以下、本発明に係る折り畳みテーブルについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る折り畳みテーブルは、例えば、車両用インテリアとして適用され、取付対象であるシートに設置される。具体的には図1に示すように、折り畳みテーブル10は、後部座席の手前にあるシートS(前部座席)の背面に折り畳み可能に取り付けられ、後部座席に乗り込む搭乗者(以下、ユーザともいう)が車内に持ち込む物品(携帯機器や飲み物等)を載置又は保持する。なお、折り畳みテーブル10の取付対象は、車内のシートSに限定されず、運輸機器(鉄道、船舶、航空機等)の座席の手前や施設(劇場、スタジアム、待合い場所等)の座席の手前のように、ユーザが長い時間待機する箇所に設置するとよい。
図2に示すように、折り畳みテーブル10は、シートSに対して回動自在なテーブル本体部12を備える。すなわち、本明細書における「折り畳み」とは、取付対象に対するテーブル本体部12の回動により成すものである。折り畳みテーブル10の未使用時には、図2中の2点鎖線で示すように、テーブル本体部12がシートSの背面に沿うように配置され、収納状態(折り畳み状態)となる。折り畳みテーブル10の使用時には、図2中の実線で示すように、テーブル本体部12がシートSの背面から離れて略水平の展開状態となる。物品は、展開状態のテーブル本体部12に載置又は保持される。
このような折り畳みテーブル10は、多くの使用機会が見込まれ、ユーザが操作し易く、充分な耐久性があり、また持ち込み物を安定的に支持し得る構造であることが重要となる。このため、本実施形態に係る折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12の他に、カバー14、カップホルダ16及び折り畳み機構部18を備える。以下、本折り畳みテーブル10の各構成について具体的に説明していく。
なお、以降の説明では、特に指示のない限り、図1の矢印の図示に応じて、展開状態の折り畳みテーブル10を基準に各構成の位置や方向等を記述する。すなわち、図1中において、折り畳みテーブル10が設けられているシートS側を前側(前方向)といい、シートSと反対位置でユーザが座る側を後側(後方向)という。また、図1中において、斜め右方を右側(右方向)、その反対の斜め左方を左側(左方向)、上方を上側(上方向)又は下方を下側(下方向)という。
折り畳みテーブル10は、基本的に、テーブル本体部12の左右方向中心部を中心線として、左右対称に形成されている。テーブル本体部12は、平板状に形成され、図3に示す平面視で、左右方向に長い辺(前辺20、後辺22)を有し、前後方向に短い側辺24を有する長方形状を呈している。テーブル本体部12の左右幅は、シートSの左右幅に応じて適宜設計されればよい。或いは、テーブル本体部12は左右幅より前後幅が長くてもよい。
テーブル本体部12の各辺20、22、24同士が交わる角部は、曲率半径が大きい丸角に形成される。また、テーブル本体部12の前辺20は、シートSへの取付部分及び回動部分を構成するため、側辺24及び後辺22の幅に比べて前後幅が幅広に形成される。さらに、前辺20は、側辺24の前寄りで前方向且つ斜め内側に傾斜する傾斜辺26に連なることで、左右幅が後辺22より多少幅狭に形成されている。
このテーブル本体部12を構成する材料は、特に限定されるものではないが、ユーザの操作性向上のため軽量なものを選択することが望ましい。この場合、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料を適用するとよい。
テーブル本体部12の内側は、薄い板厚の板状壁部28となっている。テーブル本体部12の外周(前辺20、側辺24、後辺22)は、板状壁部28に連なって板状壁部28よりも上方向に若干突出する囲み部30と、囲み部30の外縁から下方向に屈曲し囲み部30の突出量よりも大きな突出量で突出する外周壁32とで構成される(図9も参照)。この外周壁32がテーブル本体部12の略全周にわたって形成されることで、テーブル本体部12は、外周壁32の内側且つ裏面側部分を概ね中空状としている。これによりテーブル本体部12の軽量化が図られる。
テーブル本体部12の板状壁部28は、表面における前後方向の前部側及び中間部側を平坦状に形成している。そして、板状壁部28の左右両側には、一対のカップ用穴部34が設けられている。各カップ用穴部34は、ユーザにより物品(特に飲み物容器)が挿入され、カップホルダ16と協働してこの物品を保持する。すなわち、このテーブル本体部12は、複数のユーザが後部座席に搭乗することが勘案されて、2つの飲み物を保持可能としている。なお、カップホルダ16及びカップ用穴部34は、テーブル本体部12に1つ又は3以上設けられてもよいことは勿論である。各カップ用穴部34は、例えば、一辺が70〜90mmの長さの正方形状に形成される。これにより、各カップ用穴部34は、種々の飲み物容器(500ml前後のペットボトル、缶、カップ等)に対応可能な汎用性を有する。
各カップ用穴部34の周縁部34aは、周囲で平坦状に形成されている板状壁部28に対し下方向に僅かに窪んでいる。そのためカップ用穴部34の周縁部34a付近の剛性が高められる。また、周縁部34aは下方向に向かって穴を狭めるテーパ状に形成されており、持ち込み物の挿入を容易にする。さらに、各カップ用穴部34の周縁部34aの前後左右の角部は丸角に形成されている。
板状壁部28の後部側は、平坦状の前部側及び中間部側に対し後方向に向かって下側に緩やかに傾斜した傾斜窪み部36に形成される。一方、囲み部30は、板状壁部28の前部側、中間部側及び傾斜窪み部36を枠状に囲って突出し、板状壁部28に置かれた物品を落とし難くする。特に、板状壁部28の傾斜窪み部36及び後辺22は、後部側に置かれた物品を引っ掛けて、テーブル本体部12の後側からの落下を抑制する。
前辺20の左右両側寄りには、カップ用穴部34の一辺よりも小幅且つ所定の奥行きを有する装着用凹部38が一対設けられている。一対の装着用凹部38には、テーブル本体部12をシートSに回動自在に支持する軸支部材40(軸支部)が各々配置される。
図2〜図4に示すように、一対の軸支部材40は、テーブル本体部12の装着用凹部38内に挿入される軸支基部42と、この軸支基部42の下側に連なって突出しシートSに締結される突出固定部44とを有する。軸支基部42は、装着用凹部38よりも僅かに小幅に形成され、その後側が円弧を描くように突出形成される。この軸支基部42の内部には、左右方向に延びる軸受孔42a(図4参照)が設けられている。軸受孔42aは、軸支基部42の両側面を貫通し、後述するワイヤフレーム46が挿入される。軸支基部42と装着用凹部38の隙間には、摩擦力が大きいワッシャ(図示せず)が配置されるとよい。
