JP6491453B2 - 汚物流しユニット - Google Patents
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Description
特に、汚物流しユニットの洗浄水の供給がタンク式である場合には、ライニング内の上方スペースが、水受けトレイの設置にとっては障害物となる洗浄水タンクによって占有されざるを得ず、水受けトレイの設置は一層難しい課題となる。
このため、取り出し作業に先立って水切りをしておくことが欠かせず、水受けトレイとしては底部に水切り用のパイプが下方に延びた特殊なものを用いなくてはならない。
仮に、このような特殊な水受けトレイを適用したとしても、取り出しに先立って、水切り用のパイプから滞留した水を抜き取らねばならず、抜き取った水を受ける容器の準備や複雑な取り回し等々作業が煩雑である。
図1では、汚物流しユニット1のライニング10内の構造を理解し易くするため、上面の甲板や前板の一部は未装着の状態で示してある。尚、以下の説明において、左右の向きは、ライニング10の前面10aに正対する視座から見たものとし、上下の向きは、略鉛直方向に沿った上下の向きの意である。
本実施形態の汚物流しユニット1は、ライニング10の前面にボウル部2が設けられている。
このボウル部2で吐水が受けられる位置に、ライニング10から引き出し可能にホース21付きのスパウト20が設けられている。
また、ライニング10内で後述する洗浄水タンクに相当する空間を占有する立体物(本実施形態では図2及び図3の洗浄水タンク50自体)を支持する立体物支持部40が、ライニング10内のボウル部2上部開口2a縁部の高さよりも高い位置に設けられている。
この立体物支持部40に支持された立体物(本例では洗浄水タンク50)の下方位置(図2、図3参照)に、ホース21からの滴を受ける水受けトレイ60が設けられている。
水受けトレイ60は後述する載置板81を棚板とする棚に載置される。
更に、引き出された状態からライニング10内に押し戻されたホース21を、水受けトレイ60の上部開口61に向かうようにガイドするガイド部70が設けられている。
また、ホース21の屈曲状態の変化を規制するホースガイド部材24、25がライニング10内に設けられている。
次に、図1に図2及び図3を併せ参照して汚物流しユニット1につき更に詳述する。
図2及び図3において、図1との対応部には同一の符号を附してある。
ライニング10の前面10aは、ボウル部2が前面に取付けられる主前板11で覆われ、右側面は側板12で覆われている。この主前板11には、ボウル部2の上部開口2aの後縁部中央上方にスパウト20の、例えば、フレキシブル金属ホースであるホース21をガイドするガイド管22が設置されている。
主前板11にはまた、ガイド管22の右側にスパウト20からの水の吐出を開始及び閉止させると共に、吐水の水量と温度を調節するための操作ハンドル23が設けられている。この操作ハンドル23自体は、混合水栓におけるものと同様の一般的なものである。
また、図2の如く、ライニング10の前面10aの主前板11の右側には副前板13が設けられ、ライニング10内に収納された電気温水器30を覆っている。副前板13は図示しない引掛け金具により、その取付け及び取外しは極めて容易である。更に、ライニング10の上方は甲板14で覆われる。
複数の縦フレーム410のうち主前板11の左右両側方裏側の2本の縦フレーム410の中間よりも上方位置、即ち、ボウル部2上部開口2aの後方縁部より僅かに上方の高さ位置から、それぞれ、後方に向けて平行に延出した、左右の各支持アーム430が設けられている。
各支持アーム430は、それらが延出する基部において、各対応する縦フレーム410に溶接等により十分な強度で接合されている。
洗浄水タンク50はその底部中央の排水フランジ51と排水フランジ51の左右両側方の各スペーサ部材52とが支持板41に当接するようにして支持板41上に載置され、例えば、図示しない長尺のボルトとナットで支持板41に固定される。そして、排水フランジ51から下方に延長された排水管53が、水受けトレイ60の下方を巡って前方に曲げられ、ボウル部2に接続されている。
