル保持治具における螺合構造を与えやすい。なお、この雄ねじ24が螺着する雌ねじ9は、前述したごとく、フラグメントコントロールグリップとの合体手段となっている。
ラグスクリュー2は骨頭1の内部の内の海綿骨に螺着する図7に示すスクリュー部2Aと、ネイル4の中間部位に軸支されるジャーナル部2Bからなっているが、反スクリュー側端にはラグスクリュー2を螺進させるためのレンチ係合部25が形成され、ネイルへの取付けが円滑となる回転力を与えることができる。ラグスクリューとしての機能が安定したものとなり、患者の身体的負担も和らげる。
ネイル4の中間部位に設けられたラグスクリュー2を挿通させる穴21(図2を参照)は、中子が除去されて中空体化した成形物の型出し後に、ドリル加工により形成される。この機械加工によれば、その中間部位に設けられたラグスクリュー2を挿通させる穴を確実に形成することができる。
その挿通穴21には、交差網組みチューブ11や交差編みチューブ16と素材や編み構成の同一なブッシング(図示せず)を嵌着させてもよい。ネイル4のその部分の空洞が閉止され、その遮断によりネイルの剛性も高めておくことができる。ラグスクリュー2の軸支が捩れ剛性の高い支持面でなされることにもなり、円滑かつ確実な操作を実現し、安定製を高めるものとなる。
ネイル4およびラグスクリュー2の交差網組みチューブ11は、すでに上で詳しく述べたロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープ10を交差編みし、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させたものであった。それに代えて、ロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させ、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させるようにした交差編みチューブ17(図8を参照)としてもよい。
ちなみに、交差編みチューブ17が、中空のパイプ状をなすようロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させたものとする場合は、カーボンファイバのみを交差編みしたカーボンチューブの外面のみもしくは内外面にPEEK樹脂フィルム(図示せず)をあてがい、加熱・加圧してPEEK樹脂の含浸が図られたものとすることもできる。このような交差編みチューブ17とするなら、ロービング束帯をなすUDテープ16を交差編みしたチューブで中空のパイプ状をなすようにすることができる。すなわち、市販のカーボンファイバチューブを使用してガンマー型ネイル装置の高騰化を抑制することもできる。
ところで、ガンマー型ネイルで骨折部を修復する場合には、骨頭の内部の海綿骨にネイルをねじ込むことで折損した骨頭を大腿骨に結合する。その場合、ねじ込む部分は骨頭の内部の海綿骨である。この部分は著しく骨密度が小さく、強度も低いために、ネイルが有効に作用しないことがある。それゆえ、ネイルならびにラグスクリューのねじ込み部分周辺の骨強度を向上させる必要がある。ネイルやラグスクリューの周辺部に骨成長刺激剤を浸出させて骨密度を増加させることができれば、治療効果を飛躍的に改善することができる。特に、高齢者の股関節骨折では約半分の患者で術後の歩行機能が低下すると言われており、骨形成促進剤で早期骨癒合を目指し、筋萎縮防止薬で術後の筋萎縮回避など、薬と組み合わせることでこれらの課題が解決されることになる。
そこで、図8(a)に示すように、ネイル4の外層から内部空洞に至る小穴26が開口され、内部空洞27に収容された薬剤28(生分解性担体に骨成長刺激剤や感染症防止用抗生物質を混合)がネイル表面からとりわけ海綿骨29に1ケ月以上の滲出徐放させることができる薬担機能が備えられればと期待される。ラグスクリュー2の外層からも内部空洞30に至る小穴31が開口され、内部空洞に収容された薬剤が滲出徐放させることができる薬担機能が備えさせることができる。骨質の助長や蘇生を促し、術後の回復を早めることができる。
高機能複合材料は小穴などでの応力集中によっても疲労強度が低下することはほとんどないとの特徴を利用しているからである。また、腐食や加水分解もなく安定しており、耐久性が非常に高い。
ネイル4やスクリューと骨の接合面に効果的・継続的に浸潤させることができるような薬担構造、蓄蔵用円筒状薬担部の形成が可能となり、骨折を画期的に迅速に治療することができる。FRP製のガンマー型ネイル装置は、骨髄腔に中空の棒を差し込んで骨折した骨頭をスクリューで固定する形式の固定具であるから、薬担構造を組み込むことに適していることも分かる。金属製のガンマー型ネイル装置では、薬剤が浸出する小穴をあけると疲労強度が低下するが、複合材は疲労強度上の問題はないので、薬担構造とするに打って付けである。
以上の説明において、主に、大腿骨用のガンマー型ネイル装置への適用について述べてきたが、図9(a)に示す上腕骨32のためのガンマー型ネイル装置や骨盤固定用のロッキングスクリューシステムにも適用することができる。
1…骨頭、2…ラグスクリュー、3…骨髄腔、4…ネイル、5…横止めスクリュー、6…エンドキャップ、7…大腿骨、8…穴、10…UDテープ、11…交差網組みチューブ、12…UDテープ、13A,13B…上側および下側の半円弧断面の内殻体、14…UDテープ、15A,15B…右側および左側の半円弧断面の外殻体、16…UDテープ、17…交差編みチューブ、18…UDテープ、19…二つ割れ形状の半円弧断面の被覆体、21…挿通穴、22…UDテープ、23…ステンレススチールワイヤ、26…小穴、27…ネイルの空洞、28…薬剤、29…海綿骨、30…ラグスクリューの空洞、31…小穴、32…上腕骨。

Claims (14)

  1. 脱落の虞あるもしくは脱落した骨頭をラグスクリューの螺着により、骨髄腔に埋入されたネイルに引き寄せ固定し、ネイルの抜けが横止めスクリューによって阻止されるようにしているガンマー型ネイルにおいて、