突出固定部44は、軸支基部42よりも薄く形成されると共に、軸支基部42に滑らかに連なっている。突出固定部44の上下左右方向中心部には、図示しない締結ボルトが挿入される締結用孔部44aが形成される。このように構成された軸支部材40は、締結用孔部44aに挿入された締結ボルトによりシートSに強固に固定され、軸支基部42においてワイヤフレーム46を介してテーブル本体部12を軸支する。
図4に示すように、テーブル本体部12の裏面(下面)には、剛性を向上するために、ワイヤフレーム46及びカバー14が設けられる。このため、テーブル本体部12の背面には、図5に示すように、ワイヤフレーム46を支持するリブ48と、カバー14を取り付けるためのボス部50(位置決め凸部)とが一体成形されている。リブ48は、テーブル本体部12の囲み部30に重なる位置に(すなわち、外周に沿って)複数設けられ、板状壁部28と外周壁32の間で囲み部30により谷状となった箇所を横切るように形成される。このリブ48は、囲み部30の内側と外周壁32の内側に直交して連なることにより、囲み部30及び外周壁32を補強する。
また、リブ48は、外周壁32及びボス部50よりも低い突出量で、テーブル本体部12の裏面から下方向に突出し、その突出端部48aがワイヤフレーム46に接触する。そして、このリブ48は、折り畳みテーブル10の組立時に、ワイヤフレーム46が押し付けられることで変形して、ワイヤフレーム46を配置する変形部となっている。このようにワイヤフレーム46の押込みに伴いリブ48を変形させることで、リブ48がワイヤフレーム46の形状に合うようになりワイヤフレーム46の位置ずれを良好に防ぐことができる。なお、リブ48の突出端部48aは、ワイヤフレーム46の配置部分を未配置部分よりも低くなる形状に元々形成しておいてもよい(図9参照)。これによりワイヤフレーム46の配置が一層容易となる。
一方、ボス部50は、テーブル本体部12の外周壁32に沿って複数(本実施形態では12個)設けられる。この場合、折り畳みテーブル10の左右対称に対応して、テーブル本体部12の左右方向中心部を基準に、6個のボス部50が左右対称位置に配置される。具体的には、前辺20近くで装着用凹部38を挟む第1、第2ボス部50A、50Bと、側辺24近くで若干前寄りに位置する第3ボス部50Cと、側辺24と後辺22の角部近くの第4ボス部50Dと、後辺22に沿う第5、第6ボス部50E、50Fとを含む。第1、第2ボス部50A、50Bは幅広な前辺20に設けられる一方、第3〜第6ボス部50C〜50Fは、囲み部30に隣接した板状壁部28に設けられる。また、第2ボス部50Bは、カバー14の締結と共に、後述する押さえ部材74を位置決めする位置決め突起となっている。さらに、第6ボス部50Fは、カバー14の締結に伴い折り畳み機構部18を一体的に締結する(共締めする)構成となっている。
第1〜第6ボス部50A〜50Fは、中心部に雌ネジ孔52aを有する円筒部52と、円筒部52の外周面から円筒部52の径方向外側に放射状に突出する複数のボス用支持リブ54とにより構成される。円筒部52の雌ネジ孔52aには、折り畳みテーブル10の組立状態で、カバー14を通して締結ネジ56(図4参照)がねじ込まれる。ボス用支持リブ54は、板状壁部28又は囲み部30に連なることで円筒部52の直立姿勢を補強する。
また、テーブル本体部12の前辺20で装着用凹部38を構成する部分は、外周壁32に連なると共に、この外周壁32を屈曲して後方向に突出する一対の支持壁58となっている。一対の支持壁58は支持壁用リブ60により直立状態が補強されている。そして、一対の支持壁58には、ワイヤフレーム46を挿通及び支持する支持溝58aが切り欠かれている。
さらに、一対の支持壁58よりも後側には、カップホルダ16を回動可能に軸支する一対の軸支片62(軸支部)が突出形成されている。一対の軸支片62は、左右方向に充分な厚みを有する板状に形成され、その中央部には軸支孔62aが厚み方向に沿って設けられている。各軸支片62は、該軸支片62と板状壁部28に連なる軸支片用リブ64により直立状態が補強されている。また、一対の軸支片62の間且つ前側には、カップホルダ16が接触する当接用リブ66が形成されている。当接用リブ66は、軸支片62に比べて低く形成され、左右方向に延在する線分当接部66aと、線分当接部66aの左右両端で前側に設けられる十字状を呈する十字当接部66bとにより構成される。
またさらに、一対のカップ用穴部34の内側位置には、カバー14を組み付ける際に、カバー14を位置決め及び仮留めする一対の被取付部68が設けられている。被取付部68は、後述するカバー14のフック部122と共に相互を固定する固定機構67を構成している。被取付部68は、図11に示すように直方形状を呈し、内側部分を開口させた3方の壁と、各壁の突出端部に連なる係合壁69とにより構成される。これにより被取付部68は、充分な強度を有して板状壁部28に連なる。被取付部68の係合壁69には、被係止口69aが形成されており、この被係止口69aにはカバー14のフック部122が係止される。
さらにまた、板状壁部28は、一対の被取付部68の内側に、折り畳み機構部18をねじ止めするための一対の機構用ネジ止め部70と、折り畳み機構部18を取り付ける際の位置決め部として働く突起72とを有する。機構用ネジ止め部70はボス部50と同様の形状に形成される。なお、図示は省略するものの、板状壁部28には、板状壁部28の剛性を高めるため、前後方向や左右方向にわたって線状に延びる補強用リブが複数並設されてもよい。
上記のテーブル本体部12の裏面側には、図6に示すように、組立に伴いワイヤフレーム46(補強部)が配置される。ワイヤフレーム46は、軸方向断面視で円形状の棒状部材であり、テーブル本体部12の外周に沿って1本で連続するように設けられる。すなわち、ワイヤフレーム46は、テーブル本体部12の面方向に対応して、周回部が同一平面状に形成される。
ワイヤフレーム46は、テーブル本体部12を充分に補強し得るように、構成材料によって中実状に形成されると共に、充分な太さを有し簡単に塑性変形しない構成であることが好ましい。ワイヤフレーム46の構成材料は、特に限定されるものではないが、硬質性を有する金属材料を適用するとよい。例えば、金属材料としては、鉄、鉄合金、合金鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル合金、マグネシウム合金等が挙げられる。なお、ワイヤフレーム46は、金属材料だけでなく樹脂材料により構成されてもよい。また、ワイヤフレーム46は、中実状に限定されず、内部に空洞部を有する管状に形成されていてもよい。
