JP6489963B2 - ブレード挟持治具 - Google Patents

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Description

本発明は、切削装置において切削ブレードを着脱する際に用いるブレード挟持治具に関する。
回転する切削ブレードを被加工物に切り込ませて切削を行う切削装置においては、回転可能なスピンドルの先端部にフランジが装着され、切削ブレードはフランジに対して着脱可能となっている。例えば、切削ブレードは、前フランジ(固定フランジ)と後フランジ(マウントフランジ)とで厚み方向の両側から挟み込まれた状態で、切削装置のスピンドルに装着される(例えば、特許文献1参照)。
特許4970188号公報
スピンドルに装着されたフランジに切削ブレードを着脱する際には、作業者が切削ブレードの一部を手で把持してフランジに対する着脱作業を行っている。そのため、切削ブレードに対する把持する力のかけ具合によっては、切削ブレードが破損するという問題が生じていた。特に、基台と切り刃とが一体となったハブタイプの切削ブレードと異なり、環状の砥石からなるワッシャータイプの切削ブレードは、基台を備えていないために、破損するという事態がより生じやすかった。また、切削ブレードの破損を防ぐために、作業者が慎重に切削ブレードの着脱を行うことで、作業効率が低下するという問題も生じていた。
したがって、切削ブレードをスピンドルに装着する際には、切削ブレードを破損させることなく、かつ切削ブレードを簡便にフランジに着脱するという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、切削ブレードを回転させるスピンドルと、該スピンドルに装着され切削ブレードを支持するフランジとを備えた切削装置において、環状の切削ブレードを該フランジに対して着脱する際に用いるブレード挟持治具であって、一対の挟持板と、連結部材を介して連結される一対の把持部と、該一対の把持部を把持すると該一対の挟持板を開口させ該一対の把持部を開放すると該一対の挟持板を閉口させる弾性部材とを備え、該挟持板は、該切削ブレードの内周の直径以上の内径を有し外周に切欠部を有したC型形状に形成されるブレード挟持治具である。
このブレード挟持治具において、挟持板前記切欠部の幅がフランジの外周の直径以上となるように形成されることが好ましい。
本発明に係るブレード挟持治具は、一対の挟持板と、連結部材を介して連結される一対の把持部と、一対の把持部を把持すると一対の挟持板を開口させ一対の把持部を開放すると一対の挟持板を閉口させる弾性部材とを備え、挟持板は、切削ブレードの内周の直径以上の内径を有し外周に切欠部を有したC型形状に形成されるものとしたことで、作業者がブレード挟持治具により環状の切削ブレードを安定的に挟持した状態でフランジに対して着脱することができる。そのため、ブレードを着脱する際に切削ブレードが破損するのを防止することができ、また、ブレードを着脱する際に作業者がブレードの刃先に触れるおそれがなくなるため、着脱作業も効率よく行うことが可能となる。
切削装置に備える切削手段の外観を示す斜視図である。 切削装置に備える切削手段の分解斜視図である。 切削手段に備えるスピンドルユニットの分解斜視図である。 図4(A)は、実施形態1のブレード挟持治具の斜視図である。図4(B)は、実施形態1のブレード挟持治具の側面図である。 図5(A)は、実施形態2のブレード挟持治具の斜視図である。図5(B)は、実施形態2のブレード挟持治具の側面図である。 図6(A)は、実施形態1のブレード挟持治具の一対の把持部を把持して一対の挟持板を開口させ、環状ブレードを挟み込もうとしている状態を示す斜視図である。図6(B)は、実施形態1のブレード挟持治具の一対の把持部を把持して一対の挟持板を開口させ、環状ブレードを挟み込んでいる状態を示す側面図である。 図7(A)は、実施形態1のブレード挟持治具の一対の把持部を開放して一対の挟持板を閉口させ、環状ブレードを挟み込んだ状態を示す斜視図である。図7(B)は、実施形態1のブレード挟持治具の一対の把持部を開放して一対の挟持板を閉口させ、環状ブレードを挟み込んだ状態を示す側面図である。 実施形態1のブレード挟持治具により環状ブレードを挟持して、環状ブレードをフランジに対して着脱している状態を示す斜視図である。 図9(A)は、実施形態2のブレード挟持治具の一対の把持部を開放して一対の挟持板を閉口させ、環状ブレードを挟み込んでいる状態を示す側面図である。図9(B)は、実施形態2のブレード挟持治具の一対の把持部を開放して一対の挟持板を閉口させ、環状ブレードを挟み込んだ状態を示す側面図である。 図10(A)は、実施形態1の変形例において、ブレード挟持治具の一対の把持部を把持して一対の挟持板を開口させた状態を示す側面図である。図10(B)は、実施形態1の変形例において、ブレード挟持治具の一対の把持部を開放して一対の挟持板を閉口させた状態を示す側面図である。
