JP2016168579A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する際に、オゾン使用量を抑制できる水処理装置および水処理方法を提供する。
【解決手段】処理槽1が、被処理水中の油分中のフリーオイルを浮上分離する第1領域S1と、この第1領域S1でフリーオイルが浮上分離された後の被処理水を受け入れるとともに、マイクロバブルが導入されることで被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する第2領域S2とに区分けされ、第1領域S1に被処理水を供給する供給ライン4に、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給手段5を備えているので、オゾン使用量を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも油分を含む被処理水を処理する水処理装置および水処理方法に関する。
油、浮遊物(SS)は排出規制物質であり、これらを被処理水から除去するために、数多く除去設備が設置されており、現在でも排水処理としてのコスト削減に向けた研究開発が行われている。
また、水資源の確保の観点から排水の再利用に向けた検討が進むなか、脱塩を含む処理システム全体の中で油、SSの除去は前段処理として後段への影響が大きいことから注目されている。
特に、海洋海底や陸上において原油やメタンガス等を採取する際に同伴して取り出される多量の「随伴水」は、「規制物質の投棄・排出の禁止、通報義務、その手続き等について規定するための国際条約とその議定書(正式名称は1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書(海洋汚染防止条約もしくはマルポール73/78条約と呼ばれる))」に規定されている、油分などの物質が含まれているため、簡便で安価に処理することが求められている。
また、油分で汚染された土壌などの浄化の際に排出される排水の処理も簡便に処理できる技術が求められている。
さらに近年では再利用、高度処理が注目されている。
随伴水の処理では、一般的に随伴水に含まれる油分の含有状態に応じて異なる方法で処理することが行われている。具体的に説明すると、随伴水に含まれる油分は、目視確認できる程度に大きいサイズで液中や液上層に分散したり浮上したりしている状態(フリーオイル)、容易には目視確認できないサイズで液中に分散している状態(乳化オイルまたはエマルジョンオイル)、水に溶解している状態(溶解オイル)の3つの含有状態に分類することができる。
これらのうち、フリーオイルは、比重差や相溶性の差を利用して物理的に分離する層分離法で概ね除去することができる。層分離法には、例えばAPI(American Petroleum Institute)オイルセパレータや、シェル社の技術で波型平行坂の採用によりオイルを効率よく重力分離できるCPI(Corrugated Plate Interceptor)セパレータ、静置分離槽などを挙げることができる。しかしながら、乳化オイルと溶解オイルは、層分離法で除去することができない。
溶解オイルの場合は、酸化剤を添加することで分解除去することができるが、添加する酸化剤量が多くなる上、反応時間も長くなる。そのため、吸着法を単独あるいは他の処理法と併用して使用することが提案されている。この方法は、活性炭や無機素材を使って随伴水中の溶存有機物を吸着して脱着するものである。
また、乳化オイルの場合は、溶解オイルと同様に酸化剤の添加で分解除去することができるが、不溶状態で分離していることから、分解に要する酸化剤の量は溶解オイルより大幅に多くなる上、反応に長時間を必要とし、完全に分解できないこともある。そこで、凝集法や乳化オイル破壊法が提案されている。
凝集法は、凝固剤や凝集剤を被処理水に添加して、遠心分離機等で油分と水分とを分離する方法であり、乳化オイル破壊法は油性の被処理水に乳化破壊剤を添加して油分を分離する方法である。さらに、これら凝集法や乳化オイル破壊法に加えて、上記した吸着法が併用されることもある。
しかしながら、上述したような酸化剤や凝集剤を使用する従来の方法は、随伴水等の被処理水の処理量が膨大になると薬剤の使用量やそれに伴う廃棄物の発生量が多くなって処理費用が嵩むことが問題になっていた。
また、随伴水には、上述した油分の他、硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類が含まれている場合が考えられる。これら複数の処理対象物質を含む膨大な水量の随伴水を処理するためには、従来は複雑な処理システムが必要となる上、複数の薬剤の準備と大量の廃棄物の取り扱いが必要となり、設備費用や運転費用の増加が避けられなかった。
また、脱塩して灌水利用、河川放流などを目的とした排水処理方法がある。この方法では、油分、SSの除去に続いて逆浸透膜(RO)による脱塩を行うが、この逆浸透膜のファウリングが課題であり、膜洗浄、膜交換の頻度が高まり安定的な運転が継続できず、高価な薬剤を使用せざるを得ないという課題がある。さらに、膜以外でも、吸着材、イオン交換樹脂、膜フィルター、ファイバーフィルターを油分、SSの除去に続いて行う場合にはファウリングによる運転弊害が起こることが知られている。
このような問題を解消すべく、特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は大量に取り出される随伴水を、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生によるコスト増を抑えながら簡便に処理する方法である。
この処理方法は、原油または天然ガスの産出に伴って取り出され、処理対象物質として少なくとも油分を含む随伴水の処理方法であり、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを随伴水に導入して乳化オイルを凝集させる凝集工程と、凝集した乳化オイルをスカムとして浮上分離させて浄化水を得る浮上分離工程とからなる処理方法であり、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生を抑えながら大量の随伴水を簡便に処理することが可能となる。
