JPWO2016140331A1 - 赤外線反射性黒色顔料、該赤外線反射性黒色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、Cr6+などの有害な元素を含有しない黒色顔料であって、優れた赤外線反射性を有するとともに、耐酸性に優れた赤外線反射性黒色顔料を提供する。CuとZnとSiとを含有する複合酸化物又はCuとZnとAlとSiとを含有する複合酸化物からなる黒色顔料であって、該黒色顔料の黒色度(L*)が29以下で、且つ、近赤外反射率が43%以上である赤外線反射性黒色顔料、当該赤外線反射性黒色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物である。

Description

本発明は、有害な元素を含有せず、しかも、優れた赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料を得ることができる赤外線反射性黒色顔料に関するものである。
屋外で用いられている道路、建築物、備蓄タンク、自動車、船舶等は、太陽の日射によって内部温度が上昇するため、建築物及び自動車等の外観塗装を白色から淡色にすることで太陽光を反射させ、ある程度熱遮蔽効果を高めることが行われている。
しかしながら、屋外建築物の屋根などは、汚れを目立たなくするために、濃彩色から黒色を呈している場合が多く、外観塗装が濃彩色から黒色を有する建築物及び自動車等の場合には、淡色から白色の外観塗装を有する建築物及び自動車等に比べて太陽光を吸収しやすく、屋内の温度が著しく上昇する傾向にある。物品の輸送、保存に当たって、内部が高温になることは好ましいものではない。
そこで、地球温暖化防止のためのエネルギー節約という観点からも、濃彩色から黒色の外観を有する建築物及び自動車等の内部温度の上昇を抑制することが強く望まれている。
従来より、濃彩色から黒色の外観塗装を有する建築物及び自動車等の内部温度の上昇を低減するために、熱遮蔽性黒色塗料が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2007−197570号公報 特開2010−65201号公報 特開2010−150354号公報
上記の通り有害な元素を含有せず、しかも優れた赤外線反射性を有する黒色顔料としていくつかの黒色顔料が開発されているものの、これら顔料は必ずしも十分とは言えず、さらなる改良が求められている。
特許文献1〜3には、各種元素を含有する黒色顔料が記載されており、有害な元素を含有せず、しかも優れた赤外線反射性を有する。しかしながら、赤外線領域波長1500nmの反射率が十分に高いとは言い難いものである。特許文献3には、酸化第二銅と体質顔料又は白色顔料との混合物を赤外線反射顔料として用いることが記載されているが、混合物の状態では所望の特性を有するとは言い難いものである。
本発明の目的は、Cu、Zn及びSiを主成分とした複合酸化物又はCu、Zn、Si及びAlを主成分とした複合酸化物であって、黒色であって、優れた赤外線反射性を有する赤外線反射性黒色顔料を提供することである。本発明の赤外線反射性黒色顔料はCr6+やCoなどの有害な元素を含有しない。
前記目的は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、CuとZnとSiとを含有する複合酸化物からなる赤外線反射性黒色顔料であって、該黒色顔料はCu含有量が全金属元素に対して20〜98.5mol%であり、Zn含有量が全金属元素に対して1〜70mol%であり、Si含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であることを特徴とする赤外線反射性黒色顔料である(本発明1)。
また、本発明は、CuとZnとSiとAlとを含有する複合酸化物からなる赤外線反射性黒色顔料であって、該黒色顔料はCu含有量が全金属元素に対して20〜98mol%であり、Zn含有量が全金属元素に対して1〜70mol%であり、Si含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であり、Al含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であることを特徴とする赤外線反射性黒色顔料である(本発明2)。
また、本発明は、前記黒色顔料の黒色度(L)が29以下である本発明1又は2記載の黒色顔料である(本発明3)。
また、本発明は、前記黒色顔料の近赤外反射率が43%以上である本発明1〜3のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料である(本発明4)。
また、本発明は、前記黒色顔料の耐酸性が1000ppm以下である本発明1〜4のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料である(本発明5)。
また、本発明は、赤外線反射性黒色顔料の表面を、Si、Al、Zr、Ti、Zn、Pから選ばれる一種以上の元素を含む化合物又は有機系表面処理剤で表面処理されている本発明1〜5のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料である(本発明6)。
また、本発明は、本発明1〜6のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料を配合した塗料である(本発明7)。
また、本発明は、本発明1〜6のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料を用いて着色した樹脂組成物である(本発明8)。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は、Cu、Zn及びSiを含有する複合酸化物又はCu、Zn、Si及びAlを含有する複合酸化物であり、Cr6+やCoなどの有害な元素を含有しない安全な黒色顔料であって、優れた赤外線反射性を有するとともに、耐酸性にも優れるので赤外線反射性黒色顔料として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料について述べる。
