JP6484772B1 - 運搬装置及び運搬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば機械式駐車装置内へ人が立ち入ることなく適格な車両を搬入・搬出する作業の安全性を向上させる。
【解決手段】車両40を載置する車両用自走台車20によって車両40の収納ないし入庫適格を確認し、ピットPT内の収容空間に設置されるパレットPLに向け車両40を進入して駐車させる運搬装置であって、パレットPLに向け進入る車両用自走台車20と、車両用自走台車20の適格確認及び走行を車両進入路外において遠隔的に操作する操作装置52と、車両40が載置される荷台部22と、車両用自走台車20の下部で駆動する自走部21と、自走部21の下面に設ける固定機構26と、車両40が収納される収納空間Bdを設定し、各境界面Bdt〜Bdbと車両40との接触を検出するはみ出し検出部50と、車両用自走台車20に載置する車両40の重量を量る計量部51を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両を載置する車両用自走台車によって適格な車両を運搬し、機械式駐車装置内の収容空間に設置されるパレットに向け適格な車両を進入して駐車させる運搬装置及び運搬方法に関する。
従来、人が立ち入ることが好ましくない閉領域、例えば車両をパレット(搬器)に載置し、動力により収容空間に運搬して駐車させる機械式駐車装置の駐車室などの所定領域内に車両を駐車する際には、人員が車両の入庫適格を確認して前記領域内に車両を入庫している。
特に機械式駐車装置では、一般に、装置毎或いは装置内で区分される収容空間毎に、駐車可能な車両の「幅」「奥行」「高さ」「重量」が設定されている。これら制限値外の入庫不適格な車両が装置内に搬入されると、装置内を車両がパレットにより運搬される際に車両が停止位置から移動・横転・落下するなどして、装置内に収容する他の車両や装置内構造物と接触し、また、装置に過大な負荷がかかる可能性がある。
また、機械式駐車装置内で、パレットに載置する車両を運搬する際には、搬器の振動により車両が移動・傾斜して、他の車両や機械式駐車装置内構造物と接触する可能性がある。
係る問題に対し、個別の課題毎に専用的に解決されているものもある。例えば、特許文献1が提案する車両受渡しシステムは、エレベーター方式の駐車場において運転手がパレット(車両用台車)を用いてエレベーター手前の出入庫側で出入して人の安全を確保する装置を備えている。また、特許文献2が提案する機械式駐車設備は、車両を載置するパレット(搬器)上に載置する車両が所定位置からはみ出していることを検出する停車位置検出装置が設けられている。
特開平5−340122公報 特開2017―119985公報
しかしながら、人が立ち入ることが好ましくない閉領域、例えば、機械式駐車装置の駐車室などの所定領域内に車両を搬入する前に、車両の収容ないし入庫適格を確認することは、作業者の負担となっている。
例えば、機械式駐車装置では、車両を駐車する際には、その入庫適格を確認することが必要なものがあり、具体的には、(1)車両の幅は車幅が制限値内であることの確認に加えて、サイドミラーの収納確認を要し、(2)車両の高さは、車高が制限値内にあることの確認に加えて、アンテナの収納確認を要し、(3)車両の奥行には、車両の前方及び後方の停止位置が制限値内にあることの確認を要し、(4)車両の重量は、車両の重量と車両に積載する荷の総重量が制限値内であることの確認を要する場合があることから、入庫の際に(1)〜(4)などの車両の入庫適格を確認し、必要な調整を行うことは、入庫作業が煩雑になり、作業者の負担となっている。
特に、機械式駐車装置では、車両の適格確認及び調整時に、人員が装置内に立ち入り、また、車両進入路など前記装置に密接に接近して作業を行うことがあるため、人員が機械式駐車装置内のパレットに接触することによる危険性があり、作業性と安全性を向上する仕組みの提供が望まれている。