また、オゾン処理することによって、乳化オイルの処理だけでなく、随伴水に油分に加えて含まれ得る硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類等を処理することができる。
特開2013−180213号公報
ところで、上述したように、排水の油分は通常、浮上している浮上油分(フリーオイル)と乳化している乳化油分(乳化オイル)、さらに溶解している油分に分別される。そのうち排水浄化で除去対象となる油分は浮上油分(フリーオイル)と乳化油分(乳化オイル)が主であり、この乳化油分(乳化オイル)は上述した特許文献1に記載の技術、つまりオゾンによる凝集・浮上分離によって薬剤を用いず簡便に分離除去できるが、オゾンコストが経済性に影響を与え、オゾンコストの低減が強く求められている。
オゾン使用量が多くなる原因として以下のようなことが考えられる。
すなわち、本来、浮上油分(フリーオイル)はオゾンが無くても比較的に容易に浮上分離できるのに、乳化油分(乳化オイル)の凝集に導入されるオゾンが乳化油分(乳化オイル)と共存する浮上油分(フリーオイル)に反応してオゾンを消費するため、オゾン使用量が多くなる。
また、オゾンは排水の油分と反応して凝集が進み、オゾン量は概ね油分量に比例して導入されるため、通常の、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを使用した浮上分離法に比べて多量のオゾン含有ガスを導入する必要がある。
この浮上分離法には微細気泡を導入することが効果的であると言われている。微細気泡を生成するにはガスを高圧下で液に溶解させて脱圧したり、液専断力を用いてガスを微細化する方法等があるが、どれもガス量に対して多量の液を動かす必要があり、導入するガス量が多くなるとその液による各種影響がある。
その一つが、槽内の液流動による浮上油分(フリーオイル)の撹乱による乳化である。油分が乳化すると、浮上しにくい乳化油分(乳化オイル)となるためオゾン使用量は激増することになる。
また、微細気泡を生成するための液移送・微細気泡生成に用いるポンプ類を通過する際に、吸引された油分(撹乱による浮上油分)は微細化されて乳化油分となることから避けなければならない。
また、フリーオイルおよび乳化オイルを含む被処理水を処理する際、物理的特性を利用したCPI、スキムタンク、加圧浮上分離槽等を設けることが考えられるが、特に被処理水が随伴水である場合、含有油分量、排水量は油ガス生産量や地層構造の関係で大きく変動することが知られており、前処理が常に想定通りの性能が得られないことがしばしば観測され、前処理によってフリーオイルを除去しきれない場合がある。この場合、多くのフリーオイルを含む排水が反応凝集槽に供給される可能性が高くなり、オゾン使用量が多くなる。
また、被処理水の水量が多かったり、含有油分量が高かったり、含有油分量などが大きく変動する場合への対応策として、CPI、スキムタンク、加圧浮上分離槽等を設けると、分離速度が遅く分離効率も高くないためより大きい容量の槽タンクが必要となり、広い設置面積となる。そのため設置可能な面積が狭かったり、海洋のガス油田の開発のようにリグや船舶が用いられる場合大きな障害となる。また、高コストになる。さらに、槽からの液移送のためのポンプを設置することが想定され、フリーオイルの微細化による乳化オイルの増加が起こり、高い油分除去率が得られないとともに、オゾン使用量も多くなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、オゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する際に、オゾン使用量を抑制でき、1ケの処理槽で構成できる、コンパクトで高効率な水処理装置および水処理方法を提供することを目的とする。また、変動の大きな被処理排水を安定的に処理することができる水処理装置および水処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る水処理装置は、少なくとも油分を含む被処理水が処理槽に供給され、この処理槽でオゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する水処理装置であって、
前記処理槽が、前記被処理水が供給されるとともに、当該被処理水中のフリーオイルを浮上分離する第1領域と、この第1領域で前記フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を受け入れるとともに、前記マイクロバブルが導入されることで、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する第2領域とに区分けされ、
前記第1領域および/または第1領域に前記被処理水を供給する供給ラインに、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る水処理方法は、少なくとも油分を含む被処理水が処理槽に供給され、この処理槽でオゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、前記被処理水中の油分中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する水処理方法であって、
前記処理槽が、前記被処理水が供給されるとともに、当該被処理水中の油分中のフリーオイルを浮上分離する第1領域と、この第1領域で前記フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を受け入れるとともに、前記マイクロバブルが導入されることで、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する第2領域とに区分けされ、
前記第1領域および/または第1領域に前記被処理水を供給する供給ラインに、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給工程を備えていることを特徴とする。
本発明においては、第1領域および/または第1領域に前記被処理水を供給する供給ラインに、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給することによって、フリーオイルを浮上分離して被処理水を得るので、この被処理水に残存するフリーオイルの量を十分に低減できる。
