JP6484277B2 - 排出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を収納した物品収納部から物品を1つずつ取り出して排出口に排出するための排出装置に関する。
従来、物品を1つずつ取り出す機構を備えた排出装置としては、たとえば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された遊戯機においては、小型カプセルを収容した小型カプセル収納箱と、大型カプセルを収容した大型カプセル収納箱と、が上下に配置されており、操作者が回転レバーを右方向または左方向に回転させると、回転方向に対応する小型カプセル収納箱または大型カプセル収納箱からカプセルが1つずつ排出される。
このような従来の遊戯機においては、大型カプセル収納箱または小型カプセル収納箱から選択的にカプセルを排出するために、ラック機構を用いている。より具体的には、大型カプセル収納箱及び小型カプセル収納箱には、それぞれカプセルを1つずつ取り出すための大型用及び小型用の回転盤が設けられており、この回転盤の外周に形成されたギヤ部にそれぞれ大型用及び小型用のラック板が係合している。これらのラック板の反対側の面にはギヤ部が形成され、このギヤ部はそれぞれ大型用及び小型用の平歯車に係合している。これらの平歯車は、回転レバーに連結している。
回転レバーによって例えば大型用の平歯車を回転させると、平歯車が大型用のラック板のギヤ部に噛み合ってラック板が移動する。ラック板が移動すると、ラック板の反対側のギヤ部が大型用の回転盤のギヤ部に噛み合って回転盤を回転させ、回転盤の回転によって大型用カプセル収納箱からカプセルが1つ取り出される。
一方、回転レバーに接続された小型用の平歯車も回転するが、平歯車は、小型用のラック板のギヤ部と噛み合わずに滑るため、ラック板が移動しない。ここで、ラック板のギヤ部は変形可能な歯によって構成されているため、平歯車がラック板との噛み合い方向と反対方向に回転した場合には、平歯車がラック板のギヤ部に対して滑って空転しやすくなっている。このため、平歯車の回転運動は小型用の回転盤に伝達されず、小型用カプセル収納箱からはカプセルが排出されない。
特開2005−242518号公報
上記のような従来の構造の遊戯機においては、カプセルを排出する機構にラック板を用いており、さらにこのラック板のギヤ部が変形可能な歯によって構成されているため、平歯車とラック板との噛み合いが確実ではなく、カプセル収納箱用の回転盤の駆動が確実ではない。具体的には、例えば操作者が回転レバーを勢いよく回して平歯車を速く回すと、平歯車の歯が変形可能なラック板の歯を乗り越えてしまい、ラック板と平歯車との位相がずれてしまう可能性がある。また、例えば操作者が回転レバーを一方向にある程度回した後逆方向に回すと、ラック板と平歯車が滑ってラック板と平歯車との位相がずれてしまう可能性がある。このようにラック板と平歯車との位相のずれが生じると、回転レバー、平歯車、ラック板、及び回転盤の動作のタイミングがずれてしまい、確実な排出動作を行うことができない。また、一度これらの部品の位相がずれてしまうと、次の排出動作のときにも位相のずれが生じてしまい、繰り返しの排出動作を行うことができなくなる。
本発明の目的は、各機構の動作の位相ずれを防止して、確実な排出動作を行うことができる排出装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の排出装置は、物品を収納するための2つの物品収納部と、物品収納部にそれぞれ設けられ、物品収納部に収納された物品を1つずつ取り出して排出口に排出するための取出機構と、取出機構のいずれかを選択的に駆動する駆動機構と、を備え、駆動機構は、回転軸方向に突出する係合ピンを備えた1つの駆動車と、係合ピンに係合可能なスロットをそれぞれ備えた2つの従動車と、を備えて構成されるゼネバ機構を含み、駆動車及び一方の従動車は、駆動車が一方向に回転する場合に係合ピンがスロットに係合し、駆動車が他方向に回転する場合に係合ピンがスロットに係合しないように構成され、駆動車及び他方の従動車は、駆動車が他方向に回転する場合に係合ピンがスロットに係合し、駆動車が一方向に回転する場合に係合ピンがスロットに係合しないように構成されている、ことを特徴としている。
本発明において、好ましくは、係合ピンは、駆動車から回転軸方向に突出してスロットに係合する突出位置と、回転軸方向に引っ込んでスロットに係合しない引込位置との間で移動可能に構成される。
本発明において、好ましくは、従動車は、駆動車に対向する面に、突出位置から引込位置への係合ピンの移動を案内するための案内面を有する。
本発明において、好ましくは、駆動車が初期位置から所定角度以上回転したとき、反対方向への回転を防止するための回転防止機構を更に備える。
本発明において、好ましくは、回転防止機構は、駆動車の回転軸に固定された歯車と、歯車の歯に係合可能な揺動ピンと、を備え、駆動車の初期位置において、歯車の中心から歯車の歯底までの距離は、歯車の中心と揺動ピンの揺動中心との間の距離から、揺動ピンの揺動中心から先端までの距離を引いた距離よりも小さく、駆動車が初期位置から所定角度以上回転した位置において、歯車の中心から歯車の歯底までの距離は、歯車の中心と揺動ピンの揺動中心との間の距離から、揺動ピンの揺動中心から先端までの距離を引いた距離よりも大きく設定されている。
本発明において、好ましくは、操作者が物品収納部のうちのいずれから物品を取り出すかを選択するために回転操作可能なハンドルを更に備え、ハンドルは、ハンドルの一方向の回転が駆動車の一方向の回転に、ハンドルの他方向の回転が駆動車の他方向の回転に対応するように、回転軸に接続されている。
本発明において、好ましくは、投入されたコインを種類別に選別するためのコイン選別器と、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ、駆動機構の駆動を許可する動作制御機構と、を更に備える。
本発明において、好ましくは、動作制御機構は、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ一方向にのみ回転可能な回転盤を有し、排出装置は、駆動車が一方向および他方向に回転したときのいずれの場合でも、回転盤を一方向に回転させるための回転方向変換機構を更に備える。
本発明の一実施形態に係る排出装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の筐体の一部及び一方の物品収納部を外した状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の筐体の一部を外した状態の平面図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の物品収納部及び取出機構を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の物品収納部及び取出機構の断面図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の物品収納箱の底部を示す拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の駆動車を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の従動車を後方側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置のコイン選別器及び動作制御機構を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の連携機構を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の回動防止機構を後方から見た図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の品切機構を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の品切機構を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の連携機構の動作を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の回転防止機構の動作を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の動作を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の動作を示す図である。 図18のXIX−XIX線に沿った拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の動作を示す図である。 図20のXXI−XXI線に沿った拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の駆動機構の動作を示す図である。 図22のXXIII−XXIII線に沿った拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の取出機構の動作を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排出装置の取出機構の動作を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排出装置1の斜視図である。この図1に示すように、排出装置1は、内部に収容された物品(本実施形態では箱状の物品)P(図5参照)を1つずつ排出するための排出装置であり、略直方体の筐体2を有する。なお、本実施形態では、図1において右側手前を前側、左側向こう側を後側、左側を左側、右側を右側として説明する。
