JP6490978B2 - 水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも油分を含む被処理水を処理する水処理方法に関する。
油、浮遊物(SS)は排出規制物質であり、これらを被処理水から除去するために、数多く除去設備が設置されており、現在でも排水処理としてのコスト削減に向けた研究開発が行われている。
また、水資源の確保の観点から排水の再利用に向けた検討が進むなか、脱塩を含む処理システム全体の中で油、SSの除去は前段処理として後段への影響が大きいことから注目されている。
特に、海洋海底や陸上において原油やメタンガス等を採取する際に同伴して取り出される多量の「随伴水」は、「規制物質の投棄・排出の禁止、通報義務、その手続き等について規定するための国際条約とその議定書(正式名称は1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書(海洋汚染防止条約もしくはマルポール73/78条約と呼ばれる))」に規定されている、油分などの物質が含まれているため、簡便で安価に処理することが求められている。さらに近年では再利用、高度処理が注目されている。
随伴水の処理では、一般的に随伴水に含まれる油分の含有状態に応じて異なる方法で処理することが行われている。具体的に説明すると、随伴水に含まれる油分は、目視確認できる程度に大きいサイズで液中や液上層に分散したり浮上したりしている状態(フリーオイル)、容易には目視確認できないサイズで液中に分散している状態(乳化オイル又はエマルジョンオイル)、水に溶解している状態(溶解オイル)の3つの含有状態に分類することができる。
これらのうち、フリーオイルは、比重差や相溶性の差を利用して物理的に分離する層分離法で概ね除去することができる。層分離法には、例えばAPI(American Petroleum Institute)オイルセパレータや、シェル社の技術で波型平行坂の採用によりオイルを効率よく重力分離できるCPI(Corrugated Plate Interceptor)セパレータなどを挙げることができる。しかしながら、乳化オイルと溶解オイルは、層分離法で除去することができない。
溶解オイルの場合は、酸化剤を添加することで分解除去することができるが、添加する酸化剤量が多くなる上、反応時間も長くなる。そのため、吸着法を単独あるいは他の処理法と併用して使用することが提案されている。この方法は、活性炭や無機素材を使って随伴水中の溶存有機物を吸着して脱着するものである。
また、乳化オイルの場合は、溶解オイルと同様に酸化剤の添加で分解除去することができるが、不溶状態で分離していることから、分解に要する酸化剤の量は溶解オイルより大幅に多くなる上、反応に長時間を必要とし、完全に分解できないこともある。そこで、凝集法や乳化オイル破壊法が提案されている。
凝集法は、凝固剤や凝集剤を被処理水に添加して、遠心分離機等で油分と水分とを分離する方法であり、乳化オイル破壊法は油性の被処理水に乳化破壊剤を添加して油分を分離する方法である。さらに、これら凝集法や乳化オイル破壊法に加えて、上記した吸着法が併用されることもある。
しかしながら、上述したような酸化剤や凝集剤を使用する従来の方法は、随伴水等の被処理水の処理量が膨大になると薬剤の使用量やそれに伴う廃棄物の発生量が多くなって処理費用が嵩むことが問題になっていた。
また、随伴水には、上述した油分の他、硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類が含まれている場合が考えられる。これら複数の処理対象物質を含む膨大な水量の随伴水を処理するためには、従来は複雑な処理システムが必要となる上、複数の薬剤の準備と大量の廃棄物の取り扱いが必要となり、設備費用や運転費用の増加が避けられなかった。
また、脱塩して灌水利用、河川放流などを目的とした排水処理方法がある。この方法では、油分、SSの除去に続いて逆浸透膜(RO)による脱塩を行うが、この逆浸透膜のファウリングが課題であり、膜洗浄、膜交換の頻度が高まり安定的な運転が継続できず、高価な薬剤を使用せざるを得ないという課題がある。さらに、膜以外でも、吸着材、イオン交換樹脂、膜フィルター、ファイバーフィルターを油分、SSの除去に続いて行う場合にはファウリングによる運転弊害が起こることが知られている。
このような問題を解消すべく、特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は大量に取り出される随伴水を、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生によるコスト増を抑えながら簡便に処理する方法である。
この処理方法は、原油または天然ガスの産出に伴って取り出され、処理対象物質として少なくとも油分を含む随伴水の処理方法であり、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを随伴水に導入して乳化オイルを凝集させる凝集工程と、凝集した乳化オイルをスカムとして浮上分離させて浄化水を得る浮上分離工程とからなる処理方法であり、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生を抑えながら大量の随伴水を簡便に処理することが可能となる。