このワイヤフレーム46も、テーブル本体部12に合わせて左右対称に形成される。具体的に、ワイヤフレーム46は、後辺延在部46a、後側傾斜部46b、側辺延在部46c、前側傾斜部46d及び前辺軸部46eにより構成される。
後辺延在部46aは、組立状態で、テーブル本体部12の後辺22に位置し、この後辺22に沿って直線状に長く延在する部位であり、左右両端部には後側傾斜部46bが連なる。後側傾斜部46bは、後辺延在部46aから所定角度屈曲して短く延びる部位であり、後辺延在部46aの連結端部と反対側の端部には側辺延在部46cが連なる。側辺延在部46cは、テーブル本体部12の側辺24に位置し、この側辺24に沿って直線状に延在する部位であり、後辺延在部46aに対して直交する方向に傾いている。この側辺延在部46cの後側傾斜部46bの連結端と反対側の端部には前側傾斜部46dが連なる。前側傾斜部46dは、側辺延在部46cから所定角度屈曲して短く延びる部位であり、側辺延在部46cの連結端の反対側の端部には前辺軸部46eが連なる。前辺軸部46eは、テーブル本体部12の前辺20に位置し、この前辺20に沿って短く延びる部位であり、側辺延在部46cに対して直交する方向に傾いている。
前辺軸部46eは、テーブル本体部12の一対の支持壁58の支持溝58aを通って、両支持壁58を架橋するように配置される。換言すれば、ワイヤフレーム46は、装着用凹部38内でテーブル本体部12の回動用の軸部を構成する。折り畳みテーブル10は、組立時に、軸支部材40の軸受孔42aに前辺軸部46eを挿通することで、軸支部材40がワイヤフレーム46を回動自在とする。そして、ワイヤフレーム46を一対の支持壁58の支持溝58aに配置し、軸支部材40を装着用凹部38に配置した状態でカバー14を被せることにより、軸支部材40がテーブル本体部12を回動可能に支持する。
また、ワイヤフレーム46をテーブル本体部12に配置する際には、第2〜第6ボス部50B〜50Fによりワイヤフレーム46を位置決めすることが可能である。詳細には、第2ボス部50Bの内側に前側傾斜部46dが位置し、第3ボス部50Cの外側に前側傾斜部46d及び側辺延在部46cの連結部分が位置するように配置される。さらに、第4ボス部50Dの内側に後側傾斜部46bが位置し、第5及び第6ボス部50E、50Fの外側に後辺延在部46aが位置するように配置される。つまり、第2〜第6ボス部50B〜50Fは、ワイヤフレーム46の延在方向側面の内側と外側を挟むように設けられ、ワイヤフレーム46がテーブル本体部12の面方向に位置ずれすることを強固に抑止する。これによりワイヤフレーム46は、外周壁32に直接接触しない構成となる。
テーブル本体部12のリブ48は、組立時におけるワイヤフレーム46の押し込みに伴い、微量に変形しつつ突出端部48aにてワイヤフレーム46を支持する。その結果、ワイヤフレーム46は、囲み部30(前辺20、側辺24、後辺22)からも所定間隔離れて配置される。よって、ワイヤフレーム46が板状壁部28、囲み部30及び外周壁32に直接接触することがなく、ワイヤフレーム46自体の振動による板状壁部28、囲み部30及び外周壁32の破損を回避することができる。
また、テーブル本体部12には、組立状態で、各傾斜辺26の前辺20寄り且つ各装着用凹部38の外側に、一対の押さえ部材74が取り付けられる。一対の押さえ部材74は、軸心部が左右方向に向くように設けられ、ユーザにテーブル本体部12の回動基点を認識させる(図2も参照)。この押さえ部材74は、図7に示すように、円盤状の頭部76と、頭部76に連なり所定長さ突出する円柱部78と、円柱部78に連なりワイヤフレーム46を実際に押さえる押さえ部80とを含む。頭部76及び円柱部78の一部は、一対の傾斜辺26の露出孔26aを介して外側に露出される。
押さえ部80は、円柱部78に連なると共に円柱部78よりも大きな外形に形成された装着部82と、装着部82の一方面(下面)に連なり円柱部78の軸心に沿って延びる平板突部84とを有する。装着部82には、上下方向に沿って装着孔86が形成され、押さえ部材74はこの装着孔86を第2ボス部50Bの円筒部52に嵌め込むことでテーブル本体部12に組み付けられる。
また、装着部82は、円柱部78の連結部分と反対側の端部側が略三角状に形成され、平面視で、2等辺を呈する一対の端面82a(面部)を有する。一対の端面82aのうちの一方は、ワイヤフレーム46の前辺軸部46eに対する前側傾斜部46dの傾斜角度に沿うように、例えば押さえ部材74の軸心に対し30°〜60°の範囲で傾いて形成される。これにより端面82aがワイヤフレーム46の前側傾斜部46dに対向し、ワイヤフレーム46が振動した際には、この端面82aにおいてワイヤフレーム46を受けることができる。
平板突部84は、端面82aよりも大きく突出して支持壁58に近接する位置に至る。平板突部84は、テーブル本体部12との間に空間部を形成し、この空間部にワイヤフレーム46を配置する。この平板突部84は、ワイヤフレーム46の外周面に接触してワイヤフレーム46をテーブル本体部12側に押さえつけることで、ワイヤフレーム46の上下方向の振動を抑制する。
すなわち、押さえ部材74は、ワイヤフレーム46の前辺軸部46e付近において、ワイヤフレーム46の動きを押さえる。これにより、折り畳みテーブル10の回動軸として機能するワイヤフレーム46に対し、テーブル本体部12を安定的に回動させることができる。
なお、テーブル本体部12を補強する補強部は、上記のワイヤフレーム46の構成に限定されるものではない。例えば、ワイヤフレームは、プレート状(軸方向断面視で四角形状又は多角形状)に形成されたものを適用してよい。また、テーブル本体部12の射出成形時に、ワイヤフレーム46を予め配置して射出成形(インサート成形)を行い、テーブル本体部12とワイヤフレーム46を一体成形した構成でもよい。インサート成形では、ワイヤフレーム46を適用せずに、テーブル本体部12の構成材料と異なる材料(例えば硬質性が高い材料)からなるもので一体成形を行って補強部を構成してもよい。さらに、補強部は、例えば、前辺20、側辺24、後辺22等に対応するように分離して、部分毎に補強する構成でもよい。
図4に戻り、テーブル本体部12に取り付けられるカバー14は、テーブル本体部12の裏面側を部分的に覆う構成となっている。このカバー14は、平坦状に形成された底部88と、底部88の側縁に連なり底部88から湾曲しつつ上方向に突出した湾曲壁部90とを含む浅底の椀状に形成される。カバー14の構成材料としては、テーブル本体部12の構成材料で挙げたものを良好に適用し得る。
湾曲壁部90の外周側の突出高さは、内側に比べて低く設定され、図8に示すように、この湾曲壁部90の上端部には嵌込壁92が形成される。嵌込壁92は、湾曲壁部90に対し外周側が切削されて薄肉の板状を呈し、湾曲壁部90の延在方向に沿って連続する。また、嵌込壁92は、図9に示すように、その断面形状が、湾曲壁部90に連なる基部側の肉厚が厚い一方、突出端部側の肉厚が薄い三角形状に形成され、外周面側がテーパ面となっている。この嵌込壁92は、折り畳みテーブル10の組立状態で、テーブル本体部12の外周壁32の内側に挿入される。
