JP6488879B2 - 顔料用酸化チタン系複合粒子及びそれを含有する組成物、並びに複合粒子の製造方法 - Google Patents

顔料用酸化チタン系複合粒子及びそれを含有する組成物、並びに複合粒子の製造方法 Download PDF

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本願発明は、顔料用の酸化チタン系複合粒子及びその複合粒子を含有する組成物、並びにその製造方法に関するものである。
グラビア印刷は、高品質の画像を比較的安価に大量に生産することができる印刷方式であり、包装材や出版物等に広く適用されている。グラビア印刷で使用される白色インキ組成物には、一般に、白色顔料として代表的な酸化チタンが配合されている。このような、酸化チタンが配合されたグラビア印刷用の白色インキ組成物に求められる特性としては、(1)色相が青味であること、(2)隠蔽性が高いこと、(3)フィルムへの密着性が良好であること、などが挙げられる(例えば非特許文献1参照)。
従来、これらの要求特性を満たすために、グラビア印刷用の白色インキ組成物に関する検討が行われてきた。(1)の色相に関しては、酸化チタン顔料の一次粒子径が大きいほどその黄味が強くなることが知られている(例えば特許文献1参照)。逆に一次粒子径が小さいほど青みの色相が得られる。また(2)の隠蔽性を向上するために、酸化チタンの表面を、SiO(シリカ)、Al(アルミナ)等で被覆したり(例えば、特許文献2及び3参照)、多孔質SiOで被覆したりする方法が提案されている。またインキ組成物の隠蔽性は、顔料中の酸化チタンの一次粒子径が大きくなるほど高くなる事も知られている。
また上記(3)のフィルムへの密着性に関しては、被覆したシリカが多孔質であると、吸油量が多くなり、顔料の分散のために多くの樹脂を必要とするので、高い密着性を得るためには多孔質のシリカによる被覆層は不利であることが知られている。
特開平07−188580号公報 特開2004−083904号公報 特開2007−009156号公報
荒木正義編、「グラビア技術総覧」、株式会社加工技術研究会、1994年
従来の白色インキ組成物は、色相・隠蔽性・密着性のいずれかにおいて要求特性を満足することができなかった。例えばインキ組成物の隠蔽性の向上を目的として酸化チタン顔料に対して、酸化チタンの表面をSiO、Al等で被覆する場合でも、被覆によりある程度の隠蔽性の向上は見られたものの要求されているレベルと比較すると未だ不十分であった。多孔質SiOで酸化チタン粒子を被覆する方法は、インキ組成物の隠蔽性の向上には充分寄与するものの、密着性が低下するという問題があった。また上述のように、顔料中の酸化チタンの一次粒子径が大きくなるほどインキ組成物の隠蔽性が高くなるが、この場合は青味の色相が得られず、色相の面においてグラビア印刷用インキとしては好ましくない。
本発明は、密着性を低下させず、かつ青味の色相が得られ、隠蔽性の高いグラビア印刷用インキを提供するための、酸化チタン系顔料及びそれを含有する組成物、並びにその酸化チタン系顔料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らによる検討の結果、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を同一の層内に含む被覆層を有する、酸化チタンを基材とする粒子を配合したインキ組成物は、密着性や青味の色相を維持しつつ、従来品に比べて隠蔽性が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の第1の態様は、酸化チタンを含有する基材粒子と、その基材粒子の表面上に直接、又は別の層を介して設けられた、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aとを有し、平均一次粒子径が0.1〜1.0μmである複合粒子に関する。
好ましい実施形態においては、上記基材粒子100質量部当たり、上記亜鉛化合物の含有量は、ZnO換算で0.1〜8.0質量部であり、上記アルミニウム化合物の含有量は、Al換算で0.1〜8.0質量部である。
別の好ましい実施形態においては、上記複合粒子は、さらに、ケイ素化合物からなる被覆層Bを有する。より好ましくは、上記別の層がケイ素化合物からなるこの被覆層Bである。
別の好ましい実施形態においては、上記複合粒子は、さらに、アルミニウム化合物からなる被覆層Cを有する。
上記複合粒子は、グラビア印刷用インキ組成物の顔料用複合粒子であるのが好ましい。
本発明の第2の態様は、樹脂と、その樹脂100質量部当たり0.1〜1000質量部の上記複合粒子を含有する組成物、具体的には塗料組成物、インキ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される組成物、又はグラビア印刷用インキ組成物に関する。
本発明の第3の態様は、上記複合粒子を製造する方法に関する。具体的には、酸化チタンを含有する粒子を、濃度50〜500g/Lで含有するスラリーを調製し、
そのスラリーの温度を20〜70℃に維持し、そのスラリーに、水溶性亜鉛化合物と、水溶性アルミニウム化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーpHが6〜9の間となるように添加することにより、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含有する上記被覆層Aを設ける工程を含む方法に関する。
上記方法においては、前記添加の開始から添加の終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように上記各成分を添加するのが好ましい。
上記方法の好ましい実施形態においては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、上記水溶性亜鉛化合物と上記水溶性アルミニウム化合物とを、混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、その後上記沈澱剤を添加し、酸化チタンを含有する粒子上に上記被覆層Aを設ける。この際に、上記沈澱剤の添加開始から添加終了までの時間が30〜300分間になるように添加を行う。
また上記方法の別の好ましい実施形態においては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、上記沈澱剤を添加し、その後上記水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物を、混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、上記被覆層Aを設ける。この際に上記水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物の両方が添加された添加開始時から、両成分の添加が終了する添加終了時までの時間が30〜300分間になるように添加を行う。
別の好ましい実施形態においては、上記水溶性亜鉛化合物が硫酸亜鉛、塩化亜鉛、及び硝酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種であり、上記水溶性アルミニウム化合物は硫酸アルミニウム又はアルミン酸ナトリウム、より好ましくは硫酸アルミニウムである。