また、オゾン処理することによって、乳化オイルの処理だけでなく、随伴水に油分に加えて含まれ得る硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類等を処理することができる。
特開2013−180213号公報
ところが、特許文献1に記載の処理方法では、オゾンの製造に手間やコストがかかることから、オゾンの無駄を省き、オゾンを最適な量で使用することが求められていた。
そこで、本発明者が鋭意研究したところ、油分等をオゾンで凝集させて分離する方法では、そのオゾン投入量を、被処理水濃度、被処理水量、被処理水中の油分やSSの濃度によって変動させ、オゾン製造装置、排オゾン処理装置の適正で安価な運転を達成する際において、導入するオゾン濃度が重要であることを見出した。
すなわち、導入するオゾン濃度が30g/mN以上であることが必要であることが分かった。
オゾン濃度が30g/mN未満と低い場合には、浮上分離の除去速度が急激に低下して、オゾンを量的に十分な量で導入しても、オゾン導入の効果が殆どなく除去率が向上せず、単なる空気、酸素などのマイクロバブルによる浮上分離特性と同じであることが分かった。
一方、オゾン濃度が30g/mN以上ではオゾン効果が発現して、処理60分以内で除去率80%以上を達成でき、かつ処理水中の油分濃度は10mg/L以下になることが分かった。
さらに、被処理水中に油分と一緒に含まれるSSもオゾン効果を発揮して向上することが分かった。その場合でもオゾン濃度は30g/mN以上であることが重要であることが分かった。
本発明は、前記研究に基づいてなされたもので、被処理水から乳化オイルや浮遊物を除去する際、オゾンを最適な量で使用することによって、オゾン製造にかかる手間とコストの低減を図ることができる排水処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る排水処理方法は、少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルをCOまで酸化分解することなく前記乳化オイルの油滴表面を酸化させて凝集剤を介さずに前記乳化オイルを凝集させるとともに、凝集した前記乳化オイルをスカムとして浮上分離する排水処理方法において、
導入するオゾン含有ガスのオゾン濃度が30g/mN以上であることを特徴とする。
なお、本発明において、マイクロナノバブルとは、マイクロスケールのバブル径を有するいわゆるマイクロバブルおよびナノスケールのバブル径を有するいわゆるナノバブルのうちのいずれか一方、またはそれら両方を含むバブルのことを言うものとする。
本発明においては、導入するオゾン含有ガスのオゾン濃度が30g/mN以上であるので、被処理水から乳化オイルを除去する際、オゾンを最適な量で使用することができ、オゾン製造にかかる手間とコストの低減を図ることができる。つまり、オゾン濃度が30g/mN未満では、オゾンを量的に十分な量を導入しても、オゾン導入の効果が殆どないが、オゾン濃度が30g/mN以上であると、オゾンを最適な量で使用することによって、オゾン製造にかかる手間とコストの低減を図ることができる。
なお、オゾン濃度は自己分解が起こることから、高濃度のオゾンガスを工業的に得ることが困難で、現状では150g/mN程度、高くても200g/mNが限界であると言われている。よって、本発明では、オゾン濃度は30g/mN〜200g/mNが好適である。
また、オゾンの使用効率を高く維持し、排オゾンの後処理を無くす、もしくは大幅に削減するため、排オゾン濃度50ppm以下を考慮して、オゾン含有ガス中のオゾン量と被処理水中の油分量との比率、オゾン(g/h)/油分(g/h)が0.05〜3.0、好ましくは0.1〜2.5の範囲でオゾン量が好適であることが分かった。
そこで、本発明の前記構成において、前記オゾン含有ガス中のオゾン量をG(g/h)、前記被処理水中の油分量をG(g/h)とすると、
/G=0.05〜3.0 となるようにオゾン量を制御することが好ましく、さらに、G/G=0.1〜2.5 となるようにオゾン量を制御することがより好ましい。
具体的には、油分濃度が500mg/L以下の被処理水をオゾン濃度30g/mN以上、G/G=0.05〜3.0の範囲で処理すれば、油分除去率80%以上、かつ排気中のオゾン濃度を50mg/L以下で処理できる。
このような構成によれば、オゾンの使用効率を高く維持しつつ、排オゾンの後処理を無くす、もしくは排オゾン濃度50ppm以下として、排オゾンの後処理を大幅に削減することができる。
また、本発明の前記構成において、オゾン反応槽に供給される前記被処理水を、一定時間放置した後、前記被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、前記オゾンを含むマイクロナノバブル中のオゾン量を制御することが好ましい。
前記一定時間としては、例えば30〜120分間とすることが好ましい。
このような構成によれば、被処理水を一定時間放置すると、被処理水中に含まれる油分の一部が容易に浮上分離するので、この浮上分離後の被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、オゾンを含むマイクロナノバブル中のオゾン量を制御することによって、オゾンを最適な量で使用することができる。