    PEEK樹脂炭素繊維複合材製の前記ネイルの中間部位より斜め上方に向けて挿通することにより、ネイルとγ状をなすラグスクリュー、前記ネイルの遠位部を略水平に貫通する前記横止めスクリュー、さらにはネイルの近位部に螺合されるエンドキャップもPEEK樹脂炭素繊維複合材製とされ、
    上記ネイルおよびラグスクリューは、ロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させ、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させた交差編みチューブ、もしくは、ロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープを交差編みし、加熱加圧して円筒形とした後に冷却・固化させた交差網組みチューブと、そのチューブ筒面を覆うためUDテープをチューブ軸方向に対して0度、90度、45度および−45度の配向で積層し、加熱・加圧後に固化させた上側および下側の半円弧断面の内殻体と、その内殻体の全体をその合わせ部から90度ずらせて覆うためUDテープを交差配向積層した後、加熱・加圧後に固化させた右側および左側の半円弧断面の外殻体とを備え、
    前記横止めスクリューは、ロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させた交差編みチューブと、その交差編みチューブ筒面を覆うためUDテープをチューブ軸方向に配向積層し、加熱・加圧後に固化させた二つ割れ形状の半円弧断面の被覆体とを備え、
    前記チューブに丸棒状の中子を挿入した状態で前記上側および下側の内殻体、前記右側および左側の外殻体を組み合わせて注入成形金型内に収め、ファイバーチップが混在する溶融したPEEK樹脂コンパウンドを圧入して表層・表殻を造形するとともに、組み合わせ物中の各樹脂の溶融コンパウンドによる再溶融により一体化を図り、ねじ山を形成する部位および成形物の各先端の造形は当該溶融コンパウンドによってなされ、前記注入成形金型の型開き後に前記いずれの中子をも除去して成形物が中空体化されていることを特徴とするガンマー型ネイル装置。
  2. 前記交差編みチューブが、中空のパイプ状をなすようロービング束帯をなすUDテープを交差編みしたチューブにPEEK樹脂を含浸させたものとする場合は、カーボンファイバのみを交差編みしたカーボンチューブの外面もしくは内外面にPEEK樹脂フィルムをあてがい、加熱・加圧してPEEK樹脂の含浸が図られたものであることを特徴とする請求項1に記載されたガンマー型ネイル装置。
  3. 前記交差網組みチューブがロービング束帯にPEEK樹脂を含浸させたUDテープを交差編みしたものとする場合は、3軸ブレーディング法により中空のパイプ状をなすように加熱されたPEEK樹脂含浸のUDテープを、3軸網組みしたものであることを特徴とする請求項1に記載されたガンマー型ネイル装置。
  4. 前記ロービング束帯の3軸ブレーディングは、長手方向に傾斜および逆傾斜して交差するように配向されたUDテープによる網状巻層を成形するものであることを特徴とする請求項3に記載されたガンマー型ネイル装置。
  5. PEEK樹脂含浸のUDテープの繰り出し時に、加熱を行う成形ヘッドを経て網状巻層されていることを特徴とする請求項3に記載されたガンマー型ネイル装置。
  6. ラグスクリューは骨頭内の海綿骨に螺着するスクリュー部と、ネイルの中間部位に軸支されるジャーナル部からなり、反スクリュー側端にはラグスクリューを螺進させるためのレンチ係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたガンマー型ネイル装置。
  7. 前記ネイルの中間部位に設けられたラグスクリューを挿通させる穴は、前記中子が除去されて中空体化した成形物の型出し後に、ドリル加工により形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたガンマー型ネイル装置。
  8. 前記ネイルの中間部位に設けられたラグスクリューを挿通させる穴には、前記交差網組みチューブまたは交差編みチューブと素材同一編み構成のブッシングが嵌着されていることを特徴とする請求項6に記載されたガンマー型ネイル装置。
  9. 前記内殻体、外殻体および被覆体におけるUDテープ材の積層は、ネイル部位によってプライ数が違えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載されたガンマー型ネイル装置。
  10. 前記網状巻層には、長手方向に延びるUDテープも混成されていることを特徴とする請求項9に記載されたガンマー型ネイル装置。
  11. 前記網状巻層には、長手方向に延びるステンレススチールワイヤが敷設されていることを特徴とする請求項9に記載されたガンマー型ネイル装置。
  12. 前記エンドキャップは、前記ネイルやラグスクリューとは独立して、溶融コンパウンドを注入する成形金型により成形され、エンドキャップ端に形成される雄ねじは中実であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載されたガンマー型ネイル装置。
  13. 前記ネイルの外層から内部空洞に至る小穴が開口され、内部空洞に収容された薬剤が当該ネイルの表面からとりわけ海綿骨に滲出徐放させることができる薬担機能が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載されたガンマー型ネイル装置。
  14. 前記ラグスクリューの外層から内部空洞に至る小穴が開口され、内部空洞に収容された薬剤が当該ラグスクリューの表面からとりわけ海綿骨に滲出徐放させることができる薬担機能が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載されたガンマー型ネイル装置。
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