JP6484998B2 - 情報コード媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報コード媒体の製造方法に関するものである。
現在では、情報コードの用途が様々に広がっており、その形成方法も様々に提案されている。例えば、特許文献1の技術では、刺繍によって二次元バーコードを形成する技術が開示されており、この技術では、布地101に糸を縫い付けることによって二次元バーコードパターンを形成し、そのパターンの内外周辺を包囲するように内外周縁に沿って糸を縫い付けている。
特開2000−8269号公報
ところで、刺繍の対象となる製品(繊維製品等)は、一般的に変形しやすく一定形状で保持され難いという特性があるため、刺繍によって情報コードを形成する場合、刺繍の際に対象部位が変形してしまったり、縫い付け時と縫い付け後とで形が大きく変わってしまうことなどがあり得る。このため、刺繍によって図柄を描くことを想定した場合、紙媒体に対して印刷などで絵を描くような場合と比較して、描かれた図柄の形状がばらつきやすく、予定された正規図柄と比較して若干歪んだり、位置ずれなどが生じやすいという事情がある。
そのため、ズレが生じにくいように、刺繍の際には土台となる布を引っ張る等の対策をし、歪みや位置ズレを軽減するようにしている。しかし、単に刺繍部位を利用者や第三者に肉眼で把握させることだけを目的とする場合(例えば、あくまで装飾のためのデザインとしてのみ使用する場合など)では、上記対策で十分であるが、装置によって機械的に読み取られることを想定した情報コードを形成する場合には大きな問題となる。例えば、見た目には大きくない歪みであったとしても、歪み方によっては、読み取りに際して様々な画像処理等を強いることになって時間がかかってしまったり、読み取りが全く行えなくなったりする事態が頻発することが懸念される。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、良好に読み取られやすい情報コードを刺繍によって形成することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、刺繍を施す対象媒体の少なくとも一方側の面を覆う構成で、所定方法で除去可能に構成された被覆層を配置するとともに、前記対象媒体における前記一方側の面とは反対側の面において前記被覆層の配置領域の裏側に前記所定方法で除去可能に構成された第二層を配置する配置工程と、
前記対象媒体と前記被覆層とが重ねられた積層体において、前記被覆層及び前記第二層いずれも配置された積層領域の一部を形成対象領域とし、前記被覆層及び前記第二層いずれも配置された積層領域における前記形成対象領域の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域とし、前記被覆層と前記対象媒体と前記第二層とを所定形状の枠部材によって挟み込むように前記保持対象領域を保持するとともに、前記形成対象領域を張られた状態とする保持工程と、
前記保持工程によって保持された前記積層体の前記形成対象領域に対し、刺繍によって情報コードとしてQRコードを形成する形成工程と、
前記形成工程によって前記情報コードが形成された前記積層体から、前記被覆層及び前記第二層をいずれもを除去する除去工程と、
を含み、
前記情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが所定の縦方向に複数行配列され且つ所定の横方向に複数列配列されてなるものであり、
前記形成工程では、さらに、全ての暗色セルを含む最小の矩形状領域となるコード領域の外縁部に隣接する位置に、環状のマージン領域を、明色の刺繍糸によって矩形枠状に埋めるように形成し、
前記被覆層及び前記第二層は、水に溶ける透明な水溶性シートとして構成されることを特徴とする。
請求項1の発明では、まず、刺繍を施す対象媒体の少なくとも一方側の面を覆う構成で、所定方法で除去可能に構成された被覆層を配置するとともに、対象媒体における一方側の面とは反対側の面において被覆層の配置領域の裏側に所定方法で除去可能に構成された第二層を配置する。そして、その積層体において、被覆層及び第二層いずれも配置された積層領域の一部を形成対象領域とし、形成対象領域の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域とする形で、被覆層と対象媒体と第二層とを所定形状の枠部材によって挟み込むように保持対象領域を保持するとともに、形成対象領域を張られた状態とする。そして、このような保持状態となった形成対象領域に対し、刺繍によって情報コードとしてQRコードを形成する。
このように、形成対象領域において被覆層と対象媒体とをいずれも張られた状態とし、このような状態を枠部材によって保持することで、刺繍の際に形成対象領域に生じる歪みや撓みを抑制することができる。特に、刺繍を施す際には、対象媒体の一方側の面(情報コードを表す側の面)を覆うように被覆層が配置され且つこの被覆層が張られた状態で保持されるため、針を挿し込む際の圧力を被覆層で受けることができ、針の挿し込みの際の対象媒体の歪みや撓みを効果的に抑制することができる。また、針を抜く際には、抜き取りに伴う対象媒体の撓み(針の抜き取りにつられて抜き取り方向に引っ張られるような撓み等)を被覆層で支持して抑えることができるため、針の抜き取りの際の対象媒体の歪みや撓みについても効果的に抑制することができる。このように、刺繍の際に対象媒体が安定的に保持されるため、最終的に形成された情報コードが予定された形状から大きく変わるようなばらつきが確実に抑えられ、予定形状に近く読み取りが良好に行われやすい情報コードが高い精度で形成されることになる。また、情報コードが形成された後には、除去工程によって被覆層を除去することができるため、被覆層によって、情報コードの読取に支障が出るといった問題等も生じにくくなる。