ここで、テーブル本体部12は、複数のリブ48と外周壁32の接触部及びその近傍部を切り欠かくことで、嵌込溝94(隙間)を有している。この嵌込溝94には、テーブル本体部12とカバー14の嵌め込みに伴い、カバー14の嵌込壁92が挿入される。これにより、折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12とカバー14の面方向の位置ずれが抑止されて、外周壁32と湾曲壁部90が良好に接触支持し合う。
また、図8に示すように、カバー14にも、底部88の上方向に突出するカバー用リブ96が複数設けられている。各カバー用リブ96は、底部88を挟んで連なる一対の湾曲壁部90の間を延在するようにカバー14に一体成形される。カバー用リブ96の突出高さは、テーブル本体部12のリブ48と同様に、ワイヤフレーム46の配置部分と未配置部分とで、突出端部の高さが変わるように形成される。これにより、テーブル本体部12と協働してワイヤフレーム46を容易に配置することができる。
カバー14は、平面視で、テーブル本体部12の後辺22に沿って延在する後側被覆部100と、後側被覆部100から前方向に延びてカップ用穴部34の周辺を覆う一対の部分被覆部102とを含む。後側被覆部100は、テーブル本体部12の後辺22、及び後辺22と側辺24の角部と同形状に形成され、テーブル本体部12の後辺22側に配置されるワイヤフレーム46を被覆する。この後側被覆部100(底部88)の所定位置には、各一対の第4〜第6ボス部50D〜50Fに対応する複数(合計6つ)のネジ用孔部104が形成されている。カバー14の裏面側でネジ用孔部104の周辺部には、底部88の他の部分よりも内部側(上方向)に突出した座106が形成されている。この座106には折り畳みテーブル10の組立状態で締結ネジ56の頭部が配置される。
さらに、後側被覆部100は、左右方向中間部で、折り畳み機構部18の後部を覆う後側幅広被覆部108と、後側幅広被覆部108の両側に連なり後側幅広被覆部108よりも前後方向に短い幅に形成された一対の後側幅狭被覆部110とを含む。
後側幅広被覆部108は、該後側幅広被覆部108の前後方向略中間部に、左右方向の所定長さにわたって凸部112を有する。凸部112は、後側被覆部100の剛性を高めると共に、折り畳みテーブル10の収納状態で、シートS側に接触可能であり、カップホルダ16にかかる衝撃を緩和する。なお、後側幅広被覆部108(特に凸部112)の上面側には、後述する折り畳み機構部18の本体側取付部材160にカバー14を位置決め及び仮留め可能な係止部(図示せず)を備えているとよい。
後側幅狭被覆部110は、後側幅広被覆部108の左右両側でカップホルダ16の設置位置に対応して幅狭に形成されることで、その前方部にカップホルダ16を収容可能な収容空間114を構成する。
一方、一対の部分被覆部102は、左右一対のカップ用穴部34に応じて互いに対称形状に形成されている。各部分被覆部102は、カップホルダ16を収容するために、カップホルダ16の外側を迂回する側部被覆部116と、カップホルダ16の内側を迂回する内側被覆部118とに分かれる。側部被覆部116と内側被覆部118の間に上記の収容空間114が形成される。
側部被覆部116は、後側被覆部100からテーブル本体部12の側辺24に沿って延び、さらにテーブル本体部12の前辺20に至る。側部被覆部116の左右方向の幅は、ワイヤフレーム46を覆う程度に比較的狭く形成される。側部被覆部116の前寄りの途中位置には、ネジ用孔部104が形成されている。側部被覆部116は、延出前部においてもう1つのネジ用孔部104を有すると共に、内側方向に向かって装着用凹部38に対応する位置まで突出する前部被覆部120(被固定部)を備える。
内側被覆部118は、側部被覆部116よりも左右方向の幅が広く形成され、カップ用穴部34の周辺部を通って前方向に向かう。この内側被覆部118の前後方向中間部には、上方向に突出するフック部122が設けられる。フック部122は、テーブル本体部12の被係止口69aに対応する位置に形成され、被係止口69aの挿入状態で左右外側方向に向かって屈曲する爪部122aが係合壁69に引っ掛かる構成となっている。
また、内側被覆部118の延出前部には、外側方向に僅かに突出する前部被覆部120(被固定部)が設けられ、この前部被覆部120にネジ用孔部104が形成されている。さらに、内側被覆部118の前側付近の内縁、つまり前部被覆部120の反対側は、部分被覆部102を切り欠いた切り欠き部124となっている。一対の部分被覆部102は、一対の切り欠き部124によりカバー14の前部側中央部を幅広な空間としている。
図4に示すように、折り畳みテーブル10の組立状態では、一対のカップホルダ16が一対の部分被覆部102の収容空間114に位置する状態となって、カバー14がテーブル本体部12に装着される。カバー14の装着時には、内側被覆部118に設けられたフック部122が被取付部68に挿入されて引っ掛かり、先にテーブル本体部12にカバー14を仮留めする。この仮留め状態では、カバー14の各ネジ用孔部104と第1〜第6ボス部50A〜50Fが上下方向に重なり、締結ネジ56によるねじ止めを簡単に行うことができる。
カバー14は、締結ネジ56により第1〜第6ボス部50A〜50Fにねじ止めされた状態で、テーブル本体部12に強固に固定され、テーブル本体部12の剛性を高める。特に、前部被覆部120によりテーブル本体部12の前辺20を固定する(ねじ止め)ことで、テーブル本体部12の回動部分の剛性を高めることができる。また、部分被覆部102によりカップホルダ16の周囲を覆うことで、物品から負荷がかかり易いカップホルダ16周辺の剛性を重点的に高め、その他の部分を覆わないことで軽量化を促進する。さらに、後側被覆部100及び側部被覆部116によりワイヤフレーム46を覆うことによりワイヤフレーム46を隠すので、折り畳みテーブル10の美観が向上する。
次に、折り畳みテーブル10のカップホルダ16について説明する。カップホルダ16は、図2に示すように、テーブル本体部12に回動自在に取り付けられ、ユーザの操作により、収容状態と、物品の保持可能状態とに移行する。収容状態では、カップホルダ16が全体的にテーブル本体部12側に位置し、その大部分がカバー14の収容空間114(図4参照)に配置される。なお、テーブル本体部12のカップホルダ16の回動遠位端が接触する位置には、カップホルダ16の収容時の衝撃を和らげるスポンジ等の緩衝部材126が配置されるとよい(図4参照)。逆に、保持可能状態では、カップホルダ16が上端部を基点に回動することで、回動遠位端がテーブル本体部12から所定間隔離間する。