図1〜2に示す切削装置に備える切削手段3は、環状の切削ブレード31(以下、環状ブレード31とする。)を備えるスピンドルユニット3Aと、環状ブレード31をカバーするブレードカバー370と、ブレードカバー370に取り付けられるブレード検出ブロック371と、ブレードカバー370に取り付けられる着脱カバー372とを備えている。
図2に示すように、ブレードカバー370は、環状ブレード31を+Z方向から覆っている。また、ブレード検出ブロック371は、ブレード検出ブロック371の上面に設けられた孔371aにネジ371bを通してブレードカバー370の上面に設けられたネジ穴370aに螺合させることにより、ブレードカバー370に対して+Z方向から取り付けられる。ブレード検出ブロック371には、発光素子及び受光素子からなる図示しないブレードセンサが取り付けられており、調整ネジ371cによりブレードセンサのZ方向の位置を調整できる。そして、このブレードセンサにより環状ブレード31の状態を検出する。
着脱カバー372は、その側面に設けられた孔372aにネジ372bを通してブレードカバー370のY軸方向側面に設けられたネジ穴370bに螺合させることにより、ブレードカバー370に対して−Y方向から取り付けられる。
また、環状ブレード31のY軸方向前後には、環状ブレード31に切削水を供給する切削水ノズル38がそれぞれ一本ずつ設けられている。各切削水ノズル38は、例えば、切削水が流入する切削水流入管38aにそれぞれ連通している。各切削水流入管38aは、それぞれが着脱カバー372、ブレードカバー370によって支持されている。
図3を用いて、切削手段3に備えるスピンドルユニット3Aについて説明する。スピンドルユニット3Aは、環状ブレード31と、スピンドルユニット30とを備えている。
スピンドルユニット30は、軸方向がY軸方向であり環状ブレード31を回転させるスピンドル300と、スピンドル300を支持するスピンドルハウジング301とから少なくとも構成されている。
スピンドル300の先端部は、スピンドルハウジング301から−Y方向に突出しており、その突出部分に、環状ブレード31を支持するマウントフランジ32を取り付けることができるようになっている。また、スピンドル300の先端部には、ネジ孔300aが設けられている。
マウントフランジ32は、径方向(スピンドル300の軸方向と水平方向に直交する方向)外向きに延出されるフランジ部320と、フランジ部320から厚み方向(Y軸方向)に突出して形成されたボス部321とを備える。ボス部321は、円筒形状を有する基部321aと、基部321aの径より小径の円筒形状を有する筒状部321bとで構成されている。筒状部321bの外周には、リング状の固定ナット34が締め込まれるネジ部321cが設けられている。また、マウントフランジ32の中心軸にはスピンドル300の先端部を嵌め込むことができる嵌合孔322が軸方向に貫通して形成されている。マウントフランジ32の嵌合孔322にスピンドル300の先端部を嵌め込んだ状態で、ネジ穴300aにワッシャー35をかましてネジ36を締め込めば、マウントフランジ32はスピンドル300に固定されて装着される。
環状ブレード31は、例えば、ダイヤモンド砥粒を結合材で結合した環状のワッシャータイプの切削ブレードであり、中央に、基部321aに嵌め込まれる直径2R1の円形の装着孔31aを有している。装着孔31aに基部321aを嵌め込み装着孔31aと基部321aの外周面とを係合させることで、環状ブレード31はマウントフランジ32に装着される。なお、装着孔31aの直径2R1は、環状ブレード31の半径R1を二倍したものであり、環状ブレード31の内周の直径である。また、環状ブレード31に含まれる砥粒はダイヤモンド砥粒に限定されるものではなく、環状ブレード31の結合材としてはレジンボンド、ビトリファイドボンド又はメタルボンド等が用いられる。