そして、このような被処理水を第1領域から第2領域に流入させるとともに、オゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離するが、その際、被処理水中のフリーオイルの量が十分に低減されており、乳化オイルの凝集・浮上のために導入されるオゾンのフリーオイルとの反応に使用される量を十分に低減できるので、オゾンの消費量を抑制できる。
また、第1領域でのフリーオイル等の浮上分離については、第2領域に導入したオゾン含有ガスによってオゾンを溶解した処理水の一部や超微細なオゾン含有気泡が第1領域に出入することによって処理槽内(第1領域)に供給された被処理水中の油分等(浮上能力はあるが浮上速度が遅いために前段で分離できなかった油分等や微細気泡が付着しにくい表面特性を有するために浮上速度が遅かった油分等)に、残留する微量のオゾンが作用して、第1領域での比較的浮上しにくいフリーオイルの浮上速度を高める効果を発現する。元々、浮上能力を有する油分等においても、その表面の一部がオゾンと反応して改質されることによって浮上速度がある程度改善して分離効率を向上できると考えられる。
これらによって、1ケの処理槽で構成できる、コンパクトで高効率なものとなるとともに、変動の大きな被処理排水を安定的に低コストで処理することができる。
また、本発明の前記構成において、前記処理槽に前記第1領域と前記第2領域とを区分けする境界壁が設けられ、前記境界壁に、前記第1領域から前記被処理水を前記第2領域に流入させる開口部が設けられ、この開口部を通して、前記第1領域から前記被処理水を前記第2領域に流入させてもよい。
ここで、境界壁に開口部を設けるとは、境界壁に直接開口部を設ける場合や境界壁の下端を処理槽の底壁から上方に離間させたり、境界壁の上端を処理槽の水面から下方に離間させたりすることで開口部を設ける場合を含むことを意味する。
このような構成によれば、第1領域と第2領域とが境界壁によって区分けされているので、第1領域に存在するフリーオイルの第2領域側への移動を境界壁によって抑制できる。したがって、第2領域に導入されるオゾンの使用量をさらに抑制できる。
また、境界壁に、第1領域から被処理水を前記第2領域に流入させる開口部が設けられているので、被処理水が第1領域に滞留することがない。したがって、第1領域でフリーオイルが除去された被処理水を確実に第2領域に流入させることができる。
また、本発明の前記構成において、前記第1領域で浮上した油分を除去する第1除去手段(第1除去工程)と、前記第2領域で浮上した油分を除去する第2除去手段(第2除去工程)とを備えていてもよい。
このような構成によれば、第1領域で浮上した油分(フリーオイル)を除去することによって、この油分の第2領域への流入を防止できる。
また、第1領域で浮上した油分および第2領域で浮上した油分を、それぞれ確実に除去することができるので、液流動による浮上阻害や、浮上層の撹乱による浮上物の沈降等を防止できる。
また、本発明に前記構成において、前記処理槽の前段に、当該処理槽に前記被処理水を供給する前に、物理的特性を利用した油分除去装置を備え、処理槽に被処理水を供給する前に、物理的特性を利用して油分を除去する油分除去工程を備えてもよい。
このような構成によれば、処理槽に供給される前の被処理水から、物理的特性を利用した油分除去装置(油分除去工程)によってフリーオイルを除去するが、被処理水の水量や油分濃度、油分性質の変動によってそれでも除去しきれなかった、フリーオイルを処理槽の第1領域でより低濃度に確実に除去できる。
したがって、第2領域に導入されるオゾンの使用量をさらに抑制できる。
また、本発明に前記構成において、前記被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水であってもよい。
このような構成によれば、薬剤の使用やそれに伴う廃棄物の発生を抑えながら大量の随伴水を簡便に処理することが可能となるので、海洋地域での原油や天然ガスの採掘の際に取り出される随伴水を、船舶や海洋リグにおいて簡便に処理することができる上、処理後の浄化水は海域放流や井戸に戻すことができる。
本発明によれば、第1領域において被処理水中のフリーオイルの量を十分に低減できるので、このような被処理水を第1領域から第2領域に流入させるとともに、オゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の油分中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する際、被処理水中のフリーオイルの量が十分に低減されており、乳化オイルの凝集・浮上のために導入されるオゾンのフリーオイルとの反応に使用される量を十分に低減できるので、オゾンの消費量を抑制できる。
本発明の第1の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。この図に示す水処理装置は、例えば海洋海底や陸上において原油や天然ガス等を採取する際に同伴して取り出される「随伴水」を処理する水処理装置である。
この水処理装置は、少なくとも油分を含む被処理水(随伴水)に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入することによって、被処理水中の乳化オイルをCOまで酸化分解することなく乳化オイルの油滴表面を酸化させて凝集剤を介さずに乳化オイルや浮遊物(SS)を凝集させるとともに、凝集した乳化オイルや浮遊物をスカムとして浮上分離させるものである。
図1において符号1は処理槽を示している。この処理槽1は、第1領域S1と第2領域S2とに区分けされている。また、処理槽1には第1領域S1と第2領域S2とを区分けする境界壁3が鉛直に設けられている。境界壁3の下端は処理槽1の底面から上方に所定距離だけ離間し、また、境界壁3の上端は処理槽1の水面から下方に所定距離だけ離間している。したがって、この境界壁3の上部および下部には、それぞれ第1領域S1から被処理水を第2領域S2に流入させる開口部3a,3bが設けられている。