そして、対象媒体の両面側に被覆層と第二層とをそれぞれ配置し、形成対象領域において、被覆層、対象媒体、第二層がいずれも張られた状態となるように枠部材によって保持すれば、刺繍の際に形成対象領域に生じる歪みや撓みをより効果的に抑制することができる。特に、対象媒体の両面側から付加されようとする圧力を、被覆層及び第二層によってそれぞれ受けることができるため、外部からの圧力に起因する歪みや撓みを確実に抑えながら刺繍を施すことができる。また、形成対象領域が少なくとも三層の積層構造となるため撓み変形がより確実に抑えられることになる。
特に、第二層が、所定方法で除去可能に構成された材料からなり、除去工程では、被覆層及び第二層をいずれも除去する。
この発明によれば、対象媒体の両側の層(被覆層及び第二層)によって対象媒体の撓みや歪みをより確実に抑えながら情報コードを刺繍によって形成することができ、さらに、最終製品では、両側の層(被覆層及び第二層)がいずれも残存しにくくなるため、両側の層が最終製品の外観に影響を及ぼしにくくなり、情報コードの読取に支障が出るといった問題等も生じにくくなる。
請求項の発明は、形成工程において、データ記録領域に所定の個人情報を記録してなる情報コードを刺繍によって積層体の形成対象領域に形成する。
このような方法によれば、対象媒体に対して有用な個人情報をさりげなく付しておくことができる。例えば、読み取りを行わない通常時には個人情報の全てを文字等によって明示することなく一定の秘匿性を保つことができ、個人情報が必要となった時(例えば、対象媒体を所持した者が遭難したとき、対象媒体が落し物となったときなど)には、情報コードを読み取って必要な個人情報を把握するといったことが可能となる。
請求項の発明では、個人情報は、個人の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先、年齢、生年月日、血液型、電子メールアドレス、保護者に関する情報、職業、所属先に関する情報、保険証情報、免許証情報の少なくともいずれかを含む。
この発明によれば、対象媒体に対して有用な個人情報をさりげなく付しておくことができ、必要な時に個人の特定、個人の推測、個人に関する具体的内容の把握の少なくともいずれかが可能となる。
請求項の発明では、形成工程において、データ記録領域にメッセージ情報を記録してなる情報コードを刺繍によって積層体の形成対象領域に形成する。
この発明によれば、対象媒体に対してメッセージ情報をさりげなく付しておくことができる。また、読み取りを行うことができれば、必要な時にすぐにメッセージ情報を読み出して把握することが可能となる。
例えば、衣服、帽子、ネクタイ、ハンカチ、タオルなどの身に付ける物や、飾り物、ぬいぐるみ、玩具等の贈り物や記念品などを対象媒体とし、その対象媒体に上記情報コードを付して贈り物などとすれば、贈り物と共にメッセージをさりげなく渡すことができる。しかも、情報コードは上記対象物に付され続けるため、メッセージをさりげない形で且つ紛失しにくい形でより確実に残しておくことができ、読み返したくなった時には情報コードの読み取りによっていつでも読み出すことができる。
請求項の発明では、対象媒体は、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物の少なくともいずれかである。
この発明によれば、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物に、読み取りが良好に行われやすい形で、且つより消えにくい形で、より確実に情報コードを付しておくことができる。
請求項の発明では、形成工程では、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データを記録する非公開領域が設けられた情報コードを刺繍によって積層体の形成対象領域に形成する。
この発明によれば、対象媒体において必要な情報を刺繍によってさりげなく且つより確実に残しておくといったことを可能としつつ、その刺繍エリアの少なくとも一部領域(非公開領域)については、暗号化キーが存在しない限り読み取られないようにすることができる。
請求項の発明では、情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが所定の縦方向に複数行配列され且つ所定の横方向に複数列配列されてなるものであり、形成工程では、情報コードを刺繍によって形成対象領域に形成する上で、複数の暗色セルのうち、縦方向又は横方向のうちの少なくともいずれかの方向に並ぶ暗色セル同士を連続する模様として認識し、縦方向又は横方向のうちの少なくともいずれかの向きに並ぶ暗色セル同士を連続的にまとめて刺繍する。
この方法によれば、暗色セルを一つ一つ別々に刺繍する方法と比較して効率化を図ることができ、時間短縮を図り易くなる。
請求項の発明では、情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが配列されてなり且つ暗色セルが所定の連続状態で連続して並んだ暗色セル連続部を1又は複数備えた特定パターンを有するものであり、形成工程では、暗色セル連続部を連続する模様として認識し、暗色セル連続部内の暗色セルをまとめて刺繍する。
この方法によれば、特定パターン内の暗色セル連続部を効率的に刺繍することができ、時間短縮を図り易くなる。また、特定パターン内の暗色セル連続部がまとめられた形で刺繍されるため、暗色セル連続部内で分断等が生じにくくなり、読み取りの際の重要部分である特定パターンにおいて誤認識等が生じにくくなる。