本願発明の酸化チタン含有複合粒子を含むインキ組成物は、従来の酸化チタン系顔料を含有するものと比較して、密着性や青味の色相を維持しつつも、従来品よりも高い隠蔽性を発揮する。そのため、本願発明の酸化チタン含有複合粒子は、隠蔽性が要求される塗料組成物、インキ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される組成物、又はグラビア印刷用インキ組成物として好適に用いることができる。
(本発明の複合粒子)
以下に本願発明を詳細に説明する。本願発明の第1の態様は、酸化チタンを含有する基材粒子と、その基材粒子上に設けられた、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aとを有し、平均一次粒子径が0.1〜1.0μmである複合粒子に関する。
一般的に酸化チタンの製法は幾つか知られているが、基材粒子に含まれる酸化チタンは、どのような製法によって得られたものでもよい。例えば塩素法によって製造されたものでもよく、硫酸法によって製造されたものであってもよい。
酸化チタンの結晶形としてはルチル型、アナタース(アナターゼ)型、ブルッカイト型の3種類が知られているが、工業的にはルチル型とアナタース型が用いられている。本発明においても、ルチル型とアナタース型のいずれの酸化チタンを含有する粒子を基材粒子として用いてもよいが、その高い屈折率により、酸化チタンを配合したインキ組成物の隠蔽力に優れることからルチル型の酸化チタンを含有する粒子を用いるのが好ましい。
上記基材粒子中の酸化チタン濃度は特に限定されないが、基材粒子100質量%中、酸化チタンを90質量%以上含有するのが好ましく、95質量%以上含有するのがより好ましく、98質量%以上含有するのが特に好ましい。言うまでもないが基材粒子中の酸化チタン量の上限は100質量%である。
本発明の複合粒子は、基材粒子である酸化チタンの表面上に直接、又は別の層を介して設けられた被覆層(以下、「被覆層A」と呼ぶ)を有する。被覆層Aは亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する。
本願明細書において、「被覆」とは、基材粒子の表面の一部を被覆する場合と全部を被覆する場合の両方の形態を意味する。被覆層は基材粒子の表面の全面に設けられているのが好ましい。
上記被覆層Aに含まれる亜鉛化合物の例としては、特に限定されないが、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、及び炭酸亜鉛などが挙げられる。
上記亜鉛化合物の量は、上記基材粒子100質量部につき、ZnO換算で0.1〜8.0質量部であるのが好ましい。上記亜鉛化合物の量が、基材粒子100質量部につきZnO換算で0.1質量部未満では、最終的に得られるインキ組成物において高い隠蔽性が得られにくい。逆に8.0質量部より多い場合は、複合粒子の吸油量が多くなり、インキ組成物の密着性が低下する場合がある。上記亜鉛化合物の量は、基材粒子100質量部に対して、より好ましくは0.1〜5.0質量部、さらに好ましくは0.1〜3.0質量部、特に好ましくは0.1〜2.0質量部である。
また上記被覆層Aに含まれるアルミニウム化合物の例としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム(アルミナ)、アルミン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウムなどが挙げられる。
上記アルミニウム化合物の量は特に限定されないが、上記基材粒子100質量部につき、Al換算で0.1〜8.0質量部であるのが好ましい。より好ましくは0.5〜6.0質量部であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。上記量が0.1質量部未満では、最終的に得られるインキ組成物において高い隠蔽性が得られにくくなる。8.0質量部より多い場合は、複合粒子の吸油量が増加し、インキ組成物の密着性が低下する場合がある。
上記複合粒子の平均一次粒子径は、0.1〜1.0μmである。この平均一次粒子径は、0.1〜0.5μmであることがより好ましく、0.2〜0.3μmであることがさらに好ましい。複合粒子の平均一次粒子径が0.1μm未満、または1.0μmより大きいとその複合粒子を配合したインキ組成物の隠蔽性が低下する。
本願明細書において、複合粒子の平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の2万倍の視野での一定方向径(粒子をはさむ一定方向の二本の平行線の間隔)で定義される粒子径(μm)であって、TEM写真内の重なっていない独立した粒子1000個の一定方向径を測定して平均値を求めたものである。
上記複合粒子は、上記亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含有する被覆層以外の他の被覆層を有していてもよい。なかでも本発明の複合粒子は、ケイ素化合物からなる被覆層(以下、「被覆層B」と呼ぶ)、及び/又はアルミニウム化合物からなる被覆層(以下、「被覆層C」と呼ぶ)をさらに有するのが好ましい。
なお、本願明細書において「からなる」という表現は、主成分のみを含む場合だけでなく、主成分以外に、操作上不可避的に含まれる不純物が含まれる場合をも包含するものとして使用する。すなわち、本発明の効果に影響を与えない範囲において微量の副生成物が含まれた場合であっても本発明の範囲に含まれることを意図している。
上記ケイ素化合物の例としては、特に限定されないが、酸化ケイ素、オルトケイ酸、メタケイ酸、メタ二ケイ酸等のケイ酸、水酸化ケイ素、及びホウ酸ケイ素化合物などが挙げられる。上記アルミニウム化合物の例としては、被覆層Aに含まれるアルミニウム化合物して上述したものと同様のものが挙げられる。
特に限定されないが、上記ケイ素化合物からなる被覆層Bは、酸化チタンを含有する基材粒子の表面上に直接設けられているのが好ましい。このとき被覆層Bは、通常、上記別の層と同一となり、この被覆層を介して被覆層Aを設ける。すなわち、上記被覆層Aよりも半径方向内側に設けられているのが好ましい。このとき、一方、上記アルミニウム化合物からなる被覆層Cは、複合粒子に設けられる無機化合物による被覆層の最外層に(すなわち複合粒子の表面層として)設けられているのが好ましい。すなわち、上記被覆層Aよりも半径方向外側に設けられているのが好ましい。
本発明の複合粒子の、被覆層Bを構成するケイ素化合物の含有量は特に限定されないが、上記基材粒子100質量部当たり、SiO換算で、0.1〜8.0質量部であるのが好ましい。より好ましくは0.5〜6.0質量部であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。
また被覆層Cを構成するアルミニウム化合物の含有量は、特に限定されないが、上記基材粒子100質量%部当たり、Al換算で、0.1〜8.0質量部であるのが好ましい。より好ましくは0.5〜6.0質量部であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。
