以下では、図面を参照しながら本発明に係る動画再生制御システムを含むシステム、端末及びプログラムの実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易のため、一部を誇張又は簡略化して描いている場合があり、寸法等は図面に記載のものに限定されない。
本実施形態に係る動画再生制御システムを含むシステム、端末及びプログラムは、例えば、人材を育成する人材育成システム及び人材育成方法に組み込まれる。人材育成システム及び人材育成方法は、例えば、人材育成の課題を手軽に解決する。ところで、特に近年、人材不足の深刻化が進むと共に、外国人労働者及び高年齢労働者の比率は高くなっており、多様な人材を育成するための業務マニュアル等の整備が必要とされる。一方、人材が一人前になる前に退職する問題が顕在化しており、例えば飲食店及び小売店では顧客が満足するサービスを十分に提供できないという問題が生じ、例えば製造業では良質な製品を量産できないという問題が生じている。本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、多様な人材の育成を効率的に行って早期に一人前に育て上げると共に、人材の退職を低減させることを目的とする。
本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、動画を用いた人材育成を行うことによって多様な人材の育成を効率的に行う。例えば、動画を見ながら行う学習は、文字を見ながら行う学習と比較して記憶の定着率が高いことが実証されており、視覚と聴覚を通じて学習を行うことにより学習の定着率を高めることができる。本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、動画を用いて学習等の人材育成を行うことによって、学習の定着率を高めることを可能としている。
例えば、飲食業、小売業及び製造業は、人事、経理及び総務等の本社機能を有する本社と、複数の店舗又は工場等の製造現場とを備える業態を採用することが一般的である。このような業態では、例えば、本社は実際の業務を店舗任せにしていて店舗の実態を本社が十分に把握できていないという問題がある。また、各店舗における育成対象者の育成は育成者に依存しており、育成者次第では育成対象者が上手く育成されないという問題がある。具体的には、育成者から育成対象者への評価のフィードバックが不十分であったり、育成対象者から育成者への相談が不十分であったり、育成対象者が育成者に相談しても望ましい回答が得られなかったり、等の問題が生じることにより育成対象者の育成が上手くいっていないという現状がある。
前述した問題に対し、本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、上記の本社と、店舗又は製造現場との両方で使用可能であり、例えば店舗の実態を可視化することができるので、本社は店舗の実態を十分に把握することが可能である。また、本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、例えば、人材のパフォーマンス及び職場環境に関する情報を本社と全ての店舗又は製造現場で見ることができ、更に、育成者の育成対象者への育成状況、育成者と育成対象者とのコミュニケーション、及び育成対象者の評価が可視化される。従って、例えば育成者を平準化及び監督することによって、育成対象者の育成を効率よく行うことが可能となる。
本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムは、飲食業、小売業及び製造業を含む様々な産業に適用可能である。以下では、システム、端末及びプログラムを飲食業に適用させる例について説明する。本実施形態のシステム、端末及びプログラムにおいて、本社は、複数の店舗のそれぞれにおける人材の育成状況を把握すると共に、人材のデータの管理、人材育成のための学習コンテンツの管理、及び各店舗への通知等を行う。各店舗は、店長をはじめとする育成者が育成対象者を育成するが、本実施形態に係るシステム、端末及びプログラムでは、人材の育成状況の可視化、育成者による評価、及び育成対象者によるセルフトレーニング等を行うことが可能である。
本明細書において、「育成者」は、育成対象者を育成する者を示しており、例えば、熟練した指導者、トレーナー、マネージャー、店長、本社社員及び役職者を含む。「育成対象者」は、育成される対象となる者を示しており、例えば、業務を開始して日が浅い新入社員、新人アルバイト及びトレーニーを含む。但し、前述した指導者、トレーナー、マネージャー、店長、本社社員及び役職者等であっても、それより上位の者(例えば経営者)との関係においては、「育成対象者」となりうる。
本実施形態において例示する人材育成システムは、サーバE(図5等参照)と、複数の端末T1,T2とを備えており、育成対象者の端末T1、育成者の端末T2、及びサーバEの間で互いに通信可能とされている。サーバEは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、ROM及びRAMによって構成される主記憶部と、ハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成される補助記憶部と、ネットワークカード又は無線通信モジュールで構成される通信制御部と、キーボード又はマウス等の入力装置と、モニタ等の出力装置とを備える。
サーバEの各機能要素は、プロセッサ又は主記憶部に所定のソフトウェアを読み込ませて当該ソフトウェアを実行させることによって実現される。プロセッサは、当該ソフトウェアに従って、前述した通信制御部、入力装置又は出力装置を動作させ、主記憶部又は補助記憶部におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。サーバEの処理に必要なデータ又はデータベースは主記憶部又は補助記憶部に格納される。また、本明細書において「端末」とは、携帯電話又はタブレット等の携帯端末、及びノートパソコン等の他の情報端末を含んでいる。なお、育成者の端末T2には、本社の端末T2が含まれてもよい。
(第1実施形態)
図1(a)は第1実施形態の人材育成システムにおいて育成対象者の端末T1の表示器T11に表示される画面の例を示しており、図1(b)は当該人材育成システムにおいて育成者の端末T2の表示器T21に表示される画面の例を示している。図1(a)に示されるように、表示器T11の画面D1には、例えば、動画学習コンテンツボタンD11、テストボタンD12、評価ボタンD13、用語集ボタンD14,POSシミュレーションボタンD15、スタッフ一覧ボタンD16及びコミュニケーションボタンD17が表示される。
図1(b)に示されるように、表示器T21の画面D2には、動画学習コンテンツボタンD11、テストボタンD12、評価ボタンD13、用語集ボタンD14、POSシミュレーションボタンD15、スタッフ一覧ボタンD16及びコミュニケーションボタンD17の他に、評価ダッシュボードボタンD21、利用状況分析ボタンD22、退職予測ボタンD23、コンテンツ編集登録ボタンD24及びテスト編集登録ボタンD25が表示される。なお、画面D1,D2のレイアウトは、一例であり、適宜変更可能である。例えば、本社の端末T2に画面D2が表示されてもよいし、育成者の端末T2にはコンテンツ編集登録ボタンD24又はテスト編集登録ボタンD25が表示されなくてもよい。更に、画面D1,D2に表示されるボタンの種類も適宜変更可能である。
動画学習コンテンツボタンD11が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信されて動画学習機能が実行される。動画学習機能については後述する。テストボタンD12が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信されてテスト機能が実行される。テスト機能では、例えば、サーバEから端末T1,T2に動画が配信されると共に、動画が視聴された後にクイズが出題される。一例として、クイズは、動画の理解度を確認するためのテストであり、当該クイズの結果は、サーバEに送信されると共に受験者ごとに保存される。また、テスト機能では、例えば、テキスト(文字)の表示によるクイズ、又は静止画像の表示によるクイズが端末T1,T2に配信されてもよいし、各クイズが画面D2等の管理画面から設定可能(編集可能)とされていてもよい。
評価ボタンD13が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信されて評価機能が実行される。評価機能では、例えば図2(a)に示される画面D31が表示される。画面D31では、例えば、トレーニーである育成対象者が自己評価を行うと共に、トレーナーである育成者の評価がなされる。一例として、画面D31には、複数のレベルのそれぞれにおいて複数の項目が表示されると共に、各項目の内容が「できる」と思った場合にチェックを入力するチェックボックスが表示される。チェックボックスは、育成者及び育成対象者のそれぞれに対して表示され、育成者及び育成対象者のそれぞれがチェックを行うことが可能である。