図1は、情報コード利用システムの一例を概略的に例示する概略図である。 図2は、図1の情報コード利用システムの一部をなす情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図3は、図1の情報コード利用システムで製造される情報コード媒体の一例を概略的に示す説明図である。 図4は、図3の情報コード媒体を製造するための一部の工程を断面で説明する説明図である。 図5は、図4の工程に続く工程を説明する説明図である。 図6は、図3の情報コード媒体を製造するための一部の工程を平面で説明する説明図である。 図7は、図6の工程に続く工程を説明する説明図である。 図8は、図7の工程に続く工程を説明する説明図である。 図9(A)は、形成対象となる情報コードの各セルの配置領域を概念的に説明する説明図であり、図9(B)は、図9(A)のように構成される配置領域の一部を具体化したコード画像を例示する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード利用システム)
図1に示す情報コード利用システム1は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コード101を刺繍によって形成する情報コード形成装置2と、情報コード形成装置2によって形成された情報コード101を読み取る情報コード読取装置10とを備えた構成をなしている。
(情報コード形成装置)
図1で示す情報コード形成装置2は、例えばコンピュータ等の情報処理装置と刺繍機とを備えた刺繍装置として構成されており、CPUなどからなる制御部3と、ボタン、キーボード、マウス、タッチパネル、その他の入力装置からなる操作部4と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部5と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部6と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部7と、公知のコンピュータミシン、刺繍ミシン、電子ミシン等と同様のハードウェア構成をなし且つ制御部3からの刺繍データに基づいて情報コード101等を刺繍可能な刺繍機8とを備えている。
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置10の全体構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的にはバーコードなどの公知の一次元コードや、QRコード(登録商標)やデータマトリックスコードなどの公知の二次元コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、図示しないケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。この情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。これらの部品は、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。なお、情報コード読取装置10の具体的機能は様々であり、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機などとして構成されていてもよく、それ以外の携帯型読取装置として構成されていてもよい。また、ここでは、携帯端末として構成された情報コード読取装置10を例示するが、情報コード読取装置10は、据置型の装置として構成されていてもよい。
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して対象媒体110に向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この対象媒体110としては、例えば、樹脂材料、繊維材料などの様々な対象が考えられ、このような対象媒体110に例えば図1のような情報コード101(後述)が刺繍によって形成されている。
受光センサ23は、対象媒体110や情報コード101に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コード101のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード101の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置などの公知の記憶媒体よって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM、不揮発性メモリ等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
(情報コード媒体)
次に、情報コード媒体100について説明する。
情報コード媒体100は、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物の少なくともいずれかからなる対象媒体110に、刺繍によって情報コード101が付されてなるものである。対象媒体110の具体例としては、帽子や衣服等の衣類、鞄、財布、傘などの携行用具、様々な用具(携帯電話機やスマートフォンなどの電化製品、スポーツ用具、学用品等)を収容する収容具(袋やカバーケース等)などが挙げられる。なお、これら以外でも、刺繍が可能な物品であって、人によって携行され得る物品であれば様々な物品を対象媒体110とすることができる。