また本発明の複合粒子は、上記被覆層B及び/又はC中に、又はそれらとは別の層として、ジルコニウム化合物、スズ化合物、及びアンチモン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物をさらに含有していてもよい。
上記ジルコニウム化合物の例としては、特に限定されないが、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、及び水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
上記スズ化合物の例としては、特に限定されないが、酸化スズ(SnO又はSnO)、及び水酸化スズなどが挙げられる。
上記アンチモン化合物の例としては、特に限定されないが、三酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、及び水酸化アンチモンなどが挙げられる。
また無機化合物以外にも、さらに、多価アルコール、アミン又はその誘導体、有機ケイ素化合物、及び脂肪酸又はその金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物成分を上記被覆層B及び/又はC中に、又はそれらとは別の層として、含有していてもよい。
上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、及びジトリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記アミン又はその誘導体としては、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリプロパノールアミン、又はその誘導体などが挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーンオイル、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどのシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
上記脂肪酸又はその金属塩としては、直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸、例えばペンタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの脂肪酸、及びその金属塩が挙げられる。脂肪酸金属塩に含まれる金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、チタン、ジルコニウムなどのイオンが挙げられる。
上記有機化合物成分の含有量は、上記基材粒子100質量部当たり10.0質量部以下であるのが好ましい。上記含有量が10.0質量部を超えると被覆量を増やすことによる効果の向上は得られない場合がある。
(複合粒子の製造方法)
次に本発明の別の態様である、上記複合粒子を製造する方法について説明する。
本方法においては、まず酸化チタンを含有する粒子を、水やアルコールなどの媒体に加えて撹拌することにより懸濁させ、粒子濃度を50〜500g/Lに調整した懸濁液(スラリー)を調製する。上記スラリーの粒子濃度は、好ましくは、100〜500g/L、より好ましくは200〜500g/L、更に好ましくは300〜450g/Lである。上記粒子濃度が50g/L未満では、生産性が低く不経済であり、粒子濃度が500g/Lを超える場合には、高いスラリー粘度の影響で、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含有する上記被覆層Aを得ることが困難であり、その結果、インキ組成物の隠蔽性が低下する。
次に、上記スラリーの温度を20〜70℃に調整する。スラリーの温度は、好ましくは30〜60℃、より好ましくは40〜50℃である。温度が20℃未満もしくは、70℃を超えると形成された被覆層が多孔質となり、その結果インキ組成物の密着性が低下するので好ましくない。
そのスラリーに、水溶性亜鉛化合物と、水溶性アルミニウム化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーのpHが6〜9の間になるように、添加する。添加後のpHが6〜9になるように制御することにより、被覆層を形成する亜鉛化合物、アルミニウム化合物の収率の向上が期待できる点で好ましい。また、その被覆層を形成する工程が無機処理の最終工程である場合、添加後のpHがこの範囲よりも低い場合(酸性側)、または高い場合(アルカリ側)には、水溶性の塩類が副生しそのまま残留する可能性がある。そのような水溶性の塩が残留すると、インキを製造した際に貯蔵安定性などに悪影響することが懸念されることから、上記範囲内に制御することが推奨される。
また特に限定されないが、添加中のスラリーのpHは4〜11の間であるのが好ましい。添加中のスラリーpHが4未満の場合、並びに11を超える場合には、被覆層を形成する亜鉛化合物とアルミニウム化合物が十分に析出しにくい場合があるからである。
上記スラリーへの、上記水溶性亜鉛化合物と、上記水溶性アルミニウム化合物と、上記沈澱剤の添加方法については制限はない。一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記水溶性亜鉛化合物と上記水溶性アルミニウム化合物とを、混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、その後上記沈澱剤を添加することにより、上記被覆層Aを設ける、という方法が挙げられる。また別の一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記沈澱剤を添加し、その後上記水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物を混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、上記被覆層Aを設ける、という方法が挙げられる。
特に限定されないが、添加開始から添加終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように上記各成分を添加するのが好ましい。添加開始から添加終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように制御することにより、被覆層を形成する亜鉛化合物、アルミ化合物の品質が安定することが期待できる点で好ましい。
上記方法においては、上記被覆層Aを形成する工程を30〜300分間で行うのが好ましい。この「30〜300分間」は被覆層Aの形成が始まる時点から、被覆層A形成に必要な成分を全て添加した時点までを意味する。被覆層は水溶性亜鉛化合物及び水溶性アルミニウム化合物に沈殿剤を作用させることで形成される。したがって、より具体的には、上記水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物を先に添加する場合には、後に添加する沈殿剤の添加開始から添加終了までの工程を30〜300分間で行うのが好ましい。また沈殿剤を先に添加する場合には、水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物の両方を添加し始めた時点(混合物として添加する場合にはその混合物の添加開始時)から、上記水溶性亜鉛化合物及び上記水溶性アルミニウム化合物の両方の添加が完了するまでの工程を30〜300分間で行うのが好ましい。