また、凝集工程に供給される前記被処理水の油分の多くが乳化オイルである場合には一定時間放置することなく前記被処理水の油分を測定することもできる。たとえば、油分分離工程で油分分離が十分な性能を有する前記API、CPI、スキムタンクを単独もしくは組み合わせて採用してフリーオイルをほとんど除去した場合などである。
また、本発明の前記構成において、前記被処理水中から乳化オイルをスカムとして浮上分離するに際し、前記被処理水中の油分濃度および処理水量を測定して、その油分濃度(たとえばn-ヘキサン抽出物の濃度)と処理水量とから前記被処理水中の油分量を求めて、導入するオゾン量を決定することが好ましい。
このような構成によれば、前記被処理水中から油分濃度、処理水量が変動しても、オゾン処理が必要である乳化オイルを対象にしてオゾンを導入できることから、その油分濃度および処理水量を測定して、その油分濃度と処理水量とから被処理水中の油分量を求めて、導入するオゾン量を決定することで、オゾンをより最適な量で使用することができる。
また、本発明の前記構成において、少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルをCOまで酸化分解することなく前記乳化オイルの油滴表面を酸化させて凝集剤を介さずに前記乳化オイルを凝集させるとともに、凝集した前記乳化オイルをスカムとして浮上分離する工程を1つの凝集分離槽内で行ってもよい。
このような構成によれば、凝集工程と浮上分離工程を1つの凝集分離槽内で行うことによって、オゾンによる反応凝集効果およびオゾンを含有するガス中のオゾン以外の窒素、酸素による浮上効果を1つの凝集分離槽で得ることができる。さらにスカムが、凝集した乳化オイルとバブルとからなる安定したフォーミング層を形成して凝集分離槽の水面部分に浮遊するため、カキトリや上部液の抜き取りなどによって容易に水流と分離することができる。
また、上述したように、マイクロナノバブルによる浮上分離において、導入するオゾン含有ガスのオゾン濃度が30g/mN以上として、オゾンを導入することにより、油分だけでなく、浮遊物も除去性能が高くなることが分かった。
一般的には浮遊物は組成、比重等から浮上分離ではなく沈降分離するものと考えられ、浮上分離効果は小さいと考えられているが、オゾンを含むマイクロナノバブルによって十分に高い性能で除去できることが分かった。除去できる理由は不明であるが、油分を含む被処理水中の浮遊物はその多くにオイルが付着していること、凝集の核になることから、オゾン導入によって除去率が大幅に向上すると考えられる。
そこで、本発明の前記構成において、被処理水が油分に加えて浮遊物を含んでいてもよい。
このような構成によれば、広範囲な排水(被処理水)において被処理物質となる油分、浮遊物を同時に除去することができる。
また、本発明の前記構成において、被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水であってもよい。
このような構成によれば、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生を抑えながら大量の随伴水を簡便に処理することが可能となるので、海洋地域での原油や天然ガスの採掘の際に取り出される随伴水を、船舶や海洋リグにおいて簡便に処理することができる上、処理後の浄化水は海域放流や井戸に戻すことができる。
本発明によれば、導入するオゾン含有ガスのオゾン濃度が30g/mN以上であるので、被処理水から乳化オイルや浮遊物を除去する際、オゾンを最適な量で使用することができ、オゾン製造にかかる手間とコストの低減を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る排水処理方法の一例を示すブロックフロー図である。 本発明の実施の形態に係る排水処理方法の他の例を示すブロックフロー図である。
以下、本発明の実施の形態に係る排水処理方法を図面を参照して説明する。
この排水処理方法は、例えば海洋海底や陸上において原油や天然ガス等を採取する際に同伴して取り出される「随伴水」を処理する方法であり、図1に示すように、原水としての随伴水(被処理水)から砂やフリーオイルなどを除去するために必要に応じて行う油分分離工程1と、油分分離工程1で処理した随伴水にオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを導入して乳化オイルを凝集させる凝集工程2と、凝集した乳化オイルをスカムとして浮上分離させて浄化水を得る浮上分離工程3とからなる。浮上分離工程3で得た浄化水は、さらに必要に応じて油分等の含有物が高除去率まで取り除かれた後、海域に放流されるかもしくは井戸に圧入される。
各工程について説明すると、先ず油分分離工程1では、比重差を利用した物理的分離方法等の油分分離手段により、随伴水に含まれる砂やフリーオイルなどを分離する。物理的分離方法の例としては、比重が水より小さいオイルなどは前述したAPIオイルセパレータ、CPIセパレータなどの層分離法、静置して浮上させて浮上した油分を除去するスキムタンクを挙げることができる。また、油分分離工程1では、オゾンを含まない空気などを用いて、主にフリーオイルの除去を目的として加圧浮上分離してもよい。