また、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は、Cu、Zn及びSiを含有する複合酸化物又はCu、Zn、Si及びAlを含有する複合酸化物であり、Coなどの高価な元素を含有しないので、安価な赤外線反射性黒色顔料として好適である。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料がCu、Zn及びSiを含有する複合酸化物である場合、黒色顔料中の全金属元素に対して、Cu含有量は20〜98.5mol%、Zn含有量は1〜70mol%であり、Si含有量は0.5〜60mol%であり、Cu、Zn及びSiの合計量が100mol%となる。Cu含有量が前記範囲内であることによって、黒色度及び近赤外反射率を高くすることができる。また、Zn含有量が前記範囲内であることによって、耐酸性試験によるCu溶解量を抑制することができる。また、Si含有量が前記範囲内であることによって、容易に真比重を6.5g/cm以下とすることができ塗料化に有利である。好ましいCu含有量は24〜94mol%であり、より好ましくは28〜93mol%である。また、好ましいZn含有量は1〜59mol%であり、より好ましくは3〜58mol%である。また、好ましいSi含有量は1〜59mol%であり、より好ましくは3〜58mol%である。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料がCu、Zn、Si及びAlを含有する複合酸化物である場合、黒色顔料中の全金属元素に対して、Cu含有量は20〜98mol%、Zn含有量は1〜70mol%であり、Si含有量は0.5〜60mol%であり、Al含有量は0.5〜60mol%であり、Cu、Zn、Si及びAlの合計量が100mol%となる。Cu含有量が前記範囲内であることによって、黒色度及び近赤外反射率を高くすることができる。また、Zn含有量が前記範囲内であることによって、耐酸性試験によるCu溶解量を抑制できる。また、AlとSi含有量が前記範囲内であることによって、容易に真比重を6.5g/cm以下とすることができ塗料化に有利である。好ましいCu含有量は24〜96mol%であり、より好ましくは28〜95mol%である。また、好ましいZn含有量は1〜59mol%であり、より好ましくは3〜57mol%である。また、好ましいSi含有量は1〜59mol%であり、より好ましくは2〜58mol%である。また、好ましいAl含有量は1〜59mol%であり、より好ましくは2〜58mol%である。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は各種原料の混合物を焼成して得られるものであり、各種金属元素の化合物を混合しただけでは所望の効果は得られない。本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は原料混合物を焼成して得られた複合酸化物であればX線回折による構成相の同定によって単一相である必要はなく、複数の構成相から形成されていてもよい。
また、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は、各種原料由来の不純物が不可避的に混入してもよい。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の平均粒子径は、0.02〜5.0μmが好ましい。黒色顔料の平均粒子径が5.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下する。平均粒子径が0.02μm未満の場合には、ビヒクル中への分散が困難となる場合がある。より好ましい平均粒子径は0.025〜4.0μm、更により好ましくは0.04〜2.0μmである。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料のBET比表面積は、1〜100m/gが好ましい。BET比表面積が1m/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、着色力が低下する。一方、BET比表面積が100m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、分散性が低下する。より好ましいBET比表面積は1.5〜75m/g、更により好ましくは1.8〜65m/gである。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の黒色度を明度(L)で示した場合、29以下が好ましい。明度(L)が前記範囲外の場合には、黒色顔料とは言い難い。好ましい明度(L)は28以下、より好ましくは26以下である。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料のaは、−2〜+10が好ましい。aが前記範囲外の場合には、黒色顔料とは言い難い。より好ましくは−1〜+5である。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料のbは、−5〜+10が好ましい。bが前記範囲外の場合には、黒色顔料とは言い難い。より好ましくは−4〜+5である。
なお、これらの赤外線反射性黒色顔料の明度(L)、a、bは、黒色顔料の組成、焼成条件及び粉砕条件によって上記の範囲となるように調整できる。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の近赤外反射率は、ラッカー色見本塗膜をJIS K 5602に従い測定したときの近赤外反射率が43%以上が好ましい。近赤外反射率が43%未満では、近赤外反射率が十分に高いとは言えない。より好ましい近赤外反射率は45%以上であり、更により好ましくは46%以上である。近赤外反射率は、黒色顔料の組成、焼成条件及び粉砕条件によって上記の範囲となるように調整できる。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の真比重は4.5〜6.3g/cmが好ましい。真比重を前記範囲に制御することによって、塗料の安定性がより向上する。より好ましい真比重は4.6〜6.2g/cm、更により好ましくは4.7〜6.1g/cmである。真比重は、黒色顔料の組成によって上記の範囲となるように調整できる。