上記時間が30分未満の場合、被覆層に含まれる亜鉛化合物やアルミニウム化合物の析出速度が速すぎるため、形成された被覆層が多孔質となり、その結果複合粒子を含有するインキ組成物の密着性が低下する場合があるため好ましくない。また時間が300分を超えても被覆の状態は変わらず、生産効率を考えると300分を超える長時間をかけて被覆層を形成する工程を続ける意味は実質的にないことから好ましくない。
上記水溶性亜鉛化合物と、上記水溶性アルミニウム化合物と、上記沈澱剤を添加する際の形態について特に制限はなく、例えば水溶液や水性溶媒の溶液の状態で添加してもよい。
上記水溶性亜鉛化合物は特に限定されず、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩素酸亜鉛などの亜鉛塩、及びそれらの溶媒和物が挙げられる。その中でも硫酸亜鉛、塩化亜鉛、及び硝酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これら水溶性亜鉛化合物は酸化亜鉛などの水に不溶性もしくは難溶性の亜鉛化合物を、酸又はアルカリを含む水に溶解させて作成してもよい。
上記水溶性アルミニウム化合物は特に限定されず、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、及びそれらの溶媒和物などが挙げられる。その中でもアルミン酸ナトリウムと硫酸アルミニウムが好ましく、特に硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩素酸亜鉛と混合して使用する場合は硫酸アルミニウムが好ましい。これら水溶性アルミニウム化合物は酸化アルミニウムなどの水に不溶性もしくは難溶性のアルミニウム化合物を、酸又はアルカリを含む水に溶解させて作成してもよい。
上記沈澱剤とは、水溶性亜鉛化合物、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ケイ素化合物、水溶性ジルコニウム化合物、水溶性スズ化合物、水溶性アンチモン化合物等の水溶性金属化合物と反応し、難溶性または不溶性の金属化合物を生成させる化合物のことであり、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウムなどのアルカリを使用することができる。
上記スラリーは、被覆層を形成した後、上記温度条件において熟成させることが、スラリー中に残存する水溶性亜鉛化合物と、水溶性アルミニウムを低減させる上で好ましい。
必要に応じて、「亜鉛化合物及びアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層A」以外の被覆層、例えば上記被覆層B及び/又はCなどを形成してもよい。
特に限定されないが、被覆層Bは、例えば上記スラリーに、水溶性ケイ素化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーのpHが一定の範囲になるように制御しながら添加することにより形成することができる。被覆層を形成するケイ素化合物の収率の向上が期待できることから、添加後のpHは3〜10に制御するのが好ましい。
また特に限定されないが、各成分の添加中のスラリーのpHは4〜11の間であるのがより好ましい。各成分の添加中のスラリーpHが4未満の場合、並びに11を超える場合には、被覆層を形成するケイ素化合物が十分に析出しにくい場合があるからである。
上記スラリーへの、上記ケイ素化合物と、上記沈澱剤の添加方法については制限はない。一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記水溶性ケイ素化合物を添加し、その後上記沈澱剤を添加することにより、上記被覆層Bを設ける、という方法が挙げられる。また別の一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記沈澱剤を添加し、その後上記水溶性ケイ素化合物を添加することにより、上記被覆層Bを設ける、という方法が挙げられる。
さらに、上記スラリーに上記水溶性ケイ素化合物と、沈澱剤とを、それぞれを並行して添加してもよい。この場合、添加開始から終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように上記各成分を添加するのが好ましい。pH変動が2以内に収まるようにすることで、ケイ素化合物の被覆層が安定することが期待できる。
また特に限定されないが、被覆層Cは、例えば上記スラリーに、水溶性アルミニウム化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーのpHが一定範囲になるように制御しながら添加することにより形成することができる。被覆層を形成するアルミニウム化合物の収率の向上が期待できることから、添加後のpHを4〜9に制御するのが好ましい。
また特に限定されないが、各成分の添加中のスラリーのpHは4〜11であるのが好ましい。各成分の添加中のスラリーpHが4未満の場合、並びに11を超える場合には、被覆層を形成するアルミニウム化合物が十分に析出しにくい場合があるからである。
上記スラリーへの、上記アルミニウム化合物と、上記沈澱剤の添加方法については制限はない。一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記水溶性アルミニウム化合物を添加し、その後上記沈澱剤を添加することにより、上記被覆層Cを設ける、という方法が挙げられる。また別の一例としては、酸化チタンを含有する粒子を含有する上記スラリーに、まず上記沈澱剤を添加し、その後上記水溶性アルミニウム化合物を添加することにより、上記被覆層Cを設ける、という方法が挙げられる。
さらに、上記スラリーに上記水溶性アルミニウム化合物と、沈澱剤とを、それぞれを並行して添加してもよい。この場合、添加開始から終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように上記各成分を添加するのが好ましい。pH変動が2以内に収まるようにすることで、被覆層を形成するケイ素化合物の品質が安定することが期待できる。
また必要であれば被覆後にスラリーのpH調整を行ってもよい。さらに、必要に応じて一般的に行われる後工程、例えば濾過や加熱、乾燥、洗浄、粉砕等の工程を行なうことにより、所望の複合粒子を得ることができる。
上記多価アルコール、アミン、有機ケイ素化合物、及び脂肪酸又はその金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物成分を含有する被覆層を形成する場合には、
上述の方法で得られた複合粒子をスラリー化し、上記有機化合物成分を添加して、攪拌混合しその後、乾燥粉砕する、あるいは、
上述の方法で得られた複合粒子に、上記の有機化合物成分を添加し、攪拌混合し、その後、気流粉砕機などで粉砕する、
等の方法により、さらに有機化合物成分を複合粒子の表面に被覆させることができる。
(本願発明の複合酸化粒子の用途)