具体的に、カップホルダ16は、図6及び図10に示すように、略四角形状に形成されたホルダ本体部130と、このホルダ本体部130の一辺に連なって延びテーブル本体部12に接続される延在部132とを含む。
ホルダ本体部130は、延在部132を回動基点として回動し、テーブル本体部12の裏面に対し接触(近接)又は離間する。ホルダ本体部130は、このホルダ本体部130の外周縁を構成する外側枠部134と、外側枠部134の内側で平坦状に形成され物品の底部88を接触支持する支持板部136とを含む。また、ホルダ本体部130の外側枠部134の内側に囲まれた部分且つ支持板部136の前方部には、略長方形状の空間部138が形成されている。
外側枠部134は、カップ用穴部34の周縁に応じた形状に形成され、遠位側に位置する支持板部136を安定的に支持するために、部位に応じて適宜な厚みを有するように構成される。具体的には、支持板部136の外周縁に連なり低く突出する先端低壁部140と、先端低壁部140に連なり先端低壁部140よりも上下幅が大きい一対のアーム壁部142と、アーム壁部142に連なり延在部132に連結される連結壁部144とを有する。
先端低壁部140は、支持板部136に対し斜め上方向に広がるように突出し、その前側に支持板部136が連なる。この先端低壁部140がカップホルダ16の回動遠位端に相当する。先端低壁部140は、斜めに形成されていることで、カップ用穴部34に挿入される物品を支持板部136に誘導し、支持板部136からの位置ずれを抑制する。
一対のアーム壁部142は、支持板部136及び先端低壁部140に対して所定角度(例えば、120°〜150°)傾いて連なると共に、連結壁部144に向かって所定長さ延びている。これら一対のアーム壁部142の間に空間部138が形成される。空間部138は、物品の外形に関わらずカップホルダ16に載置される物品を許容するために設けられる。一対のアーム壁部142の下部側には、弧状を描いて内側(空間部)に若干突出する支持補強部142aが形成されている。
連結壁部144は、アーム壁部142の近位端に連なり左右方向に延在し、その上下幅は、アーム壁部142の上下幅よりも大きく設計されている。連結壁部144の空間部138を構成する周面は、空間部138に対して所定角度(例えば120°〜150°、すなわち支持板部136に対し略90°)傾いている。連結壁部144の空間部138と反対側の周面には、延在部132の側壁148が連なる一方、連結壁部144の上縁部には延在部132の上壁146が連なる。
延在部132は、一対のアーム壁部142の延在方向に沿って直線状に延在し、その近位端側がテーブル本体部12に回動自在に連結されることで、ホルダ本体部130を支持する。この延在部132は、平板状の上壁146と、上壁146の下面側に連なり下方向に所定高さ突出する側壁148とを有する。
上壁146は、その遠位端が連結壁部144の上縁部に応じて幅広に形成され、上方向に向かって徐々に幅狭となり、途中位置から同じ幅で上方向に延在している。上壁146の上端には、カップホルダ16の保持可能状態(ホルダ本体部130がテーブル本体部12から離れた状態)で、テーブル本体部12の裏面に接触するストッパ部150が設けられている。
ストッパ部150は、上壁146に対して所定角度(例えば、210°〜230°、すなわち支持板部136と平行となるように)屈曲して連結されている。このストッパ部150の上面は平坦状に形成される。また図11に示すように、ストッパ部150の下面には一対のホルダ側リブ152が設けられる。一対のホルダ側リブ152は、上壁146の裏面側に一体成形され、連結壁部144とストッパ部150の間を直線状に延びている。これにより、ホルダ側リブ152は、上壁146及びストッパ部150を補強して、上下方向の負荷に対する変形を抑制する。
図10及び図11に示すように、上壁146の上部寄りで左右方向中央部、つまり一対のホルダ側リブ152の間には、上壁146の内側への変位を促すスリット154(変形促進部)が切り欠かれている。スリット154は、所定(例えば、上壁146の幅に対して1/6〜1/9程度)の幅に設計され、ストッパ部150から後述するホルダ側凸部156の形成位置よりも下側位置まで形成される。
一方、一対の側壁148は、上壁146の上側の縁部から下方向に所定量で突出し、各側壁148の下側もこの上壁146の上側の左右幅で連結壁部144まで平行に延びて連結されている。各側壁148の上端寄りには、ホルダ側凸部156(回転支持部)が幅方向外側に突出形成されている。一対のホルダ側凸部156は、スリット154の半分の幅よりも短い寸法で側壁148から突出する。
カップホルダ16は、組立時に、ホルダ側凸部156の周囲に摩擦力を向上するワッシャ(図示せず)が嵌められ、このホルダ側凸部156を一対の軸支孔62aに挿入することで、各軸支片62に支持される。このワッシャにより、カップホルダ16は、テーブル本体部12に対し比較的強い摩擦力で支持される。従って、カップホルダ16は、ユーザがカップホルダ16を回動操作しない状態で、テーブル本体部12との相対的な位置(姿勢)を維持する。また、カップホルダ16は、回動により支持板部136がテーブル本体部12の面方向に対して平行になった段階で、ストッパ部150がテーブル本体部12の裏面側に接触して、それ以上の回動が規制される。
上述したように、テーブル本体部12の裏面には、当接用リブ66(線分当接部66a及び十字当接部66b)が一体成形されている(図5も参照)。展開状態では、ストッパ部150が線分当接部66aに接触し、側壁148の上端部が十字当接部66bに接触する。これによりカップホルダ16の回動が、当接用リブ66において規制される。
また、カップホルダ16は、強い外力(回動操作、引っ張り、衝撃、或いはカップホルダ16に重量物を載置する等の負荷)が加わった際に、スリット154により上端部が回転軸方向の内側に容易に撓む。これにより、ホルダ側凸部156が軸支片62の軸支孔62aから抜けて、テーブル本体部12からカップホルダ16が比較的容易に外れる。
なお、カップホルダ16を変形させる変形促進部は、スリット154に限定されるものではなく、上壁146に穴を設ける又は薄肉部を設ける等の種々の構成を適用することができる。特に、変形促進部(スリット154、穴、薄肉部等)は、カップホルダ16の縁部に連なるように(開口等を有するように)設けられることが好ましい。これにより、カップホルダ16の縁部から変形を促すことができスムーズな変形がなされる。