処理槽1には、第1領域S1に随伴水である被処理水を供給する供給配管等からなる供給ライン4が接続されており、この供給ライン4にガス供給手段5が接続されている。このガス供給手段5は、供給ライン4に、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するものである。
第1領域S1は、被処理水中のフリーオイルを浮上分離する領域であり、この第1領域S1に供給ライン4から、微細ガスが吹き込まれた被処理水またはガスを加圧溶解した液が注入された被処理水が処理槽1の領域S1に供給されるようになっている。
したがって、このような被処理水が供給ライン4から領域S1に供給されると、その供給口付近で発生した微細気泡で被処理水中のフリーオイルが浮上分離するようになっている。
また、第1領域S1に被処理水を供給する前に、比重差を利用した物理的分離方法等の油分除去装置(図示略)により、随伴水に含まれる砂やフリーオイルなどを分離してもよい。物理的分離方法の例としては、比重が水より小さいオイルなどは前述したAPIオイルセパレータ、CPIセパレータ、静置分離槽などの層分離法を挙げることができる。
第2領域S2は、フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を第1領域S1から受け入れるとともに、オゾンを含むマイクロバブルが導入されることで、被処理水中の乳化オイルや浮遊物を凝集させるとともに浮上分離する領域である。処理槽1の底部には、第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するマイクロバブル導入手段6が接続されており、このマイクロバブル導入手段6から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルが導入されるようになっている。なお、マイクロバブル導入手段6は、二点鎖線で示すように、処理槽1の側壁から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するようにしてもよい。
第2領域S2では、被処理水中の含有物である乳化オイルや浮遊物を、オゾンを含むマイクロバブルによって凝集させるとともに、凝集した凝集体である乳化オイルや浮遊物を浮上させて、これらを被処理水から分離して処理水を得る。
つまり、第2領域S2では、第1領域S1から開口部3a,3bを通って流入した被処理水にオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを導入して乳化オイルや浮遊物を凝集する処理が行われる。このような凝集処理を行うために、マイクロバブル導入手段6から第2領域S2にオゾンを含むマイクロナノバブルが供給される。
乳化オイルの分離性能は、第2領域S2における被処理水の液滞留時間、第2領域S2に流入する被処理水の供給量とオゾン含有ガスの供給量との比、オゾン含有ガス中のオゾン濃度、マイクロナノバブルの気泡径の分布(ナノスケールからマイクロスケールまでの気泡径の分布)、処理槽1における液温度などによって決まるが、本実施の形態では、特に処理槽1の第2領域S2に導入するオゾン含有ガス中のオゾン濃度(マイクロナノバブル中のオゾン濃度)を30g/mN以上とする。
これはオゾン処理実験を行ったところ、オゾン濃度が30g/mN未満と低い場合にはオゾン導入の効果が殆どなく、空気や酸素などの単なるマイクロバブルによる浮上分離特性と同じである一方、オゾン濃度が30g/mN以上ではオゾン効果が発現して、処理60分以内で油分の除去率80%以上を達成でき、かつ処理水中の油分濃度は10mg/L以下にできることが分かったからである。
なお、マイクロナノバブルの気泡径の分布はマイクロバブル発生器によって概ね定まり、その径は機器によって異なるが、広い分布のなかの一般に1nm〜50μm程度である。
また、マイクロナノバブルとは、マイクロスケールのバブル径を有するいわゆるマイクロバブルおよびナノスケールのバブル径を有するいわゆるナノバブルのうちのいずれか一方、またはそれら両方を含むバブルのことを言うものとする。
処理槽1の第2領域S2では、被処理水とマイクロナノバブルとを気液接触させることにより乳化オイルの凝集が生じ、安定したスカムを浮上分離することが可能となる。このような顕著な効果が得られる理由についてはよく分からないが、被処理水に含まれる乳化オイルの油滴(オイル滴とも称する)表面がオゾンにより酸化されて生じる、二重結合の開裂や、カルボニル基などの生成によるものと推測している。
凝集において、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを被処理水に気液接触させる際、接触時間は2〜60分の範囲内にあることが好ましい。この範囲内であれば、乳化オイルを構成する微細なオイル滴の表面の酸化と、それらオイル滴の凝集および安定化とを十分に進行させて、後述する浮上分離を完結させることが可能となる。
また、第2領域S2では、オゾン処理することによって、乳化オイルの処理だけでなく、被処理水に油分に加えて含まれ得る硫化物、浮遊物(SS)、有害金属類、菌体微生物類等を処理することができる。具体的には、硫化物はオゾンによる酸化によって硫化イオンに分解して無害化される。有害金属類は、オゾンによる酸化によって金属酸化物となることで不溶化し、乳化オイルの凝集固化物や浮遊物とともにスカムとして回収される。菌体微生物類はオゾンの殺菌滅菌効果により死滅除去される。
また、油分だけでなく、マイクロナノバブルによる浮上分離においてオゾンを導入することで浮遊物も除去性能が高くなる。除去できる理由は不明であるが、油分を含む被処理水中の浮遊物はその多くにオイルが付着していること、凝集の核になることから、オゾン導入によって除去率が大幅に向上するためであると考えられる。
第2領域S2で凝集した乳化オイルや浮遊物がマイクロナノバブルに伴って浮上し、スカムとなる。このスカムは、凝集した乳化オイルとバブルとからなるフォーミング層を形成して第2領域S2の水面部分に浮遊するため、除去手段7によって除去する。除去手段7は、カキトリ機によるカキトリや上部液の抜き取りなどによって容易に水流と分離することができる。なお、カキトリは特に方式を問わないが、例えばスクレーパー式やスクープ式を採用することができる。そして、スクレーパー等でかき取られたスカムは排出部1aから排出される。