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の耐酸性は、後述する評価方法によって測定したCu溶解量について1000ppm以下が好ましい。Cu溶解量が1000ppmを超える場合には、Cuが溶解しやすく、顔料が変質する。より好ましいCu溶解量は800ppm以下であり、更により好ましくは500ppm以下である。耐酸性は、黒色顔料の組成、焼成条件及び粉砕条件によって上記の範囲となるように調整できる。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の粒子の形状は、特定の形状に限定されず、球状、粒状、八面体状、六面体状、多面体状等の粒状粒子、針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子及び板状粒子等を使用することができる。得られる黒色顔料の分散性を考慮すれば、球状粒子及び粒状粒子が好ましい。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は、Si、Al、Zr、Ti、Zn、Pから選ばれる1種以上の化合物又は有機系表面処理剤を用いて赤外線反射性黒色顔料の表面を被覆することができる。表面被覆により、容易に分散性向上の効果が得られる。
Si、Al、Zr、Ti、Zn、Pから選ばれる1種以上の化合物としては、アルミニウム化合物として、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が挙げられる。ケイ素化合物として、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が挙げられる。ジルコニウム化合物として、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム塩等が使用できる。チタン化合物として、酢酸チタニウム、硫酸チタニウム、塩化チタニウム、硝酸チタニウム等のチタニウム塩等が使用できる。亜鉛化合物として、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛等の亜鉛塩等が使用できる。りん化合物として、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が使用できる。
有機系表面処理剤としては、ステアリン酸又はその塩、ロジン、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、低分子あるいは高分子界面活性剤、リン酸化合物等が挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
リン酸化合物としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、ホスホン酸等の有機リン化合物等が挙げられる。
表面処理は、用いる処理剤の種類にもよるが、通常、黒色顔料に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜8.0重量%の範囲で行う。
次に、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料の製造法について述べる。
本発明に係る複合酸化物からなる赤外線反射性黒色顔料は、各種原料を混合、焼成して得ることができる。出発原料は、前記各金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などを用いることができる。
出発原料の混合は、均一に混合することができれば、特に限定されるものではなく、湿式混合でも乾式混合でもよい。また湿式合成であってもよい。
乾式方法において、出発原料の混合撹拌に使用する機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることが好ましい。ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミルがある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサーがある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダーがある。
加熱焼成温度は500〜1100℃が好ましく、550〜1050℃がより好ましい。加熱雰囲気は大気中である。
加熱後の粉末は、常法に従って、水洗、粉砕を行えばよい。
本発明においては、赤外線反射性黒色顔料の粒子表面をSi、Al、Zr、Ti、Zn、Pから選ばれる1種又は2種以上の化合物によって被覆しておいてもよい。表面処理方法は、湿式あるいは乾式方法等の常法に従って行えばよい。例えば、湿式方法は湿式分散した赤外線反射性黒色顔料のスラリーに、Si、Al、Zrから選ばれる1種又は2種以上の可溶性化合物を、酸又はアルカリでpH調整しながら添加・混合して被覆する方法、乾式方法はヘンシェルミキサーなどの装置中で赤外線反射性黒色顔料にSi、Al、Zrから選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤などにより被覆処理する方法である。
乾式方法において、黒色顔料と表面処理剤との混合撹拌に使用する機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることが好ましい。ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミルがある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサーがある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダーがある。
次に、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を配合した塗料について述べる。
本発明に係る塗料中における赤外線反射性黒色顔料の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリング性を考慮すれば、好ましくは1.0〜100重量部である。