さらに、機械式駐車装置では、パレットに載置する車両を機械式駐車装置内において運搬する際に、パレットの振動により車両が停止位置から移動・傾斜して、機械式駐車装置内に駐車する他の車両や機械式駐車装置内の構造物と接触する危険性があり、機械式駐車装置の駐車システムにおける作業性と安全性を向上させる工夫が望まれている。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、機械式駐車装置の駐車室などの所定領域内へ人員が立ち入り、また、機械式駐車装置に密接に接近することなく適格な車両を搬入する作業を容易なものとするとともに、前記装置内を車両が搬送される際に車両にかかる振動を抑制して、入出庫の作業性と安全性を向上させることができる運搬装置及び運搬方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車両を載置する車両用自走台車によって適格な車両を運搬し、機械式駐車装置内の収容空間に設置されるパレットに向け適格な車両を進入して駐車させる運搬装置であって、パレット手前の車両進入路からパレットに向け進入し、又は車両進入路へパレット上から後退することを可能とする車両用自走台車と、例えば、前記台車の荷台部に載置する車両が収納される収納空間を囲繞する境界面からなる3次元レーザーバリアを設定し、例えばレーザー照射によって前記台車の3次元情報を取得して車両のはみ出しを検知する例えばセンサーシステムによる検出部と、前記台車の走行をパレット手前の車両進入路外において遠隔的に操作する操作装置を備え、前記台車の上部には車両を載置する荷台部が配置され、前記台車の下部には、キャスターが駆動する自走部と、前記自走部の下部に振動を抑制する固定装置を配置することを特徴とする。
なお、このキャスターは車両用自走台車の走行操作を施錠・解錠するストッパーを備えることを特徴とする。
上記発明において、前記台車の自走部の端に設けられたデッキをさらに備え、デッキは、その先端を下して床面に接着させて前記台車の荷台部上に車両を載置させ、この状態においてデッキの先端を水平に上げられることが好ましい。
上記発明において、前記台車に備えられ、前記台車に積載された荷物を計量する計量部と、計量部による計量結果を提示する情報提示部とをさらに備え、前記検出部及び計量部は、前記機械式駐車装置外の車両進入路において前記検出若しくは前記計量を行うことが好ましい。
また、本発明は、上記運搬装置を用いて、機械式駐車装置に設置するパレット上へ適格な車両を格納する方法であって、機械式駐車装置外の車両進入路において、前記台車上に車両を積み込む積込工程と、適格な車両を載置された前記台車を、遠隔操作によりパレット手前の車両進入路からパレットに向け進入させ、車両をパレット上へ搬入する車両進入工程とを含み、基本的にこれと反対の手順による車両退出工程及び積出工程を含む。
特に積込工程には、例えば、前記台車の荷台部上に載置する車両が収納される収納空間を囲繞する境界面からなる3次元レーザーバリアを設定し、前記レーザーバリアが囲繞する収納空間からの車両のはみ出しを例えばセンサーシステムにより検知し、機械式駐車装置が設定する入庫制限値外の収納ないし入庫不適格な車両の駐車を防止する車両はみ出し検出工程が含まれることを特徴とする。
上記発明では、上記領域外において、前記台車に備えられた計量部により、前記台車に積載された車両を計量し、前記台車との総重量が機械式駐車装置が設定する制限値を超えているかを提示する重量超過検知工程をさらに含み、前記検出工程及び前記重量超過検知工程では、前記機械式駐車装置外の車両進入路において前記検出若しくは前記計量を行うことが好ましい。
また、上記発明では、前記台車の自走部の下面に固定機構を設け、固定機構を床面に接着させて、前記台車を載置するパレットの振動により、前記台車が移動しないよう固定し、前記台車に載置する車両の移動・傾斜を抑制することが望ましい。
以上述べたように、これらの発明によれば、人が立ち入ることが好ましくない閉領域、例えば、機械式駐車装置の駐車室などの所定領域内に人が立ち入ることなく、また機械式駐車装置に密接に接近することなく収容ないし入庫適格な車両を入庫する作業を容易なものとするとともに、機械式駐車装置内を適格な車両が移動する際にパレットの振動による車両の移動等を抑制して、入出庫の作業性と安全性を向上することができる。
実施形態に係る運搬装置の使用状態を示す斜視図である。 実施形態に係る運搬装置の外観構成を示す側面図(a)及び底面図(b)である。 (a)は実施形態に係る運搬装置の操作装置及び車両はみ出し検出かつ重量超過検知装置の内部構成を示すブロック図であり、(b)は情報提示部における表示例を示す説明図である。 実施形態に係る運搬装置を使用する際の機械式駐車装置の駐車室の状況を示す斜視図である。