また、第1領域S1で浮上凝集している油分(フリーオイル)も除去手段7によって除去され、排出部1aから排出される。
また、スカム等が除去されて得られた処理水は排出部1bから排出される。
このような構成の水処理装置では、原排水である随伴水(被処理水)が処理槽1の第1領域S1に供給ライン4から供給されるが、その際、供給ライン4に、ガス供給手段5からオゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給工程を行うことによって、第1領域S1でフリーオイルを浮上分離して被処理水を得る。つまり被処理水が供給ライン4から領域S1に供給されると、その供給口付近で発生した微細気泡で被処理水中のフリーオイルが浮上分離して被処理水を得る。
また、第1領域S1で浮上分離した油分は除去手段7によって、適宜除去して排出部1aから排出する。
そして、第1領域S1で得られた被処理水は、第1領域S1から開口部3a,3bを通って第2領域S2に流入し、この第2領域S2に、マイクロバブル導入手段6によってオゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の油分中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離させる。つまり、被処理水中の含有物である乳化オイルや浮遊物を、オゾンを含むマイクロバブルによって凝集させるとともに、凝集した凝集体である乳化オイルや浮遊物を浮上させて、これらを被処理水から分離して処理水を得る。
また、第2領域S2で凝集した乳化オイルや浮遊物がマイクロナノバブルに伴って浮上し、スカムとなるので、このスカムを除去手段7によって除去して排出部1aから排出する。
一方、スカム等が除去されて得られた処理水は排出部1bから浄化水として排出されるか再利用することもできる。例えば、この浄化水は、必要に応じて油分を高除去率まで除去する高度除去工程で処理された後、海域に放流されるかもしくは井戸に圧入される。また、浄化水を灌漑用水等に使用したり、河川放流する場合は、逆浸透膜などによる脱塩処理が施される。
このように本実施の形態によれば、第1領域S1に被処理水を供給する供給ライン4に、ガス供給手段5からオゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給することによって、第1領域S1でフリーオイルを浮上分離して被処理水を得るので、この被処理水に残存するフリーオイルの量を十分に低減できる。
そして、このような被処理水を第1領域S1から第2領域S2に流入させるとともに、マイクロバブル導入手段6によって、オゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、被処理水中の油分中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する。その際、被処理水中のフリーオイルの量が十分に低減されており、乳化オイルの凝集・浮上のために導入されるオゾンのフリーオイルとの反応に使用される量を十分に低減できるので、オゾンの消費量を抑制できる。
また、第1領域S1と第2領域S2とが境界壁3によって区分けされているので、第1領域S1に存在するフリーオイルの第2領域S2側への移動を境界壁3によって抑制できる。したがって、第2領域S2に導入されるオゾンの使用量をさらに抑制できる。
また、境界壁3に、第1領域S1から被処理水を第2領域S2に流入させる開口部3a,3bが設けられているので、被処理水が第1領域に滞留することがない。したがって、第1領域S1でフリーオイルが除去された被処理水を確実に第2領域S2に流入させることができる。
また、処理槽1の前段に、当該処理槽1に被処理水を供給する前に、物理的特性を利用した油分除去装置を備え、処理槽1に被処理水を供給する前に、油分除去装置によって物理的特性を利用して油分を除去する場合に、除去しきれなかった、フリーオイルを処理槽1の第1領域S1で容易かつ確実に除去できる。したがって、第2領域S2に導入されるオゾンの使用量をさらに抑制できる。
また、オゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルで随伴水(被処理水)を処理することにより得られるスカムは、比較的ベトツキの少ないいわゆるドライなスカムであることを特徴としている。そのため、従来のAPIオイルセパレータやCPIセパレータなどの層分離法を用いて回収したオイルや、一般的な浮上分離法で得られるスカムに比べて取り扱いが容易になる上、再離散が減って捕集効率が極めて高くなる。また、このドライスカムは水分の含有率が低いので、後段の脱水コストを低減することができる上、燃料として取り扱う際の輸送や燃焼が容易となる。
また、本実施の形態では、オゾン処理することによって、乳化オイルや浮遊物の処理だけでなく、随伴水に油分や浮遊物に加えて含まれ得る硫化物、有害金属類、菌体微生物類等を処理することができる。具体的には、硫化物はオゾンによる酸化によって硫化イオンに分解して無害化される。有害金属類は、オゾンによる酸化によって金属酸化物となることで不溶化し、乳化オイルの凝集固化物や浮遊物とともにドライスカムとして回収される。菌体微生物類はオゾンの殺菌滅菌効果により死滅除去される。
また、随伴水の性状は油田やガス田の場所、産出物の種類、産出する時間帯等によって大きく異なると言われているが、本実施の形態では、随伴水の原水性状や処理状況を検出しながら、オゾンの供給量(すなわち、オゾン含有ガス中のオゾン濃度やオゾン含有ガスの供給量、マイクロナノバブル中のオゾン量と被処理水中の油分量との比率等)を適宜調整することで、効率的且つ速やかに随伴水の処理を制御することが可能になる。具体的には、例えば処理後の浄化水のCOD、TOC、および油分濃度のうちの少なくとも1つを検出(連続モニターが好適)し、この検出値に基づいてオゾン濃度を制御したり、オゾン含有ガスの供給量を調整することによって低消費電力量で効率よく処理することが可能となる。
また、油分等を浮上させて分離除去させたのち、生物処理することなく逆浸透膜(RO)、吸着材、砂濾過や、フィルター類膜もしくはファイバーフィルター、砂濾過で処理する場合、バイオフィルム等のバイオ系ファウリングによって安定処理が困難になることが多発することが知られており、通常は高価な殺菌剤、滅菌剤を用いる薬剤処理が採用されている。しかし、コスト面、薬剤搬入、導入量制御などの煩雑性があり課題となっていた。