環状ブレード31は、その外径がフランジ部320の外径より大きくなるように形成されている。このため、環状ブレード31をマウントフランジ32に装着すると、環状ブレード31の外周部はフランジ部320の外周縁から径方向外側に張り出される。また、切削ブレード31の装着孔31aをマウントフランジ32の基部321aに嵌合できるように、装着孔31aの直径2R1は、基部321aの直径2R3よりも若干大きく形成されている。環状ブレード31を回転させ、フランジ部320から張り出された環状ブレード31を被加工物に接触させることで、被加工物が切削される。
マウントフランジ32に環状ブレード31が装着された状態で、筒状部321bには環状の固定フランジ33が取り付けられる。固定フランジ33は、筒状部321bに対応する係合孔33aを有している。固定フランジ33の外周の直径2R4は、マウントフランジ32のフランジ部320の外周の直径と等しい。筒状部321bに固定フランジ33が取り付けられると、筒状部321bのネジ部321cにはリング状の固定ナット34が締め込まれる。
筒状部321bに固定ナット34が締め込まれると、固定フランジ33は、マウントフランジ32の方向(+Y方向)に押圧される。これにより、環状ブレード31は、マウントフランジ32と固定フランジ33とで挟持固定される。マウントフランジ32がスピンドル300に固定され装着されているため、図示しないモータがスピンドル300を回転させると、マウントフランジ32及び固定フランジ33により挟持支持された環状ブレード31がスピンドル300の回転に伴って回転する。
(実施形態1)
図4(A)〜(B)に示すブレード挟持治具5Aは、本発明に係るブレード挟持治具の一実施形態であり、図3に示した環状の切削ブレード31をマウントフランジ32に対して着脱する際に用いる治具である。ブレード挟持治具5Aは、一対の挟持板50と、連結部材51を介して連結される一対の把持部52と、一対の把持部52を把持すると一対の挟持板50を開口させ一対の把持部52を開放すると一対の挟持板50を閉じる弾性部材53とを備える。
一対の挟持板50は、挟持板50aと挟持板50bとからなる。挟持板50a及び挟持板50bは、例えば環状の鋼板の外周を一部切欠くことで形成された切欠部500(510)を備え、正面側(−Y方向側)から見てC型形状に形成されており、大きさが同一である。挟持板50a(50b)の内径2R2(図4(B)には不図示)は、図3に示す環状ブレード31の内周の直径2R1以上となる。なお、挟持板50a(50b)の内径2R2は、挟持板50a(50b)の内周の半径R2を二倍したものである。また、挟持板50a(50b)は、鋼板で形成されたものに限定されず、アクリル板等の樹脂板で形成されていてもよい。
挟持板50a(50b)の外周を一部切り欠いて形成される切欠部500(510)は、例えばその幅L1(図4(B)には不図示)が、図3に示すマウントフランジ32のフランジ部3203の外周の直径2R4以上となっている。
ブレード挟持治具5Aにおいて、一対の把持部52は、把持部52aと把持部52bとからなる。例えば、把持部52a(52b)は平板状に形成されており、挟持板50a(50b)の切欠部500(510)と対向する外周部分から挟持板50a(50b)の径方向外側に突出するようにして挟持板50a(50b)と一体となって形成されている。そして、挟持板50aと挟持板50bとを切欠部500と切欠部510との向きを揃えて重なるように配設した状態で、把持部52aと把持部52bとは連結部材51を介して連結されている。ブレード挟持治具5Aにおいては、連結部材51は、例えば図4(A)に示すように六角ピン等であり、把持部52aと把持部52bとの間に図4(B)に示す間隙Sを設けるように配設されている。間隙Sとは、一対の把持部52が把持されていない状態において、一対の把持部52側に向かって挟持板50aと挟持板50bとの間に徐々に広がる間隙である。また、把持部52a(52b)は、連結部材51に対して把持部52a(52b)の厚み方向(Y軸方向)に可動となっている。
弾性部材53は、例えば、ゴムバンドであり、一対の把持部52に対して外側から巻きつくようにして、一対の把持部52の上部に配設されている。
(実施形態2)