油分分離工程1は、オゾンを利用して処理を行う凝集工程2の前に行うことが好ましい。その理由は、フリーオイルが含まれていることにより生じる後段の負荷を効果的に低減することができるからである。具体的には、フリーオイルを除去することによって、後段の凝集工程2におけるオゾンの消費量を削減することができる。
油分分離工程1で処理された随伴水は、次に凝集工程2に送られる。凝集工程2では、随伴水にオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを導入して乳化オイルを凝集する処理が行われる。このような凝集処理を行う凝集手段には、マイクロナノバブルを供給する供給口とマイクロナノバブルを放散するノズルと必要により攪拌機とを備えた凝集槽を使用する。
またマイクロバブル発生させる旋回流ノズル、エジェクターノズル、ポンプ、加圧タンクなどを備えたマイクロバブル発生器4からオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルが凝集工程2に供給され、マイクロバブル発生器4にはオゾン発生器5からオゾン含有ガスが供給される。なお、オゾン発生器5には酸素または空気が供給され、当該オゾン発生器5によってオゾン含有ガスを発生させる。
前記凝集槽で随伴水とマイクロナノバブルとを気液接触させることにより乳化オイルの凝集および固化が安定的に生じ、後述するようにオイリーでないドライなスカムを浮上分離することが可能となる。このような顕著な効果が得られる理由についてはよく分からないが、随伴水に含まれる乳化オイルの油滴(オイル滴とも称する)表面がオゾンにより酸化されて生じる、二重結合の開裂や、カルボニル基などの生成によるものと推測している。
凝集工程2において、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを随伴水に気液接触させる際、接触時間は2〜60分の範囲内にあることが好ましい。この範囲内であれば、乳化オイルを構成する微細なオイル滴の表面の酸化と、それらオイル滴の凝集および固化とを十分に進行させて、後述する浮上分離を完結させることが可能となる。
ここで、マイクロナノバブルを随伴水に気液接触させる際の接触時間とは、槽内での上述したオイル滴の酸化や凝集等の反応に必要な時間であって、これはマイクロナノバブルと随伴水の接触時間のことを意味する。
随伴水の処理では、原水としての随伴水の水量、油分濃度、ガス中のオゾン濃度、後述するマイクロナノバブルを含んだバブル含有水中のマイクロナノバブル濃度等の条件が、時間の経過とともに異なったり運転の影響を受けて変動したりすることがあるため、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルの供給量を調整して対処することが考えられる。
しかしながら、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルは、液中では合体や浮上が起こるので、マイクロナノバブルの槽内でのガス滞留時間は随伴水の槽内の液滞留時間に対して相対的に短時間である。さらに、マイクロナノバブルを槽内に吹き込む位置の深さがほぼ同じであれば、供給量を変化させても前記接触時間はほぼ同じとなる。そこで、本発明では、前記接触時間は凝集工程2における随伴水の液滞留時間と定義する。なお、随伴水の処理を凝集工程2のような連続処理ではなく回分処理で行う場合は、槽内の液の外部装置との間の循環の有無にかかわらず、ガスの導入時間を反応時間と考えてこれを接触時間と定義する。
乳化オイルのオゾンとの反応凝集性能は、凝集槽における随伴水の液滞留時間、凝集槽に流入する随伴水の供給量とオゾン含有ガスの供給量との比、オゾン含有ガス中のオゾン濃度、マイクロナノバブルの気泡径の分布(ナノスケールからマイクロスケールまでの気泡径の分布)、凝集槽における液温度などによって決まるが、本実施の形態では、特に凝集槽に導入するオゾン含有ガス中のオゾン濃度(マイクロナノバブル中のオゾン濃度)を30g/mN以上とする。
これはオゾン処理実験を行ったところ、オゾン濃度が30g/mN未満と低い場合にはオゾン導入の効果が殆どなく、単なる酸素のマイクロバブルによる浮上分離特性と同じである一方、オゾン濃度が30g/mN以上ではオゾン効果が発現して、処理60分以内で油分の除去率80%以上を達成でき、かつ処理水中の油分濃度は10mg/L以下になることが分かったからである。
なお、マイクロナノバブルの気泡径の分布はマイクロバブル発生器によって概ね定まり、一般に1nm〜50μm程度である。
また、本実施の形態では、マイクロナノバブル中のオゾン量をG(g/h)、前記被処理水中の油分量をG(g/h)とすると、
/G=0.05〜3.0、好ましくは、0.1〜2.5となるようにオゾン量を制御する。
これは、オゾン処理実験を行ったところ、さらに、オゾンの使用効率を高く維持し、排オゾンの後処理を無くす、もしくは大幅に削減するため、排オゾン濃度50ppm以下を考慮して、マイクロナノバブル中のオゾン量と被処理水中の油分量との比率、オゾン(g/h)/油分(g/h)が0.05〜3.0、好ましくは0.1〜2.5の範囲でオゾン量が好適であることが分かったからである。
オゾン濃度30g/mN以上では60分処理で除去率80%以上、かつ被処理水の油分濃度が500mg/L以下であれば処理後は油分10ppm以下が可能となる。