対象媒体110において、情報コード101が付される部位(刺繍が施される部位)は、刺繍が可能な材料であればよく、例えば、繊維材料、樹脂材料、これらの混合材料、その他の材料などが挙げられる。
対象媒体110に形成される情報コード101は、公知の様々な情報コードとすることができ、例えば、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、データマトリックスコード、マキシコード、iQRコード(登録商標)、SQRC(登録商標)、ロゴQ(登録商標)などの様々な情報コードとすることができる。また、コード領域内にデザインを表した情報コードとしてもよく、この場合、デザインの部分は、刺繍によって構成してもよく、この部分だけ選択的に公知のプリント方法でプリントしてもよい。
図3には、情報コード媒体の一例を示しており、この構成では、QRコード(登録商標)として構成される情報コード101が繊維製品等として構成される対象媒体110に刺繍によって形成されている。この情報コード101は、予め定められた固定形状の特定パターンを含んだ情報コードであり、具体的には、3つの角部に配置される位置検出パターン104と、アライメントパターン108と、タイミングパターン106とを含んでいる。図3の例では、暗色セル102aの領域を埋めるように、所定の暗色(例えば黒色、紺色、青色等の暗色)の糸によって刺繍が施されており、明色セル102bの領域は、暗色の糸によって刺繍が施されずに対象媒体110の地の色が表れた領域となっている。対象媒体110の地の色は、少なくともコード領域内及びその周囲の環状領域が白、黄色、水色等の明色となっている。
(情報コード媒体の製造方法)
次に、情報コード媒体100の製造方法について説明する。
情報コード媒体100の製造に際しては、まず、配置工程を行う。この工程では、図4(A)のように、刺繍を施す対象媒体110を用意する(平面図は図6(A)を参照)。そして、図4(B)のように、刺繍を施す対象媒体110の少なくとも一方側の面を覆う構成で、所定方法で除去可能に構成された被覆層121を配置する(平面図は図6(B)を参照)。なお、図4(B)の例では、対象媒体110の一方側の面(情報コード101を表す側の面)に被覆層121を配置するだけでなく、対象媒体110における一方側の面とは反対側の面(具体的には、被覆層121の配置領域の裏側)にも第二層122を配置している。本構成では、被覆層121及び第二層122のいずれもが水に溶ける公知の水溶性シート(透明シート)として構成されており、例えば、洗濯などの水をかける行為によって除去できるようになっている。なお、ここでは、被覆層121や第二層122として、水溶性シートを例示しているが、特定の薬品を塗布することによって溶けるような材料からなるシートなどでも良い。
そして、図4(B)のように対象媒体110と被覆層121とが重ねられた積層体において、被覆層121が配置された積層領域の一部を形成対象領域AR1とし、被覆層121が配置された積層領域における形成対象領域AR1の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域AR2とし、図4(C)のように被覆層121と対象媒体110とを所定形状の枠部材140によって挟み込むように保持対象領域AR2を保持するとともに、形成対象領域AR1を張られた状態(撓みの無い状態又は撓みの少ない状態)とする。より具体的には、図4(B)で示す積層体において、被覆層121及び第二層122がいずれも配置された積層領域(被覆層121と第二層122とによって対象媒体110が挟まれている領域)の一部を形成対象領域AR1とし、被覆層121及び第二層122がいずれも配置された積層領域における形成対象領域AR1の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域AR2とする。そして、図4(C)のように、被覆層121と対象媒体110と第二層122とを枠部材140によって挟み込むように保持対象領域AR2を保持するとともに形成対象領域AR1を張られた状態とする(平面図は、図7(A)参照)。この状態では、形成対象領域AR1において、被覆層121及び第二層122がいずれも対象媒体110に密着した状態となり、且つ、被覆層121、第二層122、対象媒体110がいずれも張られた状態となる。
図4(C)等で示す保持工程では、例えば公知の刺繍枠などとして構成される枠部材140を用いている。この枠部材140は、内枠141と、この内枠141の外形よりも内径が僅かに大きい外枠142とを備えており、保持工程では、内枠141と外枠142との間において、内枠141の外周面の全周にわたって第二層122を密着させ、且つ外枠142の内周面の全周にわたって被覆層121を密着させ、全周に亘って積層領域(被覆層121と対象媒体110と第二層122とが積層された領域)が内枠141の外周面と外枠142の内周面の間に挟み込まれるようにし、且つ、内枠141よりも内側の形成対象領域AR1に撓みや皺が極力生じないように、形成対象領域AR1を構成する積層部分(被覆層121、第二層122、対象媒体110)を張った状態で保持する(図7(A)参照)。なお、図4(C)では、形成対象領域の範囲を符号AR1で示し、図7(A)では、形成対象領域の外縁を符号AR1で示している。
このような保持工程の後には、形成工程を行い、保持工程によって保持された積層体の形成対象領域AR1に対し、刺繍によって情報コード101を形成する。具体的には、図4(C)のように積層領域(被覆層121と対象媒体110と第二層122とが積層された領域)のうちの形成対象領域AR1を内枠141の内側で張られた状態としながら、図5(A)、図7(B)のように公知の方法で刺繍を施し、対象媒体110の一方面側に情報コード101の図柄を形成する。情報コード101の刺繍図柄の形成については、例えばコンピュータミシン等で用いられる公知の方法を採用すればよい。
