本発明の第1の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構は、単数もしくは複数の種類および個数の物品が収容される物品容器から、所定の種類と個数の物品を仕分けして、配送先へ配送可能状態とする物品仕分け装置に用いる容器配置機構であって、
物品を収容する複数の物品容器を供給する物品容器接続経路と、
物品容器接続経路に収容されている物品の仕分けを受ける配送容器が搬送される仕分けレーンと、
仕分けレーンと物品容器接続経路とが交差して、物品容器から配送容器に物品を仕分ける仕分け位置と、
仕分け位置にある配送容器に、物品容器が収容する物品を移動させる把持機構と、
所定条件において、仕分け位置に配送容器が無い場合に、
物品容器接続経路の仕分けレーンより遠い側(以下、「後段」という)の物品容器(以下、「後段物品容器」という)を、仕分け位置に、物品容器接続経路の仕分けレーン側(以下、「前段」という)の物品容器(以下、「前段物品容器」という)を超えて移動させる移動手段と、
物品容器接続経路での物品容器の搬送、仕分けレーンでの配送容器の搬送、把持機構での物品の移動および移動手段での移動動作の少なくとも一つを制御する、制御部と、を備える。
この構成により、仕分けレーンの仕分け位置に設置されるべき配送容器と、物品容器接続経路での後段の物品容器との間に、空となる物品容器を生じさせない。この時、空となる物品容器が生じないことに加えて、仕分け位置に移動して位置する後段の物品容器には、次の物品の仕分けの邪魔となる隙間も生じない。
本発明の第2の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第1の発明に加えて、配送容器および物品容器は、同一種類の物品の収容可能個数が同一である。
この構成により、物品容器と配送容器とを、兼用できる。兼用できることで、大量の物品の仕分けを同じ容器を用いて作業することができる。更には、物品容器接続経路に投入される物品容器を、そのまま配送容器としての位置づけに移動させることもでき、その場合でも搬送経路の切り替えの作り込みが不要である。
本発明の第3の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第2の発明に加えて、配送容器および物品容器は、それぞれの縦方向および横方向のサイズが略同一である
この構成により、物品容器と配送容器とを、兼用できる。兼用できることで、大量の物品の仕分けを同じ容器を用いて作業することができる。更には、物品容器接続経路に投入される物品容器を、そのまま配送容器としての位置づけに移動させることもでき、その場合でも搬送経路の切り替えの作り込みが不要である。
本発明の第4の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、仕分け位置で所定の種類および個数の物品の仕分けが完了した配送容器は、完成容器として、仕分けレーンの外側の完成レーンに排出される。
この構成により、仕分けの完成した完成容器は、仕分けレーンでの配送容器の搬送や仕分け作業の邪魔とならない。
本発明の第5の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第4の発明に加えて、完成容器は、所定の種類および個数の物品を収容すると共に仕分け位置に移動させられた物品容器も含む。
この構成により、配送容器として格上げされた物品容器が、そのまま出荷可能状態として取り扱われ、仕分け回数を減らすことができる。
本発明の第6の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、所定条件は、第1条件:仕分け位置で仕分けを受ける予定の配送容器に、最大収容数の物品が仕分けを受ける、を含む。
この構成により、同一物品で満杯となる完成容器を、物品容器から配送容器への仕分け作業を行わずに、生成できる。
本発明の第7の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第6の発明に加えて、第1条件において、制御部は、
仕分けレーンでの仕分け位置の手前にある配送容器を停止させ、
移動手段を用いて、後段物品容器を、配送容器の代わりに仕分け位置に移動させ、
仕分け位置に移動された後段物品容器を、完成容器として、完成レーンに排出する。
この構成により、同一物品で満杯となる完成容器を、物品容器から配送容器への仕分け作業を行わずに、生成できる。
本発明の第8の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、所定条件は、第2条件:前段物品容器が仕分け位置に移動した場合に後段物品容器からの仕分け位置の前段物品容器への物品の移動必要個数がn個であり、後段物品容器が仕分け位置に移動した場合に仕分け位置の後段物品容器から前段の前段物品容器への物品の移動必要個数がn個未満である場合、を含む。
この構成により、後段物品容器を配送容器として移動させる場合に、移動して配送容器となった後段物品容器に生じる隙間の問題を生じさせない。加えて、完成容器に向けた仕分けでの仕分け回数を、前段物品容器を配送容器にする場合よりも少なくできる。
本発明の第9の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第8の発明に加えて、第2条件において、制御部は、仕分け位置に移動した後段物品容器から、所定個数以外の物品を、前段の前段物品容器に、把持機構を用いて戻す戻し作業を行う。
この構成により、完成容器に向けた仕分けでの仕分け回数を、前段物品容器を配送容器にする場合よりも少なくできる。
本発明の第10の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第9の発明に加えて、戻し作業を受けた仕分け位置での後段物品容器は、仕分け位置で仕分けを受ける種類の必要個数の物品を収容した状態で、仕分けレーン上の次の仕分け位置に搬送される。
この構成により、完成容器になるには次の仕分けが必要な場合にも対応できる。
本発明の第11の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第9の発明に加えて、戻し作業を受けた仕分け位置での後段物品容器は、当該後段物品容器への必要な種類および個数の物品が仕分けされている場合には、完成容器として、完成レーンに排出される。
この構成により、後段物品容器が、必要な種類および個数の物品状態となれば、最小限の仕分け回数で完成容器として排出できる。この排出により、仕分けを受けるべき次の配送容器の仕分けレーンでの搬送が滞りなく進む。
本発明の第12の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第11の発明に加えて、制御部は、第1条件および第2条件のいずれかの場合には、仕分けレーンを搬送される配送容器を、仕分け位置の手前で停止させ、後段物品容器を優先して、仕分け位置に移動させる。