本願発明の複合粒子は、従来の酸化チタン顔料や酸化チタン含有複合粒子が使用されてきた自動車や建築、建材物の上塗り塗料、プラスチックス、インキなどの各分野において好適に使用することができる。上記複合粒子を含む樹脂組成物、特に塗料組成物やインキ組成物、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、又はグラビア印刷用インキ組成物も本願発明の一態様を構成する。具体的には、
・樹脂と、樹脂100質量部当たり0.1〜1000質量部の、本発明に係る複合粒子と、を含有する、塗料組成物、インキ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される組成物、又は、
・樹脂と、樹脂100質量部当たり0.1〜1000質量部の、本発明に係る複合粒子と、を含有する、グラビア印刷用インキ組成物
などが挙げられる。
上記樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に限定されないが、フッ素樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
塗料組成物やインキ組成物に含まれる溶剤は特に限定されないが、例えばトルエン、キシレン等の芳香族化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、ソルベッソ(商品名)等の有機溶剤、水等が挙げられる。
上記樹脂組成物には、樹脂安定剤、可塑剤、硬化剤、分散剤、消泡剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、他の顔料としてカーボンブラック、酸化鉄、コバルト青、銅フタロシアニン、ペリレン、バナジン酸ビスマス等の有機顔料・無機顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
なかでも本願発明の複合粒子は、その高い隠蔽力を活かして、グラビア印刷用インキ組成物の顔料として用いるのが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「%」とは、特に断りのない限り質量%を意味する。
(実施例1)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを秤量し、350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した(工程1)。別途、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量の硫酸アルミニウムの水溶液と、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛の水溶液との混合溶液を調製した。工程1で得たスラリーの温度を45℃に調整し、上記混合溶液とNaOH水溶液とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて同時に添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aを作成した(工程2)。工程2で得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程3)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した(工程4)。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、本発明の複合粒子を得た(工程5)。組成分析値、平均一次粒子径は、表1のとおりであった。
(実施例2)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを秤量し、350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した(工程1)。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となる量のケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した(工程2)。工程2で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加し、その後スラリーを70℃で60分間攪拌して被覆層Bを作成した(工程3)。別途、上記酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量の硫酸アルミニウムの水溶液と、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛の水溶液との混合溶液を調製した。工程3で得られたスラリーを温度を45℃に調整し、そのスラリーに、上記混合溶液とNaOHとを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて同時に添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aを作成した(工程4)。工程4で得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程5)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した(工程6)。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、本発明の複合粒子を得た(工程7)。組成分析値、平均一次粒子径は、表1のとおりであった。
(実施例3)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを秤量し、350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した(工程1)。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した(工程2)。工程2で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加し、その後スラリーを70℃で60分間攪拌して被覆層Bを作成した(工程3)。工程3で得られたスラリーの温度を45℃に調整し、スラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で2.7質量部となる量のアルミン酸ナトリウム水溶液と、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、80分かけて同時に添加して被覆層Cを作成した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。(工程4)。別途、上記酸化チタン100質量部に対してAl換算で0.3質量部となる量の硫酸アルミ水溶液と、上記ルチル型酸化チタンに対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛水溶液との混合溶液を調製した。工程4で得られたスラリーの温度を45℃に調整し、上記混合溶液とNaOH水溶液とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、30分かけて同時に添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aを作成した(工程5)。工程5で得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程6)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、本発明の複合粒子を得た(工程7)。組成分析値、平均一次粒子径は、表1のとおりであった。