これに対して本実施の形態では、オゾンによる殺菌、滅菌の効果があり、薬剤を不要にできることから、オゾン導入制御によって油分、SS除去を効率的に廉価に処理が可能となるだけではなく、油分、SS除去下流のRO、吸着材、砂濾過や、フィルター類(膜もしくはファイバーフィルター)、砂濾過を安定的に運転継続できる。特に、油分、SS除去の後段で連続してROやフィルター類等で処理するシステムにおいて好適である。
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。この図に示す水処理装置も第1の実施の形態と同様に、随伴水を処理するものである。
本実施の形態の水処理装置が図1に示す第1の実施の形態の水処理装置と異なる点は、ガス供給手段5によって微細ガス等を供給する箇所である。したがって、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態の水処理装置と共通構成部分には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、図2に示すように、第1領域S1に直接ガス供給手段5によってオゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給している。
ガス供給手段5は、処理槽1の底部のうち、第1領域S1の下方に位置する底部に接続され、このガス供給手段5から第1領域S1に上述したような微細ガス等を供給している。
なお、二点鎖線で示すように、ガス供給手段5は処理槽1の側壁から第1領域S1に微細ガス等を供給してもよいし、マイクロバブル導入手段6は処理槽1の側壁から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するようにしてもよい。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図3は、第3の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。この図に示す水処理装置も第1および第2の実施の形態と同様に、随伴水を処理するものである。
本実施の形態の水処理装置が図2に示す第2の実施の形態の水処理装置と異なる点は、ガス供給手段5を追加した点、2つの除去手段7A,7Bを備えた点である。したがって、以下ではこれらの点について説明し、第2の実施の形態の水処理装置と共通構成部分には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
まず、本実施の形態では、図3に示すように、供給ライン4が第2の実施の形態の供給ライン4に比して、高い位置で処理槽1の側壁に接続されており、この供給ライン4にガス供給手段5が追加して接続されている。すなわち、本実施の形態では、第1領域S1および第1領域S1に被処理水を供給する供給ライン4に、それぞれ、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給手段5が接続され、これらガス供給手段5から微細ガス等が供給されるようになっている。
また、本実施の形態では、境界壁3の上端部が処理槽1の水面より上方に突出しており、この突出した境界壁3によって処理槽1の水面が、第1領域S1上の水面と、第2領域S2上の水面とに区分けされている。
そして、第1領域S1で浮上した油分を除去する第1除去手段7Aと、第2領域S2で浮上した油分等(スカム、浮遊物(SS)等)を除去する第2除去手段7Bとがそれぞれ別体に設けられている。また、処理槽1の側壁には第1領域S1で浮上した油分を排出するための排出部1cが接続されている。
なお、二点鎖線で示すように、ガス供給手段5は処理槽1の側壁から第1領域S1に微細ガス等を供給してもよいし、マイクロバブル導入手段6は処理槽1の側壁から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するようにしてもよい。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、供給ライン4に接続されたガス供給手段5と、処理槽1の底部に接続されたガス供給手段5の双方からオゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するので、図3中矢印で示すように被処理水に微細ガスの気泡がより確実に接触して第2領域S2に流入するので、第2領域S2での乳化オイルの凝集・浮上のために導入されるオゾンの消費量をさらに抑制できる。
また、第1領域S1で浮上した油分を第1除去手段7Aによって除去し(第1除去工程)、前記第2領域で浮上した油分を第2除去手段7Bによって除去する(第2除去工程)ので、第1領域S1で浮上した油分(フリーオイル)の油分の第2領域への流入を防止できる。
また、第1領域で浮上した油分および第2領域で浮上した油分を、それぞれ確実に除去することができるので、液流動による浮上阻害や、浮上層の撹乱による浮上物の沈降等を防止できる。
(第4の実施の形態)
図4は、第4の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。この図に示す水処理装置も第1〜第3の実施の形態と同様に、随伴水を処理するものである。
本実施の形態の水処理装置が図1に示す第1の実施の形態の水処理装置と異なる点は、処理槽1に、第1領域S1と第2領域S2とを区分けする境界壁13を筒状に形成した点である。したがって、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態の水処理装置と共通構成部分には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
処理槽1には第1領域S1と第2領域S2とを区分けする境界壁13が設けられている。この境界壁13は筒状に形成されており、両端開口を上下に向けて、かつ処理槽1の水中に設けられている。そして、筒状の境界壁13の外側が第1領域S1となっており、内側が第2領域S2となっている。