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水可溶性フッ素樹脂等を用いることができる。
溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
本発明の赤外線反射性黒色顔料を含有する塗料は分散性に優れる。実施例に記載の評価方法に従った再分散性が優れている場合、塗料安定化が容易(均一に分散)と評価される。
次に、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を含有する樹脂組成物について述べる。
本発明に係る樹脂組成物中における赤外線反射性黒色顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物のハンドリング性を考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部である。
本発明に係る樹脂組成物における構成基材としては、赤外線反射性黒色顔料と周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン、天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
添加剤の量は、赤外線反射性黒色顔料と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と赤外線反射性黒色顔料をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、赤外線反射性黒色顔料の凝集体を破壊し、樹脂組成物中に赤外線反射性黒色顔料を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
また本発明に係る樹脂組成物は、マスターバッチペレットを経由して得ることもできる。
本発明におけるマスターバッチペレットは、塗料及び樹脂組成物の構成基材としての結合材樹脂と前記赤外線反射性黒色顔料とを必要により、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練押出機等で混練、成形した後切断するか、又は、上記混合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して得られた混練物を粉砕又は成形、切断することにより製造される。
結合材樹脂と赤外線反射性黒色顔料の混練機への供給は、それぞれを所定比率で定量供給してもよいし、両者の混合物を供給してもよい。
本発明におけるマスターバッチペレットは、平均長径1〜6mm、好ましくは2〜5mmの範囲である。平均短径は2〜5mm、好ましくは2.5〜4mmである。平均長径が1mm未満の場合には、ペレット製造時の作業性が悪く好ましくない。6mmを超える場合には、希釈用結合材樹脂の大きさとの違いが大きく、十分に分散させるのが困難となる。また、その形状は種々のものができ、不定形及び球形等の粒状、円柱形、フレーク状等にできる。
本発明におけるマスターバッチペレットに使用する結合材樹脂としては、前記樹脂組成物用樹脂と同一の樹脂が使用できる。
なお、マスターバッチペレット中の結合材樹脂の組成は、希釈用結合材樹脂と同一の樹脂を用いても、また、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用する場合には、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮して決めればよい。
マスターバッチペレット中に配合される赤外線反射性黒色顔料の量は、結合材樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部である。1重量部未満の場合には、混練時の溶融粘度が不足し、赤外線反射性黒色顔料の良好な分散混合が困難である。200重量部を超える場合には、赤外線反射性黒色顔料に対する結合材樹脂が少ないため、赤外線反射性黒色顔料の良好な分散混合が難しく、また、マスターバッチペレットの添加量のわずかな変化によって樹脂組成物中に配合される赤外線反射性黒色顔料の含有量が大きく変化するため所望の含有量に調製することが困難となり好ましくない。また、機械摩耗が激しく適当ではない。
本発明の代表的な実施例は、次の通りである。
粒子の平均粒子径は空気透過法(フィッシャー法)により、測定した。
比表面積は、BET法により測定した値で示した。
真比重は、「乾式自動密度計 アキュピックII−1340」(マイクロメリティクス製)で測定した値を示した。
赤外線反射性黒色顔料の金属元素の含有量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
赤外線反射性黒色顔料の色相(L値、a値、b値)は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製した。塗膜片について、「色彩色差計CR−300」(コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8729に定めるところに従って表色指数(L値、a値、b値)で示した。
赤外線反射用黒色顔料の可視光領域及び近赤外線領域での波長の反射性は、上記の色相を測定するために作製した塗膜片について、「分光光度計 U−4100」(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を用いて測定を行い、250〜2500nmの波長における反射率(%)を測定した。JIS K 5602に従って780〜2500nmの波長の範囲の反射率を近赤外反射率として算出した。
赤外線反射性黒色顔料の耐酸性の評価は、JIS K5101−8の「顔料試験方法 第8部:耐薬品性」に従い、試験管に顔料2gと5%の硫酸を20ml加え、密封して良く振り、15分静置し、静置後、再び密封してよく振り、30分間静置する。静置させた後、ろ過分離後の溶液について「ICP発光分光分析装置iCAP−6500DUO」(サーモエレクトロン株式会社製)を使用して、溶解Cu量を測定した。
赤外線反射性黒色顔料を含有する塗料の分散性の評価は、次の要領で行なった。