コンピュータミシン等では、入力された画像データの画像を読み取り、その画像の絵柄をミシン針の自動制御によって刺繍する方法が一般化している。本製造方法では、これを利用し、予め生成しておいた情報コードの画像データを読み取り、そのコード画像の絵柄を、ミシン針の自動制御による刺繍によって形成対象領域AR1に形成する。なお、形成しようとする情報コード101の元となるコード画像データについては、公知の方法で生成することができ、刺繍機8によって刺繍を行う前に、希望する情報をデータ記録領域に記録してなる情報コード(例えば、希望情報をデータ記録領域に記録したQRコード等)の画像データを予め生成し、記憶部5に記憶しておけばよい。
なお、ここで説明する例では、図9(A)のように、矩形状のセル領域(各セルを表す対象領域)が25行25列でマトリックス状に並ぶ矩形状のコード領域を前提としている。そして、このようなコード領域において各セル領域が明色セル又は暗色セルのいずれかによって構成されるQRコード(登録商標)を形成対象とし、このようなQRコード(登録商標)のうちの暗色セルの領域を刺繍糸によって埋めると共に、明色セルの領域に刺繍を施さないように(即ち、対象媒体110を露出させるように)情報コードを形成することを想定している。例えば、図9(B)では、矩形状のセル領域が25行25列でマトリックス状に並ぶ矩形状のコード領域のうち、一部の領域を具体化してなるQRコードの画像を概念的に示しており、具体的には、位置検出パターンの画像104a’、104b’ 104c’、タイミングパターンの画像106’、アライメントパターンの画像108’と、一部の暗色セル集合領域の画像E11のみを示している。なお、図9(B)では、これらの画像領域以外の各セル領域は破線枠で示して具体的表示は省略しているが、実際には明色セル又は暗色セルのいずれかの画像で表されることになる。
形成装置2では、図9(B)のようなコード画像(具体的には、図9(B)のコード画像において省略された残余の各セル領域を明色セル画像又は暗色セル画像のいずれかとして具体化したコード画像)が予め記憶部5に記憶されており、このコード画像の刺繍を行う場合、制御部3は、このコード画像のデータを記憶部5から読み取る。そして、刺繍機8では、当該刺繍機8に対して相対的に位置決めされた形成対象領域AR1の一部を、上記コード画像を表すためのコード領域(情報コードの形成が予定された領域)として設定した上で、その設定されたコード領域のうちの暗色セルを形成すべき位置に対し、暗色の刺繍糸によって埋めるように形成対象領域AR1に対して刺繍を施す。刺繍の際の縫い方は公知の様々な方法を用いることができ、直線縫い、ジグザグ縫い、点線縫い、フリ縫い、タタミ縫い、ステッチ縫いなど、様々な方法を用いることができる。
そして、刺繍を施す際には、図9(B)のようなコード画像(具体的には、図9(B)のコード画像において省略された残余の各セル領域を明色セル画像又は暗色セル画像のいずれかとして具体化したコード画像)のうちの縦方向(列方向)又は横方向(行方向)のうちの少なくともいずれかの方向に並ぶ暗色セル同士を連続する模様として認識し、このように連続して並ぶ暗色セル同士を連続的にまとめて刺繍する。例えば、図9(B)のコード画像では、所定の連続状態で連続して並んだ暗色セル連続部を1又は複数備えた特定パターン(位置検出パターン、アライメントパターン)の画像が含まれており、形成工程では、このような特定パターンにおいて、暗色セル連続部を連続する模様として認識し、暗色セル連続部内の暗色セルをまとめて刺繍する。例えば、位置検出パターンの画像104a’では、暗色セルが3行3列で矩形状に並んだ矩形状の暗色セル連続部A12と、暗色セルが矩形枠状に並んだ暗色セル連続部A11とが含まれており、このような位置検出パターンの画像104a’の刺繍を行う場合、暗色セル連続部A12を連続する模様として認識し、暗色セル連続部A12内の暗色セルをまとめて刺繍する。また、暗色セル連続部A11も同様であり、暗色セル連続部A11を連続する模様として認識し、暗色セル連続部A11内の暗色セルをまとめて刺繍する。なお、他の特定パターンにおける暗色セル連続部B11、B12、C11、C12、D11も同様であり、各々を連続する一連の模様として認識し、各々において、暗色セルをまとめて刺繍する。また、特定パターン以外でも同様であり、図9(B)のコード画像におけるE11のように、データ記録領域の一部領域において、暗色セルが連続して配置される暗色セル連続部が存在する場合には、暗色セル連続部E11を連続する模様として認識し、暗色セル連続部E11内の暗色セルをまとめて刺繍する。特に、位置検出パターンの画像104a’、104b’、104c’における各暗色セル連続部A11、A12、B11、B12、C11、C12のそれぞれを1つの模様として認識し、それぞれをまとめて刺繍すれば、効率化は勿論のこと、図3のように形成される位置検出パターンにおいて暗色領域の分断等が生じにくく、形状の精度も高まり、位置検出パターン104のそれぞれの剛性も高くなる。
なお、形成工程で形成される情報コード101は、例えば、データ記録領域に所定の個人情報が記録された構成となっている。個人情報としては、個人の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先、年齢、生年月日、血液型、電子メールアドレス、保護者に関する情報、職業、所属先に関する情報、保険証情報、免許証情報などが挙げられ、これらのうちの1又は複数の情報をデータ記録領域に記録しておくとよい。