また、境界壁13の下端は処理槽1の底面から上方に所定距離だけ離間し、また、境界壁13の上端は処理槽1の水面から下方に所定距離だけ離間している。したがって、この境界壁13の上部および下部には、それぞれ第1領域S1、第2領域S2の間で被処理水を出入させる開口部13a,13bが設けられている。
第1領域S1は、被処理水中の油分中のフリーオイルを浮上分離する領域であり、この第1領域S1に供給ライン4から、ガス供給手段5によって微細ガスが吹き込まれた被処理水またはガスを加圧溶解した液が注入された被処理水が処理槽1の領域S1に供給されるようになっている。
したがって、このような被処理水が供給ライン4から領域S1に供給されると、発生した微細気泡で被処理水中のフリーオイルが浮上分離するようになっている。
第2領域S2は、フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を第1領域S1から受け入れるとともに、マイクロバブル導入手段6によってオゾンを含むマイクロバブルが導入される領域である。
第2領域S2では、被処理水中の含有物である乳化オイルや浮遊物を、オゾンを含むマイクロバブルによって凝集させるとともに、凝集した凝集体である乳化オイルや浮遊物を浮上させて、これらを被処理水から分離して処理水を得る。
つまり、第2領域S2では、第1領域S1から開口部13a,13bを通って出入した被処理水にオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを導入して乳化オイルや浮遊物を凝集する処理が行われる。
なお、二点鎖線で示すように、マイクロバブル導入手段6は処理槽1の側壁から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、筒状の境界壁13の内側が第2領域S2となっているので、境界壁13の大きさ(直径や軸方向の長さ)を調整することによって、第2領域S2の体積を容易に変更でき、また、境界壁13の処理槽1における位置を調整することによって、第2領域S2の位置を容易に調整できる。
(第5の実施の形態)
図5は、第5の実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示す図である。この図に示す水処理装置も第4の実施の形態と同様に、随伴水を処理するものである。
本実施の形態の水処理装置が図4に示す第4の実施の形態の水処理装置と異なる点は、第1領域S1および第2領域S2の位置、ガス供給手段5によって微細ガス等を供給する箇所等である。したがって、以下ではこれらの点について説明し、第4の実施の形態の水処理装置と共通構成部分には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、図5に示すように、筒状の境界壁13の内側が第1領域S1とされ、外側が第2領域S2とされている。つまり、第4の実施の形態とは、第1領域S1と第2領域S2の位置関係が逆となっている。
第1領域S1に随伴水である被処理水を供給する供給ライン4は、処理槽1の第1領域S1内の下方に供給ライン4の先端が位置しており、この供給ライン4から第1領域S1に被処理水が供給されるようになっている。
また、第1領域S1にオゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給手段5は、処理槽1の底部のうち、第1領域S1の下方に位置する底部に接続され、このガス供給手段5から第1領域S1に上述したような微細ガス等を供給している。
また、本実施の形態では、第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するマイクロバブル導入手段6が、処理槽1の底部のうち、第2領域S2の下方に位置する底部に接続されている。
したがって、第2領域S2では、境界壁13の内側の第1領域S1から開口部13a,13bを通って流入した被処理水にオゾン含有ガスからなるマイクロナノバブルを導入して乳化オイルや浮遊物を凝集する処理が行われる。
なお、二点鎖線で示すように、ガス供給手段5は処理槽1の側壁から第1領域S1に微細ガス等を供給してもよいし、マイクロバブル導入手段6は処理槽1の側壁から第2領域S2にオゾンを含むマイクロバブルを導入するようにしてもよい。
本実施の形態でも、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の実施の形態では、本発明を、被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水である場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限ることなく、少なくとも油分を含む被処理水に、凝集剤を添加することなく、オゾンを含むマイクロナノバブルを導入するような排水処理装置および方法であれば、どのようなものにも適用できる。
また、図1および図2に示す水処理装置において境界壁3の上端部を水面から突出させるとともに、除去手段7を別体の除去手段7A,7Bとして構成してもよいし、さらに、図4および図5に示す水処理装置において、境界壁13の上端部を水面から突出させるとともに、除去手段7を別体の除去手段7A,7Bとして構成してもよい。
次に実施例について説明する。
(実施例1)
第1の実施の形態に係る水処理装置について以下のような実験を行った。
油分約300mg/L(フリーオイル含む)を含む被処理水25L/hを供給ライン4から処理槽(境界壁3にて第1領域S1と第2領域S2に分割された25L(200mmφ))1に供給するとともに、供給ライン4にガス供給手段5から空気の微細気泡(0.1L/min)を供給し、被処理水と接触させながら処理槽1の供給ライン4の供給口付近エリア第1領域S1に供給する一方、オゾンを含む微細気泡(マイクロナノバブル)(ガス量0.8L/min、オゾン量2.7g/h)を処理槽1の供給ライン非接続エリアの第2領域S2の底部にマイクロバブル導入手段6によって微細気泡を導入して、油分を連続的に浮上分離させた。
その結果、油分18mg/Lまで浄化された。
また、処理後の油分が30〜35mg/Lになるようオゾン量を調整したところ、オゾン量は約1.9g/hまで低下した。