(運搬装置の全体構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る運搬装置の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、適格な車両を収容し、パレット(搬器)によって適格な車両を運搬して駐車される機械式駐車装置において、入庫及び出庫の際に、人が前記装置内に乗り入れることなく適格な車両を前記装置内へ運搬する。図1は、実施形態に係る運搬装置の使用状態を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る運搬装置の外観構成を示す図である。図3(a)は実施形態に係る運搬装置の操作装置及び車両はみ出し検出かつ重量超過検知装置の内部構成を示すブロック図であり、同図(b)は情報提示部における表示例を示す説明図である。図4は、本実施形態に係る運搬装置を使用する機械式駐車装置の駐車室の状況を示す説明図である。
一般的な機械式駐車装置では、車両40を載置するパレットPLが移動可能に、ピットPTと呼ばれる収容空間内に複数設置されている。このピットPTには、パレットPLに臨むように、パレットPLへの車両進入路が例えば地上階F0に設けられ、車両進入路からパレットPL上へ進入し、パレットPL上に載置された車両40は、パレットPLが昇降、回転或いは左右に移動されることにより、ピットPT内の所定位置へ移送されて、垂直方向にも重畳させて駐車を可能とすることにより立体的に収納され、また、この収容空間には、機械式駐車装置毎、或いは、場合によっては機械式駐車装置内で区分された収容空間毎に収納ないし入庫可能な車両の「幅」「奥行」「高さ」「重量」の制限値が設定されている。
以下においては、これら制限値を満たすことを適格ということとする。
本発明では、このパレットPL上へ適格な車両40を載置及び退出することが容易にできるようにするとともに、入出庫の際に、その車両40の運転者や同乗者が車両40に乗車したままパレットPL内へ進入するのを回避し、加えて、パレットPLがピットPT内を移動する際に、パレットPLに載置された適格な車両40が振動により停止位置から移動・傾斜するのを抑制することにより、車両40のピットPT内での運搬を円滑かつ安全にすることを要旨とする。
本実施形態では、車両用自走台車を、例えば、図1に示すような、パレットPL上に進入して載置可能となるようなサイズ及び形状を有する車両用自走台車20とする。この車両用自走台車20は、自走部21の下面に設けられたキャスター24が駆動することにより前後に走行し、自走部21の上面に設けられた荷台部22に車両40を載置することができるようになっている。この車両用自走台車20には、例えば、図2(a)及び図2(b)に示すように、荷台部22に積載する車両40のはみ出し(適格な空間外に位置すること)を検知するはみ出し検出部50が設けられている。このはみ出し検出部50は、荷台部22上における車両40が収納される収納空間Bdを囲繞する境界面を設定し、各境界面と、収納空間Bd内に収納された車両40の外表面との接触を検出する例えばセンサーシステムである。また、荷台部22に積載された荷物を計量する計量部51が設けられ、このはみ出し検出部50及びこの計量部51による各計測結果は、操作装置52の情報提示部52dに表示される。
また、例えば図1に示すように、自走部21の端にはデッキ28が設けられ、荷台部22に車両を載置することを容易にする。さらに、自走部21の下面には、車両用自走台車20が停止位置から移動しないように、遠隔操作により車両用自走台車20を固定する固定手段としての固定機構26が設けられている。この固定機構26は、パレットPLがピットPT内を昇降等移動する際にパレットPLに載置された車両が振動や傾斜により停止位置から移動・傾斜するのを抑制することができるようになっている。
なお、このはみ出し検出部50は、車両用自走台車20と別体と構成することができる。この場合には、車両用自走台車20を比較的に軽量かつ簡易な構造物とすることができる。
車両用自走台車20は、パレットPLに向け適格な車両40を進入し、又はパレットPL上からこの車両40を後退することを可能とする運搬装置である。この車両用自走台車20のはみ出し検出部50は、機械式駐車装置毎、或いは場合によっては機械式駐車装置内で区分される収容空間毎に設定される適格な車両の「幅」,「奥行」「高さ」の制限値、すなわち、荷台部22上における車両40が収納される収納空間Bdを囲繞するBds1,Bds2,Bdf,Bdb、Bdtからなる例えばレーザーバリアRを設定し、例えばレーザースキャナーによって荷台部に載置する車両40の3次元情報を取得し、車両の3次元計測を行うことができる。また、この車両用自走台車20の荷台部22には、計量部51が設けられ、荷台部22に載置する車両40と車両用自走台車20の総重量を計測することができる。