次に、折り畳みテーブル10の折り畳み機構部18について、図12〜図14を参照して説明する。折り畳み機構部18は、テーブル本体部12をシートSに対し回動可能(収納状態と展開状態に移行可能)に支持する構造部となっている。この折り畳み機構部18は、本体側取付部材160と、支持フレーム162と、シート側取付部材164(連結支持部)とを備える。
本体側取付部材160は、図6及び図12に示すように、テーブル本体部12の中間部及び後部側に取り付けられる平板状の部材であり、平面視で略四角形状を呈する。この本体側取付部材160は、板状壁部28に直接面接触して固定される接触板部166と、この接触板部166から多少突出して所定間隔離間すると共に前後方向に延びる中央板部168並びに一対の側板部170とを含む。接触板部166、中央板部168、一対の側板部170の上下間には、支持フレーム162の外径と略一致する幅の隙間172が形成され、この隙間172に支持フレーム162が挿入される。
接触板部166は、テーブル本体部12の左右方向中央部で、中間部及び後部に面接触することで、この部分の剛性を向上する。また、接触板部166の上面には、テーブル本体部12の突起72に重なる位置に、この突起72を挿入可能な図示しない孔部が設けられる。
中央板部168と一対の側板部170は、平面視で、前後方向に長い長方形状に形成され、隙間もこれら中央板部168と各側板部170の長手方向の寸法に応じて前後方向に長く形成される。板状壁部28の後側には、中央板部168及び側板部170よりも低く突出した位置決め板部174が連なる。この位置決め板部174は、左右方向に延び、左右方向両側の所定位置には、後方に向かって開口するU字溝174aが一対設けられている。
一対の側板部170の前方側には、接触板部166から下方に突出し側板部170よりも若干低めの突出連結部176が設けられる。一対の側板部170は、前端部が突出連結部176の上面に連なり後端部が位置決め板部174に連なることで、接触板部166から隙間172分だけ離間して延在する。また、突出連結部176の突出面には、ネジ用孔部178及び座178aが形成されている。本体側取付部材160は、テーブル本体部12の取付時に、突起72に孔部を嵌めつつ、U字溝174aを第6ボス部50Fに嵌めて位置決めする。これにより、ネジ用孔部104が板状壁部28の機構用ネジ止め部70に重なる。この状態で、カバー14が被覆されると共に、締結ネジ56が各ネジ用孔部104を通して第6ボス部50Fと機構用ネジ止め部70に締結されることで強固に固定される。
折り畳み機構部18の支持フレーム162は、本体側取付部材160とシート側取付部材164の両方に挿入される一連の棒状部材であり、例えば、ワイヤフレーム46の構成材料として挙げた金属材料を適用し得る。支持フレーム162は、ワイヤフレーム46よりも小径に形成され、ユーザから強い操作力(テーブル本体部12を回動する力)が加わった際に弾性変形する。
この支持フレーム162は、後部側で左右方向に延在する後側棒部180と、後側棒部180の両端に連なり前方に延びる一対の延出棒部182と、一対の延出棒部182の前部から屈曲して外側方向に多少突出する一対の前側棒部184とを含む。後側棒部180は、平面視で、左右方向中央部が前方に窪んだ中央凹部180aと、中央凹部180aの両側に連なる直線部180bとに形成される。そして、中央凹部180aが本体側取付部材160の中央板部168の隙間172に挿入され、一対の直線部180bが一対の側板部170の隙間172に挿入される。これにより中央凹部180aが中央板部168により回動不能に押さえられる一方で、前後方向に長い隙間172により中央凹部180a及び直線部180bが前後にスライド可能に保持される。折り畳みテーブル10は、収納状態と展開状態で、支持フレーム162によるテーブル本体部12の支持位置をスライドすることで、テーブル本体部12の回動操作をスムーズに行うことができる。
一対の延出棒部182は、後側棒部180と前側棒部184との間を直線状に延びることで、後側棒部180が取り付けられたテーブル本体部12と、前側棒部184が取り付けられたシートSとの間を連結支持する。一対の延出棒部182は、シート側取付部材164により、内側への弾性変形がガイドされる。また、一対の前側棒部184は、一対の延出棒部182から外側に突出することで、シート側取付部材164の収容溝186に挿入される(図14参照)。
シート側取付部材164は、図12に示すように、軸支部材40と共に、シートS内に設けられるシート構造物SCに取り付けられる。この場合、軸支部材40がテーブル本体部12を、摩擦力をもって回動自在に支持するのに対し、シート側取付部材164は、テーブル本体部12を段階的に回動させて、各段階での変位位置を維持する機能を有する。
具体的には、シート側取付部材164は、シートSに直接取り付けられる基部188と、基部188の左右方向両側に設けられ後側に突出する一対のカム部190(切換保持部)と、基部188の左右方向中央に設けられ後側に突出する膨出部192とを含む。
基部188は、正面視で、左右方向に長い略長方形状に形成され、左右方向両側で円弧状と台形状が連なる端部を構成している。基部188は、外形を構成する基部枠部194と、基部枠部194の内側で後面が平坦状に形成された複数の内側壁部196(取付部)とを有する。
複数の内側壁部196は、一対のカム部190の外側に各一対で形成される第1壁部196aと、一対のカム部190の内側且つ膨出部192の両側に各一対で形成される第2壁部196bとを含む。各内側壁部196は、外側枠部134に対し若干窪むように形成され、締結ボルト(図示せず)が挿入される締結孔198がそれぞれ設けられている。カム部190と第2壁部196bの間には、支持フレーム162の回動を許容する許容空間200が形成されている。
カム部190は、図13に示すように、内側壁部196から1/4球形状に形成されたドーム部202と、ドーム部202から内側に円弧状を描いて突出するガイド部204とを有する。ドーム部202は、支持フレーム162を内側に挿入及び保持する機能を有する。図14に示すように、ドーム部202の反対側には、支持フレーム162の前側棒部184を収容可能な収容溝186が形成されている。収容溝186の周囲には、収容溝186を構成する壁部を補強する補強リブ186aが設けられている。また、ドーム部202の下部側には、内側壁部196から突出してカム部190と外側枠部134を連ねる突条部206が形成され、カム部190を補強している。
ガイド部204は、ドーム部202から突出することで、ユーザの操作により支持フレーム162が上下に移動する際に、内縁204aの円弧状に沿って一対の延出棒部182が弾性変形するようにガイドする。この際、許容空間200は、支持フレーム162の上下の変位と内側への弾性変形を許容する。