この構成により、仕分け位置で容器が衝突することが防止される。
本発明の第13の発明に係る物品仕分け装置における容器配置機構では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、移動手段は、前段物品容器の下方、上方および側面の少なくとも一つの経路で、後段物品容器を、前段物品容器をバイパスして移動させる。
この構成により、前段物品容器との衝突をさせずに、後段容器が仕分け位置に移動できる。
まず、本発明の容器配置機構が用いられる物品仕分け装置と、本発明に至った物品仕分け装置での問題点の詳細を説明する。
(物品仕分け装置の一例の全体概要)
まず、本発明の物品仕分け装置における容器配置機構(以下、「容器配置機構」という)が用いられる物品仕分け装置の一例の全体概要について説明する。本発明の容器配置機構は、物品仕分け装置に用いられる。
この物品仕分け装置では、ある種類の物品が詰められた複数の物品容器(この物品容器が収容している物品の種類は、物品容器によって異なる)が、ある位置から供給される。更に物品仕分け装置は、物品容器からの物品の仕分けを受ける配送容器が供給される。この配送容器は、いわゆる空の状態で供給されて、物品容器からの物品の仕分けを受ける仕分けレーンを搬送される。
この仕分けレーンにおいて、異なる種類の物品を収容するそれぞれの物品容器が設置されている複数の位置のそれぞれで、必要な種類および個数の物品の仕分けを、この配送容器は受ける。この複数の位置のそれぞれでの物品の仕分けを受けた配送容器が、必要な種類と個数の物品の詰め込みが完了すれば、完了した配送容器として、出庫に向けて搬送される。
ここで、物品容器は、収容している物品を配送容器に移動させて仕分けられるので、物品容器が収容している物品の数は仕分けに従って減少していく。最終的には、物品容器は供給部において空になる。この空の物品容器は、排出される。排出されれば、供給部に次の物品容器(物品を収容している)が供給されて、次の配送容器への物品の仕分け作業を行うことができる。
物品容器から配送容器への物品の移動は、ピッキング装置などが用いられて、所定の座標を基準として実行される。
本発明の容器配置機構は、このような物品仕分け装置において使用される。
図1は、物品仕分け装置の一例の全体図である。物品仕分け装置1は、初期状態では空(もしくは空に近い)の状態である配送容器100に、必要な種類(単数もしくは複数)であって必要な個数の物品(単数もしくは複数)を、仕分けして詰める。この必要な種類および必要な個数の物品の仕分けが終わった配送容器100は、完成容器105として出庫部7から出庫される。
この完成容器105は、ある配送先に必要となる種類および個数の物品を収容している状態である。この状態は、配送先へ配送可能な状態である。配送可能状態となっている出庫部7から出庫される完成容器105は、配送手段によって、指定された配送先へ配送される。
例えば配送先A、配送先B、配送先C・・・のそれぞれに、物品を配送する必要がある。配送先A・・のそれぞれには、異なる種類や個数の物品を配送する必要がある。この配送先A・・・のそれぞれに配送すべき種類や個数の物品は、単数または複数の配送容器100によって配送されれば良い。物品仕分け装置1は、この販売店A・・・などの配送先ごとに異なる種類と個数の物品を、配送容器100に仕分けして詰めることで、配送可能状態とする。このとき、配送先によって、複数の配送容器100によって必要な種類と個数の物品が、配送可能状態とされればよい。
ここで、物品仕分け装置1は、種々の製品を製造する工場、製品を流通させる配送センター、製品の集積・配送を行う集積倉庫などの出荷センターに設置される。この出荷センターで取り扱われる物品は多種にわたることが多い。しかし、実際においては、出荷センターで取り扱われると共に配送先へ配送されるために仕分けられる物品の種類は、特定のものに偏ることが多い。すなわち、物品仕分け装置1のような自動化された装置で対応する物品の種類は、特定のものに偏る。
このような実際上の特性に対応して、物品仕分け装置1は、偏りやすい種類の物品に対応することでもよい。もちろん、全ての種類に対応してもよい。図1の物品仕分け装置1は、4種類の物品に対応している。すなわち、第1物品201、第2物品202、第3物品203および第4物品204である。ここで第1物品201〜第4物品204の符号は、それぞれの種類の物品の全体を示す場合と個別の物品を示す場合とがある。
図1の物品仕分け装置1は、配送容器100に、第1物品201〜第4物品204の内から、配送先に必要となる物品を仕分けて詰める。例えば、配送先Aには、4個の第1物品201、2個の第2物品202、10個の第3物品203を配送する。この場合には、物品仕分け装置1は、この内容に合わせて、投入される空の配送容器100に、これらの物品を仕分けして詰める。4個の第1物品201、2個の第2物品202、10個の第3物品203が詰められると、完成容器105として出庫部7から出庫される。次いで、配送される。
もちろん、一つの配送容器100に必要となる種類および個数の物品が入りきらない場合には、物品仕分け装置1は、複数の配送容器100を用いて物品を仕分ける。この場合には、同じ配送先に複数の完成容器105が配送される。このようにして、物品仕分け装置1は、配送先のそれぞれに、必要な種類と個数の物品を詰めた完成容器105を生成する。
物品仕分け装置1は、配送容器投入部2、第1物品容器投入部3、第2物品容器投入部4、第3物品容器投入部5、第4物品容器投入部6、出庫部7、搬送経路8を備える。ここで、物品容器投入部は、第n物品容器投入部までを備えていれば良く、図1では、nが4であり、第1物品容器投入部3〜第4物品容器投入部6を、物品仕分け装置1は、備えている。
配送容器投入部2は、配送先への物品が仕分けられて詰められる配送容器100を投入する。第1物品容器投入部3は、ある種類の第1物品201を収容する第1物品容器101を投入する。第2物品容器投入部4は、第1物品201とは異なる種類の第2物品202を収容する第2物品容器102を投入する。第3物品容器投入部5は、他の種類の第3物品203を収容する第3物品容器103を投入する。第4物品容器投入部6は、他の種類の第4物品204を収容する第4物品容器104を投入する。
出庫部7は、配送先への物品の仕分けが完成した完成容器105が生成されれば、この完成容器105を出庫する。
搬送経路8は、配送容器投入部2から投入された配送容器100が搬送されて移動する経路である。配送容器100は、搬送経路8を移動しながら、第1物品201〜第4物品204の仕分けを受ける。
搬送経路8は、仕分けレーン81と完成レーン82との2つの経路を有する。仕分けレーン81は、配送容器投入部2から投入された配送容器100の内、物品の仕分けが完成していない未了容器と、物品容器投入部から投入された物品容器であって、空になった物品容器とを搬送する。完成レーン82は、物品の仕分けが完成した完成容器105を搬送する。