さらに、例えば図2(a)(b)に示すように、車両用自走台車20の下部に配置する自走部21の下面に配置するキャスター24にはストッパー25が設けられ、キャスター24の操作を施錠或いは解錠することができる。ストッパー25の制御は、無線通信を介して行われる。加えて、自走部21の端には、デッキ28が設けられており、デッキ28は、その先端を下して床面に接着させて荷台部22上に車両40を載置させ、この状態においてデッキ28の先端を水平に上げられるようになっている。
例えば、図3(a)に示すように、操作装置52は、車両用自走台車20の走行をパレットPL手前の車両進入路外において遠隔的に操作する制御装置である。この操作装置52には、はみ出し検出部50及び計量部51による計測結果を提示する情報提示部52dが設けられ、各計測結果が設定される適格な値を満たさないときには、警報等を行うことができるようになっている。
詳述すると、操作装置52は、通信機能と演算処理機能を備えた操作インターフェースであり、CPU等の演算処理装置により種々の機能を果たしている。CPUは、各種プログラムを実行することにより、CPU上に仮想的に各種モジュールを構築する。なお、この「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
具体的に操作装置52は、図3(a)に示すように、遠隔操作のためのモジュールとして通信部52aと、遠隔制御部52eと、操作部52fと、情報提示部52dとを備えている。また、操作装置52は、計量及び三次元計測系のモジュールとして、記憶部52bと、演算部52cとを備えている。
通信部52aは、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、車両用自走台車20の通信モジュールと通信を行い、車両用自走台車20の遠隔操作を行うとともに、車両用自走台車20側で計測された結果を受信したりする。この通信部52aにおける通信方式としては、例えば、第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれ、赤外線通信や超音波通信なども採用することができる。
操作部52fは、タッチパネルや、操縦桿、ボタン等、作業者(例えば、車両40の運転者など)による操作信号を入力するデバイスであり、この操作部52fで入力された操作信号が遠隔制御部52eを通じて、車両用自走台車20側に送信され、操作対象となっている車両用自走台車20が遠隔操作される。遠隔制御部52eは、操作部52fで入力された操作信号を、車両用自走台車20を制御する制御信号に変換するモジュールであり、必要に応じて操作状況や車両用自走台車20側の状態を情報提示部52dに表示させる。
情報提示部52dは、各種情報を表示するモニターや液晶ディスプレイ、その他LEDランプや音声出力手段など出力デバイスである。なお、操作部52f及び情報提示部52dとしては、タッチパネルやボタン等の物理的操作スイッチなどを接続して、操作用画面の表示データをディスプレイに表示させ、それに応じたタッチ操作やボタン操作をさせることによってユーザー操作信号を取得するGUIを採用することができる。
記憶部52bは、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
演算部52cは、ファームウェアやOS、各種アプリケーション等のプログラムを実行するモジュールであり、本実施形態では、遠隔操作に必要なプログラムを実行したり、車両用自走台車20における積載量や三次元情報の演算を行ったりする機能を提供する。
特に本実施形態では、車両用自走台車20に、荷台部22に載置する車両40の3次元計測を行い、「幅」「奥行」「高さ」の制限値からなる例えばレーザーバリアRの外に車両40がはみ出すことを例えばセンサーシステムにより検出するはみ出し検出部50、及び車両40の重量を量る計量部51が設けられている。このはみ出し検出部50及びこの計量部51による計測結果は、無線通信等により操作装置52に転送され、演算部52cにおいて、荷台部22に載置する車両40のレーザーバリアR外へのはみ出し、及び車両40を含む車両用自走台車20の総積載量(自走台車20と車両40の総重量)を算出し、その算出結果は、図3(b)に例示するように、操作装置52側に設けられた情報提示部52dに提示される。