そして、図5(A)のような形成工程を経て、刺繍による情報コード101の形成が完了した後には、図5(B)のように、枠部材140を外す(平面図は、図8(A)参照)。そして、最後に、形成工程によって情報コード101が形成された積層体から被覆層121を除去する除去工程を行う。具体的には例えば、図5(B)、図8(A)のように構成された積層体を洗うことによって被覆層121及び第二層122をいずれも同時期に溶かして除去する。なお、この方法に限られず、例えば、被覆層121及び第二層122の部分に水をかけ、被覆層121及び第二層122をいずれも溶かして除去することも可能である。このようにして、対象媒体110に対し、刺繍による情報コード101を付すことができる(図5(C)、図8(B)参照)。
(本構成及び本製造方法の主な効果)
上述した製造方法では、形成対象領域において被覆層121と対象媒体110とをいずれも張られた状態とし、このような状態を枠部材140によって保持することで、刺繍の際に形成対象領域に生じる歪みや撓みを抑制することができる。特に、刺繍を施す際には、対象媒体110の一方側の面(情報コード101を表す側の面)を覆うように被覆層121が配置され且つこの被覆層121が張られた状態で保持されるため、針を挿し込む際の圧力を被覆層121で受けることができ、針の挿し込みの際の対象媒体110の歪みや撓みを効果的に抑制することができる。また、針を抜く際には、抜き取りに伴う対象媒体110の撓み(針の抜き取りにつられて抜き取り方向に引っ張られるような撓み等)を被覆層121で支持して抑えることができるため、針の抜き取りの際の対象媒体110の歪みや撓みについても効果的に抑制することができる。このように、刺繍の際に対象媒体110が安定的に保持されるため、最終的に形成された情報コード101が予定された形状から大きく変わるようなばらつきが確実に抑えられ、予定形状に近く読み取りが良好に行われやすい情報コード101が高い精度で形成されることになる。また、情報コード101が形成された後には、除去工程によって被覆層121を除去することができるため、被覆層121が最終製品の外観を損ねるといった問題等も生じにくくなる。
また、上述した製造方法では、配置工程において、対象媒体110の一方側の面に被覆層121を配置するとともに、対象媒体110における一方側の面とは反対側の面において被覆層121の配置領域の裏側に第二層122を配置している。そして、保持工程では、積層体において、被覆層121及び第二層122がいずれも配置された積層領域の一部を形成対象領域とし、被覆層121及び第二層122がいずれも配置された積層領域における形成対象領域の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域とし、被覆層121と対象媒体110と第二層122とを枠部材140によって挟み込むように保持対象領域を保持するとともに形成対象領域を張られた状態とする。
このように、対象媒体110の両面側に被覆層121と第二層122とをそれぞれ配置し、形成対象領域において、被覆層121、対象媒体110、第二層122がいずれも張られた状態となるように枠部材140によって保持すれば、刺繍の際に形成対象領域に生じる歪みや撓みをより効果的に抑制することができる。特に、対象媒体110の両面側から付加されようとする圧力を、被覆層121及び第二層122によってそれぞれ受けることができるため、外部からの圧力に起因する歪みや撓みを確実に抑えながら刺繍を施すことができる。また、形成対象領域が少なくとも三層の積層構造となるため撓み変形がより確実に抑えられることになる。
また、上述した製造方法では、第二層122が、所定方法で除去可能に構成された材料からなり、除去工程では、被覆層121及び第二層122をいずれも除去している。
この方法によれば、対象媒体110の両側の層(被覆層121及び第二層122)によって対象媒体110の撓みや歪みをより確実に抑えながら情報コード101を刺繍によって形成することができ、さらに、最終製品では、両側の層(被覆層121及び第二層122)がいずれも残存しにくくなるため、両側の層が最終製品の外観に影響を及ぼしにくくなり、情報コードの読取に支障が出るといった問題等も生じにくくなる。
また、上述した製造方法では、形成工程において、データ記録領域に所定の個人情報を記録してなる情報コード101を刺繍によって積層体の形成対象領域に形成している。
このような方法によれば、対象媒体110に対して有用な個人情報をさりげなく付しておくことができる。例えば、読み取りを行わない通常時には個人情報の全てを文字等によって明示することなく一定の秘匿性を保つことができ、個人情報が必要となった時(例えば、対象媒体110を所持した者が遭難したとき、対象媒体110が落し物となったときなど)には、情報コード101を読み取って必要な個人情報を把握するといったことが可能となる。
また、個人情報としては、個人の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先、年齢、生年月日、血液型、電子メールアドレス、保護者に関する情報、職業、所属先に関する情報、保険証情報、免許証情報の少なくともいずれかを含んでいる。
このような方法によれば、対象媒体110に対して有用な個人情報をさりげなく付しておくことができ、必要な時に個人の特定、個人の推測、個人に関する具体的内容の把握の少なくともいずれかが可能となる。