以下に前記オゾン処理実験について説明する。
(実験例1)
ガスボンベからの酸素ガス(流量0.5〜2.0L/min)を用いてオゾン発生器(エコデザイン(株)製ED−OG−S1型)にてオゾン(濃度18〜73g/mN)を発生させて、そのガスを浮上分離槽の液とともにマイクロバブル製造器((株)アスプ製AS−K3型)に導きマイクロナノバブルを発生させた。
そのマイクロナノバブルを含む液全量を模擬水(液量25L。組成は下に記載)の液深さ30cmのところに導入して処理試験を行った(バッチ処理)。
浮上したスカムはフォーミング相上部を液溜まり付き板状スクレーパーにて数回掻き取って分離除去した。サンプリングはガス導入後60分、120分に液槽中段下の深さの液をサンプルして分析を行った。
なお、模擬水はNaCL 1wt%水にA重油とB重油の混合油を油分濃度が所定値になるよう添加して6時間以上のポンプ循環撹拌をして調製し、さらに試験前に1時間ポンプ循環撹拌をしたのち1時間静置して浮上した油を取り除いた水を模擬水として処理試験に供した。
(模擬水)
油分:50〜360mg/L (n−ヘキサン抽出物)
NaCL 1wt%水
その結果を表1に示す。
Figure 0006490978
表1から以下のことが分かる。
(1)オゾン濃度30g/mN以上では60分処理で除去率80%以上、かつ被処理水の油分濃度が500mg/L以下であれば処理後は油分10ppm以下が可能となる。
オゾン濃度30g/mN未満になると、除去率は急激に低下して60%以下(60分処理)となり、かつ処理後の油分20ppm以上となり、比較例の酸素マイクロバブルでの除去率と同程度となり、オゾン濃度30g/mN未満ではオゾン導入の効果は殆ど無い。
(2)オゾン濃度30g/mN以上であれば、処理時間を延ばしてオゾン導入量を増やせば除去率は向上する。
(3)被処理水中の油分濃度が500mg/L以下でオゾン濃度30g/mN以上であって、マイクロナノバブル中のオゾン量と被処理水中の油分量との比率、オゾン(g/h)/油分(g/h)が0.05〜3.0、好ましくは0.1〜2.5の範囲で処理後排水中の油分濃度を計測してオゾン導入量を制御すれば、処理後排水中の油分濃度を10mg/L以下に、かつ排気中のオゾン濃度を50mg/L以下にできる。排気中のオゾン濃度が50mg/L以下であればオゾンの使用効率が向上してオゾン生成費用が削減可能となり、さらに排気中のオゾン除去設備を小型化、運転費を低減できる。
また、上述したように、油分だけでなく、マイクロナノバブルによる浮上分離においてオゾン濃度30g/mN以上としてオゾンを導入することで浮遊物も除去性能が高くなることがオゾン処理実験により分かった。除去できる理由は不明であるが、油分を含む被処理水中の浮遊物はその多くにオイルが付着していること、凝集の核になることから、オゾン導入によって除去率が大幅に向上するためであると考えられる。
(実験例2)
前記オゾン処理実験について説明する。
前記実施例1の模擬水(油分 約100 mg/L)に浮遊物(粒径5μ)60〜140g/Lを添加したこと以外は、実験例1と同様の試験を実施した。浮遊物の除去結果を表2に示す。
Figure 0006490978
表2から以下のことが分かる。
(1)オゾン濃度30g/mN以上では60分処理でSS除去率60%以上、かつ被処理水のSS濃度が100mg/L以下であれば処理後はSS30mg/L以下が期待できる。
オゾン濃度30g/mN未満になると、除去率は急激に低下してSS除去率40%以下(60分処理)となり、比較例の酸素マイクロバブルでの除去率と同程度となり、オゾン濃度30g/mN未満ではオゾン導入の効果は殆ど無くなる。
(2)オゾン濃度30g/mN以上であれば、処理時間を延ばすことによってSS除去率は向上する。オゾン濃度30g/mN未満では処理時間を延ばしても(オゾン導入量を増やしても)殆ど向上しない。
このように、本実施の形態では、オゾン濃度30g/mN以上としてオゾンを導入することによって、被処理物質となる油分オイル、浮遊物を同時に除去することができる。
また、比較例として、ガスボンベからの酸素ガス(流量0.8、1.5L/min)を用いて浮上分離槽の液とともにマイクロバブル製造器((株)アスプ製AS−K3型)に導きマイクロナノバブルを発生させた。そのマイクロナノバブルを含む液全量を模擬水(液量25L。組成は下に記載)の液深さ30cmのところに導入して処理試験を行った(バッチ処理)。
浮上したスカムはフォーミング相上部を液溜まり付き板状スクレーパーにて掻き取って分離除去した。サンプリングはガス導入後60分、120分に液槽中段下の深さの液をサンプルして分析を行った。
なお、模擬水はNaCL 1wt%水にA重油とB重油の混合油を油分濃度が所定値になるよう添加して、さらに浮遊物(粒径5μ)を添加して6時間ポンプ循環撹拌して調製して保管した。さらに、試験前には1時間ポンプ循環撹拌をしたのち1時間静置して浮上した油を取り除いた水を模擬水として処理試験に供した。
(模擬水)
油分 50〜96 mg/L (n−ヘキサン抽出物)
浮遊物(粒径5μ)60〜100mg/L
NaCL 1wt%水
その結果を表3に示す。
Figure 0006490978
表3から以下のことが分かる。