例えば、評価機能は、育成対象者から育成者に依頼があったときに機能してもよく、この場合、育成対象者は育成者の評価を積極的に受けることができる。また、評価機能は、育成対象者及び育成者の双方がYESにチェックされた項目ごとにポイントを加算してもよい。この場合、育成対象者はできることが増えるたびにポイントを貯めることができるので、育成対象者のモチベーションを高めることができると共に離職率の低減に寄与する。
用語集ボタンD14が押下されると、端末T1,T2からリクエストが送信されて用語集表示機能が実行される。用語集とは、例えば、業務で用いられる用語の集まりであり、業界の専門用語を含んでいる。用語集表示機能は、例えば、用語集検索画面、又は用語集が列挙された用語集一覧画面を端末T1,T2(表示器T11,T21)に表示する。これにより、端末T1,T2の利用者は、専門用語を検索したり専門用語を選択したりして、時間があるとき等に専門用語を学習することができる。
POSシミュレーションボタンD15は、店舗等で用いられるPOSレジのシミュレーションを行うレジ打ち練習機能を起動する。POSシミュレーションボタンD15が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信されてレジ打ち練習機能が実行される。レジ打ち練習機能は、例えば図2(b)に示されるレジ打ち練習画面D32を端末T1,T2に表示する。レジ打ち練習画面D32は、例えば、店舗で実際の業務で用いられるPOSレジ又はタブレットレジと同様の画面であり、育成対象者がレジ打ち練習画面D32を打つことによってレジ打ちの練習をすることができる。すなわち、育成対象者は、レジ打ち練習画面D32を表示することによって、実際のレジのボタンの配置と機能を時間があるとき又は実際に業務を行う前に学習することができる。
スタッフ一覧ボタンD16が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信されると共に、例えば図3(a)に示されるように、従業員一覧画面D33が表示される。一例として、従業員一覧画面D33は、各店舗の従業員の氏名、従業員の所属部署、従業員の顔写真、従業員の役職、及び従業員の勤続年月を含んでいる。このように、従業員一覧画面D33が表示されることによって、従業員の名前と顔を容易に把握できる。また、従業員一覧画面D33では、氏名の五十音順に従業員を表示してもよいし、勤続年月順に従業員を表示してもよいし、部署又は役職ごとに分類して従業員を表示してもよい。
コミュニケーションボタンD17が押下されると、端末T1,T2からサーバEにリクエストが送信され、サーバEはコミュニケーション機能を起動する。コミュニケーション機能は、チャット機能を含んでおり、チャット機能では、例えば図3(b)に示されるように、従業員同士で行うチャット画面D34が起動する。チャット画面D34では、例えば、育成対象者が育成者に気軽に質問等をすることができ、メーラーを起動しなくても報告連絡相談を容易に行うことができる。また、チャット画面D34で行うチャットは、従業員同士で行うものなくてもよく、例えばチャットボットであってもよく、適宜変更可能である。
コミュニケーション機能は、お知らせ機能を含んでいてもよく、この場合、例えば図3(c)に示されるお知らせ画面D35が端末T1,T2に表示される。お知らせ機能は、例えば、従業員に周知すべき情報を一覧としてお知らせ画面D35に表示する。お知らせ機能は、経営者、本社の社員、育成者及び育成対象者からの情報をお知らせ画面D35に表示してもよく、この場合、必要な情報を漏れなく従業員等に通知することができる。なお、お知らせ画面D35に表示される情報のそれぞれに閲覧権限が付与されていてもよく、例えば、経営者のみが見れる情報、本社の社員のみが見れる情報、育成者のみが見れる情報、又は育成対象者のみが見れる情報が分類されてもよい。
更に、コミュニケーション機能は、アンケート機能を含んでいてもよく、例えば、アンケート機能は、育成対象者に対するアンケート画面を表示する。一例として、アンケート画面には、業務へのモチベーションに関する複数の質問が列挙されており、育成対象者がアンケート画面の複数の質問に回答することによって業務へのモチベーションを育成対象者ごとに把握できる。
アンケート機能は、前述したコミュニケーション機能とは独立した機能であってもよい。例えば、本社から所定のタイミングで育成者又は育成対象者にアンケートの依頼がお知らせ機能によって通知され、アンケートを本社が収集することによって育成者又は育成対象者の調査を行うサーベイ機能を有していてもよい。例えば、図2(a)に示される画面D31で育成者によってチェックが入れられたときに当該チェックの項目が達成されたことを育成対象者に通知してもよく、このときに育成対象者にアンケートを依頼してもよい。このアンケートに入力される内容は、例えば、各項目の難易度等を含んでいる。この場合、本社は、複数の育成対象者のそれぞれからアンケートを収集することにより、各項目の妥当性を検証することが可能となる。このように、アンケートを各項目等の見直しに用いてもよい。
評価ダッシュボードボタンD21が押下されると、端末T2からサーバEにリクエストが送信されると共に、例えば図4に示されるように、育成対象者ごとの評価を示すダッシュボードD36が端末T2に表示される。一例として、ダッシュボードD36に表示される内容は、育成対象者ごとの学習の進捗度、及びテストの正解率を含んでおり、ダッシュボードD36を見ることによって各育成対象者の習熟度を容易に把握することができる。なお、複数の育成対象者のそれぞれの評価を含むダッシュボードD36は育成者の端末T2のみに表示されるが、自己の評価のみを含むダッシュボードが育成対象者の端末T1に表示されてもよい。
利用状況分析ボタンD22が押下されると、端末T2からサーバEにリクエストが送信されると共に、人材育成システムの利用状況が端末T2に表示される。利用状況は、例えば利用者ごとに表示され、人材育成システムの利用状況を利用者ごとに把握できる。また、利用状況にテストの実施状況が含まれていてもよい。更に、複数の利用者のテストの実施状況からテストの問題ごとに正答率を表示してもよい。この場合、テストの問題の難易度又は妥当性を検証することも可能となる。
退職予測ボタンD23が押下されると、端末T2からサーバEにリクエストが送信されると共に、例えば、従業員ごとの退職可能性が端末T2に表示される。一例として、従業員ごとの退職可能性は、前述した業務へのモチベーションの低さ、人材育成システムの利用状況の低さ、及び評価の低さを含む退職因子から複合的に算出される。退職予測ボタンD23が押下されると、例えば、退職可能性が高い従業員が上から順に並べられるように一覧画面が端末T2に表示される。これにより、退職可能性が高い従業員を早期に発見して退職因子を取り除くように働きかけることができるので、離職率を減らすことができる。
図1(b)に示されるように、端末T2の表示器T21にはコンテンツ編集登録ボタンD24及びテスト編集登録ボタンD25が表示される。育成者は、コンテンツ編集登録ボタンD24を押下することによって動画学習コンテンツを編集及び登録し、テスト編集登録ボタンD25を押下することによってテストを編集及び登録する。
図5は、人材育成システム1のサブシステムであるコンテンツテスト編集登録システム11を示すブロック図である。コンテンツテスト編集登録システム11は、育成対象者の端末T1、育成者の端末T2及びサーバEを備える。コンテンツテスト編集登録システム11は、コンテンツ記憶部12とテスト記憶部13とをサーバEに備える。コンテンツ記憶部12及びテスト記憶部13のそれぞれは、人材育成システム1の利用者ごとに設けられてもよい。コンテンツ記憶部12には学習動画コンテンツ12a,12b,12cを含む複数の学習動画コンテンツが記憶されており、テスト記憶部13にはテストコンテンツ13a,13bを含む複数のテストコンテンツが記憶されている。
コンテンツ編集登録ボタンD24が押下されると、端末T2からサーバEにリクエストが送信され、端末T2にはコンテンツ登録編集画面が表示される。育成者は、コンテンツ登録編集画面を操作することによって、学習動画コンテンツ12a,12b,12cの編集、及びコンテンツ記憶部12への新たな学習動画コンテンツの登録を行うことが可能である。テスト編集登録ボタンD25が押下されると、端末T2からサーバEにリクエストが送信され、端末T2にテスト登録編集画面が表示される。育成者は、テスト登録編集画面を操作することによって、テストコンテンツ13a,13bの編集、及びテスト記憶部13への新たなテストコンテンツの登録を行うことが可能である。
例えば、端末T1においてテストボタンD12が押下されると、端末T1からサーバEにリクエストが送信されてテスト機能が実行される。テスト機能では、例えば、サーバEから端末T1にテストコンテンツ13a,13bのいずれかが送信される。また、端末T1において動画学習コンテンツボタンD11が押下されると、端末T1からサーバEにリクエストが送信されて学習動画コンテンツ12a,12b,12cのいずれかの動画再生制御が実行される。
図6は学習動画コンテンツ12a,12b,12cの動画再生制御が実行されている例を示す学習動画M1(動画)であり、図7は当該動画再生制御を行う動画再生制御システム21のブロック図である。「学習動画」とは、育成対象者が学習を行うときに育成対象者が見る動画を示している。人材育成システム1は、育成対象者を育成するための学習動画M1を育成対象者に見せることによって育成対象者を育成する。本実施形態に係る動画再生制御システム21は、例えば、人材育成システム1のサブシステムである。