筐体2の前面には、コインを投入するためのコイン投入口4と、操作者が回転操作して物品Pを1つ取り出すためのハンドル6と、取り出された物品Pを排出するための排出口8とを有する。また、筐体2の前面には、上記の他、投入したコインの返却を要求するためのコイン返却ボタン10と、コイン返却ボタン10の操作によって返却されたコインを収容して操作者がコインを回収可能なコイン返却口12と、投入されたコインを収容するコイン収容部14と、物品Pの品切れの表示を行う品切表示窓16と、を有する。
図2は、本実施形態に係る排出装置1の筐体2の一部及び一方の物品収納部を外した状態の斜視図であり、図3は、本実施形態に係る排出装置1の筐体2の一部を外した状態の平面図である。
これらの図2及び図3に示すように、排出装置1は、物品Pを収納するための2つの物品収納部18と、2つの物品収納部18にそれぞれ設けられ、物品収納部18に収納された物品Pを1つずつ取り出して排出口8に排出するための取出機構20と、取出機構20のいずれかを選択的に駆動するための駆動機構22と、コイン投入口4に投入されたコインを種類別に選別するためのコイン選別器24と、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ、駆動機構22の駆動を許可する動作制御機構26と、動作制御機構36、駆動機構22、及びハンドル6の動作を連携する連携機構28と、ハンドル6を所定角度以上回転させたときに反対方向への回転を防止するための回転防止機構30と、物品Pの品切れ時に品切表示部16に表示を行うとともにハンドル6の回転を阻止する品切機構32と、を備える。
また、筐体2内部の下方には、排出された物品を排出口8へ案内するためのスロープ33が形成されている。スロープ33は、後方で左右2つに分かれており、前方において2つのスロープが合流し、前方端において排出口8に接続している。
[物品収納部18の構造]
物品収納部18は、2つ設けられており、一方の第1物品収納部34は筐体2の左側面に沿って配置され、他方の第2物品収納部36は筐体2の右側面に沿って配置されている。第1物品収納部34及び第2物品収納部36は、それぞれ前後方向に配置された2つの前方物品収納箱34A,36A及び後方物品収納箱34B,36Bを有する。
本実施形態では、排出装置1は、ハンドル6を左方向(反時計回り)に回転させると、第1物品収納部34から物品Pを排出し、ハンドル6を右方向(時計回り)に回転させると、第2物品収納部36から物品Pを排出するように構成されている。
ここで、第1物品収納部34及び第2物品収納部36は左右対称の構造である他は構造が同じであるので、以下では第2物品収納部36について説明する。
図4は、本実施形態に係る排出装置1の物品収納部18及び取出機構20を示す斜視図であり、図5は、本実施形態に係る排出装置の物品収納部及び取出機構の断面図である。
図3乃至図5に示すように、第2物品収納部36の2つの前方及び後方物品収納箱36A,36Bは、それぞれ上方が開放された略直方体の箱状に形成されている。物品収納箱36A,36Bの内部には、図3に示すように、幅方向の寸法が比較的短く、長さ方向の寸法が比較的長い、縦長の箱状の第1の物品(図示せず)の寸法に対応し、第1の物品を積層状態で収納可能な第1物品収納空間38A(図3に二点鎖線で表示)と、第1の物品P1よりも幅方向の寸法が長く、長さ方向の寸法が短い、箱状の第2の物品(図示せず)の寸法に対応し、第2の物品を積層状態で収納可能な第2物品収納空間38B(図3に二点鎖線で表示)とが形成されている。つまり、本実施形態では、物品収容箱36A,36Bには、互いに寸法の異なる、第1の物品P1と第2の物品P2とを収容することが可能になっている。
また、第2物品収納空間38Bの形成位置は、第1物品収納空間38Aに対して幅方向(横方向)にオフセットしている。より具体的には、第2物品収納空間38Bの左側の壁面は、第1物品収納空間38Aの左側の壁面の位置と一致し、第2物品収納空間38Bの右側の壁面は、第1物品収納空間38Aの右側の壁面よりも右側に突出している。
本実施形態では、以下、物品Pとして第1物品収納空間38Aに収容される物品を採用し、前方及び後方物品収納箱36A,36Bに同じ形状の物品が収納された場合について説明する。
物品収納箱36A,36Bの下部には、収納された物品の底面を下から支持する底面部40が設けられている。底面部40は、物品収納箱36A,36Bの底面の一部、具体的には底面の右側(底面において筐体外側)部分のみに形成されている。物品収納箱36A,36Bの底面の残りの一部、つまり底面の左側(底面において筐体内側)部分は、開放されている。
また、図4に示すように、物品収納箱36A,36Bの左側(筐体内側)の側面下方も、壁部が形成されず、開放されている。この側面下方の開放部分と、底面において底面部40が形成されない、開放された部分とによって、物品収納箱36A、36Bから物品を取り出すための取出口44が形成されている。
物品収納箱36A,36Bの左側(筐体内側)の側面下端には、前後方向の軸を中心に回動可能なフラップ46が取り付けられている。このフラップ46は、内面が物品収納箱36A,36Bの内面とほぼ一致する収納位置と、物品収納箱36A,36Bから左側(筐体内側)に突出する突出位置との間で回動可能に設けられている。また、フラップ46は、ばね47によって収納位置に向かって付勢されている。
[取出機構20の構造]
取出機構20は、第1物品収納部34及び第2物品収納部36にそれぞれ設けられた、第1取出機構48と第2取出機構50とを有する。本実施形態では、第1取出機構48と第2取出機構50は、左右対称である他は、同じ構造であるので、以下では右側に配置された第2取出機構50についてのみ説明する。
図6は、本実施形態に係る排出装置1の物品収納箱36A,36Bの底部を示す拡大斜視図である。
前述の図4及び図5並びにこの図6を参照すると、第2取出機構50は、物品取出部材52と、物品取出部材52を駆動する取出部材駆動機構54とを有する。
物品取出部材52は、前方物品収納箱36A及び後方物品収納箱36Bにそれぞれ設けられており、図6に示すように、物品収納箱36A,36Bに収納された物品Pのうち、最も下方の物品Pの底面の少なくとも一部を下から支持するための物品支持部56と、物品収納箱36A,36Bに収納された物品Pのうち、最も下方の物品Pの右側(筐体外側)の側面を支持するための押出部58とを有する。
物品支持部56は、物品収納箱36A,36Bの前後方向略中央において、物品収納箱36A,36Bの底面部40に形成された矩形状の切欠部60に収納された板状部であり、その左右方向の寸法は、底面部40の左右方向の寸法より長く設定されている。したがって、物品支持部56は、底面部40の左端より突出して配置される。
物品支持部56の前端部及び後端部には、物品支持部56の前面及び後面の左右方向長さ全部にわたって、前面及び後面の下端からそれぞれ突出する突部62が形成されている。一方、物品収納箱36A,36Bの底面部40に形成された切欠部60の前後方向両側には、左右方向に延びるスリット64が形成され、このスリット64に、突部62が係合することにより、物品取出部材52の上下方向の移動が規制されている。
また、底面部40の切欠部60の前後方向両側には、底面部40から左(筐体内側)方向に突出するレール66が形成され、物品支持部56のうち、底面部40から突出した部分の突部62は、このレール66に上下両方向から支持される。
物品支持部56の上面は、底面部40よりも若干下方に位置している。また、物品支持部56の上面には、左右方向に延びる細い筋状の複数の突起68が、前後方向に互いに所定間隔をあけて形成されている。これらの突起68の上端も、底面部40よりも若干下方に位置している。