(実施例4)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるようになるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した(工程1)。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した(工程2)。工程2で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけて、スラリーのpHが9.0となるように添加し、その後スラリーを70℃に保ち60分間攪拌して被覆層Bを作成した(工程3)。工程3で得られたスラリーに希硫酸を添加し、スラリーのpHを4.0にした(工程4)。工程4で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量の硫酸アルミニウムの水溶液と、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対し、ZnO換算で1.0質量部となる量のZnSOの水溶液を添加した(工程5)。工程5で得られたスラリーの温度を45℃に調整し、NaOHを90分かけて添加後のスラリーのpHが7.5となるように添加することにより中和した。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aを作成した(工程6)。工程6で得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程7)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した(工程8)。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、本発明の複合粒子を得た(工程9)。組成分析値、平均一次粒子径は、表1のとおりであった。
(実施例5)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを秤量し、350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した(工程1)。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した(工程2)。工程2で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるようにし、その後スラリーを70℃で60分間攪拌して被覆層Bを作成した(工程3)。別途、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で2.0質量部となる量の硫酸アルミニウムの水溶液と、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛の水溶液との混合溶液を調製した。工程3で得られたスラリーの温度を45℃に調整し、そのスラリーに、上記混合溶液とNaOH水溶液とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、60分かけて同時に添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌し亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aを作成した(工程4)。工程4で得られたスラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で1.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、60分かけて同時に添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して被覆層Cを作成した(工程5)。その後スラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程6)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した(工程7)。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、本発明の複合粒子を得た(工程8)。組成分析値、平均一次粒子径は、表1のとおりであった。
(比較例1)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕、分級した。得られたスラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で2.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後のpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例2)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕、分級した。得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した。得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加し、その後スラリーを70℃で60分間攪拌した。次にスラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後のスラリーのpHは6.5であった。その後、スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例3)