図5(A)〜(B)に示すブレード挟持治具5Bは、本発明に係るブレード挟持治具の一実施形態であり、実施形態1のブレード挟持治具5Aの構成の一部を変更したものである。ブレード挟持治具5Bは、一対の挟持板50と、連結部材54を介して連結される一対の把持部52と、一対の把持部52を把持すると一対の挟持板50を開口させ一対の把持部52を開放すると一対の挟持板50を閉じる弾性部材55(図5(B)には不図示)とを備える。なお、図5(A)〜(B)では、図4(A)〜(B)のブレード挟持治具5Aと同様に構成される部位には図4(A)〜(B)と同一の符号を付している。
ブレード挟持治具5Bにおける連結部材54は、例えば鋼等のブリッジ材である。連結部材54は、切欠部500と切欠部510との向きが揃うように挟持板50aと挟持板50bとを重ねて配設した状態で、把持部52aと把持部52bとの間に接合されて把持部52aと把持部52bとを連結している。
ブレード挟持治具5Bにおける弾性部材55は、例えばコイルバネである。弾性部材55は、弾性部材55の伸縮方向(Y軸方向)から把持部52aと把持部52bとにより挟まれる形で、一対の把持部52の下部に配設されている。弾性部材55は、把持部52aと把持部52bとが離れる方向に付勢されており、弾性部材55が把持部52aと把持部52bとの間に挟まれる形で配設されることで、一対の把持部52が把持されていない状態において、一対の把持部52側に向かって挟持板50aと挟持板50bとの間に徐々に広がる間隙Sが設けられる。
以下に、図1〜2、及び図6〜8を用いて、実施形態1のブレード挟持治具5Aにより環状ブレード31を挟持しマウントフランジ32に対して装着する際の、ブレード挟持治具5Aの動作及び装着方法について説明する。
環状ブレード31の装着に際しては、まず図2に示すように、切削装置の切削手段3を、ブレードカバー370からブレード検出ブロック371及び着脱カバー372を取り外した状態にする。さらに、スピンドルユニット3Aから固定ナット34を及び固定フランジ33を取り外し、ネジ36によりスピンドル300に装着されたマウントフランジ32(図2には不図示)を露出させ、マウントフランジ32に対して環状ブレード31を装着できる状態にする。
マウントフランジ32に対して環状ブレード31を装着できる状態にした後、ブレード挟持治具5Aにより環状ブレード31を挟持する。図6(A)に示すように、例えば、作業者が一対の把持部52を外側から把持し把持部52aの下端と把持部52bの下端とが接触するまで力を加えることで、弾性部材53がY軸方向に伸長する。そして、弾性部材53がY軸方向に伸長するのに伴い一対の挟持板50が開口する。また、弾性部材53には、一対の挟持板50を閉口させる収縮力が蓄積される。
一対の挟持板50を開口させたまま、環状ブレード31に対して、例えば−Z方向からブレード挟持治具5Aを切欠部500(510)側から近づける。そして、図6(B)に示すように、挟持板50aと挟持板50bとの間の間隙Sに環状ブレード31が入り込むようにして、一対の挟持板50で環状ブレード31を挟み込む。この際には、環状ブレード31の装着孔31aの中心と一対の挟持板50の中心とが重なるように、環状ブレード31と一対の挟持板50との位置を合わせながら行う。
環状ブレード31を挟持板50aと挟持板50bとの間の間隙Sに入り込ませた後、図7(A)及び(B)に示すように、作業者が一対の把持部52を把持する力を弱めて一対の把持部52を開放すると、弾性部材53に蓄えられていた収縮力により一対の挟持板50が閉口する。そして、一対の挟持板50が閉口することで、環状ブレード31はブレード挟持治具5Aにより挟持される。ここで、挟持板50a(50b)は、切削ブレード31の内周の直径2R1以上の内径2R2を有するC型に形成されているため、環状ブレード31を環状ブレード31の形状に沿って安定して挟持できる。
環状ブレード31をマウントフランジ32に装着するには、図8に示すように、作業者が環状ブレード31を挟持したブレード挟持治具5Aを持ち、ボス部321bの軸方向(−Y方向)から環状ブレード31をマウントフランジ32へと近づける。そして、環状ブレード31の装着孔31aにマウントフランジ32の基部321aを嵌め込み、装着孔31aと基部321aの外周面とを係合させる。
さらに、環状ブレード31をブレード挟持治具5Aで挟持した状態で、マウントフランジ32の筒状部321bに固定フランジ33を取り付けて、環状ブレード31をマウントフランジ32と固定フランジ33とで挟持させる。そして、筒状部321bのネジ部321cに固定ナット34を螺合させて、固定ナット34を仮締めする。