配送容器投入部2は、搬送経路8とは、配送容器接続経路21で接続される。配送容器接続経路21は、配送容器投入部2から投入された配送容器100を搬送経路8に送り出す。
第1物品容器投入部3は、搬送経路8とは、第1物品容器接続経路31で接続される。第1物品容器接続経路31は、第1物品容器投入部3から投入された第1物品容器101を搬送経路8に向けて送り出す。また、第1物品容器接続経路31と仕分けレーン81とが接続される地点において、第1物品容器101に収容されている第1物品201が、配送容器100に仕分けされる第1仕分け位置32が設けられる。
第2物品容器投入部4は、搬送経路8とは、第2物品容器接続経路41で接続される。第2物品容器接続経路41は、第2物品容器投入部4から投入された第2物品容器102を搬送経路8に向けて送り出す。また、第2物品容器接続経路41と仕分けレーン81とが接続される地点において、第2物品容器102に収容されている第2物品202が、配送容器100に仕分けされる第2仕分け位置42が設けられる。
第3物品容器投入部5は、搬送経路8とは、第3物品容器接続経路51で接続される。第3物品容器接続経路51は、第3物品容器投入部5から投入された第3物品容器103を搬送経路8に向けて送り出す。また、第3物品容器接続経路51と仕分けレーン81とが接続される地点において、第3物品容器103に収容されている第3物品203が、配送容器100に仕分けされる第3仕分け位置52が設けられる。
第4物品容器投入部6は、搬送経路8とは、第4物品容器接続経路61で接続される。第4物品容器接続経路61は、第4物品容器投入部6から投入された第4物品容器104を搬送経路8に向けて送り出す。また、第4物品容器接続経路61と仕分けレーン81とが接続される地点において、第4物品容器104に収容されている第4物品204が、配送容器100に仕分けされる第4仕分け位置62が設けられる。
出庫部7は、搬送経路8と接続されており、完成容器105を出庫させる。
配送容器接続経路21、第1物品容器接続経路31、第2物品容器接続経路41、第3物品容器接続経路51、第4物品容器接続経路61および搬送経路8は、容器の搬送および物品の仕分け作業を行う仕分け作業経路9を形成する。
ピッキング装置などの把持機構が、自動で物品容器から配送容器100へ物品を仕分けして詰め込む。この結果、仕分け動作が自動で行われる。ピッキング装置などの把持機構は、制御部が把握している配送容器100への仕分けるべき種類と個数の物品を、当該物品が収容されている物品容器のそれぞれから、必要な個数ずつ取り出して、配送容器100に仕分ける。
例えば、第1物品容器101から所定個数の第1物品201を把持して、配送容器100に詰める。これは、第1物品容器接続回路の搬送経路側で把握し、第1仕分け位置32で詰め込みが行われる。同様に、第2物品容器102から所定個数の第2物品202を把持して、配送容器100に詰める。また、把持機構は、第3物品容器103から所定個数の第3物品203を把持して、配送容器100に移動して詰める。最後に、把持機構は、第4物品容器104から所定個数の第4物品容器204を把持して、配送容器100に移動して詰める。これらのそれぞれは、第2仕分け位置42、第3仕分け位置43、第4仕分け位置44で行われる。
ここで、所定個数は値「0」の場合もあり、値「0」(すなわち、当該物品容器が収容する物品を仕分ける必要が無い場合)である場合には、配送容器100は、当該物品容器の仕分け位置で停止せずに次の仕分け位置に移動する。
また、配送容器100は、配送容器投入部2によって投入される。すなわち、配送容器接続経路21に投入されて、その後に仕分けレーン81、完成品レーン82、を経由し出庫部7へ至る。配送容器100と独立して、第1物品容器101も、第1物品容器投入部3から第1物品容器接続経路31に投入される。配送容器100と独立して投入されつつも、配送容器100と連携して投入される。加えて、配送容器100が第1仕分け位置32に到達したところで、第1物品容器101が対応する。このため、第1物品容器101は、他の容器の投入の邪魔となることなく、他の容器との仕分け作業での必要に応じて投入される。第2物品容器102の投入も同様であり、第3物品容器なども同様である。
ここで、第1物品容器投入部3などから、第1物品容器101などは、第1物品容器接続経路31などに、複数投入されてもよい。すなわち、第1物品容器接続経路31には、複数の第1物品容器101が投入されて順番に並んでいる状態でもよい。この第1物品容器接続経路31に並んでいる複数の第1物品容器101は、配送容器100に近い方から、把持機構による第1物品201の取り出しを受けて、仕分けに用いられる。これは、第2物品容器接続経路41〜などでも同じである。
本発明の容器配置機構は、このような物品仕分け装置1に用いられる。もちろん、ここで説明した物品仕分け装置1の構成や機能は一例であり、要は配送容器100に所定の種類および個数の物品を仕分けして詰める物品仕分けの機能を有する様々な装置に用いられる。
(配送容器への物品容器からの物品の仕分け動作)
図2は、本発明の実施における配送容器の斜視図である。第1物品容器101などの物品容器も、図2に示される配送容器100と同様の形態を有している。このため、ここでの配送容器100の説明は、物品容器の説明を兼ねる。
物品容器においては、図2に示される容器にある種類の複数の物品が収容されている。基本的には、物品容器にはある種類の物品が、容器全体に収容可能な個数の物品を収容している。すなわち、各物品容器接続経路に配置されている第1物品容器101〜第4物品容器104のそれぞれには、基本的には、第1物品201〜第4物品204が、満杯に詰まった状態である。
一方、配送容器100は、配送容器投入部2から、基本的に空の状態で投入される。
図3は、本発明の容器配置機構が使用される物品仕分け装置での、容器の搬送を示す説明図である。配送容器接続経路21から搬送経路8に到達した配送容器100は、回転や回動することなくそのままの状態で略直交する方向に移動する。すなわち、搬送経路8において、配送容器100は、長手方向を進行方向として移動する。
この配送容器100は、仕分けレーン81を移動する。この配送容器100の仕分けレーン81での移動に合せて、第1物品容器接続経路31に、第1物品容器101が投入され、第2物品容器接続経路41に第2物品容器102が投入され、第3物品容器接続経路51に第3物品容器103が投入され、第4物品容器接続経路51に第4物品容器104が投入される。この投入においては、上述の通り、複数の物品容器が物品容器接続経路のそれぞれに投入されてよい。
ここで、配送容器100の仕分けレーン81での移動と、物品容器接続経路への物品容器の投入は、同期されてもよいし、されなくてもよい。物品容器は、ランダムに物品容器接続経路に投入されて、仕分け位置に到達する配送容器への仕分けが制御部10によって実現されればよい。