平均一次粒子径0.29μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるようになるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で4.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した。工程2で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが4.0となるようにし、その後スラリーを70℃で60分間攪拌した。スラリーの温度を45℃に調整しに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で2.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーpH6.5±0.5に保ちながら、90分かけした。添加後pHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した(工程4)。工程4で得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った(工程5)。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例4)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した。得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した。得られたスラリーの温度を70℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛の水溶液と、希硫酸とを、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加してアルミニウム化合物を含まない亜鉛化合物との被覆層を作成した。その後スラリーを70℃で60分間攪拌した。スラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後のpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。その後スラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例5)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した。工程1で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となるように、ZnSOの水溶液を添加し、混合した(工程2)。工程2で得られたスラリーにNaOH水溶液を、30分かけてpH7.0となるように添加してアルミニウム化合物を含まない亜鉛化合物の被覆層を作成した。(工程3)。工程3で得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対して、SiO換算で5.0質量部となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加した(工程4)。工程4で得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加した。その後70℃でスラリーを60分間攪拌した。スラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後のpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。その後、スラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例6)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した。得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となる量のケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した。得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけてスラリーのpHが9.0となるように添加した。その後70℃でスラリーを60分間攪拌した。得られたスラリーの温度を45℃に温度を調整し、希硫酸を添加し、スラリーのpHを3.0とした。このスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対して、ZnO換算で1.0質量部となる量のZnSOの水溶液を添加した。次にスラリーに、NaOH水溶液を、30分かけてスラリーのpHが7.0となるように添加してアルミニウム化合物を含まない亜鉛化合物の被覆層を作成した。スラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後pHは6.5であった。その後45℃でスラリーを30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。得られたスラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(比較例7)
平均一次粒子径0.26μmのルチル型酸化チタンを350g(TiOとして)/Lとなるように水中でリパルプし、湿式粉砕し、分級した。得られたスラリーに、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してSiO換算で5.0質量部となる量のケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、混合した。得られたスラリーの温度を70℃に調整し、希硫酸を、120分間かけて、スラリーのpHが9.0となるように添加した。その後70℃でスラリーを60分間攪拌した。その後スラリーの温度を45℃に調整し、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してAl換算で3.0質量部となる量のアルミン酸ナトリウムと、希硫酸とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後pHは6.5であった。その後45℃でスラリーを30分間攪拌して亜鉛化合物を含まないアルミニウム化合物の被覆層を作成した。スラリーの温度を45℃に保ったまま、上記ルチル型酸化チタン100質量部に対してZnO換算で1.0質量部となる量の硫酸亜鉛水溶液と、NaOH水溶液とを、スラリーのpHを6.5±0.5に保ちながら、90分かけて添加した。添加後のpHは6.5であった。その後スラリーを45℃で30分間攪拌してアルミニウム化合物を含まない亜鉛化合物の被覆層を作成した。スラリーを濾過し、固形分の洗浄を行った。得られた固形分のケーキを120℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形分を気流粉砕機で粉砕することにより、比較用の複合粒子を得た。組成分析値、平均一次粒子径は、表2のとおりであった。
(評価方法)
(1)印刷用インキの作成
350ml容のマヨネーズビンに、酸化チタン79.5g、ウレタン樹脂IB−422(三洋化成株式会社製)60.0g、メチルエチルケトン15.0g、及びイソプロピルアルコール15.0gを仕込み、撹拌してスラリーを形成した。次に上記スラリーとほぼ同じ体積に相当する1.5mmφガラスビーズを上記マヨネーズ瓶中に加えた。そのマヨネーズ瓶をペイントシェーカーにセットし、2時間振盪することによりスラリー中の固形分を分散させた。分散後、得られたスラリーに、ザーンカップ#3(オリフィス径3mm)からの流出時間が15.0±0.5秒となるようにメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールの1:1(質量比)混合液を添加し、印刷用インキを得た。なお、使用したウレタン樹脂の不揮発分は30質量%であり、インキの顔料濃度(乾燥塗膜中の顔料重量/乾燥塗膜中の樹脂重量、P/Bともいう)は、P/B=4.4であった。
(2)隠蔽性及び色相の判定