押出部58は、物品支持部56の上面において右側(筐体外側)の端部から上方に突出して形成されており、収納される物品Pの厚みにほぼ等しい高さを有する。これにより、物品取出部材52は全体として略L字形の部材に形成されている。押出部58は、前後方向略中央に凹部70を有し、全体として上方に開口した略コ字形の形状に形成されている。また、押出部58の上面には、物品支持部56の突起68と同様の、左右方向に延びる細い筋状の複数の突起71が、前後方向に互いに所定間隔をあけて形成されている。押出部58は、物品収納箱36A,36Bの右側(筐体外側)の内壁面に形成された凹部72に収容可能となっている。
上記の構造の物品取出部材52は、物品Pを物品収納箱36A,36Bに収納された状態に保持する初期位置(図5)から、物品Pを物品収納箱36A,36Bから取り出す取出位置(図24)との間でスライド可能になっている。したがって底面部40のスリット64及びレール66は、物品取出部材52のスライドを案内するガイド部材として機能する。物品取出部材52の初期位置においては、押出部58は、物品収納箱36A,36Bの凹部72に収容されて物品収納箱36A,36Bの右側(筐体外側)の壁面(内面)から突出せず、また物品支持部56の先端(左端、筐体内側端)は、レール66の先端から左側に突出しない。一方、取出位置においては、押出部58は、その左端(筐体内側端)がレール66の先端とほぼ同じ位置となる場所に位置し、物品支持部56の先端は、物品収納箱36A,36Bの左側面(筐体内側)よりも更に左側(筐体内側)に突出する。
物品取出部材52と物品収納箱36A,36Bの壁面との間には、ばね74が設けられており、このばね74により、物品取出部材52は、右側(筐体外側)、つまり初期位置に向かって付勢されている。
取出部材駆動機構54は、物品取出部材52の物品支持部56の下面に形成された複数の歯76と、複数の歯76に係合可能な係合車78と、係合車78を回転させる回転軸80と、を有する。
歯76は、本実施形態では3つ設けられ、左右方向に沿って等間隔に並んでいる。歯76のそれぞれは、右側(筐体外側)の面が鉛直となるように形成されている。
係合車78は、前方及び後方の物品取出部材52に対応してそれぞれ物品取出部材52の歯76の下方に設けられ、歯76に係合可能な係合歯82を有する。係合歯82は、歯76に対応する数だけ、したがって本実施形態では3つ設けられ、これらの係合歯82は、係合車78の円周上の一部に連続して形成されている。係合歯82は、係合歯82が回転軸80より上方にあるとき、左側(筐体内側)の面が半径方向に沿うように形成されている。
回転軸80は、物品収納箱36A,36Bの下方に前後方向に沿って配置され、第2物品収納部36の前後方向の寸法のほぼ全長にわたって延びている。この回転軸80には、2つの係合車78が固定されている。ここで、2つの係合車78は、係合歯82の位置が、互いに180°位相がずれるように位置決めされている。
[駆動機構22の構造]
図7は、本実施形態に係る排出装置1の駆動機構22を示す図である。この図7に示すように、駆動機構22は、ハンドル6の回転に応じて回転する駆動車84と、駆動車84の回転に応じて回転する2つの従動車86と、従動車86に係合する第1伝達車88と、第1伝達車88に係合する第2伝達車90と、を有する。これらの駆動車84、従動車86、第1伝達車88及び第2伝達車90は、いずれも、筐体2の後面の内側の面に回転可能に固定されている。
図8は、本実施形態に係る排出装置1の駆動車84を示す斜視図である。この図8に示すように、駆動車84は、円盤状の部材であり、筐体2の内方に向いた円形の前面84Aには、回転軸84Bから等距離の位置に、互いに等角度ずつ隔てて配置された複数(本実施形態では3つ)の係合ピン92が設けられている。係合ピン92は、前面84Aから回転軸84B方向に突出している。係合ピン92は、内部に収納されたばね93によって突出方向に付勢されており、ばね93によって付勢されて突出した突出位置と、突出位置よりも前面84A側に引っ込んだ引込位置との間で移動可能である。
また、駆動車84は、従動車86の回転を規制するための規制板95を有する。規制板96は、前面84Aから回転軸84B方向に突出するように形成された円盤状部であり、その外周に、外側に突出するように湾曲する、回転軸84Bを中心とする複数の円弧面96が形成されている。円弧面96は、隣接する係合ピン92の間に位置し、係合ピン92の数と同じ数、つまり3つ、互いに回転軸84Bを中心に等角度の間隔をあけて配置されている。一方、隣接する円弧面96の間には、内側に凹むように湾曲する円弧面97が形成されている。
図9は、本実施形態に係る排出装置1の従動車86を後方側から見た斜視図である。ここで、2つの従動車86は、左右対称である他は同一の構造であるので、以下では図7において駆動車84の左側に位置する従動車86について説明する。
従動車86は、駆動車84の係合ピン92に係合可能な、半径方向に延びる複数のスロット98を有する。本実施形態において、スロット98は、従動車86の円周上に6つ、互いに等間隔に配置されている。また、隣接するスロット98の間には、その外周に、内側に凹むように湾曲する複数の円弧面100が形成されている。これらの円弧面100の円弧半径は、駆動車84の円弧面96の円弧半径と同じに設定されている。また、円弧面100は、図7に示すように、駆動車84の円弧面96と対向する位置においては、円弧面96に接するか、ごくわずかな隙間を有して円弧面96に対して配置されるように設定されている。
また、従動車86は、スロット98の外周及び円弧面100の外周に、筐体12の後面に向かって、すなわち従動車86の後方に向かって突出する壁部102を有する。壁部102は、円弧面100の全外周と、スロット98の略U字形の外周のうち、前方から見たとき(図7の状態)に右半分に形成されている。このため、スロット98の外周のうち、前方から見たときの左半分には、壁部102が形成されない切欠104が形成される。
また、従動車86の後面には、駆動車84の係合ピン92が突出位置から引込位置に移動するように案内するための案内面106と、第1伝達車88に係合する歯車108と、を有する。案内面106は、スロット98を前方から見たときスロット98の右側に配置された傾斜面であり、スロット98から遠い位置において従動車86の後面からの高さが低く、スロット98に近づくにつれて従動車86の後面からの高さが高くなり、壁部102に連続する位置においては、壁部102よりも若干低くなるように設定されている。
このように、本実施形態において、駆動機構22は、回転軸84B方向に突出する係合ピン92を備えた1つの駆動車84と、係合ピン92に係合可能なスロット98をそれぞれ備えた2つの従動車86と、を備えて構成されるゼネバ機構を含んでいる。
第1伝達車88は、従動車86の歯車108に係合する。また、第2伝達車90は、第1伝達車88に係合するとともに、取出機構20の回転軸80に固定される。
ここで、駆動車84から第2伝達車90までの回転比(歯車比)は、駆動車84を一回転させたときに、第2伝達車90が半回転するように設定されている。本実施形態では、駆動車84を一回転させると、従動車86が半回転することになるので、従動車86の歯車108と第1伝達車88との間の歯車比、及び第1伝達車88と第2伝達車90との間の歯車比は、従動車86と第2伝達車90との間の回転比が1:1となるように設定される。
[コイン選別器24の構造]
図10は、本実施形態に係る排出装置1のコイン選別器24及び動作制御機構26を示す斜視図である。この図10に示すように、コイン選別器24は、筐体2のコイン投入口4に連通するコイン投入路110と、コイン投入路110を通ったコインを種類別に選別するコインセレクタ112と、選別されたコインを種類別に整列して一時的に貯留させるコイン貯留部114と、コイン返却ボタン10の操作に応じてコイン貯留部114に貯留されたコインをコイン返却口12へ送るコイン返却機構116と、コイン貯留部114に貯留されたコインをコイン収容部14へ送るためのコイン収容機構118と、を有する。
本実施形態では、コインとして100円硬貨及び10円硬貨を採用し、100円硬貨が1枚、かつ10円硬貨が1枚投入されたときに、物品Pの排出が可能になる構成について説明する。
コインセレクタ112は、例えばコインの直径と重みでコインの種類を選別するクレードル式のコインセレクタ等、任意の構造のものを採用することができ、100円硬貨及び10円硬貨のみを選別してコイン貯留部114に案内し、その他のコインはコイン返却口12へ直接案内するように構成されている。コインセレクタ112の構造は、従来と同様であるので、ここでは説明を省略する。