動画再生制御システム21は、接触操作検出部22と、押圧力検出部23と、表示制御部25とを端末T1,T2に備える。なお、動画再生制御システム21の各機能の少なくとも一部がサーバEに設けられてもよい。表示器T11,T21は、学習動画M1が表示される表示領域A1と、シークバー領域A2とを有する。動画再生制御システム21では、表示領域A1を指F等の棒状物(ペンであってもよい)で接触することによって学習動画M1の再生に関する種々の操作を行うことが可能である。本明細書では、指等で表示領域を接触して再生に関する種々の操作を行うことを「接触操作」と称することがある。
接触操作検出部22は、学習動画M1が表示された表示領域A1に対する接触操作を検出する。接触操作検出部22は、表示領域A1に指F等の棒状物が接触したか否かを判定する。接触操作検出部22は、棒状物が接触したと判定したときに操作があった旨を検出し、棒状物の接触がないと判定したときに操作がなかった旨を検出してもよい。押圧力検出部23は、表示領域A1に対する押圧力を検出する押圧力センサを含んでおり、当該押圧力センサによって検出された押圧力を押圧力値として検出する。
表示制御部25は、学習動画M1の再生速度を変更する。表示制御部25は、押圧力検出部23によって検出された押圧力値が予め定められた押圧力閾値PT以上である場合に学習動画M1の再生速度を第1速度に変更し、押圧力検出部23によって検出された押圧力値が押圧力閾値PT未満である場合に再生速度を第1速度よりも遅い第2速度に変更する。なお、この表示制御部25の再生速度の変更の具体例は後に詳述する。
表示制御部25は、学習動画M1を記憶するコンテンツ記憶部12(記憶部)に記憶された学習動画M1(学習動画コンテンツ12a)を表示器T11,T21の表示領域A1に表示する。例えば、表示制御部25は、表示領域A1の接触操作されている箇所を含む一定の領域にマーカー25aを表示する。表示制御部25は、例えば、接触操作検出部22が接触操作を検出したときに表示領域A1の下部にキャプション25b(学習動画M1の説明文等)を表示してもよい。また、表示制御部25は、シークバー領域A2に学習動画M1の再生速度を示す数値25cを表示してもよい。なお、図6では、学習動画M1の再生速度が2倍速である例を示している。
次に、本実施形態に係る再生制御方法について図8を参照しながら説明する。図8は、動画再生制御システム21を用いて学習動画M1の再生制御を行う方法の例を示すフローチャートである。なお、図8の例では、前述した押圧力閾値PTが3つの押圧力閾値PT1,PT2,PT3を含むと共に、前述した第1速度がa倍速、第2速度がa倍速よりも遅いb倍速である例を示している。
図8において、押圧力閾値PT1は最も大きく、押圧力閾値PT2は2番目に大きく、押圧力閾値PT3は最も小さい。また、a倍は最も大きく、b倍は2番目に大きく、c倍は3番目に大きく、d倍は最も小さい。一例として、押圧力検出部23が検出可能な最大の押圧力値を1.00とすると、押圧力閾値PT1の値は0.75、押圧力閾値PT2の値は0.50、押圧力閾値PT3の値は0.25である。a,b,c,dの数字は、それぞれ8、6、4、2である。但し、これらの数値は一例であって適宜変更可能である。
まず、接触操作検出部22が指F等の表示領域A1への接触操作を検出すると共に、押圧力検出部23が当該接触操作の押圧力を検出する(ステップS11)。次に、表示制御部25は、押圧力検出部23が検出した押圧力値が押圧力閾値PT1以上であるか否かを判定する(ステップS12)。表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT1以上であると判定した場合には、学習動画M1の再生速度をa倍速(例えば8倍速)に変更する(ステップS13)。このとき、表示制御部25は、シークバー領域A2の数値25cを「a」に変更して一連の工程を終了する。
ステップS12において、当該押圧力値が押圧力閾値PT1以上でないと判定したときには、ステップS14に移行し、表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT2以上であるか否かを判定する。表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT2以上であると判定した場合には、学習動画M1の再生速度をb倍速(例えば6倍速)に変更し(ステップS15)、シークバー領域A2の数値25cを「b」に変更して一連の工程を終了する。
ステップS14において、当該押圧力値が押圧力閾値PT2以上でないと判定したときには、ステップS16に移行し、表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT3以上であるか否かを判定する。表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT3以上であると判定した場合には、学習動画M1の再生速度をc倍速(例えば4倍速)に変更し(ステップS17)、シークバー領域A2の数値25cを「c」に変更して一連の工程を終了する。ステップS16において、当該押圧力値が押圧力閾値PT3以上でないと判定したときには、ステップS18に移行し、表示制御部25は学習動画M1の再生速度をd倍速(例えば2倍速)に変更し、シークバー領域A2の数値25cを「d」に変更して一連の工程を終了する。なお、ステップS11〜S18は一定時間ごとに実行されてもよいし、ステップS12〜S18はステップS11において押圧力が検出される度に実行されてもよい。
次に、本実施形態に係る動画再生制御システム21から得られる作用効果について説明する。図6に示されるように、動画再生制御システム21では、学習動画M1が表示された表示領域A1に対する接触操作を接触操作検出部22が検出することにより、育成対象者は学習動画M1に対する操作を行う。よって、育成対象者は、表示領域A1に接触操作を行うことによって学習動画M1の操作を行うことができるので、学習動画M1に対する操作性を高めることができる。
すなわち、一般的に学習動画M1が表示される表示領域A1は広く、育成対象者は広い 表示領域A1を接触操作すれば学習動画M1を操作することができる。よって、従来の隅部に設けられた操作パネルの小さいボタンを押下する場合、又は従来の細いシークバーを操作する場合と比較して学習動画M1に対する操作を容易に行うことができる。
また、動画再生制御システム21では、表示領域A1に対する接触操作の押圧力を押圧力検出部23が検出し、表示制御部25は、当該押圧力が例えば押圧力閾値PT1以上である場合に第1速度(a倍速)に再生速度を変更し、当該押圧力が押圧力閾値PT1未満である場合に第1速度よりも遅い第2速度(b倍速、c倍速又はd倍速)に再生速度を変更する。
すなわち、表示制御部25は、押圧力が押圧力閾値PT1以上である場合には再生速度を第1速度に速めると共に、押圧力が押圧力閾値PT1未満である場合には再生速度を第2速度に遅くする。よって、表示領域A1に対する押圧力が大きいときに再生速度を速くすると共に、表示領域A1に対する押圧力が小さいときに再生速度を遅くすることができるので、育成対象者は、表示領域A1に対する指F等の押圧力の大小を変えるだけで再生速度を変更することができる。
従って、育成対象者は、学習動画M1のシーンが自分にとって有用でないと思う場合には指F等の接触圧力を大きくして再生速度を速めることができると共に、自分にとって有用なシーンが表示される場合には表示領域A1から指F等を離して接触圧力を小さくすることにより、有用なシーンをじっくりと見ることができる。その結果、育成対象者は、自分にとって有用でないシーンを飛ばしつつ有用なシーンを重点的且つ効率的に見ることができるので、学習を効率よく行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る動画再生制御システムについて図9、図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。第2実施形態に係る動画再生制御システム31は、摺動操作方向検出部33及び表示制御部35を有する点が第1実施形態と異なっている。以降の説明では、前述した実施形態と重複する説明を適宜省略する。図9は、前述した学習動画コンテンツ12a,12b,12cの動画再生制御が実行された例を示す学習動画M2であり、図10(a)は動画再生制御システム31のブロック図である。
図9及び図10(a)に示されるように、動画再生制御システム31は、例えば、接触操作検出部22、摺動操作方向検出部33及び表示制御部35を端末T1,T2に備える。摺動操作方向検出部33は、表示領域A1に対する摺動操作の方向を検出し、例えば、摺動操作の方向が第1方向H1であるか第2方向H2であるかを判定する。「摺動操作」とは、指等の棒状物を画面上で摺動させることによって行われる操作を示しており、接触操作を含んでいる。一例として、第1方向H1は表示領域A1の右方向であり、第2方向H2は表示領域A1の左方向である。しかしながら、第1方向H1は右以外の方向(例えば右上方向又は上方向)であってもよいし、第2方向H2は左以外の方向(例えば左下方向又は下方向)であってもよい。