また、上述した例では、対象媒体110は、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物の少なくともいずれかとなっている。このようにすれば、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物に対し、読み取りが良好に行われやすい形で、且つより消えにくい形で、より確実に情報コード101を付しておくことができる。
また、上述した例では、情報コード101は、所定の暗色セル102aと明色セル102bとが所定の縦方向に複数行配列され且つ所定の横方向に複数列配列されてなるものであり、形成工程では、情報コード101を刺繍によって形成対象領域AR1に形成する上で、複数の暗色セル102aのうち、縦方向又は横方向のうちの少なくともいずれかの方向に並ぶ暗色セル同士を連続する模様として認識し、縦方向又は横方向のうちの少なくともいずれかの向きに並ぶ暗色セル同士を連続的にまとめて刺繍している。
この方法によれば、暗色セルを一つ一つ別々に刺繍する方法と比較して効率化を図ることができ、時間短縮を図り易くなる。
また、情報コードは、暗色セル102aが所定の連続状態で連続して並んだ暗色セル連続部を1又は複数備えた特定パターンを有するものであり、形成工程では、暗色セル連続部を連続する模様として認識し、暗色セル連続部内の暗色セルをまとめて刺繍している。
この方法によれば、特定パターン内の暗色セル連続部を効率的に刺繍することができ、時間短縮を図り易くなる。また、特定パターン内の暗色セル連続部がまとめられた形で刺繍されるため、暗色セル連続部内で分断等が生じにくくなり、読み取りの際の重要部分である特定パターンにおいて誤認識等が生じにくくなる。
[第1実施形態の変更例1]
上述した代表例では、データ記録領域に個人情報を記録する形で情報コード101を形成したが、この構成に代えて、或いはこの構成に付加する形で、「情報コード101のデータ記録領域にメッセージ情報を記録する」という特徴を付加してもよい。この例では、形成工程において、このような情報コード101を刺繍によって積層体の形成対象領域AR1に形成すればよい。
このようにすれば、対象媒体110に対してメッセージ情報をさりげなく付しておくことができる。また、読み取りを行う環境があれば(例えば、情報コードを読み取る機能を備えたスマートフォンや携帯電話機などの携帯端末を所持していれば)、必要な時にすぐにメッセージ情報を読み出して把握することが可能となる。
例えば、衣服、帽子、ネクタイ、ハンカチ、タオルなどの身に付ける物や、飾り物、ぬいぐるみ、玩具等の贈り物や記念品などを対象媒体110とし、その対象媒体110に上記情報コード101(メッセージが記録された情報コード)を付してプレゼント等とすれば、プレゼントと共にメッセージをさりげなく渡すことができる。しかも、情報コード101は上記対象物に付され続けるため、メッセージをさりげない形で且つ紛失しにくい形でより確実に残しておくことができ、読み返したくなった時には情報コード101の読み取りによっていつでも読み出すことができる。
[第1実施形態の変更例2]
上述したいずれの例でも、情報コード101を更に特徴的な構成とすることができる。例えば、情報コード101を、「所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データを記録する非公開領域が設けられた情報コード」とすることができ、形成工程では、このような情報コード101を刺繍によって積層体の形成対象領域に形成してもよい。
このようにすれば、対象媒体110において必要な情報を刺繍によってさりげなく且つより確実に残しておくといったことを可能としつつ、その刺繍エリアの少なくとも一部領域(非公開領域)については、暗号化キーが存在しない限り読み取られないようにすることができる。
また、情報コード101は、「所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データを記録する非公開領域と、上記暗号化キーに基づく暗号化がなされていない公開領域とが設けられた情報コード」としてもよい。つまり、情報コード101のデータ記録領域の一部の領域を暗号化されたデータ(暗号化キーがないと読めないデータ)の記録領域とし、他の一部の領域を暗号化されていないデータの記録領域としてもよい。具体的には、特許4924206号公報、特許4924468号公報などに開示された情報コード及びその技術を用いることができる。この場合、例えば、公開領域には、氏名、年齢、血液型等の個人の住所、所在地を特定できない又は特定困難な第1種類の情報を記録し、非公開領域には、住所、電話番号、緊急連絡先などの個人の住所、所在地を特定可能な第2種類の情報(第1種類の情報と異なり、第1種類の情報と比べて秘匿性が一層高い情報)を記録するようにしてもよい。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、被覆層及び第二層を用いる製造方法を例示したが、第二層を省略し、被覆層のみを用いる製造方法としてもよい。
上記実施形態では、第二層を最終的に除去する製造方法を例示したが、第二層が最終製品に残されるような製造方法としてもよい。
上記実施形態では、水溶性シートとして構成される被覆層を例示したが、公知の一時硬化スプレーなどによって対象媒体の一方面側又は両面に硬化層を形成し、これを被覆層として機能させてもよい。
上記実施形態では、明色セルと暗色セルとを有する情報コードを形成対象とし、暗色セルのみを刺繍対象部位として暗色セルの各領域を刺繍糸で埋め、明色セルについては、明色の地の色(対象媒体110の表面色)を表すような例を示したが、この例に限られない。例えば、対象媒体の表面が暗色(黒色、青色、紺色等)である場合には、明色セルのみを刺繍対象部位として明色セルの各領域を刺繍糸で埋め、暗色セルについては、暗色の地の色(対象媒体の表面色)を表すようにしてもよい。