コイン貯留部114は、選別された10円硬貨及び100円硬貨をそれぞれ整列させるための10円用及び100円用コイン案内路(図示せず)と、選別されたコインをコイン案内路内でせき止めてコイン案内路内に貯留させるピン120(図10では一方のピンのみが示されている)と、を備える。コイン案内路は、図10に矢印Rで示す方向に開口する開口部(図示せず)を有し、この開口部はコイン返却口12に連通している。ピン120は、コイン案内路内に突出するように設けられており、コイン案内路から引っ込むように移動可能である。
コイン返却機構116は、コイン返却ボタン10の押し込みに応じて、コイン貯留部114のピン120を、コイン案内路から引っ込むように移動させるリンク機構122を有する。ピン120が引っ込むと、コイン案内路内のコインはコイン返却口12に移動するようになっている。
コイン収容機構118は、コイン案内路の底面を構成するコイン支持バー119を有する。コイン収容機構118は、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにコイン支持バー119が回動してコイン案内路の底面を開放し、コイン案内路内のコインを、図10に矢印Cの方向、つまり下方に移動させ、コイン案内路の下方に配置されたコイン収容部14へ送るようになっている。
[動作制御機構26の構造]
動作制御機構26は、所定種類のコインが所定枚数投入されると回転可能となる回転盤124を有する。なお、回転盤124が回転可能となる機構としては、例えば、回転盤124から径方向に突出して回転盤124の回転を阻止する2枚のストッパと、10円硬貨または100円硬貨が所定枚数(本実施形態ではいずれも1枚)投入されると、10円硬貨または100円硬貨の外周面によって回動される2枚のレバーとを有し、レバーの回動によってストッパが押されて、2枚のストッパが両方とも径方向に引っ込むと、回転盤124の回転が許されるように構成されるものが考えられる。
また、回転盤124には、外周に爪126Aが形成された爪歯車126が固定されている。この爪歯車126に係止片128が係合することにより、回転盤126は、一方向(図10において時計回り)のみに回転可能になっている。また、回転盤124には、外周に図示しない段部が設けられ、回転盤124の回転時にこの段部がコイン支持バー119を押すことによって、コイン支持バー119が回動可能となっている。
[連携機構28の構造]
図11は、本実施形態に係る排出装置1の連携機構28を示す図である。この図11に示すように、連携機構28は、動作制御機構26の回転盤124の同軸上に固定されたかさ歯車130と、一端がハンドル6に固定され且つ他端が駆動軸84に固定された回転軸132と、かさ歯車130よりもハンドル6側において回転軸132に設けられた第1ラチェット機構134Aと、かさ歯車130よりも駆動車84側において回転軸132に設けられた第2ラチェット機構134Bと、を有する。
第1ラチェット機構134Aは、かさ歯車130に係合するかさ歯車138Aと、回転軸132に固定された固定筒部140Aと、固定筒部140Aの回転を選択的にかさ歯車138Aに伝達する伝達筒部142Aと、を有する。
かさ歯車138Aは、回転軸132に対して回転可能に設けられており、かさ歯144Aが形成された側とは反対側の端部には、かさ歯車側ラチェット部146Aが形成されている。
固定筒部140Aは、かさ歯車138Aよりもハンドル6側に配置され、かさ歯車138A側の端部に回転軸132方向に突出する突出部148Aと、突出部148Aの間に形成される凹部150Aとを有する。
伝達筒部142Aは、かさ歯車138Aと固定筒部140Aとの間に配置され、回転軸132に対して回転可能に設けられている。伝達筒部142Aのかさ歯車138A側の端部には、かさ歯車側ラチェット部146Aと係合可能な伝達筒部側ラチェット部152Aが形成されている。ここで、かさ歯車側ラチェット部146A及び伝達筒部側ラチェット部152Aは、伝達筒部142Aが前方から見て右方向(時計回り)に回転すると、互いに係合し、左方向(反時計回り)に回転すると互いに係合せず滑るように形成されている。
また、伝達筒部142Aの固定筒部140A側の端部には、固定筒部140Aの凹部150Aに係合する突出部154Aと、固定筒部140Aの突出部148Aが係合する凹部156Aとが形成されている。ここで、固定筒部140Aの凹部150Aと伝達筒部142Aの突出部154Aとの間、及び固定筒部140Aの突出部148Aと伝達筒部142Aの凹部156Aとの間には、所定の軸方向寸法の隙間Gが形成されている。この所定寸法は、かさ歯車側ラチェット部146Aの山の高さよりも大きく設定されている。
固定筒部140Aと伝達筒部142Aと間には、ばね158Aが設けられ、このばね158Aにより、伝達筒部142Aはかさ歯車138A側に付勢されている。
第2ラチェット機構134Bは、第1ラチェット機構134Aと同様に、かさ歯車138B、固定筒部140B、及び伝達筒部142Bを有する。第2ラチェット機構134Bは、かさ歯車側ラチェット部146B及び伝達筒部側ラチェット部152Bの向きが、第1ラチェット機構134Aのかさ歯車側ラチェット部146A及び伝達歯車側ラチェット部152Aの向きと反対である点が第1ラチェット機構134Aと異なる他は、第1ラチェット機構134Aと同じ構造である。そこで、図11においては、第2ラチェット機構134Bの各構成には、第1ラチェット機構134Aの対応する構成と同じ数字にBを付して示す。
このような構造により、第2ラチェット機構134Bのかさ歯車側ラチェット部146B及び伝達筒部側ラチェット部152Bは、伝達筒部142Bが前方から見て左方向(反時計回り)に回転すると、互いに係合し、右方向(時計回り)に回転すると互いに係合せず滑るように形成されている。
[回転防止機構30の構造]
図12は、本実施形態に係る排出装置1の回動防止機構30を後方から見た図である。この図12に示すように回転防止機構30は、ハンドル6の回転に伴って回転する係合歯車160と、係合歯車160に係合可能な揺動ピン162とを有する。
係合歯車160は、筐体2の前面の内側面に設けられ、回転軸132に固定されている。係合歯車160の外周には、揺動ピン162の先端部分が係合可能な係合凹部164が形成されている。係合凹部164は、ハンドル6が初期位置にあるときに上方に位置する初期位置用凹部166と、初期位置用凹部166の両側に1つまたは複数個(本実施形態では1つ)形成された第1係合凹部163と、第1係合凹部163の両側に1つまたは複数個(本実施形態では2つ)形成された、第2係合凹部168と、初期位置用凹部166及び第1及び第2係合凹部163,168が形成された領域を除く全外周に形成された複数の第3係合凹部170とを有する。初期位置用凹部166及び第1係合凹部163の間には、初期位置用歯165が、第1係合凹部163と第2係合凹部168との間、並びに隣接する第2係合凹部168の間には、第2係合歯167が、第2係合凹部168及び第3係合凹部170の間、並びに隣接する第3係合凹部170の間には、第3係合歯169が、形成されている。
初期位置用凹部166は、横長の矩形状の形状を有する。第1係合凹部163は、初期位置用凹部166の半径方向に対して直交する方向に延びる平面と、初期位置用歯165と、の間で略直角の凹部を形成している。また、第2係合凹部168は、V字形の形状を有し、第3係合凹部170は、上方(半径方向外方)に向かって横方向の寸法が広くなる台形の形状を有する。
ここで、係合歯車160の中心160Aから初期位置用凹部166の底面、つまり歯底までの距離r0は、係合歯車160の中心160Aから第1係合凹部163の底面、つまり歯底までの距離r1より小さく設定されている。距離r1は、係合歯車160の中心160Aから第2係合凹部168の底面、つまり歯底までの距離r2よりも小さく設定されている。距離r2は、係合歯車160の中心160Aから第3係合凹部170の底面、つまり歯底までの距離r3よりも小さく設定されている。
さらに、係合歯車160の中心160Aから初期位置用凹部166の最上部、つまり歯先までの距離r4は、係合歯車160の中心160Aから第2係合凹部168の最上部、つまり歯先までの距離r5とほぼ同じか、若干小さく設定されている。そして、距離r5は、係合歯車160の中心160Aから第3係合凹部170の最上部、つまり歯先までの距離r6よりも小さく設定されている。
揺動ピン162は、係合歯車160の上方で、筐体2の前面の内側面に取り付けられ、揺動軸162Aを中心に揺動可能になっている。揺動軸162Aは、係合歯車160の中心160Aの真上に配置されている。揺動軸162Aより下方の揺動ピン162の下端には、係合歯車160の係合凹部164と係合可能な係合部172が設けられている。揺動ピン162は、この係合部172の先端が、揺動軸162Aと係合歯車160の回転中心160Aとを結んだ線上に位置する初期位置と、揺動ピン162が係合歯車16の初期位置用歯165、第2係合歯167、または第3係合歯169に押されて右方向または左方向に揺動する揺動位置との間で、揺動可能に設けられている。