表示制御部35は、摺動操作方向検出部33によって検出された摺動操作の方向が第1方向H1である場合には学習動画M2の再生速度をより速い第1速度に変更し、摺動操作方向検出部33によって検出された摺動操作の方向が第2方向H2である場合には学習動画M2の再生速度をより遅い第2速度に変更する。変更された再生速度は、指F等が表示領域A1から離れるときには一定とされる。すなわち、表示制御部35は摺動操作の方向が検出されたときには学習動画M2の再生速度を変更するが、指F等が表示領域A1から離れる前後では再生速度は変化せず変更された再生速度が継続される。
次に、第2実施形態に係る再生制御方法について図10(b)を参照しながら説明する。図10(b)は、動画再生制御システム31を用いて学習動画M2の再生制御を行う方法の例を示すフローチャートである。なお、図10(b)の例では、前述したように、第1方向H1が右であり、第2方向H2が左であって、第1速度がe倍速、第2速度がf倍速である例を示している。e倍はf倍よりも大きく、一例として、eの値は1.5又は2.0であり、fの値は0.5又は0.8である。但し、これらの値は適宜変更可能である。
まず、接触操作検出部22が表示領域A1への摺動操作(接触操作)を検出すると共に、摺動操作方向検出部33が当該摺動操作の方向を検出する(ステップS21)。次に、表示制御部35は、摺動操作方向検出部33が検出した方向が右方向であるか否かを判定する(ステップS22)。表示制御部35は、当該方向が右方向であると判定した場合には、学習動画M2の再生速度をe倍速に変更し(ステップS23)、シークバー領域A2の数値25cを「e」に変更して一連の工程を終了する。
ステップS22において、当該方向が右でないと判定したときには、ステップS24に移行し、表示制御部35は、当該方向が左方向であるか否かを判定する。表示制御部35は、当該方向が左方向であると判定した場合には、学習動画M2の速度をf倍速に変更し(ステップS25)、シークバー領域A2の数値25cを「f」に変更して一連の工程を終了する。また、表示制御部35は、ステップS24において、当該方向が左方向でないと判定した場合には、再生速度を変更することなく一連の工程を終了する。
以上、第2実施形態に係る動画再生制御システム21では、表示領域A1に対する摺動操作の方向を摺動操作方向検出部33が検出する。表示制御部35は、当該方向が第1方向H1である場合に第1速度(例えばe倍速)に再生速度を変更し、当該方向が第2方向H2である場合に第1速度よりも遅い第2速度(例えばf倍速)に再生速度を変更する。よって、摺動操作の方向が第1方向H1である場合に再生速度を第1速度に速めると共に、摺動操作の方向が第2方向H2である場合に再生速度を第2速度に遅くする。よって、育成対象者は、第1方向H1又は第2方向H2に摺動操作を行うだけで再生速度を変更することができる。
従って、育成対象者は、学習動画M2のシーンが自分にとって有用でないと思う場合には指F等で第1方向H1に摺動操作を行うことによって再生速度を速めることができる。また、育成対象者は、自分にとって有用なシーンが表示される場合には第2方向H2に摺動操作を行うことによって再生速度を遅くすることにより、有用なシーンをじっくりと見ることができる。その結果、学習の効率を高めることができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る動画再生制御システムについて図9及び図11を参照しながら説明する。第3実施形態に係る動画再生制御システム41は、動作が異なる表示制御部45を備える点が前述した各実施形態とは異なっている。図11(a)は、第3実施形態に係る動画再生制御システム41のブロック図である。動画再生制御システム41は、例えば、接触操作検出部22、摺動操作方向検出部33及び表示制御部45を端末T1,T2に備える。
表示制御部45は、摺動操作方向検出部33によって検出された摺動操作の方向が第1方向H1である場合には学習動画M2の再生位置を第1時間進めて、摺動操作方向検出部33によって検出された摺動操作の方向が第2方向H2である場合には学習動画M2の再生位置を第2時間戻す。例えば、第1時間はX秒であり、第2時間はY秒であり、Xの値は10、Yの値は10である。但し、X及びYの値は適宜変更可能である。
次に、第3実施形態に係る再生制御方法について図11(b)を参照しながら説明する。図11(b)は、動画再生制御システム41を用いて学習動画M2の再生制御を行う方法の例を示すフローチャートである。まず、第2実施形態と同様に、接触操作検出部22が接触操作を検出すると共に摺動操作方向検出部33が摺動方向を検出する(ステップS31)。そして、表示制御部45は摺動操作方向検出部33が検出した方向が右方向であるか否かを判定する(ステップS32)。
表示制御部45は、当該方向が右方向であると判定した場合には、学習動画M2の再生位置をX秒後にスキップし(ステップS33)、一連の工程を終了する。ステップS32において、当該方向が右でないと判定したときには、ステップS34に移行し、表示制御部45は、当該方向が左方向であるか否かを判定する。表示制御部45は、当該方向が左方向であると判定した場合には、学習動画M2の再生位置をY秒前にスキップし(ステップS35)、一連の工程を終了する。
以上、第3実施形態に係る動画再生制御システムでは、摺動操作の方向を摺動操作方向検出部33が検出し、表示制御部45は、当該方向が第1方向H1である場合に学習動画M2の再生位置を第1時間(例えばX秒)進め、当該方向が第2方向H2である場合に学習動画M2の再生位置を第2時間(例えばY秒)戻す。このように、摺動操作の方向が第1方向H1であるときに第1時間進めると共に、摺動操作の方向が第2方向H2であるときに第2時間戻すことができるので、育成対象者は、第1方向H1又は第2方向H2に摺動操作を行うだけで再生位置を簡単にスキップすることができる。
従って、育成対象者は、学習動画M2のシーンが自分にとって有用でないと思う場合には指F等で第1方向H1に摺動操作を行うことによって再生位置を第1時間後にスキップすることができる。また、育成対象者は、自分にとって有用なシーンが表示されて且つ再度このシーンを見たいと思う場合には第2方向H2に摺動操作を行うことによって再生位置を第2時間前にスキップすることにより、見たいシーンを何度も見ることができる。その結果、自分にとって有用でないシーンを飛ばしつつ有用なシーンを何回も見ることができるので、学習を効率よく行うことができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る動画再生制御システムについて図12〜図14を参照しながら説明する。第4実施形態に係る動画再生制御システムは、キャプション音声読み上げ機能及びコントローラ画面制御機能を備える点が前述した各実施形態とは異なっている。第4実施形態に係る動画再生制御システムは、キャプション音声読み上げ機能及びコントローラ画面制御機能の両方を備えるが、キャプション音声読み上げ機能及びコントローラ画面制御機能のいずれかのみを備えていてもよい。
図12は、キャプション音声読み上げ機能を備えた学習動画M3の例を示す図である。学習動画M3は、前述の各実施形態と同様、表示制御部25によって表示領域A1に表示される。例えば、表示制御部25は、表示領域A1の下部にキャプション25bを表示すると共に、キャプション音声読み上げ機能がONであるときには表示領域A1の隅部(一例として右上の部分)にアイコン25dを表示する。表示制御部25は、キャプション音声読み上げ機能がONであるときには、例えば、キャプション25bの説明文の音声を出力する。
具体的には、キャプション音声読み上げ機能がONとされたときに、表示制御部25は、学習動画M3の再生を一時停止してからキャプション25bの説明文の音声を出力し、当該音声の出力後に学習動画M3の再生を行ってもよい。キャプション25bの音声により、育成対象者は、視覚と共に聴覚で学習動画M3の内容を学習することができる。また、表示制御部25は、キャプション音声読み上げ機能がOFFであるときには、例えば、アイコン25dの表示を変更すると共に音声出力を停止する。
図13は、コントローラ画面制御機能によって表示されたコントローラ画面D37の例を示す図である。コントローラ画面D37は、例えば、指F等によって表示領域A1が押下された時間が所定の時間閾値TH(例えば0.5秒)未満であったときに表示領域A1に表示される。コントローラ画面D37は、学習動画M3の再生を操作するための画面である。表示制御部25は、例えば、半透明且つ灰色のコントローラ画面D37を表示領域A1に表示すると共に、シークバー領域A2を太く表示する。このようにシークバー領域A2を太くすることによって、シークバー領域A2を操作しやすくなるという利点がある。
一例として、コントローラ画面D37は、表示領域A1の中央に位置する一時停止ボタンD38と、一時停止ボタンD38の右側に位置するスキップボタンD39と、一時停止ボタンD38の左側に位置する逆スキップボタンD40と、キャプションオンオフボタンD41とを有する。一時停止ボタンD38が押下されると学習動画M3の再生が停止する。また、スキップボタンD39が押下されると学習動画M3の再生位置がX秒(例えば10秒)進み、逆スキップボタンD40が押下されると学習動画M3の再生位置がY秒(例えば10秒)戻る。