上述のようにして得られた印刷用インキを、PETフィルムE5100(東洋紡株式会社製)上に、RK Print Coat Instruments社製、テスト印刷機Kプリンティングプルーファーを用いて印刷した(版深さ32μm)。印刷の際に、標準と引き合わせた。得られた印刷物の印刷面に、黒色の下地を当ててPETフィルム側から、標準との隠蔽力および色相の違いを目視で判定した。
(隠蔽力の測定)
得られた印刷インキを、東洋紡株式会社製PETフィルムE5100に、RK Print Coat Instruments社製 テスト印刷機Kプリンティングプルーファーを用いて印刷した。(版深さ 32μm)
得られた印刷物の印刷面に、JIS K5600の塗料一般試験方法に準ずる隠蔽率試験紙をあてて、PETフィルム側から、白下地、黒下地のL値を測定した。得られた白下地のL値と黒下地のL値を下式のとおりに計算した。
隠蔽率(%)=(黒下地のL値)/(白下地のL値)×100
隠蔽率は100%に近いほど、隠蔽性が高いことを示す。
<組成の測定方法>
得られた複合粒子を、蛍光X線分析装置(走査型蛍光X線分析装置ZSX PrimusII)を用いて、シリカ化合物をSiO換算で、アルミニウム化合物をAl換算で、亜鉛化合物をZnO換算で計算し、複合粒子中の含有量を測定した。
評価結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0006488879
Figure 0006488879
評価は従来品の比較例1(下地のケイ素含有層が無い場合)又は比較例2(下地としてケイ素含有層を含む場合)を標準(STD)とし、標準に対するインキ組成物の隠蔽性と色相の違いを比較することにより行った。表2の結果からわかるように、比較例3のように粒子径を大きくすれば隠蔽性が従来品よりもやや向上するが、黄味が強くなるという問題点があることが実証された。このように粒子径による制御のみでは隠蔽性と色相を両立するのは困難であった。
これに対し、粒子径とは無関係に、被覆層の配置によりインキ組成物の隠蔽性を高めた点に本発明の意義がある。実施例2〜4においては複合粒子が酸化亜鉛と酸化アルミニウムの両方を含む被覆層(被覆層A)を有することにより、その粒子を含有する複合粒子を含むインキ組成物は従来品よりも高い隠蔽性を示すことが示された。
一方、比較例4〜7では、被覆層内に実施例2と同一の成分を含んでいても、亜鉛化合物とアルミニウム化合物を同一の層に配置せず、別の層として配置した場合にはインキ組成物の隠蔽性が従来品と同等、またはそれより低いことが示された。
ケイ素含有層を含んでいない実施例1と比較例1を比較した場合、アルミニウムを単独で含む場合(比較例1)と、アルミニウムと亜鉛の両方を含んだ場合(実施例1)とでは後者のほうがインキ組成物の隠蔽性が高かった。
このように、酸化チタンを含有する基材粒子を、亜鉛化合物とアルミニウム化合物を有する被覆層で被覆した本発明の複合粒子をインキ組成物に配合すると、従来品と比べて隠蔽性が顕著に高い白色インキ組成物を得ることができる。このような効果は過去の知見からは予想できないものであった。

Claims (12)

  1. 酸化チタンを含有する基材粒子と、
    その基材粒子の表面上に設けられたケイ素化合物からなる被覆層Bと、
    被覆層Bを介して設けられた、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の両方を含有する被覆層Aと
    を有し、
    平均一次粒子径が0.1〜1.0μmである複合粒子。
  2. 前記基材粒子100質量部当たり、
    前記亜鉛化合物の含有量は、ZnO換算で0.1〜8.0質量部であり、
    前記アルミニウム化合物の含有量は、Al換算で0.1〜8.0質量部である
    請求項1記載の複合粒子。
  3. さらに、アルミニウム化合物からなる被覆層Cを有する
    請求項又は記載の複合粒子。
  4. 前記複合粒子は、グラビア印刷用インキ組成物の顔料用複合粒子である
    請求項1〜のいずれか1項に記載の複合粒子。
  5. 樹脂と、
    樹脂100質量部当たり0.1〜1000質量部の、請求項1〜のいずれか1項に記載の前記複合粒子と、
    を含有する、
    塗料組成物、インキ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される組成物。
  6. 樹脂と、
    樹脂100質量部当たり0.1〜1000質量部の、請求項1〜のいずれか1項に記載の前記複合粒子と、
    を含有する、グラビア印刷用インキ組成物。
  7. 請求項1又は2記載の複合粒子を製造する方法であって、
    酸化チタンを含有する粒子を、濃度50〜500g/Lで含有するスラリーを調製し、
    そのスラリーの温度を20〜70℃に維持し、そのスラリーに、水溶性ケイ素化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーのpHが3〜10になるように制御しながら添加する
    ことにより、ケイ素化合物からなる前記被覆層Bを設ける工程と、
    前記被覆層Bを設けた酸化チタンを含有する粒子を含有するスラリーに、水溶性亜鉛化合物と、水溶性アルミニウム化合物と、沈澱剤とを、添加後のスラリーのpHが6〜9の間となるように添加する
    ことにより、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含有する前記被覆層Aを設ける工程を含む
    方法。
  8. 前記添加の開始から添加の終了までのスラリーのpH変動が2以内に収まるように上記各成分を添加する請求項記載の方法。
  9. 被覆層Bを設けた酸化チタンを含有する粒子を含有する前記スラリーに、前記水溶性亜鉛化合物と前記水溶性アルミニウム化合物とを、混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、その後前記沈澱剤を添加し、酸化チタンを含有する粒子上に前記被覆層Aを設ける請求項又は記載の方法であって、
    前記沈澱剤の添加開始から添加終了までの時間が30〜300分間になるように添加を行う方法。
  10. 被覆層Bを設けた酸化チタンを含有する粒子を含有する前記スラリーに、前記沈澱剤を添加し、その後前記水溶性亜鉛化合物及び前記水溶性アルミニウム化合物を、混合せずに並行して添加するか、又はそれらの混合物として添加し、前記被覆層Aを設ける請求項又は記載の方法であって、
    前記水溶性亜鉛化合物及び前記水溶性アルミニウム化合物の両方が添加された添加開始時から、両成分の添加が終了する添加終了時までの時間が30〜300分間になるように添加を行う方法。
  11. 前記水溶性亜鉛化合物が硫酸亜鉛、塩化亜鉛、及び硝酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記水溶性アルミニウム化合物が硫酸アルミニウム又はアルミン酸ナトリウムである
    請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記水溶性アルミニウム化合物が硫酸アルミニウムである
    請求項11記載の方法。
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