第1及び第2のホースガイド部材24及び25は、ホースクリップ等とも称される同種のものであり、少なくともガイド孔の内面が、例えば、樹脂等による平滑面として形成された、それ自体は一般的なものである。第1及び第2のホースガイド部材24及び25は、フレーム400等の固定部材にねじ止め等により取付けられる。
図1及び図2を参照して容易に理解される通り、第1ホースガイド部材24は、ライニング10内の主前板11の裏面側で、洗浄水タンク50の左下方に当たる高さの位置に設けられている。この位置は、水受けトレイ60の左側上方位置であり上部開口61とは一定の間隔を空けて設定されている。このため、ホース21が無理に屈曲されることなく湾曲部分が水受けトレイ60内に円滑にガイドされる。また第2のホースガイド部材25は、ライニング10内の主前板11の裏面側で、洗浄水タンク50の中央上方に当たる高さの位置に設けられている。
第1ホースガイド部材24は、ホース21を鉛直方向に挿通させて、引き出しや押し戻しによる屈曲状態の変化によらず、ホース21が第1ホースガイド部材24を鉛直方向に通るように規制する。これにより、ホース21がライニング10内の限られたスペースで無軌道に湾曲して他部との無用な干渉を生じるようなことが回避される。
第2のホースガイド部材25は、上述のように第1ホースガイド部材24よりも高い位置にあって、ホース21を水平方向に挿通させて、第1ホースガイド部材24よりも高所で、同様にホース21の屈曲状態を規制する。
尚、第1ホースガイド部材24には、ホース21の外周に装着されたストッパー26が当接して、ホース21の引き出し長さが規制される。
更に、既述のように、水平板部73と水受けトレイ60の上部開口61の縁部との間には一定のスペースが確保されているため、水受けトレイ60の取り出しが容易である。
この場合、傾斜部72自体は水受けトレイの最奥部位置62までは延伸せず、その手前位置に留まってホース21を下方にガイドするように形成されている。このため、水平板部73と水受けトレイ60の上部開口61の縁部との間に一定のスペースがあっても、ホース21をトレイの最奥部位置62の手前で確実に水受けトレイ60内へとガイドすることができる。
このとき、ホース21は、第1ホースガイド部材24によって、湾曲による変形軌跡が無軌道に水平方向に広がらず一定範囲に収まるようにガイドされる。即ち、ガイド部70によるホース21のガイドは、第1ホースガイド部材24によるガイド作用が加わって、一層効果的なものとなる。
このため、ホース21は確実に水受けトレイ60内に案内され、ホース21からの滴が水受けトレイ60外に飛散することが回避される。
尚、ガイド部70は、水平板部73を持たない態様を採ることも可能である。更に、上述における傾斜部72は全体として板材であるガイド部70の一部をなす板状体であったが、これに限定されるものではなく、既述のガイド機能を満たす他の形状を採り得る。
尚、可能な場合には、立体物の平面投影内に水受けトレイ60外形の平面投影が収まるように配置してもよい。この場合も、水受けトレイ60を、周囲のスペースに余裕を残して配置することができ、水受けトレイ60の取り回しが良好である。
水受けトレイ載置部80について、図3に図4を併せ参照して更に詳述する。
水受けトレイ載置部80は、金属製の載置板81を主要な部材として構成された棚を成している。この載置板81の前縁側及び後縁側には、それぞれ上方に直角に折り曲げて起立させた前側起立部81F及び後側起立部81Bが略全幅に亘って水受けトレイ60の深さの半分以下の高さに形成されている。また載置板81の左側縁側及び右側縁側には、それぞれ上方に直角に折り曲げて起立させた左側起立部81L及び右側起立部81Rが各側縁よりも若干短い範囲で前後側の起立部81F及び81Bよりも低い高さに形成されている。
載置板81上に載置された水受けトレイ60は、これら前後側の起立部81F及び81Bと左右側の起立部81L及び81Rによって、載置板81の主面方向の移動が規制されて安定的にその載置位置を維持できる。
水受けトレイ60は、この棚(その載置板81)に載置される。この結果、水受けトレイ60は、その上部開口61が少なくとも部分的に立体物(本例では洗浄水タンク50)の下方に位置するようにして配されることになる。