また、揺動軸162Aより上方の揺動ピン162の上端には、ばね174の一端が取り付けられており、このばね174の他端は、筐体2に取り付けられている。このばね174により、揺動ピン162は、初期位置に向かって付勢されている。
ここで、係合歯車160の上述の距離r0は、揺動ピン162の揺動軸162Aから係合歯車160の中心160Aまでの距離D1から、揺動ピン162の揺動軸162Aから係合部172の先端までの距離D2を引いた距離よりも小さく設定されている。距離r1は、距離D1から距離D2を引いた距離よりも大きく設定されている。距離r2は、距離D1から距離D2を引いた距離よりも大きく設定されている。そして、距離r3は、距離D1から距離D2を引いた距離よりも大きく設定されている。
[品切機構32の構造]
図13及び図14は、本実施形態に係る排出装置1の品切機構32を示す図である。これらの図13及び図14、並びに前述の図4を参照すると、品切機構32は、物品収納部18内に収納された物品Pがなくなったことを検出するための検出部材176と、検出部材176によって物品Pの品切が検出されたときに筐体2の品切表示窓16に品切であることを表示するための品切表示部178と、物品Pの品切時に、対応する物品収納部34または36の取出機構20の動作を禁止するための動作禁止部材180と、を有する。品切機構32は、第1物品収納部34と第2物品収納部36にそれぞれ設けられており、これらは互いに左右対称である他は同じ構造であるので、以下には、第2物品収納部36に設けられた品切機構32について説明する。
検出部材176は、回動軸182を中心として回動する部材であり、回動軸182は、前方物品収納箱36Aの前方端且つ底面付近に、左右方向に沿って配置されている。検出部材176の一端側には、物品収納箱36A内に収納された物品Pに当接可能な検出部184が設けられ、この検出部184は、回動軸182から後方に延び、物品収納箱36Aの取出口44に突出している。検出部184の上面184Aは、上面184Aが水平になったとき、上面184Aが物品収納箱36Aの底面部40の上面にほぼ一致するように配置されている。また、検出部184の先端には左右方向に延びるスリット186が形成されている。このスリット186には、図4に示すように、物品支持部56の突部62の前方端から更に突出する係合突起188が係合可能となっている。なお、係合突起188は、物品取出部材52が初期位置にあるとき、物品収納箱36Aに形成されたスリット64内に収容され、底面部40からは突出しない。
検出部材176の他端は、回動軸182から前方に延び、検出部材176の回動動作を品切表示部178に伝達するための伝達部190である。伝達部190は、上面に半円柱状の突起192を有する。
上記のような構造により、検出部材176は、検出部184が物品収納箱36A内の物品Pに押されて、上面184Aが物品収納箱36Aの底面部40と一致する物品検出位置(図4の位置)と、物品収納箱36A内に物品Pが存在せず、検出部184の上面が物品収納箱36Aの底面部40よりも上方に突出する物品非検出位置(図13の位置)と、の間で、回動軸182を中心に回動可能となっている。
品切表示部178は、検出部材176の伝達部190と当接可能な当接部194と、物品Pの品切の際に物品表示窓16に「売切」の表示を行うための表示ブロック196と、連絡部材198と、を有する。
当接部194は、略三角柱に形成され、底面が検出部材176の伝達部190の突起192に当接可能となっている。
表示ブロック196は、略矩形状部材で、前面の上部に「売切」の文字等が印刷等された情報表示部200を有する。この表示ブロック196の両側及び上方には、表示ブロック196の移動を案内するための案内レール202が形成されている。この案内レール202により、表示ブロック196は、上下方向に案内されるとともに、最上位置が規定されている。また、表示ブロック196の上面には、上方に突出する突起197が形成されている。
このような構造により、品切表示部178は、検出部材176が物品検出位置にあるときに、表示ブロック196が案内レール202の上端まで移動して情報表示部200の情報が品切表示窓16よりも上方に位置する品切非表示位置(図4の位置)と、検出部材176が物品非検出位置にあるときに、表示ブロック196が下方に移動して情報表示部200の情報が品切表示窓16から視認可能になる品切表示位置(図13の位置)と、の間で、上下方向にスライド可能になっている。
動作禁止部材180は、図13及び図14に示すように、筐体2の前面の内側面に取り付けられた回動軸204を中心に回動する第1アーム206及び第2アーム208を有する。第1アーム206の先端は、表示ブロック196の上方に位置し、第2アーム208は、回転防止機構30の揺動ピン162において係合部172近傍に位置している。一方、揺動ピン162には、係合部172の先端よりも上方に位置して係合部172から筐体後方に突出する係止部210が設けられている。第2アーム208の先端は、この係止部210に当接可能となっている。
このような構造により、動作禁止部材180は、表示ブロック196が品切非表示位置にあるときに表示ブロック196の突起197に押し上げられて第1アーム206が上方に移動した位置(図14において左側の動作禁止部材180の位置)と、表示ブロック196が品切表示位置にあるとき表示ブロック196の突起197が第1アーム206に接触せず、第1アーム206が自重によって下方に移動した位置(図14において右側の動作禁止部材180の位置)との間で回動可能となっている。
ここで、第1アーム206が上方に移動した位置においては、第2アーム208の先端は、揺動ピン162の係止部210よりも下方に位置し、揺動ピン162が揺動しても第2アーム208は係止部210に当接しない。したがって、動作禁止部材180のこの位置は、第2アーム208が揺動ピン162の揺動及び係合歯車160の回転を阻止しない、動作許可位置である。一方、第1アーム206が下方に移動した状態では、第2アーム208の先端は、揺動ピン162の係止部210の横に位置し、揺動ピン162が揺動すると係止部210に当接する。したがって、動作禁止部材180のこの位置は、第2アーム208が揺動ピン162の揺動及び係合歯車160の回転を阻止する、動作禁止位置である。
[排出装置1の動作]
次に、上記のように構成された本実施形態の排出装置1の動作について説明する。
まず、操作者がコイン投入口4にコインを投入すると、コインは、コイン選別器24のコイン投入路110を通ってコインセレクタ112に入り、種類別に選別される。具体的には、本実施形態では、コインとして10円硬貨1枚と100円硬貨1枚が設定されているので、コインセレクタ112は、10円硬貨または100円硬貨が投入された場合に、これを選別してコイン貯留部114に送る。その他のコインはコイン返却口12に返却される。
コイン貯留部114に所定種類のコインが所定枚数貯留されると、動作制御機構26の回転盤124の回転が許可され、回転盤124が図10において時計回りに回転可能となる。操作者は、ハンドル6を右方向(前方から見て時計回り)及び左方向(前方から見て反時計回り)のどちらに回転させるかを選択することにより、右方向に回して第1物品収納部34から物品Pを取り出すか、左方向に回して第2物品収納部36から物品Pを取り出すかを選択する。以下では、操作者がハンドル6を右方向に回した場合について説明する。
図15は、本実施形態に係る排出装置1の連携機構28の動作を示す図である。操作者がハンドル6を右方向に回転させると、回転軸132も回転する。この回転に伴って、第1ラチェット機構134Aの固定筒部140A及び第2ラチェット機構134Bの固定筒部140Bも回転する。固定筒部140A,140Bと伝達筒部142A,142Bは、それぞれ凹部150A,150B及び突出部154A,154Bによって互いに係合しているため、伝達筒部142A,142Bも同じ方向、つまり右方向に回転する。
第1ラチェット機構134Aの伝達筒部142Aの伝達筒部側ラチェット部152Aは、伝達筒部142Aが右方向に回転すると、かさ歯車側ラチェット部146Aと係合するようになっているので、伝達筒部142Aが回転すると、この回転がかさ歯車138Aに伝達され、かさ歯車138Aは右方向に回転する。このかさ歯車138Aの回転により、動作制御機構26の回転盤124に固定されたかさ歯車130が、かさ歯車130を軸方向から見たとき(図10の状態)、右方向に回転する。