キャプションオンオフボタンD41が押下されると、キャプション音声読み上げ機能がONとなり、例えば、キャプションオンオフボタンD41のONの部分が点灯する。また、キャプション音声読み上げ機能がONの状態でキャプションオンオフボタンD41が押下されると、キャプション音声読み上げ機能がOFFとなり、例えば、キャプションオンオフボタンD41のOFFの部分が点灯する。このキャプションオンオフボタンD41を見ることによってキャプション音声読み上げ機能がONであるか又はOFFであるかを一目で把握することができる。
図14は、第4実施形態に係る再生制御方法の一例を示すフローチャートである。まず、前述した各実施形態と同様、接触操作検出部22が接触操作を検出する(ステップS41)。そして、接触操作検出部22は、指F等の表示領域A1への接触時間(接触操作の継続時間)が時間閾値TH以上であるか否かを判定する(ステップS42)。時間閾値THの値は、例えば、0.5秒であるが、適宜変更可能である。
ステップS42において、当該継続時間が時間閾値TH以上であると接触操作検出部22が判定した場合、再生制御機能を実行する(ステップS43)。「再生制御機能」とは、前述した第1若しくは第2実施形態の再生速度変更機能、又は第3実施形態の再生位置変更機能を示している。例えば、ステップS43では、図8のステップS11以降、図10(b)のステップS21以降、又は図11(b)のステップS31以降の工程を実行する。すなわち、第4実施形態では、表示領域A1への接触時間が長く、長押しが検出されたときに初めて第1,第2実施形態の再生速度変更機能、又は第3実施形態の再生位置変更機能を実行する。
一方、ステップS42において、当該継続時間が時間閾値TH未満であると接触操作検出部22が判定した場合、コントローラ画面制御機能を実行する(ステップS44)。このとき、表示制御部25は、表示領域A1にコントローラ画面D37を表示する。以上のステップS43又はステップS44の工程を経て一連の工程を終了する。
以上、第4実施形態に係る動画再生制御システムでは、接触操作検出部22によって検出された接触操作の継続時間が予め定められた時間閾値TH未満である場合に、表示制御部25が学習動画M3の再生を操作するためのコントローラ画面D37を表示領域A1に表示する。一方、接触操作検出部22によって検出された接触操作の継続時間が時間閾値TH以上である場合に、例えば、押圧力検出部23が接触操作の押圧力を検出する。
よって、育成対象者は、時間閾値TH未満の短い時間だけ表示領域A1を接触することによりコントローラ画面D37を表示させることができる。また、育成対象者は、時間閾値TH以上の長い時間表示領域A1を接触することにより前述したように再生速度又は再生位置を変更することができる。従って、表示領域A1を短時間押すことによってコントローラ画面D37を表示させることができると共に、表示領域A1を長押しすることによって容易に再生速度又は再生位置を変更することができる。なお、第4実施形態では、表示領域A1への接触時間が長く長押しが検出されたときに再生速度変更機能又は再生位置変更機能を実行する例について説明したが、表示領域A1への接触時間が時間閾値TH以上であるときに一律で所定の倍速(例えば2倍速)に再生速度を変更してもよい。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係る動画再生制御システムについて図15及び図16を参照しながら説明する。第5実施形態に係る動画再生制御システムのシステム構成は、図7に示される第1実施形態に係る動画再生制御システム21のシステム構成と同様である。すなわち、第5実施形態に係る動画再生制御システムは、接触操作検出部22と、押圧力検出部23と、表示制御部25とを備える。
図15に示されるように、第5実施形態に係る動画再生制御システムでは、学習動画M1を表示する表示領域A1が第1領域A11と第2領域A12とに区画されている。例えば、第1領域A11は表示領域A1の右側に位置しており、第2領域A12は表示領域A1の左側に位置している。一例として、第1領域A11は表示領域A1の右半分の領域であり、第2領域A12は表示領域A1の左半分の領域である。但し、第1表示領域及び第2表示領域の区画の仕方は適宜変更可能である。
次に、第5実施形態に係る再生制御方法について図16を参照しながら説明する。まず、接触操作検出部22は学習動画M1が表示された表示領域A1に対する接触操作を検出すると共に、押圧力検出部23が表示領域A1に対する接触操作の押圧力を検出する(ステップS51)。
続いて、表示制御部25は、接触操作検出部22によって第1領域A11への接触操作が検出されたか否かを判定する(ステップS52)。表示制御部25は、第1領域A11への接触操作が検出されたと判定した場合には、第1実施形態(図8)のステップS12〜S18と同様の工程をステップS53〜S59において実行する。表示制御部25は、第1領域A11への接触操作が検出された場合には学習動画M1の早送りを行い、第2領域A12への接触操作が検出された(第1領域A11への接触操作が検出されていない)場合には学習動画M1の逆再生を行う。「逆再生」とは、再生時刻が戻る方向に再生することを示しており、巻戻しを含んでいる。また、1倍速よりも速い速度で逆再生することを早戻しと称することもある。
具体的には、表示制御部25は、押圧力検出部23が検出した押圧力値が押圧力閾値PT1以上である場合には学習動画M1の再生速度をa倍速(例えば8倍速)に変更し、当該押圧力値が押圧力閾値PT2以上且つ押圧力閾値PT1未満である場合には再生速度をb倍速(例えば6倍速)に変更し、当該押圧力値が押圧力閾値PT3以上且つ押圧力閾値PT2未満である場合には再生速度をc倍速(例えば4倍速)に変更し、当該押圧力値が押圧力閾値PT3未満である場合には再生速度をd倍速(例えば2倍速)に変更する。
また、ステップS52において、第1領域A11への接触操作が検出されていない、すなわち第2領域A12への接触操作が検出された場合、ステップS60に移行する。ステップS60では、表示制御部25が当該押圧力値が押圧力閾値PT4以上であるか否かを判定する。なお、図16に示される押圧力閾値PT4の値は押圧力閾値PT5の値よりも大きく、押圧力閾値PT5の値は押圧力閾値PT6の値よりも大きい。表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT4以上であると判定した場合には、学習動画M1の再生速度を−a倍速(例えば−8倍速)に変更し、数値25cを「−a」に変更する(ステップS61)。「再生速度をN倍速(Nは実数)」にすることは再生速度をN倍速で早送りすることを意味するのに対し、「再生速度を−N倍速」にすることは再生速度をN倍速で逆再生(早戻し)することを意味する。
一方、表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT4以上でないと判定した場合には、ステップS62に移行して、当該押圧力値が押圧力閾値PT5以上であるか否かを判定する。表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT5以上であると判定した場合には、学習動画M1の再生速度を−b倍速(例えば−6倍速)に変更し、数値25cを「−b」に変更する(ステップS63)。一方、表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT5以上でないと判定した場合には、ステップS64に移行して、当該押圧力値が押圧力閾値PT6以上であるか否かを判定する。
表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT6以上であると判定した場合には学習動画M1の再生速度を−c倍速(例えば−4倍速)に変更し、数値25cを「−c」に変更する(ステップS65)。一方、表示制御部25は、当該押圧力値が押圧力閾値PT6以上でないと判定した場合には学習動画M1の再生速度を−d倍速(例えば−2倍速)に変更して、数値25cを「−d」に変更する(ステップS66)。以上の工程を経て一連の工程を終了する。
以上、第5実施形態に係る動画再生制御システムでは、表示領域A1が第1領域A11と第2領域A12に区画されており、表示制御部25は、第1領域A11への接触操作が検出された場合には早送りを行い、第2領域A12への接触操作が検出された場合には逆再生を行う。よって、表示制御部25は、第1領域A11への接触操作検出時に早送りすると共に、第2領域A12への接触操作検出時に逆再生するので、育成対象者は、第1領域A11又は第2領域A12を接触操作するだけで早送り又は逆再生を行うことができる。
従って、育成対象者は、学習動画M1のシーンが自分にとって有用でないと思う場合には指F等で第1領域A11に接触操作を行うことによって学習動画M1を早送りすることができる。また、育成対象者は、自分にとって有用なシーンが表示されて且つ再度このシーンを見たいと思う場合には第2領域A12への接触操作を行うことによって学習動画M1を逆再生することにより、見たいシーンを何回も見ることができる。従って、学習の効率を一層高めることができる。
また、第5実施形態に係る動画再生制御システムは、第1領域A11に対する接触操作、及び第2領域A12に対する接触操作の押圧力を検出する押圧力検出部23を備え、表示制御部25は、押圧力検出部23によって検出された第1領域A11への押圧力が予め定められた押圧力閾値以上である場合に学習動画M1の早送りの速度を第1速度(例えばa倍速)に変更し、押圧力検出部23によって検出された第1領域A11への押圧力が押圧力閾値未満である場合に学習動画M1の早送りの速度を第1速度よりも遅い第2速度(例えばb倍速)に変更する。