このため、水受けトレイ60を、固定された何れの部材との干渉も避けて配置できると共に、その配置は、周囲のスペースに余裕を生じさせる。従って、取付け及び取外しが極めて容易なライニング10の副前板13を取り外して、図1に示されたような状態で、右方から手を廻して容易に水受けトレイ60を取り出すことが可能である。この場合、既述の従来の装置におけるように、水受けトレイ60の姿勢を大きく傾けたり、傾けたままの姿勢で移動軌跡がカーブを描くように動かしたりして、狭いスペース内を伝って、障害物を回避しながら取り出すといった必要もない。従って、水受けトレイ60に滞留した水を予め排出することなく取り出し作業を行える。このため、水受けトレイ60を水切り用のパイプの付いた特殊なものとする必要もない。
更に、特に奥行方向のスペースが限定されたライニング10内においても、水受けトレイ60の幅寸法Wを大きくして、収容容積を大きくし、スパウト20のホース21を比較的緩やかな曲率で曲げられた姿で無理なく収容することが可能である。このため、ホース21の引き出しや押し戻しの操作に際しての抵抗が少なく、操作を極めてスムーズに行えるため、スパウト20の操作感が良好である。
この構成によれば、水受けトレイ60を容易に取り出すことが可能であり、水受けトレイ60の取り回しが極めて良好である。尚、ここでの下方位置についても先に詳述したところと同義である。
この構成によれば、ホース21は確実に水受けトレイ60内に案内され、ホース21からの滴が水受けトレイ60外に飛散することが確実に回避される。
この構成によれば、ホースガイド部材24によって、ホース21の湾曲による変形軌跡が無軌道に水平方向に広がらず一定範囲に収まるようにガイドされ、ガイド部70によるホース21のガイドは、第1ホースガイド部材24によるガイド作用が加わって、一層効果的なものとなる。
例えば、ライニング10は、内部上方に配置される立体物が洗浄水タンク50である場合に限られず、物品の収納棚を構成する箱体であってもよい。
また、ガイド部70はその鉛直板部71の基部側がスペーサ440を介して縦フレーム410に取付けられているが、この取付は、例えば、洗浄水タンク50や、洗浄水タンク50に替えて上述のように配置される物品の収納棚を構成する箱体に対して行ってもよい。
また、水受けトレイ60にガイド部70又はガイド部70の一部を設けた態様も本発明に含まれる。
2 ボウル部
10 ライニング
11 主前板
12 副前板
20 スパウト
21 ホース
24 第1のホースガイド部材
25 第2のホースガイド部材
30 電気温水器
40 立体物支持部
41 支持板
50 洗浄水タンク(立体物)
60 水受けトレイ
62 最奥部位置
70 ガイド部
80 水受けトレイ載置部
81 載置板
400 フレーム
410 縦フレーム
420 横フレーム
430 支持アーム
440 スペーサ
450 垂直支持部材
Claims (4)
- ライニングの前面にボウル部が設けられた汚物流しユニットであって、
前記ボウル部で吐水が受けられる位置に前記ライニングから引き出し可能に設けられたホース付きのスパウトと、
前記ライニング内で前記スパウトの後方側に配置される立体物を支持する立体物支持部と、
前記立体物支持部に支持された立体物の下方位置に配置され前記ホースからの滴を受ける水受けトレイと、
前記ライニング内に押し戻された前記ホースを、前記水受けトレイの上部開口に向かうようにガイドするガイド部とを備え、
前記水受けトレイは、前記下方位置において、前記立体物の平面投影に前記水受けトレイ外形の平面投影が部分的に重複するように配置され、
前記ガイド部は、自己の下方端と前記水受けトレイの上部開口との間に一定のスペースが確保されるように配設され、
前記立体物支持部に支持された立体物は洗浄水タンクであり、前記洗浄水タンクから下方に延長され前記水受けトレイの下方を巡って前方に曲げられて前記ボウル部に接続される排水管が更に配設されている
汚物流しユニット。 - 前記水受けトレイは、前記立体物支持部に支持された立体物の下方位置に棚板を持つ棚に載置されている請求項1に記載の汚物流しユニット。
- 前記ガイド部は、前記ホースを前記立体物の下方にガイドする請求項1または2に記載の汚物流しユニット。
- 前記ホースの屈曲状態の変化を規制するホースガイド部材が、更に設けられている請求項1から3の何れかに記載の汚物流しユニット。
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