第2ラチェット機構134Bにおいては、かさ歯車130の回転によって、かさ歯車138Bが筐体2の前方から見て左方向(反時計回り)に回転する。一方、第2ラチェット機構134Bの伝達筒部142Bは、前述のように右方向に回転する。ここで、伝達筒部側ラチェット部152Bは、伝達筒部142Bが右方向に回転したとき、かさ歯車側ラチェット部146Bと係合しないようになっているので、伝達筒部142Bが右方向に回転し、かさ歯車138Bが左方向に回転すると、伝達筒部側ラチェット部152Bとかさ歯車側ラチェット部146Bとが互いに係合せずに滑る。このとき、伝達筒部側ラチェット部152Bは、かさ歯車側ラチェット部146Bの傾斜面に押され、伝達筒部142Bは、ばね158Bの付勢力に抗して筐体後方に移動する。なお、伝達筒部142Bのこの移動により伝達筒部142Bは固定筒部140Bに近づくが、固定筒部140Bの凹部150Bと伝達筒部142Bの突出部154Bとの間、及び固定筒部140Bの突出部148Bと伝達筒部142Bの凹部156Bとの間には、所定寸法の隙間Gが形成されているため、伝達筒部142Bの移動は、この隙間Gによって吸収され、伝達筒部142Bが固定筒部140Bに当接することはない。
なお、ハンドル6を逆方向、つまり前方から見て左方向(反時計周り)に回転させた場合には、回転軸132が左方向に回転し、固定筒部140A,140B及び伝達筒部142A,142Bはいずれも左方向に回転する。第2ラチェット機構134Bの伝達筒部側ラチェット部152Bとかさ歯車側ラチェット部146Bは互いに噛み合うため、かさ歯車138Bが左方向に回転する。かさ歯車138Bのこの回転により、かさ歯車130は、かさ歯車130を軸方向から見たとき(図10の状態)、右方向に回転する。第1ラチェット機構134Aのかさ歯車138Aは、右方向に回転し、伝達筒部142Aとの間で滑る。
要するに、ハンドル6、すなわち回転軸132が左方向及び右方向のいずれに回転した場合でも、動作制御機構26の回転盤124に固定されたかさ歯車130は、かさ歯車130を軸方向から見たとき(図10の状態)、右方向に回転する。したがって、本実施形態において、連携機構28は、前方から見てハンドル6の右方向(時計回り)または左方向(反時計回り)の両方の回転を、かさ歯車130における一方向の回転に変換する、回転方向変換機構として機能する。
第1ラチェット機構134Aのかさ歯車138Aによってかさ歯車130が回転し、この回転により回転盤124が回転すると、回転盤124の外周に形成された、図示しない段部がコイン支持バー119を押す。これにより、コイン支持バー119が回動してコイン案内路の底面を開放し、コイン案内路内に貯留されていたコインが、コイン収容部14へ落下する。
図16は、本実施形態に係る排出装置1の回転防止機構30の動作を示す図である。この図16に示すように、回転防止機構30においては、操作者がハンドル6を、前方から見て右回転すると回転軸132が右回転し、これに固定された係合歯車160も右回転する。なお、図16においては回転防止機構30を筐体2の後方から見ているので、係合歯車160は左方向に回った状態で示されている。
揺動ピン162の係合部172が係合歯車160の初期位置凹部166に係合する初期位置から、係合歯車10が右方向に回転すると、初期位置用歯165に押されて揺動ピン162が揺動軸162Aを中心に右側(図16においては左側)に揺動する。係合部172が初期位置用歯165を乗り越えて第1係合凹部163の位置までくると、図16に示すように、係合部172が第1係合凹部163に係合する。この状態で、係合歯車160を反対側に、つまり左側(図16において右側)に回転させようとすると、係合部172が第1係合凹部163に当たり、係合歯車160の反対方向の回転を阻止する。また、係合部172が第2係合凹部168や第3係合凹部170に係合した場合も同様に、係合歯車160を反対方向に回転させようとすると、係合部172が第2係合凹部168または第3係合凹部170に当たり、係合歯車160の反対方向の回転を阻止する。
したがって、本実施形態では、係合部172が第1係合凹部163に係合する所定角度だけ回転した位置まで係合歯車160が回転すると、それ以降の係合歯車160の反対方向への回転は禁止される。
次に、駆動機構22の動作について説明する。
図17、18、20、及び22は、本実施形態に係る排出装置1の駆動機構22の動作を示す図であり、図19は、図18のXIX−XIX線に沿った拡大断面図、図21は、図20のXXI−XXI線に沿った拡大断面図、図23は、図22のXXIII−XXIII線に沿った拡大断面図である。
操作者がハンドル6を右方向に回転させると、回転軸132を介して、駆動機構22の駆動車84も、図7の初期位置から右方向に回転する。図17に示すように、駆動車84の係合ピン92が右側の従動車86のスロット98に到達する。初期位置から図17の位置までの間、駆動車84の規制版95の円弧面96が、右側の従動車86の円弧面100に対向しているので、右側の従動車86は回転せず、初期の位置を維持したままとなる。
その後、駆動車84がさらに回転すると、図18に示すように、係合ピン92がスロット98に係合し、駆動車84が右側の従動車86を回転させる。駆動車84がさらに回転して図20や図22に示すように係合ピン92とスロット98との係合が外れると、右側の従動車86の円弧面100が再び駆動車84の円弧面96に対向し、右側の従動車86の回転が停止し、従動車86の位置が維持される。
したがって、本実施形態では、駆動車84及び従動車86を備えたゼネバ機構により、駆動車84の連続回転運動を、従動車86の間欠回転運動に変換している。
一方、左側の従動車86においては、図7の初期位置から図17に示す位置まで駆動車84が回転するとき、駆動車84の円弧面96が左側の従動車86の円弧面100と対向しているので、左側の従動車86は回転せず、初期の位置を維持したままとなる。
駆動車84がさらに回転して、図18に示すように、係合ピン92が左側の従動車86のスロット98に到達すると、係合ピン92は、スロット98の切欠104を通って壁部102の内側に入り、図19に示すように、従動車86の下方に入り込む。したがって、左側の従動車86はこの間も回転しない。
駆動車84がさらに回転すると、図20及び図21に示すように、駆動車84の係合ピン92が左側の従動車86の案内面106に到達する。係合ピン92は、案内面106に押され、突出位置から図21に示すような引込位置へ移動する。その後、駆動車84がさらに回転すると、図22に示すように、係合ピン92が案内面106から外れ、従動車86の外側へ移動する。係合ピン92は、ばね93の付勢力によって引込位置から図23に示すように突出位置に移動する。
結局、駆動車84が回転する間、左側の従動車86は回転せず、初期位置を維持したままとなる。
以上のように、駆動車84が右方向に一回転すると、3つの係合ピン92が右側の従動車86を間欠的に回転させ、従動車86が半回転する。従動車86の回転は、第1伝達車88及び第2伝達車90を介して、取出機構20の回転軸80に伝達される。
図24及び図25は、本実施形態に係る排出装置1の取出機構20の動作を示す図である。駆動機構22の駆動によって取出機構20の回転軸80が回転すると、回転軸80に固定された係合車78は、前述の図6に示す初期位置から、筐体2の前方から見て左方向(反時計回り)に回転する。係合車78が回転すると、係合車78の係合歯82が物品取出部材52の歯76に係合し、物品取出部材52を左側(筐体内側)に向かって押す。物品取出部材52は、ばね74の付勢力に抗して左側に移動し、押出部58が、物品収納箱36A内に積層された複数の物品Pのうち、最も下方の物品Pの側面を押して物品Pを1つだけ左側に移動させる。
このとき、押出部58の上面は、図24にも示すように、物品収納箱36Aに収納された次の物品Pの底面に接触して底面を支持する。押出部58の上面に形成された突起71が、押出部58と次の物品Pとの間の摩擦を軽減する。また、物品収納箱36Aのフラップ46がばね47(図4)によって収納位置に向かって付勢されているため、物品Pが押出部58によって左側に押し出されると、フラップ46が物品Pを右側に押し、物品Pを押出部58に押しつけて当接させる。
係合車78がさらに回転して係合車78の3つ目の係合歯82が物品取出部材52の歯76に係合した状態では、図24に示すように、物品取出部材52は最も左側の取出位置まで移動する。この位置では、物品Pの一部が物品収納箱36Aから突出しており、物品Pは、底面部40及びレール66よりも左側に移動している。また、物品Pは、フラップ46を押し上げてフラップ46を突出位置まで回動させている。
そして、係合車78がさらに回転すると、図25に示すように、係合車78の係合歯82と物品取出部材52の歯76との係合が外れ、物品取出部材52は、ばね74の付勢力により初期位置に戻る。このとき、物品取出部材52の物品支持部56の上面に形成された突起68が、物品支持部56と物品Pとの間の摩擦を軽減する。なお、物品取出部材52は、初期位置から取出位置までは係合車78と歯76との係合によって移動し、取出位置から初期位置まではばね74の付勢によって移動するため、物品取出部材52の移動速度は、初期位置から取出位置への移動する場合よりも、取出位置から初期位置へ移動する場合の方が速い。