図4は、本発明の容器配置機構が使用される物品仕分け装置に用いられる配送容器投入部の斜視図である。図5は、本発明の容器配置機構が使用される物品仕分け装置に用いられる仕分け位置付近および仕分けレーンなどを含んだ部分の斜視図である。図5に示される仕分けレーン81を搬送される配送容器100に、各仕分け位置で、配送容器100に、第1物品容器101から所定個数の第1物品201が、第2物品容器102から所定個数の第2物品202が・・・、とのように仕分けされる。
この仕分けにおいて、対象となっている配送容器100に必要な種類と個数の物品が揃えば、配送容器100は、仕分けの完了した完成容器105として、仕分けレーン81から完成レーン82に移動して、出庫部7に排出される。
すなわち、図3などで示される物品仕分け装置1は、仕分けレーン81を配送容器100が搬送されていきながら、必要な仕分け位置において停止し、この仕分け位置において物品容器から把持機構によって物品の仕分けを受ける。仕分けが完了すれば、完成容器105として完成レーン82に移動して出庫される。
この仕分けレーン81は、設けられる物品容器投入部の数によって、仕分け位置の数も定まる。この仕分け位置の数によって、配送容器100が仕分けのために停止する位置が増加する。このような構成の場合には、ある配送容器100に続いて、次の配送容器100が仕分けレーン81で搬送されて、次の配送容器100への物品の仕分けが行われる。
ここで、制御部10は、仕分けレーン81での配送容器100の移動を効率化することを優先し、完成容器105の完成レーン82への移動を、この隙間の時間を活用して行う。制御部10は、仕分けレーン81での移動を優先する場合には、完成容器105の完成レーン82への排出を後回しにすることもあるし、逆に、ある程度完成容器105の完成レーン82への排出を優先することもあり、これは物品仕分け装置1の作業での最初の段階で切り分けられれば良い。
図6は、本発明の実施の形態1における物品の仕分けに用いられる把持機構による配送容器でのピッキングを示す斜視図である。図6に示されるように、把持機構301が取り付けられている。把持機構301は、吸引などによるピッキング部材330を備えており、このピッキング部材330が、配送容器100やその他の容器から物品をピッキングして移動させる。
図7は、本発明の実施の形態1における物品の仕分けが完了した配送容器の一例を示す模式図である。図7での配送容器100では、4個の第1物品201、3個の第2物品202、7個の第3物品203の仕分けを受けて、満杯状態で完成状態となっている。もちろん、図7と異なり、満杯状態以外でも、必要な種類と個数の物品が仕分けられれば、完成状態となり、完成容器105として、完成レーン82に移動させられる。
図8は、物品仕分け装置での完成レーンへの完成容器の移動を示す模式図である。ある配送容器100への仕分けが完了して、当該配送容器100は、完成レーン82に移動している。この移動によって完成容器105として出庫部7へ出庫されていく。その際に、次の配送容器100Bが仕分け作業を、仕分けレーン81で受けている。この連続的な動作によって、物品仕分け装置1での仕分けレーン81は、次々と配送容器100への仕分けを行う。この次々と行われる仕分けのために、物品容器接続経路のそれぞれには、第1物品201〜が収容された物品容器が、次々に並んで供給される。このため、仕分け作業のある時点では、仕分けレーン81に複数の配送容器100が搬送されており、完成レーン82に完成容器105が搬送されており、物品容器接続経路のそれぞれには、複数の物品容器が投入されて並んでいる状態となる。
この結果、物品仕分け装置1は、仕分けレーン81に仕分けを受ける配送容器100が存在し、完成レーン82に仕分けの完了した完成容器105が存在し、物品容器接続経路には、仕分けに必要となる物品を収容した物品容器が存在している状態が構成される。言い換えれば、物品容器接続経路は、仕分けレーン81に平行な物品容器配置レーンとしてみなすことができ(物品容器が複数段であれば、複数の物品容器配置レーンとしてみなせる)、仕分けレーン81、完成レーン82のそれぞれが平行して並んでいる状態とみなすことができる。
また、この物品容器配置レーンは、仕分けに必要となる物品を収容した物品容器が位置するレーンとして定義され、仕分けレーン81は、仕分けを受ける配送容器100が位置するレーンとして定義され、完成レーン82は、仕分けの完了した完成容器105が位置するレーンとして定義される。
このように、本発明の容器配置機構が使用される物品仕分け装置1は、それぞれのレーン(レーンとしてみなされる部分も含めて)が、特性を有していることで、スムーズな物品仕分けと、仕分け対象の配送容器100や完成容器105の搬送や出庫を実現できる。また、物品容器も、物品の仕分けに必要な物品が取り出されて空になれば、仕分けレーン81を通じて排出されるので、物品容器接続経路に次々と送り込まれる次の物品容器(物品を収容している)の邪魔となる空の物品容器が発生しない。結果として、物品仕分け装置1全体での動作の弊害を極力低減できている。なお、物品仕分け装置1全体の動作は、制御部10によって制御される。
(配送容器と物品容器との特殊な関係の発生)
上記のように、物品仕分け装置1全体は、レーンごとの特性に応じた容器が存在し、空となる物品容器が仕分け作業の弊害とならないように構成されている。しかし、配送容器100と物品容器との特殊な関係の発生により、空の物品容器が、仕分け作業へ弊害を与える可能性がある。
第1仕分け位置32〜第4仕分け位置62(第n仕分け位置)のいずれかでのある配送容器100への仕分け作業が一つの物品容器で完成しない場合がある。図9は、物品仕分け装置における仕分け位置での物品の仕分けを説明する、説明図である。
例えば、第1仕分け位置32において第1物品容器101Aから第1物品201の仕分けを受ける状況であるとする。第1仕分け位置32においては、第1物品容器接続経路31の先頭(第1仕分け位置32で、第1把持機構301からの第1物品201の取り出しを受ける位置)に、第1物品容器101Aが設置されている。
この第1物品容器101Aは、前段階に移動してきた配送容器100への第1物品201の仕分けを受けている。このため、第1物品容器101Aは、収容可能な全数よりも少ない第1物品201を収容している。図9では、例示として、第1物品容器101Aは、2個の第1物品201を収容している。
通常であれば、第1仕分け位置32に配送容器100が移動してくる。配送容器100は、この第1仕分け位置32において、第1物品201の仕分けを受ける。
ここで、配送容器100は、3個(3個以上)の第1物品201の仕分けを受ける必要があることがある。制御部10は、物品情報として、配送容器100に3個の第1物品201を仕分ける必要があることを把握できる。この場合に、第1物品容器101Aから第1物品201の仕分けを行っても、第1物品容器101Aだけでは不足する。