また、ガイド部204は、カム部190の上下位置で、該カム部190の円弧状の両端部と基部枠部194との間に支持フレーム162を嵌めて姿勢を固定する。カム部190が支持フレーム162を上側で固定した状態では、支持フレーム162が略水平方向に延びる姿勢となり、折り畳み機構部18はテーブル本体部12を展開状態として良好に支持する。逆に、カム部190が支持フレーム162を下側で固定した状態では、テーブル本体部12をシートSの背面に近接又は接触させる位置に配置して収納状態とする。このようにカム部190が支持フレーム162を嵌めることで、支持フレーム162は、テーブル本体に重い物品が置かれてもユーザの操作力が加わらなければ、その形状維持力によりガイド部204を乗り越える動作を行わずに固定状態を継続する。その一方で、ユーザから支持フレーム162がカム部190を乗り越える操作力を加えれば、支持フレーム162が弾性変形しつつ移動し上側での固定と下側での固定とを切り換える。その結果、折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12の展開状態と収納状態とを段階的に切り換えることができる。
一方、膨出部192は、基部188の左右方向中央部に設けられ、カム部190よりも大きな突出量で後方に突出するように形成される。シート側取付部材164は、この膨出部192により剛性が向上し、基部188の左右方向(面方向)の形状を良好に維持する。膨出部192は、後面及び側面(或いは凹部208)が交わる角部が全体的に丸角(円弧状)に形成されている。これにより、剛性がさらに向上する。
また、膨出部192の左右の側面には、内側に窪む凹部208が設けられている。この凹部208は、締結孔198に対応する位置に設けられ、シート側取付部材164の取付状態で締結ボルトを臨む。このように凹部208を備えることで、膨出部192自体の剛性が向上して、結果的にシート側取付部材164の剛性がより向上する。なお、凹部208は、膨出部192の左右の側面に設けられるだけでなく、膨出部192の上下の側面又は膨出部192の後面(突出面)に設けられていてもよい。
図14に示すように、膨出部192の内部には、膨出部用リブ192aが上下左右に形成され、膨出部192の剛性を向上している。また、シート側取付部材164の裏面側において、締結孔198の周囲には前方向に突出した締結孔用突部210が設けられている。締結孔用突部210は、締結孔198の周辺部を補強する。
第2壁部196bにおいて一対の締結孔用突部210の下部には、前方に突出する突出部212が一対設けられている。一対の突出部212は、基部188の裏面から充分な突出量で突出し、各一対の締結孔198と並ぶように設けられる。各突出部212は、シートSの背面に挿入されて、シート側取付部材164の取付位置(各締結孔198)を位置決めする。
各突出部212は、正面視で、上下方向及び左右方向に短く延びる十字形状に形成されている。これにより、突出部212は、大きく突出しても剛性が高いものとなり、シートS内に良好に挿入される。なお、突出部212の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、ボス形状としてピン状や筒状に形成されていてもよい。このようにボス形状であれば、突出部212のシートSへ挿入が容易となり一層作業性が向上する。
本実施形態に係る折り畳みテーブル10は、基本的には以上のように形成される。以下、各構成に関する作用効果について説明する。先ずテーブル本体部12に設けたワイヤフレーム46と、このワイヤフレーム46に関連する構成について述べていく。
上述したように、折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12の外周に沿ってワイヤフレーム46が設けられることで、テーブル本体部12の剛性が向上する。特に、ワイヤフレーム46は、外力を受けやすいテーブル本体部12の外周に存在することで、外力による外周側の変形や破損等を抑制すると共に、テーブル本体部12の内側部分を充分に軽量化することができる。折り畳みテーブル10は、軽量化により、操作性が良くなり使い勝手が一層向上する。さらに、折り畳みテーブル10は、ワイヤフレーム46がテーブル本体部12の内部に設けられることで、テーブル本体部12の展開時に意匠面となる上面を自由に(例えば、傾斜窪み部36を有するように)設計することができる。よって、テーブル本体部12をより使い易いものとすることができる。なお、ワイヤフレーム46は、カバー14に覆われるだけでなく、テーブル本体部12の裏面で露出していてもよい。
この場合、テーブル本体部12は、ワイヤフレーム46がテーブル本体部12の側辺24に設けられることにより、シートS側からの延出を支持する部分の剛性が向上する。そのため、テーブル本体部12は、その面方向と直交する方向からかかる負荷に充分に耐えることができる。これに加えてワイヤフレーム46は、側辺24から前辺20及び後辺22に連続して延在することで、テーブル本体部12の剛性を一層向上することができる。
ワイヤフレーム46は、テーブル本体部12よりも硬い材質のもので構成すれば、折り畳みテーブル10の小型化や軽量化をより促進することができる。このワイヤフレーム46は、軸支部材40に回転自在に支持されることで、テーブル本体部12の回転軸として機能する。そのため、折り畳みテーブル10は、回転軸を構成する部品を別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減と共に、組立作業の作業性を向上することができる。
また、折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12に第1〜第6ボス部50A〜50Fを備えることにより、別部材として構成されたワイヤフレーム46を容易に位置決めすることができ、組立作業の作業性を一層向上させることができる。この場合、第1〜第6ボス部50A〜50Fは、ワイヤフレーム46の外側と内側で当接することにより、ワイヤフレーム46を挟んで位置ずれを抑制して、組立作業の作業性をより一層向上させることができる。なお、ワイヤフレーム46を位置決め保持する構成は、カバー14を取り付けるための締結部に限らず、位置決め専用の凸部等によって構成してもよく、またカバー14に設けてもよい。
さらに、ワイヤフレーム46の組み付け時には、リブ48に対しワイヤフレーム46を押し付けることで、ワイヤフレーム46の形状に合うようにリブ48を変形させる。よって、振動等によるテーブル本体部12とワイヤフレーム46との位置ずれを抑制することができる。リブ48がテーブル本体部12に一体成形されていれば、折り畳みテーブル10の部品点数が少なくなり、さらに作業性を向上することができる。