物品取出部材52が初期位置へ戻る一方、物品Pは、そのままの位置に留まる。物品Pは、物品取出部材52による下方からの支持がなくなり、自重によって、またフラップ46による力や上に積層された物品Pの重みによって、取出口44から下方に落下し、スロープ33に落ち、排出口8側に移動する。操作者は、排出口8から物品Pを取り出すことができる。
ここで、図6の状態から図25の状態まで物品取出部材52が移動する取出動作の一サイクルでは、回転軸80及び係合車78は半回転する。このとき、前方の物品収納箱36Aの係合車78と後方の物品収納箱36Bの係合車78とは、互いに180°位相がずれているので、一方の係合車78が図25の位置にあるとき、他方の係合車78は図6の位置にある。したがって、次のサイクルでは、他方の物品収納箱36Bの係合車78が物品取出部材52を移動させ、物品Pを取り出す。
このように、取出機構20は、前方及び後方物品収納箱36A,36Bから、交互に物品Pを取り出す。
品切機構32の検出部材176は、前方の物品収納箱36A内に物品Pが収納されている場合、物品Pに上から押されて、検出部材176の検出部184の上面184Aが物品収納箱36Aの底面部40に整列する、図4に示すような物品検出位置に位置する。このとき、検出部材176の伝達部190は、品切表示部178の当接部194に当接し、品切表示部178の自重に抗してこれを押し上げる。品切表示部178の表示ブロック196は、案内レール202に沿って上方に移動して案内レール202の上端に当接して停止する。この位置では、表示ブロック196の情報表示部200の「売切」の文字等の表示は、品切表示窓16からは見えない。
また、動作禁止部材180の第1アーム206は、図14において左側に示すように上方に位置し、第2アーム208の先端が、回転防止機構30の揺動ピン162の係止部210より下方に位置するため、揺動ピン162が筐体2の前方から見て右側に揺動可能となる。したがって、係合歯車160を右方向に回転させることができ、つまり操作者がハンドル6を右方向に回転させることができる。
品切機構32の検出部材176が物品検出位置にある状態で、物品取出部材52が初期位置から取出位置に向かって移動すると、図4に示すように、物品取出部材52の係合突起188が底面部40から現れ、検出部材176のスリット186に係合する。これにより、物品Pが左側に向かって移動している間、検出部材176が物品検出位置に維持される。
一方、物品収納箱36Aに収納された物品Pがなくなると、検出部材176は、品切表示部178の自重により回動軸182を中心に回動して、図13に示すように、検出部184が底面部40より上方に突出する物品非検出位置に位置するようになる。これにより、検出部材176の伝達部190が下方に下がるため、品切表示部178は案内レール202に案内されながら自重により下方に下がって品切表示位置に位置する。この位置では、表示ブロック196の情報表示部200の「売切」の文字等の情報が品切表示窓16から見えるようになり、操作者には、筐体2の右側の第2物品収納部36に収納された物品Pが品切れであることがわかる。
品切機構32の検出部材176が物品非検出位置にあるとき、動作禁止部材180の第1アーム206は、図13において右側に示すような位置にある。このとき、第1アーム206は表示ブロック196に押し上げられていないため、下方に下がり、これにより第2アーム208が上方に回動する。第2アーム208の先端は、揺動ピン162の係止部210に当接する位置に配置される。したがって揺動ピン162は、筐体2の前方から見て右側に揺動しようとすると、第2アーム208に当接して揺動することができない。このため、係合歯車160も右方向に回転することができないから、操作者はハンドル6を右方向に回転させることができなくなる。
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
駆動機構22が、係合ピン92を備えた駆動車84と、係合ピン92に係合するスロット98を備えた従動車86とを備えたゼネバ機構を含んで構成されているので、係合ピン92とスロット98が確実に係合して駆動車84が従動車86を確実に回転させる。このようなゼネバ機構によれば、従来の遊戯機の排出機能で採用されていたラック機構のように互いの位相がずれることがないので、排出装置1の各機構の位相や動作タイミングがずれることがなく、繰り返し確実な排出動作を行うことができる。
また、駆動機構22が駆動車84及び従動車86を用いたゼネバ機構を含んで構成されているので、ハンドル6の回転運動を、回転運動として取出機構20に伝達することができる。ここで、従来のラック機構を用いた排出機構では、所定方向に直線運動するようにラック板を配置しなければならないため、機構のレイアウトの自由度が低く、また必要なラック板の長さ及び移動スペースを確保しなければならないため、排出機構が大型化してしまう。これに対して、本実施形態では、駆動機構22が駆動車84及び従動車86を用いたゼネバ機構を用いており、回転運動によって駆動力を伝達することができるので、駆動車84及び従動車86、また第1伝達車88や第21伝達車90を従来よりも自由に配置することができる。また、駆動機構22が回転する駆動車84及び従動車86を有して構成されているので、従来のラック機構による排出機構に比べて、駆動機構22の省スペース化を図ることができる。
第1物品収納部34及び第2物品収納部36と、第1物品収納部34及び第2物品収納部36にそれぞれ設けられた取出機構20と、を備え、駆動機構22がハンドル6の回転方向に応じて選択的にいずれかの取出機構20を駆動するので、第1物品収納部34と第2物品収納部36にそれぞれ異なる種類の物品、たとえば異なる形や味の商品を収納しておけば、操作者はハンドル6を右方向に回すか左方向に回すかを選択することにより、排出する商品を選択することができる。
駆動機構22の右側の従動車86は、駆動車84が右方向に回転すると、駆動車84の係合ピン92が従動車86のスロット98に係合して従動車86を回転させるが、駆動車84が左方向に回転すると、係合ピン92が従動車86のスロット98に係合せず、従動車86が回転しない。一方、左側の従動車86は、駆動車84が左方向に回転すると、駆動車84の係合ピン92が従動車86のスロット98に係合して従動車86を回転させるが、駆動車84が右方向に回転すると、係合ピン92が従動車86のスロット98に係合せず、従動車86が回転しない。
このような駆動機構22の構造により、駆動車84を回転させる方向を選択することによって、右及び左のいずれの取出機構20を駆動させるかを簡単に選択することができる。
駆動車84の係合ピン92は、突出位置と引込位置との間で移動可能となっているので、従動車86が駆動車84の回転によって回転しない場合、係合ピン92が引込位置に移動して、係合ピン92がスロット98に係合しない。したがって、簡単な構造で確実に駆動車84から従動車86へ回転運動を伝達しないようにできる。
また、従動車86には切欠104と案内面106が形成されているので、駆動車84が従動車86に対して回転するだけで係合ピン92が突出位置から引込位置に案内される。したがって複雑な構造を必要とすることなく、係合ピン92の突出位置と引込位置との間の移動を実現することができる。
回転防止機構30が設けられているので、操作者がハンドル6を所定角度以上回転させると、ハンドル6を反対方向へは回転できなくなる。したがって、操作者がハンドル6を右方向や左方向に繰り返し回転させるのを防止することができ、これにより発生する可能性のある動作不良や故障を防止することができる。
回転防止機構30が、揺動ピン162と係合歯車160とを有するので、係合歯車160がハンドル6の回転に伴って回転すると、揺動ピン162が揺動して係合歯車160の係合凹部164に係合し、係合歯車160の逆方向の回転を防止する。したがって、簡単な構造でハンドル6の逆方向の回転を防止することができる。
排出装置1が、コイン選別器24と、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ、駆動機構22の駆動を許可する動作制御機構26とを備えているので、排出装置1を、所定の金額で物品Pを販売する販売装置としても用いることができる。
動作制御機構26が、その軸方向から見て右方向(時計回り)の一方向にのみ回転する回転盤124を有し、連携機構28が、ハンドル6の、したがって駆動車84の右方向の回転及び左方向の回転の両方を、回転盤124の一方向の回転に変換する。したがって、連携機構28によってハンドル6の両方向の動作と、動作制御機構26の一方向の動作を連携することができる。