不足するにも係らず、第1物品容器101Aから第1物品201の仕分けを受けると、第1物品容器101Aは、空容器となってしまう。図10は、物品仕分け装置において、物品容器接続経路において配送容器への必要な個数の物品の仕分けが完了してない状態で物品容器が空となった状態を示す説明図である。
図10では、第1仕分け位置32の仕分けレーン81上に、第1物品201の仕分けが完了していない状態の配送容器100が存在している。この配送容器100は、第1物品201の仕分けが完了していないので、この仕分けレーン81の第1仕分け位置32に停止したままとなる。
一方で、2個の第1物品201を配送容器100に供給した第1物品容器101Aは空容器の状態で、第1物品容器接続経路31の前段に存在した状態となる。仕分けレーン81には、上記の通り配送容器100が残ったままである。この配送容器100に残りの必要な個数の第1物品201を仕分けるために、第1物品容器接続経路31の後段には、次の第1物品容器101Bが存在している。
すなわち、図10のような状態となる。図10のように、空容器となった第1物品容器101Aが、仕分けレーン81の配送容器100と、第1物品容器接続経路31の後段の第1物品201を収容している第1物品容器101Bとにはさまれた状態が発生する。
この空容器は、仕分けレーン81を通じて排出することも、第1物品容器接続経路31を通じて排出することもできない。このため、物品仕分け装置1での作業を継続するには次のいずれかの対応が必要となる。
その1:人力で、第1物品容器接続経路31の前段に挟まれてしまった空容器を取り除く。
この場合には、物品仕分け装置1の自動化が妨げられると共に、全体として動作している物品仕分け装置1の一部に作業者が立ち入らなければならないことで、危険性もある。当然に、空容器を取り除く作業によって、物品仕分け装置1全体の作業速度、作業効率が低下してしまう問題がある。
その2:空容器を飛び越して、第1物品容器接続経路31の後段の第1物品容器101Bから、把持機構301が仕分けに不足している第1物品201を、配送容器100に仕分ける。
この場合には、把持機構301やこれが備えるピッキング部材330が、第1物品容器接続経路31の長い距離を移動して仕分けを行わなくてはならない。当然ながら、仕分けにおける作業時間がかかり、仕分け作業の効率が低下する。更には、把持機構301の移動距離を長くする必要があり、把持機構301に必要となるコストや維持コストが高くなる問題もある。
このように、物品仕分け装置1は、仕分け対象となる物品を供給する物品容器接続経路、物品の仕分け作業を受ける仕分けレーン81、仕分けの完了した完成容器105を搬送する完成レーン82との位置構成を有することを前提とする。この場合に、物品の仕分けにおいてどうしても物品容器接続経路において、仕分けレーン81に仕分けのために停止している配送容器100と、物品容器接続経路の後段の物品を収容している物品容器との間に、空容器が挟まれて存在してしまう状態が発生しうる。
この空容器の発生への上記のその1、その2の対応では、作業効率の低下防止や危険性の低減といった、物品仕分け装置1がそもそも目指している目的に弊害を生じさせる。すなわち、配送容器100と後段の物品容器とにはさまれる空容器の発生への適切な対応が必要である。
(挟まれる空容器の発生への対応 : 物品容器の配送容器への格上げ)
図11は、物品仕分け装置における挟まれる空容器への対応を示す説明図である。図10のように挟まれる空容器101Aを発生させないために、図11では、仕分けレーン81を搬送されてくる新たな配送容器100(図9に示される状態)を、第1仕分け位置32に移動させない。その代わりに、2個の第1物品201が残っている第1物品容器101Aを、仕分けレーン81へ移動させる。すなわち、第1物品容器101Aが、仕分けのための第1物品201を収容するだけの物品容器から、仕分けを受ける配送容器と同じ位置づけに格上げされる。
第1物品容器101Aが、配送容器100と同じ位置づけに格上げされて仕分けレーン81に移動すると、第1物品容器接続経路31の後段にあった第1物品容器101Bが前段に移動する。この移動によって、第1物品容器101Bから配送容器に格上げされた第1物品容器101Aに不足している第1物品201を仕分けることができる。
ここでは、配送容器100の位置づけとなった第1物品容器101Aには、すでに2個の第1物品201が収容されている。トータルで3個の第1物品201が仕分けられれば良いので、前段に移動した第1物品容器101Bから、1個の第1物品201が第1物品容器101Aに仕分けられればよい。
こうして、この配送容器100の位置づけに格上げされた第1物品容器101Aには、必要な第1物品201が仕分けされて、次の仕分け位置に向けて、仕分けレーン81を搬送される。
このような物品容器の配送容器の位置付への格上げによって、図10に示されるような挟まれる空容器が発生しなくなる。また、把持機構301による物品の移動距離も短くなり、把持機構301に加わる負荷やコストが低減する。全体に渡って、物品仕分け装置1全体での、仕分け作業の効率や速度を上げることができる。
(格上げに伴う問題)
ここで、発明者は、上述した格上げに伴って発生する問題を分析した。
図12は、物品仕分け装置における物品容器の配送容器への格上げを示す説明図である。第1物品容器101Aが、第1物品容器接続経路31の前段から仕分けレーン81に移動する。この移動は、図6に示されるような搬送ローラ21Aで行われる。また、仕分けレーン81の所定位置に確実に移動するために、仕分けレーン81と完成レーン82との間に設けられるストッパーに第1物品容器101Aが当てられる。
このような移動とストッパーでの停止による慣性によって、図12に示されるように第1物品容器101Aが完成レーン82側にずれてしまう。すなわち隙間400が発生してしまう。図12は、物品仕分け装置での物品容器の格上げ処理により生じる、物品容器内での物品のずれを示す説明図である。
このとき、この配送容器の位置付に格上げされた第1物品容器101Aが、第1物品201をこれ以上仕分けられない場合や、隙間400が生じても問題ない個数の第1物品201の仕分けしか受けない場合には問題が無い。例えば、図13に示される状態である。図13は、物品仕分け装置における格上げされた物品容器への、次の物品容器からの物品の仕分けを示す説明図である。
図13の場合には、第1物品容器接続経路31の前段に移動した次の第1物品容器101Bから、3個の第1物品201Bの仕分けを受けるだけで済む。図13に示されるように、第1物品容器101Aの下方に隙間400ができることで、第1物品容器101Aの完成レーン82側のスペース(完成レーン側スペース)は狭くなっている。しかし、もともとこの完成レーン側スペースには2列分の第1物品201を収容することができる面積がある。このため、図13のように新たに3個の第1物品201Bが移動させられるだけであれば、2列分の面積が隙間400だけ狭くなっただけの完成レーン側スペースに、この3個の第1物品201Bを詰めることはできる。