固定ナット34を仮締めした状態で、作業者が一対の把持部52を外側から把持し力を加えて一対の挟持板50を開口させ、ブレード挟持治具5Aによる環状ブレード31の挟持を止める。そして、ブレード挟持治具5Aを例えば−Z方向に引き下げることで、ブレード挟持治具5Aを環状ブレード31から離脱させる。挟持板50a(50b)には、外周に切欠部500(510)を有したC型に形成されており、また、例えば切欠部500(510)の幅L1が、マウントフランジ32のフランジ部320の外周の直径2R4以上となっていることから、ブレード挟持治具5Aは、フランジ部320及び固定フランジ33に引っかかることなく容易にスピンドルユニット3Aから離脱することができる。なお、作業者が誤ってブレード挟持治具5Aを離脱させずに固定ナット34を締めて固定フランジ33とマウントフランジ32との間に環状ブレード31を完全に固定してしまい、そのままの状態で切削を開始してしまうこともありうるため、ブレード挟持治具5Aを取り去るのを忘れないようにするために、ブレード挟持治具5Aのうち、少なくとも環状ブレード31を取り付けた状態においても露出している位置を、赤色等の目立つ色によって着色しておくと好ましい。
ブレード挟持治具5Aをスピンドルユニット3Aから離脱させた後、固定ナット34をさらに筒状部321bのネジ部321cに締め込み、環状ブレード31をマウントフランジ32と固定フランジ33とで挟持固定させることで、環状ブレード31をマウントフランジ32に装着する。さらに、図1に示すブレード検出ブロック371及び着脱カバー372を、再びブレードカバー370に装着し、切削手段3を被加工物を切削できる状態とする。
以下に、図1〜2、及び図8を用いて、ブレード挟持治具5Aにより環状ブレード31を挟持してマウントフランジ32から取り外す際の、ブレード挟持治具5Aの動作及び取り外し方法について説明する。
環状ブレード31の取り外しに際しては、まず図2に示すように、切削装置1の切削手段3を、ブレードカバー370からブレード検出ブロック371及び着脱カバー372をはずした状態にする。さらに、スピンドルユニット3Aから固定ナット34を及び固定フランジ33を取り外し、マウントフランジ32から環状ブレード31を取り外せる状態にする。
作業者が、図8に示すブレード挟持治具5Aの一対の把持部52を外側から把持し力を加えて、一対の挟持板50を開口させる。そして、環状ブレード31に対して、ブレード挟持治具5Aを例えば−Z方向から切欠部500(510)側を向けながら近づけて、一対の挟持板50で環状ブレード31を挟み込む。この際には、環状ブレード31の装着孔31aの中心と一対の挟持板50の中心とが重なるように、環状ブレード31とブレード挟持治具5Aとの位置を合わせながら行う。
環状ブレード31を一対の挟持板50で挟み込んだ後、一対の把持部52を把持する力を弱めて一対の把持部52を開放し一対の挟持板50を閉口させて、環状ブレード31をブレード挟持治具5Aにより挟持する。次いで、ブレード挟持治具5Aにより挟持した環状ブレードを−Y方向へと移動させて、マウントフランジ32から取り外す。
このようにブレード挟持治具5Aにおいては、一対の挟持板50と、連結部材51を介して連結される一対の把持部52と、一対の把持部52を把持すると一対の挟持板50を開口させ一対の把持部52を開放すると一対の挟持板50を閉口させる弾性部材53とを備え、挟持板50a(50b)は、環状ブレード31の内周の直径2R1以上の内径2R2を有し外周に切欠部500(510)を有したC型に形成されるものとしたことで、作業者がブレード挟持治具5Aにより環状の切削ブレード31を安定的に挟持した状態でマウントフランジ32に対して着脱することができる。そのため、環状ブレード31を着脱する際における環状ブレード31の破損の発生を抑えることができる。また、環状ブレード31を着脱する際に作業者が環状ブレード31の刃先に触れるおそれがなくなるため、着脱作業も効率よく行うことが可能となる。
以下に、図5及び図9を用いて、ブレード挟持治具5Bにより環状ブレード31を挟持する際の、ブレード挟持治具5Bの動作について説明する。