またさらに、折り畳みテーブル10は、ワイヤフレーム46を押さえる押さえ部材74をテーブル本体部12に備えることで、ワイヤフレーム46の位置ずれを一層抑制することができる。折り畳みテーブル10は、押さえ部材74が第2ボス部50Bに取り付けられることで押さえ部材74の位置決めが容易となり、組立作業の作業性を向上する。また押さえ部材74の端面82aがワイヤフレーム46の形状に沿って形成されることで、押さえ部材74を小型化することができる。
次に、テーブル本体部12に設けたカバー14と、このカバー14に関連する構成について述べていく。折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12及びカバー14に設けた固定機構67により、テーブル本体部12の剛性を向上することができる。特に、固定機構67は、カップホルダ16と折り畳み機構部18の間に設けられるので、カップホルダ16の設置に伴うテーブル本体部12の剛性低下を抑制する。また、固定機構67は、カバー14の取付後にカバー14の移動を抑制するので、組立作業の作業性を向上させることができる。さらに、固定機構67が被取付部68とフック部122とにより構成されることで、カバー14とテーブル本体部12との位置決め及び仮留めを容易に行うことができ、テーブル本体部12に対するカバー14の締結作業を効率的に実施させることができる。
この場合、カバー14は、一対の固定機構67の間に凸部112を備えることで、カバー14自体の剛性を向上することができる。また、凸部112は、折り畳みテーブル10の収納状態で取付対象に接触することにより、取付対象からカップホルダ16にかかる負荷を抑制することができる。また、テーブル本体部12は、外周壁32とリブ48の間にカバー14の嵌込壁92を挿入可能な嵌込溝94(隙間)を有することで、組立状態で、嵌込壁92をテーブル本体部12の外周壁32とリブ48の間に挟み込むことができる。その結果、テーブル本体部12に対するカバー14の動きを抑制して、組立作業の作業性をより向上させることができる。さらに、折り畳みテーブル10は、テーブル本体部12の第6ボス部50Fがカバー14及び折り畳み機構部18を共締めする構成となっている。これにより、締結ネジ56の数を減らして部品点数が削減されると共に、構造が簡単化して折り畳みテーブル10の薄型化を促進することが可能となる。
またさらに、部分被覆部102がカップホルダ16の周辺部を覆うことで、カバー14は、テーブル本体部12のカップホルダ16の形成箇所の剛性を向上する。そして、部分被覆部102の前部被覆部120がテーブル本体部12の前辺20で固定されることで、カバー14を強固に固定することができ、テーブル本体部12全体の剛性が向上する。一対の部分被覆部102は切り欠き部124を備えることで、折り畳み機構部18のシート側取付部材164を、カバー14の干渉を避けて切り欠き部124の内側に案内することができる。これにより、テーブル本体部12の収納状態をコンパクト化することができる。
次に、テーブル本体部12に設けたカップホルダ16と、このカップホルダ16に関連する構成について述べていく。折り畳みテーブル10は、カップホルダ16がスリット154を備えることで、カップホルダ16に大きな外力がかかった際に、スリット154によりカップホルダ16が容易に変形しテーブル本体部12から簡単に外れるように導くことができる。従って、カップホルダ16やテーブル本体部12(すなわち、折り畳みテーブル10全体)の変形が抑制される。また、カップホルダ16は、折り畳みテーブル10の組立時等にも、スリット154により変形されてテーブル本体部12にスムーズに取り付けられ、組立作業の作業性を大幅に向上することができる。
この場合、スリット154が、回動近位側で一対のホルダ側凸部156の間に設けられることで、カップホルダ16をより円滑に変形させて、折り畳みテーブル10全体の変形を一層抑制することができる。カップホルダ16は、スリット154の回転軸方向両側にホルダ側リブ152を備えることで、カップホルダ16の回転軸に沿う方向のみにカップホルダ16を変形させることができる。よって、テーブル本体部12からのカップホルダ16の離脱が一層容易となる。カップホルダ16は、リブ48がストッパ部150まで連続して設けられることで、カップホルダ16自体の剛性を向上することができる。
また、テーブル本体部12が当接用リブ66を有することで、テーブル本体部12の剛性が向上する。また、カップホルダ16のストッパ部150が展開状態で当接用リブ66に接触することにより、テーブル本体部12への負荷を抑制することができる。さらに、テーブル本体部12の第3ボス部50Cがカップホルダ16とワイヤフレーム46の間に設けられることで、ワイヤフレーム46が位置ずれしてカップホルダ16に干渉することを抑止することができる。
最後に、折り畳み機構部18と、折り畳み機構部18に関連する構成について述べていく。折り畳みテーブル10のシート側取付部材164は、シートSに直接取り付けられる一対の第2壁部196b(締結孔198)の間に膨出部192を備えることで、シート側取付部材164自体の剛性が高まる。特に、膨出部192の両側に位置する第2壁部196bの剛性が大幅に向上するので、シート側取付部材164は、テーブル本体部12を安定的に支持することができる。また、膨出部192は、一対の第2壁部196b間のスペースを活用して形成されるので、シート側取付部材164の大型化を抑制し、テーブル本体部12の折り畳みを良好に実施させることができる。
この場合、膨出部192が一対のカム部190の間に設けられることで、折り畳みテーブル10は、一対のカム部190付近の剛性が向上する。なお、膨出部192が一対のカム部190よりも突出していれば、シート側取付部材164の剛性が一層向上する。よって、カム部190による支持フレーム162のガイド、及び支持フレーム162の姿勢の維持を効果的に実施することができる。
また、シート側取付部材164は、膨出部192に凹部208を備えることにより、膨出部192の剛性がさらに高まると共に、第2壁部196bを充分に露出させて締結ボルトによるシート側取付部材164の締結を容易に実施させることができる。
さらに、シート側取付部材164に突出部212を設けることにより、折り畳みテーブル10は、シート側取付部材164をシートSに取り付ける際に、突出部212をシートSに挿入して位置決めすることができ、組立作業の作業性が向上する。またさらに、突出部212が締結孔198と並んで形成されることにより、突出部212をシートSに挿入した際に、シートSの締結位置に締結孔198をより精度良く位置決めすることができ、組立作業の作業性が一層向上する。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。