(実施例2)
また、第5の実施の形態に係る水処理装置について以下のような実験を行った。
油分約300mg/Lを含む被処理水25L/hを供給ライン4から処理槽(円筒約100mmφを設けた25L(200mmφ))1の内筒内側エリア(第1領域S1)に供給するとともに、処理槽1の内筒内側エリア(槽断面積の35%相当)にガス供給手段5から空気の微細気泡(0.1L/min)を供給する一方、オゾンを含む微細気泡(マイクロナノバブル)(ガス量0.8L/min、オゾン量2.7g/h)を処理槽1の外筒内側エリア(第2領域S2)の底部にマイクロバブル導入手段6によって微細気泡を導入して、油分を連続的に浮上分離させた。
その結果、油分14mg/Lまで浄化された。
(比較例)
境界壁3およびガス供給手段5を備えていない以外は、第1の実施の形態に係る水処理装置と同様の水処理装置について以下のような実験を行った。
油分約300mg/Lを含む被処理水25L/hを供給ライン4から処理槽(25L(100mmφ))1に供給し、オゾンを含む微細気泡(ガス量0.8L/min、オゾン量2.7g/h)を処理槽1の底部にマイクロバブル導入手段6によって導入して、油分を連続的に浮上分離させた。
その結果、油分約30mg/Lまで浄化された。
参考までに、一般的な浮上分離操作と同様に、オゾン発生器の運転を停止して酸素ガスの微細気泡の導入に切り替えたところ、処理後の油分は120〜150mg/Lとなった。
上記の結果から導入するオゾン量が同じであれば、実施例1、2の方が比較例に比して、油分の処理能力が高いことが分かる。
そして、実施例1において、処理後の油分が30〜35mg/Lになるようオゾン量を調整したところ、オゾン量は1.9g/hに低下できたことが分かっており、比較例では、オゾン量2.7g/hの場合に処理後の油分が約30mg/Lになっている。
したがって、実施例1の方が比較例に比してオゾンの使用量を抑制できたことが分かる。
実施例2は実施例1より油分の処理能力が高いので、実施例2の方が比較例や実施例1に比してオゾンの使用量を抑制できることが推定できる。
S1 第1領域
S2 第2領域
1 処理槽
3,13 境界壁
3a,3b,13a,13b 開口部
5 ガス供給手段
6 マイクロバブル導入手段
7 除去手段
7A 第1除去手段
7B 第2除去手段

Claims (10)

  1. 少なくとも油分を含む被処理水が処理槽に供給され、この処理槽でオゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する水処理装置であって、
    前記処理槽が、前記被処理水が供給されるとともに、当該被処理水中のフリーオイルを浮上分離する第1領域と、この第1領域で前記フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を受け入れるとともに、前記マイクロバブルが導入されることで、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する第2領域とに区分けされ、
    前記第1領域および/または第1領域に前記被処理水を供給する供給ラインに、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給手段を備えていることを特徴とする水処理装置。
  2. 前記処理槽に前記第1領域と前記第2領域とを区分けする境界壁が設けられ、
    前記境界壁に、前記第1領域から前記被処理水を前記第2領域に流入させる開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記第1領域で浮上した油分を除去する第1除去手段と、前記第2領域で浮上した油分を除去する第2除去手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 前記処理槽の前段に、当該処理槽に前記被処理水を供給する前に、物理的特性を利用した油分除去装置を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理装置。
  5. 前記被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水処理装置。
  6. 少なくとも油分を含む被処理水が処理槽に供給され、この処理槽でオゾンを含むマイクロバブルを導入することによって、前記被処理水中の油分中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する水処理方法であって、
    前記処理槽が、前記被処理水が供給されるとともに、当該被処理水中の油分中のフリーオイルを浮上分離する第1領域と、この第1領域で前記フリーオイルが浮上分離された後の被処理水を受け入れるとともに、前記マイクロバブルが導入されることで、前記被処理水中の乳化オイルを凝集させるとともに浮上分離する第2領域とに区分けされ、
    前記第1領域および/または第1領域に前記被処理水を供給する供給ラインに、オゾンを含まない空気、酸素、窒素等の微細ガス、もしくはオゾンを含まない空気、酸素、窒素等のガスを加圧溶解した液を供給するガス供給工程を備えていることを特徴とする水処理方法。
  7. 前記処理槽に前記第1領域と前記第2領域とを区分けする境界壁が設けられ、
    前記境界壁に設けられた開口部を通して、前記第1領域から前記被処理水を前記第2領域に流入させることを特徴とする請求項6に記載の水処理方法。
  8. 前記第1領域で浮上した油分を除去する第1除去工程と、前記第2領域で浮上した油分を除去する第2除去工程とを備えることを特徴とする請求項6または7に記載の水処理方法。
  9. 前記処理槽に前記被処理水を供給する前に、物理的特性を利用して油分を除去する油分除去工程を備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の水処理方法。
  10. 前記被処理水が、原油または天然ガスの産出に伴って取り出される随伴水であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の水処理方法。
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