取出機構20が、取り出す物品Pを載置する物品取出部材52を有し、この物品取出部材52が、物品Pを物品収納部34,36内で保持する初期位置と、物品Pを物品収納部34,36の取出口44に移動させる取出位置と、の間で移動可能に設けられているので、物品Pを1つだけ載置して安定した姿勢を保ったまま取出口44へ移動させることができる。これにより、物品Pを取出口44に確実に搬送することができる。
また、このとき、物品取出部材52は、取出部材駆動機構54によって初期位置から取出位置に移動する一方で、物品取出部材52がばね74によって初期位置に向かって付勢されているので、物品取出部材52が取出位置から初期位置に戻るとき、初期位置から取出位置に移動する速度よりも速く移動する。これにより、物品取出部材52に載置された物品Pを取出口44に残したまま、物品取出部材52を初期位置に戻すことができ、物品Pを取出口44からスロープ33に確実に排出することができる。
さらに、物品取出部材52に押出部58が設けられているので、物品取出部材52が物品Pを1つ押し出している間、押出部58の上面が、次の物品Pの底面を支持する。したがって、物品Pの取出動作中も、物品収納部34,36に収納された物品Pを安定して支持することができる。
排出装置1が品切機構32を備えているので、第1物品収納部34または第2物品収納部36に物品Pがなくなったとき、品切表示窓16に「売切」等の情報を表示することができる。したがって、操作者が物品Pの品切を認識することができる。
また、品切機構32が、動作禁止部材180を有するので、第1物品収納部34または第2物品収納部36に物品Pがなくなったとき、動作禁止部材180が、物品Pがなくなった物品収納部34,36に対応する方向のハンドル6の回転を禁止することができる。これにより、物品Pの品切れにもかかわらずハンドル6が回転して駆動機構22や取出機構20が動作してしまうのを防止することができ、ハンドル6を操作したのに物品Pが排出されないといった事態を回避することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
本実施形態では、物品収納箱36A,36Bには第1の物品のみを収納した場合について説明したが、本発明では、第1の物品のみまたは第2の物品のみを収納してもよいし、第1の物品及び第2の物品を混合して収納してもよい。また、第1物品収納部34及び第2物品収納部36には第1の物品のみを収納してもよいし、第1物品収納部34及び第2物品収納部36に異なる形状、すなわち第1の物品及び第2の物品をそれぞれ収納してもよいし、あるいは、第1物品収納部34及び第2物品収納部36に同じ形状であるが、異なる味の第1の物品または第2の物品をそれぞれ収納してもよい。このように、第1物品収納部34及び第2物品収納部36には、所望の仕様に応じて任意の物品を収納することができる。
駆動機構は、前述の実施形態のように、係合ピンを備えた1つの駆動車と係合ピンに係合可能なスロットをそれぞれ備えた2つの従動車とを備えたゼネバ機構を含むものに限らず、例えば、1つの駆動車と2つの従動車とを備えて構成される任意の機構を採用することができる。
要するに、本発明は、前述の実施形態に限らず、物品を収納するための2つの物品収納部と、前記物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品収納部に収納された物品を1つずつ取り出して排出口に排出するための取出機構と、前記取出機構のいずれかを選択的に駆動する駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、回転可能に形成された1つの駆動車と、前記駆動車の回転に応じて駆動されることによって前記取出機構のいずれかを駆動する2つの従動車と、を備え、一方の前記従動車は、前記駆動車が一方向に回転する場合に前記駆動車と係合して前記取り出し機構を駆動し、前記駆動車が他方向に回転する場合には前記駆動車と係合しないように構成され、他方の前記従動車は、前記駆動車が他方向に回転する場合に前記駆動車と係合して前記取り出し機構を駆動し、前記駆動車が一方向に回転する場合には前記駆動車と係合しないように構成されている、ことを特徴とする物品の排出装置であってもよい。
1 排出装置
2 筐体
4 コイン投入口
6 ハンドル
8 排出口
18 物品収納部
20 取出機構
22 駆動機構
24 コイン選別器
26 動作制御機構
28 連携機構(回転方向変換機構)
30 回転防止機構
32 品切機構
84 駆動車
86 従動車
92 係合ピン
98 スロット
106 案内面
124 回転盤
160 係合歯車(歯車)
162 揺動ピン

Claims (8)

  1. 物品を収納するための2つの物品収納部と、
    前記物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品収納部に収納された物品を1つずつ取り出して排出口に排出するための取出機構と、
    前記取出機構のいずれかを選択的に駆動する駆動機構と、を備え、
    前記駆動機構は、回転軸方向に突出する係合ピンを備えた1つの駆動車と、前記係合ピンに係合可能なスロットをそれぞれ備えた2つの従動車と、を備えて構成されるゼネバ機構を含み、
    前記駆動車及び一方の前記従動車は、前記駆動車が一方向に回転する場合に前記係合ピンが前記スロットに係合し、前記駆動車が他方向に回転する場合に前記係合ピンが前記スロットに係合しないように構成され、
    前記駆動車及び他方の前記従動車は、前記駆動車が他方向に回転する場合に前記係合ピンが前記スロットに係合し、前記駆動車が一方向に回転する場合に前記係合ピンが前記スロットに係合しないように構成されている、
    ことを特徴とする物品の排出装置。
  2. 前記係合ピンは、前記駆動車から前記回転軸方向に突出して前記スロットに係合する突出位置と、前記回転軸方向に引っ込んで前記スロットに係合しない引込位置との間で移動可能に構成される、
    請求項1に記載の排出装置。
  3. 前記従動車は、前記駆動車に対向する面に、前記突出位置から前記引込位置への前記係合ピンの移動を案内するための案内面を有する、
    請求項2に記載の排出装置。
  4. 前記駆動車が初期位置から所定角度以上回転したとき、反対方向への回転を防止するための回転防止機構を更に備える、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排出装置。
  5. 前記回転防止機構は、前記駆動車の前記回転軸に固定された歯車と、歯車の歯に係合可能な揺動ピンと、を備え、前記駆動車の前記初期位置において、前記歯車の中心から前記歯車の歯底までの距離は、前記歯車の中心と前記揺動ピンの揺動中心との間の距離から、前記揺動ピンの揺動中心から先端までの距離を引いた距離よりも小さく、前記駆動車が前記初期位置から前記所定角度以上回転した位置において、前記歯車の中心から前記歯車の歯底までの距離は、前記歯車の中心と前記揺動ピンの揺動中心との間の距離から、前記揺動ピンの揺動中心から先端までの距離を引いた距離よりも大きく設定されている、
    請求項4に記載の排出装置。
  6. 操作者が前記物品収納部のうちのいずれから前記物品を取り出すかを選択するために回転操作可能なハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの一方向の回転が前記駆動車の一方向の回転に、前記ハンドルの他方向の回転が前記駆動車の他方向の回転に対応するように、前記回転軸に接続されている、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の排出装置。
  7. 投入されたコインを種類別に選別するためのコイン選別器と、
    所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ、前記駆動機構の駆動を許可する動作制御機構と、を更に備える、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排出装置。
  8. 前記動作制御機構は、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ一方向にのみ回転可能な回転盤を有し、
    前記排出装置は、前記駆動車が一方向および他方向に回転したときのいずれの場合でも、前記回転盤を前記一方向に回転させるための回転方向変換機構を更に備える、
    請求項7に記載の排出装置。
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