図13は、問題なく、3個の第1物品201Bを詰めている状態を示している。
しかしながら、場合によっては、第1物品201を、第1物品容器101Aに更に多く仕分けする必要がある場合がある。あるいは、第1仕分け位置32の次の仕分け位置において、別の物品の仕分けを、配送容器100の位置づけに格上げされた第1物品容器101Aが受けることもある。
この場合には、隙間400だけ狭くなった完成レーン側スペースに、3列目となる物品が仕分けされて詰められる必要がある。この完成レーン側スペースは、隙間400だけ狭くなっているので、3列目への物品の配置に困難が生じる。図14は、3列目への物品の配置に生じる困難な一例を示す説明図である。
図14では、第1物品容器101Bからトータルで6個の第1物品201が、配送容器100に格上げされた第1物品容器101Aに移動される必要がある場合が示されている。このため、完成レーン側スペースに、第1物品容器101Aの本来的な収容能力に対応した6個の第1物品201が詰められる。しかしながら、3列目(完成レーン82側にもっとも近い列)は、隙間400の分、本来の面積を残していない。このため、図14に示されるように3列目に仕分けられる第1物品201B2の3個は、第1物品容器101Aの完成レーン82側にはみ出てしまう可能性がある。
3個の第1物品201B2が、第1物品容器101Aからはみ出ていると、当然に仕分けレーン81を搬送される間に落ちてしまうなどの問題がある。
あるいは、図15に示されるように完成レーン側スペースの3列目に3個の第1物品201B2を配置する際に、2列目の第1物品201Bと重なってしまうことがある。図15は、配送容器に格上げされた第1物品容器に仕分けられた第1物品が仕分けられた際に、他の第1物品と重複した状態を示す説明図である。
このように第1物品201B2が、2列目の第1物品201Bと重複することは、第1物品201に破損や損耗を生じさせることがある。例えば第1物品201が精密機器や精密部品である場合には、第1物品容器101Aにおいて重複することで、破損や故障を生じさせることもある。あるいは、性能への悪影響の原因を生じさせてしまうこともあり得る。また、第1物品201が、袋に入ったパンや食品などである場合には、袋が破れたり、袋の内容物が傷んだりすることもあり得る。
いずれの場合も、第1物品201にとって好ましくなく、物品仕分け装置1でこのようなことが生じることは、物品仕分け装置1を使用する使用者にとって、好ましくない。これは、他の第2物品202などでも同じである。
これらの問題は、いずれも物品容器接続経路にある物品容器を、仕分けレーン81への配送容器100としての格上げでの移動によって生じる、物品のずれによる完成レーン側スペースの狭小化によって生じている。
以上のように、発明者は、様々な分析を通じて、挟まれる空容器問題への格上げでの解決に伴って生じうる、上記の問題点を分析した。本発明は、この図14や図15で説明される問題を解決するものである。
(実施の形態1)
(全体概要)
図15までを用いて説明した物品仕分け装置1を、本発明の実施の形態1の容器配置機構に使用する場合を前提に、実施の形態1について説明する。もちろん、容器配置機構は、図15までを用いて説明した物品仕分け装置1のみに、その適用が限られるものではない。
図16は、本発明の実施の形態1における物品仕分け装置に用いる容器配置機構のブロック図であり、仕分け位置に次に来る配送容器へ仕分けるべき物品の個数が、前段物品容器に不足している状態を示している。
容器配置機構500は、物品容器接続経路、仕分けレーン81、仕分け位置、把持機構、移動手段510、制御部10を、備える。ここでは、図3に示した4つの物品容器接続経路を有する物品仕分け装置1を前提として、容器配置機構500は、第1物品容器接続経路31、仕分けレーン81、第1仕分け位置32、第1把持機構301、移動手段510、制御部10を備える。また、容器配置機構500は、仕分けレーン81の外側に完成レーン82を更に備えてもよい。
制御部10は、物品容器接続経路での物品容器の搬送、仕分けレーン81での配送容器100の搬送、把持機構での物品の移動および移動手段510での移動動作の少なくとも一つを制御する。
容器配置機構500は、第1物品容器接続経路31対応する位置、第2物品容器接続経路41に対応する位置、第3物品容器接続経路51に対応する位置、第4物品容器接続経路61に対応する位置のそれぞれに設けられる。
図16に示されるように第1物品容器接続経路31と仕分けレーン81とが接続する仕分け位置32において、配送容器100が到達することが、空容器を生じさせる場合がある。図16の状態では、本来であれば仕分け位置32の手前(仕分けレーン81は、図16の左から右側に向けて配送容器100を搬送する)にある仕分けレーン81は、配送容器100を仕分け位置32に移動させる。
しかし、第1物品容器接続経路31の仕分けレーン81側(「前段」)に位置する第1物品容器101α(「前段物品容器101α」)には、仕分け位置32に到達する配送容器100へ仕分けるべき個数の第1物品201が不足する状態である。この不足状態は、制御部10が把握している。この状態で、配送容器100を、仕分け位置32に移動させて、前段物品容器101αから第1物品201の仕分けを行うと、前段物品容器101αは、配送容器100と、第1物品容器接続経路31の後方(「後段」)にある次の第1物品容器101β(「後段物品容器101β」)との間で、空容器になってしまう。
前段物品容器101αが、配送容器100と後段物品容器101βとの間で空容器となることのデメリットは説明した通りである。
このような図16の場合には、制御部10は、移動手段510に後段物品容器101βを、前段物品容器101αを超えて仕分け位置32に移動させる指示を出す。加えて、制御部10は、仕分けレーン81への指示により、仕分け位置32の手前の配送容器100を、仕分け位置32に移動させずに停止させる。
図17は、本発明の実施の形態1における容器配置機構によって、後段物品容器が前段物品容器を超えて仕分け位置に移動させられた状態を示すブロック図である。
移動手段510は、図17に示すように、後段物品容器101βを、前段物品容器101αを超えて仕分け位置32に移動させている。前段物品容器101αは、上述の通り、配送容器100が仕分け位置32に到達しても、仕分けるべき個数に不足する第1物品201しか収容していない。これに対して、後段物品容器101βは、仕分け位置32に移動する前には、第1把持機構301(図17では、見易さのために表示を省略)による第1物品201の仕分けを受けていない。
このため、後段物品容器101βは、基本的には、収容可能な最大個数の第1物品201を収容している。このため、図17に示されるように、後段物品容器101βは、満杯状態で第1物品201を収容している。図17に示される後段物品容器101βは、この最大収容個数の第1物品201を収容したままで、前段物品容器101αを超えて、仕分け位置32に移動する。このとき、仕分け位置32に来るはずであった仕分けレーン81上の配送容器100の代わりに、仕分け位置32に、後段物品容器101βが位置する状態となる。