(1)油分除去性能としては、オゾンを含まないため凝集が殆ど進行せず、そのため浮上が不十分で、除去率が低かった。油分除去性能は、処理60分では油分除去率60%以下、かつ処理後の濃度は20ppm以上(20〜55ppm)である。
(2)SS(浮遊物)除去性能は処理60分では除去率35%以下である。
(3)油分、SSとも除去率は処理時間を延ばしても殆ど向上しなかった。酸素のマイクロバブルで除去できる油分、SSは処理60分以内で除去が完了する。
また、本実施の形態では、凝集槽(オゾン反応槽)に供給される被処理水である随伴水を、一定時間、例えば30〜120分間放置した後、被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、オゾンを含むマイクロナノバブル中のオゾン量を制御する。
随伴水等の被処理水の上述したような3種類の油分(フリーオイル、乳化オイル、溶解オイル)は、被処理水を静置(放置)すると、静置時間ごとに概ね分離できる。静置時間30分以内ではごく容易に浮上分離できるもの(フリーオイル)、その後は浮上する油分は時間とともに減少するが、一部の油分(乳化オイルの一部)は静置時間30〜120分でも徐々に浮上する。静置時間120〜360分では容易に浮上せず、浮上する量が大幅に減少する。静置時間360〜1440分ではごくわずか浮上する油分もあるがその量は極めて少ない。
これらの結果から、被処理水の油分で容易に除去できないものが処理対象となり、静置時間30分以上で浮上しない油分が除去の対象となる。
このように、被処理水を一定時間(例えば30〜120分間)放置すると、被処理水中に含まれる油分の一部が容易に浮上分離し、残りの油分は浮上せず被処理水中に残存するので、浮上分離後の被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、オゾンを含むガスのオゾン量を制御することによって、オゾンを最適な量で使用することができるため、上述したように、本実施の形態では、凝集槽(オゾン反応槽)に供給される被処理水である随伴水を、一定時間、例えば30〜120分間放置した後、被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、オゾンを含むガスのオゾン量を制御する。
また、本実施の形態では、前記被処理水中から乳化オイルをスカムとして浮上分離するに際し、被処理水中の油分濃度および処理水量を測定して、その油分濃度と処理水量とから前記被処理水中の油分量を求めて、導入するオゾン量を決定する。
このようにすれば、被処理水中の油分濃度、処理水量が変動しても、その油分濃度および処理水量を測定して、その油分濃度と処理水量とから被処理水中の油分量を求めて、導入するオゾン量を決定することで、変動に追従してオゾンをより最適な量で使用することができる。
さらに、前記導入するオゾン量の制御は、オゾン濃度が30g/mNを下回らない範囲で濃度を一定制御し、発生するオゾン含有ガスの流量を変化させてオゾン量を制御する。もしくは発生するオゾン含有ガスの流量を一定制御しながら、オゾン濃度が30g/mNを下回らない範囲でオゾン濃度を制御してオゾン発生器5の消費電力が低下するよう、オゾン発生器5への供給ガス量、電圧を制御する。
また、凝集槽における液温度は常温であるか、変動する場合であっても概ね数℃から60℃程度とし、この範囲では乳化オイルの凝集反応に対して特段の性能の差異は無く、加熱冷却を行う必要は特にない。
また、凝集槽の大きさを適切なサイズとするため液滞留時間を確定し、その上で随伴水の性状、採用するマイクロバブル発生器のタイプやそれに供給するガスの種類(空気か酸素か)、浄化水におけるCODの挙動、凝集槽から排出される排気ガス中のオゾン濃度等を考慮して、凝集槽に流入するオゾン含有ガスの供給量やそのオゾン濃度を適宜選定する。
また、本実施の形態では、2〜60分程度の短時間の気液接触によりオイル滴の表面部分だけを酸化させるので、オゾンの消費量を抑えつつ効率的に随伴水を処理することができる。具体的には、同一条件で比較した場合、COまでほぼ完全に酸化分解するには30時間以上が必要であるのに対して、本実施の形態の処理方法では2〜60分程度の処理でよいので、数十分の1以下のオゾン消費量でよいことになる。
凝集工程2で処理された随伴水は、次に浮上分離工程3に送られる。この浮上分離工程3では、浮上分離手段として、浮上分離槽を使用する。この浮上分離槽は、槽の底部から散気管などの散気手段を介して連続的にバブルを供給できるようになっており、上述した凝集工程2で凝集した乳化オイルがこのバブルに伴って浮上し、スカムとなる。
前記散気管にはマイクロバブル発生器6からオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルまたは酸素や空気を含有したガスからなるマイクロナノバブルが供給される。
前記スカムは、凝集した乳化オイルとバブルとからなるフォーミング層を形成して浮上分離槽の水面部分に浮遊するため、カキトリや上部液の抜き取りなどによって容易に水流と分離することができる。なお、カキトリは特に方式を問わないが、例えばスクレーパー式やスクープ式を採用することができる。そして、スクレーパー等でかき取られたスカムは排出部を介して排出される。