作業者が一対のブレード挟持治具5Bの把持部52を外側から把持して力を加えることで、弾性部材55(コイルバネ55)がY軸方向に収縮する。そして、コイルバネ55がY軸方向に収縮するのに伴い、支点となる連結部材54がしなることで一対の挟持板50が開口する。また、コイルバネ55には、コイルバネ55を自然長に戻す弾性エネルギーが蓄積される。
一対の挟持板50を開口させた後、環状ブレード31に対して、例えばブレード挟持治具5Bを切欠部500(510)側から近づける。そして、図9(A)に示すように、挟持板50aと挟持板50bとの間の間隙Sに環状ブレード31が入り込むようにして、一対の挟持板50で環状ブレード31を挟み込む。この際には、環状ブレード31の図5(A)に示す装着孔31aの中心と一対の挟持板50の中心とが重なるように、環状ブレード31と一対の挟持板50との位置を合わせながら行う。
環状ブレード31を挟持板50aと挟持板50bとの間の間隙Sに入り込ませた後、図9(B)に示すように、作業者が一対の把持部52を把持する力を弱めて一対の把持部52を開放すると、コイルバネ55に蓄えられていた弾性エネルギーによりコイルバネ55が自然長に戻り、一対の挟持板50が閉口する。そして、一対の挟持板50が閉口することで、環状ブレード31はブレード挟持治具5Bにより挟持される。
ブレード挟持治具5Bで挟持した環状ブレード31を、図3に示すマウントフランジ32へ装着する方法及びマウントフランジ32から取り外す方法については、実施形態1においてブレード挟持治具5Aを用いて行った場合と同様である。
このようにブレード挟持治具5Bにおいても、作業者がブレード挟持治具5Bにより環状の切削ブレード31を安定的に挟持した状態でマウントフランジ32に対して着脱することができる。そのため、環状ブレード31を着脱する際における環状ブレード31の破損の発生を抑えることができる。また、環状ブレード31を着脱する際に作業者が環状ブレード31の刃先に触れるおそれがなくなるため、着脱作業も効率よく行うことが可能となる。
なお、図10(A),(B)に示すブレード挟持治具5Cのように、実施形態1の一部を変更し、挟持板50aまたは50bのいずれか一方の他方と向かい合う面に、突き当て56を設けた構成としてもよい。この突き当て56を設けることにより、環状ブレード31をより確実に把持することが可能となる。この場合は、一対の把持部52a、52b間に所定の間隔をあけるために、連結部材として伸縮自在なスプリングワッシャー57を使用する。
3:切削手段
3A:スピンドルユニット
30:スピンドルユニット
300:スピンドル 300a:ネジ孔 301:スピンドルハウジング
31:環状の切削ブレード(環状ブレード) 31a:装着孔 2R1:装着孔の直径
32:マウントフランジ
320:フランジ部
321:ボス部 321a:基部 321b:筒状部 321c:ネジ部
322:嵌合孔 2R3:筒状部の外周の直径
33:固定フランジ 34:固定ナット 35:ワッシャー 36:ネジ
370:ブレードカバー 370a:ネジ穴 370b:ネジ穴
371:ブレード検出ブロック 371a:穴 371b:ネジ 371c:調整ネジ
372:着脱カバー 372a:穴 372b:ネジ
38:切削水ノズル 38a:切削水流入管
5A:ブレード挟持治具
50:一対の挟持板 50a(50b):挟持板 500(510):切欠部
51:連結部材
52:一対の把持部 52a(52b):把持部
53:弾性部材(ゴムバンド)
2R2:挟持板の内径 L1:幅 S:間隙
5B:ブレード挟持治具 54:連結部材 55:弾性部材(コイルバネ)
5C:ブレード挟持治具 56:突き当て 57:連結部材(スプリングワッシャー)

Claims (2)

  1. 切削ブレードを回転させるスピンドルと、該スピンドルに装着され切削ブレードを支持するフランジとを備えた切削装置において、環状の切削ブレードを該フランジに対して着脱する際に用いるブレード挟持治具であって、
    一対の挟持板と、連結部材を介して連結される一対の把持部と、該一対の把持部を把持すると該一対の挟持板を開口させ該一対の把持部を開放すると該一対の挟持板を閉口させる弾性部材とを備え、
    該挟持板は、該切削ブレードの内周の直径以上の内径を有し外周に切欠部を有したC型形状に形成されるブレード挟持治具。
  2. 前記挟持板は、前記切欠部の幅が前記フランジの外周の直径以上となるように形成される請求項1に記載のブレード挟持治具。
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