また、表示制御部25は、押圧力検出部23によって検出された第2領域A12への押圧力が押圧力閾値以上である場合に学習動画M1の逆再生の速度を第3速度(例えば−a倍速)に変更し、押圧力検出部23によって検出された第2領域A12への押圧力が押圧力閾値未満である場合に学習動画M1の逆再生の速度を第3速度よりも遅い第4速度(例えば−b倍速)に変更する。
すなわち、表示制御部25は、押圧力が押圧力閾値以上である場合には早送り又は逆再生の速度を速めると共に、押圧力が押圧力閾値未満である場合には早送り又は逆再生の速度を遅くする。従って、育成対象者は、第1領域A11又は第2領域A12に対する指F等の接触圧力を変えるだけで早送り又は逆再生の速度を変更することができる。その結果、押圧力を変えることによって早送り及び逆再生の一層細やかな調整を行うことができるので、育成対象者は、学習動画M1の有用でないシーンを飛ばしつつ有用なシーンを重点的且つ効率的に見ることができる。よって、学習効率を一層高めることができる。
なお、第5実施形態では、再生速度をa倍速、b倍速、c倍速、d倍速、−a倍速、−b倍速、−c倍速又は−d倍速に変更する例について説明したが、変更する速度の種類は上記8種類に限られず、8種類未満又は9種類以上であってもよい。また、上記a、b、c及びdの数値は適宜変更可能である。更に、第5実施形態では、早送りのときにa倍速とし、逆再生のときに−a倍速とする例について説明したが、早送りのときのaの値と逆再生のときのaの値とは互いに異なっていてもよい。b、c及びdについても同様である。このように早送り及び逆再生の倍速の数値は適宜変更可能である。また、第5実施形態では、押圧力検出部23を省略してもよい。すなわち、表示制御部25は、第1領域A11又は第2領域A12に対する指F等の接触圧力に依らずに、第1領域A11の接触操作による早送り、又は第2領域A12の接触操作による逆再生を行ってもよい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る動画再生制御システムについて図17を参照しながら説明する。第6実施形態に係る動画再生制御システムは、学習動画M1のインタフェースが第5実施形態と異なる。第5実施形態では、表示領域A1が第1領域A11と第2領域A12とに区画されており、第1領域A11が押下されると早送りを行い、第2領域A12が押下されると逆再生を行った。これに対し、第6実施形態では、表示制御部25が、第1領域A11に早送りボタンD42を表示すると共に、第2領域A12に逆再生ボタンD43を表示する。第6実施形態では、第1領域A11の早送りボタンD42が押下されると早送りを行い、第2領域A12の逆再生ボタンD43が押下されると逆再生(巻戻し)を行う。
一例として、早送りボタンD42及び逆再生ボタンD43は、表示領域A1の各辺から内側に円弧状に突出する半円状とされており、早送りボタンD42及び逆再生ボタンD43の大きさは指Fよりも若干大きい程度とされている。また、早送りボタンD42は表示領域A1の右端に表示され、逆再生ボタンD43は表示領域A1の左端に表示されてもよい。この場合、育成対象者は、早送りボタンD42が早送りを行うためのボタンであって逆再生ボタンD43が逆再生を行うためのボタンであることを直感的に把握できる。しかしながら、早送りボタン及び逆再生ボタンの配置は、上記の例に限定されず適宜変更可能である。
以上、第6実施形態では、第1領域A11の早送りボタンD42を押下することによって早送りを行うと共に、第2領域A12の逆再生ボタンD43を押下することによって逆再生を行う。従って、第5実施形態と同様の効果が得られる。また、第6実施形態では、早送りボタンD42又は逆再生ボタンD43が押下されて初めて早送り又は逆再生を行うので、誤って指F等が表示領域A1に接触したときに意図せず早送り又は逆再生が行われる可能性を低減させることができる。更に、早送りボタンD42及び逆再生ボタンD43のそれぞれに右手の指Fと左手の指Fを近づけて学習動画M1の早送り及び逆再生を操作できるので、早送り及び逆再生の操作を一層容易に行うことができる。また、第6実施形態では、早送りボタンD42又は逆再生ボタンD43に対する接触圧力に依らずに、早送りボタンD42への接触操作による早送り、又は逆再生ボタンD43の接触操作による逆再生を行ってもよい。
(第7実施形態)
続いて、第7実施形態に係る動画再生制御システムについて図18を参照しながら説明する。第7実施形態に係る動画再生制御システムは、チャプター機能を備える点が前述した各実施形態と異なっている。第7実施形態に係る動画再生制御システムは、少なくとも、接触操作検出部22及び表示制御部45を備える。
図18(a)及び図18(b)に示されるように、表示制御部45は前述と同様のコントローラ画面D37を表示する。接触操作検出部22がコントローラ画面D37への指F等の接触操作を検出すると、表示制御部45は複数のチャプターD44を有するチャプター画面D45を表示領域A1の一部に表示する。複数のチャプターD44のそれぞれは、例えば、直前画像との差分画像を用いた検出によって、学習動画M1の中で変化の多いシーンが自動的に切り出されることによって自動抽出されてもよい。
図18(a)及び図18(b)の例では、コントローラ画面D37の上側に指Fが接触して指Fが下方に移動する操作を接触操作検出部22が検出したときに、表示制御部45が上からチャプター画面D45が下に現れるようにチャプター画面D45を表示する。また、チャプター画面D45では、指F等を左右方向に動かすことによって左右方向に移動する複数のチャプターD44を選択可能となっている。指F等を左右方向に動かすことによってチャプターD44を左右方向に移動させる場合、チャプターD44の選択操作を直感的に行うことができる。なお、表示制御部45は例えばチャプター画面D45を表示領域A1の下方に表示してもよく、チャプター画面D45の表示位置及び表示態様は適宜変更可能である。
以上、第7実施形態に係る動画再生制御システムでは、表示制御部45は、表示領域A1への接触操作に伴って学習動画M1のチャプターD44を選択可能とするチャプター画面D45を表示する。よって、表示制御部45が学習動画M1のチャプター画面D45を表示することにより、育成対象者は、チャプターD44を選択して、見たいシーンに再生位置を容易に変更することができる。従って、育成対象者は、見たいシーンを更に重点的に見ることができるので、学習効率を更に高めることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る動画再生制御システムについて図19(a)及び図19(b)を参照しながら説明する。第8実施形態に係る動画再生制御システムは、ブックマーク保存機能を備える点が前述した各実施形態と異なっている。第8実施形態に係る動画再生制御システムは、少なくとも、接触操作検出部22及び表示制御部45を備える。
表示制御部45は、前述と同様にコントローラ画面D46を表示する。コントローラ画面D46は、ブックマーク保存ボタンD47を有する点において前述したコントローラ画面D37と異なっている。表示制御部45は、例えば、表示領域A1の右上であって且つキャプションオンオフボタンD41の隣接位置にブックマーク保存ボタンD47を表示する。
ブックマーク保存ボタンD47に指F等が接触すると、接触操作検出部22が指F等の接触操作を検出し、ブックマーク保存機能が学習動画M1の再生位置(再生時刻)を記録する。ブックマーク保存機能は、表示制御部45が学習動画M1の再生を継続しているときに再生位置を記録してもよいし、表示制御部45が学習動画M1の再生を停止した状態で学習動画M1の再生位置を記録してもよい。
記録された学習動画M1の再生位置は、ログとして蓄積されてもよい。また、学習動画M1の再生時に、表示制御部45は、ブックマーク再生ボタンD48を、例えば表示領域A1の右上に表示してもよい。ブックマーク再生ボタンD48に指F等が接触すると、ブックマークとして記録された学習動画M1の再生位置に移動し、当該再生位置から再生が始まる。
以上、第8実施形態に係る動画再生制御システムにおいて、コントローラ画面D46には、学習動画M1の再生している時点における再生位置を記憶するブックマーク保存ボタンD47が表示され、ブックマーク保存ボタンD47への押下に伴って再生位置が記憶される。従って、育成対象者は、表示領域A1を短い時間だけ接触操作してコントローラ画面D46を表示させてブックマーク保存ボタンD47を押すことにより、所望の再生位置を容易に記憶させることができる。よって、育成対象者は、自分にとって有用なシーンをブックマーク保存ボタンD47を押して容易に記憶させておくことができる。その結果、学習動画M1のうち見たいシーンを記憶させることができるので、育成対象者は更に効率的な学習を行うことができる。
また、第7実施形態のチャプター機能と第8実施形態のブックマーク保存機能とを連携させてもよい。具体的には、ブックマーク保存ボタンD47の押下に伴って蓄積された再生位置(再生時刻)のログを基にチャプターD44を自動抽出してもよい。この場合、ブックマークされたシーンをチャプターD44として表示するので、有用だと思われたシーンを自動的にチャプターD44として表示することができる。従って、育成対象者は、有用だと思ったシーンに更に速くたどり着くことができる。