また、浮上分離槽へのバブル供給を停止することもできる。浮上速度は遅くなるが、凝集したオイルを浮上させる。これによって、マイクロバブル製造に要する電力、さらにはオゾン製造の消費電力を削減できる。被処理水量が少ない場合や油分濃度が小さい場合に効果的となる。
また、前記散気手段からのバブルに代えて、あるいは散気手段からのバブルに加えて凝集工程に導入するバブル含有水の一部を浮上分離槽に導入してもよい。このように、浮上分離槽にバブル含有水を導入することによって、凝集工程2の役割の一部を浮上分離工程3で担わせることが可能となる。
また、浮上分離工程3の浮上分離槽には、排水によっては浮上させるためのバブルを新規に導入しなくてもよい。これは浮上分離槽に凝集工程2から流入する被処理排水にはバブルが残留しており静置することでオイルが浮上するためである。
以上説明した排水処理方法により、乳化オイルをスカムとして除去できるとともに、乳化オイルを殆ど含まない浄化水を得ることができる。この浄化水は、必要に応じて油分を高除去率まで除去する高度除去工程で処理された後、海域に放流されるかもしくは井戸に圧入される。また、浄化水を灌漑用水として使用する場合は、逆浸透膜などによる脱塩処理が施される。
また、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルで随伴水を処理することにより得られるスカムは、比較的ベトツキの少ないいわゆるドライなスカムであることを特徴としている。そのため、従来のAPIオイルセパレータやCPIセパレータなどの層分離法を用いて回収したオイルや、一般的な浮上分離法で得られるスカムに比べて取り扱いが容易になる上、再離散が減って捕集効率が極めて高くなる。また、このドライスカムは水分の含有率が小さいので、後段の脱水コストを低減することができる上、固体燃料として取り扱う際の輸送や燃焼が容易となる。
また、凝集工程2に導入するオゾン含有ガスは、主にマイクロナノバブルの形態を有していることが好ましい。一方、浮上分離工程3に空気または酸素もしくはオゾン含有ガスを導入する場合は、当該空気等はマイクロナノバブルおよびこれより大きなバブル径のバブルの形態を有しているのが好ましい。マイクロナノバブルを生成させると、単一径のものはできず、比較的広いバブル径を有するバブルとなることが知られている。凝集工程2、浮上分離工程3において効果的なバブル径をより多く導入するようマイクロナノバブル発生器、運転条件を選定する。
すなわち、凝集工程2に導入するオゾン含有ガスは、そのほとんどがバブル径1nm〜1000μm、より好適にはバブル径1nm〜50μmの範囲内のマイクロナノバブルの形態を有しているのが好ましいのに対して、浮上分離工程3に上記凝集工程2とは別に準備した空気等を導入する場合にはその導入する空気等は、ミリメータースケールのバブル径を有するバブルの形態を有しているのが好ましい。この場合、浮上分離工程3においては、導入するガスのバブル(気泡)全体に占めるマイクロナノバブルの割合については特に限定がない。
このように、導入するバブルの好適な要件が凝集工程2と浮上分離工程3とで異なる理由は、油分の酸化処理や凝集処理の処理速度を高めるためには反応面積が広いマイクロナノバブルが有利である一方、浮上分離において処理能力を高めるには、凝集体へのバブル付着量を増やし、かつ1〜5mm程度のバブル径を有する気泡を含ませることによりバブルの浮上速度をより高めることができるからである。また、バブル径が大きい方が発生させる消費動力も小さくて済む。
また、本実施の形態では、オゾン処理することによって、乳化オイルの処理だけでなく、随伴水に油分に加えて含まれ得る硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類等を処理することができる。具体的には、硫化物はオゾンによる酸化によって硫化イオンに分解して無害化される。有害金属類は、オゾンによる酸化によって金属酸化物となることで不溶化し、乳化オイルの凝集固化物や浮遊物とともにドライスカムとして回収される。菌体微生物類はオゾンの殺菌滅菌効果により死滅除去される。
実施例2の処理液丸1、丸6、丸7を常温にて緩速攪拌しながら7日間放置(空気開放)した。そして、1日および5日経過の処理液についてバイオ系生物の発生の有無(細胞膜染色法(蛍光色素))を確認した。その結果、バイオ系生物の発生は認められなかった。
なお、実験例2の処理液を溜めつつ3日間保管(空気開放)した液をセラミック膜にて一定圧力で濾過したところ、濾過速度は徐々に低下して膜ろ過面にバイオフィルムの発生が認められた。
また、随伴水の性状は油田やガス田の場所、産出物の種類、産出する時間帯等によって大きく異なると言われているが、本実施の形態では、随伴水の原水性状や処理状況を検出しながら、オゾンの供給量(すなわち、オゾン含有ガス中のオゾン濃度やオゾン含有ガスの供給量、マイクロナノバブル中のオゾン量と被処理水中の油分量との比率等)を適宜調整することで、効率的且つ速やかに随伴水の処理を制御することが可能になる。具体的には、例えば処理後の浄化水のCOD、TOC、および油分濃度のうちの少なくとも1つを検出(連続モニターが好適)し、この検出値に基づいてオゾン濃度を制御したり、オゾン含有ガスの供給量を調整して気液接触時間を制御したりすることで効率よく処理することが可能となる。