マヨネーズビン(内容積140ml)中に、ガラスビーズ90g、黒色顔料10g、アミノアルキッド樹脂(クリヤー)16.0g、溶剤6.0g配合し、ペイントコンデイショナーで40分間分散後、更にアルミアルキッド樹脂(クリヤー)50g追加後、ペイントコンデイショナーで5分分散し、ガラスビーズと分離した。その後24時間静置し、黒色顔料を沈降させた。この沈殿物を含む塗料を撹拌機でかき混ぜたときの再分散性を観察し、塗料安定化の容易、困難を評価した。塗料安定化の容易とは、顔料が塗料内に均一に分散していることであり、困難とは、顔料の沈降及び分離(色別れ)が起きることであり、これを区別して評価した。
実施例1
各種原料化合物を下記表1に示す含有量となるように計量、混合し、電気炉を使用し、900℃で1時間焼成した。焼成品を粉砕して赤外線反射性黒色顔料を得た。得られた赤外線反射性黒色顔料は、X線回折の結果、Cu、Zn及びSiを含む複合酸化物であり、BET比表面積4.0m/g、平均粒子径1.5μmの黒色顔料であった。
この顔料をラッカー色塗りし、色見本試料を作製し、U−4100日立分光光度計を用いて波長250nm〜2500nm範囲で反射率を測定した。結果は、波長780〜2500nmにおける近赤外反射率が60.3%であった。
実施例2
各種原料を酸性水溶液に溶解した後、アルカリ水溶液で中和して前駆体を湿式法で合成した後、800℃で2時間焼成した以外は前記実施例1と同様にして黒色系顔料を得た。
実施例3、4
原料組成及び焼成温度を変化させた以外は、実施例1と同様にして黒色顔料を得た。
実施例5
原料組成及び焼成温度を変更した以外は前記実施例1と同様にして黒色顔料を得た。次いで、得られた黒色顔料を水中に湿式分散させ、70℃に保温した黒色顔料のスラリーに対し水ガラス1.0wt%を滴下しながら塩酸及び水酸化ナトリウムでpH7に調整し1時間維持した。その後、水洗・脱水・乾燥・粉砕処理した。
実施例6、7、8
原料組成及び焼成温度を種々変更するとともに、種々の表面処理剤を乾式混合した以外は前記実施例1と同様にして、黒色顔料を得た。
比較例1〜3
比較例1では、日進ケムコ製 酸化銅NBを用いた。比較例2は、比較例1の酸化銅NBとZnCOとの混合物であり、比較例3は、比較例1の酸化銅NBとZnCOとSiOの混合物であり、比較例4は比較例1の酸化銅NBとZnCOとSiOとAl(OH)との混合物である。
赤外線反射性黒色顔料の製造条件を表1に、得られた赤外線反射性黒色顔料の諸特性を表2に、塗料及び塗膜の特性を表3に示した。
実施例から明らかなとおり、本発明に係る赤外線反射顔料は、キャストコート紙のような下地が白色の場合に優れた近赤外反射率を有するものであることが確認された。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料は、赤外線反射性に優れ、かつ、Cr6+、Coなどの有害な元素を含まないので安全な赤外線反射性黒色顔料として好適である。
また、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を含有する樹脂組成物は、赤外線反射性に優れるので、樹脂組成物を公知の方法でシート又はフィルムとすることで、以下のような用途に利用することができる。
本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を含有する樹脂組成物から得られるシートは、黒色であるので農業用マルチシートに利用すれば、雑草の発生、育成を防止することが可能であり、さらに赤外線反射性に優れるので地面の温度上昇を抑えることが可能であり、黒色の農業用マルチシートとして好適に使用することができる。
同様に、本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を含有する樹脂組成物から得られるシートは太陽電池のバックシートに好適に使用することができる。太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子の表裏面がカバー材料で保護されている。太陽電池素子の裏面を保護するバックシートは、電力変換効率の点から高い反射性を有し、意匠の点から黒色を有するバックシートが好ましい。さらに太陽電池素子は高温になるほど発電効率が低下する。本発明に係る赤外線反射性黒色顔料を含有する樹脂組成物から得られるシートは、太陽電池のバックシートとして必要な特性を十分に備え、太陽電池のバックシートとして好ましい。

Claims (8)

  1. CuとZnとSiとを含有する複合酸化物からなる赤外線反射性黒色顔料であって、該黒色顔料はCu含有量が全金属元素に対して20〜98.5mol%であり、Zn含有量が全金属元素に対して1〜70mol%であり、Si含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であることを特徴とする赤外線反射性黒色顔料。
  2. CuとZnとSiとAlとを含有する複合酸化物からなる赤外線反射性黒色顔料であって、該黒色顔料はCu含有量が全金属元素に対して20〜98mol%であり、Zn含有量が全金属元素に対して1〜70mol%であり、Si含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であり、Al含有量が全金属元素に対して0.5〜60mol%であることを特徴とする赤外線反射性黒色顔料。
  3. 前記黒色顔料の黒色度(L)が29以下である請求項1又は2記載の黒色顔料。
  4. 前記黒色顔料の近赤外反射率が43%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料。
  5. 前記黒色顔料の耐酸性が1000ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料。
  6. 赤外線反射性黒色顔料の表面を、Si、Al、Zr、Ti、Zn、Pから選ばれる一種以上の元素を含む化合物又は有機系表面処理剤で表面処理されている請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料を配合した塗料。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線反射性黒色顔料を用いて着色した樹脂組成物。
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