また、育成対象者を含む複数の利用者のブックマーク保存ボタンD47の押下に伴って再生位置のログを蓄積し、複数の利用者のログを基にチャプターD44を自動抽出してもよい。この場合、複数の利用者のログからブックマークされた頻度が高いシーンを自動的に抽出し、ブックマークされた頻度が高いシーンをチャプターD44として表示することができる。従って、多くの利用者がブックマークしたシーンをチャプターD44として自動的に表示することができる。その結果、育成対象者は、自分自身がブックマークをしていなくても多くの利用者がブックマークしたシーンが抽出されたチャプターD44を選択できるので、多くの利用者が見たいと思ったシーンに直ぐにたどり着くことができる。従って、育成対象者は、多くの利用者のログから動画のポイント部分に迅速にたどり着けるので、学習を更に効率よく行うことができる。
(第9実施形態)
続いて、第9実施形態に係るシステム、端末及びプログラムについて説明する。図20及び図21に示されるように、第9実施形態に係るシステム51及びプログラム80は、例えば、育成対象者K1を育成する動画トレーニングシステムを構成し、前述した人材育成システム1のサブシステムであってもよいし、人材育成システム1から独立した他のシステムであってもよい。以下では、システム51が人材育成システム1のサブシステムである例について説明する。なお、システム51は、人材育成システム1の動画学習機能、テスト機能、評価機能及びコミュニケーション機能の少なくともいずれかによって起動されるサブシステムであってもよい。
システム51では、育成対象者K1によって撮影された評価対象動画M4(動画、図23参照)が送信され、評価対象動画M4を育成者K2が評価して育成対象者K1に評価動画M5(評価付き動画、図24参照)を送信してフィードバックすることにより、育成対象者K1の育成を促す。本明細書において、「評価対象動画」は、育成対象者の評価の対象となる動画であって、育成者に見てもらって評価してもらう対象の動画を示している。「評価動画」は、育成者によって評価が入力された評価付き動画を示しており、育成者から育成対象者に送信される。
本実施形態に係るシステム51は、育成対象者K1の端末T1、育成者K2の端末T2、及びサーバEを備える。サーバEは、動画受信部52と、動画記憶部53と、動画送信部54と、評価受信部55と、評価付加部56とを備える。一方、育成者K2の端末T2は、動画受信部61と、動画再生部62と、評価受付部63と、評価送信部64とを備える。プログラム80は、動画受信部52、動画記憶部53、動画送信部54、評価受信部55及び評価付加部56を備える。
動画受信部52は育成対象者K1の端末T1から評価対象動画M4を受信する機能を有し、例えば、動画記憶部53は評価対象動画M4及び評価動画M5を記憶する機能を有する。また、動画受信部52及び動画記憶部53の少なくともいずれかは、評価対象動画M4を受信したときに、評価対象動画M4を受信した旨を端末T2にメール等で通知してもよい。
動画記憶部53は、動画受信部52が受信した育成対象者K1ごとの評価対象動画M4、及び動画送信部54が送信した育成者K2ごとの評価動画M5を蓄積してもよい。動画記憶部53が記憶した評価対象動画M4及び評価動画M5は分析されて、育成対象者K1が受けた評価の傾向、及び育成者K2が実施した評価の傾向が自動的に分析されてもよい。この場合、どの育成対象者K1が優秀であるかが分かると共に、どの育成者K2が適正な評価を行えているかを把握することができる。
動画送信部54は端末T2に評価対象動画M4を送信する機能を有し、評価受信部55は端末T2から育成者K2の評価を受信する機能を有する。また、動画送信部54は、評価動画M5を端末T1に送信する機能を有する。動画送信部54は、評価動画M5を端末T1に送信したときに、端末T2に評価動画M5を送信した旨をメール等によって通知してもよい。評価付加部56は評価受信部55が受信した評価を評価対象動画M4に付加して評価動画M5を生成する。
一方、端末T2の動画受信部61はサーバEから評価対象動画M4を受信する機能を有し、動画再生部62は評価対象動画M4を再生する機能を有する。評価受付部63は評価対象動画M4に対する育成者K2の評価を受け付ける機能を有し、評価送信部64は育成者K2の評価をサーバEに送信する機能を有する。評価受付部63は、コメント受付部63aとマーカー受付部63bとを含む。
コメント受付部63aは育成者K2の評価対象動画M4に対するコメントを受け付けて、マーカー受付部63bは育成者K2によるマーカー情報であるマーカーR(図23参照)を受け付ける。「マーカー情報」は、動画の強調表示された特定の位置を示す情報であり、動画のどの部分に対してフィードバックしたいかを視覚的に伝えるための情報である。「マーカー情報」は、例えば、評価対象動画M4上の育成者K2が気になった部分を強調表示するマーカーRである。
マーカーRの形状は、一例として、円形状であるが、三角形状若しくは四角形状等の多角形状、長円形状、又は〇×等の線状であってもよい。更に、マーカーRは、キャラクタ等を含むスタンプであってもよいし、育成者K2を含む利用者がカスタマイズ可能なスタンプであってもよい。また、コメント受付部63aが受け付けたコメントと、マーカー受付部63bが受け付けたマーカーRは、サーバEに送信され、評価付加部56によって評価対象動画M4に合成されて評価動画M5が生成される。
次に、第9実施形態に係る方法(人材育成方法)について図21〜図24を参照しながら説明する。図21は、育成対象者K1と育成者K2とのやりとりの例を示すシーケンス図である。第9実施形態に係る方法は、例えば、このシーケンスの中で実行される。以下では、評価対象動画M4及び評価動画M5のやりとりを通じて飲食店の育成者K2が育成対象者K1を育成する方法の例について説明する。
図21に示されるように、まず、育成者K2が育成対象者K1に評価対象動画M4の撮影及び送信を依頼する(ステップS71)。具体的には、育成者K2が育成対象者K1の評価について気になったとき、又は育成者K2が育成対象者K1のパフォーマンスを確認したいときに育成者K2が育成対象者K1に評価対象動画M4の撮影を依頼する。
育成対象者K1は、育成者K2から依頼を受けた後、評価対象動画M4の撮影を行う(ステップS72)。なお、育成対象者K1は育成者K2から依頼を受ける前に自発的に評価対象動画M4の撮影を行ってもよく、この場合ステップS71は省略される。ステップS72において、育成対象者K1は、自分が仕事をしているシーン、又は自分がトレーニングをした結果を評価対象動画M4として他の者に撮影してもらってもよいし、自分で撮影してもよい。
図21及び図22に示されるように、評価対象動画M4の撮影は、例えば、携帯電話等である端末T1の動画撮影機能を用いて容易に行うことが可能である。育成対象者K1は撮影した評価対象動画M4をサーバEに送信する。サーバEに送信された評価対象動画M4は動画受信部52が受信して、動画受信部52が評価対象動画M4を受信した旨の通知を育成者K2の端末T2に通知する。
上記の通知によって、育成者K2は評価対象動画M4を閲覧可能な状態となり、評価対象動画M4が育成対象者K1から育成者K2に送信される(ステップS73)。育成者K2は、受信した評価対象動画M4を再生して、評価対象動画M4の評価を開始する(ステップS74)。
図23(a)及び図23(b)に示されるように、評価対象動画M4が再生されて育成者K2が気になるシーンを発見すると育成者K2は評価対象動画M4の再生を一時停止して(ステップS75)、評価を入力する(ステップS76)。評価の入力は、例えば、コメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRによって行われる。コメントU1は育成者K2のコメントであり、〇×ボタンU2は育成者K2によって判断される良否を示すボタンである。
具体例として、育成者K2は、評価対象動画M4の19秒目で表示された育成対象者K1の提案が良いと思ったので、「おすすめメニューを提案した点がよい」というコメントU1を入力して〇×ボタンU2の「〇」ボタンを押下する。そして、育成者K2は、登録ボタンU3を押下することによって評価を評価受付部63(コメント登録部53a)に登録して再生を続ける(ステップS77)。
一例として、育成者K2は、評価対象動画M4の30秒目で表示された育成対象者K1の最後に注文内容を確認しなかった点がよくないと思ったので、「注文内容を必ず最後に確認すること」というコメントU1を入力して〇×ボタンU2の「×」ボタンを押下する。そして、育成者K2は、評価対象動画M4の育成対象者K1の手の位置が気になったので、育成対象者K1の手の位置にマーカーRを入力する。このとき、例えば「手の位置をもう少し上に上げた方がいい」等のコメントU1を追加してもよい。
以上のように、育成者K2は、再生された評価対象動画M4を停止する度にコメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRを登録して評価対象動画M4の評価を行う。なお、評価対象動画M4の評価の入出力を行うためのインタフェースは、コメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRに限られず、適宜変更可能である。例えば、予め定められた評価項目ごとに合否を入力するラジオボタン又はチェックボックスであってもよいし、点数を数値として入力するプルダウンメニュー等であってもよい。