情報提示部52dでは、はみ出し検出部50の検出結果に応じて、はみ出しの有無、及び計量部51が算出する積載量の累積を総重量として表示させ、適格な値を満たさない値が計測された場合には、警報等を行うとともに、レーザーバリアR外へのはみ出しの位置を図示したり(例えば図3(b)に示す「強調表示M1」)、重量制限値を超過する積載重量を提示し、停車位置や停車状況を調整して、適格な車両となるよう促したりする。
また、例えば図3(b)に示すように、はみ出し検出部50及び計量部51の計測結果により、制限値外の結果が計測されたときには、例えば図2(a)(b)に示すような自走部21に設けられたキャスター24のストッパー25はロックされ、車両用自走台車20の走行を制約することができる。また、[0037]に記載する調整により、車両40が適格状態となったときには、キャスター24に設けるストッパー25は解錠され、車両用自走台車20を走行可能な状態とすることができる。
(運搬装置の動作)
以上説明した搬送装置を動作させることによって、本発明の搬送方法を実施することができる。例えば、図4は、本実施形態に係る運搬装置を使用する機械式駐車装置の駐車室の状況を示す斜視図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
例えば、図4に示すように、ピットPT手前の車両進入路において、運転者や同乗者は車両40から降り、運転者は操作装置により遠隔操作を行ってデッキ28の先端を下して床面に接着させる(同図(a))。この状態で運転者は車両40を運転して荷台部22上に車両40を載置させる。このとき自走部21下面に配置するキャスター24に設けるストッパー25は、施錠された状態にあることとする。次いで、運転者は車両40及び荷台部22から降りて、操作装置52上の表示及び警報等により、車両40の停車状態が適格となるよう調整を要する際には、必要な調整を行って車両40のはみ出しや制限重量オーバーの状態を解消する(同図(b))。このとき、自走部21下面のキャスター24に設けるストッパー25は解錠され、車両用自走台車20は遠隔操作による走行が可能な状態となる。これにより、車両40のはみ出し検出及び重量超過検知工程を含む車両積込工程が終了する。
次いで、運転者は、遠隔操作によりデッキ28の先端を水平に上げる(同図(b))。この状態で、運転者は、適格な車両40を載置された車両用自走台車20を遠隔操作によりパレットPLに向けて進入させるようにパレットPL上に移動させて車両40をパレットPL上へ搬入し、パレットPL上で停止させる(同図(c))。これにより、入庫工程が終了する。
また、このとき、運転者は車両用自走台車20の自走部21の下面に設けられた固定機構26を遠隔操作により下方へ突出させて、パレットPLの床面に接着するようにする。この状態で、車両40を載置されたパレットPLがピットPT内を昇降等移動する際に、固定機構26により車両用自走台車20及び車両用自走台車20に載置された車両40が振動により停止位置から移動・傾斜するのを抑制することができる。
出庫する際は、適格な車両40を載置したパレットPLが、例えば地上階F0に設けられた車両進入路に面した機械式駐車装置の出入口で停止したら、運転者は遠隔操作により自走部21の下面に設けられた固定機構26を上方に後退させて床面から離れるようにする。このとき、自走部21の下面に設けるキャスター24のストッパー25は、特に施錠されることなく、解錠された状態となっていることとする。この状態で、図4に示す進入の手順を逆に行う。これによって車両退出工程を終了する。次いで、運転者は車両40の積出を行う。車両積出工程は、車両のはみ出し検出及び重量超過検知工程を除いた積込工程の反対の手順によって行う。これによって、適格な車両40の出庫を終了する。
これより、本発明によれば、機械式駐車装置において、入庫前に車両40が適格な車両であることを容易に確認し、運転手や同乗者が適格な車両40とともにパレットPLやピットPT内へ進入することなく、適格な車両のみをパレットPL内に格納及び退出させ、また、パレットPL上に載置された適格な車両40がピットPT内で動力により運搬される際に、振動による車両40の移動等を抑制することができる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、人が立ち入ることが好ましくない閉領域、例えば、機械式駐車装置の駐車室に車両を入庫する際に、前記領域外において、すなわち、例えば、機械式駐車装置に立ち入ることなく、また、パレットPLから離隔した状態で、収納ないし入庫適格な車両であることの確認を容易に行うとともに、収納ないし入庫不適格な車両が機械式駐車装置に搬入されることを未然に防止することができる。また、適格な車両40が機械式駐車装置内を昇降等移動する際にパレットPLの振動によって車両40が移動・傾斜することを抑制することができる。これらにより、機械式駐車装置への収納ないし入庫適格な車両の入出庫及び機械式駐車装置内における車両運搬の円滑性と安全性を向上することができる。