このように、後段物品容器101βが仕分け位置32に、配送容器100の代わりに位置する状態が起きることに対応して、配送容器100と第1物品容器101などの物品容器とは、同一種類の物品の収容可能個数が同一であることが好ましい。更にいえば、配送容器100と物品容器とは、それぞれの縦方向および横方向のサイズが略同一であることが好ましい。すなわち、物品仕分け装置1では、配送容器100と物品容器とは、その使用態様の違いで区別されるだけであり、物体としての容器としては、同じもの(サイズや形状など)が使用されればよい。この同じものが使用されることで、物品仕分け装置1を使用する出荷センターなどにおいて、サイズや形状の異なる様々な種類の容器を準備しておく必要が無くなり、効率的かつ低コストである。
仕分け位置32に移動された後段物品容器101βは、最大収容個数の第1物品201を収容している。仕分け位置32とは、すなわち、仕分けレーン81に、後段物品容器101βが位置している状態である。この仕分けレーン81に移動した後段物品容器101βは、第1条件および第2条件の違いによって、その後の取り扱いが異なる。
なお、完成レーン82は、仕分けレーン81の外側に位置する。仕分けレーン81の単数または複数の仕分け位置において物品の仕分けを受けて、所定の種類および個数が揃った配送容器100は、完成容器105として、仕分けレーン81から完成レーン82に排出される。この完成容器105には、仕分けレーン81を移動してきた配送容器100だけでなく、図17のように、仕分けレーン81に移動された後段物品容器101βなどの物品容器であって、所定の種類および個数の物品を収容する状態となったものを含む。
(第1条件)
図17のように、移動手段510が後段物品容器101βを仕分け位置32に移動させる第1条件は、次の通りである。
第1条件:仕分け位置で仕分けを受ける予定の配送容器100(図16の仕分け位置32の手前にある配送容器100)に、最大収容個数の物品が仕分けを受ける場合。
すなわち第1条件は、例えば第1仕分け位置32に空の状態の配送容器100が到達して、最大収容個数である9個(図17では9個が最大収容個数として表されている)の第1物品201が仕分けられる必要がある条件である。この場合、配送容器100を第1仕分け位置32に移動させて、前段物品容器101αと後段物品容器101βのそれぞれから、合計9個の第1物品201の仕分けを受けるのは、前段物品容器101αが空容器になる問題と、第1物品201の仕分けの効率が低い問題がある。
これに対して、図17に示されるように第1条件の場合には、制御部10は、配送容器100を第1仕分け位置32の手前で停止状態として、移動手段510を通じて、後段物品容器101βを第1仕分け位置32に移動させる。この第1仕分け位置32に移動してきた後段物品容器101βは、必要な9個の第1物品201を収容した状態である。すなわち、この第1仕分け位置32に移動してきた後段物品容器101βは、そのまま完成容器105として扱われる。
図18は、本発明の実施の形態1における第1条件での完成容器の完了を示すブロック図である。図17に示されるように、最大収容個数である9個の第1物品201を収容する後段物品容器101βは、第1仕分け位置32ですでに完成容器105の状態である。この結果、図18に示されるように、制御部10は、後段物品容器101βを、完成容器105として、仕分けレーン81から完成レーン82に排出する。
このように、ある種類の物品の最大収容個数を配送容器100に仕分ける仕分け作業のパターンは、物品仕分け装置1においてはありえる。このような場合に、仕分けレーン81を搬送されてくる配送容器100に、把持機構によって物品容器から物品を1個ずつ(あるいは2個ずつなどでもよいが)仕分けるのは効率が悪い。もちろん、仕分け位置の配送容器100に仕分けるための前段物品容器が、最大収容個数の物品を収容していない場合もある。後者の場合も、物品の仕分けなどにおいてきわめて効率が悪い。
これに対して、図17、図18に示すように、後段物品容器101βを、そのまま第1仕分け位置32に移動させることで、さらにはそのまま後段物品容器101βが、完成容器105として完成レーン82に排出される。当然に完成容器105は、物品仕分け装置1の出庫部7から出庫される。
この第1条件での制御部10および移動手段510による上述の処理により、第1把持機構301による第1物品201の移動を行うことなく、9個の第1物品201を収容した完成容器105が完成する。
もちろん、図17、図18に示される容器配置機構500の第1条件での動作は、第2物品接続経路41や第3物品接続経路51などで行われてもよい。
(第2条件)
移動手段510は、第2条件に基づいて動作することもよい。
第2条件は、前段物品容器が仕分け位置に移動する場合に、後段物品容器からの仕分け位置にある前段物品容器への物品の移動必要個数がn個であり、後段物品容器が仕分け位置に移動する場合に仕分け位置の後段物品容器から物品容器接続経路の前段に残る前段物品容器への物品の移動必要個数がn個未満である場合である。
この第2条件の場合も、制御部10は、移動手段510を介して、後段物品容器101βを、前段物品容器101αを超えて、第1仕分け位置32に移動させる。
図19は、本発明の実施の形態1における第2条件に対応する状態を示す容器配置機構周辺のブロック図である。
図19では、仕分けレーン81を搬送される配送容器100が、第1仕分け位置32に到達する場合に、空であった配送容器100に6個の第1物品201を仕分ける必要があると仮定している。ここで、第1物品容器接続経路31の前段にある前段物品容器101αは、2個の第1物品201しか収容していない。このため、配送容器100が、第1仕分け位置32に到達して前段物品容器101αからの第1物品201の仕分けを受けると、前段物品容器101αが空容器となってしまい、図10で説明したような問題となる。
ここで、配送容器100を第1仕分け位置32の手前で停止させて、前段物品容器101αを第1仕分け位置32に移動させ、後段物品容器101βを前段に移動させることも考えられる。この場合には、前段物品容器101αが、仕分けを受ける配送容器の位置付となり、前段に移動した後段物品容器101βから第1物品201の仕分けを受ければよい。
図20は、本発明の実施の形態1における前段物品容器が仕分け位置に移動して、後段物品容器からの物品の仕分けを受ける状態を示す容器配置機構周辺のブロック図である。
図20に示されるように、配送容器の位置付となった前段物品容器101αが必要とする仕分け個数の第1物品201は、4個である。このため、後段物品容器101βから4個の第1物品201が前段物品容器101αに仕分けられる必要がある。すなわち第1把持機構301は、4回の移動動作を行う必要がある。