前述したように、育成者K2は、評価対象動画M4を再生してコメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRの入力を完了させた後には、評価送信部64がコメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRの結果を含む評価をサーバEに送信して、評価受信部55が当該評価を受信する。そして、評価付加部56が評価対象動画M4にコメントU1、〇×ボタンU2及びマーカーRの結果を含む育成者K2による評価動画M5を作成し(ステップS78)、動画送信部54が評価動画M5を端末T1に送信する(ステップS79)。
図24(a)及び図24(b)に示されるように、育成対象者K1は、評価動画M5を再生して育成者K2の評価を確認する(ステップS80)。図24(a)はコメントU1が評価動画M5の外部に表示されている例を示しており、図24(b)はコメントU1がマーカーRからの吹き出しとされている例を示している。このように、評価動画M5のレイアウトは適宜変更可能である。
また、育成対象者K1は、自分が仕事をしているシーン、又は自分がトレーニングした結果を育成者K2に評価してもらうことによって自分の良かったところと改善すべき点を把握することができる。このように、育成対象者K1と育成者K2との間でインタラクティブなやり取りを行うことによって育成対象者K1は自分の能力を確実に高めることができる。評価動画M5を見た育成対象者K1は、育成者K2に評価動画M5を見た旨の返信を行ってもよい(ステップS81)。これにより、育成者K2は、育成対象者K1が評価動画M5を見た旨を把握することができる。なお、このステップS81は省略することも可能である。
続いて、第9実施形態に係るシステム51及びプログラム80から得られる作用効果について詳細に説明する。システム51及びプログラム80では、端末T1から動画受信部52が評価対象動画M4を受信する。評価受付部63は、任意の再生タイミングにおいて、評価対象動画M4に対する育成者K2からの評価を受け付ける。従って、育成者K2は、気になるシーンがある度に評価対象動画M4の再生を停止して評価を登録することができる。よって、育成者K2は、気になるシーンごとに評価を登録することにより、評価対象動画M4の全体を再生させる前に逐一評価を行うことができるので、評価の煩わしさを改善すると共にシーンごとに適切な評価を行うことができる。
また、動画送信部54は、育成者K2が気になるシーンごとに登録された複数の評価を含む評価動画M5を育成対象者K1に送信する。その結果、育成対象者K1は、育成者K2が気になった複数のシーンのそれぞれにおいて具体的な評価を受けることができるので、どのシーンが良かったか、及びどのシーンでどのような問題があったかを具体的に把握することができる。従って、育成対象者K1は、適切且つ具体的な評価を受けることができるので、能力を効率よく向上させることができる。
また、評価受付部63は、停止される度に育成者K2からのコメントU1を受け付けるコメント受付部63aを有し、動画送信部54は、コメントU1を含むと共に再生可能とされた評価動画M5を端末T1に送信する。よって、育成者K2は、気になるシーンごとにコメントU1を登録することができるので、気になるシーンごとに一層具体的な評価を登録することができる。また、動画送信部54は、育成者K2が気になるシーンごとに登録された複数のコメントU1を含む評価動画M5を育成対象者K1に送信することができる。よって、育成対象者K1は、育成者K2が気になる複数のシーンのそれぞれにおいてコメントU1を見ることができるので、どのシーンが良かったか、及びどのシーンでどのような問題があったかをより具体的に把握できる。従って、育成対象者K1は、より適切且つ具体的な評価を受けることができるので、能力を更に効率よく向上させることができる。
また、評価受付部63は、停止される度に評価対象動画M4の特定の位置を強調表示するマーカーRを登録するマーカー受付部63bを有し、動画送信部54は、停止される度にマーカー受付部63bに登録されたマーカーRを含む評価動画M5を送信する。よって、マーカー受付部63bは、再生された評価対象動画M4が停止される度に育成者K2によるマーカーRを受け付ける。よって、育成者K2は、評価対象動画M4上の気になる部分がある度に評価対象動画M4の再生を停止し、気になる部分にマーカーRを付して評価を行うことにより、気になったシーンをマーカーRで強調しながら評価を行うことができる。
また、動画送信部54は、育成者K2が気になる評価対象動画M4の特定の部分ごとにマーカーRが付与された評価動画M5を育成対象者K1に送信するので、育成対象者K1は、育成者K2によるマーカーRが付与された特定の部分を見ながら評価を受けることができる。よって、育成対象者K1は、自分が撮影した評価対象動画M4のどの部分がよかったか、及びどの部分が問題であったかをマーカーRを見ることによって視覚的に把握することができる。従って、付与されたマーカーRによって育成対象者K1が受ける評価をより分かりやすくすることができ、育成対象者K1は自分の振る舞いがどのような評価を受けているのかを容易に把握することができる。従って、育成対象者K1の更なる能力の向上に寄与する。
次に、第10実施形態に係るシステム71について図25を参照しながら説明する。システム71は、育成者K2の端末T3の構成が第9実施形態のシステム51と異なっている。端末T3は、前述した動画受信部61、動画再生部62及び評価受付部63の他に、評価付加部74及び動画送信部75を備える。評価付加部74は、前述した評価付加部56と同様、育成者K2が行った評価を評価対象動画M4に付加して評価動画M5を生成する。動画送信部75は、動画送信部54と同様、評価動画M5を端末T1に送信する。
第10実施形態に係る端末T3は、評価付加部74及び動画送信部75を備えることによって、サーバEのシステム51の各機能(動画受信部52、動画記憶部53、動画送信部54、評価受信部55及び評価付加部56)の少なくともいずれかを省略して、育成対象者K1の端末T1と育成者K2の端末T3との間で直接的に動画の送受信を行うことができる。従って、サーバEの負荷を軽減させることができる。
以上、本発明に係るシステム、端末及びプログラムの各実施形態について説明したが、本発明に係るシステム、端末及びプログラムは、前述した各実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、システム、端末及びプログラムの構成、並びに、前述した方法の各工程の内容及び順序は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、前述の各実施形態では、人材育成のためのシステムが、動画学習機能、テスト機能、評価機能、用語集表示機能、レジ打ち練習機能、コミュニケーション機能、キャプション音声読み上げ機能、コントローラ画面制御機能、再生制御機能、チャプター機能及びブックマーク保存機能の少なくともいずれかを有する例について説明したが、各機能の内容は適宜変更可能である。すなわち、動画学習機能、テスト機能、評価機能、用語集表示機能、レジ打ち練習機能、コミュニケーション機能、キャプション音声読み上げ機能、コントローラ画面制御機能、再生制御機能、チャプター機能及びブックマーク保存機能のいずれかのみを備えるシステム、端末又はプログラムであってもよいし、上記のうち複数の機能が組み合わされたシステム、端末又はプログラムであってもよい。
また、前述の各実施形態では、人材育成システムが動画再生制御システムを備える例について説明し、第9及び第10実施形態では、育成対象者K1と育成者K2との間で評価対象動画M4及び評価動画M5をやりとりする例について説明した。しかしながら、第9又は第10実施形態のシステム、端末及びプログラムが第1〜第8実施形態のいずれかの動画再生制御システムを備えていてもよい。すなわち、評価対象動画M4及び評価動画M5の少なくともいずれかの再生において、第1〜第8実施形態のいずれかの動画再生制御が適用されてもよい。更に、本発明に係るシステム、端末及びプログラムは、前述した第1〜第10実施形態のうち複数を組み合わせたものであってもよい。
また、前述の各実施形態では、飲食店の育成者が育成対象者を育成する例について説明したが、本発明に係るシステム、端末及びプログラムは、飲食業に限られず、例えば小売業又は製造業等、種々の産業に適用することができる。例えば、教育産業に適用されたシステム、端末及びプログラムであってもよく、この場合、育成対象者である生徒に育成者である教師が学習動画を送信するシステム、端末及びプログラムであってもよい。更に、タレント育成業に適用されたシステム、端末及びプログラムであってもよい。例えば、育成対象者が、トークをしているシーン、歌を歌っているシーン、物を作っているシーン、又は芸を行っているシーンを含む評価対象動画を育成者に送信すると共に、育成者が評価対象動画を評価して得られた評価動画を育成対象者に送信するシステム、端末及びプログラムであってもよい。