Bd…収納空間
Bdt〜Bdb…境界面
F0…地上階
PL…パレット
PT…ピット
R…レーザーバリア
20…車両用自走台車
21…自走部
22…荷台部
24…キャスター
25 ストッパー
26…固定機構
28…デッキ
40…車両
50…はみ出し検出部
51…計量部
52…操作装置
52a…通信部
52b…記憶部
52c…演算部
52d…情報提示部
52e…遠隔制御部
52f…操作部

Claims (7)

  1. 車両を載置する車両用自走台車によって適格な車両を運搬し、機械式駐車装置内の収容空間に設置されるパレットに向け車両を進入して駐車させる運搬装置であって、
    前記パレット手前の車両進入路から前記パレットに向け進入し、又は前記パレット上から前記車両進入路へ後退することを可能とする車両用自走台車と、
    前記車両用自走台車の走行を前記パレット手前の車両進入路外において遠隔的に操作する操作装置と、
    前記車両用自走台車の上部に配置され、前記車両が載置される荷台部と、
    前記車両用自走台車の下部に配置され、その下面でキャスターが駆動する自走部と、
    前記荷台部上における前記車両が収納される収納空間を囲繞する境界面を設定し、前記各境界面と、前記収納空間内に収納された前記車両の外表面との接触を検出する検出部と
    を備えることを特徴とする運搬装置。
  2. 前記車両用自走台車に備えられ、前記車両用自走台車に積載された荷物を計量する計量部と、
    前記計量部による計量結果を提示する情報提示部と
    をさらに備え
    前記検出部及び計量部は、前記機械式駐車装置外の車両進入路において前記検出若しくは前記計量を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の運搬装置。
  3. 前記自走部の端に設けられたデッキをさらに備え、前記デッキは、その先端を下して床面に接着させて前記荷台部上に前記車両を載置させ、この状態において前記デッキの先端を水平に上げられることを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬装置。
  4. 前記収容空間内において、前記車両用自走台車が停止位置から移動しないように、遠隔操作により前記車両用自走台車を固定する固定手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の運搬装置。
  5. 車両を載置する車両用自走台車によって適格な車両を運搬し、機械式駐車装置内の収容空間に設置されるパレット上へ車両を格納する方法であって、
    前記機械式駐車装置外の車両進入路において、前記車両用自走台車上に前記車両を積み込む積込工程と、
    前記車両を載置された前記車両用自走台車を、遠隔操作により前記パレット手前の車両進入路から前記パレットに向け進入させ、前記車両を前記パレット上へ搬入する入庫工程と
    を含み、
    前記積込工程には、検出部が、前記車両が収納される収納空間を囲繞する境界面を設定し、前記各境界面と、前記収納空間内に収納された前記車両の外表面との接触を検出する検出工程が含まれる
    ことを特徴とする運搬方法。
  6. 前記収容空間外において、前記車両用自走台車に備えられた計量部により、前記車両用自走台車に積載された荷物を計量し、前記車両用自走台車と前記荷物の総重量が制限値を超える結果を提示する重量超過検知工程をさらに含み、
    前記検出工程及び前記重量超過検知工程では、前記機械式駐車装置外の車両進入路において前記検出若しくは前記計量を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の運搬方法。
  7. 前記入庫工程の終了後、前記収容空間内において、固定手段を用いて、前記パレットに載置する前記車両用自走台車が移動しないよう固定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の運搬方法。
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