或いは、対象媒体における情報コードの形成が予定された領域において暗色セルの各領域については、1又は複数の暗色の刺繍糸で埋めるように刺繍を施し、明色セルの各領域については、1又は複数の明色の刺繍糸で埋めるように刺繍を施すようにしてもよい。このようにすれば、コード領域全体の剛性が一層高まり、読み取りの際に大きな歪みや変形が生じにくくなる。また、コード領域(全ての暗色セルを含む最小の矩形状領域)の外縁部(明色セル及び暗色セルが配列されたセル配列領域の外縁部)に隣接する位置に、環状のマージン領域(セル配列領域の外縁部の全周に亘って隣接する領域であって、幅がセル領域の幅よりも大きく且つ内縁部が矩形状となる領域)を、例えば明色の刺繍糸によって矩形枠状に埋めるように刺繍を施してもよい。
1…情報コード利用システム
2…情報コード形成装置
10…情報コード読取装置
100…情報コード媒体
101…情報コード
110…対象媒体
121…被覆層
122…第二層
140…枠部材

Claims (8)

  1. 刺繍を施す対象媒体の少なくとも一方側の面を覆う構成で、所定方法で除去可能に構成された被覆層を配置するとともに、前記対象媒体における前記一方側の面とは反対側の面において前記被覆層の配置領域の裏側に前記所定方法で除去可能に構成された第二層を配置する配置工程と、
    前記対象媒体と前記被覆層とが重ねられた積層体において、前記被覆層及び前記第二層いずれも配置された積層領域の一部を形成対象領域とし、前記被覆層及び前記第二層いずれも配置された積層領域における前記形成対象領域の周囲に隣接する環状の隣接部を保持対象領域とし、前記被覆層と前記対象媒体と前記第二層とを所定形状の枠部材によって挟み込むように前記保持対象領域を保持するとともに、前記形成対象領域を張られた状態とする保持工程と、
    前記保持工程によって保持された前記積層体の前記形成対象領域に対し、刺繍によって情報コードとしてQRコードを形成する形成工程と、
    前記形成工程によって前記情報コードが形成された前記積層体から、前記被覆層及び前記第二層をいずれも除去する除去工程と、
    を含み、
    前記情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが所定の縦方向に複数行配列され且つ所定の横方向に複数列配列されてなるものであり、
    前記形成工程では、さらに、全ての暗色セルを含む最小の矩形状領域となるコード領域の外縁部に隣接する位置に、環状のマージン領域を、明色の刺繍糸によって矩形枠状に埋めるように形成し、
    前記被覆層及び前記第二層は、水に溶ける透明な水溶性シートとして構成されることを特徴とする情報コード媒体の製造方法。
  2. 前記形成工程では、データ記録領域に所定の個人情報を記録してなる前記情報コードを刺繍によって前記積層体の前記形成対象領域に形成することを特徴とする請求項1に記載の情報コード媒体の製造方法。
  3. 前記個人情報は、個人の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先、年齢、生年月日、血液型、電子メールアドレス、保護者に関する情報、職業、所属先に関する情報、保険証情報、免許証情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の情報コード媒体の製造方法。
  4. 前記形成工程では、データ記録領域にメッセージ情報を記録してなる前記情報コードを刺繍によって前記積層体の前記形成対象領域に形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報コード媒体の製造方法。
  5. 前記対象媒体は、人が装着する装着物又は人が携帯する携帯物の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報コード媒体の製造方法。
  6. 前記形成工程では、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データを記録する非公開領域が設けられた前記情報コードを刺繍によって前記積層体の前記形成対象領域に形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報コード媒体の製造方法。
  7. 前記情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが所定の縦方向に複数行配列され且つ所定の横方向に複数列配列されてなるものであり、
    前記形成工程では、前記情報コードを刺繍によって前記形成対象領域に形成する上で、複数の前記暗色セルのうち、前記縦方向又は前記横方向のうちの少なくともいずれかの方向に並ぶ暗色セル同士を連続する模様として認識し、前記縦方向又は前記横方向のうちの少なくともいずれかの向きに並ぶ暗色セル同士を連続的にまとめて刺繍することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報コード媒体の製造方法。
  8. 前記情報コードは、所定の暗色セルと明色セルとが配列されてなり且つ暗色セルが所定の連続状態で連続して並んだ暗色セル連続部を1又は複数備えた特定パターンを有するものであり、
    前記形成工程では、前記暗色セル連続部を連続する模様として認識し、前記暗色セル連続部内の前記暗色セルをまとめて刺繍することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報コード媒体の製造方法。
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