この4回の移動動作(把持、移動、設置などを含む)の回数を減らすために、移動手段510は、後段物品容器101βを、第1条件と同じく前段物品容器101αを超えて第1仕分け位置32に移動させる。
図21は、本発明の実施の形態1における第2条件で後段物品容器が前段物品容器を超えて仕分け位置に移動させられる状態を示す容器配置機構周辺のブロック図である。
第2条件の場合には、図21に示されるように、後段物品容器101βが、前段物品容器101αを超えて第1仕分け位置32に移動する。すなわち、後段物品容器101βが、配送容器100の位置づけとなる。ここで、後段物品容器101βは、収容最大個数の9個の第1物品201を収容している。仕分けとして最終的に必要なのは、6個の第1物品201を収容する配送容器100の位置づけとなった後段物品容器101βである。
このため、制御部10は、第1把持機構301を使用して第1仕分け位置32(仕分けレーン81上)にある後段物品容器101βから、手前である第1物品容器接続経路31の前段にある前段物品容器101αに、3個の第1物品201を戻せばよい。
図22は、本発明の実施の形態1における仕分け位置の後段物品容器から余分な個数の物品を、物品接続経路の前段にある前段物品容器に戻す状態を説明する容器配置機構周辺のブロック図である。
図22に示されるように、余分な3個の第1物品201が、仕分け位置32の後段物品容器101βから、第1物品容器接続経路31の前段にある前段物品容器101αに戻される。このとき、第1把持機構301が、この戻し作業を行う。この戻し作業を受けた仕分け位置32の後段物品容器101βは、必要な所定数の6個の第1物品201を収容した状態となる。すなわち、必要となる種類および個数の物品を収容した状態の配送容器の位置付となる。
このため、この6個の第1物品201を収容するに至った後段物品容器101βは、完成容器105として完成レーン82に排出される。完成容器105は、完成レーン82から出庫部7に出庫される。
このように、図22のように第1仕分け位置32に移動させられた後段物品容器101βから前段物品尿器101αへの戻し作業においては、第1把持機構301は、3回の第1物品201の移動処理で済む、図20の場合に比べて、第1把持機構301による物品201の移動処理回数は減少する。すなわち、容器配置機構500によって、物品仕分け装置1の物品仕分け作業の効率が向上する。
もちろん、図20のように、後段物品容器101βから第1仕分け位置32にある前段物品容器101αへの物品の仕分けでの移動回数より、図22のように第1仕分け位置32にある後段物品容器101βから第1物品容器接続経路31にある前段物品容器101αへの戻し作業の移動回数が更に少なくなる場合もある。
このように、第2条件の場合には、図21、図22のような手順で、容器配置機構500は、処理を行う。もちろん、この時、第1仕分け位置32の手前にある配送容器100を停止させておく。これは、第1条件、第2条件のいずれの場合でも同じであり、制御部10は、仕分けレーン81の第1仕分け位置32の手前にある配送容器100を停止させ、これに優先して後段物品容器101βを、第1仕分け位置32に移動させる。
また、図22に示される戻し作業を行われた第1仕分け位置32の後段物品容器101βに、他の種類である第2物品202や第3物品203などを仕分けて詰める必要がある場合には、後段物品容器101βは、そのまま仕分けレーン81上を次の仕分け位置に向けて搬送される。
以上のように、第2条件での移動手段510、第1把持機構301、これらを制御する制御部10による図20、図21に示す動作は、他の物品接続経路においても、同様に行われる。これは、第1条件での処理でも同じである。
以上のように、実施の形態1における容器配置機構500は、物品接続経路から供給される物品容器において、後段物品容器を配送容器および前段物品容器に優先して仕分け位置に移動させる。更に、仕分け位置に移動した後段物品容器の状態によって、そのまま完成容器105として完成レーン82に排出してもよい。あるいは、後段物品容器から前段物品容器へ不要な個数の物品を戻す戻し作業を行って、完成容器105としたり、次の仕分け位置に搬送したりする。これらによって、空容器の発生や空容器の発生に伴う問題を解消できる。加えて、把持機構による物品の移動回数を削減で来て、容器配置機構500が使用される物品仕分け装置1での仕分け作業の高速化、効率化を促進できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した後段物品容器の前段物品容器を超えて、仕分け位置に移動させる処理について説明する。
図23は、本発明の実施の形態2における物品接続経路上の前段に前段物品容器が位置し、後段に後段物品容器が位置している容器配置機構の一部の正面図と後方図である。図23の左側は、容器配置機構500の一部である第1物品容器接続経路31を上から見た状態を示している。図23の右側は、仕分けレーン81側から見た状態を示している。
図23では、第1物品容器接続経路31において、前段に前段物品容器101αが位置しており、後段に後段物品容器101βが位置している。すなわち、通常通りの順序で、複数の第1物品容器101が、第1物品容器接続経路31に並んでいる。このような場合に、実施の形態1で説明した第1条件、第2条件のいずれかの場合には、移動手段は、後段物品容器101βを、前段物品容器101αを超えて仕分け位置に移動させる。
図24は、本発明の実施の形態2における後段物品容器が前段物品容器を超えて移動する状態を示す容器配置機構の一部の正面図と後方図である。図24の左側は、容器配置機構500の一部である第1物品容器接続経路31を上から見た状態を示している。図24の右側は、仕分けレーン81側から見た状態を示している。
図24において、第1物品容器接続経路31は、昇降可能な支柱311を備える。この昇降可能な支柱311が上昇することで、前段に位置している前段物品容器101αが上昇する。この結果、上昇してできた空間を、後段物品容器101βが通り抜けることができるようになる。図24の右側の後方図は、この支柱311の上昇によってできた空間を、後段物品容器101βが通り抜けている状態を示している。後段物品容器101βは、この通り抜けにより、前段物品容器101αを超えて、仕分け位置に移動することができる。
このように後段物品容器101βは、前段物品容器101αの下方の経路で、前段物品容器101αをバイパスして移動できる。もちろん、前段物品容器101αの上方、あるいは側面から移動してもよい。
以上のように、移動手段は、後段物品容器101βを、前段物品容器101αを超えて仕分け位置に移動させることができる。
なお、実施の形態1〜1で説明された物品仕分け装置に用いる容器配置機構は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。