また、油分等を浮上させて分離除去させたのち、生物処理することなく逆浸透膜(RO)、吸着材、砂濾過や、フィルター類膜もしくはファイバーフィルター、砂濾過で処理する場合、バイオフィルム等のバイオ系ファウリングによって安定処理が困難になることが多発することが知られており、通常は高価な殺菌剤、滅菌剤を用いる薬剤処理が採用されている。しかし、コスト面、薬剤搬入、導入量制御などの煩雑性があり課題となっていた。
これに対して本実施の形態では、オゾンによる殺菌、滅菌の効果があり、薬剤を不要にできることから、オゾン導入制御によって油分、SS除去を効率的に廉価に処理が可能となるだけではなく、油分、SS除去下流のRO、吸着材、砂濾過や、フィルター類(膜もしくはファイバーフィルター)、砂濾過を安定的に運転継続できる。特に、油分、SS除去の後段で連続してROやフィルター類等で処理するシステムにおいて好適である。
また、本実施の形態では、凝集工程2と浮上分離工程3とを別々の工程で処理する場合について説明したが、凝集工程2と浮上分離工程3とを単一の工程で処理してもよい。単一の工程の処理では、例えば図2に示すように、凝集工程と浮上分離工程とを同時並行的に処理できる凝集浮上分離工程10とする。
また、凝集浮上分離工程10において1つの凝集分離槽を使用することで随伴水の凝集処理と浮上分離処理とを行なうことができる。
なお、図2において、図1と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
オゾンを含むマイクロナノバブルと油分とを気液接触させると、油分を含有する随伴水はオゾン効果によってフォーミング層の安定化に寄与してフォーミング状態を維持させる効果がある。このため、フォーミング維持効果はオゾン処理の凝集工程と浮上分離工程を同時に液槽で行う凝集浮上分離工程10を採用した場合に好適である。
このように、凝集工程2と浮上分離工程3を単一の凝集浮上分離工程10とすることによって、オゾンによる反応凝集効果およびオゾンを含有するガス中のオゾン以外の窒素、酸素による浮上効果を同時に得ることができ、マイクロバブル等の導入ガスの総量を削減できる。さらにスカムが、凝集した乳化オイルとバブルとからなる安定したフォーミング層を形成して凝集分離槽の水面部分に浮遊するため、カキトリや上部液の抜き取りなどによって容易に水流と分離することができる。
なお、上述の実施の形態では、本発明を、被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水である場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限ることなく、少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入するような排水処理方法であれば、どのようなものにも適用できる。
1 油分分離工程
2 凝集工程
3 浮上分離工程
4,6 マイクロバブル発生器
10 凝集浮上分離工程

Claims (7)

  1. 少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルをCOまで酸化分解することなく前記乳化オイルの油滴表面を酸化させて凝集剤を介さずに前記乳化オイルを凝集させるとともに、凝集した前記乳化オイルをスカムとして浮上分離する水処理方法において、
    導入するオゾン含有ガスのオゾン濃度が30g/m〜200g/m であることを特徴とする水処理方法。
  2. 前記オゾン含有ガス中のオゾン量をG(g/h)、前記被処理水中の油分量をG(g/h)とすると、
    /G=0.05〜3.0となるようにオゾン量を制御することを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. オゾン反応槽に供給される前記被処理水を、一定時間放置した後、前記被処理水の下方液相中の油分濃度を測定し、前記オゾンを含むマイクロナノバブル中のオゾン量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 前記被処理水中から乳化オイルをスカムとして浮上分離するに際し、前記被処理水中の油分濃度および処理水量を測定して、その油分濃度と処理水量とから前記被処理水中の油分量を求めて、導入するオゾン量を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法。
  5. 少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルをCOまで酸化分解することなく前記乳化オイルの油滴表面を酸化させて凝集剤を介さずに前記乳化オイルを凝集させるとともに、凝集した前記乳化オイルをスカムとして浮上分離する工程を1つの凝集分離槽内で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水処理方法。
  6. 前記被処理水が油分に加えて浮遊物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水処理方法。
  7. 前記被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水処理方法。
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